JP2008086705A - 測定補助材およびそれを用いた光学測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体の特性成分を非侵襲撃で測定する方法として、光学式な測定方法が知られている。しかしながら、測定精度の向上や装置の小型化が進まない問題があった。また、被測定部位のばらつきによる測定誤差が大きい問題があった。
【解決手段】小型で携帯性に優れた光学測定装置を使用する際に、生体の被測定部位25に光学測定装置の当接面と略同等の大きさ及び形状のパッチ10を貼付ける。パッチ10によって被測定部位の形状のばらつきを少なくできる。また所定の期間貼付けたままにすることで、被測定部位の位置のばらつきを少なくでき、測定誤差を減少できる。さらにパッチ10に反射防止膜を設けることで外乱光による測定誤差も低減できる。
【選択図】図8
【解決手段】小型で携帯性に優れた光学測定装置を使用する際に、生体の被測定部位25に光学測定装置の当接面と略同等の大きさ及び形状のパッチ10を貼付ける。パッチ10によって被測定部位の形状のばらつきを少なくできる。また所定の期間貼付けたままにすることで、被測定部位の位置のばらつきを少なくでき、測定誤差を減少できる。さらにパッチ10に反射防止膜を設けることで外乱光による測定誤差も低減できる。
【選択図】図8
Description
本発明は、測定補助材およびそれを用いた光学測定方法に係り、特にレーザ光により生体内の特定成分を測定する際の高精度化を実現する測定補助材およびそれを用いた光学測定方法に関する。
生体内部の特定成分を非侵襲で測定する方法として、近赤外光を用いる等して光学的に測定する方法が知られている。以下光学測定方法の一例として、血中のグルコース濃度(血糖値)の測定方法を例に説明する。
血中グルコース濃度(血糖値)を測定する方法として、近赤外光(800nm〜2500nm)を照射させ、透過光から特定波長における吸光率を求めて血糖値を算出する方法がある(例えば特許文献1参照。)。また、分光分析による方法や、フーリエ変換によるスペクトル分析(Fourier Transform infrared Spectrometer:FTIR)を行い、そのスペクトルの変化および統計的手法から求める方法が提案されている。FTIR分析装置の光学系は、例えばマイケルソン型の干渉計を構成するものである(例えば特許文献2参照。)。
このように光学的に血糖値を測定するには、一般に被測定部位に光学測定装置を当接させる必要がある。つまり、この当接の良・不良が測定誤差に大きく影響するため、被測定部位と当接部との良好な接触が安定して行われるような工夫も成されている。
例えば、測定装置の当接部を大きくし、被測定部位との接触面を大きくすることで良好な接触を安定して行う方法や、ファイバーなどで被測定部位まで導光し、ファイバーの可動性によって良好な接触を安定して行う方法などが挙げられる。
特開2002−202258号公報
特表2006−512979号公報
例えば特許文献1の如く、近赤外光を照射させ、特定波長における吸光率から血糖値を求める方法においては、被測定部位として血管が利用されており、精度よく測定することが非常に難しい問題がある。すなわち、透過光は血中成分としてグルコース以外の成分(具体的にはヘモグロビン)の影響を強く受ける上、グルコースの吸光率は非常に小さいため、高精度化を図るための大きな課題となっている。
一方スペクトル分析を使用する方法は、ある程度の測定精度が確保できるとされている。しかしながら、スペクトル分析に使用する分光器は、ある程度の光路長を確保する必要があり、測定装置の小型化には限界がある。また、特許文献2の如く、FTIR分析装置による方法も、光路および、ミラーなどの可動部の存在から小型化は不可能といえる。
また、スペクトル分析手法は、元来、血糖値を測定するための方法ではなく、材料に物性分析を行うための手法である。そのため、その分析スペクトル範囲は非常に広いものである。しかしながら、血糖値の測定だけを考えた場合、グルコースの吸光特性は既知とされていることから、その部分だけのスペクトルに対する吸光特性のみが測定できればよい。
すなわち、分光分析法やFTIR分析法などのスペクトル分析法では、余分な領域を測定している時間が長く、また、可動部を実際に駆動するため、測定にはある程度の(無駄な)時間を必要とする。
さらに、血糖値測定の使用環境を考えた場合、測定装置の小型化による携帯性の向上は市場要求であるが、光路および可動部が存在する上記の如き測定装置では、携帯性の点においても大きな問題がある。
そこで、高精度で簡便に測定を行うことのできる小型の測定装置の開発も望まれている。しかしながら、小型で携帯性の高い測定装置は、例えば生体の腕、指などを被測定部位にすることにより簡便に測定ができる反面、被測定部位がばらつき、測定誤差に及ぼす影響が大きくなる。
測定誤差の改善については、上記の如き方法が知られているが、何れも十分とは言えない。例えば、大きな接触面を確保する方法では、被測定部位を一定に維持することが困難である。光学的な測定は非侵襲であるため、被測定部位がばらつくことによって測定値がばらつきやすい。
しかしながら、接触面が大きいと、結局接触面の中で被測定部位がばらつくことになり、測定値の再現性を低下させる可能性が高い。
また、ファイバーにて導光する方法も十分とは言えない。生体の表面構造には平面部が全く存在せず、全面的に不均一な湾曲面を成している。また弾力性も個体性があり一定ではない。さらにたとえ同一の被測定部位であっても、その時々により皮膚の状態が一定とは限らないため、被測定部位の表面形状や弾力性等が変化し、光の入射および反射を利用する測定装置にとっては誤差要因となる問題があった。
本発明は、上記した点に鑑み、精度よく生体内の特定成分の測定を可能とさせる測定補助材およびそれを用いた光学測定方法を提供することを目的とする。
本発明は上述した諸々の事情に鑑み成されたもので、第1に、当接部を生体の被測定部位に近接させてレーザ光を照射する際に前記被測定部位に密着させる測定補助材であって、前記当接部の当接面と略同等の大きさ及び形状を有し、1つの主面側が平滑な面である支持基材と、前記支持基材の他の主面側に設けられた粘着層と、を具備することにより解決するものである。
第2に、レーザ光の照射により生体の被測定部位における特定成分を測定する光学測定装置を前記被測定部位に近接させる際に前記被測定部位に密着させる測定補助材であって、前記光学測定装置の前記被測定部位との当接面と略同等の大きさ及び形状を有し、1つの主面側を平滑な面とした支持基材と、前記支持基材の他の主面側に設けられた粘着層と、を具備することにより解決するものである。
第3に、レーザ光による光学測定装置を生体の被測定部位に近接させ、被測定部位における特定成分を測定する光学測定方法において、前記光学測定装置の前記被測定部位との当接面と略同等の大きさ及び形状を有し、1つの主面側が平滑な面で他の主面側に粘着層を有する測定補助材を前記被測定部位に貼付ける工程と、前記測定補助材に前記光学測定装置の前記被測定部位との当接部を密着させる工程と、前記被測定部位に前記レーザ光を照射させて前記特定成分を測定する工程と、を具備することにより解決するものである。
本発明によれば、精度よく生体内の特定成分を測定することができる。
また、測定精度が高く、小型化で非侵襲の光学測定装置を使用する際に、より測定精度を向上させることができる。
第1に、当接部を生体の被測定部位に近接させ、レーザ光を照射させて生体内の特定成分を測定する際に、被測定部位に測定補助材(パッチ)を貼付ける。そして当接部を、パッチに接触させて測定する。パッチは当接部との接触面が平滑な面であるので、皮膚の状態による測定誤差を小さくできる。すなわち、被測定部位の表面形状や弾力性などの変化が光の入射および反射に与える影響を少なくできるので、誤差要因を低減することができる。
また、パッチは、その大きさ及び形状が当接部の生体との当接面と略同等であるので、パッチを一定期間貼付けたままの状態にすることにより、複数の測定において常に被測定部位を同一箇所にすることができ、測定部位のばらつきによる測定誤差を少なくすることができる。
第2に、パッチの少なくとも1つの主面側に反射防止膜が設けられているので、測定精度をより向上させることができる。特に、当接部を生体の被測定部位に近接させ、レーザ光を照射させて拡散反射光を測定し、生体内の特定成分による吸光率から特定成分を測定する光学測定装置を使用する際に、入射光のパッチ表面での反射光(戻り光)を大幅に低減でき、レーザの安定的な発振が可能となる。
また被測定部位からの拡散反射光がパッチ表面で反射することも防止でき、外乱光も低減できるので、拡散反射光を効率よく検出でき、測定精度を向上させることができる。
第3に、パッチの他の主面側にも反射防止膜を設けることにより、戻り光や外乱光をより低減でき、パッチを通過することによる入射光および測定すべき拡散反射光を効率よく検出できる。
以下、本発明の実施形態の一例を、図1から図13を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る測定補助材の一実施形態(実施例1)を示す図であり、図1(A)が平面図、図1(B)が図1(A)のa−a線断面図、図1(C)が測定補助材を被測定部位に密着させた側面図である。本実施形態の測定補助材10は、当接部を生体の被測定部位に近接させてレーザ光を照射させて測定を行う際に被測定部位に密着させるものであり、支持基材101と粘着層102とから構成された、例えばパッチ10である。
ここで、当接部とは、例えばレーザ光の照射により生体の被測定部位における特定成分を測定する光学測定装置の一部である。光学測定装置については後述するが、例えば特定成分として、血中グルコース濃度(血糖値)を測定するものであり、小型で携帯性に優れ、測定時には、光学測定装置の当接部を生体の被測定部位25に貼付けられたパッチ10に当接させて使用する。
パッチ10は、略板状のものとされて、第1主面Sf1と、第1主面Sf1の反対側の主面とされる第2主面Sf2とを有する。なお、本実施形態では説明の便宜上、2つの主面のうち、光学測定装置の当接部と接触する(または当接部に近い)主面側を第1主面とし、被測定部位に接触する(または被測定部位に近い)主面側を第2主面とする。パッチ10における第1主面Sf1側に支持基材101が設けられ、パッチ10における第2主面Sf2側に粘着層102が設けられている。
支持基材101は、例えば、ポリカーボネート、塩化ビニルなどの合成樹脂や、ガラスなどの透明または半透明系の材料が用いられて形成される。ここでは、透明または半透明の合成樹脂材料により支持基材101が形成される場合を例に説明する。具体的には、ポリカーボネートなどの射出成形が可能な熱可塑性合成樹脂材料が用いられて、透明または半透明の薄板状支持基材101が成形される。
一例で示したポリカーボネート樹脂は、機械的強度、耐衝撃性、寸法安定性、成形性に優れる。またポリカーボネート樹脂は大量生産性に優れる射出成形法により成形可能であるので、本実施形態の支持基材101として好適である。ポリカーボネート樹脂として、例えば、帝人化成社製:パンライト(登録商標)などが挙げられる。具体的なポリカーボネート樹脂の商品名として、例えば、帝人化成社製:パンライトAD−5503などが挙げられる。
支持基材101は、当接部3における被測定部位に対応した当接面と略同等の大きさ及び形状を有する。具体的には、例えば直径略1cm〜2cmの円形もしくは略同程度の大きさの楕円形または四辺形等である。また、支持基材101は、被測定部位に貼付けられた状態で平滑な面が維持できる程度の厚みを有する。さらに、支持基材101は、被測定部位に貼付けられた状態で平滑な面が維持できる程度の硬度を有する。支持基材101の第1主面Sf11側は、平滑な面であり、支持基材101の第2主面Sf12には、粘着層102が設けられている。粘着層102は、例えば、アクリルを含有する重合体などの接着剤(粘結剤)を塗布した層である。詳しく説明すると、接着剤として、例えば、アクリル酸エステル系重合体などであり、特に皮膚に対する低刺激性を改善したものとして、酸成分モノマーを含まないアクリル酸エステル系重合体などが好適である。
また、被測定部位への貼り直し等を考慮して、ある程度の再剥離性を有するものが望ましい。また粘着層102は、上記のものに限らず、他の材質のものであってもよい。
図1(C)の如く、測定補助材(パッチ)10は、生体(人体)の例えば皮膚表面251の被測定部位25に粘着層102により貼付けられる。人体の表面(例えば皮膚)構造に平坦部は全く無く、全面的に不均一な湾曲面を成している。また皮膚の弾力性も個体性があり一定ではない。さらに同じ被測定部位であっても、皮膚の状態は必ずしも一定ではないため、被測定部位の表面形状および弾力性などが変化する。従って、レーザ光を入射および反射させて特定成分を測定する光学測定においては、これらの不均一性が大きな誤差要因となる。
そこで、本実施形態では、第1主面Sf1側が平滑なパッチ10を被測定部位25に貼付ける。これにより、パッチ10(支持基材101)の剛性によって被測定部位25の平坦性を維持でき、表面形状および弾力性がほぼ均一な状態で光学測定を行うことができるので、測定精度を向上させることができる。
また本実施形態のパッチ10は、複数回の測定の期間(例えば数日など)に渡り、被測定部位への貼付けが維持される。さらに、パッチ10は、光学測定装置の当接部における被測定部位に対応した当接面と略同等の大きさ及び形状を有している。
つまり、パッチ10によって被測定部位25が明確となり、パッチ10に当接部を接触させることにより、複数回の測定の期間に渡って同一の被測定部位を測定することが可能となる。従って、被測定部位のばらつき(当接部を接触させる部位のばらつき)による測定ばらつきを大幅に低減でき、測定値の再現性を向上させることができる。
パッチ10を構成する支持基材101の材質および形状は、これらを考慮して適宜選択される。例えばパッチ10を構成する支持基材101の厚みは、約0.1mm〜1.0mmとされることが好ましい。例えばパッチ10を構成する支持基材101の厚みが0.1mmよりも薄すぎると、パッチ10の使用中にパッチ10が変形したり、パッチ10が被測定部位25から剥がれやすくなったりする等の問題がある。また、例えばパッチ10を構成する支持基材101の厚みが1mmよりも厚すぎると、使用中の違和感や引っかかりなど利便性が悪い問題がある。すなわち、支持基材101としては被測定部位(例えば皮膚)25の表面を平坦にできる程度で、且つ長時間の貼付けによっても違和感を持たない程度の剛性(厚みまたは硬度)を有する材質および形状が望ましい。また、粘着層102は、所定の期間中、同一の被測定部位の貼付けが維持できる程度の粘着力や耐水性も必要である。
例えば、支持基材101をポリカーボネート樹脂で、直径1cm〜2cm程度の円形に成型した場合、厚みは例えば0.1mm〜1.0mm、好適には0.5mm程度である。
また、パッチ10を構成する支持基材101は、例えば「ASTM D785」に基づく試験法または「JIS K7202」に基づく試験法にて、ロックウェル硬度がM50〜100の合成樹脂製成形体であることが好ましい。ロックウェル硬度を示す数値の前に記載された「M」は、ロックウェル硬度におけるスケールを示し、ここでは「M−スケール」による硬度を示す。
例えば、前記試験法によるロックウェル硬度がM50よりも軟らかい合成樹脂製支持基材101が用いられた場合、支持基材101の平面維持性(剛性)が不足して、被測定部位25に貼り付けられたパッチ10の支持基材101に撓みが生じ、その結果、光学測定装置による生体の血糖値測定が精度よく行われないことが懸念される。また、例えば、前記試験法によるロックウェル硬度がM100よりも硬い合成樹脂製支持基材101用いられた場合、仮に支持基材101に割れが生じたときの生体に対する損傷が懸念される。支持基材101を形成する材料として、適度な硬度とされる上記ポリカーボネート樹脂が用いられた。詳しく説明すると、支持基材101を形成する材料として、前記試験法によるロックウェル硬度が例えばM70〜80とされると共に透明性に優れる上記ポリカーボネート樹脂が用いられた。
図2は、本発明に係る測定補助材の他の形態(実施例2)を示す断面図、図3は、本発明に係る測定補助材のその他の形態(実施例3)を示す断面図である。なお、これらは、便宜上、図1(A)のa−a線断面に相当するものとされる。
本実施形態のパッチ10は、少なくともパッチ10の第1主面Sf1側に反射防止膜を設けるとよい。図2は、第1主面Sf1側のみに反射防止膜(第1反射防止膜)103を設けた場合であり、図3は、第1主面Sf1側に第1反射防止膜103を設け、さらにパッチの第2主面Sf2側に第2反射防止膜104を設けた場合を示す。
図2の如く、第1反射防止膜103は、例えば、ARコーティング(Anti Refledion CoatingまたはAnti Reflection Coating)により形成される。すなわち、支持基材101の第1主面Sf11表面に、例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)などを真空蒸着して透明な薄膜を形成することにより、光の干渉を利用して支持基材101の第1主面Sf11でのレーザ光の反射光を防止することができる。
後述するが、本実施形態のパッチ10には、第1主面Sf1側からレーザ光21が入射され、被測定部位にて拡散反射した拡散反射光22が透過する。そして、拡散反射光22を測定することによって、光学測定を行う。つまり、レーザ光21の戻り光や外乱光があると、正確な測定が行われない要因となる。
例えば、レーザ光21がパッチ10の第1主面Sf1に向けて照射されると、多くの光は第1反射防止膜103および支持基材101を透過して被測定部位に達するが、一部は被測定部位に到達せずパッチ10の表面(第1主面Sf1)または内部で反射する。このように被測定部位に到達しない反射光は、レーザへの戻り光となり、安定なレーザ発振を阻害する原因となる。
また、レーザ光21以外の被測定部位周囲の外部光がパッチ10の表面(第1主面Sf1)または内部で反射することによりレーザへの戻り光となる。
また、被測定部位で反射しパッチ10の第2主面Sf2から入射して支持基板10内を透過する拡散反射光は、例えば支持基板101の内部で反射する。このような光は、レーザへの戻り光や、拡散反射光を測定する受光部の外乱光となり、正確な測定を妨げる原因となる。
そこで、パッチ10の第1主面Sf1側に第1反射防止膜103を設ける。これにより、戻り光を抑制できるので、安定したレーザ発振と、精度の高い受光が可能となる。
図3は、支持基材101の第2主面Sf12にも第2反射防止膜104を設けた場合を示すものである。これにより、さらに外乱光を抑制できる。
支持基材101の第2主面Sf12も、光学測定装置から入射されるレーザ光21と拡散反射光22が通過する。このとき、第2反射防止膜104の第1主面Sf31側および第2主面Sf32側での反射光および外乱光を抑制できるので、図2の場合と比較して、より高精度の受光と安定したレーザ発振を行うことができる。
なお、第2反射防止膜104を設ける場合は、粘着層102は、第2反射防止膜104の第2主面Sf32表面に設ける。
図1の如く、被測定部位の表面形状の平坦化および弾性の均一化を図り、測定誤差を抑制するために、当接部と接触する支持基材101の第1主面Sf11側は平滑である。
つまり、図2および図3の如く、第1反射防止膜103を設ける場合には、その第1主面Sf21表面を、平滑な主面とする。また、必要なレーザ光および拡散反射光を精度良く透過させるために、光路上はできる限り凹凸がない方が好ましいため、第1反射防止膜103の両主面、支持基材101の両主面および図3の場合は第2反射防止膜104の両主面も、平滑な主面とすると好適である。
なお、粘着層102は、拡散板のように働くため、反射にはさほど影響はない。また、粘着層102は、支持基材101の全面に設けられる必要は無いため、レーザ光が通過する部分には設けないようにすれば、粘着層102の影響も排除できる。
図4〜図6を参照し、本実施形態の光学測定方法について説明する。
本実施形態の光学測定方法は、レーザ光による光学測定装置を生体の被測定部位に近接させ、被測定部位における特定成分を測定するものであり、光学測定装置の被測定部位との当接面と略同等の大きさ及び形状を有し、1つの主面側が平滑な面で他の主面側に粘着層を有する測定補助材を前記被測定部位に貼付ける工程と、測定補助材に光学測定装置の被測定部位との当接部を密着させる工程と、被測定部位にレーザ光を照射させて特定成分を測定する工程と、から構成される。
第1工程(図4):光学測定装置の被測定部位との当接面と略同等の大きさ及び形状を有し、1つの主面側が平滑な面で他の主面側に粘着層を有する測定補助材を前記被測定部位に貼付ける工程。
図4の如く、所望の被測定部位25にパッチ10を貼付ける。ここでは一例として腕の内側にパッチ10を貼付けた場合を示す。パッチ10の詳細は、図1〜図3と同様であるので説明を省略するが、以降の説明では、図3の如く、支持基材101の両主面に第1反射防止膜103および第2反射防止膜104をそれぞれ設けた場合を例に説明する。パッチ10の少なくとも第1主面Sf1(光学測定装置の当接部と接触する第1反射防止膜103の第1主面Sf21)は、平滑な面である。第2反射防止膜104は、粘着層102と、支持基材101の第2主面Sf12との間に配置される。また、パッチ10の大きさ及び形状は、光学測定装置の当接部における被測定部位に対応した当接面と略同等である。
第2工程(図5):測定補助材に光学測定装置の被測定部位との当接部を密着させる工程。
図5は、光学測定方法について説明する概要図である。
例えば、腕の内側に貼付けたパッチ10に、光学測定装置100の当接部3を密着させる。図5の如く、光学測定装置100は小型で携帯性に優れているので、例えば片手で保持して測定が可能である。従って被測定部位25は、光学測定装置100が届く範囲であれば生体の所望の部位でよいが、図5の如く、腕または手首内側などであれば当接させながら操作および測定値の視認が可能である。
パッチ10は、複数回の測定に渡る所定の期間(例えば数日)、被測定部位25への貼付けが維持される。また、パッチ10の大きさ及び形状は、光学測定装置100の当接部3の当接面と略同等である。つまり、パッチ10によって被測定部位25が明確となる(図4参照)ので、測定時には必ず当接部3をパッチ10に密着させて使用することにより、所定の期間内では被測定部位25を一定にすることができる。
第3工程(図6):被測定部位にレーザ光を照射させて特定成分を測定する工程。
パッチ10に当接部3を接触させたまま、光学測定装置100からレーザ光を照射させ、被測定部位25で反射した拡散反射光より、生体内の特定成分を測定する。本実施形態では、特定成分として、血中グルコース濃度(血糖値)を測定する場合を例に説明する。
図6(A)は、本実施形態の光学測定の原理を示す被測定部位25の断面図であり、図6(B)は、被測定部位25にパッチ10を密着させた場合の断面概要図である。なお、図6(B)では被測定部位の詳細説明を省略した。また、図6(B)には、便宜上、本発明に係る測定補助材の別の形態(実施例4)を示す断面図が描かれている。
図1に示す実施例1のパッチ10と、図2に示す実施例2のパッチ10と、図3に示す実施例3のパッチ10と、図6(B)に示す実施例4のパッチ10とは、パッチ10の一部において異なる形態とされているが、図1、図2、図3、図6(B)に示すパッチ10は、図4、図5、図6(A)、図7〜図13における説明内容のものに適用可能とされる。
図6(A)の如く、光学測定は、被測定部位25として生体の真皮層252を利用して行われる。生体の表皮251の下層(内部)には真皮層252があり、その下層に皮下組織253が存在する。
本実施形態では、光学測定装置から出射したレーザ光21を真皮層252にて拡散反射させる。すなわち表皮251から入射されたレーザ光21が真皮層252で拡散反射する照射角度θで、レーザ光21が出力される。
血糖値を測定するには、血中グルコース濃度を検出するのが効率的である。また、血糖値を非侵襲(無採血)で測定する場合、人体に対して透過性を有する波長帯の光を使用することになるが、グルコースの場合、近赤外帯光のいくつかのスペクトルに対して吸光特性を有することが知られている。そこで、従来の光学的な血糖値測定装置が用いられて血糖値の測定が行われるときには、血管に近赤外線を透過させ、グルコースによる吸収率を検出させることで、血糖値の測定が行われる。
しかしながら、血中にはグルコース以外にも様々な物質が存在する上、グルコースの吸光率は非常に小さいものである。特に透過光の場合、血中成分であるヘモグロビンの影響を強く受けてその光量が変化し、結果的に血糖値を正確に測定できない問題がある。
そこで、本実施形態では、血中成分(ヘモグロビン)の影響を受けないよう、真皮層252のグルコースを測定することとした。真皮層252は生体外部(表皮251)から非常に浅い位置にあるため、レーザ光21のビームの絞り角(例:レンズ開口数NAを適切な値に設定する)や照射角度を適宜選択することにより、血糖値の算出に十分な反射光を得ることができる。また、反射光による測定は、皮下組織253を透過しないため、グルコース以外の成分による測定誤差も回避できることから、透過光を利用する場合よりも有利である。
そして図6(B)の如く、測定時には被測定部位25の表皮251にパッチ10を貼付ける。これにより、表皮251の表面形状を平坦化させ、弾性をほぼ均一化させることができる。また、パッチ10がガイドとなるので、複数の測定に渡る所定の期間中は、同一の被測定部位25を測定することができる。
さらに、パッチ10には、当接部側および表皮251側に第1反射防止膜103および第2反射防止膜104が設けられている。これにより、外乱光を防止することができる。
光学測定装置100は、被測定部位25にレーザ光21を照射する。レーザ光21は、パッチ10の第1主面Sf1から、第1反射防止膜103、支持基材101、第2反射防止膜104を透過し、さらに、被測定部位25の表皮251を透過して、被測定部位25の真皮層252に向けて進む。
このとき、一部のレーザ光21は、パッチ10の第1主面Sf1および内部で反射する。この反射光(戻り光)23は、第1反射防止膜103の第1主面Sf21(当接部に近い側の主面)の表面で反射する光23aと、第1反射防止膜103を透過して第2主面Sf22(支持基材101の第1主面Sf11)で反射する光23bとに分けられる。ここで、第1反射防止膜103を設け、その蒸着膜厚t1を略1/4波長とすることにより、第1反射防止膜103の両主面における反射光23a、23bは、1/2波長ずれた逆位相となる。そのため、第1反射防止膜103の第1主面Sf21での反射光23aと、第2主面Sf22での反射光23bとは干渉により打ち消し合い、レーザ光21に対する反射光(戻り光)23cを低減化させることができる。
同様に支持基材101の第2主面Sf12側においてもレーザ光21が通過するため、レーザ光の略1/4波長の蒸着膜厚t2の第2反射防止膜104を設ける。これにより、必要なレーザ光と拡散反射光を第2反射防止膜104を透過させ、第2反射防止膜104の第1主面Sf31での反射光23dおよび第2主面Sf32側での反射光23eおよび外乱光(不図示)を抑制できる。
一方、真皮層252にて反射された拡散反射光22は、被測定部位25の表皮251を透過し、パッチ10の第2主面Sf2から、第2反射防止膜104、支持基材101、第1反射防止膜103を透過して受光部12に向けて進む。
拡散反射光22は、第2反射防止膜104、支持基材101および第1反射防止膜103を透過して光学測定装置(の受光部)に達するが、この際の不要な反射光23も、レーザ光21の不要な反射光23と同様に低減できる。
すなわち、拡散反射光22の一部はパッチ10の第2主面Sf2または内部で反射する。このように被測定部位から直接光学測定装置の受光部に到達しない反射光23や、拡散反射光以外の被測定部位周囲における外部光の反射光23は、外乱光となり、例えば、レーザ発振や、受光部の感度に悪影響を及ぼすことが懸念される。
しかしながら、本実施形態によれば、第2反射防止膜104の第1主面Sf31側および第2主面Sf32側での反射光を干渉により減衰させることができる。
これにより、レーザへの戻り光を低減できるので、安定したレーザ発振が可能となる。また、外乱光を防止して必要な拡散反射光を精度良く受光することができるので、測定精度が向上する。
なお、既述の如く、第1反射防止膜103の両主面、支持基材101の両主面および図3の場合は第2反射防止膜104の両主面を、平滑な主面とすると、測定誤差を防止するために好適である。またその場合、レーザ光21および拡散反射光22が通過する光路上には、粘着層102を設けないようにするとより好適である。
例えば、図6(B)の如く、パッチ10の粘着層102は、その中心部分に略丸孔状の貫通部102pを設ける等し、レーザ光21および拡散反射光22が粘着層102内を通過しないようなパッチ10にすると、より望ましい。
また、図2に示す反射防止膜103や、図3,図6(B)に示す第1反射防止膜103および第2反射防止膜104は、便宜上、厚さをもたせて描かれているが、実際には、1反射防止膜103および第2反射防止膜104は、非常に薄い層(例えば100〜1000nm程度)として形成される。
図7から図13を参照し、光学測定装置100について説明する。
光学測定装置100は、発光部と受光部と制御部からなる光学ユニット1と、表示部2を有する。
図7は、血糖値を測定するための光学測定装置の一例を示す図であり、図7(A)が外観図、図7(B)が図7(A)のb−b線断面図、図7(C)(D)が内部の平面図である。
図7(A)(B)の如く、光学測定装置100の外部筐体8の一主面には、例えば電源スイッチ4、測定開始・停止ボタン5、表示部2等が設けられている。外部筐体8の上部には、被測定部位との当接部(以下アタッチメント)3が設けられる。アタッチメント3は、光学ユニット1と連続して設けられている。本実施形態においては、一例とされるアタッチメント3は、光学ユニット1内の発光部から出力される光、および受光部で受光する光が外部に漏れないような形状(例えば筒状)および材質とされ、光学ユニット1の外部筐体の一部を構成する。
図7(C)の如く、光学測定装置100を構成する光学ユニット1は、発光部と受光部(ここでは共に不図示)および制御部6を有し、生体の被測定部位における血糖値を測定する。制御部6は、例えばプリント基板上に集積化された半導体集積回路により構成され、演算処理部を有する。
また図7(D)の如く、光学測定装置100の内部構造において、表示部2は、制御部6の一部である表示ドライバに接続される。表示部2は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)パネル、有機EL(Electronic Luminescent)表示パネル等であり、血糖値やその他測定情報(例えば測定エラーの通知、日時等)が測定者に認識可能に表示されるものであればよい。また制御部6に接続する電源部7が設けられている。電源は、ACアダプターによる充電や電池、またはこれらの併用等である。
図8は、光学測定装置の光学ユニット1を示す図であり、図8(A)が上面図、図8(B)が図8(A)のc−c線断面図である。
光学ユニット1は、発光部11と受光部12とを有する。発光部11は、被測定部位に対して出射波長がそれぞれ第1波長λ1、第2波長λ2および第3波長λ3の近赤外レーザ光を個別に出力する半導体レーザである。レーザ光21は、レンズ開口数NAの集光レンズ11aで集光され、小さいスポットで被測定部位に照射される。なお、図8(B)では集光レンズ11aを2枚設けているが、この数に限らない。
ここで、第1波長λ1、第2波長λ2、第3波長λ3は、それぞれ近傍の波長の近赤外光であり、この順で波長が長くなる(λ1<λ2<λ3)。また第3波長λ3は、純水による吸光率が非常に大きくほぼ純水による吸光のみが測定できる波長であり、第2波長λ2は、グルコースによる吸光率が大きい波長であり、第1波長λ1は、グルコースによる吸光率が小さい波長である。これらの波長を選択する理由は後述する。
受光部(Photo Detector)12は、被測定部位で反射したレーザ光の反射光22をそれぞれ検出する例えばフォトダイオードである。
反射光22もレンズ開口数NA’の集光レンズ12aにより集光され、受光部12で検知される。なお、受光部12では反射光22をできる限り多く集光することが望ましいので、そのスポット径は、発光部11に比べて大きく設定される(図8(A))。
発光部11および受光部12は、遮光板17を介して隣接して配置される。例えば図8(B)の如く、発光部11と受光部12とは、同一筐体(本実施形態ではアタッチメント3の一部)内に配置され、中央に遮光板17が配置されている。遮光板17は、少なくともアタッチメント3の外周と略同一の高さに設けられる。被測定部位25にアタッチメント3を当接させ、被測定部位25にレーザ光21を照射させた場合、レーザ光21の一部は表皮251で反射する。このような直接反射光が受光部12に到達することを防止するため、遮光板17を設ける。遮光板17により、発光部11および受光部12がそれぞれ分離された空間に配置される。
遮光板17は、例えば、表面が黒色状であり、近赤外を透過、反射しないで吸収する素材である。
より詳細に説明すると、例えば、表面に塗装が施された金属板、具体的には、表面に黒色系の起毛状の塗装物が施された金属板などが挙げられる。また、遮光板17として、例えば、アクリル、ポリカーボネート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種以上の樹脂を含有する樹脂材が用いられて形成された樹脂板などが挙げられる。その場合、遮光性を向上させるために、樹脂材内に、カーボン繊維、グラファイトからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の黒色系充填材などが含有された樹脂板を用いるとよい。また、遮光板17として、例えば、黒色系偏光板が用いられてもよい。その場合、偏光板として、例えばガラスを基材とした基板が用いられることが好ましい。また、遮光板17として、例えば、石材などが用いられてもよい。
また、レーザ光21は、戻り光の影響を受けるが、遮光板17によりその影響を低減できる。従って、レーザ光21を安定して発振させることができ、測定ノイズの低減が図られる。
さらに、受光部12も遮光板17によって区切られた空間で使用されることで、電気的ノイズの影響を受けにくくすることができる。
これらに加え、この光学測定装置100を使用する際は、第1主面Sf1側に第1反射防止膜103が設けられ第2主面Sf2側に第2反射防止膜104が設けられたパッチ10に、アタッチメント3を接触させる。これにより、パッチ10の表面または表皮251で反射する光による戻り光や外乱光を防止できる。
ここで遮光板17は、接触検知センサとしても機能する。すなわち、遮光板17は、垂直方向に移動可能な可動式であり非測定時には周囲のアタッチメント3より突出する。一方、測定時にアタッチメント3を被測定部位25上のパッチ10に当接させて、アタッチメント3を被測定部位25に近接させた場合は、遮光板17は有る程度のテンションで被測定部位25に接触すると共に光学ユニット1内部に押下され、遮光板17下方のスイッチ18を作用させる。つまり、このスイッチ18によって、制御部6は、アタッチメント3が正常に被測定部位に接触したことを検出し、光学測定装置100に正常な状態で(外光を遮蔽した状態で)測定処理を開始させることができる。
また、遮光板17を接触検知センサとして機能させ、正常な接触を検知したのちに測定装置を動作させる場合には、遮光板17はアタッチメント3より低い位置に設けられても良い。例えば、アタッチメント3側を可動式とし、遮光板17の上端に被接触部位との接触センサを設け、遮光板17内の配線を介してスイッチ18と接続する。所定のテンションで被測定部位25に接触させることにより、アタッチメント3が押下され、遮光板17と、アタッチメント3の周壁部との高さが略同等となる。この状態で遮光板17の上部の接触センサが接触を検知し、測定装置を動作させるスイッチ18が導通すれば、外光を遮蔽した状態で測定装置を動作させることができる。
さらに、遮光板17の上端に接触センサを設ける場合は、遮光板17およびアタッチメント3の周壁部の高さを同一とし、いずれも固定式としてもよい。
外光の侵入を避けるため、アタッチメント3も遮光性を有する材質が選択される。さらに、発光部11からのレーザスポットは非常に微小であり、また受光部12も大きいとはいえ、拡散反射光の広がりで例えば1mm程度(フォトダイオード面で例えば0.1mm〜0.5mm程度)である。測定精度を向上させるためには外光の侵入を避けることが望ましく、レーザ光21および反射光22が通過するのに十分な開口部を確保すれば、アタッチメント3の上面は、側面から隙間無く連続し、可能な限り内部を覆う形状とさせることが好ましい。
発光部11のレーザ光21は、適切なレンズ開口数NAによってビームが絞られ、被測定部位25(真皮層252)に対して角度θで照射される。この角度θは、遮光板17の垂直方向(紙面上下)の中心線とレーザ光21の光軸とで成す角であり、真皮層252のグルコース濃度の測定に最も適切な角度に設定され、照射されたビームのフォーカス点の位置設定は、真皮層252のグルコースからの反射光(拡散反射光)を最も効率良く得られる位置に焦点が合せられて行われる。
ここで、フォーカス点は、表皮251の表面から所定の深さDにて結ばれ、グルコース測定に適した真皮層252内の一点として結ばれる。深さDは、表皮251の表面からどれくらいの深さにフォーカス点が結ばれるかを示す数値とされる。また、フォーカス点は、遮光板1の板厚の略中心部から所定の距離Wほど離された一点として結ばれる。距離Wは、表皮251の表面から真皮層252内に向けた深さD位置において、遮光板17の板厚の中心部または端部からどれくらいフォーカス点が離間しているかを示す数値とされる。
レーザ光21のビームを所定の角度θで入射させる他の理由として、レーザの発振点になるべく反射光22が戻らないようにすることが挙げられる。
これに対し、受光部12側のレーザ光の角度θ’は、反射光22が効率よく取得される角度θ’となる。角度θ’は、遮光板17の垂直方向の中心線と反射光22の光軸とで成す角であり、フォーカス点は、それぞれ、表皮251からの深さD’、遮光板17の板厚の略中心部または端部からの距離W’に結ばれる。
拡散反射されたビームは、基本的にあらゆる層からの反射光とされるため、角度θ’、フォーカス点D’、W’およびレンズ開口数NA’によって、真皮層252からの反射光を選択的に集光するように、受光部12の位置や角度等が設定される。
なお、この光学ユニット1は一例である。図示は省略するが、発光部11および受光部12の構成として、例えばそれぞれミラーを設け、ミラーにて集光するものであってもよい。上記の如く、集光レンズ11a、12aで集光する場合は、レンズの透過率によって光量が減衰する。ミラーで集光することで、光量の減衰は抑えられ、また焦点距離によっては、ミラーで反射させた方が設計が容易になる場合がある。
本実施形態の光学ユニット1は、分光分析装置やFTIR分析装置などで要求される光路長や、ミラーなどの可動部が不要である。また上述のようにミラーを採用した場合でも、稼働させる必要はなく小型化を維持できる。また単一波長のレーザの反射光を受光するので、回折格子などにより分光する必要が無く、受光側のものは、例えば、レンズとPhoto Detectorのみで構成できる。従って、光学測定装置100の小型化、軽量化が実現し、携帯性を大幅に向上させることができる。そのサイズは、例えば手のひらに収まり、片手での携帯および操作が十分可能な程度である。
次に、図9を参照して本実施形態の光学測定装置の原理について説明する。
図9は、横軸がレーザ光の出射波長λ、縦軸が吸光率Iとされたレーザ光の特性を示す図である。また、実線が、予め測定された基準となる純水のスペクトル分光曲線であり、破線は、予め基準となる条件で実測されている(または理論値の)スペクトル分光曲線であり、純水とグルコースとの混合液のスペクトル分光曲線である。
本実施形態では、レーザ光を使用する。レーザ光のスペクトルは非常に狭く、ほぼ単一波長光である。そして、少なくとも3つの異なる波長(λ1、λ2、λ3)のレーザ光を個別に照射させて各波長に対する吸光率Iを測定し、3波長に対応した3つの吸光率からこれらの2次微分値を求める。
吸光率Iは、発光部から照射されたレーザ光の照射量と、真皮層で反射された反射光の受光量で求めることができる。すなわち、被測定部位に入射される波長λの光の強度をL0(λ)とし、受光した波長λの反射光の強度をL(λ)とすると、被測定部位25の吸光率I(λ)は、ln(L(λ)/L0(λ))で求められる(なお、入射光が一定の場合には、受光強度そのものが吸光率と等価である。)。
しかしながら、既述の如く、グルコースによる吸光率は非常に小さく、また血糖値は100mg/dl程度のグルコース濃度であるため、実際の血糖値が変動したのか、測定誤差であるのかの違いが分からない場合がある。
そこで、2次微分値を利用する。本実施形態の2次微分値とは、グルコースによる光吸収が光の波長により変動することを利用し、この波長による変動ができるだけ大きく現れる波長域を含む近接した3つの波長を選択して、吸光率Iと波長λとの2次導関数の微分係数に相当する値として定義されるものである。
3点のデータの次微分値を求めることは、波長λ1、λ2、λ3の3点のデータから、中心点(2番目のデータ:λ2)に至るデータの変化量を求めることになる。つまり、中心波長λの吸光率Iを頂点として周りの2点(λ1、λ3)の吸光率Iからの変化量として求めることになるため、照射光量対受光量の実測値で算出するより、演算の感度を向上させることができる。
また、2次微分値は変化量として求められるため、基準(実測値)の大きさは無関係となり、揺らぎ(fluctuation)のような変動を吸収することが可能となる。従って、スペクトル分析法で血糖値測定を行った場合(破線)と同様な結果が得られる。
さらに、本実施形態ではグルコースの吸光スペクトルのみ測定し、不要なスペクトルの測定をしないため、測定時間を短縮することが可能となる。
まず、第1波長λ1にてレーザを駆動させ、被測定部位に第1波長λ1のレーザ光を照射させて反射光から第1吸光率I1を測定する。次に、第2波長λ2にてレーザを駆動させ、被測定部位に第2波長λ2のレーザ光を照射させて反射光から第2吸光率I2を測定する。第3波長λ3についても同様に第3吸光率I3を測定する。第3波長λ3にてレーザを駆動させ、被測定部位に第3波長λ3のレーザ光を照射させて反射光から第3吸光率I3を測定する。ここでレーザの発光出力が一定であれば、第1吸光率I1、第2吸光率I2、第3吸光率I3からこれらの2次微分値は離散的な微分処理として計算できる。
既述の如く、グルコースの場合は、近赤外帯光に対し、幾つかのスペクトルに対して吸光特性を有する。また純水の場合、2000nm付近の波長に対して非常に強い吸収があることがわかっている。
つまり、図9の分光曲線により、実線より破線の吸光率Iが大きい波長は、グルコースの吸光率が高い波長であると言える。
波長λが2000nm付近では、純水による吸収が非常に大きく、また、実線と破線が重畳しているため、この波長帯では、純水以外に吸光を示す分子、物質が殆どなく、純水による吸光のみが測定できる。また、この波長帯での吸光率が非常に高いことから、他の分子、物質の吸光があったとしても、相対的に非常に小さくなり、無視することが可能となる。
本実施形態では、純水による吸光率が最も高くなる2000nmに最も近い波長で、グルコースによる吸光率が高くなる波長をレーザの発振波長を中心、すなわち第2波長λ2とする。一例として第2波長λ2は、1870nmである。そしてその前後(λ1、λ3)の波長、すなわち図9に示す第1波長λ1、第3波長λは、以下の通り選択する。
第3波長λ3は、この純水による吸光が高い領域で、且つグルコースの吸光がなく、第2波長λ2から離れた波長とする。また、第1波長λ1は、第2波長λ2よりも下方の波長であり、ほぼグルコースによる吸光がない波長を選択する。
ここで、第1波長λ1、第2波長λ2、第3波長λ3にて実測された吸光率を、それぞれ吸光率I1、第2吸光率I2、第3吸光率I3とすると、その系列Sは、以下の通りである。
S={I1,I2,I3}
そして、これらの離散的な微分処理による2次微分値iは、以下の式で表わされる。
そして、これらの離散的な微分処理による2次微分値iは、以下の式で表わされる。
i=Δ2S/(Δ2Λ)=2×I2−(I1+I3)
2次微分値iの値は、変化量に相当するものである。そのため、どこからの変化量かを特定する基準値が必要となり、この基準値により定量的な数値を求めることになる。
2次微分値iの値は、変化量に相当するものである。そのため、どこからの変化量かを特定する基準値が必要となり、この基準値により定量的な数値を求めることになる。
そこで、第3波長λ3のレーザ光の純水による吸光率を、全体の基準値(第3基準吸光率Ib3)として使用する。また、第1波長λ1および第2波長λ2の各レーザ光の純水による吸光率も、それぞれの波長で実測(血糖値測定)した吸光率を補正する際の基準値(第1基準吸光率Ib1、第2基準吸光率Ib2)として使用する。
第3波長λ3は、純水による吸光率(第3基準吸光率Ib3)が非常に高く、ほぼ純水のみによる吸光率となる波長を選択している。すなわち、実測された第3吸光率I3の、第3基準吸光率Ib3に対する変位を測定すれば、その値は全体的な変位量(基準シフト量Sf)である。従って、第1波長λ1および第2波長λ2で測定された吸光率(第1吸光率λ1、第2吸光率λ2)も基準シフト量Sfによって定量的に補正ができ、第1基準補正吸光率Ibr1、第2基準補正吸光率Ibr2が得られる。
さらに、第1吸光率I1、第2吸光率I2は、グルコースの吸光特性による変動量が含まれる(図9の破線)ため、第1基準補正吸光率Ibr1、第2基準補正吸光率Ibr2を、純水に対する吸光率である第1基準吸光率Ib1、第2基準吸光率Ib2と比較することで、グルコースによる吸光率の変位量が特定可能であり、最終的に定量的な第1補正吸光率Ir1および第2補正吸光率Ir2が算出できる。
そして、第1補正吸光率Ir1、第2補正吸光率Ir2、第3吸光率I3を、2次微分値iを定量値とするための基準値とし、これらをパラメータとする血糖値変換関数によって、血糖値を求める。
つまり、純水における各波長の吸光率を予め測定して、基準値(データ)として保持することで、血糖値の測定が可能となる。従って例えば被測定部位に見立てた物理的な参照体等は不要である。
また、純水による吸収率からの基準シフト量Sfは、第3波長λ3の実測値である第3吸光率I3と、第3基準吸光率Ib3とにより求められるが、第3吸光率I3は、2次微分値を求める際のデータとしても使用しており、演算処理で取り扱うデータ量の簡素化に寄与している。
図10は、光学測定装置100の光学ユニット1の概略を示す回路ブロック図の一例である。
発光部(半導体レーザ)11は、制御部6のレーザドライバ63により駆動され、前述の如く、第1波長λ1、第2波長λ2、第3波長λ3の3つのレーザ光21を順次出力する。レーザ光21の一部は、ミラー15およびFMD(Front Monitor Diode)を介してAPC(Auto Power Control)13に入力される。APC13は、各々の波長毎にレーザ光21のパワーを一定に維持したり、3波長全体としてレーザ光21のパワーを均一に保ったりする等の制御を行う。レーザ光21は、被測定部位25に所定の照射角度およびビームの絞り角(例:レンズ開口数NAを適切な値に設定する)で照射される。
受光部(Photo Detector)12は、例えばInGaAsフォトダイオードなどであり、被測定部位25の真皮層252からの反射光22を受光し、電気信号に変換する。電気信号は、受光した光の強度に比例し、増幅器14により増幅され、制御部6のA/D変換器(ここでは不図示)に出力される。
また、光学ユニット1は、温度検出部(例えば温度センサ)16を有する。温度センサ16は、測定部位25の温度(またはそれに加えて外気温)を測定するものである。グルコースの吸光特性は温度によって変化する。そこで温度センサ16によって血糖値の測定前に温度を測定し、その測定結果からレーザ光21の波長を微小な範囲で補正する。具体的には、レーザ光21は、電流または温度により発振波長が変化する特性を有するので、予め測定したグルコースの吸光特性の温度依存性に基づき、レーザ光21の温度または駆動電流を制御する。例えばレーザ光21の駆動電流で制御する場合には、レーザ駆動量を算出して、レーザドライバ63にフィードバックさせる。これにより、第1波長λ1〜第3波長λ3は、被測定部位25の温度に応じてそれぞれ本実施形態の波長の条件を満たす範囲で最も効率の良い波長が選択され、例えば数nm程度シフトされる。これにより正確な血糖値が測定可能となる。
図11は、光学測定装置100の制御部6の概略を示す回路ブロック図の一例である。
制御部6は、DSP(Digital signal processor)61と、A/D変換回路62と、レーザドライバ63と、演算処理部65とを有する。また、制御部6は、測定結果等のデータを表示部に出力するための表示ドライバ64や、他の制御に必要な所望の回路(不図示)等も有する。
光学ユニット1で増幅された受光量に基づく信号(受信信号)は、A/D変換回路62によりデジタル信号に変換され、DSP61内の演算処理部65に入力される。
演算処理部65は、第1波長λ1、第2波長λ2、第3波長λ3における受信信号を、当該波長のレーザ光が被測定部位のグルコースにそれぞれ吸光された割合である第1吸光率I1、第2吸光率I2、第3吸光率I3に換算する。さらに第1吸光率I1、第2吸光率I2、第3吸光率I3の2次微分値を演算する。
また、実測値である第1吸光率I1、第2吸光率I2に基づいて、第3吸光率I3と所定の基準値とにより補正した第1補正吸光率Ir1、第2補正吸光率Ir2を算出する。
すなわち演算処理部65は、予め測定された第1波長λ1、第2波長λ2、第3波長λ3における純水による吸光率を、第1基準吸光率Ib1、第2基準吸光率Ib2、第3基準吸光率Ib3として保持しており、実測値である第3吸光率I3と、基準値となる第3基準吸光率Ib3とにより、基準シフト量Sfを算出する。第3波長λ3は、純水における吸光率が最も高くなる波長の近傍の波長であり、他の成分がほとんど吸光されないことから、この基準シフト量Sfが全体的な基準値の変動量となる。
従って、この基準シフト量Sfにより第1吸光率I1、第2吸光率I2を補正し、それぞれ第1基準補正吸光率Ibr1、第2基準補正吸光率Ibr2を算出する。
また第1吸光率λ1、第2吸光率λ2には、グルコースによる変動量が含まれるため、第1基準補正吸光率Ibr1、第2基準補正吸光率Ibr2を、それぞれ第1基準吸光率Ib1、第2基準吸光率Ib2により補正して第1補正吸光率Ir1および第2補正吸光率Ir2を算出する。これにより、実測した各波長の吸光率に対して定量的に補正が行われる。
そして、演算処理部65は、2次微分値、第1補正吸光率Ir1、第2補正吸光率Ir2、第3吸光率I3をパラメータとする血糖値変換関数により、血糖値データを演算する。
制御部6は、表示ドライバ64により、血糖値データを測定結果として表示部2に表示させる。さらに、制御部6は、接触検出センサである光学ユニット1の遮光板17によって、光学ユニット1内のスイッチ18(図8参照)が押下される等して、正常な接触を検知した場合に、測定処理(例えば温度測定、レーザ駆動等)を開始する等、接触状態の検出に関する処理を行う。また、この他にも測定部6は、測定開始・停止のボタンの押下や、測定状態の監視等に対応した既知の各種制御を行う。
次に、図12および図13を参照して、上記の光学測定装置100を利用した血糖値測定方法について説明する。
図12は、光学測定方法として血糖値測定方法の一例を示すフロー図であり、図13は、受光信号のサンプリングを示す図である。以下これらを参照して説明する。
ステップS1: まず被測定部位の体温(および外気温)を測定する(ステップS11)。測定温度とグルコースの温度依存特性とに基づき、規定の(本実施形態の)レーザ波長の条件を満たす波長または規定のレーザ波長の条件に最も近い波長を出射するレーザ駆動量を算出する(ステップS12)。
ここでは第1波長λ1、第2波長λ2、第3波長λ3の3つの単一波長を使用する。そして規定のレーザ波長とは、以下の条件を満たす波長である。すなわち、第1波長λ1、第2波長λ2、第3波長λ3がそれぞれ近傍の波長であり、この順で波長が長くなり(λ1<λ2<λ3)、第3波長λ3は、純水に対する吸光率が非常に大きくほぼ純水による吸光のみが測定できる波長である。また、第2波長λ2は、グルコースによる吸光率が大きい波長であり、第1波長λ1は、グルコースによる吸光率が小さい波長である。
算出されたレーザ駆動量に応じて、まず第1波長λ1の半導体レーザをパルス駆動し、温度補正された第1波長λ1を被測定部位に照射する(ステップS13および図13(A))。
ステップS2: 被測定部位に照射された第1波長λ1のレーザ光は、真皮層により拡散反射する。つまり、レーザ光は、真皮層で拡散反射する照射角度で発光部から出力される。その反射光を受光部にて検出する。受光部は、検出した受光量をアナログ受光信号に変換させ、増幅器に出力させる(ステップS21および図13(B))。増幅器では、受光信号をレーザのオン、オフによるAC信号として増幅する(ステップS22および図13(C))。その後、アナログ受光信号は、A/D変換器によりデジタルフィルター処理が施され、デジタル受光信号に変換される。このデジタル受光信号について各パルスの期間毎に所定の回数(例えば数千回)のサンプリングデータSを取得し蓄積する(ステップS23および図13(D))。
ステップS3: 第1波長λ1についてのサンプリングデータSを平均化し、1つのデジタル受光信号を求める(ステップS31)。照射されたレーザ光量が一定とされ、デジタル受光信号から第1波長λ1がグルコースに吸光された割合である第1吸光率I1を算出する(ステップS32)。
第2波長λ2および第3波長λ3についても、同様にステップS1からステップS3を行い、それぞれグルコースに吸光された割合である第2吸光率I2、第3吸光率I3を算出する。
ステップS4: 第1吸光率I1、第2吸光率I2、第3吸光率I3を離散した3点のデータとして、2次微分値iを算出する。これにより、中心波長である第2波長λ2の吸光率(第2吸光率I2)を頂点として周りの2点からの吸光率の変化量を得ることができる。
ステップS5: 第1、第2、第3吸光率λ1〜λ3のそれぞれに対する第1、第2、第3基準吸光率Ib1〜Ib3は予め測定されている。第1、第2、第3基準吸光率Ib1〜Ib3は、第1波長λ1〜第3波長λ3のそれぞれにおける純水による吸光率である。第3波長λ3は、純水による吸光率が最も高い波長の近傍が選択されており、その波長における実測の吸光率(第3吸光率I3)は、ほぼ純水のみの吸光率(第3基準吸光率Ib3)に近い値となる。
そこで、第3吸光率I3と第3基準吸光率Ib3とにより基準シフト量Sfを算出し(ステップS51)、基準シフト量Sfにより、第1、第2吸光率をそれぞれ補正して第1基準補正吸光率Ibr1、第2基準補正吸光率Ibr2を算出する(ステップS52)。
第1吸光率I1および第2吸光率I2には、グルコースによる変動量が含まれているため、これらの純水の特性と比較することで定量的な値が得られる。すなわち、第1および第2基準補正吸光率Ib1、Ib2をそれぞれ第1、第2基準吸光率Ib1、Ib2により補正して、定量的な値である第1補正吸光率Ir1、および第2補正吸光率Ir2を算出する(ステップS53)。
ステップS6: 第1補正吸光率Ir1、第2補正吸光率Ir2、第3吸光率I3を、2次微分値iを定量化させるためのパラメータとし、さらにこれらをパラメータとする血糖値変換関数によって、血糖値を求める。
1 光学ユニット(光学測定部)
2 表示部
3 アタッチメント(当接部)
4 電源スイッチ
5 測定開始・停止ボタン
6 制御部
7 電源部
8 外部筐体
10 パッチ(測定補助材)
11 発光部
11a 集光レンズ
12 受光部
12a 集光レンズ
13 APC
14 増幅器
15 ミラー
16 温度センサ
17 遮光板
18 スイッチ
20 レーザ光
21 レーザ光(反射光)
23,23c 戻り光(反射光)
23a,23b 光
23d,23e 反射光
25 被測定部位
61 DSP
62 A/D変換回路
63 レーザドライバ
64 表示ドライバ
65 演算処理部
100 血糖値測定装置(光学測定装置)
101 支持基材
102 粘着層
102p 貫通部
103 第一反射防止膜(反射防止膜)
104 第二反射防止膜(反射防止膜)
251 表皮(皮膚表面)
252 真皮層
253 皮下組織
λ1 第1波長
λ2 第2波長
λ3 第3波長
D 深さ
I1 第1吸光率
I2 第2吸光率
I3 第3吸光率
Ib1 第1基準吸光率
Ib2 第2基準吸光率
Ib3 第3基準吸光率
Ibr1 第1基準補正吸光率
Ibr2 第2基準補正吸光率
Ir1 第1補正吸光率
Ir2 第2補正吸光率
i 2次微分値
Sf1 第1主面(主面)
Sf2 第2主面(主面)
Sf11、Sf21、Sf31 第1主面
Sf12、Sf22、Sf32 第2主面
t1、t2 蒸着膜厚(膜厚)
W 距離
2 表示部
3 アタッチメント(当接部)
4 電源スイッチ
5 測定開始・停止ボタン
6 制御部
7 電源部
8 外部筐体
10 パッチ(測定補助材)
11 発光部
11a 集光レンズ
12 受光部
12a 集光レンズ
13 APC
14 増幅器
15 ミラー
16 温度センサ
17 遮光板
18 スイッチ
20 レーザ光
21 レーザ光(反射光)
23,23c 戻り光(反射光)
23a,23b 光
23d,23e 反射光
25 被測定部位
61 DSP
62 A/D変換回路
63 レーザドライバ
64 表示ドライバ
65 演算処理部
100 血糖値測定装置(光学測定装置)
101 支持基材
102 粘着層
102p 貫通部
103 第一反射防止膜(反射防止膜)
104 第二反射防止膜(反射防止膜)
251 表皮(皮膚表面)
252 真皮層
253 皮下組織
λ1 第1波長
λ2 第2波長
λ3 第3波長
D 深さ
I1 第1吸光率
I2 第2吸光率
I3 第3吸光率
Ib1 第1基準吸光率
Ib2 第2基準吸光率
Ib3 第3基準吸光率
Ibr1 第1基準補正吸光率
Ibr2 第2基準補正吸光率
Ir1 第1補正吸光率
Ir2 第2補正吸光率
i 2次微分値
Sf1 第1主面(主面)
Sf2 第2主面(主面)
Sf11、Sf21、Sf31 第1主面
Sf12、Sf22、Sf32 第2主面
t1、t2 蒸着膜厚(膜厚)
W 距離
Claims (13)
- 当接部を生体の被測定部位に近接させてレーザ光を照射する際に前記被測定部位に密着させる測定補助材であって、
前記当接部の当接面と略同等の大きさ及び形状を有し、1つの主面側が平滑な面である支持基材と、
前記支持基材の他の主面側に設けられた粘着層と、
を具備することを特徴とする測定補助材。 - レーザ光の照射により生体の被測定部位における特定成分を測定する光学測定装置を前記被測定部位に近接させる際に前記被測定部位に密着させる測定補助材であって、
前記光学測定装置の前記被測定部位との当接面と略同等の大きさ及び形状を有し、1つの主面側を平滑な面とした支持基材と、
前記支持基材の他の主面側に設けられた粘着層と、
を具備することを特徴とする測定補助材。 - 前記支持基材は、前記被測定部位に貼付けた状態で平滑な面が維持できる程度の厚みを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定補助材。
- 前記1つの主面側に、反射防止膜が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定補助材。
- 前記レーザ光が前記反射防止膜を通過するときに、前記レーザ光の入射光の一部と、前記被測定部位の内部における拡散反射光の一部とが、前記反射防止膜を通過することを特徴とする請求項4に記載の測定補助材。
- 前記支持基材の前記他の主面と前記粘着層との間に、他の反射防止膜が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定補助材。
- 前記レーザ光が前記他の反射防止膜を通過するときに、前記レーザ光の入射光の一部と、前記被測定部位の内部における拡散反射光の一部とが、前記他の反射防止膜を通過することを特徴とする請求項6に記載の測定補助材。
- レーザ光による光学測定装置を生体の被測定部位に近接させ、被測定部位における特定成分を測定する光学測定方法において、
前記光学測定装置の前記被測定部位との当接面と略同等の大きさ及び形状を有し、1つの主面側が平滑な面で他の主面側に粘着層を有する測定補助材を前記被測定部位に貼付ける工程と、
前記測定補助材に前記光学測定装置の前記被測定部位との当接部を密着させる工程と、
前記被測定部位に前記レーザ光を照射させて前記特定成分を測定する工程と、
を具備することを特徴とする光学測定方法。 - 前記測定補助材として、前記測定補助材を構成する支持基材の1つの主面側に、反射防止膜が形成されたパッチを用いることを特徴とする請求項8に記載の光学測定方法。
- 前記レーザ光が前記反射防止膜を通過するときに、前記レーザ光の入射光の一部と、前記被測定部位の内部における反射光の一部とが、前記反射防止膜を通過することを特徴とする請求項9に記載の光学測定方法。
- 前記測定補助材として、前記測定補助材を構成する支持基材の他の主面側に、他の反射防止膜が形成されたパッチを用いることを特徴とする請求項8に記載の光学測定方法。
- 前記レーザ光が前記他の反射防止膜を通過するときに、前記レーザ光の入射光の一部と、前記被測定部位の内部における反射光の一部とが、前記他の反射防止膜を通過することを特徴とする請求項11に記載の光学測定方法。
- 前記測定補助材は、複数回の測定の期間に、前記被測定部位への貼付けが維持されることを特徴とする請求項8に記載の光学測定方法。
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-
2006
- 2006-10-05 JP JP2006274110A patent/JP2008086705A/ja active Pending
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