JP6214952B2 - 電子顕微鏡 - Google Patents

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本発明は、電子顕微鏡に関し、特に透過電子線像と電子線回折パターンの形成、観察記録が可能な透過電子顕微鏡に関する。
透過電子顕微鏡による試料の結晶構造解析手段の一つに電子線回折パターンを用いる方法がある。電子線回折パターンの取得には大きく2つの方法がある。一つは、制限視野電子線回折法であり、対象領域を絞りで制限し、その領域からの電子線回折パターンを結像レンズ系で拡大し観察する方法であり、もう一つはナノプローブ電子線回折法であり、照射レンズにより電子線を試料の対象領域の大きさに収束させ、その領域の電子線回折パターンを結像レンズ系で拡大し観察するナノプローブ電子線回折法である。
一般にナノ材料の結晶構造解析では対象とする領域がナノメートルオーダであるため、ナノプローブ電子線回折法が用いられる。ナノプローブ電子線回折法では電子線を広げた状態で分析視野を確認し、その対象に向けて電子線を収束し電子回折パターンを得る。電子線を収束するため、対象領域に照射する電子線量が大きい。また、収束した電子線を用いるため、得られる回折パターンの回折斑点が、スポット状ではなく、ディスク状になる。このため解析精度は回折斑点がスポット状で得られる制限視野電子線回折法と比較して低い。
一方制限視野回折法では、ビームを広げ所望の視野を絞りで選択するので、照射電子線密度を低減でき、しかも高分解能の回折パターンを得ることができる。しかしながら従来ナノメートルオーダを制限できる微小絞りの作製が困難であり、一般にナノ材料の結晶構造解析にはナノプローブ電子線回折法が用いられてきた。
近年、加工技術の進歩により、ナノメートルオーダの領域を制限できる微小絞りが集束イオンビーム(FIB)や電解研磨等を使用して作製可能となった。特許文献1では、FIBを用いて、微小絞りを作製する方法が記載されている。また、特許文献2においても微小絞りの作製方法が述べられている。この微小絞りを用いることで、電子線照射条件を変更することなく、制限されるナノ領域の電子線回折パターンを取り込むことができるようになった。
制限視野回折法の場合、選択できる試料面上の領域の大きさは、 基本的には用いる制限視野絞りの大きさとその絞り上に投影される透過像の倍率によってきまる。
特開2011-243540号公報 特開2006-331901号公報
上記従来技術において、ナノプローブ電子線回折法を用い、触媒材料解析を行う場合、5nmから10nmの粒径の触媒粒子の結晶方位と触媒粒子が担持された担体の結晶方位関係を調べ特性との関係づけを行う。この場合、触媒粒子に収束した電子線を照射すると高密度の電子線を照射するため触媒粒子の動き方位が変化してしまうという問題があった。
また、担体粒子は、一般的に酸化物などの電子線照射損傷を受け易い材料のため、回折パターンを取得する際に収束した電子線により、ダメージを受けてしまうという問題があった。
さらに、例えば、種々の粒子が混合された試料を評価する際、統計的な評価が必要となり、粒子の透過電子像と対応した電子線回折パターンを出来るだけ多く記録する必要があり、この場合、多数の個々の触媒粒子に対し、電子線回折パターンを取得する必要がある。しかし、位置を確認する必要があるため、照射レンズ電流を変えて電子線を広げ、粒子位置を確認した後、その粒子に対し電子線を絞りこむ必要があり、操作が煩雑であるという問題があった。
一方、制限視野回折法においては、特許文献1で記載されたFIBで作製された微小制限視野絞りを用いたとしても、対象がナノメートルサイズのため試料移動による試料ドリフトを回避するのは困難であった。すなわち、観察したい試料領域の透過電子が制限視野絞りを通過するように試料ステージを移動させたとしても、試料ステージがドリフトのため目標の位置で止まらないという問題がある。制限視野絞りの穴が小さい程、この問題が起こりやすくなる。
本発明の目的は、上記問題点を解決し、ナノ領域の回折パターンを電子線損傷なく、正確かつ容易に取得することが可能な透過電子顕微鏡を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、以下の構成を備える。電子源から放出された電子線を試料に照射し、試料を透過した透過電子を集束する対物レンズと、前記試料を透過した透過電子を検出する検出器を備えた透過電子顕微鏡において、前記対物レンズの下に前記透過電子を制限する制限絞りと、前記試料の上部に電子線を偏向する電子ビーム偏向器と、対物レンズの下部に透過電子を偏向するイメージシフト偏向器とを備え、前記試料の任意の測定領域に前記電子線が照射されるように前記電子ビーム偏向器で前記電子線を偏向し、前記試料を透過した電子線が、前記制限絞りの穴を通過するように前記イメージシフト偏向器の偏向量を調整する制御装置を備えたことを特徴とする透過電子顕微鏡。
本発明によれば、制限視野電子線回折法を用いて、低電子線照射量により試料ダメージを低減した状態で、目的試料領域の電子線回折パターンが得られる。
本発明の一実施例である透過電子顕微鏡1の基本構成図 説明図である透過電子顕微鏡における透過電子像観察モード(a)および制限視野電子線回折モード(b)の光路図 説明図である透過電子顕微鏡における制限視野電子線回折モード(a)およびナノプローブ電子線回折モード(b)の光路図 本発明の一実施例である対物レンズ近傍の構成図 一実施例である微小領域制限視野像(a)およびその電子線回折パターン(b) 一実施例である複数の制限視野回折パターンの取得時の制限視野の表示例 本実施例の一つである複数の微小制限視野回折パターンを得るための手順
図1に本発明の一実施例である透過電子顕微鏡1の基本構成図を示す。透過電子顕微鏡1の鏡体は、電子銃2、コンデンサーレンズ3、対物レンズ4、中間レンズ5a、bおよび投射レンズ6a、bにより構成されている。各レンズはでそれぞれレンズ励磁電源7を介し、レンズ電源制御部8に接続されている。
対物レンズ4の間には、電子顕微鏡用の試料ホルダ9が挿入される。試料ホルダ9には試料10が搭載され、試料10の位置制御は試料微動制御部11によって制御される。投射レンズ6bの下方には、蛍光板12が、蛍光板12の下には、TVカメラ13が装着されている。TVカメラ13は、画像記録制御部14を介し、画像表示部15および画像記憶装置16に接続される。
電子銃2から発生した電子線17はコンデンサーレンズ3により収束され試料10に照射される。試料10を透過した電子線2は対物レンズ4により結像され、中間レンズ5a、5bおよび投射レンズ6a、bにより拡大、蛍光板12上に投影される。蛍光板12を持ち上げると、TVカメラ13に投影し、画像表示部15に透過像が表示され、画像記憶装置16に記録される。
対物レンズの像面には穴径が1ミクロンあるいはそれ以下の絞り孔を有する制限視野絞り18が備えられている。制限視野絞り18は水平方向に移動が可能で、観察対象に合わせて、光軸上に出し入れが可能である。制限視野絞り18の位置制御は、モータ駆動であり、制限視野絞り制御部19で制御される。試料10の上方には1段以上のビームシフト用偏向コイル20を備えており、対物レンズ4下方、制限視野絞り18上方にも1段以上のイメージシフト用偏向コイル21が備えられている。両偏向コイルとも偏向コイル制御部22 a、bに接続されている。レンズ電源制御部8、試料微動制御部11、画像記録制御部14、制限視野絞り制御部19、偏向コイル制御部22a、22bはマイクロプロセッサ23に接続され、マイクロプロセッサ23は装置全体の制御を行う。
図2(a)および(b)に本発明の説明図である透過電子像観察時および電子線回折パターン観察時の透過電子顕微鏡の光路図を示す。
透過電子像観察時には、電子銃2から発生した電子線17は、コンデンサーレンズ3によって試料10に平行照射される。試料10が結晶性試料の場合、結晶によって回折を受けずに直進する電子線と、回折を受ける電子線があり、同じ角度で回折された電子線は対物レンズ4の後焦点面で同じ点に集まり、後焦点面上に電子線回折パターン24aを形成する。これらの電子線回折パターン24 aを形成した電子線17はさらに対物レンズ4の像面、制限視野絞り18位置で透過電子像25aを結像する。この像をさらに中間レンズ5と投射レンズ6で拡大し、蛍光板12または、TVカメラ13上に透過電子線像25bを投影する。
一方、電子線回折パターン24aを観察する際は、対物レンズ4後焦点に形成されている電子線回折パターン24aに中間レンズ5の焦点を合わせ、中間レンズ5および投射レンズ6で拡大し、電子線回折パターン24bを蛍光板13あるいはTVカメラ13に投影している。
図3(a)および(b)に本発明の説明図である制限視野回折法およびナノプローブ回折法の光路図を示す。制限視野回折法では試料10に平行な電子線17を照射し、制限視野絞り18で回折像を得る領域を決定する。一方、ナノプローブ回折法では収束させた電子線17を用いるため、 試料10への照射電子量が大きい。ナノプローブ回折法では、得られる電子線回折パターン24bのスポットがディスク状になり、高精度での解析が困難になるという問題がある。
図4に本発明の一実施例である対物レンズ4近傍の構成図を示す。ビームシフト用偏向コイル20(x方向を20a、y方向を20bとする)は増幅器26aを介して加算器27からデジタルアナログコンバータ(以降DACと呼ぶ)DAC28aに接続されている。イメージシフト用偏向コイル21(x方向を21a、y方向を21bとする)は増幅器26bを介し、DAC28bに接続されている。このDAC28bの出力は加算器27にも接続されている。DAC28a、DAC28bは共にBUS29に接続され、コンピュータで制御されている。このような構成で、視野シフト(移動)するためにDAC28bに或るデータが書き込まれると、イメージシフト用偏向コイル21に電流が出力されると同時に、書き込まれたデータに比例した或る量が加算器27を経由してビームシフト用偏向コイルにも出力される。この比例した或る量とは、イメージ(視野)のシフト量と試料を照射しているビームのシフト量が同じになるように加算器の重付けを設定してある。つまり、イメージシフトとビームシフトが連動され同一視野領域になっている。
通常制限視野電子線回折法で電子線回折パターンを観察する場合、試料10に平行に電子17線を照射した場合、対物レンズ4で制限視野絞り18面に形成される像25aの制限された部分(点線矢印部30b)に対応する試料面上の領域(点線矢印部30a)の情報のみを選択し、それらの選択された電子線で形成される電子線回折パターン24aを観察している。別の視野領域(白矢印31a)の回折パターンを得る場合は、イメージシフト用偏向コイル21を用いて視野(イメージ)を移動させる。そのままではその視野領域にビームが照射しないようになるので、ビームシフト用偏向コイル20を用いて移動させる必要があるが、上述の説明のように加算器27によって両シフト量が連動しているので、常に同じ視野領域となる。つまり、対物レンズ4による透過拡大像(白矢印31b)は制限視野絞り18上に形成されるが制限視野絞り18穴位置からずれている。制限視野絞り18に入るように外れた分をイメージシフト用偏向コイル21a、bを動作させると、それに連動してビームシフト用偏向コイル20が照射される視野領域の位置を補正(白矢印31a)し、その補正された透過拡大像(白矢印31c)が制限視野絞り18穴位置に移動することになる。その結果、白矢印31aの視野領域に対応した電子線回折パターン24aが対物レンズ4後焦点面に結像されることになる。
この方法によれば、制限視野絞り18および試料10を機械的に移動させないため、機械的な振動によるドリフト無く、微小領域の電子線回折パターン24bを得ることが可能である。なお、大きく位置を変える場合は、試料10の移動および制限視野絞り18の移動とビームシフト用偏向コイル20、イメージシフト用偏向コイル21による視野移動を組み合わせることによって、ビーム偏向可能領域より大きく位置を移動させることが可能である。
図5に一実施例である微小領域の制限視野像(a)およびその電子線回折パターン(b)を示す。1ミクロン径の微小な穴を有する制限視野絞り18を挿入した状態の約12nmの領域の酸化スズ(SnO2)の透過像25bとその電子線回折パターン24bを示す。制限視野絞り18を入れない場合でも、観察時に目的の領域を選択すると、画像上に制限視野可動絞り18の大きさが表示されるようにし、表示された領域に実際に制限視野絞り18が挿入されると、電子線回折パターン24bが得られるようにする。その際、制限した領域の位置情報と、電子線回折パターン24bが対で記憶されるようにする。得られた電子線回折パターン24bの回折スポット間距離(R)から対象の試料10の結晶格子面間隔(d)はdR=Lλから求められる。ここで、Lはカメラ長、λは電子線の波長であり、Lλは定数である。もとめられた値はリスト化され、制限視野像および電子線回折パターンとともに分別される。
従来の技術では、制限視野絞りで制限された領域を絞りの像と一緒に記録することが可能であるが、全体像に絞り位置を表示、記録し、絞り位置に対応した回折パターンを同時に取得、記録する点については配慮されていなかった。さらに得られた回折パターンから得られた格子間隔を仕分けして、各制限視野のうち、同じ格子間隔を持つ領域を分別、表示する点については配慮されていなかった。また、上記従来技術において制限視野像の対物レンズの球面収差の影響については、配慮されていなかった。
本実施例は、制限された視野をTEM像上に正確に表示記録し、同じ結晶構造間隔を持つ領域を分別表示および記録することが可能な透過電子顕微鏡を提供することにある。
図6に本発明を用いた複数の電子線回折パターン24bの取得時の制限視野の表示例を示す。図6(a)は画像表示部15上の透過像の模式図である。ここで、図の黒丸および白三角は結晶面間隔の異なる粒子の透過電子像とする。
電子線回折パターン24bを得たい所望の領域をまず画面表示部15中央に試料微動制御部で移動し、画像を記録する。画面表示部15中央を原点とし、カーソル32で原点を選択する。画面表示部15上にカーソルを中心として制限視野絞り18径を反映した円33を表示、ラベル付けする(ここでは、ラベル1を設定)。図6(b)において、さらに回折パターンを得たい別の領域をカーソルで選択しラベル付していく(ここでは、ラベル2を設定)。図6(c)において、ラベル12まで設定された。選択された位置情報をラベルとマイクロプロセッサに転送する。マイクロプロセッサでは位置情報に対応するように制限視野絞り18穴位置の透過像31cに制限視野絞り18板上の透過像31bが移動するようにビームシフト用偏向コイル20、イメージシフト用偏向コイル21を動作させる。得られた電子線回折パターン24bをラベルと共に画像記憶装置に記憶させる。電子線回折パターン24bに対し、格子面間隔を求め、ラベルに対する格子面間隔を求める。ラベルに対する格子面間隔のリストを作成する(d)。得られた格子面間隔から同じもの(例えば物質AおよびB等の結晶構造解析)を分類し、表示画面で、制限視野を色分け(実施例では点線と実線で分類)表示する(d)。ここでは、先にラベル付けを行いその順に電子回折パターンを取得しているが、ラベル付けと制限視野表示ごとに電子回折パターンを取得、格子面間隔リストを作成するようにしてもよい。
上記表示する制限視野は、絞り径に前記視野選択における誤差Yを加えた領域としてもよく、誤差Y分の取り込み可否を選択できるようにする。なお、対物レンズの球面収差係数をCs、観察する結晶面のブラッグ角をθB、焦点合わせにおけるエラーをDとすると、視野選択におけるエラーYは、
で与えられる。すなわち、制限視野にはY分の誤差が見込まれる。
図7に本実施例の一つである複数測定対象の電子線回折パターン24bを得るための手順を示す。透過像がTVカメラ13に投影されるように中間レンズ5および投射レンズ6を設定したのち、以下のステップを実行する。
(1)まず試料10の透過像25bをTVカメラ13で取得し画像表示部15に表示および記録する。このとき、選択視野の中央(原点)に一番目の電子線回折パターン24bを得たい領域を試料微動制御部により、画面中央になるように設定して透過像を記録する。
(2)電子線回折パターン24bを得たい視野をカーソル32で選択する。
(3)選択した視野ごとにカーソル32の位置情報をラベル付けしマイクロプロセッサ23に記億させ、表示部に、選択したカーソル32位置を中心に倍率に応じた制限視野をラベルと共に円33で表示する。
(4)透過像中の視野選択を実行する。
(5)制限視野絞り18を画面中央に挿入する。
(6)ラベル1の電子線回折パターン24bがTVカメラ13に投影されるように中間レンズ5および投射レンズ6を設定し、ラベル1の電子線回折パターン24bを表示、記録する。他の視野については、ラベル1に対した位置情報をもとに、ビームシフト用偏向コイル20およびイメージシフト用偏向コイル21を移動させるようマイクロプロセッサ23から偏向コイル制御部22に指示する。同様にラベリングした個々の制限した電子線回折パターンを記録、表示する。
(7)次にマイクロプロセッサ23において、各電子線回折パターンについて回折スポット間隔を測長し、格子面間隔を算出、記録する。
(8)マイクロプロセッサにおいて、ラベルごとに算出した格子面間隔をリストアップし、画像表示部15に表示する。
(9)リストアップした格子面間隔をマイクロプロセッサ23において分類する。
(10)分類した格子面間隔ごとに画像表示部15で制限視野を色分け表示する。これにより、電子線の影響を抑えた微小領域の制限視野電子線回折パターンの取得、記録が可能で、正確な格子面間隔の分布が取得可能となる。
なお、図4では複数個の制限視野の取得を電子ビーム偏向コイル20、イメージシフト偏向コイル21を使って電子線17を偏向し行っているが、偏向可能領域よりを超えた領域の電子線回折パターンを得たい場合は、試料微動を併用し、偏向可能領域分、試料10を移動したのち、ビームシフト用偏向コイル20、イメージシフト用偏向コイル21を使って新たな領域の電子線回折パターンを取得するようにしてもよい。また、試料微動を併用する代わりに、制限視野絞り18をモータ駆動で移動させるようにしてもよい。この場合、制限視野位置が光軸から外れるため、中間レンズ5に入射する電子線17も光軸から外れてしまうので、中間レンズ5上方制限視野絞り18下方にビームシフト用偏向コイル20、イメージシフト用偏向コイル21を設け、中間レンズ5に入射する透過電子線17が中間レンズ5に対し中心かつ垂直に入射するようにしてもよい。
上記の各実施例によれば、制限視野と対応する回折パターンを対で記憶させることが可能で、さらに制限視野に関しては視覚的に認識できる。さらに、回折パターンから得られる結晶格子面間隔が同一のものに関し、対応する制限視野を分別し、TEM画像上で色の違いで識別できるため、多数の微小領域についての結晶構造解析効率が向上する。
1 透過電子顕微鏡
2 電子銃
3 コンデンサーレンズ
4 対物レンズ
5 中間レンズ
6 投射レンズ
7 レンズ励磁電源
8 レンズ電源制御部
9 試料ホルダ
10 試料
11 試料微動制御部
12 蛍光板
13 TVカメラ
14 画像記録制御部
15 画像表示部
16 画像記憶装置
17 電子線
18 制限視野絞り
19 制限視野絞り制御部
20 ビームシフト用偏向コイル
21 イメージシフト用偏向コイル
22a、22b 偏向コイル制御部
23 マイクロプロセッサ
24a 対物レンズ4後焦点面に形成される電子線回折パターン
24b 蛍光板12およびTVカメラ13に投影される電子線回折パターン
25 透過電子像
26a、26b 増幅器
27 加算器
28a、28b デジタルアナログコンバータ(DAC)
29 BUS
30a 試料面上の領域(点線矢印部)
30b 制限視野絞り18面に形成される像25bの制限された部分(点線矢印部)
31a 試料面上の別の領域(白矢印部)
31b 制限視野絞り18板上の透過像(白矢印部)
31c 制限視野絞り18穴位置に補正された透過像(点線矢印部)
32 カーソル
33 カーソルを中心として制限視野絞り18径を反映した円

Claims (7)

  1. 電子源から放出された電子線を試料に照射し、試料を透過した透過電子を集束する対物レンズと、前記試料を透過した透過電子を検出する検出器を備えた透過電子顕微鏡において、
    前記対物レンズの下であって、透過像が形成される位置に配置された前記透過電子を制限する制限視野絞りと、
    前記試料の上部に電子線を偏向する電子ビーム偏向器と、
    対物レンズの下部に透過電子を偏向するイメージシフト偏向器と、を備え、
    前記試料の任意の測定領域に前記電子線が照射されるように前記電子ビーム偏向器で前記電子線を偏向し、前記試料を透過した電子線が、前記制限視野絞りの穴を通過するように前記イメージシフト偏向器の偏向量を調整する制御装置を備えたこと
    を特徴とする透過電子顕微鏡。
  2. 請求項1の透過電子顕微鏡において、
    前記試料の電子線照射領域の回折像を取得し、前記回折像から前記試料の分析を行うことを特徴とする透過電子顕微鏡。
  3. 請求項1の透過電子顕微鏡において、
    前記試料の透過電子像の測定したい領域を指定する指定手段を備え、
    前記透過電子像を表示する表示画面上に前記指定手段を表示することを特徴とする透過電子顕微鏡。
  4. 請求項3の透過電子顕微鏡において、
    前記電子ビーム偏向器は、前記指定手段で指定された試料部分に前記電子線を照射するように電子線を偏向することを特徴とする透過電子顕微鏡。
  5. 請求項3の透過電子顕微鏡において、
    前記指定手段は、試料上の複数の測定箇所を指定可能であり、
    前記電子ビーム偏向器は、前記指定手段で指定された試料部分に前記電子線を照射するように電子線を偏向することを特徴とする透過電子顕微鏡。
  6. 請求項5の透過電子顕微鏡において、
    前記複数の測定箇所の電子線回折パターンに基づく物質の分析を行い、
    前記複数の測定箇所を前記表示画面上で分類して表示することを特徴とする透過電子顕微鏡。
  7. 請求項1の透過電子顕微鏡において、
    前記試料又は前記制限視野絞りを駆動する駆動機構を備えたことを特徴とする透過電子顕微鏡。
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