JP6210493B2 - 荷電粒子ビーム照射装置及び荷電粒子ビーム照射方法 - Google Patents
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Description
次に、二次電子検出部が、試料に照射した荷電粒子ビームにより励起した二次電子を検出することにより、検出信号を出力する。
次に、検出信号増幅部が、荷電粒子ビームが加工領域に照射される期間における検出信号のゲインを、荷電粒子ビームが非加工領域に照射される期間における検出信号のゲインよりも低くして、検出信号を増幅する。
そして、画像構成部が、増幅された検出信号を用いて、試料の状態を観察するための観察画像を構成する。
本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
<三次元積層造形装置の構成例>
図1は、三次元積層造形装置1の構成図である。
三次元積層造形装置1は、荷電粒子ビーム照射装置の一例として用いられる。この三次元積層造形装置1は、三次元CAD(Computer Aided Design)にて作成されたCADデータに基づき、電子ビームB1(荷電粒子ビームの一例)を利用して、複雑な部品を高速かつ高精度に造形することが可能である。しかも、三次元積層造形装置1は、従来の方法では難しかった高強度な金属部品を作成することができる。
図2は、加工対象パターン40の例を示す。
加工対象パターン40の一例として示される英字の「A」は、Z軸ステージ11に敷き詰められた粉末試料13に造形される図形であり、CADデータに基づいて作成される。加工対象パターン40以外の部分が電子ビームB1による加工が行われない非加工領域a1,a2であり、加工対象パターン40の部分が電子ビームB1による加工が行われる加工領域b1である。そして、表示部33には、この加工対象パターン40が観察画像として表示される。
検出信号増幅部18は、増幅した検出信号を画像構成部30に出力する。
走査信号発生部21は、走査駆動部25を駆動するための走査信号を発生する。
加工領域生成部22は、加工対象パターン40より、加工領域b1と非加工領域a1,a2を生成する。
加工領域記憶部23は、加工領域生成部22によって生成された加工対象パターン40を、加工対象パターンデータとして記憶している。
走査駆動部25は、走査信号発生部21から受け取った走査信号に基づいて偏向部6の動作を制御し、電子ビームB1を試料表面上にラスター走査させる。
イメージメモリ32(記憶部の一例)は、例えば、ハードアクセス可能なオンメモリで構成される。そして、イメージメモリ32は、画像生成部31が生成した観察画像を記憶する。
表示部33は、画像構成部30が構成した観察画像を表示する。操作者は、表示部33に表示された観察画像により、粉末試料13の表面の様子を観察することができる。
ここで、三次元積層造形装置1の動作について説明する。
まず、不図示の真空ポンプによって造形チャンバーの内部が真空引きされた後、粉末試料格納庫9がZ軸ステージ11に粉末試料13を供給する。そして、粉末積層アーム10が、所定の高さとなるように粉末試料13をZ軸ステージ11上に均一に敷きつめる。その後、電子銃2から電子ビームB1がZ軸ステージ11上の粉末試料13に向けて照射される。
次に、引出電位のパルス制御方法について図3〜図5を参照して説明する。以下の説明では、非加工領域a1,a2における引出電位、照射電流、検出ゲインを「ベース部」と呼び、加工領域b1における引出電位、照射電流、検出ゲインを「パルス部」と呼ぶ。
引出電位発生部24は、電子ビームB1が非加工領域a1を走査する時刻t1〜t2の間は、低い引出電位E1(ベース部)を引出電極4に印加する。そして、電子ビームB1が加工領域b1を走査する時刻t2〜t3の間は、引出電位E1を引出電極4に印加しつつ、引出電位E1よりも高いパルス状の引出電位E2(パルス部)を引出電極4に印加する。電子ビームB1が非加工領域a2を走査する時刻t3以降は、引出電位E2を印加せず、低い引出電位E1を引出電極4に印加する。
電子銃2は、電子ビームB1が非加工領域a1を走査する時刻t1〜t2の間は、試料表面を観察するため、電子ビームB1による照射電流I1(ベース部)を小さくしてある。
検出信号増幅部18は、非加工領域a1を電子ビームB1が走査している時刻t1〜t2の間は、検出ゲインG1(ベース部)を高くする。そして、電子ビームB1が加工領域b1を走査する時刻t2〜t3の間は、照射電流がパルス状に強められるタイミングに合わせて、検出ゲインG2(パルス部)を低くする。その後、電子ビームB1が非加工領域a2を走査する時刻t3となると、検出ゲインG1に戻す。
上述した一実施の形態例において、図5に示したようにゲインを、引出電位E2のパルス印加に合わせて変更するようにしたが、これに限られない。
この例では、電子ビームB1が加工領域b1を走査する時刻t2〜t3の間は、検出ゲインG2のままとする。これにより、引出電位がパルス状に大きくなっても、検出ゲインを低く保つため、大きな引出電位が引出電極4に印加されたことによる検出信号の増幅を抑えることができる。
また、粉末試料13以外に、溶融樹脂等を用いることもできる。
例えば、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることは可能であり、更にはある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
Claims (5)
- 荷電粒子ビームを照射する照射部と、
加工が行われる試料の加工領域に照射する前記荷電粒子ビームの照射電流量を、前記試料の非加工領域に照射する前記荷電粒子ビームの照射電流量より多くし、かつ所定のパルスデューティー比としたパルス出力を前記照射部に行わせる制御部と、
前記試料に照射した前記荷電粒子ビームにより励起した二次電子を検出することにより、検出信号を出力する二次電子検出部と、
前記荷電粒子ビームが前記加工領域に照射される期間における前記検出信号のゲインを、前記荷電粒子ビームが前記非加工領域に照射される期間における前記検出信号のゲインよりも低くして、前記検出信号を増幅する検出信号増幅部と、
増幅された前記検出信号を用いて、前記試料の状態を観察するための観察画像を構成する画像構成部と、を備える
荷電粒子ビーム照射装置。 - 前記検出信号増幅部は、前記所定のパルスデューティー比に合わせて、前記荷電粒子ビームが前記加工領域に照射される期間における前記検出信号のゲインを低くする
請求項1に記載の荷電粒子ビーム照射装置。 - 前記荷電粒子ビームは、電子ビームであって、
前記照射部は、
電子を放出するエミッタと、
引出電位発生部が発生する引出電位が印加され、前記エミッタから前記電子を引き出す引出電極と、
加速電位が印加され、前記エミッタが放出した前記電子を加速して前記電子ビームとする加速電極と、を備え、
前記制御部は、前記電子ビームを前記試料の加工領域又は非加工領域に照射するタイミングに合わせて、前記引出電位発生部が発生する前記引出電位を変化させる
請求項1又は2に記載の荷電粒子ビーム照射装置。 - 前記画像構成部は、前記観察画像を記憶する記憶部を備え、
前記観察画像を表示する表示部に前記観察画像を出力する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム照射装置。 - 制御部が、荷電粒子ビームを照射する照射部に対して、加工が行われる試料の加工領域に照射する前記荷電粒子ビームの照射電流量を、前記試料の非加工領域に照射する前記荷電粒子ビームの照射電流量より多くし、かつ所定のパルスデューティー比としたパルス出力を行わせるステップと、
二次電子検出部が、前記試料に照射した前記荷電粒子ビームにより励起した二次電子を検出することにより、検出信号を出力するステップと、
検出信号増幅部が、前記荷電粒子ビームが前記加工領域に照射される期間における前記検出信号のゲインを、前記荷電粒子ビームが前記非加工領域に照射される期間における前記検出信号のゲインよりも低くして、前記検出信号を増幅するステップと、
画像構成部が、増幅された前記検出信号を用いて、前記試料の状態を観察するための観察画像を構成するステップと、を含む
荷電粒子ビーム照射方法。
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