JP6216352B2 - 内燃機関のキャブレタ - Google Patents

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Description

本発明は、燃料通路に供給されるエア流量を内燃機関の負荷に応じて変化させることで空燃比を調整できる内燃機関のキャブレタに関する。
内燃機関のエミッション特性の向上等を目的として、負荷に応じて空燃比を制御することがある。空燃比制御の手法としては、電子制御を前提としたフューエルインジェクションや、キャブレタの燃料ジェットの開閉制御をソレノイドバルブにより行うもの等が知られている。
一方、電子制御によるフューエルインジェクションでは、始動時から電気が必要になることや、燃料システム自体が大型化すること、制御ユニット等が必要になるためにコストが高くなってしまうこと等の問題がある。また、ソレノイドバルブにより燃料ジェットの開閉を行う方法では、上記フューエルインジェクションに比べると廉価にできるが、燃料流量を制御する必要があり、制御対象である燃料流量が微小な値であるため、高い制御精度が要求される。
電子制御を使わないことでこのような問題を解決しつつ、空燃比を調整可能なキャブレタとして、スロットルシャフトに切欠が設けられ、キャブレタの燃料通路(ノズル)にエアを供給するためのエアブリード室に連通する第1及び第2の2本のエア通路が設けられ、そのうちの1本である第2のエア通路がスロットルシャフトの切欠を介してエアブリード室に連通するように構成されたものが提案されている(特許文献1参照)。このキャブレタでは、スロットル開度(負荷状態)が大きいときにエア通路と切欠との連通断面積が小さくなることでキャブレタのエア流量が少なくなり、これにより空燃比が小さく(リッチ方向に)なる。
特開2004−137928号公報
しかしながら、特許文献1に記載のキャブレタでは、第2のエア通路の入口からエアブリード室までの流路が長くなるため、第2のエア通路の切り替えによってエア流量が変化しても空燃比が変化するまでには遅れが生じる。また、スロットルシャフトに切欠を設ける必要があるが、第2のエア通路の断面積確保のためにスロットルシャフトを太くすることは、スロットルボアの開口面積を低下させ、出力特性に影響するため好ましくない。そのため、第2のエア通路の断面積確保のためにはスロットルシャフトに占める切欠の割合を大きくせざるを得ず、切欠のレイアウト自由度が低くなる。従って、エア通路の連通断面積の確保と切替特性の所望な設定との両立が難しい。
本発明は、このような背景に鑑み、負荷に応じてエア流量を変化させることで空燃比を調整できる負荷追従機構を簡易な構成で実現しつつ、エア通路の切り替えによる空燃比変化の遅れを短縮し、かつエア通路の連通断面積及び切替特性の設定自由度が高いキャブレタを提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明に係るキャブレタ(1)は、吸気通路(3)に形成されたベンチュリ(4)に連通し、前記吸気通路(3)に燃料を供給する燃料通路(13)と、前記燃料通路(13)に連通し、前記燃料通路(13)にエアを供給する第1エア通路(14)と、前記吸気通路(3)に設けられたスロットルバルブ(5)に対して前記吸気通路(13)の上流側において前記第1エア通路(14)に設けられ、前記第1エア通路(14)を開放する開位置と前記第1エア通路(14)を閉塞する閉位置とをとり得る開閉部(21、41)と、内燃機関の負荷に応じて前記開閉部(21、41)を前記開位置又は前記閉位置に駆動して前記第1エア通路(14)の連通及び遮断を切り替える切替機構(22、43)とを備える構成とする。
この構成によれば、内燃機関の負荷に応じて第1エア通路のエア流量を変化させることで空燃比を調整できる負荷追従機構を簡易な構成で実現できる。また、切替機構により駆動される開閉部がスロットルバルブに対して吸気通路の上流側に設けられるため、第1エア通路の流路を短くして空燃比変化の遅れを短縮できる。更に、開閉部の位置や大きさ等のレイアウトをスロットルバルブの位置やスロットルシャフトの太さに拘束されることなく自由に設定できるため、エア通路の連通断面積及び切替特性の設定自由度が高い。
また、上記の発明において、前記切替機構(22、43)は、前記内燃機関の高負荷運転域では前記開閉部(21、41)を前記閉位置に駆動して前記第1エア通路(14)を遮断し、前記内燃機関の低・中負荷運転域では前記開閉部(21、41)を前記位置に駆動して前記第1エア通路(14)を連通させる構成とする。
この構成によれば、高負荷運転域において、第1エア通路から燃料通路へのエアの供給が停止されることで空燃比がリッチになり、エンジン出力の低下を防止できる。
また、上記の発明において、前記第1エア通路(14)における前記開閉部(21、41)よりも下流側に連通し、前記第1エア通路(14)を介して前記燃料通路にエアを供給する第2エア通路(15)を更に備える構成とするとよい。
この構成によれば、第1エア通路が開閉部により遮断されているときにも第2エア通路から燃料通路にエアを供給することができ、燃料の霧化を促進できる。また、第2エア通路からは常時エアが燃料通路に供給されるため、第1エア通路の連通断面積及び切替特性に誤差が生じても、この誤差が空燃比に与える影響が小さくなる。そのため、開閉部の加工精度や動作精度を高くする必要性は低く、製造コストを低減できる。
また、上記の発明において、前記開閉部は、スロットルシャフト(7)と平行な軸線回りに回動可能に設けられ、前記第1エア通路(14)の一部を形成する通路形成シャフト(21)を含み、前記切替機構は、前記スロットルバルブ(5)と前記通路形成シャフト(21)とを連結し、前記スロットルバルブ(5)の開度が小さいときに前記第1エア通路(14)を連通させ、前記スロットルバルブ(5)の開度が大きいときに前記第1エア通路(14)の連通が遮断されるように前記通路形成シャフト(21)を回動させるリンク機構(22)を含む構成とするとよい。
この構成によれば、通路形成シャフトがリンク機構を介してスロットルバルブの開度に応じて回動し、スロットルバルブの開度が小さいときに第1エア通路が連通し、スロットルバルブの開度が大きいときに第1エア通路が遮断される構成を、比較的簡易にかつ高いレイアウト自由度で実現できる。
また、上記の発明において、前記リンク機構(22)は、前記スロットルシャフト(7)及び前記通路形成シャフト(21)の一方(7)に設けられた偏心ピン(25b)と、前記スロットルシャフト(7)及び前記通路形成シャフト(21)の他方(21)に設けられ、前記偏心ピン(25b)に係合する長孔(26a)を有するアーム(26)とを含む構成とするとよい。
この構成によれば、通路形成シャフトを回動させるリンク機構を簡単な構成で実現できる。
また、上記の発明において、前記リンク機構(22)は、前記スロットルシャフト(7)及び前記通路形成シャフト(21)の一方(21)に設けられた偏心軸(31a)に支持された一端を有するロッド(32)と、前記スロットルシャフト(7)及び前記通路形成シャフト(21)の他方(7)に設けられ、前記ロッド(32)の他端が係合する長孔(33a)を有するアーム板(33)とを含む構成とするとよい。
この構成によれば、通路形成シャフトがスロットルシャフトから離れた位置に配置されている場合にも、通路形成シャフトを回動させるリンク機構を簡単な構成で実現できる。また、通路形成シャフトをスロットルシャフトから離すことが可能であるため、第1エア通路の流路をより短くして空燃比変化の遅れを一層短縮できる。
また、上記の発明において、前記開閉部は、前記第1エア通路(14)の一部と圧力室(42)とを区画するように設けられ、前記圧力室(42)が負圧のときには前記第1エア通路(14)を連通させ、前記圧力室(42)が大気圧に近いときには前記第1エア通路(14)を遮断するダイヤフラム(41)を含み、前記切替機構は、前記スロットルバルブ(5)よりも下流側において前記吸気通路(3)に連通する一端と、前記圧力室(42)に連通する他端とを有し、前記吸気通路(3)の負圧を前記圧力室(42)に供給する負圧通路(43)を含む構成とするとよい。
この構成によれば、ダイヤフラムが負圧通路を介して作用する吸気負圧に応じて動作し、スロットルバルブの開度が小さく吸気負圧が強いときに第1エア通路が連通し、スロットルバルブの開度が大きく吸気負圧が弱いときに第1エア通路が遮断される構成を、比較的簡易にかつ高いレイアウト自由度で実現できる。
このように本発明によれば、負荷に応じてエア流量を変化させることで容易に空燃比調整を実現できる負荷追従機構を簡易な機構により実現しつつ、エア通路の切り替えによる空燃比変化の遅れを短縮し、かつエア通路の連通断面積及び切替特性を自由に設定できるキャブレタを提供することができる。
第1実施形態に係るキャブレタの概略構成図 スロットル開度と(A)エンジン出力及びエンジン負荷率(B)空燃比との関係を示すグラフ エンジン負荷と空燃比との相関を示すグラフ 図1に示すスロットルボディの斜視図 図1に示すスロットルボディを一部判断して示す斜視図 図4に示すスロットルボディの動作説明図 図4に示すスロットルボディにおける第2メインエア通路のエア流量とスロットル開度との相関を示すグラフ 第2実施形態に係るスロットルボディの動作説明図 図8に示すスロットルボディにおける第2メインエア通路のエア流量とスロットル開度との相関を示すグラフ 第3実施形態に係るキャブレタの概略構成図 第4実施形態に係るキャブレタの概略構成図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
まず、図1〜図7を参照して第1実施形態に係るキャブレタ1について説明する。図1は、第1実施形態に係るキャブレタ1の概略構成を示している。キャブレタ1は、内燃機関のスロットルボディ2に一体に設けられる。スロットルボディ2は、内燃機関に空気を供給する吸気通路3の一部を画成する吸気通路部材であり、吸気通路3の中間部分において径方向内方に突出して断面積を縮小し、吸気通路3を絞るベンチュリ4を形成している。ベンチュリ4では、吸気の流速が増加するためにその上流側部分及び下流側部分に比べて圧力が低くなる。
スロットルボディ2のベンチュリ4よりも下流側部分には、当該部分の通路面積を変更することで吸入吸気量を調節するスロットルバルブ5が設けられている。スロットルバルブ5は、吸気通路3の断面に対応した形状を有する板状の弁体6と、弁体6を軸支する弁軸(以下、スロットルシャフト7という)とを備えている。スロットルシャフト7はスロットルボディ2に回転可能に支持されている。
吸気通路3のうち、ベンチュリ4よりも上流側の部分には、スロットルバルブ5と同様の構造のチョークバルブ8が設けられている。チョークバルブ8は、通常運転時には吸気通路3を開放しており、冷間始動時等に吸気通路3を絞ることでベンチュリ4における吸気負圧を高め、キャブレタ1から供給される燃料と吸気とからなる混合気の空燃比(A/F)をリッチにする。これにより、内燃機関の始動性が高くなる。
スロットルボディ2のベンチュリ4に対応する吸気通路3の中間部分には、スロットルボディ2の下方に配置されて内部にフロート室11を画成するフロート室体12が取り付けられている。フロート室体12は、吸気通路3に供給する燃料を一時的に貯留するものであり、図示しないフロートバルブを備えることによって所定の液位の燃料をフロート室11に保持する。
キャブレタ1は、ベンチュリ4、フロート室体12の他、フロート室11内の燃料を吸気通路3のベンチュリ4に供給するメイン燃料通路13、メイン燃料通路13にエアを供給する第1メインエア通路14及び第2メインエア通路15等を備えている。
メイン燃料通路13は、メインノズル16により画成されており、フロート室11内の燃料に没入する上流端13a(下端)と、ベンチュリ4の底面に開口する下流端13b(上端)とを備えている。メイン燃料通路13の上流端13aには、メインノズル16に設けられた筒状部材17によってメイン燃料通路13の断面積を絞るメインジェット13jが設けられている。
第1メインエア通路14は、スロットルボディ2の上流側の端面に接続される図示しない吸気通路部材の吸気通路3に開口する上流端14aと、メインジェット13jの下流側(上側)においてメイン燃料通路13に接続する下流端14bと、エア流れの中間部に設けられた第1筒状部材18により形成される第1エアジェット14jとを有している。第1メインエア通路14がメイン燃料通路13に接続することにより、メイン燃料通路13を流れる燃料に空気が混入されて燃料がエマルジョン化され、メイン燃料通路13の下流端13bから吸気通路3に噴出する燃料の霧化が促進される。
第2メインエア通路15は、スロットルボディ2の上流側の端面端に接続される図示しない吸気通路部材の吸気通路3に開口する上流端15aと、第1メインエア通路14における第1エアジェット14jよりも下流側に接続する下流端15bと、エア流れの中間部に設けられた第2筒状部材19により形成される第2エアジェット15jとを有している。
これらのメインノズル16や第1メインエア通路14、第2メインエア通路15等により、燃料を吸気通路3に供給するメイン系混合気供給機構20が構成される。
また、第1メインエア通路14における第2メインエア通路15との接続部よりも上流側、かつ第1エアジェット14jよりも上流側には、第1メインエア通路14を選択的に開閉(連通及び遮断)する開閉部としてのエア通路シャフト21が設けられている。エア通路シャフト21は、リンク機構22を介してスロットルバルブ5と連結されており、これによりスロットルバルブ5と連動する。つまり、リンク機構22は、スロットルバルブ5の動作に応じてエア通路シャフト21を駆動することで、エンジン負荷に応じて第1メインエア通路14の連通及び遮断を切り替える切替機構をなす。リンク機構22及びエア通路シャフト21の詳細については後述する。
図示は省略するが、キャブレタ1は、メイン系混合気供給機構20の他に、低負荷運転時に混合気を安定的に生成するためのスロー系混合気供給機構を備えている。スロー系混合気供給機構は、上流端が吸気通路3の上流側部分に連通し、下流端がスロットルバルブ5の閉鎖位置付近及びスロットルバルブ5よりも下流側で吸気通路3に連通するスローエア通路や、スローエア通路に燃料を供給すべくメイン燃料通路13よりも細く形成されたスロー燃料通路等を備えている。アイドル運転時や低負荷運転時には、メインノズル16から吸気通路3へは燃料が噴出せず、スロー燃料通路からスローエア通路に噴出された燃料によって混合気が生成され、この混合気が吸気通路3に供給される。これにより、吸入吸気量が少ないときにも安定した空燃比の混合気が内燃機関に供給される。
次に、図2及び図3を参照して、スロットルバルブ5の開度(以下、スロットル開度という)とエンジン出力、エンジン負荷率、空燃比の関係、及び目標とする空燃比について説明する。図2(A)は横軸にスロットル開度を縦軸にエンジン出力をとったグラフであり、図2(B)は横軸にスロットル開度を縦軸に空燃比をとったグラフである。図2(A)に示されるように、スロットルバルブ5は全閉位置の0°から全開位置(WOT)の90°の範囲で開度を調節され、スロットル開度が大きくなるほどエンジン出力が大きくなる。一方、エンジン出力は、スロットル開度が所定値(例えば、15°弱)以上となった後の小開度域では、スロットル開度の増加に応じた増加量が大きく(即ち、傾きが大きく)、スロットル開度が比較的大きな大開度域では、スロットル開度の増加に応じた増加量が小さく(即ち、傾きが小さく)なる。
図2(A)には、スロットル全開(WOT)におけるエンジン出力を100%としたときのエンジン出力の比率をエンジン負荷率(以下、単に負荷率又は負荷と称することがある)として示している。図2(A)の例では、スロットル開度10〜20°程度でエンジン負荷率が10%となり、スロットル開度20〜30°程度でエンジン負荷率が25%となり、スロットル開度30〜40°程度でエンジン負荷率が50%となり、スロットル開度40〜50°程度でエンジン負荷率が75%となっている。
図2(B)に示されるように、エンジン負荷率が0%〜25%程度の低負荷運転域は、スロー系混合気供給機構によって燃料が供給されるためにスロー系混合気供給機構の設定によって空燃比が定まる。一方、エンジン負荷率が25%程度以上の中・高負荷運転域では、メイン燃料通路13からの燃料供給が行われるために主にメイン系混合気供給機構20の設定によって空燃比が定まる。なお、図2は一例を示すものであり、これらの特性は内燃機関やキャブレタ1の設定によって異なるものである。
図3は、横軸にエンジン負荷率を縦軸に空燃比をとり、エンジン回転数を3060rpmとしたときの値を示したグラフである。一般的なキャブレタ1では、エンジン負荷率の部分的な領域において空燃比を変更することは困難である。そのため、目標とする空燃比は、図2(B)及び図3に破線で示されるように一定の値とされる。図3に示されるように、燃費を低く抑えるためには空燃比を破線よりもリーン側のストイキ(14.7)に近い値に設定するとよいが、このようにリーンな設定(図3中の二点鎖線)にすると、高負荷時のエンジン出力が低下してしまう。また、実際には空燃比を全てのエンジン負荷領域で一定にすることは難しく、一般的なキャブレタ1の空燃比は、図3に一点鎖線で示すように、エンジン負荷率が50%程度で目標値と一致し、それよりも低負荷領域ではリッチに、それよりも高負荷領域ではリーンになる。
これに対し本発明は、図3に実線で示されるように、中負荷運転域(図示例では、25%〜75%)で部分的に空燃比をリーンにしつつ、高負荷運転域(図示例では75%以上)で空燃比をリッチにすることで、中負荷運転域の燃費低減と高負荷運転域のエンジン出力低下の防止とを図ることを目標としている。
このような空燃比特性を実現するためには、図2(B)に示されるように、エンジン負荷が10%となるスロットル開度10〜20°前後からスロットル開度の増大に伴って空燃比が一般的なキャブレタ1に比べてリーンになり始め、エンジン負荷が75%となるスロットル開度40〜50°前後からスロットル開度の増大に伴って空燃比がリッチ側に進んで一般的なキャブレタ1に近付くようにするとよい。
そして、このような空燃比特性を実現するため、本実施形態のキャブレタ1を備えたスロットルボディ2は、図4及び図5に示されるような構成とされている。以下、図4及び図5を参照しながら具体的に説明する。
スロットルボディ2の吸気通路3の上流端3aが開口する端面(以下、上流側端面2aという)には、吸気通路3の他に、第1メインエア通路14の上流端14a及び第2メインエア通路15の上流端15aが開口している。
図5に示されるように、第1メインエア通路14は、吸気通路3と平行にスロットルボディ2の下流側の端面に向かって延び、吸気通路3の中間部を越えた位置で後述するエア通路シャフト21の保持孔23に至り、この保持孔23の底面から下方へ向けて鉛直に延びている。鉛直下方へ延びた後、第1メインエア通路14は、屈曲してスロットルボディ2の上流側の端面に向けて再び吸気通路3と平行に延び、吸気通路3の中間部において屈曲して吸気通路3の下方(より詳しくは、ベンチュリ4(図1参照)の下方)に向けて斜めに伸び、メイン燃料通路13(図1)に接続している。第1メインエア通路14の鉛直部分には、保持孔23側から挿入された第1筒状部材18が保持されている。第1筒状部材18の内径は、第1メインエア通路14のなかで最も細くなっており、当該最細部分が第1エアジェット14jとなっている。
第2メインエア通路15は、第1メインエア通路14の上流側部分の下方を吸気通路3と平行にスロットルボディ2の下流側の端面に向かって延び、吸気通路3の中間部において屈曲して第1メインエア通路14の第1エアジェット14jよりも下流側の部分に接続している。第2メインエア通路15の吸気通路3と平行に延在する上流側部分は、上流側が大径とされ、下流側が小径とされた段付き形状とされている。第2メインエア通路15の上流側の大径部分には、上流側端面2a側から挿入されて段部の肩面により位置決めされた第2筒状部材19が保持されている。第2筒状部材19の内径は、第2メインエア通路15のなかで最も細くなっており、当該最細部分が第2エアジェット15jとなっている。
図4に示されるように、スロットルシャフト7(図1参照)は、吸気通路3の下流側部分の幅方向の中央に上下方向に延在するように配置されており、その上端にはスロットルレバー25aが突出形成された上端カバー部材25が一体に設けられている。上端カバー部材25には、スロットルシャフト7の軸線から偏心した位置に上向きに突出する偏心ピン25bが設けられている。偏心ピン25bはスロットルバルブ5の開度に応じてスロットルシャフト7回りに揺動する。
スロットルシャフト7の軸線から偏心ピン25bよりも更に吸気通路3の上流側に離間した位置には、スロットルシャフト7と平行に延在するエア通路シャフト21がスロットルボディ2によりスロットルシャフト7と平行な軸線回りに回動自在に支持されている。エア通路シャフト21の上端には、径方向に突出し、径方向に延在する長孔26aが形成されたアーム26が一体に設けられている。アーム26の長孔26aには、上端カバー部材25に形成された偏心ピン25bが摺動可能に係合している。これにより、スロットルバルブ5が回転すると、揺動する偏心ピン25bによってエア通路シャフト21が回動駆動される。即ち、スロットルシャフト7に一体に設けられた偏心ピン25b及びこれに系統する長孔26aを有するアーム26によりリンク機構22が構成される。
図5に示されるように、エア通路シャフト21は、下端部に第1メインエア通路14の一部(以下、連通路27という)が形成された通路形成部材であり、スロットルボディ2の上面に形成された保持孔23に上方から挿入されている。連通路27は、エア通路シャフト21の外周面に開口する上流端27aと、エア通路シャフト21の下面に開口する下流端27bとを有しており、エア通路シャフト21の内部に屈曲するように形成されている。連通路27の下流端27bは第1エアジェット14jに向けて開口している。
このように構成されたスロットルボディ2の動作、及びスロットルバルブ5の開度と連通路27の配置との関係について、図6を参照しながら説明する。図6(A)に示されるように、スロットルバルブ5が全閉位置(スロットル開度0°)にあるときには、エア通路シャフト21に形成された連通路27の上流端27a(図5)が第1メインエア通路14の上流側部分に開口しており、連通路27を介して第1メインエア通路14は上流端14aから下流端14b(図1)まで連通している。
スロットル開度が40°程度になると、図6(B)に示されるように、連通路27が第1メインエア通路14の上流側部分に開口する面積が小さくなる。このときの開口面積は、第1エアジェット14jの断面積よりも小さくなっている。スロットル開度が50°程度になると、図6(C)に示されるように、連通路27と第1メインエア通路14の上流側部分との連通は断たれる。即ち、エア通路シャフト21によって第1メインエア通路14が遮断される。スロットル開度が50°程度よりも大きなときには、図6(D)に示されるように、エア通路シャフト21は更に回動しているが、第1メインエア通路14がエア通路シャフト21によって遮断された状態が維持される。スロットル開度が50°よりも大きな状態から0°の状態になる場合にも、エア通路シャフト21が逆方向に回動駆動され、第1メインエア通路14の連通状態は同様に変化する。
エア通路シャフト21による第1メインエア通路14の連通、遮断のスロットル開度がこのように設定されることにより、図7に示されるように、第1メインエア通路14の最小通路断面積は、スロットル開度が40°程度よりも小さいときに概ね全開(第2エアジェット15jの断面積)となり、スロットル開度が50°程度よりも大きいときに概ね全閉状態となる。即ち、スロットル開度が50°程度よりも小さいときには、第2メインエア通路15だけでなく第1メインエア通路14からもエアがメイン燃料通路13に供給されることによって吸気通路3に噴出される燃料が少なくなって空燃比がリーンになる。一方、スロットル開度が50°程度よりも大きいときには、第2メインエア通路15だけから第1メインエア通路14の下流側部分を介してエアがメイン燃料通路13に供給されることにより、吸気通路3に噴出される燃料が多くなって空燃比がリッチになる。
以上に説明したキャブレタ1の作用効果について説明する。キャブレタ1は、図1及び図5に示されるように、第1メインエア通路14にエアを供給する第1メインエア通路14と、スロットルバルブ5に対して吸気通路3の上流側に設けられた開閉部としてのエア通路シャフト21と、エンジン負荷に応じてエア通路シャフト21を駆動して第1メインエア通路14の連通及び遮断を切り替える切替機構としてのリンク機構22とを備えている。これにより、エンジン負荷に応じて第1メインエア通路14のエア流量を変化させることで空燃比を調整できる負荷追従機構が簡易な構成により実現される。また、リンク機構22によって駆動されるエア通路シャフト21がスロットルバルブ5に対して吸気通路3の上流側に設けられるため、第1メインエア通路14の流路が短くなり、空燃比変化の遅れが小さくなる。更に、エア通路シャフト21の位置や大きさ等のレイアウトがスロットルバルブ5の位置やスロットルシャフト7の太さに拘束されることなく自由に設定可能であるため、エア通路の連通断面積及び切替特性の設定自由度が高い。なお、図6及び図7を参照して説明した特性は一例であり、これらの特性は個々のキャブレタ1に対して適宜設定されてよい。また、エア通路の切替ポイントは、上記の例に限定されるものではなく、設計者や使用者が任意に変更可能なものであってよい。
そして、キャブレタ1では、図6に示されるように、高負荷運転域においては、リンク機構22によりエア通路シャフト21が駆動されて第1メインエア通路14が遮断され、低・中負荷運転域では、リンク機構22によりエア通路シャフト21が駆動されて第1メインエア通路14が連通する。そのため、高負荷運転域において、第1メインエア通路14からメイン燃料通路13へのエアの供給が停止されることで空燃比がリッチになり、エンジン出力の低下が防止される。
また、本実施形態のキャブレタ1は、図1及び図5に示されるように、第1メインエア通路14におけるエア通路シャフト21よりも下流側に連通し、第1メインエア通路14を介してメイン燃料通路13にエアを供給する第2メインエア通路15を備えている。そのため、第1メインエア通路14がエア通路シャフト21により遮断されているときにも第2メインエア通路15からメイン燃料通路13にエアが供給され、燃料の霧化が促進される。また、第2メインエア通路15からは常時エアがメイン燃料通路13に供給されるため、第1メインエア通路14の連通断面積や切替特性に誤差が生じても、この誤差が空燃比に与える影響は小さい。そのため、エア通路シャフト21の加工精度や動作精度を高くする必要性は低く、製造コストの低減が可能である。
また、本実施形態では、エア通路シャフト21が、スロットルシャフト7と平行な軸線回りに回動可能に設けられ、第1メインエア通路14の一部をなす連通路27を形成している。そして、スロットルバルブ5とエア通路シャフト21とを連結するリンク機構22が、スロットル開度が小さいときに連通路27を介して第1メインエア通路14を連通させ、スロットル開度が大きいときに第1メインエア通路14の連通を遮断するようにエア通路シャフト21を回動させる構成とされている。これにより、エンジン負荷に応じて空燃比を調整できる負荷追従機構が比較的簡易にかつ高いレイアウト自由度で実現可能となっている。
更に、図4に示されるように、リンク機構22が、スロットルシャフト7に設けられた偏心ピン25bと、エア通路シャフト21に設けられ、偏心ピン25bに係合する長孔26aを有するアーム26とを含むように構成されている。これにより、エア通路シャフト21を回動させる負荷追従機構が簡単な構成で実現可能である。なお、偏心ピン25bがエア通路シャフト21に設けられ、偏心ピン25bに係合する長孔26aを有するアーム26がスロットルシャフト7に設けられる構成であってもよい。
≪第2実施形態≫
次に、図8及び図9を参照して第2実施形態に係るキャブレタ1について説明する。なお、第1実施形態と形態又は機能が同一又は同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図8(A)〜(E)に示されるように、本実施形態のキャブレタ1は、リンク機構22の構成が第1実施形態と異なっている。具体的に説明すると、エア通路シャフト21は、第1実施形態に比べて更に吸気通路3の上流側に配置されている。エア通路シャフト21の上端には、径方向に突出したアーム31の先端であってエア通路シャフト21の回動軸から偏心した位置に偏心軸31aが設けられている。偏心軸31aはロッド32の一端により形成されている。一方、スロットルシャフト7の上端には、スロットルシャフト7の回転軸を中心とする円弧状の長孔33aが形成されたアーム板33が一体に設けられている。この長孔33aにロッド32の他端が摺動可能に係合している。
このように構成されたリンク機構22は以下のように動作する。図8(A)に示されるように、スロットルバルブ5が全閉位置(スロットル開度0°)にあるときには、エア通路シャフト21に形成された連通路27が第1メインエア通路14の上流側部分に開口しており、連通路27を介して第1メインエア通路14は連通している。
スロットル開度が30°程度のときにも、図8(B)に示されるように、連通路27は第1メインエア通路14の上流側部分に開口しているが、その開口面積は小さくなっている。スロットル開度が50°程度になると、図8(C)に示されるように、連通路27と第1メインエア通路14の上流側部分との連通は断たれる。即ち、エア通路シャフト21によって第1メインエア通路14が遮断される。スロットル開度が50°程度よりも大きなときには、図8(D)に示されるように、エア通路シャフト21は更に回動するが、ロッド32の他端が長孔33aを摺動するだけで、即ちロッド32(或いはスロットルシャフト7)が空振りするだけでエア通路シャフト21は回動しない。一方、第1メインエア通路14がエア通路シャフト21によって遮断された状態は、スロットル全開(WOT)まで維持される。スロットル開度が全開側から0°側に回動する場合にも、エア通路シャフト21が逆方向に回動駆動され、第1メインエア通路14の連通状態は同様に変化する。
エア通路シャフト21による第1メインエア通路14の連通、遮断のスロットル開度がこのように設定されることにより、図9に示されるように、第1メインエア通路14の最小通路断面積は、スロットル開度が30°程度よりも小さいときに概ね全開(第2エアジェット15jの断面積)となり、スロットル開度が50°程度よりも大きいときに概ね全閉状態となる。即ち、スロットル開度が50°程度よりも小さいときには、第2メインエア通路15だけでなく第1メインエア通路14からもエアがメイン燃料通路13に供給されることによって空燃比がリーンになる。一方、スロットル開度が50°程度よりも大きいときには、第2メインエア通路15だけから第1メインエア通路14の下流側部分を介してエアがメイン燃料通路13に供給されることにより、空燃比がリッチになる。
このように、本実施形態では、図8に示されるように、リンク機構22が、エア通路シャフト21に設けられた偏心軸31aに支持された一端を有するロッド32と、スロットルシャフト7に設けられ、ロッド32の他端が係合する長孔33aを有するアーム板33とを含むように構成されている。これにより、エア通路シャフト21がスロットルシャフト7から離れた位置に配置されている場合にも、エア通路シャフト21を回動させる負荷追従機構が簡単な構成で実現可能である。また、エア通路シャフト21をスロットルシャフト7から離すことが可能であるため、第1メインエア通路14の流路をより短くして空燃比変化の遅れを一層短縮することが可能である。なお、本実施形態においても、上記特性やエア通路の切替ポイントは一例であり、適宜変更可能である。
≪第3実施形態≫
次に、図10を参照して第3実施形態に係るキャブレタ1について説明する。なお、第1実施形態と形態又は機能が同一又は同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態のキャブレタ1では、第1メインエア通路14を選択的に開閉(連通及び遮断)する開閉部、及びエンジン負荷に応じて開閉部を駆動することで第1メインエア通路14の連通及び遮断を切り替える切替機構が第1実施形態と異なっている。なお、図10では、第1メインエア通路14と第2メインエア通路15との位置が第1実施形態と逆になっているが、この点は実質的な相違点ではない。
開閉部は、第1メインエア通路14における第2メインエア通路15との接続部よりも上流側であり、かつ第1エアジェット14jよりも上流側に設けられたダイヤフラム41により構成されている。ダイヤフラム41は、第1メインエア通路14の一部と圧力室42とを区画するように設けられており、圧力室42が大気圧に近いときには前記第1エア通路(14)を遮断する。図10は、圧力室42が負圧になっており、第1メインエア通路14が連通している状態を示している。切替機構は、スロットルバルブ5よりも下流側において吸気通路3に連通する一端43aと、圧力室42に連通する他端43bとを有し、吸気負圧を圧力室42に供給する負圧通路43により構成されている。
図示されるように、スロットルバルブ5の開度が比較的小さい低・中負荷運転域では、圧力室42が負圧になり、ダイヤフラム41が第1メインエア通路14を連通させる。一方、スロットルバルブ5の開度が比較的大きい高負荷運転域では、圧力室42が大気圧に近い状態になり、ダイヤフラム41が第1メインエア通路14を遮断する。このように、負圧通路43は、ダイヤフラム41により画成される圧力室42と、スロットル開度に応じた吸気負圧を発生させる吸気通路3のスロットルバルブ5の下流側部分とを連結しており、これによりダイヤフラム41がスロットルバルブ5と連動する。
このように本実施形態では、開閉部が、第1メインエア通路14の一部と圧力室42とを区画するように設けられ、圧力室42が負圧のときには第1メインエア通路14を連通させ、圧力室42が大気圧に近いときには第1メインエア通路14を遮断するダイヤフラム41を含み、切替機構が、スロットルバルブ5よりも下流側において吸気通路3に連通する一端43aと、圧力室42に連通する他端43bとを有し、吸気通路3の負圧を圧力室42に供給する負圧通路43を含んでいる。これにより、ダイヤフラム41が負圧通路43を介して作用する吸気負圧に応じて動作し、スロットルバルブ5の開度が小さく吸気負圧が強いときに第1メインエア通路14が連通し、スロットルバルブ5の開度が大きく吸気負圧が弱いときに第1メインエア通路14が遮断される構成が、比較的簡易にかつ高いレイアウト自由度で実現可能である。
≪第4実施形態≫
次に、図11を参照して第4実施形態に係るキャブレタ1について説明する。なお、第1実施形態と形態又は機能が同一又は同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態のキャブレタ1は、第2メインエア通路15を備えていない点で第1実施形態と相違する。第1メインエア通路14に設けられた開閉部であるエア通路シャフト21は、リンク機構22を介してスロットルバルブ5と連結されており、これによりスロットルバルブ5と連動する点は第1実施形態と同じである。一方、本実施形態では、エア通路シャフト21の連通路27が第1メインエア通路14の上流側部分に開口する面積によってメイン燃料通路13に供給されるエアの量が定まるため、連通路27が第1実施形態と異なる形状や配置とされる。
キャブレタ1がこのように構成されていても、エア通路シャフト21や連通路27の加工精度は必要になるが、第1実施形態と同様に空燃比を調整することができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態に示した各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。また、上記実施形態の構成を組み合わせることも可能である。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 キャブレタ
3 吸気通路
4 ベンチュリ
5 スロットルバルブ
7 スロットルシャフト
13 メイン燃料通路
14 第1メインエア通路(第1エア通路)
15 第2メインエア通路(第2エア通路)
20 メイン系混合気供給機構
21 エア通路シャフト(開閉部)
22 リンク機構(切替機構)
25b 偏心ピン
26 アーム
26a 長孔
31a 偏心軸
32 ロッド
33 アーム板
33a 長孔
41 ダイヤフラム(開閉部)
42 圧力室
43 負圧通路(切替機構)

Claims (6)

  1. 吸気通路に形成されたベンチュリに連通し、前記吸気通路に燃料を供給する燃料通路と、
    前記吸気通路の前記ベンチュリの下流側にてスロットルシャフトに支持され、前記吸気通路を開閉可能なスロットルバルブと、
    前記燃料通路に連通し、前記燃料通路にエアを供給する第1エア通路と、
    前記スロットルシャフトに平行な軸線回りに回動可能に前記第1エア通路に設けられ、前記第1エア通路の一部をなす連通路を備え、前記第1エア通路を開放する開位置と前記第1エア通路を閉る閉位置との間を回転可能な通路形成シャフトと、
    内燃機関の負荷に応じて前記通路形成シャフトを前記開位置又は前記閉位置に駆動して前記第1エア通路の連通及び遮断を切り替える切替機構とを備え
    前記切替機構は、前記スロットルバルブと前記通路形成シャフトとを連結し、前記スロットルバルブの開度が小さいときに前記第1エア通路を連通させ、前記スロットルバルブの開度が大きいときに前記第1エア通路の連通が遮断されるように前記通路形成シャフトを回動させるリンク機構を含み、
    前記第1エア通路は、前記吸気通路と平行に延びて前記通路形成シャフトが保持される保持孔に至る上流側部分と、前記保持孔の底面から当該保持孔の軸線に沿って延びた後、屈曲して前記燃料通路に至る下流側部分とを有し、
    前記連通路は、前記通路形成シャフトの内部に屈曲するように形成され、前記通路形成シャフトの外周面に開口する上流端と、前記通路形成シャフトの内端面に開口する下流端とを有することを特徴とするキャブレタ。
  2. 前記第1エア通路の前記下流側部分における前記保持孔の軸線に沿って延びる部分には、当該第1エア通路のなかで最も細い第1エアジェットを形成する第1筒状部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャブレタ。
  3. 前記第1エア通路における前記第1エアジェットよりも下流側に連通し、前記第1エア通路を介して前記燃料通路にエアを供給する第2エア通路を更に備えることを特徴とする請求項に記載のキャブレタ。
  4. 前記第2エア通路は、前記吸気通路と平行に延びた後、屈曲して前記第1エア通路における前記第1エアジェットよりも下流側の部分に接続し、
    前記第2エア通路における前記吸気通路と平行に延びる部分は、上流側が大径とされ、下流側が小径とされた段付き形状とされ、大径部分には、小径部分との段差を形成する肩面により位置決めされ、当該第2エア通路のなかで最も細い第2エアジェットを形成する第2筒状部材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のキャブレタ。
  5. 前記リンク機構は、
    記スロットルシャフトの外端に前記スロットルシャフトと平行に設けられた偏心ピンと、
    記通路形成シャフトの外端に設けられ、前記通路形成シャフトの半径方向に延在し且つ前記偏心ピンを受容する長孔を備えたアームとを有し、
    前記スロットルシャフトの回転に応じ、前記偏心ピンの揺動によって前記アームを介して前記通路形成シャフトが回転駆動されることによって前記連通路が開閉され、
    前記スロットルバルブが全閉のときに、前記第1エア通路が前記通路形成シャフトによって開通されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のキャブレタ。
  6. 前記スロットルバルブが全閉のときに、前記第1エア通路が前記通路形成シャフトによって遮断されることを特徴とする請求項5に記載のキャブレタ。
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