JP6215289B2 - 低散逸率を有する低密度ポリエチレンおよびそれを製造するための方法 - Google Patents
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Description
低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリマー組成物を用いて導体を絶縁することが
知られている。例えば、LDPEの発泡体は、単独で、または他のポリマーとブレンドし
て、同軸ケーブルおよび/または無線周波ケーブルなどの通信ケーブルを絶縁するのに頻
繁に使用される。
な需要が生じている。通信ケーブルのより高い信号品質を得るための一方法は、シグナル
減衰を下げることである。ポリエチレン中の不純物、極性官能基および/または不飽和が
、誘電特性に悪影響を及ぼし、散逸率を増加させ得ることが知られている。したがって、
当技術分野では、ケーブル絶縁体においてより低いシグナル減衰およびより低い散逸率を
達成するために、少量の不純物、極性基および不飽和を有するポリエチレンの必要性が認
識されている。当技術分野では、さらに、LDPEの物理的特性および/または加工特性
を低下させない低散逸率を有するLDPE電気絶縁材料の必要性が認識されている。
本開示は、改良型(すなわち、低い)散逸率を有する低密度ポリエチレン組成物および
それを製造する方法を対象とする。本出願人は、散逸成分の量を減少させてLDPE組成
物を製造する方法を見出した。散逸成分の量を減少させると、LDPEの物理的特性およ
び加工特性を同時に維持しながら、低い散逸率(すなわち、1.48×10−4ラジアン
以下(2.47GHzで))を有するLDPEを生じる。本開示の低散逸率のLDPEを
用いて製作したケーブル絶縁体は、有利なことに低いシグナル減衰を示す。
法は、高圧重合条件下の重合反応器において、溶媒の存在下、エチレンをフリーラジカル
開始剤と接触させることを含む。反応は、高圧低密度ポリエチレン(HP−LDPE)お
よび未反応種(unreacted species)を含む反応器流出物(reactor effluent)を形成す
る。この方法は、未反応種をHP−LDPEから分離して再循環流(recycle stream)を
形成すること、および散逸成分を再循環流からパージしてパージされた再循環流を形成す
ることを含む。さらに、方法は、パージされた再循環流を重合反応器に導入すること、お
よび1.48×10−4ラジアン以下(2.47GHzで)の散逸率を有するHP−LD
PEを形成することを含む。
DPEを含む。HP−LDPEは、本方法により製造される。HP−LDPEは、以下の
特性:
(i)カルボニル比0.05以下;
(ii)ヒドロキシル比0.37以下;
(iii)ビニリデン比0.19以下;
(iv)ビニル比0.03以下;および
(v)散逸率1.48×10−4ラジアン以下(2.47GHzで)
のうちの1つ、いくつか、すべて、または任意の組み合わせを示す。
体は、(A)HP−LDPEと(B)高密度ポリエチレン(HDPE)のブレンドである
。ブレンドは、膨張して発泡体になる。発泡体組成物のHP−LDPE成分は、膨張の前
に以下の特性:
(i)カルボニル比0.05以下;
(ii)ヒドロキシル比0.37以下;
(iii)ビニリデン比0.19以下;
(iv)ビニル比0.03以下;および
(v)散逸率1.48×10−4ラジアン以下(2.47GHzで)
のうちの1つ、いくつか、すべて、または任意の組み合わせを有する。
ーティングを含む。コーティングは、(A)HP−LDPEと(B)HDPEのブレンド
から構成される。コーティングのブレンドは、膨張して、発泡体組成物を形成する。発泡
体組成物のHP−LDPE成分は、膨張前に以下の特性:
(i)カルボニル比0.05以下;
(ii)ヒドロキシル比0.37以下;
(iii)ビニリデン比0.19以下;
(iv)ビニル比0.03以下;および
(v)散逸率1.48×10−4ラジアン以下(2.47GHzで)
のうちの1つ、いくつか、すべて、または任意の組み合わせを有する。
1.方法
本開示は、方法を提供する。一実施形態では、低密度ポリエチレンを製造するための方
法は、高圧重合条件下の重合反応器内で、溶媒の存在下、エチレンをフリーラジカル開始
剤と接触させて、反応器流出物を形成することを含む。反応器流出物は、高圧低密度ポリ
エチレン(HP−LDPE)および未反応種を含む。この方法は、未反応種をHP−LD
PEから分離して再循環流を形成することを含む。方法は、散逸成分を再循環流からパー
ジすること、および、パージされた再循環流を重合反応器に導入することを含む。方法は
、1.48×10−4ラジアン以下(2.47GHzで)の散逸率を有するHP−LDP
Eを形成することを含む。
成物、すなわちLDPEの形成を促進する、重合反応器内の、温度、圧力、反応物濃度、
溶媒選択、連鎖移動剤(CTA)、反応物質混合/添加パラメーター、および他の条件で
ある。本明細書で使用される場合、「高圧重合条件」という用語は、エチレンのフリーラ
ジカル重合を促進するための、15,000〜50,000ポンド/平方インチゲージ圧
(psig)(1021〜3403気圧(atm))の圧力および150℃〜350℃の
反応温度を含む反応条件である。
置と撹拌オートクレーブの組み合わせで行われる。適切な高圧重合反応器の非限定例には
、単一のオートクレーブまたは複数のオートクレーブ、直列もしくは連続の順に動作する
1つまたは複数のオートクレーブと管型反応装置の組み合わせ、または単一の管型反応装
置が含まれる。反応器連続順は、オートクレーブ反応器、次に管型反応装置からなり得る
。さらに、オートクレーブ反応器は、1つまたは複数の反応器ゾーンを有し得る。反応器
ゾーンの各々には、エチレン、任意選択のコモノマー、フリーラジカル開始剤、触媒、お
よびCTAを独立に供給し得る。さらに、管型反応装置は、エチレン、任意選択のコモノ
マー、フリーラジカル開始剤、触媒、およびCTAを独立に供給することを可能にするた
めに、管型反応装置の長さに沿って1つまたは複数の供給点を有していてもよい。
マー(および任意選択のコモノマー(複数可))は、最初に、もしくは初めに全体を重合
反応器に供給することもできるし、反応サイクル中に反応器のいくつかの異なる場所(連
続型プロセス用)に分けて供給することもできる。
対圧(「bara」)(100〜400メガパスカル絶対圧(「MPaa」))、または
2,000〜3,000bara(200〜300MPaa)の範囲にあり得、温度は、
120℃〜340℃の範囲にあり得る。
00MPaa)の範囲に、および温度は、120℃〜360℃の範囲にあり得る。高圧重
合条件下、管型反応装置内での重合は、乱流プロセス流体流動(turbulent process flui
d flow)内で起こる。管に沿ったある点において、フリーラジカル重合時に生じる熱の一
部は、管壁を通して除去され得る。
は250℃〜360℃である。さらなる実施形態では、重合の少なくとも25%、または
重合の少なくとも50%、重合の少なくとも75%、または全体の重合プロセスの間、反
応温度が保たれる。
装置である第二の反応器を含む多重反応器システムで実施される。第一の(オートクレー
ブ)反応器は、1つ、2つ、またはさらに多くの反応域(ゾーン)を有する。各反応器ゾ
ーンの温度は、同じであるか、または異なり、180℃、または200℃、または230
℃、または239℃〜245℃、または250℃、または280℃、または360℃であ
る。第一の反応器の各反応器ゾーンの圧力は、同じであるか、または異なり、22,00
0psig、または24,000psig〜27,000psig、または33,000
psigである。
、1つ、2つ、またはより多くの反応器ゾーンを有する。各管型反応装置ゾーンの温度は
、同じであるか、または異なり、180℃、または240℃〜280℃、または290℃
である。各管型反応装置ゾーンの圧力は、同じであるか、または異なり、22,000p
sig、または24,000psig〜27,000psig、または33,000ps
igである。
ペルオキシエステル、ジアルキルペルオキシド、またはそれらの組み合わせなどの酸素ベ
ースの開始剤を含む。適切なフリーラジカル開始剤の非限定例には、t−ブチルペルオキ
シピバレート、di−t−ブチルペルオキシド(DTBP)、t−ブチルペルオキシアセ
テート(TBPO)、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペ
ルオキシネオデカノエート(PND)、t−ブチルペルオキシオクトエート、およびそれ
らの任意の組み合わせが含まれる。フリーラジカル重合反応は、開始剤または触媒が存在
する各反応ゾーンで起こる。反応は、大量の熱を発生する発熱反応である。
る。水素原子供与の後に、CTAは、モノマー、オリゴマー、またはコモノマーと反応し
、新しいポリマー鎖を開始することができるラジカルを形成し得る。その結果、最初のC
TAは、新しい、または既存のポリマー鎖に組み込まれ、それにより、最初のCTAと会
合するポリマー鎖に新しい官能性を導入する。CTAは、通常、モノマー/コモノマー重
合の結果ではない新しい官能性をポリマー鎖に導入することができる。
CTAは、イソブタンである。CTAは、重合の間、CTA、エチレンモノマーおよび任
意選択のコモノマー(存在する場合)の組み合わせの重量を基準にして重量%で、0.0
5重量%、もしくは0.1重量%〜0.2重量%、または0.5重量%の量で存在する。
ー用バランス(balance for pump flow)、およびそれらの組み合わせとして働く。一実
施形態では、溶媒は、無極性イソパラフィン流体溶媒である。適切なイソパラフィン流体
溶媒の非限定例は、Isopar(商標)Hである。本方法は、イソプロパノール、ブタ
ノール、t−ブタノール、およびそれらの任意の組み合わせなどの通常のフローバランス
(flow balance)極性アルカノールの代替物として、無極性イソパラフィン流体溶媒を使
用する。本出願人は、イソパラフィン流体溶媒が、有利なことに再循環流中に存在する散
逸成分の削減に寄与することを見出した。
器流出物は、高圧低密度ポリエチレン(HP−LDPE)および未反応種を含む。未反応
種は、以下:溶媒、未反応モノマー(エチレン)、未反応の任意選択のコモノマー、未反
応フリーラジカル開始剤、未反応CTA、未反応触媒(任意選択の)、フリーラジカル開
始剤分解生成物(アセトンやtert−ブタノールなど)、供給システムからの不純物、
機械類で使用される潤滑剤、およびそれらの任意の組み合わせのうちの1つ、いくつか、
またはすべてを含む。未反応種は、通常、組み合わせた量で5重量%未満または3重量%
未満(未反応種総重量を基準にして)存在する他の成分と共に、多量(未反応種総重量の
95重量%より多い、または97重量%より多い)のエチレンを含む。
細書で使用する場合、「再循環流」という用語は、一次分離段階の間に回収される過剰の
未反応種である。未反応種は一次分離段階中に回収されて、第一の重合反応器(高圧再循
環流)の圧力を約3000psigに減少させ、次いで、圧力を次の容器または分離器内
の周囲の圧力程度(低圧再循環流)に下げる。分離ガスは回収されて、再循環流を形成す
る。再循環流の一部は重合反応器に導入されて、後述することになるように、製造単位の
モノマー効率を改善する。
「パージ」という用語は、再循環流から1つまたは複数の散逸成分(複数可)を除去する
行為である。パージ(またはパージング)は、再循環流から未反応種の一部(または小部
分)を移す、またはそうでない場合は廃棄することにより実施される。言い換えれば、パ
ージングは、再循環流から未反応種(「パージ流」)の一部を取り出し、またはそうでな
い場合は除去することである。
パージされた再循環流」は、パージの処理を受けてきた再循環流である。パージされた再
循環流は、それから除去される未反応種の一部を有していた(パージ処理に関して)。
PEの誘電特性に悪影響を及ぼす未反応種中に存在する、極性化合物、不飽和化合物、お
よびそれらの組み合わせである。散逸成分の非限定例は、以下:カルボニル基、ヒドロキ
シル基、ビニル基、ビニリデン基、トランス−ビニリデン基、およびそれらの任意の組み
合わせの1つまたは複数を含む化合物および/または分子である。散逸成分のさらなる非
限定例には、アセトン、tert−ブタノール、二酸化炭素、ケトン、アルコール、カル
ボン酸、超圧縮機油(hypercompressor oil)、鉱油、極性酸化防止剤、ポリアルキレン
グリコール、およびそれらの任意の組み合わせが含まれる。特定の理論に拘泥するもので
はないが、散逸成分は、反応器/試薬不純物、過酸化物分解生成物、酸化防止剤などの添
加剤、包装からの埃や繊維などの外部の汚染物質、および前述の任意の組み合わせの結果
であり得る。
る。
量測定により測定する。再循環流流速は、体積置換(volumetric displacement)圧縮機
により決定する。体積置換圧縮機は、流体の比体積を置換する。流体の密度は、動作圧力
(測定される)および温度(測定される)を用いて見積もられる。次いで、密度および置
換される体積は、再循環流用の質量流速を算出するのに使用される。パージ流流速は、同
様の方法で決定する。
環流から移す。パージ流は、重合反応に導入されない。パージ流は、重合プロセスから除
去される。方法は、1.48×10−4ラジアン以下(2.47GHzで)の散逸率を有
するHP−LDPEを形成することをさらに含む。
いう用語は、高圧下のフリーラジカル重合により製造される、密度0.910g/cc〜
0.940g/ccを有する低密度エチレンホモポリマーである。
ラジカル重合し、メタロセン、束縛構造などの有機金属触媒ポリエチレン、および/また
はチーグラー−ナッタ触媒ポリエチレンと異なる。特に、HP−LDPEは、直鎖低密度
ポリエチレン(LLDPE)と異なる。LLDPEは、非常に狭い分子量分布(MWD)
を持つ直鎖分子構造を有する。対照的に、HP−LDPE樹脂は、LLDPEと比べて、
長鎖分岐構造およびより広いMWDを有する。
940g/ccより大きい密度を有するエチレン系ポリマー(エチレンホモポリマーまた
はエチレンコポリマー)である。伸長の流れ(elongational flow)中のHP−LDPE
の溶融粘度は、歪み硬化(strain hardening)である。これは、HP−LDPE溶融が伸
びるので、その伸長粘度は、伸び速度の増加と共に増加することになることを意味する。
対照的に、LLDPEおよびHDPEは張力低下を示し、それによって伸長粘度は、伸び
速度の増加と共に低下し、押し出し物は、非常に薄い部分に容易に延伸される。HDPE
とHP−LDPEとの間のさらなる相違点は、以下の表1に示される。
ことを含む。イソパラフィン流体溶媒は、無極性である。混合は、フリーラジカル開始剤
の重合反応器への導入前、導入中、または導入後に起こり得る。フリーラジカル開始剤は
、10重量%、もしくは15重量%〜18重量%、または20重量%、または24重量%
、または25重量%、または30重量%のイソパラフィン流体溶媒と混合することができ
る。さらなる実施形態では、フリーラジカル開始剤と混合するイソパラフィン流体溶媒は
、Isopar(商標)Hである。重量パーセントは、フリーラジカル開始剤/イソパラ
フィン流体ブレンドの総重量を基準にしている。
ることを含む。
することを含む。
ることを含む。
とを含む。
ら主に起こる。過酸化物分解生成物は、ポリマー骨格にカルボニル基として組み込むこと
ができる化学的活性種を形成する。反応器に供給される新たな過酸化物の量は、HP−L
DPEポリマー骨格内のカルボニル濃度に効果を有する。本明細書で使用される場合、「
新たな(fresh)」という用語は、重合反応器への成分の最初の導入を指す。「新たな」
成分は、再循環成分を除外する。
少ない過酸化物を使用することにより、本方法は、有利なことに、重合反応器内に導入さ
れる酸素含有種の濃度を削減する。
iciency ratio)1800〜2400を維持することを含む。「過酸化物効率比」という
用語は、以下の等式(2)により定義される。
400である。過酸化物効率比の増加は、反応器への過酸化物供給速度の減少を示す。
たな過酸化物溶液供給速度は、過酸化物ポンプからの体積流速を測定すること、および過
酸化物溶液の組成を知ることにより決定する。
応器システムは、撹拌オートクレーブ反応器である第一の反応器および管型反応装置であ
る第二の反応器を含む。第一の反応器の温度は、230℃〜250℃であり、第一の反応
器の圧力は、24,000psig〜27,000psigである。方法は、
HP−LDPEから未反応種を分離して、再循環流を形成すること;
再循環流から散逸成分をパージすること;
パージされた再循環流を重合反応器に導入すること;
0.18〜0.60のパージ率を維持すること;
過酸化物効率比1800〜2400を維持すること;ならびに
以下の特性:
(i)カルボニル比0.05以下;
(ii)ヒドロキシル比0.37以下;
(iii)ビニリデン比0.20以下;
(iv)0.05以下ビニル基;および
(v)散逸率1.48×10−4ラジアン以下(2.47GHzで)
のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有するHP−LDPEを形成すること、
をさらに含む。
合プロセスを見出した。特定の理論に拘泥することなく、パージ率のみを増加させること
、または過酸化物効率比を増加させることと組み合わせてパージ率を増加させることによ
り、驚くべきことに、本方法は、反応器内に存在する散逸成分の量を削減する。反応器供
給プロセス内の散逸成分のこの削減は、その結果得られるHP−LDPEの散逸率を直接
的に改善する(低下させる)。本出願人は、HP−LDPE、または通常手順で製造され
るLDPEと比べ、本方法が、100〜2470メガヘルツ(MHz)の周波数範囲にあ
るHP−LDPE用の散逸率を20%、もしくは30%〜40%、または50%改善する
(すなわち、低下させる)ことを意外にも見出した。
本開示は、組成物を提供する。一実施形態では、ポリマー組成物が、提供され、HP−
LDPEを含む。HP−LDPEは、前述の方法のいずれかにより製造される。HP−L
DPEは、以下の特性:
(i)カルボニル比0.05以下;
(ii)ヒドロキシル比0.37以下;
(iii)ビニリデン比0.19以下;
(iv)ビニル比0.03以下;および
(v)散逸率1.48×10−4ラジアン以下(2.47GHzで)
のうちの1つ、いくつか、もしくはすべて、または任意の組み合わせを示す。
を有する。
WD5〜12を有する。
/10分およびMWD5.0〜6.0を有するHP−LDPEを含む。
11.0〜12.0を有するHP−LDPEを含む。
逸率を生じる、驚くほど低い量の散逸成分を有利なことに含む。
2〜0.04、または0.05を有する。
.19を有する。
34〜0.35または0.37を有する。
一実施形態では、ポリマー組成物は、(A)前述のHP−LDPEと(B)ポリオレフ
ィンのブレンドである。適切なポリオレフィンの非限定例には、プロピレン系ポリマーお
よびエチレン系ポリマーが含まれる。
(i)カルボニル比0.05以下;
(ii)ヒドロキシル比0.37以下;
(iii)ビニリデン比0.19以下;
(iv)ビニル比0.03以下;および
(v)散逸率1.48×10−4ラジアン以下(2.47GHzで)
のうちの1つ、いくつか、すべて、または任意の組み合わせを有する。
一実施形態では、ブレンド中に存在するポリオレフィンは、高密度ポリエチレン(HDP
E)である。ブレンドは、20重量%〜80重量%のHDPEおよび80重量%〜20重
量%のHP−LDPEを含む。重量パーセントは、ブレンドの総重量を基準にする。
を含むブレンドであり、ブレンドは、密度0.935g/cm3〜0.945g/cm3
を有する。
を含むブレンドであり、ブレンドは、散逸率1.0×10−4ラジアン以下(2.47G
Hzで)を有する。
を含むブレンドであり、ブレンドは、6.89g/10分のメルトインデックスを有する
。
本開示は、別の組成物を提供する。一実施形態では、発泡体組成物が提供され、発泡体
組成物は、(A)HP−LDPEと(B)HDPEのブレンドを含み、そのブレンドは、
発泡体に膨張する。発泡体組成物は、1ミクロン〜100ミクロンの範囲にあるセルを持
つ、均一セル分布を有する。被覆導体(絶縁ワイヤ)製造工程中に、化学的な発泡剤また
は押出機への物理的なガス注入により、ブレンドの発泡体への膨張を、実施することがで
きる。
あり、膨張前に以下の特性:
(i)カルボニル比0.05以下;
(ii)ヒドロキシル比0.37以下;
(iii)ビニリデン比0.19以下;
(iv)ビニル比0.03以下;および
(v)散逸率1.48×10−4ラジアン以下(2.47GHzで)
のうちの1つ、いくつか、すべて、または任意の組み合わせを有する。
一実施形態では、被覆導体が、提供され、導体および導体上のコーティングを含む。コ
ーティングは、(A)HP−LDPEと(B)HDPEとのブレンドから構成される。ブ
レンドは、膨張して、発泡体組成物を形成する。HP−LDPEは、本明細書で開示され
る任意のHP−LDPEであってもよい。HP−LDPEは、膨張の前に、1.48×1
0−4ラジアン以下(2.47GHzで)の散逸率を有する。
なくとも1つの金属ケーブルである。導体は、単一のワイヤまたはマルチワイヤであり得
、鎖状型または管状型であり得る。適切な導体の非限定例には、銀、金、銅、炭素、およ
びアルミニウムが含まれる。導体は、ガラスまたはプラスチックのどちらかから作られる
光ファイバであってもよい。
(「ジャケット」または「外筒(sheath)」または「絶縁体」とも呼ばれる)は、導体上
または導体周辺の別のポリマー層上にある。コーティングは、本ポリマー組成物を含む。
ポリマー組成物は、本明細書に開示される任意のポリマー組成物であってよい。一実施形
態では、本ポリマー組成物は、導体上の絶縁体層である。
ィングと金属導体との間の直接接触または間接接触を含む。「直接接触」は、コーティン
グと導体の間に位置する干渉層(複数可)および/または干渉材料(複数可)がなく、コ
ーティングが、導体とじかに接触する構成である。「間接接触」は、干渉層(複数可)お
よび/または干渉構造(複数可)および/または干渉材料(複数可)が、導体とコーティ
ングの間に位置する構成である。コーティングは、導体を完全に、または部分的に覆う、
そうでない場合は、囲む、または包むことができる。コーティングは、導体を囲む唯一の
成分であってもよい。あるいは、コーティングは、導体を包む多層ジャケットまたは外筒
の一層であってもよい。干渉層の主目的は、コーティングと導体の間の粘着を高めること
である。
HDPEとのブレンドは、膨張の前に、1.0×10−4ラジアン以下(2.47GHz
で)の散逸率を有する。
(i)カルボニル比0.05以下;
(ii)ヒドロキシル比0.37以下;
(iii)ビニリデン比0.19以下;
(iv)ビニル比0.03以下;および
(v)散逸率1.48×10−4ラジアン以下(2.47GHzで)
のうちの1つ、いくつか、すべて、または任意の組み合わせを有する。
本明細書で記載される本被覆導体は、デジタル信号かアナログ信号のいずれであれ、無
線周波数信号を送信するのに使用することができる。適切な応用の非限定例には、ドロッ
プ(drop)、配電(distribution)、およびトランク用のCATVケーブル;電話線;携
帯電話および送受信無線(two way radio)用の無線周波ケーブル;携帯電話基地局、ケ
ーブルテレビネットワーク、電話システム用の加入者線;ならびに他の多様な通信ケーブ
ルが含まれる。
本明細書で使用される場合、「ブレンド」または「ポリマーブレンド」という用語は、
2種以上のポリマーのブレンドである。そのようなブレンドは、混和してもしなくてもよ
い(分子レベルで相分離しない)。そのようなブレンドは、相分離してもしなくてもよい
。そのようなブレンドは、透過型電子分光法(transmission electron spectroscopy)、
光散乱、X線散乱、および当技術分野で既知の他の方法から決定されるように、1つまた
は複数のドメイン配置を含む可能性も含まない可能性もある。
合物、ならびに、組成物の材料から形成される反応生成物および分解生成物を含む。
れていてもいなくても、任意の追加成分、ステップまたは手順の存在を除外することを意
図しない。いかなる疑念も避けるため、「含む(comprising)」という用語の使用を通し
て本明細書で特許請求されるすべての組成物は、そうでないと明記しない限り、任意の追
加添加物、補佐剤(アジュバント)、または化合物(ポリマーでもそれ以外でも)を含む
ことができる。対照的に、「本質的に〜からなる」という用語は、操作性に重要でないも
のを除いて、任意の他の成分、ステップまたは手順を任意の後続する列挙の範囲から除外
する。「〜からなる」という用語は、具体的に記述または列挙されない任意の成分、ステ
ップまたは手順を除外する。「または(or)」という用語は、そうでないと明記しない限
り、個々に、ならびに任意の組み合わせで列挙される部材を指す。
過半数(majority)の重合エチレンモノマー(ポリマー性モノマーの総重量を基準にして
)を含むポリマーを指す。
された高分子化合物である。「ポリマー」は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー
、インターポリマーなどを含む。「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの
型のモノマーまたはコモノマーの重合により調製されるポリマーを意味する。インターポ
リマーは、これに限定されないが、コポリマー(通常、2つの異なる型のモノマーまたは
コモノマーから調製されるポリマーを指す)、ターポリマー(通常、3つの異なる型のモ
ノマーまたはコモノマーから調製されるポリマーを指す)、テトラポリマー(通常、4つ
の異なる型のモノマーまたはコモノマーから調製されるポリマーを指す)などを含む。典
型的なモノマー/コモノマーには、エチレン、ブタン、ヘキサンおよびオクタンが含まれ
る。
で過半数の重合プロピレンモノマー(ポリマー性モノマーの総量を基準にして)を含むポ
リマーを指し、少なくとも1つの重合したコモノマーを場合により含み得る。
カルボニル比、ヒドロキシル比および不飽和含有量(ビニル比、ビニリデン比)は、フ
ーリエ変換赤外分光法(FTIR)により決定する。低(接触)圧、120〜130℃で
1分間および高圧(20000psi)で1分間加熱することにより、10〜20ミルの
厚さのフィルムを、2枚のテフロン(登録商標)シート間で加圧する。サンプルを、加圧部
から除去し、室温に冷却する。FTIRスペクトルを収集することは、以下の機器および
パラメーターを使用して実施する。
:透過、ソース:IR、
)濃さ)に対する1722cm−1の吸光度の比で表わされる。ヒドロキシル基の相対レ
ベルは、2019cm−1の吸光度(内標準ポリエチレン(PE)濃さ)に対する106
1cm−1の吸光度の比で表わされる。不飽和含有量(トランス−ビニレン、末端ビニル
およびビニリデン基)は、FT−IR分光計内のソフトウェア「OMNIC Peak
Resolve」を使用して定量する。
)および30,000psiで3分間、次いで、70°F(21℃)および30,000
psiで1分間加圧する。密度測定は、ASTM D792、方法Bを使用して、サンプ
ル加圧の1時間以内で行う。
ある。散逸率は、互換スプリットポスト(compatible split post)誘電共振器を備える
Agilent 8753 ES S−パラメーターネットワークアナライザーを使用し
て、周波数2.47GHzで50ミルのプラーク上で測定する。以下のパラメーターは、
プラークの圧縮成形で使用される:
− 低圧(500psi)および120℃で5分間
− 高圧(2500psi)および120℃で5分間
− 室温への水冷
6kgに従い測定し、10分間当りに溶出されるグラムで報告される。I10は、AST
M D 1238、条件190℃/10kgに従い測定し、10分間当りに溶出されるグ
ラムで報告される。
V Rheographを用いて以下のパラメーターで測定する。
パラメーターHCV:
ダイ:ラウンドキャピラリー(round capillary)
温度:190℃および220℃
ソーク時間:4分間
ピストン速度:0.20mm/秒
パラメーターRheotens:
加速度:6mm/秒2
ダイとホイールの間のギャップ:100mm
標準ホイール
パーミエーションクロマトグラフィー− 三重検出器)は、種々の等級の分子量分布を比
較するために使用される。試験条件:
− 1,2−4トリクロロベンゼン(溶媒として)
− 試験温度=140℃
− カラム: G/M/M IBM
− サンプルサイズ=250μL
撹拌3ゾーン反応オートクレーブ(AC)反応器、次に単一の反応ゾーン管型反応装置
(ST)内で、エチレンは、以下の表2に列挙される定常状態条件下で重合される。すべ
ての場合で、過酸化物は、第一のオートクレーブゾーン、第二のオートクレーブゾーン、
および管型反応装置部分に供給される。過酸化物は、制御温度で反応器温度を維持するよ
うに供給される。オートクレーブ部分用の滞留時間は、約30秒間であり、管状部分用の
滞留時間は、約30秒間である。
響を例示する。実施例3は、比較サンプル1(0.13)に比べ、より大きなパージ率(
0.26)を有し、このことにより、より高い散逸率(2.60×10−4)の比較サン
プル1に比べ、実施例3は、低い散逸率(1.48×10−4)を有する。比較サンプル
2(824)と比べて、実施例3(1990)では、反応温度を下げることにより、過酸
化物効率比が増加する。比較サンプル2(2.01×10−4)と比べて、実施例3(1
.48×10−4)では、反応温度を下げ、過酸化物効率比を高めることが、散逸率の低
下に寄与する。実施例3では、比較サンプル1および比較サンプル2と比べて、パージ比
、より低い反応器温度、および過酸化物効率比の増加のすべてが、以下の特性のそれぞれ
に対し、より低い値を有するHP−LDPEを製造するのに寄与する。
カルボニル比;
ヒドロキシル比;
ビニル;
ビニリデン;および
散逸率。
:カルボニル比0.06、ヒドロキシル比0.370、ビニリデン0.216、ビニル0
.03、および散逸率1.71×10−4ラジアン(2.47GHzで)を有する。実施
例3は、本方法で製造され、従来のLDPEより、13%低いカルボニル比(0.05対
0.06)、10%低いビニリデン比(0.19対0.216)および13%低い散逸率
(1.48対1.71)を有する。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]
ポリエチレン組成物を製造するための方法であって、
高圧重合条件下の重合反応器において、エチレンを溶媒の存在下でフリーラジカル開始剤と接触させて、高圧低密度ポリエチレン(HP−LDPE)および未反応種を含む反応器流出物を形成すること;
前記未反応種を前記HP−LDPEから分離して、再循環流を形成すること;
散逸成分を前記再循環流からパージして、パージされた再循環流を形成すること;
前記パージされた再循環流を前記重合反応器に導入すること;および
2.47GHzで1.48×10 −4 ラジアン以下の散逸率を有するHP−LDPEを
形成すること
を含む、方法。
[2]
前記パージングが、前記再循環流から過酸化物分解生成物を除去することを含む、上記[1]に記載の方法。
[3]
パージ比0.18〜0.6を維持することを含む、上記[1]から[2]のいずれかに記載の方法。
[4]
過酸化物効率比1800〜2400を維持する、上記[1]から[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
前記接触が、飽和炭化水素である連鎖移動剤の存在下で起こる、上記[1]から[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
第一の重合反応器にて温度200℃〜360℃で前記接触を実施することを含む、上記[1]から[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
第一の重合反応器にて圧力22,000psig〜33,000psigで前記接触を実施することを含む、上記[1]から[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
カルボニル比0.05以下を有するHP−LDPEを形成することを含む、上記[1]から7のいずれかに記載の方法。
[9]
ヒドロキシル比0.37以下を有するHP−LDPEを形成することを含む、上記[1]から[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
ビニリデン比0.19以下を有するHP−LDPEを形成することを含む、上記[1]から[9]のいずれかに記載の方法。
[11]
ビニル比0.03以下を有するHP−LDPEを形成することを含む、上記[1]から[10]のいずれかに記載の方法。
Claims (6)
- ポリマー組成物であって、
(i)0.05以下のカルボニル比;
(ii)0.37以下のヒドロキシル比;
(iii)0.19以下のビニリデン比;
(iv)0.03以下のビニル比;および
(v)2.47GHzで1.48×10 −4 ラジアン以下の散逸率
を有するHP−LDPEを含む、ポリマー組成物。 - (A)前記HP−LDPEと
(B)ポリオレフィン
のブレンドを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。 - 前記ポリオレフィンが高密度ポリエチレンである、請求項2に記載のポリマー組成物。
- 前記ブレンドが、2.47GHzで1.0×10 −4 ラジアン以下の散逸率を有する、請求項2〜3のいずれかに記載のポリマー組成物。
- 被覆導体であって、
導体と、
導体上のコーティングを含み、
前記コーティングが(A)高圧低密度ポリエチレン(HP−LDPE)と(B)高密度ポリエチレンのブレンドを含み、
前記ブレンドが、2.47GHzで1.0×10 −4 ラジアン以下の散逸率を有する、被覆導体。 - 前記ブレンドが発泡体に膨張しており、前記HP−LDPEが前記膨張の前に、
(i)0.05以下のカルボニル比;
(ii)0.37以下のヒドロキシル比;
(iii)0.19以下のビニリデン比;
(iv)0.03以下のビニル比;および
(v)2.47GHzで1.48×10 −4 ラジアン以下の散逸率
を有する、請求項5に記載の被覆導体。
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