JP6216605B2 - 光学部材および光源装置 - Google Patents

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本発明は、面発光光源に付随して用いられる光学部材およびその光学部材を備えて構成された光源装置に関し、特に平行光の出射を好適に行える光学部材および光源装置に関する。
近年、照明器具、車両用前照灯、液晶プロジェクタ等に用いられる光源装置の発光体として、LED(発光ダイオード)素子が着目されている。LED素子は、フィラメントを発光体とする場合に比べて、省電力化や長寿命化等の点で優れているからである。
ところで、特に車両用前照灯または液晶プロジェクタに用いられる光源装置については、平行光の出射を必要とするものがある。ただし、単にLED素子を発光体として用いただけでは、要求を満たす程度の平行光を出射し得るとは限らない。
このことから、平行光の出射を必要とする光源装置については、発光体となるLED素子の発光面を囲うように放物面状の反射面を有した反射部材を配置し、LED素子の発光面からの非平行光を反射部材の反射面で反射して平行光に変換するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−149430号公報
しかしながら、上述した従来技術による光源装置では、以下に述べる理由により、必ずしも必要十分な平行度の出射光が得られるとは限らない。
LED素子は、面発光光源であり、原則として発光面の全域から光を出射する。これに対し、LED素子の発光面を囲う放物面状の反射面は、その放物面の焦点位置からの出射光を平行光として反射するが、他の位置からの光についてはその限りではない。そのため、面発光光源の発光面の大きさとその発光面を囲う反射面を構成する放物面の大きさとの関係によっては、必要十分な平行度の出射光が得られないおそれがある。
そこで、本発明は、面発光光源を発光体として用いた場合であっても、必要十分な平行度の出射光を得ることを実現可能にする光学部材および光源装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。
本発明の第一の態様は、面発光光源の発光面を囲うように配されて当該発光面からの光を当該発光面の光出射先側に向けて反射する光反射面を備えた光学部材であって、前記光反射面は、前記面発光光源に個別に対応するように形成されているとともに、当該面発光光源における前記発光面を細分化して得られる各領域別にそれぞれの領域内に設定された基準点のそれぞれを焦点位置とする複数の放物面鏡部を組み合わせて構成されていることを特徴とする光学部材である。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載の光学部材と、前記光学部材における前記光反射面に囲われるように発光面が配された面発光光源と、を備えることを特徴とする光源装置である。
本発明の第三の態様は、第二の態様に記載の発明において、前記発光面の一部領域を覆うことで当該発光面を複数の領域に細分化する遮蔽板を備えることを特徴とする。
本発明の第四の態様は、第三の態様に記載の発明において、前記遮蔽板は、前記発光面に対して間隔を空けて配されるとともに、前記発光面側の面が光反射面となっていることを特徴とする。
本発明の第五の態様は、第二から第四のいずれか一態様に記載の発明において、前記面発光光源の前記発光面に対向して配され、当該発光面からの光および前記光学部材における前記光反射面からの光を放射状に反射する反射部材を備えることを特徴とする。
本発明の第六の態様は、第二から第五のいずれか一態様に記載の発明において、前記光反射面を構成する前記放物面鏡部の回転中心軸が前記発光面の法線方向に対して傾いて配置されていることを特徴とする。
本発明の第七の態様は、第二から第六のいずれか一態様に記載の発明において、前記光反射面は、平面矩形状の前記発光面に対して、焦点位置が互いに異なる四つの前記放物面鏡部を組み合わせて構成されていることを特徴とする。
本発明の第八の態様は、第二から第七のいずれか一態様に記載の発明において、前記面発光光源としてのLED素子を備えることを特徴とする。
本発明によれば、面発光光源を発光体として用いた場合であっても、必要十分な平行度の出射光を得ることが可能となる。
発光光源と放物面状反射面との関係を示す模式図である。 本発明の第一実施形態における光源装置の要部構成例を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は部分平面図である。 本発明の第一実施形態における光源装置の作用の概念を示す説明図である。 本発明の第二実施形態における光源装置の要部構成例を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は部分平面図、(c)は部分拡大斜視図である。 本発明の第二実施形態における光源装置の作用の概念を示す説明図である。 本発明の第二実施形態における光源装置の効果の具体例を示す説明図である。 自動車車両の前照灯および当該前照灯に用いられるハロゲンバルブの一具体例を模式的に示す説明図であり、(a)は前照灯を示す側断面図、(b)はハロゲンバルブを示す側面図である。 自動車車両の前照灯における配光の一具体例を模式的に示す説明図である。 本発明の第三実施形態における光源装置であるLEDバルブの概略構成例を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 本発明の第三実施形態における光学部材の構成例を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 本発明の第三実施形態における補助光学部材の構成例を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 本発明の第三実施形態における反射部材の構成例を示す説明図である。 本発明の第三実施形態における光源装置であるLEDバルブの作用の概念を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
ここでは、以下のような項分けをして説明を行う。
1.本発明の概要
2.本発明の第一実施形態
3.本発明の第二実施形態
4.本発明の第三実施形態
5.変形例等
<1.本発明の概要>
先ず、本発明の概要について説明する。
本発明は、面発光光源を発光体として用いた場合であっても、必要十分な平行度の出射光を得ることを実現可能にするために案出されたものである。
本明細書において、「面発光光源」とは、光を出射する発光体として用いられるもので、平坦または凸面状の発光面から光を出射する光源のことをいう。面発光光源の代表的なものとしては、パワーLEDまたはハイパワーLEDと呼ばれるLED素子が挙げられる。
また、出射光の「平行度」とは、出射光を構成する各光線について、基準となる光線方向に対する各光線の平行の度合のことをいう。例えば、各光線の平行度については、基準方向の光度を100%とした場合に、光度が50%の光線方向の角度範囲であるビーム角によって規定することが考えられる。したがって、「必要十分な平行度」とは、出射光を構成する各光線の平行度が必要十分であることをいい、具体的には各光線の平行度が予め設定された許容範囲内にあることをいう。平行度の許容範囲は、本発明の第三実施形態で説明するような車両前照灯用途であれば例えばビーム角8°以下程度とすることが考えられるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、面発光光源からの出射光の用途に応じて適宜設定されたものであればよい。
ところで、面発光光源から平行光を得るためには、例えば特許文献1に開示されているように、面発光光源の発光面の周囲に放物面状の反射面を配置して、発光面からの非平行光を反射面で反射して平行光に変換することが提案されている。しかしながら、既に説明したように、単に発光面の周囲に放物面状の反射面を配置しただけでは、必ずしも必要十分な平行度の出射光が得られるとは限らない。
この点につき、本願発明者は、鋭意検討を行った。
図1は、面発光光源と放物面状反射面との関係を示す模式図である。
面発光光源101の発光面の周囲に放物面状反射面102を配置しても必要十分な平行度の出射光が得られない場合があるのは、例えば図1(a)に示すように、面発光光源101からは非平行光も含め発光面全域から光が出射されるのに対して、放物面状反射面102は焦点位置Fからの出射光のみを平行光として反射することになるためと考えられる。すなわち、放物面状反射面102の焦点位置F以外にも面発光光源101の発光面が存在することになるからである。
このことから、面発光光源101からの出射光の平行度を上げるためには、例えば図1(b)に示すように面発光光源101の発光面の大きさに対して放物面状反射面102を大きくするか、または例えば図1(c)に示すように放物面状反射面102の大きさに対して面発光光源101の発光面の大きさを小さくすることが考えられる。いずれの場合も、放物面状反射面102の焦点位置F以外に存在する面発光光源101の発光面の割合を減少させ得るからである。
ところが、放物面状反射面102を大きくすることは、面発光光源101を発光体として用いた光源装置全体の大型化を招いてしまう。そのため、例えば車両前照灯用途の場合のように、光源装置の設置スペースに制約があるような状況下では、適用が困難になってしまうおそれがある。つまり、光源装置の用途によっては、必ずしも適切とは言えない。
その一方で、面発光光源101の発光面を小さくすることについては、物理的な限界がある。また、発光面が小さくなることによって、その発光面から出射される光量が落ちてしまうことは好ましくない。
そこで、本願発明者は、さらに鋭意検討を重ねた。そして、本願発明者は、サイズや光量等に制約がある場合であっても、出射光の平行度を上げるために有効な策として、以下に述べるような着想を得るに至った。すなわち、本願発明者は、面発光光源101の発光面を仮想的に細分化した上で、細分化した各領域のそれぞれに焦点位置Fが存在するように、各領域に対して個別に放物面状の反射面を配置すれば、放物面状反射面102を全体的に大きくすることなく、また面発光光源101の発光面を全体的に小さくすることもなく、発光面と反射面との大小関係を疑似的に是正することができ、これにより結果として出射光の平行度を上げることが実現可能になるのではないか、という着想に至った。
本発明は、このような本願発明者が着眼した従来にはない発想、すなわち発光面を仮想的に細分化した上で各領域のそれぞれに対して個別に放物面状の反射面を設定するという、新規で独創的な発想に基づくものである。
本発明は、このような発想に基づき、以下に述べるように構成される。
例えば、本発明に係る光学部材は、面発光光源と共に用いられるもので、その面発光光源の発光面を囲うように配されて当該発光面からの光を当該発光面の光出射先側に向けて反射する光反射面を備える。そして、その光反射面は、発光面を細分化して得られる各領域別に設定された基準点のそれぞれを焦点位置とする複数の放物面鏡部を組み合わせて構成されている。
発光面を「細分化」するとは、発光面を複数領域に細かく分けることをいう。ただし、ここでいう「細分化」には、発光面を複数領域に分割する場合(複数領域を組み合わせると発光面が再現される場合)の他に、発光面から複数領域を抽出する場合(複数領域を組み合わせても発光面が再現されない場合)を含むものとする。
また、ここでいう「基準点」は、発光面を細分化して得られる各領域別に予め設定された点であれば良く、具体的には領域内の最高輝度点を基準点とするといったように当該領域内の輝度分布に基づいて設定されたものであってもよいし、あるいは領域の中心(重心)点を基準点とするといったように当該領域の形状に基づいて設定されたものであってもよい。
「放物面鏡部」は、回転放物面の一部を反射面としたものである。さらに詳しくは、回転放物面の一部によって構成された凹面鏡部分のことをいう。したがって、放物面鏡部の「焦点位置」は、当該放物面鏡部を構成する回転放物面の焦点位置と一致することになる。なお、「回転放物面」は、放物線をその対称軸の周りに回転させて得られる面である。
つまり、本発明に係る光学部材における光反射面は、複数の放物面鏡部を組み合わせて構成されており、それぞれの放物面鏡部における焦点位置が面発光光源の発光面を細分化して得られた各領域別の基準点に一致している。
また、例えば、本発明に係る光源装置は、上述した本発明に係る光学部材に加えて、LED素子等の面発光光源を備えて構成されたものである。
ここで、「光源装置」とは、光を出射することで光源として機能し、当該光源を必要とする機器に装着されて使用される装置のことをいう。その一例としては、四輪車や二輪車等の自動車車両、鉄道車両、航空機、船舶、その他の輸送機械における前照灯にて使用されるもの(具体的には、当該前照灯に装着されるハロゲンバルブの代替品に相当するもの)が挙げられる。また、他の例としては、家庭用の照明器具にて使用されるもの(具体的には、当該照明器具に装着される白熱電球の代替品に相当するもの)が挙げられる。ただし、ここで挙げた例に限定されることはなく、例えば照明装置や露光装置等にて使用されるものであっても、光を出射することで光源として機能するものであれば、本明細書でいう「光源装置」に該当し得る。
このような特徴的な構成、すなわち面発光光源の発光面の細分化と、その細分化後の各領域のそれぞれに対応した個別の放物面鏡部の配置とによって、本発明に係る光学部材および光源装置は、発光面の細分化前の状態に比べると、放物面鏡部の大きさに対して発光面の大きさ(具体的には各領域の大きさ)が小さくなったのと同様の状態が得られる。したがって、本発明によれば、放物面鏡部と各領域の大小関係の是正を通じて、当該放物面鏡部の焦点位置以外に存在する発光面の割合を減少させ得るようになり、結果として面発光光源の発光面から出射される光および当該発光面から出射され光学部材の光反射面で反射される光の平行度を上げることが実現可能になる。つまり、本発明によれば、面発光光源を発光体として用いた場合であっても、必要十分な平行度の出射光を得ることが可能となる。
しかも、本発明では、面発光光源の発光面を細分化しても、その発光面を全体的に小さくしているわけではないので、出射される光量が落ちてしまうのを抑制することができる。さらに、本発明では、面発光光源の発光面の側を細分化しているので、複数の放物面鏡部を組み合わせて構成された光反射面の側を全体的に大きくする必要もない。つまり、本発明は、サイズや光量等に制約がある場合に用いて非常に好適であり、その場合であっても出射光の平行度を上げるための有効な策となる。
<2.本発明の第一実施形態>
次に、本発明の実施形態について具体的に説明する。
先ず、本発明の第一実施形態を説明する。
(第一実施形態の構成例)
図2は、本発明の第一実施形態における光源装置の要部構成例を示す説明図である。
図例のように、第一実施形態で例に挙げる光源装置は、面発光光源10と、光反射面21を有する光学部材20と、を備えて構成されている。
面発光光源10は、平面視矩形状の発光面11を有したLED素子からなり、その発光面11の略全域からランバーシアン配光に近い光束を出射する。
光学部材20は、面発光光源10の発光面11からの出射光の平行光成分を高めるべく、その発光面11を囲うように配される光反射面21を有している。光反射面21を有していれば、光学部材20は、他の部分が特に限定されることはなく、どのように構成されていても構わない。例えば、光学部材20は、板状金属材によって形成することが考えられる。その場合に、光反射面21は、板状金属材に設けられた貫通孔の内壁面を鏡面状にすることによって形成すればよい。
光学部材20における光反射面21は、面発光光源10の発光面11を囲うように配されて、当該発光面11からの光を当該発光面11の光出射先側に向けて反射するものである。ただし、第一実施形態で説明する光反射面21は、以下に述べるような特徴的な構成を有している。
第一実施形態において、光源装置の面発光光源10は、図2(b)に示すように、その発光面11が仮想的に四つの領域11a,11b,11c,11dに細分化されている。そして、各領域11a,11b,11c,11dには、それぞれに仮想的な基準点12a,12b,12c,12dが設定されている。
基準点12a,12b,12c,12dは、例えば各領域11a,11b,11c,11d内の最高輝度点に設定するといったように、当各該領域11a,11b,11c,11d内の輝度分布に基づいて設定することが考えられる。ただし、必ずしもこれに限定されることはなく、例えば各領域11a,11b,11c,11dの中心(重心)点を基準点12a,12b,12c,12dとするといったように、当該各領域11a,11b,11c,11dの形状に基づいて設定されたものであってもよい。
このような面発光光源10の発光面11に対して、光学部材20における光反射面21は、図2(b)に示すように、各領域11a,11b,11c,11dに個別に対応する四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dを組み合わせて構成されている。
各放物面鏡部21a,21b,21c,21dは、いずれも回転放物面の一部を反射面とする凹面鏡部分であり、発光面11からの非平行光を平行光に変換すべく、発光面11からの光を当該発光面11の光出射先側に向けて反射するものである。ただし、各放物面鏡部21a,21b,21c,21dは、それぞれが対応する領域11a,11b,11c,11dの基準点12a,12b,12c,12dを焦点位置とするように形成されている。つまり、各放物面鏡部21a,21b,21c,21dは、それぞれの焦点位置が異なっている。
このように、光反射面21は、単一の回転放物面ではなく、焦点位置を互いに異にする放物面状凹面鏡部分である四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dを組み合わせて構成されているのである。各放物面鏡部21a,21b,21c,21dにおける焦点位置は、発光面11を細分化した各領域11a,11b,11c,11dにおける基準点12a,12b,12c,12dに一致するので、それぞれが同一平面上の異なる位置に並ぶ。したがって、光反射面21は、平面視断面形状が円形状ではなく四つの花弁を有した花冠状に形成されることになる。
なお、各放物面鏡部21a,21b,21c,21dを構成する回転放物面の係数については、特に限定されるものではなく、単一の回転放物面で構成する場合と同様に、面発光光源10の発光面11の全体の大きさや光源装置の配置スペースの大きさ等を考慮しつつ、適宜決定すればよい。
(第一実施形態の作用)
以上のように構成された光学部材20および当該光学部材20を備える光源装置によれば、以下に述べるような作用を奏する。
図3は、本発明の第一実施形態における光源装置の作用の概念を示す説明図である。
図例のように、第一実施形態で例に挙げる光源装置においては、面発光光源10が発光面11からランバーシアン配光に近い光束を出射すると、その出射光の一部を光学部材20における光反射面21が光出射先側に向けて反射することで、発光面11からの非平行光を平行光に変換する。
このとき、面発光光源10が発光面11は、その略全域から光を出射するが、仮想的に四つの領域11a,11b,11c,11dに細分化されている。そして、光学部材20における光反射面21は、各領域11a,11b,11c,11dに個別に対応する四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dを組み合わせて構成されている。したがって、光学部材20の光反射面21で面発光光源10の発光面11からの光が反射されるにあたって、例えば、ある領域11aから出射された光は、主として、その領域11aに対応する放物面鏡部21a(すなわち、当該領域11aの基準点12aを焦点位置とする放物面鏡部21a)によって反射されることになる。
つまり、光学部材20の光反射面21を構成する各放物面鏡部21a,21b,21c,21dは、主として、それぞれに対応する領域11a,11b,11c,11dから出射された光を反射すればよいことになる。そのため、光学部材20の光反射面21は、面発光光源10の発光面11を細分化する前の状態に比べると、各放物面鏡部21a,21b,21c,21dを構成する回転放物面の大きさに対して発光面11の大きさ(具体的には各領域11a,11b,11c,11dの大きさ)が小さくなったのと同様の状態が得られる。したがって、第一実施形態における光学部材20および光源装置によれば、各放物面鏡部21a,21b,21c,21dと各領域11a,11b,11c,11dの大小関係の是正を通じて、当該放物面鏡部21a,21b,21c,21dの焦点位置F以外に存在する発光面11の割合を減少させ得るようになる。
(第一実施形態の効果)
以上のような作用を奏する第一実施形態の光学部材20および光源装置によれば、以下に述べるような効果が得られる。
第一実施形態の光学部材20および光源装置では、面発光光源10の発光面11の細分化と、その細分化後の各領域11a,11b,11c,11dのそれぞれに対応した個別の放物面鏡部21a,21b,21c,21dの配置とによって、当該放物面鏡部21a,21b,21c,21dの焦点位置F以外に存在する発光面11の割合を減少させ得るので、その結果として面発光光源10の発光面11から出射される光および当該発光面11から出射され光学部材20の光反射面21で反射される光の平行度を上げることが実現可能になる。つまり、第一実施形態の光学部材20および光源装置によれば、面発光光源10を発光体として用いた場合であっても、必要十分な平行度の出射光を得ることが可能となる。
しかも、第一実施形態の光学部材20および光源装置では、面発光光源10の発光面11を細分化しても、その発光面11を全体的に小さくしているわけではないので、出射される光量が落ちてしまうのを抑制することができる。さらに、第一実施形態の光学部材20および光源装置では、面発光光源10の発光面11の側を細分化しているので、四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dを組み合わせて構成された光反射面21側を全体的に大きくする必要もない。つまり、第一実施形態の光学部材20および光源装置は、サイズや光量等に制約がある場合に用いて非常に好適であり、その場合であっても出射光の平行度を上げるための有効な策となる。
また、第一実施形態の光学部材20および光源装置においては、面発光光源10の発光面11に対して、その発光面11を四つの領域11a,11b,11c,11dに細分化している。そして、光学部材20における光反射面21は、焦点位置が互いに異なる四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dを組み合わせて構成されている。したがって、第一実施形態の光学部材20および光源装置は、発光面11が平面視矩形状である面発光光源10を用いて光を出射する場合に適用して非常に好適なものとなる。平面視矩形状の発光面11については、四分割化することが最も効率的な細分化を実現でき、また四分割化が出射光の平行度を最も有効に上げられると考えられるからである。
<3.本発明の第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態を説明する。ただし、ここでは、主として上述した第一実施形態との相違点について説明し、第一実施形態と同一内容については説明を省略する。
(第二実施形態の構成例)
図4は、本発明の第二実施形態における光源装置の要部構成例を示す説明図である。
図例のように、第二実施形態で例に挙げる光源装置は、第一実施形態で説明した面発光光源10および光学部材20に加えて、遮蔽板30を備えて構成されている。
遮蔽板30は、面発光光源10の発光面11の一部領域を覆うように形成されたものである。さらに詳しくは、遮蔽板30は、図4(b)に示すように、平面視が帯状の二つの部材が十字形に交差してなるもので、その十字形交差部分が発光面11の略中心部に位置するように配されて用いられる。これにより、遮蔽板30は、発光面11の略中心部を含む一部領域を十字形に覆うとともに、覆っていない発光面11の露出部分を四つの領域11a,11b,11c,11dに細分化するようになっている。つまり、面発光光源10の発光面11は、その一部領域が遮蔽板30に覆われることで、その全領域から各領域11a,11b,11c,11dが抽出され、これにより細分化がされるのである。
なお、各領域11a,11b,11c,11dのそれぞれに基準点12a,12b,12c,12dが設定されている点、および、光学部材20の光反射面21が各領域11a,11b,11c,11dに個別に対応する四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dを組み合わせて構成されている点については、上述した第一実施形態の場合と全く同様である。
遮蔽板30を構成する帯状部材の幅等については、面発光光源10の発光面11のサイズや輝度分布、細分化後の各領域11a,11b,11c,11dの大きさ等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。
また、遮蔽板30は、発光面11の一部領域を覆うのにあたり、図4(c)に示すように、発光面11に対して間隔Sを空けて配されている。間隔Sの大きさは、特に限定されるものではないが、例えば光が洩れるのに十分な大きさである0.1〜0.3mm程度とすることが考えられる。
さらに、遮蔽板30における発光面11側の面は、例えば鏡面仕上げまたはメッキ仕上げ等が施されて、光を反射する光反射面となっている。
(第二実施形態の作用)
以上のように構成された光源装置によれば、以下に述べるような作用を奏する。
図5は、本発明の第二実施形態における光源装置の作用の概念を示す説明図である。
図例のように、第二実施形態で例に挙げる光源装置においても、第一実施形態の場合と全く同様に、面発光光源10における発光面11の各領域11a,11b,11c,11dから光を出射すると、その出射光の一部を各領域11a,11b,11c,11dに対応する四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dが光出射先側に向けて反射することで、発光面11からの非平行光を平行光に変換するので、各放物面鏡部21a,21b,21c,21dと各領域11a,11b,11c,11dの大小関係の是正を通じて、当該放物面鏡部21a,21b,21c,21dの焦点位置F以外に存在する発光面11の割合を減少させ得るようになる。
ところで、第二実施形態で例に挙げる光源装置では、発光面11の一部領域が遮蔽板30によって覆われているため、当該一部領域から出射される光が遮蔽板30によって遮蔽され、光学部材20の光反射面21には直接到達しないことになる。遮蔽板30によって覆われる発光面11の一部領域は、細分化された各領域11a,11b,11c,11d同士の間に位置するものであり、各放物面鏡部21a,21b,21c,21dを利用して平行光を得るためには不要な光を出射する領域、すなわち迷光成分となり得る光を出射する領域である。したがって、当該一部領域から出射される光を遮蔽すると、結果として面発光光源10の発光面11から出射される光に含まれる迷光成分を排除または抑制し得るようになる。
しかも、第二実施形態で例に挙げる光源装置では、遮蔽板30が平面視十字形に形成されており、細分化された各領域11a,11b,11c,11d同士の間に位置するように配置されるので、各領域11a,11b,11c,11d間に位置する障壁としても機能する。そのため、発光面11の一部領域から出射される光を遮蔽することに加え、各領域11a,11b,11c,11dから出射される光のうち、対応しない放物面鏡部21a,21b,21c,21dへ向けて出射されることになる光成分についても、遮蔽板30による障壁機能によって遮蔽し得るようになる。つまり、この点においても、迷光成分の排除または抑制に寄与し得るようになる。
また、第二実施形態で例に挙げる光源装置では、遮蔽板30が発光面11に対して間隔Sを空けて配されるとともに、その遮蔽板30における発光面11側の面が光反射面となっている。そのため、遮蔽板30に覆われた発光面11の一部領域から出射された光は、その遮蔽板30における光反射面で反射された後、面発光光源10の発光面11と遮蔽板30における光反射面との間で反射を繰り返し、やがて遮蔽板30と発光面11との隙間から漏れ出して、発光面11の各領域11a,11b,11c,11dから出射される光と共に、発光面11の光出射先側または光学部材20の光反射面21に向けて出射されることになる。つまり、第二実施形態で例に挙げる光源装置では、遮蔽板30によって迷光成分の排除または抑制を実現しつつ、その遮蔽板30によって遮蔽される光についても光出射先側または光反射面21に向けて出射される光として有効活用することを実現可能にしている。
(第二実施形態の効果)
以上のような作用を奏する第二実施形態の光源装置によれば、第一実施形態で説明した効果に加えて、以下に述べるような効果が得られる。
第二実施形態の光源装置では、遮蔽板30が発光面11の一部領域を覆うことで、面発光光源10の発光面11から出射される光に含まれる迷光成分を排除または抑制しているので、従来構成(すなわち単一の回転放物面で光を反射する構成)と比べた場合は勿論のこと、第一実施形態の場合と比べても、より一層出射光の平行度を上げることが実現可能になる。
ここで、第二実施形態で得られる効果について、具体例を挙げて説明する。
図6は、本発明の第二実施形態における光源装置の効果の具体例を示す説明図である。
図例では、第二実施形態の構成で得られるビーム角の一具体例を示しているとともに、比較のため従来構成(すなわち単一の回転放物面で光を反射する構成)で得られるビーム角の一具体例についても併せて示している。
図例によれば、従来構成の場合、基準方向(180°方向)に対して光度が50%となる光線方向の角度が6.5°程度であり、ビーム角が6.5°×2=13°程度となるのに対し、第二実施形態の構成の場合には、基準方向に対して光度が50%となる光線方向の角度が1.5°程度であり、ビーム角が1.5°×2=3°程度である。つまり、第二実施形態の構成においては、従来構成の場合に比べて、非常に優れたビーム角(すなわち出射光の平行度)が得られることがわかる。
また、第二実施形態の光源装置では、遮蔽板30が発光面11に対して間隔Sを空けて配されるとともに、その遮蔽板30における発光面11側の面が光反射面となっているため、その遮蔽板30によって遮蔽される光についても有効活用することが実現可能となる。つまり、遮蔽板30を利用することで、より一層出射光の平行度を上げることを実現可能にする場合であっても、発光面11から出射される光量が低下してしまうことを極力抑制することができる。
<4.本発明の第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態を説明する。
第三実施形態では、本発明に係る光源装置として、四輪車や二輪車等の自動車車両における前照灯にて使用される光源装置を例に挙げる。
ただし、ここでも、主として上述した第一実施形態または第二実施形態との相違点について説明し、第一実施形態または第二実施形態と同一内容については説明を省略する。
(前照灯の構成)
ここで、先ず、自動車車両の前照灯、および、当該前照灯の光源装置として一般的に用いられるハロゲンバルブについて、簡単に説明する。
図7は、自動車車両の前照灯および当該前照灯に用いられるハロゲンバルブの一具体例を模式的に示す説明図である。
図7(a)に示すように、自動車車両の前照灯1は、少なくとも、ハロゲンバルブ2が装着されるソケット部3と、その周囲に配されてハロゲンバルブ2からの出射光を前方(前照灯1による光の照射先)へ向けて反射する凹状リフレクタ4と、その前方(光の照射先)側を覆うレンズ5と、を備えて構成されている。
このような前照灯1の光源装置として用いられるハロゲンバルブ2は、図7(b)に示すように、ソケット部3に着脱可能に装着される口金部2aを備えている。また、ハロゲンバルブ2は、例えばハイロー切替バルブであれば、不活性ガスにハロゲンガスを微量導入して封止されたガラス殻2bの中に、ハイビーム(走行用上向き配光パターン)用フィラメント2cとロービーム(すれ違い用下向き配光パターン)用フィラメント2dとが別個に配設されている。ただし、図例とは異なり、ガラス殻2bの中に1つのフィラメントのみが設けられたものもある。いずれのタイプも、フィラメントは、例えばタングステン(W)によって形成されており、通電によって白熱することで、点光源の如く周囲へ向けて放射状に広がるような光を発する。ハロゲンバルブ2の先端部には、シェードと呼ばれる傘のような遮光部2eが設けられており、フィラメントからの光が直接前方側に出射されないようになっている。また、ロービーム用フィラメント2dには、光の出射方向を制御するために遮蔽板2fが付設されたものがある。
図8は、自動車車両の前照灯における配光の一具体例を模式的に示す説明図である。
ハロゲンバルブ2がハイロー切替バルブである場合、前照灯1は、ハイビーム照射時とロービーム照射時で、発光させるフィラメント2c,2dを切り替える。
具体的には、ハイビーム用フィラメント2cは、凹状リフレクタ4の焦点近傍に配されている。そして、ハイビーム用フィラメント2cを発光させると、ここから発せられる光は、凹状リフレクタ4で反射して平行光線となって遠くまで照射されることになる。
一方、ロービーム用フィラメント2dは、焦点の少し前方(光の照射先)側に設置されている。そして、ロービーム用フィラメント2dを発光させると、その位置が凹状リフレクタ4の焦点位置からずれているために、当該フィラメント2dから上方に発せられる光は、凹状リフレクタ4での反射後の光束が下向きになる。また、当該フィラメント2dから下方に発せられる光は、遮蔽板2fにより上方向に反射され、前記同様凹状リフレクタ4での反射後の光束が下向きになる。さらに、遮蔽板2fは、水平からややハロゲンバルブ2の中心軸周りに傾いて配されており、それにより照射方向右上に出射される光を遮蔽する。これらによって、ロービーム用フィラメント2dから発せられる光は、凹状リフレクタ4で反射して、照射方向の手前側とやや左の側を照らすことになる。
このように、前照灯1においては、光を発するフィラメント2c,2dの凹状リフレクタ4内での位置に応じて、照射する光の配光状態が異なるように構成されている。
(光源装置の構成例)
続いて、上述した構成の前照灯1にて使用される、本発明の第三実施形態における光源装置として、面発光光源であるLED素子を発光体として備えて構成されたLEDバルブを例に挙げて、その構成例を説明する。このLEDバルブは、上述したハロゲンバルブ2の代替品となるものである。
図9は、本発明の第三実施形態における光源装置であるLEDバルブの概略構成例を示す説明図である。
図例のように、第三実施形態で例に挙げるLEDバルブは、面発光光源であるLED素子10(ただし図9には不図示)および光学部材20に加えて、これらが配設される基体部40と、基体部40に取り付けられる口金部41と、光学部材20に付設される補助光学部材50と、基体部40の側から光出射方向に突設される支柱60と、支柱60に取り付けられる反射部材70と、を備えて構成されている。
LED素子10としては、例えばパワーLEDまたはハイパワーLEDと呼ばれるものを用いる。前照灯用途として、必要十分な出射光量を得るためである。
なお、LED素子10は、基体部40上に複数個を並べて配置されている。複数個のLED素子10には、詳細を後述するように、ハイビーム用LED素子である第一LED素子と、ロービーム用LED素子である第二LED素子とが含まれる。
光学部材20は、LED素子10からの出射光の平行光成分を高めるべく、そのLED素子10の発光面を囲うように配される光反射面21を有したものである。光反射面21については、第一実施形態で説明した通りである。また、光学部材20には、複数個が並べられたLED素子10のそれぞれに個別に対応するように、複数の光反射面21が形成されている。
図10は、本発明の第三実施形態における光学部材の構成例を示す説明図である。
図例に示す光学部材20は、円錐台状の外形形状を有し、その中心軸付近に第一LED素子の発光面を囲うように配される一つの第一光反射面22が形成されており、またその周囲に第二LED素子の発光面を囲うように配される四つの第二光反射面23が形成されている。各光反射面22,23は、いずれも、第一実施形態で説明したように、四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dを組み合わせて構成されている。
なお、光学部材20における第二光反射面23のうちの一部は、詳細を後述するように、当該第二光反射面23を構成する放物面鏡部の回転中心軸がLED素子10の発光面の法線方向に対して傾いて配置されている。
また図9において、基体部40は、その一つの面にLED素子10(すなわち第一LED素子および第二LED素子)が配設されており、当該面と表裏の関係にある他の面に口金部41が取り付けられたものである。また、基体部40には、LED素子10の配線基板(ただし不図示)が配設されていてもよい。このような基体部40は、LED素子10で生じる熱を逃がすために、例えばアルミニウム(Al)のような熱伝導性を有する金属材料によって形成することが考えられる。
口金部41は、LEDバルブを前照灯1のソケット部3に装着可能にするものである。そのために、口金部41は、ソケット部3に着脱自在に嵌合するように、その形状、寸法等が当該ソケット部3の規格に準拠して形成されている。
補助光学部材50は、光学部材20の光出射先側に付設されて用いられるもので、当該光学部材20の第二光反射面23から出射される光に対する配光制御を行うものである。
図11は、本発明の第三実施形態における補助光学部材の構成例を示す説明図である。
図例に示す補助光学部材50は、第二光反射面23から出射される光に対する配光制御のために、庇部51およびエッジ部52を有している。庇部51は、光出射方向に沿って突設されて、第二光反射面23から外周方向に回り込む迷光成分を遮蔽するものである。エッジ部52は、第二光反射面23の開口の一部を覆うように形成されて、当該第二光反射面23から出射される光のうち、光度の弱い光成分を遮蔽するものである。
また図9において、支柱60は、反射部材70を支持するためのものである。反射部材70を支持可能であれば、支柱60は、どの位置に設けられてもよく、またどのような形状に設けられていてもよい。
反射部材70は、LED素子10および光学部材20の光反射面21からの出射光に対して、光の反射を利用して光束分布の変換を行うべく、設けられたものである。そのために、反射部材70は、LED素子10の発光面に対向して配されており、その発光面の側に頂部を有する回転放物面を反射面とする凸面鏡部71を有している。さらに詳しくは、反射部材70は、口金部41が前照灯1のソケット部3に装着された状態で、凸面鏡部71がLED素子10および光反射面21からの出射光を前照灯1の凹状リフレクタ4の光反射面に向けて反射する位置に配されるように、支柱60によって支持される。そして、反射部材70は、LED素子10および光反射面21からの出射光を凸面鏡部71で反射することで、その凸面鏡部71を構成する回転放物面の焦点位置に仮想点光源を形成するのである。ここで、「点光源」とは、発光部の大きさが光の出射先までの距離に比べて小さく、点と見做せる光源であり、当該点から放射状に光を出射する光源のことをいう。したがって、反射部材70は、LED素子10および光反射面21からの出射光を前照灯1の凹状リフレクタ4に向けて放射状に反射することになる。
ここで、反射部材70について、その詳細な構成を、具体例を挙げつつ、さらに詳しく説明する。
LEDバルブは、上述したように、前照灯1において、ハロゲンバルブ2の代替品として用いられる。ハロゲンバルブ2は、ハイロー切替バルブであれば、ハイビーム用フィラメント2cとロービーム用フィラメント2dとを備えており、発光させるフィラメント2c,2dを切り替えることで、ハイビーム照射とロービーム照射に選択的に対応し得るようになっている。よって、LEDバルブにおいても、前照灯1における本来の配光状態を得るためには、ハイビーム照射時とロービーム照射時とのそれぞれについて、(i)発光体の形状、(ii)発光体の発光位置、(iii)発光体の配光特性の全てについて、ハロゲンバルブ2と同様の発光状態を再現する必要がある。このことから、LEDバルブにおける反射部材70は、上記(i)〜(iii)の各要素のいずれについてもハロゲンバルブ2と同様の状態を完全に再現すべく、以下に述べるように構成されている。
図12は、本発明の第三実施形態における反射部材の構成例を示す説明図である。
図例のように、反射部材70は、前照灯1でのハイビーム照射とロービーム照射とに対応するために、凸面鏡部71が第一凸面鏡部71aと第二凸面鏡部71bに区分けされている。第一凸面鏡部71aおよび第二凸面鏡部71bは、いずれもLED素子10の発光面の側に頂部を有する回転放物面によって形成されたものであるが、互いに異なる回転放物面によって形成されており、それぞれが異なる位置に仮想点光源72を形成するものである。つまり、反射部材70は、第一凸面鏡部71aおよび第二凸面鏡部71bを備え、複数(具体的には二つ)の仮想点光源72a,72bを形成するように構成されている。
また、反射部材70は、第一凸面鏡部71aと第二凸面鏡部71bが二段構造を構成している。さらに詳しくは、LED素子10の発光面に近い側に第一凸面鏡部71aが位置し、当該発光面から遠い側に第二凸面鏡部71bが位置するように、これら第一凸面鏡部71aおよび第二凸面鏡部71bが回転放物面の回転軸方向に重ねられている。そして、LED素子10の側から見ると、第一凸面鏡部71aのほうが、それよりも遠い側の第二凸面鏡部71bよりも、平面視で小径に形成されている。したがって、第一凸面鏡部71aと第二凸面鏡部71bによる二段構造は、その側断面に関して言えば、LED素子10の発光面の側に向けて突出する二段凸形状を構成することになる。
このような二段構造の反射部材70において、第一凸面鏡部71aは、口金部41が前照灯1のソケット部3に装着された状態で、前照灯1の凹状リフレクタ4における光反射面のハイビーム用焦点位置に、仮想点光源72aを形成する。つまり、第一凸面鏡部71aは、ハロゲンバルブ2のハイビーム用フィラメント2cによる発光状態を再現するためのものである。
一方、第二凸面鏡部71bは、口金部41が前照灯1のソケット部3に装着された状態で、前照灯1の凹状リフレクタ4における光反射面のロービーム用焦点位置に、仮想点光源72bを形成する。つまり、第二凸面鏡部71bは、ハロゲンバルブ2のロービーム用フィラメント2dによる発光状態を再現するためのものである。
なお、ここでは、二段構造の反射部材70を構成する第一凸面鏡部71aおよび第二凸面鏡部71bがいずれも回転放物面を反射面とする場合を例に挙げているが、反射部材70はLED素子10および光反射面21からの出射光を放射状に反射するものであればよい。すなわち、反射部材70は、二段構造の少なくとも一方について、例えば円錐状の反射面を有した凸面鏡部によって構成されたものであってもよい。
また、二段構造の反射部材70において、ロービーム照射に対応する第二凸面鏡部71bは、光反射抑制処理が施された表面部分を部分的に有するものであってもよい。具体的には、第二凸面鏡部71bを構成する回転放物面(すなわち反射面)のうち、口金部41が前照灯1のソケット部3に装着された状態で下半球側に位置することになる表面部分に、光反射抑制処理を施すことが考えられる。光反射抑制処理としては、第二凸面鏡部71bの一部表面上に公知技術を利用して遮光膜を形成し当該一部表面での光の反射を抑制する遮光処理や、第二凸面鏡部71bの一部表面上に公知技術を利用して光吸収膜を形成し当該一部表面での光の反射を抑制する吸光処理等が挙げられる。ただし、第二凸面鏡部71bの一部表面での光の反射を抑制可能であれば、これらの遮光処理または吸光処理に限定されることはなく、他の公知技術を利用した光反射抑制処理を施すようにしても構わない。
さらに、光反射抑制処理が施された表面部分は、上述したように第二凸面鏡部71bの一部に形成することが考えられるが、当該第二凸面鏡部71bに代わって第一凸面鏡部71aの一部に形成してもよいし、あるいは第一凸面鏡部71aおよび第二凸面鏡部71bのそれぞれに形成してもよい。つまり、光反射抑制処理が施された表面部分は、凸面鏡部71の反射面上の一部に形成することが考えられ、これにより当該凸面鏡部71での光反射方向を制御することが可能になる。
(第三実施形態の作用)
以上のように構成されたLEDバルブによれば、以下に述べるような作用を奏する。
図13は、本発明の第三実施形態における光源装置であるLEDバルブの作用の概念を示す説明図である。
例えば、ハイビーム照射を行う場合、第三実施形態におけるLEDバルブでは、第一LED素子が光を出射する。そうすると、LEDバルブでは、第一LED素子からの出射光の一部を、光学部材20の第一光反射面22を構成する四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dが反射する。これにより、第一LED素子および第一光反射面22からは、反射部材70に向けて、必要十分な平行度(例えばビーム角8°以下程度)の光が出射されることになる。
第一LED素子および第一光反射面22からの出射光は、反射部材70の第一凸面鏡部71aを照射する。そして、第一凸面鏡部71aは、第一LED素子および第一光反射面22からの光を、前照灯1の凹状リフレクタ4に向けて反射する。このとき、第一凸面鏡部71aは、その凹状リフレクタ4における光反射面のハイビーム用焦点位置に、仮想点光源72aを形成する。したがって、LEDバルブでは、第一LED素子が光を出射すると、第一凸面鏡部71aが凹状リフレクタ4のハイビーム用焦点位置に仮想点光源72aを形成し、その仮想点光源72aが当該凹状リフレクタ4の光反射面に向けて放射状に光を出射することになる。
このことは、LEDバルブが装着された前照灯1において、そのLEDバルブにより、(i)発光体の形状が仮想的な点光源状であり、(ii)その発光体の発光位置が凹状リフレクタ4のハイビーム用焦点位置であり、(iii)その発光体から全方位に均等な光を放射する配光特性であることが、それぞれ実現されることを意味する。つまり、前照灯1にLEDバルブを装着することによって、上記(i)〜(iii)の全てについて、ハロゲンバルブ2によるハイビーム照射時と同様の発光状態が再現されるのである。
このような発光状態の再現を実現した結果、LEDバルブから発せられる光は、ハロゲンバルブ2によるハイビーム照射時と同様に、凹状リフレクタ4で反射して平行光線となって遠くまで照射されることになる。
また、例えば、ロービーム照射を行う場合、LEDバルブでは、第二LED素子が光を出射する。そうすると、LEDバルブでは、第二LED素子10aからの出射光の一部を、光学部材20の第二光反射面23を構成する四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dが反射する。これにより、第二LED素子10aおよび第二光反射面23からは、反射部材70に向けて、必要十分な平行度(例えばビーム角8°以下程度)の光が出射されることになる。
第二LED素子10aおよび第二光反射面23からの出射光は、反射部材70の第二凸面鏡部71bを照射する。そして、第二凸面鏡部71bは、第二LED素子および第二光反射面23からの光を、前照灯1の凹状リフレクタ4に向けて反射する。このとき、第二凸面鏡部71bは、その凹状リフレクタ4における光反射面のロービーム用焦点位置に、仮想点光源72bを形成する。したがって、LEDバルブでは、第二LED素子が光を出射すると、第二凸面鏡部71bが凹状リフレクタ4のロービーム用焦点位置に仮想点光源72bを形成し、その仮想点光源72bが当該凹状リフレクタ4の光反射面に向けて放射状に光を出射することになる。
このことは、LEDバルブが装着された前照灯1において、そのLEDバルブにより、(i)発光体の形状が仮想的な点光源状であり、(ii)その発光体の発光位置が凹状リフレクタ4のロービーム用焦点位置であり、(iii)その発光体から上半球側に均等な光を放射する配光特性であることが、それぞれ実現されることを意味する。つまり、前照灯1にLEDバルブを装着することによって、上記(i)〜(iii)の全てについて、ハロゲンバルブ2によるロービーム照射時と同様の発光状態が再現されるのである。
このような発光状態の再現を実現した結果、LEDバルブから発せられる光は、ハロゲンバルブ2によるロービーム照射時と同様に、凹状リフレクタ4での反射後の光束が下向きになるとともに、照射方向の手前側とやや左の側を照らすことになる。
なお、ロービーム照射時に用いる第二LED素子については、前照灯1において上述した配光を確実に得られるようにすべく、前照灯1への装着時における天地方向の上方側に偏って配置することが考えられる。上方側に偏って第二LED素子を配置すれば、図13からも明らかなように、主として反射部材70の第二凸面鏡部71bの上方側部分にて光が反射されるようになり、凹状リフレクタ4での反射後の光束を下向きにする上では非常に好適だからである。
また、ロービーム照射時に用いる反射部材70の第二凸面鏡部71bの一部(前照灯1への装着時における下半球側)に光反射抑制処理が施されている場合には、主として反射部材70の第二凸面鏡部71bの下方側部分での光の反射が抑制されるという配光制御がされる。そのため、第二LED素子を上方側に偏って配置した場合と同様に、凹状リフレクタ4での反射後の光束を下向きにする上では非常に好適なものとなる。
ところで、LEDバルブにおいて、光学部材20の光出射先側には庇部51およびエッジ部52を有した補助光学部材50が付設されており、当該光学部材20の第二光反射面23から出射される光に対する配光制御を行うようになっている。そのため、ロービーム照射時に第二LED素子が光を出射すると、当該第二LED素子および第二光反射面23から出射される光のうち、第二光反射面23から外周方向に回り込む迷光成分は庇部51で遮蔽され、また光度の弱い光成分はエッジ部52で遮蔽されることになる。つまり、ロービーム照射時のLEDバルブでは、補助光学部材50による配光制御によって、不要な光が不要な箇所を出射されてしまうことが抑制されることになる。
また、ロービーム照射時に第二LED素子からの出射光を反射する第二光反射面23のうちの一部は、当該第二光反射面23を構成する放物面鏡部の回転中心軸が第二LED素子の発光面の法線方向に対して傾いて配置されている。さらに具体的には、光学部材20に設けられた四つの第二光反射面23のうち、前照灯1への装着時における天地方向の下方側に位置する二つの第二光反射面23は、放物面鏡部の回転中心軸が反射部材70の第二凸面鏡部71bの中心付近、すなわち当該第二凸面鏡部71bが仮想点光源72bを形成する位置の近傍に向くように、その回転中心軸が第二LED素子の発光面の法線方向に対して傾いて配置されている。
そのため、ロービーム照射時に第二LED素子が光を出射すると、特に回転中心軸が傾けられた二つの第二光反射面23からは、第二凸面鏡部71bの中心付近に向けて積極的に光が集められた状態で、当該第二凸面鏡部71bに対して光が照射されることになる。これにより、ロービーム照射時のLEDバルブでは、第二LED素子からの出射光が当該第二凸面鏡部71bの外周部を直接抜けてしまうことを抑制できる。
(第三実施形態の効果)
以上のような作用を奏する第三実施形態のLEDバルブによれば、第一実施形態で説明した効果とは別に、以下に述べるような効果が得られる。
第三実施形態のLEDバルブは、面発光光源であるLED素子10と合わせて光学部材20を備えており、その光学部材20に形成された光反射面21が四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dを組み合わせて構成されている。そのため、第三実施形態のLEDバルブであれば、面発光光源であるLED素子10を発光体として用いた場合であっても、必要十分な平行度(例えばビーム角8°以下程度)の出射光を得ることができ、その出射光を反射部材70の凸面鏡部71に対して照射することが可能となる。つまり、第三実施形態のLEDバルブによれば、必要十分な平行度の光を反射部材70に対して照射することで、その反射部材70での仮想点光源72の形成を確実かつ厳密なものとすることが実現可能となる。
しかも、第三実施形態のLEDバルブは、面発光光源であるLED素子10の発光面に対向して配される反射部材70を備えている。そして、反射部材70は、LED素子10の発光面の側に頂部を有する回転放物面を反射面とする凸面鏡部71を有している。そのため、LED素子10からの出射光を凸面鏡部71が反射すると、その凸面鏡部71による反射光は、回転放物面の焦点と反射点を結んだ直線の方向へ反射され、回転放物面の焦点を仮想的な点光源とするような振る舞いを見せ、その仮想的な点光源から出射されたのと同様な態様で放射状に反射される。つまり、反射部材70は、LED素子10からの出射光を凸面鏡部71で反射することで、回転放物面の焦点位置に仮想点光源72を形成するように構成されている。
このように、第三実施形態のLEDバルブは、従来の配光制御用途では全く用いられていない回転放物面による凸面鏡部71を反射面とすることで、面発光光源であるLED素子10を発光体として用いた場合であっても、厳密に点光源を形成することを実現可能にする。したがって、第三実施形態のLEDバルブによれば、(i)発光体の形状、(ii)発光体の発光位置、(iii)発光体の配光特性の全てについて、ハロゲンバルブ2と同様の発光状態を再現することが可能となる。
これらのことを勘案すると、第三実施形態のLEDバルブによれば、前照灯1に装着した場合に、その前照灯1の配光特性について、ハロゲンバルブ2と同様の状態(すなわち満たすべき配光特性)を確実に再現することができると言える。
具体的には、例えば、同一の前照灯1において、第三実施形態のLEDバルブの装着時とハロゲンバルブ2の装着時とのそれぞれにつき、ロービーム照射時の25m先での照度分布を測定したところ、いずれの場合も前照灯(非対称すれ違いビーム)に関する国際規格であるECE112に定められた配光特性を満たす照度分布が得られることがわかった。つまり、第三実施形態のLEDバルブの装着時においても、ロービーム照射時に満足することが最も難しいと言われている、照射領域と非照射領域とのカットラインを、ハロゲンバルブ2の装着時と同様に、綺麗に(ボヤケ等が生じることなく)再現できていることがわかった。これは、反射部材70に対して平行度の低い光を照射すると、当該反射部材70が形成する仮想点光源がボヤけてしまい、不明瞭なカットラインになってしまうおそれがあるが、光学部材20の光反射面21を構成する四つの放物面鏡部21a,21b,21c,21dを利用することで、必要十分な平行度の光を反射部材70に対して照射することが可能となり、その結果として仮想点光源のボヤけによる不明瞭なカットラインが生じてしまうおそれを解消できるからである。
さらに、第三実施形態のLEDバルブによれば、反射部材70に対して必要十分な平行度の光を照射するので、平行度が必要十分でない故に反射部材70の外周側に抜けてしまうような迷光成分が照射光に含まれてしまうのを抑制し得る。したがって、前照灯1に装着した場合に、その前照灯1の配光特性について、例えば扇形の迷光のような不要な照明パターンが生じてしまうのを防止することができる。
このことについては、第三実施形態で説明したように、光学部材20に補助光学部材50を付設すると、より一層確実なものとすることができる。
また、第三実施形態のLEDバルブは、光学部材20における第二光反射面23のうちの一部について、その第二光反射面23を構成する放物面鏡部の回転中心軸が第二LED素子の発光面の法線方向に対して傾いて配置されている。そのため、回転中心軸が傾けられた第二光反射面23からは、主として回転中心軸が傾けられた先である反射部材70の第二凸面鏡部71bの中心付近に向けて積極的に光が集められた状態で、当該第二凸面鏡部71bに対して光が照射されることになる。これにより、第三実施形態のLEDバルブでは、第二LED素子からの出射光が外方に向けて抜けてしまうのを抑制でき、この点によっても前照灯1に装着した場合にその前照灯1の配光特性について例えば扇型の迷光のような不要な照明パターンが生じてしまうのを防止することができる。
また、第三実施形態のLEDバルブは、面発光光源としてLED素子10を備えている。そのため、第三実施形態のLEDバルブによれば、前照灯1に用いられる光源装置について、LEDの特性である省電力、長寿命等の利点を享受することが可能となる。しかも、前照灯用光源装置のLED化を実現した後においても、その前照灯1において、必要十分な照射光量を得つつ、前方側への照射光につき所望の配光パターンを得ることを可能とする。つまり、光源装置のLED化を実現しつつ、既存のハロゲンバルブ2の代替品として用いることを実現可能としている。したがって、第三実施形態のLEDバルブによれば、前照灯1に用いられる光源装置のLED化を、高い汎用性を有した状態で、量産に適した低コスト化や取付スペースの省スペース化等を可能にしつつ、実現することができる。しかも、高い汎用性が得られるだけでなく、整備性の向上も図れ、仮に破損等が生じた場合であっても容易に交換可能である。
また、第三実施形態のLEDバルブは、反射部材70の凸面鏡部71が第一凸面鏡部71aと第二凸面鏡部71bに区分けされている。つまり、第一凸面鏡部71aと第二凸面鏡部71bを有することで、一体に形成された一つの反射部材70であっても、ハイビーム照射とロービーム照射との何れにも対応できる。例えば、前照灯用として普及しつつあるHID(High Intensity Discharge)バルブを用いた場合には、前照灯1のハイビーム照射とロービーム照射とのそれぞれに対応するために、電動のアクチュエータ等を用いて光源バルブそのものを移動させることが考えられる。しかしながら、光源バルブそのものを移動させたのでは、そのための機構が必要となるので、構成複雑化や製品コスト増大等を招いてしまう。さらには、故障発生の要因となり得る箇所が増えるため、結果として信頼性低下を招いてしまうおそれもある。この点、第三実施形態のLEDバルブのように、第一凸面鏡部71aと第二凸面鏡部71bからなる二段構造という非常に簡素な構成の反射部材70によってハイロー切替バルブとの互換性を確保すれば、構成複雑化や製品コスト増大等を招いてしまうことがなく、故障発生による信頼性低下を招いてしまうこともない。しかも、二段構造という非常に簡素な構成の反射部材70を用いることで、バルブ自体の小型化等にも容易に対応し得るようになる。
しかも、第三実施形態のLEDバルブは、LED素子10として第一LED素子と第二LED素子とを備え、それぞれが選択的に光を出射するように制御される。つまり、前照灯1による照射光の配光パターンのハイロー切替を行うためには、第一LED素子と第二LED素子のどちらから光を出射するかを選択すればよい。したがって、第三実施形態のLEDバルブによれば、前照灯1による照射光の配光パターンのハイロー切替を、非常に容易かつ的確に行うことができる。しかも、第一LED素子と第二LED素子が選択的に光を出射することで、反射部材70に対する光の照射位置についても変わるようになるので、前照灯1のハイビーム照射とロービーム照射とでそれぞれの特性に適した配光パターンを得ることを容易に実現することが可能となる。
なお、第三実施形態では、ハイロー切替バルブとの互換性を確保したLEDバルブ、すなわち凸面鏡部71が第一凸面鏡部71aと第二凸面鏡部71bに区分けされており、それぞれに対応するように第一LED素子と第二LED素子を備えて構成されたLEDバルブを例に挙げて説明した。ただし、前照灯1に装着するLEDバルブは、必ずしもハイロー切替に対応したものである必要はなく、シングルバルブとの互換性を確保したものであってもよい。その場合は、反射部材70の凸面鏡部71が一つの回転放物面によって構成されることになる。
<5.変形例等>
以上に本発明の実施形態を説明したが、上記の開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。すなわち、本発明の技術的範囲は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではない。
例えば、第三実施形態においては、前照灯1にて使用されるLEDバルブに本発明を適用した場合を例に挙げたが、本発明はLEDバルブに限定されることなく、LEDモジュールやLEDユニット等であっても全く同様に適用することが可能である。LEDモジュールとは、単体またはアレイ状のLED素子とその制御回路等を備えて構成されたものをいい、LEDユニットとは、LEDバルブまたはLEDモジュールを組み込んで構成された灯具ユニットのことをいう。
また、第三実施形態においては、反射部材70が回転放物面を反射面とする凸面鏡部71を有している場合を例に挙げたが、本発明がこれに限定されることはなく、例えば特許第4689762号にて開示されているような円錐状に形成された反射部材であっても適用可能であり、その場合であっても反射部材への照射光の平行度を上げることで、良好な配光特性が得られるようになる。
また、本発明は、自動車車両等の前照灯1にて使用される光源装置のみならず、他の機器にて使用される光源装置(バルブ、モジュール、ユニット等の別を問わず)にも全く同様に適用することが可能である。具体的には、平行光の出射を必要とするものであれば、照明器具に装着される光源装置や液晶プロジェクタに用いられる光源装置等であっても、全く同様に本発明を適用することが可能である。
その場合には、必ずしも第三実施形態で説明したような反射部材を要することはなく、第一実施形態または第二実施形態で説明したような構成の光源装置であっても構わない。
10…面発光光源(LED素子)、11…発光面、11a,11b,11c,11d…領域、12a,12b,12c,12d…基準点、20…光学部材、21…光反射面、21a,21b,21c,21d…放物面鏡部、30…遮蔽板、70…反射部材、F…焦点位置、S…間隔

Claims (8)

  1. 面発光光源の発光面を囲うように配されて当該発光面からの光を当該発光面の光出射先側に向けて反射する光反射面を備えた光学部材であって、
    前記光反射面は、前記面発光光源に個別に対応するように形成されているとともに、当該面発光光源における前記発光面を細分化して得られる各領域別にそれぞれの領域内に設定された基準点のそれぞれを焦点位置とする複数の放物面鏡部を組み合わせて構成されている
    ことを特徴とする光学部材。
  2. 請求項1記載の光学部材と、
    前記光学部材における前記光反射面に囲われるように発光面が配された面発光光源と、
    を備えることを特徴とする光源装置。
  3. 前記発光面の一部領域を覆うことで当該発光面を複数の領域に細分化する遮蔽板を備える
    ことを特徴とする請求項2記載の光源装置。
  4. 前記遮蔽板は、前記発光面に対して間隔を空けて配されるとともに、前記発光面側の面が光反射面となっている
    ことを特徴とする請求項3記載の光源装置。
  5. 前記面発光光源の前記発光面に対向して配され、当該発光面からの光および前記光学部材における前記光反射面からの光を放射状に反射する反射部材を備える
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の光源装置。
  6. 前記光反射面を構成する前記放物面鏡部の回転中心軸が前記発光面の法線方向に対して傾いて配置されている
    ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の光源装置。
  7. 前記光反射面は、平面矩形状の前記発光面に対して、焦点位置が互いに異なる四つの前記放物面鏡部を組み合わせて構成されている
    ことを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の光源装置。
  8. 前記面発光光源としてのLED素子を備える
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の光源装置。
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