JP2014026834A - 荷電粒子線応用装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マルチビーム型荷電粒子線応用装置において、エンジニアのスキルに依存せず、かつ効率的な二次光学系調整方法を提供する。
【解決手段】ビームセパレーター111により分離されたマルチビーム化された二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム120a〜120cの像を、二次光学系の調整時は、二次光学系レンズ123の最終段のレンズと二次電子ビーム検出器121との間に備えた二次光学系開口板124の開口部127を介して、二次電子ビーム検出器121の対応する個別ビーム検出器121a〜121cの検出面上に結像して、その二次元画像を基づき二次光学系を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板の欠陥検査技術に係り、特に、半導体装置の製造過程途中における半導体ウェハに代表される基板上のパターンの欠陥検査に適用して好適な荷電粒子線応用装置に関する。
例えば、基板上に微細な回路パターンが形成された半導体装置や液晶装置、回路パターンが形成される基板自体、又は磁気ディスクのような円盤状記録媒体、等といった製品の製造プロセスでは、試料上に形成されたパターンの形状や寸法を測定する電子線測長装置、試料上に生じた欠陥の有無を調べる電子線検査装置、等の荷電粒子線応用装置が用いられている。
このような荷電粒子線応用装置では、試料上に電子ビーム又はイオンビーム等の荷電粒子線を一次ビームとして照射し、この試料上への一次ビームの照射によって、試料上から二次ビームとして発生する二次電子等の二次荷電粒子の検出信号を取得し、この検出信号を基に試料上の寸法の計測や検査を行う構成になっている。
ところで、荷電粒子線応用装置においては、試料を処理する速度、例えば検査速度の向上は、欠陥検出感度の向上とともに重要な課題である。そこで、この課題を克服すべく、試料上に照射する一次ビームの本数を複数にしたマルチビーム型荷電粒子線応用装置が提案されている。このようなマルチビーム型荷電粒子線応用装置では、計測や検査を効率よく実行する上で、試料上での各一次ビームの照射位置を適正に配置することが必須である。
例えば特許文献1には、マルチビーム型荷電粒子線応用装置において、回転レンズを使用したり或いはマルチ開口板を光軸まわりで回転させることにより、試料上でのビーム配置と試料面の座標軸を一致させる電子ビーム調整方法が開示されている。
また、マルチビーム型荷電粒子線応用装置においては、観察すべき試料毎に照射エネルギーや電流値等のビーム条件を最適化する必要がある。このため、各々の光学条件に対してカラムの校正を行う必要があり、例えば特許文献2には、マルチビーム型電子線検査装置において、試料の特性に応じた検査条件等の変更に対応して、試料上の一次ビームの調整を行い、さらには、二次荷電粒子検出部における複数の二次ビームの調整を行う調整方法が開示されている。
WO2002/037527号公報 特開2009−9882号公報
マルチビーム型荷電粒子線応用装置においては、試料上にて各一次ビームの照射位置を適正に配置する一次光学系の調整と、各一次ビームの照射により発生する二次荷電粒子の信号を分離して検出するための二次光学系の調整とが重要であり、前者の一次光学系における各一次ビームの照射位置の調整方法に関しては、特許文献1や特許文献2に代表される様々な方法が提案されている。
しかしながら、後者の二次光学系の二次荷電粒子検出部における複数の二次ビームの調整方法に関しては、確立された手法が存在せず、調整を行うエンジニアのスキルへの依存が大きい状況にある。
特に、一次ビームの間隔(ピッチ)を狭める、若しくは二次ビームの間隔を狭めるには二次光学系の分解能を向上させる必要があり、そのために、光学的分解能が静電レンズに対して優れている電磁レンズ(磁場レンズ)を二次光学系に使用する場合には、二次ビームはこの二次光学系の電磁レンズを通過する際に電磁レンズの光軸回り、すなわち二次光学系の光軸を回転軸として回転しながらレンズ中を進むので、その結像位置は二次光学系の光軸回りに回転変位してしまうことになり、その調整には特別な熟練技術を要していた。
本発明は上記問題点を鑑みなされたものであり、マルチビーム型荷電粒子線応用装置において、エンジニアのスキルに依存せず、かつ効率的な二次光学系調整方法を提供することを課題としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る荷電粒子線応用装置は、複数の荷電粒子線を形成する荷電粒子線照射部と、前記複数の荷電粒子線を前記試料上に照射させるレンズ、及び前記複数の荷電粒子線を前記試料上で走査する偏向器を含む一次光学系と、複数の個別検出部を備えた信号検出部と、前記複数の荷電粒子線の照射に対応して前記試料上の複数箇所から発生する複数の二次荷電粒子線を前記検出部に入射させるための電磁レンズ系及び偏向器を含む二次光学系と、前記試料を移動させるステージと、前記信号検出部からの信号を処理する画像処理部とを備え、前記二次光学系には、開口部と遮蔽部とを有する二次光学系に対して出し入れ可能な構造物が配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、マルチビーム型荷電粒子線応用装置において、エンジニアのスキルに依存しない二次ビームの調整方法を提供することができる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る荷電粒子線応用装置の一実施の形態としてのマルチビーム型電子線検査装置の実施例の概略構成図である。 本実施の形態に係るマルチビーム型電子線検査装置において実行される二次光学系調整処理のフローチャートである。 二次光学系調整のユーザーインタフェースの一実施例としての二次光学系調整用GUI画面である。 二次光学系開口板位置調整のユーザーインタフェースの一実施例としての開口板位置調整GUI画面である。 二次光学系の光軸方向から視た、二次光学系開口板と二次電子ビーム検出器との位置関係を示す概略図である。 二次光学系光軸調整のユーザーインタフェースの一実施例としての光軸調整GUI画面である。 二次光学系の結像原理の説明図である。 二次光学系の光軸調整の説明図である。 二次光学系の合焦調整の説明図である。 ビーム間ピッチ調整のユーザーインタフェースの一実施例としての倍率調整GUI画面である。 マルチビーム化された二次電子ビームが二次光学系開口板上を偏向されて走査された際の、二次電子ビームと二次光学系開口板の開口との関係についての説明図である。 図11に示した二次電子ビームの偏向・走査時における、二次電子ビーム検出器の個別ビーム検出器それぞれからの検出信号から生成された二次元画像を示した図である。 ビーム角度調整のユーザーインタフェースの一実施例としてのビーム角度調整GUI画面である。 二次光学系のビーム角度調整の説明図である。 本実施例のマルチビーム型電子線検査装置による作用・効果の説明図である。 本発明に係る荷電粒子線応用装置の別の実施の形態としてのマルチビーム型電子線検査装置の実施例の概略構成図である。 本実施の形態に係るマルチビーム型電子線検査装置の二次光学系開口板及び開口板可動機構の構成図である。 本実施の形態に係るマルチビーム型電子線検査装置において実行される二次光学系調整処理のフローチャートである。 二次光学系開口板位置調整のユーザーインタフェースの一実施例としての開口板位置調整GUI画面である。 二次光学系の光軸方向から見た、二次光学系開口板と二次電子ビーム検出器との位置関係を示す概略図である。 二次電子ビーム中心と二次電子ビーム検出器中心との調整の説明図である。 二次光学系のビーム位置調整の説明図である。 二次電子ビーム検出器と二次ビーム配列との相対角の調整の説明図である。
以下、本発明に係る荷電粒子線応用装置の一実施の形態について、半導体ウェハの基板上の欠陥を検査するマルチビーム型電子線検査装置を例に、図面に基づいて説明する。なお、その要部の構成は、例えば、荷電粒子線としてイオンビームを利用する検査装置、検査試料として磁気ディスクの検査を実施する検査装置にも適用でき、荷電粒子線の種類や検査試料の違いを問わず、適用可能である。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る荷電粒子線応用装置の一実施の形態としてのマルチビーム型電子線検査装置の概略構成図である。
本実施の形態のマルチビーム型電子線検査装置は、荷電粒子源、電子光学系、ステージ、信号検出系、及び制御系を有して構成されている。
荷電粒子源は電子源からなり、電子源は電子銃101によって構成されている。電子銃101は、仕事関数の低い物質よりなる陰極102と、陰極102に対して高い電位を持つ陽極105と、陰極102と陽極105との間に形成される加速電界に磁場を重畳する電磁レンズ104とを備えた構成になっている。陰極102には、大きなプローブ電流が取得し易く、電子放出も安定したショットキー型の陰極が用いられている。電子銃101は、光学系制御回路139と接続され、この光学系制御回路139から供給される作動信号に応じて駆動される。
電子銃101において、陰極102で生成された一次電子は、電磁レンズ104による集束作用を受けながら陽極105の方向に加速され、電子銃101から一次電子ビーム(一次ビーム)103として放出される。電子銃101から引出された一次電子ビーム103は、その引出側に、第一の電子源像106(ビーム径が極小になる点)を形成する。
また、電子銃101には、図1では図示省略したが、絞りが配置され、所望の電流範囲の電子ビームがこの絞りを通過する構成になっている。これにより、電子銃101では、陽極105、電磁レンズ104の動作条件を変えれば、この絞りを通過する電子ビームのビーム量が変化することで、電子銃101から引出される一次電子ビーム103の電流量を所望の電流量に調節することが可能になっている。
一次電子ビーム103が引出される電子銃101の引出側には、図1に示すように、電子銃101から引出された一次電子ビーム103を調整して、試料としてのウェハ115に照射するための一次光学系が設けられている。
一次光学系は、コリメーターレンズ107、プリアパーチャー141、アパーチャーアレイ108、レンズアレイ109、ビームセパレーター111、対物レンズ112、及び走査偏向用偏向器113を有する構成になっている。一次光学系は、後述する二次光学系とともに電子光学系を構成する。
コリメーターレンズ107は、第一の電子源像106を光源として、一次電子ビーム103を平行に整える。本実施の形態では、コリメーターレンズ107は、電磁レンズで構成されている。また、図示しないが、電子銃101とコリメーターレンズ107との間には、一次電子ビーム103の中心軸すなわち光軸を補正するためのアライナが配置されている。電子銃101から放出された一次電子ビーム103の中心軸すなわち光軸が前述した絞りや一次光学系の光軸に対してずれている場合、このアライナによって補正できる構成になっている。
プリアパーチャー141は、検査試料の試料面に照射する一次電子ビームの数やその相互配置等に対応して、アパーチャーアレイ108に設けられている複数の開口の中、コリメーターレンズ107からの一次電子ビーム103を通過させる開口や開口数を調整するための開口を有する。
アパーチャーアレイ108は、同一基板に複数の開口を二次元配列して構成され、一次電子ビーム103を複数の開口を通過させることで、一次電子ビーム103を複数の一次電子ビーム(個別一次電子ビーム)103に分割する。
レンズアレイ109は、アパーチャーアレイ108の複数の開口それぞれに対応させて配置された複数のレンズを含む。レンズアレイ109の各レンズは、アパーチャーアレイ108の複数の開口それぞれに対応した複数の開口を有する3枚の電極板を、間隔を空けてレンズの光軸方向に沿って重ねて配置することによって、一体的に構成されている。レンズアレイ109は、この重ねて配置した3枚の電極板の中、中央の電極板に電圧を印加することによって、開口部を通過する一次電子ビーム103に対してアインツェルレンズとして作用する。
これらプリアパーチャー141、アパーチャーアレイ108、レンズアレイ109は、照射ビーム形成部として、マルチビームモードで試料上の複数の箇所を同時に照射するための複数本の個別一次電子ビーム103を、1本の一次電子ビーム103から形成する。
図1では、図示の関係から、アパーチャーアレイ108の開口やレンズアレイ109のレンズについては、複数の開口及びレンズの中、5個の開口及びレンズだけが図面上に現れている。図示の例は、後述の図11に示すように、対角配置された4本の個別一次電子ビーム103a,103b,103c,103dを試料面に照射するものであるが、図1では、アパーチャーアレイ108の開口やレンズアレイ109のレンズを通過した3本の個別一次電子ビーム103a,103b,103cのみが図面上に現れる。個別一次電子ビーム103dについては、個別一次電子ビーム103bと重なるように示しており、図面上には現れていない。
なお、アパーチャーアレイ108の開口数やレンズアレイ109のレンズ個数、及びこれらの配置については、図示の例に限定されるものでなく、個別一次電子ビームの本数やそれぞれの配置等に応じて適宜設けられるものである。これに伴い、一次電子ビーム103を分割して生成する個別一次電子ビーム103a,103b,・・・の本数も、アパーチャーアレイ108の開口数やレンズアレイ109のレンズ個数、さらにはプリアパーチャー141の開口によって適宜変更可能である。
図示の例では、プリアパーチャー141及びアパーチャーアレイ108により個別一次電子ビーム103a,103b,103c,103dに分割され、マルチビーム化された一次電子ビーム103は、レンズアレイ109の対応するレンズによって個別に集束され、4個の第二の電子源像110a,110b,110c,110d(図1では、第二の電子源像110dは図面上に現れていない)を形成する。
ビームセパレーター111は、試料に照射するためのマルチビーム化された一次電子ビーム103と、この一次電子ビーム103のウェハ115への照射によって発生した二次電子等よりなる二次電子ビーム120とを分離する。ビームセパレーター111は、一次電子ビーム103の入射方向に対して略垂直な面内において、互いに直交する磁場と電場を発生させることにより、通過する電子に対してそのエネルギーに対応した偏向角度を与えるウィーンフィルターによって構成されている。ビームセパレーター111では、マルチビーム化された一次電子ビーム103が直進するように、磁場と電場の強さが設定される。さらに、反対方向から進行してくる後述のマルチビーム化された二次電子ビーム120に対しては所望の角度に偏向するように電磁場の強さが調節・制御されている。ビームセパレーター111は、図示の例では、一次電子ビーム103に対する収差の影響を考慮して、その影響を低減するため、マルチビーム化された一次電子ビーム103(103a〜103d)の第二の電子源像110(110a〜110d)の高さ位置に合わせて配置されている。
対物レンズ112は、個別一次電子ビーム103a,103b,103c,103dそれぞれの第二の電子源像110a,110b,110c,110dそれぞれを、試料面上に縮小投影する。対物レンズ112は、静電レンズよりも集束性等の光学的分解能に優れる電磁レンズによって構成されている。
これら一次光学系のコリメーターレンズ107、レンズアレイ109、ビームセパレーター111、対物レンズ112は、それぞれ光学系制御回路139と接続され、この光学系制御回路139からそれぞれに供給される作動信号に応じて駆動される。
走査偏向用偏向器113は、例えば、静電8極型の偏向器で構成され、実装では、対物レンズ112の中に設置されている。走査偏向用偏向器113は、その内部を通過する各個別一次電子ビーム103a〜103dを、略同一方向に、且つ略同一角度だけ偏向することによって、各個別一次電子ビーム103a〜103dを、試料面上でそれぞれラスタ走査する。走査偏向用偏向器113は、走査信号発生装置137と接続され、この走査信号発生装置137から供給される作動信号に応じて駆動される。
電子銃101から引出された一次電子ビーム103は、このような一次光学系を介して、複数本の個別一次電子ビーム103a〜103dに分割されてマルチビーム化され、試料であるウェハ115にそれぞれ照射される。その際、試料であるウェハ115は、検査室内に設けられたステージ117に搭載されて保持されている。
ステージ117は、電子線検査装置の図示せぬ検査室内を、一次光学系の光軸と垂直な面内に沿って移動可能に設けられている。ステージ117は、ステージ制御装置138と接続され、このステージ制御装置138から供給される作動信号に応じて駆動される。試料であるウェハ115は、上述したマルチビーム化された一次電子ビーム103(103a〜103d)の照射に際して、ステージ117の上面に設けられているウェハホルダ(図示省略)に載置されて保持される。加えて、ステージ117の上面の所定位置には、後述の二次光学系調整のために使用される標準調整位置314(図3参照)が形成されている。
ウェハホルダは、ウェハ115が載置された状態で、載置されたウェハ115と導通が取れる構成になっている。そして、ウェハホルダには、リターディング電源118aからリターディング電位として負の電位が印加可能になっており、載置されたウェハ115にも、ウェハホルダを介して、このリターディング電位が印加される構成になっている。このリターディング電位の印加によって、マルチビーム化された一次電子ビーム103(103a〜103d)の照射時に、ウェハ上にはこのマルチビーム化された一次電子ビーム103(103a〜103d)を減速させるための電界が形成される。
ステージ117は、マルチビーム化された一次電子ビーム103(103a〜103d)の照射時に、一次光学系の光軸と垂直な面内に沿って移動することにより、ウェハホルダに載置されたウェハ上における個別一次電子ビーム103a,103b,103c,103dそれぞれの照射位置を、ウェハホルダごと移動させることができる。これにより、検査実行時には、走査偏向用偏向器113によるマルチビーム化された一次電子ビーム103(103a〜103d)の走査偏向と、このステージ117の連続的な移動との組み合わせによって、一次電子ビーム103の個別一次電子ビーム103a〜103dそれぞれがウェハ上の別々の帯状の領域(スワス)を同時に走査できるようになっている。
この帯状領域は、ウェハ上における所定の検査領域を、個別一次電子ビーム103a〜103dそれぞれに対応して分割した領域の一部を形成する。したがって、個別一次電子ビーム103a〜103dそれぞれが複数の帯状領域を走査することによって、所定の検査領域の全体が一次電子ビーム103によって走査されたことになる。
このようにして、ウェハ115に到達した一次電子ビーム103の個別一次電子ビーム103a〜103dそれぞれは、それぞれの照射面付近の試料物質と相互に作用することにより、それぞれの照射面からは、反射電子、二次電子、オージェ電子等の二次的な電子(二次荷電粒子)が発生する。これにより、マルチビーム化された一次電子ビーム103(103a〜103d)が照射されたウェハ上の各照射面からは、個別一次電子ビーム103a〜103dそれぞれに対応してマルチビーム化された二次電子ビーム(二次ビーム)120(120a〜120d)が発生する。
二次光学系は、このマルチビーム化された二次電子ビーム120(120a〜120d)を検出して、その二次電子像を二次電子ビーム検出器121に結像する。
本実施例のマルチビーム型電子線検査装置では、図1に示すように、二次光学系は、表面電界制御電極114、二次光学系アライナ122、二次光学系レンズ123、二次光学系開口板124等を有する構成になっている。二次光学系は、前述した一次光学系とともに、電子線検査装置の電子光学系を形成する。
表面電界制御電極114は、走査偏向用偏向器113と試料面との間の光路(電子線路)部分に試料面に近接して位置するように、ウェハ115に対向して設置され、ウェハ115の表面付近の電界強度を調整して、ウェハ115から発生した個別二次電子ビーム120a〜120dの軌道を制御する。表面電界制御電極114は、表面電界制御電源118bと接続されて、正電位、負電位、又は同電位のいずれかが選択的に印加される。印加される電圧の大きさは、試料の種類や観察対象に応じて適した値に適宜調整される。例えば、ウェハ115から発生した二次電子ビーム120を積極的にウェハ115に戻したい場合には、表面電界制御電極114にはウェハ115に対して負の電位を印加する。逆に、二次電子ビーム120がウェハ115に戻らないようにする場合には、表面電界制御電極114にはウェハ115に対して正の電位を印加する。
マルチビーム化された二次電子ビーム120(120a〜120d)は、この表面電界制御電極114の通過後、電磁レンズで構成された対物レンズ112の集束作用を受け、偏向作用を持つビームセパレーター111により、一次電子ビーム103の軌道と分離される。したがって、二次光学系の二次光学系レンズ123,二次光学系アライナ122は、ビームセパレーター111によって分離された二次電子ビーム120の光路部分にのみ位置するように配置され、マルチビーム化された二次電子ビーム120のみに作用するようになっている。
二次光学系アライナ122は、二次光学系レンズ123よりもビームセパレーター111側に位置するように設けられ、一次電子ビーム103の軌道と分離されたマルチビーム化された二次電子ビーム120の光軸を、二次光学系レンズ123の光軸に合わせる。ここでは、二次電子ビーム120の光軸は、個々の個別二次電子ビーム120a〜120dそれぞれの光軸を指すのではなく、個別二次電子ビーム120a〜120dからなるマルチビーム化された二次電子ビーム120全体の光軸、すなわち個別二次電子ビーム群の光軸を指す。
二次光学系レンズ123は、その光学的分解能の向上をはかるため、2組の電磁レンズから構成されており、倍率とフォーカスとが独立に調整可能な構成になっている。二次光学系レンズ123は、ビームセパレーター111により分離されたマルチビーム化された二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム120a〜120dの像を、調整時は二次光学系開口板124を介して、二次電子ビーム検出器121の対応する個別ビーム検出器121a〜121dの検出面上に結像する。
二次光学系開口板124は、二次光学系レンズ123の最終段のレンズと二次電子ビーム検出器121との間に備えられ、検査の前の、二次電子ビーム120の位置調整に用いられる。二次光学系開口板124は、本実施例の場合、板面中心(板面中央)に、板厚方向に貫通する正方形の開口部127が形成された薄板部材からなる。二次光学系開口板124は、二次光学系レンズ123の最終段のレンズと二次電子ビーム検出器121との間の二次電子ビーム120の光路上に対し、進退可能に設けられている。これにより、ウェハ115の欠陥検査中は、二次光学系レンズ123の最終段のレンズと二次電子ビーム検出器121との間の、二次電子ビーム120の光路上から退避し、二次光学系の調整時は、二次光学系レンズ123の最終段のレンズと二次電子ビーム検出器121との間の二次電子ビーム120の光路上に、その開口部127を二次光学系の光軸の光軸に一致させるようにして導入される。そのため、二次光学系開口板124には、二次光学系開口板124を二次光学系の光軸と垂直な面方向に沿って位置調整したり、二次電子ビーム120の光路上に対して侵入・退避させるための開口板可動機構125が付設されている。
なお、このような一次光学系及び二次光学系からなる電子光学系には、図示せぬ、電流制限用絞り、一次電子ビーム103の中心軸(光軸)調整用アライナ、収差補正器等も適宜付加されている。
二次電子ビーム検出器121は、複数の個別ビーム検出器の検出面が配置された検出器面を二次光学系の光軸と交差させて、二次光学系レンズ123の後方の光軸上に配置されている。二次電子ビーム検出器121は、その検出器面に、一次光学系のアパーチャーアレイ108のそれぞれ開口やレンズアレイ109のそれぞれレンズに対応させて、複数の個別ビーム検出器の検出面が配置された構成になっている。
なお、この場合、二次電子ビーム検出器121は、前述したように、4本の個別一次電子ビーム103a,103b,103c,103dそれぞれの試料面への照射に関係して、試料であるウェハ115の表面から発生した個別二次電子ビーム120a〜120dからなるマルチビーム化された二次電子ビーム120を検出すればよいので、図1では、3本の個別一次電子ビーム103a,103b,103cに対応した個別二次電子ビーム120a,120b,120cを検出する個別ビーム検出器121a,121b,121cのみが図面上に現れ、その配置上の関係から個別ビーム検出器121bと重なってしまっている個別ビーム検出器121dを含め、これら以外の個別ビーム検出器については図示省略されている。
個別ビーム検出器121a,121b,121c,・・・には、図示の例では、検査精度及び検査処理のスループットを向上させるために、例えば、前述の検査領域を分割してなる領域全体や一の帯状領域全体の画像を撮像可能(検出可能)なエリアイメージセンサではなく、一次電子ビーム103の走査偏向用偏向器113の走査偏向による照射範囲に対応したリニアイメージセンサが用いられる。
また、二次電子ビーム検出器121には、二次光学系の光軸を回転軸としてその検出面を回転させたり、その光軸と垂直な面方向に沿って検出面を移動変位させたりする検出器可動機構126が付設されている。二次電子ビーム検出器121は、信号検出系として、マルチビーム化された二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム120a〜120dそれぞれの結像を、個別ビーム検出器121a〜121dの輝度信号で検出する。
このような荷電粒子源、電子光学系、ステージ、信号検出系を備えたマルチビーム型電子線検査装置において、電子銃101の陰極102をはじめとする各部や、電子光学系のコリメーターレンズ107をはじめとする各部は、検査装置筐体を形成する鏡筒(図示省略)に収容され、試料であるウェハ115が搭載されるステージ117は、鏡筒とともに検査装置筐体を形成する検査室筐体(図示省略)に収容されている。そして、鏡筒内及び検査室筐体内は、真空排気系と連通されて、それぞれの内部が真空排気可能な構成になっており、これら各部は、真空排気された雰囲気下で動作する構成になっている。また、検査室筐体には、真空外からウェハ115を検査室内のステージ117上に配置するためのウェハ搬送系(図示省略)も備えられている。
このように構成された電子線検査装置の各部は、図1に示すように、その制御作動を行う制御電源や制御装置等が、回路系、制御系として接続されている。
電子銃101や、一次光学系のコリメーターレンズ107,レンズアレイ109,ビームセパレーター111,対物レンズ112といった各部や、二次光学系の二次光学系アライナ122,二次光学系レンズ123といった各部は、それぞれ光学系制御回路139に接続されている。また、光学系制御回路139には、二次光学系開口板124の開口板可動機構125、二次電子ビーム検出器121の検出器位置可動機構126、リターディング電源118a、表面電界制御電源118bも接続されている。
そして、光学系制御回路139は、走査信号発生装置137、ステージ制御装置138とともに、システム制御部135に接続され、システム制御部135から供給される制御指示を基に、各部の作動制御を行う。また、システム制御部135には、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a〜121dも、増幅回路130a〜130d,A/D変換器131を介して接続されている。さらに、システム制御部135には、画像表示装置136や、キーボードやマウス等のポインティングデバイスといった図示せぬ操作機器も接続されている。
システム制御部135は、演算制御部133、記憶装置132、欠陥判定装置134を備え、コンピュータ装置を利用して構成されている。
その上で、システム制御部135は、例えば、ウェハ115の検査や、二次光学系の各部の調整の際に、演算制御部133が作動制御部として、光学系制御回路139、走査信号発生装置137、ステージ制御装置138それぞれに対してそれぞれ対応する制御指示を供給し、電子銃101,電子光学系,ステージ117といった各部の作動を統一的に制御するようになっている。上述した演算制御部133が作動制御部として実行する装置機能の中には、後述する二次光学系調整機能も含まれる。
また、システム制御部135は、上述した装置機能を実行する際には、演算制御部133がGUI制御部として、各種設定や結果確認のためのGUI(Graphical User Interface)画面を生成し、画像表示装置136に表示制御する。
さらに、システム制御部135は、上述した装置機能の実行に伴い、演算制御部133が検出画像生成部として、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a〜121dそれぞれから供給されるA/D変換された検出信号を基に検出画像を生成し、GUI画面上に表示したり、記憶装置132にその画像データを装置機能の実行やその結果報告のために格納しておくようになっている。
さらに、システム制御部135は、特に欠陥検査レシピによるウェハ115の欠陥検査の実行時には、欠陥判定部134が、検出画像の各種統計量の算出を行い、予め求めておいた欠陥判定条件に基づき欠陥の有無を判定するようになっている。その判定結果は、GUI制御部として機能する演算制御部133によって、画像表示装置136に表示される。
そして、システム制御部135では、これら処理が、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a〜121d毎に並列的に行われる。
次に、本実施例のマルチビーム型電子線検査装置に係り、システム制御部によって実行される二次光学系調整処理について説明する。
図2は、本実施の形態に係るマルチビーム型電子線検査装置において実行される二次光学系調整処理のフローチャートである。
本実施の形態に係るマルチビーム型電子線検査装置では、その装置機能の一つとしての二次光学系調整処理の実行が設定されると、システム制御部135は、その設定に基づき、演算制御部133が他の各部と協働して、二次光学系調整シーケンスの実行を開始し、二次光学系調整シーケンス開始処理(ステップS101)、二次光学系開口板位置調整処理(ステップS102)、光学条件設定処理(ステップS103)、二次光学系光軸調整処理(ステップS104)、二次光学系合焦処理(ステップS105)、ビーム間ピッチ調整処理(ステップS106)、検出器角度調整処理(ビーム角度調整処理)(ステップS107)、二次光学系調整シーケンス終了処理(ステップS108)を行う構成となっている。
次に、本実施例のマルチビーム型電子線検査装置において実行される上述した二次光学系調整処理における各処理の詳細について説明する。
<ステップS101:二次光学系調整シーケンス開始処理>
二次光学系調整シーケンス開始処理は、その装置機能の一つとしてユーザーによって選択設定されると、システム制御部135の演算制御部133が二次光学系調整制御手段として機能開始することによって実行される。
その上で、システム制御部135の演算制御部133は、まず、二次光学系調整シーケンス開始処理を実行する(ステップS101)。その二次光学系調整シーケンス開始処理では、演算制御部133が、ユーザーインタフェースとしての二次光学系調整用GUI画面300を生成して、画像表示装置136の画面上に表示させるとともに、二次電子ビーム検出器121の回転位置に係るリセット指示、及び二次光学系開口板124の進入指示を光学系制御回路139に供給する。
そして、光学系制御回路139は、開口板可動機構125を作動制御し、二次光学系開口板124が退避状態になっている場合には、二次光学系開口板124を二次光学系の光軸上に導入する。また、光学系制御回路139は、検出器位置可動機構126を作動制御し、二次電子ビーム検出器121がリセット位置に対して回転変位させられている場合には、二次電子ビーム検出器121をリセット位置に戻し、二次電子ビーム検出器121と二次光学系開口板124との相対角度をゼロにする。
これにより、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a〜121dそれぞれの検出面の中心間を矩形状に結ぶ線は、二次光学系開口板124の正方形形状の開口部127の辺と平行になる。
これら処理は、ユーザーが、二次光学系調整処理を実行する装置機能として選択設定し、二次光学系調整用GUI画面を表示させると、自動的に開始されるため、意識的に本リセット動作を行う必要は無い。
ここで、二次光学系調整処理の開始当初にユーザーインタフェースとして表示される二次光学系調整用GUI画面300について説明しておく。
図3は、二次光学系調整のユーザーインタフェースの一実施例としての二次光学系調整用GUI画面である。
二次光学系調整用GUI画面300は、二次光学系の調整の際、画像表示装置136にウィンドウ表示されて、ユーザーに示される。
二次光学系調整用GUI画面300は、そのウィンドウ上に、ウエハマップ表示部302、二次元画像表示部303からなる表示部と、フォーカススライダー304,アライナXスライダー305,アライナYスライダー306,ビーム番号選択欄307,開口板位置調整ボタン308,光軸調整ボタン309,倍率調整ボタン310,ビーム角度調整ボタン311,完了ボタン312,中止ボタン313を含む二次光学系の調整に必要な操作子とが、所定配置された構成になっている。
ウエハマップ表示部302には、ウェハ上における現在の視野位置が指示される。
二次元画像表示部303には、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a〜121dそれぞれから供給されるA/D変換された検出信号を基に生成された、現在の視野位置に対応した検出画像が表示される。
フォーカススライダー304は、二次光学系レンズ123の励磁を調節し、二次光学系の合焦を行うための操作子である。
アライナXスライダー305、アライナYスライダー306は、二次光学系アライナ122の光学条件を調節して、二次電子ビーム120(120a,120b,120c,120d)を二次光学系レンズ123の光軸に合わせるための操作子である。
ビーム番号選択欄307は、二次元画像表示部303に表示する、二次電子ビーム120(120a,120b,120c,120d)全体又は個別二次電子ビーム120a〜120dそれぞれによる画像を選択するための操作子である。図示の状態では、二次電子ビーム120(120a,120b,120c,120d)全体として“ALL”が選択され、二次元画像表示部303は、二次電子ビーム120(120a,120b,120c,120d)全体よる検出画像が表示されている状態になっている。したがって、その選択設定を変更することにより、本実施例の場合は、4本の個別二次電子ビーム120a〜120dそれぞれによる画像を、それぞれ別個で表示することも可能である。
開口板位置調整ボタン308は、二次光学系開口板位置調整処理(ステップS102)を開始するための操作子である。この開口板位置調整ボタン308の操作により、システム制御部135の演算制御部133は、二次光学系開口板位置調整制御手段として、二次光学系開口板位置調整処理を開始する。
光軸調整ボタン309は、二次光学系光軸調整処理(ステップS104)を開始するための操作子である。この光軸調整ボタン309の操作により、システム制御部135の演算制御部133は、二次光学系光軸調整制御手段として、二次光学系光軸調整処理を開始する。
倍率調整ボタン310は、二次光学系合焦処理(ステップS105)並びにビーム間ピッチ調整処理(ステップS106)を開始するための操作子である。この倍率調整ボタン310の操作により、システム制御部135の演算制御部133は、二次光学系合焦制御手段並びビーム間ピッチ調整制御手段として、二次光学系合焦処理並びにビーム間ピッチ調整処理を開始する。
ビーム角度調整ボタン311は、ビーム角度調整処理(ステップS107)を開始するための操作子である。このビーム角度調整ボタン311の操作により、システム制御部135の演算制御部133は、ビーム角度調整制御手段として、ビーム角度調整処理を開始する。
完了ボタン312は、上述した二次光学系調整シーケンス開始処理(ステップS101)からビーム角度調整処理(ステップS107)までの一連の処理を行って二次光学系の調整が完了した際に、二次光学系調整終了処理(ステップS108)を開始させるための操作子である。この完了ボタン312の操作により、システム制御部135の演算制御部133は、二次光学系調整終了制御手段として、二次光学系調整終了処理を開始する。
中止ボタン313は、上述した二次光学系調整シーケンス開始処理(ステップS101)からビーム角度調整処理(ステップS107)までの一連の処理の途中で、二次光学系調整処理を中止させるための操作子である。この中止ボタン313の操作により、システム制御部135の演算制御部133は、二次光学系調整中止制御手段として、二次光学系調整中止処理を開始する。この中止ボタン313が操作されたときには、完了ボタン312が操作されたときとは異なり、その操作入力に基づき、それまでに行っていた二次光学系調整処理(ステップS103〜S107)で取得された調整データは、対応する二次光学系の各部の作動制御データとして、演算制御部133によって記憶装置132に保存されない。
ユーザーは、このような構成からなる二次光学系調整用GUI画面300が画像表示装置136に表示された後、そのウエハマップ表示部302の表示上で、二次光学系調整のための観察領域(検査領域)を、その視野位置として設定する。この二次光学系調整のための観察領域としては、予めステージ117の所定位置に配置されている標準調整位置314を用いてもよいし、ウェハ上の無パターン部を選択して用いてもよい。そして、この二次光学系調整のための観察領域の設定は、ウエハマップ表示部302の表示上で、操作機器のマウス(ポインティングデバイス)のポインタを標準調整位置314や無パターン部に合わせて所定操作することにより設定できる。
<ステップS102:二次光学系開口板位置調整処理>
その後、二次光学系調整用GUI画面300の画面上で、ユーザーのマウス操作によって開口板位置調整ボタン308が押釦操作されると、システム制御部135の演算制御部133は、このユーザー入力を取り込んで、二次光学系開口板位置調整処理を実行する(ステップS102)。この二次光学系開口板位置調整処理では、二次光学系開口板124の開口板可動機構125を用いて、二次電子ビーム検出器121(121a,121b,121c,121d)に対する二次光学系開口板124の位置の調整が行われる。
演算制御部133は、二次光学系開口板位置調整処理を開始すると、図4に示した開口板位置調整GUI画面300-1を生成し、図3に示した二次光学系調整用GUI画面300が表示されている画像表示装置136の画面上に、さらにウィンドウ表示するとともに、二次光学系レンズ123のレンズ励磁の切断指示を光学系制御回路139に供給する。そして、光学系制御回路139は、2組の電磁レンズからなる二次光学系レンズ123のレンズ励磁を切る。これにより、二次電子ビーム120(120a,120b,120c,120d)は、この二次光学系レンズ123を通過する際にその光軸回り、すなわち二次光学系の光軸を回転軸として回転しながらレンズ中を進むことが無くなり、二次電子ビーム120(120a,120b,120c,120d)は、二次光学系開口板124全体に対して均一に二次電子ビームが照射されるようになる。
図4は、二次光学系開口板位置調整のユーザーインタフェースの一実施例としての開口板位置調整GUI画面である。
開口板位置調整GUI画面300-1は、そのウィンドウ上に、検出器信号選択表示部320,開口板位置Xスライダー321,開口板位置Yスライダー322,完了ボタン323,中止ボタン324を含む二次光学系開口板124の位置調整に必要な操作子が、所定配置された構成になっている。
検出器信号表示部320は、各二次電子ビーム検出器121a,121b,121c,121dの出力値が表示される個別表示部を有し、本実施例の場合は、二次光学系開口板位置調整の間、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303に画像表示する、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a〜121dそれぞれの検出信号を選択するための操作子を兼ねている。すなわち、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a〜121dそれぞれを個別にマウス操作によってオン若しくはオフすることにより、この検出器信号表示部320によって選択された個別ビーム検出器121a〜121dの検出信号に基づく画像が生成され、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303に表示される。
開口板位置Xスライダー321は、二次光学系開口板124を二次光学系の光軸と垂直な面内の予め定められたX−Y座標上で、そのX軸方向に沿って二次光学系開口板124を移動変位させるための操作子である。
開口板位置Yスライダー322は、二次光学系開口板124を二次光学系の光軸と垂直な面内の予め定められたX−Y座標上で、そのY軸方向に沿って二次光学系開口板124を移動変位させるための操作子である。
完了ボタン323は、上述した開口板位置調整ボタン308の押釦操作による開口板位置調整GUI画面300-1での二次光学系開口板位置調整を完了させるための操作子である。中止ボタン324は、開口板位置調整GUI画面300-1での二次光学系開口板位置調整を途中で中止させるための操作子である。この中止ボタン324が操作されたときには、完了ボタン323が操作されたときとは異なり、その操作入力に基づき、それまでに行っていた二次光学系開口板位置調整(ステップS102)で取得された調整データは、二次光学系開口板124の調整データとして、演算制御部133によって記憶装置132に保存されない。
したがって、ユーザーは、開口板位置Xスライダー321及び開口板位置Yスライダー322を動かすことにより、二次光学系開口板124の位置調整を、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303に表示される画像を見ながら行える。また、ユーザーは、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a〜121dそれぞれの検出信号を選択するための操作子を兼ねている検出器信号表示部320をオン若しくはオフすることにより、所望の二次電子ビーム検出器121(121a,121b,121c,121d)の信号を、二次元画像表示部303に表示することができる。
次に、このステップS102の二次光学系開口板124の位置調整処理について、図5に基づいて詳細に説明する。
図5は、二次光学系の光軸方向から見た、二次光学系開口板と二次電子ビーム検出器との位置関係を示す概略図である。
この場合、二次光学系開口板124は、正方形の開口部127を有し、二次光学系開口板124の中心位置が開口中心128となっている。
二次電子ビーム検出器121は、図中、点線で示されている4つの個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dから構成されており、その個別ビーム検出器群の中心位置が二次電子ビーム検出器121の検出器中心129である。
図5(a)は、二次光学系開口板124の開口中心128と、二次電子ビーム検出器121の検出器中心129とが、一致していない状態を示している。
一方、図5(b)は、二次光学系開口板124の開口中心128と、二次電子ビーム検出器121の検出器中心129とが、一致している状態を示している。
そのため、二次光学系開口板位置調整処理(ステップS102)では、以下の手順により、図5(b)のように、二次光学系開口板124と二次電子ビーム検出器121との間の位置関係が調整される。
上述したように、システム制御部135の演算制御部133によって、二次光学系開口板位置調整処理の開始時に自動的に二次光学系レンズ123のレンズ励磁が切られることで、二次電子ビーム120は、二次光学系レンズ123を通過する際に二次光学系の光軸を回転軸として回転しながらレンズ中を進むことが無くなり、二次光学系開口板124全体に対して均一に二次電子ビーム123が照射される。
その際、ウィンドウ表示された開口板位置調整GUI画面300-1には、各個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dの出力値が、その検出器信号表示部320に表示される。その際、個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dそれぞれの出力値は、個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dそれぞれにおいて、二次光学系開口板124の開口部127と重なる部分の面積に比例した値となる。
この結果、図5(a)のように、二次光学系開口板124の開口中心128と、個別ビーム検出器群の中心位置、すなわち二次電子ビーム検出器121の検出器中心129とが一致していない場合は、4つの個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dそれぞれからの信号の値に差異が生じる。図5(a)では、個別ビーム検出器121cの信号値は大きくなり、個別ビーム検出器121aの信号値は小さくなる。
そのため、図5(b)のように、二次光学系開口板124の開口中心128と、個別ビーム検出器群の中心位置、すなわち二次電子ビーム検出器121の検出器中心129とを一致させるためには、4つの個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dからの信号値が等価になるようにすればよい。以下に、その調整について説明する。
図5(a)のように、二次光学系開口板124の開口中心128が、個別ビーム検出器群の中心位置、すなわち二次電子ビーム検出器121の検出器中心129に対して図中右側にずれていると、個別ビーム検出器群の図中右側の2つの個別ビーム検出器121d、121cの信号が、図中左側の2つの二次電子ビーム検出器121a,121bの信号よりも大きくなる。
この場合は、開口板位置調整GUI画面300-1の開口板位置Xスライダー321により、個別ビーム検出器群の左右方向にて信号値が等しくなるように、検出器信号表示部320の該当検出器の表示を見比べながら、二次光学系開口板124の位置を、二次光学系の光軸と垂直な面上であるX−Y平面上で、X軸方向に沿って移動させながら調整する。
同様に、個別ビーム検出器群の上下方向にて信号値が等しくなるように、開口板位置Yスライダー322により、検出器信号表示部320の該当検出器の表示を見比べながら、二次光学系開口板124の位置を、二次光学系の光軸と垂直な面上であるX−Y平面上で、Y軸方向に沿って移動させながら調整する。
その際、システム制御部135の演算制御部133は、開口板位置Xスライダー321又は開口板位置Yスライダー322がユーザーによって操作されると、その操作量(移動量)若しくは操作位置(移動位置)に対応した駆動指示を光学系制御回路139に供給する。そして、光学系制御回路139は、この駆動指示に基づいて開口板可動機構125を作動制御する。
調整完了後は、ユーザーは、図4に示した開口板位置調整GUI画面300-1の完了ボタン323を押釦して、二次光学系開口板124の開口板位置調整処理を終了させる。そして、システム制御部135の演算制御部133は、完了ボタン323の操作を取り込み、開口板位置調整GUI画面300-1の表示を閉じるともに、二次光学系レンズ123のレンズ励磁の例示指示を光学系制御回路139に供給する。そして、光学系制御回路139は、2組の電磁レンズからなる二次光学系レンズ123のレンズ励磁を元の励磁条件で再び励磁する。これにより、二次光学系レンズ123のレンズ励磁が再びオン状態となる。
この結果、これら二次光学系調整シーケンス開始処理(ステップS101)、及び二次光学系開口板位置調整処理(ステップS102)が実行されることにより、二次電子ビーム検出器121と二次光学系開口板124との相対角度を、ゼロになっている二次電子ビーム検出器121のリセット位置に対して、二次光学系開口板124の開口中心128が、二次電子ビーム検出器121の検出器中心129に対して同軸に合わせられることになる。
<ステップS103:光学設定条件設定処理>
ステップS103では、検査条件として設定され、記憶装置132に予め記憶されていた光学条件が、システム制御部135の演算制御部133によって読み出される。そして、演算制御部133は、読み出された光学条件に該当する装置各部の作動制御指示を、それぞれ該当する走査信号発生装置137,ステージ制御装置138,光学系制御回路139に供給する。これにより、走査信号発生装置137,ステージ制御装置138,光学系制御回路139それぞれには、検査条件としての光学条件が設定されることになる。
その上で、システム制御部135の演算制御部133は、二次光学系光軸調整処理(ステップS104)以下の処理を、ユーザーの操作に基づき行う。
<ステップS104:二次光学系光軸調整処理>
例えば、次に、二次光学系調整用GUI画面300の画面上で、ユーザーのマウス操作によって光軸調整ボタン309が押釦操作されると、システム制御部135の演算制御部133は、このユーザー入力を取り込んで、二次光学系光軸調整処理を実行する(ステップS104)。この二次光学系光軸調整処理では、検査条件としての光学条件が設定された状態の下で、二次光学系アライナ122及び二次光学系開口板124を調整して、二次光学系の光軸調整が行われる。
演算制御部133は、二次光学系光軸調整処理を開始すると、図6に示した光軸調整GUI画面(二次光学系アライナ調整GUI画面)300-2を生成し、図3に示した二次光学系調整用GUI画面300が表示されている画像表示装置136の画面上に、さらにウィンドウ表示する。
図6は、二次光学系光軸調整のユーザーインタフェースの一実施例としての光軸調整GUI画面である。
光軸調整GUI画面300-2は、そのウィンドウ上に、レンズワブラーボタン330,光軸アライナXスライダー331,光軸アライナYスライダー332,完了ボタン333,中止ボタン334を含む、検査条件としての光学条件が設定された状態の下で二次光学系の光軸調整に必要な操作子が、所定配置された構成になっている。
レンズワブラーボタン330は、二次光学系レンズ123のフォーカスを周期的に変化させるワブラー動作を行わせるための操作子である。
光軸アライナXスライダー331は、二次光学系レンズ123の前段に備えられた二次光学系アライナ122を調整して、二次光学系の光軸と垂直な面内の予め定められたX−Y座標上で、二次光学系レンズ122の光軸をそのX軸方向に沿って調整するための操作子である。
光軸アライナYスライダー332は、同様に二次光学系アライナ122を調整して、二次光学系の光軸と垂直な面内の予め定められたX−Y座標上で、二次光学系レンズ122の光軸をそのY軸方向に沿って調整するための操作子である。
完了ボタン333は、上述した光軸調整ボタン309の押釦操作による光軸調整GUI画面300-2での二次光学系の光軸調整を完了させるための操作子である。中止ボタン334は、光軸調整GUI画面300-2での二次光学系開口板位置調整を途中で中止させるための操作子である。この中止ボタン334が操作されたときには、完了ボタン333が操作されたときとは異なり、その操作入力に基づき、それまでに行っていた二次光学系光軸調整(ステップS104)で取得された調整データは、二次光学系アライナ122の調整データとして、演算制御部133によって記憶装置132に保存されない。
ここで、図7と図8とにより、図2に示したステップS104の二次光学系光軸調整処理について説明する。
図7は、二次光学系の結像原理の説明図であり、図8は、二次光学系光軸調整処理による光軸調整の説明図である。
図7(a)は、二次光学系開口板上に当たる二次電子ビーム120の軌跡を、図7(b)は、それに対応して得られる画像を示している。
なお、図7では、説明簡便のために、二次電子ビーム120が一本の個別二次電子ビームの状態にて説明している。この二次電子ビーム120が一本の個別二次電子ビームの状態は、例えば、一次電子ビーム103を、一次光学系のプリアパーチャー141、アパーチャーアレイ108によって個別一次電子ビームに分割されていない状態(この状態には、一次電子ビーム103がアパーチャーアレイ108の所定の一の開口のみしか通過できない状態も含む)で試料に照射することにより、一本の個別二次電子ビームの状態を得ることができる。
ここで、一次光学系の走査偏向用偏向器113にて、一次電子ビーム103を光学設定条件設定処理(ステップS103)で設定された光学条件で走査した場合、試料であるウェハ115上のビーム照射位置に対応して、二次光学系でのビーム結像位置が二次光学系の光軸と垂直な平面上を移動する。すなわち、走査偏向用偏向器113によって、一本の個別二次電子ビームからなる一次電子ビーム103により光学条件で試料上の正方形のエリアをビーム走査することによって、この場合は、二次光学系の光軸(中心軸)に対して同軸に合わせられた開口中心128を持つ二次光学系開口板124の開口板上を、二次電子ビーム120が、矢印701で示されるように、走査領域702で走査することになる。
ここで、二次電子ビーム120が、二次光学系開口板124の開口部127に照射される場合には、二次電子ビーム120は、二次光学系開口板124の先にある二次電子ビーム検出器121(121a,121b,121c,121d)に到達することができる。その一方で、二次電子ビーム120が二次光学系開口板124の開口部以外の部分に照射される場合には、その二次電子ビーム120は二次光学系開口板124にて遮蔽され、二次電子ビーム検出器121に到達できない。
このため、二次電子ビーム120の走査に同期させて二次電子ビーム検出器121の信号を画像化すると、図7(b)のような画像が得られる。なお、この場合、図7(b)において、二次電子ビーム検出器121に到達することができた二次電子ビーム120による像が傾いているのは、二次光学系開口板位置調整処理(ステップS102)の完了によって、二次光学系レンズ123のレンズ励磁がオン状態となり、図7(a)において矢印701で示したように、二次光学系レンズ123を通過した二次電子ビーム120が二次光学系の光軸を回転軸として回転してしまうためである。
ここで、図7(b)において、画像上において、二次光学系開口板124の開口部127の形状を反映した矩形パターンとして現れる明部とその周囲の暗部との境界は、二次電子ビーム120のプローブ形状に依存したシャープさとなる。すなわち、二次電子ビーム検出器121の検出面に照射される二次電子ビーム120が小さなスポットに絞られている場合には、画像上における明部と暗部との境界はシャープに明るさが変化し、二次電子ビーム120が二次電子ビーム検出器121の検出面に広がって照射されている場合には、画像上における明部と暗部との境界は徐々に明るさが変化する。
そこで、二次光学系光軸調整処理(ステップS104)では、ユーザーは、二次光学系調整用GUI画面300の画面上での光軸調整ボタン309の押釦操作によって、二次光学系調整用GUI画面300の画面上に、図6に図示したような光軸調整GUI画面300-2をウィンドウ表示させた後、レンズワブラーボタン330を押釦操作して、一次電子ビーム103の走査による二次電子ビーム120の走査を行いながら、二次光学系レンズ123のフォーカス位置を周期的に変化させる。システム制御部135の演算制御部133は、このレンズワブラーボタン330の押釦操作を取り込むと、二次光学系レンズ123のワブラー動作中でなければ、倍率とフォーカスとが独立に調整可能な二次光学系レンズ123のフォーカスについてだけワブラー制御指示を光学系制御回路139に供給し、光学系制御回路139は、2組の電磁レンズから構成された二次光学系レンズ123のレンズ励磁を制御して、そのフォーカス位置を周期的に変化させる。その際、システム制御部135の演算制御部133は、二次電子ビーム検出器121から供給されるA/D変換された検出信号を基に検出画像を逐次生成し、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303に表示する。これにより、二次元画像表示部303には、二次電子ビーム検出器121の信号による二次元画像が、二次光学系レンズ123のフォーカス位置の変化状態に応じてリアルタイム表示される。
その際、図7に示されるように、二次電子ビーム121が二次光学系レンズ123の光軸に対してズレている場合は、上述した画像上における明部と暗部との境界の明るさ変化によるフォーカス位置の変化に連動して、図8に示されるように、画像上で、画像中の明部が移動する。
図8において、矢印801の長さで表される画像中の明部の移動量は、二次電子ビーム120と二次光学系レンズ123との光軸のズレが大きくなるにつれて大きくなる。また、矢印801の方向は、二次電子ビーム121の二次光学系レンズ123の光軸に対するズレの方向に対応している。
そこで、ユーザーは、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303で、光軸調整GUI画面300-2のレンズワブラーボタン330の操作による二次光学系レンズ123のフォーカス位置の変化に伴う画像中の明部の動きを確認することにより、二次電子ビーム121の二次光学系レンズ123の光軸に対するズレを確認することができる。そして、ユーザーは、画像中で明部に動きがあれば、二次元画像表示部303の表示を見ながら、光軸調整GUI画面300-2で光軸アライナXスライダー331、光軸アライナYスライダー332を画像中における明部の動きが無くなるように調整することにより、二次電子ビーム120を二次光学系レンズ123に対して軸合わせを行うことができる。
その際、システム制御部135の演算制御部133は、光軸アライナXスライダー331又は光軸アライナYスライダー332がユーザーによって操作されると、その操作量(移動量)若しくは操作位置(移動位置)に対応した駆動指示を光学系制御回路139に供給する。そして、光学系制御回路139は、この駆動指示に基づいて二次光学系アライナ122を作動制御する。
これにより、二次光学系レンズ123の光軸が、前述した二次光学系開口板位置調整処理(ステップS102)で二次電子ビーム検出器121の中心に合わせた二次光学系開口板124の開口部127の中心と一致していれば、画像中における明部の動きが無くなったときに、画像中の矩形パターンの明部の中心が画像の中心にくることになる。
もし、画像中における二次光学系開口板124の開口部127の形状を反映した明部の動きが無くなったときに、画像中の矩形パターンの明部の中心が画像の中心から離れた位置にある場合は、明部が画像の中心に来るように二次光学系開口板124の位置を調整し、その後、ステップS102に示した二次光学系開口板位置調整処理の場合と同様な、個別ビーム検出器群それぞれの信号値が等しくなる方法に用いて、二次光学系開口板124ではなく、二次電子ビーム検出器側の位置を変えることで、二次電子ビーム検出器121の位置調整を行う。二次電子ビーム検出器121の位置調整は、検出器可動機構126の移動機構を別途操作することによって行う。
そして、ユーザーは、上述したようにして、二次光学系の光軸調整を行った後は、再度、光軸調整GUI画面300-2のワブラーボタン330を押釦操作して、ワブラー動作を止める。システム制御部135の演算制御部133は、このレンズワブラーボタン330の押釦操作を取り込むと、ワブラー制御終了指示を光学系制御回路139に供給し、光学系制御回路139は、二次光学系レンズ123におけるフォーカス位置の周期的変化を終了させる。光学系制御回路139は、ワブラー動作終了後は、二次光学系アライナ122を、光軸アライナXスライダー331及び光軸アライナYスライダー332のユーザー操作により調整された状態のまま作動制御する。
調整完了後は、ユーザーは、図6に示した光軸調整GUI画面300-2の完了ボタン333を押釦して、二次光学系光軸調整処理を終了させる。そして、システム制御部135の演算制御部133は、完了ボタン333の操作を取り込み、光軸調整GUI画面300-2の表示を閉じる。また、演算制御部133は、その際における二次光学系アライナ122の調整データを、記憶装置132に一旦記憶しておく。
この結果、二次光学系光軸調整(ステップS104)が実行されることにより、二次光学系レンズ123のレンズ励磁がオン状態で、二次電子ビーム120を二次光学系レンズ123に対して軸合わせされたことになる。
なお、図7及び図8では、二次電子ビーム120が一本の個別二次電子ビームからなる状態にて説明しているが、二次電子ビーム120が複数本の個別二次電子ビームからなる場合であっても、画像中のパターン形状が変わるのみで同様な調整が可能である。
また、実施例においては、一次光学系の走査偏向用偏向器113にて二次光学系を通過する二次電子ビーム120の走査を行っているが、二次光学系にも走査偏向用偏向器を設け、一次光学系の走査偏向用偏向器113で一次電子ビーム103の走査を行わずとも、この二次光学系の走査偏向用偏向器にて二次電子ビーム120を直接走査しても、調整上、差し支えない。
<ステップS105:二次光学系合焦処理>
二次光学系合焦処理(ステップS105)は、図3に示した二次光学系調整用GUI画面300の画面上で、フォーカススライダー304を動かして、二次光学系レンズ123のフォーカス調整を行うことによりなされる。
図9は、二次光学系合焦処理による合焦調整方法の説明図である。
なお、図9でも、図7の場合と同様に、説明簡便のために、二次電子ビーム120が一本の個別二次電子ビームの状態を例に説明する。
二次光学系開口板124に形成された正方形の開口部127のエッジは、プローブ形状の大きさと比較すると十分鋭敏であるため、検出画像において矩形パターンの明部とその周りの暗部との境界で現れる開口部127のエッジの画像のボケは、二次電子ビーム120のプローブ形状の大きさを反映したものとなる。
例えば、二次光学系レンズ123のレンズ励磁が合焦条件からズレており、二次電子ビーム120のプローブ形状が理想的な合焦条件よりも大きい場合、開口部127の境界部がそのプローブ形状を反映して、図9(a)に示すように、開口部127の境界部がボケた二次元画像が得られる。
そこで、二次光学系レンズ123のレンズ励磁を、図9(a)の状態よりも理想的な合焦条件に近づけると、図9(b)に示すように、開口部127の境界部が、図9(a)よりもシャープな二次元画像が得られる。さらに、完全に二次光学系レンズ123のレンズ励磁を合焦条件に合わせると、図9(c)のような、明部と暗部との境界がシャープなエッジを持つ開口部127の二次元画像が得られる。
したがって、ユーザーは、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303に画像表示される検出画像を見ながら、開口部境界面のボケが最小となるように、図3に示した二次光学系調整用GUI画面300の画面上で、フォーカススライダー304を動かすことで、二次光学系のフォーカスを調整することができる。
システム制御部135の演算制御部133は、このフォーカススライダー304の操作を取り込むと、その操作量(移動量)若しくは操作位置(移動位置)に対応したフォーカス指示を光学系制御回路139に供給する。そして、光学系制御回路139は、このフォーカス指示に基づいて二次光学系レンズ123のレンズ励磁を制御する。
これにより、二次光学系レンズ123のレンズ励磁がオン状態で、二次電子ビーム120を二次光学系レンズ123に対して軸合わせされた状態で、二次光学系レンズ123のフォーカス調整によって、二次電子ビーム120が二次光学系開口板124の面に合焦することになる。
なお、この二次光学系合焦処理では、その検出画像を通常の荷電粒子線応用装置の観察画像と見立てて、公知である自動焦点補正方法を用いて自動で行ってもよい。また、図9では、二次電子ビーム120が一本の個別二次電子ビームからなる状態にて説明しているが、二次電子ビーム120が複数本の個別二次電子ビームからなる場合であっても、画像中のパターン形状が変わるのみで同様な調整が可能である。
<ステップS106:ビーム間ピッチ調整処理>
次に、二次光学系調整用GUI画面300の画面上で、ユーザーのマウス操作によって倍率調整ボタン310が押釦操作されると、システム制御部135の演算制御部133は、このユーザー入力を取り込んで、ビーム間ピッチ調整処理を実行する(ステップS106)。このビーム間ピッチ調整処理では、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dそれぞれからの検出信号から生成された画像(以下では、二次元画像とも称する)を用いて、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの相互間の配列ピッチ(以下では、二次ビームピッチとも称する)を測定し、個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dの相互間の距離に合うように、個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの二次ビームピッチを調整する。
演算制御部133は、ビーム間ピッチ調整処理を開始すると、図10に示した二次光学系レンズ123の倍率調整GUI画面(ビーム間ピッチ調整GUI画面)300-3を生成し、図3に示した二次光学系調整用GUI画面300が表示されている画像表示装置136の画面上に、さらにウィンドウ表示する。
図10は、ビーム間ピッチ調整のユーザーインタフェースの一実施例としての倍率調整GUI画面である。
倍率調整GUI画面300-3は、そのウィンドウ上に、ピッチ測定ボタン340,二次ビームピッチ表示部341,倍率スライダー342,フォーカススライダー343,完了ボタン344,中止ボタン345を含む、ビーム間ピッチ調整に必要な操作子が所定配置された構成になっている。
ピッチ測定ボタン340は、マルチビーム化された二次電子ビーム120において、個別二次電子ビームのピッチ測定を行わせる操作子である。
二次ビームピッチ表示部341は、ピッチ測定値が表示される表示部である。
倍率スライダー342は、倍率とフォーカスとが独立に調整可能な構成の二次光学系レンズ123に係り、その倍率を調整する操作子である。
フォーカススライダー343は、倍率とフォーカスとが独立に調整可能な構成の二次光学系レンズ123に係り、そのフォーカスを調整する操作子である。
完了ボタン344は、上述した倍率調整ボタン310の押釦操作による倍率調整GUI画面300-3での二次光学系の合焦調整及びビーム間ピッチ調整を完了させるための操作子である。中止ボタン345は、倍率調整GUI画面300-3での二次光学系の合焦調整、ビーム間ピッチ調整を途中で中止させるための操作子である。
ここで、ユーザーインタフェースとしての倍率調整GUI画面300-3を用いたビーム間ピッチ調整処理について説明するに当たって、まず、マルチビーム化された二次電子ビーム120(120a,120b,120c,120d)が、二次光学系開口板124をスキャンする際の結像原理について、図11,図12に基づいて説明する。
図11は、マルチビーム化された二次電子ビームが二次光学系開口板上を偏向されて走査した際の、二次電子ビームと二次光学系開口板の開口との関係についての説明図である。
図12は、図11に示した二次電子ビームが偏向されて走査した際における、二次電子ビーム検出器の個別ビーム検出器それぞれからの検出信号から生成された二次元画像を示した図である。
図11では、4本の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dが、板面中心(板面中央)に正方形の開口部127が形成された二次光学系開口板124上を、偏向されて走査した際の二次電子ビーム120と開口部127との関係が示されている。そして、図12では、図11において矢印1105,1106,1107,1108で示される4本の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの走査中に、二次電子ビーム検出器121によって得られる信号が、図12に示した画像中のX軸方向に沿って表示されるものとする。このX軸方向は、二次電子ビーム検出器121の検出面上のX−Y座標軸のX軸方向に対応する。また、図12に示した画像は、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器群の全ての信号を加算した信号を画像化したものである。
この場合、前述した二次光学系開口板位置調整処理(ステップS102)によって、二次光学系開口板124の開口部127の開口中心128と、二次電子ビーム検出器121の検出器中心129とは一致しており、開口部127を通過した二次電子ビーム120は全て二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器群に入射するため、図12に示した画像の明るさは開口部127を通過する二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの中の本数(0〜4本)に依存した明るさになる。すなわち、ビーム走査により開口部127を通過する二次電子ビームの本数に応じて画像の明るさが変化する。
そのため、この場合は、図12に示した画像のように、4本の各個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dが、図5に基づいて説明した二次光学系の結像原理に従い、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dそれぞれの検出面上で結像されるので、開口部127を通過した各個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dに対応した4つの矩形像1201,1202,1203,1204が観察される。
なお、二次ビームピッチが、二次光学系開口板124の開口部127の大きさの関係によっては、必ずしも、開口部127を通過した各個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dに対応した4つの矩形像1201,1202,1203,1204が重なり合うとは限らないが、このような場合でも、ビーム間ピッチ調整処理(ステップS106)と検出器角度調整処理(ステップS107)を行うのに何ら問題はない。
ところで、マルチビーム化された二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dは、一次光学系及び二次光学系の各レンズの中心軸外を通過し、さらにビームセパレーター111で偏向作用を受けている。そのため、各レンズ及びビームセパレーター111の収差の影響により、一般的に、二次元画像においては、その縦倍率と横倍率が一致しない。
そのため、このビーム間ピッチ調整処理(ステップS106)によって、二次元画像の縦倍率と横倍率を補正し、正確な二次ビームピッチを測定する。
そこで、ユーザーは、図10に示した二次光学系レンズ123の倍率調整GUI画面300-3で、まず、ピッチ測定ボタン340を押釦して、ビーム間ピッチ調整処理の手始めとしての二次ビームピッチの測定処理を、システム制御部135の演算制御部133に実行させる。
システム制御部135の演算制御部133は、ピッチ測定ボタン340の押釦を取り込むと、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303で、二次光学系開口板124の開口部127を通過した各個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dに対応した矩形像1201,1202,1203,1204の各頂点をユーザーに選択させる指示を、例えば倍率調整GUI画面300-3上に案内表示する。
ユーザーは、この案内表示に基づき、二次元画像表示部303に表示されている、図12に示した如くの二次元画像上で、二次光学系開口板124の開口部127を通過した各個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dに対応した矩形像1201,1202,1203,1204それぞれの各頂点を選択する。各頂点の選択は、例えば、二次元画像表示部303に表示された二次元画像上で、マウスのポインタを頂点に位置させてそのクリック操作で行う。
図12において、例えば矩形像1201の場合は、ユーザーが、二次元画像表示部303の表示上で、その4つの頂点A1,B1,C1,D1をその順番は問わずに順次指定し、これら4つの頂点A1,B1,C1,D1を1つの個別二次電子ビーム120aの矩形像頂点として登録することにより行われる。
ユーザーにより、同様にして、他の矩形像1202,1203,1204それぞれの各頂点についても選択されて、個別二次電子ビーム120b,120c,120dそれぞれの矩形像1202,1203,1204の各頂点が選択されると、システム制御部135の演算制御部133は、これら矩形像1201,1202,1203,1204それぞれの各頂点情報を基に、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの相互間の配列ピッチである二次ビームピッチを、例えば、次のようにして演算する。
ここで、この二次ビームピッチ及びその演算について、図12に示した二次元画像に基づき説明する。説明に当たっては、矩形像1201の各頂点A1,B1,C1,D1の座標をそれぞれA1(XA,YA),B1(XB,YB),C1(XC,YC),D1(XD,YD)とする。
頂点A1とB1を結ぶ線分A1B1の長さは、二次光学系開口板124の開口部127の一辺の長さに対応している。同様に、頂点A1とD1を結ぶ線分A1D1の長さも、開口部127の一辺の長さに対応している。
各個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dを構成するリニアイメージセンサの横1ピクセルの実空間上での距離をPX、縦1ピクセルの実空間上での距離をPYとし、正方形である二次光学系開口板124の開口部127の一辺の長さをLとすると、式(1)、(2)で表される関係式が成り立つ。
Figure 2014026834
Figure 2014026834
式(1),式(2)をPX,PYについて解くと、式(3)、式(4)を得る。
Figure 2014026834
Figure 2014026834
次に、個別二次電子ビーム121aが開口部127の開口中心128を通過する際の偏向量を求める。偏向量は、上述した頂点A1,B1,C1,D1の重心M1である。この重心M1の座標を、M1(XM1,YM1)とする。
同様にして、残りの全ての個別二次電子ビーム121b,121c,121dに対応する矩形像1202,1203,1204の重心M2,M3,M4の座標を、それぞれM2(XM2,YM2),M3(XM3,YM3),M4(XM4,YM4)とする。
実空間上での距離PX,PYを用いて、各重心M1,M2,M3,M4の座標M1(XM1,YM1),M2(XM2,YM2),M3(XM3,YM3),M4(XM4,YM4)を実空間上の距離に変換することで、二次ビームピッチLBを精度良く求めることができる。
すなわち、二次ビームピッチLBは、式(5)で表される。
Figure 2014026834
上記式(5)では、重心M1の座標と重心M2の座標から二次ビームピッチLBを求めているが、二次ビームピッチLBは、隣り合う2つの重心、すなわちM2とM3、M3とM4、M4とM1を用いても同様に計算される。本実施例では、全ての隣接する2つの重心間の距離を求め、平均を個別二次電子ビームピッチLBとして採用している。
システム制御部135の演算制御部133は、上記式(5)により計算された個別二次電子ビームピッチLBを、図10に示した倍率調整GUI画面300-3の二次ビームピッチ表示欄341に表示する。
ユーザーは、二次ビームピッチ表示欄341に個別二次電子ビームピッチLBの計算値が表示されると、この値を参考にして、倍率調整GUI画面300-3上の倍率スライダー342を動かし、倍率とフォーカスとが独立に調整可能な二次光学系レンズ123の励磁比を調整することで、二次光学系の倍率調整を行う。
すなわち、二次ビームピッチLBが個別二次電子ビーム検出器121a,121b,121c,121dのピッチよりも大きい場合には、倍率を下げて二次ビームピッチLBを狭くするように調整し、二次ビームピッチLBが個別二次電子ビーム検出器121a,121b,121c,121dのピッチよりも小さい場合には、倍率を上げることで二次ビームピッチLBを広げる。
システム制御部135の演算制御部133は、倍率スライダー342がユーザーによって操作されると、その操作量(移動量)若しくは操作位置(移動位置)に対応した倍率指示を光学系制御回路139に供給する。そして、光学系制御回路139は、この倍率指示に基づいて二次光学系レンズ123を作動制御する。
なお、倍率スライダー342による倍率変更時にはフォーカスを一定に保って二次光学系レンズ123の励磁比を変更するように予め調整されているが、例えば光学条件の差により生じる誤差によりフォーカスがずれるときは、ユーザーは同じ倍率調整GUI画面300-3上のフォーカススライダー343によりフォーカスを調整する。
ユーザーは、このようにして倍率を補正したら、再度、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303の画像上で、調整後の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dそれぞれの矩形像1201,1202,1203,1204の各頂点を指定した後、倍率調整GUI画面300-3のピッチ測定ボタン340を押釦操作して、調整後の二次ビームピッチLBを再確認する。
ユーザーは、上述した作業を繰り返すことにより、二次ビームピッチLBを、所望の精度にて、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器間のピッチに一致させ、縦倍率と横倍率の補正を行う。
調整完了後は、ユーザーは、図10に示した倍率調整GUI画面300-3の完了ボタン344を押釦して、ビーム間ピッチ調整処理を終了させる。そして、システム制御部135の演算制御部133は、完了ボタン344の操作を取り込み、倍率調整GUI画面300-3の表示を閉じる。また、演算制御部133は、その際における二次光学系レンズ123の倍率及びフォーカスの調整データを、記憶装置132に一旦記憶しておく。一方、ユーザーによる中止ボタン345の操作を取り込んだ場合は、完了ボタン344が操作された場合とは異なり、それまでに行っていたビーム間ピッチ調整処理(ステップS106)で取得された二次光学系レンズ123の倍率及びフォーカスの調整データは、演算制御部133によって記憶装置132に保存されない。
この結果、ビーム間ピッチ調整処理(ステップS106)が実行されることにより、二次光学系レンズ123のレンズ励磁がオンされ、かつ二次電子ビーム120を二次光学系レンズ123に対して軸合わせされた状態で、二次ビームピッチLBが、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器間のピッチに一致することになる。
<ステップS107:ビーム角度調整処理>
次に、二次光学系調整用GUI画面300の画面上で、ユーザーのマウス操作によってビーム角度調整ボタン311が押釦操作されると、システム制御部135の演算制御部133は、このユーザー入力を取り込んで、ビーム角度調整処理を実行する(ステップS107)。
このビーム角度調整処理では、ここでは二次ビームピッチが調整された二次元画像を用い、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器群を形成する個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dの配列と、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群を形成する個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの配列との相対角度を測定し、検出器位置可動機構126を用いて、二次電子ビーム検出器121の角度調整を行う。
システム制御部135の演算制御部133は、ビーム角度調整処理を開始すると、図13に示した二次電子ビーム検出器121のビーム角度調整GUI画面(検出器角度調整GUI画面)300-4を生成し、図3に示した二次光学系調整用GUI画面300が表示されている画像表示装置136の画面上に、さらにウィンドウ表示する。
図13は、ビーム角度調整のユーザーインタフェースの一実施例としてのビーム角度調整GUI画面である。
ビーム角度調整GUI画面300-4は、ビーム角度測定ボタン350,相対角度表示部351,回転スライダー352,完了ボタン353,中止ボタン354を含む、ビーム角度調整に必要な操作子が所定配置された構成になっている。
ビーム角度測定ボタン350は、二次電子ビーム120の個別ビーム検出器群の配列と、二次電子ビーム検出器121の個別二次電子ビーム群の配列との間の、相対角度の測定を行わせる操作子である。
相対角度表示部351は、相対角度の測定値が表示される表示部である。
回転スライダー352は、二次電子ビーム検出器121の個別二次電子ビーム群の配列に対して、検出器位置可動機構126の回転機構を作動させて、二次電子ビーム120の個別ビーム検出器群の配列を回転させる操作子である。すなわち、回転スライダー352は、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器群の配列と、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群の配列との間の、相対角度を調整する操作子である。
完了ボタン353は、上述したビーム角度調整ボタン311の押釦操作によるビーム角度調整GUI画面300-4での二次電子ビーム検出器121の角度調整を完了させるための操作子である。中止ボタン354は、ビーム角度調整GUI画面300-4での二次電子ビーム検出器121の角度調整を途中で中止させるための操作子である。
ここで、二次電子ビーム検出器121の角度調整について、図14に基づいて説明する。
図14は、二次光学系の検出器角度調整の説明図である。
図14(a)は、4本の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dが、二次光学系開口板124の正方形の開口部127が開いた開口板上を、矢印1405,1406,1407,1408の方向に偏向されて走査した際の、4本の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの配置、開口部127、並びにビーム走査の関係を説明する図である。
図14(b)は、図14(a)に示した二次電子ビーム120a,120b,120c,120dが偏向されて走査した際における、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dそれぞれからの検出信号から生成された二次元画像を示した図である。図14(b)に示した画像は、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器群の全ての信号を加算した信号を画像化したものである。
ここでは、前述したステップS106のビーム間ピッチ調整処理の実行により、二次ビームピッチLBは、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器間のピッチと一致している。
ここで、図14(a)に示したように、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群の個別二次電子ビーム120a,120d間の配列方向と、個別二次電子ビーム120aの矢印1405で示した偏向方向との間の成す角をθbeam、矢印1405で示した偏向方向と、個別二次電子ビーム120a,120d間に対応する二次光学系開口板124の開口部127の辺との間の成す角をθdet、個別二次電子ビーム120a,120d間の配列方向と、個別二次電子ビーム120a,120d間に対応する二次光学系開口板124の開口部127の辺との間の成す角をθrot、とする。
また、図14(b)において、矩形像1401の頂点A1,B1,C1,D1の座標をそれぞれA1(XA,YA),B1(XB,YB),C1(XC,YC),D1(XD,YD)とし、個別二次電子ビーム121b,121c,121dに対応する矩形像1402,1403,1404の重心M2,M3,M4の座標を、それぞれM2(XM2,YM2),M3(XM3,YM3),M4(XM4,YM4)とする。
その場合、角θbeam及び角θdetは、次式のようになる。
Figure 2014026834
Figure 2014026834
また、図14(a)に示されるように、
Figure 2014026834
である。
よって、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群の個別二次電子ビーム120a,120d間の配列方向と、個別二次電子ビーム120a,120d間に対応する二次光学系開口板124の開口部127の辺との成す角θrotは、次式で求められる。
Figure 2014026834
ここで、前述した二次光学系調整シーケンス開始処理(ステップS101)で、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a〜121dそれぞれの検出面の中心間を矩形状に結ぶ線は、二次光学系開口板124の正方形形状の開口部127の辺と平行になるように調整されているため、角θrotは、二次電子ビーム検出器121と二次電子ビーム120との相対角度を示している。
そこで、ビーム角度調整処理(ステップS107)では、ユーザーは、二次光学系調整用GUI画面300の画面上でのビーム角度調整ボタン311の押釦操作によって、二次光学系調整用GUI画面300の画面上に、図13に図示したようなビーム角度調整GUI画面300-4をウィンドウ表示させる。
本実施例では、システム制御部135の演算制御部133は、ビーム角度調整ボタン311の押釦操作を取り込むと、ビーム角度調整GUI画面300-4の生成するとともに、その表示に当たり、先にビーム間ピッチ調整処理(ステップS106)において二次元画像表示部303に表示された二次元画像上でユーザーが指定した、例えば二次光学系開口板124の開口部127を通過した個別二次電子ビーム120aに対応した矩形像1201に対応する矩形像1401の頂点A1,D1の座標に対して角θrotの算出を行い、ビーム角度調整GUI画面300-4の相対角度表示部351に予め表示しておくようになっている。また、ビーム角度調整GUI画面300-4の表示後は、システム制御部135の演算制御部133は、ユーザーによるビーム角度調整GUI画面300-4でのビーム角度測定ボタン350の押釦操作を取り込む毎に、同様にして、二次電子ビーム検出器121と二次電子ビーム120との相対角度θrotの算出を行い、相対角度表示部351に表示する。
これにより、ユーザーは、この相対角度表示部351に表示されている相対角度θrotを目安にして、回転スライダー352を操作することにより、二次電子ビーム検出器121の角度調整を検出器位置可動機構126の回転機構によって行うことができる。
すなわち、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器群の配列と、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群の配列との間に角度ずれがある場合、すなわち相対角度表示部351に表示されている相対角度θrotが許容範囲の規定値を逸脱している場合には、ユーザーは、以下の手順により、二次電子ビーム検出器121の角度調整を行う。
ユーザーは、ビーム角度調整GUI画面300-4の相対角度表示部351に表示された相対角度θrotの値を参照して、相対角度θrotの値をゼロにするように回転スライダー352を操作する。回転スライダー352が動かされると、システム制御部135の演算制御部133は、その操作量(移動量)若しくは操作位置(移動位置)に対応した二次電子ビーム検出器121の回動指示を光学系制御回路139に供給する。そして、光学系制御回路139は、この回動指示に基づいて検出器位置可動機構126の回転機構を作動制御し、二次電子ビーム検出器121、すなわち個別ビーム検出器群全体を回動させる。また、演算制御部133は、この二次電子ビーム検出器121の回動を行うとともに、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121a〜121dそれぞれから供給されるA/D変換された検出信号を基に検出画像を生成し、記憶装置132にその画像データを一時保存しておくとともに、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303の二次元画像を更新表示する。
ユーザーは、回転スライダー352を操作停止し、二次元画像表示部303の二次元画像が更新表示されたならば、ビーム角度測定ボタン350を押釦操作して、前述したビーム間ピッチ調整処理(ステップS106)の場合と同様な手順で、この更新表示された二次元画像上で、二次光学系開口板124の開口部127を通過した各個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dに対応した矩形像1401,1402,1403,1404それぞれの各頂点の選択を行う。そして、矩形像1401,1402,1403,1404それぞれの各頂点の指定が終了すると、システム制御部135の演算制御部133は、再び同様にして、二次電子ビーム検出器121と二次電子ビーム120との相対角度θrotの算出を行い、相対角度表示部351に表示する。
ユーザーは、相対角度表示部351に表示された相対角度θrotの値を参照して、相対角度θrotが規定値内に収まっていなければ、再び、同様にして二次電子ビーム検出器121の角度調整を行い、規定値内に収まるまで、上述した一連のビーム角度調整GUI画面300-4による二次電子ビーム検出器121の角度調整を繰り返す。
これに対し、ユーザーは、相対角度θrotが規定値内に収まっている場合は、ビーム角度調整GUI画面300-4の完了ボタン353を押釦操作する一方、ビーム角度調整を途中で中止する場合は、中止ボタン354を押釦操作する。
システム制御部135の演算制御部133は、完了ボタン353の操作を取り込み、ビーム角度調整GUI画面300-4の表示を閉じる。また、演算制御部133は、その際における二次電子ビーム検出器121と二次電子ビーム120との相対角度θrotの調整データを、記憶装置132に保存しておく。ユーザーによる中止ボタン354の操作を取り込んだ場合は、システム制御部135の演算制御部133は、完了ボタン353が操作された場合とは異なり、それまでに行っていたビーム角度調整処理(ステップS107)で取得された二次電子ビーム検出器121の角度調整データは、演算制御部133によって記憶装置132に保存されない。
この結果、ビーム角度調整処理(ステップS107)が実行されることにより、二次光学系レンズ123のレンズ励磁がオンされ、二次電子ビーム120を二次光学系レンズ123に対して軸合わせされ、かつ二次ビームピッチLBが二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器間のピッチに一致した状態で、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器群の配列と、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群の配列とが対応一致して相対するようになる。
以上で、二次光学系調整シーケンス開始処理(ステップS101)及び二次光学系開口板位置調整処理(ステップS102)によって、二次電子ビーム検出器121のリセット位置において、二次光学系開口板124の開口中心128を、二次電子ビーム検出器121の検出器中心129、すなわち二次光学系の光軸(中心軸)を物理的に同軸に合わせた上で、光学条件設定処理(ステップS103)で設定した光学条件に係り、二次光学系光軸調整処理(ステップS104)、二次光学系合焦処理(ステップS105)、ビーム間ピッチ調整処理(ステップS106)、及び検出器角度調整処理(ステップS107)からなる一連の二次光学系の調整は終了する。
ここで、ユーザーは、二次光学系調整処理を完了する場合は、図3に示した二次光学系調整用GUI画面300に示した完了ボタン312を押釦操作する。
一方、さらに続けて二次光学系の調整を行う別の光学的条件がある場合は、ステップS103で示した光学条件設定処理に戻り、システム制御部135の演算制御部133によって読み出され、ユーザーは、この別の光学的条件についても、二次光学系光軸調整処理(ステップS104)、二次光学系合焦処理(ステップS105)、ビーム間ピッチ調整処理(ステップS106)、及び検出器角度調整処理(ステップS107)からなる一連の二次光学系の調整を行うことができる。
<ステップS108:二次光学系調整終了処理>
システム制御部135の演算制御部133は、完了ボタン312の操作を取り込むと、二次光学系調整終了処理を実行する(ステップS108)。
二次光学系調整終了処理では、システム制御部135の演算制御部133によって、上述した二次光学系光軸調整処理(ステップS104)、二次光学系合焦処理(ステップS105)、ビーム間ピッチ調整処理(ステップS106)、及び検出器角度調整処理(ステップS107)からなる二次光学系調整処理で取得した調整データを基に、二次光学系レンズ123の励磁や検出器位置可動機構126の移動及び回動等のパラメータで構成される二次光学系条件がシステム制御部135の制御部メモリ(図示省略)に一次光学条件と対応づけて書き込まれる。これにより、検査を行うに当たって、二次光学条件に対応する一次光学条件が読み出された場合は、自動で二次光学系条件も読み出され、装置に設定されるようになっている。
この調整した二次光学条件の書き込みとともに、システム制御部135の演算制御部133は、図3に示した二次光学系調整用GUI画面300の表示を閉じ、二次光学系開口板124の退避指示を光学系制御回路139に供給して、二次光学系調整処理の実行を終了する。光学系制御回路139は、開口板可動機構125を作動制御し、進入状態になっている二次光学系開口板124を、二次光学系の光軸上、すなわち二次電子ビーム120の光路から退避させる。
このように構成された二次光学系の調整機能を備えたマルチビーム型電子線検査装置によれば、図15に示すような作用・効果を奏する。
図15は、本実施例のマルチビーム型電子線検査装置による作用・効果の説明図である。
マルチビーム型電子線検査装置においては、二次電子ビーム検出器121は、一次電子ビーム103を分割して生成される個別一次電子ビーム群に対応して、複数の個別ビーム検出器群を備えている。図15(a)に示す例では、4本に分割された個別一次電子ビーム103a,103b,103c,103dに対応して、4つの個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dを有し、各個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dはそれぞれ検出器中心129a,129b,129c,129dを有する。
そして、これまでの調整作業により、二次電子ビーム120の4本の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの各偏向中心151a,151b,151c,151dと、4つの個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dの検出器中心129a,129b,129c,129dは、図15(b)に示すように一致することができる。
すなわち、調整作業において、ステップS106に示したビーム間ピッチ調整や、ステップS107に示した検出器角度調整を実施する前は、二次電子ビームピッチLBと個別ビーム検出器ピッチLDとは、図15(a)に示すように、方向も長さも一致していない。ステップS106に示したビーム間ピッチ調整により二次電子ビームピッチ(二次ビームピッチ)LBと検出器ピッチ(個別ビーム検出器間の距離)LDとを一致させ、及びステップS107に示した検出器角度調整により二次電子ビーム120を測定したずれの角度θrot分だけ回転させることにより、図15(b)に示すように、二次電子ビーム120の偏向中心151と二次電子ビーム検出器121の4つの個別ビーム検出器群の中心とを一致させることができる。
また、その調整作業も、各調整画面300,300-1〜300-4では、該当の調整が終了したら、完了ボタン312,323,333,344,353を押下することで、システム制御部135内の記憶装置132に存在するメモリに、二次光学系パラメータが書き込まれる。これにより、システム制御部135は、以後、二次光学系パラメータを読み出すことが可能となる。
一方、中止ボタン313,324,334,345,354を押下することで、本GUI画面で設定した二次光学系パラメータを保存せずに終了することもできる。
さらに、調整作業の際、選択した光学条件のこれら二次光学系パラメータを含む調整結果は、例えば検査条件としての光学条件と対応づけて、検査装置の制御部メモリや、検査装置とデータ通信接続されたデータベースに保存しておくことで、検査条件としての光学条件が同じであれば、同様な検査に利用できる。
なお、本実施の形態では、二次電子ビームは4本の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dからなるマルチ化された二次電子ビーム120として、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器群は4つの個別ビーム検出器121a,121b,121c,121dからなる個別ビーム検出器群として説明を行ったが、個別二次電子ビームの本数が2本以上、かつ個別二次電子ビーム検出器の数が二次電子ビームの本数以上存在し、二次電子ビーム検出器121の信号が何らかの方法で合算し出力可能であれば、本実施例に係る二光学系の調整方法は、その手順を変更することなく実施可能である。
また、本実施例では、二次光学系レンズの励磁の調整で二次電子ビームピッチ(二次ビームピッチ)LDを調整したが、他の実施形態においては、二次電子ビーム光軸方向の検出器位置可動機構126を用いて二次電子ビームピッチLDを調整してもよい。また二次電子ビーム検出器121と二次電子ビーム120の相対角度θrotについては、検出器位置可動機構126を用いて調整したが、他の実施形態においては、二次光学系の回転レンズを用いて調整してもよい。この際は、ステップS101におけるリセット動作は、回転レンズのリセット動作と置き換えることができる。或いは、これらの組み合わせで二次光学系を調整したとしても何ら問題は生じない。
[第2の実施の形態]
第一の実施の形態に係る荷電粒子線応用装置としてのマルチビーム型電子線検査装置では、退避可能な開口部形状が正方形の一種類の絞りを用いて二次光学系の調整を行う構成とした。一方、本実施の形態に係るマルチビーム型電子線検査装置では、複数の絞りを用いて二次電子ビームの個別二次電子ビームの本数が増えた場合においても対応可能な、より精密な二次光学系の調整手段を備えた構成としている。
また、第一の実施の形態では、二次電子ビーム検出器121と二次電子ビーム120との相対角度θrotは、検出器位置可動機構126を用いて調整した。一方、本実施の形態では、二次電子ビーム検出器121と二次電子ビーム120との相対角度θrotは、二次光学系の回転レンズ161を用いて調整する構成としている。
したがって、本実施の形態に係るマルチビーム型電子線検査装置では、二次電子ビーム検出器121に合わせて開口パターンを作り込んでおくことで、二次電子ビーム検出器121と二次電子ビーム120との相対角度θrotは一つの手順で求まるものとなり、より簡便な二次光学系の調整手段をユーザーに提供できる。
以下、本実施の形態に係るマルチビーム型電子線検査装置、及びその二次光学系調整方法について、前述した第一の実施の形態との違いを中心として、図面に基づいて説明する。なお、説明に当たって、第一の実施の形態と同一若しくは同様な構成部分については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図16は、本発明に係る荷電粒子線応用装置の別の実施の形態としてのマルチビーム型電子線検査装置の実施例の概略構成図である。
本実施の形態によるマルチビーム型電子線検査装置は、第1の実施の形態によるものに対して、二次光学系開口板124は4つの開口パターン172〜175を備えた構造になっており、開口板可動機構125により二次電子ビーム120が通過する開口パターン172〜175を選択できるようになっている。開口パターン172〜175それぞれの開口部の形状は、二次電子ビーム検出器121の検出面の角度に合わせて作り込まれている。
また、二次光学系の二次光学系レンズ123と二次光学系開口板124との間には、二次電子ビーム120の回転とシフト量を調整するための回転レンズ161が付加されている。
なお、図16においては、図示の関係上、分割された4本の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dのうち3本の二次電子ビーム120a,120b,120cについて示した。アパーチャーアレイ108の開口、対応するレンズアレイ109、二次電子ビーム検出器121も同様であり、3個に限定されるものでないことは言うまでもない。
図17は、本実施の形態によるマルチビーム型電子線検査装置の二次光学系開口板及び開口板可動機構の構成図である。
二次光学系開口板124は、図17(b)に示すように、開口板位置調整用,ビーム間ピッチ調整用,検出器角度調整用,検査用といった4つの開口パターン172,173,174,175が連設されてなる薄長板形状からなる。4つの開口パターン172,173,174,175は、等間隔で、かつ所定の位置精度で配置されている。なお、検査用開口パターン175は、第一の実施の形態における二次光学系開口板124が退避した状態と等価なオープンな開口を有するものである。
開口板可動機構125は、図17(a)に示すように、X可動機構176とY可動機構177とを備えている。X可動機構176は、長薄板形状の二次光学系開口板124を、二次光学系レンズ123の光軸171と垂直な面内の予め定められたX−Y座標上のX軸方向に、開口板124の長さ方向に沿って移動可能に案内支持する位置決め案内機構を備えている。X可動機構176は、図示せぬステッピングモータの作動制御により、二次光学系レンズ123の光軸171に対して高精度に開口パターン172,173,174,175のX軸方向の位置決めを行う。Y可動機構177は、二次光学系レンズ123の光軸171と垂直な面内の予め定められたX−Y座標上で、X可動機構1308をY軸方向に移動可能に支持している。Y可動機構177は、図示せぬステッピングモータの作動制御により、二次光学系レンズ123の光軸171に対して高精度に開口パターン172,173,174,175のY軸方向の位置決めを行う。
次に、上述した構成からなるマルチビーム型電子線検査装置による二次光学系の調整処理について図面に基づき説明する。
図18は、本実施の形態に係るマルチビーム型電子線検査装置において実行される二次光学系調整処理のフローチャートである。
本実施の形態に係るマルチビーム型電子線検査装置では、その装置機能の一つとしての二次光学系調整処理の実行が設定されると、システム制御部135は、その設定に基づき、演算制御部133が他の各部と協働して、二次光学系調整シーケンスの実行を開始し、二次光学系調整シーケンス開始処理(ステップS201)、二次光学系開口板位置調整処理(ステップS202)、二次光学系光軸調整処理(ステップS203)、二次光学系合焦処理(ステップS204)、二次電子ビーム中心と二次電子ビーム検出器中心の調整処理(ステップS205)、二次電子ビームピッチ調整処理(ステップS206)、二次電子ビーム検出器と二次電子ビーム配列の相対角調整処理(ステップS207)、二次光学系調整終了処理(ステップS208)を行う構成となっている。
次に、本実施例のマルチビーム型電子線検査装置において実行される上述した二次光学系調整処理における各処理について説明する。
<ステップS201:二次光学系調整シーケンス開始処理>
二次光学系調整シーケンス開始処理(ステップS201)は、その装置機能の一つとしてユーザーによって選択設定されると、システム制御部135の演算制御部133が二次光学系調整制御手段として機能開始することによって実行される。
二次光学系調整シーケンス開始処理が開始されると、ユーザーインタフェースとしての二次光学系調整用GUI画面300が画像表示装置136の画面上に表示されるとともに、二次光学系の回転レンズ161の励磁がリセットされる。これにより、二次電子ビーム120は、回転レンズ161によって回転及びシフトがされていない状態になる。
ステップS201で示した二次光学系調整シーケンス開始処理は、図2のステップS101で示した二次光学系調整シーケンス開始処理と比較すると、二次電子ビーム120と二次電子ビーム検出器121の相対角度θrotの調整手段が、検出器位置可動機構126を用いず、回転レンズ161を用いた形態にしているため、その前に行われていた回転レンズ161の励磁調整をリセットする構成となっている。
これら処理は、ユーザーが、二次光学系調整処理を実行する装置機能として選択設定し、二次光学系調整用GUI画面300を表示させると、自動的に開始されるため、意識的に本リセット動作を行う必要はない。
<ステップS202:二次光学系開口板位置調整処理>
その後、二次光学系調整用GUI画面300の画面上で、ユーザーによって開口板位置調整ボタン308が押釦操作されると、システム制御部135の演算制御部133は、このユーザー入力を取り込んで、二次光学系開口板位置調整処理を実行する(ステップS202)。
二次光学系開口板位置調整処理(ステップS202)では、二次光学系開口板124と二次電子ビーム検出器121との位置合わせが行われる(ステップS202)。この位置合わせの開始に当たって、システム制御部135の演算制御部133は、図3に示した二次光学系調整用GUI画面300が表示されている画像表示装置136の画面上に、開口板位置調整GUI画面300-5をウィンドウ表示する。また、システム制御部135の演算制御部133は、二次光学系レンズ123のレンズ励磁の切断指示を光学系制御回路139に供給し、光学系制御回路139によって二次光学系レンズ123のレンズ励磁を切る。
図19は、二次光学系開口板位置調整のユーザーインタフェースの一実施例としての開口板位置調整GUI画面である。
開口板位置調整GUI画面300-5は、二次光学系開口板124の開口パターンチェックボックス325を含み、二次光学系開口板124の開口パターン172,173,174,175のいずれかが選択可能になっている。
ユーザーは、開口板位置調整GUI画面300-5の画面上で、開口パターンチェックボックス325のいずれかのチェックボックスにチェックが入れることによって、二次光学系レンズ123の光軸171上に設置する開口パターン172,173,174,175を択一的に選択できるようになっている。
開口パターンチェックボックス325のいずれかのチェックボックスにチェックが入ると、システム制御部135の演算制御部133は、これを取り込んで、該当する開口パターンを二次光学系レンズ123の光軸171上に配置させる指示を光学系制御回路139に供給する。そして、光学系制御回路139は、この指示に基づいて開口板可動機構125を作動制御する。
通常、二次光学系開口板124のそれぞれの開口パターン172,173,174は、二次光学系の調整内容に応じて、その調整を行う際には自動で切り替わるようになっており、ユーザーがパターンとその位置を把握する必要は無い。この場合は、二次光学系開口板位置調整処理(ステップS202)では、システム制御部135の演算制御部133によって、開口板位置調整用の開口パターン175が、二次光学系レンズ123の光軸171上に配置される。このように、自動的に選択された場合は、装置側で開口パターンチェックボックス325の該当する1番目のチェックボックスにチェック表示がなされ、ユーザーは開口パターン175が選択されているのを確認できる。
なお、このように、この開口パターンチェックボックス325については、ユーザーが明示的に開口パターン172,173,174のチェックを切り替えて、ユーザー側で選択を行うことも可能である。
また、開口板位置調整GUI画面300-5の画面上では、二次光学系レンズ123の光軸171上に選択配置された開口パターンについて、ユーザーは、開口板位置Xスライダー321及び開口板位置Yスライダー322を操作することによって、その操作量又は操作位置に応じて開口板可動機構125のステッピングモータを制御作動することができ、開口板位置の微調整が行えるようになっている。
次に、このステップS202で示した二次光学系開口板124の位置調整処理について、図20に基づいて詳細に説明する。
図20は、二次光学系の光軸方向から見た、二次光学系開口板と二次電子ビーム検出器との位置関係を示す概略図である。
ここでは、二次光学系開口板124の開口板位置調整用の開口パターン175の開口中心128と、二次電子ビーム検出器121の検出器中心129との位置合わせ、すなわち二次光学系開口板124と二次電子ビーム検出器121との位置関係の調整について説明する。
二次光学系開口板124の開口板位置調整用の開口パターン175は、パターン板面中心(パターン板面中央)に、板厚方向に貫通する円形の開口部127が同軸に形成されている。そして、その開口部127は、二次電子ビーム検出器121の一つの個別ビーム検出器121-mnの検出面よりも大きい開口面積を有する。
この場合、二次光学系調整用GUI画面300の画面上での、ユーザーによる開口板位置調整ボタン308の操作によって、開口板位置調整GUI画面300-5の表示とともに、自動的に二次光学系レンズ123のレンズ励磁が切られているので、開口板位置調整用の開口パターン175に対しては、その開口部127よりも十分に広いパターン板面に対して略均一に二次電子ビーム120が照射される状態となっている。
このとき、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303には、図20(b)に示すように5×5配列の25個の個別ビーム検出器121-11〜121-55からなる個別ビーム検出器群に対応した検出画像が、個別ビーム検出器121-11〜121-55の検出信号に基づいて表示されるものとする。
その際、二次元画像表示部303に表示された検出画像は、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dが多く照射されている個別ビーム検出器(例えば個別ビーム検出器121-33)に対応する画像部分では、その表示は明るく、少ししか照射されていない個別ビーム検出器(例えば個別ビーム検出器121-11)に対応する画像部分では、その表示は暗くなっている。そのため、図20(b)のように、開口部127の中心128が検出器配列の中央部129からずれている場合には、図20(b)のように検出画像上での明るさの中心位置が、検出画像の画像中心と一致しない。
そこで、ユーザーは、開口板位置調整GUI画面300-5の画面上の開口板位置Xスライダー321及び開口板位置Yスライダー322を動かすことによって、二次光学系開口板124の位置調整を、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303に表示される画像を見ながら行う。具体的に、ユーザーは、二次元画像表示部303に表示された画像を確認しながら、開口板位置Xスライダー321と開口板位置Yスライダー322にて、二次光学系開口板124の開口板位置調整用の開口パターン175を動かして、図20(d)のように、明るさ中心が画像の中央に位置するように調整する。これにより、図20(c)に示されているように、二次光学系開口板124の開口パターン175の中心128とマルチ化された二次電子ビーム検出器121の中心129とが一致する状態が得られる。
その際、二次光学系開口板124は、この開口板位置調整用の開口パターン175を含め、開口板位置調整用,ビーム間ピッチ調整用,検出器角度調整用,検査用といった4つの開口パターン175,174,173,172が、等間隔で、かつ所定の位置精度で配置されている構造になっている。この結果、その中の1つの開口パターン、具体的には開口板位置調整用の開口パターン175で上述したようにして一旦位置調整を行ってしまえば、開口板可動機構125のX可動機構176によりそこから所定の距離を移動させることで、別の開口パターン174,173,172を必要な精度で、二次電子ビーム検出器121の検出器中心129に対して配置することが可能である。
したがって、以降の各処理では、その実行指示の取り込みにより、対応する開口パターン174,173,172を二次電子ビーム検出器121の検出器中心129に位置合わせして配置することができる。
調整完了後は、ユーザーは、開口板位置調整GUI画面300-5の完了ボタン323を押釦して、二次光学系開口板124の開口板位置調整処理を終了させる。システム制御部135の演算制御部133は、完了ボタン323の操作を取り込み、開口板位置調整GUI画面300-5の表示を閉じるともに、二次光学系レンズ123のレンズ励磁の例示指示を光学系制御回路139に供給する。そして、光学系制御回路139は、2組の電磁レンズからなる二次光学系レンズ123のレンズ励磁を元の励磁条件で再び励磁する。これにより、二次光学系レンズ123のレンズ励磁が再びオン状態となる。
<ステップS203:二次光学系光軸調整処理>
<ステップS204:二次光学系合焦処理>
二次光学系の光軸調整処理(ステップS203)と二次光学系の合焦条件調整処理(ステップS204)に関しては、二次光学系調整用GUI画面300のみの表示状態、又はこの二次光学系調整用GUI画面300での光軸調整ボタン309の取り込みによって、システム制御部135の演算制御部133は、自動的に、二次光学系開口板124の開口パターンに、前述した実施の形態の場合と同様に開口板可動機構125によって調整できる開口パターン172を選択し、光学系制御回路139に開口板可動機構125を作動制御させて変更配置する。
二次光学系の光軸調整処理(ステップS203)、二次光学系の合焦条件調整処理(ステップS204)に関しては、その実施する調整処理内容については、前述した第1の実施の形態に係るマルチビーム型電子線検査装置の場合と同様のため、その説明を省略する。
<ステップS205:二次電子ビーム中心と二次電子ビーム検出器中心との調整>
ステップS205で示した二次電子ビーム中心と二次電子ビーム検出器中心の調整方法について、図21に基づいて説明する。
図21は、二次電子ビーム中心と二次電子ビーム検出器中心との調整の説明図である。
本調整は、図21(b)に示したビーム間ピッチ調整用の開口パターン173を用いて行う。ビーム間ピッチ調整用の開口パターン173は、図17(b)及び図21に示すように、パターン板面中心(パターン板面中央)を中心とする円周上に沿って板厚方向に貫通する開口が複数配列された、環状配列開口群からなる開口部127を有する構成になっている。
例えば、二次光学系の光軸と垂直な面に沿って、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群を形成する個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの配列が、二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器群を形成する5×5配列の25個の個別ビーム検出器121-11〜121-55の配列に対して、図21(a)に示すように、平行移動によりそれぞれの中心がずれている場合、個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dそれぞれによって得られる、二次元画像の開口パターン173の開口部127の形状に対応した環状配列開口パターンの対称性の中心212は、図21(b)に示すように、二次元画像の中心211に対してずれる。
そこで、ユーザーは、画像を確認しながら、二次光学系の二次光学系アライナ122により二次電子ビーム120を動かし、図21(d)に示すように、二次元画像の開口パターン173の開口部127の形状に対応した環状配列開口パターンの対称性の中心212を、二次元画像の中心211と合わせる。これにより、図21(c)のように、二次電子ビーム120の中心と二次電子ビーム検出器121の中心とを合わせることができる。
実際の調整方法について図3及び図21を用いて説明する。
図3の二次光学系調整用GUI画面300の倍率調整ボタン310を押下することにより、開口パターン173が自動的に選択される。
また、一次電子ビーム103を偏向することで、二次電子ビーム120を二次光学系開口板124の開口パターン173のパターン上で走査させ、この走査とリンクして全ての二次電子ビーム検出器121の個別ビーム検出器121-11〜121-55からの検出信号を加算した信号を、二次元画像として、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303に表示する。
二次元画像表示部303の画像を見ながら、二次元画像の開口パターン173の開口部127の形状に対応した環状配列開口パターンの対称性の中心212が、二次元画像の中心211に合うように、アライナXスライダー305及びアライナYスライダー306を動かす。本手順により二次電子ビーム120の中心と開口板124の開口中心128、すなわち環状配列開口パターンの対称性の中心212を合わせることができる。
ここで、留意すべき点として、ステップS202によって二次光学系開口板124の開口中心128と二次電子ビーム検出器121の検出器中心129とを合わせているため、後述のステップS206の二次ビームピッチ調整終了時点では、自動的に、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群の中心と二次電子ビーム検出器121の検出器中心129とが合うことになる。
また、本説明では、技術理解が容易のため、図21では、二次ビームピッチLBが所望の状態になっている状態で、説明を行っている。実際には、二次ビームピッチLBは、この二次電子ビーム120の中心と二次電子ビーム検出器121の検出器中心129の調整の後に調整を行うため、この時点では、一般的には所望の値になっていない。しかし、上述した二次電子ビーム120の中心と二次電子ビーム検出器121の検出器中心129の調整は、パターンの対称性を用いた調整であることから二次ビームピッチLBが合っていない状態であっても調整を行える。
<ステップS206:二次電子ビームのピッチ調整>
続いて、ステップS206で示した二次電子ビーム120のピッチ調整について、まず、その原理について、図22に基づいて説明する。
図22は、二次光学系のビーム位置調整の説明図である。
二次電子ビーム120のピッチ調整では、上述した二次電子ビーム120の中心と二次電子ビーム検出器121の検出器中心129の調整で用いたものと同じ、開口パターン173を用いる。
調整は、二次光学系レンズ123の2組の電磁レンズの励磁比を変化させることで、二次光学系レンズ123の倍率を調整し、4本の個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dそれぞれに対応した4つの二次ビームスポットを円周上に含む円の半径又は直径が、開口パターン173の開口部127である環状配列開口パターンの半径又は直径と等しくなるように行う。
そのため、個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120d間のピッチが所望の値となったときの、4つのビームスポットを円周上に含む円の半径又は直径が、開口パターン173の開口部127である環状配列開口パターンの円の半径又は直径に一致するように、開口パターン173は予め形成されている。
そこで、二次電子ビームのピッチ調整処理では、システム制御部135の演算制御部133は、一次電子ビーム103を偏向することで、二次電子ビーム120を二次光学系開口板124の開口パターン173のパターン上で走査させ、走査とリンクして全ての個別二次電子ビーム検出器121からの信号を加算した信号を画像化する。
例えば、個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの偏向中心151a,151b,151c,151dが開口パターン173の開口部127である環状配列開口パターンよりも外側にある場合(図22(a))、つまり二次ビームピッチLBが所望の二次ビームピッチよりも大なる場合は、図22(b)のように画像中心211を、個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dそれぞれによる開口パターン173の開口部127である環状配列開口パターンが通らない二次元画像が得られる。
また、個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの偏向中心151a,151b,151c,151dが開口パターン173の開口部127である環状配列開口パターンよりも内側にある場合(図22(c))、つまり二次ビームピッチLBが所望の二次ビームピッチよりも小なる場合も、図22(d)のような画像中心211を、個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dそれぞれによる開口パターン173の開口部127である環状配列開口パターンが通らない二次元画像が得られる。
個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの偏向中心151a,151b,151c,151dが開口パターン173の開口部127である環状配列開口パターンの環状配列上にある、つまり二次ビームピッチLBが適正である場合(図22(e))は、得られる二次元画像は、図22(f)のように、その画像中心211を、個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dそれぞれによる開口パターン173の開口部127である環状配列開口パターンが通過する二次元画像となる。
すなわち、二次ビームピッチLBが適正である場合、開口パターン173の開口部127である環状配列開口パターンにより得られる二次元画像のパターンが二次元画像の画像中心211で交わる。
実際の二次ビームピッチLBの調整方法について、図10及び図22を用いて説明する。
二次電子ビームのピッチ調整は、二次元画像表示部303の画像を見ながら、図10に示した倍率調整GUI画面300-3の倍率スライダー342を動かすことにより行う。
すなわち、倍率スライダー342を、開口パターン173の開口環状配列の開口部127により得られる個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dそれぞれの、二次元画像における環状配列開口パターンの開口環状配列パターンが図22(f)のように画像上の一点、例えば、二次電子ビーム120の中心と二次電子ビーム検出器121の検出器中心129の調整後であれば画像中心211で交わるように調整することにより、二次光学系レンズ123の倍率調整を行うことができる。
倍率スライダー342を動かすことにより、予め二次光学系レンズ123の倍率が変化するように設定された二次光学系レンズ123の励磁比が設定され、倍率調整が行える。
二次電子ビーム120の軌道の変化などにより、二次光学系レンズ123の励磁比がずれ、倍率スライダー342の変化が、二次光学系の倍率変化のみならずフォーカスのズレとして現れることがある。
フォーカスのズレは、フォーカススライダー343を動かすことで補正することができる。
<ステップS207:検出器と二次電子ビーム配列の相対角度測定及び調整>
続いて、ステップS207で示した二次電子ビーム検出器121と、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群の配列との相対角度θrotの測定、調整について、図3、図13及び図23に基づいて説明する。
図23は、二次電子ビーム検出器と二次電子ビームの個別二次電子ビーム群との相対角の調整の説明図である。
図3に示した二次光学系調整用GUI画面300にて、ビーム角度調整ボタン311を押釦操作すると、システム制御部135の演算制御部133によって、図13に示したビーム角度調整GUI画面300-4が画像表示装置136にウィンドウ表示され、同時にX可動機構176が光学系制御回路139を介して制御作動されて、開口パターン174が選択されて配置される。
開口パターン174は、図23(a)に示されているように、矩形状のパターン上の4隅に、5×5配列の25個の個別ビーム検出器群の角隅の個別ビーム検出器121それぞれに対応して円形の個別開口153が配列された開口部127となっている。
二次ビームピッチLBが合っており、また二次電子ビーム120の中心が開口部127の開口中心128すなわち二次電子ビーム検出器121の検出器中心129と一致している場合、偏向範囲152となる個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの偏向中心151a,151b,151c,151dと個別開口153の個別開口中心154との位置ズレは、画像において、個別開口153が作る二次元画像上のパターン155と二次元画像の画像中心211との位置ずれになる。
図23(c)に示すように、偏向範囲152となる個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの偏向中心151a,151b,151c,151dと個別開口153の個別開口中心154との位置ズレが無くなると、図23(d)に示すように、個別開口153が作る二次元画像上のパターン155と二次元画像の画像中心211とが一致する。
すなわち、個別開口153が作る二次元画像上のパターン155の中心と二次元画像の画像中心211とが一致するように、ユーザーは、二次光学系調整用GUI画面300の二次元画像表示部303に表示された、個別開口153が二次元画像上に作るパターン155を見ながら、ビーム角度調整GUI画面300-4の回転スライダー352を動かす。回転スライダー352の操作に応じて二次光学系に備えられた回転レンズ161が作用し、二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群を回転させる。
この二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群の回転により、個別二次電子ビーム120a,120b,120c,120dの偏向中心151a,151b,151c,151dと個別開口153の個別開口中心154との位置ズレを無くすことができ、すなわち開口部127の開口中心128と二次電子ビーム検出器121の検出器中心129とは対応した位置関係となっているので、二次電子ビーム検出器121の検出器中心129と二次電子ビーム120の個別二次電子ビーム群との相対角度θrotをゼロとすることができる。
ここで、ユーザーは、二次光学系調整処理を完了する場合は、図3に示した二次光学系調整用GUI画面300に示した完了ボタン312を押釦操作する。
一方、さらに続けて二次光学系の調整を行う別の光学的条件がある場合は、自動でその二次光学系条件も読み出され装置に設定され、同様の手順で二次光学系を調整する。
<ステップS208:二次光学系調整終了処理>
二次光学系調整用GUI画面300の完了ボタン311を押釦操作することにより、二次光学系レンズ123,回転レンズ161等のパラメータで構成される二次光学系条件は、システム制御部135の制御部メモリ(図示省略)に一次光学条件と対応づけて書き込まれる。また、パターン検査動作時には、検査用開口パターン175が位置決め配置されるので、二次電子ビーム120を遮ることが無く、調整された光学条件を用いて二次電子ビーム120を効率よく二次電子ビーム検出器121まで導くことができる。
本実施の形態では、4本の個別二次電子ビーム、25個の個別ビーム検出器の場合を例に説明を行ったが、個別二次電子ビームの本数が2本以上、かつ個別ビーム検出器の数が個別二次電子ビームの本数以上存在し、個別ビーム検出器の信号が何らかの方法で合算し出力可能であれば、本実施の形態による二次光学系の調整方法は手順を変更することなく実施可能である。
101…電子銃、 102…陰極、 103…一次電子ビーム、
103a,103b,103c…個別一次電子ビーム、 104…電子銃レンズ、
105…陽極、 106…第一の陰極像、 107…コリメーターレンズ、
108…アパーチャーアレイ、 109…レンズアレイ、
110a,110b,110c…第二の陰極像、 111…ビームセパレーター、
112…対物レンズ、 113…走査偏向用偏向器、 114…表面電界制御電極、
115…ウェハ、 117…ステージ、 118a…リターディング電源、
118b…表面電界制御電源、 120…二次電子ビーム、
120a,120b,120c…個別二次電子ビーム、
121…二次電子ビーム検出器、
121a,121b,121c…個別ビーム検出器、
122…二次光学系アライナ、 123…二次光学系レンズ、
124…二次光学系開口板、 125…開口板可動機構、
126…検出器位置可動機構、 127…開口部、
128…開口中心、 129…検出器中心、
130、130a、130b、130c、130d…増幅回路、
131…A/D変換器、 132…記憶装置、 133…演算制御部、
134…欠陥判定部、 135…システム制御部、 136…画像表示装置、
137…走査信号発生装置、 138…ステージ制御装置、
139…光学系制御回路、 141…プリアパーチャー、
151…偏向中心、 152…偏向範囲、 153…個別開口、
154…個別開口中心、 161…レンズ、 171…光軸、
172…開口板位置調整用開口パターン、
173…ビーム間ピッチ調整用開口パターン、
174…検出器角度調整用開口パターン、
175…検査用開口パターン、 176…X可動機構、 177…Y可動機構、
211…画像中心、 212…二次元画像のパターンの対称性中心、
300…二次光学系調整用GUI画面、 300-1…開口板位置調整GUI画面、
300-2…光軸調整GUI画面、 300-3…倍率調整GUI画面、
302…ウエハマップ表示部、 303…二次元画像表示部、
304…フォーカススライダー、 305…アライナXスライダー、
306…アライナYスライダー、 307…ビーム番号選択欄、
308…開口板位置調整ボタン、 309…光軸調整ボタン、
310…倍率調整ボタン、 311…ビーム角度調整ボタン、
312…完了ボタン、 313…中止ボタン、
320…検出器信号表示部、 321…開口板位置Xスライダー、
322…開口板位置Yスライダー、 323…完了ボタン、
324…中止ボタン、 325…開口パターンチェックボックス、
330…レンズワブラーボタン、 331…光軸アライナXスライダー、
332…光軸アライナYスライダー、 333…完了ボタン、
334…中止ボタン、 340…ピッチ測定ボタン、
341…二次ビームピッチ表示部、 342…倍率スライダー、
343…フォーカススライダー、 344…完了ボタン、
345…中止ボタン、 350…ビーム角度測定ボタン、
351…相対角度表示部、 352…回転スライダー、
353…完了ボタン、 354…中止ボタン。

Claims (10)

  1. 荷電粒子線を試料上に照射し、発生する二次荷電粒子線を利用する荷電粒子線応用装置であって、
    複数の荷電粒子線を形成する荷電粒子線照射部と、
    前記複数の荷電粒子線を前記試料上に照射させるレンズ、及び前記複数の荷電粒子線を前記試料上で走査する偏向器を含む一次光学系と、
    複数の個別検出部を備えた信号検出部と、
    前記複数の荷電粒子線の照射に対応して前記試料上の複数箇所から発生する複数の二次荷電粒子線を前記検出部に入射させるための電磁レンズ系及び偏向器を含む二次光学系と、
    前記試料を移動させるステージと、
    前記信号検出部からの信号を処理する画像処理部と
    を備え、
    前記二次光学系には、開口部と遮蔽部とを有する二次光学系に対して出し入れ可能な構造物が配置されている
    ことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
  2. 請求項1記載の荷電粒子線応用装置であって、
    前記構造物は、前記前記二次光学系の偏向器と前記信号検出部との間に配置されている
    ことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
  3. 請求項2記載の荷電粒子線応用装置であって、
    前記構造物の開口部の大きさは、前記複数の二次荷電粒子線の各々がビーム偏向により走査される大きさよりも小さい
    ことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
  4. 請求項2記載の荷電粒子線応用装置であって、
    前記構造物は、複数の異なる形状の開口部を有している
    ことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
  5. 請求項2記載の荷電粒子線応用装置であって、
    前記構造物を、前記二次光学系の光軸と垂直な方向の位置を調整する機構を有する
    ことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
  6. 荷電粒子線を試料上に照射し、発生する二次荷電粒子線を利用する荷電粒子線応用装置であって、
    複数の荷電粒子線を形成する荷電粒子線照射部と、
    前記複数の荷電粒子線を前記試料上に照射させるレンズ、及び前記複数の荷電粒子線を前記試料上で走査する偏向器を含む一次光学系と、
    複数の個別検出部を備えた信号検出部と、
    前記複数の荷電粒子線の照射に対応して前記試料上の複数箇所から発生する複数の二次荷電粒子線を前記検出部に入射させるための電磁レンズ系及び偏向器を含む二次光学系と、
    前記試料を移動させるステージと、
    前記信号検出部からの信号を処理する画像処理部と
    を備え、
    前記複数の二次荷電粒子線を開口部に比べて広い範囲を走査させることで得られる画像を利用して、二次光学系の調整を行う二次光学系調整処理部を有する
    ことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
  7. 請求項6記載の荷電粒子線応用装置であって、
    前記複数の二次荷電粒子線の走査は、前記一次光学系の偏向器により実行する
    ことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
  8. 請求項6記載の荷電粒子線応用装置であって、
    前記複数の二次荷電粒子線の走査は、前記二次光学系の偏向器により実行する
    ことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
  9. 請求項6記載の荷電粒子線応用装置であって、
    前記信号検出部を、二次光学系の光軸を回転軸として、回転させる機構を有する
    ことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
  10. 請求項9記載の荷電粒子線応用装置であって、
    前記信号検出部の回転位置は、光学条件毎に装置内のデータベースに記録されている値に基づいて、光学条件切り替え時に自動設定される
    ことを特徴とする荷電粒子線応用装置。
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