JP6222982B2 - 光源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源として用いられる光源装置に関し、特に点光源を実現可能とする光源装置に関する。
例えば、家庭用の照明器具は、白熱電球を光源装置として用いたものが広く普及している。また、四輪車や二輪車等の自動車車両、鉄道車両、航空機、船舶、その他の輸送機械における前照灯は、ハロゲンバルブを光源装置として用いたものが一般的である。これらの光源装置は、いずれもフィラメントを発光体とする構造のため、消費電力が大きく、寿命が短いことが問題視されている。
このことから、近年は、上述の問題を解消すべく、LED(発光ダイオード)素子を発光体として用いた光源装置が注目されている。具体的には、自動車車両の前照灯用途であれば、LED素子をレンズ状部材で覆って構成したものや(例えば、特許文献1参照)、LED素子とこれに対向する光学部材とを組み合わせて構成したもの(例えば、特許文献2参照)等がある。
特許第4785038号公報 特許第4689762号公報
しかしながら、発光体がフィラメントである場合とLED素子である場合とでは発光体形状や配光特性等が互いに異なることから、従来の光源装置では、発光体をフィラメントからLED素子へ置換しても、以下に述べるような難点が生じてしまう。
例えば、自動車車両の前照灯用途の光源装置について説明する。
自動車車両の前照灯は、自動車の構造および装置に関する規則(UN規則)における四輪車用(二輪車も使用可能)の非対称ビーム配光規定(R20)に定められた配光特性を満たす必要がある。図12は、UN規則R20に定められた配光特性の一例を示す説明図である。図例の配光特性は、ロービーム(すれ違い用下向き配光パターン)照射時の25m先での照度分布を示したものである。この配光特性によれば、図中左上領域(図中A部)は歩行者やガードレール等を確実に視認し得るように明るめに照らしているが、図中右上領域(図中B部)は対向車を眩惑しないように光をカットしていることがわかる。
一般に、自動車車両の前照灯は、フィラメントを発光体とするハロゲンバルブを光源装置として用いた場合を想定して、上述した配光特性を満たすように設計されたものが殆どである。したがって、当該前照灯において、LED素子を発光体とする光源装置を用いる場合には、上述した配光特性が得られるように、ハロゲンバルブの場合と同様の発光状態を再現する必要がある。さらに詳しくは、LED素子を発光体とする場合であっても、(i)発光体の形状、(ii)発光体の発光位置、(iii)発光体の配光特性の全てについて、ハロゲンバルブと同様の発光状態を再現する必要がある。
ハロゲンバルブの場合、(i)発光体の形状は、フィラメント状の点光源に近い形をしている。(ii)発光体の発光位置は、前照灯の凹状リフレクタにおける光反射面のハイビーム用焦点位置またはロービーム用焦点位置である。(iii)発光体の配光特性は、フィラメント発光なので、全方位に均等な光を放射するというものである。
これに対して、LED素子を発光体とする場合は、前照灯用途に適したパワーLEDまたはハイパワーLEDと呼ばれるものについては(i)発光体の形状が面状をしている。そして、(iii)発光体の配光特性がランバーシアン配光の特性を呈し、その指向性が強いことが知られている。
このように、LED素子を発光体とする場合は、上記(i)〜(iii)の各要素のうち、少なくとも(i)発光体の形状および(iii)発光体の配光特性について、ハロゲンバルブの場合とは根本的な違いがある。
この点、例えば特許文献1に開示された光源装置では、レンズ状部材による光屈折作用を利用して、発光体からの光の出射方向の範囲を広げ、その指向性を弱めるようにしている。ところが、光の出射方向を広げることはできても、発光体から全方位に向けて均等な光を放射するまでには至っていない。また、発光体の形状も面状のままである。さらには、レンズ状部材を要することから、発光体の発光位置にも制限がある。つまり、上記(i)〜(iii)の各要素のいずれについても、ハロゲンバルブと同様の状態を完全に再現することが困難である。
また、例えば特許文献2に開示された光源装置では、湾曲斜面を有した円錐状の光学部材を利用して、LED素子からの出射光を反射することによって、例えば反射面近傍に疑似光源を形成し、その疑似光源から放射状に光を発し得るようにしている。そのため、前照灯の凹状リフレクタに対して光学部材を適切な位置に配することで、上記(ii)および(iii)の各要素について、ハロゲンバルブと同様の状態を再現することも実現可能となる。ところが、特許文献2に開示された光源装置であっても、疑似光源が完全な点光源状とはなっておらず、上記(i)の要素についてハロゲンバルブと同様の状態を再現するまでには至っていない。
つまり、従来のLED素子を発光体とする光源装置については、どのような構成のものであっても、特に上記(i)の要素について、少なくともフィラメント発光体と同等に扱える程度の点光源を実現可能にするものが存在していない。したがって、従来における光源装置では、発光体をフィラメントからLED素子へ置換しても、前照灯の配光特性について、ハロゲンバルブと同様の状態(すなわち満たすべき配光特性)を確実に再現できるとは限らない。具体的には、例えばUN規則R20に定められた配光特性を満たすことができず、ロービーム照射時のカットラインを綺麗に再現できないという難点が生じ得る。
以上に述べた難点は、主として、LED素子に代表される面発光光源を用いた場合に、従来の光源装置では点光源を形成し得ないことに起因して生じると考えられる。点光源を形成し得ないことに起因する難点は、上述した自動車車両の前照灯用途以外の場合にも生じ得る。例えば、家庭用の照明器具用途の場合であれば、白熱電球に比べてLED電球のほうが光の照射範囲が狭いことが知られているが、これも点光源を形成し得ないことに起因するためと言える。
そこで、本発明は、面発光光源を発光体として用いた場合であっても、点光源を形成することを実現可能とする光源装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。
本発明の第1の態様は、面発光光源の発光面に対向して配される光学部材と、前記面発光光源としてのLED素子と、車両の前照灯のソケット部に着脱可能に装着される口金部と、を備え、前記光学部材は、前記発光面の側に頂部を有する回転放物面を反射面とする凸面鏡部を有し、前記発光面からの出射光を前記凸面鏡部で反射することで前記回転放物面の焦点位置に仮想点光源を形成するように構成されているとともに、前記口金部が前記ソケット部に装着された状態で、前記凸面鏡部が前記発光面からの出射光を前記前照灯を構成する凹状リフレクタの光反射面に向けて反射する位置に配されており、さらに、前記光学部材は、前記凸面鏡部が第1凸面鏡部と第2凸面鏡部に区分けされており、前記第1凸面鏡部および前記第2凸面鏡部は、互いに異なる回転放物面によって形成され、それぞれが異なる位置に前記仮想点光源を形成するものであり、前記第1凸面鏡部は、前記口金部が前記ソケット部に装着された状態で、前記凹状リフレクタにおける光反射面のハイビーム用焦点位置に前記仮想点光源を形成し、前記第2凸面鏡部は、前記口金部が前記ソケット部に装着された状態で、前記凹状リフレクタにおける光反射面のロービーム用焦点位置に前記仮想点光源を形成することを特徴とする光源装置である。
本発明の第の態様は、第の態様に記載の発明において、前記光学部材は、前記発光面に近い側に前記第1凸面鏡部が位置し、前記発光面から遠い側に前記第2凸面鏡部が位置するように、当該第1凸面鏡部と当該第2凸面鏡部とが重なる二段構造に構成されていることを特徴とする。
本発明の第の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、前記LED素子として、前記第1凸面鏡部の対応箇所に位置する第1LED素子と、前記第2凸面鏡部の対応箇所に位置する第2LED素子とを備え、前記第1LED素子と前記第2LED素子とが選択的に光を出射するように構成されていることを特徴とする。
本発明の第の態様は、第1から第のいずれか1態様に記載の発明において、前記凸面鏡部は、光反射抑制処理が施された表面部分を有することを特徴とする。
本発明の第の態様は、面発光光源の発光面に対向して配される光学部材を備え、前記光学部材は、前記発光面の側に頂部を有する回転放物面を反射面とする凸面鏡部を有し、前記発光面からの出射光を前記凸面鏡部で反射することで前記回転放物面の焦点位置に仮想点光源を形成するように構成されており、さらに、前記光学部材は、複数の前記凸面鏡部を有しているとともに、各凸面鏡部が互いに異なる回転放物面によって形成され、それぞれが異なる位置に前記仮想点光源を形成するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、面発光光源を用いた場合であっても、凸面鏡部を構成する回転放物面の焦点位置に仮想的な点光源を形成することができ、その点光源の位置から放射状に均等な光を発することが可能となる。
本発明に係る光源装置の基本的な構成例を示す概念図である。 本発明に係る光源装置における放物面係数と配光制御との関係の具体例を示す概念図である。 本発明に係る光源装置における光照射位置と配光制御との関係の具体例を示す概念図である。 自動車車両の前照灯および当該前照灯に用いられるハロゲンバルブの一具体例を模式的に示す説明図である。 自動車車両の前照灯における配光の一具体例を模式的に示す説明図である。 回転放物面で構成される凹状リフレクタ内での発光体位置が配光に及ぼす影響を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施形態によるLEDバルブの概略構成例を示す説明図である。 本発明の一実施形態によるLEDバルブの光学部材の構成例を具体的に示す説明図である。 本発明の一実施形態によるLEDバルブの光学部材におけるハイビーム用・ロービーム用の放物面の設定例を具体的に示す説明図である。 本発明の一実施形態によるLEDバルブを前照灯に装着した場合の当該前照灯における配光の一具体例を模式的に示す説明図である。 本発明の他の実施形態によるLED電球の概略構成例を示す説明図である。 UN規則R20に定められた配光特性の一例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
ここでは、以下のような項分けをして説明を行う。
1.本発明の基本的な構成
2.本発明の一実施形態
3.本実施形態の効果
4.本発明の他の実施形態
<1.本発明の基本的な構成>
先ず、本発明に係る光源装置の基本的な構成について説明する。
本発明に係る光源装置は、面発光光源を発光体として用いた場合であっても、点光源の形成を実現可能にするために案出されたものである。
本明細書において、「光源装置」とは、光を出射することで光源として機能し、当該光源を必要とする機器に着脱可能に装着されて使用される装置のことをいう。その一例としては、四輪車や二輪車等の自動車車両、鉄道車両、航空機、船舶、その他の輸送機械における前照灯にて使用されるもの(具体的には、当該前照灯に装着されるハロゲンバルブの代替品に相当するもの)が挙げられる。また、他の例としては、家庭用の照明器具にて使用されるもの(具体的には、当該照明器具に装着される白熱電球の代替品に相当するもの)が挙げられる。ただし、ここで挙げた例に限定されることはなく、例えば照明装置や露光装置等にて使用されるものであっても、光を出射することで光源として機能するものであれば、本明細書でいう「光源装置」に該当し得る。
また、「面発光光源」とは、光源装置において光を出射する発光体として用いられるもので、平坦または凸面状の発光面から光を出射する光源のことをいう。面発光光源の代表的なものとしては、パワーLEDまたはハイパワーLEDと呼ばれるLED素子が挙げられる。
また、「点光源」とは、発光部の大きさが光の出射先までの距離に比べて小さく、点と見做せる光源であり、当該点から放射状に光を出射する光源のことをいう。
このような光源装置において、面発光光源を発光体として用いた場合であっても、点光源の形成を実現可能にするためには、面発光光源による光束分布と点光源による光束分布との相違を克服する必要がある。例えば上述した特許文献2に開示された光源装置では、光の反射を利用することで疑似光源を形成し、これにより光束分布の変換を行っている。ところが、特許文献2に開示された光源装置では、疑似光源が完全な点光源状とはなっておらず、厳密に点光源を形成するような配光制御を実現する上では改善の余地がある。
この点につき、本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、光の反射を利用して光束分布の変換を行うという考え方を踏襲しつつ、その反射面の形状の適切化を図れば、面発光光源を発光体として用いた場合であっても、厳密に点光源を形成することが実現可能になるのではないか、という着想に至った。
配光制御に用いられる反射面の形状としては、パラボラ状のもの、すなわち回転放物面によって構成される凹面鏡状のものが広く知られている。このような凹面鏡状の反射面は、入射した平行光線が1点(焦点)に集まるという性質を持っている。
このことを踏まえた上で、本願発明者は、さらに鋭意研究を重ね、回転放物面によって構成される凹面鏡部ではなく、当該回転放物面によって構成される凸面鏡部(凹面鏡部の裏側)に光を当てるという着想を得るに至った。回転放物面を反射面とする凸面鏡部に光を当てると、反射光は、当該回転放物面の焦点と反射点を結んだ直線の方向へ反射することになる。
本発明は、このような本願発明者が着眼した従来にはない発想、すなわち従来の配光制御用途では全く用いられていない回転放物面による凸面鏡部を反射面とするという、新規で独創的な発想に基づくものである。
図1は、本発明に係る光源装置の基本的な構成例を示す概念図である。
図例のように、本発明に係る光源装置は、光の反射を利用して光束分布の変換を行うべく、光学部材1を備えて構成されている。光学部材1は、光を良好に反射し得るように、例えば表面(すなわち光反射面となる面)が鏡面仕上げされた金属部材によって形成されている。ただし、光を良好に反射し得るものであれば、例えば表面がメッキ加工された樹脂部材によって形成されたものであってもよい。
また、光学部材1は、回転放物面を反射面とする凸面鏡部2を有しており、その凸面鏡部2にて光を反射するように構成されている。
「回転放物面」は、放物線をその対称軸の周りに回転させて得られる面である。回転放物面は凹面側に平行光線を入射させて当該回転放物面を構成する放物線の焦点に光を集めるような使われ方をすることが一般的であるが(例えばパラボラアンテナ)、光学部材1では、回転放物面の凹面側ではなく凸面側(すなわち、凸面鏡部2)に平行光線3を入射させるようにする。
そのために、光学部材1は、図示せぬ面発光光源の発光面に対向し、かつ、その発光面の側に凸面鏡部2を構成する回転放物面の頂部が位置するような状態で、当該面発光光源に対して配置されて用いられる。光学部材1と面発光光源の発光面との間は、結果として両者が対向する位置関係にあれば、両者の間にレンズやミラー等の光学部材が介在してもよい。したがって、面発光光源については、装置構成の簡素化等を実現する上では光源装置自体が当該面発光光源を備えていることが望ましいが、光学部材が介在する場合であれば光源装置とは別体の面発光光源を利用して光学部材1の凸面鏡部2に入射させることも実現可能である。
このような位置関係により、光学部材1には、面発光光源の発光面から光が出射されると、凸面鏡部2に対して平行光線3が入射されることになる。ここでいう「平行光線」は、光束を構成する各光線が完全に平行な場合の他に、例えばLED素子からの出射光のように指向性が強い光束の場合をも含む。ただし、各光線が完全に平行な状態であることが理想的であることから、LED素子からの出射光については、広角に出射された光の成分を平行光に変換すべく、配光制御機構を当該LED素子に付設することが望ましい。配光制御機構としては、例えば、放物面の凹面側での光反射を利用して平行光成分を高めるような機構(放物面の凹面側の一般的な利用形態)を用いることが考えられる。
面発光光源からの平行光線3が入射すると、光学部材1は、凸面鏡部2で入射光を反射する。このとき、凸面鏡部2は回転放物面の凸面側に相当するので、その凸面鏡部2による反射光4は、当該回転放物面の焦点と反射点を結んだ直線の方向へ反射される。つまり、凸面鏡部2による反射光4は、回転放物面の焦点を仮想的な点光源5とするような振る舞いを見せ、その仮想的な点光源5から出射されたのと同様な態様で放射状に反射される。したがって、光学部材1は、面発光光源からの光を凸面鏡部2で反射することで、回転放物面の焦点位置に仮想点光源5を形成することになる。ここでいう「回転放物面の焦点位置」は、回転放物面を構成する放物線における焦点の位置である。
上述した構成の光学部材1は、凸面鏡部2を構成する回転放物面の係数を変化させることで、当該凸面鏡部2による反射光4の配光を制御できるという特性を有する。
図2は、本発明に係る光源装置における放物面係数と配光制御との関係の具体例を示す概念図である。
例えば、図2(a)に示す例では、回転放物面の頂部近傍における湾曲度合が緩やかとなるように、当該回転放物面の係数が設定されている。これに対して、図2(b)に示す例では、回転放物面の頂部近傍における湾曲度合が急峻となるように、当該回転放物面の係数が設定されている。そのため、図2(a),(b)の各例では、凸面鏡部2に対し同様の箇所に平行光線3が照射された場合であっても、反射光4の出射方向が互いに異なるものとなっている。このように、光学部材1については、凸面鏡部2を構成する回転放物面の係数を変化させることで、当該凸面鏡部2による反射光4の方向を変えることができる。このことは、換言すると、凸面鏡部2を構成する回転放物面の係数をどのように設定するかによって、光学部材1が形成する仮想点光源5の位置を調整し得ることを意味する。具体的には、例えば図2(a)に示すように回転放物面の頂部から遠い位置に仮想点光源5を形成したり、あるいは例えば図2(b)に示すように回転放物面の頂部から近い位置に仮想点光源5を形成する、といったことが実現可能となる。
また、上述した構成の光学部材1は、凸面鏡部2に対する光の照射位置を変化させることで、当該凸面鏡部2による反射光4の配光を制御できるという特性を有する。
図3は、本発明に係る光源装置における光照射位置と配光制御との関係の具体例を示す概念図である。
例えば、図3(a)に示す例では、回転放物面の対称軸から遠い位置に対して、面発光光源から出射された平行光線3が照射されている。これに対して、図3(b)に示す例では、回転放物面の対称軸に近い位置に対して、面発光光源から出射された平行光線3が照射されている。そのため、図3(a),(b)の各例では、凸面鏡部2が同一形状(回転放物面の係数が同一)で、同一位置に仮想点光源5が形成される場合であっても、反射光4の出射方向が互いに異なるものとなっている。このように、光学部材1については、凸面鏡部2に対する平行光線3の照射位置を回転放物面の面上で移動させることで、当該凸面鏡部2による反射光4の方向を変えることができる。
<2.本発明の一実施形態>
次に、本発明に係る光源装置について、具体的な実施の形態を説明する。
ここでは、四輪車や二輪車等の自動車車両における前照灯にて使用される光源装置を例に挙げる。
(前照灯の構成)
ここで、先ず、自動車車両の前照灯、および、当該前照灯の光源装置として一般的に用いられるハロゲンバルブについて、簡単に説明する。
図4は、自動車車両の前照灯および当該前照灯に用いられるハロゲンバルブの一具体例を模式的に示す説明図である。
図4(a)に示すように、自動車車両の前照灯10は、少なくとも、ハロゲンバルブ20が装着されるソケット部11と、その周囲に配されてハロゲンバルブ20からの出射光を前方(前照灯10による光の照射先)へ向けて反射する凹状リフレクタ12と、その前方(光の照射先)側を覆うレンズ13と、を備えて構成されている。
このような前照灯10の光源装置として用いられるハロゲンバルブ20は、図4(b)に示すように、ソケット部11に着脱可能に装着される口金部21を備えている。そして、形状的にH−1タイプ、HB−1タイプ、H−4タイプ、HB−4タイプ、HB−5タイプ、H−7タイプ等と称される数種類の仕様が設定され、各々についてソケット部11及び口金部21の形状、寸法等が規格化されている。また、ハロゲンバルブ20は、例えばH−4タイプのようなハイロー切替バルブであれば、不活性ガスにハロゲンガスを微量導入して封止されたガラス殻22の中に、ハイビーム(走行用上向き配光パターン)用フィラメント23とロービーム(すれ違い用下向き配光パターン)用フィラメント24とが別個に配設されている。ただし、図例とは異なり、ガラス殻22の中に1つのフィラメントのみが設けられたものもある(例えばH−7タイプのようなシングルバルブ)。いずれのタイプも、フィラメントは、例えばタングステン(W)によって形成されており、通電によって白熱することで、点光源の如く周囲へ向けて放射状に広がるような光を発する。ハロゲンバルブ20の先端部には、シェードと呼ばれる傘のような遮光部25が設けられており、フィラメントからの光が直接前方側に出射されないようになっている。また、ロービーム用フィラメント24には、光の出射方向を制御するために遮蔽板26が付設されたものがある。
図5は、自動車車両の前照灯における配光の一具体例を模式的に示す説明図である。
ハロゲンバルブ20がハイロー切替バルブである場合、前照灯10は、ハイビーム照射時とロービーム照射時で、発光させるフィラメント23,24を切り替える。
具体的には、ハイビーム用フィラメント23は、凹状リフレクタ12の焦点近傍に配されている。そして、ハイビーム用フィラメント23を発光させると、ここから発せられる光は、凹状リフレクタ12で反射して平行光線となって遠くまで照射されることになる。
一方、ロービーム用フィラメント24は、焦点の少し前方(光の照射先)側に設置されている。そして、ロービーム用フィラメント24を発光させると、その位置が凹状リフレクタ12の焦点位置からずれているために、当該フィラメント24から上方に発せられる光は、凹状リフレクタ12での反射後の光束が下向きになる。また、当該フィラメント24から下方に発せられる光は、遮蔽板26により上方向に反射され、前記同様凹状リフレクタ12での反射後の光束が下向きになる。さらに、遮蔽板26は、水平からややハロゲンバルブ20の中心軸周りに傾いて配されており、それにより照射方向右上に出射される光を遮蔽する。これらによって、ロービーム用フィラメント24から発せられる光は、凹状リフレクタ12で反射して、照射方向の手前側とやや左の側を照らすことになる。
このように、前照灯10においては、光を発するフィラメント23,24の凹状リフレクタ12内での位置に応じて、照射する光の配光状態が異なるように構成されている。
図6は、回転放物面で構成される凹状リフレクタ内での発光体位置が配光に及ぼす影響を模式的に示す説明図である。図例は、前照灯10の凹状リフレクタ12を簡単のために回転放物面に近似し、その中で発光体の位置を変えたときに、配光がどのように変化するかをシミュレーションした結果を示している。
図6(a)に示すように、回転放物面の焦点位置に発光体が存在する場合は、全ての光は、平行光線となって出射される。前照灯10のハイビームは、これと同じ原理で、遠くまで光を照射するようになっている。
これに対して、図6(b)に示すように、発光体の位置を回転放物面の焦点位置から前方(光の照射先)側にずらすと、光は、主に下方向への配光となる。前照灯10のロービームは、この原理を用いている。
さらに、図6(c)に示すように、発光体の位置を回転放物面の焦点位置から上方側にずらしたときも、光は、主に下方向への配光となる。また、図6(d)に示すように、発光体の位置を回転放物面の焦点位置から下方側にずらすと、配光は、上方向および下方向の両方向への配光となる。
このように、前照灯10による配光は、発光体の位置が変わるだけで大きく変化してしまう。そのため、前照灯10の光源装置としてハロゲンバルブ20の代替品を用いる場合に、当該前照灯10における本来の配光状態を得るためには、既に説明したように、(i)発光体の形状、(ii)発光体の発光位置、(iii)発光体の配光特性の全てについて、ハロゲンバルブ20と同様の発光状態を再現する必要がある。
(光源装置の概略構成)
続いて、上述した構成の前照灯10にて使用される、本発明に係る光源装置の概略構成について、具体的に説明する。ここでは、前照灯10の光源装置として、面発光光源であるLED素子を発光体として備えて構成されたLEDバルブを例に挙げて、以下の説明を行う。このLEDバルブは、上述したハロゲンバルブ20の代替品となるものである。
図7は、本発明の一実施形態によるLEDバルブの概略構成例を示す説明図である。
図例のように、本実施形態のLEDバルブは、LED素子6と、LED素子6が配設される基体部7と、基体部7に取り付けられる口金部8と、基体部7から口金部8の反対側に突設される支柱9と、支柱9を介して基体部7と連結される光学部材1と、を備えて構成されている。
LED素子6としては、例えばパワーLEDまたはハイパワーLEDと呼ばれるものを用いる。前照灯用途として、必要十分な出射光量を得るためである。パワーLEDまたはハイパワーLEDは、平面状または凸面状の発光面から光を発するように構成されており、面発光光源として機能するようになっている。このようなLED素子6の発光面からは、ランバーシアン配光に近い光束が出射される。そのため、LED素子6の光出射側には、出射光の平行光成分を高めるべく、配光制御機構を当該LED素子6に付設することが望ましい。
なお、LED素子6は、詳細を後述するように、複数個を並べて配置されるものとする。複数個のLED素子6には、ハイビーム用LED素子である第1LED素子6aと、ロービーム用LED素子である第2LED素子6bとが含まれる。
基体部7は、その一つの面にLED素子6が配設されており、当該面と表裏の関係にある他の面に口金部8が取り付けられたものである。また、基体部7には、LED素子6の配線基板(ただし不図示)が配設されていてもよい。このような基体部7は、LED素子6で生じる熱を逃がすために、例えばアルミニウム(Al)のような熱伝導性を有する金属材料によって形成することが考えられる。
口金部8は、LEDバルブを前照灯10のソケット部11に装着可能にするものである。そのために、口金部8は、ソケット部11に着脱自在に嵌合するように、その形状、寸法等が当該ソケット部11の規格に準拠して形成されている。
支柱9は、光学部材1を支持するために、基体部7の一つの面に突設されたものである。この支柱9は、例えば光学部材1を構成する回転放物面の対称軸に沿って一本のみを設けることが考えられるが、必ずしもこれに限定されることはなく、光学部材1を支持可能であれば、複数本を設けるようにしても構わない。ただし、回転放物面の対称軸に沿って一本のみを設けた場合であれば、光学部材1を支持する支柱9がLEDバルブのセンタ部分に配されることになるので、支柱9によって光が遮られてしまうのを極力抑制することができる。また、光学部材1の支持は、必ずしも柱状のもので行う必要はなく、例えばガラス管のような円筒状透明部材を用いて行うことも考えられる。その場合には、筒内空間の防塵が図れるようになる。
光学部材1は、既に基本的構成についての説明で述べたように、LED素子6からの出射光に対して、光の反射を利用して光束分布の変換を行うべく、設けられたものである。そのために、光学部材1は、LED素子6の発光面に対向して配されており、その発光面の側に頂部を有する回転放物面を反射面とする凸面鏡部2を有している。さらに詳しくは、光学部材1は、口金部8が前照灯10のソケット部11に装着された状態で、凸面鏡部2がLED素子6の発光面からの出射光を前照灯10の凹状リフレクタ12の光反射面に向けて反射する位置に配されるように、支柱9によって支持される。そして、光学部材1は、LED素子6の発光面からの出射光を凸面鏡部2で反射することで、その凸面鏡部2を構成する回転放物面の焦点位置に仮想点光源5を形成するのである。
なお、LEDバルブに用いられる光学部材1は、LED素子6で生じる熱を考慮して、表面(すなわち光反射面となる面)が鏡面仕上げされた金属部材によって形成されていることが望ましい。
(光学部材の詳細な構成)
ここで、LEDバルブにおける光学部材1について、その詳細な構成を、具体例を挙げつつ、さらに詳しく説明する。
LEDバルブは、上述したように、前照灯10において、ハロゲンバルブ20の代替品として用いられる。ハロゲンバルブ20は、ハイロー切替バルブであれば、ハイビーム用フィラメント23とロービーム用フィラメント24とを備えており、発光させるフィラメント23,24を切り替えることで、ハイビーム照射とロービーム照射に選択的に対応し得るようになっている。よって、LEDバルブにおいても、前照灯10における本来の配光状態を得るためには、ハイビーム照射時とロービーム照射時とのそれぞれについて、(i)発光体の形状、(ii)発光体の発光位置、(iii)発光体の配光特性の全てについて、ハロゲンバルブ20と同様の発光状態を再現する必要がある。このことから、LEDバルブにおける光学部材1は、上記(i)〜(iii)の各要素のいずれについてもハロゲンバルブ20と同様の状態を完全に再現すべく、以下に述べるように構成されている。
図8は、本発明の一実施形態によるLEDバルブの光学部材の構成例を具体的に示す説明図である。
図例のように、本実施形態のLEDバルブにおける光学部材1は、前照灯10でのハイビーム照射とロービーム照射とに対応するために、凸面鏡部2が第1凸面鏡部2aと第2凸面鏡部2bに区分けされている。第1凸面鏡部2aおよび第2凸面鏡部2bは、いずれもLED素子6の発光面の側に頂部を有する回転放物面によって形成されたものであるが、互いに異なる回転放物面によって形成されており、それぞれが異なる位置に仮想点光源5を形成するものである。つまり、光学部材1は、第1凸面鏡部2aおよび第2凸面鏡部2bを備え、複数(具体的には二つ)の仮想点光源5a,5bを形成するように構成されている。
また、本実施形態のLEDバルブにおける光学部材1は、第1凸面鏡部2aと第2凸面鏡部2bが二段構造を構成している。さらに詳しくは、LED素子6の発光面に近い側に第1凸面鏡部2aが位置し、当該発光面から遠い側に第2凸面鏡部2bが位置するように、これら第1凸面鏡部2aおよび第2凸面鏡部2bが回転放物面の回転軸方向に重ねられている。そして、LED素子6の側から見ると、第1凸面鏡部2aのほうが、それよりも遠い側の第2凸面鏡部2bよりも、平面視で小径に形成されている。したがって、第1凸面鏡部2aと第2凸面鏡部2bによる二段構造は、その側断面に関して言えば、LED素子6の発光面の側に向けて突出する二段凸形状を構成することになる。
このような二段構造の光学部材1において、第1凸面鏡部2aは、口金部8が前照灯10のソケット部11に装着された状態で、前照灯10の凹状リフレクタ12における光反射面のハイビーム用焦点位置に、仮想点光源5aを形成する。つまり、第1凸面鏡部2aは、ハロゲンバルブ20のハイビーム用フィラメント23による発光状態を再現するためのものである。
一方、第2凸面鏡部2bは、口金部8が前照灯10のソケット部11に装着された状態で、前照灯10の凹状リフレクタ12における光反射面のロービーム用焦点位置に、仮想点光源5bを形成する。つまり、第2凸面鏡部2bは、ハロゲンバルブ20のロービーム用フィラメント24による発光状態を再現するためのものである。
なお、ロービーム照射に対応する第2凸面鏡部2bは、光反射抑制処理が施された表面部分を部分的に有するものであってもよい。具体的には、第2凸面鏡部2bを構成する回転放物面(すなわち反射面)のうち、口金部8が前照灯10のソケット部11に装着された状態で下半球側に位置することになる表面部分に、光反射抑制処理を施すことが考えられる。光反射抑制処理としては、第2凸面鏡部2bの一部表面上に公知技術を利用して遮光膜を形成し当該一部表面での光の反射を抑制する遮光処理や、第2凸面鏡部2bの一部表面上に公知技術を利用して光吸収膜を形成し当該一部表面での光の反射を抑制する吸光処理等が挙げられる。ただし、第2凸面鏡部2bの一部表面での光の反射を抑制可能であれば、これらの遮光処理または吸光処理に限定されることはなく、他の公知技術を利用した光反射抑制処理を施すようにしても構わない。
また、光反射抑制処理が施された表面部分は、上述したように第2凸面鏡部2bの一部に形成することが考えられるが、当該第2凸面鏡部2bに代わって第1凸面鏡部2aの一部に形成してもよいし、あるいは第1凸面鏡部2aおよび第2凸面鏡部2bのそれぞれに形成してもよい。つまり、光反射抑制処理が施された表面部分は、凸面鏡部2の反射面上の一部に形成することが考えられ、これにより当該凸面鏡部2での光反射方向を制御することが可能になる。
(回転放物面の設定)
ところで、光学部材1は、既に基本的構成についての説明で述べたように、回転放物面の係数を変化させることで、反射光の配光を制御できるという特性を有している。そのため、所望の配光状態を得るためには、回転放物面の係数を適切に設定しておく必要がある。
このことから、上述した二段構造の光学部材1については、第1凸面鏡部2aを構成する回転放物面の係数と、第2凸面鏡部2bを構成する回転放物面の係数とを、それぞれ以下のように設定することが考えられる。
図9は、本発明の一実施形態によるLEDバルブの光学部材におけるハイビーム用・ロービーム用の放物面の設定例を具体的に示す説明図である。
図例は、前照灯10の凹状リフレクタ12の反射面断面形状、LEDバルブの光学部材1における第1凸面鏡部2aの反射面断面形状、および、当該光学部材1における第2凸面鏡部2bの反射面断面形状を、当該光学部材1における回転放物面の対称軸(回転軸)を通る座標平面に関して示している。この座標平面において、図中上下方向に相当するy方向は、回転放物面の回転軸に沿った方向であり、下方側がLED素子6の発光面の配置側、上方側が前照灯10による光の照射側となっている。また、図中左右方向に相当するx方向は、回転放物面の回転軸に直交する方向であり、当該回転軸の通過位置の座標値が0となっている。
このような座標平面上において、凹状リフレクタ12の光反射面の頂部から第1凸面鏡部2aを構成する回転放物面の頂部までの距離をthi、凹状リフレクタ12の光反射面の頂部から当該凹状リフレクタ12における光反射面のハイビーム用焦点位置(すなわちハロゲンバルブ20装着時におけるハイビーム用フィラメント23の位置)までの距離をfhiとすると、第1凸面鏡部2aを構成する回転放物面上の位置yhiは、以下の(1)式によって表すことができる。
また、上述の座標平面上において、凹状リフレクタ12の光反射面の頂部から第2凸面鏡部2bを構成する回転放物面の頂部までの距離をtlow、凹状リフレクタ12の光反射面の頂部から当該凹状リフレクタ12における光反射面のロービーム用焦点位置(すなわちハロゲンバルブ20装着時におけるロービーム用フィラメント24の位置)までの距離をflowとすると、第2凸面鏡部2bを構成する回転放物面上の位置ylowは、以下の(2)式によって表すことができる。
これら(1)式および(2)式において、距離fhi,flowの値は、前照灯10の仕様によって一意に定まる。ここでいう前照灯10の仕様としては、例えば、当該前照灯10における凹状リフレクタ12の光反射面形状や、当該前照灯10のソケット部11への装着が想定されたハロゲンバルブ20のフィラメント位置や形状等が挙げられる。したがって、(1)式および(2)式において、実際に可変可能なパラメータは、距離thi,tlowの値に限定される。つまり、第1凸面鏡部2aと第2凸面鏡部2bによる二段構造の光学部材1については、(1)式および(2)式を用いつつ、前照灯10の仕様に合わせて、距離thi,tlowの値を適宜設定することで、LEDバルブを構成する上で最も好ましい回転放物面が得られ、その結果として所望の配光状態を得られるようにすることが実現可能となる。
なお、以上のようにして回転放物面が設定される光学部材1については、LED素子6の側から平面視した場合の最外径が例えばφ38mm程度であり、第1凸面鏡部2aによる仮想点光源5aと第2凸面鏡部2bによる仮想点光源5bとが同一軸上で例えば6.5〜6.75mm程度離れて配置されていることが、ハロゲンバルブ20と互換性のあるLEDバルブを構成する上では最も好ましい。
(LED素子の配置)
また、光学部材1は、既に基本的構成についての説明で述べたように、光の照射位置を変化させることで、反射光の配光を制御できるという特性を有している。そのため、所望の配光状態を得るためには、光学部材1に対する光の照射位置の設定も重要となる。光の照射位置は、LED素子6と光学部材1との位置関係を調整することで、適宜設定することが可能である。
このことから、本実施形態のLEDバルブは、複数個のLED素子6を備えている。複数個のLED素子6は、光学部材1の第1凸面鏡部2aの対応箇所に位置する第1LED素子6aと、当該光学部材1の第2凸面鏡部2bの対応箇所に位置する第2LED素子6bとに分けられる。ここで、第1凸面鏡部2aの「対応箇所」とは、当該第1凸面鏡部2aの反射面に光を照射し得る箇所のことをいい、例えば当該第1凸面鏡部2aの反射面に対向する基体部7上の箇所がこれに相当する。第2凸面鏡部2bの「対応箇所」についても同様である。
第1LED素子6aと第2LED素子6bとは、それぞれが選択的に光を出射するように制御される。具体的には、第1凸面鏡部2aの対応箇所に位置する第1LED素子6aは、当該第1凸面鏡部2aがハイビーム用焦点位置に仮想点光源5aを形成するものなので、前照灯10のハイビーム照射時に光を出射することになる。一方、第2凸面鏡部2bの対応箇所に位置する第2LED素子6bは、当該第2凸面鏡部2bがロービーム用焦点位置に仮想点光源5bを形成するものなので、前照灯10のロービーム照射時に光を出射することになる。
つまり、本実施形態のLEDバルブにおいて、第1LED素子6aはハイビーム用LED素子として機能し、第2LED素子6bはロービーム用LED素子として機能する。
なお、第1LED素子6aおよび第2LED素子6bは、それぞれが単一のパワーLEDまたはハイパワーLEDによって構成されたものであってもよいが、それぞれが複数のパワーLEDまたはハイパワーLEDを並設して構成されたものであることが望ましい。並設したパワーLEDまたはハイパワーLEDを同時点灯することで、単一の場合に比べて、出射光量の増大化や出射光の照射範囲の拡大化等を容易に実現し得るからである。
また、第1LED素子6aおよび第2LED素子6bは、それぞれがランバーシアン配光に近い光束を出射するものであるが、その光束における平行光成分を高めるべく、それぞれに配光制御機構が付設されていることが望ましい。
(前照灯における配光)
次に、以上のような本実施形態のLEDバルブを前照灯10に装着した場合に、当該前照灯10で得られる配光について、具体的に説明する。
図10は、本発明の一実施形態によるLEDバルブを前照灯に装着した場合の当該前照灯における配光の一具体例を模式的に示す説明図である。
例えば、ハイビーム照射を行う場合、LEDバルブでは、第1LED素子6aが発光面から光を出射し、光学部材1の第1凸面鏡部2aを照射する。そして、第1凸面鏡部2aは、第1LED素子6aからの光を、前照灯10の凹状リフレクタ12に向けて反射する。このとき、第1凸面鏡部2aは、その凹状リフレクタ12における光反射面のハイビーム用焦点位置に、仮想点光源5aを形成する。したがって、LEDバルブでは、第1LED素子6aが光を出射すると、第1凸面鏡部2aが凹状リフレクタ12のハイビーム用焦点位置に仮想点光源5aを形成し、その仮想点光源5aが当該凹状リフレクタ12の光反射面に向けて放射状に光を出射することになる。
このことは、LEDバルブが装着された前照灯10において、そのLEDバルブにより、(i)発光体の形状が仮想的な点光源状であり、(ii)その発光体の発光位置が凹状リフレクタ12のハイビーム用焦点位置であり、(iii)その発光体から全方位に均等な光を放射する配光特性であることが、それぞれ実現されることを意味する。つまり、前照灯10にLEDバルブを装着することによって、上記(i)〜(iii)の全てについて、ハロゲンバルブ20によるハイビーム照射時と同様の発光状態が再現されるのである。
このような発光状態の再現を実現した結果、LEDバルブから発せられる光は、ハロゲンバルブ20によるハイビーム照射時と同様に、凹状リフレクタ12で反射して平行光線となって遠くまで照射されることになる。
また、例えば、ロービーム照射を行う場合、LEDバルブでは、第2LED素子6bが発光面から光を出射し、光学部材1の第2凸面鏡部2bを照射する。そして、第2凸面鏡部2bは、第2LED素子6bからの光を、前照灯10の凹状リフレクタ12に向けて反射する。このとき、第2凸面鏡部2bは、その凹状リフレクタ12における光反射面のロービーム用焦点位置に、仮想点光源5bを形成する。したがって、LEDバルブでは、第2LED素子6bが光を出射すると、第2凸面鏡部2bが凹状リフレクタ12のロービーム用焦点位置に仮想点光源5bを形成し、その仮想点光源5bが当該凹状リフレクタ12の光反射面に向けて放射状に光を出射することになる。
このことは、LEDバルブが装着された前照灯10において、そのLEDバルブにより、(i)発光体の形状が仮想的な点光源状であり、(ii)その発光体の発光位置が凹状リフレクタ12のロービーム用焦点位置であり、(iii)その発光体から上半球側に均等な光を放射する配光特性であることが、それぞれ実現されることを意味する。つまり、前照灯10にLEDバルブを装着することによって、上記(i)〜(iii)の全てについて、ハロゲンバルブ20によるロービーム照射時と同様の発光状態が再現されるのである。
このような発光状態の再現を実現した結果、LEDバルブから発せられる光は、ハロゲンバルブ20によるロービーム照射時と同様に、凹状リフレクタ12での反射後の光束が下向きになるとともに、照射方向の手前側とやや左の側を照らすことになる。
なお、ロービーム照射時に用いる第2LED素子6bについては、前照灯10において上述した配光を確実に得られるようにすべく、前照灯10への装着時における天地方向の上方側に偏って配置することが考えられる。上方側に偏って第2LED素子6bを配置すれば、図10からも明らかなように、主として光学部材1の第2凸面鏡部2bの上方側部分にて光が反射されるようになり、凹状リフレクタ12での反射後の光束を下向きにする上では非常に好適だからである。
また、ロービーム照射時に用いる光学部材1の第2凸面鏡部2bの一部(前照灯10への装着時における下半球側)に光反射抑制処理が施されている場合には、主として光学部材1の第2凸面鏡部2bの下方側部分での光の反射が抑制されるという配光制御がされる。そのため、第2LED素子6bを上方側に偏って配置した場合と同様に、凹状リフレクタ12での反射後の光束を下向きにする上では非常に好適なものとなる。
以上のように、前照灯10においては、ハロゲンバルブ20と同様の発光状態をLEDバルブによって再現すれば、そのLEDバルブの装着時であっても、ハロゲンバルブ20の装着時と同様の配光を得ることができる。例えば、同一の前照灯10において、本実施形態のLEDバルブの装着時とハロゲンバルブ20の装着時とのそれぞれにつき、ロービーム照射時の25m先での照度分布を測定したところ、いずれの場合もUN規則R20に定められた配光特性を満たす照度分布が得られることがわかった。つまり、本実施形態のLEDバルブの装着時においても、ロービーム照射時に満足することが最も難しいと言われている、照射領域と非照射領域とのカットラインを、ハロゲンバルブ20の装着時と同様に、綺麗に再現できていることがわかった。
(本実施形態の変形例)
上述した実施形態では、ハイロー切替バルブとの互換性を確保したLEDバルブ、すなわち凸面鏡部2が第1凸面鏡部2aと第2凸面鏡部2bに区分けされており、それぞれに対応するように第1LED素子6aと第2LED素子6bを備えて構成されたLEDバルブを例に挙げて説明した。ただし、本実施形態のLEDバルブは、必ずしもハイロー切替に対応したものである必要はなく、シングルバルブとの互換性を確保したものであってもよい。その場合は、光学部材1の凸面鏡部2が一つの回転放物面によって構成されることになる。
<3.本実施形態の効果>
本実施形態で説明したLEDバルブによれば、以下のような効果が得られる。
本実施形態のLEDバルブは、面発光光源であるLED素子6の発光面に対向して配される光学部材1を備えている。そして、光学部材1は、LED素子6の発光面の側に頂部を有する回転放物面を反射面とする凸面鏡部2を有している。そのため、LED素子6からの出射光を凸面鏡部2が反射すると、その凸面鏡部2による反射光4は、回転放物面の焦点と反射点を結んだ直線の方向へ反射され、回転放物面の焦点を仮想的な点光源5とするような振る舞いを見せ、その仮想的な点光源5から出射されたのと同様な態様で放射状に反射される。つまり、光学部材1は、LED素子6からの出射光を凸面鏡部2で反射することで、回転放物面の焦点位置に仮想点光源5を形成するように構成されている。
このように、本実施形態のLEDバルブは、従来の配光制御用途では全く用いられていない回転放物面による凸面鏡部2を反射面とすることで、面発光光源であるLED素子6を発光体として用いた場合であっても、厳密に点光源を形成することを実現可能にする。したがって、本実施形態のLEDバルブによれば、(i)発光体の形状、(ii)発光体の発光位置、(iii)発光体の配光特性の全てについて、ハロゲンバルブ20と同様の発光状態を再現することが可能となり、前照灯10に装着した場合に、その前照灯10の配光特性について、ハロゲンバルブ20と同様の状態(すなわち満たすべき配光特性)を確実に再現することができる。具体的には、例えばUN規則R20に定められた配光特性を満たすことができ、ロービーム照射時のカットラインを綺麗に(ボヤケ等が生じることなく)再現できる。
また、本実施形態のLEDバルブは、面発光光源として、LED素子6を備えている。つまり、仮想点光源5という従来にはなかった発想を有効に利用することで、光源装置のLED化を実現する。
したがって、本実施形態のLEDバルブによれば、前照灯10に用いられる光源装置について、LEDの特性である省電力、長寿命等の利点を享受することが可能となる。しかも、前照灯用光源装置のLED化を実現した後においても、その前照灯10において、必要十分な照射光量を得つつ、前方側への照射光につき所望の配光パターンを得ることを可能とする。
また、本実施形態のLEDバルブは、前照灯10のソケット部11に着脱可能に装着される口金部8を備えている。そして、口金部8がソケット部11に装着された状態で、光学部材1が、凸面鏡部2がLED素子6からの出射光を前照灯10の凹状リフレクタ12の光反射面に向けて反射する。つまり、本実施形態のLEDバルブは、既存のハロゲンバルブ20との互換性を確保したものとなる。
したがって、本実施形態のLEDバルブによれば、前照灯10に用いられる光源装置のLED化を、高い汎用性を有した状態で、量産に適した低コスト化や取付スペースの省スペース化等を可能にしつつ、実現することができる。しかも、高い汎用性が得られるだけでなく、整備性の向上も図れ、仮に破損等が生じた場合であっても容易に交換可能である。
また、本実施形態のLEDバルブは、光学部材1の凸面鏡部2が、互いに異なる回転放物面によって形成された第1凸面鏡部2aと第2凸面鏡部2bに区分けされている。そして、第1凸面鏡部2aは、口金部8がソケット部11に装着された状態で、凹状リフレクタ12における光反射面のハイビーム用焦点位置に仮想点光源5aを形成する。一方、第2凸面鏡部2bは、口金部8がソケット部11に装着された状態で、凹状リフレクタ12における光反射面のロービーム用焦点位置に仮想点光源5bを形成する。
したがって、本実施形態のLEDバルブによれば、前照灯10のハイビーム照射時とロービーム照射時とのそれぞれにつき、(i)発光体の形状、(ii)発光体の発光位置、(iii)発光体の配光特性の全てについて、ハロゲンバルブ20と同様の発光状態を再現することが可能となる。つまり、第1凸面鏡部2aと第2凸面鏡部2bを有することで、一体に形成された一つの光学部材1であっても、ハイビーム照射とロービーム照射との何れにも対応できる。そして、代替すべきハロゲンバルブ20がハイロー切替バルブであっても、それぞれの光の出射状態を良好に再現できるので、ハイロー切替バルブとの互換性を適切に確保することができる。
また、本実施形態のLEDバルブは、ハイロー切替バルブとの互換性確保のために、光学部材1が第1凸面鏡部2aと第2凸面鏡部2bによる二段構造、すなわちLED素子6の側に向けて突出する二段凸形状となるような側断面形状に形成されている。このように、LEDバルブは、従来の配光制御用途では全く用いられていない形状の光学部材1によって、ハイロー切替バルブとの互換性を確保している。
したがって、本実施形態のLEDバルブによれば、二段構造という非常に簡素な構成の光学部材1によってハイロー切替バルブとの互換性を確保することができる。例えば、前照灯用として普及しつつあるHID(High Intensity Discharge)バルブを用いた場合には、前照灯10のハイビーム照射とロービーム照射とのそれぞれに対応するために、電動のアクチュエータ等を用いて光源バルブそのものを移動させることが考えられる。しかしながら、光源バルブそのものを移動させたのでは、そのための機構が必要となるので、構成複雑化や製品コスト増大等を招いてしまう。さらには、故障発生の要因となり得る箇所が増えるため、結果として信頼性低下を招いてしまうおそれもある。この点、本実施形態のLEDバルブのように、二段構造という非常に簡素な構成の光学部材1によってハイロー切替バルブとの互換性を確保すれば、構成複雑化や製品コスト増大等を招いてしまうことがなく、故障発生による信頼性低下を招いてしまうこともない。しかも、二段構造という非常に簡素な構成の光学部材1を用いることで、バルブ自体の小型化等にも容易に対応し得るようになる。
また、本実施形態のLEDバルブは、LED素子6として第1LED素子6aと第2LED素子6bとを備え、第1LED素子6aと第2LED素子6bとが選択的に光を出射するように制御される。つまり、前照灯10による照射光の配光パターンのハイロー切替を行うためには、第1LED素子6aと第2LED素子6bのどちらから光を出射するかを選択すればよい。
したがって、本実施形態のLEDバルブによれば、前照灯10による照射光の配光パターンのハイロー切替を、非常に容易かつ的確に行うことができる。しかも、第1LED素子6aと第2LED素子6bが選択的に光を出射することで、光学部材1に対する光の照射位置についても変わるようになるので、前照灯10のハイビーム照射とロービーム照射とでそれぞれの特性に適した配光パターンを得ることを容易に実現することが可能となる。
また、本実施形態のLEDバルブのように、ロービーム照射に対応する第2凸面鏡部2bが、光反射抑制処理が施された表面部分を有している場合には、前照灯10への装着時における下方側での部分での光の反射を抑制することが可能となる。つまり、遮蔽板26を有するハロゲンバルブ20と同様に、前照灯10の凹状リフレクタ12での反射後の光束を下向きにする上では非常に好適なものとなる。したがって、ロービーム照射時の照射領域と非照射領域とのカットラインを、ハロゲンバルブ20の装着時と同様に、綺麗に再現することが実現可能となる。なお、光反射抑制処理が施された表面部分は、第2凸面鏡部2bには限られず、凸面鏡部2におけるいずれかの表面部分が有するように形成することが考えられ、これにより当該凸面鏡部2での光反射方向を制御することが可能になる。
<4.本発明の他の実施形態>
以上に本発明の一実施形態を説明したが、上記の開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。すなわち、本発明の技術的範囲は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態においては、前照灯10にて使用されるLEDバルブに本発明を適用した場合を例に挙げたが、本発明はLEDバルブに限定されることなく、LEDモジュールやLEDユニット等であっても全く同様に適用することが可能である。LEDモジュールとは、単体またはアレイ状のLED素子とその制御回路等を備えて構成されたものをいい、LEDユニットとは、LEDバルブまたはLEDモジュールを組み込んで構成された灯具ユニットのことをいう。
また、本発明は、自動車車両等の前照灯10にて使用される光源装置のみならず、他の灯具にて使用される光源装置(バルブ、モジュール、ユニット等の別を問わず)にも全く同様に適用することが可能である。ここで、本発明に係る光源装置の他の実施の形態について、具体例を挙げて簡単に説明する。ここでは、家庭用の照明器具にて使用される光源装置について、面発光光源であるLED素子を発光体として備えて構成されたLED電球を例に挙げて、以下の説明を行う。このLED電球は、家庭用の照明器具に装着される白熱電球の代替品となるものである。
(光源装置の概略構成)
図11は、本発明の他の実施形態によるLED電球の概略構成例を示す説明図である。
図例のように、本実施形態のLED電球は、LED素子6cと、そのLED素子6cの発光面に対向して配される光学部材1bと、を備えている。なお、LED電球は、LED素子6cおよび光学部材1bの他にも、白熱電球の代替品となるものであるから、E26タイプやE17タイプ等といったJIS規格に準拠した形状、サイズに形成された口金部(ただし不図示)等を備えて構成されている。
LED素子6cは、上述したLEDバルブの場合と同様に、面発光光源として機能するものであり、平行光線によって構成される光束または指向性の強い光束を出射するものである。
光学部材1bは、回転放物面を反射面とする凸面鏡部2cを有しており、その凸面鏡部2cにてLED素子6cからの光を反射するように構成されている。なお、LED電球の場合は、上述したLEDバルブの場合とは異なり、ハイロー切替を行う必要が無い。そのため、光学部材1bにおける凸面鏡部2cは、一つの回転放物面によって構成されているものとする。
また、光学部材1bには、回転放物面の対称軸(回転軸)まわりを光照射側に向かって広がる円錐状に開孔した中空部1cが形成されている。そして、この中空部1cを通じて、LED素子6cからの出射光の一部が、光照射側に向けて透過するようになっている。
(照明器具における配光)
以上のような構成のLED電球を照明器具に装着した場合に、当該LED電球におけるLED素子6cが光を出射すると、その出射光の一部は、光学部材1bの中空部1cを透過する。また、その出射光の他部は、中空部1cを透過せずに、光学部材1bにおける凸面鏡部2cで反射される。このとき、凸面鏡部2cは、当該凸面鏡部2cを構成する回転放物面の焦点位置に、仮想点光源5cを形成する。そして、その仮想点光源5cから光学部材1bの周囲へ向けて放射状に光を出射する。したがって、LED電球では、LED素子6cが光を出射すると、中空部1cの透過分と凸面鏡部2cの反射部とを合わせて、全方位へ向けて光を出射することになる。
(本実施形態の効果)
本実施形態で説明したLED電球においても、回転放物面を反射面とする凸面鏡部2cを有した光学部材1bが、LED素子6cからの出射光を反射することで、回転放物面の焦点位置に仮想点光源5cを形成する。したがって、本実施形態のLED電球によれば、発光体として例えばLED素子6cを用いた場合であっても、全方位へ向けた光出射が実現可能となり、白熱電球と同等の光の照射範囲が得られるようになる。
(本実施形態の変形例)
ここで説明したLED電球は、光学部材1bにおける凸面鏡部2cが一つの回転放物面によって構成され、光の反射によって一つの仮想点光源5cを形成するようになっている。ただし、仮想点光源を形成するための光学部材における凸面鏡部は、上述したLEDバルブを構成するものかLED電球を構成するものかを問わず、複数の凸面鏡部に区分けされたものであってもよい。ここでいう「複数」は、LEDバルブについての説明で述べた二つの場合(ハイロー切替に対応する場合)のみならず、三つ以上に区分けされる場合をも含む。いずれの場合であっても、各凸面鏡部は、互いに異なる回転放物面によって形成され、それぞれが異なる位置に仮想点光源を形成するものとする。このような構成の光学部材を用いれば、各凸面鏡部がそれぞれ異なる位置に仮想点光源を形成するので、例えば複数の仮想点光源を線状に並べるといったことも実現可能となる。つまり、光学部材を構成する各凸面鏡部の形状次第で、仮想点光源の形成位置を適宜設定することが実現可能となる。
1,1b…光学部材、1c…中空部、2,2c…凸面鏡部、2a…第1凸面鏡部、2b…第2凸面鏡部、3…平行光線、4…反射光、5,5a,5b,5c…仮想点光源、6,6c…LED素子、6a…第1LED素子、6b…第2LED素子、7…基体部、8…口金部、9…支柱、10…前照灯、11…ソケット部、12…凹状リフレクタ

Claims (5)

  1. 面発光光源の発光面に対向して配される光学部材と、
    前記面発光光源としてのLED素子と、
    車両の前照灯のソケット部に着脱可能に装着される口金部と、を備え、
    前記光学部材は、前記発光面の側に頂部を有する回転放物面を反射面とする凸面鏡部を有し、前記発光面からの出射光を前記凸面鏡部で反射することで前記回転放物面の焦点位置に仮想点光源を形成するように構成されているとともに、前記口金部が前記ソケット部に装着された状態で、前記凸面鏡部が前記発光面からの出射光を前記前照灯を構成する凹状リフレクタの光反射面に向けて反射する位置に配されており、
    さらに、前記光学部材は、前記凸面鏡部が第1凸面鏡部と第2凸面鏡部に区分けされており、
    前記第1凸面鏡部および前記第2凸面鏡部は、互いに異なる回転放物面によって形成され、それぞれが異なる位置に前記仮想点光源を形成するものであり、
    前記第1凸面鏡部は、前記口金部が前記ソケット部に装着された状態で、前記凹状リフレクタにおける光反射面のハイビーム用焦点位置に前記仮想点光源を形成し、
    前記第2凸面鏡部は、前記口金部が前記ソケット部に装着された状態で、前記凹状リフレクタにおける光反射面のロービーム用焦点位置に前記仮想点光源を形成する
    ことを特徴とする光源装置。
  2. 前記光学部材は、前記発光面に近い側に前記第1凸面鏡部が位置し、前記発光面から遠い側に前記第2凸面鏡部が位置するように、当該第1凸面鏡部と当該第2凸面鏡部とが重なる二段構造に構成されている
    ことを特徴とする請求項記載の光源装置。
  3. 前記LED素子として、前記第1凸面鏡部の対応箇所に位置する第1LED素子と、前記第2凸面鏡部の対応箇所に位置する第2LED素子とを備え、
    前記第1LED素子と前記第2LED素子とが選択的に光を出射するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の光源装置。
  4. 前記凸面鏡部は、光反射抑制処理が施された表面部分を有する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光源装置。
  5. 面発光光源の発光面に対向して配される光学部材を備え、
    前記光学部材は、前記発光面の側に頂部を有する回転放物面を反射面とする凸面鏡部を有し、前記発光面からの出射光を前記凸面鏡部で反射することで前記回転放物面の焦点位置に仮想点光源を形成するように構成されており、
    さらに、前記光学部材は、複数の前記凸面鏡部を有しているとともに、各凸面鏡部が互いに異なる回転放物面によって形成され、それぞれが異なる位置に前記仮想点光源を形成するように構成されている
    ことを特徴とする光源装置
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