JP6211763B2 - 金属ネットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属線材をメリヤス編みして得られる金属ネットの製造方法に関する。
従来、金属線材をメリヤス編みして形成される金属ネット、またはワイヤーメッシュとも称される製品が知られている。金属ネットの製造に用いられる金属線材としては、例えば、ステンレス鋼線、鉄線、銅−ニッケル合金(白銅),銅−ニッケル−亜鉛合金(洋白),黄銅,ベリリウム銅等の銅合金からなる金属線材、インコネル(登録商標)等のニッケル系金属からなる金属線材、チタンやチタン合金等のチタン系金属からなる金属線材、アルミニウムやアルミニウム合金からなる金属線材等が挙げられる。
このような金属ネットは、その金属本来の特徴と併せて、その柔軟性、伸縮性、クッション性、濾過性等の要素を活かして幅広い用途に用いられている。具体的には、例えば、エンジンに接続された排気管周りに配設される緩衝材として圧縮されて用いられたり、下記特許文献1に示すような、エンジンに接続された排気管の球面継手のシール体を製造するために圧縮されて用いられたり、下記特許文献2に示すような、自動車のエアバックのインフレータを製造するために圧縮されて用いられたりするような用途が知られている。
また、例えば、下記特許文献3は、例えば図11に示すような、チタン製線材をメリヤス編みして形成された円筒状の金属網状体を所定の形状に成形し、成形された金属網状体をプレスして得られる細胞誘導材料を開示する。そして、このような細胞誘導材料によれば、メリヤス編みされたチタン製線材の空隙に細胞が形成されるために、生体との一体性に優れた材料が得られ、人工歯根、人工関節、骨補填、皮膚端子等の医療材料として用いられることが開示されている。
WO2007/018173号パンフレット 特開平11−197422号公報 特開2011−229761号公報
従来、広く用いられている、ステンレス鋼線、鉄線、銅合金等からなる比較的粘りの強い金属線材を用いてメリヤス編みの工程により金属ネットを形成する場合、線径の細い金属線材を用いた場合であっても生産性良く安定的に金属ネットを形成することができていた。一方、例えば、チタン系線材やアルミニウム系線材のような比較的硬い金属線材や、線径の細い金属線材を用いて金属ネットを形成しようとした場合、例えば、図9で示すように、ネット構造を形成できなかったり、図10で示すように、金属線材が切断してループが形成されない部分ができてしまったりすることがあった。このような問題は、編成速度を低下させることにより、多少改善される場合もあるが、編成速度を低下させることは工業的な生産の観点から好ましくなく、また、金属線材の種類によっては編成速度を著しく低下させても殆ど問題が改善されないこともあった。
本発明は、上述したような問題、すなわち、切れやすい金属線材や線径の細い金属線材を用いた場合であっても、金属ネットを安定的に製造できる方法を提供することを目的とする。
金属線材をメリヤス編みして金属ネットを形成する場合、編成動作においてループを形成する際に金属線材に高いテンションが掛かる。例えば、金属線材のメリヤス編みの工程においては、予め形成されたループに新たなループを形成させてくぐらせるために、図12に示すように、フック5aを有する編み針5で金属線材1を捕捉した後、折り曲げてループを形成させるような工程がある。このような工程においては、金属線材1は、編み針5のフック5aに引っ張られることにより、高いテンションを受ける。本発明者らは、上述したような金属線材の切断は、このようなメリヤス編みの工程において、金属線材に高いテンションが掛かったり、金属線材1とフック5aとの金属表面同士が摩擦したり、金属線材1がフック5aに捕捉されて折り曲げられる際に急激な曲げによる応力の集中等を受けること等を原因とするのではないかと考えた。そして、メリヤス編みの際に金属線材に掛かる負担を低減させることにより、金属線材の切断が抑制されるのではないかと考え、鋭意検討することにより本発明に想到するに至った。
すなわち、本発明の一局面は、金属線材と、該金属線材に沿わせた選択的に除去可能な材料からなる補助線材と、をメリヤス編みすることによりネット体を形成する工程と、ネット体から補助線材を選択的に除去する工程と、を備える金属ネットの製造方法である。このような金属ネットの製造方法によれば、金属線材に後に除去される補助線材を沿わせていることにより、メリヤス編みする際のループを形成する工程等において金属線材に掛かる負担を低減させることができる。その結果、切れやすい金属材料からなる線材や線径の細い線材を用いても、金属線材が切れることを抑制できる。そして、メリヤス編みの後、補助線材を除去することにより、切れやすい金属線材や線径の細い金属線材を用いた場合であっても、高い生産性を維持しながら金属ネットを安定的に生産することができる。また、副次的な効果としては編み針と金属線材との金属表面同士の摩擦が低減されることにより、編み針の摩耗が抑制され、その結果、編み針の寿命も長くなるという効果もある。
上記補助線材を選択的に除去する工程は、金属線材を除去せずに補助線材のみを選択的に溶解又は分解する処理液により、補助線材を除去する工程であることが好ましい。具体的には、例えば、水溶性ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂の繊維を補助線材として用い、このような水溶性樹脂の繊維を、水、好ましくは熱水を用いて選択的に溶解除去するような方法が好ましい。または、補助線材としてポリエステル等のアルカリ分解性の繊維を用い、このようなアルカリ分解性の繊維をアルカリ性水溶液中で処理することにより選択的に分解除去するような方法も好ましい。さらには、所定の有機溶剤に溶解する繊維を補助線材として用い、このような繊維を有機溶剤に溶解させることにより除去するような方法であってもよい。
また、上記補助線材を選択的に除去する工程の別の例としては、補助線材である繊維を燃焼させて焼失させることにより補助線材のみを除去する方法も挙げられる。
上述したような金属ネットの製造方法は、チタン系線材やアルミニウム系線材のような切れやすい金属線材を用いる場合に、とくに優れた効果を発揮する。
また、補助線材がマルチフィラメントまたはヤーンと呼ばれるような複数のモノフィラメントを含む繊維である場合には、メリヤス編み工程においてマルチフィラメントが解きほぐされて、モノフィラメントが金属線材の周囲を偏りなく覆うように配されるようになる。この場合には、金属線材の周囲が保護されることにより、摩擦による影響がさらに抑制されるとともに、モノフィラメント化して細線化することにより除去効率が向上する点から好ましい。
また、補助線材の引張破断強度が金属線材の引張破断強度よりも高い場合には、メリヤス編みの工程において、テンションを補助線材に充分に分散させることにより、金属線材に掛かるテンションを低減することができ、その結果、金属線材の切断を抑制することができる。
また、本発明の他の一局面は、選択的に除去可能な補助材料で少なくとも外周の一部分が被覆された被覆金属線材をメリヤス編みすることによりネット体を形成する工程と、ネット体から補助材料を選択的に除去する工程と、を備える金属ネットの製造方法である。
また、上述したような金属ネットの製造方法によれば、従来の技術では得られなかった、チタン系線材又はアルミニウム系線材をメリヤス編みして得られた金属ネットであって、線材の直径は40〜200μmであり、メリヤス編みの縦目2〜6mm、横目1〜5mmであり、100cm2あたりの切断部の数が平均2個以下であるような金属ネットを得ることができる。
本発明の金属ネットの製造方法によれば、切れやすい金属線材や、線径の細い金属線材を用いた場合であっても、金属ネットを安定的に生産することができる。
図1は第一実施形態における、筒状のネットを編む丸編機100によるメリヤス編みを説明する説明図である。 図2は金属線材1と補助線材2とが重ねられて編み込まれたネット体9の編み目を示す部分拡大模式図である。 図3は金属線材1の周囲にマルチフィラメントである補助線材2が解きほぐれてモノフィラメント2aが配されたときの様子を示す模式図である。 図4は補助線材2を除去して得られた金属ネット10の編み目を示す部分拡大模式図である。 図5は第二実施形態における、筒状のネットを編む丸編機110によるメリヤス編みを説明する説明図である。 図6は被覆金属線材11を編んで形成したネット体19の編み目を示す部分拡大模式図である。 図7は補助材料12を除去して得られた金属ネット20の編み目を示す部分拡大模式図である。 図8は実施例で得られたチタン線材の金属ネットの写真である。 図9は比較例1で得られたチタン線材の金属ネットの写真である。 図10は比較例2で得られたチタン線材の金属ネットの写真である。 図11は金属線材を筒状にメリヤス編みして形成された金属ネットの模式図である。 図12はメリヤス編みの工程において、編み針5のフック5aが金属線材1を捕捉するときの様子を説明するための説明図である。
[第一実施形態]
本発明に係る金属ネットの製造方法の一実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態の金属ネットの製造方法としては、その代表例として丸編機を用いる場合について詳しく説明する。なお、本発明は丸編機を用いる場合に限られず、たて編機やよこ編機を用いたり、手編み方法のような、編み針を用いて金属線材のループを形成し、予め形成されているループにくぐらせて次の編み目を形成することを繰り返してネットを編むような編み方であれば、編み方は特に限定されない。
図1は、丸編機100を用いて、金属線材1に、選択的に除去可能な材料からなる補助線材2を沿わせて筒状のネット体9を編むときの様子を説明ための模式図である。丸編機100は、金属線材1と補助線材2とを束ねるためのガイド3、金属線材1と補助線材2との束を引き取りながら回転軸に沿って回転する糸道支柱4、編み針5、複数本の編み針5を円周に沿って略等間隔で取り付ける円筒状の編み針取付台6、回転軸に沿って回転することにより各編み針5の下端を押して各編み針5を上昇運動または下降運動させるカム7、図略のモータにより回転軸に沿って一方向に回転する円形の回転台8を備える。糸道支柱4及びカム7は回転台8に支持されており、回転台8の回転軸に沿って、回転台8と同期して回転する。また、図1に拡大図として示したように、編み針5はその先端に、金属線材1を捕捉するためのフック5aと、金属線材を離脱させるための、べら5bとを有する。
本実施形態においては、糸道支柱4及びカム7は回転台8に支持されて一方向に同期して回転している。メリヤス編みの工程においては、はじめに、ガイド3で束ねられた金属線材1及び補助線材2を、糸道支柱4が回転しながら連続して引き取る。そして、編み針取付台6に取り付けられた各編み針5はカム7により下端を押されてそれぞれ一定の周期で上昇運動または下降運動を繰り返す。そして上昇した編み針5は、束ねられた金属線材1と補助線材2とをフック5aで捕捉する。フック5aで捕捉された金属線材1と補助線材2は、下降する編み針5の動作により、ループを形成するように曲げられる。そして、形成されたループは、予め形成されている前ループにくぐらされ、その後、上昇する編み針5の動作によりべら5bを開放し、ループを編み針5から離脱させる。このような動作を繰り返すことにより、連続するループ状の編み目を形成していく。このようにして金属ネットが形成されていく。形成された金属ネット9は、図1の下矢印で示す方向に引きとられる。このような工程により、図2に示すような、金属線材1と補助線材とが重ねられて編み込まれたようなネット構造を有する筒状の金属ネット9が形成される。
金属線材1の種類は特に限定されない。その具体例としては、例えば、チタン又はチタン合金からなるチタン系線材;アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム系線材;ステンレス鋼線;鉄線;銅−ニッケル合金(白銅),銅−ニッケル−亜鉛合金(洋白),黄銅,ベリリウム銅等の銅合金の線材;インコネル(登録商標)等のニッケル系金属の線材等の金属線材が挙げられる。また、金属線材の線径は特に限定されないが、例えば、線径10〜1000μm、さらには40〜600μm、とくには、50〜200μmの線材が好ましく用いられる。これらの中では、50〜200μmの線径のチタン系線材やアルミニウム系線材を用いる場合に、本発明の効果が特に顕著に奏される。
一方、補助線材2としては、メリヤス編みの後、後述する補助線材を除去する工程で、溶解、分解、燃焼等の手段により、金属線材1を残したまま選択的に除去できる線材であれば特に限定なく用いられる。このような補助線材の具体例としては、例えば、水、好ましくは熱水で除去可能な水溶性ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂の繊維や、アルカリ性水溶液中で分解可能なポリエチレンテレフタレート繊維のようなポリエステル繊維等のアルカリ分解性樹脂の繊維や、所定の有機溶剤に溶解する各種樹脂を含む繊維や、燃焼させることにより焼失するアクリル繊維等の合成繊維や天然繊維が挙げられる。これらの中では、熱水中で容易に除去できる点から、水溶性ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂の繊維を用いることが特に好ましい。水溶性ポリビニルアルコールの繊維としては、例えば、(株)ニチビ製の商品名ソルブロンや、(株)クラレ製の商品名ミントバール等が挙げられる。なお、補助線材は単糸の繊維からなるストランド状のものであっても、複数のモノフィラメントを撚糸して複合化させたマルチフィラメント又はヤーンと称されるようなものであってもよい。
なお、マルチフィラメントまたはヤーンからなる補助線材2を用いた場合には、図3に示したように、メリヤス編みの工程においてマルチフィラメントが解きほぐされて形成されたモノフィラメント2aが金属線材1の周囲に万遍なく配分されるような形態で編み込まれることがある。とくに、丸編機を用いた場合には、メリヤス編みの工程においてマルチフィラメントが回転運動によりねじられるために、解きほぐされやすくなる。このような場合には、金属線材の広い面積がモノフィラメントにより保護されることにより、編み針との摩擦による負担がさらに低減される。また、後述する補助線材の選択的除去の効率が向上する点から好ましい。例えば、補助線材が溶剤に溶解されたり分解剤で分解されて除去されるような場合には、メリヤス編みの工程においてモノフィラメントに解きほぐされることにより、溶剤や分解剤との接触面積が大きくなることにより溶解速度や分解速度が向上する。
補助線材の線径は特に限定されないが、例えば、繊度が30〜1000dtex、さらには、100〜700dtexの線材が好ましく用いられる。また、マルチフィラメントやヤーンを用いる場合には、モノフィラメントの本数(F)としては、例えば、9〜200F、さらには50〜200Fの線材が好ましく用いられる。さらに、モノフィラメントの本数Fに対する繊度(dtex/F(フィラメント数))としては、31dtex/9F〜660dtex/200Fのような線材が好ましく用いられる。
また、補助線材の引張破断強度としては、金属線材の引張破断強度よりも高いこと、具体的には、1.1倍以上、さらには1.5倍以上、とくには2倍以上であることが好ましい。このような場合には、メリヤス編みの工程において掛かるテンションが補助線材に分散されることにより、金属線材に掛かるにテンションを低減することができ、それにより、金属線材の切断をより充分に抑制することができる。
次に、上述のようにしてメリヤス編みされて得られた、図2に示したようなネット体9から、補助線材2を選択的に除去する工程について説明する。本工程は、補助線材2の種類に応じて、金属線材1を除去せずに補助線材2のみを選択的に除去できる方法が適宜選択されて実施される。例えば、補助線材2が所定の液で溶解または分解される線材である場合、補助線材2を溶解または分解する液にネット体9を浸漬処理するような方法が挙げられる。
例えば、補助線材2が水溶性ポリビニルアルコールの繊維である場合、ネット体9を水、好ましくは熱水に浸漬することにより補助線材2を溶解除去する方法が挙げられる。水温や処理時間は水溶性ポリビニルアルコールの溶解速度や溶解性に応じて適宜選択されるが、例えば、50℃以上、さらには70℃以上、とくには90℃以上の熱水を用いることが好ましい。また、溶解除去の処理は、ネット体9を水に浸漬し、必要に応じて、ネット体9に超音波を照射したり、振盪したり、撹拌したりすること等により、溶解効率を向上させるような処理を施してもよい。
また、例えば、補助線材2がポリエステル等のアルカリ分解性樹脂を含む繊維である場合、ネット体9をアルカリ性水溶液、特に好ましくは熱アルカリ性水溶液に浸漬することにより補助線材2を溶解除去する方法が挙げられる。さらに、補助線材2が燃焼させることにより焼失するアクリル繊維等の繊維である場合、ネット体9を加熱炉等に収容して補助線材2のみを焼失させるような条件で加熱処理する方法が挙げられる。
このような補助線材2を選択的に除去する工程により、図2に示したようなネット体9から補助線材2が選択的に除去された結果、図4に示したような金属線材1がメリヤス編みされたネット構造を有する筒状の金属ネット10が形成される。このような金属ネットの製造方法によれば、メリヤス編みの工程で金属線材1に付与される負荷や摩擦力が補助線材2に分散されるために、金属線材1の切断を抑制しながらメリヤス編みを行うことができる。そして、メリヤス編みされた金属線材1と補助線材2とを含むネット体9から補助線材2のみを選択的に除去することにより、メリヤス編みされた金属線材1からなる金属ネット10が安定的に得られる。
以上説明したような本実施形態の金属ネットの製造方法によれば、切れやすい金属線材や線径の細い金属線材を用いても、金属線材の切断を抑制しながら金属ネットを生産性良く安定的に製造することができる。金属ネットの目開きは特に限定されないが、例えば、縦目2〜6mmであり、横目1〜5mmのような目開きの小さな金属ネットを製造する場合に、本発明の効果は特に顕著に奏される。例えば、従来、金属線材として直径40〜200μmであるようなチタン系線材やアルミニウム系線材を用いて、メリヤス編みのループの縦目2〜6mm、横目1〜5mmの金属ネットを得ようとした場合、編むことすら困難であるか、例えば、100cm2あたり平均10個以上の切断部が生じていたが、本実施形態の製造方法によれば、100cm2あたり平均2個以下、さらには1個以下、好ましくはほぼ0個のようなチタン系線材やアルミニウム系線材の金属ネットが得られる。
[第二実施形態]
次に上述した第一実施形態の金属ネットの製造方法の変形例である第二実施形態の金属ネットの製造方法について説明する。なお、第二実施形態の金属ネットの製造方法は、第一実施形態の金属ネットの製造方法において、金属線材1と補助線材2とを束ねて筒状のネット体9を形成する代わりに、金属線材1の表面を選択的に除去可能な補助材料12で被覆して形成された被覆金属線材11を用いて筒状のネット体19を形成する方法である。なお、第一実施形態で示した符号と同じ符号で示した要素は、同様の要素を示す。
図5は、選択的に除去可能な補助材料12で金属線材1を被覆して形成された被覆金属線材11からなる筒状のネット体19を丸編機110を用いて編むときの様子を説明するための模式説明図である。被覆金属線材11は金属線材1の周囲を補助材料12で被覆して形成されている。丸編機110は、第一実施形態の丸編機100において、金属線材1と補助線材2とをガイド3で束ねて糸道支柱4に送る代わりに、被覆金属線材11を糸道支柱4に直接送るような構成を採用した以外は、丸編機100と同様の構成を有する。
本実施形態においては、被覆金属線材11が回転している糸道支柱4に引き取られる。そして、第一実施形態と同様にして連続するループ状の編み目を形成する。そして、第一実施形態と同様にして被覆金属線材11を編み上げていく。このような工程により、図6に示すような、被覆金属線材11を編んだネット体19が形成される。
ここで、被覆金属線材11とは、図5中に拡大した断面の模式図を示したような、金属線材1の周囲を選択的に除去可能な補助材料12で被覆して形成された異種材料の複合線材である。被覆金属線材11の形成に用いられる金属線材1としては第一実施形態で説明したのと同様のものが挙げられる。また、補助材料12としては、メリヤス編みの後、後述する工程で、溶解、分解、燃焼等の手段により、金属線材1を残したまま選択的に除去できる材料が特に限定なく用いられる。このような材料の具体例としては、例えば、上述したような水溶性ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂や、ポリ塩化ビニルや未架橋アクリル樹脂のような有機溶媒に容易に溶解しうる有機溶媒溶解性樹脂や、加熱により容易に溶融除去することが可能な各種ワックス等が挙げられる。
次に、上述のようにしてメリヤス編みにより形成されたネット体19から、補助材料12を選択的に除去する。本工程は、補助材料12の種類に応じて、金属線材1を除去せずに補助材料12のみを選択的に除去できる方法が適宜選択されて行われる。例えば、補助材料12が所定の液で溶解または分解される場合、補助材料12を溶解または分解する液でネット体19を処理する方法が挙げられる。
例えば、補助材料12が水溶性ポリビニルアルコールである場合、ネット体19を水、好ましくは熱水に浸漬することにより補助材料12を溶解除去する方法が挙げられる。水温や処理時間は水溶性ポリビニルアルコールの溶解速度や溶解性に応じて適宜選択されるが、例えば、50℃以上、さらには70℃以上、とくには90℃以上の熱水を用いることが好ましい。また、溶解除去の処理は、ネット体9を水に浸漬し、必要に応じて、ネット体9に超音波を照射したり、振盪したり、撹拌したりすること等により、溶解効率を向上させるような処理を施してもよい。
また、例えば、補助材料12がポリ塩化ビニルや未架橋アクリル樹脂のような有機溶媒に容易に溶解しうる有機溶媒溶解性樹脂である場合、ネット体19を有機溶媒に浸漬することにより補助材料12を溶解除去する方法が挙げられる。さらに、補助材料12が加熱により溶融除去されるようなワックス等である場合、ネット体19を加熱炉等に収容して補助材料12のみを溶融除去させるような条件で加熱処理する方法が挙げられる。
このような補助材料12を選択的に除去する工程により、図6に示したようなネット体19から、補助材料12が選択的に除去されて、図7に示したような金属ネット20が形成される。このような金属ネットの製造方法によれば、メリヤス編みの工程で金属線材1に付与されるテンション等の負荷が補助材料12に分散されるために、金属線材1の切断を抑制しながらメリヤス編みを行うことができる。そして、メリヤス編みされた金属線材1と補助材料12とを含むネット体19から補助材料12のみを選択的に除去することにより、メリヤス編みされた金属線材1からなる金属ネット20が得られる。
次に本発明に係る金属ネットの製造方法を実施例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は本実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例]
丸編機を用い、チタン線材(直径120μm、引張破断強度6N)と水溶性ポリビニルアルコール繊維((株)ニチビ製の商品名ソルブロン品番SF、660dtex/200Fのマルチフィラメント繊維、引張破断強度26N)とをメリヤス編みすることにより、縦目4mm、横目3mmであり、直径20mmの円筒状のネット体A1を連続生産した。このとき、編成は1.5秒/回転の速度で行い、この編成速度で少なくとも20mは連続生産できた。そして、得られたネット体A1を95℃の熱水に1分間浸漬することにより、水溶性ポリビニルアルコール繊維のみを選択的に溶解させて除去し、チタンネットAを得た。得られたチタンネットAを広範囲に観察したところ、チタン線材の切断は全く観察されなかった。このときに得られたチタンネットAの写真を図8に示す。
[比較例1]
丸編機を用い、チタン線材(直径120μm)のみをメリヤス編みすることにより、縦目4mm、横目3mmであり、直径20mmの円筒状のチタンネットBを製造した。このとき、編成は実施例と同様の1.5秒/回転の速度で行った。しかしこの編成速度ではチタン線材がすぐに切断されることによりもつれる等して、ネット構造がほとんど形成されず30cmの連続生産もできなかった。このときに得られたチタンネットBの写真を図9に示す。
[比較例2]
編成を1.5秒/回転で行う代わりに、工業上実用的ではない4.0秒/回転のような極めて遅い編成スピードで行った以外は、比較例1と同様にしてチタンネットを製造した。このような極めて遅いスピードで編成した場合には、チタン線材の切断が抑制され金属ネットはいくらか形成された。しかし、1mほど連続生産したところで、切断が多く発生したので、編成を中止した。得られたチタンネットの中央部あたりの領域を目視により観察したところ、例えば図10に示すように、100cm2あたり平均10個以上のチタン線材の切断部が観察された。
本発明は、医療材料として用いられるチタンネットや、圧縮してエンジンに接続された排気管周りに配設される緩衝材を製造するためのワイヤーメッシュや、球面継手のシール体を製造するためのワイヤーメッシュや、自動車のエアバックのインフレータの製造に用いられるワイヤーメッシュの製造に適用できる。
1 金属線材
2 補助線材
3 ガイド
4 糸道支柱
5 編み針
5a フック
5b べら
6 編み針取付台
7 カム
8 回転台
9,19 ネット体
10,20 金属ネット
11 被覆金属線材
12 補助材料
100,110 丸編機

Claims (2)

  1. 直径40〜200μmのチタン系又はアルミニウム系の金属線材と水溶性ポリビニルアルコールのマルチフィラメントである補助線材とをそれぞれ丸編機に送る工程と、
    前記丸編機で前記金属線材に前記補助線材を沿わせてメリヤス編みすることにより縦目2〜6mm,横目1〜5mmのネット体を形成する工程と、
    前記ネット体から前記補助線材を熱水で溶解させて除去する工程と、を備えることを特徴とする金属ネットの製造方法。
  2. 前記補助線材の引張破断強度が前記金属線材の引張破断強度よりも高い請求項1に記載の金属ネットの製造方法。
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