JP6215125B2

JP6215125B2 - コネクタ

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Publication number: JP6215125B2
Application number: JP2014087500A
Authority: JP
Inventors: 丈晴内藤
Original assignee: Japan Aviation Electronics Industry Ltd
Current assignee: Japan Aviation Electronics Industry Ltd
Priority date: 2014-04-21
Filing date: 2014-04-21
Publication date: 2017-10-18
Anticipated expiration: 2034-04-21
Also published as: KR20150121654A; CN105048203B; TWI532275B; CN105048203A; JP2015207462A; KR101652872B1; US9343852B2; US20150303627A1; TW201541754A

Description

この発明は、コネクタに係り、特に、基板に搭載されて相手側コネクタと嵌合するコネクタに関する。

従来から、携帯機器、情報機器等の電子機器が広く普及しているが、この種の電子機器には、外部機器と接続して信号を授受するためのコネクタを装備すると共に電子機器に電気信号を入力して各種の動作を行わせるために操作者が指で操作する、いわゆるタクティールスイッチを備えたものが多い。
コネクタは、通常、外部機器に接続された相手側コネクタと嵌合することにより信号の伝送を行うもので、伝送される電気信号が外部からの電磁波により影響を受けることを防止するため、電磁波に対するシールドがなされたコネクタが望まれている。
また、近年は、電子機器の薄型化と共に表示画面の大型化を追求するため、これらのコネクタおよびタクティールスイッチは、表示画面の外周縁部に配置されることが多く、設置スペースの縮小化が要求されている。

このような背景の下、例えば、特許文献１には、スイッチを内蔵したコネクタが開示されている。このコネクタは、図９に示されるように、基板１の表面上にコネクタ本体２が配置され、コネクタ本体２を覆うシェル３の端部が基板１のパッド４にはんだ固定されており、相手側コネクタとしてジャック５が嵌合されるように構成されている。コネクタ本体２の内部には、ジャック５の接点部に接触するコンタクト６が配置されている。また、シェル３の一部が部分的に打ち抜かれてスイッチコンタクト７を形成しており、このスイッチコンタクト７の自由端部７ａに近接してもう一つのコンタクト８が配置されている。

図１０に示されるように、コンタクト８は、シェル３から遮断されると共に、コンタクト８の先端部８ａがコネクタ本体２のジャック収容部９内に張り出しており、ジャック収容部９にジャック５が挿入されると、ジャック５によりコンタクト８の先端部８ａが持ち上げられてスイッチコンタクト７の自由端部７ａに接触する。このようにして、ジャック５の嵌合状態を検知するスイッチが形成されている。

特開２０１１−１４２０７８号公報

特許文献１のコネクタによれば、シェル３によってシールドがなされると共に、ジャック５の嵌合状態を検知するスイッチを内蔵することで、コネクタとスイッチを別個に配置する場合に比べて設置スペースの縮小化を図ることができる。
しかしながら、特許文献１のコネクタでは、ジャック５の嵌合に関わらずに操作者が指で操作して各種の動作を行わせることはできない。このように、相手側コネクタとの嵌合に関わらずに操作者の指により操作される押しボタンスイッチ等のタクティールスイッチを電子機器に装備しようとすると、コネクタから独立した別部品としてのタクティールスイッチを配置しなければならず、大きな設置スペースを要するものであった。

この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、電磁波に対するシールド効果を有すると共に操作者の指により操作されるタクティールスイッチとしても機能し且つ設置スペースの縮小化を図ることができるコネクタを提供することを目的とする。

この発明に係るコネクタは、相手側コネクタが収容される相手側コネクタ収容部を有するコネクタハウジングと、それぞれ一端にコネクタ接点部が形成されると共にコネクタ接点部がコネクタハウジングの相手側コネクタ収容部内に配置された複数の信号用コンタクトと、少なくとも複数の信号用コンタクトのコネクタ接点部を覆うように配置された金属シェルと、スイッチ接点部が形成されたスイッチ用コンタクトと、金属シェルに接続されると共にスイッチ用コンタクトのスイッチ接点部に対向して配置され且つ押されたときに変形してスイッチ用コンタクトのスイッチ接点部に接触することによりスイッチ用コンタクトを金属シェルに導通させる導電体からなるスイッチ部材とを備え、金属シェルとスイッチ用コンタクトとスイッチ部材により押しボタンスイッチが形成されるものである。

好ましくは、金属シェルは、コネクタハウジングの相手側コネクタ収容部内に配置され且つ複数の信号用コンタクトのコネクタ接点部を覆うインナシェルと、コネクタハウジングの外側に配置され且つインナシェルに接続されたアウタシェルとを有し、スイッチ部材は、アウタシェルに接続されている。
この場合、スイッチ用コンタクトのスイッチ接点部は、アウタシェルに形成された開口部の内部に配置され、スイッチ部材は、アウタシェルの開口部を覆うドーム形状を有し且つ開口部の周縁部分においてアウタシェルに接続されることが好ましい。
アウタシェルの開口部の周辺およびスイッチ部材を覆う絶縁体シールをさらに備えることが好ましい。
さらに、絶縁性樹脂からなり且つスイッチ用コンタクトを支持すると共にアウタシェルに固定されるスイッチ用コンタクト支持部材を備えることができる。

スイッチ用コンタクト支持部材は、アウタシェルおよびスイッチ用コンタクトと共にインサートモールドにより成形されることが好ましい。
また、スイッチ用コンタクトのスイッチ接点部とアウタシェルの開口部の周縁部分は、互いにほぼ同一平面上に位置することが好ましい。
コネクタハウジングは、基板上に固定され、インナシェルとアウタシェルは、基板の表面上に形成された接地パタンを介して互いに接続されると共に電気的に接地されるように構成することができる。
スイッチ用コンタクトは、一端にスイッチ接点部が形成されると共に他端に基板接続部が形成され、基板実装部が基板の表面上に形成されたスイッチ用パッドに接続されるように構成してもよく、あるいは、複数の信号用コンタクトのうちの１つの信号用コンタクトからなっていてもよい。

この発明によれば、金属シェルにより少なくとも複数の信号用コンタクトのコネクタ接点部が覆われ、金属シェルに接続されたスイッチ部材が押されたときに変形してスイッチ用コンタクトのスイッチ接点部に接触することでスイッチ用コンタクトを金属シェルに導通させ、金属シェルとスイッチ用コンタクトとスイッチ部材により押しボタンスイッチが形成されるもので、電磁波に対するシールド効果を有すると共に操作者の指により操作されるタクティールスイッチとしても機能し且つ設置スペースの縮小化を図ることが可能となる。

この発明の実施の形態１に係るコネクタを示し、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は平面図、（Ｃ）は正面図、（Ｄ）は側面図である。絶縁体シールとスイッチ部材を除去した状態の実施の形態１のコネクタを示す斜視図である。実施の形態１のコネクタを示す一部破断斜視図である。実施の形態１のコネクタに用いられたスイッチ部材を示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は側面図である。実施の形態１のコネクタを示す断面図である。実施の形態１のコネクタの組み立て図である。（Ａ）は押しボタンスイッチがオフした状態、（Ｂ）は押しボタンスイッチがオンした状態をそれぞれ示す実施の形態１のコネクタの一部拡大断面図である。実施の形態２に係るコネクタを示す断面図である。従来のコネクタの構成を示す斜視図である。従来のコネクタを示す断面図である。

以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態１
図１（Ａ）〜（Ｄ）に、この発明の実施の形態１に係るコネクタの構成を示す。このコネクタは、基板１１上に配置されるレセプタクルを構成しており、相手側コネクタとしての図示しないプラグと嵌合軸Ｃに沿って嵌合することにより、プラグを介して外部機器との接続を行うものである。
ここで、便宜上、基板１１の表面が延びる平面をＸＹ面、嵌合軸Ｃに沿って相手側コネクタが挿入される方向を＋Ｙ方向、ＸＹ面に垂直な方向をＺ方向と呼ぶこととする。

コネクタは、樹脂等の絶縁体からなるコネクタハウジング１２を有している。コネクタハウジング１２は、基板１１上に配置されてＸＹ面に沿って延びる板状部１２ａと、板状部１２ａから嵌合軸Ｃに沿って−Ｙ方向へ突き出た筒形状の相手側コネクタ収容部１２ｂを有し、基板１１とは反対側の板状部１２ａの表面の大部分を覆うようにアウタシェル１３が配置され、筒形状の相手側コネクタ収容部１２ｂの内周に沿って筒形状のインナシェル１４が配置されている。

アウタシェル１３は、それぞれコネクタハウジング１２の板状部１２ａを貫通し且つ基板１１に向かって−Ｚ方向へ延びる一対の突起部１３ａを有し、また、インナシェル１４の＋Ｙ方向端部のＸ方向両端には、それぞれ−Ｚ方向へ延びる一対の突起部１４ａが形成され、これらの突起部１３ａおよび１４ａが基板１１にはんだ固定されることにより、コネクタハウジング１２とアウタシェル１３とインナシェル１４が一体となって基板１１上に固定されている。

また、コネクタハウジング１２により、それぞれＹ方向に延びる複数の信号用コンタクト１５が保持されており、これら複数の信号用コンタクト１５の＋Ｙ方向端部に形成された基板実装部１５ａがコネクタハウジング１２から＋Ｙ方向へ突出している。複数の信号用コンタクト１５の−Ｙ方向端部には、コネクタハウジング１２の相手側コネクタ収容部１２ｂの内部においてＸ方向に配列されると共にインナシェル１４により周囲が覆われたコネクタ接点部１５ｂが形成されている。
アウタシェル１３とコネクタハウジング１２の間に、複数の信号用コンタクト１５から独立した１つのスイッチ用コンタクト１６が配置されており、スイッチ用コンタクト１６の＋Ｙ方向端部に二股に分岐して形成された一対の基板実装部１６ａがコネクタハウジング１２から＋Ｙ方向へ突出している。

さらに、アウタシェル１３の中央部分の表面上に、矩形の絶縁体シール１７が貼り付けられている。絶縁体シール１７の中央には、押しボタンスイッチの押し込み部を示す円形のスイッチ領域１７ａが配置されている。このスイッチ領域１７ａの直下には、後述するスイッチ部材１９とスイッチ用コンタクト１６の−Ｙ方向端部に形成されたスイッチ接点部１６ｂが位置している。

絶縁体シール１７とスイッチ部材を除去した状態を図２に示す。アウタシェル１３の内面すなわち−Ｚ方向側の面に絶縁性樹脂からなるスイッチ用コンタクト支持部材１８が固定され、スイッチ用コンタクト支持部材１８にスイッチ用コンタクト１６が支持されている。アウタシェル１３の中央部分には、円形の開口部１３ｂが形成され、開口部１３ｂの内部に、スイッチ用コンタクト１６の−Ｙ方向端部に形成された円形のスイッチ接点部１６ｂが配置されている。
スイッチ用コンタクト１６のスイッチ接点部１６ｂは、アウタシェル１３の開口部１３ｂと同心状で且つ開口部１３ｂよりも小さな径を有し、スイッチ接点部１６ｂの外周部にスイッチ用コンタクト支持部材１８の一部が露出することで、アウタシェル１３とスイッチ接点部１６ｂとが互いに絶縁されている。また、アウタシェル１３の開口部１３ｂの周縁部分とスイッチ用コンタクト支持部材１８の露出部分とスイッチ用コンタクト１６のスイッチ接点部１６ｂは、互いに同一平面上に位置している。

このようなアウタシェル１３とスイッチ用コンタクト１６とスイッチ用コンタクト支持部材１８の構成は、絶縁性樹脂を用いてアウタシェル１３およびスイッチ用コンタクト１６と共にスイッチ用コンタクト支持部材１８をインサートモールドにより成形することで得ることができる。
なお、図２に示されるように、アウタシェル１３には、開口部１３ｂの周辺に複数の小さな孔１３ｃが貫通して形成され、これらの孔１３ｃの内部にもスイッチ用コンタクト支持部材１８を形成する絶縁性樹脂が充填されることで、スイッチ用コンタクト支持部材１８が強固にアウタシェル１３に固定されている。

図３に示されるように、アウタシェル１３の開口部１３ｂを覆うように導電体からなるスイッチ部材１９が配置され、スイッチ部材１９と開口部１３ｂの周辺のアウタシェル１３の上に絶縁体シール１７が貼り付けられている。スイッチ部材１９は、図４（Ａ）および（Ｂ）に示されるように、ドーム形状を有すると共にアウタシェル１３の開口部１３ｂよりもわずかに大きな径を有し且つ弾性変形可能で、開口部１３ｂの周縁部分においてアウタシェル１３に接続されている。
上述したように、アウタシェル１３の開口部１３ｂの周縁部分とスイッチ用コンタクト１６のスイッチ接点部１６ｂは互いに同一平面上に位置し、スイッチ部材１９がドーム形状を有することから、スイッチ部材１９は、スイッチ用コンタクト１６のスイッチ接点部１６ｂに対向しながらも、外部から応力を受けない状態では、スイッチ接点部１６ｂから離れており、スイッチ部材１９とスイッチ接点部１６ｂは互いに電気的に遮断されている。
このようなアウタシェル１３とスイッチ用コンタクト１６とスイッチ部材１９により押しボタンスイッチ、すなわち、操作者の指の操作でクリック感を得ながら電気的な接続／遮断を行うタクティールスイッチが形成されている。

また、複数の信号用コンタクト１５は、樹脂等の絶縁体からなる信号用コンタクト支持部材２０に支持され、信号用コンタクト支持部材２０がコネクタハウジング１２の相手側コネクタ収容部１２ｂ内に固定されることにより、複数の信号用コンタクト１５のコネクタ接点部１５ｂがインナシェル１４により覆われた状態でコネクタハウジング１２の相手側コネクタ収容部１２ｂの内部に配置されている。

図５に示されるように、基板１１の表面上には、複数の信号用コンタクト１５に対応した複数の信号用パッド２１が配列して形成されており、それぞれの信号用コンタクト１５の基板実装部１５ａが対応する信号用パッド２１にはんだ接続されている。同様に、基板１１の表面上には、スイッチ用コンタクト１６に対応したスイッチ用パッド２２が形成され、スイッチ用コンタクト１６の一対の基板実装部１６ａがスイッチ用パッド２２にはんだ接続されている。
なお、コネクタハウジング１２の筒形状の相手側コネクタ収容部１２ｂの外周部には、ゴム等からなる環状の防水部材２３が配置されている。

このような構成のコネクタは、図６に示されるように、インナシェル１４および複数の信号用コンタクト１５が組み込まれたコネクタハウジング１２の板状部１２ａを基板１１の表面上に位置させ、スイッチ用コンタクト支持部材１８がスイッチ用コンタクト１６と共に成形されたアウタシェル１３をコネクタハウジング１２の上に配置し、アウタシェル１３の開口部１３ｂをスイッチ部材１９で覆って開口部１３ｂの周縁部分にスイッチ部材１９を接続すると共にスイッチ部材１９と開口部１３ｂの周辺のアウタシェル１３の上に絶縁体シール１７を貼り付けることで、組み立てることができる。

このとき、アウタシェル１３の下側（−Ｚ方向側）に位置するスイッチ用コンタクト支持部材１８が、コネクタハウジング１２の板状部１２ａの上面に形成された凹部１２ｃに嵌め込まれ、アウタシェル１３の一対の突起部１３ａがコネクタハウジング１２の板状部１２ａに形成された一対の孔１２ｄをＺ方向に貫通して基板１１の対応するスルーホール２４に挿入されると共にインナシェル１４の一対の突起部１４ａが基板１１の対応するスルーホール２５に挿入される。互いに隣接するスルーホール２４および２５は、基板１１の表面上に形成された接地パタン２６を介して互いに接続されている。

そして、これらの突起部１３ａおよび１４ａが対応するスルーホール２４および２５にはんだ付けされることで、コネクタハウジング１２とアウタシェル１３とインナシェル１４が一体となって基板１１上に固定されると共に、アウタシェル１３とインナシェル１４が接地パタン２６を介して電気的に接地されることとなる。
また、複数の信号用コンタクト１５の基板実装部１５ａが基板１１の対応する信号用パッド２１にはんだ付けされ、スイッチ用コンタクト１６の一対の基板実装部１６ａが基板１１のスイッチ用パッド２２にはんだ付けされる。

なお、アウタシェル１３の開口部１３ｂの周縁部分とスイッチ部材１９との接続は、導電性接着剤を用いた接着により行うことができる。
あるいは、アウタシェル１３の開口部１３ｂを覆うように位置されたスイッチ部材１９の上から開口部１３ｂの周辺にかけて絶縁体シール１７を貼り付けることで、スイッチ部材１９をアウタシェル１３の開口部１３ｂの周縁部分に接触させる方法でもよい。この場合、スイッチ部材１９とアウタシェル１３は互いに接着されないが、スイッチを作動させる際に、絶縁体シール１７を介してスイッチ部材１９が−Ｚ方向、すなわち、アウタシェル１３へ向けて押し付けられるので、スイッチ部材１９とアウタシェル１３の間に大きな接触圧が作用し、スイッチ部材１９がアウタシェル１３に接続される。

コネクタハウジング１２の相手側コネクタ収容部１２ｂ内に−Ｙ方向から嵌合軸Ｃに沿って図示しない相手側コネクタが挿入されると、複数の信号用コンタクト１５のコネクタ接点部１５ｂに相手側コネクタの複数のコンタクトのコネクタ接点部が接触し、この実施の形態１に係るコネクタと相手側コネクタとの間で信号および電源の授受を行うことができる。
このとき、複数の信号用コンタクト１５のコネクタ接点部１５ｂがコネクタハウジング１２の相手側コネクタ収容部１２ｂの内部でインナシェル１４により覆われ、信号用コンタクト支持部材２０に支持された複数の信号用コンタクト１５の中間部分および基板１１の信号用パッド２１にはんだ固定された複数の信号用コンタクト１５の基板実装部１５ａの上方（＋Ｚ方向）にアウタシェル１３が覆い被さるように配置され、アウタシェル１３およびインナシェル１４が接地パタン２６を介して電気的に接地されるので、電磁波に対して優れたシールド効果が発揮される。

ここで、アウタシェル１３とスイッチ用コンタクト１６とスイッチ部材１９により形成された押しボタンスイッチの動作について、コネクタの主要部を拡大して示した図７（Ａ）および（Ｂ）を用いて説明する。なお、図７（Ａ）および（Ｂ）では、簡略化のため、スイッチ部材１９を覆う絶縁体シール１７が省略されている。
まず、図７（Ａ）に示されるように、ドーム形状のスイッチ部材１９に応力を加えない状態では、スイッチ部材１９がスイッチ用コンタクト１６のスイッチ接点部１６ｂから離れており、スイッチ部材１９とスイッチ用コンタクト１６は互いに電気的に遮断されている。すなわち、押しボタンスイッチは、オフ状態にある。

次に、図７（Ｂ）に示されるように、スイッチ部材１９に応力Ｆを加えて、スイッチ部材１９の上部を−Ｚ方向、すなわち、アウタシェル１３へ向けて押し下げることにより、スイッチ部材１９の中央部の下面がスイッチ用コンタクト１６のスイッチ接点部１６ｂに接触するまでスイッチ部材１９を変形させると、スイッチ用コンタクト１６がスイッチ部材１９を介してアウタシェル１３に接続され、スイッチ用コンタクト１６の基板実装部１６ａが固定されている基板１１のスイッチ用パッド２２がアウタシェル１３と同じ接地電位となる。すなわち、押しボタンスイッチは、オン状態となる。このため、スイッチ用パッド２２に図示しない検知回路を接続しておけば、スイッチ用パッド２２が接地電位となったことで、スイッチ部材１９が押し下げられたことを検知することができる。
なお、スイッチ部材１９の上部をアウタシェル１３へ向けて押し込んでいた応力Ｆを解除すると、スイッチ部材１９は自らの弾性により自動的に図７（Ａ）の状態に復帰し、押しボタンスイッチは、オフ状態となる。

この実施の形態１に係るコネクタでは、コネクタハウジング１２の上部を覆うアウタシェル１３に形成された開口部１３ｂの内部にスイッチ用コンタクト１６のスイッチ接点部１６ｂを配置し、開口部１３ｂを弾性変形可能なドーム形状の導電体からなるスイッチ部材１９で覆い、スイッチ部材１９を開口部１３ｂの周縁部分においてアウタシェル１３に接続することにより、押しボタンスイッチを形成しているので、コネクタの大きさ、特に、高さを抑えながら、コネクタに押しボタンスイッチからなるタクティールスイッチを一体に形成することができる。その結果、電子機器へのコネクタとタクティールスイッチの組み込み作業が簡単化され、容易となる。

また、アウタシェル１３およびスイッチ用コンタクト１６と共にスイッチ用コンタクト支持部材１８をインサートモールドにより成形することで、アウタシェル１３の開口部１３ｂの周縁部分とスイッチ用コンタクト１６のスイッチ接点部１６ｂが互いに同一平面上に位置しているため、開口部１３ｂを覆うように配置されるドーム形状のスイッチ部材１９の頂部からスイッチ接点部１６ｂまでの距離が安定し、信頼性の高い押しボタンスイッチを構成することが可能となる。

実施の形態２
実施の形態２に係るコネクタを図８に示す。このコネクタは、実施の形態１のコネクタにおいて、複数の信号用コンタクト１５から独立した押しボタンスイッチ専用のスイッチ用コンタクト１６を用いる代わりに、複数の信号用コンタクト１５のうちの１つの信号用コンタクトをスイッチ用コンタクト３１として兼用させたものである。

すなわち、スイッチ用コンタクト３１は、−Ｙ方向端部に形成された基板実装部３１ａと、＋Ｙ方向端部に形成されたコネクタ接点部３１ｂと、これら基板実装部３１ａおよびコネクタ接点部３１ｂの中間部に形成されたスイッチ接点部３１ｃを有している。基板実装部３１ａは、他の信号用コンタクト１５の基板実装部１５ａと同様に、基板１１の対応する信号用パッド２１にはんだ接続され、コネクタ接点部３１ｂは、他の信号用コンタクト１５のコネクタ接点部１５ｂと共にコネクタハウジング１２の相手側コネクタ収容部１２ｂの内部においてＸ方向に配列されている。スイッチ接点部３１ｃは、実施の形態１におけるスイッチ用コンタクト１６のスイッチ接点部１６ｂと同様に、アウタシェル１３の開口部１３ｂよりも小さな径を有する円形状に形成されると共に、アウタシェル１３の開口部１３ｂの周縁部分およびスイッチ用コンタクト支持部材１８の露出部分に対して同一平面上に位置し、スイッチ部材１９の直下に配置されている。

このようなスイッチ用コンタクト３１の基板実装部３１ａがはんだ接続された信号用パッド２１に図示しない検知回路を接続しておけば、この信号用パッド２１が接地電位となったことで、スイッチ部材１９が押し込まれたことを検知することができる。
また、スイッチ接点部３１ｃにコネクタ接点部３１ｂが接続されているので、コネクタハウジング１２の相手側コネクタ収容部１２ｂ内に図示しない相手側コネクタが挿入されて相手側コネクタと嵌合状態にあるときには、コネクタ接点部３１ｂが接地電位となったことで、相手側コネクタに接続されている外部機器においても、スイッチ部材１９が押し込まれたことを検知することが可能となる。

なお、上記の実施の形態１または２に係るコネクタを電子機器に組み込む際には、スイッチ部材１９の上に貼り付けられた絶縁体シール１７のスイッチ領域１７ａが電子機器から外部に直接露出していてもよいが、絶縁体シール１７のスイッチ領域１７ａの直上に位置する電子機器のハウジングに押しボタンを設置し、操作者がこの押しボタンを押すことでスイッチ部材１９を押し込むように構成することもできる。
また、上記の実施の形態１および２では、コネクタハウジング１２の筒形状の相手側コネクタ収容部１２ｂの外周部に防水部材２３が配置されており、防水機能を備えた電子機器に好適なものとなっているが、防水を要しない場合には、防水部材２３を省略することができる。

１基板、２コネクタ本体、３シェル、４パッド、５ジャック、６，８コンタクト、７スイッチコンタクト、７ａ自由端部、８ａ先端部、９ジャック収容部、１１基板、１２コネクタハウジング、１２ａ板状部、１２ｂ相手側コネクタ収容部、１３アウタシェル、１３ａ，１４ａ突起部、１３ｂ開口部、１３ｃ孔、１４インナシェル、１５信号用コンタクト、１５ａ，１６ａ，３１ａ基板実装部、１５ｂ，３１ｂコネクタ接点部、１６，３１スイッチ用コンタクト、１６ｂ，３１ｃスイッチ接点部、１７絶縁体シール、１７ａスイッチ領域、１８スイッチ用コンタクト支持部材、１９スイッチ部材、２０信号用コンタクト支持部材、２１信号用パッド、２２スイッチ用パッド、２３防水部材、２４，２５スルーホール、２６接地パタン、Ｃ嵌合軸。

Claims

相手側コネクタが収容される相手側コネクタ収容部を有するコネクタハウジングと、
それぞれ一端にコネクタ接点部が形成されると共に前記コネクタ接点部が前記コネクタハウジングの前記相手側コネクタ収容部内に配置された複数の信号用コンタクトと、
少なくとも前記複数の信号用コンタクトの前記コネクタ接点部を覆うように配置された金属シェルと、
スイッチ接点部が形成されたスイッチ用コンタクトと、
前記金属シェルに接続されると共に前記スイッチ用コンタクトの前記スイッチ接点部に対向して配置され且つ押されたときに変形して前記スイッチ用コンタクトの前記スイッチ接点部に接触することにより前記スイッチ用コンタクトを前記金属シェルに導通させる導電体からなるスイッチ部材と
を備え、前記金属シェルと前記スイッチ用コンタクトと前記スイッチ部材により押しボタンスイッチが形成されることを特徴とするコネクタ。
前記金属シェルは、前記コネクタハウジングの前記相手側コネクタ収容部内に配置され且つ前記複数の信号用コンタクトの前記コネクタ接点部を覆うインナシェルと、前記コネクタハウジングの外側に配置され且つ前記インナシェルに接続されたアウタシェルとを有し、
前記スイッチ部材は、前記アウタシェルに接続されている請求項１に記載のコネクタ。
前記スイッチ用コンタクトの前記スイッチ接点部は、前記アウタシェルに形成された開口部の内部に配置され、
前記スイッチ部材は、前記アウタシェルの前記開口部を覆うドーム形状を有し且つ前記開口部の周縁部分において前記アウタシェルに接続されている請求項２に記載のコネクタ。
前記アウタシェルの前記開口部の周辺および前記スイッチ部材を覆う絶縁体シールをさらに備えた請求項３に記載のコネクタ。
絶縁性樹脂からなり且つ前記スイッチ用コンタクトを支持すると共に前記アウタシェルに固定されるスイッチ用コンタクト支持部材をさらに備えた請求項３または４に記載のコネクタ。
前記スイッチ用コンタクト支持部材は、前記アウタシェルおよび前記スイッチ用コンタクトと共にインサートモールドにより成形される請求項５に記載のコネクタ。
前記スイッチ用コンタクトの前記スイッチ接点部と前記アウタシェルの前記開口部の周縁部分は、互いにほぼ同一平面上に位置する請求項３〜６のいずれか一項に記載のコネクタ。
前記コネクタハウジングは、基板上に固定され、前記インナシェルと前記アウタシェルは、前記基板の表面上に形成された接地パタンを介して互いに接続されると共に電気的に接地されている請求項２〜７のいずれか一項に記載のコネクタ。
前記スイッチ用コンタクトは、一端に前記スイッチ接点部が形成されると共に他端に基板接続部が形成され、前記基板実装部が前記基板の表面上に形成されたスイッチ用パッドに接続される請求項８に記載のコネクタ。
前記スイッチ用コンタクトは、前記複数の信号用コンタクトのうちの１つの信号用コンタクトからなる請求項１〜８のいずれか一項に記載のコネクタ。