JP4644243B2 - 車両用前照灯 - Google Patents

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本発明は、発光ダイオード等の半導体発光素子を光源に用いた車両用前照灯において、複数の照射ビームを切り換えて機能別の配光を得るための技術に関する。
車両用灯具の光源には白熱電球や放電灯が使用されるが、低消費電力化や小型化等を目的として、半導体を用いた発光ダイオード(LED)等の発光素子が着目されている。
例えば、LEDを用いた灯具例としては、ハイマウントストップランプやリヤサイドマーカーランプ等が挙げられる。
ところで、LED等の半導体を用いた発光素子を、車両用前照灯の光源に用いる場合には、すれ違いビームの配光パターンを作り出すために光学設計上の工夫を必要とする。例えば、マトリックス状に配置された多数の半導体光源を用いて種々の光機能について切り換えを行えるようにした構成形態が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−266620号公報(図1、図4)
ところで、車両用前照灯への適用においては、走行用ビームやすれ違いビームの切換えを必要とするため、複数の発光素子を用いる構成形態ではビームに応じて使用する発光素子を選択する必要がある。しかしながら、これまでに知られている発光素子は、車両用配光を充分に考慮して設計がなされていないため、そのような素子を光源に用いて光学設計を行う場合に、各種の不都合がある。例えば、すれ違いビームの配光では、明暗境界を規定するカットライン(あるいはカットオフライン)を明確に形成することが難しい。また、多数の発光素子を用いる場合には、それらの占有スペースが増加することが問題となる。
そこで、本発明は、LED等の発光素子を用いた車両用前照灯において、配光設計を容易に行えるようにすることを課題とする。
本発明は、半導体を用いた発光素子と、反射鏡又はレンズを含む光学系を備えた車両用前照灯において、発光素子が、第一の照射ビームに用いられる一又は複数の第一の発光部と、第二の照射ビームに用いられる一又は複数の第二の発光部を備えており、第一の照射ビームのパターン形状は、第一の発光部の形状を光学系を介して得られる投影像のパターン形状により構成されており、第ニの照射ビームのパターン形状は、第ニの発光部の形状を光学系を介して得られる投影像のパターン形状により構成されており、第一の発光部と第ニの発光部との間には光遮蔽部が設けられており、第一及び第ニの発光部を各別に点灯することで照射ビームが切り換えられるように構成したものである。
従って、本発明によれば、使用する照射ビームに応じて発光素子内の発光部を切り換えることにより、照射目的に応じた光学系の配光設計が容易になる。また、発光部同士の境界部に光遮蔽部を設けることによって、互いの発光領域に光が進入しないよう光学的に分離することができる。
本発明によれば、LED等の発光素子を用いた車両用前照灯において、配光設計を容易に行えるようになる。
本発明は、光源として発光素子を用いた車両用前照灯に関するものであり、ヘッドランプやフォグランプ等に適用することができる。尚、半導体を用いた発光素子には、例えば、pn接合に順方向電流を流すことで発光するLEDや、電界により発光するEL素子等が挙げられる。
図1は、LEDを例にしてその構造を概略的に示したものである。
発光素子1は、チップ部2、反射部3、蛍光体4、レンズ部5を備えており、本例では、発光部1aが、チップ部2、反射部3、蛍光体4から構成されている。
チップ部2には、例えば、Al−In−Ga−P系、In−Ga−N系材料等が用いられ、図示のようにチップ部2を支持部材(リードフレームやステム等)に直接マウントする方法と、チップ部をサブマウント部材に搭載して該部材を支持部材にマウントする方法が挙げられる。また、チップ部2に形成された電極にはボンディングワイヤ(図示せず。)が接続される。
反射部3は、チップ部2の周囲に設けられる部材において形成されている。例えば、チップ部2の支持部材がカップ状の部分を有し、これに凹面を形成することで反射面が形成される。チップ部2で発生する光は、発光素子の光軸を中心に指向特性を有しており、光軸から離れるにつれて光強度が弱まる。よって、図に「6a」で示す直射光と、「6b」、「6c」で示す反射光に区分した場合に、光軸方向の直射光が最も強いが、「6b」のようにチップ部2から側方に出る光を有効に利用するために反射部3が設けられる。つまり、該反射部3の反射面において光が反射されて前方(照射方向)に向かう光となる。尚、「6c」に示す光は、発光層から出た後、照射方向とは反対側に向かう光を示し、これは、チップ部2の後端面における反射によって前方の向かう光となったり、あるいは、チップ部2の後端面における反射の後、チップ部2の側面から出射して反射部3にて反射される。
蛍光体4はチップ部2及びその周辺部を覆っている。白色光を得るには、例えば、青色発光のチップ部と、YAG蛍光体等の黄色発光材料を用いて混色を行えば良い。
レンズ部5はチップ部2の前方に配置されるか、又は発光部1aを樹脂レンズ内に包み込んだ構造とされる。後者では、発光部全体を樹脂に埋め込んで指向性を高める方法が採られ、例えば、ストップランプ等に使用される、砲弾型の形状をしたものが知られている。チップ部2から広角に放射される光がレンズ内部で反射したり、レンズ側面部から出射して損失光とならないようにするためには、ドーム型や半球状のレンズが好ましい。また、全反射や反射手段を利用した光路制御により、チップ部の放射光を有効に取り出すことで光利用効率を高めることが好ましい。
発光素子の光軸方向から見て、発光部の光源像が円形状をした素子では、発光部において発生した光のうち、その大半部が直射光であり、円形パターンの形成に寄与し、その周囲に位置する円環状のパターンがレンズ部の側面から出た光によって形成されて擬似光源となる。
このように、光源の光度分布が光軸回りに回転対称性を有する場合には、光軸方向からみてほぼ円形をしたパターンに基いて、非回転対称性の配光パターンを形成する必要があるため、光学設計が難しくなる。例えば、すれ違いビーム配光におけるカットラインのような、直線的な部分を形成することが困難である(円弧状をした部分を単に繋ぎ合せたのでは、明瞭な直線部を形成し難いため。)。
そこで、発光素子の光度分布が、光軸回りに非回転対称性を有する場合に、発光部が発光素子の光軸に直交する方向に沿う横長の形状をもつことで、光学系を介した投影像のパターン形状が直線的な部分を有するように構成する。
図2は発光素子に係る光源像のパターン形状例を概念的に示したものであり、発光素子の光軸方向からみた形状例を示す。
図示のように光源像7のパターン形状の外周縁がほぼ矩形状をした例を示す。
本例では、光軸方向からみた発光部1aの形状が長方形状をなしており、後述するように、その光源像が主としてその長手方向に拡大される。
尚、横長の投影パターンを得るためには長方形状が好ましいが、長手方向における端部が直線的である形状に限られないので、例えば、破線7′に示す光源像のように、長方形の4隅において角がとれ、丸みのついた形状でも良い。
このような光源像を得るためには、発光素子を構成するチップ部、反射部、蛍光体又はレンズ部の形状について、該発光素子の光軸回りに非回転対称性を有するように設計を行う。即ち、光源像のパターン形状を決める要素は、チップ部の形状、反射部や蛍光体の形状、レンズ部の形状及び材質、そして、これら構成部材に係る光学的な位置関係である。従って、各要素を組み合わせたシミュレーション結果(光線追跡や光度分布)に基いて、所望の光源像をもった発光素子を設計することができる。
発光部の形状を決めるものは、主にチップ部の外縁や、反射部又は蛍光体の外周縁であり、それらの寸法誤差のバラツキが大きいと配光設計に悪影響を及ぼす。従って、外形寸法誤差を0.1mm(ミリメートル)以下に規定することが好ましい。
また、発光素子の光軸方向からみたチップ部を所望の形状にして、半円柱状をした樹脂レンズ(モールドレンズ)でチップ部を覆った構成において、チップ部を任意の形状に設計することには、各種の技術的な困難性を伴うこと及び製造コスト的にも不利になること等を考慮して、反射部や蛍光体に係る形状設計を行う方法が有効である。つまり、チップ部の形状や指向特性に大幅な変更を加えることなく光度分布を変えることができる。
ところで、図3に示すような一般的なLED8では、そのチップ部9の中心部が樹脂レンズ10の中心軸11上に位置された構造とされているため、このことがヘッドランプ配光にとって各種の不都合を招く原因となる。
例えば、樹脂レンズ10の中心軸11が、光学系の光軸に直交するように設定した上で、LED8からの光を、反射鏡で前方(照射方向)に反射させることにより、すれ違いビームの配光分布を形成するための光を得ようとすると、チップ部のうち、その中心部から外れた周辺部から発した光は、中心軸11からのずれが大きく制御し難い。
そこで、発光素子の光軸方向からみた発光部の側縁について、その一辺を直線状に形成して、これがレンズ部の中心軸に接するように発光部の位置を規定する。
図4及び図5は発光素子の構成例12を示しており、図4が側面図、図5が正面図である。
図4において、レンズ部13の中心軸14を一点鎖線で示しており、また、図5において、中心軸14に直交して発光部の中心を通る縦軸15と、この軸に直交する横軸16を一点鎖線で示している。
本例では発光部17が正面からみて長方形状をしており、その長辺17aがレンズ部13の中心軸14及び軸16に接して直交している。尚、ヘッドランプの配光では、上下(鉛直)方向におけるパターンの広がりが比較的狭いのに対して、左右(水平)方向におけるパターンの広がりが大きいので、長方形状の投影パターンを用いることが好ましい。
図6は発光部17による投影パターンを概略的に示したものであり、横軸「H」が水平線、縦軸「V」が鉛直線をそれぞれ示す。
発光部についてはこれを横長形状に形成する場合に最も簡単な長方形とし、その長辺がレンズ部13の中心軸14に接するように、発光部17が中心軸14及び軸16を含む面の片側に寄った配置を採用する。これにより、ほぼ長方形状をした各投影像18の一辺(長辺17aに対応する)を揃えることができる。灯具前方にスクリーンを配置した場合に、レンズ部13の中心軸付近を通る光線については、歪みの少ない横長の像としてスクリーン上に投影されるので、明瞭なカットラインを形成することができる。また、このような横長の投影像を複数組み合わせることによりヘッドランプに必要な配光分布を得ることができる。そして、発光部を出てからレンズ部を透過した光を正しく制御することができるので、グレアの原因となる光を減らすことができる。
尚、投影像の大きさについては、レンズ部の焦点距離の設定により調整したり、あるいは、外部の拡散レンズを使用して調整することができる。
本発明では、一つの発光素子内に、第一の照射ビームに用いられる発光部と、第二の照射ビームに用いられる発光部を備えている。例えば、走行用ビーム(所謂ハイビーム)とすれ違いビーム(所謂ロービーム)の照射用に各別の発光部を用いる形態や、すれ違いビームとベンディングに各別の発光部を用いる形態等、要は2種類以上のビーム配光を、同一発光素子内の異なる発光部を用いて形成することができれば、如何なる形態でも構わない。
また、各照射ビームに用いる発光部についてその数の如何を問わないので、照射ビーム毎に一つ又は複数の発光部を用いることができ、各照射ビームに応じたそれぞれの発光部を各別に点消灯させることによって、照射ビームの切り換えを行うことができる。
図7乃至図9は、走行用ビームの照射に用いられる第一の発光部19aと、すれ違いビームの照射に用いられる第二の発光部19bを有する発光素子19の構成例を示したものである。尚、図7は発光素子19の光軸に沿う方向からみた図、図8は発光部同士の位置関係を示す図、図9は斜視図である。
発光部19aと発光部19bとの相対的な位置関係において、図7では第二の発光部19bが上方に位置され、その左下方に第一の発光部19aが位置されている。尚、各発光部を構成するチップ部又は反射部の形状は横長の長方形状をしている。
そして、ほぼ半球状をした透明部材20により基板21において両発光部を覆うか、又はそれらの発光部が設けられた基板21の前方に透明部材20を配置した構成を有する。
図8は発光部19a、19bだけを取り出して両者の相対的な位置関係を示したものであり、両向き矢印「L」で示す方向が灯具の照射光軸の方向を示している。尚、図中の「ΔX」は、照射光軸に沿う方向における発光部間の中心間隔を示しており、第二の発光部19bの中心を通ってL方向に対して直交する方向に延びる縦軸22と、第一の発光部19aの中心を通ってL方向に対して直交する方向に延びる縦軸23との間の間隔である。また、「ΔY」は照射光軸に直交する方向において、発光部19bの長辺19blと発光部19aの中心との間の間隔を示しており、長辺19blを含んでL方向に対して平行な方向に延びる横軸24と、第一の発光部19aの中心を通ってL方向に対して平行な方向に延びる横軸25との間の間隔である。
図示のように、両発光部19a、19bの形状は、いずれもL方向に長くされた長方形とされ、使用ビームに応じて選択的に切り換えられる。
すれ違いビームに係る配光を考慮した場合に、第二の発光部19bに係る光源像のうち、長辺19blに対応した部分及びその近傍の光を、配光パターン上におけるカットラインの形成部に寄与する光として利用するために、長辺19blを含む横軸24を光学設計上の基準線に設定する。
走行ビーム及びすれ違いビームの両配光を、同一の反射鏡を用いて得るためには、横軸24を基準にして、第一の発光部19aを所定の範囲内に配置することが好ましく、具体的には、ΔY=0.3〜1.0mmが実用上望ましい。即ち、第二の発光部19bの2長辺のうち、第一の発光部19aに近い方の長辺19blを含む横軸24から、ΔY=0.3〜1.0mmの範囲に位置される横軸25上に、第一の発光部19aの中心が位置されるように設定する。尚、ΔYがこの範囲に比して短かすぎても、また長すぎてもヘッドランプに係る規格配光を得るための光学設計がし難くなる。
また、L方向に沿う方向における、両発光部間の中心間隔については、ΔX=0.5〜1.5mmの範囲が好ましい。これにより、走行用ビームの点灯時において照射方向を規定の方向に向けることができる。
このように、発光部19a、19bが灯具の照射光軸方向においても、また該方向に直交する方向においても位置的にずれた配置を採ることが好ましい。また、第二の発光部19bについては、カットラインの形成が容易なように、その長辺19blを基準軸(横軸24)上に精度良く合わせることが望ましい。
尚、図7乃至図9に示した各発光部の位置関係は、車両前部の左右にそれぞれ配置される前照灯の一方についてだけ示したものであることに注意を要する(つまり、他方の前照灯については、車両の中心軸を含む鉛直面に関する灯具構造の面対称性から明らかなように、両発光部の位置関係が該鉛直面に関して逆となるので図8とは異なる。)。また、ΔXやΔYの数値範囲は、各発光部を構成するチップ部等のサイズには無関係である。
同一発光素子内に、複数の発光部を設けた構成では、各発光部を独立に点灯させる場合に、両者の境界部分を明確化することが必要である。例えば、複数の発光部に対して同一のレンズ部を備えた構成において、発光部を各別に光輝させた場合、レンズ部のある領域にはそれぞれの発光部からの光が透過することになる。あるいは、発光部の直射光に対して設計されているレンズ部に別の発光部からの光が進入してくる等の不都合が起きる。その結果、光学設計が難しくなったり、迷光の発生等が問題となる。
そこで、例えば、図10の発光素子26に示すように、第一の照射ビームに用いられる発光部26aと、第二の照射ビームに用いられる発光部26bとの間に、光遮蔽部27を仕切りとして設けることが好ましい(光遮蔽部には、光透過性の低さはもとより、熱伝導率の良好な既知の材料を用いる。)。
これによって、各発光部が光輝した場合の発光領域を明確に区分することができ、隣接する領域の境界部を超えて各発光部の光が進入することがなくなり、各領域を独立の光源として扱うことができる。
尚、上記の例では、ビーム毎に一つの発光部を設けた例を示したが、これに限らず、1ビーム当たり2以上の発光部を用いる構成形態でも構わない。
例えば、図11に示すように、すれ違いビーム用に複数の発光部を配列させた構成を採用することができるが、各発光部の位置精度が低いと投影像が揃わなくなり、カットラインを明瞭に形成することができなくなるといった不都合が起きる。
図11において、一点鎖線で示す直線Kがカットラインの形成上の基準線を示しており、該直線Kに対して実線で示す発光部28、28、…のようにそれらの一辺が揃った配置とされる場合には問題ないが、破線で誇張して示すように、発光部28′、28′、…が直線Kに対して不揃いの配置になると、適正な配光制御を行うことが難しくなる。
そこで、同一発光素子内に配列された複数の発光部間の相対的な位置誤差については、±0.01mm以下に規定することが好ましく、特に、カットラインを明瞭に形成するためには、各発光部の一辺を直線上に精度良く揃えることが必要である。
図12及び図13は、本発明に係る車両用前照灯又は該前照灯を構成する照射部(照射ユニット)の構成例を示したものであり、投影光学系を用いた構成として、例えば、下記に示す形態が挙げられる。
(A)発光素子から出射される直接光を主に利用する形態(図12参照)
(B)発光素子から出射された後の反射鏡による反射光を主に利用する形態(図13参照)。
図12に示す車両用前照灯29では、投影レンズ30を含む光学系(投影光学系)31が用いられている。即ち、本例では、発光素子32、遮光部材(シェード)33、投影レンズ30を備えており、発光素子32及び遮光部材33が支持部材34に設けられた構成を有する。そして、投影レンズ30の物側焦点が遮光部材33の上縁近傍に設定されている。尚、発光素子32による光の一部を遮光部材33の上縁において遮ることで形成される像を投影する場合に、遮光部材33の上縁部を発光素子32に極力近づけることが好ましい。
発光素子32の光軸と灯具の光軸は互いに平行とされていて、該発光素子から発した光のうち、該発光素子の前方に位置された遮光部材33によって遮られることなく前方に向かう光l、l、…が投影レンズ30を透過した後、照射光となる。尚、遮光部材33の上縁によって配光パターンの明暗境界を決めるカットラインが形成される。また、発光素子32から出る光の放射角度が大きいと、投影レンズ30を透過しない無効な光が多くなるので、投影レンズの径や位置を考慮して発散角度を規定する必要がある。
図13に示す車両用前照灯35では、投影レンズ36及び反射鏡37を含む光学系38が用いられている。即ち、本例では、発光素子39、反射鏡37、投影レンズ36を備えており、発光素子39及び投影レンズ36の支持部材40が側方からみてクランク状に形成され、その一部が遮光部40aとされている。そして、反射鏡37の焦点が発光素子39の発光部又はその近傍に設定され、投影レンズ36の物側焦点が遮光部40aの近傍に設定されている。尚、反射面の形状として、回転楕円面や楕円−放物複合面、あるいはこれら基本面として曲面操作により自由度を高めた自由曲面等が用いられる。
発光素子39は、その光軸が灯具の光軸に対して直交する位置関係をもって支持部材40に取り付けられており、発光素子39から発した光は、その大半が反射鏡37の反射面で反射される。その後、遮光部40aによって遮られることなく前方に向かう光l、l、…が投影レンズ36を透過した後、照射光となる。尚、遮光部40aの上縁によって配光パターンの明暗境界を決めるカットラインが形成される。また、発光素子39と遮光部40aとの間に平面反射鏡41を設けることにより、光束利用率を高めることができる。透明材料を用いて支持部材40及び投影レンズ36を一体に成形することで、発光素子39の取り付け位置、遮光部40aの上縁位置、投影レンズ36の焦点位置等について高い精度をもって光学系構成部品を製造することができる。
上記した構成によれば、2種類以上の配光を得る場合にこれを発光部の選択によって切り換えられるようにした構成において、配光及び光学設計を容易に行うことができる。特に、走行用ビーム及びすれ違いビームの配光を考慮した発光部の形状及び配置を採用することにより、反射鏡等の光学系部品が設計し易くなり、また、発光素子を含む光学系の小型化、省スペース化に好適である。
以上に記載したところから明らかなように、請求項1に係る発明によれば、使用する照射ビームに応じて素子内の発光部を切り換えることにより、照射目的に応じて光学系の配光設計を容易に行うことができる。また、発光部同士の境界部に光遮蔽部を設けることによって、互いの発光領域に光が進入しないよう光学的に分離することができる。
請求項2に係る発明によれば、発光部の形状がチップ部の形状によって決められるため、蛍光体や反射部に大幅な変更を加えることなく光度分布を変えることができる。
請求項3に係る発明によれば、発光部の形状が蛍光体の形状によって決められるため、チップ部や反射部に大幅な変更を加えることなく光度分布を変えることができる。
請求項4に係る発明によれば、発光部の形状が反射部の形状によって決められるため、チップ部や蛍光体に大幅な変更を加えることなく光度分布を変えることができる。
請求項5に係る発明によれば、投影像のパターン形状が直線的な部分を有しているので、すれ違いビーム配光におけるカットラインのような、直線的な部分を形成することが容易になる。
請求項6に係る発明によれば、複数の発光部を有している場合にも、複数の発光部の直線的な部分を直線上に揃えた配置とすることにより、すれ違いビーム配光におけるカットラインのような、直線的な部分を形成することが容易になる。
請求項7に係る発明によれば、各発光部が光輝した場合の発光領域を明確に区別することができ、隣接する領域の境界部を超えて各発光部の光が進入することを防止できる。
発光素子の構成例を示す説明図である。 発光素子に係る矩形状のパターン例を示す図である。 側方からみたLEDを示す説明図である。 図5とともに本発明に用いる発光素子の一例を示すものであり、本図は側方からみた発光素子を示す図である。 発光素子を光軸方向からみた図である。 発光部に係る投影像の説明図である。 図8、図9とともに本発明に用いる発光素子の一例を示すものであり、本図は発光素子をその光軸方向からみた図である。 発光部同士の相対的な位置関係を示す説明図である。 発光素子を示す概略斜視図である。 光遮蔽部による発光部の分離を示す斜視図である。 複数の発光部を一定方向に配列させる場合の構成について説明するための図である。 図13とともに、本発明に係る前照灯の構成例を示すものであり、本図は発光素子からの直射光を利用した構成形態の説明図である。 反射光を利用した構成形態の説明図である。
符号の説明
1…発光素子、1a…発光部、2…チップ部、3…反射部、4…蛍光体、5…レンズ部、12…発光素子、13…レンズ部、14…レンズ部の中心軸、17…発光部、17a…長辺、19…発光素子、19a…第一の発光部、19b…第二の発光部、20…レンズ部、26…発光素子、26a、26b…発光部、27…光遮蔽部、28、28′…発光部、29、35…車両用前照灯、30、36…レンズ、31、38…光学系、32、39…発光素子、34、40…支持部材、37…反射鏡。

Claims (6)

  1. 半導体を用いた発光素子と、反射鏡又はレンズを含む光学系を備えた車両用前照灯において、
    上記発光素子が、第一の照射ビームに用いられる一又は複数の第一の発光部と、第二の照射ビームに用いられる一又は複数の第二の発光部を備えており、
    上記第一の照射ビームのパターン形状は、上記第一の発光部の形状を上記光学系を介して得られる投影像のパターン形状により構成されており、
    上記第ニの照射ビームのパターン形状は、上記第ニの発光部の形状を上記光学系を介して得られる投影像のパターン形状により構成されており、
    上記第一の発光部と上記第ニの発光部との間には光遮蔽部が設けられており、
    上記第一及び第二の発光部は、それぞれ長方形状をなしており、
    上記光学系を介した投影像のパターン形状が、直線的な部分を有する構成をしており、
    上記第一及び第ニの発光部を各別に点灯することで照射ビームが切り換えられるようにした
    ことを特徴とする車両用前照灯。
  2. 請求項1に記載の車両用前照灯において、
    上記第一及び第ニの発光部の形状は、それぞれ、上記発光素子が備えるチップ部の形状によって決められる
    ことを特徴とする車両用前照灯。
  3. 請求項1に記載の車両用前照灯において、
    上記第一及び第ニの発光部の形状は、それぞれ、上記発光素子が備える蛍光体の形状によって決められる
    ことを特徴とする車両用前照灯。
  4. 請求項1に記載の車両用前照灯において、
    上記第一及び第ニの発光部の形状は、それぞれ、上記発光素子が備える反射部の形状によって決められる
    ことを特徴とする車両用前照灯。
  5. 請求項1に記載の車両用前照灯において、
    上記第一及び第ニの発光部のうちの少なくとも一方は、複数の発光部を有しており、
    上記複数の発光部の直線的な部分は、直線上に揃えた配置とされている
    ことを特徴とする車両用前照灯。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用前照灯において、
    上記発光素子は、複数の上記第一及び第二の発光部に対して同一のレンズ部を備えており、
    上記レンズ部には、複数の上記第一の発光部の発光領域と複数の上記第二の発光部の発光領域とが隣接しており、
    複数の上記第一の発光部の発光領域と複数の上記第二の発光部の発光領域との境界部に、上記光遮蔽部が配置されている
    ことを特徴とする車両用前照灯。
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