JP6213190B2 - 強化ガラス板、及び強化ガラス板の製造方法 - Google Patents

強化ガラス板、及び強化ガラス板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、化学強化処理によって、表裏面の表層部に圧縮応力層が形成された強化ガラス板、及び強化ガラス板の製造方法に関する。
強化ガラス板は、近年急速に普及しているスマートフォンや、タブレット型PC等のモバイル機器において、ディスプレイ用のカバーガラスとして広く採用されている。これらのモバイル機器は、軽量であることが要求されるため、当該機器に採用される強化ガラス板においては、薄肉化が推進されているのが現状である。
強化ガラス板を製造する方法としては、例えば、物理強化による方法(風冷強化法)や、化学強化による方法(イオン交換法)等があるが、薄肉の強化ガラス板の製造には、化学強化による方法を採用する場合が多い。化学強化された強化ガラス板には、イオン強化層として板厚方向に厚みを有する圧縮応力層が表裏面の表層部に形成される。これにより、通常の板ガラスと比較して、表裏面の強度が大幅に向上している。
ところで、強化ガラス板は、表裏面が高い強度を備える一方で、外周端となる端面に作用する衝撃等に対して脆く、端面に発生した欠陥(クラック等)の進展により、破損しやすいという短所がある。そこで、このような短所を補い得る強化ガラス板として、端面の強度を向上させた強化ガラス板が、特許文献1,2に開示されている。
特許文献1には、化学強化処理により、表裏面の表層部のみでなく、端面の表層部にも圧縮応力層が形成された強化ガラス板が開示されている。特許文献2には、化学強化ではなく物理強化によって強化されたものではあるが、特許文献1に開示された強化ガラス板と同様に、端面の表層部に圧縮応力層が形成された強化ガラス板が開示されている。
特表2012−517957号公報 特開2000−203895号公報
特許文献1,2に開示された強化ガラス板によれば、端面の表層部に形成された圧縮応力層により、当該端面に発生した欠陥の進展を回避でき、当該強化ガラス板の破損を防止し得るものと期待される。しかしながら、上述のように強化ガラス板の薄肉化が推進されている現状の下においては、これらの文献に開示された強化の態様では、破損を防止し得るだけの端面の強度を十分に確保することが不可能となる恐れがある。
従って、とりわけ薄肉化された強化ガラス板においては、当該強化ガラス板の破損を的確に防止するため、端面の強度のさらなる向上を図ることが望まれる。このような事情に鑑みなされた本発明は、端面の強度を向上させた強化ガラス板を提供することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明は、化学強化処理によって、板厚方向に厚みを有する圧縮応力層が表裏面の表層部に形成された強化ガラス板であって、外周端となる端面の表層部に圧縮応力が作用した強化部を備え、前記端面から前記強化部の厚み方向に沿って内側に向かう向きを正として、前記端面からの距離を横軸にとり、圧縮応力を正、引張応力を負として、前記強化ガラス板に作用する応力の値を縦軸にとったとき、前記横軸上の前記強化部の厚みと対応する区間内での応力分布が、2つの圧縮応力の山を有することに特徴付けられる。ここで、「圧縮応力の山」とは、山を描くように圧縮応力の値が連続して分布していることを意味する。
このような構成によれば、強化部の厚みの範囲内で、圧縮応力の値が高められた領域が二箇所存在することになる。これにより、強化ガラス板の端面における強度を向上させることが可能となる。
上記の構成において、前記強化部の厚みが前記圧縮応力層の厚みの2倍以上であることが好ましい。
このようにすれば、強化ガラス板の端面の表層部において、圧縮応力が作用した強化部の厚みが十分に確保されるため、端面の強度がさらに向上した強化ガラス板とすることができる。
上記の構成において、前記2つの圧縮応力の山のうち、前記端面の側に位置する圧縮応力の山の高さが、内側に位置する圧縮応力の山の高さよりも高いことが好ましい。ここで、「圧縮応力の山の高さ」とは、山に含まれた圧縮応力の最大値を意味する。
このようにすれば、強化部の厚みの範囲内で、端面の側において内側よりも大きな圧縮応力が作用した状態となる。そのため、端面に発生した欠陥が内側に向かって進展することを防止する上で有利となる。
上記の構成において、前記2つの圧縮応力の山のうち、内側に位置する圧縮応力の山の幅が、前記端面の側に位置する圧縮応力の山の幅よりも広いことが好ましい。ここで、「圧縮応力の山の幅」とは、2つの圧縮応力の山によって形成された谷の谷底を通過する横軸に平行な直線を引いたときに、当該直線と圧縮応力の山との交点から谷底までの距離を意味する(詳しくは、後述の実施形態を参照)。
このようにすれば、強化部の厚みを大きくする上で有利となる。
また、上記課題を解決するために創案された本発明は、強化ガラス板の製造方法において、強化用の板ガラスに溶断用レーザーを照射して、該板ガラスを溶断する溶断工程と、溶断した前記板ガラスを、化学強化処理によって強化ガラス板とする強化工程とを含むことに特徴付けられる。
このような方法によれば、溶断工程において、溶断用レーザーを強化用の板ガラスに照射することで、レーザーを照射された領域が、レーザー熱によって溶融して溶融ガラスが生成される。また、生成された溶融ガラスが熱膨張して周辺部位(溶断後に切断端面の表層部となる部位)を圧縮する。従って、溶断後の板ガラスに形成された切断端面の表層部には、溶断に起因して発生した圧縮応力が作用した状態となる。その後、強化工程において、溶断した板ガラスを化学強化処理する際に、切断端面の表層部には、化学強化処理に起因して圧縮応力が新たに発生することになる。これにより、製造された強化ガラス板の端面(強化前においては板ガラスの切断端面)の表層部を、溶断に起因して発生した圧縮応力と、化学強化処理に起因して発生した圧縮応力との双方が作用した状態とすることができる。その結果、強化ガラス板における端面の強度を向上させることが可能となる。
上記の方法において、前記板ガラスの30℃〜380℃の温度域における熱膨張係数の値が、50×10−7/℃〜110×10−7/℃の範囲内であることが好ましい。
板ガラスの熱膨張係数の値を上記の範囲内とすれば、溶断工程において、溶融ガラスが熱膨張する際に、当該溶融ガラスによって周辺部位を好適に圧縮することができる。その結果、強化ガラス板の端面の表層部において、溶断に起因して発生した圧縮応力が、より効果的に作用した状態とすることが可能となる。また、溶断用レーザーの照射によって板ガラスが加熱された際に、当該板ガラスに割れが生じるような不具合の発生も好適に回避することができる。
上記の方法において、前記溶断用レーザーが、パルス発振されたレーザーであることが好ましい。
このようにすれば、溶断工程において、溶融ガラスに対し、断続的に応力波を作用させることができる。これにより、強化ガラス板の端面の表層部において、溶断に起因して発生した圧縮応力が、さらに効果的に作用した状態とすることが可能となる。
上記の方法において、前記溶断用レーザーの照射領域を含む領域に、該溶断用レーザーと比較してデフォーカスしたレーザーを照射することが好ましい。
このようにすれば、溶断工程において、デフォーカスしたレーザーが照射される領域のうち、溶断用レーザーの照射領域を基準として、溶断の進行方向前方側の領域では、デフォーカスしたレーザーの熱によって板ガラスを予熱することができる。また、溶断の進行方向後方側の領域では、デフォーカスしたレーザーの熱によって板ガラスを徐冷することが可能となる。このため、溶断時における板ガラスの急加熱や急冷に起因して、当該板ガラスに割れが生じるような事態の発生を防止することができる。
以上のように、本発明によれば、端面の強度が向上した強化ガラス板を得ることが可能となる。
本発明の実施形態に係る強化ガラス板を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る強化ガラス板の応力分布を示す図である。 本発明の実施形態に係る強化ガラス板の製造方法を示す平面図である。 図3における溶断用レーザーの照射領域の周辺を拡大した拡大図である。
以下、本発明の実施形態に係る強化ガラス板について、添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る強化ガラス板Gを示す断面図である。図1に示すように、強化ガラス板Gは、化学強化処理によって、板厚方向に厚みT1を有する圧縮応力層Aが表面Ga及び裏面Gbの表層部に形成されている。また、両圧縮応力層Aの間には引張応力層Bが形成されている。
さらに、強化ガラス板Gの外周端となる端面Gcの表層部に圧縮応力が作用した強化部Sを備えている。強化部Sの厚みT2は、圧縮応力層Aの厚みT1の2倍以上の厚みを有している。なお、本実施形態においては、強化ガラス板Gは矩形の形状を有しており、矩形の外周端における全周に沿って強化部Sを備えている。
図2は、強化ガラス板Gの応力分布を示す図である。図2における横軸は、図1に示した端面Gc上におけるO点から強化部Sの厚み方向に沿って内側に向かう向きXを正として、O点からの距離を示している。また、図2における縦軸は、圧縮応力を正、引張応力を負として、強化ガラス板Gに作用する応力の値を示している。
図2に示すように、強化ガラス板Gは、横軸上の強化部Sの厚みT2と対応する区間内(端面Gc上のO点から引張応力層Bに至るまでの区間内)での応力分布が、2つの圧縮応力の山M1,M2を有している。この2つの圧縮応力の山M1,M2の各々においては、山を描くように圧縮応力の値が連続して分布している。さらに、2つの圧縮応力の山M1,M2によって谷Vが形成されている。
2つの圧縮応力の山M1,M2のうち、端面Gcの側に位置する圧縮応力の山M1の高さP1は、内側に位置する圧縮応力の山M2の高さP2よりも高くなっている。また、内側に位置する圧縮応力の山M2の幅W2は、端面Gcの側に位置する圧縮応力の山M1の幅W1よりも広くなっている。
ここで、圧縮応力の山M1(M2)の高さP1(P2)は、圧縮応力の山M1(M2)に含まれた圧縮応力の最大値である。また、圧縮応力の山M1(M2)の幅W1(W2)は、谷Vの谷底Vaを通過する横軸に平行な直線X’を引いたときに、直線X’と圧縮応力の山M1(M2)との交点Q1(Q2)から谷底Vaまでの距離である。
以下、本発明の実施形態に係る強化ガラス板Gの作用・効果について説明する。
上記の強化ガラス板Gによれば、強化部Sの厚みT2の範囲内で、圧縮応力の値が高められた領域が二箇所存在する。これにより、強化ガラス板Gの端面Gcにおける強度を向上させることが可能となる。また、強化部Sの厚みT2が、圧縮応力層Aの厚みT1の2倍以上の厚みを有し、十分な厚みが確保されているため、端面Gcの強度がさらに向上した強化ガラス板Gとすることができる。
加えて、強化部Sの厚みT2の範囲内で、端面Gcの側において内側よりも大きな圧縮応力が作用した状態となっている。そのため、端面Gcに発生した欠陥が内側に向かって進展することを防止する上で有利である。さらに、内側に位置する圧縮応力の山M2の幅W2は、端面Gcの側に位置する圧縮応力の山M1の幅W1よりも広くなっている。このため、強化部Sの厚みT2を大きくする上で有利である。
以下、上記の強化ガラス板を製造するための方法について、添付の図面を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る強化ガラス板の製造方法は、強化用の板ガラスに溶断用レーザーを照射して、板ガラスを溶断する溶断工程と、溶断された板ガラスを、化学強化処理によって強化ガラス板とする強化工程とを含んでいる。
まず、強化用の板ガラスを用意する。この板ガラスのガラス組成としては、質量%で、SiO:50〜80%、Al:5〜25%、B:0〜15%、NaO:1〜20%、KO:0〜10%を含有することが好ましい。また、本実施形態では、30℃〜380℃の温度域における熱膨張係数の値が50×10−7/℃〜110×10−7/℃の範囲内の板ガラスを用いている。なお、熱膨張係数の値としては、60×10−7/℃〜100×10−7/℃の範囲内であることがより好ましく、70×10−7/℃〜95×10−7/℃の範囲内であることが最も好ましい。
次に溶断工程を実行する。溶断工程においては、図3に示すように、溶断用レーザーの照射領域Dを、板ガラスGGの切断予定線CLに沿ってC方向に移動させる。切断予定線CL(図3においては一部のみ図示)は、矩形を描く閉ループとなっており、溶断工程後、強化工程を経て強化ガラス板Gとされる製品部GGaと、廃棄される非製品部GGbとの境界となっている。すなわち、本実施形態では、矩形の製品部GGaを非製品部GGbが囲っている。
溶断用レーザーは、その焦点が板ガラスGGの厚みの範囲内か、範囲外であっても表面又は裏面の近傍に位置するように、板ガラスGGに集光させて照射される。さらに、本実施形態においては、溶断用レーザーの発振形態はパルス発振とされている。ここで、溶断用レーザーのパルス周期としては、10μs〜10000μsの範囲内であることが好ましい。また、溶断用レーザーのパルス幅としては、1μs〜1000μsの範囲内であることが好ましい。なお、溶断用レーザーの種類、波長、出力等は、板ガラスGGを溶断する速度(加工速度)や板ガラスGGの厚み、溶断用レーザーの照射領域Dにおける径(ビーム径)等に応じて調節すればよい。
また、溶断工程において、溶断用レーザーの照射領域Dを含む照射領域Eには、溶断用レーザーと比較してデフォーカスしたレーザーを照射する。このデフォーカスしたレーザーは、その焦点が板ガラスGGの表面又は裏面から離れた所定位置に位置するように照射されている。また、本実施形態においては、デフォーカスされたレーザーの光軸は、板ガラスGGの表裏面に対して傾斜していると共に、平面視で切断予定線CLと直交する方向に延びている。これにより、デフォーカスされたレーザーの照射領域Eは、切断予定線CLに対して直交する方向に長手となる楕円形に形成される。なお、デフォーカスしたレーザーの種類、波長、出力等は、溶断用レーザーと同様に、溶断の条件によって適宜調節すればよい。
さらに、溶断工程においては、溶断用レーザーの照射領域Dを指向して、溶断用レーザーの加熱によって溶融した溶融ガラスを飛散させるアシストガスAGを噴射する。このアシストガスAGは、板ガラスGGの面に沿って切断予定線CLと直交すると共に、製品部GGa側から非製品部GGb側に向かうように噴射される。
以上により、溶断工程においては、溶断用レーザーを板ガラスGGに照射することで、照射領域Dにおいて、溶断用レーザーの加熱により溶融ガラスが生成される。そして、生成された溶融ガラスを、アシストガスAGの圧力によって製品部GGa側から非製品部GGb側に飛散させて除去する。これにより、板ガラスGGを製品部GGaと非製品部GGbとに切断(溶断)する。そして、溶断工程が完了すると、板ガラスGGから矩形の製品部GGaがくり抜かれる。なお、溶断の進行に伴って、製品部GGa及び非製品部GGbには、切断端面が形成される。本実施形態において、製品部GGaは、その外周端における全周が溶断によって形成された切断端面となる。
また、溶断が進行する際、デフォーカスしたレーザーにより、当該レーザーの照射領域Eのうち、溶断用レーザーの照射領域Dを基準として、溶断の進行方向(C方向)前方側の領域Eaでは、デフォーカスしたレーザーの熱によって板ガラスGGが予熱される。さらに、溶断の進行方向(C方向)後方側の領域Ebでは、デフォーカスしたレーザーの熱によって板ガラスGGが徐冷される。
次に強化工程を実行する。本実施形態においては、強化液として硝酸カリウム溶融塩(KNO)を使用している。そして、板ガラスGGからくり抜かれた矩形の製品部GGaを強化液に浸漬することで、化学強化処理を施す。これにより、製品部GGaが強化され、強化ガラス板Gとなる。なお、製品部GGaを強化する強化時間としては、15分間〜16時間の範囲内とすることが好ましく、30分間〜8時間の範囲内とすることがより好ましい。また、製品部GGaを強化する際の温度としては、350℃〜550℃の範囲内とすることが好ましく、380℃〜480℃の範囲内とすることがより好ましい。
以下、本発明の実施形態に係る強化ガラス板の製造方法の作用・効果について説明する。
このような方法によれば、溶断工程において、図4(図3における溶断用レーザーの照射領域Dの周辺を拡大した拡大図)に白抜き矢印で示すように、溶断が進行する際に、溶断用レーザーの照射領域Dで生成された溶融ガラスが熱膨張し、周辺部位を圧縮する。従って、溶断後の製品部GGaに形成された切断端面(外周端における全周)の表層部には、溶断に起因して発生した圧縮応力が作用した状態となる。このことを主要因として、図2に示した圧縮応力の山M2が形成される。
その後、強化工程において、製品部GGaを化学強化処理する際に、切断端面の表層部には、化学強化処理に起因して圧縮応力が新たに発生することになる。このことを主要因として、図2に示した圧縮応力の山M1が形成される。
これらのことから、製造された強化ガラス板Gの端面Gc(外周端における全周)の表層部を、溶断に起因して発生した圧縮応力と、化学強化処理に起因して発生した圧縮応力との双方が作用した状態とすることができる。その結果、強化ガラス板Gにおける端面Gcの強度を向上させることが可能となる。加えて、この方法は、板ガラスGGを溶断して製品部GGaをくり抜いた後、当該製品部GGaに化学強化処理を施すのみで上述の作用・効果を得ることができる。すなわち、強化ガラス板Gの端面Gcにおける強度を、極めて簡便に向上させることが可能な方法となっている。
また、板ガラスGGの30℃〜380℃の温度域における熱膨張係数の値が、50×10−7/℃〜110×10−7/℃の範囲内にあるため、溶断工程において、溶融ガラスが熱膨張する際に、当該溶融ガラスによって周辺部位を好適に圧縮することができる。これにより、製造された強化ガラス板Gの端面Gcの表層部において、溶断に起因して発生した圧縮応力が、より効果的に作用した状態とすることが可能となる。また、溶断用レーザーの照射によって板ガラスGGが加熱された際に、当該板ガラスGGに割れが生じるような不具合の発生も好適に回避することができる。
さらに、溶断用レーザーが、パルス発振されたレーザーであることから、溶断工程において、溶融ガラスに対し、断続的に応力波を作用させることも可能となる。その結果、強化ガラス板Gの端面Gcの表層部において、溶断に起因して発生した圧縮応力が、さらに効果的に作用した状態とすることが可能となる。
加えて、溶断工程において、溶断用レーザーの照射領域Dを含む照射領域Eに、溶断用レーザーと比較してデフォーカスしたレーザーを照射している。このため、照射領域Eのうち、溶断の進行方向(C方向)前方側の領域Eaでは、デフォーカスしたレーザーの熱によって板ガラスGGを予熱することができる。また、溶断の進行方向(C方向)後方側の領域Ebでは、デフォーカスしたレーザーの熱によって板ガラスGGを徐冷することが可能となる。その結果、溶断時における板ガラスGGの急加熱や急冷に起因して、当該板ガラスGGに割れが生じるような事態の発生を防止することができる。
また、強化用の板ガラスGGが、上述した好ましいガラス組成を有する場合には、イオン交換性能と耐失透性を高いレベルで両立し易くなる。
ここで、本発明に係る強化ガラス板、及び強化ガラス板の製造方法は、上記の実施形態で説明した構成、或いは、態様に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態においては、強化ガラス板が矩形の形状を有し、矩形の外周端における全周に沿って強化部を備える構成となっているが、この限りではない。矩形における一辺に沿ってのみ強化部を備える構成とすることも可能である。このような強化ガラス板は、矩形における一辺のみがレーザーの照射によって溶断された板ガラスに、化学強化処理を施すことで製造することができる。
また、強化ガラス板の形状は矩形に限られるものではなく、任意の形状とすることができる。この場合、強化ガラス板の外周端における全周のうち、一部のみに強化部を備える構成とすることもできる。このような強化ガラス板は、外周端における全周のうち、一部のみがレーザーの照射によって溶断された板ガラスに、化学強化処理を施すことで製造することが可能である。
なお、本発明に係る強化ガラス板の製造方法は、端面の表層部にのみ圧縮応力が作用した板ガラスの製造に応用することも可能である。このような板ガラスを製造するための方法の一例を挙げる。まず、レーザー溶断によって板ガラスをくり抜く。そして、くり抜かれた板ガラスの表裏面をマスキングした後、化学強化処理を施す。このようにすれば、表裏面の表層部に圧縮応力層を形成することなく、端面の表層部に圧縮応力が作用した強化部を備える板ガラスを製造することができる。この板ガラスは、端面の強度が向上した板ガラスとなる。
本発明の実施例として、下記の条件(実施例1つ、比較例1つ)の下で強化ガラス板を製造した。そして、製造された強化ガラス板において、表裏面の表層部に形成された圧縮応力層の厚み、及び端面の表層部に形成された強化部の厚みを測定した。
実施例では、上記の実施形態に係る強化ガラス板の製造方法と同様の態様により、溶断工程と強化工程とを実行することで強化ガラス板を製造した。強化用の板ガラスとしては、日本電気硝子社製T2X−0を使用した。厚みは200μmである。溶断工程では、溶断用レーザーとして、波長が10.6μmの炭酸ガスレーザーを使用した。発振形態はパルス発振である。また、出力は8W、ビーム径は120μm、パルス周期は1000μs、パルス幅は100μsである。この溶断用レーザーの照射領域を、強化用の板ガラスに対して10mm/sの速度で移動させることで溶断した。強化工程では、溶断された板ガラスを420℃の硝酸カリウム溶融塩に3時間浸漬した。
比較例では、強化用の板ガラスとして実施例と同一のものを使用した。そして、実施例の溶断工程に代えて、強化用の板ガラスにおける端面(外周端)をホイール研磨によって形成した。強化工程は、実施例と同一の条件で実行した。
以下、製造された強化ガラス板において、表裏面の表層部に形成された圧縮応力層の厚み、及び端面の表層部に形成された強化部の厚みを測定した結果を示す。圧縮応力層の厚みについては、実施例及び比較例ともに26μmであった。一方、強化部の厚みについては、実施例が66μmであったのに対し、比較例は26μmであった。この結果、実施例の方が比較例よりも強化部の厚みを大きくできることが分かる。
以上のことから、本発明に係る強化ガラス板、或いは、強化ガラス板の製造方法によれば、強化ガラス板の端面における強度を向上させることが可能となるものと推認される。
G 強化ガラス板
Ga 強化ガラス板の表面
Gb 強化ガラス板の裏面
Gc 強化ガラス板の端面
A 圧縮応力層
S 強化部
M1,M2 圧縮応力の山
P1,P2 圧縮応力の山の高さ
W1,W2 圧縮応力の山の幅
T1 圧縮応力層の厚み
T2 強化部の厚み
D 溶断用レーザーの照射領域
E デフォーカスしたレーザーの照射領域
GG 板ガラス

Claims (8)

  1. 化学強化処理によって、板厚方向に厚みを有する圧縮応力層が表裏面の表層部に形成された強化ガラス板であって、
    外周端となる端面の表層部に圧縮応力が作用した強化部を備え、
    前記端面から前記強化部の厚み方向に沿って内側に向かう向きを正として、前記端面からの距離を横軸にとり、
    圧縮応力を正、引張応力を負として、前記強化ガラス板に作用する応力の値を縦軸にとったとき、
    前記横軸上の前記強化部の厚みと対応する区間内での応力分布が、2つの圧縮応力の山を有することを特徴とする強化ガラス板。
  2. 前記強化部の厚みが前記圧縮応力層の厚みの2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス板。
  3. 前記2つの圧縮応力の山のうち、前記端面の側に位置する圧縮応力の山の高さが、内側に位置する圧縮応力の山の高さよりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の強化ガラス板。
  4. 前記2つの圧縮応力の山のうち、内側に位置する圧縮応力の山の幅が、前記端面の側に位置する圧縮応力の山の幅よりも広いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の強化ガラス板。
  5. 強化ガラス板の製造方法であって、
    強化用の板ガラスに溶断用レーザーを照射して、該板ガラスを溶断する溶断工程と、
    溶断された前記板ガラスを、化学強化処理によって強化ガラス板とする強化工程とを含むことを特徴とする強化ガラス板の製造方法。
  6. 前記板ガラスの30℃〜380℃の温度域における熱膨張係数の値が、50×10−7/℃〜110×10−7/℃の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の強化ガラス板の製造方法。
  7. 前記溶断用レーザーが、パルス発振されたレーザーであることを特徴とする請求項5又は6に記載の強化ガラス板の製造方法。
  8. 前記溶断用レーザーの照射領域を含む領域に、該溶断用レーザーと比較してデフォーカスしたレーザーを照射することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の強化ガラス板の製造方法。
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