JP6208053B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

この発明は,自動車のエンジンなどの内燃機関に使用される燃料噴射弁に関するものである。
エンジンの燃料噴射弁においては、噴射燃料の粒子径が小さいほど燃料の蒸発が促進されるとともに、エンジン内壁への燃料付着量が減少し、未燃焼の燃料排出量が低減される。その結果、エンジンの燃料消費効率(燃費)が向上し、有害ガスの排出量が低減する。噴射燃料の微粒化手段としては、燃料噴射弁の流路形状や、噴孔の配置を工夫することで噴射燃料を薄膜化して微粒化を図るものが種々提案されている。
例えば、微粒化を促進するための手段としては、噴孔内部に旋回流を発生させ、燃料を液膜状に噴射する方法が挙げられる。特許文献1による従来の燃料噴射弁では、噴孔プレートに段差部を設けることにより、噴孔に流れ込む燃料の流れに偏りを持たせ、噴孔内部に旋回流を発生させていた。
その他に提案されている微粒化手段としては、噴孔上流部で水平方向部の流れを互いに衝突させる方法が挙げられる。特許文献2による従来の燃料噴射弁では、噴孔径と流路高さの関係等を規定することで、噴孔上流部での燃料の衝突を効果的に行い、微粒化を実現していた。特許文献2による従来の燃料噴射弁では、噴孔配置を規定することにより、特許文献1とは反対に噴孔周辺における旋回流の発生を抑制し、エネルギーを燃料の衝突に有効に使っていた。
さらに、特許文献3による従来の燃料噴射弁では、噴孔径と流路高さの関係、および噴孔径とオリフィスプレートの厚みとの関係を規定することで、燃料がオリフィスの真上で求心方向に衝突し、その後オリフィスに向かって流れ方向を急激に変えられるようにして、微粒化を実現していた。
さらに、特許文献4による従来の燃料噴射弁では、放射方向に流れる燃料流に影響される位置に配置された噴孔と、燃料室の周壁内部に双方向に流れる燃料流の影響を受ける位置に配置した噴孔とを有し、各噴孔ごとの噴射方向を制御して燃料噴霧同士の干渉を回避して所望の噴霧形状を実現していた。
特開2004−211682公報 特開平9−14090公報 特開2003−314411号公報 特開2005−264757号公報
しかしながら、特許文献1では、噴孔プレートに段差を設ける加工が難しく、高コストとなる課題があった。また、噴孔プレートに段差を設ける必要があるため、従来構造の燃料噴射弁と比較して配置できる噴孔数が限られ、噴射流量を大きくするのが困難であった。噴孔数を増やさずに流量を増やすには噴孔径を大きくするしか手段がなく、噴孔径を大きくした場合、噴射方向の制御が困難となるという課題があった。
また、微粒化するには噴射燃料を薄い液膜状に広げてやる必要があるが、断面が概略円の噴孔から噴射される燃料は基本的に液柱状の形状となり、微粒化しにくい。特許文献2や特許文献3では、噴孔上流部で水平方向部の流れを互いに衝突させているが、噴孔上流部の燃料衝突で発生する乱れでは、せいぜい、液柱状に噴射した燃料の表面の乱れを大きくできる程度であり、特に、噴射燃圧0.3MPa〜1MPa程度の比較的低圧で燃料を噴射する燃料噴射弁では、十分に微粒化ができないという課題があった。
また、特許文献4では、噴孔配置が異なる場合、噴孔ごとに噴霧の粒径が異なる。微粒化特性は噴孔群から噴射される噴霧の中で、最も粒径が悪い噴霧の粒径値が支配的となるので、複数の噴孔を有する燃料噴射弁の微粒化を促進するためには、すべての噴孔の微粒化特性を安定して向上させる必要があるという課題があった。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、簡易な構造で液膜化した燃料を噴射し、大流量の燃料を安定して微粒化することが可能な燃料噴射弁を得るものである。
この発明による燃料噴射弁は、燃料通路を形成する内壁面に形成された弁座部、および上記燃料通路の下流側に上記弁座部と同軸に形成された弁孔を有するバルブシートと、上記弁座部に着座可能な当接部を有し、上記当接部が上記弁座に離座または着座することにより上記燃料通路を開閉する弁部材と、上記バルブシートの上記弁孔よりも下流側に取り付けられ、噴孔が上記弁孔の孔中心を中心とする異なる半径のn個(ただし、nは1以上の整数)のピッチ円上のそれぞれに複数個ずつ配置された噴孔プレートと、上記バルブシートと上記噴孔プレートとの間に形成され、上記弁孔を介して上記燃料通路に連通する燃料室と、を備えている。そして、上記噴孔プレートの板厚をt、上記噴孔の孔径をd、上記噴孔の真上における上記燃料室の高さをh、周方向に隣り合う任意の2つの上記噴孔の孔中心間の距離をrとしたときに、上記噴孔プレートの板厚tと上記噴孔の孔径dが、0.4<t/d<1を満足し、上記2つの噴孔のうちの一方の噴孔の孔中心を通り上記弁孔の孔中心を含む面Phを、上記弁孔の孔中心を中心として回転した場合、一方の回転方向にのみ、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔が存在し、上記噴孔プレートの上記バルブシート側の面上における上記噴孔の孔中心が鏡像対称となる、上記弁孔の孔中心を含む面Psが存在し、上記面Ps上には、上記噴孔が配置されていない。
この発明によれば、複数個の噴孔を有する燃料噴射弁においても、すべての噴孔の微粒化特性を安定して向上させることができるので、燃料噴射弁の微粒化を促進することができる。
また、噴孔プレートに段差を設ける必要がないので、低コスト化が図られるとともに、噴孔数を簡易に増やすことができ、大きな噴射流量の燃料噴射弁を簡易に、かつ安価に実現できる。さらに、噴孔径を大きくすることなく、大きな噴射流量を大きくできるので、噴射方向の制御が容易となる。
さらに、燃料が、r<(5/4)・(d/h)を満足する噴孔が存在しない側から、r<(5/4)・(d/h)を満足する噴孔が存在する側に回り込んで、噴孔に流れ込むことにより、噴孔内に旋回流を発生させているので、比較的低圧で燃料を噴射する燃料噴射弁においても、十分に微粒化できる。
この発明の実施の形態1に係る燃料噴射弁の軸方向に沿う断面模式図である。 図1のA部拡大図である。 図2のIII−III矢視断面図である。 この発明の実施の形態1に係る燃料噴射弁の噴孔周りを示す模式図である。 比較例としての燃料噴射弁の噴孔周りを示す模式図である。 数値解析にて求めた噴射液膜の形状の一例を示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係る燃料噴射弁におけるl/sとv/v’との関係を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。 この発明の実施の形態3に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。 この発明の実施の形態4に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。 この発明の実施の形態5に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。 この発明の実施の形態6に係る燃料噴射弁における噴孔周りを示す要部断面図である。 この発明の実施の形態7に係る燃料噴射弁における噴孔周りを示す要部断面図である。 この発明の実施の形態8に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。 この発明の実施の形態9に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。 この発明の実施の形態10に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。 この発明の実施の形態11に係る燃料噴射弁における噴孔周りを示す要部断面図である。
以下、本発明の燃料噴射弁の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る燃料噴射弁の軸方向に沿う断面模式図である。
図1において、燃料噴射弁1は,ソレノイド装置3、コア4、および磁気通路を構成するヨーク5が樹脂製ハウジング2の内部に配置され、樹脂製ハウジングと一体に成形されて構成されている。
ソレノイド装置3は、コア4の一端部を囲繞するように配設されるコイルアセンブリ6、およびその外周に巻線されているコイル7により構成されている。バネ8がコア4の内部に配設され、ロッド9がバネ8の加重を調整可能にコア4の内部に固定されている。また、中空円筒状に作製され、磁気通路を構成するバルブボディ10が、コア4の一端部にスリーブ11を介在させてコア4と同軸に配設されている。スリーブ11は、コア4およびバルブボディ10に溶接などにより固定され、内部燃料が漏れないようにシールされている。ヨーク5は、両端をコア4とバルブボディ10に溶接で固定され、コア4とバルブボディ10とを磁気的に連結している。
アマチュア12が、バルブボディ10内に,燃料噴射弁1の中心軸方向に移動可能に配設されている。弁部材である弁体13がアマチュア12の一端に溶接などにより固定され、バルブボディ10の一端側の内部に配設されている。バルブシート14が、バルブボディ10の一端部の内部に固着されている。バルブシート14の先端部には,噴孔16を有する噴孔プレート15が溶接などにより固定されており、この噴孔プレート15とバルブシート14との間に燃料室15aが形成されている。
つぎに、燃料噴射弁1の先端部分の構成について図2を参照しつつ説明する。なお、図2は図1のA部拡大図であり、燃料噴射弁の先端部分の中心軸の左半分を示し、バルブボディを省略している。
バルブシート14は、燃料通路14bを構成する内壁面に一端側を先細り状とする切頭円錐状に形成された弁座部14aと、一端側に開口する凹部14cと、弁座部14aの一端側に同軸に形成され、燃料通路14bと凹部14c側とを連通する弁孔14dと、を有する。弁部材としての弁体13は、先端部が球状になっており、当接部としての外周面13aが弁座部14aに接触または離れることにより、バルブシート14の内部の空間である燃料通路14bを開閉する。噴孔プレート15がバルブシート14の一端面に溶接などにより固定される。これにより、弁孔14dを中心とする円形の浅い凹部14cが噴孔プレート15により塞がれ、バルブシート14と噴孔プレート15との間に燃料室15aが形成されている。噴孔プレート15には、複数の噴孔16が形成されている。燃料室15aは、燃料通路14bからの燃料の流れを噴孔プレート15の上面に沿った方向に整流するための微小高さを有する空間であり、燃料噴射弁1の中心軸18周りに設けられている。なお、弁孔14dの孔中心(軸線)が、燃料噴射弁1の中心軸18に一致している。
つぎに、このように構成された燃料噴射弁1の動作について説明する。
まず、外部よりコイル7に通電されると、コア4、ヨーク5、バルブボディ10およびアマチュア12で構成される磁気通路に磁束が発生し、アマチュア12をコア4に引きつける磁気吸引力が発生する。これにより、アマチュア12がバネ8の不勢力に抗してコア4側に移動し、アマチュア12の固定されている弁体13がバルブシート14の弁座部14aから離れる開弁位置となる。そこで、供給口17から燃料噴射弁1に供給された燃料は、コア4の内部を通り弁体13側に流れ、弁体13と弁座部14aとの間に形成された燃料通路14bおよび弁孔14dを通って燃料室15aに供給され、噴孔プレート15の噴孔16から噴射される。
また、コイル7への通電が停止されると、アマチュア12をコア4に引きつける磁気吸引力が消失する。これにより、アマチュア12がバネ8の不勢力によりバルブシート14側に移動し、弁体13がバルブシート14の弁座部14aに接する閉弁位置となり、燃料の噴射が停止される。
つぎに、噴孔プレート15における噴孔16の配置について図3および図4を参照しつつ説明する。図3は図2のIII−III矢視断面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る燃料噴射弁の噴孔周りを示す模式図である。
噴孔16は、燃料噴射弁1の中心軸18を中心とした直径Φ1のピッチ円上に配置された4つの噴孔16aと直径Φ2(ただし、Φ2>Φ1)のピッチ円上に配置された4つの噴孔16bからなる。そして、2つずつの噴孔16a,16bが、中心軸18を通り中心軸18と直交する直線上に噴孔16a,16bの孔中心を位置させて、1列に配列されている。残る2つずつの噴孔16a,16bが、中心軸18を通り中心軸18と直交する他の直線上に噴孔16a,16bの孔中心を位置させて、1列に配列されている。なお、噴孔16a,16bの噴孔径はdである。
このように噴孔プレート15に配置された8つの噴孔16a,16bが鏡像対称となる、中心軸18を含む面Psは、図3の紙面に直交して、左右方向と上下方向の延びる2面存在する。これらの2つの面Ps上には噴孔16は存在しない。これは、燃料の流れがバランスする場所に噴孔16が存在しないことを意味する。この場合、図4に示すように噴孔16a,16bに流れ込む燃料流は、必ずいずれかの方向の流れが速く、もしくは流量が大きくなるというアンバランスが生じる。これにより、噴孔16a,16b周辺には、大きく回りこんで噴孔16a,16bに到達する燃料の流れが発生し、噴孔16a,16bを中心に渦を巻くような燃料の流れが発生する。これより、噴孔16a,16bに流れこむ燃料流に旋回流が発生する。この旋回流により噴孔16a,16b内で燃料が遠心力により噴孔16a,16bの内壁面に押し付けられ、噴射される燃料が液膜化して広がり、微粒化される。
ここで、実施の形態1による効果を説明するために、面Psに噴孔16bが存在する場合における燃料の流れについて図5を参照しつつ説明する。図5は比較例としての燃料噴射弁の噴孔周りを示す模式図である。
比較例では、噴孔16bが面Ps上に存在している。そこで、図5中、面Psを基準に上下対称の燃料流が噴孔16bに流れこむ。したがって、上下から噴孔16bに流れ込む燃料流は面Psに対して上下対称であるため、噴孔16b周辺を回りこむ燃料の流れが発生せず、噴孔16b内に旋回流も発生しない。
これに対し、実施の形態1では、面Ps上に噴孔16a,16bが存在しないので、噴孔16a,16b内に旋回流が発生し、燃料が微粒化される。
この実施の形態1による噴孔16a,16bの配置では、任意の2つの噴孔16a,16bの孔中心を通り中心軸18を含む面Phを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔16a,16bが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔16a,16bは存在しない。なお、dは噴孔16a,16bの直径、hは噴孔16a,16bの真上の燃料室15aの高さ、rは任意の周方向に隣り合う2つの噴孔16a,16bの孔中心から孔中心までの距離である。
例えば、図3における噴孔16a,16bの配置を時計に見立てて図の上下方向を0時−6時方向とする。そこで、約2時−8時の角度方向に位置する噴孔16a,16bの孔中心を通り中心軸18を含む面Phを、中心軸18を中心として時計回りに回転させると、約4時−10時の角度方向に位置する噴孔16a,16bがr<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔となる。また、約2時−8時の角度方向に位置する噴孔16a,16bの孔中心を通り中心軸18を含む面Phを、中心軸18を中心として反時計回りに回転させると、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔は存在しない。
これにより、噴孔16a、16bに流れ込む前述した流量のアンバランスがより大きくなり、噴孔16a,16b内の旋回流の発生が促進され、微粒化特性が向上する。この理由を以下に説明する。
2つの噴孔16が存在する流れ場では、2つの噴孔16間の距離が十分に大きいときは、噴孔16に流れ込む燃料の流れが互いに影響を及ぼすことは無い。しかし、2つの噴孔16が一定の距離以下まで近接すると、噴孔16の間に存在する燃料の流れを2つの噴孔16で分け合う状態になり、噴孔16に流れ込む燃料の流れが互いに影響を及ぼしあう。
ここで、噴孔16に流れ込む燃料の流れが互いに影響を及ぼす距離について、流速の点から考える。噴孔16内の流速をvと仮定したときの噴孔16から距離rだけ離れた位置での流速をv’とする。噴孔径をd、燃料室15aの高さをhとすると、噴孔16の流路断面積Sdは、Sd=πd/4となり、距離rの位置での流路断面積Srは、Sr=πrhとなる。流速v’は、v’=v×(Sd/Sr)であるので、v’=v×(d/8rh)となり、距離rで整理するとr=(v/v’)×(d/8h)となる。
つぎに、v/v’と噴射液膜の形状の関係について数値解析を用いて評価した。図6は数値解析にて求めた噴射液膜の形状の一例を示す模式図である。図6は噴孔16から噴射された燃料の噴孔16から1mm下の位置における噴射液膜の水平断面形状である。
燃料は噴孔16内に旋回流が発生するため、通常、中空の円錐状の形状となって噴射される。本実施の形態1で示した例では、旋回速度に対して噴孔16の長さが短いため、噴孔16内で燃料が一周せずに中空の円錐を半分に切ったような形状となって噴射される。そのため、液膜の断面は概C字状の形状を示す。このとき、燃料噴霧が薄く拡がって液膜化した方が、分裂後の噴霧粒子が小さくなる。そこで、噴射燃料の液膜化をこの断面形状の幅の最小値sと液膜の長手方向長さlとの比l/sにて評価した。数値解析では噴孔径dが0.1mm≦d≦0.3mmの範囲、燃料室15aの高さhが0.1mm≦h≦0.3mmの範囲で評価した。図7にv/v’とl/sの関係を示す。
図7から、v/v’=10付近で、l/sが大きく変化しており、噴孔径、燃料室の高さによらず、v/v’<10であれば微粒化するために十分な薄い液膜が得られることが分かった。
このように、v/v’<10と、r=(v/v’)×(d/8h)とから、r<(5/4)・(d/h)が得られる。言い換えれば、r<(5/4)・(d/h)を満足するように2つの噴孔16が配置されれば、噴孔径、燃料室の高さによらず、噴射燃料が、微粒化するに十分な薄い液膜となる。つまり、r<(5/4)・(d/h)を満足するように2つの噴孔16が配置されれば、噴孔16内へ流れ込む燃料の流れ同士が互いに影響を及ぼし合い、図4に示されるように、面Phを基準として、燃料の流れに大きなアンバランスが生じる。これによって噴孔16周辺の燃料の流れには、噴孔16が存在する側から大きく回りこんで噴孔16に到達する燃料の流れが発生し、噴孔16に流れこむ燃料の流れに旋回流が発生する。この旋回流により噴孔16内で燃料が遠心力により噴孔16の内壁面に押し付けられ、噴射される燃料が液膜化して広がり、微粒化が促進される。また、噴孔径のみに依存しないことから、r<(5/4)・(d/h)を満足するように噴孔16を配置すれば、流量が変化しても、噴孔16から噴射される燃料が薄い液膜化し、分裂後に微粒化すると推考される。
この実施の形態1によれば、8つの噴孔16a,16bが鏡像対称となる、中心軸18を含む面Psが存在し、かつ噴孔16a,16bが面Ps上に存在しないように、噴孔16a,16bを噴孔プレート15に配置している。さらに、任意の2つの噴孔16a,16bの孔中心を通り中心軸18を含む面Phを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向にのみ、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔16a,16bが存在するように、噴孔16a,16bを噴孔プレート15に配置している。
したがって、すべての噴孔16a,16bの微粒化特性を安定して向上させることができ、燃料噴射弁1の微粒化を促進することができる。
また、噴孔16a,16bの配置を工夫して、噴孔16a,16b内に旋回流を発生させて、噴射燃料の微粒化を実現しているので、噴孔プレート15に段差を設ける必要がなく、低コスト化が図られる。また、噴孔プレート15に段差を設ける必要がないので、噴孔数を簡易に増やすことができ、大きな噴射流量の燃料噴射弁を簡易に、かつ安価に実現できる。さらに、噴孔径を大きくすることなく、大きな噴射流量を大きくできるので、噴射方向の制御が容易となる。
さらに、燃料が、r<(5/4)・(d/h)を満足する噴孔16a,16bが存在しない側から、r<(5/4)・(d/h)を満足する噴孔16a,16bが存在する側に回り込んで、噴孔16a,16bに流れ込むことにより、噴孔16a,16b内に旋回流を発生させているので、比較的低圧で燃料を噴射する燃料噴射弁においても、十分に微粒化できる。
ここで、噴孔16と当該噴孔16から面Phの一方の側に位置する噴孔16とを近接させても、面Phの反対側の同じ位置に他の噴孔16が存在した場合には、燃料の流れにアンバランスが生じない。したがって、面Phの反対側には、当該噴孔16からr<(5/4)・(d/h)を満足する噴孔16が存在しないようにすることが必要となる。仮に、噴孔16が面Phの反対側に位置しても、面Phの反対側に位置する噴孔16と当該噴孔16との間の距離を距離rの倍以上とすることにより、燃料の流れに発生するアンバランスがより大きくなり、噴射燃料の微粒化が促進される。
また、壁などの追加部材にて噴孔16に流れ込む燃料の流れに旋回流を発生させることが考えられる。しかし、噴孔16と追加部材(壁)の距離などが噴孔16毎にバラつき、それが噴孔16ごとに液膜形状のバラつきとなり、粗悪粒子の発生要因となる。本発明では、噴孔16の近接によって噴孔16に流れ込む燃料の流れに旋回流を発生させる構成であり、2つの噴孔16間では噴孔16間の距離は同じになるので、噴孔16毎のバラつきを軽減できる。
また、燃料に発生した旋回流を損なわずに燃料を噴射させるには、噴孔プレート15の板厚tをt/d<1とすることが望ましい。ただし、前述の通り噴孔径dが大きくなると、つまりt/dが小さくなりすぎると、噴射方向の制御が困難になるため、t/d>0.4とすることが望ましい。
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。
図8において、噴孔径daの4つの噴孔16aが中心軸18を中心とした直径Φ1のピッチ円上に配置され、噴孔径dbの4つの噴孔16bが直径Φ2(ただし、Φ1<Φ2)のピッチ円上に配置されている。そして、2つずつの噴孔16a,16bが、中心軸18を通る直線上に噴孔16a,16bの孔中心を位置させて、1列に配列されている。残る2つずつの噴孔16a,16bが、中心軸18を通る他の直線上に噴孔16a,16bの孔中心を位置させて、1列に配列されている。なお、噴孔径はda>dbの関係である。
この実施の形態2では、異なる2つの噴孔径を有する噴孔16a,16bが混在する構成であるが、実施の形態1と同様に、8つの噴孔16a,16bが鏡像対称となる、中心軸18を含む面Psが2つ存在し、2つの面Ps上に噴孔は存在しない。また、任意の噴孔16aの孔中心を通り中心軸18を含む面Phを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(da/h)の関係を満足する噴孔16aが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(da/h)の関係を満足する噴孔16aは存在しない。また、任意の噴孔16bの孔中心を通り中心軸18を含む面Phを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(db/h)の関係を満足する噴孔16bが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(db/h)の関係を満足する噴孔16bは存在しない。
したがって、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様に、噴孔16a,16b周辺の燃料の流れにアンバランスが生じる。そこで、噴孔16a,16bの周辺には、大きく回りこんで噴孔16a,16bに到達する燃料の流れが発生し、噴孔16a,16bを中心に渦を巻くような燃料の流れが発生する。これにより、噴孔16a,16bに流れこむ燃料の流れに旋回流が発生し、微粒化特性を向上させる効果を得られる。さらに、異なる噴孔径を組み合わせることにより、燃料の流れのバランスをさらに変化させ、旋回流をより強化することが可能となる。また、外径側の噴孔16bの噴孔径が内径側の噴孔16aの噴孔径より小さいので、噴霧外郭部の燃料を削減することが可能となり、エンジン内壁面への燃料付着量を抑制する噴霧を形成することができる。
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。
図9において、噴孔径daの4つの噴孔16aが中心軸18を中心とした直径Φ1のピッチ円上に配置され、噴孔径dbの4つの噴孔16bが直径Φ2(ただし、Φ1<Φ2)のピッチ円上に配置されている。そして、2つずつの噴孔16a,16bが、中心軸18を通る直線上に噴孔16a,16bの孔中心を位置させて、1列に配列されている。残る2つずつの噴孔16a,16bが、中心軸18を通る他の直線上に噴孔16a,16bの孔中心を位置させて、1列に配列されている。なお、噴孔径はda<dbの関係である。
この実施の形態3では、異なる2つの噴孔径を有する噴孔16a,16bが混在する構成であるが、実施の形態1と同様に、8つの噴孔16a,16bが鏡像対称となる、中心軸18を含む面Psが2つ存在し、2つの面Ps上に噴孔は存在しない。また、任意の噴孔16aの孔中心を通り中心軸18を含む面Phを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(da/h)の関係を満足する噴孔16aが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(da/h)の関係を満足する噴孔16aは存在しない。また、任意の噴孔16bの孔中心を通り中心軸18を含む面Phを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(db/h)の関係を満足する噴孔16bが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(db/h)の関係を満足する噴孔16bは存在しない。
したがって、この実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様に、噴孔16a,16b周辺の燃料の流れにアンバランスが生じる。そこで、噴孔16a,16bの周辺には、大きく回りこんで噴孔16a,16bに到達する燃料の流れが発生し、噴孔16a,16bを中心に渦を巻くような燃料の流れが発生する。これにより、噴孔16a,16bに流れこむ燃料の流れに旋回流が発生し、微粒化特性を向上させる効果を得られる。さらに、異なる噴孔径を組み合わせることにより、燃料の流れのバランスをさらに変化させ、旋回流をより強化することが可能となる。また、内径側の噴孔16aの噴孔径が外径側の噴孔16bの噴孔径より小さいので、噴霧中央の燃料を削減することが可能となり、空気との混合を促進する噴霧を形成することができる。
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。
図10において、噴孔径daの4つの噴孔16aが中心軸18を中心とした直径Φ1のピッチ円上に配置され、噴孔径dbの4つの噴孔16bが直径Φ2(ただし、Φ1<Φ2)のピッチ円上に配置されている。そして、2つずつの噴孔16aが、中心軸18を通る直線上に噴孔16aの孔中心を位置させて、1列に配列されている。2つずつの噴孔16bが、中心軸18を通る他の直線上に噴孔16bの孔中心を位置させて、1列に配列されている。さらに、2つずつの噴孔16aの孔中心を通り、中心軸18を含む面Phaのはさみ角はθ1であり、2つずつの噴孔16bの孔中心を通り、中心軸18を含む面Phbのはさみ角はθ2である。なお、噴孔径はda>dbの関係であり、はさみ角はθ1>θ2の関係である。
この実施の形態4では、異なる2つの噴孔径を有する噴孔16a,16bが混在する構成であるが、実施の形態1と同様に、8つの噴孔16a,16bが鏡像対称となる、中心軸18を含む面Psが2つ存在し、2つの面Ps上に噴孔は存在しない。また、任意の噴孔16aの孔中心を通り中心軸18を含む面Phaを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(da/h)の関係を満足する噴孔16aが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(da/h)の関係を満足する噴孔16aは存在しない。また、任意の噴孔16bの孔中心を通り中心軸18を含む面Phbを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(db/h)の関係を満足する噴孔16bが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(db/h)の関係を満足する噴孔16bは存在しない。
上記実施の形態2では、噴孔16bの噴孔径dbを小さくした場合、r<(5/4)・(db/h)を満足するrが小さくなる。そして、噴孔16a,16bが中心軸18を通る直線上に1列に配列されているので、噴孔16a,16bの孔中心を通り、中心軸18を含む面Phのはさみ角θを小さくする必要がある。つまり、噴孔16a,16bをr<(5/4)・(db/h)を満足するように配置することになり、噴孔16a間の距離が過度に小さくなってしまう。噴孔16a間の距離が過度に小さくなると、噴孔加工時、特にプレス加工で噴孔を設ける場合などに、加工時に生じる歪みが隣接する噴孔にも及び、噴射方向や流量など噴霧特性のばらつきの要因となる。
実施の形態4では、噴孔16aの孔中心を通り、中心軸18を含む面Phaのはさみ角θ1と、噴孔16bの孔中心を通り、中心軸18を含む面Phbのはさみ角θ2とが異なっている。そこで、噴孔径の異なる噴孔16a,16bを用いても、噴孔16aをr<(5/4)・(da/h)を満足するように配置でき、噴孔16bをr<(5/4)・(db/h)を満足するように配置できる。
したがって、実施の形態4においても、噴孔16a,16b周辺の燃料の流れにアンバランスが生じる。そこで、噴孔16a,16bの周辺には、大きく回りこんで噴孔16a,16bに到達する燃料の流れが発生し、噴孔16a,16bを中心に渦を巻くような燃料の流れが発生する。これにより、噴孔16a,16bに流れこむ燃料の流れに旋回流が発生し、微粒化特性を向上させる効果を得られる。さらに、異なる噴孔径を組み合わせることにより、燃料の流れのバランスをさらに変化させ、旋回流をより強化することが可能となる。また、噴孔16a,16bの配置の変更により、燃料の流れのバランスをさらに変化させることができ、旋回流をより強化することが可能となる。
実施の形態5.
図11はこの発明の実施の形態5に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。
図11において、噴孔径daの4つの噴孔16aが中心軸18を中心とした直径Φ1のピッチ円上に配置され、噴孔径dbの4つの噴孔16bが直径Φ2のピッチ円上に配置され、噴孔径dcの4つの噴孔16cが直径Φ3(ただし、Φ1<Φ2<Φ3)のピッチ円上に配置されている。そして、2つずつの噴孔16aが、中心軸18を通る直線上に噴孔16aの孔中心を位置させて、1列に配列されている。2つずつの噴孔16bが、中心軸18を通る他の直線上に噴孔16bの孔中心を位置させて、1列に配列されている。2つずつの噴孔16cが、中心軸18を通る他の直線上に噴孔16cの孔中心を位置させて、1列に配列されている。さらに、2つずつの噴孔16aの孔中心を通り、中心軸18を含む面Phaのはさみ角はθ1であり、2つずつの噴孔16bの孔中心を通り、中心軸18を含む面Phbのはさみ角はθ2であり、2つずつの噴孔16cの孔中心を通り、中心軸18を含む面Phcのはさみ角はθ3である。なお、噴孔径はda>db>dcの関係であり、はさみ角はθ1>θ2>θ3の関係である。
この実施の形態5では、異なる3つの噴孔径を有する噴孔16a,16b,16cが混在する構成であるが、実施の形態1と同様に、12個の噴孔16a,16b、16cが鏡像対称となる、中心軸18を含む面Psが2つ存在し、2つの面Ps上に噴孔は存在しない。また、任意の噴孔16aの孔中心を通り中心軸18を含む面Phaを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(da/h)の関係を満足する噴孔16aが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(da/h)の関係を満足する噴孔16aは存在しない。また、任意の噴孔16bの孔中心を通り中心軸18を含む面Phbを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(db/h)の関係を満足する噴孔16bが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(db/h)の関係を満足する噴孔16bは存在しない。さらに、任意の噴孔16cの孔中心を通り中心軸18を含む面Phcを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(dc/h)の関係を満足する噴孔16cが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(dc/h)の関係を満足する噴孔16cは存在しない。
実施の形態5では、噴孔16aの孔中心を通り、中心軸18を含む面Phaのはさみ角θ1と、噴孔16bの孔中心を通り、中心軸18を含む面Phbのはさみ角θ2と、噴孔16cの孔中心を通り、中心軸18を含む面Phcのはさみ角θ3とが異なっている。そこで、噴孔径の異なる噴孔16a,16b,16cを用いても、噴孔16aをr<(5/4)・(da/h)を満足するように配置でき、噴孔16bをr<(5/4)・(db/h)を満足するように配置でき、噴孔16cをr<(5/4)・(dc/h)を満足するように配置できる。
したがって、実施の形態5においても、噴孔16a,16b,16c周辺の燃料の流れにアンバランスが生じる。そこで、噴孔16a,16b,16cの周辺には、大きく回りこんで噴孔16a,16bに到達する燃料の流れが発生し、噴孔16a,16b,16cを中心に渦を巻くような燃料の流れが発生する。これにより、噴孔16a,16b,16cに流れこむ燃料の流れに旋回流が発生し、微粒化特性を向上させる効果を得られる。さらに、異なる噴孔径を組み合わせることにより、燃料の流れのバランスをさらに変化させ、旋回流をより強化することが可能となる。また、噴孔16a,16b,16cの配置の配置に変更により、燃料の流れのバランスをさらに変化させることができ、旋回流をより強化することが可能となる。さらにまた、噴孔16の数を増加させることが可能となり、良好な微粒化特性を維持したまま、噴射流量を増加させることができる。
実施の形態6.
図12はこの発明の実施の形態6に係る燃料噴射弁における噴孔周りを示す要部断面図である。
図12において、燃料室15aの高さhが中心軸18から離れるにつれ低くなるように構成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態2と同様に構成されている。
この実施の形態2では、噴孔径の異なる噴孔16a,16bの真上の燃料室15aの高さhが同じとなっているので、噴孔径の異なる噴孔16a,16bごとの微粒化特性にばらつきが生じやすい。
この実施の形態6では、燃料室15aの高さhが中心軸18から離れるにつれ漸次低くなるように傾斜されている。そこで、噴孔16a,16bの噴孔径に合わせて、噴孔16a,16bの真上の燃料室15aの高さha,hbを調節できるので、噴孔径の異なる噴孔16a,16bごとの微粒化特性のばらつきを抑制でき、噴霧全体の微粒化特性を向上させることができる。
実施の形態7.
図13はこの発明の実施の形態7に係る燃料噴射弁における噴孔周りを示す要部断面図である。
図13において、噴孔16a,16bの孔中心を通り、中心軸18を含む面Ph上で、噴孔16a,16bの孔中心が、中心軸18に対して、燃料噴射方向の外側に10°傾斜するように噴孔プレート15に形成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態7では、燃料は噴孔16a,16bから噴孔16a,16bの孔中心の方向に噴射される。そこで、噴孔16a,16bの孔中心の中心軸18に対する傾斜角度を調整することにより、任意の噴霧形状を形成することができる。
実施の形態8.
図14はこの発明の実施の形態8に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。
図14において、噴孔径dの6つの噴孔16aが中心軸18を中心とした直径Φ1のピッチ円上に配置され、噴孔径dの6つの噴孔16bが直径Φ2(ただし、Φ1<Φ2)のピッチ円上に配置されている。そして、1つずつの噴孔16a,16bが、中心軸18を通る直線上に噴孔16a,16bの孔中心を位置させて、1列に配列されている。噴孔16a,16bの2列を周方向に近づけて配置された4つの噴孔16a,16bからなる噴孔群が、周方向に120°ピッチで配置されている。
この実施の形態8では、12個の噴孔16a,16bが鏡像対称となる、中心軸18を含む面Psが3つ存在するが、実施の形態1と同様に、3つの面Ps上に噴孔16a,16bは存在しない。また、任意の噴孔16a,16bの孔中心を通り中心軸18を含む面Phを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔16a,16bが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔16a,16bは存在しない。
したがって、この実施の形態8においても、上記実施の形態1と同様に、噴孔16a,16b周辺の燃料の流れにアンバランスが生じる。これにより、噴孔16a,16b周辺には、大きく回りこんで噴孔16a,16bに到達する燃料の流れが発生し、噴孔16a,16bを中心に渦を巻くような燃料の流れが発生する。これより、噴孔16a,16bに流れこむ燃料の流れに旋回流が発生し、微粒化特性を向上させる効果が得られる。また、噴孔16a,16bの数を増加させることが可能であり、良好な微粒化特性を維持したまま、噴射流量を増加させることが可能である。さらに、噴孔配置が周方向に均一となるので、上記実施の形態1のように左右に一つずつ噴霧が噴射されるのではなく、中央に一つだけ噴霧を噴射させることが可能となる。
実施の形態9.
図15はこの発明の実施の形態9に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。
図15において、噴孔径dの8つの噴孔16aが中心軸18を中心とした直径Φ1のピッチ円上に配置され、噴孔径dの8つの噴孔16bが直径Φ2(ただし、Φ1<Φ2)のピッチ円上に配置されている。そして、1つずつの噴孔16a,16bが、中心軸18を通る直線上に噴孔16a,16bの孔中心を位置させて、1列に配列されている。噴孔16a,16bの2列を周方向に近づけて配置された4つの噴孔16a,16bからなる噴孔群が、周方向に90°ピッチで配置されている。
この実施の形態9では、16個の噴孔16a,16bが鏡像対称となる、中心軸18を含む面Psが4つ存在するが、実施の形態1と同様に、4つの面Ps上に噴孔16a,16bは存在しない。また、任意の噴孔16a,16bの孔中心を通り中心軸18を含む面Phを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔16a,16bが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔16a,16bは存在しない。
したがって、この実施の形態9においても、上記実施の形態1と同様に、噴孔16a,16b周辺の燃料の流れにアンバランスが生じる。これにより、噴孔16a,16b周辺には、大きく回りこんで噴孔16a,16bに到達する燃料の流れが発生し、噴孔16a,16bを中心に渦を巻くような燃料の流れが発生する。これより、噴孔16a,16bに流れこむ燃料の流れに旋回流が発生し、微粒化特性を向上させる効果が得られる。また、噴孔16a,16bの数を増加させることが可能であり、良好な微粒化特性を維持したまま、噴射流量を増加させることが可能である。さらに、噴孔配置が周方向に均一となるので、上記実施の形態1のように左右に一つずつ噴霧が噴射されるのではなく、中央に一つだけ噴霧を噴射させることが可能となる。
実施の形態10.
図16はこの発明の実施の形態10に係る燃料噴射弁における噴孔の配置を示す平面図である。
図16において、噴孔径dの2つの噴孔16aが中心軸18を中心とした直径Φ1のピッチ円上に配置され、噴孔径dの2つの噴孔16bが直径Φ2(ただし、Φ1<Φ2)のピッチ円上に配置されている。そして、1つずつの噴孔16a,16bが、中心軸18を通る直線上に噴孔16a,16bの孔中心を位置させて、1列に配列されている。
この実施の形態10では、4つの噴孔16a,16bが鏡像対称となる、中心軸18を含む面Psが1つ存在するが、実施の形態1と同様に、1つの面Ps上に噴孔16a,16bは存在しない。また、任意の噴孔16a,16bの孔中心を通り中心軸18を含む面Phを、中心軸18を中心として回転させた場合、一方の回転方向には、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔16a,16bが存在し、他方の回転方向には、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔16a,16bは存在しない。
したがって、この実施の形態10においても、上記実施の形態1と同様に、噴孔16a,16b周辺の燃料の流れにアンバランスが生じる。これにより、噴孔16a,16b周辺には、大きく回りこんで噴孔16a,16bに到達する燃料の流れが発生し、噴孔16a,16bを中心に渦を巻くような燃料の流れが発生する。これより、噴孔16a,16bに流れこむ燃料の流れに旋回流が発生し、微粒化特性を向上させる効果が得られる。また、噴孔16a,16bの数を減少させることが可能であり、良好な微粒化特性を維持したまま、噴射流量を減少させることが可能である。さらに、噴孔16a,16bが図16中、左側にのみ配置されているので、上記実施の形態1のように左右に一つずつ噴霧が噴射されるのではなく、左側に一つだけ噴霧を噴射させることが可能となる。これにより、エンジン内部への噴霧方向の自由度が向上する。
実施の形態11.
図17はこの発明の実施の形態11に係る燃料噴射弁における噴孔周りを示す要部断面図である。
図17において、噴孔16a,16bの孔中心を通り、中心軸18を含む面Ph上で、噴孔16a,16bの孔中心が、中心軸18に対して、燃料噴射方向の内側に10°傾斜するように噴孔プレート15に形成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態11では、燃料は噴孔16a,16bから噴孔16a,16bの孔中心の方向に噴射される。そこで、噴孔16a,16bの孔中心の中心軸18に対する傾斜角度を調整することにより、噴霧を中心軸18にほぼ沿った方向に噴霧することが可能となる。これにより、良好な微粒化特性を維持したまま噴霧流量を減少させ、かつ任意の方向に燃料噴霧を形成することができる。
なお、上記各実施の形態では、噴孔プレートに配置された噴孔が面Psを対称面とする鏡像対称となっている場合について説明しているが、噴孔プレートに配置された噴孔は、必ずしも、孔形状が面Psを対称面とする鏡像対称となっている必要はなく、噴孔プレートのバルブシート側の面上における噴孔の孔中心が面Psを対称面とする鏡像対称となっていればよい。
また、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載された範囲を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
1 燃料噴射弁、13 弁部材、13a 外周面(当接部)、14 バルブシート、14a 弁座部、14b 燃料通路、14d 弁孔、15 噴孔プレート、15a 燃料室、16a,16b,16c 噴孔、18 中心軸。

Claims (4)

  1. 燃料通路を形成する内壁面に形成された弁座部、および上記燃料通路の下流側に上記弁座部と同軸に形成された弁孔を有するバルブシートと、
    上記弁座部に着座可能な当接部を有し、上記当接部が上記弁座に離座または着座することにより上記燃料通路を開閉する弁部材と、
    上記バルブシートの上記弁孔よりも下流側に取り付けられ、噴孔が上記弁孔の孔中心を中心とする異なる半径のn個(ただし、nは1以上の整数)のピッチ円上のそれぞれに複数個ずつ配置された噴孔プレートと、
    上記バルブシートと上記噴孔プレートとの間に形成され、上記弁孔を介して上記燃料通路に連通する燃料室と、を備え、
    上記噴孔プレートの板厚をt、上記噴孔の孔径をd、上記噴孔の真上における上記燃料室の高さをh、周方向に隣り合う任意の2つの上記噴孔の孔中心間の距離をrとしたときに、上記噴孔プレートの板厚tと上記噴孔の孔径dが、0.4<t/d<1を満足し、上記2つの噴孔のうちの一方の噴孔の孔中心を通り上記弁孔の孔中心を含む面Phを、上記弁孔の孔中心を中心として回転した場合、一方の回転方向にのみ、r<(5/4)・(d/h)の関係を満足する噴孔が存在し、
    上記噴孔プレートの上記バルブシート側の面上における上記噴孔の孔中心が鏡像対称となる、上記弁孔の孔中心を含む面Psが存在し、上記面Ps上には、上記噴孔が配置されていないことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 上記噴孔は、上記弁孔の孔中心を中心とする異なる半径の2つ以上のピッチ円上のそれぞれに複数個ずつ配置され、
    上記噴孔の噴孔径が、配置される上記ピッチ円ごとに異なっていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射弁。
  3. 上記噴孔の孔中心が、上記弁孔の孔中心に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料噴射弁。
  4. 上記燃料室の高さが上記弁孔の孔中心から離れるにつれ低くなっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
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