JP6212517B2 - Esd保護回路 - Google Patents

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Description

本発明は、測定器をESD(Electrostatic Discharge)から保護するESD保護回路に関するものである。
本発明における測定器は、被測定物から出力された電気信号を入力してその特性を評価する装置である。たとえば、所定のパルスパターンを有するディジタル信号を被測定物に入力し、被測定物を介して出力されたディジタル信号の誤り率を測定する誤り率測定器や、被測定物から出力された電気信号の時間軸波形を表示するオシロスコープ等が挙げられる。また、本発明における測定器は、被測定物に対して所定のパルスパターンを有するディジタル信号を発生するパルスパターン発生装置、被測定物からのディジタル信号を受信する誤り率測定器、被測定物に対して所望の電気信号を送信する信号発生装置、被測定物からの電気信号を受信する信号分析装置などが挙げられる。
ところで、被測定物と測定器を接続する際に用いられる同軸ケーブルの中心導体と外部導体の間には静電気が帯電することがあり、その静電気の高電圧により測定器の入出力部に用いられた半導体素子が破壊されて、測定器が使用不可能になる問題があった。
測定器の入出力部は、たとえば数百MHzから数十GHzといった高い周波数を扱う箇所であり、高い周波数になるほど半導体のプロセスは精細となるので半導体素子の耐電圧は低下する傾向がある。このため、ダイオードなどで構成された保護素子による半導体素子の保護が行なわれている。たとえば、下記特許文献1に開示されるようなESD保護回路が公知である。
特開2009−170626号公報
ところで、特許文献1のESD保護回路においては、保護素子の有する静電容量による高い周波数の成分へのインピーダンスの低下がカットオフ周波数の低下につながり、高い周波数での動作を阻害してしまうことを回避するため、2つの伝送線路は差動信号を入力する2つの入力端子との間に直列接続され、この伝送線路は入力信号の波長の1/4の線路長を有し、保護素子は伝送線路の間の接続ノードに一端を接続され、他端は接地端子に接続される構成としている。これにより、入力信号の波長の1/4のときに接地ノードを実質的に接地端子とみなすことで保護素子の有する静電容量を無視できるようにしている。また、ESD保護回路の従来技術として、図10に示すように入出力信号に対して並列に第1の保護素子10aと第2の保護素子10bが設けられた構成が公知である。ESDはプラスとマイナスの電圧が存在するため、伝送線路上にはプラス側の保護素子とマイナス側の保護素子として、たとえば互いにアノードとカソードを逆方向に接続した2本のダイオードが用いられる。
しかしながら、この特許文献1の構成では、波長の1/4の線路長となる周波数帯域では効果があるものの、たとえば数百MHzから数十GHzの帯域を有する高速ディジタル信号のような広帯域信号に対してはフラットな周波数特性が求められており、かつ、可能な限り高い周波数まで動作させる必要がある測定器では使用できない問題があった。さらに、ダイオードが1個であっても、その静電容量によりカットオフ周波数が下がるため、広帯域な特性が得にくかったが、従来は2個のダイオード、すなわち保護素子を2個並列接続することにより静電容量は2倍となるのでカットオフ周波数がより下がり、広帯域な特性をさらに得にくいという問題があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、広帯域にわたってフラットな周波数特性を得ることができ、可能な限り高い周波数まで周波数特性を伸ばすことができるESD保護回路を提供することを目的とするものである。
上記した目的を達成するために、請求項1記載のESD保護回路は、信号が伝送される第1の信号端子(50)または第2の信号端子(51)にESD(ElectrostaticDischarge)が印加されたときに、前記第1の信号端子または前記第2の信号端子に接続されている回路を前記ESDから保護するESD保護回路(100)であって、
一端が前記第1の信号端子に接続され、他端がグラウンド(20a)に接続された第1の静電容量を有する第1の保護素子(10a)と、
一端が前記第2の信号端子に接続され、他端がグラウンド(20b)に接続された第2の静電容量を有する第2の保護素子(10b)と、
前記第1の信号端子と、前記第2の信号端子との間に設けられ、前記第1の静電容量と前記第2の静電容量とに基づいて前記信号に所定の遅延時間を与える線路長(L)を有する伝送線路(11)とからなり、前記第1の静電容量と前記第2の静電容量の値が等しく、かつ、前記第1の静電容量と前記第2の静電容量の値が大きくなるに従い、前記遅延時間を与える前記線路長は前記遅延時間が長くなるようにされていることを特徴とする。
上記した目的を達成するために、請求項2記載のESD保護回路は、信号が伝送される第1の信号端子(50)または第2の信号端子(51)にESD(ElectrostaticDischarge)が印加されたときに、前記第1の信号端子または前記第2の信号端子に接続されている回路を前記ESDから保護するESD保護回路(100)であって、
一端が前記第1の信号端子に接続され、他端がグラウンド(20a)に接続された第1の静電容量を有する第1の保護素子(10a)と、
一端が前記第2の信号端子に接続され、他端がグラウンド(20b)に接続された第2の静電容量を有する第2の保護素子(10b)と、
前記第1の信号端子と、前記第2の信号端子との間に設けられ、前記第1の静電容量と前記第2の静電容量とに基づいて前記信号に所定の遅延時間を与える線路長(L)を有する伝送線路(11)とからなり、前記遅延時間を与える前記線路長は、下記の式
線路長L(mm)=α×√静電容量(fF)ただし、0.06<α<0.11
の関係とされていることを特徴とする。
請求項3記載のESD保護回路は、請求項1に記載のESD保護回路(100)において、前記遅延時間を与える前記線路長は、下記の式
線路長L(mm)=α×√静電容量(fF)ただし、0.06<α<0.11
の関係とされていることを特徴とする。
本発明のESD保護回路によれば、一端が第1の信号端子50に接続され、他端がグラウンド20aに接続された第1の静電容量を有する第1の保護素子10aと、一端が第2の信号端子51に接続され、他端がグラウンド20bに接続された第2の静電容量を有する第2の保護素子10bと、第1の信号端子50と、第2の信号端子51との間に設けられ、信号に所定の遅延時間を与える線路長Zを有する伝送線路11により、第1の保護素子10aおよび第2の保護素子10bの有する静電容量による高い周波数の成分へのインピーダンスの低下を抑止するようにしたので、カットオフ周波数を最高周波数に設定することができ、高速ディジタル信号のような広帯域でフラットな周波数特性が求められ、かつ、可能な限り高い周波数まで動作させる必要がある測定器をESDから保護することが可能となる。さらに、従来は2個のダイオード、すなわち保護素子を2個並列接続することにより静電容量は2倍となるのでカットオフ周波数がより下がり、広帯域な特性を得にくいという問題があったが、本発明の第1の静電容量と第2の静電容量とに基づいて信号に所定の遅延時間を与える線路長Lを有する伝送線路11により、保護素子が1個のときよりも広帯域な特性を得ることが可能となる。
また、本発明のESD保護回路によれば、第1の静電容量と第2の静電容量の値が等しく、かつ、第1の静電容量と第2の静電容量の値が大きくなるに従い、伝送線路11の線路長Lを遅延時間が長くなるようにしているので、第1の静電容量と第2の静電容量の値に基づいて広帯域な特性を得ることが可能となる。
また、本発明のESD保護回路によれば、遅延時間を与える伝送線路11の線路長Lは、線路長L(mm)=α×√静電容量(fF) ただし、0.06<α<0.11の関係としているので、この関係を用いることにより、第1の静電容量と第2の静電容量の値に基づいて伝送線路11で遅延時間を与える線路長Lを算出することが極めて容易となる。
本発明に係るESD保護回路の構成を示す概略図である。 本発明に係る保護素子の有する静電容量が10fFのときの各保護素子間距離ごとの周波数特性の一例である。 本発明に係る保護素子の有する静電容量が20fFのときの各保護素子間距離ごとの周波数特性の一例である。 本発明に係る保護素子の有する静電容量が50fFのときの各保護素子間距離ごとの周波数特性の一例である。 本発明に係る保護素子の有する静電容量が100fFのときの各保護素子間距離ごとの周波数特性の一例である。 本発明に係る保護素子の有する静電容量が200fFのときの各保護素子間距離ごとの周波数特性の一例である。 本発明に係る各遅延時間または各保護素子間距離と保護素子の有する各静電容量における−3dB帯域の一例を示す表である。 保護素子の有する静電容量と線路長Lおよび係数αとの関係を示す図である。 log静電容量とlog線路長でのプロット点と線形近似を示す図である。 従来のESD保護回路の一例を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者等によりなされる実施可能な他の形態、実施例および運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれる。
まず、本発明に係るESD保護回路の装置構成について、図1を参照しながら説明する。本例のESD保護回路100は、図示しない測定器の一例として、所定のパルスパターンを有するディジタル信号を被測定物に入力し、被測定物を介して出力されたディジタル信号の誤り率を測定する誤り率測定器や、被測定物から出力された電気信号の時間軸波形を表示するオシロスコープ等の入力端子近傍に設けられている。また、本例のESD保護回路100は、たとえば、被測定物に対して所定のパルスパターンを有するディジタル信号を発生するパルスパターン発生装置や、被測定物に対して所望の電気信号を送信する信号発生装置等の出力端子近傍に設けられている。
図1に示すように、本例の測定器保護装置1は、第1の信号端子50と、第2の信号端子51と、第1の保護素子10aと、第2の保護素子10bと、伝送線路11と、グラウンド20a、グラウンド20bとを備えている。
第1の保護素子10aの一端は、第1の信号端子50に接続され、第2の保護素子10bの一端は、第2の信号端子51に接続されている。第1の保護素子10aの他端は、グラウンド20aに接続され、第2の保護素子10bの他端は、グラウンド20bに接続されている。なお、第1の信号端子50、第2の信号端子51は、高い周波数の成分を通過させるため、同軸コネクタを用いることが望ましい。また、測定器内部に本発明のESD保護回路100を内蔵する場合には、同軸コネクタを用いずにマイクロストリップライン、コプレーナライン、同軸構造などをESD保護回路100の第1の信号端子50、第2の信号端子51に直接接続してもよい。また、ESD保護回路100は、図1のようなボックスに入れられた構成に限られず、図示しない測定器の回路基板上に構成してもよい。
[ESD保護回路の動作]
次に、上述したESD保護回路100における動作の一例について図1を参照しながら説明する。
ここでは、説明上、第1の信号端子50をたとえば入力端子とし、第2の信号端子51をたとえば出力端子として説明を行う。本発明のESD保護回路100は、入出力の方向性はないので、第1の信号端子50を出力端子とし、第2の信号端子51を入力端子として用いても支障はない。
第1の信号端子50には、図示しない外部の被測定物から出力された被測定信号が入力される。第1の信号端子50には、一端が第1の信号端子50に接続され、他端がグラウンド20aに接続された第1の静電容量を有する第1の保護素子10aが接続されている。ここで、第1の静電容量については、静電容量によって高い周波数の成分に対してインピーダンスが低下し、ESD保護回路100がローパスフィルタとして動作するため、高い周波数の成分がESD保護回路100を通過しにくくならないよう、できるだけ小さな静電容量となる保護素子を使用することが望ましい。たとえば、その静電容量は、たとえば数fF(フェムトファラド)から数百fF程度の静電容量である。第1の保護素子10aは、たとえばダイオードで構成され、所定の順方向電圧を超えた電圧、すなわち保護開始電圧が加わったときにオフからオンになり、第1の信号端子50または第2の信号端子51に加わったESDをグラウンド20aに流すことにより除去を行う。なお、順方向電圧は一般には0.6V程度のダイオードである。
入力端子に入力された被測定信号は、第1の信号端子50と、第2の信号端子51との間に設けられ、信号を所定時間遅延させる伝送線路11に入力され、所定時間の遅延が与えられる。ここで、所定時間の遅延とは、たとえば0.数psec(ピコセカンド)から数十psec程度の時間である。なお、伝送線路11は、たとえばマイクロストリップライン、コプレーナライン、同軸構造など、高い周波数の成分を持つ信号の伝送に適した構造により構成される。
伝送線路11で所定時間の遅延が与えられた被測定信号は、第2の信号端子51に入力される。第2の信号端子51には、一端が第2の信号端子51に接続され、他端がグラウンド20bに接続された第2の静電容量を有する第2の保護素子10bが接続されている。ここで、第2の静電容量については、静電容量によって高い周波数の成分に対してインピーダンスが低下し、ESD保護回路100がローパスフィルタとして動作するため、高い周波数の成分がESD保護回路100を通過しにくくならないよう、できるだけ小さな静電容量となる保護素子を使用することが望ましい。たとえば、その静電容量は、たとえば数fFから数百fF程度の静電容量である。第2の保護素子10bは、たとえばダイオードで構成され、所定の順方向電圧を超えた電圧、すなわち保護開始電圧が加わるとオフからオンになり、第1の信号端子50または第2の信号端子51に加わったESDをグラウンド20bに流すことにより除去を行う。なお、順方向電圧は一般には0.6V程度のダイオードである。また、第1の静電容量と第2の静電容量は略同じ静電容量の値とすることが望ましい。
第2の信号端子51からは、図示しない外部の測定器に対し、ESDを除去した被測定信号が出力される。なお、ESD保護回路100に対して外部の被測定物から出力された被測定信号が入力される形態のみならず、たとえば被測定物に対して所望の電気信号を送信する信号発生装置の出力端子を第1の信号端子50に接続し、ESD保護回路100を経由して第2の信号端子51から信号を出力するように接続を行ってもよい。
次に、上述したESD保護回路100における周波数特性の一例について図2から図6を参照しながら説明する。条件として、第1の静電容量と第2の静電容量の値は等しいものとする。また、保護素子の有する静電容量とは、第1の静電容量または第2の静電容量の何れか1個あたりの静電容量の値を指すものとする。さらに、保護素子間距離は、伝送線路11の線路長Lと同じ長さと定義する。
ところで、周波数特性を評価するにあたり、信号の振幅が−3dBとなる−3dB帯域は、一般的に周波数帯域幅を決定するときに用いられる判断指標である。たとえば高速ディジタル信号のような広帯域信号を通過させたいため、本発明においてはこの−3dB帯域の周波数が最大値となる遅延時間または保護素子間距離と、保護素子の有する静電容量との組み合わせが最適であるということができる。
次に、図2に、保護素子の有する静電容量が10fFのときの各保護素子間距離ごとの周波数特性を示す。保護素子間距離を0.25mmとしたときの−3dB帯域が83.1GHzと最大値を示していることがわかる。保護素子が1個のときの−3dB帯域は76.0GHzであるが、2個の保護素子を用い、かつ保護素子間距離を0.25mmとしたときのほうが広帯域な特性を得られていることもわかる。従来は、ESDはプラスとマイナスの電圧が存在するため、伝送線路上にはプラス側の保護素子とマイナス側の保護素子として、たとえば互いにアノードとカソードを逆方向に接続した2本のダイオードが用いられている。このため、2個のダイオード、すなわち保護素子を2個並列接続することにより静電容量は2倍となるのでカットオフ周波数が下がり、広帯域な特性を得にくかったが、本発明による保護素子間距離の設定により、保護素子が1個のときよりも広帯域な特性を得ている。
同様に、図3に、保護素子の有する静電容量が20fFのときの各保護素子間距離ごとの周波数特性を示す。保護素子間距離を0.50mmとしたときの−3dB帯域が56.6GHzと最大値を示していることがわかる。保護素子が1個のときの−3dB帯域は55.2GHzであるが、2個の保護素子を用い、かつ保護素子間距離を0.50mmとしたときのほうが広帯域な特性を得られていることもわかる。
同様に、図4に、保護素子の有する静電容量が50fFのときの各保護素子間距離ごとの周波数特性を示す。保護素子間距離を0.50mmとしたときの−3dB帯域が34.8GHzと最大値を示していることがわかる。保護素子が1個のときの−3dB帯域は32.5GHzであるが、2個の保護素子を用い、かつ保護素子間距離を0.50mmとしたときのほうが広帯域な特性を得られていることもわかる。
同様に、図5に、保護素子の有する静電容量が100fFのときの各保護素子間距離ごとの周波数特性を示す。保護素子間距離を0.75mmとしたときの−3dB帯域が23.5GHzと最大値を示していることがわかる。保護素子が1個のときの−3dB帯域は22.0GHzであるが、2個の保護素子を用い、かつ保護素子間距離を0.75mmとしたときのほうが広帯域な特性を得られていることもわかる。
同様に、図6に、保護素子の有する静電容量が200fFのときの各保護素子間距離ごとの周波数特性を示す。保護素子間距離を1.25mmとしたときの−3dB帯域が15.6GHzと最大値を示していることがわかる。保護素子が1個のときの−3dB帯域は13.8GHzであるが、2個の保護素子を用い、かつ保護素子間距離を1.25mmとしたときのほうが広帯域な特性を得られていることもわかる。
次に、図2から図6の各説明で説明した本発明の周波数特性の一例に基づき、図7に各遅延時間または各保護素子間距離と保護素子の各静電容量における−3dB帯域の一例を表で示す。下線を付した周波数が保護素子の各静電容量における−3dB帯域が最大となった周波数を示している。これより、最大となった周波数に対応する遅延時間および保護素子間距離を読み取ることができる。ここでは、信号を所定時間遅延させる伝送線路11の長さは、たとえば1mmあたり5psec遅延するとして換算している。たとえば、保護素子間距離が0.25mmであれば、遅延時間は1.25psecであると換算できる。たとえば、保護素子の有する静電容量が10fFのとき、遅延時間を1.25psec、すなわち0.25mmの保護素子間距離に設定したときに−3dB帯域は83.1GHzと最大値を示している。
同様に、図7において、保護素子の有する静電容量が20fFのとき、遅延時間を2.50psec、すなわち0.50mmの保護素子間距離に設定したときに−3dB帯域は56.6GHzと最大値を示している。
同様に、図7において、保護素子の有する静電容量が50fFのとき、遅延時間を2.50psec、すなわち0.50mmの保護素子間距離に設定したときに−3dB帯域は34.8GHzと最大値を示している。
同様に、図7において、保護素子の有する静電容量が100fFのとき、遅延時間を3.75psec、すなわち0.75mmの保護素子間距離に設定したときに−3dB帯域は23.5GHzと最大値を示している。
同様に、図7において、保護素子の有する静電容量が200fFのとき、遅延時間を6.25psec、すなわち1.25mmの保護素子間距離に設定したときに−3dB帯域は15.6GHzと最大値を示している。
前述したように、第1の静電容量と第2の静電容量の値が等しく、かつ、第1の静電容量と第2の静電容量の値が大きくなるに従い、伝送線路11の線路長Lを遅延時間が長くなるようにすることにより、第1の静電容量と第2の静電容量の値に基づいて広帯域な特性を得ることが可能となる。
また、伝送線路11をレーザなどで公知のトリミングによる加工を行うことにより、一部の伝送線路11の線路幅を狭くして高インピーダンスにすることで、保護素子の有する静電容量による低インピーダンスを補正する手法が従来から行われている。本発明に、このトリミングによる低インピーダンスを補正する手法を組み合わせて、さらなる広帯域特性やフラットな周波数特性を実現させてもよい。
次に、伝送線路11で遅延時間を与える線路長Lと、保護素子の有する静電容量との関係について図8を参照しながら説明する。図8は、図7で保護素子の各静電容量における−3dB帯域が最大となった周波数に対応する線路長Lを読み取り、縦軸を線路長、横軸を静電容量とした軸にそれぞれプロットしたものである。これらのプロットした点に対して累乗近似の曲線を求めた。この累乗近似の曲線を式で表すと、線路長L(mm)=0.094×静電容量(fF)^0.47となった(^は乗数を示す)。ここで、0.094の値は係数であるので係数αとする。また、0.47乗は略0.5乗であり、すなわち√(自乗根)と考えることができる。
ここで、前述のプロットした点を全て含む係数αの範囲を求める。線路長L(mm)=α×√静電容量(fF)の式において、係数αを逐次変更して算出したところ、係数αが0.094を略中心に、0.06から0.11の範囲内としたとき、プロットした点が全て含まれることとなった。係数αを0.06と、0.11とした場合の曲線をそれぞれ図8に示す。このことより、伝送線路11で遅延時間を与える線路長Lは、線路長L(mm)=α×√静電容量(fF) ただし、0.06<α<0.11の関係であるといえる。
次に、前述した静電容量の0.47乗の値の検証に関して、図9を参照しながら説明する。図9は、図7で保護素子の各静電容量における−3dB帯域が最大となった周波数に対応する線路長Lを読み取り、縦軸をlog線路長に換算し、横軸をlog静電容量に換算した軸にそれぞれプロットしたものである。
log線路長は、たとえば0.25mmの線路長は−0.60206と表され、0.50mmの線路長は−1.30103と表され、0.75mmの線路長は−1.24939と表され、1.25mmの線路長は0.09691と表される。
log静電容量は、たとえば10fFのlog静電容量は1と表され、20fFのlog静電容量は1.30103と表され、50fFのlog静電容量は1.69897と表され、100fFのlog静電容量は2と表され、200fFのlog静電容量は2.30103と表される。
これらのプロットした点に対して線形近似の直線を求めた。この線形近似の直線を式で表すと、log線路長=0.4701×log静電容量−1.0269となった。このことから、線路長Lと静電容量とは、0.47乗の関係であることが求まる。0.47乗は、略0.5乗であり、すなわち√(自乗根)と考えることができる。
前述したことから、伝送線路11で遅延時間を与える線路長Lは、線路長L(mm)=α×√静電容量(fF) ただし、0.06<α<0.11の関係であるといえる。保護素子の有する静電容量は、保護素子の仕様や実測により求めることが可能であり、この関係を用いることにより、第1の静電容量と第2の静電容量の値に基づいて伝送線路11で遅延時間を与える線路長Lを算出することが極めて容易となる。
10a…第1の保護素子
10b…第2の保護素子
11…伝送線路
20a…第1のグラウンド
20b…第2のグラウンド
50…第1の信号端子
51…第2の信号端子
100…ESD保護回路
L…線路長(保護素子間距離)
α…係数

Claims (3)

  1. 信号が伝送される第1の信号端子(50)または第2の信号端子(51)にESD(ElectrostaticDischarge)が印加されたときに、前記第1の信号端子または前記第2の信号端子に接続されている回路を前記ESDから保護するESD保護回路(100)であって、
    一端が前記第1の信号端子に接続され、他端がグラウンド(20a)に接続された第1の静電容量を有する第1の保護素子(10a)と、
    一端が前記第2の信号端子に接続され、他端がグラウンド(20b)に接続された第2の静電容量を有する第2の保護素子(10b)と、
    前記第1の信号端子と、前記第2の信号端子との間に設けられ、前記第1の静電容量と前記第2の静電容量とに基づいて前記信号に所定の遅延時間を与える線路長(L)を有する伝送線路(11)とからなり、前記第1の静電容量と前記第2の静電容量の値が等しく、かつ、前記第1の静電容量と前記第2の静電容量の値が大きくなるに従い、前記遅延時間を与える前記線路長は前記遅延時間が長くなるようにされていることを特徴とするESD保護回路。
  2. 信号が伝送される第1の信号端子(50)または第2の信号端子(51)にESD(ElectrostaticDischarge)が印加されたときに、前記第1の信号端子または前記第2の信号端子に接続されている回路を前記ESDから保護するESD保護回路(100)であって、
    一端が前記第1の信号端子に接続され、他端がグラウンド(20a)に接続された第1の静電容量を有する第1の保護素子(10a)と、
    一端が前記第2の信号端子に接続され、他端がグラウンド(20b)に接続された第2の静電容量を有する第2の保護素子(10b)と、
    前記第1の信号端子と、前記第2の信号端子との間に設けられ、前記第1の静電容量と前記第2の静電容量とに基づいて前記信号に所定の遅延時間を与える線路長(L)を有する伝送線路(11)とからなり、前記遅延時間を与える前記線路長は、下記の式
    線路長L(mm)=α×√静電容量(fF)ただし、0.06<α<0.11
    の関係とされていることを特徴とするESD保護回路。
  3. 前記遅延時間を与える前記線路長は、下記の式
    線路長L(mm)=α×√静電容量(fF)ただし、0.06<α<0.11
    の関係とされていることを特徴とする請求項1に記載のESD保護回路。
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