JP6209836B2 - 生体情報検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体情報検出装置等に関する。
従来より、人間の脈波等の生体情報を検出する生体情報検出装置が知られている。特許文献1、2には、このような生体情報検出装置の一例である脈拍計の従来技術が開示されている。脈拍計は、例えば腕、手首、指等に装着されて、人体の心拍に由来する拍動を検出して、脈拍数を測定する。
特許文献1、2に開示される脈拍計は、光電式の脈拍計であり、その検出部(脈波センサー)は、被検体(被検出部位)に向けて光を発光する発光部と、被検体からの光(生体情報を有する光)を受光する受光部を有する。この脈拍計では、血流量の変化を受光量の変化として検出することで、脈波を検出している。そして特許文献1には、手首に装着するタイプの脈拍計が開示され、特許文献2には、指に装着するタイプの脈拍計が開示されている。
特開2011−139725号公報 特開2009−201919号公報
これらの従来技術では、発光部からの光や被検体からの光を透過する透光部材が設けられ、この透光部材が、被検体(手首や指の肌等)との接触面を有している。そして、この被検体との接触面の接触状態の変化等を要因として、生体情報の検出信号の信号品位が低下し、生体情報の信頼性や検出精度等が低下してしまう。
本発明の幾つかの態様によれば、被検体との接触面の接触状態の変化等があった場合にも適正な生体情報を検出可能な生体情報検出装置等を提供することができる。
本発明の一態様は、被検体からの光を受光する受光部を有する検出部と、生体情報検出装置の前記被検体に接触する筺体面側に設けられ、前記被検体からの光を透過し、かつ前記被検体の生体情報の測定時に前記被検体に接触する透光部材と、前記透光部材と前記検出部の間又は前記透光部材と前記被検体との間又は前記透光部材内に設けられ、前記被検体と前記検出部の間の光路において前記被検体からの光を絞る絞り部とを含む生体情報検出装置に関係する。
本発明の一態様によれば、被検体の生体情報の測定時に透光部材が被検体に接触し、この透光部材を通過する光を、検出部の受光部が受光することで、被検体の生体情報が検出される。そして本発明の一態様では、被検体と検出部の間の光路において、このような被検体からの光を絞る絞り部が設けられている。このようにすれば、被検体との接触面の接触状態の変化等を要因とする迷光が生じた場合にも、この迷光が受光部に入射されることなどを抑制することができ、適正な生体情報の検出が可能になる。
また本発明の一態様では、前記検出部は、前記被検体に対して光を出射する発光部を含み、前記透光部材は、前記発光部からの光を透過し、前記絞り部は、前記被検体と前記検出部の間の光路において、前記発光部からの光を絞るようにしてもよい。
このようにすれば、発光部からの光が迷光になって、適正な生体情報の検出ができなくなる事態を抑制できる。
また本発明の一態様では、前記絞り部として、前記受光部側に設けられた第1の絞り部と、前記発光部側に設けられた第2の絞り部とを有してもよい。
このようにすれば、迷光が受光部に入射されるのを、例えば第1の絞り部により抑制したり、発光部からの光が迷光になるのを、例えば第2の絞り部により抑制することなどが可能になる。
また本発明の一態様では、前記受光部側に設けられた前記第1の絞り部の開口部の面積よりも、前記発光部側に設けられた前記第2の絞り部の開口部の面積の方が小さくてもよい。
このようにすれば、第1、第2の絞り部の開口部の面積を、光学的な効率・性能の向上や製品歩留まりの向上等に適した面積に設定できるようになる。
また本発明の一態様では、前記透光部材の透光領域の第1の端部と前記受光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第1の端部から遠い側の端部である第2の端部とを結ぶ線と、前記受光部の光軸とのなす角度をθrとして、前記受光部の前記第2の端部と前記絞り部の開口部側の端部とを結ぶ線と、前記光軸とのなす角度をθaとした場合に、θa<θrであってもよい。
このようにθa<θrの関係が成り立てば、例えば透光部材の透光領域の第1の端部からの光を、絞り部により遮って、受光部に入射されないようにすることなどが可能になる。
また本発明の一態様では、前記透光部材の透光領域の第1の端部と前記受光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第1の端部に近い側の端部である第1の端部とを結ぶ線上と、前記透光部材の透光領域の第2の端部と前記受光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第2の端部に近い側の端部である第2の端部とを結ぶ線上とに、前記絞り部が位置するように、前記絞り部が配置設定されてもよい。
このようにすれば、透光部材の第1、第2の端部からの迷光が、絞り部により遮られることを保証できるようになる。
また本発明の一態様では、前記透光部材の透光領域の第2の端部と前記発光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第2の端部から遠い側の端部である第1の端部とを結ぶ線と、前記発光部の光軸とのなす角度をθtとして、前記発光部の前記第1の端部と前記絞り部の開口部側の端部とを結ぶ線と、前記光軸とのなす角度をθbとした場合に、θb<θtであってもよい。
このようにθb<θtの関係が成り立てば、例えば発光部から透光部材の透光領域の第2の端部へと向かう光を、絞り部により遮ることなどで、適正な生体情報を検出できるようになる。
また本発明の一態様では、前記透光部材の透光領域の第1の端部と前記発光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第1の端部に近い側の端部である第1の端部とを結ぶ線上と、前記透光部材の透光領域の第2の端部と前記発光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第2の端部に近い側の端部である第2の端部とを結ぶ線上とに、前記絞り部が位置するように、前記絞り部が配置設定されてもよい。
このようにすれば、発光部から透光部材の透光領域の第1、第2の端部へと向かう光が、絞り部により遮られることを保証できるようになる。
また本発明の一態様では、前記絞り部の絞り領域の面積は、前記透光部材の透光領域の面積よりも小さくてもよい。
このようにすれば、透光部材の所定領域を通過する光を、絞り部により遮ることが可能になる。
また本発明の一態様では、前記絞り部は、前記透光部材の周縁領域を通過する光を遮光してもよい。
このようにすれば、透光部材の周縁領域を通過する光が要因となって、適正な生体情報の検出ができなくなる事態を抑制できる。
また本発明の一態様では、前記透光部材は、前記被検体の生体情報の測定時に前記被検体に接触して押圧を与える凸部を有し、前記絞り部は、前記凸部の周縁領域を通過する光を遮光してもよい。
このようにすれば、透光部材に対して、被検体に適正な押圧を与えるための凸部を設けた場合に、凸部の周縁領域を通過する光が要因となって、適正な生体情報の検出ができなくなる事態を抑制できる。
また本発明の一態様では、前記凸部を囲むように設けられ、前記凸部が前記被検体に与える押圧を抑制する押圧抑制部を含んでもよい。
このようにすれば、凸部が被検体に与える押圧を押圧抑制部により抑制して、押圧変動を低減することなどが可能になる。
また本発明の一態様では、前記凸部の押圧を発生させる荷重機構による荷重に対する前記凸部の押圧の変化量を押圧変化量とした場合に、前記押圧抑制部は、前記荷重機構の荷重が0〜FL1となる第1の荷重範囲での前記押圧変化量に対して、前記荷重機構の荷重がFL1よりも大きくなる第2の荷重範囲での前記押圧変化量が小さくなるように、前記凸部が前記被検体に与える押圧を抑制してもよい。
このようにすれば、凸部により適正な初期押圧を被検体に与えながら、凸部が被検体に与える押圧を押圧抑制部により抑制して押圧変動を低減することなどが可能になる。
また本発明の一態様では、前記絞り部は、前記透光部材と前記検出部の間に設けられてもよい。
但し、絞り部の配置設定は、このような配置設定には限定されない。
また本発明の一態様では、前記絞り部の絞り領域の形状は、前記透光部材の透光領域の形状と相似形であってもよい。
また本発明の一態様では、前記生体情報として脈波を検出してもよい。
但し、生体情報検出装置の検出対象となる生体情報は、脈波には限定されない。
図1(A)、図1(B)は本実施形態の生体情報検出装置の外観図。 図2(A)〜図2(C)は生体情報検出装置の連結部の説明図。 生体情報検出装置の本体部の裏蓋部の斜視図。 裏蓋部の断面図。 図5(A)、図5(B)は被検体に対する透光部材の押圧が変化したときの問題点の説明図。 図6(A)、図6(B)はヘルツの弾性接触理論の説明図。 図7(A)、図7(B)は本実施形態の手法の説明図。 図8(A)、図8(B)は絞り部、遮光部の配置構成例を示す図。 図9(A)〜図9(C)は絞り領域の穴径の設定手法の説明図。 図10(A)、図10(B)は絞り部の配置設定手法の説明図。 図11(A)、図11(B)も絞り部の配置設定手法の説明図。 図12(A)〜図12(C)は絞り部の配置位置の種々の例を示す図。 絞り部と遮光部を一体形成した遮光用部材の第1の例の斜視図。 図14(A)、図14(B)は絞り部と遮光部を一体形成した遮光用部材の第1の例の上面図、断面図。 絞り部と遮光部を一体形成した遮光用部材の第2の例の斜視図。 図16(A)、図16(B)は絞り部と遮光部を一体形成した遮光用部材の第2の例の上面図、断面図。 図17(A)、図17(B)は透光部材の凸部及び押圧抑制部の説明図。 図18(A)、図18(B)はΔhとMN比の関係を示す図。 生体情報検出装置の全体構成の例を示す機能ブロック図。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.生体情報検出装置
図1(A)は本実施形態の生体情報検出装置(生体情報測定装置)の一例を示す外観図である。この生体情報検出装置は時計タイプの脈拍計であり、本体部300と、被検体の手首400に生体情報検出装置を取り付けるためのバンド320、322(リストバンド)を有する。機器本体である本体部300には、各種の情報を表示する表示部310や、脈波センサー(検出部、透光部材等で構成されるセンサー)や、各種の処理を行う処理部などが設けられる。表示部310には、測定された脈拍数や時刻が表示されている。なお図1(A)では、手首400(又は腕)の周長方向を第1の方向DR1とし、手410から下腕420に向かう方向を第2の方向DR2としている。
図1(B)は生体情報検出装置の詳細な構成例を示す外観図である。バンド320、322は、伸縮部330、332を介して本体部300に接続される。伸縮部330、332は、図1(A)の第1の方向DR1及び第2の方向DR2等に沿って変形可能となっている。バンド320の一端には連結部340が接続される。この連結部340は時計におけるバックルに相当するものであり、バックルの棒部が挿入されるバンド穴部は、逆側のバンド322に形成されている。
図2(A)に示すように、連結部340は、バンド320に固定される固定部材342や、スライド部材344や、弾性部材であるバネ350、352を有する。そして図2(B)、図2(C)に示すように、スライド部材344は、固定部材342に対して、スライド方向DRSに沿ってスライド自在に取り付けられており、バネ350、352は、スライド時における引っ張り力を発生する。これらのバネ350、352や伸縮部330、332やバンド320、322等により、本実施形態の荷重機構が実現される。
固定部材342には表示器343が設けられており、表示器343には、適正なスライド範囲を示すための目盛が付されている。具体的には、表示器343には、適正なスライド範囲(押圧範囲)を示す点P1、P2が付されている。そして、これらの点P1、P2の範囲内に、スライド部材344のバンド320側の端部が位置していれば、適正なスライド範囲(押圧範囲)内にあり、適切な引っ張り力が作用していることが保証される。ユーザーは、この適正なスライド範囲内になるように、バックルである連結部340の棒部を、バンド322のバンド穴部に挿入して、生体情報検出装置を手首に装着する。こうすることで、被検体に対する脈波センサー(透光部材の凸部)の押圧が、想定した適切な押圧になることが、ある程度保証されることになる。なお、図1(A)〜図2(C)に示す生体情報検出装置の構造の詳細については、特開2012−90975号公報に開示されている。
なお、図1(A)〜図2(C)では、生体情報検出装置が、手首に装着する時計タイプの脈拍計である場合を例にとり説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、本実施形態の生体情報検出装置は、手首以外の部位(例えば、指、上腕、胸等)に装着されて生体情報を検出(測定)するものであってもよい。また、生体情報検出装置の検出対象となる生体情報も、脈波(脈拍数)には限定されず、生体情報検出装置は、脈波以外の生体情報(例えば血液中の酸素飽和度、体温、心拍等)を検出する装置であってもよい。
図3は、生体情報検出装置の本体部300の裏側に設けられる裏蓋部10の構成例を示す斜視図であり、図4は、図3のA−A’での断面図である。裏蓋部10は、カバー部材20と透光部材30により構成され、この裏蓋部10により、本体部300の裏側の筐体面22(裏面)が構成される。
透光部材30は、生体情報検出装置の被検体に接触する筺体面22側に設けられ、被検体からの光を透過する。また透光部材30は、被検体の生体情報の測定時に、被検体に接触する。例えば透光部材30の凸部40が被検体に接触する。なお凸部40の表面形状は、曲面形状(球面形状)であることが望ましいが、これに限定されるものではなく、種々の形状を採用できる。また、透光部材30は被検体からの光の波長に対して透明であればよく、透明な材料を用いてもよいし、有色の材料を用いてもよい。
図4に示すように、カバー部材20は、透光部材30を覆うように形成される。透光部材30は透光性を有するが、カバー部材20は、透光性を有さず、非透光性の部材となっている。例えば、透光部材30は、透明な樹脂(プラスチック)で形成され、カバー部材20は、黒等の所定色の樹脂で形成される。なお、非透光性とは生体情報検出装置が検知可能な波長の光を透過しない材料のことを意味する。
そして図3、図4に示すように、透光部材30は、その一部が、カバー部材20の開口から被検体側に露出しており、この露出部分に凸部40が形成されている。従って、生体情報の測定時に、この露出部分に形成された凸部40が、被検体(例えばユーザの手首の肌)に接触することになる。図3、図4では、この露出部分に形成された凸部40により、生体情報検出装置の検出窓が構成されている。ここで、図4では、この検出窓以外の部分、つまりカバー部材20(押圧抑制部60)の裏側部分にも透光部材30が設けられている。但し本実施形態はこれに限定されず、検出窓の部分にだけ透光部材30を設けてもよい。
なお図4に示すように、凸部40の周囲には、押圧変動等を抑制するための溝部42が設けられている。また、透光部材30において凸部40が設けられる側の面を第1の面とした場合に、透光部材30は、その第1の面の裏側の第2の面において凸部40に対応する位置に、凹部32を有している。また裏蓋部10には、裏蓋部10をネジ止めするためのねじ穴部24や、信号伝達や電源供給用の端子を接続するための端子穴部26なども設けられている。
図3に示すように、生体情報検出装置の筺体面22(裏面)が、第1の方向DR1に沿った中心線CLにより第1の領域RG1と第2の領域RG2に区画される場合に、凸部40は、第1の領域RG1に設けられている。図1(A)に示すような手首に装着するタイプの生体情報検出装置を例にとれば、第1の領域RG1は手側(時計における3時方向)の領域であり、第2の領域RG2は下腕側(時計における9時方向)の領域である。このように透光部材30の凸部40は、筐体面22において手に近い側の第1の領域RG1に設けられる。こうすることで、腕の径変化が小さい場所に凸部40が配置されるようになるため、押圧変動等を抑制できる。
そして凸部40は、被検体の生体情報の測定時に被検体に接触して押圧(押圧力)を与える。具体的には、ユーザーが生体情報検出装置を手首に装着して、脈波等の生体情報を検出する際に、凸部40がユーザーの手首の肌に接触して押圧を与える。この押圧は、図1(A)〜図2(C)で説明した荷重機構による荷重により発生することになる。
また生体情報検出装置の筐体面22には、凸部40が被検体(手首の肌)に与える押圧を抑制する押圧抑制部60が設けられている。図3、図4では、押圧抑制部60は、筐体面22において、透光部材30の凸部40を囲むように設けられている。そしてカバー部材20の面が押圧抑制部60として機能している。即ち、カバー部材20の面を土手形状に成型することで、押圧抑制部60が形成されている。図4に示すように、この押圧抑制部60の押圧抑制面は、凸部40の位置から第2の方向DR2(手首から下腕側への方向)に向かうにつれて低くなるように傾斜している。つまり、筐体面22に直交する方向DRHでの高さが、第2の方向DR2に向かうにつれて低くなるように傾斜している。
なお、図3、図4では、検出部130や凸部40(検出窓)が、筺体面22(裏面)の手側(3時方向)の第1の領域RG1に設けられているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば検出部130や凸部40(検出窓)を、筺体面22の中央部の領域(中心線CLが通る領域)などに設け、その周辺に押圧抑制部60を設けてもよい。
図4に示すように、透光部材30の凸部40の下方には、検出部130が設けられている。ここで、上方は、方向DRHの方向であり、下方は、方向DRHの反対方向である。別の言い方をすれば、下方は、生体情報検出装置の本体部300の裏面(被検体に接触する側の面)から表面(被検体に接触しない側の面)へと向かう方向である。本実施形態における脈波センサーは、このような透光部材30や検出部130等で構成されるセンサーユニットである。
検出部130は、受光部140と発光部150を有する。これらの受光部140と発光部150は、基板160に実装されている。受光部140は、被検体からの光(反射光、透過光等)を受光する。発光部150は、被検体に対して光を出射する。例えば発光部150が光を被検体に出射し、その光が被検体(血管)により反射されると、受光部140が、その反射光を受光して検出する。受光部140は、例えばフォトダイオード等の受光素子により実現できる。発光部150は、例えばLED等の発光素子により実現できる。例えば受光部140は、半導体の基板に形成されたPN接合のダイオード素子などにより実現できる。この場合に、受光角度を絞るための角度制限フィルターや受光素子に入射する光の波長を制限する波長制限フィルターを、このダイオード素子上に形成してもよい。
脈拍計を例にとると、発光部150からの光は、被検体の内部を進み、表皮、真皮及び皮下組織等で拡散又は散乱する。その後、この光は、血管(被検出部位)に到達し、反射される。この際に、光の一部は血管により吸収される。そして、脈拍の影響により血管での光の吸収率が変化し、反射光の光量も変化するため、受光部140がこの反射光を受光して、その光量の変化を検出することで、生体情報である脈拍数等を検出できるようになる。
なお図4では、検出部130として、受光部140と発光部150の両方が設けられているが、例えば受光部140だけを設けるようにしてもよい。この場合には、例えば受光部140は、被検体からの透過光を受光することになる。例えば被検体の裏側に設けられた発光部150からの光が被検体を透過した場合に、受光部140は、その透過光を受光して検出する。
そして本実施形態では図4に示すように、絞り部80、82が設けられている。検出部130として受光部140が設けられている場合には、この絞り部80、82は、被検体と検出部130の間の光路において、被検体からの光を絞る。また、検出部130として発光部150が設けられている場合には、絞り部80、82は、被検体と検出部130の間の光路において、発光部150からの光を絞る。図4では、絞り部80、82は、透光部材30と検出部130の間に設けられている。但し、絞り部80、82を透光部材30と被検体との間や透光部材30内に設けてもよい。例えば絞り部80、82は透光部材30に近接して配置される。
また図4では、受光部140と発光部150との間に遮光部100が設けられている。検出部130として、受光部140と発光部150の両方が設けられている場合には、この遮光部100は、例えば発光部150からの光が受光部140に直接入射されるのを遮光する。
2.絞り部、遮光部
さて、本実施形態のような生体情報検出装置では、透光部材30において、被検体である肌に接触する面は有限面積の接触面となっている。そして本実施形態では、例えば樹脂やガラス等で形成される硬い素材の透光部材30の有限面積の接触面に対して、肌のように相対的に柔らかいものを接触させている。すると、弾性力学の観点で見ると、透光部材30の周縁部(外周部)の付近においては、肌と接触していない領域や、接触圧の弱い領域が生じる。また生体情報検出装置の機器に外力が加えられて、機器にモーメントが発生するときなども、接触面の周縁部の付近の領域は、最も浮きやすい。
このような領域を介して、発光部150、肌、受光部140の間を通過する光には、動的な接触状態の変化に起因して、光学的に光の強弱が発生しやすい。そして、そのような光が受光部140に入射すれば、脈成分とは相関の無いノイズとなってしまう。
また、静的な接触状態であっても、信号品位の低下は起こり得る。肌にきちんと接触していなければ、発光部150を起源としない外光が、受光部140に入射することがある。一方、過大な接触圧となっている場合には、皮下の血管を潰してしまうことにより、この領域を通過した光には、拍動成分が入りにくくなる。
このようなノイズが大きく重畳するほど、脈波検出信号の信号品位は低下し、脈拍計測などの様々な生体計測において、計測データの信頼性が低下してしまう。
例えば図5(A)は、透光部材30の凸部40(接触面)が、被検体である肌2に与える押圧が小さい場合を示し、図5(B)は当該押圧が大きい場合を示している。図5(A)、図5(B)のA1、A2に示す場所に着目すると、押圧の変化により、肌2と凸部40との間の接触状態が変化している。例えば図5(A)では、A1、A2の場所において肌2と凸部40が非接触状態又は弱い接触状態になっているが、図5(B)では接触状態になっている。従って、発光部150から出射されて受光部140に戻ってくる光の強弱などが、図5(A)と図5(B)とで変化してしまい、計測データの信頼性が低下する。なお、図5(A)、図5(B)は図3に示す生体情報検出装置のA−A’断面図の凹部32周辺を拡大した図と解釈してもよいし、方向DRHに対して鉛直方向から凹部32周辺の構成部品を投影した投影図又は配置図と解釈してもよい。以降では、図5(A)、図5(B)の類似図を用いて本実施形態の説明を行うが、いずれの図も同様に解釈できるものとする。
例えば図6(A)、図6(B)はヘルツの弾性接触理論を説明する図である。Eは肌のヤング率、vは肌のポアソン比、Fは加える力の最大値、rは球面半径、αは接触円面の半径、σは変位である。これらのパラメーターに所定値を代入し、ヘルツの弾性接触理論に基づいて、接触面中心からの距離に対する押圧を計算すると、例えば図6(B)のような結果が得られる。図6(B)に示すように、接触面中心から距離が離れると、押圧が低下し、例えばB1、B2に示す部分では、急激な低下になる。従って、図5(A)、図5(B)のA1、A2に示す場所では、荷重の微少な変化によって、接触面での押圧が急激に変化してしまい、計測データの信頼性が著しく低下する。
例えば図5(A)、図5(B)では、人体の皮膚に接触する透光部材30の接触面を、曲面形状の凸形状(凸部)で構成している。このようにすることで、皮膚表面に対する透光部材30の密着度が向上するため、皮膚表面からの反射光量や外乱光等のノイズ光の侵入を防止できる。
しかしながら、図6(A)、図6(B)から明らかなように、凸形状の周縁部(外周部)では中心部に対して相対的に肌との接触圧が低下する。
この場合に、中心部の接触圧で最適化すると、周縁部の接触圧は最適範囲未満となる。一方、周縁部の接触圧で最適化すると、中心部の接触圧が最適範囲に対し過剰となる。
接触圧が最適範囲未満の場合は、機器の揺れにより脈波センサーが肌と接触したり離れたりするケースや、接触したままとしても脈波センサーが静脈を潰しきれていないことにより、脈波検出信号に体動ノイズが重畳する。このノイズ成分を低減すれば、より高いM/N比(S/N比)の脈波検出信号を得ることが可能になる。ここでMは脈波検出信号の信号レベルを表し、Nはノイズレベルを表す。
以上のような課題を解決するために、図4、図7(A)、図7(B)に示すように、本実施形態の生体情報検出装置は、被検体(肌等)からの光を受光する受光部140を有する検出部130と、透光部材30と、絞り部80、82(アパーチャー)を有する。透光部材30は、生体情報検出装置の被検体に接触する筺体面22側に設けられ、被検体からの光を透過し、かつ被検体の生体情報の測定時に被検体に接触する。絞り部80、82は、被検体と検出部130の間の光路において、被検体からの光を絞る。また図4等では、検出部130は、被検体に対して光を出射する発光部150を有しており、透光部材30は、発光部150からの光を透過する。そして絞り部80、82は、被検体と検出部130の間の光路において、発光部150からの光を絞る。なおリフレクター152は、発光部150が発光する光を反射して光の利用効率を高めるためのものである。
このように本実施形態では、図7(A)、図7(B)のA1、A2に示す場所等での光(迷光)が検出されないように、絞り部80、82を設けて、光を絞っている。例えば、最適押圧化された透光部材30の透光領域の中心部(例えば凸部の頂点)を通過する光は、できるだけ遮断せずに透過させる一方で、透光部材30の透光領域(例えば凸部)の周縁部の付近を介した光は遮断する。例えば図7(A)、図7(B)では、絞り部80を設けることで、周縁部であるA1に示す場所での光が受光部140に入射されないようになる。また、絞り部82を設けることで、発光部150からの光が、A2に示す場所に対して出射されないようになる。つまり本実施形態では、押圧(荷重)の変化によって接触状態が変化する場所での光を絞っている。このようにすれば、図7(A)、図7(B)に示すようにA1、A2に示す場所で接触状態が変化した場合にも、A1、A2に示す場所での光の状態が受光結果に影響を及ばさなくなる。従って、計測データの信頼性等を向上できるようになる。
更に図4、図7(A)、図7(B)等では、受光部140と発光部150の間に遮光部100(遮光壁)を設けている。この遮光部100は、例えば、筺体面22(図3、図4参照)に直交する方向DRHに延在形成される遮光壁である。具体的には、例えば受光部140の中心位置と発光部150の中心位置を結ぶ線分に対して交差(直交)する方向に沿った壁面を有する遮光部100が設けられる。このような遮光部100を設けることで、発光部150からの直接光が受光部140に入射されるのが抑止されて、計測データの信頼性等を更に向上できるようになる。
即ち、受光部140と発光部150との間の距離は、近ければ近いほど光学的な効率・性能が向上する。例えば光学的な効率・性能は距離の二乗に反比例して劣化する。従って、できる限り受光部140と発光部150の間の距離を近づけることが望ましい。
しかしながら、受光部140と発光部150の間の距離を近づけると、発光部150からの直接光が受光部140に入射されて性能が劣化する可能性が高まる。
そこで、受光部140と発光部150の間に遮光部100を設け、発光部150からの直接光が受光部140に入射されるのを抑止する。即ち本実施形態では、前述したように、被検体との接触面の接触状態が不安定になる経路からの光学的な悪影響を除去するために、絞り部80、82を設けている。一方、発光部150の直接光による悪影響については遮光部100により除去する。こうすれば、被検体との接触面の接触状態の変動によるノイズを除去する絞り部80、82と、発光部150の直接光を除去する遮光部100とにより、光電型の脈波センサーの光学的な安定性を確保することが可能になる。なお遮光部100については、これを設けない構成とすることも可能である。
さて、以上では、図8(A)に示すように、透光部材30が凸部40を有する場合について説明したが、本実施形態の生体情報検出装置はこれに限定されない。例えば図8(B)に示すように、透光部材30が曲面形状等の凸部40を有しない場合にも、絞り部80、82や遮光部100を設けることで、迷光による計測データの信頼性等の低下を抑制できる。例えば透光部材30は、平面でない部分で対象物と接触する立体形状となっており、絞り部80、82は、この立体形状のうち、相対的に低い部分を遮光するよう設置されることになる。
また図8(A)、図8(B)において、RTRは透光部材30の透光領域(光が透過する領域)を表し、RAPは、絞り部80、82の絞り領域(光を絞る領域)を表している。またSTRは透光領域RTRの面積を表し、SAPは絞り領域RAPの面積を表している。例えば図3において、透光部材30のうち、カバー部材20で覆われておらず、被検体側に露出している領域が透光領域RTRとなる。また絞り領域RAPは、絞り部80、82の開口部の領域である。そして絞り部80、82の絞り領域RAPは、例えば平面視において、透光領域RTRに囲まれる領域となっている。
具体的には図8(A)、図8(B)に示すように、絞り部80、82の絞り領域RAP(開口領域)の面積SAPは、透光部材30の透光領域RTRの面積STRよりも小さくなっている。即ち、絞り部80、82は、透光部材30の周縁領域(外周領域)を通過する光を遮光しており、少なくとも周縁領域の面積の分だけ、面積SAPは面積STRよりも小さくなっている。
また図8(A)、図8(B)では、絞り部80、82の絞り領域RAPの形状は、透光部材30の透光領域RTRの形状と相似形(略相似形を含む)となっている。図8(A)のように透光部材30が凸部40を有する場合には、透光領域RTRの形状は、例えば凸部40の平面投射形状と相似形(略相似形)となる。例えば図8(A)、図8(B)では、透光領域RTR及び絞り領域RAPの形状は共に円形状であり、相似形となっている。例えば透光領域RTRが四角形状である場合には、絞り領域RAPの形状も相似形である四角形状にすればよい。但し、ここで言う相似形は、完全な相似形である必要はなく、略相似形(図形の種類として相似形)であればよい。また透光領域RTRの形状と絞り領域RAPの形状は相似形でなくてもよい。
また図8(A)、図8(B)において、図3、図4の筺体面22に直交する方向DRHでの遮光部100の高さをH1とし、絞り部80、82の検出部側の面である下面の高さをH2としたとすると、H1>H2の関係が成り立っている。こうすることで、発光部150からの光が、絞り部80、82等に反射して受光部140に入射されてしまう事態を抑制できる。
図9(A)〜図9(C)は絞り領域RAPの穴径の設定手法の説明図である。図9(A)において、ARRは受光部140の受光エリアを表し、ARTは発光部150の光照射エリアを示す。これらの受光エリアARR、光照射エリアARTは光の強度の半値幅などにより設定されるエリアである。絞り領域RAPは、受光エリアARR及び光照射エリアARTにより決定できる。例えば絞り領域RAPは、受光エリアARR及び光照射エリアARTのうち、少なくとも遮光部100側(中心側)のエリアを含む領域となっている。
図9(B)は、絞り領域RAPの穴径(透過穴径)と平均脈波DC値の関係を示す図である。図9(B)に示すように、絞り領域RAPの穴径が大きくなるほど、透過する光が増えるため、平均脈波DC値は大きくなる。しかしながら、絞り領域RAPの穴径の増加に対する平均脈波DC値の増加は飽和する。例えば図9(B)では絞り領域RAPの穴径が4mm程度となったところで飽和している。
図9(C)は、絞り領域RAPの穴径(アパーチャー径)とM、Nパワーの関係を示す図である。ここでMは脈波信号の信号レベルを表し、Nはノイズレベルを表す。図9(C)に示すように、穴径が5mmよりも大きくなると、ノイズレベルが急増する。これは、図5(A)、(B)で説明したように、穴径が大きくなると、透光部材30の周縁領域での迷光が受光部140に入射されて、ノイズとして検出されてしまうからである。
このように、絞り領域RAPの穴径が小さくなりすぎると、受光量が減ってしまい、脈波検出信号のレベルが低下してしまう一方で、絞り領域RAPの穴径が大きくなりすぎると、透光部材30の周縁領域での迷光等が原因で、ノイズ成分が増加してしまう。従って、絞り領域RAPの穴径は、脈波検出信号のレベルを十分確保できる範囲で、被検体(肌、皮膚)との接触状態の変化(つまりノイズ)による影響を最小限に抑えることができる値に設定することが望ましい。例えば図9(A)〜図9(C)の場合は、穴径は4mm(φ4)程度に設定されることになる。
図10(A)〜図11(B)は絞り部の配置設定手法の説明図である。
例えば図10(A)において、透光部材30の透光領域の第1の端部ED1(受光部側の端部)と、受光部140の第2の端部ER2(右側端部)とを結ぶ線を、LN1とする。第2の端部ER2は、受光部140の2つの端部ER1、ER2のうち透光領域の第1の端部ED1から遠い側の端部である。また受光部140の第2の端部ER2と絞り部80の開口部側の端部EA1とを結ぶ線を、LN2とする。そして線LN1と受光部140の光軸AXR(受光面に垂直な軸)とのなす角度をθrとし、線LN2と光軸AXRとのなす角度をθaとする。
この場合に、図10(A)ではθa<θrとなっている。即ち、θa<θrとなるように、受光部140側の絞り部80が配置設定されている。
このようにθa<θrの関係が成り立てば、図10(A)から明らかなように、透光部材30の透光領域の第1の端部ED1からの光が、絞り部80により遮られることで、受光部140に入射されないようになる。
例えば受光部140は、その受光面全体での受光量を検出するものであるため、その第2の端部ER2に入射された光であっても、全体的な受光量として検出されてしまう。従って、接触状態の変化等により、透光部材30の第1の端部ED1から受光部140の第2の端部ER2に入射される光の状態が変化すると、これがノイズとして重畳されてしまい、計測データの信頼度等が低下する事態が生じる。
この点、図10(A)のようにθa<θrの関係が成り立てば、透光部材30の透光領域の第1の端部ED1からの光が、絞り部80により遮られるため、上記のような事態を効果的に抑止できるようになる。
また図10(B)において、透光部材30の透光領域の第2の端部ED2(発光部側の端部)と、発光部150の第1の端部ET1(左側端部)とを結ぶ線を、LN3とする。第1の端部ET1は、発光部150の2つの端部ET1、ET2のうち透光領域の第2の端部ED2から遠い側の端部である。また発光部150の第1の端部ET1と絞り部82の開口部側の端部EA2とを結ぶ線を、LN4とする。そして線LN3と発光部150の光軸AXT(発光面に垂直な軸)とのなす角度をθtとし、線LN4と光軸AXTとのなす角度をθbとする。
この場合に、図10(B)ではθb<θtとなっている。即ち、θb<θtとなるように、発光部150側の絞り部82が配置設定されている。
このようにθb<θtの関係が成り立てば、図10(B)から明らかなように、発光部150から透光部材30の透光領域の第2の端部ED2へと向かう光が、絞り部82により遮られるようになる。従って、第2の端部ED2での迷光が受光されてしまう等の事態を効果的に抑止できるようになる。
また図11(A)、図11(B)に示すような手法で絞り部80、82を配置設定してもよい。
例えば図11(A)において、透光部材30の透光領域の第1の端部ED1(受光部側の端部)と、受光部140の第1の端部ER1(左側端部)とを結ぶ線を、LN5とする。第1の端部ER1は、受光部140の2つの端部ER1、ER2のうち透光領域の第1の端部ED1に近い側の端部である。また透光部材30の透光領域の第2の端部ED2(発光部側の端部)と、受光部140の第2の端部ER2(右側端部)とを結ぶ線を、LN6とする。第2の端部ER2は、受光部140の2つの端部ER1、ER2のうち透光領域の第2の端部ED2に近い側の端部である。
この場合に図11(A)では、少なくとも線LN5、LN6上に、絞り部80、82が位置するように、絞り部80、82が配置設定されている。即ち、線LN5、LN6の光路上に絞り部80、82が位置している。
このようにすれば、透光部材30の透光領域の第1、第2の端部ED1、ED2からの迷光が、絞り部80、82により遮られることを保証できるようになる。従って、第1、第2の端部ED1、ED2での迷光により計測データの信頼性等が低下してしまう事態を、効果的に抑制できるようになる。
また図11(B)において、透光部材30の透光領域の第1の端部ED1と、発光部150の第1の端部ET1(左側端部)とを結ぶ線を、LN7とする。第1の端部ET1は、発光部150の2つの端部ET1、ET2のうち透光領域の第1の端部ED1に近い側の端部である。また透光部材30の透光領域の第2の端部ED2と、発光部150の第2の端部ET2(右側端部)とを結ぶ線を、LN8とする。第2の端部ET2は、発光部150の2つの端部ET1、ET2のうち透光領域の第2の端部ED2に近い側の端部である。
この場合に図11(B)では、少なくとも線LN7、LN8上に、絞り部80、82が位置するように、絞り部80、82を配置設定している。即ち、線LN7、LN8の光路上に絞り部80、82が位置している。
このようにすれば、発光部150から、透光部材30の透光領域の第1、第2の端部ED1、ED2へと向かう光が、絞り部80、82により遮られることを保証できるようになる。従って、発光部150からの光が第1、第2の端部ED1、ED2において迷光になり、この迷光により計測データの信頼性等が低下してしまう事態を、効果的に抑制できるようになる。
なお、図4、図7(A)、図7(B)等では、絞り部80、82が、透光部材30と検出部130(受光部140、発光部150)の間に設けられている。例えば、絞り部80、82は、透光部材30や検出部130から離れた位置に配置設定されている。このように、透光部材30と検出部130の間に絞り部80、82を配置すれば、被検体と検出部130の間の光路上において、絞り部80、82により迷光を効果的に遮って、この迷光によるノイズが計測データに重畳されてしまう事態を効果的に抑制できる。但し、絞り部80、82の配置形成手法は、これに限定されず、種々の変形実施が可能であり、絞り部80、82を、透光部材30と被検体との間又は透光部材30内に設けてもよい。
例えば図12(A)では、絞り部80、82は、透光部材30と検出部130の間に設けられているものの、透光部材30に対して密着するように絞り部80、82が配置形成されている。また図12(B)では、透光部材30内(材質中)に絞り部80、82が配置形成されている。また図12(C)では、被検体と透光部材30の間に絞り部80、82が配置形成されている。このように絞り部80、82の配置形成手法としては種々の態様を想定できる。
また絞り部80、82の製造手法も、図4、図7(A)、図7(B)等のように透光部材30等と別体に形成する手法に限定されず、種々の手法を採用できる。例えば図12(A)、図12(C)のように透光部材30に密着するように絞り部80、82を形成する場合には、塗装、蒸着又は印刷などの手法により絞り部80、82を形成すればよい。或いは図12(B)のように透光部材30の中に絞り部80、82を形成する場合には、例えばインサート成型などの手法により絞り部80、82を形成すればよい。
また絞り部80、82の絞り領域(アパーチャー)の形状は、透光部材30の透光領域と相似形(略相似形、疑似相似形)であってもよいし、受光部140や凸部40の構造と相似形(略相似形、疑似相似形)であってもよい。或いは、受光部140の受光範囲や発光部150の発光範囲と相似形(略相似形、疑似相似形)であってもよい。
以上に説明した本実施形態の生体情報検出装置によれば、脈波センサーと肌との接触圧の弱い領域や、脈波センサーと肌との接触状態が変化しやすい領域を通過する出射光や肌からの拡散光を、遮光することにより、脈波検出信号に重畳するノイズ成分を低減でき、信号品位を向上することが可能になる。
3.絞り部、遮光部の一体形成
本実施形態では、絞り部80、82と遮光部100とを遮光用部材78として一体形成してもよい。即ち、絞り部80、82と遮光部100(遮光壁)とを一体構造とする。図13は、このように一体形成された遮光用部材78の第1の例を示す斜視図であり、図14(A)、図14(B)は、各々、遮光用部材78の第1の例の上面図、断面図である。
図13〜図14(B)に示すように、遮光用部材78には、受光部側に設けられた絞り部80(第1の絞り部)と、発光部側に設けられた絞り部82(第2の絞り部)とが形成されている。そして受光部側の絞り部80に対応して、受光部側の絞りの開口部81が形成され、発光部側の絞り部82に対応して、発光部側の絞りの開口部83が形成されている。絞り部80、82との間には、絞り部80、82と一体的に遮光部100が形成されている。例えば、遮光用部材78は、一端側に底部が形成され他端側が開口する有底筒部の形状となっており、この有底筒部の底部が絞り部80、82として形成される。そして底部である絞り部80、82に対して、アパーチャーとして機能する開口部81、83が形成されている。また有底筒部の他端側の開口の領域を2分割(分断)するように、遮光部100が形成されている。
遮光部100は、図13、図14(A)に示すように、その中心部102において肉厚が細くなっている。こうすることで、受光部140と発光部150の距離を、より近づけることが可能になり、光学的な効率・性能を向上できる。
また、生体情報検出装置の筺体面22(図3、図4参照)に直交する方向DRHでの遮光部100の高さをH1とし、絞り部80、82の検出部130側の面である下面の高さをH2としたとする。これらの高さH1、H2は基準面(例えば基板160)からの高さである。この場合に図14(B)に示すように、H1>H2の関係が成り立っている。即ち、遮光部100は、絞り部80、82の下面よりも高い位置まで延在形成された遮光壁となっている。こうすることで、発光部150からの光が、絞り部80、82等に反射して、受光部140に入射されてしまう事態を抑制できる。即ち、発光部150の直接反射光の影響を除去することが可能になり、測定データの信頼性の低下等を抑制できる。
また図14(B)に示すように、遮光用部材78は、受光部140及び発光部150が実装される基板160の上方(方向DRHの方向)から、基板160に向かって取り付けられる。即ち、遮光用部材78の有底筒部形状の他端側の開口の領域に対して、受光部140及び発光部150が実装される基板160が挿入されるように、取り付けられる。そして遮光用部材78には、突起部86、88が形成されており、この突起部86、88が、基板160に形成された穴部に嵌合することで、遮光用部材78が基板160に対して固定される。これにより、例えば透光部材30の裏側の凹部32に対応する位置に、絞り部80、82、遮光部100、受光部140、発光部150が配置されるようになる。この場合に凹部32の部分では、透光部材30の肉厚が薄くなっている。従って、受光部140に入射される光や、発光部150から出射される光についての、透光部材30での通過距離である光路の長さを短くできる。従って、これらの光の透光部材30での減衰が低減され、透過光量を向上できる。
なお、絞り部80、82、遮光部100には、脈波センサーの光学的な効率・性能を向上するための加工処理等を施すことが望ましい。例えば、絞り部80、82、遮光部100の表面(壁面)を荒くする加工処理を行って、光の反射率を抑制する。或いは、絞り部80、82、遮光部100の表面をモスアイ構造にする。例えば数十〜数百nm周期の凹凸構造を表面に形成して、反射防止構造とする。或いは、絞り部80、82、遮光部100の表面の色を、黒色等の所定色にして、光の乱反射を防ぐようにする。このようにすれば、絞り部80、82、遮光部100での反射光が迷光となって、計測データのノイズ成分となってしまう事態を効果的に抑制できる。
さて、前述したように、脈波センサーの光学的な効率・性能を向上するためには、受光部140と発光部150との間の距離を最小化することが望ましい。このため、遮光部100をできるだけ薄い壁厚構造にする必要がある。特に、図13、図14(A)の遮光部100の中心部102(受光部140の中心位置と発光部150の中心位置を結ぶ線と交わる領域)において、遮光部100の壁厚を薄くする。
しかしながら、このように薄い壁厚の遮光部100の単体構造では、強度が不足してしまう。例えば脈拍計が使用される走行時や自転車搭乗時には、強い衝撃(例えば10G程度)が機器に加わるため、それらの衝撃に対応できる強度が必要となる。
そこで本実施形態では、絞り部80、82と遮光部100を一体構造とする手法を採用している。即ち、絞り部80、82と遮光部100の各々を単体の部材で実現するのではなく、図13に示すように絞り部80、82と遮光部100が一体形成された遮光用部材78を用いる。このような一体形成された遮光用部材78であれば、遮光部100の壁厚が薄くても、衝撃に耐えうる強度を確保することが可能になる。
また、絞り部80、82と遮光部100は共に、光学的な安定化という目的の点で一致しているため、材料の共通化等が容易である。例えば、絞り部80、82と遮光部100の表面の色を、乱反射の生じない黒色に設定することなども容易となる。
また絞り部80、82と遮光部100を一体化することで、部品組み立て時の組立性が向上し、コスト低減に寄与する。例えば図14(B)において、透光部材30の凹部32に遮光用部材78を挿入し、遮光用部材78の突起部86、88を、受光部140、発光部150が実装された基板160に嵌合させて固定するだけで、脈波センサーの組み立てを完了できる。
また、機器の量産性を考慮すると、遮光用部材78は射出成型により製造することが望ましい。しかしながら、遮光部100の壁厚があまりに薄いと、射出成形時に、遮光部100の部分に樹脂が十分に充填されないおそれがある。
そこで図14(A)では、受光部側の絞り部80(第1の絞り部)の開口部81の面積よりも、発光部側の絞り部82の開口部83の面積の方が小さくなるようにしている。
また図14(A)では、受光部140の中心と発光部150の中心を結ぶ線LNRT上において、遮光部100の壁厚が最小になるようにしている。例えば、中央部102に近づくにつれて壁厚が薄くなるようにしている。
例えば発光部側の開口部83の面積を小さくすれば、図14(A)のDP1、DP2の経路を、射出成型における樹脂の流し込み経路に設定できる。そして、DP1からDP3の経路と、DP2からDP4の経路で樹脂を流し込むことで、樹脂を十分に充填して、壁厚が薄い中央部102においても、樹脂により遮光部100を形成できるようになる。そして、例えばLED等により実現される発光部150の大きさは、フォトダイオードの半導体IC等により実現される受光部140の大きさに比べて、小さいのが一般的である。従って、発光部側の開口部83の面積を小さくしても、それほど問題は生じない。そして受光部側の開口部81の面積を大きくすることで、受光効率を高めることができ、生体情報検出装置の性能等の向上を図れる。
そして、このように発光部側の開口部83の面積を小さくして、樹脂の流し込みを容易にし、遮光部100の中央部102等での壁厚を薄くすれば、受光部140と発光部150の間の距離を近づけることができる。これにより、光学的な効率・性能を向上できるようになる。即ち、遮光部100の強度と光学的な効率・性能を両立しながら、射出成形時の樹脂の充填不足を防ぎ、歩留まり等の向上を図ることが可能になる。
なお、図15、図16(A)、図16(B)に、絞り部80、82と遮光部100とが一体形成された遮光用部材78の第2の例の斜視図、上面図、断面図を示す。この第2の例の遮光用部材78では、図16(A)に示すように、受光部側の開口部81の面積と発光部側の開口部83の面積が等しくなっている。また図16(B)に示すように、透光部材30が曲面形状の凸部を有しない構成となっている。このように遮光用部材78の構造・形状としては種々の変形実施が可能である。
4.透光部材の凸部
図17(A)に示すように本実施形態では、透光部材30は、被検体の生体情報の測定時に被検体に接触して押圧を与える凸部40を有している。
そして絞り部80、82は、C1、C2に示すように、この凸部40の周縁領域を通過する光を遮光している。こうすれば、C1、C2のように接触状態が不安定な場所での迷光を原因とする計測データの信頼性の低下等を抑制できる。
また図17(A)では、押圧抑制部60が設けられている。この押圧抑制部60は、生体情報検出装置の筺体面(被検体側の面)において凸部40を囲むように設けられ、凸部40が被検体に与える押圧を抑制する。この押圧抑制部60は、図3、図4では、凸部40の位置から第2の方向DR2側(手から下腕へと向かう方向側)に広がる押圧抑制面を有している。具体的には、押圧抑制部60は、カバー部材20に形成された土手形状の部分により実現されている。
この場合に、例えば、生体情報検出装置の筺体面に直交する方向DRHでの凸部40の高さをHA(例えば凸部40の曲面形状の頂点の高さ)とし、押圧抑制部60の高さをHB(例えば最も高い場所での高さ)とし、高さHAから高さHBを減じた値(高さHAとHBの差)をΔhとした場合に、Δh=HA−HB>0の関係が成り立っている。例えば、凸部40は、押圧抑制部60の押圧抑制面から被検体側に、Δh>0となるように突出している。即ち、凸部40は、押圧抑制部60の押圧抑制面よりも、Δhの分だけ被検体側に突出している。
このように、Δh>0となる凸部40を設けることで、例えば静脈消失点を超えるための初期押圧を被検体に対して与えることが可能になる。また、凸部40が被検体に与える押圧を抑制するための押圧抑制部60を設けることで、生体情報検出装置により生体情報の測定を行う使用範囲において、押圧変動を最小限に抑えることが可能になり、ノイズ成分等の低減を図れる。ここで静脈消失点とは、被検体に凸部40を接触させ押圧を次第に強くした時に、脈波信号に重畳された静脈に起因する信号が消失、または脈波測定に影響しない程度に小さくなる点のことである。
例えば図17(B)では、横軸は、図1(B)〜図2(C)で説明した荷重機構(バネ、伸縮部などの弾性部材や、バンド等で構成される機構)が発生する荷重を表しており、縦軸は、凸部40が被検体に与える押圧(血管にかかる圧力)を表している。そして凸部40の押圧を発生させる荷重機構による荷重に対する凸部40の押圧の変化量を押圧変化量としたとする。この押圧変化量は、荷重に対する押圧の変化特性の傾きに相当する。
この場合に押圧抑制部60は、荷重機構の荷重が0〜FL1となる第1の荷重範囲RF1での押圧変化量VF1に対して、荷重機構の荷重がFL1よりも大きくなる第2の荷重範囲RF2での押圧変化量VF2が小さくなるように、凸部40が被検体に与える押圧を抑制する。即ち、初期押圧範囲である第1の荷重範囲RF1では、押圧変化量VF1を大きくする一方で、生体情報検出装置の使用範囲である第2の荷重範囲RF2では、押圧変化量VF2を小さくする。
つまり、第1の荷重範囲RF1では、押圧変化量VF1を大きくして、荷重に対する押圧の変化特性の傾きを大きくしている。このような変化特性の傾きが大きな押圧は、凸部40の飛び出し量に相当するΔhにより実現される。即ち、Δh>0となる凸部40を設けることで、荷重機構による荷重が少ない場合であっても、静脈消失点を超えるのに必要十分な初期押圧を、被検体に対して与えることが可能になる。
一方、第2の荷重範囲RF2では、押圧変化量VF2を小さくして、荷重に対する押圧の変化特性の傾きを小さくしている。このような変化特性の傾きが小さな押圧は、押圧抑制部60による押圧抑制により実現される。即ち、凸部40が被検体に与える押圧を、押圧抑制部60が抑制することで、生体情報検出装置の使用範囲では、荷重の変動等があった場合にも、押圧の変動を最小限に抑えることが可能になる。これにより、ノイズ成分の低減等を図れる。
このように、最適化された押圧(例えば16kPa程度)が被検体に与えられるようにすることで、脈波センサーの信号成分(M)を増加させると共に、ノイズ成分(N)を低減できる。また、脈波測定に使用する押圧の範囲を、第2の荷重範囲RF2に対応する範囲に設定することで、最小限の押圧変動(例えば±4kPa程度)に抑えることが可能になり、ノイズ成分を低減できる。また、絞り部80、82や遮光部100を用いて、光学的なノイズを低減することで、脈波検出信号に乗るノイズ成分を、更に低減することが可能になる。
さて、凸部40の飛び出し量を表すΔhは、最適押圧を規定する重要なパラメーターとなる。即ち、静脈消失点を超えるための押圧を常に与えるためには、ある程度の飛び出し量が必要であり、Δhを大きな値にする必要がある。しかしながら、Δhが過大な値になってしまうと、脈波センサーの信号成分の低減や押圧変動の増加の要因となるおそれがある。
そこで、脈波センサーの信号成分を十分確保できる範囲、つまり最適押圧を与えることができる範囲で、最小のΔhを選択するようにする。即ち、最適押圧を与えることができる範囲であれば、Δhが小さいほど、ノイズ成分を低く抑えることができる。
例えば図18(A)は、ユーザーがグーパーの動作(GP)を行った場合における、ΔhとMN比(SN比)との関係を表す測定値の例である。また図18(B)は、ユーザーが走る動作(RUN)を行った場合における、ΔhとMN比との関係を表す測定値の例である。ここでMN比は、脈波センサーの信号成分(M)とノイズ成分(N)の比に相当するものである。
図18(A)、図18(B)から、Δhの範囲は、0.01mm≦Δh≦0.5mmであることが望ましく、更に好ましくは、0.05mm≦Δh≦0.35mmであることが望ましいことが理解される。例えばΔh=0.25mm程度にすることで、MN比を最も大きくすることが可能になる。即ち、このようにΔhを小さな値にすることで、静脈消失点を超えるための最低限の押圧を被検体に与えながら、押圧変動等を要因とするノイズ成分の増加を抑制して、信号の品位を表すMN比を高めることが可能になる。
5.生体情報検出装置の全体構成
図19は、生体情報検出装置の全体構成の例を示す機能ブロック図である。図19の生体情報検出装置は、検出部130、体動検出部190、処理部200、記憶部240、表示部310を含む。なお本実施形態の生体情報検出装置は図19の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
検出部130は、脈波等の生体情報を検出するものであり、受光部140、発光部150を含む。これらの受光部140、発光部150等により脈波センサー(光電センサー)が実現される。検出部130は、脈波センサーにより検出された信号を、脈波検出信号として出力する。
体動検出部190は、種々のセンサーのセンサー情報に基づいて、体動に応じて変化する信号である体動検出信号を出力する。体動検出部190は、体動センサーとして例えば加速度センサー192を含む。なお、体動検出部190は、体動センサーとして圧力センサーやジャイロセンサーなどを有していてもよい。
処理部200は、例えば記憶部240をワーク領域として、各種の信号処理や制御処理を行うものであり、例えばCPU等のプロセッサー或いはASICなどの論理回路により実現できる。処理部200は、信号処理部210、拍動情報演算部220、表示制御部230を含む。
信号処理部210は各種の信号処理(フィルター処理等)を行うものであり、例えば、検出部130からの脈波検出信号や体動検出部190からの体動検出信号などに対して信号処理を行う。例えば信号処理部210は体動ノイズ低減部212を含む。体動ノイズ低減部212は、体動検出部190からの体動検出信号に基づいて、脈波検出信号から、体動に起因したノイズである体動ノイズを低減(除去)する処理を行う。具体的には、例えば適応フィルターなどを用いたノイズ低減処理を行う。
拍動情報演算部220は、信号処理部210からの信号等に基づいて、拍動情報の演算処理を行う。拍動情報は例えば脈拍数などの情報である。具体的には、拍動情報演算部220は、体動ノイズ低減部212でのノイズ低減処理後の脈波検出信号に対してFFT等の周波数解析処理を行って、スペクトルを求め、求めたスペクトルにおいて代表的な周波数を心拍の周波数とする処理を行う。求めた周波数を60倍にした値が、一般的に用いられる脈拍数(心拍数)となる。なお、拍動情報は脈拍数そのものには限定されず、例えば脈拍数を表す他の種々の情報(例えば心拍の周波数や周期等)であってもよい。また、拍動の状態を表す情報であってもよく、例えば血液量そのものを表す値を拍動情報としてもよい。
表示制御部230は、表示部310に各種の情報や画像を表示するための表示制御を行う。例えば図1(A)に示すように、脈拍数などの拍動情報や時刻情報などの各種情報を、表示部310に表示する制御を行う。また、表示部310の代わりとして光、音又は振動等のユーザーの知覚を刺激する出力を行う報知デバイスを設けてもよい。このような報知デバイスとしては例えばLED、ブザー又はバイブレーターなどを想定できる。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また生体情報検出装置の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
2 肌、10 裏蓋部、20 カバー部材、22 筺体面、24 ねじ穴部、
26 端子穴部、30 透光部材、32 凹部、40 凸部、42 溝部、
60 押圧抑制部、78 遮光用部材、80、82 絞り部、81、83 開口部、
86、88 突起部、100 遮光部、102 中心部、
130 検出部、140 受光部、150 発光部、152 リフレクター、
160 基板、190 体動検出部、192 加速度センサー、
200 処理部、210 信号処理部、212 体動ノイズ低減部、
220 拍動情報演算部、230 表示制御部、240 記憶部、
300 本体部、310 表示部、320、322 バンド、
330、332 伸縮部、340 連結部、342 固定部材、343 表示器、
344 スライド部材、350、352 バネ、
400 手首、410 手、420 下腕

Claims (12)

  1. 被検体からの光を受光する受光部を有する検出部と、
    前記被検体に接触する筺体面側に設けられ、前記被検体からの光を透過し、かつ前記被検体の生体情報の測定時に前記被検体に接触して押圧を与える凸部を有する透光部材と、
    前記透光部材と前記検出部との間又は前記透光部材と前記被検体との間又は前記透光部材内に設けられ、前記被検体と前記検出部との間の光路において前記被検体からの光を絞る絞り部と、
    前記凸部を囲むように設けられ、前記凸部が前記被検体に与える押圧を抑制する押圧抑制部と、
    を含み、
    前記絞り部は、
    前記凸部の周縁領域を通過する光を遮光し、
    前記凸部の押圧を発生させる荷重機構による荷重に対する前記凸部の押圧の変化量を押圧変化量とした場合に、
    前記押圧抑制部は、
    前記荷重機構の荷重が0より大きくFL1以下となる第1の荷重範囲での前記押圧変化量に対して、前記荷重機構の荷重がFL1よりも大きくなる第2の荷重範囲での前記押圧変化量が小さくなるように、前記凸部が前記被検体に与える押圧を抑制することを特徴とする生体情報検出装置。
  2. 被検体からの光を受光する受光部を有する検出部と、
    前記被検体に接触する筺体面側に設けられ、前記被検体からの光を透過し、かつ前記被検体の生体情報の測定時に前記被検体に接触する透光部材と、
    前記透光部材と前記検出部との間又は前記透光部材と前記被検体との間又は前記透光部材内に設けられ、前記被検体と前記検出部との間の光路において前記被検体からの光を絞る絞り部と、
    を含み、
    前記透光部材の透光領域の第1の端部と前記受光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第1の端部から遠い側の端部である第2の端部とを結ぶ線と、前記受光部の光軸とのなす角度をθrとして、前記受光部の前記第2の端部と前記絞り部の開口部側の端部とを結ぶ線と、前記光軸とのなす角度をθaとした場合に、θa<θrであり
    前記透光部材は、
    前記被検体の生体情報の測定時に前記被検体に接触して押圧を与える凸部を有し、
    前記絞り部は、
    前記被検体側から見た平面視において、前記凸部の周縁領域とオーバーラップするように設けられ、前記凸部の中央部を通過する光を遮光せず、前記凸部の前記周縁領域を通過する光を遮光することを特徴とする生体情報検出装置。
  3. 請求項において、
    前記凸部を囲むように設けられ、前記凸部が前記被検体に与える押圧を抑制する押圧抑制部を含むことを特徴とする生体情報検出装置。
  4. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記検出部は、
    前記被検体に対して光を出射する発光部を含み、
    前記透光部材は、前記発光部からの光を透過し、
    前記絞り部は、
    前記被検体と前記検出部との間の光路において、前記発光部からの光を絞ることを特徴とする生体情報検出装置。
  5. 請求項において、
    前記絞り部として、前記受光部側に設けられた第1の絞り部と、前記発光部側に設けられた第2の絞り部とを有することを特徴とする生体情報検出装置。
  6. 請求項において、
    前記受光部側に設けられた前記第1の絞り部の開口部の面積よりも、前記発光部側に設けられた前記第2の絞り部の開口部の面積の方が小さいことを特徴とする生体情報検出装置。
  7. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記透光部材の透光領域の第1の端部と前記受光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第1の端部に近い側の端部である第1の端部とを結ぶ線上と、前記透光部材の透光領域の第2の端部と前記受光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第2の端部に近い側の端部である第2の端部とを結ぶ線上とに、前記絞り部が位置するように、前記絞り部が配置設定されることを特徴とする生体情報検出装置。
  8. 請求項4乃至6のいずれかにおいて、
    前記透光部材の透光領域の第2の端部と前記発光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第2の端部から遠い側の端部である第1の端部とを結ぶ線と、前記発光部の光軸とのなす角度をθtとして、前記発光部の前記第1の端部と前記絞り部の開口部側の端部とを結ぶ線と、前記光軸とのなす角度をθbとした場合に、θb<θtであることを特徴とする生体情報検出装置。
  9. 請求項4乃至6のいずれかにおいて、
    前記透光部材の透光領域の第1の端部と前記発光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第1の端部に近い側の端部である第1の端部とを結ぶ線上と、前記透光部材の透光領域の第2の端部と前記発光部の2つの端部のうち前記透光領域の前記第2の端部に近い側の端部である第2の端部とを結ぶ線上とに、前記絞り部が位置するように、前記絞り部が配置設定されることを特徴とする生体情報検出装置。
  10. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記絞り部の絞り領域の面積は、前記透光部材の透光領域の面積よりも小さいことを特徴とする生体情報検出装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかにおいて、
    前記絞り部の絞り領域の形状は、前記透光部材の透光領域の形状と相似形であることを特徴とする生体情報検出装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかにおいて、
    前記生体情報として脈波を検出することを特徴とする生体情報検出装置。
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