JP6216159B2 - 車両用灯具 - Google Patents

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    • F21S41/20Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by refractors, transparent cover plates, light guides or filters
    • F21S41/25Projection lenses
    • F21S41/275Lens surfaces, e.g. coatings or surface structures

Description

本願発明は、カットオフ形成部材を有するプロジェクタ型の車両用灯具に関するものであり、特に、その投影レンズの構成に関するものである。
一般に、プロジェクタ型の車両用灯具においては、投影レンズの後側焦点面上に形成される光源像を前方へ向けて反転投影することにより配光パターンを形成するようになっている。
そして、このような車両用灯具からの照射光によりロービーム用配光パターン等のような上端部にカットオフラインを有する配光パターンを形成する場合には、光源と投影レンズとの間にシェード等のカットオフ形成部材が配置されるようになっている。
「特許文献1」には、このようなプロジェクタ型の車両用灯具において、その投影レンズの前面に上下方向拡散部として略水平方向に延びる複数のレンズ素子が形成された構成が記載されている。
また「特許文献2」には、このようなプロジェクタ型の車両用灯具において、その投影レンズの前面に該前面に到達した光源からの光を上向きに偏向出射させる複数のレンズ素子が上下方向に連続的に形成された構成が記載されている。
特開2007−265864号公報 特開2001−23419号公報
プロジェクタ型の車両用灯具においては、その照射光により形成される配光パターンのカットオフラインが、カットオフ形成部材の端縁部の反転投影像として鮮明に形成されるので、対向車ドライバ等にグレアを与えてしまうことなく車両前方走行路を比較的遠方まで照射することが可能である。
一方、このような配光パターンにおいては、鮮明すぎるカットオフラインのためピッチング時に対向車ドライバ等にグレアを与えてしまうおそれがあり、また、そのカットオフラインよりも上方側への光照射が得られないので、車両前方走行路においてさらに遠方に位置する領域の視認性(以下、単に「遠方視認性」という)が不十分なものとなりやすい。
これに対し、上記「特許文献1」に記載された灯具構成を採用すれば、その投影レンズの前面に形成された複数のレンズ素子により、投影レンズからの出射光を上下方向に拡散させてカットオフラインの鮮明さを抑制するとともにカットオフラインよりも上方側への光照射を行うことができるので、その分だけ遠方視認性の向上を図ることが可能となる。
しかしながら、このように投影レンズからの出射光を上下方向に拡散させるようにした場合には、カットオフラインの上方近傍領域への光照射量を十分に確保することができず、遠方視認性の向上を効果的に図ることが困難である。また、このようにした場合には、下向き拡散光の成分によって配光パターンにおけるカットオフラインから下方に離れた位置の明るさが増大するため、カットオフラインの下方近傍領域の光度が低下してしまう、という問題がある。
一方、上記「特許文献2」に記載された灯具構成を採用すれば、その投影レンズの前面に形成された複数のレンズ素子によって投影レンズからの出射光を上向きに偏向させることにより、カットオフラインの上方近傍領域への光照射量を十分に確保することが可能となる。
しかしながら、これら複数のレンズ素子は上下方向に連続的に形成されているので、投影レンズの前面の一部領域に到達した光がまとまって上向きに偏向出射することとなる。このため、配光パターンの明るさが局部的に低下して配光ムラが発生しやすくなる、という問題がある。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、カットオフ形成部材を備えたプロジェクタ型の車両用灯具において、カットオフラインの下方近傍領域の光度を維持しつつ配光ムラの発生を抑えた上で遠方視認性を向上させることができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
本願発明は、投影レンズの構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、
投影レンズと、この投影レンズの後方に配置された光源と、この光源と上記投影レンズとの間に配置されたカットオフ形成部材と、を備えてなる車両用灯具において、
上記投影レンズの前面に、該前面に到達した上記光源からの光を上向きに偏向出射させる複数のレンズ素子が、上下方向に離散的に配置された状態で形成されており、
上記各レンズ素子が凸曲線状の鉛直断面形状を有しており、
上記投影レンズの前面において上記各レンズ素子相互間に位置する一般部と上記各レンズ素子とが交互に連続して配置されている、ことを特徴とするものである。
上記「車両用灯具」は、光源からの光を直接投影レンズに入射させるように構成されていてもよいし、リフレクタやレンズ等の光制御部材を介して投影レンズに入射させるように構成されていてもよい。
上記「光源」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、発光ダイオードやレーザダイオード等の発光素子あるいは光源バルブ等が採用可能である。
上記「カットオフ形成部材」は、車両用灯具からの照射光によって形成される配光パターンの上端部にカットオフラインを形成することが可能な部材であれば、その具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えばシェードや上向き反射面を有するミラー部材等が採用可能である。
上記「複数のレンズ素子」は、上下方向に離散的に配置された状態で形成されていれば、その具体的な配置や形成本数は特に限定されるものではなく、また、これら各「レンズ素子」は、投影レンズの前面に到達した光源からの光を上向きに偏向出射させるように形成されていれば、その断面形状等の具体的な構成は特に限定されるものではない。
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用灯具は、カットオフ形成部材を備えたプロジェクタ型の灯具として構成されているが、その投影レンズの前面には、該前面に到達した光源からの光を上向きに偏向出射させる複数のレンズ素子が、上下方向に離散的に配置されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、投影レンズの前面に形成された複数のレンズ素子によって投影レンズからの出射光を上向きに偏向させることにより、カットオフラインの上方近傍領域をある程度明るくすることができ、これにより遠方視認性の向上を図ることができる。
その際、これら複数のレンズ素子は上下方向に離散的に配置された状態で形成されているので、投影レンズの前面の一部領域に到達した光がまとまって上向きに偏向出射してしまうのを未然に防止することができる。そしてこれにより、カットオフラインの下方近傍領域の光度を維持した上で、配光パターンの明るさが局部的に低下して配光ムラが発生してしまうのを未然に防止することができる。
このように本願発明によれば、カットオフ形成部材を備えたプロジェクタ型の車両用灯具において、カットオフラインの下方近傍領域の光度を維持しつつ配光ムラの発生を抑えた上で遠方視認性を向上させることができる。
上記構成において、光源として発光素子を用いるようにした上で、投影レンズの後方に発光素子からの光を投影レンズへ向けて反射させるリフレクタが配置された構成とした場合には、投影レンズにおける上下方向の中央領域を通過する光の割合が比較的小さくなるので、複数のレンズ素子を上下方向に離散的に配置して、リフレクタからの反射光をいずれかのレンズ素子に到達させるようにすることが効果的である。
その際、カットオフ形成部材が、リフレクタからの反射光の一部を上向きに反射させるための上向き反射面を有するミラー部材で構成されており、その上向き反射面の前端縁が投影レンズの後側焦点またはその近傍を通るように形成されている場合には、投影レンズにおけるリフレクタからの反射光の通過位置が上下方向にさらに広範囲にわたるものとなるので、複数のレンズ素子を上下方向に離散的に配置して、リフレクタからの反射光をいずれかのレンズ素子に到達させるようにすることが一層効果的である。
上記構成において、複数のレンズ素子が、投影レンズの前面において左右両側の互いに離れた位置に形成された構成とすれば、カットオフラインの左右両端部においてカットオフラインの上方近傍領域を明るくすることができる。そしてこれにより、対向車や前走車のドライバにグレアを与えてしまうことなく、道路わきに存在する歩行者等に対する視認性を高めることが容易に可能となる。
本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す正面図 図1のII−II線断面図 図2の要部詳細図 図3のIV部詳細図 図3のV部詳細図 上記車両用灯具から前方へ照射される光により、車両前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンを透視的に示す図 (a)は、上記実施形態の要部を示す、図4と同様の図、(b)〜(d)は、上記実施形態の3つの変形例を示す、図4と同様の図 上記実施形態の他の2つの変形例を示す、投影レンズの正面図 図8(b)に示す投影レンズを備えた車両用灯具から前方へ照射される光により、上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンを透視的に示す図
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具10を示す正面図であり、図2は、そのII−II線断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、投影レンズ12と、この投影レンズ12の後方に配置された発光素子14と、この発光素子14を上方側から覆うように配置され、該発光素子14からの光を投影レンズ12へ向けて反射させるリフレクタ16と、このリフレクタ16からの反射光の一部を上向きに反射させるための上向き反射面20aを有するミラー部材20とを備えた構成となっている。
その際、発光素子14およびリフレクタ16はミラー部材20に支持されており、投影レンズ12は、レンズホルダ18を介してミラー部材20に支持されている。
この車両用灯具10は、ヘッドランプの一部として組み込まれた状態で用いられる灯具ユニットであって、ヘッドランプに組み込まれた状態では、その投影レンズ12の光軸Axが車両前後方向に対して0.5〜0.6°程度下向きの方向に延びた状態で配置されるようになっている。
投影レンズ12は、前面12aが凸面で後面12bが平面の平凸非球面レンズであって、その後側焦点Fを含む焦点面である後側焦点面上に形成される光源像を、反転像として灯具前方の仮想鉛直スクリーン上に投影するようになっている。ただし、この投影レンズ12の前面12aには、複数のレンズ素子12sが上下方向に離散的に配置された状態で形成されており、該前面12aに到達した発光素子14からの光の一部を、これら複数のレンズ素子12sの各々によって上向きに偏向出射させるようになっている。この投影レンズ12は、その外周フランジ部12cにおいてレンズホルダ18に支持されている。
発光素子14は白色発光ダイオードであって、横長矩形状の発光面を有している。そして、この発光素子14は、投影レンズ12の後側焦点Fよりも後方側において、その発光面を光軸Axを含む水平面上に位置させた状態で上向きに配置されている。
リフレクタ16の反射面16aは、光軸Axと同軸の長軸を有するとともに発光素子14の発光中心を第1焦点とする略楕円面状の曲面で構成されている。その際、この反射面16aは、その光軸Axに沿った鉛直断面形状が後側焦点Fのやや前方に位置する点を第2焦点とする楕円形状に設定されており、その離心率が鉛直断面から水平断面へ向けて徐々に大きくなるように設定されている。そしてこれにより、リフレクタ16は、発光素子14からの光を、鉛直断面内においては後側焦点Fのやや前方に位置する点に収束させるとともに、水平断面内においてはその収束位置をかなり前方へ移動させるようになっている。
ミラー部材20の上向き反射面20aは、該ミラー部材20の上面にアルミニウム蒸着等による鏡面処理を施すことにより形成されている。この上向き反射面20aは、光軸Axよりも左側(灯具正面視では右側)に位置する左側領域が光軸Axを含む水平面で構成されており、光軸Axよりも右側に位置する右側領域が、短い斜面を介して左側領域よりも一段低い水平面で構成されている。そして、この上向き反射面20aの前端縁20a1は、後側焦点Fから左右両側へ向けて、投影レンズ12のメリジオナル像面に沿って前方側へ湾曲するようにして延びている。また、上向き反射面20aは、その前端縁20a1から後方側に一定距離離れた位置までの範囲内の領域に形成されている。
そして、このミラー部材20は、その上向き反射面20aにおいて、リフレクタ16の反射面16aから投影レンズ12へ向かう反射光の一部を上向きに反射させて投影レンズ12に入射させ、これらを下向き光として投影レンズ12から出射させるようになっている。そして、この投影レンズ12からの出射光により、左配光のロービーム用配光パターン(これについては後述する)を形成するようになっている。
図3は、図2の要部詳細図である。
同図にも示すように、投影レンズ12の前面12aに形成された複数のレンズ素子12sは、上下方向に略等間隔をおいて水平方向に延びている。その際、これら複数のレンズ素子12sは、前面12aにおける上下両端部を除く領域に形成されている。また、これら各レンズ素子12sの上下幅は、前面12aにおける各レンズ素子12s相互間に位置する一般部の上下幅よりも狭い値で、かつ、いずれも略同一の値に設定されている。
図4は、図3のIV部詳細図であり、図5は、図3のV部詳細図である。
これらの図にも示すように、各レンズ素子12sは、その鉛直断面形状が凸曲線状に形成されており、その上端縁には段差部が形成されている。そして、これら各レンズ素子12sは、該レンズ素子12sに到達した発光素子14からの光を、上向きでかつ平行光に近い光(具体的には上下方向に関して僅かに収束する光)として偏向出射させるようになっている。
その際、これら各レンズ素子12sによる出射光の上向き偏向角度は、各レンズ素子12s毎に僅かずつ異なる値に設定されている。
図6は、車両用灯具10から前方へ照射される光により、車両前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンPLを透視的に示す図である。
このロービーム用配光パターンPLは、左配光のロービーム用配光パターンであって、その上端縁に左右段違いのカットオフラインCL1、CL2を有している。このカットオフラインCL1、CL2は、灯具正面方向の消点であるH−Vを鉛直方向に通るV−V線を境にして左右段違いで水平方向に延びており、V−V線よりも右側の対向車線側部分が下段カットオフラインCL1として形成されるとともに、V−V線よりも左側の自車線側部分が、この下段カットオフラインCL1から傾斜部を介して段上がりになった上段カットオフラインCL2として形成されている。
このロービーム用配光パターンPLは、リフレクタ16で反射した発光素子14からの光によって投影レンズ12の後側焦点面上に形成された発光素子14の光源像を、投影レンズ12により上記仮想鉛直スクリーン上に反転投影像として投影することにより形成され、そのカットオフラインCL1、CL2は、ミラー部材20の上向き反射面20aの前端縁20a1の反転投影像として形成されるようになっている。
このロービーム用配光パターンPLにおいて、下段カットオフラインCL1とV−V線との交点であるエルボ点Eは、H−Vの0.5〜0.6°程度下方に位置している。これは光軸Axが車両前後方向に対して0.5〜0.6°程度下向きの方向に延びていることによるものである。
このロービーム用配光パターンPLは、そのカットオフラインCL1、CL2が鮮明に形成されているが、このカットオフラインCL1、CL2の上方近傍には、図中破線で示すように、やや明るい付加配光パターンPaが形成されている。
この付加配光パターンPaは、投影レンズ12の前面12aに形成された複数のレンズ素子12sの各々において上向きに偏向出射した光によって形成される配光パターンである。
この付加配光パターンPaは、カットオフラインCL1、CL2に沿って帯状に延びるように形成されており、カットオフラインCL1、CL2から上方側0.5°程度の範囲内に形成されている。
これを実現するように、各レンズ素子12sによる出射光の上向き偏向角度の具体的な値が設定されている。その際、各レンズ素子12sによる出射光の上向き偏向角度が僅かずつ異なる値に設定されているので、付加配光パターンPaの上端縁は緩やかに明るさが変化するものとなる。
また、複数のレンズ素子12sは、上下方向に略等間隔をおいて水平方向に延びるように形成されているので、ロービーム用配光パターンPLにおける上下方向の各部位を形成している光が、少しずつ付加配光パターンPaを形成するための光として用いられることとなる。このため、ロービーム用配光パターンPLは、そのカットオフラインCL1、CL2の下方近傍領域の光度を維持したまま配光ムラを発生させることなく形成され、その上で付加配光パターンPaが形成されることとなる。
そして、このようにカットオフラインCL1、CL2の上方に拡がる付加配光パターンPaが形成されることによって、道路わきの歩行者6L、6R等の視認性が高められることとなる。その際、この付加配光パターンPaは、カットオフラインCL1、CL2から上方側0.5°程度の範囲内に形成されるので、対向車2や前走車4のドライバに対して不用意にグレアを与えてしまうことはない。また、ロービーム用配光パターンPLは、そのカットオフラインCL1、CL2の下方近傍領域の光度を維持したまま配光ムラを発生させることなく形成されるので、車両前方走行路の路面を均一に照射するものとなる。
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る車両用灯具10は、カットオフ形成部材としてミラー部材20を備えたプロジェクタ型の灯具として構成されているが、その投影レンズ12の前面12aには、該前面12aに到達した光源としての発光素子14からの光を上向きに偏向出射させる複数のレンズ素子12sが、上下方向に離散的に配置されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、投影レンズ12の前面12aに形成された複数のレンズ素子12sによって投影レンズ12からの出射光を上向きに偏向させることにより、カットオフラインCL1、CL2の上方近傍領域をある程度明るくすることができ、これにより遠方視認性の向上を図ることができる。
その際、これら複数のレンズ素子12sは上下方向に離散的に配置された状態で形成されているので、投影レンズ12の前面12aの一部領域に到達した光がまとまって上向きに偏向出射してしまうのを未然に防止することができる。そしてこれにより、カットオフラインCL1、CL2の下方近傍領域の光度を維持した上で、ロービーム用配光パターンPLの明るさが局部的に低下して配光ムラが発生してしまうのを未然に防止することができる。
このように本実施形態によれば、ミラー部材20を備えたプロジェクタ型の車両用灯具10において、カットオフラインCL1、CL2の下方近傍領域の光度を維持しつつ配光ムラの発生を抑えた上で遠方視認性を向上させることができる。
その際、本実施形態においては、各レンズ素子12sの鉛直断面形状が凸曲線状に形成されているので、各レンズ素子12sからの出射光を上下方向に関して平行光に近い光とすることができ、これにより付加配光パターンPaの明るさを十分に確保することができる。
本実施形態においては、光源として発光素子14が用いられており、そして、この発光素子14からの光を投影レンズ12へ向けて反射させるリフレクタ16が発光素子14を上方側から覆うように配置されているので、投影レンズ12における上下方向の中央領域を通過する光の割合が比較的小さくなる。したがって本実施形態のように、複数のレンズ素子12sが上下方向に離散的に配置された構成として、リフレクタ16からの反射光をいずれかのレンズ素子12sに到達させるようにすることが効果的である。
その際、本実施形態においては、カットオフ形成部材が、リフレクタ16からの反射光の一部を上向きに反射させるための上向き反射面20aを有するミラー部材20で構成されており、その上向き反射面20aの前端縁20a1が投影レンズ12の後側焦点Fを通るように形成されているので、投影レンズ12におけるリフレクタ16からの反射光の通過位置が上下方向にさらに広範囲にわたるものとなる。したがって本実施形態のように、複数のレンズ素子12sが上下方向に離散的に配置された構成として、リフレクタ16からの反射光をいずれかのレンズ素子12sに到達させるようにすることが一層効果的である。
上記実施形態においては、上向き反射面20aの前端縁20a1が、後側焦点Fを通るようにして配置されているものとして説明したが、後側焦点Fの近傍(例えば後側焦点Fの上方近傍や下方近傍)を通るようにして配置された構成とすることも可能である。
上記実施形態においては、投影レンズ12が正面視において円形の外形形状を有しているものとして説明したが、円形以外(例えば矩形や楕円形等)の外形形状を有する構成とすることも可能である。
上記実施形態においては、投影レンズ12として、前面12aが凸面で後面12bが平面の平凸非球面レンズが用いられているものとして説明したが、両凸レンズや凸メニスカスレンズ等が用いられた構成とすることも可能である。
上記実施形態においては、車両用灯具10が、左配光のロービーム用配光パターンPLを形成するように構成されているが、右配光のロービーム用配光パターンを形成するように構成されている場合、あるいは上端部に水平カットオフラインのみを有する配光パターンを形成するように構成されている場合においても、上記実施形態と同様の構成を採用することにより同様の作用効果を得ることができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
図7(b)は、本変形例の投影レンズ112の要部を示す、図4と同様の図である。なお、図7(a)は、本変形例との比較のために、上記実施形態の投影レンズ12の要部を示す、図4と同様の図である。
本変形例の投影レンズ112の基本的な構成は、上記実施形態の投影レンズ12と同様であって、その前面112aに複数のレンズ素子112sが上下方向に離散的に配置された状態で形成されている。そして、この前面112aに到達した発光素子(図示せず)からの光の一部を、これら複数のレンズ素子112sの各々によって上向きに偏向出射させるようになっている。
その際、これら各レンズ素子112sは、上記実施形態の各レンズ素子12sと同様、その鉛直断面形状が凸曲線状に形成されており、その上端縁には段差部が形成されているが、各レンズ素子112sの上下両端縁にはそれぞれコーナRが付けられている。
本変形例の構成を採用した場合にも、上記実施形態の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
その際、本変形例の投影レンズ112は、各レンズ素子112sの上下両端縁にそれぞれコーナRが付けられているので、各レンズ素子112sの上下各端部において出射する光の上向き偏向角度を徐々に変化させることができる。そしてこれにより、ロービーム用配光パターンPLの配光ムラの発生を一層効果的に抑制することができる。また、各レンズ素子112sの上下両端縁にそれぞれコーナRが付けられていることにより、投影レンズ12の前面112aに複数のレンズ素子112sが形成されていることを目立たなくすることができる。
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
図7(c)は、本変形例の投影レンズ212の要部を示す、図4と同様の図である。
本変形例の投影レンズ212の基本的な構成は、上記実施形態の投影レンズ12と同様であって、その前面212aに複数のレンズ素子212sが上下方向に離散的に配置された状態で形成されている。そして、この前面212aに到達した発光素子(図示せず)からの光の一部を、これら複数のレンズ素子212sの各々によって上向きに偏向出射させるようになっている。
その際、これら各レンズ素子212sは、その鉛直断面形状が直線状に形成されている。
本変形例の構成を採用した場合には、各レンズ素子212sからの出射光の上向き偏向の仕方が上記実施形態の場合と多少異なったものとなる(具体的には上下方向に関して僅かに拡散する光となる)が、上記実施形態の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
次に、上記実施形態の第3変形例について説明する。
図7(d)は、本変形例の投影レンズ312の要部を示す、図4と同様の図である。
本変形例の投影レンズ312の基本的な構成は、上記実施形態の投影レンズ12と同様であって、その前面312aに複数のレンズ素子312sが上下方向に離散的に配置された状態で形成されている。そして、この前面312aに到達した発光素子(図示せず)からの光の一部を、これら複数のレンズ素子312sの各々によって上向きに偏向出射させるようになっている。
その際、これら各レンズ素子312sは、その鉛直断面形状が凹曲線状に形成されている。
本変形例の構成を採用した場合にも、各レンズ素子312sからの出射光の上向き偏向の仕方が上記実施形態の場合と多少異なったものとなる(具体的には上下方向に関して多少拡散する光となる)が、上記実施形態の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
次に、上記実施形態の第4変形例について説明する。
図8(a)は、本変形例の投影レンズ412を示す正面図である。
本変形例の投影レンズ412の基本的な構成は、上記実施形態の投影レンズ12と同様であって、その前面412aに複数のレンズ素子412sが上下方向に離散的に配置された状態で形成されている。そして、この前面412aに到達した発光素子(図示せず)からの光の一部を、これら複数のレンズ素子412sの各々によって上向きに偏向出射させるようになっている。
ただし本変形例においては、複数のレンズ素子412sが、光軸Axから上下方向に離れるにしたがって各レンズ素子412s相互間の間隔が徐々に拡大するように配置されている。
本変形例の構成を採用した場合にも、上記実施形態の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
次に、上記実施形態の第5変形例について説明する。
図8(b)は、本変形例の投影レンズ512を示す正面図である。
本変形例の投影レンズ512の基本的な構成は、上記実施形態の投影レンズ12と同様であって、その前面512aに複数のレンズ素子512sL、512sRが上下方向に離散的に配置された状態で形成されている。そして、この前面512aに到達した発光素子(図示せず)からの光の一部を、これら複数のレンズ素子512sL、512sRの各々によって上向きに偏向出射させるようになっている。
ただし本変形例においては、複数のレンズ素子512sL、512sRが、投影レンズ512の前面512aにおいて左右両側の互いに離れた位置に形成されている。また、これら各レンズ素子512sL、512sRによる出射光の上向き偏向角度は、各レンズ素子512sL、512sR毎に僅かずつ異なる値に設定されており、かつ、その上向き偏向角度の最大値は上記実施形態の場合よりも大きい値に設定されている。
図9は、本変形例の投影レンズ512を備えた車両用灯具から前方へ照射される光により、上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンPLを透視的に示す図である。
このロービーム用配光パターンPLにおいては、その付加配光パターンPbL、PbRが、V−V線から左右両側に離れた位置にそれぞれ形成されている。これは、複数のレンズ素子512sL、512sRが、投影レンズ512の前面512aにおいて左右両側の互いに離れた位置に形成されていることによるものである。
その際、左側の付加配光パターンPbLは、投影レンズ512の前面512aの右側に形成された複数のレンズ素子512sRからの出射光により形成される配光パターンである。この付加配光パターンPbLは、上段カットオフラインCL2の上方近傍において上段カットオフラインCL2に沿って帯状に延びており、上段カットオフラインCL2から上方側1°程度の範囲内に形成されている。
一方、右側の付加配光パターンPbRは、投影レンズ512の前面512aの左側に形成された複数のレンズ素子512sLからの出射光により形成される配光パターンである。この付加配光パターンPbRは、下段カットオフラインCL1の上方近傍において下段カットオフラインCL1に沿って帯状に延びており、下段カットオフラインCL1から上方側1°程度の範囲内に形成されている。
本変形例においては、カットオフラインCL1、CL2の左右両端部においてのみカットオフラインCL1、CL2の上方近傍領域を明るくするようになっているので、対向車2や前走車4のドライバにグレアを与えてしまうおそれを完全に排除した上で、道路わきに存在する歩行者6L、6R等に対する視認性を高めることができる。
その際、本変形例においては、付加配光パターンPbL、PbRが、カットオフラインCL2、CL1から比較的上方位置まで拡がるように形成されているが、このようにしても対向車2や前走車4のドライバにグレアを与えてしまうおそれがなく、そしてこれにより道路わきに存在する歩行者6L、6R等に対する視認性をより一層高めることができる。
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
また、本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
2 対向車
4 前走車
6L、6R 歩行者
10 車両用灯具
12、112、212、312、412、512 投影レンズ
12a、112a、212a、312a、412a、512a 前面
12b 後面
12c 外周フランジ部
12s、112s、212s、312s、412s、512sL、512sR レンズ素子
14 発光素子(光源)
16 リフレクタ
16a 反射面
18 レンズホルダ
20 ミラー部材(カットオフ形成部材)
20a 上向き反射面
20a1 前端縁
Ax 光軸
CL1 下段カットオフライン
CL2 上段カットオフライン
E エルボ点
F 後側焦点
PL ロービーム用配光パターン
Pa、PbL、PbR 付加配光パターン

Claims (7)

  1. 投影レンズと、この投影レンズの後方に配置された光源と、この光源と上記投影レンズとの間に配置されたカットオフ形成部材と、を備えてなる車両用灯具において、
    上記投影レンズの前面に、該前面に到達した上記光源からの光を上向きに偏向出射させる複数のレンズ素子が、上下方向に離散的に配置された状態で形成されており、
    上記各レンズ素子が凸曲線状の鉛直断面形状を有しており、
    上記投影レンズの前面において上記各レンズ素子相互間に位置する一般部と上記各レンズ素子とが交互に連続して配置されている、ことを特徴とする車両用灯具。
  2. 上記光源として発光素子が用いられており、
    上記投影レンズの後方に、上記発光素子からの光を上記投影レンズへ向けて反射させるリフレクタが配置されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
  3. 上記カットオフ形成部材が、上記リフレクタからの反射光の一部を上向きに反射させるための上向き反射面を有するミラー部材で構成されており、
    上記上向き反射面の前端縁が、上記後側焦点またはその近傍を通るように形成されている、ことを特徴とする請求項2記載の車両用灯具。
  4. 上記複数のレンズ素子が、上記投影レンズの前面において左右両側の互いに離れた位置に形成されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用灯具。
  5. 上記各レンズ素子の上端縁に段差部が形成されており、
    上記各レンズ素子の表面と該レンズ素子の段差部との角部にコーナRが付けられている、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の車両用灯具。
  6. 上記前面の一般部と上記各レンズ素子の段差部とのなす角度が、上記前面の一般部と上記各レンズ素子の表面とのなす角度よりも大きい、ことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の車両用灯具。
  7. 上記各レンズ素子による出射光の上向き偏向角度が、上記各レンズ素子毎に異なる値に設定されている、ことを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の車両用灯具。
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