JP6207707B2 - イソシアネートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イソシアネートの製造方法に関する。
イソシアネートは、ポリウレタン、ポリ尿素等の原料として工業的に広く用いられている。従来、イソシアネートは、アミンとホスゲンとの反応(ホスゲン法)から工業的に製造されている。しかしながら、ホスゲンは毒性が強く、その取り扱いが煩雑であり、しかも、大量の塩酸を副生するため装置の腐食に配慮する必要がある等、種々の課題がある。そのため、これに代わるイソシアネートの工業的な製造方法の開発が望まれている。
ホスゲンを使用しないイソシアネートの製造方法としては、例えば、アミンと、尿素及び/又はN−無置換カルバミン酸エステルと、アルコールとを反応(カルバメート化反応)させて得られたカルバメートを熱分解することによりイソシアネートを製造する方法(尿素法)が知られている。当該方法によるイソシアネートの製造では、気体成分としてアンモニアが副生すること、及びイソシアネートの回収後に高沸点成分が生成することが知られていて、その回収・処理方法が検討されている。
尿素法におけるカルバメート化反応では、アンモニアが副生する。アンモニアは、硝酸等の基礎化学品、及び、硫安等のチッソ肥料の原料となるため、工業的に極めて重要な物質である。アンモニアは、液体アンモニア、アンモニア水の形で利用される。
カルバメートの製造において副生するアンモニアを回収する方法としては、例えば、有機物、二酸化炭素及びアンモニアを含む排ガスをアルカリ液(例えば、苛性ソーダ溶液)で洗浄して有機物等を除去すると共に、トップ生成物としてアンモニアを留出させる方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。また、特許文献2には、副生するアンモニアに含まれるアルコールを少量の水で洗浄して再利用する方法が開示されている。
一方、イソシアネートの回収後の高沸点成分については、例えば特許文献3に、特定の温度、圧力条件下でジイソシアネート含有有機残留物からイソシアネートを分離し、かつ、残留物を強制的な運搬によって搬出する方法が開示されている。
日本国特開平6−115928号公報 国際公開第2011/158598号 国際公開第2007/036479号
副生アンモニアを回収する方法として、上記特許文献1に開示された方法では、アンモニアを回収できる一方、継続的にアルカリ液(例えば、苛性ソーダ溶液)を供給する必要があり、コスト面に劣るという不具合がある。また、腐食性の高いアルカリ液の利用は装置への負荷が大きく、設備保守の面で不利である。
その点、特許文献2に開示された方法は少量の水を使用する点で有利であると言える。しかしながら、副生するアンモニアに、少量の水にあまり溶解しない成分が含まれるとアンモニアの純度を高める効果は十分とは言えない。また、含有される化合物によっては水に溶解しないだけでなく、水との接触により冷却されて固化して、系内への付着や閉塞をもたらす場合がある。さらに、カルバメート化反応が減圧下で行われる場合には、カルバメート化反応における圧力を維持する必要性から、低圧下で体積が膨張した副生アンモニアを、ポンプ等を用いて、水との接触をおこなう工程に供給したり、水との接触後のアンモニアをポンプ等で排気したりする必要がある。このため、ポンプ等の設備が大きくなる問題もある。
本発明の第1の目的は、カルメート化反応において生成するアンモニアを効率よく高純度で回収することが可能であるアンモニア回収工程を具備するイソシアネートの製造方法を提供することにある。
一方、イソシアネートの回収後の高沸点成分の回収については、特許文献3の方法では、ジイソシアネート含有有機残留物を、ジイソシアネートを分離する装置に搬送する際に、該ジイソシアネート含有有機残留物が高粘度である場合が多く、その搬送自体が困難である場合が多い。
本発明の第2の目的は、イソシアネートの回収後の高沸成分の回収において、イソシアネートの回収後の混合物の搬送、及び、有効成分の回収を容易にする方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討をおこった結果、まず第1の目的に対しては、カルバメート化工程で得られるアンモニアを含む気相成分を、当該工程をおこなう反応器に具備する凝縮器に通して回収される気相成分を吸収水に吸収させてガス吸収水を生成させ、さらに当該ガス吸収水を加熱したアンモニアを得る方法を着想した。また、第2の目的に対しては、カルバメートを熱分解反応に付して、生成するイソシアネートを分離して得られる再生不能な副反応物を含む残留液を加熱して、当該残留液に含まれる有機ヒドロキシ化合物、及び/又は、有機ヒドロキシ化合物前駆体に由来する有機ヒドロキシ化合物を回収する方法を着想した。本発明者らは、これらの方法により、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
まず、本発明の第1の態様として、
[1] 有機第1アミンと、尿素と、有機ヒドロキシ化合物とを原料としたイソシアネートの製造方法であって、
前記有機第1アミンと、前記尿素と、前記有機ヒドロキシ化合物とからカルバメート化反応によりN−置換カルバメートを生成し、前記尿素及び/又は前記尿素に由来するカルボニル基を有する化合物と、前記有機ヒドロキシ化合物と、アンモニアとを含む第1の気相成分を回収するカルバメート化工程(工程(1))と、
前記第1の気相成分を凝縮器により凝縮する凝縮工程(工程(2))と、
前記N−置換カルバメートを熱分解してイソシアネートを製造するイソシアネート製造工程(工程(3))と、
前記凝縮器より気相成分として回収される、アンモニアを主成分とする第2の気相成分を吸収水に吸収させてガス吸収水を生成するアンモニア吸収工程(工程(4))と、
前記ガス吸収水を加熱して前記ガス吸収水から前記アンモニアを分離するアンモニア放散工程(工程(5))と、
を備える、イソシアネートの製造方法、
[2] 前記アンモニア放散工程で前記アンモニアを分離した後に得られる液相成分を、前記アンモニア吸収工程における前記吸収水として使用する、[1]に記載の方法、
[3] 前記第2の気相成分が、尿素及び/又はイソシアン酸と、有機ヒドロキシ化合物とを含有し、
前記ガス吸収水が、アンモニアと、尿素及び/又はイソシアン酸と、有機ヒドロキシ化合物とを含有する、[1]又は[2]に記載の方法、
[4] 前記アンモニア放散工程で前記アンモニアを分離した後に得られる液相成分が有機ヒドロキシ化合物と水相とを含み、かつ、前記有機ヒドロキシ化合物と前記水相とが相分離している、[3]に記載の方法、
[5] 前記アンモニア放散工程で前記アンモニアを分離した後に得られる液相成分に含まれる有機ヒドロキシ化合物と水相とを分離する有機ヒドロキシ化合物分離工程を更に含む、[3]又は[4]記載の方法、
[6] 前記有機ヒドロキシ化合物分離工程で得られる水溶液の一部を水と置換する液相ブローダウン工程を更に含む、[5]に記載の方法、
[7] 更に、前記アンモニア放散工程で得られるアンモニアを燃焼させて熱回収し、当該回収熱を前記カルバメート化工程及び/又は前記イソシアネート製造工程の熱源として利用する、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の方法、
[8] 更に、前記アンモニア放散工程で得られるアンモニアを液体アンモニアとして回収する、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の方法、
[9] 有機第1アミンと、尿素と、有機ヒドロキシ化合物とを原料としたイソシアネートの製造方法であって、
前記有機第1アミンと、前記尿素と、前記有機ヒドロキシ化合物とからカルバメート化反応によりN−置換カルバメートを生成し、前記尿素及び/又は前記尿素に由来するカルボニル基を有する化合物と、前記有機ヒドロキシ化合物と、アンモニアとを含む第1の気相成分を回収するカルバメート化工程(工程(1))と、
前記第1の気相成分を凝縮器により凝縮する凝縮工程(工程(2))と、
前記N−置換カルバメートを熱分解してイソシアネートを製造するイソシアネート製造工程(工程(3))と、
前記凝縮器より抜き出される、アンモニアを主成分とする第2の気相成分を硫酸水に吸収させて硫酸アンモニウムを生成させるアンモニア吸収工程(工程(4))と、
を備える、イソシアネートの製造方法、
を提供する。
また、本発明の第2の態様として、
[10] 有機第1アミンと、尿素と、有機ヒドロキシ化合物とを原料としたイソシアネートの製造方法であって、
前記有機第1アミンと、前記尿素と、前記有機ヒドロキシ化合物とからカルバメート化反応によりN−置換カルバメートを生成し、前記尿素及び/又は前記尿素に由来するカルボニル基を有する化合物と、前記有機ヒドロキシ化合物と、アンモニアとを含む第1の気相成分を回収するカルバメート化工程(工程(1))と、
前記第1の気相成分を凝縮器により凝縮する凝縮工程(工程(2))と、
前記N−置換カルバメートを熱分解してイソシアネートを製造するイソシアネート製造工程(工程(3))と、
前記イソシアネート製造工程で得られる、イソシアネート及び有機ヒドロキシ化合物を含む低沸点成分を分離した第1の残留液の一部又は全部と、尿素と有機ヒドロキシ化合物とを反応させる再生工程(工程(6))と、
前記再生工程における反応液を熱分解反応に付して、生成するイソシアネートと、再生不能な副反応物を含む第2の残留液とを分離する分離工程(工程(7))と、
第1の残留液及び/又は第2の残留液を加熱して有機ヒドロキシ化合物を含む低沸点成分を回収し、前記低沸点成分を工程(1)、(3)、(6)の少なくとも1つの工程へリサイクルし、再生不能な副反応物を含む高沸点成分を系外へ除去するブローダウン工程(工程(8))と、
を備えるイソシアネートの製造方法、
[11] 前記ブローダウン工程における第1の残留液及び/又は第2の残留液の加熱を
(a)強制的運搬装置を備えたパドル型乾燥器、
(b)脱ガス機能を備えた押出機、及び、
(c)強制的運搬装置を備えた垂直薄膜蒸発器
からなる群から選ばれる少なくとも1種の装置を用いておこなう、[10]に記載の方法、
[12] 前記ブローダウン工程における第1の残留液及び/又は第2の残留液の加熱を
(a)強制的運搬装置を備えたパドル型乾燥器、又は、
(c)強制的運搬装置を備えた垂直薄膜蒸発器
のいずれか一方の装置を用いておこなう、[11]に記載の方法。
[13] 第1の残留液及び/又は第2の残留液の粘度が1000mPa・s以下である、[10]に記載の方法、
を提供する。
本発明によれば、イソシアネートの製造に際してカルバメート化工程から副生するアンモニアを効率よく高純度で回収することが可能である。また、イソシアネートを回収後の高沸点成分の回収において、イソシアネートを回収後の混合物の搬送、及び、有効成分の回収が容易となる。
本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。 本実施形態のイソシアネートの製造方法に係る装置の概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<<本実施の形態で用いる化合物>>
まず、本実施の形態で用いる化合物について説明する。
<有機第1アミン>
本実施の形態における有機第1アミンとは、IUPAC(The International Union of Pure and Applied Chemistry)で定められた Nomenclature(IUPAC Nomenclature of Organic Chemistry)記載の規則C−8に定められる“第1アミン”(モノ第1アミン及びポリ第1アミン)を指す。このような有機アミンは、下記式(1)で表される。該規則とは、Recommendations on Organic & Biochemical Nomenclatureに基づくものである。以下、本願におけるIUPAC規則、及びこれ以降にも示すIUPACで定められたNomenclature規則(特別に他年度のIUPAC勧告等を引用する場合を除いて、)を指す場合は、Recommendations 1979を基にした1980年に“化学の領域”の別冊として刊行された有機化学と生化学の規則すべてと日本語への字訳規則を包含した版を元にしてその後のすべての改訂・勧告を加えた「有機化学・生化学命名法」(日本国 南江堂出版 1992年発行の改訂第2版)を引用している。“有機”とは、該書に開示されている命名法の対象とされる化合物群一般を指す。該対象は、1993年に出された勧告に記載された対象であってもよい。ただし、上記した該Nomenclatureの対象とした“有機”化合物には、有機金属化合物や、金属錯体をも含有される。本実施の形態においては、“有機”及び/又は“有機基”及び/又は“置換基”等、また本実施の形態で使用する化合物を以下に説明するが、特に説明のない場合、それらは金属原子及び/又は半金属を含まない原子で構成される。さらに好ましくは、H(水素原子)、C(炭素原子)、N(窒素原子)、O(酸素原子)、S(硫黄原子)、Cl(塩素原子)、Br(臭素原子)、I(ヨウ素原子)から選ばれる原子から構成される“有機化合物”“有機基”“置換基”を本実施の形態では使用する。
また、以下の説明に、“脂肪族”及び“芳香族”という語を多用する。上記したIUPACの規則によれば、有機化合物は、脂肪族化合物と芳香族化合物に分類されることが記載されている。脂肪族化合物とは、1995年のIUPAC勧告に基づいた脂肪族化合物に沿った基の定義である。該勧告には、脂肪族化合物を“Acyclic or cyclic,saturated or unsaturated carbon compounds,excluding aromatic compounds”と定義している。また、本実施の形態の説明で用いる脂肪族化合物は、飽和及び不飽和、鎖状及び環状のいずれも含有し、上記したH(水素原子);C(炭素原子);N(窒素原子);O(酸素原子);S(硫黄原子);Si(ケイ素原子);Cl(塩素原子)、Br(臭素原子)、及びI(ヨウ素原子)から選ばれるハロゲン原子;から選ばれる原子で構成される“有機化合物”“有機基”“置換基”を指す。
また、アラルキル基等の、芳香族基が脂肪族基に結合している場合は、そのように“芳香族基で置換された脂肪族基”又は“芳香族基が結合した脂肪族基からなる基”としばしば表記する。これは、本実施の形態における反応性に基づくもので、アラルキル基のような基の反応に関する性質は、芳香族性ではなく脂肪族の反応性に極めて類似しているからである。また、アラルキル基、アルキル基等を包含した非芳香族反応性基を、しばしば“芳香族で置換されてもよい脂肪族基”“芳香族で置換された脂肪族基”“芳香族基が結合した脂肪族基”等と表記する。
なお、本明細書で使用する化合物の一般式を説明する際は、上記したIUPACで定められたNomenclature規則に沿った定義を使用するが、具体的な基の名称、例示する化合物名称は、しばしば慣用名を使用している。また、本明細書中に、原子の数、置換基の数、個数をしばしば記載するが、それらは全て整数を表している。
Figure 0006207707

(式中、
は、炭素数1〜85の有機基であって、a個のアミノ基に置換された有機基を表し、
aは、1〜10の整数である。)
上記式(1)において、Rは、脂肪族基、芳香族基、及び、脂肪族と芳香族基とが結合してなる基を表し、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(例えば、単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基、ヘテロ環基、ヘテロ環式スピロ基、ヘテロ架橋環基、複素環基)からなる基、前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる基から1種以上結合した基、及び前記基が特定の非金属原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素)との共有結合を介して結合している基を表す。また、上記の特定の非金属原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素)との共有結合とは、例えば下記式(2)〜(10)で表される基と上記した基が共有結合で結合している状態である。
Figure 0006207707
このようなR基のなかで、本実施の形態で好ましく使用できるR基は、副反応の起こりにくさを考えれば、脂肪族基、芳香族基、及び脂肪族と芳香族基とが結合してなる基から選ばれる、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基)からなる群の中から選ばれる基、及び該群から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(互いに置換した基)であって、炭素数1〜85の基である。流動性等を考慮すれば、好ましくは炭素数1〜70の基である。さらに好ましくは炭素数1〜13の基である。
該R基で構成される有機第1アミンの好ましい例としては、
1)R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1種以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をNH基が置換し、aが1である、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族有機モノ第1アミン、
2)R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をNH基が置換し、aが2以上である芳香族有機ポリ第1アミン、
3)R基が、炭素数1〜85の、芳香族置換されてよい脂肪族基であって、aが2又は3の脂肪族有機ポリ第1アミンである。
上記で、NH基が結合している原子(好ましくは炭素原子)が、芳香族環に含まれるものを芳香族有機アミンと表記し、芳香族環でない原子(主に炭素)に結合している場合を脂肪族有機アミンと表記している。該さらに好ましい脂肪族基は、炭素数6〜70であって、鎖状炭化水素基、環状炭化水素基、及び前記鎖状炭化水素基と前記環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、鎖状炭化水素基で置換された環状炭化水素基、環状炭化水素基で置換された鎖状炭化水素基などを指す)である。
以下に好ましい有機第1アミンの具体例を示す。
1)芳香族有機モノ第1アミン
好ましい芳香族有機モノ第1アミンは、R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1種以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をNH基が置換し、aが1である、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族有機モノ第1アミンである。より好ましくはR基が炭素数6〜70の基であって、aが1である芳香族有機モノ第1アミンである。流動性等を考慮してさらに好ましくはR基が1種以上の“NH基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜13の基であって、aが1である芳香族有機モノアミンであり、下記式(11)で表される芳香族有機モノ第1アミンである。
Figure 0006207707
式(11)で表される芳香族有機モノ第1アミンのNH基のオルト位及び/又はパラ位の少なくとも1箇所は非置換であり、RからR基はそれぞれ環の芳香族性を保つ任意の位置に置換する基を示し、RからR基は、各々独立に、芳香環を置換してもよいし、RからR基同士が結合して芳香環とともに環を形成してもよく、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びこれらの基からなる群から選ばれる基が飽和炭化水素結合及び/又はエーテル結合で結合された基で構成される基から選ばれる基を表わし、RからR基の炭素数は0から7の範囲の整数個であり、式(11)で表される芳香族有機モノ第1アミンを構成する合計炭素数は6から13で構成される。
このような式(11)で表される芳香族有機モノ第1アミンの好ましい例としては、RからR基が、水素原子、又はメチル基、エチル基等のアルキル基から選ばれる基であり、そのような芳香族有機モノ第1アミンの例としては、アニリン、アミノトルエン(各異性体)、ジメチルアニリン(各異性体)、ジエチルアニリン(各異性体)、ジプロピルアニリン(各異性体)、アミノナフタレン(各異性体)、アミノメチルナフタレン(各異性体)、ジメチルナフチルアミン(各異性体)、トリメチルナフチルアミン(各異性体)等が挙げられる。中でもアニリンがさらに好ましく用いられる。
2)芳香族有機ポリ第1アミン
好ましい芳香族有機ポリ第1アミンは、R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をNH基が置換し、aが2以上である芳香族有機ポリ第1アミンである。より好ましくはR基が炭素数6〜70の基であって、aが2以上である芳香族有機ポリアミンである。流動性等を考慮してさらに好ましくはR基が、1種以上の“NH基で置換された”芳香族環を含有し、該芳香族環はさらにアルキル基、アリール基、アラルキル基で置換されてよい炭素数6〜13の基であって、aが2以上である芳香族有機ポリアミンである。そのような例としては、ジアミノベンゼン(各異性体)、ジアミノトルエン(各異性体)、メチレンジアニリン(各異性体)、ジアミノメシチレン(各異性体)、ジアミノビフェニル(各異性体)、ジアミノジベンジル(各異性体)、ビス(アミノフェニル)プロパン(各異性体)、ビス(アミノフェニル)エーテル(各異性体)、ビス(アミノフェノキシエタン)(各異性体)、ジアミノキシレン(各異性体)、ジアミノアニソール(各異性体)、ジアミノフェネトール(各異性体)、ジアミノナフタレン(各異性体)、ジアミノ−メチルベンゼン(各異性体)、ジアミノ−メチルピリジン(各異性体)、ジアミノ−メチルナフタレン(各異性体)、下記式(12)で表されるポリメチレンポリフェニルポリアミンを挙げることができる。
Figure 0006207707

(式中、
bは、0から6の整数である。)
3)脂肪族有機ポリ第1アミン
好ましい脂肪族有機ポリ第1アミンは、式(1)で表される有機アミンのR基が、炭素数が1〜85の範囲の整数個の、芳香族置換されていてもよい脂肪族基であって、aが2又は3の脂肪族有機ポリ第1アミンである。さらに好ましい脂肪族有機ポリ第1アミンは、該脂肪族基が、鎖状炭化水素基、環状炭化水素基、及び前記鎖状炭化水素基と前記環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、鎖状炭化水素基で置換された環状炭化水素基、環状炭化水素基で置換された鎖状炭化水素基などを指す)である脂肪族有機第1アミンである。より好ましくはR基が脂肪族基であって、炭素数1〜70の非環式炭化水素基、環式炭化水素基、及び前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、非環式炭化水素基で置換された環式炭化水素基、環式炭化水素基で置換された非環式炭化水素基などを指す)であって、aが2又は3の脂肪族有機ポリ第1アミンである。工業的に大量に製造する際の流動性等を考慮して、最も好ましくはR基が、炭素原子と水素原子から構成される炭素数6〜13の非環式炭化水素基、環式炭化水素基、及び前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、非環式炭化水素基で置換された環式炭化水素基、環式炭化水素基で置換された非環式炭化水素基などを指す)である脂肪族有機ポリ第1アミンである。すなわち、R基が、直鎖及び/又は分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、及び該アルキル基と該シクロアルキル基から構成される基の場合である。それらの例として、エチレンジアミン、ジアミノプロパン(各異性体)、ジアミノブタン(各異性体)、ジアミノペンタン(各異性体)、ジアミノヘキサン(各異性体)、ジアミノデカン(各異性体)等の脂肪族ジ第1アミン類;トリアミノヘキサン(各異性体)、トリアミノノナン(各異性体)、トリアミノデカン(各異性体)等の脂肪族トリアミン類;ジアミノシクロブタン(各異性体)、ジアミノシクロヘキサン(各異性体)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(シス及び/又はトランス体)、メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(各異性体)等の置換された環式脂肪族ポリアミン類が挙げられる。
<炭酸誘導体>
本実施の形態における炭酸誘導体とは、下記式(13)で表される化合物を指す。炭酸誘導体は、カルバメートを製造する際に用いてもよい化合物である。中でも、尿素、N−無置換カルバメートは、有機第1アミン、有機ヒドロキシ化合物と共に、カルバメートを製造するための原料として使用される成分である。
Figure 0006207707

(式中、
X、Yは、各々独立に、炭素数1〜20の有機基、又は、炭素数0〜20でアミノ基を有する基を表す。)
上記式(13)で表される化合物としては、尿素化合物、N−無置換カルバメート、炭酸エステルが挙げられる。
(尿素化合物)
尿素化合物とは、分子中に尿素結合を少なくとも1つ有する化合物である。好ましくは、尿素結合を1つ有する化合物であり、下記式(14)で表される。
Figure 0006207707

(式中、
、R、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数7〜20の、芳香族化合物で置換された脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、又は水素原子を表し、
とRを構成する炭素原子の数の合計は0から20の整数であり、
とRを構成する炭素原子の数の合計は0から20の整数である。)
、R、R及びRとしては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ウンデシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、トリデシル基(各異性体)、テトラデシル基(各異性体)、ペンタデシル基(各異性体)、ヘキサデシル基(各異性体)、ヘプタデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)、ノナデシル(各異性体)のアルキル基;
フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ビフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、ターフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が6〜20のアリール基;
フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が7〜20のアラルキル基、等を例示することができる。
具体的には、尿素、メチル尿素、エチル尿素、プロピル尿素(各異性体)、ブチル尿素(各異性体)、ペンチル尿素(各異性体)、ヘキシル尿素(各異性体)、ヘプチル尿素(各異性体)、オクチル尿素(各異性体)、ノニル尿素(各異性体)、デシル尿素(各異性体)、ウンデシル尿素(各異性体)、ドデシル尿素(各異性体)、トリデシル尿素(各異性体)、テトラデシル尿素(各異性体)、ペンタデシル尿素(各異性体)、ヘキサデシル尿素(各異性体)、ヘプタデシル尿素(各異性体)、オクタデシル尿素(各異性体)、ノナデシル尿素(各異性体)、フェニル尿素、N−(メチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(エチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(プロピルフェニル)尿素(各異性体)、N−(ブチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(ペンチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(ヘキシルフェニル)尿素(各異性体)、N−(ヘプチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(オクチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(ノニルフェニル)尿素(各異性体)、N−(デシルフェニル)尿素(各異性体)、N−ビフェニル尿素(各異性体)、N−(ジメチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(ジエチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(ジプロピルフェニル)尿素(各異性体)、N−(ジブチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(ジペンチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(ジヘキシルフェニル)尿素(各異性体)、N−(ジヘプチルフェニル)尿素(各異性体)、N−ターフェニル尿素(各異性体)、N−(トリメチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(トリエチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(トリプロピルフェニル)尿素(各異性体)、N−(トリブチルフェニル)尿素(各異性体)、N−(フェニルメチル)尿素、N−(フェニルエチル)尿素(各異性体)、N−(フェニルプロピル)尿素(各異性体)、N−(フェニルブチル)尿素(各異性体)、N−(フェニルペンチル)尿素(各異性体)、N−(フェニルヘキシル)尿素(各異性体)、N−(フェニルヘプチル)尿素(各異性体)、N−(フェニルオクチル)尿素(各異性体)、N−(フェニルノニル)尿素(各異性体)、ジメチル尿素(各異性体)、ジエチル尿素(各異性体)、ジプロピル尿素(各異性体)、ジブチル尿素(各異性体)、ジペンチル尿素(各異性体)、ジヘキシル尿素(各異性体)、ジヘプチル尿素(各異性体)、ジオクチル尿素(各異性体)、ジノニル尿素(各異性体)、ジデシル尿素(各異性体)、ジウンデシル尿素(各異性体)、ジドデシル尿素(各異性体)、ジトリデシル尿素(各異性体)、ジテトラデシル尿素(各異性体)、ジペンタデシル尿素(各異性体)、ジヘキサデシル尿素(各異性体)、ジヘプタデシル尿素(各異性体)、ジオクタデシル尿素(各異性体)、ジノナデシル(各異性体)、ジフェニル尿素、ジ(メチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(エチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(プロピルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ブチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ペンチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ヘキシルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ヘプチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(オクチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ノニルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(デシルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ビフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ジメチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ジエチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ジプロピルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ジブチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ジペンチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ジヘキシルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ジヘプチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(ターフェニル)尿素(各異性体)、ジ(トリメチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(トリエチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(トリプロピルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(トリブチルフェニル)尿素(各異性体)、ジ(フェニルメチル)尿素、ジ(フェニルエチル)尿素(各異性体)、ジ(フェニルプロピル)尿素(各異性体)、ジ(フェニルブチル)尿素(各異性体)、ジ(フェニルペンチル)尿素(各異性体)、ジ(フェニルヘキシル)尿素(各異性体)、ジ(フェニルヘプチル)尿素(各異性体)、ジ(フェニルオクチル)尿素(各異性体)、ジ(フェニルノニル)尿素(各異性体)等が挙げられる。これらの中でも、上記式(14)において、R、R、R及びRが水素原子である、尿素が好ましく使用される。尿素には、ビウレット、トリウレット、シアヌル酸が含まれていてもよい。しかしながら、一般的にビウレット、トリウレット及びシアヌル酸は溶媒に対する溶解性が低い。原料や反応液の移送に際しては均一溶液であることが好ましいことから、これらの含有量は可能な限り少ない方がこのましい。また、尿素の融点は135℃であり常温での取り扱いでは固体であるが、その形状は、特に限定されず、例えば、粉体状でも顆粒状でも使用できる。
(N−無置換カルバメート)
N−無置換カルバメートは、下記式(15)で表される化合物が好ましく使用される。
Figure 0006207707

(式中、
10は、炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は炭素数6〜20の芳香族基を表す。)
このようなR10としては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ウンデシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、トリデシル基(各異性体)、テトラデシル基(各異性体)、ペンタデシル基(各異性体)、ヘキサデシル基(各異性体)、ヘプタデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)、ノナデシル(各異性体)、エイコシル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜20のアルキル基;
フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ビフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、ターフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が6〜20のアリール基;
フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が7〜20のアラルキル基等を例示することができる。
具体的には、カルバミン酸メチル、カルバミン酸エチル、カルバミン酸プロピル(各異性体)、カルバミン酸ブチル(各異性体)、カルバミン酸ペンチル(各異性体)、カルバミン酸ヘキシル(各異性体)、カルバミン酸ヘプチル(各異性体)、カルバミン酸オクチル(各異性体)、カルバミン酸ノニル(各異性体)、カルバミン酸デシル(各異性体)、カルバミン酸ウンデシル(各異性体)、カルバミン酸ドデシル(各異性体)、カルバミン酸トリデシル(各異性体)、カルバミン酸テトラデシル(各異性体)、カルバミン酸ペンタデシル(各異性体)、カルバミン酸ヘキサデシル(各異性体)、カルバミン酸ヘプタデシル(各異性体)、カルバミン酸オクタデシル(各異性体)、カルバミン酸ノナデシル(各異性体)、カルバミン酸フェニル、カルバミン酸(メチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(エチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(プロピルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ブチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ペンチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ヘキシルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ヘプチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(オクチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ノニルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(デシルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ビフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ジメチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ジエチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ジプロピルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ジブチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ジペンチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(ターフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(トリメチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(トリエチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(トリプロピルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(トリブチルフェニル)(各異性体)、カルバミン酸(フェニルメチル、カルバミン酸(フェニルエチル)(各異性体)、カルバミン酸(フェニルプロピル)(各異性体)、カルバミン酸(フェニルブチル)(各異性体)、カルバミン酸(フェニルペンチル)(各異性体)、カルバミン酸(フェニルヘキシル)(各異性体)、カルバミン酸(フェニルヘプチル)(各異性体)、カルバミン酸(フェニルオクチル)(各異性体)、カルバミン酸(フェニルノニル)(各異性体)、等を挙げることができる。
(炭酸エステル)
炭酸エステルとは、炭酸CO(OH)の2つの水素原子のうち、その1原子又は2原子を、脂肪族基又は芳香族基で置換した化合物を指す。本実施の形態においては、下記式(16)で表される化合物が好ましく使用される。
Figure 0006207707

(式中、
11及びR12は、各々独立に、炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は炭素数6〜20の芳香族基を表す。)
11及びR12としては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ウンデシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、トリデシル基(各異性体)、テトラデシル基(各異性体)、ペンタデシル基(各異性体)、ヘキサデシル基(各異性体)、ヘプタデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)、ノナデシル(各異性体)、エイコシル基(各異性体)のアルキル基;
フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ビフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、ターフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)等のアリール基;
フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等のアラルキル基等を挙げることができる。
具体的には、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル(各異性体)、炭酸ジブチル(各異性体)、炭酸ジペンチル(各異性体)、炭酸ジヘキシル(各異性体)、炭酸ジヘプチル(各異性体)、炭酸ジオクチル(各異性体)、炭酸ジノニル(各異性体)、炭酸ジデシル(各異性体)、炭酸ジウンデシル(各異性体)、炭酸ジドデシル(各異性体)、炭酸ジトリデシル(各異性体)、炭酸ジテトラデシル(各異性体)、炭酸ジペンタデシル(各異性体)、炭酸ジヘキサデシル(各異性体)、炭酸ジヘプタデシル(各異性体)、炭酸ジオクタデシル(各異性体)、炭酸ジノナデシル(各異性体)、炭酸ジフェニル、炭酸ジ(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ビフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(フェニルメチル)、炭酸ジ(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸ジ(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸ジ(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸ジ(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸ジ(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸ジ(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸ジ(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸ジ(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(エチル)、炭酸(メチル)(プロピル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ブチル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ペンチル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ヘキシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ヘプチル)(各異性体)、炭酸(メチル)(オクチル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ノニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(デシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ウンデシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ドデシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(トリデシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(テトラデシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ペンタデシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ヘキサデシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ヘプタデシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(オクタデシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ノナデシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(フェニル)、炭酸(メチル)(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチル)(フェニルメチル)、炭酸(メチル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(メチル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(メチル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(メチル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(メチル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(メチル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(メチル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(メチル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(プロピル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ブチル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ペンチル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ヘキシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ヘプチル)(各異性体)、炭酸(エチル)(オクチル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ノニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(デシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ウンデシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ドデシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(トリデシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(テトラデシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ペンタデシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ヘキサデシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ヘプタデシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(オクタデシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ノナデシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(フェニル)、炭酸(エチル)(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチル)(フェニルメチル)、炭酸(エチル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(エチル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(エチル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(エチル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(エチル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(エチル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(エチル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(エチル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ブチル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ペンチル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ヘキシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ヘプチル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(オクチル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ノニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(デシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ウンデシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ドデシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(トリデシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(テトラデシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ペンタデシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ヘキサデシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ヘプタデシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(オクタデシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ノナデシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(フェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(フェニルメチル)、炭酸(プロピル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(プロピル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ペンチル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ヘキシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ヘプチル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(オクチル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ノニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(デシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ウンデシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ドデシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(トリデシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(テトラデシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ペンタデシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ヘキサデシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ヘプタデシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(オクタデシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ノナデシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(フェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(トリメチル
フェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(フェニルメチル)、炭酸(ブチル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ブチル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ヘキシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ヘプチル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(オクチル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ノニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(デシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ウンデシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ドデシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(トリデシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(テトラデシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ペンタデシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ヘキサデシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ヘプタデシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(オクタデシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ノナデシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(フェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(フェニルメチル)、炭酸(ペンチル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ペンチル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ヘプチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(オクチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ノニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(デシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ウンデシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ドデシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(トリデシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(テトラデシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ペンタデシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ヘキサデシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ヘプタデシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(オクタデシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ノナデシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(フェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(フェニルメチル)、炭酸(ヘキシル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(オクチル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ノニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(デシル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ウンデシル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ドデシル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(トリデシル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(テトラデシル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ペンタデシル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ヘキサデシル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ヘプタデシル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(オクタデシル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ノナデシル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(フェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(フェニルメチル)、炭酸(ヘプチル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ヘプチル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ノニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(デシル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ウンデシル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ドデシル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(トリデシル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(テトラデシル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ペンタデシル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ヘキサデシル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ヘプタデシル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(オクタデシル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ノナデシル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(フェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(フェニルメチル)、炭酸(オクチル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(オクチル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(
フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(メチルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(メチルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(エチルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(エチルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(プロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(プロピルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(プロピルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(ブチルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ブチルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)炭酸(ペンチルフェニル)(ヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(ペンチルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ペンチルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(ヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(オクチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(ノニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(デシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(ビフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(ジメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(ヘキシルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ヘキシルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(ジメチルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ジメチルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(ジプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(フェニルフェニ
ル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(ジエチルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ジエチルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(ジブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(ジプロピルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ジプロピルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(ジペンチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(ジブチルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ジブチルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(ジヘキシルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(ジヘプチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(フェニルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(ジペンチルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(ジペンチルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)、炭酸(トリメチルフェニル)(トリエチルフェニル)(各異性体)、炭酸(トリメチルフェニル)(トリプロピルフェニル)(各異性体)、炭酸(トリメチルフェニル)(トリブチルフェニル)(各異性体)、炭酸(トリメチルフェニル)(フェニルメチル)、炭酸(トリメチルフェニル)(フェニルエチル)(各異性体)、炭酸(トリメチルフェニル)(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸(トリメチルフェニル)(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸(トリメチルフェニル)(フェニルペンチル)(各異性体)、炭酸(トリメチルフェニル)(フェニルヘキシル)(各異性体)、炭酸(トリメチルフェニル)(フェニルヘプチル)(各異性体)、炭酸(トリメチルフェニル)(フェニルオクチル)(各異性体)、炭酸(トリメチルフェニル)(フェニルノニル)(各異性体)、等が挙げられる。
<有機ヒドロキシ化合物>
有機ヒドロキシ化合物とは、ヒドロキシ基(−OH基)を有する化合物を指す。該ヒドロキシ化合物としては、ヒドロキシ基(−OH基)が炭素原子に結合した化合物である、アルコール及び/又は芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく使用される。
(アルコール)
IUPACの定義(Rule C−201)によると、アルコールは「ヒドロキシ基が飽和炭素原子に結合した化合物(Compounds in which a hydroxy group, −OH, is attached to a saturated carbon atom:RCOH)」であり、下記式(17)で表されるヒドロキシ化合物である。
Figure 0006207707

(式中、
13は、c個のヒドロキシ基で置換された、炭素数1〜50の脂肪族基、又は炭素数7〜50の、芳香族基が結合した脂肪族基からなる基を表し、
式(17)で表されるアルコールのOH基は芳香族基に結合していないOH基であり、
cは、1から5の整数を表す。
ただし、R13は、ヒドロキシ基以外に活性水素を有しない基である。)
上記説明において、「活性水素」という語を使用したが、「活性水素」とは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子などと結合している水素原子(芳香族性ヒドロキシ基は除く)、及び、末端メチン基の水素原子を指す。例えば、−OH基、−C(=O)OH基、−C(=O)H基、−SH基、−SOH基、−SOH基、−SOH基、−NH基、−NH−基、−SiH基、−C≡CH基などの原子団に含まれている水素である。ヒドロキシ基(−OH基)も活性水素であるが、ヒドロキシ基は、本実施の形態の組成物や反応原料にも含まれており、悪影響を及ぼす基ではないので、特に記載のない場合は、活性水素を含む基には、ヒドロキシ基は除く。本実施の形態の他の箇所に「活性水素」としばしば記載するが、上記の定義を適用する。
13の脂肪族炭化水素基としては、該基を構成する水素原子以外の原子が、特定の非金属原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ハロゲン原子)である脂肪族炭化水素基である。脂肪族基の好ましい例としては、脂肪族基が、鎖状炭化水素基、環状炭化水素基、及び前記鎖状炭化水素基と前記環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、鎖状炭化水素基で置換された環状炭化水素基、環状炭化水素基で置換された鎖状炭化水素基などを指す)である。また、芳香族基が結合した脂肪族基の例としては、鎖状及び/又は分岐鎖状のアルキル基、あるいは、シクロアルキル基が芳香族基で置換された基、炭素数1〜44の該アルキル基が炭素数6〜49の該芳香族基で置換された基である。該芳香族基とは、上記で説明したように、好ましくは、該芳香族基を構成する水素原子以外の原子が特定の非金属原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ハロゲン原子)である芳香族基であって、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、架橋環式芳香族基、環集合芳香族基、ヘテロ環式芳香族基等が挙げられ、さらに好ましくは、置換及び/又は無置換のフェニル基、置換及び/又は無置換のナフチル基、置換及び/又は無置換のアントリル基である。
このようなR13としては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン(各異性体)、エチルシクロペンタン(各異性体)、メチルシクロヘキサン(各異性体)、エチルシクロヘキサン(各異性体)、プロピルシクロヘキサン(各異性体)、ブチルシクロヘキサン(各異性体)、ペンチルシクロヘキサン(各異性体)、ヘキシルシクロヘキサン(各異性体)、ジメチルシクロヘキサン(各異性体)、ジエチルシクロヘキサン(各異性体)、ジブチルシクロヘキサン(各異性体)等の、アルキル基及び/又はシクロアルキル基及び/又はアルキル基で置換されたシクロアルキル基及び/又はシクロアルキル基で置換されたアルキル基;
フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等のアラルキル基、等を挙げることができる。
これらのアルコールのうち、工業的な使用を考えれば、アルコール性ヒドロキシ基(該ヒドロキシ化合物を構成する、芳香族環以外の炭素原子に直接付加するヒドロキシ基)を1又は2個有するアルコールが、一般に低粘度であるため好ましく、さらに好ましくは該アルコール性ヒドロキシ基が1個である、モノアルコールである。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノナノール(各異性体)、デカノール(各異性体)、ドデカノール(各異性体)、オクタデカノール(各異性体)、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、メチルシクロペンタノール(各異性体)、エチルシクロペンタノール(各異性体)、メチルシクロヘキサノール(各異性体)、エチルシクロヘキサノール(各異性体)、プロピルシクロヘキサノール(各異性体)、ブチルシクロヘキサノール(各異性体)、ペンチルシクロヘキサノール(各異性体)、ヘキシルシクロヘキサノール(各異性体)、ジメチルシクロヘキサノール(各異性体)、ジエチルシクロヘキサノール(各異性体)、ジブチルシクロヘキサノール(各異性体)等の、アルキルアルコール及び/又はシクロアルキルアルコール及び/又はアルキル基で置換されたシクロアルキルアルコール及び/又はシクロアルキル基で置換されたアルキルアルコール;
フェニルメタノール、フェニルエタノール(各異性体)、フェニルプロパノール(各異性体)、フェニルブタノール(各異性体)、フェニルペンタノール(各異性体)、フェニルヘキサノール(各異性体)、フェニルヘプタノール(各異性体)、フェニルオクタノール(各異性体)、フェニルノナノール(各異性体)等のアリール基で置換されたアルキルアルコール、等を挙げることができる。
これらの中でも、入手のし易さ、原料や生成物の溶解性等の観点から、炭素数1〜20のアルキルアルコールが好ましく使用される。
(芳香族ヒドロキシ化合物)
有機ヒドロキシ化合物が芳香族ヒドロキシ化合物である場合について説明する。ここでいう芳香族ヒドロキシ化合物とは、IUPACの定義(Rule C−202)するフェノール類(phenols)「1つもしくはそれ以上のヒドロキシ基がベンゼン環又は他のアレーン環に結合した化合物(Compounds having one or more hydroxy groups attached to a benzene or other arene ring.)」である。
芳香族ヒドロキシ化合物は、好ましくは下記式(18)で表される化合物である。
Figure 0006207707

(式中、
環Aは、芳香族性を保つ任意の位置にd個のヒドロキシ基で置換された芳香族基を含有する、6〜50の炭素原子を含む有機基を表し、単環でも複数環でも複素環であっても、他の置換基によって置換されていてもよく、dは1〜6の整数である。)
上記した式(18)で表される芳香族ヒドロキシ化合物の芳香族基を置換する置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、及び前記基が結合した基から選ばれ、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(例えば、単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基、ヘテロ環基、ヘテロ環式スピロ基、ヘテロ架橋環基、複素環基)からなる基、前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる基から1種以上結合した基、及び前記基が、特定の非金属原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素)との共有結合を介して結合している基を表す。
環Aの芳香族基に結合するヒドロキシ基の数は1〜6の整数で、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2、さらに好ましいのは1個(即ちd=1)である。
該置換基をさらに詳細に説明すると、式(18)で表される芳香族ヒドロキシ化合物は、芳香族基及び芳香族基に結合したヒドロキシ基の他に、下記で示す置換基群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有する芳香族ヒドロキシ化合物である。
(i)水素原子、
(ii)炭素原子と水素原子で構成される基(更に、環Aと結合して環構造を形成しても構わない)、
(iii)炭素原子と水素原子と酸素原子で構成される基(例えば脂肪族で構成されるエーテル基、芳香族で構成されるエーテル基、脂肪族基と芳香族基で構成される基からなるエーテル基を表す。(但し、カルボニル基、エステル基、末端のメチン基及びアルコール性OH基、カルボキシル基、NH基、NH基、NOH基、SH基、SOH基、SOH基等の活性水素を含む基を除く。))
(iv)ハロゲン原子
(v)炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子から選ばれる原子で構成される基(但し、カルボニル基、エステル基、末端のメチン基及びアルコール性OH基、カルボキシル基、NH基、NH基、NOH基、SH基、SOH基、SOH基等の活性水素を含む基を除く)。
活性水素とは、酸素、窒素、硫黄、窒素に結合している水素原子を指す(ただし、芳香族性ヒドロキシル基は除く)。芳香族性ヒドロキシル基(芳香族基に直接結合したOH基)も上記の活性水素の定義に含まれる基であるが、該芳香族性ヒドロキシル基は、本実施の形態の組成物や反応原料にも含まれており、特に悪影響を及ぼす基ではないので、特に記載のない場合は、活性水素を含む基に芳香族ヒドロキシル基を含まない。本願発明の他の箇所に該“活性水素を含む基”としばしば記載するが、上記の定義を適用する。
芳香族ヒドロキシ化合物として、好ましくは、下記式(19)で表される化合物である。
Figure 0006207707

(式中、
環Aは、上記式(18)で定義される基であり、
OH基、R14からR21基はそれぞれ環Aの芳香族性を保つ任意の位置に置換する基を示し、R14からR21基は、各々独立に環Aを置換してもよいし、R14からR21基同士が結合して環Aに隣接する環を形成してもよく、R14からR21基は、各々独立に、水素原子もしくはハロゲン原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基を有するアリール基、アラルキル基、エーテル基(置換及び/又は無置換の、アルキルエーテル及び/又はアリールエーテル及び/又はアラルキルエーテル)からなる群から選ばれる基、及び/又は1種以上の該群から選ばれる基が結合した基、及び/又は1種以上の該群から選ばれる基が飽和脂肪族結合及び/又はエーテル結合で結合された基で構成される基から選ばれる基であり、環AとR14からR21は、合計炭素数が6から50の範囲の整数個で構成される。
dは1から6の整数を表し、e,f,g,h,i,j,k,lは0から5の整数を表し、e+f+g+h+i+j+k+lの値は、環Aがベンゼン環の場合は6−dの整数であり、環Aがナフタレン環の場合は8−dの整数であり、環Aがアントラセン環の場合は10−dの整数を表す。上記したようにR14からR21から選ばれる基が、炭素−炭素結合及び/又はエーテル結合して環Aに環状に結合してもよい。)
上記した式(19)で表される芳香族ヒドロキシ化合物のうち、工業的な使用を考えれば、環Aに結合した芳香族性ヒドロキシ基を1又は2個(即ち、d=1又は2)である芳香族ヒドロキシル基が一般に低粘度であるため好ましく、より好ましくは該芳香族性ヒドロキシル基が1個である、芳香族モノヒドロキシ化合物である。
環Aは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を含有する構造であり、好ましくは環Aは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造であり、さらに、工業的な使用を考えれば、入手が容易であるベンゼン環を骨格とする芳香族ヒドロキシ化合物が好ましい。このような芳香族ヒドロキシ化合物としては、下記式(20)で表される芳香族ヒドロキシ化合物が好ましい。
Figure 0006207707

(式中、
22、R23、R24、R25、R26は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、エーテル基(置換及び/又は無置換の、アルキルエーテル及び/又はアリールエーテル及び/又はアラルキルエーテル)からなる群から選ばれる基;1種以上の該群から選ばれる基が結合した基;1種以上の該群から選ばれる基が飽和脂肪族結合及び/又はエーテル結合で結合された基で構成される基から選ばれる基;ハロゲン原子;又は水素原子であり、
該R22、R23、R24、R25、R26を構成する炭素原子の数の合計は0から44の整数である。)
上記式(20)において、好ましいR22、R23、R24、R25、R26は、下記(i)〜(v)に示す基から独立に選ばれる基である。
(i)水素原子、
(ii)ハロゲン原子、
(iii)α位の原子が炭素原子である、炭素数1〜44の基であって、該α位の炭素原子に結合している3つの基が、各々独立に、炭素数1〜43のアルキル基、炭素数1〜43のシクロアルキル基、炭素数1〜43のアルコキシ基、炭素数2〜43であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、炭素数6〜43のアリール基、炭素数7〜43のアラルキル基、炭素数7〜43のアラルキルオキシ基、1種以上の前記した基が結合した基、及び、水素原子、から選ばれる基である基、
(iv)炭素数1〜44のアリール基であって、該アリール基が置換基によって置換されていて、該置換基は、以下に示す置換基で1〜5の整数の範囲で置換されてよいアリール基であり、該置換基は、水素原子、炭素数1〜38のアルキル基、炭素数4〜38のシクロアルキル基、炭素数1〜38のアルコキシ基、炭素数2〜38であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、炭素数6〜38のアリール基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数7〜38のアラルキルオキシ基、及び1種以上の前記した基が結合した基である基、から選ばれる基、
(v)α位の原子が酸素原子である、炭素数1〜44の基であって、該α位の酸素原子に結合している基が、炭素数1〜44のアルキル基、炭素数1〜44のシクロアルキル基、炭素数1〜44のアルコキシ基、炭素数2〜44であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、炭素数6〜44のアリール基、炭素数7〜44のアラルキル基、炭素数7〜44のアラルキルオキシ基、1種以上の前記した基が結合した基、から選ばれる基である基。
なお、上記式(20)において、「α位の原子」という語を使用したが、「α位の原子」とは、該R22、R23、R24、R25、R26を構成する原子のうち、該R22、R23、R24、R25、R26基が結合している該芳香族炭化水素環上の炭素原子に対して隣接する原子を指す。
また、上記の説明で、「アラルキルオキシ基」という語を使用したが、該「アラルキルオキシ基」とは、上で定義したアラルキル基に酸素原子が結合した基を表している。
このようなR22、R23、R24、R25、R26の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン(各異性体)、エチルシクロペンタン(各異性体)、メチルシクロヘキサン(各異性体)、エチルシクロヘキサン(各異性体)、プロピルシクロヘキサン(各異性体)、ブチルシクロヘキサン(各異性体)、ペンチルシクロヘキサン(各異性体)、ヘキシルシクロヘキサン(各異性体)、ジメチルシクロヘキサン(各異性体)、ジエチルシクロヘキサン(各異性体)、ジブチルシクロヘキサン(各異性体)等の、アルキル基及び/又はシクロアルキル基及び/又はアルキル基で置換されたシクロアルキル基及び/又はシクロアルキル基で置換されたアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(各異性体)、ブチルオキシ基(各異性体)、ペンチルオキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘプチルオキシ基(各異性体)、オクチルオキシ基(各異性体)、ノニルオキシ基(各異性体)、デシルオキシ基(各異性体)、ドデシルオキシ基(各異性体)、オクタデシルオキシ基(各異性体)、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、メチルシクロペンチルオキシ基(各異性体)、エチルシクロペンチルオキシ基(各異性体)、メチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、エチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、プロピルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ブチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ペンチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘキシルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ジメチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ジエチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ジブチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)等の、アルコキシ基及び/又はシクロアルコキシ基及び/又はアルキル基で置換されたシクロアルコキシ基及び/又はシクロアルキル基で置換されたアルコキシ基;
フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ビフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、ターフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)等の、置換又は無置換のアリール基;
フェノキシ基、メチルフェノキシ基(各異性体)、エチルフェノキシ基(各異性体)、プロピルフェノキシ基(各異性体)、ブチルフェノキシ基(各異性体)、ペンチルフェノキシ基(各異性体)、ヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ヘプチルフェノキシ基(各異性体)、オクチルフェノキシ基(各異性体)、ノニルフェノキシ基(各異性体)、デシルフェノキシ基(各異性体)、フェニルフェノキシ基(各異性体)、ジメチルフェノキシ基(各異性体)、ジエチルフェノキシ基(各異性体)、ジプロピルフェノキシ基(各異性体)、ジブチルフェノキシ基(各異性体)、ジペンチルフェノキシ基(各異性体)、ジヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ジヘプチルフェノキシ基(各異性体)、ジフェニルフェノキシ基(各異性体)、トリメチルフェノキシ基(各異性体)、トリエチルフェノキシ基(各異性体)、トリプロピルフェノキシ基(各異性体)、トリブチルフェノキシ基(各異性体)等の、置換又は無置換のアリールオキシ基;
フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等のアラルキル基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基(各異性体)、フェニルプロピルオキシ基(各異性体)、フェニルブチルオキシ基(各異性体)、フェニルペンチルオキシ基(各異性体)、フェニルヘキシルオキシ基(各異性体)、フェニルヘプチルオキシ基(各異性体)、フェニルオクチルオキシ基(各異性体)、フェニルノニルオキシ基(各異性体)等のアラルキルオキシ基等を挙げることができる。
このような芳香族ヒドロキシ化合物の中でも、R24及びR26が水素原子である芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく使用される。
好ましい上記した式(19)で表される芳香族ヒドロキシ化合物の例として、例えば下記を挙げることができ、上記式(20)で表わされる芳香族ヒドロキシ化合物の具体例も挙げることができる。
クロロフェノール(各異性体)、ブロモフェノール(各異性体)、ジクロロフェノール(各異性体)、ジブロモフェノール(各異性体)、トリクロロフェノール(各異性体)、トリブロモフェノール(各異性体)、フェノール、メチルフェノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、プロピルフェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性体)ペンチルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェノール(各異性体)、ヘプチルフェノール(各異性体)、オクチルフェノール(各異性体)、ノニルフェノール(各異性体)、デシルフェノール(各異性体)、ドデシルフェノール(各異性体)、オクタデシルフェノール(各異性体)、
ジメチルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノール(各異性体)、ジプロピルフェノール(各異性体)、ジブチルフェノール(各異性体)、ジペンチルフェノール(各異性体)、ジヘキシルフェノール(各異性体)、ジヘプチルフェノール(各異性体)、ジオクチルフェノール(各異性体)、ジノニルフェノール(各異性体)、ジデシルフェノール(各異性体)、ジドデシルフェノール(各異性体)、ジオクタデシルフェノール(各異性体)、トリメチルフェノール(各異性体)、トリエチルフェノール(各異性体)、トリプロピルフェノール(各異性体)、トリブチルフェノール(各異性体)、トリペンチルフェノール(各異性体)、トリヘキシルフェノール(各異性体)、トリヘプチルフェノール(各異性体)、トリオクチルフェノール(各異性体)、トリノニルフェノール(各異性体)、トリデシルフェノール(各異性体)、トリドデシルフェノール(各異性体)、トリオクタデシルフェノール(各異性体)、
(メトキシメチル)フェノール(各異性体)、(エトキシメチル)フェノール(各異性体)、(プロポキシメチル)フェノール(各異性体)、(ブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(オクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(デシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ドデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(オクタデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(シクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(シクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(シクロヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(シクロオクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(メチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(エチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(メチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(エチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(プロピルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ペンチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ヘキシルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジメチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジエチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェノキシメチル)フェノール、(メチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(エチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(プロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(オクチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ノニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(デシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジフェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(トリメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(トリエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(トリプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(トリブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルメトキシメチル)フェノール、(フェニルエトキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルプロピルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルオクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(メトキシメチル)フェノール、ジ(エトキシメチル)フェノール、ジ(プロポキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(オクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(デシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ドデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(オクタデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(シクロペンチルオキシメチル)フェノール、ジ(シクロヘキシルオキシメチル)フェノール、ジ(シクロヘプチルオキシメチル)フェノール、ジ(シクロオクチルオキシメチル)フェノール、ジ(メチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(エチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(メチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(エチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(プロピルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジメチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェノキシメチル)フェノール、ジ(メチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(エチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(プロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(オクチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ノニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(デシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジフェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(トリメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(トリエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(トリプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(トリブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルメトキシメチル)フェノール、ジ(フェニルエトキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルプロピルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルオクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリ(エトキシメチル)フェノール、トリ(プロポキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(オクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(デシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ドデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(オクタデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(シクロペンチルオキシメチル)フェノール、トリ(シクロヘキシルオキシメチル)フェノール、トリ(シクロヘプチルオキシメチル)フェノール、トリ(シクロオクチルオキシメチル)フェノール、トリ(メチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(エチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(メチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(エチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(プロピルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジメチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェノキシメチル)フェノール、トリ(メチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(エチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(プロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(オクチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ノニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(デシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジフェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(トリメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(トリエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(トリプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(トリブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルメトキシメチル)フェノール、トリ(フェニルエトキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルプロピルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルオクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルメチル)フェノール(各異性体)、((メチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((エチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((プロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((オクチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ノニルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((デ
シルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ビフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ターフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((トリメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((トリエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((トリプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((トリブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルメチル)フェノール(各異性体)、ジ((メチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((エチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((プロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((オクチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ノニルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((デシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ビフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ターフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((トリメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((トリエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((トリプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((トリブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルメチル)フェノール(各異性体)、トリ((メチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((エチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((プロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((オクチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ノニルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((デシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ビフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ターフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((トリメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((トリエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((トリプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((トリブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、フェニルエチルフェノール(各異性体)、フェニル−n−プロピルフェノール(各異性体)、フェニル−n−ブチルフェノール(各異性体)、フェニル−n−ペンチルフェノール(各異性体)、フェニル−n−ヘキシルフェノール(各異性体)、フェニル−n−ヘプチルフェノール(各異性体)、フェニル−n−オクチルフェノール(各異性体)、フェニル−n−ノニルフェノール(各異性体)、(メチルアミノ)フェノール、(エチルアミノ)フェノール、(プロピルアミノ)フェノール(各異性体)、(ブチルアミノ)フェノール(各異性体)、(ペンチルアミノ)フェノール(各異性体)、(ヘキシルアミノ)フェノール(各異性体)、(ヘプチルアミノ)フェノール(各異性体)、(オクチルアミノ)フェノール(各異性体)、(ノニルアミノ)フェノール(各異性体)、(デシルアミノ)フェノール(各異性体)、(ドデシルアミノ)フェノール(各異性体)、(オクタデシルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(メチルアミノ)フェノール、ジ(エチルアミノ)フェノール、ジ(プロピルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ヘプチルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(オクチルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ノニルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(デシルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ドデシルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(オクタデシルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(メチルアミノ)フェノール、トリ(エチルアミノ)フェノール、トリ(プロピルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ヘプチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(オクチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ノニルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(デシルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ドデシルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(オクタデシルアミノ)フェノール(各異性体)、メトキシフェノール(各異性体)、エトキシフェノール(各異性体)、プロピルオキシフェノール(各異性体)、ブチルオキシフェノール(各異性体)、ペンチルオキシフェノール(各異性体)、ヘキシルオキシフェノール(各異性体)、ヘプチルオキシフェノール(各異性体)、オクチルオキシフェノール(各異性体)、ノニルオキシフェノール(各異性体)、デシルオキシフェノール(各異性体)、ドデシルオキシフェノール(各異性体)、オクタデシルオキシフェノール(各異性体)、シクロペンチルオキシフェノール(各異性体)、シクロヘキシルオキシフェノール(各異性体)、シクロヘプチルオキシフェノール(各異性体)、シクロオクチルオキシフェノール(各異性体)、(メチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、(エチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、(メチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(エチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(プロピルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ペンチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジメチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジエチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)
フェノキシフェノール、(メチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(エチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(プロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(オクチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ノニルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(デシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビフェニルオキシフェノール(各異性体)、(ジメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ターフェニルオキシフェノール(各異性体)、(トリメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(トリエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(トリプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(トリブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルメチルオキシ)フェノール、(フェニルエチルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルプロピルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルブチルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルヘプチルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルオクチルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルノニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジメトキシフェノール(各異性体)、ジエトキシフェノール(各異性体)、ジプロピルオキシフェノール(各異性体)、ジブチルオキシフェノール(各異性体)、ジペンチルオキシフェノール(各異性体)、ジヘキシルオキシフェノール(各異性体)、ジヘプチルオキシフェノール(各異性体)、ジオクチルオキシフェノール(各異性体)、ジノニルオキシフェノール(各異性体)、ジデシルオキシフェノール(各異性体)、ジドデシルオキシフェノール(各異性体)、ジオクタデシルオキシフェノール(各異性体)、ジシクロペンチルオキシフェノール(各異性体)、ジシクロヘキシルオキシフェノール(各異性体)、ジシクロヘプチルオキシフェノール(各異性体)、ジシクロオクチルオキシフェノール(各異性体)、ジ(メチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(エチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(メチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(エチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(プロピルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジメチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、フェニルオキシフェノール、ジ(メチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(エチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(プロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(オクチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ノニルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(デシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジビフェニルオキシフェノール(各異性体)、ビス(ジメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジターフェニルオキシフェノール(各異性体)、ジ(トリメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(トリエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(トリプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(トリブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルメチルオキシ)フェノール、ジ(フェニルエチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルプロピルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルブチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルヘプチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルオクチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルノニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリメトキシフェノール(各異性体)、トリエトキシフェノール(各異性体)、、トリプロピルオキシフェノール(各異性体)、トリブチルオキシフェノール(各異性体)、トリペンチルオキシフェノール(各異性体)、トリヘキシルオキシフェノール(各異性体)、トリヘプチルオキシフェノール(各異性体)、トリオクチルオキシフェノール(各異性体)、トリノニルオキシフェノール(各異性体)、トリデシルオキシフェノール(各異性体)、トリドデシルオキシフェノール(各異性体)、トリオクタデシルオキシフェノール(各異性体)、トリシクロペンチルオキシフェノール(各異性体)、トリシクロヘキシルオキシフェノール(各異性体)、トリシクロヘプチルオキシフェノール(各異性体)、トリシクロオクチルオキシフェノール(各異性体)、トリ(メチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(エチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(メチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(エチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(プロピルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジメチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジエチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、フェニルオキシフェノール、トリ(メチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(エチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(プロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(オクチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ノニルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(デシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリビフェニルオキシフェノール(各異性体)、トリ(ジメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリターフェニルオキシフェノール(各異性体)、トリ(トリメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(トリエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(トリプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(トリブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルメチルオキシ)フェノール、トリ(フェニルエチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルプロピルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルブチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルヘプチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルオクチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルノニルオキシ)フェノール(各異性体)、フェニルフェノール(各異性体)、ヒドロキシフェニルフェノール(各異性体)、ヒドロキシフェノキシフェノール(各異性体)、ヒドロキシフェニル−プロピルフェノール(各異性体)、ナフトール(各異性体)等を挙げることができる。
以上に示した芳香族ヒドロキシ化合物の中でも、さらに好ましい例としては、移送が容易となるため、該R22、R23、R24、R25、R26を構成する炭素数は0〜13が好ましい。さらに好ましくは、R22、R23、R24、R25、R26が炭素数0〜9の基であって、水素原子、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアラルキル基から選ばれる基である芳香族ヒドロキシ化合物である。
また、該芳香族ヒドロキシ化合物は、後述するように、カルバメートを形成し、熱分解反応に付すことによってイソシアネートを生成する。その際生じる該芳香族ヒドロキシ化合物は、反応式で考えれば、該カルバメートを製造する際に使用する芳香族ヒドロキシ化合物である。熱分解工程後は、場合にもよるが、本実施の形態の一つとして、蒸留によって該芳香族ヒドロキシ化合物とイソシアネートを分離し、該分離された芳香族ヒドロキシ化合物は、有機第1アミンと尿素と芳香族ヒドロキシ化合物との反応における芳香族ヒドロキシ化合物としてリサイクル使用してもよい。従って、イソシアネートの製造工程までを考慮すれば、該カルバメートの原料となる芳香族ヒドロキシ化合物と、該カルバメートから生成するイソシアネートとの分離性を考慮する必要がある。分離性を一般的に定義するのは難しいが、通常、分離される2成分の標準沸点が10℃以上離れていれば、工業的に十分蒸留分離可能であるという知見に基づき、以下定義する。従って、この定義は現状公知の分離手段に限定される値であって、本実施の形態の根幹をなす定義ではない。
次に、活性な芳香族ヒドロキシ化合物について説明する。前記した式(20)で表される芳香族ヒドロキシ化合物は、有機第1アミンと炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物との反応、又は、ウレイド基を有する化合物と芳香族ヒドロキシ化合物との反応によってカルバメートを製造する際に使用する芳香族ヒドロキシ化合物として好適に使用することができる。いずれのカルバメート生成反応においても、反応の起こりやすさの観点から、下記式(21)で表される芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく使用される。(反応の起こりやすさを表現するために、本明細書中で、下記式(21)で表される芳香族ヒドロキシ化合物をしばしば「活性な芳香族ヒドロキシ化合物」と記載する)。
本発明者らが検討した結果、有機アミンと炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物とからのカルバメートの製造において、使用する芳香族ヒドロキシ化合物により、カルバメートの生成速度が著しく異なる場合があることがあることが判明した。さらに鋭意検討したところ、カルバメートの生成速度が、使用する芳香族ヒドロキシ化合物のヒドロキシ基に対してオルト位の置換基の種類に依存し、オルト位に特定の置換基を有する芳香族ヒドロキシ化合物を使用すると、他の芳香族ヒドロキシ化合物を使用する場合に比べて、カルバメートの生成速度が著しく高いことを見出した。特定の芳香族ヒドロキシ化合物がこのような効果を奏することは、従来技術にも知見がなく、驚くべきことである。このような効果を発現する機構については明らかではないが、本発明者らは、該α位の原子に結合している基の大きさが特定の大きさ以上の場合、反応点であるヒドロキシ基を立体的に阻害するためではないかと推測している。
該活性な芳香族ヒドロキシ化合物は、下記式(21)で表される芳香族ヒドロキシ化合物である。
Figure 0006207707

(式中、
環Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表し、単環でも複数環でもよく、
27及びR28は、各々独立に、下記(i)〜(v)で定義されるいずれか1つの基であり、
該芳香族ヒドロキシ化合物を構成する炭素原子の数は、6から50の整数であり、
さらにR27及びR28は、基内の他の部分がAと結合してAに隣接する環構造を形成してもよい。
(i)水素原子、
(ii)ハロゲン原子、
(iii)α位の原子が窒素原子である、炭素数1〜44の基であって、該窒素原子が、2級の窒素原子(すなわち、−NH−結合を形成する窒素原子を表す)であり、活性水素(ただし、該α位の窒素原子に結合している水素は除く)を含まない基、
(iv)α位の原子が炭素原子である、炭素数1〜44の基であって、該炭素原子は、1級又は2級の炭素原子(すなわち、メチル基の炭素、−CH−結合を形成する炭素を表す)であり、活性水素を含まない基である。ただし、該R27及び/又はR28が芳香族環Aと、飽和及び/又は不飽和の縮合環構造を形成していて、該縮合環が6員環以下である場合は、該α位の炭素原子は3級又は4級であってもよい。例えば下記式(22)、式(23)のような場合である。また、α位の炭素がβ位(該R27及びR28を形成している原子のうち、環Aの芳香族環に結合している原子の隣の原子)と二重結合又は三重結合を形成している場合も、該α位の炭素原子は3級又は4級であってもよい。
Figure 0006207707

(v)α位の原子が酸素原子である、炭素数1〜44の基であって、活性水素を含まない基。)。
なお、上記式(21)において、「α位の原子」という語を使用したが、「α位の原子」とは、該R27、R28を構成する原子のうち、該R27、R28基が結合している該芳香族炭化水素環上の炭素原子に対して隣接する原子を指す。
上記した式(21)で表される芳香族ヒドロキシ化合物の芳香族基を置換する置換基(ただし、R27とR28は除く)としては、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基から選ばれ、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(例えば、単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基、ヘテロ環基、ヘテロ環式スピロ基、ヘテロ架橋環基、複素環基)からなる基、前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる基から1種以上結合した基、及び前記基が、特定の非金属原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素)との共有結合を介して結合している基を挙げることができる。
このような置換基のなかで、本実施の形態で好ましく使用できる置換基は、副反応の起こりにくさを考えれば、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基)からなる群の中から選ばれる基、及び該群から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(互いに置換した基)が挙げることができる。
また、一方で、有機第1アミンと尿素と芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて、カルバメートを得る反応を高温で行う場合は、芳香族ヒドロキシ化合物の環Aを置換する置換基(R27及びR28を除く)が、不活性置換基である芳香族ヒドロキシ化合物であることが好ましい。ここでいう不活性置換基とは、該不活性置換基が前記した活性水素を含まない基である(ただし、芳香族性ヒドロキシ基は有していてもよい)。
このような、環Aを置換する置換基(R27及びR28を除く)としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、エーテル基(置換及び/又は無置換の、アルキルエーテル及び/又はアリールエーテル及び/又はアラルキルエーテル)からなる群から選ばれる基;1種以上の該群から選ばれる基が結合した基;1種以上の該群から選ばれる基が飽和脂肪族結合及び/又はエーテル結合で結合された基で構成される基から選ばれる基;ハロゲン原子であって、環Aを構成する炭素原子の数と、該環Aを置換する全ての置換基を構成する炭素原子の数との合計が6から50の整数となる基を挙げることができる。
なお、上記の定義(iii)において、R27、R28のα位の窒素原子が、−NH−結合を形成する窒素原子である場合があると記載した。上記した「活性水素」の定義によれば、該−NH−結合の水素原子も活性水素である。しかしながら、本発明者らが検討した結果、該α位の窒素原子に結合している水素原子は反応性が低く、本実施の形態において、ほとんど悪影響を及ぼすことがないことが判明した。本発明者らは、ヒドロキシ基による立体障害のためではないかと推測している。
上記式(21)において、環Aとしては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ナフタセン環、クリセン環、ピレン環、トリフェニレン環、ペンタレン環、アズレン環、ヘプタレン環、インダセン環、ビフェニレン環、アセナフチレン環、アセアントリレン環、アセフェナントリレン環等を挙げることができる。より好ましくは、ベンゼン環又はナフタレンから選ばれる少なくとも1つの構造を含有する構造である。
さらに、工業的な使用を考えれば、入手が容易であるベンゼン環を骨格とする芳香族ヒドロキシ化合物が好ましい。このような芳香族ヒドロキシ化合物としては、下記式(24)で表される芳香族ヒドロキシ化合物が好ましい。
Figure 0006207707

(式中、
27、R28は、上記で定義した基であり、
29、R30、R31は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、エーテル基(置換及び/又は無置換の、アルキルエーテル及び/又はアリールエーテル及び/又はアラルキルエーテル)からなる群から選ばれる基;1種以上の該群から選ばれる基が結合した基;1種以上の該群から選ばれる基が飽和脂肪族結合及び/又はエーテル結合で結合された基で構成される基から選ばれる基;ハロゲン原子;水素原子であって、該R27、R28、R29、R30、R31を構成する炭素原子の数の合計は0から44の整数である。)
好ましいR29、R30、R31は、下記(vi)〜(x)に示す基から独立に選ばれる基である。
(vi)水素原子、
(vii)ハロゲン原子、
(viii)α位の原子が炭素原子である、炭素数1〜44の基であって、該α位の炭素原子に結合している3つの基が、それぞれ独立に、炭素数1〜43のアルキル基、炭素数1〜43のシクロアルキル基、炭素数1〜43のアルコキシ基、炭素数2〜43であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、炭素数6〜43のアリール基、炭素数7〜43のアラルキル基、炭素数7〜43のアラルキルオキシ基、1種以上の前記した基が結合した基、及び、水素原子、から選ばれる基である基、
(ix)炭素数1〜44のアリール基であって、該アリール基が置換基によって置換されていて、該置換基は、以下に示す置換基で1〜5の整数の範囲で置換されてよいアリール基であり、該置換基は、水素原子、炭素数1〜38のアルキル基、炭素数4〜38のシクロアルキル基、炭素数1〜38のアルコキシ基、炭素数2〜38であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、炭素数6〜38のアリール基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数7〜38のアラルキルオキシ基、及び、1種以上の前記した基が結合した基である基、から選ばれる基、
(x)α位の原子が酸素原子である、炭素数1〜44の基であって、該α位の酸素原子に結合している基が、炭素数1〜44のアルキル基、炭素数1〜44のシクロアルキル基、炭素数1〜44のアルコキシ基、炭素数2〜44であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、炭素数6〜44のアリール基、炭素数7〜44のアラルキル基、炭素数7〜44のアラルキルオキシ基、1種以上の前記した基が結合した基、から選ばれる基である基。
なお、上記式(24)において、「α位の原子」という語を使用したが、「α位の原子」とは、該R27、R28、R29、R30、R31を構成する原子のうち、該R27、R28、R29、R30、R31基が結合している該芳香族炭化水素環上の炭素原子に対して隣接する原子を指す。
このようなR29、R30、R31の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン(各異性体)、エチルシクロペンタン(各異性体)、メチルシクロヘキサン(各異性体)、エチルシクロヘキサン(各異性体)、プロピルシクロヘキサン(各異性体)、ブチルシクロヘキサン(各異性体)、ペンチルシクロヘキサン(各異性体)、ヘキシルシクロヘキサン(各異性体)、ジメチルシクロヘキサン(各異性体)、ジエチルシクロヘキサン(各異性体)、ジブチルシクロヘキサン(各異性体)等の、アルキル基及び/又はシクロアルキル基及び/又はアルキル基で置換されたシクロアルキル基及び/又はシクロアルキル基で置換されたアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(各異性体)、ブチルオキシ基(各異性体)、ペンチルオキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘプチルオキシ基(各異性体)、オクチルオキシ基(各異性体)、ノニルオキシ基(各異性体)、デシルオキシ基(各異性体)、ドデシルオキシ基(各異性体)、オクタデシルオキシ基(各異性体)、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、メチルシクロペンチルオキシ基(各異性体)、エチルシクロペンチルオキシ基(各異性体)、メチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、エチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、プロピルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ブチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ペンチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘキシルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ジメチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ジエチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ジブチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)等の、アルコキシ基及び/又はシクロアルコキシ基及び/又はアルキル基で置換されたシクロアルコキシ基及び/又はシクロアルキル基で置換されたアルコキシ基;
フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ビフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、ターフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)等の、置換又は無置換のアリール基;
フェノキシ基、メチルフェノキシ基(各異性体)、エチルフェノキシ基(各異性体)、プロピルフェノキシ基(各異性体)、ブチルフェノキシ基(各異性体)、ペンチルフェノキシ基(各異性体)、ヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ヘプチルフェノキシ基(各異性体)、オクチルフェノキシ基(各異性体)、ノニルフェノキシ基(各異性体)、デシルフェノキシ基(各異性体)、フェニルフェノキシ基(各異性体)、ジメチルフェノキシ基(各異性体)、ジエチルフェノキシ基(各異性体)、ジプロピルフェノキシ基(各異性体)、ジブチルフェノキシ基(各異性体)、ジペンチルフェノキシ基(各異性体)、ジヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ジヘプチルフェノキシ基(各異性体)、ジフェニルフェノキシ基(各異性体)、トリメチルフェノキシ基(各異性体)、トリエチルフェノキシ基(各異性体)、トリプロピルフェノキシ基(各異性体)、トリブチルフェノキシ基(各異性体)等の、置換又は無置換のアリールオキシ基;
フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等のアラルキル基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基(各異性体)、フェニルプロピルオキシ基(各異性体)、フェニルブチルオキシ基(各異性体)、フェニルペンチルオキシ基(各異性体)、フェニルヘキシルオキシ基(各異性体)、フェニルヘプチルオキシ基(各異性体)、フェニルオクチルオキシ基(各異性体)、フェニルノニルオキシ基(各異性体)等のアラルキルオキシ基等を挙げることができる。
好ましい上記した式(21)で表される芳香族ヒドロキシ化合物の例として、例えば下記を挙げることができ、上記式(24)で表わされる芳香族ヒドロキシ化合物の具体例も挙げることができる。
具体的には、クロロフェノール(各異性体)、ブロモフェノール(各異性体)、ジクロロフェノール(各異性体)、ジブロモフェノール(各異性体)、トリクロロフェノール(各異性体)、トリブロモフェノール(各異性体)、フェノール、メチルフェノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、2−n−プロピルフェノール(各異性体)、2−n−ブチルフェノール(各異性体)、2−n−ペンチルフェノール(各異性体)、2−n−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−n−ヘプチルフェノール(各異性体)、2−n−オクチルフェノール(各異性体)、2−n−ノニルフェノール(各異性体)、2−n−デシルフェノール(各異性体)、2−n−ドデシルフェノール(各異性体)、2−n−オクタデシルフェノール(各異性体)、3−プロピルフェノール(各異性体)、3−ブチルフェノール(各異性体)、3−ペンチルフェノール(各異性体)、3−ヘキシルフェノール(各異性体)、3−ヘプチルフェノール(各異性体)、3−オクチルフェノール(各異性体)、3−ノニルフェノール(各異性体)、3−デシルフェノール(各異性体)、3−ドデシルフェノール(各異性体)、3−オクタデシルフェノール(各異性体)、4−プロピルフェノール(各異性体)、4−ブチルフェノール(各異性体)、4−ペンチルフェノール(各異性体)、4−ヘキシルフェノール(各異性体)、4−ヘプチルフェノール(各異性体)、4−オクチルフェノール(各異性体)、4−ノニルフェノール(各異性体)、4−デシルフェノール(各異性体)、4−ドデシルフェノール(各異性体)、4−オクタデシルフェノール(各異性体)、4−フェニルフェノール、ジメチルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノール(各異性体)、ジ(n−プロピル)フェノール(各異性体)、ジ(n−ブチル)フェノール(各異性体)、ジ(n−ペンチル)フェノール(各異性体)、ジ(n−ヘキシル)フェノール(各異性体)、ジ(n−ヘプチル)フェノール(各異性体)、ジ(n−オクチル)フェノール(各異性体)、ジ(n−ノニル)フェノール(各異性体)、ジ(n−デシル)フェノール(各異性体)、ジ(n−ドデシル)フェノール(各異性体)、ジ(n−オクタデシル)フェノール(各異性体)、トリメチルフェノール(各異性体)、トリエチルフェノール(各異性体)、トリ(n−プロピル)フェノール(各異性体)、トリ(n−ブチル)フェノール(各異性体)、トリ(n−ペンチル)フェノール(各異性体)、トリ(n−ヘキシル)フェノール(各異性体)、トリ(n−ヘプチル)フェノール(各異性体)、トリ(n−オクチル)フェノール(各異性体)、トリ(n−ノニル)フェノール(各異性体)、トリ(n−デシル)フェノール(各異性体)、トリ(n−ドデシル)フェノール(各異性体)、トリ(n−オクタデシル)フェノール(各異性体)、(メトキシメチル)フェノール、(エトキシメチル)フェノール、(プロポキシメチル)フェノール(各異性体)、(ブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(オクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(デシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ドデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(オクタデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(シクロペンチルオキシメチル)フェノール、(シクロヘキシルオキシメチル)フェノール、(シクロヘプチルオキシメチル)フェノール、(シクロオクチルオキシメチル)フェノール、(メチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(エチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(メチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(エチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(プロピルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ペンチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ヘキシルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジメチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジエチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェノキシメチル)フェノール、(メチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(エチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(プロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(オクチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ノニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(デシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(ジフェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(トリメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(トリエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(トリプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(トリブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルメトキシメチル)フェノール、(フェニルエトキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルプロピルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルオクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(メトキシメチル)フェノール、ジ(エトキシメチル)フェノール、ジ(プロポキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(オクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(デシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ドデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(オクタデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(シクロペンチルオキシメチル)フェノール、ジ(シクロヘキシルオキシメチル)フェノール、ジ(シクロヘプチルオキシメチル)フェノール、ジ(シクロオクチルオキシメチル)フェノール、ジ(メチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(エチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(メチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(エチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(プロピルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジメチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェノキシメチル)フェノール、ジ(メチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(エチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(プロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(オクチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(ノニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(デシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジフェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(トリメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(トリエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(トリプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(トリブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルメトキシメチル)フェノール、ジ(フェニルエトキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルプロピルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルオクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリ(エトキシメチル)フェノール、トリ(プロポキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(オクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(デシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ドデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(オクタデシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(シクロペンチルオキシメチル)フェノール、トリ(シクロヘキシルオキシメチル)フェノール、トリ(シクロヘプチルオキシメチル)フェノール、トリ(シクロオクチルオキシメチル)フェノール、トリ(メチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(エチルシクロペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(メチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(エチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(プロピルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジメチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルシクロヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェノキシメチル)フェノール、トリ
(メチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(エチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(プロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(オクチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(ノニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(デシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジペンチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘキシルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘプチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、ビス(ジフェニルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(トリメチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(トリエチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(トリプロピルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(トリブチルフェノキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルメトキシメチル)フェノール、トリ(フェニルエトキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルプロピルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルブチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルペンチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルヘキシルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルヘプチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルオクチルオキシメチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルノニルオキシメチル)フェノール(各異性体)、(フェニルメチル)フェノール(各異性体)、((メチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((エチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((プロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((オクチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ノニルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((デシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ビフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ジヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((ターフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((トリメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((トリエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((トリプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、((トリブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルメチル)フェノール(各異性体)、ジ((メチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((エチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((プロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((オクチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ノニルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((デシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ビフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ジヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((ターフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((トリメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((トリエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((トリプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、ジ((トリブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルメチル)フェノール(各異性体)、トリ((メチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((エチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((プロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((オクチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ノニルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((デシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ビフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジペンチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジヘキシルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ジヘプチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((ターフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((トリメチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((トリエチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((トリプロピルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、トリ((トリブチルフェニル)メチル)フェノール(各異性体)、フェニルエチルフェノール(各異性体)、フェニル−n−プロピルフェノール(各異性体)、フェニル−n−ブチルフェノール(各異性体)、フェニル−n−ペンチルフェノール(各異性体)、フェニル−n−ヘキシルフェノール(各異性体)、フェニル−n−ヘプチルフェノール(各異性体)、フェニル−n−オクチルフェノール(各異性体)、フェニル−n−ノニルフェノール(各異性体)、(メチルアミノ)フェノール、(エチルアミノ)フェノール、(プロピルアミノ)フェノール(各異性体)、(ブチルアミノ)フェノール(各異性体)、(ペンチルアミノ)フェノール(各異性体)、(ヘキシルアミノ)フェノール(各異性体)、(ヘプチルアミノ)フェノール(各異性体)、(オクチルアミノ)フェノール(各異性体)、(ノニルアミノ)フェノール(各異性体)、(デシルアミノ)フェノール(各異性体)、(ドデシルアミノ)フェノール(各異性体)、(オクタデシルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(メチルアミノ)フェノール、ジ(エチルアミノ)フェノール、ジ(プロピルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ヘプチルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(オクチルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ノニルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(デシルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(ドデシルアミノ)フェノール(各異性体)、ジ(オクタデシルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(メチルアミノ)フェノール、トリ(エチルアミノ)フェノール、トリ(プロピルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ヘプチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(オクチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ノニルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(デシルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ドデシルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(オクタデシルアミノ)フェノール(各異性体)、メトキシフェノール(各異性体)、エトキシフェノール(各異性体)、プロピルオキシフェノール(各異性体)、ブチルオキシフェノール(各異性体)、ペンチルオキシフェノール(各異性体)、ヘキシルオキシフェノール(各異性体)、ヘプチルオキシフェノール(各異性体)、オクチルオキシフェノール(各異性体)、ノニルオキシフェノール(各異性体)、デシルオキシフェノール(各異性体)、ドデシルオキシフェノール(各異性体)、オクタデシルオキシフェノール(各異性体)、シクロペンチルオキシフェノール(各異性体)、シクロヘキシルオキシフェノール(各異性体)、シクロヘプチルオキシフェノール(各異性体)、シクロオクチルオキシフェノール(各異性体)、(メチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、(エチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、(メチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(エチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(プロピルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ペンチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジメチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジエチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、フェノキシフェノール、(メチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(エチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(プロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(オクチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ノニルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(デシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビフェニルオキシフェノール(各異性体)、(ジメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(ジヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ターフェニルオキシフェノール(各異性体)、(トリメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(トリエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(トリプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(トリブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルメチルオキシ)フェノール、(フェニルエチルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルプロピルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルブチルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルペンチルオキシ)フ
ェノール(各異性体)、(フェニルヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルヘプチルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルオクチルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルノニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジメトキシフェノール(各異性体)、ジエトキシフェノール(各異性体)、ジプロピルオキシフェノール(各異性体)、ジブチルオキシフェノール(各異性体)、ジペンチルオキシフェノール(各異性体)、ジヘキシルオキシフェノール(各異性体)、ジヘプチルオキシフェノール(各異性体)、ジオクチルオキシフェノール(各異性体)、ジノニルオキシフェノール(各異性体)、ジデシルオキシフェノール(各異性体)、ジドデシルオキシフェノール(各異性体)、ジオクタデシルオキシフェノール(各異性体)、ジシクロペンチルオキシフェノール(各異性体)、ジシクロヘキシルオキシフェノール(各異性体)、ジシクロヘプチルオキシフェノール(各異性体)、ジシクロオクチルオキシフェノール(各異性体)、ジ(メチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(エチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(メチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(エチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(プロピルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジメチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、フェニルオキシフェノール、ジ(メチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(エチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(プロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(オクチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(ノニルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(デシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジビフェニルオキシフェノール(各異性体)、ビス(ジメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジターフェニルオキシフェノール(各異性体)、ジ(トリメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(トリエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(トリプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(トリブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルメチルオキシ)フェノール、ジ(フェニルエチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルプロピルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルブチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルヘプチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルオクチルオキシ)フェノール(各異性体)、ジ(フェニルノニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリメトキシフェノール(各異性体)、トリエトキシフェノール(各異性体)、トリプロピルオキシフェノール(各異性体)、トリブチルオキシフェノール(各異性体)、トリペンチルオキシフェノール(各異性体)、トリヘキシルオキシフェノール(各異性体)、トリヘプチルオキシフェノール(各異性体)、トリオクチルオキシフェノール(各異性体)、トリノニルオキシフェノール(各異性体)、トリデシルオキシフェノール(各異性体)、トリドデシルオキシフェノール(各異性体)、トリオクタデシルオキシフェノール(各異性体)、トリシクロペンチルオキシフェノール(各異性体)、トリシクロヘキシルオキシフェノール(各異性体)、トリシクロヘプチルオキシフェノール(各異性体)、トリシクロオクチルオキシフェノール(各異性体)、トリ(メチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(エチルシクロペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(メチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(エチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(プロピルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジメチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジエチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジブチルシクロヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、フェニルオキシフェノール、トリ(メチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(エチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(プロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(オクチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ノニルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(デシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリビフェニルオキシフェノール(各異性体)、トリ(ジメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジペンチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジヘキシルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(ジヘプチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリターフェニルオキシフェノール(各異性体)、トリ(トリメチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(トリエチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(トリプロピルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(トリブチルフェニルオキシ)フェノール(各異性体)、(フェニルメチルオキシ)フェノール、トリ(フェニルエチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルプロピルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルブチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルペンチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルヘキシルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルヘプチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルオクチルオキシ)フェノール(各異性体)、トリ(フェニルノニルオキシ)フェノール(各異性体)、ナフトール(各異性体)等を挙げることができる。
以上に示した芳香族ヒドロキシ化合物の中でも、さらに好ましい例としては、移送が容易となるため、該R27、R28、R29、R30、R31を構成する炭素数は0〜13が好ましい。さらに好ましくは、R27、R28、R29、R30、R31が炭素数0〜9の基であって、水素原子、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアラルキル基から選ばれる基である芳香族ヒドロキシ化合物である。
上記したように、カルバメートの製造における反応性の観点から、特定の構造を有する芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく使用される。
これとは反対に、芳香族ヒドロキシ化合物の、少なくとも一つのオルト位の置換基のα位の原子に結合している基が嵩高い置換基である場合、カルバメートの生成速度が著しく低下する場合が多い。具体的には、α位の原子が、3級又は4級の炭素原子、3級の窒素原子である置換基が、芳香族ヒドロキシ化合物のヒドロキシ基に対して少なくとも一つのオルト位に結合している芳香族ヒドロキシ化合物である。以下、カルバメートの生成速度が低い芳香族ヒドロキシ化合物を、しばしば低活性な芳香族ヒドロキシ化合物と称する。
一方、さらに、芳香族ヒドロキシ化合物の種類によってN−置換カルバメートの生成速度が異なることを利用して、活性な芳香族ヒドロキシ化合物と低活性な芳香族ヒドロキシ化合物を合わせて使用するN−置換カルバメートの製造方法をおこなうことができる。具体的な方法については後述する。
低活性な芳香族ヒドロキシ化合物は、下記式(25)で表される芳香族ヒドロキシ化合物である。
Figure 0006207707

(式中、
環Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表し、単環でも複数環でもよく、
32、R33は、各々独立に、下記(i)〜(v)で定義されるいずれか1つの基であって、
該芳香族ヒドロキシ化合物を構成する炭素原子の数は、6から50の整数であって、
さらに、R32、R33は、基内の他の部分がAと結合してAに隣接する環構造を形成してもよい。
(i)水素原子、
(ii)ハロゲン原子、
(iii)α位の原子が窒素原子である、炭素数1〜44の基であって、該窒素原子が、3級の窒素原子(すなわち、水素原子を有しない窒素原子を表す)であり、活性水素を含まない基、
(iv)α位の原子が炭素原子である、炭素数1〜44の基であって、活性水素を含まない基であり、該α位の炭素原子は3級又は4級の炭素原子(すなわち、−CH−結合を形成する炭素原子、水素が結合しない炭素原子を表す)である。該R32及び/又はR33が、環Aと、飽和及び/又は不飽和の縮合環構造を形成する場合は、該縮合環が7員環以上の場合は、該α位の炭素原子が1級又は2級の炭素原子(すなわち、メチル基、−CH−結合を形成する炭素原子を表す)であってもよい。また、α位の炭素がβ位の原子と二重結合を形成する場合は、該α位の炭素は4級の炭素であればよい。該α位の炭素がβ位の原子と三重結合を形成するものは除かれる。
(v)α位の原子が酸素である、炭素数1〜24の基であって、活性水素を含まない基。)
なお、上記式(25)において、「α位の原子」という語を使用したが、「α位の原子」とは、該R32、R33を構成する原子のうち、該R32、R33基が結合している該芳香族炭化水素環上の炭素原子に対して隣接する原子を指す。
上記した式(25)で表される芳香族ヒドロキシ化合物の芳香族基を置換する置換基(ただし、R32とR33は除く)としては、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基から選ばれ、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(例えば、単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基、ヘテロ環基、ヘテロ環式スピロ基、ヘテロ架橋環基、複素環基)からなる基、及び前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる基から1種以上結合した基、前記基が、特定の非金属原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素)との共有結合を介して結合している基を挙げることができる。
このような置換基のなかで、本実施の形態で好ましく使用できる置換基は、副反応の起こりにくさを考えれば、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基)からなる群の中から選ばれる基、及び該群から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(互いに置換した基)である。
N−置換カルバメートを含む組成物を高温時で移送する場合や、有機アミンと炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ組成物とを反応させて、N−置換カルバメートを得る反応を高温で行う場合は、芳香族ヒドロキシ化合物の環Aを置換する置換基(R32及びR33を除く)が、不活性置換基である芳香族ヒドロキシ化合物であることが好ましい。ここでいう不活性置換基とは、該不活性置換基が前記した活性水素を含まない基である(ただし、芳香族性ヒドロキシ基は有していてもよい)。
このような、環Aを置換する置換基(R32及びR33を除く)としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、エーテル基(置換及び/又は無置換の、アルキルエーテル及び/又はアリールエーテル及び/又はアラルキルエーテル)からなる群から選ばれる基;1種以上の該群から選ばれる基が結合した基;1種以上の該群から選ばれる基が飽和脂肪族結合及び/又はエーテル結合で結合された基で構成される基から選ばれる基;ハロゲン原子であって、環Aを構成する炭素原子の数と、該環Aを置換する全ての置換基を構成する炭素原子の数との合計が6から50の整数となる基を挙げることができる。
上記式(25)において、環Aとしては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ナフタセン環、クリセン環、ピレン環、トリフェニレン環、ペンタレン環、アズレン環、ヘプタレン環、インダセン環、ビフェニレン環、アセナフチレン環、アセアントリレン環、アセフェナントリレン環等を例示することができる。より好ましくは、ベンゼン環又はナフタレン環から選ばれる少なくとも1つの構造を含有する構造である。
さらに、工業的な使用を考えれば、入手が容易であるベンゼン環を骨格とする芳香族ヒドロキシ化合物が好ましい。このような芳香族ヒドロキシ化合物としては、下記式(26)で表される芳香族ヒドロキシ化合物が好ましい。
Figure 0006207707

(式中、
32、R33は、上記で定義した基であり、
34、R35、R36は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、エーテル基(置換及び/又は無置換の、アルキルエーテル及び/又はアリールエーテル及び/又はアラルキルエーテル)からなる群から選ばれる基;1種以上の該群から選ばれる基が結合した基;1種以上の該群から選ばれる基が飽和脂肪族結合及び/又はエーテル結合で結合された基で構成される基から選ばれる基;ハロゲン原子;水素原子であって、該R32、R33、R34、R35、R36を構成する炭素原子の数の合計は0から44の整数である。)
上記式(26)において、好ましいR32、R33は、下記(i)〜(vi)に示す基から独立に選ばれる基である。
(i)水素原子、
(ii)ハロゲン原子、
(iii)α位の原子が窒素原子である、炭素数1〜44の基であって、該窒素原子が、3級の窒素原子(すなわち、水素原子を有しない窒素原子を表す)であり、該α位の窒素原子に結合している基が、各々独立に、炭素数1〜44のアルキル基、炭素数1〜44のシクロアルキル基、炭素数2〜44であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、炭素数6〜44のアリール基、炭素数7〜44のアラルキル基、及び1種以上の前記した基が結合した基、から選ばれる基である基、
(iv)活性水素を含まない、炭素数6〜44の、置換又は無置換のアリール基。
(v)α位の原子が炭素原子である、炭素数1〜44の基であって、活性水素を含まない基。該α位の炭素原子は3級又は4級の炭素原子(すなわち、−CH−結合を形成する炭素原子、水素が結合しない炭素原子を表す)である。該R32及び/又はR33が、環Aと、飽和及び/又は不飽和の縮合環構造を形成する場合は、該縮合環が7員環以上の場合は、該α位の炭素原子が1級又は2級の炭素原子(すなわち、メチル基、−CH−結合を形成する炭素原子を表す)であってもよい。また、α位の炭素がβ位の原子と二重結合を形成する場合は、該α位の炭素は4級の炭素であればよい。該α位の炭素がβ位の原子と三重結合を形成するものは除かれる。さらに、該α位の炭素原子に結合している、水素原子以外の基が、各々独立に、炭素数1〜43のアルキル基、炭素数1〜43のシクロアルキル基、炭素数1〜43のアルコキシ基、炭素数2〜43であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、炭素数6〜43のアリール基、炭素数7〜43のアラルキル基、炭素数7〜43のアラルキルオキシ基、及び、1種以上の前記した基が結合した基、から選ばれる基である基。
(vi)α位の原子が酸素原子である、炭素数1〜24の基であって、活性水素を含まない基であり、該α位の酸素原子に結合している基が、各々独立に、炭素数1〜44のアルキル基、炭素数1〜44のシクロアルキル基、炭素数2〜44であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、素数7〜44のアラルキル基、及び、1種以上の前記した基が結合した基、から選ばれる基である基。
さらに、好ましいR34、R35、R36は、下記(vii)〜(xi)に示す基から独立に選ばれる基である。
(vii)水素原子、
(viii)ハロゲン原子、
(ix)α位の原子が炭素原子である、炭素数1〜44の基であって、該α位の炭素原子に結合している3つ基が、各々独立に、炭素数1〜43のアルキル基、炭素数1〜43のシクロアルキル基、炭素数1〜43のアルコキシ基、炭素数2〜43であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、炭素数6〜43のアリール基、炭素数7〜43のアラルキル基、炭素数7〜43のアラルキルオキシ基、1種以上の前記した基が結合した基、及び、水素原子、から選ばれる基である基、
(x)炭素数1〜44のアリール基であって、該アリール基が置換基によって置換されていて、該置換基は、以下に示す置換基で1〜5の整数の範囲で置換されてよいアリール基であり、該置換基は、水素原子、炭素数1〜38のアルキル基、炭素数4〜38のシクロアルキル基、炭素数1〜38のアルコキシ基、炭素数2〜38であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、炭素数6〜38のアリール基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数7〜38のアラルキルオキシ基、及び、1種以上の前記した基が結合した基である基、から選ばれる基である。
(xi)α位の原子が酸素原子である、炭素数1〜44の基であって、該α位の酸素原子に結合している基が、炭素数1〜44のアルキル基、炭素数1〜44のシクロアルキル基、炭素数1〜44のアルコキシ基、炭素数2〜44であって末端にOH基を有しないポリオキシアルキレンアルキルエーテル基、炭素数6〜44のアリール基、炭素数7〜44のアラルキル基、炭素数7〜44のアラルキルオキシ基、1種以上の前記した基が結合した基、から選ばれる基である基。
なお、上記式(26)において、「α位の原子」という語を使用したが、「α位の原子」とは、該R32、R33、R34、R35、R36を構成する原子のうち、該R32、R33、R34、R35、R36基が結合している該芳香族炭化水素環上の炭素原子に対して隣接する原子を指す。
このようなR34、R35、R36の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン(各異性体)、エチルシクロペンタン(各異性体)、メチルシクロヘキサン(各異性体)、エチルシクロヘキサン(各異性体)、プロピルシクロヘキサン(各異性体)、ブチルシクロヘキサン(各異性体)、ペンチルシクロヘキサン(各異性体)、ヘキシルシクロヘキサン(各異性体)、ジメチルシクロヘキサン(各異性体)、ジエチルシクロヘキサン(各異性体)、ジブチルシクロヘキサン(各異性体)等の、アルキル基及び/又はシクロアルキル基及び/又はアルキル基で置換されたシクロアルキル基及び/又はシクロアルキル基で置換されたアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(各異性体)、ブチルオキシ基(各異性体)、ペンチルオキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘプチルオキシ基(各異性体)、オクチルオキシ基(各異性体)、ノニルオキシ基(各異性体)、デシルオキシ基(各異性体)、ドデシルオキシ基(各異性体)、オクタデシルオキシ基(各異性体)、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、メチルシクロペンチルオキシ基(各異性体)、エチルシクロペンチルオキシ基(各異性体)、メチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、エチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、プロピルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ブチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ペンチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘキシルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ジメチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ジエチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)、ジブチルシクロヘキシルオキシ基(各異性体)等の、アルコキシ基及び/又はシクロアルコキシ基及び/又はアルキル基で置換されたシクロアルコキシ基及び/又はシクロアルキル基で置換されたアルコキシ基;
フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ビフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、ターフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)等の、置換又は無置換のアリール基;
フェノキシ基、メチルフェノキシ基(各異性体)、エチルフェノキシ基(各異性体)、プロピルフェノキシ基(各異性体)、ブチルフェノキシ基(各異性体)、ペンチルフェノキシ基(各異性体)、ヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ヘプチルフェノキシ基(各異性体)、オクチルフェノキシ基(各異性体)、ノニルフェノキシ基(各異性体)、デシルフェノキシ基(各異性体)、フェニルフェノキシ基(各異性体)、ジメチルフェノキシ基(各異性体)、ジエチルフェノキシ基(各異性体)、ジプロピルフェノキシ基(各異性体)、ジブチルフェノキシ基(各異性体)、ジペンチルフェノキシ基(各異性体)、ジヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ジヘプチルフェノキシ基(各異性体)、ジフェニルフェノキシ基(各異性体)、トリメチルフェノキシ基(各異性体)、トリエチルフェノキシ基(各異性体)、トリプロピルフェノキシ基(各異性体)、トリブチルフェノキシ基(各異性体)等の、置換又は無置換のアリールオキシ基;
フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等のアラルキル基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基(各異性体)、フェニルプロピルオキシ基(各異性体)、フェニルブチルオキシ基(各異性体)、フェニルペンチルオキシ基(各異性体)、フェニルヘキシルオキシ基(各異性体)、フェニルヘプチルオキシ基(各異性体)、フェニルオクチルオキシ基(各異性体)、フェニルノニルオキシ基(各異性体)等のアラルキルオキシ基等を挙げることができる。
好ましい上記した式(25)で表される芳香族ヒドロキシ化合物の例として、例えば下記を挙げることができ、上記式(26)で表わされる芳香族ヒドロキシ化合物の具体例も挙げることができる。
2−イソプロピルフェノール(各異性体)、2−tert−ブチルフェノール(各異性体)、2−tert−ペンチルフェノール(各異性体)、2−tert−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−tert−ヘプチルフェノール(各異性体)、2−tert−オクチルフェノール(各異性体)、2−tert−ノニルフェノール(各異性体)、2−tert−デシルフェノール(各異性体)、2−tert−ドデシルフェノール(各異性体)、2−tert−オクタデシルフェノール(各異性体)、2−sec−プロピルフェノール(各異性体)、2−sec−ブチルフェノール(各異性体)、2−sec−ペンチルフェノール(各異性体)、2−sec−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−sec−ヘプチルフェノール(各異性体)、2−sec−オクチルフェノール(各異性体)、2−sec−ノニルフェノール(各異性体)、2−sec−デシルフェノール(各異性体)、2−sec−ドデシルフェノール(各異性体)、2−sec−オクタデシルフェノール(各異性体)、2−フェニルフェノール、2,4−ジ−tert−プロピルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−tert−ペンチルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−tert−ヘキシルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−tert−ヘプチルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−tert−オクチルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−tert−ノニルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−tert−デシルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−tert−ドデシルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−tert−オクタデシルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−sec−プロピルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−sec−ブチルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−sec−ペンチルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−sec−ヘキシルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−sec−ヘプチルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−sec−オクチルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−sec−ノニルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−sec−デシルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−sec−ドデシルフェノール(各異性体)、2,4−ジ−sec−オクタデシルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−tert−プロピルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−tert−ペンチルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−tert−ヘキシルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−tert−ヘプチルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−tert−オクチルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−tert−ノニルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−tert−デシルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−tert−ドデシルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−tert−オクタデシルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−sec−プロピルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−sec−ブチルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−sec−ペンチルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−sec−ヘキシルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−sec−ヘプチルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−sec−オクチルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−sec−ノニルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−sec−デシルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−sec−ドデシルフェノール(各異性体)、2,6−ジ−sec−オクタデシルフェノール(各異性体)、2,4−ジフェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,4,6−トリ−tert−プロピルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−tert−ペンチルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−tert−ヘキシルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−tert−ヘプチルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−tert−オクチルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−tert−ノニルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−tert−デシルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−tert−ドデシルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−tert−オクタデシルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−sec−プロピルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−sec−ブチルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−sec−ペンチルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−sec−ヘキシルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−sec−ヘプチルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−sec−オクチルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−sec−ノニルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−sec−デシルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−sec−ドデシルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリ−sec−オクタデシルフェノール(各異性体)、(2−メトキシ−2−メチルエチル)フェノール、(2−エトキシ−2−メチルエチル)フェノール、(2−プロポキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−ブチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−ペンチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−ヘキシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−ヘプチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−オクチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−ノニルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−デシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−ドデシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−オクタデシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−シクロペンチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−シクロヘプチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−シクロオクチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(メチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(エチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(メチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(エチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(プロピルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ペンチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジメチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジエチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−フェノキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(メチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(エチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(プロピルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ブチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ペンチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ヘキシルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ヘプチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(オクチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ノニルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(デシルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジメチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジエチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジプロピルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジブチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジペンチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジヘキシルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジヘプチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジフェニルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(トリメチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(トリエチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(トリプロピルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(トリブチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルメトキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルエトキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルプロピルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルブチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルペンチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルヘプチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルオクチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルノニルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−メトキシ−2−メチルプロピル)フェノール、(2−エトキシ−2−メチルプロピル)フェノール、(2−プロポキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−ブチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−ペンチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−ヘプチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−オクチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−ノニルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−デシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−ドデシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−オクタデシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−シクロペンチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−シクロヘプチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−シクロオクチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(メチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(エチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(メチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(エチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(プロピルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ペンチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール
(各異性体)、(2−(ジメチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジエチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−フェノキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(メチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(エチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(プロピルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ブチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ペンチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ヘキシルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ヘプチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(オクチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ノニルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(デシルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジメチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジエチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジプロピルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジブチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジペンチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジヘキシルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジヘプチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジフェニルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(トリメチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(トリエチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(トリプロピルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(トリブチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルメトキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルエトキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルプロピルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルブチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルペンチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルヘプチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルオクチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(フェニルノニルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−メトキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−エトキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−プロポキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ブチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ペンチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ヘキシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ヘプチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−オクチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ノニルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−デシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ドデシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−オクタデシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−シクロペンチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−シクロヘプチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−シクロオクチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(メチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(エチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(メチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(エチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(プロピルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ペンチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジメチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジエチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−フェノキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(メチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(エチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(プロピルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ブチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ペンチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ヘキシルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ヘプチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(オクチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ノニルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(デシルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジメチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジエチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジプロピルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジブチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジペンチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジヘキシルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジヘプチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジフェニルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリメチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリエチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリプロピルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリブチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルメトキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルエトキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルプロピルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルブチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルペンチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルヘプチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルオクチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルノニルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−メトキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−エトキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−プロポキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ブチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ペンチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ヘプチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−オクチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ノニルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−デシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−ドデシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−オクタデシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−シクロペンチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−シクロヘプチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−シクロオクチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(メチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(エチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(メチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(エチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(プロピルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ペンチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジメチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジエチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−フェノキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(メチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(エチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(プロピルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ブチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ペンチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ヘキシルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ヘプチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(オクチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ノニルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(デシルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジメチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジエチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−
(ジプロピルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジブチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジペンチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジヘキシルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジヘプチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジフェニルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリメチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリエチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリプロピルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリブチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルメトキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルエトキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルプロピルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルブチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルペンチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルヘプチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルオクチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(フェニルノニルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−メトキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−エトキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−プロポキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ブチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ペンチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ヘキシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ヘプチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−オクチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ノニルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−デシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ドデシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−オクタデシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−シクロペンチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−シクロヘプチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−シクロオクチルオキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(メチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(エチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(メチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(エチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(プロピルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ペンチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリメチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリエチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−フェノキシ−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(メチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(エチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(プロピルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ブチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ペンチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ヘキシルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ヘプチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(オクチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ノニルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(デシルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリメチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリエチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリプロピルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリブチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリペンチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリヘキシルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリヘプチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリフェニルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリメチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリエチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリプロピルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリブチルフェノキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルメトキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルエトキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルプロピルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルブチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルペンチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルヘキシルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルヘプチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルオクチルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルノニルオキシ)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−メトキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−エトキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−プロポキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ブチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ペンチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ヘプチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−オクチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ノニルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−デシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−ドデシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−オクタデシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−シクロペンチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−シクロヘプチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−シクロオクチルオキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(メチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(エチルシクロペンチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(メチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(エチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(プロピルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ペンチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ヘキシルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリメチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリエチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリブチルシクロヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−フェノキシ−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(メチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(エチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(プロピルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ブチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ペンチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ヘキシルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ヘプチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(オクチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ノニルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(デシルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリメチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリエチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリプロピルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリブチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリペンチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリヘキシルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリヘプチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリフェニルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリメチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリエチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリプロピルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリブチルフェノキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルメトキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルエトキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルプロピルオキシ)−2−メチルプロピル)フ
ェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルブチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルペンチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルヘキシルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルヘプチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルオクチルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(フェニルノニルオキシ)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(ジメチルアミノ)フェノール、(ジエチルアミノ)フェノール、(ジプロピルアミノ)フェノール(各異性体)、(ジブチルアミノ)フェノール(各異性体)、(ジペンチルアミノ)フェノール(各異性体)、(ジヘキシルアミノ)フェノール(各異性体)、(ジヘプチルアミノ)フェノール(各異性体)、(ジオクチルアミノ)フェノール(各異性体)、(ジノニルアミノ)フェノール(各異性体)、(ジデシルアミノ)フェノール(各異性体)、(ジドデシルアミノ)フェノール(各異性体)、(ジオクタデシルアミノ)フェノール(各異性体)、ビス(ジメチルアミノ)フェノール、ビス(ジエチルアミノ)フェノール、ビス(ジプロピルアミノ)フェノール(各異性体)、ビス(ジブチルアミノ)フェノール(各異性体)、ビス(ジペンチルアミノ)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘキシルアミノ)フェノール(各異性体)、ビス(ジヘプチルアミノ)フェノール(各異性体)、ビス(ジオクチルアミノ)フェノール(各異性体)、ビス(ジノニルアミノ)フェノール(各異性体)、ビス(ジデシルアミノ)フェノール(各異性体)、ビス(ジドデシルアミノ)フェノール(各異性体)、ビス(ジオクタデシルアミノ)フェノール(各異性体)、(2−フェニル−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(メチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(エチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(プロピルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ブチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ペンチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ヘキシルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ヘプチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(オクチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ノニルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(デシルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ビフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジメチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジエチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジプロピルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジブチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジペンチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジヘキシルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ジヘプチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(ターフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(トリメチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(トリエチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(トリプロピルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−(トリブチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−フェニル−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(メチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(エチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(プロピルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ブチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ペンチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ヘキシルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ヘプチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(オクチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ノニルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(デシルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ビフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジメチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジエチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジプロピルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジブチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジペンチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジヘキシルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジヘプチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ターフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリメチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリエチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリプロピルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリブチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−フェニル−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(メチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(エチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(プロピルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ブチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ペンチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ヘキシルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ヘプチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(オクチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ノニルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(デシルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ビフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジメチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジエチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジプロピルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジブチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジペンチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジヘキシルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジヘプチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ターフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリメチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリエチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリプロピルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリブチルフェニル)−2−メチルエチル)フェノール(各異性体)、(2−フェニル−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(メチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(エチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(プロピルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ブチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ペンチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ヘキシルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ヘプチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(オクチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ノニルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(デシルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ビフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジメチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジエチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジプロピルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジブチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジペンチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジヘキシルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ジヘプチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(ターフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(トリメチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(トリエチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(トリプロピルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、(2−(トリブチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−フェニル−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(メチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(エチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(プロピルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ブチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ペンチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ヘキシルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ヘプチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(オクチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ノニルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(デシルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ビフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジメチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジエチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジプロピルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジブチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジペンチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジヘキシルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ジヘプチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(ターフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリメチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリエチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリプロピルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、ジ(2−(トリブチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−フェニル−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(
2−(メチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(エチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(プロピルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ブチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ペンチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ヘキシルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ヘプチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(オクチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ノニルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(デシルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ビフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジメチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジエチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジプロピルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジブチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジペンチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジヘキシルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ジヘプチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(ターフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリメチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリエチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリプロピルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(2−(トリブチルフェニル)−2−メチルプロピル)フェノール(各異性体)、トリ(ジプロピルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ジブチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ジペンチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ジヘキシルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ジヘプチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ジオクチルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ジノニルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ジデシルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ジドデシルアミノ)フェノール(各異性体)、トリ(ジオクタデシルアミノ)フェノール(各異性体)、等が挙げることができる。
以上に示した芳香族ヒドロキシ化合物の中でも、さらに好ましい例としては、移送が容易となるため、該R32、R33、R34、R35、R36を構成する炭素数は0〜13が好ましい。さらに好ましくは、R32、R33、R34、R35、R36が炭素数0〜9の基であって、水素原子、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアラルキル基から選ばれる基である芳香族ヒドロキシ化合物である。
また、該芳香族ヒドロキシ化合物は、N−置換カルバメートを形成し、該N−置換カルバメートは、イソシアネート前駆体として使用する。該N−置換カルバメートから該N−置換カルバメートに由来するイソシアネートの製造方法については後に詳細に説明するが、該N−置換カルバメートを熱分解して、該N−置換カルバメートに由来する芳香族ヒドロキシ化合物と、イソシアネートを得る方法である。その際生じる該芳香族ヒドロキシ化合物は、反応式で考えれば、該N−置換カルバメートを製造する際に使用する芳香族ヒドロキシ化合物である。即ち、式(25)、好ましくは式(26)の芳香族ヒドロキシ化合物が、該N−置換カルバメートの熱分解時にイソシアネートと共に副生する。熱分解工程後は、場合にもよるが、本実施の形態の一つとして、蒸留によって該芳香族ヒドロキシ化合物とイソシアネートを分離し、該分離された芳香族ヒドロキシ化合物は、有機アミンと炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物との反応における芳香族ヒドロキシ化合物としてリサイクル使用してもよい。従って、イソシアネートの製造工程までを考慮すれば、該N−置換カルバメートの原料となる芳香族ヒドロキシ化合物と、該N−置換カルバメートから生成するイソシアネートとの分離性を考慮する必要がある。分離性を一般的に定義するのは難しいが、通常、分離される2成分の標準沸点が10℃以上離れていれば、工業的に十分蒸留分離可能であるという知見に基づき、以下定義する。従って、この定義は現状公知の分離手段に限定される値であって、本実施の形態の根幹をなす定義ではない。
<ウレイド基を有する化合物>
ウレイド基を有する化合物は、有機アミンと尿素とヒドロキシ化合物とからN−置換カルバメートを製造する、いくつかの方法の中の1つの方法において、有機アミンと炭酸誘導体との反応によって製造される化合物である。該方法では、該ウレイド基を有する化合物とヒドロキシ化合物とを反応させて、N−置換カルバメートを製造する。
該ウレイド基を有する化合物は、下記式(27)で表される化合物である。
Figure 0006207707

(式中、
は、炭素数1〜85の有機基であって、m個のウレイド基に置換された有機基を表し、
mは、1以上10以下の整数を表す。)
上記式(27)で表される、ウレイド基を有する化合物とは、IUPACで定められたNomenclature規則C−971で定められる“ウレイド基”を有する化合物である。
上記式(27)において、Rは、脂肪族基、芳香族基、及び、脂肪族と芳香族基とが結合してなる基を表し、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(例えば、単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基、ヘテロ環基、ヘテロ環式スピロ基、ヘテロ架橋環基、複素環基)からなる基、前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる基から1種以上結合した基、及び前記基が、特定の非金属原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素)との共有結合を介して結合している基を表す。
このようなR基のなかで、本実施の形態で好ましく使用できるR基は、副反応の起こりにくさを考えれば、脂肪族基、芳香族基から選ばれる、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基)からなる群の中から選ばれる基、及び該群から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(互いに置換した基)であって、炭素数1〜85の基である。流動性等を考慮すれば、好ましくは炭素数1〜70の基である。さらに好ましくは炭素数1〜13の基である。
ウレイド基を有する化合物の好ましい例としては、
1)R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1種以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をウレイド基が置換し、mが1であるN−置換芳香族有機モノ尿素、
2)R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をウレイド基が置換し、mが2以上であるN−置換芳香族有機ポリ尿素、
3)R基が、炭素数1〜85の、芳香族置換されてよい脂肪族基であって、mが2又は3のN−置換脂肪族有機ポリ尿素、
である。上記で、ウレイド基が結合している原子(主に炭素)が、芳香族環に含まれるものをN−置換芳香族有機尿素と表記し、芳香族環でない原子(主に炭素)に結合している場合をN−置換脂肪族有機尿素と表記している。
また、上記式(27)におけるmは、1から10の整数であるが、出発物質として上記式(1)の有機アミンを使用する場合は、上記式(1)で表される有機アミンのaを超えない整数である。
以下に好ましいウレイド基を有する化合物の具体例を示す。
1)N−置換芳香族有機モノ尿素
好ましいN−置換芳香族有機モノ尿素は、R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1種以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をウレイド基が置換し、mが1であるN−置換芳香族有機モノ尿素である。より好ましくはR基が炭素数6〜70の基であって、mが1であるN−芳香族有機モノ尿素である。流動性等を考慮してさらに好ましくはR基が炭素数6〜13の基であって、mが1であるN−芳香族有機モノ尿素であり、下記式(28)で表されるN−芳香族有機モノ尿素である。
Figure 0006207707
式(28)で表される芳香族有機モノ尿素のウレイド基のオルト位及び/又はパラ位の少なくとも1箇所は非置換であり、RからR基はそれぞれ環の芳香族性を保つ任意の位置に置換する基を示し、RからR基は、各々独立に、芳香環を置換してもよいし、RからR基同士が結合して芳香環とともに環を形成してもよく、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びヒドロキシ基を有するアリール基からなる群から選ばれる基、もしくは該群から選ばれる基が飽和脂肪族結合及び/又はエーテル結合で結合された基で構成される基から選ばれる基を表わし、RからR基は炭素数0から7の整数の範囲の基であり、式(28)で表されるN−芳香族有機モノ尿素を構成する合計炭素数は6から13で構成される。
このような式(28)で表されるN−芳香族有機モノ尿素の好ましい例としては、RからR基が、水素原子、又はメチル基、エチル基等のアルキル基から選ばれる基であって、そのようなN−芳香族有機モノ尿素の例としては、N−フェニルウレア、N−(メチルフェニル)ウレア(各異性体)、N−(ジメチルフェニル)ウレア(各異性体)、N−(ジエチルフェニル)ウレア(各異性体)、N−(ジプロピルフェニル)ウレア(各異性体)、N−ナフチルウレア(各異性体)、N−(メチルナフチル)ウレア(各異性体)、N−ジメチルナフチルウレア(各異性体)、N−トリメチルナフチルウレア(各異性体)等が挙げることができる。中でもN−フェニルウレアがさらに好ましい。
2)N−置換芳香族有機ポリ尿素
好ましいN−置換芳香族有機ポリ尿素としては、R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をウレイド基が置換し、mが2以上であるN−置換芳香族有機ポリ尿素である。より好ましくはR基が炭素数6〜70の基であって、mが2以上であるN−置換芳香族有機ポリ尿素である。流動性等を考慮してさらに好ましくはR基が、1種以上の芳香族環を含有し、該芳香族環はさらにアルキル基、アリール基、アラルキル基で置換されてよい炭素数6〜13の芳香族基であって、mが2以上であるN−芳香族有機ポリ尿素である。そのような例としては、N,N’−フェニレンジウレア(各異性体)、N,N’−メチルフェニレンジウレア(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレンジウレア(各異性体)、N,N’−メシチレンジウレア(各異性体)、N,N’−ビフェニレンジウレア(各異性体)、N,N’−ジフェニレンジウレア(各異性体)、N,N’−プロピレンジフェニレンジウレア(各異性体)、N,N’−オキシ−ジフェニレンジウレア(各異性体)、ビス(ウレイドフェノキシエタン)(各異性体)、N,N’−キシレンジウレア(各異性体)、N,N’−メトキシフェニルジウレア(各異性体)、N,N’−エトキシフェニルジウレア(各異性体)、N,N’−ナフタレンジウレア(各異性体)、N,N’−メチルナフタレンジウレア(各異性体)、下記式(29)で表されるポリメチレンポリフェニルポリウレアを挙げることができる。
Figure 0006207707

(式中;
bは0から6の整数である。)
3)N−置換脂肪族有機ポリ尿素
好ましいN−置換脂肪族有機ポリ尿素は、式(27)で表されるウレイド基を有する化合物のR基が、R基が、炭素数1〜85の、芳香族置換されてよい脂肪族基であって、mが2又は3のN−置換脂肪族有機ポリ尿素である。さらに好ましいN−脂肪族有機ポリ尿素は、該脂肪族基が、鎖状炭化水素基、環状炭化水素基、及び前記鎖状炭化水素基と前記環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、鎖状炭化水素基で置換された環状炭化水素基、環状炭化水素基で置換された鎖状炭化水素基などを指す)であるN−有機ポリ尿素である。より好ましくはR基が脂肪族基であって、炭素数1〜70の非環式炭化水素基、環式炭化水素基、及び前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、非環式炭化水素基で置換された環式炭化水素基、環式炭化水素基で置換された非環式炭化水素基などを指す)であり、mが2又は3のN−脂肪族有機ポリ尿素である。工業的に大量に製造する際の流動性等を考慮して、最も好ましくはR基が、炭素原子と水素原子から構成される炭素数6〜13の非環式炭化水素基、環式炭化水素基、及び前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、非環式炭化水素基で置換された環式炭化水素基、環式炭化水素基で置換された非環式炭化水素基などを指す)であるN−脂肪族有機ポリ尿素である。すなわち、R基が、直鎖及び/又は分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、及び該アルキル基と該シクロアルキル基から構成される基の場合である。それらの例として、N,N’−エチレンジウレア、N,N’−プロピレンジウレア(各異性体)、N,N’−ブチレンジウレア(各異性体)、N,N’−ペンタメチレンジウレア(各異性体)、N,N’−ヘキサンメチレンジウレア(各異性体)、N,N’−デカメチレンジウレア(各異性体)等のN−脂肪族ジウレア;N,N’,N’’−ヘキサメチレントリウレア(各異性体)、N,N’,N’’−ノナメチレントリウレア(各異性体)、N,N’,N’’−デカメチレントリウレア(各異性体)等のN−脂肪族トリウレア;N,N’−シクロブチレンジウレア(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシルジウレア(各異性体)、3−ウレイドメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルウレア(シス及び/又はトランス体)、メチレンビス(シクロヘキシルウレア)(各異性体)等の置換されたN−環式脂肪族ポリウレアが挙げることができる。
<N−置換カルバメート>
N−置換カルバメートは、本実施の形態の製造方法によって、有機アミンと炭酸誘導体とヒドロキシ化合物とから製造される化合物である。
有機アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物との反応において、有機ヒドロキシ化合物としてアルコールを使用した場合に得られる該N−置換カルバメートは、下記式(30)で表される。
Figure 0006207707

(式中、
は、炭素数1から85の有機基であって、n個のカルバメート基で置換された有機基を表し、
37は、アルコールに由来する基であって、アルコールから、該アルコールの飽和炭素原子に結合している1つのヒドロキシ基を除いた残基であり、
nは、1以上a以下の整数又は1以上m以下の整数を表す。
a及びmは上記で定義した値である。)
上記式(30)において、Rは、脂肪族基、芳香族基及び脂肪族と芳香族基が結合してなる基を表し、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(例えば、単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基、ヘテロ環基、ヘテロ環式スピロ基、ヘテロ架橋環基、複素環基)からなる基、前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる基から1種以上結合した基、及び前記基が、特定の非金属原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素)との共有結合を介して結合している基を表す。
このようなR基のなかで、本実施の形態で好ましく使用できるR基は、副反応の起こりにくさを考えれば、脂肪族基、芳香族基から選ばれ、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基)からなる群の中から選ばれる基、及び該群から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(互いに置換した基)であって、炭素数1〜85の基である。流動性等を考慮すれば、好ましくは炭素数1〜70の基である。さらに好ましくは炭素数1〜13の基である。
該R基で構成されるN−置換カルバメートの好ましい例としては、
1)R基が1種以上の芳香族環を含有する炭素数6〜85の基であって、nが1であるN−芳香族有機モノカルバメート、
2)R基が、1種以上の芳香族環を含有する炭素数6〜85の基であって、nが2以上であるN−芳香族有機ポリカルバメート、
3)R基が、炭素数1〜85の脂肪族基であって、nが2又は3のN−脂肪族有機ポリカルバメート、
である。さらに好ましい脂肪族基は、炭素数6〜70であって、鎖状炭化水素基、環状炭化水素基、及び前記鎖状炭化水素基と前記環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、鎖状炭化水素基で置換された環状炭化水素基、環状炭化水素基で置換された鎖状炭化水素基などを指す)である。
また、上記式(30)におけるnは、1から10の整数であるが、出発物質として上記式(1)の有機アミンを使用する場合は、上記式(1)で表される有機アミンのaを超えない整数である。
以下に、N−置換カルバメートの具体例を示す。
1)N−芳香族有機モノカルバメート
好ましいN−芳香族有機モノカルバメートは、R基が1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜85の基であって、nが1であるN−芳香族有機モノカルバメートである。より好ましくはR基が1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜70の基であって、nが1であるN−芳香族有機モノカルバメートである。流動性等を考慮して、さらに好ましくはR基が1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜13の基であって、nが1であるN−芳香族有機モノカルバメートであり、下記式(31)で表されるN−芳香族有機モノカルバメートである。
Figure 0006207707
上記式(31)で表されるN−芳香族有機モノカルバミン酸エステルの基Rは上記で定義した基である。RからR基はそれぞれ環の芳香族性を保つ任意の位置に置換する基を示し、RからR基は、各々独立に、芳香環を置換してもよく、RからR基同士が結合して芳香環とともに環を形成してもよく、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びヒドロキシ基を有するアリール基からなる群から選ばれる基、もしくは該群から選ばれる基が飽和脂肪族結合及び/又はエーテル結合で結合された基で構成される基から選ばれる基を表わし、式(31)で表されるN−芳香族有機モノカルバメートを構成する合計炭素数は7から63で構成される。
このような式(31)で表されるN−芳香族有機モノカルバメートの好ましい例としては、RからR基が、水素原子、又はメチル基、エチル基等のアルキル基から選ばれる基である。
2)N−芳香族有機ポリカルバメート
好ましいN−芳香族有機ポリカルバメートは、R基が、1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜85の基であって、nが2以上であるN−芳香族有機ポリカルバメートである。より好ましくはR基が、1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜70の基であって、nが2以上であるN−芳香族有機ポリカルバメートである。流動性等を考慮してさらに好ましくはR基が、1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有し、該芳香族環はさらにアルキル基、アリール基、アラルキル基で置換されてよい炭素数6〜13の基であって、nが2以上であるN−芳香族有機ポリカルバメートである。
また、下記式(32)で表されるポリメチレンポリフェニルポリカルバメートを挙げることができる。
Figure 0006207707

(式中、
37は、上記で定義した基であり、
bは、0から6の整数である。)
3)N−脂肪族有機ポリカルバメート
好ましいN−脂肪族有機ポリカルバメートは、式(30)で表されるN−置換カルバメートのR基が、炭素数1〜85の脂肪族基であって、nが2又は3のN−脂肪族有機ポリカルバメートである。さらに好ましいN−置換カルバメートは、該脂肪族基が、鎖状炭化水素基、環状炭化水素基、及び前記鎖状炭化水素基と前記環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、鎖状炭化水素基で置換された環状炭化水素基、環状炭化水素基で置換された鎖状炭化水素基などを指す)であるN−置換カルバメートである。より好ましくはR基が脂肪族基であって、炭素数1〜70の非環式炭化水素基、環式炭化水素基、及び前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、非環式炭化水素基で置換された環式炭化水素基、環式炭化水素基で置換された非環式炭化水素基などを指す)であって、nが2又は3のN−脂肪族有機ポリカルバメートである。工業的に大量に製造する際の流動性等を考慮して、最も好ましくはR基が、炭素原子と水素原子から構成される炭素数6〜13の非環式炭化水素基、環式炭化水素基、及び前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、非環式炭化水素基で置換された環式炭化水素基、環式炭化水素基で置換された非環式炭化水素基などを指す)であるN−脂肪族有機ポリカルバミン酸エステルある。すなわち、R基が、直鎖及び/又は分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、及び該アルキル基と該シクロアルキル基から構成される基の場合である。
N−置換カルバメートの具体的な構造は、使用する有機アミン及びヒドロキシ組成物を構成するアルコールの種類によって決まるため、全てを列挙することはできないが、例えば、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸メチルエステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸エチルエステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸プロピルエステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸ブチルエステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸ペンチルエステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸ヘキシルエステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸ヘプチルエステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸オクチルエステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸ノニルエステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸デシルエステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸ドデシルエステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸オクタデシルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸メチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸エチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸プロピルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸ブチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸ペンチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸ヘキシルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸ヘプチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸オクチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸ノニルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸デシルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸ドデシルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸オクタデシルエステル)(各異性体)、3−(メトキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステル(各異性体)、3−(エトキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸エチルエステル(各異性体)、3−(プロピルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸プロピルエステル(各異性体)、3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステル(各異性体)、3−(ペンチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ペンチルエステル(各異性体)、3−(ヘキシルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ヘキシルエステル(各異性体)、3−(ヘプチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ヘプチルエステル(各異性体)、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸オクチルエステル(各異性体)、3−(ノニルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ノニルエステル(各異性体)、3−(デシルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸デシルエステル(各異性体)、3−(ドデシルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ドデシルエステル(各異性体)、3−(オクタデシルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸オクタデシルエステル(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸メチルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸エチルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸プロピルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸ブチルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸ペンチルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸ヘキシルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸ヘプチルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸オクチルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸ノニルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸デシルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸ドデシルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸オクタデシルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸メチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸エチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸プロピルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸ブチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸ペンチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸ヘキシルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸ヘプチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸オクチルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸ノニルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸デシルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸ドデシルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸オクタデシルエステル)(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸メチルエステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸エチルエステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸プロピルエステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸ブチルエステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸ペンチルエステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ヘキシルエステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸ヘプチルエステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸オクチルエステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸ノニルエステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸デシルエステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸ドデシルエステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸オクタデシルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸メチルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸エチルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸プロピルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸ブチルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸ペンチルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸ヘキシルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸ヘプチルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸オクチルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸ノニルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸デシルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸ドデシルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸オクタデシルエステル(各異性体)を挙げることができる。
次に、有機アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物との反応において、有機ヒドロキシ化合物として芳香族ヒドロキシ化合物を使用した場合に得られるN−置換カルバメートは、下記式(33)で表される。
Figure 0006207707

(式中、
は、炭素数1から85の有機基であって、n個のカルバメート基で置換された有機基を表し、
Arは、芳香族ヒドロキシ化合物に由来する基であって、芳香族ヒドロキシ化合物から、該芳香族ヒドロキシ化合物の芳香環に結合している1つのヒドロキシ基を除いた残基であり、
nは、1以上a以下の整数又は1以上m以下の整数を表す。
a及びmは上記で定義した値である。)
上記式(33)において、Rは、脂肪族基又は芳香族基を表し、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(例えば、単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基、ヘテロ環基、ヘテロ環式スピロ基、ヘテロ架橋環基、複素環基)からなる基、前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる基から1種以上結合した基、及び前記基が、特定の非金属原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素)との共有結合を介して結合している基を表す。
このようなR基のなかで、本実施の形態で好ましく使用できるR基は、副反応の起こりにくさを考えれば、脂肪族基又は芳香族基から選ばれ、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基)からなる群の中から選ばれる基、及び該群から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(互いに置換した基)であって、炭素数1〜85の基である。流動性等を考慮すれば、好ましくは炭素数1〜70の基である。さらに好ましくは炭素数1〜13の基である。
該R基で構成されるN−置換カルバメートの好ましい例としては、
1)R基が1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜85の基であって、nが1であるN−芳香族有機モノカルバメート、
2)R基が、1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜85の基であって、nが2以上であるN−芳香族有機ポリカルバメート、
3)R基が、炭素数1〜85の脂肪族基であって、nが2又は3のN−脂肪族有機ポリカルバメートである。さらに好ましい脂肪族基は、炭素数6〜70であって、鎖状炭化水素基、環状炭化水素基、及び前記鎖状炭化水素基と前記環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、鎖状炭化水素基で置換された環状炭化水素基、環状炭化水素基で置換された鎖状炭化水素基などを指す)である。
また、上記式(33)におけるnは、1から10の整数であるが、出発物質として上記式(1)の有機アミンを使用する場合は、上記式(1)で表される有機アミンのaを超えない整数である。
以下に、N−置換カルバメートの具体例を示す。
1)N−芳香族有機モノカルバメート
好ましいN−芳香族有機モノカルバメートは、R基が1種以上の芳香族環を含有する炭素数6〜85の基であって、nが1であるN−芳香族有機モノカルバメートである。より好ましくはR基が1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜70の基であって、nが1であるN−芳香族有機モノカルバメートである。流動性等を考慮して、さらに好ましくはR基が1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜13の基であって、nが1であるN−芳香族有機モノカルバメートであり、下記式(34)で表されるN−芳香族有機モノカルバメートである。
Figure 0006207707
上記式(34)で表されるN−芳香族有機モノカルバメートの基Arは上記で定義した基である。RからR基はそれぞれ環の芳香族性を保つ任意の位置に置換する基を示し、RからR基は各々独立に、芳香環を置換してもよく、RからR基同士が結合して芳香環とともに環を形成してもよく、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びヒドロキシ基を有するアリール基からなる群から選ばれる基、もしくは該群から選ばれる基が飽和脂肪族結合及び/又はエーテル結合で結合された基で構成される基から選ばれる基を表わし、式(34)で表されるN−芳香族有機モノカルバメートを構成する合計炭素数は7から63で構成される。
このような式(34)で表されるN−芳香族有機モノカルバメートの好ましい例としては、RからR基が、水素原子、又はメチル基、エチル基等のアルキル基から選ばれる基である。
2)N−芳香族有機ポリカルバメート
好ましいN−芳香族有機ポリカルバメートは、R基が、1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜85の基であって、nが2以上であるN−芳香族有機ポリカルバメートである。より好ましくはR基が、1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有する炭素数6〜70の基であって、nが2以上であるN−芳香族有機ポリカルバメートである。流動性等を考慮してさらに好ましくはR基が、1種以上の“カルバメート基で置換された”芳香族環を含有し、該芳香族環はさらにアルキル基、アリール基、アラルキル基で置換されてよい炭素数6〜13の基であって、nが2以上であるN−芳香族有機ポリカルバメートである。
また、下記式(35)で表されるポリメチレンポリフェニルポリカルバメートを挙げることができる。
Figure 0006207707

(式中、
Arは、上記で定義した基であり、
bは、0から6の整数である。)
3)N−脂肪族有機ポリカルバメート
好ましいN−脂肪族有機ポリカルバメートは、式(33)で表されるN−置換カルバメートのR基が、炭素数1〜85の脂肪族基であって、nが2又は3のN−脂肪族有機ポリカルバメートである。さらに好ましいN−脂肪族置換有機ポリカルバメートは、該脂肪族基が、鎖状炭化水素基、環状炭化水素基、及び前記鎖状炭化水素基と前記環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、鎖状炭化水素基で置換された環状炭化水素基、環状炭化水素基で置換された鎖状炭化水素基などを指す)であるN−置換カルバメートである。より好ましくはR基が脂肪族基であって、炭素数1〜70の非環式炭化水素基、環式炭化水素基、及び前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、非環式炭化水素基で置換された環式炭化水素基、環式炭化水素基で置換された非環式炭化水素基などを指す)であって、nが2又は3のN−脂肪族有機ポリカルバメートである。工業的に大量に製造する際の流動性等を考慮して、最も好ましくはR基が、炭素原子と水素原子から構成される炭素数6〜13の非環式炭化水素基、環式炭化水素基、及び前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、非環式炭化水素基で置換された環式炭化水素基、環式炭化水素基で置換された非環式炭化水素基などを指す)であるN−脂肪族有機ポリカルバメートある。すなわち、R基が、直鎖及び/又は分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、及び該アルキル基と該シクロアルキル基から構成される基の場合である。
N−置換カルバメートの具体的な構造は、使用する有機アミン及びヒドロキシ組成物を構成する芳香族ヒドロキシ化合物の種類によって決まるため、全てを列挙することはできないが、例えば、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸フェニルエステル)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(メチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(エチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(プロピルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(ブチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(ペンチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(ヘキシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(ヘプチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(オクチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(ノニルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(デシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(ドデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(オクタデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジメチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジエチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジプロピルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジブチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジペンチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジヘキシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジヘプチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジオクチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジノニルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジドデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス(カルバミン酸(ジオクタデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸フェニルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(メチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(エチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(プロピルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(ブチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(ペンチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(ヘキシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(ヘプチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(オクチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(ノニルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(デシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(ドデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ジ(カルバミン酸(オクタデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジメチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジエチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジプロピルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジブチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジペンチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジヘキシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジヘプチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジオクチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジノニルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジドデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジフェニレン−ビス(カルバミン酸(ジオクタデシルフェニル)エステル)(各異性体)、3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステル、3−((メチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(メチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((エチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(エチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((プロピルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(プロピルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ブチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ブチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ペンチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ペンチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ヘキシルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ヘプチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((オクチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(オクチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ノニルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ノニルフェニル)エステル(各異性体)、3−((デシルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(デシルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ドデシルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ドデシルフェニル)エステル(各異性体)、3−((オクタデシルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(オクタデシルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ジメチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジメチルフェノキシ)エステル(各異性体)、3−((ジエチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジエチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ジプロピルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジプロピルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ジブチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジブチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ジペンチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジペンチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ジヘキシルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ジヘプチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ジオクチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジオクチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ジノニルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジノニルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ジデシルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジデシルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ジドデシルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジドデシルフェニル)エステル(各異性体)、3−((ジオクタデシルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ジオクタデシルフェニル)エステル(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸フェニルエステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(メチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(エチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(プロピルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(ブチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(ペンチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(ヘキシルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(ヘプチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(オクチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(ノニルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(デシルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(ドデシルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ジ(カルバミン酸(オクタデシルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジメチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジエチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジプロピルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジブチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジペンチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジヘキシルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジヘプチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジオクチルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジノニルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジデシルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジドデシルフェニル)エステル)(各異性体)、トルエン−ビス(カルバミン酸(ジオクタデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸フェニルエステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(メチルフェニル)エステル)(
各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(エチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(プロピルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(ブチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(ペンチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(ヘキシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(ヘプチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(オクチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(ノニルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(デシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(ドデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ジ(カルバミン酸(オクタデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジメチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジエチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジプロピルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジブチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジペンチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジヘキシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジヘプチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジオクチルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジノニルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジドデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N,N’−メチレンジシクロヘキシル−ビス(カルバミン酸(ジオクタデシルフェニル)エステル)(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸フェニルエステル、N−フェニルカルバミン酸(メチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(エチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(プロピルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ブチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ペンチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(オクチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ノニルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(デシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ドデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(オクタデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジメチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジエチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジプロピルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジブチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジペンチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジオクチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジノニルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジドデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジオクタデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸フェニルエステル、N−フェニルカルバミン酸(メチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(エチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(プロピルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ブチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ペンチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(オクチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ノニルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(デシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ドデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(オクタデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジメチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジエチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジプロピルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジブチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジペンチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジオクチルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジノニルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジドデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−フェニルカルバミン酸(ジオクタデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸フェニルエステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(メチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(エチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(プロピルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ブチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ペンチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(オクチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ノニルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(デシルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ドデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(オクタデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジメチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジエチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジプロピルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジブチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジペンチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジオクチルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジノニルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジドデシルフェニル)エステル(各異性体)、N−ジメチルフェニルカルバミン酸(ジオクタデシルフェニル)エステル(各異性体)等を挙げることができる。
<イソシアネート>
イソシアネートは本実施の形態の方法が目的とする化合物であり、下記式(36)で表される化合物である。
Figure 0006207707

(式中、
は、炭素数1〜85の有機基であって、p個のウレイド基に置換された有機基を表し、
pは、1以上10以下の整数を表す。)
上記式(36)で表される、ウレイド基を有する化合物とは、IUPACで定められた Nomenclature規則C−971で定められる“イソシアネート基”を有する化合物である。
上記式(36)において、Rは、脂肪族基、芳香族基及び脂肪族と芳香族基が結合してなる基を表し、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(例えば、単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基、ヘテロ環基、ヘテロ環式スピロ基、ヘテロ架橋環基、複素環基)からなる基、前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる基から1種以上結合した基、及び前記基が、特定の非金属原子(炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素)との共有結合を介して結合している基を表す。
このようなR基のなかで、本実施の形態で好ましく使用できるR基は、副反応の起こりにくさを考えれば、脂肪族基、芳香族基から選ばれる、非環式炭化水素基、環式炭化水素基(単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素基、架橋環式炭化水素基、スピロ炭化水素基、環集合炭化水素基、側鎖のある環式炭化水素基)からなる群の中から選ばれる基、及び該群から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(互いに置換した基)であって、炭素数1〜85の基である。流動性等を考慮すれば、好ましくは炭素数1〜70の基である。さらに好ましくは炭素数1〜13の基である。
イソシアネートの好ましい例としては、
1)R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1種以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をイソシアネート基が置換し、pが1である芳香族モノイソシアネート、
2)R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をイソシアネート基が置換し、pが2以上である芳香族有機ポリイソシアネート、
3)R基が、炭素数1〜85の、芳香族置換されてよい脂肪族基であって、pが2又は3の脂肪族有機ポリイソシアネート、
である。上記で、イソシアネート基が結合している原子(主に炭素)が、芳香族環に含まれるものを芳香族有機イソシアネートと表記し、芳香族環でない原子(主に炭素)に結合している場合を脂肪族有機イソシアネートと表記している。
また、上記式(36)におけるpは、1から10の整数であるが、出発物質として上記式(1)の有機アミンを使用する場合は、上記式(1)で表される有機アミンのaを超えない整数である。
以下に好ましいイソシアネート基を有する化合物の具体例を示す。
1)芳香族有機モノイソシアネート
好ましい芳香族有機モノイソシアネートは、R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1種以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をイソシアネート基が置換し、pが1である置換芳香族有機モノイソシアネートである。より好ましくはR基が炭素数6〜70の基であって、pが1である芳香族有機モノイソシアネートである。流動性等を考慮してさらに好ましくはR基が炭素数6〜13の基であって、pが1である芳香族有機モノイソシアネートであり、下記式(37)で表される芳香族有機モノイソシアネートである。
Figure 0006207707
式(37)で表される芳香族有機モノイソシアネートのイソシアネート基のオルト位及び/又はパラ位の少なくとも1箇所は非置換であり、RからR基はそれぞれ環の芳香族性を保つ任意の位置に置換する基を示し、RからR基は、各々独立に、芳香環を置換してもよいし、RからR基同士が結合して芳香環とともに環を形成してもよく、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びヒドロキシ基を有するアリール基からなる群から選ばれる基、もしくは該群から選ばれる基が飽和脂肪族結合及び/又はエーテル結合で結合された基で構成される基から選ばれる基を表わし、RからR基は炭素数0から7の整数の範囲の基であり、式(37)で表される芳香族有機モノイソシアネートを構成する合計炭素数は6から13で構成される。
このような式(37)で表される芳香族有機モノイソシアネートの好ましい例としては、RからR基が、水素原子、又はメチル基、エチル基等のアルキル基から選ばれる基であって、そのような芳香族有機モノイソシアネートの例としては、フェニルイソシアネート、(メチルフェニル)イソシアネート(各異性体)、(ジメチルフェニル)イソシアネート(各異性体)、(ジエチルフェニル)イソシアネート(各異性体)、(ジプロピルフェニル)イソシアネート(各異性体)、ナフチルイソシアネート(各異性体)、(メチルナフチル)イソシアネート(各異性体)、ジメチルナフチルイソシアネート(各異性体)、トリメチルナフチルイソシアネート(各異性体)等が挙げることができる。中でもフェニルイソシアネートがさらに好ましい。
2)芳香族有機ポリイソシアネート
好ましい芳香族有機ポリイソシアネートは、芳香族有機ポリイソシアネートとしては、R基が、脂肪族及び/又は芳香族置換されてよい芳香族環を1以上含有する炭素数6〜85の基であって、R基中の芳香族基をイソシアネート基が置換し、pが2以上である芳香族有機ポリイソシアネートである。より好ましくはR基が炭素数6〜70の基であって、pが2以上である芳香族有機ポリイソシアネートである。流動性等を考慮してさらに好ましくはR基が、1種以上の芳香族環を含有し、該芳香族環はさらにアルキル基、アリール基、アラルキル基で置換されてよい炭素数6〜13の芳香族基であって、pが2以上である芳香族有機ポリイソシアネートである。そのような例としては、フェニレンジイソシアネート(各異性体)、メチルフェニレンジイソシアネート(各異性体)、メチレンジフェニレンジイソシアネート(各異性体)、メシチレンジイソシアネート(各異性体)、ビフェニレンジイソシアネート(各異性体)、ジフェニレンジイソシアネート(各異性体)、プロピレンジフェニレンジイソシアネート(各異性体)、ジフェニレンジイソシアネート(各異性体)、ビス(イソシアナトフェノキシエタン)(各異性体)、キシレンジイソシアネート(各異性体)、メトキシフェニルジイソシアネート(各異性体)、エトキシフェニルジイソシアネート(各異性体)、ナフタレンジイソシアネート(各異性体)、メチルナフタレンジイソシアネート(各異性体)、下記式(38)で表されるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを挙げることができる。
Figure 0006207707

(式中、
bは0から6の整数である。)
3)脂肪族有機ポリイソシアネート
好ましい脂肪族有機ポリイソシアネートは、式(36)で表されるイソシアネート基を有する化合物のR基が、炭素数1〜85の、芳香族置換されてよい脂肪族基であって、pが2又は3の脂肪族有機ポリイソシアネートである。さらに好ましい脂肪族有機ポリイソシアネートは、該脂肪族基が、鎖状炭化水素基、環状炭化水素基、及び前記鎖状炭化水素基と前記環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、鎖状炭化水素基で置換された環状炭化水素基、環状炭化水素基で置換された鎖状炭化水素基などを指す)である有機ポリイソシアネートである。より好ましくはR基が脂肪族基であって、炭素数1〜70の非環式炭化水素基、環式炭化水素基、及び前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、非環式炭化水素基で置換された環式炭化水素基、環式炭化水素基で置換された非環式炭化水素基などを指す)であり、pが2又は3の脂肪族有機ポリイソシアネートである。工業的に大量に製造する際の流動性等を考慮して、最も好ましくはR基が、炭素原子と水素原子から構成される炭素数6〜13の非環式炭化水素基、環式炭化水素基、及び前記非環式炭化水素基と前記環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した基(例えば、非環式炭化水素基で置換された環式炭化水素基、環式炭化水素基で置換された非環式炭化水素基などを指す)である脂肪族有機ポリイソシアネートである。すなわち、R基が、直鎖及び/又は分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、及び該アルキル基と該シクロアルキル基から構成される基の場合である。それらの例として、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート(各異性体)、ブチレンジイソシアネート(各異性体)、ペンタメチレンジイソシアネート(各異性体)、ヘキサンメチレンジイソシアネート(各異性体)、デカメチレンジイソシアネート(各異性体)等の脂肪族ジイソシアネート;ヘキサメチレントリイソシアネート(各異性体)、ノナメチレントリイソシアネート(各異性体)、デカメチレントリイソシアネート(各異性体)等の脂肪族トリイソシアネート;シクロブチレンジイソシアネート(各異性体)、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(各異性体)、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(シス及び/又はトランス体)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(各異性体)等の置換された環式脂肪族ポリイソシアネートが挙げることができる。
<<好ましいイソシアネートの製造方法−1>>
本実施の形態のイソシアネートの製造方法は、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とを原料とし、下記工程(1)〜工程(3)を備え、さらに工程(4)〜工程(5)を備える。
工程(1):有機第1アミンと、尿素と、有機ヒドロキシ化合物とからカルバメート化反応によりN−置換カルバメートを生成し、尿素及び/又は尿素に由来するカルボニル基を有する化合物と、有機ヒドロキシ化合物と、アンモニアとを含む第1の気相成分を回収するカルバメート化工程
工程(2):該第1の気相成分を凝縮器により凝縮する凝縮工程
工程(3):N−置換カルバメートを熱分解してイソシアネートを製造するイソシアネート製造工程
工程(4):該凝縮器より気相成分として回収される、アンモニアを主成分とする第2の気相成分を吸収水に吸収させてガス吸収水を生成するアンモニア吸収工程
工程(5):該ガス吸収水を加熱してガス吸収水からアンモニアを分離するアンモニア放散工程
以下、これらの各工程について説明する。
<工程(1):カルバメート化工程>
工程(1)は、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とを原料として、カルバメート化反応により、カルバメートを生成し、尿素及び/又はイソシアン酸、有機ヒドロキシ化合物、アンモニアを含む気相成分(第1の気相成分)を回収するカルバメート化工程である。
本実施の形態の工程(1)は、大別して、
(1)’:工程(A)をおこなう方法であって、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とを“同時に”反応させてN−置換カルバメートを製造する方法、
(1)”:有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とからN−置換カルバメートを製造する工程を分割し、工程(a)で、有機第1アミンと尿素とを反応させてウレイド基を有する化合物を製造し、続く工程(b)で、該ウレイド基を有する化合物と有機ヒドロキシ化合物とを反応させてN−置換カルバメートを製造する方法、
の2通りの方法をおこなうことができる。
本実施の形態の製造方法において、(1)’と(1)”の方法が組み合わされていてもよい。
(工程(A):有機第1アミンと炭酸誘導体と有機ヒドロキシ化合物とを一度に反応させるカルバメートの製造工程)
(1)’の方法における“同時に”は、(1)”の方法ではN−置換カルバメートを製造する工程が2つの工程に分割されているのに対して、(1)’の方法では工程が分割されていないという意であって、必ずしも、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とが全く同時に反応するという意味ではない。
有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とを反応させてN−置換カルバメートを製造する反応条件は、反応させる化合物によっても異なるが、有機ヒドロキシ化合物の量は、使用される有機第1アミンのアミノ基に対して化学量論比で1倍〜500倍の範囲である。有機ヒドロキシ化合物の使用量が少ないと複雑に置換したカルボニル化合物等が生成しやすくなるため、大過剰の有機ヒドロキシ化合物を使用することが好ましいが、反応器の大きさを考慮すれば、好ましくは1倍〜200倍の範囲、より好ましくは1.5倍〜100倍の範囲、さらに好ましくは、2倍〜50倍である。
尿素の量は、有機第1アミンのアミノ基に対して化学量論比で1倍〜100倍の範囲である。尿素の使用量が少ない場合も複雑に置換したカルボニル化合物等が生成しやすくなるため、過剰量の尿素を使用することが好ましいが、あまりに過剰の尿素を使用すると、かえって、複雑に置換したカルボニル化合物が生成しやすくなったり、未反応の尿素が残存し、尿素の分離回収(後述する)に大きな労力する場合が生じる。そのため、好ましくは1.1倍〜10倍、より好ましくは1.5倍〜5倍の範囲である。
反応温度は、使用する有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物の反応性にもよるが、100℃〜350℃の範囲が好ましい。100℃より低い温度では、有機ヒドロキシ化合物と、副生するアンモニアが強く結合するために、反応が遅かったり、反応がほとんど起こらなかったり、あるいは、複雑に置換したカルボニル化合物が増加したりするため好ましくない。一方、350℃よりも高い温度では、尿素の分解とそれに伴う副反応が顕著となったり、有機ヒドロキシ化合物が脱水素変性したり、あるいは、生成物であるN−置換カルバメートの分解反応や変性反応等が生じやすくなるため、好ましくない。このような観点から、より好ましい温度は120℃〜320℃の範囲、さらに好ましくは140℃〜300℃の範囲である。
反応圧力は、反応系の組成、反応温度、アンモニアの除去方法、反応装置等によって異なり、減圧、常圧、加圧でおこなうことができるが、通常、0.01kPa〜10MPa(絶対圧)の範囲で実施されることが好ましい。工業的実施の容易性を考慮すると、減圧、常圧が好ましく、0.1kPa〜1.5MPa(絶対圧)の範囲が好ましい。
該工程(A)において、N−置換カルバメートが生成する反応は、主として液相でおこなわれる場合が多い。したがって、有機ヒドロキシ化合物は、反応条件下で液相成分として存在していることが好ましい。一方で、後述するように、該有機ヒドロキシ化合物と、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物(詳細は後述する)は、気相成分として凝縮器に導入され、凝縮器で凝縮されることから、有機ヒドロキシ化合物は反応条件下で気相成分としても存在することが好ましい。したがって、該反応条件は、有機ヒドロキシ化合物の一部が液相成分として存在し、一部が気相成分として存在するように設定される。複数の有機ヒドロキシ化合物から構成される有機ヒドロキシ組成物を使用する場合は、少なくとも1種の有機ヒドロキシ化合物が液相成分として存在するように反応条件を設定する。このような反応条件(反応温度、圧力)は、使用する有機ヒドロキシ化合物の性質、特に、温度と蒸気圧との相関に密接に関係していることから、使用する有機ヒドロキシ化合物の性質(温度と蒸気圧との相関)を測定又は調査しておき、反応条件を決定するための指標とする。ちなみに、温度と物質の蒸気圧との相関は、該物質の純度、共存する化合物やその量によっても大きくことなることは当業者にとっては常識であり、反応条件を設定する際も、上記した有機ヒドロキシ化合物の性質(温度と蒸気圧との相関)のみならず、共存する化合物やその量をも勘案すべきことは明白である。
本発明者らが鋭意検討した結果、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とからN−置換カルバメートが生成する反応は、平衡反応であり、反応が大きく原系に偏っている。したがって、N−置換カルバメートの収率を高めるためには、可能な限り、副生するアンモニアを系外に除去しながら反応をおこなう必要がある。好ましくは、反応液中のアンモニア濃度が1000ppm以下、より好ましくは300ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下、最も好ましくは10ppm以下となるようにアンモニアを除去する。その方法としては、反応蒸留法、不活性ガスによる方法、膜分離、吸着分離による方法などをおこなうことができる。例えば、該反応蒸留法とは、反応下で逐次生成するアンモニアを蒸留によって気体状で分離する方法である。アンモニアの蒸留効率を上げるために、溶媒又は有機ヒドロキシ化合物の沸騰下でおこなうこともできる。また、不活性ガスによる方法とは、反応下で逐次生成するアンモニアを、気体状で不活性ガスに同伴させることによって反応系から分離する方法である。不活性ガスとしては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、メタン、エタン、プロパン等を、単独で、あるいは混合して使用し、該不活性ガスを反応系中に導入する方法が好ましい。吸着分離する方法において使用される吸着剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、各種ゼオライト類、珪藻土類等の、当該反応が実施される温度条件下で使用可能な吸着剤が挙げられる。これらのアンモニアを系外に除去する方法は、単独で実施しても、複数種の方法を組み合わせて実施してもよい。
該反応において、例えば、反応速度を高める目的で、触媒を使用することができる。このような触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウムのメチラート、エチラート、ブチラート(各異性体)等の塩基性触媒、希土類元素、アンチモン、ビスマスの単体及びこれらの元素の酸化物、硫化物及び塩類、ホウ素単体及びホウ素化合物、周期律表の銅族、亜鉛族、アルミニウム族、炭素族、チタン族の金属及びこれらの金属酸化物及び硫化物、周期律表の炭素を除く炭素族、チタン族、バナジウム族、クロム族元素の炭化物及び窒化物が好ましく用いられる。触媒を使用する場合、その使用量は特に制限されないが、有機第1アミンのアミノ基に対して化学量論比で0.0001〜100倍の範囲で使用することができる。触媒を添加すれば、該触媒を除去する必要が生じる場合が多いので、好ましくは触媒を添加せずおこなう。触媒を使用した場合、反応後に触媒は除去してもよい。本実施の形態における工程中に生成する化合物に悪影響を及ぼす場合もあるため、N−置換カルバメートを熱分解してイソシアネートを得、該イソシアネートを精製する過程の間に分離又は除去することが好ましい。イソシアネートと上記触媒が共存した状態で保存されると、変色等の好ましくない現象が起こる場合もある。触媒を除去する方法としては、公知の方法を用いることができ、膜分離、蒸留分離、晶析等の方法が好ましく使用できる。触媒については、工程(A)に限らず、上記理由で除去することが好ましい。より好ましくは、触媒を使用した工程の終了毎に除去する。触媒を除去する方法は上記したような公知の方法が好ましく使用できる。
反応時間(連続反応の場合は滞留時間)は、反応系の組成、反応温度、アンモニアの除去方法、反応装置、反応圧力等によって異なるが、通常、0.01〜100時間である。反応時間は、目的化合物であるN−置換カルバメートの生成量によって決定することもできる。例えば、反応液をサンプリングして、該反応液中のN−置換カルバメートの含有量を定量し、使用した有機アミンに対して10%以上の収率で生成していることを確認したのち反応を停止してもよいし、該収率が90%以上であることを確認したのち反応を停止してもよい。
当該反応において、必ずしも反応溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な溶媒、例えば、ペンタン(各異性体)、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)などのアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素及びアルキル置換芳香族炭化水素類;
アセトニトリル、ベンゾニトリル等の二トリル化合物;
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲン又はニトロ基によって置換された芳香族化合物類;
ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;
シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;
メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテル類及びチオエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;
酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル化合物;
ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類等を反応溶媒として好適に使用する。いうまでもなく、当該反応において過剰量使用する有機ヒドロキシ化合物も、反応溶媒として好適に使用される。
当該反応は、有機ヒドロキシ化合物及び尿素に由来するカルボニル基を有する化合物、及び反応で副生するアンモニアとを含有する気体相と、該反応をおこなう液相を有する系で実施する。反応条件によっては気相においても該反応がおこる場合もあるが、該反応の多くの部分は液相でおこなわれる。その際に、該反応がおこなわれる反応器中の液相容量含量は50%以下が好ましい。長期間にわたって連続的に該反応を実施した場合に、運転条件(温度、圧力等)の変動等により、ポリマー状の副生物を生じる場合があるが、反応器中の液相容量含量が多いと、このようなポリマー状の副生物の、反応器への付着・蓄積を回避することができる。しかしながら、余りに液相容量含量が多いと、副生するアンモニアの除去効率が悪化してN−置換カルバメートの収率を低下させる場合があることから、気相に対する液相容量含量は、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下である(該液相容量含有量とは、槽型反応器の場合は反応槽部、塔型反応器の場合はフィード段より下の段(塔底部及びリボイラー部分を含まない)、薄膜蒸留器では、薄膜蒸留器容量に対する液相容量比を表す。)。
当該反応を実施する際に使用する反応器は、凝縮器を具備した反応器であれば、特に制限がなく、公知の反応器が使用できるが、凝縮器を具備した槽型及び/又は塔型の反応器が好ましく使用される。反応器の材質にも特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。SUS304やSUS316、SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。必要に応じて工程を付加しても構わない。例えば、生成するアンモニアを除去する工程、有機第1アミンを精製する工程、尿素を有機ヒドロキシ化合物へ溶解する工程、有機ヒドロキシ化合物を溶解する工程、有機ヒドロキシ化合物を分離及び/又は精製する工程、生成した反応液からN−置換カルバメートを精製する工程、副生成物等を焼却したり廃棄する工程など、当該業者、当該エンジニアが想定できる範囲の工程や装置を付加して構わない。
(工程(a)〜工程(b):ウレイド基を有する化合物と有機ヒドロキシ化合物とを反応させるN−置換カルバメートの製造方法)
上記したように、本実施の形態のN−置換カルバメートの製造方法は、大きく分けて、
(1)’:有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とを“同時に”反応させてN−置換カルバメートを製造する方法、
(1)”:有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とを反応させてN−置換カルバメートを製造する工程を分割し、第1の工程(工程(a))で、有機第1アミンと尿素とを反応させてウレイド基を有する化合物を製造し、続く第2の工程(工程(b))で、該ウレイド基を有する化合物と有機ヒドロキシ化合物とを反応させてN−置換カルバメートを製造する方法、の2通りの方法をおこなうことができる。
以下、(1)”の方法について述べる。
本発明者らは、工程(A)でN−置換カルバメートが生成する反応は、以下のような様々な反応が組み合わさって成り立っていると考えている。なお、以下の説明では、説明を簡単にするために、有機第1アミンとして2つのアミノ基を有する有機第1アミンを使用して例示する。いうまでもなく、ここで例示した以外の有機第1アミンを使用する場合も同様である。
有機第1アミンと尿素とからウレイド基を有する化合物が生成する反応(例えば、下記式(39))、該ウレイド基を有する化合物と有機ヒドロキシ化合物とからN−置換カルバメートが生成する反応(例えば、下記式(40))からなる。
Figure 0006207707

(式中;
Rは、各々独立に、2つの置換基で置換された有機基を表す。)
上記式(39)のウレイド基を有する化合物を生成する反応では、副反応として、例えば、下記式(41)で表されるウレイド基を有する化合物と有機第1アミンとからウレイレン基を有する化合物が生成する反応、また、例えば、下記式(42)で表されるウレイド基を有する化合物が縮合してビウレット基を有する化合物が生成する反応が併発する場合がある。
Figure 0006207707

(式中;
Rは、各々独立に、2つの置換基で置換された有機基を表す。)
該ウレイレン基を有する化合物は、下記式(43)のように、尿素と有機ヒドロキシ化合物と反応して、N−置換カルバメートを生成し、例えば、ビウレット基を有する化合物と有機ヒドロキシ化合物は、下記式(44)のように反応してN−置換カルバメートを生成すると推定される。
Figure 0006207707

(式中;
Rは、各々独立に、2つの置換基で置換された有機基を表し、
R’OHは、1価のヒドロキシ化合物を表す。)
このように、上記した(1)’の方法では、様々は中間体を経由してN−置換カルバメートが製造される。本発明者らが検討した結果、特に、上記式(43)、(44)の反応によるN−置換カルバメートの生成速度は、上記式(40)によるN−置換カルバメートの生成速度に比べて遅いことが判明した。すなわち、N−置換カルバメートをある水準以上の収率で得ようとすると、上記式(43)、(44)の反応が遅いために反応時間が長くなることを意味し、反応時間が長くなると、先に生成したN−置換カルバメートを反応温度条件下で長時間保持することになり、N−置換カルバメートの熱変性反応を生起してN−置換カルバメートの収率低下をもたらす場合があった。また、N−置換カルバメートの熱変性反応を回避するために短時間で反応を終える場合は、中間体として生成している、ウレイレン基を有する化合物(例えば、上記式(41)の右辺の化合物)やビウレット結合を有する化合物(例えば、上記式(42)の右辺の化合物)が多く残存した状態となり、N−置換カルバメートの収率が低下する場合が多かった。また、比較的反応の速い、上記式(40)の反応によって生成するN−置換カルバメートが、未反応の有機第1アミンのアミン末端(−NH基)と反応して、ウレイレン基を有する化合物を生成する場合もあった(例えば、下記式(45)の反応)。
Figure 0006207707

(式中;
Rは、各々独立に、2つの置換基によって置換された有機基を表し、
R’OHは、ヒドロキシ化合物を表す。)
このように、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とを“同時に”反応させてN−置換カルバメートを製造する方法は、反応条件や、反応に使用する化合物等によっては、充分な収率でN−置換カルバメートを得ることができない場合もあった。
このような課題は、上記した(1)”の方法、すなわち、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とを反応させてN−置換カルバメートを製造する工程を分割し、第1の工程(工程(a))で、有機第1アミンと尿素とを反応させてウレイド基を有する化合物を製造し、続く第2の工程(工程(b))で、該ウレイド基を有する化合物と有機ヒドロキシ化合物とを反応させてN−置換カルバメートを製造する方法、によって解決される場合が多い。 当該方法において重要となるのは、いうまでもなく工程(a)であるが、該工程(a)においては、驚くべきことに、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とが共存する系において、有機アミンと尿素との比を特定の範囲とすることで、上記式(39)の反応を優先的に生起させてウレイド基を有する化合物を選択的に製造できる。
本実施の形態の方法において好ましく実施される、上記(1)”に相当する方法は、下記工程(a)〜工程(b)を順におこなってなる工程によってN−置換カルバメートを製造する方法である。
工程(a):有機第1アミンと尿素とを反応させて、ウレイド基を有する化合物を含む反応混合物を得る工程、
工程(b):該工程(a)で得たウレイド基を有する化合物と、有機ヒドロキシ化合物とを反応させて、N−置換カルバメートを製造する工程。
以下、工程(a)及び工程(b)について説明する。
(工程(a))
工程(a)は、有機第1アミンと尿素とを反応させて、ウレイド基を有する化合物を含有する反応混合物を得る工程である。
有機第1アミンと尿素との反応をおこなう反応条件は,反応させる化合物によって異なるが,該有機第1アミンのアミノ基の数に対する尿素の数は、1〜100倍の範囲である。尿素の使用量が少ない場合は、上記式(41)に起因すると推定される、ウレイレン基を有する化合物等の、複雑に置換したカルボニル化合物等が生成しやすくなる。したがって、過剰量の尿素を使用することが好ましい。
また、工程(a)の反応系中に過剰量存在する尿素が、生成するウレイド基を有する化合物を安定化させる効果を有すると推定している。反応条件によっては、該ウレイド基を有する化合物を製造する過程で、ビウレット結合を有する化合物(例えば、下記式(42)の右辺の化合物)やビウレット末端を有する化合物が生成する。目的とする、ウレイド基を有する化合物を高選択率で生成させるためには、このような化合物の生成を抑制することが必要である。反応系中の尿素とこのような化合物の生成量に密接な関係があり、尿素が多いほど、このような化合物が低減される傾向にある。
このように、尿素を過剰量使用することは、ウレイド基を有する化合物を高選択率で生成させるために好ましい。しかしながら、あまりに過剰な尿素を使用すれば、反応器の大きさが大きくなって工業的な実施が困難となったり、後述する、尿素の分離、回収に支障をきたす場合がある。したがって、該有機第1アミンのアミノ基の数に対する尿素の数は、より好ましくは1.1〜10倍の範囲、さらに好ましくは、1.5〜5倍の範囲である。
また、上記したような尿素の役割を勘案して、反応をおこなう際の操作にも注意を払う必要がある。すなわち、反応系中の尿素の数が、有機第1アミンのアミノ基の数に対して常に過剰な状態(可能であれば大過剰となる状態)を維持するように、例えば、使用する尿素の全量を反応溶媒(詳細は後述する)に予め溶解して混合液とし、該混合液に有機第1アミンを添加する方法が好ましく実施される。
次に系中のアンモニア濃度について説明する。なお、ここで説明するアンモニア濃度の好適な範囲は、ウレイド基を有する化合物がある程度(例えば有機アミンに対する収率で5%以上)生成した後の、反応液中のアンモニア濃度を対象としており、反応初期については対象としていない。
N−置換カルバメートを生成する反応(例えば、上記式(40)の反応)は平衡反応であり、該平衡は大きく原系に偏っている。ところが、ウレイド基を有する化合物を生成する反応(上記式(39)の反応)は、平衡が大きく生成側に偏っている反応、もしくは、不可逆反応であり、系中のアンモニア濃度のほとんど依存しない。したがって、工程(a)の反応液中のアンモニア濃度をある程度の水準以上に保持することによって、生成するウレイド基を有する化合物と芳香族ヒドロキシ化合物との反応によるN−置換カルバメートの生成(上記式(40)の反応)を抑制し、ウレイド基を有する化合物を選択的に生成させることができ、更にアンモニアをある程度以上に保持することによって、副反応を抑制し、選択率よくウレイド基を有する化合物を得ることができる。このような効果を奏する好ましいアンモニア濃度は10ppmより高く、より好ましくは100ppmより高く、さらに好ましくは300ppmより高く、最も好ましくは1000ppmより高い濃度である。
工程(a)の反応温度は、30℃〜250℃の範囲で実施することができる。反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温では好ましくない反応(例えば、尿素の分解反応やそれに起因する複雑な副反応等)が生起して、複雑に置換した。尿素化合物やカルボニル化合物を生成する場合があるので、より好ましくは50℃〜200℃、さらに好ましくは70℃〜180℃の範囲である。反応温度を一定にするために、工程(a)をおこなう反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。
反応圧力は、使用する化合物の種類、反応系の組成、反応温度、反応装置等によって異なるが、通常、0.01kPa〜10MPa(絶対圧)の範囲で実施されることが好ましく、工業的実施の容易性を考慮すると、0.1kPa〜5MPa(絶対圧)の範囲が好ましい。
反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく通常0.001〜100時間、好ましくは0.01〜80時間、より好ましくは0.1〜50時間である。また、反応液を採取し、例えば、液体クロマトグラフィーによってウレイド基を有する化合物が所望量生成していることを確認して反応を終了することもできる。工程(a)は、ウレイド基を有する化合物を製造する工程であるが、該工程(a)において、未反応の有機第1アミンに由来するアミノ基が多く存在していると、工程(a)のあとにおこなう工程(b)において、ウレイレン基を有する化合物等を生成し、N−置換カルバメートの生成量が低下するだけでなく、反応器への付着、固化が起こる場合が多い。したがって、工程(a)では、可能な限り高い収率でウレイド基を有する化合物を生成しておき、有機第1アミンに由来するアミノ基の量を低減しておくことが好ましい。具体的には、ウレイド基を有する化合物を構成するウレイド基の数に対する、有機アミンに由来するアミノ基の数の比が、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下となるまで反応を継続することが好ましい。
本実施の形態において、必要に応じて触媒を使用することができ、例えば、スズ、鉛、銅、チタン等の有機金属化合物や無機金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属のアルコラートであって、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウムのメチラート、エチラート、ブチラート(各異性体)等の塩基性触媒等を使用することができる。
該工程(a)の反応は、反応液の粘度を低下させる、及び/又は、反応液を均一な系とする観点から、好ましくは溶媒の存在下において実施される。溶媒としては、例えば、ペンタン(各異性体)、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)などのアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素及びアルキル置換芳香族炭化水素類;
アセトニトリル、ベンゾニトリル等の二トリル化合物;
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲン又はニトロ基によって置換された芳香族化合物類;
ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;
シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;
メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテル類及びチオエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル化合物;
ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類、水、アルコールや芳香族ヒドロキシ化合物等のヒドロキシ化合物等を反応溶媒として好適に使用することができるが、生成物であるウレイド基を有する化合物の溶解性の観点から、好ましくは、水、有機ヒドロキシ化合物(アルコール、芳香族ヒドロキシ化合物)である。なお、これらの溶媒は、単独でも2種以上の混合物でも使用することができる。
有機ヒドロキシ化合物、工程(b)で使用する有機ヒドロキシ化合物と全く同じであっても、一部が同じであっても、相異なっていてもよいが、操作が容易となるため、有機ヒドロキシ化合物は、工程(b)で使用する有機ヒドロキシ化合物と同じであることが好ましい。以下に説明するが、工程(a)の反応を、芳香族ヒドロキシ化合物の存在下でおこなうか、工程(a)の反応をアルコール又は芳香族ヒドロキシ化合物存在下でおこなったのちに、芳香族ヒドロキシ化合物を加えることがさらに好ましい。
ここに示した反応溶媒は、任意の量を使用することができるが、反応溶媒としてアルコールを使用する場合は、該有機第1アミンのアミノ基に対して、化学量論比で1倍より多く100倍より少ない範囲で使用することができる。反応液の流動性を向上させ反応を効率よく進行させるためには、該有機第1アミンのアミノ基に対して過剰のアルコールを使用することが好ましいが、余りに多くのアルコールを使用すれば反応器が大きくなる等の弊害もあることから、より好ましくは、該有機第1アミンのアミノ基に対して、より好ましくは化学量論比で5倍より多く50倍より少ない範囲、更に好ましくは8倍より多く20倍より少ない範囲で使用することができる。
また、工程(a)の反応溶媒として芳香族ヒドロキシ化合物を使用する場合は、該有機第1アミンのアミノ基に対して、化学量論比で1倍より多く100倍より少ない範囲で使用することができる。反応液の流動性を向上させ反応を効率よく進行させるためには、該有機第1アミンのアミノ基に対して過剰の芳香族ヒドロキシ化合物を使用することが好ましいが、余りに多くの芳香族ヒドロキシ化合物を使用すれば反応器が大きくなる等の弊害もあることから、より好ましくは、該有機第1アミンのアミノ基に対して、より好ましくは化学量論比で2倍より多く50倍より少ない範囲、更に好ましくは3倍より多く20倍より少ない範囲で使用することができる。
上記式(17)で表されるアルコール及び上記式(18)で表される芳香族ヒドロキシ化合物で表される有機ヒドロキシ化合物の中でも、生成するウレイド基を有する化合物の溶解性を考慮すると、芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく使用される。例えば、日本国特開平6−41045号公報には、尿素とヘキサメチレンジアミンとの反応によって生成するポリヘキサメチレン−尿素がn−ブタノールに溶解しにくい旨の記述があるが、この点、芳香族ヒドロキシ化合物は、ウレイド基を有する化合物をはじめとする種々の反応生成物の溶解性に優れる場合が多い。さらに、芳香族ヒドロキシ化合物は、有機第1アミンと尿素との反応を促進するという効果をも奏する。このような効果を発現する機構については明らかではないが、一般的に、尿素は水素結合によって会合状態を取る傾向が大きいが、芳香族ヒドロキシ化合物は酸性のヒドロキシ基を有し、該ヒドロキシ基が尿素分子間の会合を抑制し、尿素の反応点(尿素のカルボニル基を構成する炭素と推定される)へのアミンの接近を容易にするためではないかと、本発明者らは推測している。
反応溶媒として芳香族ヒドロキシ化合物を使用する場合は、芳香族ヒドロキシ化合物を単独で用いてもよいし、他の溶媒と混合して使用してもよいが、芳香族ヒドロキシ化合物の使用量は上記した値の範囲とする。工程(a)をアルコールの存在下でおこなったのち、芳香族ヒドロキシ化合物を加える場合にも、上記の範囲で芳香族ヒドロキシ化合物を使用する。その際、工程(a)の反応時に使用するアルコール量も、有機第1アミンに対して上記した芳香族ヒドロキシ化合物で示した化学量論比のアルコールを使用する。工程(a)で水を使用する場合は、芳香族ヒドロキシ組成物及び/又はアルコールとともに使用することが好ましい。水のみを溶媒として使用することもできるが、工程(a)の終了後、水の除去が必要となる場合がある。また、工程(a)終了後に上記した量の芳香族ヒドロキシ化合物を加えると、水相と有機相に分離したり、芳香族ヒドロキシ化合物やウレイド基を有する化合物が固化する場合があり、工程(b)を実施する際に均一な液を送液できなかったり、移送用のポンプや配管が詰まったりする場合がある。従って、工程(a)で水のみを溶媒として使用する場合は、芳香族ヒドロキシ化合物を加える前、あるいは添加後に水を除去する。除去する量は、使用する化合物や組成にもよるが、除去後の反応液(あるいは混合液)中に、10ppm〜10wt%、好ましくは10ppm〜5%、さらに好ましくは10ppm〜2%の範囲となるまで除去する。除去する方法は公知の水を除去する方法が使用できる。例えば、減圧あるいは常圧で蒸留除去する方法、ゼオライト等の吸着剤を用いる方法、アセタール等の加水分解性化合物を添加して加水分解反応で除去する方法、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドのような水と反応する化合物で除去する方法が好ましく使用できる。さらに好ましくは蒸留による方法である。工程(a)で、芳香族ヒドロキシ組成物及び/又はアルコールと共に水を溶媒として使用する場合は、該反応中の水分量が、10ppm〜10wt%、好ましくは10ppm〜5%、さらに好ましくは10ppm〜2%の範囲で使用する。工程(a)の反応は、驚くべきことに水の存在によって反応速度が向上するということを本発明者らは見出した。従って、反応中に水が共存することは好ましい方法である。この効果の詳細は解明されていないが、有機第1アミンの求核性を高める効果を、水が発現しているのではないかと推定している。
当該反応を実施する際に使用する反応装置は、特に制限がなく、公知の反応器が使用できる。例えば、攪拌槽、加圧式攪拌槽、減圧式攪拌槽、塔型反応器、蒸留塔、充填塔、薄膜蒸留器、チューブ状反応器など、反応方法や条件に応じて、従来公知の反応器を適宜組み合わせて使用できる。また、反応はバッチ式でも連続流通式であってもよく、それぞれの反応形式に合わせて反応装置を選択すればよい。効率的に反応を実施する観点からは連続流通式が好ましく、原料溶液を内径の小さいチューブ状の流路(配管)中に流通させて反応をおこなうと効率がよい場合が多い。その場合、流路の太さや長さが重要であるが、ウレイド基を有する化合物の製造量と中空内部の容積に対する熱伝導面の面積、必要な滞留時間(反応時間)によって適宜決めることができる。一本の流路は、その前部を供給工程、後部を反応工程として共用することもできる。この場合、流路を流れる溶液が目的の温度に達することができる部分を反応工程用、それ以外の部分を供給工程用とみなすことができる。
反応器の材質にも特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。SUS304やSUS316、SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、圧力を保持する機構、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。必要に応じて工程を付加しても構わない。例えば、生成するアンモニアを除去する工程、有機第1アミンを精製する工程、尿素を芳香族ヒドロキシ化合物へ溶解する工程、芳香族ヒドロキシ化合物を溶解する工程、アルコールを分離する工程、芳香族ヒドロキシ化合物を分離及び/又は精製する工程、生成した反応液からウレイド基を有する化合物を精製する工程、副生成物等を焼却したり廃棄する工程など、当該業者、当該エンジニアが想定できる範囲の工程や装置を付加して構わない。
上記したように、当該工程(a)においてウレイド基を有する化合物を選択的に製造する観点から、反応液中にある程度のアンモニアが溶存していることが好ましいが、一方で、後述する工程(b)においては、アンモニアは除去されることが好ましい。したがって、工程(a)でウレイド基を有する化合物を製造した後の反応液を工程(b)の原料として使用する場合には、予め、該反応液よりアンモニアを分離しておくことも好ましい方法である。分離方法は特に限定されないが、例えば、減圧された容器に反応液を送ることにより気相部と液相部とを速やかに分離し、ウレイド基を有する化合物を含む液相部を回収して使用することができる。
以上の反応によって得られるウレイド基を有する化合物は、上記式(27)で表される化合物である。
工程(a)で反応溶媒を使用した場合、工程(b)をおこなう前に、工程(a)の反応液から該反応溶媒を除去してもよいし、除去せずにそのまま工程(b)をおこなってもよい。特に、工程(a)の反応溶媒として使用したヒドロキシ化合物を、工程(b)のヒドロキシ化合物の一部としてそのまま使用することは好ましくおこなわれる。
(工程(b))
工程(b)は、工程(a)で得た、ウレイド基を有する化合物と、有機ヒドロキシ化合物とを反応させて、N−置換カルバメートを製造する工程である。
工程(a)で反応溶媒として有機ヒドロキシ化合物を使用し、該有機ヒドロキシ化合物が、工程(b)の有機ヒドロキシ化合物と同じ場合は、工程(a)で得られる反応液を使用して、そのまま工程(b)をおこなうことができる。
工程(a)の反応溶媒が、工程(b)のヒドロキシ組成物と異なる場合は、工程(a)で得られる反応液に、新たに、ヒドロキシ化合物を加えて工程(b)をおこなってもよい。また、工程(a)で得られる反応液に、新たに、1種又は複数種の有機ヒドロキシ化合物を加え、つづいて、工程(a)の反応溶媒の一部又は全部を分離してから工程(b)をおこなってもよい。工程(a)の反応溶媒一部又は全部を除去したのち、新たに、有機ヒドロキシ化合物を加えてから工程(b)をおこなってもよい。ここで加えられる有機ヒドロキシ化合物は、上記式(17)で表されるアルコール、上記式(18)で表される芳香族ヒドロキシ化合物の、少なくとも1種を含む。有機ヒドロキシ化合物の中でも、上記式(25)で示した活性な芳香族ヒドロキシ化合物がより好ましく、さらに好ましくは上記式(26)で表される活性な芳香族ヒドロキシ化合物である。工程(a)で使用した反応溶媒を分離する方法は、特に制限がなく、蒸留分離、膜分離、抽出分離等の公知の方法を使用することができるが、好ましくは蒸留分離である。
工程(b)で使用する有機ヒドロキシ化合物は、上記式(18)で表される芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく、さらに好ましくは、上記式(25)、上記式(26)で表される活性な芳香族ヒドロキシ化合物である。
工程(b)における、ウレイド基を有する化合物と有機ヒドロキシ化合物との反応によってN−置換カルバメートを製造する反応条件は、反応させる化合物によっても異なるが、有機ヒドロキシ化合物の量は、該有機ヒドロキシ化合物の数が、使用するウレイド基を有する化合物のウレイド基の数に対して化学量論比で1倍〜500倍の範囲である。1倍より少ない量では複雑に置換したカルボニル化合物や分子内にカルボニル結合を有する高分子量化合物が生成しやすくなるため、大過剰の有機ヒドロキシ化合物を使用することが好ましいが、反応器の大きさを考慮すれば、好ましくは1倍〜100倍の範囲、さらに好ましくは2倍〜50倍の範囲、さらに好ましくは、3〜20倍の範囲である。
反応温度は、使用する化合物にもよるが、100℃〜350℃の範囲が好ましい。100℃より低い温度では、有機ヒドロキシ化合物と、副生するアンモニアが強く結合するために、反応が遅かったり、反応がほとんど起こらなかったり、あるいは、複雑に置換したカルボニル化合物が増加したりするため好ましくない。一方、350℃よりも高い温度では、ウレイド基を有する化合物が分解したり、有機ヒドロキシ化合物が脱水素変性したり、あるいは、生成物であるN−置換カルバメートの分解反応や変性反応等が生じやすくなるため、好ましくない。このような観点から、より好ましい温度は120℃〜320℃の範囲、さらに好ましくは140℃〜300℃の範囲である。
反応圧力は、反応系の組成、反応温度、アンモニアの除去方法、反応装置等によって異なるが、通常、0.01Pa〜10MPa(絶対圧)の範囲で実施されることが好ましく、工業的実施の容易性を考慮すると、0.1Pa〜5MPa(絶対圧)の範囲が好ましく、気体のアンモニアを系外に除去することを考慮すると、0.1Pa〜1.5MPa(絶対圧)がさらに好ましい。
該工程(b)において、N−置換カルバメートが生成する反応は、主として液相でおこなわれる場合が多い。したがって、有機ヒドロキシ化合物は、反応条件下で液相成分として存在していることが好ましい。一方で、後述するように、工程(2)において、該有機ヒドロキシ化合物と、尿素及び/又はウレイド基を有する化合物に由来するカルボニル基を有する化合物(詳細は後述する)は、気相成分として凝縮器に導入され、凝縮器で凝縮されることから、有機ヒドロキシ化合物は反応条件下で気相成分としても存在することが好ましい。したがって、該反応条件は、有機ヒドロキシ化合物の一部が液相成分として存在し、一部が気相成分として存在するように設定される。複数の有機ヒドロキシ化合物を使用する場合は、少なくとも1種の有機ヒドロキシ化合物が液相成分として存在するように反応条件を設定する。このような反応条件(反応温度、圧力)は、使用する有機ヒドロキシ化合物の性質、特に、温度と蒸気圧との相関に密接に関係していることから、使用するヒドロキシ組成物の性質(温度と蒸気圧との相関)を測定又は調査しておき、反応条件を決定するための指標とする。ちなみに、温度と物質の蒸気圧との相関は、該物質の純度、共存する化合物やその量によっても大きくことなることは当業者にとっては常識であり、反応条件を設定する際も、上記した有機ヒドロキシ化合物の性質(温度と蒸気圧との相関)のみならず、共存する化合物やその量をも勘案すべきことは明白である。
上記したように、N−置換カルバメートを生成する反応は平衡反応であり、反応が原系に偏っているため、可能な限り、副生するアンモニアを系外に除去しながら反応をおこなうことが好ましい。好ましくは、反応液中のアンモニア濃度が1000ppm以下、より好ましくは300ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下、最も好ましくは10ppm以下となるようにアンモニアを除去するする。その方法としては、反応蒸留法、不活性ガスによる方法、膜分離、吸着分離による方法などをおこなうことができる。例えば、該反応蒸留法とは、反応下で逐次生成するアンモニアを蒸留によって気体状で分離する方法である。アンモニアの蒸留効率を上げるために、溶媒又は有機ヒドロキシ化合物の沸騰下でおこなうこともできる。また、不活性ガスによる方法とは、反応下で逐次生成するアンモニアを、気体状で不活性ガスに同伴させることによって反応系から分離する方法である。不活性ガスとしては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、メタン、エタン、プロパン等を、単独であるいは混合して使用し、該不活性ガスを反応系中に導入する方法が好ましい。これらのアンモニアを系外に除去する方法は、単独で実施しても、複数種の方法を組み合わせて実施してもよい。
該反応において、例えば、反応速度を高める目的で、触媒を使用することができる。このような触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウムのメチラート、エチラート、ブチラート(各異性体)等の塩基性触媒、希土類元素、アンチモン、ビスマスの単体及びこれらの元素の酸化物、硫化物及び塩類、ホウ素単体及びホウ素化合物、周期律表の銅族、亜鉛族、アルミニウム族、炭素族、チタン族の金属及びこれらの金属酸化物及び硫化物、周期律表の炭素を除く炭素族、チタン族、バナジウム族、クロム族元素の炭化物及び窒化物が好ましく用いられる。触媒を使用する場合、その使用量は特に制限されないが、ウレイド基を有する化合物のウレイド基に対して化学量論比で0.0001〜100倍の範囲で使用することができる。
反応時間(連続反応の場合は滞留時間)は、反応系の組成、反応温度、アンモニアの除去方法、反応装置、反応圧力等によって異なるが、通常、0.01〜100時間である。反応時間は、目的化合物であるN−置換カルバメートの生成量によって決定することもできる。例えば、反応液をサンプリングして、該反応液中のN−置換カルバメートの含有量を定量し、ウレイド基を有する化合物に対して10%以上の収率で生成していることを確認したのち反応を停止してもよいし、該収率が90%以上であることを確認したのち反応を停止してもよい。該収率は、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とする。
当該反応において、必ずしも反応溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な溶媒、例えば、ペンタン(各異性体)、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)などのアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素及びアルキル置換芳香族炭化水素類;
アセトニトリル、ベンゾニトリル等の二トリル化合物;
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲン又はニトロ基によって置換された芳香族化合物類;
ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;
シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;
メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテル類及びチオエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;
酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル化合物;
ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類等を反応溶媒として好適に使用することができる。これらの溶媒は、単独でも2種類以上の混合物でも使用することができる。いうまでもなく、当該反応において過剰量使用する有機ヒドロキシ化合物も、反応溶媒として好適に使用される。
当該反応は、有機ヒドロキシ化合物、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物、及び反応で副生するアンモニアを含有する気体相と、該反応をおこなう液相を有する系で実施する。該反応の多くは液相でおこなわれるが、反応条件によっては気相においても該反応がおこる場合もある。その際に、該反応がおこなわれる反応器中の液相容量含量は50%以下が好ましい。長期間にわたって連続的に該反応を実施した場合に、運転条件(温度、圧力等)の変動により、ポリマー状の副生物を生じる場合があるが、反応器中の液相容量含量が多いと、このようなポリマー状の副生物の、反応器への付着・蓄積を回避することができる。しかしながら、余りに液相容量含量が多いと、副生するアンモニアの除去効率が悪化してN−置換カルバメートの収率を低下させる場合があることから、気相に対する液相容量含量は、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下である(該液相容量含有量とは、槽型反応器の場合は反応槽部、塔型反応器の場合はフィード段より下の段(塔底部及びリボイラー部分を含まない)、薄膜蒸留器では、薄膜蒸留器容量に対する液相容量比を表す。)。
当該反応を実施する際に使用する反応装置は、凝縮器を具備した反応器であれば、特に制限がなく、公知の反応器が使用できるが、凝縮器を具備した槽型及び/又は塔型の反応器が好ましく使用される。
上記したように、当該反応は、有機ヒドロキシ化合物、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物、及び反応で副生するアンモニアを含有する気体相と、該反応の多くがおこなわれる液相を有する系で、該反応がおこなわれる反応器中の液相容量含量は50%以下の条件で実施することが好ましく、当該反応をおこなう反応器も、当該条件に合致するものが選択される。
具体的には、攪拌槽、加圧式攪拌槽、減圧式攪拌槽、塔型反応器、蒸留塔、充填塔、薄膜蒸留器等の、従来公知の反応器を適宜組み合わせて使用できる。該反応器に具備される凝縮器の種類は特に制限がなく、公知の凝縮器が使用できる。例えば、多管円筒型凝縮器、二重管式凝縮器、単管式凝縮器、空冷式凝縮器等の従来公知の凝縮器を適宜組み合わせて使用することができる。凝縮器は、該反応器の内部に具備されていても、該反応器の外部に具備されていて、該反応器と配管で接続されていてもよく、反応器や凝縮器の形式、凝縮液の取り扱い方法等を勘案して、様々な形態を採用される。
反応器及び凝縮器の材質にも特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。SUS304やSUS316、SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。必要に応じて工程を付加しても構わない。例えば、生成するアンモニアを除去する工程、有機第1アミンを精製する工程、尿素を有機ヒドロキシ化合物へ溶解する工程、有機ヒドロキシ化合物を分離及び/又は精製する工程、生成した反応液からN−置換カルバメートを精製する工程、副生成物等を焼却したり廃棄する工程など、当該業者、当該エンジニアが想定できる範囲の工程や装置を付加して構わない。
以上の反応によって得られるN−置換カルバメートは、有機ヒドロキシ化合物としてアルコールを使用する場合は、上記式(30)で表されるN−置換カルバメートである。また、有機ヒドロキシ化合物として芳香族ヒドロキシ化合物を使用する場合は、上記式(33)で表されるN−置換カルバメートである。
(工程(c):N−無置換カルバメートの製造)
工程(a)で、又は、上記で説明した工程(A)において、尿素の代わりにN−無置換カルバメートを使用することができる。該N−無置換カルバメートは上記式(15)で表される化合物であり、下記工程(c)によって製造することができる。したがって、下記工程(c)を組み合わせて、本実施の形態のN−置換カルバメートの製造法としてもよい。
工程(c):有機ヒドロキシ化合物と尿素とを反応させてN−無置換カルバメートを製造する工程。
以下、工程(c)について説明する。
工程(c)で使用する有機ヒドロキシ化合物は、1種もしくは複数種の有機ヒドロキシ化合物であってもよい。該有機ヒドロキシ化合物としては、アルコール及び/又は芳香族ヒドロキシ化合物を使用することができる。該有機ヒドロキシ化合物は、工程(a)の有機ヒドロキシ化合物と同じでも異なっていてもよく、工程(b)の有機ヒドロキシ化合物と同じでも異なっていてもよく、工程(A)の有機ヒドロキシ化合物と同じでも異なっていてもよい。
該有機ヒドロキシ化合物がアルコールの場合は、上記式(17)で表されるアルコールが好ましく、該有機ヒドロキシ化合物が芳香族ヒドロキシ化合物の場合は、上記式(18)で表される芳香族ヒドロキシ化合物が好ましい。ここで使用する有機ヒドロキシ化合物は、工程(c)における反応溶媒としての役割と尿素と反応してN−無置換カルバメートを生成する役割とを有する。特に、芳香族ヒドロキシ化合物の場合、N−置換カルバメートの生成反応と同様に、該N−無置換カルバメートの生成反応における反応速度は芳香族ヒドロキシ化合物の構造に依存する傾向にあり、尿素との反応性を考慮すると、上記式(25)で表される芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく、さらに好ましくは、上記式(26)で表される芳香族ヒドロキシ化合物である。
工程(c)の反応条件は、公知の方法(例えば、日本国特開平5−310677号公報参照)を参考にすることができる。
工程(c)の反応で使用する尿素と有機ヒドロキシ化合物の量比は、使用する化合物によって異なるが、好ましくは、尿素に対する有機ヒドロキシ化合物の量を、化学量論比で5以上とする。尿素に対する有機ヒドロキシ化合物の量が、化学量論比で5よりも少ない場合には、N−無置換カルバメートの収率が悪化したり、反応に長時間を要する場合が多くなる。尿素に対する有機ヒドロキシ化合物の量に上限はないが、余りに過剰の有機ヒドロキシ化合物を使用するとN−無置換カルバメートの製造効率の低下につながるため、通常は、上記化学量論比で100以下とする。
有機ヒドロキシ化合物と尿素との反応は、平衡が原系に偏っているため、反応によって副生するアンモニアは、系外に除去することが好ましい。好ましい実施態様の一つとして反応蒸留による方法が挙げられる。アンモニアの除去効率を上げるために、有機ヒドロキシ化合物の沸騰下で反応をおこなうこともできる。同様の目的で、使用する有機ヒドロキシ化合物よりも標準沸点の低い溶媒を使用して、溶媒の沸点下に実施することも可能である。沸騰した有機ヒドロキシ化合物又は溶媒は、蒸留等の公知の方法でアンモニアと分離され、アンモニアを系外に除去する。このような溶媒の例として、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が例示できる。
反応系に副生したアンモニアを除去する好ましい態様として、不活性ガスを用いる方法も挙げられる。すなわち、反応下に逐次生成してくるアンモニアを、気体状で不活性ガスに同伴させることにより、反応系から分離する方法である。このような不活性ガスの例として、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、メタン、エタン、プロパン等が挙げられる。
反応系に副生したアンモニアを除去する好ましい実施態様のその他の例として、アンモニアを吸着剤に吸着させて分離する方法がある。用いられる吸着剤としては、使用する温度、条件においてアンモニアの吸着能力を有するものであればよく、シリカ、アルミナ、ゼオライト、珪藻土等が挙げられる。
工程(c)の反応温度は、好ましくは120℃〜250℃の範囲、より好ましくは130℃〜240℃の範囲である。上記範囲よりも低い温度では、反応速度が遅く、高い収率を得るために長時間を要するため、工業的に実施するには適さない。一方、上記範囲よりも高い温度では、副反応によって収率が低下する場合が多く、好ましくない。
反応圧力は、反応系の組成、反応温度、アンモニアの除去方法、反応装置等の条件によっても異なるが、通常、0.01kPa〜5MPa(絶対圧力)の範囲でおこなわれる。
当該反応を実施する際に使用する反応装置は、特に制限がなく、公知の反応器が使用できる。例えば、攪拌槽、加圧式攪拌槽、減圧式攪拌槽、塔型反応器、蒸留塔、充填塔、薄膜蒸留器など、従来公知の反応器を適宜組み合わせて使用できる。反応器の材質にも特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。SUS304やSUS316、SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。必要に応じて工程を付加しても構わない。例えば、生成するアンモニアを除去する工程、尿素を芳香族ヒドロキシ化合物へ溶解する工程、芳香族ヒドロキシ化合物を溶解する工程、アルコールを分離する工程、芳香族ヒドロキシ化合物を分離及び/又は精製する工程、副生成物等を焼却したり廃棄する工程など、当該業者、当該エンジニアが想定できる範囲の工程や装置を付加して構わない。さらに、蒸留塔や部分凝縮器等を設けてアンモニアと有機ヒドロキシ化合物や溶媒とを分離し、有機ヒドロキシ化合物や溶媒を反応系に戻すような装置も好ましく使用される。
工程(c)の反応では、触媒を用いることは必須ではないが、反応温度を低下させたり、反応速度を高める目的で、触媒を用いることもできる。このような触媒としては、希土類元素、アンチモン、ビスマスの単体、及び、これらの元素の酸化物、硫化物及び塩化物;ホウ素単体及びホウ素化合物;周期律表の銅族、亜鉛族、アルミニウム族、炭素族、チタン族の金属、及び、これらの金属の酸化物及び硫化物;周期律表の炭素を除く炭素族、チタン族、バナジウム族、クロム族元素の炭化物及び窒化物等が好ましく用いられる。触媒を使用する場合、これらの触媒と尿素の量比はいくらでもとり得るが、尿素に対して重量比で通常0.0001〜0.1倍の触媒が用いられる。
該工程(c)の反応において、反応液の粘度を低下させる、及び/又は、反応液を均一な系とする目的で反応溶媒を使用してもよい。溶媒としては、例えば、ペンタン(各異性体)、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)などのアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素及びアルキル置換芳香族炭化水素類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等の二トリル化合物;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲン又はニトロ基によって置換された芳香族化合物類;ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテル類及びチオエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル化合物;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類等を反応溶媒として好適に使用することができる。いうまでもなく、工程(c)で使用される過剰の有機ヒドロキシ化合物も反応溶媒として好適に使用される。
このようにして製造される、N−無置換カルバメートを含む工程(c)の反応液は、そのまま、工程(a)の反応や、工程(A)の反応に使用することができるし、N−無置換カルバメートを分離して該N−無置換カルバメートを、工程(a)の反応や、工程(A)の反応に使用することもできる。また、工程(c)の反応液に、工程(a)で使用する反応溶媒等を添加したのち、工程(c)の反応液から、工程(c)で使用した反応溶媒、余剰の又は未反応の有機ヒドロキシ化合物、余剰の又は未反応の尿素等の、一部又は全部を抜き出して、工程(a)に使用してもよい。該N−無置換カルバメート、反応溶媒、有機ヒドロキシ化合物、尿素等の分離は、蒸留分離、晶析、膜分離等の公知の方法を用いることができる。
(活性な芳香族ヒドロキシ化合物と低活性な芳香族ヒドロキシ化合物を含む芳香族ヒドロキシ組成物を使用するN−置換カルバメートの製造方法)
有機ヒドロキシ化合物として、活性な芳香族ヒドロキシ化合物と低活性な芳香族ヒドロキシ化合物とを含む芳香族ヒドロキシ組成物を使用するN−置換カルバメートの製造方法について説明する。当該方法は、上述の工程(A)、工程(b)に好ましく適用される。
後述の工程(2)のように、本実施の形態の芳香族ヒドロキシ化合物を原料とするN−置換カルバメートの製造方法では、炭酸誘導体に由来するカルボニル基を有する化合物を均一の溶液として回収するために、芳香族ヒドロキシ化合物と、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物とを含有する気体を凝縮器で凝縮する。そのため、芳香族ヒドロキシ組成物は、反応条件において、ある程度気化しやすい芳香族ヒドロキシ化合物を含有していることが好ましい。一方、有機第1アミンと尿素と芳香族ヒドロキシ化合物は、主として液相で反応してN−置換カルバメートを生成するため、該芳香族ヒドロキシ化合物は反応条件において、液体として存在することが好ましい。したがって、該芳香族ヒドロキシ化合物は、上述したように、当該反応条件下で液相成分としても気相成分としても存在することが好ましいが、標準沸点の異なる複数種の芳香族ヒドロキシ化合物を含有している芳香族ヒドロキシ組成物を使用し、気相において主成分をなす芳香族ヒドロキシ化合物と液相において主成分をなす芳香族ヒドロキシ化合物を別種とすることもできる。
その場合、標準沸点の異なる複数種の芳香族ヒドロキシ化合物のいずれもが、有機第1アミンと尿素と反応してN−置換カルバメートを生成すると、該N−置換カルバメートの熱分解によってイソシアネートを製造する際に、イソシアネートとともに複数種の芳香族ヒドロキシ化合物を生成し、該芳香族ヒドロキシ化合物の分離が複雑になる場合が多い。そこで、活性な芳香族ヒドロキシ化合物と低活性な芳香族ヒドロキシ化合物を組み合わせて使用し、活性な芳香族ヒドロキシ化合物に由来するエステル基を有するN−置換カルバメートを高選択率で製造する方法が好ましく実施される。さらに、該活性な芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点が、該芳香族ヒドロキシ組成物の中で、最も高くなるように芳香族ヒドロキシ化合物を選択すると、主としてN−置換カルバメートの生成反応がおこる液相において、該活性な芳香族ヒドロキシ化合物の濃度が高くなり、より高選択率で、該活性な芳香族ヒドロキシ化合物に由来するN−置換カルバメートを生成させることができる。該活性な芳香族ヒドロキシ化合物よりも標準沸点が低い低活性な芳香族ヒドロキシ化合物は、好ましくは、工程(2)で気相成分として凝縮器に導入され、炭酸誘導体に由来するカルボニル基を有する化合物とともに該凝縮器で凝縮される。このように、標準沸点の異なる芳香族ヒドロキシ化合物を組み合わせる場合、主として液相に存在する芳香族ヒドロキシ化合物と、主として、気相成分として、炭酸誘導体に由来するカルボニル基を有する化合物とともに凝縮器で凝縮される芳香族ヒドロキシ化合物との標準沸点の差は、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上である。特に、活性な芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点が、低活性な芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点よりも、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上高くなるように芳香族ヒドロキシ化合物を組み合わせると効果的である。
このように複数種の芳香族ヒドロキシ化合物を含む芳香族ヒドロキシ組成物を使用する場合、該芳香族ヒドロキシ組成物中の、低活性な芳香族ヒドロキシ化合物に対する活性な芳香族ヒドロキシ化合物の量は、化学量論比で好ましくは0.01倍〜100倍、より好ましくは、0.05〜20倍、さらに好ましくは0.1倍〜10倍である。
(工程(d):ウレイレン基を有する化合物と炭酸誘導体とを反応させる工程)
本実施の形態のN−置換カルバメートの製造方法において、工程(1)に加えて、下記工程(d)をおこなうことができる。
工程(d):ウレイレン基及び/又はビウレット結合を有する化合物と炭酸誘導体とを反応させる工程。
上述したように、N−置換カルバメートの製造において、例えば、式(41)、(42)で表される反応が生起する場合がある。上述したように、これらの化合物は、例えば、上記式(43)、(44)で表される反応によってN−置換カルバメートへと変換されるが、N−置換カルバメートの製造における反応条件によっては、上記式(41)、(42)で表される反応によってポリマー状の化合物を生成して反応液からの析出や、さらには、反応器への付着をもたらす場合がある。工程(d)は、このような反応で生成するウレイレン基を有する化合物(例えば、上記式(41)の右辺の化合物)やビウレット基を有する化合物(例えば、式(42)の右辺の化合物)を炭酸誘導体(上記式(13)で表される化合物)と反応させてN−置換カルバメートを得る工程である。好ましくは、ウレイレン基及び/又はビウレット基の熱解離温度以上の加熱下で、カルボニル基(−C(=O)−)を有する炭酸誘導体と反応させてカルボニル化合物を得る。
該工程(d)は、有機ヒドロキシ化合物の共存下でおこなうことが好ましい。有機ヒドロキシ化合物としては、上記式(17)で表されるアルコールであっても、上記式(18)で表される芳香族ヒドロキシ化合物であってもよい。
ウレイレン基を有する化合物を例に工程(d)の反応を説明する。
Figure 0006207707
工程(d)では、上記式(46)で表されるウレイレン基を有する化合物を、該化合物のウレイレン基の熱解離温度以上の加熱下で炭酸誘導体と反応させる。当該反応についての反応機構は明らかではないが、本発明者らは、次のように推定している。なお、本明細書では、反応の記述を簡単にするため、ウレイレン基部分の反応式のみを表し記載する。
まず、上記式(46)で表されるウレイレン基を有する化合物を、該化合物のウレイレン基の熱解離温度以上に加熱することによって、上記式(46)で表されるウレイレン基が熱解離反応を生起し、イソシアネート基(−NCO基)を有する化合物とアミノ基(−NH基)を有する化合物とに解離する(下記式(47))。
Figure 0006207707
該アミノ基(−NH基)を有する化合物は、カルボニル基(−C(=O)−)を有する炭酸誘導体と反応し、下記式(48)で表される基を含むカルボニル化合物が得られる。
Figure 0006207707

(式中、
Zは、炭酸誘導体のカルボニル基(−C(=O)−)の炭素原子に結合している基を表す。)
一方、該イソシアネート基(−NCO基)を有する化合物は、上述したアミノ基(−NH基)を有する化合物と炭酸誘導体との反応で生成した炭酸誘導体由来の化合物と反応し、上記式(48)で表される基を含むカルボニル化合物が得られる。
また、該工程(d)における反応が有機ヒドロキシ化合物の共存下でおこなわれる場合、該イソシアネート基(−NCO基)を有する化合物は、有機ヒドロキシ化合物と反応し、下記式(49)で表される基を含むカルボニル化合物が得られる。
Figure 0006207707

(式中、
Z’は、有機ヒドロキシ化合物の1つのヒドロキシ基(−OH)の水素原子を除いた残基を表す。)
以下、当該反応の具体的な反応機構について説明する。
炭酸誘導体が、例えば、上記式(16)で表される炭酸エステルである場合、該炭酸エステルとアミノ基を有する化合物とは下記式(50)で表される反応によって上記式(48)に相当するカルボニル化合物を生成する。
Figure 0006207707

(式中、
11、R12は上記式(16)で定義した基を表す。)
一方、イソシアネート基(−NCO基)を有する化合物は、上記式(52)の反応によって生成するヒドロキシ化合物(上記式(50)の右辺第2項のR12OH)、及び/又は、該反応が有機ヒドロキシ化合物の共存下でおこなわれる場合は該有機ヒドロキシ化合物、と下記式(51)で表される反応によって上記式(48)及び/又は上記式(49)に相当するカルボニル化合物を生成する。
Figure 0006207707

(式中、
ROHは、上記式(52)の反応によって生成するヒドロキシ化合物(R12OH)、及び/又は、該反応が有機ヒドロキシ化合物の共存下でおこなわれる場合は該有機ヒドロキシ化合物を表す。)
また、炭酸誘導体が、例えば、上記式(15)で表されるN−無置換カルバメートである場合、該N−無置換カルバメートとアミノ基を有する化合物とは下記式(52)及び/又は下記式(53)で表される反応によって上記式(48)に相当するカルボニル化合物を生成する。
Figure 0006207707
Figure 0006207707
一方、イソシアネート基(−NCO基)を有する化合物は、上記式(52)の反応によって生成するアンモニア(NH)、及び/又は、上記式(53)の反応によって生成する有機ヒドロキシ化合物(R10OH)、及び/又は、該反応が有機ヒドロキシ化合物の共存下でおこなわれる場合は該有機ヒドロキシ化合物、と反応し上記式(48)及び/又は上記式(49)に相当するカルボニル化合物を生成する(下記式(54)、(55))。
Figure 0006207707
Figure 0006207707

(式中;
ROHは、上記式(53)の反応によって生成する有機ヒドロキシ化合物(R10OH)、及び/又は、該反応が有機ヒドロキシ化合物の共存下でおこなわれる場合は該有機ヒドロキシ化合物を表す。)
また、炭酸誘導体が尿素である場合には、下記式(56)で表される反応によって上記式(48)に相当するカルボニル化合物を生成する。
Figure 0006207707
また、炭酸誘導体がホスゲンである場合、下記式(57)で表される反応によって上記式(48)に相当するカルボニル化合物を生成する。
Figure 0006207707
一方、イソシアネート基(−NCO基)を有する化合物は、上記式(57)の反応によって生成する塩化水素(HCl)、及び/又は、該反応がヒドロキシ化合物の共存下でおこなわれる場合は該ヒドロキシ化合物、と反応し上記式(48)及び/又は上記式(49)に相当するカルボニル化合物を生成する(下記式(58)、(59))。
Figure 0006207707
Figure 0006207707

(式中;
ROHは、該反応がヒドロキシ化合物の共存下でおこなわれる場合の、該ヒドロキシ化合物を表す。)
上記したように、本実施の形態のカルボニル化合物の製造方法は、ウレイレン基を有する化合物1つから、上記式(48)で表されるカルボニル基を有する化合物を2種類(反応物によっては1種類)製造すると考えられる。本実施の形態の製造方法によれば、該ウレイレン基を有する化合物を熱解離温度以上に加熱することによってウレイレン基の熱解離反応を生起してアミノ基を有する化合物を生成させ、該アミノ基を有する化合物に炭酸誘導体を反応させてカルボニル基を有する化合物を得ることができると考えられる。
また、上記した炭酸誘導体とウレイレン基を有する化合物との反応において、炭酸誘導体や溶媒として使用する有機ヒドロキシ化合物を適切に選択することによって、N−置換カルバメートを製造することもできる。
本実施の形態でいう、「ウレイレン基の熱解離温度」とは、上記式(46)で表されるウレイレン基を有する化合物の熱解離が進行する温度を指す。通常、試料の温度を一定のプログラムによって変化又は保持させながら、試料の重量を温度の関数として測定する方法において、当該化合物の重量減少の起こる温度として観測することができる。窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスの気流下で、毎分10℃の昇温速度で加熱し、仕込みの重量に対して、3%、より明確とするためには好ましくは5%の重量減少が起こる温度を、熱解離温度とする。
この場合、用いる化合物の種類によっては、上記した「重量減少」が、上記式(46)で表される化合物を構成するウレイレン基(−NHCONH−)の熱解離に起因する重量減少である場合のみならず、該化合物を構成するウレイレン基以外の官能基の熱解離に起因する重量減少である場合もあるが、本実施の形態の趣旨を勘案すると、ウレイレン基の熱解離に起因する重量減少を採用する方が好ましい。この場合、ウレイレン基、該化合物を構成するウレイレン基以外の官能基の、どちらの熱解離が生じているかを判別する方法としては、例えば、熱重量測定装置からの排出ガスを質量分析装置に導入して該排出ガスに含有される成分を分析する方法を用いることができる。また、用いる化合物の種類によっては、該ウレイレン基の熱解離が生じたとしても、熱解離生成物の分子量が大きいために(多くの場合、熱解離生成物の沸点が高いために)、熱解離反応が重量減少として観測されない場合もある。このような場合には、示差熱分析、示差走査熱量分析等の方法により、当該熱解離反応に伴う吸熱が観測される温度を以って、熱解離温度とすることもできる。より高い正確さを確保するために、示差熱分析や示差走査熱量分析と、熱重量測定装置とを組み合わせる方法を用いることができる。また、加熱時の、該尿素結合の熱解離反応を、(近)赤外分光光度計、ラマン分光光度計等により観測して該尿素結合を定量し、仕込みの量に対して、3%、より明確とするためには好ましくは5%の減少が起こる温度を、熱解離温度とすることもできる。
上記式(46)で表されるウレイレン基を有する化合物と炭酸誘導体との反応は、上記式(46)で表されるウレイレン基を有する化合物のウレイレン基の熱解離温度以上に加熱した状態でおこなう。「熱解離温度」は上記のとおり定義した温度であり、好ましくは、100℃以上350℃以下である。低い温度では熱解離反応速度が小さく反応の効率が悪い一方で、あまりに高温では、熱解離反応によって生成するイソシアネート基やアミノ基の変性反応を生起することになるため、より好ましくは、120℃以上330℃以下、さらに好ましくは、140℃以上300℃以下で実施される。
使用される炭酸誘導体の量は、該炭酸誘導体の種類や反応条件にもよるが、該ウレイレン基を有する化合物のウレイレン基の数に対して炭酸誘導体の数が5以下であることが好ましい場合が多い。反応速度を高め反応の効率を良好なものとするためには炭酸誘導体の量は多い方が好ましいが、あまりに過剰の炭酸誘導体を使用すれば、N−アルキル化等の副反応を生起する場合がある。したがって、該ウレイレン基を有する化合物のウレイレン基の数に対して炭酸誘導体の数は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下とする。
該ウレイレン基を有する化合物と炭酸誘導体との反応は、好ましくは、溶媒の存在下にておこなわれる。溶媒としては、該ウレイレン基を有する化合物及び該炭酸誘導体を溶解し、該反応温度にて安定な化合物であれば特に制限はなく、<工程(1)>の項目で述べたものと同様のものや、<有機ヒドロキシ化合物>の項目で述べたアルコールや芳香族ヒドロキシ化合物を使用することができる。特に、芳香族ヒドロキシ化合物は、該ウレイレン基を有する化合物の溶解性が高い点、該ウレイレン基の熱解離反応によって生成するアミノ基を有する化合物を安定化させる効果が高い点から好ましく使用される。
当該工程(d)は、上記した工程(1)で、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物とからN−置換カルバメートを製造したのちに、該工程(1)で得られる反応液に含まれる(工程(1)で副生する)ウレイレン基を有する化合物を用いて実施してもよいし、後述するように、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物の反応によってN−置換カルバメートを製造すると同時に実施して、副生するウレイレン基を有する化合物と炭酸誘導体との反応によってN−置換カルバメートを製造してもよい。このような場合には、有機第1アミンと尿素との反応において使用される溶媒や過剰に使用される有機ヒドロキシ化合物を溶媒として使用することもできる。
当該反応は、加圧、常圧、減圧のいずれの条件によって実施されてもよい。また、当該反応は、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性ガス雰囲気下で実施されることが好ましい。
反応装置は、攪拌槽、加圧式攪拌槽、減圧式攪拌槽、塔型反応器、蒸留塔、充填塔、薄膜蒸留器など、従来公知の反応器を適宜組み合わせて使用できる。反応温度を一定にするために、公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、材質については特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。
本実施の形態のカルボニル化合物の製造方法は、反応の効率を高める観点から、該工程(d)を蒸留塔にておこなうことが好ましい。
蒸留塔の形式としては、充填塔であっても棚段塔であってもよく、反応形式や反応条件に応じて選択することができる。
また、本実施の形態のカルボニル化合物の製造方法は、該工程(d)を、後述する供給口A、供給口B及び抜き出し口Cを具備する蒸留塔を用いて行うことが好ましい。
蒸留塔は、本体である塔部分に加えて、蒸留する原料等を余熱して気化させるリボイラーや留出物を冷却して凝縮させて回収する凝縮器を具備していることが好ましく、凝縮器を具備していることがより好ましい。蒸留塔に具備される凝縮器の種類は特に制限がなく、公知の凝縮器が使用できる。例えば、多管円筒型凝縮器、二重管式凝縮器、単管式凝縮器、空冷式凝縮器等の従来公知の凝縮器を適宜組み合わせて使用することができる。凝縮器は、該蒸留塔の内部に具備されていても、該蒸留塔の外部に具備されていて、該蒸留塔と配管で接続されていてもよく、蒸留塔や凝縮器の形式、凝縮液の取り扱い方法等を勘案して、様々な形態を採用される。
蒸留塔及び凝縮器の材質にも特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。SUS304やSUS316、SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。本実施の形態のカルボニル化合物の製造方法は、必要に応じて工程を付加しても構わない。例えば、生成するアンモニアを除去する工程、炭酸誘導体を有機ヒドロキシ化合物へ溶解する工程、有機ヒドロキシ化合物を溶融する工程など、当該分野において想定できる範囲の工程や装置を付加して構わない。
本実施の形態の方法において、上記式(50)、(52)、(53)で表されるように、反応系内において低沸点成分となり得る化合物(アンモニア、有機ヒドロキシ化合物)が生成する場合が多く、反応を有利に進めるために、これらの低沸点成分を除去しながら反応をおこなうことも好ましい方法である。したがって、蒸留塔(反応蒸留塔とも記載する)を用いて工程(d)をおこなう方法が好ましく採用される。
以下、反応蒸留塔を用いて、ウレイレン基を有する化合物からカルボニル化合物を製造する方法の例を示す。
本実施の形態において、好ましく使用される反応蒸留塔は、供給口A、供給口B及び抜き出し口Cを具備する蒸留塔である。
ここで、供給口Aは、ウレイレン基を有する化合物を含有する原料成分、及び/又は、ウレイレン基を有する化合物を製造するための原料(ウレイレン基を有する化合物の前駆体)を含有する原料成分を供給するための供給口であることが好ましい。該ウレイレン基を有する化合物の前駆体である、有機第1アミン及び尿素であることも好ましく、上記式(27)で表されるウレイド基を有する化合物であることも好ましい。
該供給口Aより供給する原料成分は、さらに有機ヒドロキシ化合物を含有することが好ましい。
該供給口Bは、該尿素結合を有する化合物と反応させるための炭酸誘導体を供給するための供給口であることが好ましい。該供給口Bより、さらにヒドロキシ化合物を、該蒸留塔に供給することが好ましい。
該抜き出し口Cは、該尿素結合を有する化合物を、該尿素結合の熱解離温度以上の加熱下で、炭酸誘導体と反応させることによって生成するカルボニル化合物を含む混合物を抜き出すための抜き出し口であることが好ましい。
本実施の形態の工程(d)は、該供給口Aより供給する原料成分が、下記組み合わせ(i)〜(iii)であり、該抜き出し口Cより回収する混合物が、N−置換カルバメート及び有機ヒドロキシ化合物を含むことが好ましい。
・組み合わせ(i):有機第1アミン、尿素及び有機ヒドロキシ化合物、
・組み合わせ(ii):有機ヒドロキシ化合物及びウレイド基を有する化合物、
・組み合わせ(iii):ウレイレン基を有する化合物を含有する工程(1)の反応液。
上記組み合わせ(i)の原料成分は、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物との混合物として1つの供給口Aから供給してもよいし、有機第1アミンと有機ヒドロキシ化合物との混合物と、尿素と有機ヒドロキシ化合物との混合物の2種類の混合物としておき、2つ以上の供給口Aから供給してもよい。
上記組み合わせ(i)の原料成分を供給口Aより蒸留塔に供給した場合、供給口Bより供給する炭酸誘導体は、上記した、尿素、炭酸エステル、N−無置換カルバメート、ホスゲンのいずれを用いてもよいが、好ましくは、尿素、炭酸エステル、N−無置換カルバメートから選ばれる少なくとも1つの化合物、工業的に実施する際の入手のしやすさや、工程(2)の凝縮器で回収した後の再利用のしやすさを考慮すると、上記組み合わせ(i)の原料成分に含まれる尿素と同じ尿素が好ましい。また、該炭酸誘導体は好ましくは有機ヒドロキシ化合物との混合物として供給口Bより供給する。その際に使用する有機ヒドロキシ化合物は、工程(2)の凝縮器で回収した後の再利用のしやすさを考慮すると、上記組み合わせ(i)の原料成分に含まれる有機ヒドロキシ化合物と同種の有機ヒドロキシ化合物であることが好ましい。
上記組み合わせ(ii)の原料成分のうち、ウレイド基を有する化合物は、より好ましくは、上述した工程(a)、又は、工程(a)及び工程(c)を含む工程によって製造されるウレイド基を有する化合物である。上でも説明したが、上記工程(a)において、ウレイレン基を有する化合物が生成する場合もあるが、該ウレイレン基を有する化合物が原料成分に含まれることは何ら問題ない。
上記組み合わせ(ii)の原料成分を供給口Aより蒸留塔に供給した場合、供給口Bより供給する炭酸誘導体は、上記した、尿素、炭酸エステル、N−無置換カルバメート、ホスゲンのいずれを用いてもよいが、好ましくは、尿素、炭酸エステル、N−無置換カルバミン酸エステルから選ばれる少なくとも1つの化合物、工業的に実施する際の入手のしやすさや、該蒸留塔に具備する凝縮器で回収した後の再利用のしやすさを考慮すると、上記組み合わせ(i)の原料成分に含まれる尿素と同じ尿素が好ましい。また、該炭酸誘導体は好ましくは有機ヒドロキシ化合物との混合物として供給口Bより供給する。その際に使用する有機ヒドロキシ化合物は、工程(2)の凝縮器で回収した後の再利用のしやすさを考慮すると、上記組み合わせ(i)の原料成分に含まれる有機ヒドロキシ化合物と同種の有機ヒドロキシ化合物であることが好ましい。
上記組み合わせ(iii)の原料成分である、ウレイレン基を有する化合物を含有する工程(1)の反応液を供給口Aより蒸留塔に供給した場合、供給口Bより供給する炭酸誘導体は、上記した、尿素、炭酸エステル、N−無置換カルバメート、ホスゲンのいずれを用いてもよいが、好ましくは、尿素、炭酸エステル、N−無置換カルバミン酸エステルから選ばれる少なくとも1つの化合物、工業的に実施する際の入手のしやすさや、該蒸留塔に具備する凝縮器で回収した後の再利用のしやすさを考慮すると、上記組み合わせ(i)の原料成分に含まれる尿素と同じ尿素が好ましい。また、該炭酸誘導体は好ましくは有機ヒドロキシ化合物との混合物として供給口Bより供給する。その際に使用する有機ヒドロキシ化合物は、工程(2)の凝縮器で回収した後の再利用のしやすさを考慮すると、上記組み合わせ(i)の原料成分に含まれる有機ヒドロキシ化合物と同種の有機ヒドロキシ化合物であることが好ましい。
ウレイレン基を有する化合物を含有する混合物を供給口Aより供給する場合(すなわち、工程(1)の後に工程(d)を実施する場合)について説明する。
供給口Aより蒸留塔に供給されるウレイレン基を有する化合物は、好ましくは溶媒との混合物として供給される。ウレイレン基を有する化合物を溶融し、液体の状態で供給口Aより供給する方法を採用することもできる。しかしながら、多くの場合、ウレイレン基を有する化合物は融点が高く、そのような場合には、ウレイレン基を有する化合物を溶融するために、高温に保持する必要がある。このように高温でウレイレン基を有する化合物を保持する場合、予期しない副反応を生起する場合がある。そのため、ウレイレン基を有する化合物は、溶媒との混合物として供給することが好ましい。使用する溶媒としては特に制限はなく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、ジブチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類;
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲンもしくはニトロ基によって置換された芳香族化合物類;
ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン等の多環炭化水素化合物類;
シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサノール、シクロペンタノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール類;
メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;
ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;
ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテル類及びチオエーテル類;
ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類等を挙げることができ、用いる化合物(ウレイレン基を有する化合物や炭酸誘導体等)や反応条件に応じて使用することができる。
また、該ウレイレン基を有する化合物の溶媒として、上記した有機ヒドロキシ化合物(アルコール、芳香族ヒドロキシ化合物)が、より好ましく使用される。これらの化合物は、驚くべきことに、ウレイレン基を有する化合物のウレイレン基を適度に安定化させる効果を奏する。この効果の発現は、芳香族ヒドロキシ化合物においてより強まる傾向にある場合が多い。このような効果を奏する理由は明らかではないが、本発明者らは、水素結合によって、有機ヒドロキシ化合物が該尿素結合の近傍に配位することによって、ウレイレン基を有する化合物どうしの接近を抑制し、ウレイレン基を有する化合物同士による副反応を抑制するためではないかと推測している。
溶媒の使用量は、用いる化合物や反応条件によっても異なるが、使用する化合物の溶解性を考慮すると、ウレイレン基を有する化合物のウレイレン基の数に対して、化学量論比で、1倍以上、より好ましくは5倍以上である。一方で、反応器の大きさを考慮すると、化学量論比で、500倍以下、より好ましくは300倍以下である。
供給口Bより蒸留塔に供給される炭酸誘導体は、好ましくは溶媒との混合物として供給される。炭酸誘導体を溶融し、液体の状態で供給口Bより供給する方法を採用することもできるが、多くの場合、炭酸誘導体は融点が高く、また、融点付近で熱分解反応を生起する傾向があることから、炭酸誘導体を溶融するために高温に保持した時に熱分解反応によって炭酸誘導体が消失する場合がある。したがって、適当な溶媒を使用して炭酸誘導体を溶液として反応蒸留塔に供給することが好ましい。使用する溶媒としては特に制限はなく、上記した、供給口Aより尿素結合を有する化合物を供給する際に使用される溶媒として例示したものを同様に使用することができるが、中でも、有機ヒドロキシ化合物が好ましく使用される。有機ヒドロキシ化合物は、炭酸誘導体の溶解度が高い場合が多いだけでなく、驚くべきことに、炭酸誘導体を適度に安定化させる効果を奏する。この効果の発現は、芳香族ヒドロキシ化合物においてより強まる傾向にある場合が多い。このような効果を奏する理由は明らかではないが、本発明者らは、水素結合によって、有機ヒドロキシ化合物が炭酸誘導体のカルボニル基の近傍に配位することによって、炭酸誘導体どうしの接近を抑制し、炭酸誘導体どうしによる副反応を抑制するためではないかと推測している。溶媒の使用量は、用いる化合物や反応条件によっても異なるが、炭酸誘導体に対して、化学両論比で、1倍以上、より好ましくは2倍以上である。
該蒸留塔において、炭酸誘導体が供給される供給口Bが具備される高さ(棚段塔では同じ段、充填塔では同じ理論段)の温度は、好ましくは、上記式(46)で表されるウレイレン基の熱解離温度以上とし、より好ましくは、上記式(46)で表されるウレイレン基の熱解離温度よりも5℃以上高い温度、さらに好ましくは、上記式(1)で表される化合物のウレイレン基の熱解離温度よりも10℃以上高い温度とする。供給口Bが具備される高さ、すなわち、炭酸誘導体が供給される高さの温度を、該ウレイレン基の熱解離温度よりも高い温度とすることによって、上記したように、ウレイレン基を有する化合物のウレイレン基を熱解離させ、生成するアミノ基を有する化合物と炭酸誘導体とを反応させることができると推定される。本反応は、上記したように、ウレイレン基が熱解離している系に炭酸誘導体を共存させることが重要であり、反応蒸留塔において供給口Bが具備される高さの温度を、ウレイレン基の熱解離温度より高い温度としておき、供給口Bより炭酸誘導体を供給する方法は、このような条件を満足させるための方法の一つである。
蒸留塔における反応圧力は、反応系の組成、温度、アンモニアの除去方法、反応装置等によって異なり、減圧、常圧、加圧でとすることができるが、通常、0.01kPa〜10MPa(絶対圧)の範囲であることが好ましい。工業的実施の容易性を考慮すると、減圧、常圧が好ましく、0.01kPa〜100kPa(絶対圧)、より好ましくは、0.03kPa〜80kPa、さらに好ましくは0.05kPa〜50kPaの範囲が好ましい。
蒸留塔における反応において、例えば、反応速度を高める目的で、触媒を使用することができる。このような触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウムのメチラート、エチラート、ブチラート等の塩基性触媒;希土類元素、アンチモン、ビスマスの単体及びこれらの元素の酸化物、硫化物及び塩類、ホウ素単体及びホウ素化合物、周期律表の銅族、亜鉛族、アルミニウム族、炭素族、チタン族の金属及びこれらの金属酸化物及び硫化物、周期律表の炭素を除く炭素族、チタン族、バナジウム族、クロム族元素の炭化物及び窒化物が好ましく用いられる。触媒を添加すれば、該触媒を除去する必要が生じる場合が多いので、好ましくは触媒を添加せずおこなう。触媒を使用した場合、反応後に触媒は除去してもよい。除去する方法は、公知の方法を用いることができ、膜分離、蒸留分離、晶析等の方法が好ましく使用できる。
蒸留塔における反応時間(連続反応の場合は滞留時間)は、反応系の組成、反応温度、反応装置、反応圧力等によって異なるが、通常、0.01〜100時間である。反応時間は、目的化合物であるN−置換カルバメートの生成量によって決定することもできる。例えば、反応液をサンプリングして、目的とするN−置換カルバメートが所望の収率、例えば90%以上であることを確認したのち反応を停止してもよい。また、1ヶ所の供給口Bより炭酸誘導体を供給して反応させただけでは、目的化合物の収率が十分な水準にまで達しない場合には、該反応蒸留塔の複数箇所に供給口Bを設け、尿素結合を有する化合物の尿素結合の熱解離反応及び生成するアミノ基と炭酸誘導体との反応を、該反応蒸留塔の複数箇所で生起させる方法を採用してもよい。
上記式(52)、(56)で示したように、炭酸誘導体として、N−無置換カルバメート及び/又は尿素を使用する場合、アンモニアが生成する。該アンモニアは、目的化合物と反応して目的化合物の収率を低下させる場合が多いことから、極力、反応蒸留塔内に滞留しないよう、速やかに系外に除去することが好ましい。上述のとおり、好ましい圧力の範囲を示したが、このような観点からも、減圧、常圧が好ましい。
アンモニアの蒸留効率を上げるために、溶媒の沸騰下で該反応をおこなうことが好ましいが、不活性ガスを該反応蒸留塔に導入し、反応下で逐次生成するアンモニアを、気体状で不活性ガスに同伴させることによって反応系から分離する方法を採用することもできる。不活性ガスとしては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、メタン、エタン、プロパン等を、単独で、あるいは混合して使用することができる。
吸着分離する方法において使用される吸着剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、各種ゼオライト類、珪藻土類等の、当該反応が実施される温度条件下で使用可能な吸着剤が挙げられる。これらのアンモニアを系外に除去する方法は、単独で実施しても、複数種の方法を組み合わせて実施してもよい。
供給口Aは、蒸留塔1塔につき、少なくとも1つ具備されていても、複数の供給口Aが具備されていてもよい。
供給口Aが具備される位置は、該蒸留塔の最下段よりも1段以上上の段(充填塔では理論段で1段以上上の段)、好ましくは、最下段よりも3段以上上の段(充填塔では理論段で3段以上上の段)、より好ましくは、最下段よりも5段以上上の段(充填塔では理論段で5段以上上の段)である。
供給口Bは、蒸留塔1塔に付き、少なくとも1つ具備されていればよい。複数の供給口Bが具備されていて、複数の供給口Bから炭酸誘導体が供給されてもよい。該複数の供給口Bより、炭酸誘導体と有機ヒドロキシ化合物との混合物を、該蒸留塔に供給することが好ましい。
蒸留塔において、少なくとも1つの供給口Bは、供給口Aが具備される位置と同じ高さ、又は、供給口Aよりも低い位置(棚段塔においては供給口Aが具備される段と同じ段、又は、供給口Aが具備される段よりも低い段であり、充填塔においては供給口Aが具備される段と同じ理論段、又は、供給口Aが具備される段よりも低い理論段)である。好ましくは、供給口Aよりも1段以上、下の段(充填塔では理論段で1段以上下の段)、好ましくは、供給口Aよりも3段以上、下の段(充填塔では理論段で3段以上、下の段)、より好ましくは、供給口Aよりも5段以上、下の段(充填塔では理論段で5段以上、下の段)である。
抜き出し口Cが具備される位置は、供給口Bが具備される位置と同じ高さ、又は、供給口Bよりも低い位置(棚段塔においては供給口Bが具備される段と同じ段、又は、供給口Bが具備される段よりも低い段であり、充填塔においては供給口Bが具備される段と同じ理論段、又は、供給口Bが具備される段よりも低い理論段)である。好ましくは、供給口Bよりも1段以上下の段(充填塔では理論段で1段以上下の段)、好ましくは、供給口Bよりも3段以上下の段(充填塔では理論段で3段以上下の段)、より好ましくは、供給口Bよりも5段以上下の段(充填塔では理論段で5段以上下の段)である。
組み合わせ(i)、(ii)の場合であっても、上記と同様の方法で実施することができる。
(工程(e):エステル交換工程)
以上の方法(工程(A)、及び/又は、工程(a)と工程(b))によって製造されるN−置換カルバメートは、N−置換カルバメートの熱分解によるイソシアネートの製造に好適に使用されるが、該イソシアネートの製造においてより好ましく使用されるN−置換カルバメートは、カルバメート基が芳香族ヒドロキシ化合物に由来する基である、N−置換カルバメートである。ここでは、説明のために、カルバメート基が芳香族ヒドロキシ化合物に由来する基であるN−置換カルバメートを「N−置換芳香族カルバメート」と呼称し、カルバメート基がアルコールに由来する基であるN−置換カルバメートを「N−置換脂肪族カルバメート」と呼称する。N−置換芳香族カルバメートが、N−置換脂肪族カルバメートに比べて熱分解反応を生起しやすく、対応するイソシアネートと芳香族ヒドロキシ化合物に容易に分解する傾向が大きいためである。
上記した製造方法で得られるN−置換カルバメートは、使用する有機ヒドロキシ化合物の種類によって、N−置換芳香族カルバメートを製造することもできるし、N−置換脂肪族カルバメートを製造することもできるが、上記した製造方法によって、N−置換脂肪族カルバメートを得た場合は、下記工程(e)によって、熱分解が容易なN−置換芳香族カルバメートに変換したのち、イソシアネートの反応に使用することができる。なお、当該工程は、N−置換脂肪族カルバメートのエステル基を変換する工程であることから、本実施の形態では「エステル交換工程」とも称する。
工程(e):N−置換脂肪族カルバメートと、芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて、該芳香族ヒドロキシ化合物に由来するエステル基を有するN−置換芳香族カルバメートを製造する工程。
なお、該工程(e)では、N−置換脂肪族カルバメートに由来するアルコールが生成する。以下、該工程(e)について説明する。
該工程(e)は、公知の方法(例えば、WO2008/059953参照)を参考に、使用する化合物等に応じて様々な方法をおこなうことができる。
工程(e)の反応条件は、反応させる化合物によって異なるが、原料のN−置換脂肪族カルバメートを構成するエステル基に対して、芳香族ヒドロキシ化合物を化学量論比で表して、2〜1000倍の範囲で使用する。反応を早期に完結させるためには、該芳香族ヒドロキシ化合物は、原料のN−置換脂肪族カルバメートを構成するエステル基に対して過剰量が好ましいが、反応器の大きさを考慮すれば、好ましくは2〜100倍の範囲、さらに好ましくは、5〜50倍の範囲である。
反応温度は、通常、100℃〜300℃の範囲であり、反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温では副反応が生じやすくなる場合があるので、好ましくは150℃〜250℃の範囲である。反応温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、反応圧力は、用いる化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常20〜1×10Paの範囲で行われる。反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく通常0.001〜100時間、好ましくは0.01〜50時間、より好ましくは0.1〜30時間である。また、反応液を採取し、例えば、液体クロマトグラフィーによって目的のN−置換芳香族カルバメートが所望量生成していることを確認して反応を終了することもできる。
該工程(e)において、触媒は必ずしも必要ではないが、反応温度を低下させたり、反応を早期に完結させるために、触媒を使用することは何ら問題ない。触媒はN−置換脂肪族カルバメートの重量に対して0.01〜30重量%、より好ましくは0.5〜20重量%で使用される。触媒としては、例えば、ルイス酸及びルイス酸を生成する遷移金属化合物、有機スズ化合物、銅族金属、亜鉛、鉄族金属の化合物、具体的には、AlX、TiX、TiX、VOX、VX、ZnX、FeX、SnX(ここでXは、ハロゲン、アセトキシ基、アルコキシ基、アリーロキシ基である)で表されるルイス酸及びルイス酸を生成する遷移金属化合物;
(CHSnOCOCH、(C)SnOCOC、BuSnOCOCH、PhSnOCOCH、BuSn(OCOCH、BuSn(OCOC1123、PhSnOCH、(CSnOPh、BuSn(OCH、BuSn(OC、BuSn(OPh)、PhSn(CH、(CSnOH、PhSnOH、BuSnO、(C17SnO、BuSnCl、BuSnO(OH)等で表される有機スズ化合物;
CuCl、CuCl、CuBr、CuBr、CuI、CuI、Cu(OAc)、Cu(acac)、オレフィン酸銅、BuCu、(CHO)Cu、AgNO、AgBr、ピクリン酸銀、AgCClO等の銅族金属の化合物;
Zn(acac)等の亜鉛の化合物;
Fe(C10)(CO)、Fe(CO)、Fe(C)(CO)、Co(メシチレン)(PEtPh)、CoC(CO)、フェロセン等の鉄族金属の化合物等が挙げられる。(Buはブチル基、Phはフェニル基、acacはアセチルアセトンキレート配位子を表す。)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミンなどのアミン類が使用に適し、中でも、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクチル酸鉛、スタナオクトエートなどの有機金属触媒が挙げられる。これらの化合物は単独でも二種類以上の混合物として使用してもよい。
本実施の形態においては、必ずしも反応溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な不活性溶媒、例えば、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)などのアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素及びアルキル置換芳香族炭化水素類;
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲン又はニトロ基によって置換された芳香族化合物類;
ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;
シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;
メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;
ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;
ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテル及びチオエーテル類;
ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類;
シリコーン油等を反応溶媒として使用することができ、これらの溶媒は単独でも2種類以上の混合物として使用することもできる。
本実施の形態におけるエステル交換の反応は平衡反応である。したがって、効率よくエステル交換をおこなうために、生成物であるアルコール(原料のN−置換脂肪族カルバメートに由来するアルコール)を反応系より除去しながら、反応を進めることが好ましい。したがって、原料のN−置換脂肪族カルバメートに由来するアルコールの標準沸点よりも、エステル交換で使用する芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点が高くなるように芳香族ヒドロキシ化合物を選択しておくと、反応系で、最も標準沸点の低い化合物が、原料のN−置換脂肪族カルバメートに由来するアルコールとなり、反応系からの生成物の除去が容易である。
また、エステル交換を効率よく進行させるため、好ましくは、エステル交換を連続法でおこなう。すなわち、原料のN−置換脂肪族カルバメートと芳香族ヒドロキシ化合物を、反応器に連続的に供給して、エステル交換をおこない、生成する、原料のN−置換脂肪族カルバメートに由来するアルコールを気体成分として反応器から取り出し、生成するN−置換脂肪族カルバメートと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む反応液を、反応器底部から連続的に取り出す。
エステル交換をおこなう反応器及びラインの材質は、出発物質や反応物質に悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316、SUS316Lなどが安価であり、好ましく使用できる。反応器の形式に、特に制限はなく、公知の槽状、塔状の反応器が使用できる。たとえば攪拌槽、多段攪拌槽、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器、細流相反応器、気泡塔のいずれかを含む反応器を用いる方式、及びこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。平衡を生成系側に効率的にずらすという観点から、薄膜蒸発器、塔状の反応器を用いる方法が好ましく、また、生成する、原料のN−置換脂肪族カルバメートに由来するアルコールを気相に速やかに移動させられる、気−液接触面積の大きな構造が好ましい。
多段蒸留塔とは、蒸留の理論段数が2段以上の多段を有する蒸留塔であって、連続蒸留が可能なものであるならばどのようなものであってもよい。このような多段蒸留塔としては、例えば泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔方式のものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した充填塔方式のものなど、通常多段蒸留塔として用いられるものならばどのようなものでも使用することができる。充填塔は、塔内に上記した公知の充填剤を充填した充填塔ならばどのようなものでも使用することができる。さらに、棚段部分と充填物の充填された部分とをあわせもつ棚段−充填混合塔方式のものも好ましく用いられる。
不活性ガス及び/又は液体状の不活性溶媒を該反応器下方から供給するラインを別途取り付けてもよいし、目的のN−置換芳香族カルバメートと芳香族ヒドロキシ化合物を含有する混合液が、原料のN−置換脂肪族カルバメートを含有している場合は、該混合液の一部あるいは全部を、再度、該反応器に循環させるラインを取り付けてもよい。なお、前述の不活性溶媒を用いる場合、該不活性溶媒は気体状及び/又は液体状であってもよい。
反応器から抜き出した、原料のN−置換脂肪族カルバメートに由来するアルコールを含む気体成分は、好ましくは蒸留塔など公知の方法を用いて精製して、工程(A)及び/又は工程(a)及び/又は工程(b)及び/又は工程(c)のアルコールとして再利用することができる。
<工程(2):気相成分の凝縮工程>
工程(2)は、工程(1)で回収した、尿素及び/又は尿素に由来するカルボニル基を有する化合物と、有機ヒドロキシ化合物と、アンモニアとを含む気相成分(第1の気相成分)を、カルバメート化工程をおこなう反応器に具備する凝縮器による凝縮する凝縮工程である。
該凝縮器の種類は特に制限がなく、公知の凝縮器が使用できる。例えば、多管円筒型凝縮器、二重管式凝縮器、単管式凝縮器、空冷式凝縮器等の従来公知の凝縮器を適宜組み合わせて使用することができる。凝縮器は、該反応器の内部に具備されていても、該反応器の外部に具備されていて、該反応器と配管で接続されていてもよく、反応器や凝縮器の形式、凝縮液の取り扱い方法等を勘案して、様々な形態を採用される。
反応器及び凝縮器の材質にも特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。SUS304やSUS316、SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。必要に応じて、当業者、当該エンジニアが想定できる範囲の工程や装置を付加して構わない。
本実施の形態のN−置換カルバメートの製造方法は、有機第1アミンと、尿素と、有機ヒドロキシ化合物とを、凝縮器を具備した反応器を用いて反応させて、N−置換カルバメートを製造する方法であるが、該反応において、尿素及び/又は尿素に由来するカルボニル基を有する化合物、有機ヒドロキシ化合物と、反応で副生するアンモニアを含む気相成分が生成する。工程(2)では、該気相成分を、カルバメート化工程(工程(1))をおこなう反応器に具備した凝縮器に導入し、該有機ヒドロキシ化合物の一部又は全部と、尿素及び/又は尿素に由来するカルボニル基を有する化合物の一部又は全部とを凝縮する。その際、該凝縮される有機ヒドロキシ化合物が、該凝縮される尿素に由来するカルボニル基を有する化合物に対して、化学量論比で1以上とし、凝縮器より、気体として回収されるアンモニアに含有される、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物に含まれるカルボニル基(−C(=O)−)の数と、アンモニア分子の数の比が、1以下とすることが好ましい。
本実施の形態で、凝縮器で凝縮される成分として挙げた「尿素に由来するカルボニル基を有する化合物」とは、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物との反応において使用する尿素に由来するカルボニル基を有する化合物であり、原料として使用した尿素そのもの(未反応物、及び/又は、有機第1アミンに対して過剰に使用した場合の過剰分)、尿素と有機ヒドロキシ化合物が反応した化合物、尿素が反応した化合物が含まれる。尿素に由来するカルボニル基を有する化合物について、その全てを同定することは難しいが、具体的な化合物としては、原料として使用した尿素、N−無置換カルバメートや、副生する、イソシアン酸、ビウレット、イソシアヌレート、尿素の多量体等の尿素化合物、カルバメート基が有機ヒドロキシ化合物に由来する基であるN−無置換カルバメート、エステル基が有機ヒドロキシ化合物に由来する基である炭酸エステル等が挙げられる。尿素に由来するカルボニル基を有する化合物は、赤外分光法、近赤外分光法、ラマン分光法、紫外分光法等の方法によって該化合物に含有されるカルボニル基を検出する方法によって定量することができるし、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の方法によって、生成している化合物を具体的に分析する方法によって定量することもできる。これらの、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物は、融点が高いものが多く、析出しやすい傾向がある。上記した、これらの尿素に由来するカルボニル基を有する化合物のうち、特に尿素は、その生成量(検出される量)が多く、融点が135℃であることから、最も注意を要する。
該凝縮操作において、凝縮される有機ヒドロキシ化合物を、該凝縮される尿素に由来するカルボニル基を有する化合物に対して、化学量論比で1以上とすることによって、凝縮器において、これらの混合物を均一の液体混合物とすることができる。したがって、該混合物の取り扱いが容易となるだけでなく、該凝縮器への固体成分の付着・蓄積等の問題の発生を回避できる。また、後述するように、該凝縮器から回収されるアンモニアに含有される、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物を、特定量以下とするためにも有効である。凝縮される有機ヒドロキシ化合物の、該凝縮される尿素に由来するカルボニル基を有する化合物に対する量は、より好ましくは化学量論比で2以上、さらに好ましくは化学量論比で3以上である。凝縮される有機ヒドロキシ化合物の、該凝縮される尿素に由来するカルボニル基を有する化合物に対する量を上記の範囲とするために、該凝縮器は、好ましくは、該有機ヒドロキシ化合物の標準沸点よりも90℃以上低い温度で、かつ、該有機ヒドロキシ化合物が固化しない温度で保持される。
上述の該凝縮器によって凝縮された、有機ヒドロキシ化合物と、尿素体に由来するカルボニル基を有する化合物との混合物は、反応器の内部に循環させて、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物との反応に再利用してもよいし、該混合物を回収して、ヒドロキシ化合物及び/又は尿素に由来するカルボニル基を有する化合物を、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物との反応に再利用してもよいし、N−無置換カルバメートを製造する工程(上述した工程(c)を指す)に再利用してもよい。
凝縮成分の再利用の際、有機ヒドロキシ化合物と、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物とに含有されるアンモニア量は、5000ppm以下とすることが好ましい。5000ppmよりも多くのアンモニアを含有していても、有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物との反応に再利用できるが、上述したように、該有機第1アミンと尿素と有機ヒドロキシ化合物との反応は平衡反応であり、該反応を効率よく進めるためには、生成物であるアンモニアを系外に除去することが必要である。再利用する有機ヒドロキシ化合物と尿素に由来するカルボニル基を有する化合物に含有されるアンモニアがあまりに多いと、該反応におけるアンモニアの抜き出し量が多くなり、単位時間あたりに抜き出し可能なアンモニア量(該ウレタン製造反応器の能力や反応条件等に依存する)を超えてアンモニアが導入されて反応液中のアンモニア濃度を好ましい範囲(上述した範囲)にまで低下させることができず、N−置換カルバメートの収率が低下する場合がある。したがって、該反応に再利用する有機ヒドロキシ化合物と尿素に由来するカルボニル基を有する化合物に含有されるアンモニア量は少ない方が好ましいが、該アンモニア量を極限まで少なくするには多大な労力を要する。このような観点から、有機ヒドロキシ化合物と、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物とに含有されるアンモニア量は、より好ましくは3000ppm以下、さらに好ましくは2000ppm以下である。
上述したように、炭酸誘導体に由来するカルボニル基を有する化合物として様々な化合物が回収される場合があるが、有機ヒドロキシ化合物と、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物との混合物が、これらの化合物を含んでいても、該凝縮成分の再利用には差し支えない。
<工程(3):N−置換カルバメートの熱分解反応によるイソシアネートの製造工程>
工程(3)は、N−置換カルバメートを熱分解反応に付して、イソシアネートを製造する工程である。イソシアネートを製造した後に、イソシアネート及び有機ヒドロキシ化合物を含む低沸点成分を分離すると、後述する残留液(第1の残留液)が残る。
上述したように、N−置換カルバメートのうち、N−置換芳香族カルバメートの方が、N−置換脂肪族カルバメートに比べて熱分解温度が低く設定することできるため、工程(3)ではN−置換芳香族カルバメートの使用が好ましい。
N−置換カルバメートの熱分解をおこなう反応温度は、通常100℃〜300℃の範囲であり、反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温ではN−置換カルバメート及び/又は生成物であるイソシアネートによって、上述したような副反応が引き起こされる場合があるので、好ましくは150℃〜250℃の範囲である。反応温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、反応圧力は、用いる化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常20〜1×10Paの範囲で行われる。反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく、通常0.001〜100時間、好ましくは0.005〜50時間、より好ましくは0.01〜10時間である。
本実施の形態において、触媒は必ずしも必要ではないが、反応温度を低下させたり、反応を早期に完結させるために、触媒を使用することは何ら問題ない。触媒はN−置換カルバメートの重量に対して0.01〜30重量%、より好ましくは0.5〜20重量%で使用される。触媒としては、例えば、ルイス酸及びルイス酸を生成する遷移金属化合物、有機スズ化合物、銅族金属、亜鉛、鉄族金属の化合物、具体的には、AlX、TiX、TiX、VOX、VX、ZnX、FeX、SnX(ここでXは、ハロゲン、アセトキシ基、アルコキシ基、アリーロキシ基である)で表されるルイス酸及びルイス酸を生成する遷移金属化合物;
(CHSnOCOCH、(C)SnOCOC、BuSnOCOCH、PhSnOCOCH、BuSn(OCOCH、BuSn(OCOC1123、PhSnOCH、(CSnOPh、BuSn(OCH、BuSn(OC、BuSn(OPh)、PhSn(CH、(CSnOH、PhSnOH、BuSnO、(C17SnO、BuSnCl、BuSnO(OH)等で表される有機スズ化合物;
CuCl、CuCl、CuBr、CuBr、CuI、CuI、Cu(OAc)、Cu(acac)、オレフィン酸銅、BuCu、(CHO)Cu、AgNO、AgBr、ピクリン酸銀、AgCClO等の銅族金属の化合物;
Zn(acac)等の亜鉛の化合物;
Fe(C10)(CO)、Fe(CO)、Fe(C)(CO)、Co(メシチレン)(PEtPh)、CoC(CO)、フェロセン等の鉄族金属の化合物等が挙げられる。(Buはブチル基、Phはフェニル基、acacはアセチルアセトンキレート配位子を表す。)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミンなどのアミン類が使用に適し、中でも、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクチル酸鉛、スタナオクトエートなどの有機金属触媒が挙げられる。これらの化合物は単独でも二種類以上の混合物として使用してもよい。
また、該N−置換カルバメートを製造する際に、いずれかの工程で触媒を使用した場合、該触媒残渣等が該熱分解工程に供給される場合があるが、そのような触媒残渣等が存在していても多くの場合は差し支えない。
工程(3)においては、芳香族ヒドロキシ化合物以外に、必ずしも反応溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な不活性溶媒、例えば、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)などのアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素及びアルキル置換芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲン又はニトロ基によって置換された芳香族化合物類;ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテル及びチオエーテル類;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類;シリコーン油等を反応溶媒として使用することができ、これらの溶媒は単独でも2種類以上の混合物として使用することもできる。
N−置換カルバメートは、高温下で長時間保持された場合、例えば、2分子のN−置換カルバメートからの脱炭酸エステル反応によってウレイレン基を含有する化合物を生成する反応や、N−置換カルバメートの熱分解によって生成するイソシアネート基との反応によってアロファネート基を生成する反応等の副反応を生起する場合がある。したがって、該N−置換カルバメート及び該イソシアネートが高温下に保持される時間は、可能な限り短時間であることが好ましい。したがって、該熱分解反応は、好ましくは連続法でおこなわれる。連続法とは、該N−置換カルバメートを含有する混合物を、反応器に連続的に供給して、熱分解反応に付し、生成するイソシアネート及び有機ヒドロキシ化合物を、該熱分解反応器から連続的に抜き出す方法である。該連続法において、N−置換カルバメートの熱分解反応によって生成する低沸点成分は、好ましくは、気相成分として該熱分解反応器の上部より回収され、残りは液相成分として該熱分解反応器の底部より回収される。熱分解反応器中に存在する全ての化合物を気相成分として回収することもできるが、液相成分を該熱分解反応器中に存在させることによって、N−置換カルバメート及び/又はイソシアネートによって生起される副反応によって生成するポリマー状化合物を溶解して、該ポリマー状化合物の該熱分解反応器への付着・蓄積を防止する効果がある。N−置換カルバメートの熱分解反応により、イソシアネートと有機ヒドロキシ化合物が生成するが、これらの化合物のうち、少なくとも一方の化合物を気相成分として回収する。どの化合物を気相成分として回収するかは、熱分解反応条件等に依存する。
ここで、本実施の形態で用いる用語「N−置換カルバメートの熱分解反応によって生成する低沸点成分」とは、該N−置換カルバメートの熱分解反応によって生成する、芳香族ヒドロキシ化合物及び/又はイソシアネートが相当するが、特に、当該熱分解反応が実施される条件下で、気体として存在しうる化合物を指す。
例えば、熱分解反応によって生成するイソシアネートと有機ヒドロキシ化合物とを気相成分として回収し、N−置換カルバメートを含有する液相成分を回収する方法を採用することができる。当該方法において、熱分解反応器でイソシアネートと有機ヒドロキシ化合物を別々に回収してもよい。回収されたイソシアネートを含有する気相成分は、好ましくは、気相で、該イソシアネートを精製分離するための蒸留装置に供給される。回収されたイソシアネートを含有する気相成分を、凝縮器等によって液相としたのち、蒸留装置に供給することもできるが、装置が煩雑となったり、使用するエネルギーが大きくなる場合が多く、好ましくない。該液相成分が、N−置換カルバメートを含有する場合は、好ましくは、該液相成分の一部又は全部を、該熱分解反応器の上部に供給し、該N−置換カルバメートを、再度、熱分解反応に付す。ここでいう、熱分解反応器の上部とは、例えば、該熱分解反応器が蒸留塔の場合は、理論段数で塔底より2段目以上上の段を指し、該熱分解反応器が薄膜蒸留器の場合は、加熱されている伝面部分よりも上の部分を指す。該液相成分の一部又は全部を熱分解反応器の上部に供給する際は、該液相成分を、好ましくは50℃〜180℃、より好ましくは、70℃〜170℃、さらに好ましくは、100℃〜150℃に保持して移送する。
また、例えば、熱分解反応によって生成するイソシアネートと有機ヒドロキシ化合物のうち、有機ヒドロキシ化合物を気相成分として回収し、該イソシアネートを含有する混合物を液相成分として、該熱分解反応器の底部より回収する方法を採用することができる。この場合、該液相成分を蒸留装置に供給し、イソシアネートを回収する。該液相成分に、N−置換カルバメートが含有される場合には、好ましくは、該N−置換カルバメートを含有する混合物は、その一部又は全部を、該熱分解反応器の上部に供給し、該N−置換カルバメートを、再度、熱分解反応に付す。該液相成分の一部又は全部を熱分解反応器の上部に供給する際は、該液相成分を、好ましくは50℃〜180℃、より好ましくは、70℃〜170℃、さらに好ましくは、100℃〜150℃に保持して移送する。
先にも述べたが、該熱分解反応においては、液相成分を該熱分解反応器の底部より回収することが好ましい。それは、液相成分を該熱分解反応器中に存在させることによって、上述したような、N−置換カルバメート及び/又はイソシアネートによって生起される副反応によって生成するポリマー状副生物を溶解して、液相成分として熱分解反応器から排出させることができ、以って該ポリマー状化合物の該熱分解反応器への付着・蓄積を低減する効果があるためである。
液相成分にN−置換カルバメートが含有される場合には、該液相成分の一部又は全部を、該熱分解反応器の上部に供給し、該N−置換カルバメートを、再度、熱分解反応に付してもよい。この工程を繰り返すと、液相成分にポリマー状副生物が蓄積される場合がある。その場合には、該液相成分の一部又は全部を反応系から除去し、ポリマー状副生物の蓄積を減少させる、あるいは、一定の濃度に保持することができる。反応系から除去された液相成分は、多くの場合、有機ヒドロキシ化合物が含有されているが、該液相成分より、蒸留等の方法によって有機ヒドロキシ化合物を回収し、工程(1)に使用することができる。また、該液相成分を、工程(1)に再利用することもできる。
該熱分解反応器の形式に、特に制限はないが、気相成分を効率よく回収するために、好ましくは、公知の蒸留装置を使用する。例えば、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器のいずれかを含む反応器を用いる方式、及びこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。低沸点成分を素早く反応系から除去する観点から、好ましくは、管状反応器、より好ましくは、管状薄膜蒸発器、管状流下膜蒸発器等の反応器を用いる方法であり、生成する低沸点成分を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。
熱分解反応器及びラインの材質は、該N−置換カルバメートや生成物である有機ヒドロキシ化合物、イソシアネート等に悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316、SUS316L等が安価であり、好ましく使用できる。
回収したイソシアネートは、反応条件や該イソシアネートを回収する条件、反応装置等によっては、有機ヒドロキシ化合物等を含有する場合がある。そのような場合は、蒸留等の操作をさらにおこなって、所望の純度のイソシアネートを得ることができる。
一般的に、有機ヒドロキシ化合物とイソシアネートとは反応性が高く、両者を蒸留分離する際には、反応によってN−置換カルバメートを生成する場合が多い。したがって、そのような場合には、該蒸留分離を多段蒸留塔でおこない、該蒸留塔内部に形成された不活性な部位に、該有機ヒドロキシ化合物とイソシアネートを含む混合物を供給する方法を用いることができる。
<工程(f):予備濃縮工程>
工程(3)ではN−置換カルバメートを熱分解反応に付してイソシアネートを製造するが、イソシアネートは活性水素(例えば、アルコールのヒドロキシ基、芳香族ヒドロキシ化合物のヒドロキシ基)との反応性が高く、下記式(60)で表される平衡状態にある。
Figure 0006207707

(式中、
R、R’は有機基を表す。)
なお、上記式(60)では単官能のN−置換カルバメートの熱分解反応を示したが、多官能のN−置換カルバメートであっても同様の反応が進行することは当業者であれば容易に理解できる。
上記した工程(1)で得られる、N−置換カルバメートと有機ヒドロキシ化合物とを含有する反応液をそのまま工程(3)の原料として使用する場合には、工程(1)で過剰に使用した有機ヒドロキシ化合物が存在するため、上記式(60)で表される平衡が左に偏り、熱分解反応が進行しにくくなる傾向がある。したがって、該反応液中の有機ヒドロキシ化合物を分離することが好ましい。しかしながら、有機ヒドロキシ化合物はN−置換カルバメートを溶液の状態として保持し、移送等の取り扱いを容易にする溶媒としての側面もあり、該反応液の組成によっては、全ての有機ヒドロキシ化合物を分離することが必ずしも好ましいとは言えない。
以上の観点から、工程(1)で得た反応液から有機ヒドロキシ化合物を適度に分離して工程(3)に使用することが好ましい。
工程(f)において、有機ヒドロキシ化合物の分離をおこなう温度は、用いる反応液の組成にも依存するが、好ましくは、100℃〜300℃の範囲であり、圧力は、好ましくは、減圧であり、20〜1×10Paの範囲でおこなわれる。あまりに高い温度ではN−置換カルバメートの熱分解反応が生起するため好ましくないが、上記したように有機ヒドロキシ化合物が大過剰に存在する系では、N−置換カルバメートの熱分解反応は進行しにくいため、ある程度の高温条件とすることもできる。しかしながら、N−置換カルバメートの変性反応を考慮する必要があり、あまりに高温の状態で長時間保持することは好ましくない。したがって、有機ヒドロキシ化合物を短時間で留去することが必要である。
その際の有機ヒドロキシ化合物の分離方法としては、特に限定がなく、公知の方法を採用することができ、例えば、蒸留法、膜分離、吸着分離による方法などをおこなうことができる。中でも好ましくは蒸留法である。
蒸留法をおこなう装置は、公知のものを使用することができ、槽型及び/又は塔型の反応器のいずれも使用することができるが、例えば、蒸留塔、多段蒸留塔、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、落膜蒸発器、落滴蒸発器のいずれかを含む蒸留器を用いる方式、及びこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。有機ヒドロキシ化合物を素早く除去する観点から、好ましくは、管状蒸留器、より好ましくは、管状薄膜蒸発器、管状流下膜蒸発器等の反応器を用いる方法であり、気化した有機ヒドロキシ化合物を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。
蒸留器及びラインの材質は、反応液に含まれるN−置換カルバメートや有機ヒドロキシ化合物等に悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。SUS304やSUS316、SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。必要に応じて工程を付加しても構わない。また、熱交換器を備えておき、当該予備濃縮工程で得た有機ヒドロキシ化合物の蒸気を該熱交換器に導入して、熱媒や水(水蒸気)との熱交換反応をおこなって、熱の回収・利用をおこなうことは好ましく実施される。
<工程(4):アンモニア吸収工程>
工程(4)は、工程(2)で凝縮器より気相成分として回収される、アンモニアを主成分とする気相成分(第2の気相成分)を吸収水に吸収させてガス吸収水を生成する工程である。
ここでいう、アンモニアを主成分とする気相成分とは、工程(2)の項目で示した、尿素及び/又は尿素に由来するカルボニル基を有する化合物、有機ヒドロキシ化合物、アンモニアを含む気相成分を、カルバメート化工程をおこなう反応器に具備する凝縮器による凝縮した後に回収される気相成分であって、好ましくは、気体として回収されるアンモニアに含有される、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物に含まれるカルボニル基(−C(=O)−)の数と、アンモニア分子の数の比が、1以下である気相成分である。当該気相成分に含まれる化合物は上記<工程(2)>の項目で述べた化合物である。
なお、工程(4)で吸収水に吸収させる気相成分は、上記した工程(a)、工程(c)で生成するアンモニアを含んでいてもよい。
ガス吸収水の生成は、上記アンモニアを主成分とする気相成分に水を接触させることにより実施される。
水としては、特に制限されず、例えば、純水、イオン交換水等、どのような水でも用いることができる。後述する工程(5)で、ガス吸収水からアンモニアを分離した後に得られる水の一部又は全部を用いることもできる。また、後述するように該水はアンモニアを含有していてもよい。該水は、本実施の形態のイソシアネートの製造方法に起因する副反応生成物や使用する原料そのもの等を含有していてもよい。つまり、「吸収水」とは、純水であってもよく、何らかの物質が溶解した水溶液であってもよい。
例えば、原料して使用する尿素の熱分解によって生成する二酸化炭素が気相成分に含まれる場合、条件によっては当該工程(4)において二酸化炭素が水に吸収される。このようなガス吸収水を、後述する工程(5)に移送し、アンモニアを分離した後には、液相成分に、二酸化炭素に由来する炭酸塩を含む場合があり、該水を工程(4)の水として使用することができる。その場合、炭酸塩は、炭酸イオン(CO 2−)を含む化合物であり、特に制限されないが、無機炭酸塩、有機炭酸塩等の形で存在すると考えられる。無機炭酸塩としては、例えば、アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ土類金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム)、遷移金属の炭酸塩(例えば、炭酸銅、炭酸鉄、炭酸銀)が挙げられる。有機炭酸塩としては、例えば、アルカノールアミン塩等のアミン塩が挙げられる。アルカノールアミン塩としては、例えば、モノエタノールアミンの炭酸塩、ジエタノールアミンの炭酸塩、トリエタノールアミンの炭酸塩、N−メチルエタノールアミンの炭酸塩、N−メチルジエタノールアミンの炭酸塩、N−エチルジエタノールアミンの炭酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミンの炭酸塩、N,N−ジエチルエタノールアミンの炭酸塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩、ジイソプロパノールアミンの炭酸塩が挙げられる。炭酸塩として無機炭酸塩を用いる場合には、例えば、無機水酸化物(例えば、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム))が挙げられる。
また、上記で示した二酸化炭素と同様に、本実施の形態のイソシアネートの製造方法に起因する副反応生成物や使用する原料そのもの等として、有機第1アミン、ヒドロキシ化合物、N−無置換カルバメート等が水に含まれていることは何ら差支えない。
アンモニアを主成分とする気相成分と水との配合割合は、該工程(4)の条件や気相成分の組成にも依存するが、気相成分1kgに対して、水が、好ましくは1.2kg〜200kgの範囲である。多くの水を用いることで、アンモニアを主成分とする気相成分からより多くのアンモニアを効率的に除去することができるため、残りの気相成分の量を少なくすることにより圧力調整設備(減圧下では真空ポンプ等の減圧設備、高圧下ではコンプレッサー及び保圧弁等の高圧設備)の負荷を低減することができる。しかしながら、一方で、余りに多くの水を用いると、ガス吸収水を生成するための設備が大きくなる問題もある。このような観点から、より好ましくは2kg〜150kgの範囲、さらに好ましくは5kg〜100kgの範囲である。
ガス吸収水を生成するための温度は、液体として操作できる(一部固形物があってもよい)温度であれば特に制限はないが、後述する工程(5)でガス吸収水を加熱してアンモニアを分離することを考慮すると、少なくとも、工程(4)は工程(5)よりも低温であることが望ましく、好ましくは1℃〜60℃、より好ましくは3℃〜40℃、更に好ましくは5℃〜30℃である。
ガス吸収水を生成する際の圧力は特に制限がなく、加圧・常圧・減圧の任意の条件を選択することができる。工程(2)の操作圧力と同等の圧力であることが好ましい。実際は、配管を長流れる際の圧力損失や、その途中に具備する圧力計などの計装機器等による圧力損失を伴う場合が多く、厳密には同じ圧力とは言えないが、特に、昇圧や降圧のための操作をおこなわないという意味である。
アンモニアを主成分とする気相成分と水とを接触させるための装置は特に制限がなく、どのようなものであってもよい。具体的には、攪拌槽、加圧式攪拌槽、減圧式攪拌槽、塔型反応器、棚段塔、充填塔等の従来公知の反応器を適宜組み合わせて使用できる。材質に特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製、基材にグラスライニングを施したもの、テフロン(登録商標)コーティングを行ったものを使用できる。SUS304、SUS316、SUS316L等が安価であり好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよい。加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法で行うことができる。冷却は自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法で行うことができる。また、必要に応じて、固−液分離器、液−液分離器、フィルター等の設備を追加することもできる。
工程(4)で得られるガス吸収水は、工程(5)でアンモニアを回収した後の液を吸収水として使用する場合にはその吸収水に含有される成分を含んでいてもよく、さらに、工程(2)の凝縮器より気相成分として回収される、アンモニアを主成分とする気相成分に含有される化合物を含んでいてもよい。具体的には、好ましくは、アンモニア、尿素及び/又はイソシアン酸、有機ヒドロキシ化合物と水を含む。本実施の形態のイソシアネートの製造方法において原料として使用される有機第1アミンや、該イソシアネートの製造に際して生成する、N−無置換カルバメート、炭酸エステル等の炭酸誘導体、ウレイド基を有する化合物及びN−置換カルバメート、尿素に由来するビウレット、トリウレット、二酸化炭素(炭酸塩)、カルバミン酸アンモニウム等を含んでいてもよい。
<工程(5):アンモニア放散工程>
工程(5)は、工程(4)で生成したガス吸収水を加熱してガス吸収水からアンモニアを分離するアンモニア放散工程である。
ガス吸収水は、アンモニア放散工程がおこなわれる装置に移送される。ガス吸収水から気体のアンモニアを分離するための温度は、特に制限はないが、ガス吸収水には、アンモニアが溶存しており、該アンモニアを気体成分とするためには、温度は可能な限り高い方がよく、好ましくは60℃〜110℃の範囲である。また、少なくとも工程(4)の温度よりも高いことが好ましい。ガス吸収水の沸点(もしくは沸点に近い温度)にガス吸収水を加熱し、気体のアンモニアを得る。この際に、圧力は、加圧でも常圧でも減圧であってもよいが、常圧、又は、圧力を保持するための設備が必要とならない範囲で常圧もしくは加圧であることが好ましい。
該吸収水の加熱は、当該工程(5)のどの部分でおこなっても良く、後述する気体のアンモニアを発生させるための装置の一部又は全部で加熱をおこなっても良いし、該装置にガス吸収水を供給する配管の該装置近傍に加熱装置を設け、該装置に供給する直前にガス吸収水を加熱してもよい。
アンモニア放散工程の操作圧力は、特に限定されない。ガス吸収水から気液平衡に従ってアンモニアを発生させることから、気体となったアンモニアをすばやく抜き出すことを目的に減圧系とすることも好ましい。また、上記した温度にも関連するが、ガス吸収水の常圧での沸点よりも高い温度とし、加圧(又は微加圧)として気体のアンモニアを発生させることも好ましい。
気体のアンモニアを発生させるための装置は、特に制限がなく、どのようなものであってもよい。具体的には、攪拌槽、加圧式攪拌槽、減圧式攪拌槽、塔型反応器、棚段塔、充填塔等の従来公知の反応器を適宜組み合わせて使用できる。材質に特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製、基材にグラスライニングを施したもの、テフロン(登録商標)コーティングを行ったものを使用できる。SUS304、SUS316、SUS316L等が安価であり好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよい。加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法で行うことができる。冷却は自然冷却、冷却水、ブライン等の公知の方法で行うことができる。また、必要に応じて、固−液分離器、液−液分離器、フィルター等の設備を追加することもできる。
気体のアンモニアを発生させるための装置は、気体のアンモニアを回収するための取り出し口を具備しておく必要がある。取り出し口は、液相中に没してしまわない部分であれば、装置のいずれの部分に具備していてもよいが、好ましくは、高さ方向で装置の最も高い部分(例えば、蒸留塔であれば塔頂部、攪拌槽であれば槽頂部)に具備される。
上述したように、工程(4)でガス吸収水を生成する際、当該イソシアネートの製造方法に起因し原料や副生物に由来する種々の化合物が含まれる場合が多い。具体的には、本実施の形態のイソシアネートの製造方法において原料として使用される有機第1アミン、尿素、有機ヒドロキシ化合物や、該イソシアネートの製造に際して生成する、N−無置換カルバメート、炭酸エステル等の炭酸誘導体、ウレイド基を有する化合物及びN−置換カルバメート、尿素に由来するビウレット、トリウレット、二酸化炭素(炭酸塩)、カルバミン酸アンモニウム等を含んでいてもよい。また、液相にアンモニアが残留していてもよい。
これらのガス吸収水に含まれていた化合物は、該工程(5)において、アンモニアと共に気相成分として回収してもよいし、液相成分としてもよい。気相成分として回収するか液相成分として回収するかは、上記した装置、条件(温度、圧力等)によって制御することができ、ガス吸収水に含有される成分の性状を勘案して任意に決定することができる。
一方で、工程(5)で純度の高いアンモニアを回収することが目的である場合、工程(4)で得られるガス吸収水に含まれるアンモニア以外の成分は、可能な限り気相に回収しないようにすることが好ましい。
アンモニアを発生させた後の水は、そのまま廃棄してもよいし、該水中に含まれる有効成分を回収した後に廃棄してもよいし、工程(4)の吸収水としてそのまま再利用してもよいし、該水中に含まれる有効成分を回収した後に工程(4)の吸収水として再利用してもよい。
工程(4)の吸収水の一部又は全部としてそのまま使用する場合には、該水中に含まれる化合物の系内での蓄積、析出を起こさないように、含有される化合物の性状に応じて、以下に示す工程を更に設けることができる。
<有機ヒドロキシ化合物分離工程>
上記したように、該アンモニア放散工程でアンモニアを分離した後に得られる液相成分は有機ヒドロキシ化合物を含む場合がある。有機ヒドロキシ化合物としては、N−置換カルバメートの製造に用いるアルコール、芳香族ヒドロキシ化合物が挙げられるが、これらの有機ヒドロキシ化合物は必ずしも水に溶解するとは限らない。アルコールでは、メタノール、エタノール、プロパノールは水によく溶けるが、例えば、1−ブタノールの場合には、20℃の水100mLに対して7.7g程度の溶解度しかなく、炭素数が多いアルコールほど水への溶解度が低下する傾向にある。また、芳香族ヒドロキシ化合物では、フェノールは水によく溶けるが、例えば、p−クレゾールの場合には、25℃の水100mLに対して1.9g程度の溶解度しかなく、炭素数が多い芳香族ヒドロキシ化合物ほど水への溶解度が低下する傾向にある。本実施の形態のN−置換カルバメートの製造を考えた場合、N−置換カルバメートを生成させるためには反応温度を高温(例えば200℃以上)とする必要があるため、ある程度は沸点の高い有機ヒドロキシ化合物を使用することが好ましい。沸点は、化合物固有の値であり、その化合物の構造から容易に推定できるものではないが、一般的には、炭素数の多い有機ヒドロキシ化合物は沸点が高い傾向にある。したがって、本実施の形態のN−置換カルバメートの製造方法では、炭素数の多い有機ヒドロキシ化合物を用いる場合が多く、該アンモニア放散工程でアンモニアを分離した後に得られる液相成分は有機ヒドロキシ化合物を含む場合には、該液相成分は水を含み、該有機ヒドロキシ化合物と水とが相分離する場合が多く、またそのような系が好ましい。さらに言えば、相分離する場合には、両相が液体として存在するような有機ヒドロキシ化合物と該アンモニア放散工程の運転条件(温度、圧力)を選択することが好ましい。
アンモニア放散工程でアンモニアを分離した後に得られる液相成分が有機ヒドロキシ化合物を含有する場合、上記したように、該液相成分を工程(4)の吸収水として使用しても良いが、そのまま使用を続けると、該液相成分への有機ヒドロキシ化合物の蓄積が進行し、工程(4)、工程(5)の効率が著しく低下する場合がある。したがって、該液相成分に含有される有機ヒドロキシ化合物と水溶液(水相)とを分離する有機ヒドロキシ化合物分離工程を更に含むことが好ましい。
該有機ヒドロキシ化合物分離工程をおこなう方法は、特に制限されず、蒸留分離、分液、膜分離、抽出分離等の公知の方法を適宜使用することができる。
上記したように、アンモニア放散工程でアンモニアを分離した後に得られる液相成分において、有機ヒドロキシ化合物と水溶液とが相分離する場合には、分液による方法が好ましく使用される。分液による方法は、本実施の形態の趣旨に反しない範囲であれば特に制限はなく、例えば、液液分離器に該液相成分を入れて静置し、相分離した一方の、又は、両方の相を該液液分離器より排出する。液液分離器に特段の制限はなく、公知のものが使用でき、必要に応じて、内部に液面計や仕切り版等を具備していてもよいし、該液相成分の温度を一定に保つための加熱器もしくは冷却器を具備していてもよい。一般的に、有機ヒドロキシ化合物と水とは、溶解度が低いものの、お互いに溶解している場合がほとんどである。一般的に、温度が低い方が液体どうしの溶解度が低いことから、両者を効率的に分離するためには、有機ヒドロキシ化合物、水ともに液体として存在する範囲で、可能な限り液液分離における温度を低く設定することが好ましい。
また、アンモニア放散工程でアンモニアを分離した後に得られる液相成分において、有機ヒドロキシ化合物と水溶液とが相分離しない場合には、蒸留分離の方法が好ましく使用される。蒸留分離による方法は、本実施の形態の趣旨に反しない範囲であれば特に制限はなく、例えば、蒸留塔に該液相成分を供給し、有機ヒドロキシ化合物と水とを蒸留分離することのできる温度、圧力の運転条件を任意に設定して両者を分離することができる。
<液相ブローダウン工程>
上記<工程(4)>の項目や<工程(5)>の項目で示したように、工程(4)、工程(5)の液相成分は、本実施の形態のイソシアネートの製造方法に由来する種々の化合物を含有する場合が多い。工程(5)のアンモニアを分離後の液相成分や、上記した<有機ヒドロキシ化合物分離工程>を経た水相を工程(4)の吸収水として繰り返し使用すると、本実施の形態のイソシアネートの製造方法に由来する種々の化合物が、該液相成分や該水相に蓄積し、系内での析出等の問題を生じる場合がある。このような問題を生じさせないために、該液相成分や該水相の一部を、適宜、本実施の形態の系より抜き出すことが好ましい。また、系内の該液相成分や該水相成分の量を一定とするために、適宜、水等を加えることも好ましくおこなわれる。抜き出された液相成分は、有効成分を回収した後に廃棄してもよいし、そのまま廃棄してもよい。該液相成分や該水相の抜き出しをおこなう系内の場所や抜き出しをおこなう量・頻度は、運転状況を勘案して任意に設定することができる。
<吸収水再利用前処理工程>
吸収水再利用前処理工程は、工程(5)のアンモニアを分離後の液相成分や、上記した<有機ヒドロキシ化合物分離工程>を経た水相を、工程(4)の吸収水の一部又は全部として使用するための前処理をおこなう工程である。具体的には、工程(4)の操作条件に合わせて該水相を冷却したり、必要に応じてアンモニアを添加する工程である。
工程(5)のアンモニアを分離後の液相成分や、上記した<有機ヒドロキシ化合物分離工程>を経た水相は、好ましくは、上記した工程(4)の吸収水として使用されるが、<有機ヒドロキシ化合物分離工程>を経た水相であっても、有機ヒドロキシ化合物を含有している場合がある。例えば、有機ヒドロキシ化合物の分離が液液分離器でおこなわれた場合、上記したように、一般的に、有機ヒドロキシ化合物と水とは、溶解度が低いものの、お互いに溶解している場合がほとんどであることから、該分離を低温で実施した場合でも、該水相には少量の有機ヒドロキシ化合物が残存する場合が多い。工程(4)の項目でも記載したように、アンモニアの吸収効率を高めるためには吸収水の温度を低く設定する必要があるが、該水の、工程(4)での吸収水としての使用に際して温度を低く設定しようとすると、少量含まれる有機ヒドロキシ化合物が凝固して析出する場合もある。このような場合、該水に少量のアンモニアを含有させることで有機ヒドロキシ化合物の溶解度を高めることができる。少量のアンモニアがこのような効果を奏する理由については明確ではないが、本発明者らは、特に、有機ヒドロキシ化合物が芳香族ヒドロキシ化合物である場合、該芳香族ヒドロキシ化合物が酸性を示す場合が多く、アンモニアを含有させることでアンモニウム塩を形成し、水への溶解度が向上する効果を奏すると推定している。アンモニアを添加する量は、含有される有機ヒドロキシ化合物の種類や、工程(4)での操作条件(温度、圧力等)にもよって適宜決めることができる。また、その際に使用するアンモニアは、工程(5)で回収したアンモニアの一部であってもよく、気体のアンモニアとして添加してもアンモニア水として添加してもよい。
<回収アンモニアの利用>
本実施の形態において、上記した工程(5)で分離したアンモニアは純度が高い。一般的に、アンモニアはハーバー・ボッシュ法によって窒素と水素から生産されている。水素は、炭化水素の水蒸気改質等によって生産されている場合が多く、従って、原料の水素に含有される炭化水素がアンモニア中に含有される場合がある。特にメタンは最も沸点の低い炭化水素化合物であり、原料水素を通じて、例えば1000ppm〜5000ppmのメタンがアンモニアに含有される場合がある。また、原料の窒素は空気中の窒素を使用するため、空気中に含有される成分がアンモニアに含有される場合がある。例えば1000ppm〜5000ppmのアルゴンがアンモニアに含有される場合がある。一方、本実施の方法によって回収されるアンモニアは、原料として水素を用いていないためにメタンをはじめとする炭化水素化合物やアルゴン等の希ガス成分を実質的に含有しない。工程(5)(アンモニア放散工程)によって回収されるアンモニアは、該アンモニアに含まれるメタン及びアルゴンのいずれも0.05wt%以下とすることができる。本実施の形態の方法によって回収されるアンモニアは種々の形態で回収することができるが、液体アンモニアとして回収することが好ましい。また、アンモニアは吸収式冷凍機の冷媒、毛織物の油分洗浄剤、生ゴムの凝固材、各種アンモニウム塩の製造、火力発電所等で発生するNOxの処理、写真乳剤の製造等に使用することもできるし、深冷分離法等の方法によって液体アンモニアとして、窒素肥料の原料、合繊の原料(カプロラクタム、アクリロニトリル)、尿素の原料、火力発電所等で発生するNOxの処理、冷凍冷媒等に使用することもできる。また、回収したアンモニアを燃焼させて熱回収し、当該回収熱をカルバメート化工程及び/又はイソシアネート製造工程の熱源として利用することもできる。いずれの利用方法であっても、特に限定はなく、公知の方法を適宜使用することができる。
尿素を製造するには、工業的には、例えば、まず、下記式(61)に示すように、アンモニアと二酸化炭素とを反応させ、カルバミン酸アンモニウムを製造する。
Figure 0006207707
アンモニアと二酸化炭素との反応は公知の方法でよく、その反応条件(配合処方、温度、圧力等)は、目的及び用途に応じて適宜設定される。
次いで、この方法では、下記式(60)に示すように、得られたカルバミン酸アンモニウムを脱水反応させ、尿素と水とに分解する。
Figure 0006207707
カルバミン酸アンモニウムの脱水反応は公知の方法でよく、その反応条件(温度、圧力等)は、目的及び用途に応じて適宜設定される。
なお、上記脱水反応において副生する(排出される)水は、ガス吸収水の製造においてアンモニアを吸収させるための水として使用することができる。
以上の方法によって製造される尿素は、カルバメート化工程の原料の一部又は全部として好適に使用される。
<<好ましいイソシアネートの製造方法−2>>
上記した、工程(1)〜工程(5)をおこなうイソシアネートの製造方法の別法として、工程(1)〜工程(3)及び工程(4)’を備えるイソシアネートの製造方法も好ましく実施される。
<工程(4)’:硫酸アンモニウムの製造>
工程(4)’は、工程(2)において凝縮器より抜き出される、アンモニアを主成分とする気相成分(第2の気相成分)を、硫酸水に吸収させて硫酸アンモニウムを生成させるアンモニア吸収工程である。
ここでいう、アンモニアを主成分とする気相成分とは、工程(2)の項目で示した、尿素及び/又は尿素に由来するカルボニル基を有する化合物、有機ヒドロキシ化合物、アンモニアを含む気相成分を、カルバメート化工程をおこなう反応器に具備する凝縮器による凝縮した後に回収される気相成分であって、好ましくは、気体として回収されるアンモニアに含有される、尿素に由来するカルボニル基を有する化合物に含まれるカルボニル基(−C(=O)−)の数と、アンモニア分子の数の比が、1以下である気相成分である。当該気相成分に含まれる化合物は上記<工程(2)>の項目で述べた化合物である。
なお、工程(4)’で硫酸水に吸収させる気相成分は、上記した工程(a)、工程(c)で生成するアンモニアを含んでいてもよい。
硫酸アンモニウムの生成は、上記アンモニアを主成分とする気相成分に硫酸水(硫酸水溶液)を接触させることにより実施される。
アンモニアを主成分とする気相成分と硫酸水との配合割合は、該工程(4)’の条件や気相成分の組成にも依存するが、気相成分に含有されるアンモニアに対して、化学量論比で好ましくは0.5倍〜10倍、より好ましくは0.7倍〜7倍、さらに好ましくは1倍〜5倍の硫酸(HSO)となるように、該硫酸水の濃度や、生成する硫酸アンモニウムの溶解度を勘案して決めることができる。
工程(4)’を実施する際の圧力は特に制限がなく、加圧・常圧・減圧の任意の条件を選択することができる。工程(2)の操作圧力と同等の圧力であることが好ましい。実際は、配管を長流れる際の圧力損失や、その途中に具備する圧力計などの計装機器等による圧力損失を伴う場合が多く、厳密には「工程(2)の操作圧力と同じ圧力」とは言えないが、特に、昇圧や降圧のための操作をおこなわないという意味である。
アンモニアを主成分とする気相成分と硫酸水とを接触させるための装置は特に制限がなく、どのようなものであってもよい。具体的には、攪拌槽、加圧式攪拌槽、減圧式攪拌槽、塔型反応器、棚段塔、充填塔等の従来公知の反応器を適宜組み合わせて使用できる。材質に該硫酸水に対する耐食性を十分に保有するものであれば特に制限はなく例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製、基材にグラスライニングを施したもの、テフロン(登録商標)コーティングを行ったもの、ポリエチレンコーティングをおこなったもの、ポリプロピレンコーティングをおこなったものを使用できる。SUS304、SUS316、SUS316L等が安価であり好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよい。加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法で行うことができる。冷却は自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法で行うことができる。また、必要に応じて、固−液分離器、液−液分離器、フィルター等の設備を追加することもできる。
工程(4)’で得られる硫酸アンモニウムは、窒素肥料として使用したり、合成肥料の原料として使用することができる。
<<好ましいイソシアネート製造方法−3>>
上記した、工程(1)〜工程(5)をおこなうイソシアネートの製造方法の別法として、工程(1)〜工程(3)及び工程(6)〜工程(8)を備えるイソシアネートの製造方法も好ましく実施できる。
工程(1):有機第1アミンと、尿素と、有機ヒドロキシ化合物とからカルバメート化反応によりN−置換カルバメートを生成し、尿素及び/又は尿素に由来するカルボニル基を有する化合物と、有機ヒドロキシ化合物と、アンモニアとを含む第1の気相成分を回収するカルバメート化工程
工程(2):該第1の気相成分を凝縮器により凝縮する凝縮工程
工程(3):N−置換カルバメートを熱分解してイソシアネートを製造するイソシアネート製造工程
工程(6):イソシアネート製造工程で得られる、イソシアネート及び有機ヒドロキシ化合物を含む低沸点成分を分離した第1の残留液の一部又は全部と、炭酸誘導体と有機ヒドロキシ化合物とを反応させる再生工程
工程(7):再生工程における反応液を熱分解反応に付して、生成するイソシアネートと、再生不能な副反応物を含む第2の残留液とを分離する分離工程
工程(8):第1の残留液及び/又は第2の残留液を加熱して有機ヒドロキシ化合物を含む低沸点成分を回収し、該低沸点成分を工程(1)、(3)、(6)の少なくとも1つの工程へリサイクルし、再生不能な副反応物を含む高沸点成分を系外へ除去するブローダウン工程。
以下、工程(6)、(7)、(8)についてそれぞれ説明する。
<工程(6):再生工程>
工程(6)は、工程(3)で得られる、イソシアネートと有機ヒドロキシ化合物とを含む低沸点成分を分離した残留液(第1の残留液)の一部又は全部と、炭酸誘導体(例えば尿素)と有機ヒドロキシ化合物とを反応させる工程である。
工程(3)において、N−置換カルバメートを熱分解反応に付して生成するイソシアネートを回収した後の液相成分には、N−置換カルバメート及び/又はイソシアネートによって生起される副反応によって生成するポリマー状副生物が含有される場合が多い。該ポリマー状副生物は、例えば、下記式(63)で表されるような反応によって生成する等により、ウレイレン基を有する化合物である場合がある。
Figure 0006207707

(式中;
R、R’は、各々独立に、2つの置換基によって置換された有機基を表す。)
工程(3)で回収される液相成分は、該熱分解反応器の上部に供給し、含有されるN−置換カルバメートを、再度、熱分解反応に付してもよいし、該液相成分より、蒸留等の方法によって有機ヒドロキシ化合物を回収し、工程(A)及び/又は工程(a)及び/又は工程(b)及び/又は工程(c)及び/又は工程(e)に再利用してもよいし、その両方をおこなうこともできるが、あまりに多くの液相成分を再利用する場合には、再利用される工程の反応装置等が大きくなったり、反応系の組成が安定せず反応条件を頻繁に操作して適切な反応条件とする必要が生じる場合がある。したがって、該液相成分の再利用を別の工程(すなわち工程(6))でおこなうことも好ましく実施される。
工程(6)では、工程(3)で得られる、イソシアネートと有機ヒドロキシ化合物とを含む低沸点成分を分離した残留液の一部又は全部と、尿素と有機ヒドロキシ化合物とを反応させるが、該工程(6)の反応は、上記した工程(d)と同様の方法を実施することができる。
上述したように、工程(3)で得られる液相成分は、ウレイレン基を有する化合物やビウレット基を有する化合物を含む場合が多い。工程(6)は、このような反応で生成するウレイレン基を有する化合物(例えば、下記式(64)の化合物)やビウレット基を有する化合物(例えば、式(65)の化合物)を尿素と反応させてN−置換カルバメートを得る工程である。好ましくは、ウレイレン基及び/又はビウレット基の熱解離温度以上の加熱下で、カルボニル基(−C(=O)−)を有する尿素と反応させてN−置換カルバメートを得る。
Figure 0006207707

(式中;
R、R’は、各々独立に有機基を表す。)
該工程(6)は、有機ヒドロキシ化合物の共存下でおこなうことが好ましい。工程(3)で回収した液相成分が、工程(6)で使用するに足る量の有機ヒドロキシ化合物を含有している場合には、該液相成分をそのまま使用することができる。一方、該液相成分が十分な有機ヒドロキシ化合物を含有しない場合は、必要量を新たに添加することができる。有機ヒドロキシ化合物としては、上記式(17)で表されるアルコールであっても、上記式(18)で表される芳香族ヒドロキシ化合物であってもよい。また、必要に応じて、工程(3)で回収した液相成分に、尿素等の炭酸誘導体や有機第1アミンを添加したのち、工程(6)に使用することもできる。
該工程(6)の反応は工程(d)と同様であり、同様の方法を実施してもよい。上記式(46)で表されるウレイレン基を有する化合物と炭酸誘導体との反応は、上記式(46)で表されるウレイレン基を有する化合物のウレイレン基の熱解離温度以上に加熱した状態でおこなう。「熱解離温度」は上記のとおり定義した温度であり、好ましくは、100℃以上350℃以下である。低い温度では熱解離反応速度が小さく反応の効率が悪い一方で、あまりに高温では、熱解離反応によって生成するイソシアネート基やアミノ基の変性反応を生起することになるため、より好ましくは、120℃以上330℃以下、さらに好ましくは、140℃以上300℃以下で実施される。
使用される炭酸誘導体の量は、該炭酸誘導体の種類や反応条件にもよるが、該ウレイレン基を有する化合物のウレイレン基の数に対して炭酸誘導体の数が5以下であることが好ましい場合が多い。反応速度を高め反応の効率を良好なものとするためには炭酸誘導体の量は多い方が好ましいが、あまりに過剰の炭酸誘導体を使用すれば、N−アルキル化等の副反応を生起する場合がある。したがって、該ウレイレン基を有する化合物のウレイレン基の数に対して炭酸誘導体の数は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下とする。
該ウレイレン基を有する化合物と炭酸誘導体との反応は、好ましくは、溶媒の存在下にておこなわれる。溶媒としては、該ウレイレン基を有する化合物及び該炭酸誘導体を溶解し、該反応温度にて安定な化合物であれば特に制限はなく、<工程(1)>の項目で述べたものと同様のものや、<有機ヒドロキシ化合物>の項目で述べたアルコールや芳香族ヒドロキシ化合物を使用することができる。特に、芳香族ヒドロキシ化合物は、該ウレイレン基を有する化合物の溶解性が高い点、該ウレイレン基の熱解離反応によって生成するアミノ基を有する化合物を安定化させる効果が高い点から好ましく使用される。
当該反応は、加圧、常圧、減圧のいずれの条件によって実施されてもよい。また、当該反応は、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性ガス雰囲気下で実施されることが好ましい。
反応装置は、攪拌槽、加圧式攪拌槽、減圧式攪拌槽、塔型反応器、蒸留塔、充填塔、薄膜蒸留器など、従来公知の反応器を適宜組み合わせて使用できる。反応温度を一定にするために、公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、材質については特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。
本実施の形態では、反応の効率を高める観点から、該工程(6)を蒸留塔にておこなうことが好ましい。蒸留塔を用いて実施する方法については上記した工程(d)と同様の方法を採用することができる。
<工程(7):再生不能な副生物を含む残留液の分離>
工程(7)は、工程(6)の反応液を熱分解反応に付して、生成するイソシアネートと、再生不能な副反応物を含む残留液(第2の残留液)とを分離する工程である。具体的には、上記した工程(6)において再生されたN−置換カルバメートを熱分解反応に付してイソシアネートと有機ヒドロキシ化合物とを生成させて、該イソシアネートと、再生不能な副反応物を含む残留液とを分離する。該工程(7)は、上記した工程(3)と同様の方法を用いることができる。
工程(7)で回収される残留液には、例えば、下記式(66)〜(69)で表される反応(ここでは官能基部分のみを記載)が複雑に組み合わさって生成したと推定される種々の副反応生成物が含まれる。
Figure 0006207707

(式中;
R’は、有機基を表す。)
上記式(66)〜(69)では官能基部分のみを記載したが、2官能以上の有機第1アミンを原料として使用した場合には、それぞれの末端官能基が独立に上記式(66)〜(69)のような反応を生起するため、副反応生成物は様々な結合様式を含み、分子量も広範囲にわたる。上記式(66)〜(68)のそれぞれの右辺に示される結合自体は、工程(7)がおこなわれる反応条件にて熱解離する可能性があるが、複数の分子が種々の結合様式で結合した化合物である場合には、熱解離で生成する分子の分子量自体が大きく高沸点であるために、再生不能な成分として回収される場合がある。式(69)の右辺で表される結合は、多くの場合、熱解離温度は非常に高く(例えば350℃以上)、再生不能である。
このような再生不能な副反応物を含む液相成分は、工程(7)の熱分解反応がおこなわれている間は十分に加熱されているため、比較的低粘度の液相成分として取り扱うことが可能であるが、該熱分解反応がおこなわれる反応器から排出されて冷却される時に高粘度化する場合がある。したがって、工程(7)の液相成分は、十分に低い粘度を示す温度範囲にて取り扱うことが好ましい。また、冷却時でも十分に低い粘度を示す程度に、溶媒等を加えることも好ましく実施される。その際用いる溶媒としては、好ましくは、有機ヒドロキシ化合物、とりわけ、芳香族ヒドロキシ化合物である。同様の操作は工程(3)で回収される液相成分に対しても実施することができる。
工程(7)で回収された残留液は、再度、工程(7)の熱分解反応に付してもよいし、次に示す工程(8)に付してもよい。工程(8)に移送する際の、該残留液の粘度は好ましくは1000mPa・s以下である。ここでいう粘度は、該残留液が移送される条件における粘度であり、該残留液を移送する配管に粘度計を設置しておいて実測してもよいし、該残留液をサンプリングして移送条件下での粘度を別途測定してもよい。その際には、B型粘度計等の簡便に測定できる粘度計を使用することもできる。また、工程(3)で回収された残留液も、工程(8)に付す際の粘度が1000mPa・s以下であることが好ましい。
<工程(8):残留液からの有機ヒドロキシ化合物の回収とブローダウン>
工程(8)は、工程(3)及び/又は工程(7)で得られる残留液を加熱して有機ヒドロキシ化合物を含む低沸点成分を回収し、該低沸点成分を工程(1)、(3)、(6)の少なくとも1つの工程へリサイクルし、再生不能な副反応物を含む高沸点成分を系外へ除去するブローダウン工程である。
工程(3)及び/又は工程(7)で得られる残留液は、工程(3)及び/又は工程(7)がおこなわれる反応器から排出された時点で有機ヒドロキシ化合物を含有している場合もあるし、上記したように、液相成分の粘度を低くするために有機ヒドロキシ化合物を添加する場合もある。また、上記式(67)、(68)の右辺に表される結合には有機ヒドロキシ化合物の残基(上記式(67)、(68)では−OR’)が含まれ、これらは高温に加熱することによって有機ヒドロキシ化合物(R’OH)として回収できる可能性がある。再生不能な成分は系内での蓄積を防止するために反応系より除去(ブローダウン)する必要があるが、有機ヒドロキシ化合物とともに除去されると、廃棄物の増加や資源の無駄に繋がるため、これらの有機ヒドロキシ化合物は好ましくは回収される。
具体的には、工程(3)及び/又は工程(7)の残留液の加熱を
(a)強制的運搬装置を備えたパドル型乾燥器、
(b)脱ガス機能を備えた押出機、及び、
(c)強制的運搬装置を備えた垂直薄膜蒸発器
からなる群から選ばれる少なくとも1種の装置を用いておこなう。
強制的搬出機関を備えた冷却帯域なしのパドル型乾燥器は、加熱帯域と冷却帯域中とに分離することなく、たとえば米国特許5,962,728に記載されるような100℃を大幅に上回る温度の急速に減少は生じないものである。その代わりに、装置を介しての残留物の通過過程における残留物の温度は上昇し、装置を介しての残留物の通過過程における温度勾配は、50℃を上回ることなく変化し、好ましくは、装置を介しての残留物の通過過程における本質的な温度変化はない。このようなパドル型乾燥器は本質的に水平に構成され、この場合、残留物の運搬は、一般には、装置内部の1個又は2個の混合シャフト及び混練シャフトを介して実施される。これらの装置は粒子床反応器、混練乾燥器又は混練反応器を意味する。
加熱は壁を介して実施され、かつ任意の方法で実施することができる。好ましくは、加熱は、装置の外壁を介してのみならず、さらに内部構造物、たとえば清浄化フック、セグメントプレート及び混練シャフトを介して実施される。
パドル型乾燥器に供給された残留物が加熱される区間は、パドル型乾燥器の全長の好ましくは10%以上、70%以下、好ましくは20%以上、60%以下、特に好ましくは30%以上、50%以下である。
本実施の形態で、有機ヒドロキシ化合物を減少させた後の残留物の強制的搬出のための搬出装置として、たとえば、スクリュー、好ましくはツインスクリューを使用することが可能である。
さらにパドル型乾燥器は、好ましくは有機ヒドロキシ化合物の蒸気を凝縮する装置と一緒に運転し、これにより、分離された有機ヒドロキシ化合物を回収することができる。
本実施の形態では、好ましくは、パドル型乾燥器の有効体積を25〜90%、好ましくは30〜80%、さらに好ましくは40〜75%及び特に好ましくは50〜70%、残留物で充填する。
脱ガス機能を備えた押出機では、工程(3)及び/又は(7)の残留液は減圧下で、オリフィスプレート又はスロットプレートに対して押しつけられる。押出機内部での混練によって、残留物が混合され、有機ヒドロキシ化合物が分離される。有機ヒドロキシ化合物は適宜凝縮され、再利用することができる。
強制的搬出装置を備えた垂直薄膜蒸発器では、加熱された表面上の残留物を、薄いフィルムとして塗布し、拡げ、その結果、易揮発性の有機ヒドロキシ化合物を分離することができる。また、必要に応じて、分離条件下で不活性ガス、たとえば窒素を通過させることができる。有機ヒドロキシ化合物分離後の残留物は該薄膜蒸発器の下末端に達した時点で高粘度化している場合があり、そのようなときには、適した強制的な搬出系、たとえばスクリュー又はシャフトを用いて塔底で搬出等をおこなうことができる。
<装置の洗浄>
本実施の形態のイソシアネートの製造において、ポリマー状の副反応生成物等が生成し、反応装置の運転条件が変動したり、長時間の運転をおこなったりした場合に、ポリマー状の副反応生成物が付着する場合がある。
そのような場合には、該当する装置の内部(特に壁面)を、ポリマー状の副反応生成物の良溶媒である酸で洗浄し、反応器の内部を清浄に保つことができる。
洗浄の酸としては、該ポリマー状の副生成物を溶解するものであれば、特に限定されず、有機酸、無機酸のいずれが用いられてもよいが、好ましくは、有機酸が用いられる。有機酸としては、カルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸、芳香族ヒドロキシ化合物、エノール類、チオフェノール類、イミド類、オキシム類、芳香族スルホンアミド類等を例示することができるが、好ましくはカルボン酸、芳香族ヒドロキシ化合物が使用される。カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、2−メチルブタン酸、ピバリン酸、ヘキサン酸、イソカプロン酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、ヘプタン酸(各異性体)、オクタン酸(各異性体)、ノナン酸(各異性体)、デカン酸(各異性体)、ウンデカン酸(各異性体)、ドデカン酸(各異性体)、テトラデカン酸(各異性体)、ヘキサデカン酸(各異性体)、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、アリル酢酸、ウンデセン酸(各異性体)等の飽和又は不飽和脂肪族モノカルボン酸化合物、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸(各異性体)、オクタン二酸(各異性体)、ノナン二酸(各異性体)、デカン二酸(各異性体)、マレイン酸、フマル酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、ペンテン二酸(各異性体)、イタコン酸、アリルマロン酸等の飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3−プロペントリカルボン酸、2,3−ジメチルブタン−1,2,3−トリカルボン酸等の飽和又は不飽和脂肪族トリカルボン酸化合物、安息香酸、メチル安息香酸(各異性体)、エチル安息香酸(各異性体)、プロピル安息香酸(各異性体)、ジメチル安息香酸(各異性体)、トリメチル安息香酸(各異性体)等の芳香族者カルボン酸化合物、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルイソフタル酸(各異性体)等の芳香族ジカルボン酸化合物、ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸等の芳香族トリカルボン酸化合物を挙げることができる。芳香族ヒドロキシ化合物としては、上記「芳香族ヒドロキシ化合物」の項目で挙げた化合物を用いることができる。
なお、洗浄の酸として芳香族ヒドロキシ化合物を用いる場合、該芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点は、洗浄効果の観点から、生成するイソシアネートの標準沸点と10℃以上の沸点差を有することが好ましい。
[実施例1]
図1に示す装置を使用した。図1に示す装置は、カルバメート化工程、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程、ガス吸収液を製造する工程、アンモニア分離工程、尿素製造工程、イソシアネート製造工程をおこなう装置である。
ヘキサメチレンジアミン7.2kg、尿素7.5kg(尿素7.5kgのうち、5.3kgは後述する尿素製造設備107にて製造された尿素である)、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール261.9kgの混合物を約92.2kg/Hrでライン1より連続多段蒸留塔101に供給した。ライン4より、凝縮器103で得られた4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと尿素との混合液を約9.56kg/Hrで供給した。連続多段蒸留塔101は、カルバメート化工程を行うための装置であり、リボイラー111で加熱することで塔底温度を250℃とし、塔頂圧力5kPaとした。連続多段蒸留塔101の底部より反応液を約90.7kg/Hrで抜き出し、ライン5を経て熱分解装置102に供給した。熱分解装置102は、カルバメートの熱分解反応によってヘキサメチレンジイソシアネートを生成するための薄膜蒸発器であり、内部圧力を1kPaとし、外部加熱により250℃に加熱した。熱分解装置102にて生成した気相成分をライン7から分離塔109に供給し、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールとヘキサメチレンジイソシアネートの分離を行った。蒸留分離に必要な熱量はリボイラー112より供給した。分離塔109の塔底より4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールをライン18から回収した。分離塔109の塔頂から回収した成分は、凝縮器114及びライン20を経て精製塔110に供給し、ヘキサメチレンジイソシアネートの蒸留精製を行った。蒸留精製に必要な熱量はリボイラー113より供給した。精製塔110の塔頂より、凝縮器115及びライン2を経てヘキサメチレンジイソシアネートが約2.4kg/Hrで回収された。精製塔110の塔底成分はライン19より抜き出した。熱分解装置102の底部より回収される液相成分の一部はライン8を経て系外にブローダウンし、それ以外の液相成分はライン6を経て再び熱分解装置102に供給した。
一方、連続多段蒸留塔101の塔頂より回収された気相成分を、ライン3を経て凝縮器103に供給した。該気相成分を分析したところ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器103は、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に90℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと尿素との混合物(アンモニアを2100ppm含有する)であり、該混合物は、上記したようにライン4を経て再び連続多段蒸留塔に供給した。
未凝縮の気相成分はアンモニアを主成分とする気相成分であり、該気相成分を、ライン9を経てガス吸収塔104に供給した。ガス吸収塔104はヘリパックNo.5が充填された充填塔であり、内部圧力を3kPaとし、ライン13より10℃の水を40.0kg/Hrで供給することで、アンモニアの吸収を行った。ガス吸収塔104の塔頂からは、微量のアンモニア(ガス吸収塔104底部から回収されるアンモニアに対して0.5%未満)と水を気相成分としてライン10から回収し、真空装置(水封式真空ポンプ)106、ライン11を経て常圧として尿素製造設備107へと供給した。
一方、ガス吸収塔104の底部からは、水とアンモニアの混合液を41.26kg/Hrで回収し、ライン12を経て放散塔105(ガス吸収液の加熱によるアンモニアの分離を行う)に供給した。放散塔105はヘリパックNo.5が充填された充填塔であり、内部圧力は常圧で、放散塔105が具備するリボイラー116により塔底部の温度を100℃に調整した。発生したアンモニアは塔頂より抜き出し、凝縮器117で同伴する水等の成分を凝縮した後、ライン14を経て尿素製造設備107へと供給した。ライン17から二酸化炭素を供給し、尿素製造設備107にて尿素を製造した。製造された尿素は約1.75kg/Hrであった。尿素製造設備107中の尿素は、ライン15から回収して利用することができる。
[実施例2]
(カルバメート化工程)
図2に示す装置を使用し、カルバメート化工程をおこなった。1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン11.3kg、尿素15.1kg、1−ブタノール220.3kgの混合物を約20kg/Hrでライン21より連続多段蒸留塔201に供給した。ライン24より、凝縮器203で得られた1−ブタノールと尿素との混合液を約3.5kg/Hrで供給した。余剰の凝縮成分は貯槽204に回収した。連続多段蒸留塔201は、カルバメート化工程を行うための装置であり、リボイラー202で加熱することにより塔底温度を220℃とし、塔頂圧力1.2MPaとした。連続多段蒸留塔201の底部より反応液を抜き出し、ライン22を経て貯槽205に回収した。
(予備濃縮工程)
次に図3に示す装置を使用して、予備濃縮工程をおこなった。カルバメート化工程で貯槽205に回収した反応液を、ライン31を通して約21kg/Hrで薄膜蒸発器301に供給した。薄膜蒸発器301はジャケット温度を130℃、内部の圧力を70kPaとした。薄膜蒸発器301で生成した気相成分は凝縮器302で凝縮し、貯槽304に回収した。回収物は1−ブタノールであった。一方、薄膜蒸発器301の液相成分をライン32を経て貯槽303に約10kg/Hrで回収した。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用して、熱分解工程をおこなった。熱分解装置401は、N−置換カルバメートの熱分解反応によってイソホロンジイソシアネートを生成するための多段蒸留塔であり、塔頂圧力を25kPaとし、リボイラー403で加熱することでジベンジルエーテルの全還流状態とした。ここにライン40より予備濃縮工程で貯槽303に回収した液を約5kg/Hrで供給し、ライン49よりジベンジルエーテルを供給した。軽沸成分は塔頂より抜き出し、凝縮器402を経てライン42より回収し、高沸成分はライン41より回収した。熱分解装置401の中段に設けたライン43よりイソホロンジイソシアネートを含む留分を回収し分離塔404に供給し、分離塔404にて1−ブタノールを含む軽沸成分を蒸留分離し、該軽沸成分は凝縮器405を経てライン44より回収した。蒸留分離に必要な熱量はリボイラー406より供給した。塔底回収液を、ライン45及びライン46を経て分離塔407に供給し、分離塔407では高沸成分を蒸留分離し、ライン48より回収した。分離塔407にて蒸留分離に必要な熱量はリボイラー409より供給した。塔頂より回収した気相成分は凝縮器408で凝縮し、ライン47よりイソホロンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図2の連続多段蒸留塔201の塔頂より回収された気相成分は、ライン23を経て凝縮器203に供給した。該気相成分を分析したところ、1−ブタノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器203は、1−ブタノールと、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約0℃の冷媒を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は1−ブタノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン24を経て再び連続多段蒸留塔201に供給した。
(吸収工程、放散工程)
図5に示す装置を使用した。未凝縮の気相成分はアンモニアを主成分とする気相成分であり、該気相成分を、ライン50を経てガス吸収塔501に供給した。ガス吸収塔501は充填塔であり、ライン54より5℃のアンモニア水を約20kg/Hrで供給し、アンモニアの吸収を行った。ガス吸収塔501の塔頂からは、微量のアンモニア(ガス吸収塔501底部から回収されるアンモニアに対して0.5%未満)と水を気相成分としてライン51から回収し、圧力調整のためのポンプ502を経てライン52より抜き出した。
一方、ガス吸収塔501の底部からは、水とアンモニアと1−ブタノールを含む混合液を回収し、ライン53を経て放散塔503(ガス吸収液の加熱によるアンモニアの分離を行う)に供給した。途中、予熱器510にて該ガス吸収液の加熱をおこなった。放散塔503はヘリパックが充填された充填塔であり、内部圧力は常圧で、放散塔503が具備するリボイラー505により塔底部の温度を105℃に調整した。発生したアンモニアは凝縮器504により水等の同伴成分を凝縮した後、ライン55より回収した。該アンモニアをガスクロマトグラフィーで分析したところ、該アンモニアに含まれるメタンおよびアルゴンは検出下限界(0.05wt%)以下であった。
(1−ブタノールの分離)
引き続き図5の装置を用いた。放散塔503の塔底液は1−ブタノールと水と少量のアンモニアを含む混合物であり、該混合物を、ライン56を通じて蒸留塔506に供給し、1−ブタノールと水の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量はリボイラー508より供給した。蒸留塔506の塔頂より回収した気相成分を凝縮器507にて凝縮し、水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、途中、ライン59より気液分離器511に回収したアンモニア水を添加し、アンモニア濃度の調整をおこない、冷却器509で5℃に温度調整したのち、吸収塔501に循環した。
[実施例3]
(カルバメート化工程)
1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンの代わりに4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミンを21kg使用し、尿素を16.5kg使用し、1−ブタノールの代わりに2,4−キシレノールを250kg使用し、塔底温度を240℃とした以外は、実施例2のカルバメート化工程と同様の方法をおこなった。図2の連続多段蒸留塔201の底部より反応液を抜き出し、ライン22を経て貯槽205に回収した。
(予備濃縮工程)
図3の薄膜蒸発器301のジャケット温度を150℃とし、内部の圧力を10kPaとした以外は、実施例2の予備濃縮工程と同様の方法をおこない、薄膜蒸発器301の底部より液相成分を約10kg/Hrで回収した。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用して、熱分解工程をおこなった。熱分解装置401は、N−置換カルバメートの熱分解反応によって4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを生成するための多段蒸留塔であり、内部圧力を15kPaとし、ジベンジルエーテルの代わりにフルオレンを使用した以外は、実施例2の熱分解工程と同様の方法をおこなった。分離塔404にて2,4−キシレノールを含む軽沸成分を蒸留分離し、分離塔407では高沸成分を蒸留分離し、ライン47より4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図2の連続多段蒸留塔201の塔頂より回収された気相成分は、ライン23を経て凝縮器203に供給した。該気相成分を分析したところ、2,4−キシレノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器203は、2,4−キシレノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約80℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は2,4−キシレノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン24を経て再び連続多段蒸留塔201に供給した。
(吸収工程、2,4−キシレノールの分離工程、放散工程)
図6に示す装置を使用した。未凝縮の気相成分はアンモニアを主成分とする気相成分であり、該気相成分を、ライン60を経てガス吸収・液液分離装置601に供給した。ガス吸収・液液分離装置601はデカンターであり、ライン64より5℃の水を約22kg/Hrで供給し、ライン60の先を水相に浸漬させた状態でアンモニアの吸収を行った。一方、ライン66よりトルエンを約11kg/Hr供給し、未凝縮の気相成分に含有される2,4−キシレノールの抽出をおこなった。トルエンを主成分とする有機相はライン67より回収し、蒸留塔にてトルエンと2,6−キシレノールの分離をおこない、トルエンと2,6−キシレノールとをそれぞれ再利用した。ガス吸収・液液分離装置601の塔頂からは、微量のアンモニア(ガス吸収・液液分離装置601底部から回収されるアンモニアに対して0.5%未満)と水とトルエンを気相成分としてライン61から回収し、圧力調整のためのポンプ602を経てライン62より抜き出した。
一方、ガス吸収・液液分離装置601の底部からは、水とアンモニアとを含む混合液を回収し、ライン63を経て放散塔603(ガス吸収液の加熱によるアンモニアの分離を行う)に供給した。途中、予熱器607にて該ガス吸収水の加熱をおこなった。放散塔603はヘリパックが充填された充填塔であり、内部圧力は常圧で、放散塔603が具備するリボイラー605により塔底部の温度を105℃に調整した。発生したアンモニアは凝縮器604で水等の同伴成分を凝縮した後、ライン65より回収した。該アンモニアをガスクロマトグラフィーで分析したところ、該アンモニアに含まれるメタンおよびアルゴンは検出下限界(0.05wt%)以下であった。
放散塔603の底部より回収した水は、一部をライン68より抜き出すと同時に同量の水をライン69より供給し、吸収液のブローダウンをおこなったのち、冷却器606で5℃に冷却し、ライン64を経てガス吸収・液液分離装置601に循環した。ライン68より回収した水は尿素を含有していた。
[実施例4]
(カルバメート化工程)
1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンの代わりにアニリンを8.5kg使用し、尿素を13.2kg使用し、1−ブタノールの代わりに2,4−ジ−tert−アミルフェノールを180kg使用し、塔底温度を250℃とした以外は、実施例2のカルバメート化工程と同様の方法をおこなった。図2の連続多段蒸留塔201の底部より反応液を抜き出し、ライン22を経て貯槽205に回収した。回収した液は予備濃縮工程をおこなわず、そのまま熱分解工程に供給した。
(熱分解工程)
図7に示す装置を使用して、熱分解工程をおこなった。熱分解装置701は、N−置換カルバメートの熱分解反応によってフェニルイソシアネートを生成するためのフォーリングフィルム型反応器であり、内部圧力を1kPaとし、ジャケット温度を250℃とし、分離塔703の塔頂圧力を0.5kPaとしてドデカンの全還流状態とした。必要な熱量はリボイラー704より供給した。ライン71よりカルバメート化工程の反応液を約10kg/Hrで供給し、生成した気相成分を、ライン74を通して分離塔703に供給した。熱分解装置701の底部より回収した液相成分は約半分を、ライン72を経て熱分解装置701に再供給し、残りの液相成分はライン73より回収した。分離塔703にはライン74より熱分解による気相成分を供給するとともに、ライン78を通じて約1kg/Hrでドデカンを供給した。分離塔703の塔頂より回収した気相成分を凝縮器702で凝縮してフェニルイソシアネートとドデカンの混合液とし、ライン76を経て分離塔706に供給した。分離塔703の塔底から2,4−ジ−tert−アミルフェノールを含む高沸成分をライン75より回収した。分離塔706にてフェニルイソシアネートの蒸留をおこなった。蒸留分離に必要な熱量はリボイラー707より供給した。気相成分を塔頂より回収し、凝縮器705をで凝縮し、ライン77よりフェニルイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図2の連続多段蒸留塔201の塔頂より回収された気相成分は、ライン23を経て凝縮器203に供給した。該気相成分を分析したところ、2,4−ジ−tert−アミルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器203は、2,4−ジ−tert−アミルフェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約25℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は2,4−ジ−tert−アミルフェノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン24を経て再び連続多段蒸留塔201に供給した。
(吸収工程、2,4−ジ−tert−アミルフェノールの分離工程、放散工程)
図6に示す装置を使用した。ライン64より供給する水を25℃とし、ライン66からのトルエンの供給をおこなわなかった以外は、実施例3と同様の方法をおこなった。2,4−ジ−tert−アミルフェノールを主成分とする有機相はライン67より回収し、微量含有される水を除去し、2,4−ジ−tert−アミルフェノールとして再利用した。ガス吸収・液液分離装置601の塔頂からは、微量のアンモニア(ガス吸収・液液分離装置601底部から回収されるアンモニアに対して0.5%未満)と水を気相成分としてライン61から回収した。
放散塔603で発生したアンモニアをライン65より回収した。
放散塔603の底部より回収した水は、一部をライン68より抜き出すと同時に同量の水をライン69より供給し、吸収液のブローダウンをおこなったのち、ライン64を経てガス吸収・液液分離装置601に循環した。ライン68より回収した水は尿素を含有していた。
[実施例5]
(カルバメート化工程)
1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンの代わりに2,4−トルエンジアミンを9.8kg使用し、尿素を10.3kg使用し、1−ブタノールの代わりにフェノールを80kg使用し、塔底温度を230℃、塔頂圧力を0.2Mpaとし、塔底のライン25より濃度調整のためにフェノールを供給した以外は、実施例2のカルバメート化工程と同様の方法をおこなった。図2の連続多段蒸留塔201の底部より反応液を抜き出し、ライン22を経て貯槽205に回収した。
(予備濃縮工程)
図3の薄膜蒸発器301のジャケット温度を150℃とし、内部の圧力を10kPaとした以外は、実施例2の予備濃縮工程と同様の方法をおこない、薄膜蒸発器301の底部より液相成分を約10kg/Hrで回収した。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用して、熱分解工程をおこなった。熱分解装置401は、N−置換カルバメートの熱分解反応によって2,4−トルエンジイソシアネートを生成するための多段蒸留塔であり、内部圧力を15kPaとし、ジベンジルエーテルの代わりにジフェニルエーテルを使用した以外は、実施例2の熱分解工程と同様の方法をおこなった。分離塔404にてフェノールを含む軽沸成分を蒸留分離し、分離塔407では高沸成分を蒸留分離し、ライン47より2,4−トルエンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図2の連続多段蒸留塔201の塔頂より回収された気相成分は、ライン23を経て凝縮器203に供給した。該気相成分を分析したところ、フェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器203は、フェノールと、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約40℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分はフェノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン24を経て再び連続多段蒸留塔201に供給した。
(吸収工程、放散工程)
図5に示す装置を使用し、ライン54より10℃の水を約30kg/Hrで供給した以外は、実施例2の吸収工程、放散工程と同様の方法をおこない、発生したアンモニアをライン55より回収した。
(フェノールの分離)
引き続き図5の装置を用い、実施例2と同様の方法をおこなった。蒸留塔506の塔頂より水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、吸収塔501に循環した。蒸留塔506の塔底よりライン58を経てフェノールを回収し、カルバメート化工程の原料として再利用した。
[実施例6]
(カルバメート化工程)
1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンの代わりにヘキサメチレンジアミンを12.7kg使用し、尿素を13.8kg使用し、1−ブタノールの代わりにフェノールを220kg使用し、塔底温度を230℃、塔頂圧力を0.2Mpaとし、塔底のライン25より濃度調整のためにフェノールを供給した以外は、実施例2のカルバメート化工程と同様の方法をおこなった。図2の連続多段蒸留塔201の底部より反応液を抜き出し、ライン22を経て貯槽205に回収した。
(予備濃縮工程)
図3の薄膜蒸発器301のジャケット温度を150℃とし、内部の圧力を5kPaとした以外は、実施例2の予備濃縮工程と同様の方法をおこない、薄膜蒸発器301の底部より液相成分を約11kg/Hrで回収した。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用して、熱分解工程をおこなった。熱分解装置401は、N−置換カルバメートの熱分解反応によってヘキサメチレンジイソシアネートを生成するための多段蒸留塔であり、内部圧力を10kPaとし、ジベンジルエーテルの代わりにベンジルブチルフタレートを使用した以外は、実施例2の熱分解工程と同様の方法をおこなった。分離塔404にてフェノールを含む軽沸成分を蒸留分離し、分離塔407では高沸成分を蒸留分離し、ライン47よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図2の連続多段蒸留塔201の塔頂より回収された気相成分は、ライン23を経て凝縮器203に供給した。該気相成分を分析したところ、フェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器203は、フェノールと、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約40℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分はフェノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン24を経て再び連続多段蒸留塔201に供給した。
(吸収工程、放散工程)
図8に示す装置を使用した。未凝縮の気相成分はアンモニアを主成分とする気相成分であり、該気相成分を、ライン80を経てガス吸収塔801に供給した。ガス吸収塔801は充填塔であり、ライン84より10℃の水を約25kg/Hrで供給し、アンモニアの吸収を行った。ガス吸収塔801の塔頂からは、微量のアンモニア(ガス吸収塔801底部から回収されるアンモニアに対して0.5%未満)と水を気相成分としてライン81から回収し、圧力調整のためのポンプ802を経てライン82より抜き出した。
一方、ガス吸収塔801の底部からは、水とアンモニアとフェノールを含む混合液を回収し、ライン83A,83Bを経て放散塔803(ガス吸収液の加熱によるアンモニアの分離を行う)に供給した。途中、熱交換器806において、ライン86により放散塔803の塔底より回収される混合液とライン83により吸収塔801の塔底より回収される吸収液との間で熱交換をおこない、予熱器808でガス吸収水の加熱をおこなった。放散塔803はヘリパックが充填された充填塔であり、内部圧力は常圧で、放散塔803が具備するリボイラー805により塔底部の温度を105℃に調整した。発生したアンモニアは凝縮器804で同伴成分を凝縮した後、ライン85より回収した。
一方、放散塔803の底部より回収した水は、フェノールと尿素とを含み、該水の一部をライン87より抜き出すと同時に同量の水をライン88より供給し、吸収液のブローダウンをおこなったのち、冷却器807で10℃に冷却した後、ライン84を経て吸収塔801に循環した。ライン87より回収した、フェノールと尿素を含む水は、蒸留分離によって、尿素を含むフェノールと水に分離し、それぞれを、カルバメート化の原料、吸収水として再利用した。
[実施例7]
(カルバメート化工程)
図9に示す装置を使用し、カルバメート化工程をおこなった。尿素2.85kg、2−イソプロピルフェノール26.0kgをそれぞれライン90、91より撹拌槽901に供給した。130℃に加熱して均一な溶液としたのち、ヘキサメチレンジアミン1.05kgをライン92より撹拌槽901に約0.3kg/Hrで供給した。ヘキサメチレンジアミンを全量供給後2時間撹拌したのち反応液を分析したところ、1,6−ヘキサメチレンジウレアがヘキサメチレンジアミンに対して収率約95%で生成していた。ライン93とライン95を経てた多段蒸留塔903に供給した。途中、気液分離器902にてアンモニアを分離しライン94より抜き出した。
多段蒸留塔903は、カスケードミニリング(登録商標)を充填材とする蒸留塔であり、予め、塔底に4−フェニルフェノール、貯槽905に尿素と2−イソプロピルフェノールの混合液(尿素濃度:約6.8重量%)を仕込み、塔底温度を250℃として塔内を全還流状態とした。ここに、ライン95より気液分離後の反応液を約1.5kg/Hrで投入し、塔底部のライン96より4−フェニルフェノールを約2.5kg/Hrで供給した。ライン98より、凝縮器904で得られた2−イソプロピルフェノールと尿素との混合液を供給した。余剰の混合液は貯槽906に回収した。多段蒸留塔903の底部より反応液を抜き出し、ライン99を経て貯槽907に回収した。
(予備濃縮工程)
次に図3に示す装置を使用して、予備濃縮工程をおこなった。カルバメート化工程で貯槽907に回収した反応液を、ライン31を通して約15kg/Hrで薄膜蒸発器301に供給した。薄膜蒸発器301はジャケット温度を180℃、内部の圧力を2kPaとした。薄膜蒸発器301で生成した気相成分は凝縮器302で凝縮し、貯槽304に回収した。回収物は4−フェニルフェノールであった。一方、薄膜蒸発器301の液相成分は、ライン32を経て貯槽303に約3kg/Hrで回収した。
(熱分解工程)
図7に示す装置を使用して、熱分解工程をおこなった。内部圧力を1kPaとし、ジャケット温度を250℃とし、分離塔703の塔頂圧力を0.5kPaとして、ドデカンの代わりにヘキサデカンを使用して全還流状態とし、ライン71より貯槽303に回収した反応液を約3kg/Hrで供給し、ライン78よりドデカンの代わりにヘキサデカンを約0.5kg/Hrで供給した以外は、実施例4の熱分解工程と同様の方法をおこなった。分離塔703の塔頂で回収した液を分離塔706に供給し、分離塔706の中段に具備するライン79よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、2−イソプロピルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、2−イソプロピルフェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約15℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は2−イソプロピルフェノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン98を経て再び多段蒸留塔903に供給した。
(吸収工程、2−イソプロピルフェノールの分離工程、放散工程)
図10に示す装置を使用した。未凝縮の気相成分はアンモニアを主成分とする気相成分であり、該気相成分を、ラインA0を経てガス吸収塔1001に供給した。ガス吸収塔1001は充填塔であり、ラインA9より15℃の水を約10kg/Hrで供給した。ガス吸収塔1001の塔頂からは、微量のアンモニア(ガス吸収塔1001底部から回収されるアンモニアに対して0.5%未満)と水を気相成分としてラインA1から回収し、圧力調整のためのポンプ1003を経てラインA2より抜き出した。アンモニアを吸収した液はガス吸収塔1001の底部よりラインA3を経て回収し液液分離器1002に供給した。液液分離器1002はデカンターであり、該1002にてアンモニアを吸収した液に含まれる2−イソプロピルフェノールの分離を分離し、該2−イソプロピルフェノールからなる有機相をラインA4より回収した。該2−イソプロピルフェノールはカルバメート化工程の原料として再利用した。一方の水相はラインA5より抜き出し、ラインA8との熱交換器1008、予熱器1007、ラインA6を経て放散塔1004に供給した。放散塔1004はヘリパックが充填された充填塔であり、内部圧力は常圧で、放散塔1004が具備するリボイラー1006により塔底部の温度を105℃に調整した。発生したアンモニアは凝縮器1005で水等の同伴成分を凝縮した後、ラインA7より回収した。該アンモニアをガスクロマトグラフィーで分析したところ、該アンモニアに含まれるメタンおよびアルゴンは検出下限界(0.05wt%)以下であった。
放散塔1004の底部より回収した水はラインA8、熱交換器1008、冷却器1009を経てラインA9より吸収塔1001に供給した。一部はラインA11より抜き出すと同時に同量の水をラインA10より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインA11より回収した水は尿素を含有していた。
[実施例8]
(カルバメート化工程)
図9に示す装置を使用し、カルバメート化工程をおこなった。尿素5.3kg、2−イソプロピルフェノールの代わりに4−ドデシルフェノール43.0kgを使用し、ヘキサメチレンジアミンの代わりに1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン3.5kgを使用した以外は、実施例7と同様の方法をおこない、1−ウレイド−(3−アミノカルボニルアミノメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンを含む反応液を得た。
予め、多段蒸留塔903の塔底に4−ドデシルフェノールを仕込み、塔底温度を250℃として塔内を4−ドデシルフェノールの全還流状態とした。ここに、ライン95より気液分離後の反応液を約2.0kg/Hrで投入し、ライン98を閉止し、塔底部のライン96より4−ドデシルフェノールを約2.5kg/Hrで供給した。凝縮器904に4−ドデシルフェノールと尿素との混合液が得られた。多段蒸留塔903の底部より反応液を抜き出し、ライン99を経て貯槽907に回収した。該反応液には、当該工程の目的化合物であるN−置換カルバメートの他、尿素結合を有する多量体が含まれており、N−置換カルバメートの収率は、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンに対して約53%であった。
(カルバメート再生工程)
図11に示す装置を使用した。撹拌槽1101に尿素を2.7kg投入し、貯槽907に回収した反応液をラインB0より供給した。撹拌槽1101を220℃に加熱し、内部を10kPaに減圧した。生成する気相成分をラインB1より抜き出し、凝縮器1102で凝縮し、得られた凝縮液を、ラインB2を経て再度撹拌槽1101に供給した。5時間反応をおこなった後、ラインB3より貯槽1103に反応液を回収した。該反応液に含まれるN−置換カルバメートの収率は、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンに対して約92%であった。
(予備濃縮工程)
次に図3に示す装置を使用して、予備濃縮工程をおこなった。上記工程で貯槽1103に回収した反応液を、ライン31を通して約15kg/Hrで薄膜蒸発器301に供給した。薄膜蒸発器301はジャケット温度を190℃、内部の圧力を2kPaとした。薄膜蒸発器301で生成した気相成分は凝縮器302で凝縮し、貯槽304に回収した。回収物は4−ドデシルフェノールであった。一方、薄膜蒸発器301の液相成分は、ライン32を経て貯槽303に約3kg/Hrで回収した。
(熱分解工程)
図12に示す装置を使用して、熱分解工程をおこなった。薄膜蒸発器1201の内部圧力を1kPaとし、ジャケット温度を250℃とした。分離塔1203の塔頂圧力を0.5kPaとして、NeoSK−OIL1300を使用して全還流状態とした。ラインC1より貯槽303に回収した反応液を約3kg/Hrで供給し、ラインC2よりNeoSK−OIL1300を約1kg/Hrで供給し、薄膜蒸発器1201でN−置換カルバメートの熱分解をおこなった。液相成分はラインC3より回収し、一方の、イソホロンジイソシアネートを含む気相成分をラインC4により回収し、分離塔1203に供給した。分離塔1203で蒸留分離に必要な熱量はリボイラー1204より供給し、塔底成分をラインC5より回収した。分離塔1203で塔頂より回収した気相成分を凝縮器1202で凝縮することでイソホロンジイソシアネートとNeoSK−OIL1300を回収し、ラインC6を経て分離塔1206に供給し、該分離塔1206で蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量はリボイラー1207より供給した。分離塔1206の中段に具備するラインC9よりイソホロンジイソシアネートを回収した。分離塔1206で塔底部に分離されたNeoSK−OIL1300はラインC8を経て貯槽1208に回収され、ラインC2を経て再度、薄膜蒸発器1201に供給された。分離塔1206の塔頂より回収した気相成分は凝縮器1205で凝縮し、ラインC7より回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、4−ドデシルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、4−ドデシルフェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約15℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は4−ドデシルフェノールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、4−ドデシルフェノールの分離工程、放散工程)
図10に示す装置を使用し、実施例7と同様の方法をおこなった。ラインA4より4−ドデシルフェノールからなる有機相を回収し、カルバメート化工程の原料として再利用した。また、ラインA7よりアンモニアを回収した。
放散塔1004の底部より回収した水はラインA8、熱交換器1008等を経てラインA9より吸収塔1001に供給した。一部はラインA11より抜き出すと同時に同量の水をラインA10より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインA11より回収した水は尿素を含有していた。
[実施例9]
(N−無置換カルバメートの製造)
図13に示す装置を使用し、N−無置換カルバメートを製造した。撹拌槽1301に、ラインD0より尿素3.1kgを投入し、ラインD1よりフェノール48.6kgを投入した。該撹拌槽1301を200℃に加熱し、撹拌しながら反応をおこなった。ラインD2より気相成分を抜き出し、凝縮器1302で凝縮し、該凝縮液は気液分離器1303を経て撹拌槽1301に供給した。気液分離器1303で分離されたアンモニアを主成分とする気相成分は、ラインD4より抜き出し、後述する吸収工程に用いた。約5時間反応をおこなった後、反応液をラインD3より抜き出し、貯槽1304に回収した。該反応液はカルバミン酸フェニルを含み、尿素に対する収率は約70%であった。
(カルバメート化工程)
図9に示す装置を使用し、カルバメート化工程をおこなった。尿素と2−イソプロピルフェノールの代わりに上記工程で貯槽1304に回収した反応液を使用し、ヘキサメチレンジアミンの代わりに1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン2.2kgを使用した以外は、実施例7と同様の方法をおこない、1−ウレイド−(3−アミノカルボニルアミノメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンを含む反応液を得た。
予め、多段蒸留塔903の塔底にフェノールを仕込み、塔底温度を220℃として塔内をフェノールの全還流状態とした。塔頂での圧力は約0.2MPaであった。ここに、ライン95より気液分離後の反応液を約2.0kg/Hrで投入し、4−ドデシルフェノールの代わりにフェノールを使用して、実施例7と同様の方法をおこない、ライン99を経て貯槽907に回収した。該反応液には、当該工程の目的化合物であるN−置換カルバメートの他、尿素結合を有する多量体が含まれており、N−置換カルバメートの収率は、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンに対して約72%であった。
(カルバメート再生工程)
図11に示す装置を使用し、尿素の代わりに炭酸ジフェニルを2.8kg投入し、撹拌槽1101を220℃に加熱し、内部を0.2MPaとした以外は実施例8のカルバメート再生工程と同様の方法をおこなった。3時間反応をおこなった後、ラインB3より貯槽1103に反応液を回収した。該反応液に含まれるN−置換カルバメートの収率は、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンに対して約97%であった。
(予備濃縮工程)
図3に示す装置を使用して、実施例8の予備濃縮工程と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用して、実施例6と同様の方法をおこない、ライン47よりイソホロンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、フェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、フェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約40℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分はフェノールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、フェノールの分離工程、放散工程)
図10に示す装置を使用し、ラインA12よりトルエンを約1kg/Hrで供給した以外は実施例7と同様の方法をおこなった。ラインA4よりフェノールとトルエンを含有する混合液を回収し、蒸留塔にて蒸留分離をおこなって得られたフェノールとトルエンは、それぞれ、カルバメート化工程の原料、ラインA12のフィード液として再利用した。また、ラインA7よりアンモニアを回収した。
放散塔1004の底部より回収した水はラインA8、熱交換器1008等を経てラインA9より吸収塔1001に供給した。一部はラインA11より抜き出すと同時に同量の水をラインA10より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインA11より回収した水は尿素を含有していた。
[実施例10]
(カルバメート化工程)
図9に示す装置を使用し、カルバメート化工程をおこなった。尿素1.8kgを使用し、2−イソプロピルフェノールの代わりに3−メチル−1−ブタノール39.0kgをしようし、ヘキサメチレンジアミン1.1kgを使用した以外は実施例7と同様の方法をおこない、1,6−ヘキサメチレンジウレアを含む反応液を得た。
次に、多段蒸留塔903の塔底に、予め、3−メチル−1−ブタノールを仕込み、塔底温度を200℃、塔頂圧力を1.3MPaとして塔内を3−メチル−1−ブタノールで全還流状態とした。ここに、ライン95より気液分離後の反応液を約1.0kg/Hrで供給し、塔底部のライン96より3−メチル−1−ブタノールを約3.1kg/Hrで供給した。ライン98より、凝縮器904で得られた3−メチル−1−ブタノールと尿素との混合液を供給した。多段蒸留塔903の底部より反応液を抜き出し、ライン99を経て貯槽907に回収した。
(予備濃縮工程)
次に図14に示す装置を使用し、予備濃縮工程をおこなった。カルバメート化工程で貯槽907に回収した反応液を、ラインD11を通して約10kg/Hrで予備濃縮器1401に供給した。予備濃縮器1401はフォーリングフィルム型蒸発器であり、ジャケット温度を150℃、内部の圧力を80kPaとした。予備濃縮器1401で生成した気相成分はラインD13を経て凝縮器1403で凝縮し、貯槽1404に回収した。回収物は3−メチル−1−ブタノールとカルバミン酸(3−メチルブチル)の混合物であった。一方、予備濃縮器1401の液相成分は、ラインD12を経て貯槽1402に約1kg/Hrで回収した。貯槽1402の回収液を分析したところ、1,6−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(3−メチルブチル))がヘキサメチレンジアミンに対して収率95%で生成していた。
(エステル交換工程)
図15に示す装置を使用して、エステル交換工程をおこなった。連続多段蒸留塔1501はラシヒリングを充填した充填塔であり、予め、塔底部に4−ノニルフェノールを供給して、塔内を4−ノニルフェノールの全還流状態とした。必要な熱量はリボイラー1502より供給した。塔底温度は220℃であった。予備濃縮工程で貯槽1402に回収した液をラインE1より約1kg/Hrで供給し、ラインE5より4−ノニルフェノールを約2kg/Hrで供給した。ラインE4はラインE1からの反応液供給が開始すると同時に閉止した。塔頂より3−メチル−1−ブタノールを主成分とする気相成分を抜き出し、ラインE3を経て、凝縮器1503で凝縮して貯槽1504に回収した。一方、塔底部より反応液を抜き出し、ラインE2を経て貯槽1505に約2.1kg/Hrで回収した。貯槽1505回収液を分析したところ、1,6−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−ノニルフェニル))が1,6−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(3−メチルブチル))に対して収率95%で生成していた。
(熱分解工程)
図16に示す装置を使用して、熱分解工程をおこなった。熱分解反応器1601、1602は共に薄膜蒸発器であり、内部圧力を1kPaとし、ジャケット温度を250℃とした。分離塔1603の塔頂圧力を0.5kPaとして、ヘキサデカンの全還流状態とし、ラインF0より貯槽1505に回収した反応液を約2.1kg/Hrで供給し、ラインF1よりヘキサデカンを約1kg/Hrで供給した。熱分解反応器1601の液相成分はラインF3を経て連続的に熱分解反応器1602に供給した。熱分解反応器1602の底部から回収される液相成分をラインF5より回収した。熱分解反応器で生成した気相成分は、ラインF2,F3より熱分解反応器より抜き出し、ラインF6,F4を経て分離塔1603に供給した。蒸留分離に必要な熱量はリボイラー1605より供給し、塔底成分をラインF8より回収した。分離塔1603の塔頂よりヘキサメチレンジイソシアネートを含む成分を回収し、凝縮器1604で凝縮した後、ラインF7を経て分離塔1607に供給した。蒸留分離に必要な熱量をリボイラー1608より供給して、分離塔1607にてヘキサメチレンジイソシアネートの蒸留分離をおこない、分離塔1607の中段に具備するラインF10よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。分離塔1607の塔頂より回収した気相成分は凝縮器1606にて凝縮した後、ラインF9より回収した。分離塔1607の塔底より回収されるヘキサデカンを含む成分はラインF11を経て貯槽1609に回収し、ラインF1を経てリサイクルした。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、3−メチル−1−ブタノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、3−メチル−1−ブタノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約−5℃の冷媒を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は3−メチル−1−ブタノールと尿素を含む混合物であった。
(吸収工程、3−メチル−1−プロパノールの分離工程、放散工程)
図17に示す装置を使用した。未凝縮の気相成分はアンモニアを主成分とする気相成分であり、該気相成分を、ラインG0を経てガス吸収塔1701に供給した。ガス吸収塔1701は充填塔であり、ラインG4より10℃のアンモニア水を約10kg/Hrで供給した。ガス吸収塔1701の塔頂からは、微量のアンモニア(ガス吸収塔1701底部から回収されるアンモニアに対して0.5%未満)と水を気相成分としてラインG1から回収し、圧力調整のためのポンプ1702を経てラインG2より抜き出した。アンモニアを吸収した液はガス吸収塔1701の底部よりラインG3を経て回収し、途中、熱交換器1704と加熱器1707とラインG6を経て放散塔1706に供給した。放散塔1706はヘリパックが充填された充填塔であり、内部圧力は微加圧(約0.12MPa)、塔底部の温度は110℃とした。必要な熱量はリボイラー1708より供給した。発生したアンモニアは凝縮器1705で水等の同伴成分を凝縮した後、ラインG7より抜き出し回収した。該アンモニアをガスクロマトグラフィーで分析したところ、該アンモニアに含まれるメタンおよびアルゴンは検出下限界(0.05wt%)以下であった。
放散塔1706の底部より回収した水はラインG8を経て、液液分離器1709に供給した。液液分離器1709で3−メチル−1−プロパノールを含む有機相と水相を分離し、水相をラインG5より抜き出した。有機相はラインG14より抜き出し、回収した3−メチル−1−ブタノールをカルバメート化工程にリサイクルした。
ラインG5の途中に具備するラインG12より吸収液の一部を抜き出すと同時に、同量の1wt%アンモニア水をラインG13より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインG13より供給するアンモニア水は、気液分離器1710の液とラインG11より供給される水により濃度調整をおこなった。ラインG12より回収した水は尿素を含有していた。
ラインG5の吸収液は熱交換器1704,1703とラインG4を経て吸収塔1701に供給された。
[実施例11]
(カルバメート化工程)
尿素2.3kg、2−イソプロピルフェノールの代わりに4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノール26.0kg、ヘキサメチレンジアミン1.5kgを使用した以外は、実施例7と同様の方法をおこない、1,6−ヘキサメチレンジウレアを含む反応液を得た。続いて、4−フェニルフェノールの代わりに4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールを約3.0kg/Hrでライン96より供給し(図9)、貯槽905に尿素と4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールの混合液(尿素濃度:約10重量%)を仕込んだ以外は、実施例7のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。
(予備濃縮工程)
次に図14に示す装置を使用して、予備濃縮工程をおこなった。該予備濃縮器1401はフォーリングフィルム型蒸発器であり、ジャケット温度を250℃、内部の圧力を3kPaとした。カルバメート化工程で貯槽907に回収した反応液を、ラインD11を通して約10kg/Hrで予備濃縮器1401に供給した。生成した気相成分はラインD13より抜き出し、後述する熱分解工程で得られた気相成分とともに蒸留塔で凝縮し、図3の貯槽304に回収した。回収物は4−フェニルフェノールであった。一方、薄膜蒸発器301の液相成分は、ライン32を経て貯槽303に約3.5kg/Hrで回収した。
(熱分解工程)
図18に示す装置を使用して、熱分解工程をおこなった。熱分解反応器1801、1802は共にフォーリングフィルム型蒸発器であり、内部圧力を1kPaとし、ジャケット温度を250℃とした。分離塔1803の塔頂圧力を0.5kPaとして、ベンジルトルエンの全還流状態とし、ラインH0より貯槽に回収した反応液を約2.1kg/Hrで供給し、ラインH11よりベンジルトルエンを約1kg/Hrで供給した。熱分解反応器1801の液相成分はラインH3を経て連続的に熱分解反応器1802に供給した。熱分解反応器1802底部の液相成分はラインH5より回収した。熱分解反応器で生成した気相成分は、ラインH2、H3より熱分解反応器より抜き出し、ラインH6,H4を経て分離塔1803に供給した。リボイラー1805より蒸留分離に必要な熱量を供給し、分離塔1803の塔頂よりヘキサメチレンジイソシアネートを含む成分を回収し、凝縮器1804で凝縮した後、ラインH7を経て、分離塔1807に供給した。分離塔1803の塔底成分はラインH8より回収した。分離塔1807にてヘキサメチレンジイソシアネートの蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量はリボイラー1808より供給し、分離塔1807の中段に具備するラインH10よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。塔頂の気相成分は凝縮器1806で凝縮した後、ラインH9より回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約15℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン98を経て再び多段蒸留塔903に供給した。
(吸収工程、4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールの分離工程、放散工程)
図17に示す装置を使用した以外は実施例10と同様の方法をおこない、生成したアンモニアをラインG7より抜き出し回収した。放散塔1706の底部より回収した水はラインG8を経て、液液分離器1709に供給した。液液分離器1709で4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールを含む有機相と水相を分離し、水相をラインG5より抜き出した。有機相はラインG12より抜き出し、回収した4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールをカルバメート化工程にリサイクルした。
ラインG5の途中に具備するラインG12より吸収液の一部を抜き出すと同時に、同量の1wt%アンモニア水をG11より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインG12より回収した水は尿素を含有していた。
ラインG5の吸収液は熱交換器1704、1703を経て吸収塔1701に供給された。
[実施例12]
(カルバメート化工程)
図2に示す装置を使用し、カルバメート化工程をおこなった。1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンの代わりに2,4−トルエンジアミン1.6kg、尿素1.8kg、1−ブタノール29.0kgを使用した以外は、実施例2のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、反応液を貯槽205に回収した。
(予備濃縮工程)
図3に示す装置を使用し、実施例2の予備濃縮工程と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用し、ジベンジルエーテルの代わりにベンジルトルエンを使用した以外は、実施例2の熱分解工程と同様の方法をおこない、ライン47より2,4−トルエンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図2の連続多段蒸留塔201の塔頂より回収された気相成分は、ライン23を経て凝縮器203に供給した。該気相成分を分析したところ、1−ブタノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器203は、1−ブタノールと、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約0℃の冷媒を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は1−ブタノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン24を経て再び連続多段蒸留塔201に供給した。
(吸収工程、放散工程)
図5に示す装置を使用し、実施例2の吸収工程、放散工程と同様の方法をおこない、生成したアンモニアをライン55より回収した。
(1−ブタノールの分離)
引き続き図5の装置を用いた。放散塔503の塔底液は1−ブタノールと水と少量のアンモニアを含む混合物であり、該混合物を、ライン56を通じて蒸留塔506に供給し、1−ブタノールと水の蒸留分離をおこなった。蒸留塔506の塔頂より水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、途中、ライン59より気液分離器511に回収したアンモニア水を添加し、アンモニア濃度の調整をおこなったのち、吸収塔501に循環した。
[実施例13]
(カルバメート化工程)
尿素1.6kg、2−イソプロピルフェノールの代わりにフェノール23.0kg、ヘキサメチレンジアミン1.4kgを使用した以外は、実施例7と同様の方法をおこない、1,6−ヘキサメチレンジウレアを含む反応液を得た。
該反応液を図9のライン95より多段蒸留塔903に焼く2.0kg/Hrで供給し、4−フェニルフェノールの代わりにフェノールを約1.5kg/Hrでライン96より供給し、貯槽905に尿素とフェノールの混合液(尿素濃度:約15重量%)を仕込んだ以外は、実施例7のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、反応液を約2.3kg/Hrで貯槽907に回収した。
(予備濃縮工程)
次に図14に示す装置を使用して、予備濃縮工程をおこなった。該予備濃縮器1401はフォーリングフィルム型蒸発器であり、ジャケット温度を250℃、内部の圧力を3kPaとした。カルバメート化工程で貯槽907に回収した反応液を、ラインD11を通して約10kg/Hrで予備濃縮器1401に供給した。生成した気相成分はラインD13より抜き出し、後述する熱分解工程で得られた気相成分とともに蒸留塔で凝縮し、図3の貯槽304に回収した。回収物はフェノールであった。一方、薄膜蒸発器301の液相成分は、ライン32を経て貯槽303に約2.5kg/Hrで回収した。1,6−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸フェニル)がヘキサメチレンジアミンに対して収率96%で得られた。
(エステル交換工程)
図15に示す装置を使用し、4−ノニルフェノールの代わりに2,4−ジ(α,α−ジメチルベンジル)フェノールを使用し、塔底温度を250℃とし、ラインE5より2,4−ジ(α,α−ジメチルベンジル)フェノールを約4.2kg/Hrで供給した以外は、実施例7のエステル交換工程と同様の方法をおこなった。貯槽1505回収液を分析したところ、1,6−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(2,4−ジ(α,α−ジメチルベンジル)フェニル))が1,6−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸フェニル)に対して収率93%で生成していた。
(熱分解工程)
図16に示す装置を使用し、熱分解反応器1601、1602の内部圧力を0.5kPaとし、ジャケット温度を250℃とし、分離塔1603の塔頂圧力を0.2kPaとした以外は、実施例10の熱分解工程と同様の方法をおこない、分離塔1607の中段に具備するラインF10よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、フェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、フェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約40℃の冷媒を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分はフェノールと尿素を含む混合物であった。
(吸収工程、放散工程)
図5に示す装置を使用し、ライン54より10℃の水を約30kg/Hrで供給した以外は、実施例2の吸収工程、放散工程と同様の方法をおこない、発生したアンモニアをライン55より回収した。
(フェノールの分離)
引き続き図5の装置を用い、実施例2と同様の方法をおこなった。蒸留塔506の塔頂より水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、吸収塔501に循環した。蒸留塔506の塔底よりライン58を経てフェノールを回収し、カルバメート化工程の原料として再利用した。
[実施例14]
(カルバメート化工程)
図2に示す装置を使用し、カルバメート化工程をおこなった。1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンの代わりにヘキサメチレンジアミン1.5kg、尿素2.9kg、1−ブタノールの代わりにp−ドデシルフェノール32.0kgを使用した以外は、実施例2のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、反応液を貯槽205に回収した。
(予備濃縮工程)
図3に示す装置を使用し、実施例2の予備濃縮工程と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用し、ジベンジルエーテルの代わりにヘキサデカンを使用した以外は、実施例2の熱分解工程と同様の方法をおこない、ライン47よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図2の連続多段蒸留塔201の塔頂より回収された気相成分は、ライン23を経て凝縮器203に供給した。該気相成分を分析したところ、p−ドデシルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器203は、p−ドデシルフェノールと、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約10℃の冷却水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分はp−ドデシルフェノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン24を経て再び連続多段蒸留塔201に供給した。
(吸収工程、放散工程)
図5に示す装置を使用し、実施例2の吸収工程、放散工程と同様の方法をおこない、生成したアンモニアをライン55より回収した。
(p−ドデシルフェノールの分離)
引き続き図5の装置を用いた。放散塔503の塔底液はp−ドデシルフェノールと水と少量のアンモニアを含む混合物であり、該混合物を、ライン56を通じて蒸留塔506に供給し、p−ドデシルフェノールと水の蒸留分離をおこなった。蒸留塔506の塔頂より水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、途中、ライン59より気液分離器511に回収したアンモニア水を添加し、アンモニア濃度の調整をおこなったのち、吸収塔501に循環した。
[実施例15]
(カルバメート化工程)
図2に示す装置を使用し、カルバメート化工程をおこなった。1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンの代わりにヘキサメチレンジアミン1.9kg、尿素3.2kg、1−ブタノールの代わりに2,4−ジ−tert−アミルフェノール53.0kgを使用した以外は、実施例2のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、反応液を貯槽205に回収した。
(予備濃縮工程)
図3に示す装置を使用し、実施例2の予備濃縮工程と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用し、ジベンジルエーテルの代わりにペンタデカンを使用した以外は、実施例2の熱分解工程と同様の方法をおこない、ライン47よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図2の連続多段蒸留塔201の塔頂より回収された気相成分は、ライン23を経て凝縮器203に供給した。該気相成分を分析したところ、2,4−ジ−tert−アミルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器203は、2,4−ジ−tert−アミルフェノールと、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約25℃の冷却水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は2,4−ジ−tert−アミルフェノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン24を経て再び連続多段蒸留塔201に供給した。
(吸収工程、放散工程)
図5に示す装置を使用し、実施例2の吸収工程、放散工程と同様の方法をおこない、生成したアンモニアをライン55より回収した。
(2,4−ジ−tert−アミルフェノールの分離)
引き続き図5の装置を用いた。放散塔503の塔底液は2,4−ジ−tert−アミルフェノールと水と少量のアンモニアを含む混合物であり、該混合物を、ライン56を通じて蒸留塔506に供給し、2,4−ジ−tert−アミルフェノールと水の蒸留分離をおこなった。蒸留塔506の塔頂より水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、途中、ライン59より気液分離器511に回収したアンモニア水を添加し、アンモニア濃度の調整をおこなったのち、吸収塔501に循環した。
[実施例16]
(カルバメート化工程)
図2に示す装置を使用し、カルバメート化工程をおこなった。1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンの代わりにヘキサメチレンジアミン1.7kg、尿素1.8kg、1−ブタノールの代わりにハイドロキノン20.0kgを使用した以外は、実施例2のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、反応液を貯槽205に回収した。
(予備濃縮工程)
図3に示す装置を使用し、実施例2の予備濃縮工程と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用し、ジベンジルエーテルの代わりにペンタデカンを使用した以外は、実施例2の熱分解工程と同様の方法をおこない、ライン47よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図2の連続多段蒸留塔201の塔頂より回収された気相成分は、ライン23を経て凝縮器203に供給した。該気相成分を分析したところ、ハイドロキノンとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器203は、ハイドロキノンと、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約175℃の蒸気を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分はハイドロキノンと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン24を経て再び連続多段蒸留塔201に供給した。
(吸収工程、放散工程)
図5に示す装置を使用し、実施例2の吸収工程、放散工程と同様の方法をおこない、生成したアンモニアをライン55より回収した。
(ハイドロキノンの分離)
引き続き図5の装置を用いた。放散塔503の塔底液はハイドロキノンと水と少量のアンモニアを含む混合物であり、該混合物を、ライン56を通じて蒸留塔506に供給し、ハイドロキノンと水の蒸留分離をおこなった。蒸留塔506の塔頂より水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、途中、ライン59より気液分離器511に回収したアンモニア水を添加し、アンモニア濃度の調整をおこなったのち、吸収塔501に循環した。
[実施例17]
(カルバメート化工程)
図2に示す装置を使用し、カルバメート化工程をおこなった。1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンの代わりにヘキサメチレンジアミン1.7kg、尿素1.8kg、1−ブタノールの代わりに2−イソプロピルフェノール10。0kgと4−フェニルフェノール10.0kgを使用した以外は、実施例2のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、反応液を貯槽205に回収した。
(予備濃縮工程)
図3に示す装置を使用し、実施例2の予備濃縮工程と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用し、実施例2の熱分解工程と同様の方法をおこない、ライン47よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、連続多段蒸留塔201の塔頂より回収された気相成分は、ライン23を経て凝縮器203に供給した。該気相成分を分析したところ、2−イソプロピルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器203は、2−イソプロピルフェノールと、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約10℃の冷却水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は2−イソプロピルフェノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン24を経て再び連続多段蒸留塔201に供給した。
(吸収工程、放散工程)
図5に示す装置を使用し、実施例2の吸収工程、放散工程と同様の方法をおこない、生成したアンモニアをライン55より回収した。
(2−イソプロピルフェノールの分離)
引き続き図5の装置を用いた。放散塔503の塔底液は2−イソプロピルフェノールと水と少量のアンモニアを含む混合物であり、該混合物を、ライン56を通じて蒸留塔506に供給し、2−イソプロピルフェノールと水の蒸留分離をおこなった。蒸留塔506の塔頂より水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、途中、ライン59より気液分離器511に回収したアンモニア水を添加し、アンモニア濃度の調整をおこなったのち、吸収塔501に循環した。
[実施例18]
(カルバメート化工程)
尿素2.1kg、2−イソプロピルフェノールの代わりにp−ヘプチルフェノール45.0kgを使用し、ヘキサメチレンジアミン2.1kgを使用した以外は、実施例8と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。N−置換カルバメートはヘキサメチレンジアミンに対して約60%の収率で生成していた。
(カルバメート再生工程)
尿素の代わりに炭酸ジブチルを4.9kg使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、貯槽1103に反応液を回収した。該反応液に含まれるN−置換カルバメートの収率は、ヘキサメチレンジアミンに対して約90%であった。
(予備濃縮工程)
実施例8と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
NeoSK−OIL1300の代わりにペンタデカンを使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、ラインC9よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、p−ヘプチルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、p−ヘプチルフェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約15℃の冷却水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分はp−ヘプチルフェノールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、p−ヘプチルフェノールの分離工程、放散工程)
図10に示す装置を使用し、実施例7と同様の方法をおこなった。ラインA4よりp−ヘプチルフェノールからなる有機相を回収し、カルバメート化工程の原料として再利用した。また、ラインA7よりアンモニアを回収した。放散塔1004の底部より回収した水はラインA8、熱交換器1008等を経てラインA9より吸収塔1001に供給した。一部はラインA11より抜き出すと同時に同量の水をラインA10より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインA11より回収した水は尿素を含有していた。
[実施例19]
(カルバメート化工程)
尿素2.7kg、2−イソプロピルフェノールの代わりに2−ナフトール38.0kgを使用し、ヘキサメチレンジアミン1.6kgを使用した以外は、実施例8と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。N−置換カルバメートはヘキサメチレンジアミンに対して約66%の収率で生成していた。
(カルバメート再生工程)
尿素の代わりにカルバミン酸フェニルを6.2kg使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、貯槽1103に反応液を回収した。該反応液に含まれるN−置換カルバメートの収率は、ヘキサメチレンジアミンに対して約90%であった。
(予備濃縮工程)
実施例8と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
NeoSK−OIL1300の代わりにペンタデカンを使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、ラインC9よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、2−ナフトールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、2−ナフトール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約120℃の蒸気を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は2−ナフトールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、放散工程)
実施例2の(吸収工程、放散工程)と同様の方法をおこない、アンモニアをライン55より回収した。
(2−ナフトールの分離)
引き続き図5の装置を用いた。放散塔503の塔底液は2−ナフトールと水と少量のアンモニアを含む混合物であり、該混合物を、ライン56を通じて蒸留塔506に供給し、2−ナフトールと水の蒸留分離をおこなった。蒸留塔506の塔頂より水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、途中、ライン59より気液分離器511に回収したアンモニア水を添加し、アンモニア濃度の調整をおこなったのち、吸収塔501に循環した。
[実施例20]
(カルバメート化工程)
尿素1.0kg、2−イソプロピルフェノールの代わりに2−フェニルフェノール32.0kgを使用し、ヘキサメチレンジアミン1.0kgを使用した以外は、実施例8と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。N−置換カルバメートはヘキサメチレンジアミンに対して約68%の収率で生成していた。
(カルバメート再生工程)
尿素を0.5kg使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、貯槽1103に反応液を回収した。該反応液に含まれるN−置換カルバメートの収率は、ヘキサメチレンジアミンに対して約90%であった。
(予備濃縮工程)
実施例8と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
NeoSK−OIL1300の代わりにペンタデカンを使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、ラインC9よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、2−フェニルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、2−フェニルフェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約60℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は2−フェニルフェノールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、放散工程)
実施例2の(吸収工程、放散工程)と同様の方法をおこない、アンモニアをライン55より回収した。
(2−フェニルフェノールの分離)
引き続き図5の装置を用いた。放散塔503の塔底液は2−フェニルフェノールと水と少量のアンモニアを含む混合物であり、該混合物を、ライン56を通じて蒸留塔506に供給し、2−フェニルフェノールと水の蒸留分離をおこなった。蒸留塔506の塔頂より水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、途中、ライン59より気液分離器511に回収したアンモニア水を添加し、アンモニア濃度の調整をおこなったのち、吸収塔501に循環した。
[実施例21]
(カルバメート化工程)
尿素1.5kg、2−イソプロピルフェノールの代わりに4−エトキシフェノール10.0kgを使用し、ヘキサメチレンジアミン1.0kgを使用した以外は、実施例8と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。N−置換カルバメートはヘキサメチレンジアミンに対して約77%の収率で生成していた。
(カルバメート再生工程)
尿素の代わりに炭酸ジフェニルを2.9kg使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、貯槽1103に反応液を回収した。該反応液に含まれるN−置換カルバメートの収率は、ヘキサメチレンジアミンに対して約95%であった。
(予備濃縮工程)
実施例8と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
上記予備濃縮工程で得られた反応液を使用した以外は実施例2と同様の方法をおこない、ライン47よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、4−エトキシフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、4−エトキシフェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約50℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は4−エトキシフェノールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、4−エトキシフェノールの分離工程、放散工程)
図6に示す装置を使用し、ライン64より供給する水を10℃とし、トルエンの代わりにキシレンを使用した以外は、実施例3と同様の方法をおこなった。4−エトキシフェノールを主成分とする有機相はライン67より回収し、キシレンと4−エトキシフェノールとを蒸留分離したのち、それぞれを再利用した。ガス吸収・液液分離装置601の塔頂からは、微量のアンモニア(ガス吸収・液液分離装置601底部から回収されるアンモニアに対して0.5%未満)と水を気相成分としてライン61から回収した。放散塔603で発生したアンモニアをライン65より回収した。放散塔603の底部より回収した水は、一部をライン68より抜き出すと同時に同量の水をライン69より供給し、吸収液のブローダウンをおこなったのち、ライン64を経てガス吸収・液液分離装置601に循環した。ライン68より回収した水は尿素を含有していた。
[実施例22]
(カルバメート化工程)
尿素1.5kg、2−イソプロピルフェノールの代わりにハイドロキノン11.0kgを使用し、ヘキサメチレンジアミン1.2kgを使用した以外は、実施例8と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。N−置換カルバメートはヘキサメチレンジアミンに対して約58%の収率で生成していた。
(カルバメート再生工程)
尿素の代わりに炭酸ジフェニルを1.9kg使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、貯槽1103に反応液を回収した。該反応液に含まれるN−置換カルバメートの収率は、ヘキサメチレンジアミンに対して約92%であった。
(予備濃縮工程)
実施例8と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
NeoSK−OIL1300の代わりにペンタデカンを使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、ラインC9よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、ハイドロキノンとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、ハイドロキノン、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約170℃の蒸気を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分はハイドロキノンと尿素との混合物であった。
(吸収工程、放散工程)
実施例2の(吸収工程、放散工程)と同様の方法をおこない、アンモニアをライン55より回収した。
(ハイドロキノンの分離)
引き続き図5の装置を用いた。放散塔503の塔底液はハイドロキノンと水と少量のアンモニアを含む混合物であり、該混合物を、ライン56を通じて蒸留塔506に供給し、ハイドロキノンと水の蒸留分離をおこなった。蒸留塔506の塔頂より水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、途中、ライン59より気液分離器511に回収したアンモニア水を添加し、アンモニア濃度の調整をおこなったのち、吸収塔501に循環した。
[実施例23]
(カルバメート化工程)
尿素1.6kg、2−イソプロピルフェノールの代わりに2,4−ジ−tert−アミルフェノール55.0kgを使用し、ヘキサメチレンジアミン1.5kgを使用した以外は、実施例7と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。N−置換カルバメートはヘキサメチレンジアミンに対して89%の収率で生成していた。
(予備濃縮工程)
実施例8と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
NeoSK−OIL1300の代わりにヘキサデカンを使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、ラインC9よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、2,4−ジ−tert−アミルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、2,4−ジ−tert−アミルフェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約170℃の蒸気を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は2,4−ジ−tert−アミルフェノールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、2,4−ジ−tert−アミルフェノールの分離工程、放散工程)
図10に示す装置を使用し、実施例7と同様の方法をおこなった。ラインA4より2,4−ジ−tert−アミルフェノールからなる有機相を回収し、カルバメート化工程の原料として再利用した。また、ラインA7よりアンモニアを回収した。放散塔1004の底部より回収した水はラインA8、熱交換器1008等を経てラインA9より吸収塔1001に供給した。一部はラインA11より抜き出すと同時に同量の水をラインA10より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインA11より回収した水は尿素を含有していた。
[実施例24]
(カルバメート化工程)
尿素2.2kg、2−イソプロピルフェノールの代わりに2,4−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)フェノール100kgを使用し、ヘキサメチレンジアミン1.8kgを使用した以外は、実施例7と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。N−置換カルバメートはヘキサメチレンジアミンに対して約91%の収率で生成していた。
(予備濃縮工程)
実施例8と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
NeoSK−OIL1300の代わりにヘプタデカンを使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、ラインC9よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、2,4−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、2,4−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)フェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約70℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は2,4−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、2,4−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールの分離工程、放散工程)
図17に示す装置を使用した以外は実施例10と同様の方法をおこない、生成したアンモニアをラインG7より抜き出し回収した。
放散塔1706の底部より回収した水はラインG8を経て、液液分離器1709に供給した。液液分離器1709で2,4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールを含む有機相と水相を分離し、水相をラインG5より抜き出した。有機相はラインG12より抜き出し、回収した2,4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールをカルバメート化工程にリサイクルした。ラインG5の途中に具備するラインG12より吸収液の一部を抜き出すと同時に、同量の1wt%アンモニア水をG11より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインG12より回収した水は尿素を含有していた。ラインG5の吸収液は熱交換器1704、1703を経て吸収塔1701に供給された。
[実施例25]
(カルバメート化工程)
尿素1.5kg、2−イソプロピルフェノールの代わりに2−フェニルフェノール320kgを使用し、ヘキサメチレンジアミン1.0kgを使用した以外は、実施例7と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。N−置換カルバメートはヘキサメチレンジアミンに対して約84%の収率で生成していた。
(予備濃縮工程)
実施例8と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
NeoSK−OIL1300の代わりにヘプタデカンを使用した以外は実施例8と同様の方法をおこない、ラインC9よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、2−フェニルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、2−フェニルフェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約70℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は2−フェニルフェノールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、2−フェニルフェノールの分離工程、放散工程)
図17に示す装置を使用した以外は実施例10と同様の方法をおこない、生成したアンモニアをラインG7より抜き出し回収した。放散塔1706の底部より回収した水はラインG8を経て、液液分離器1709に供給した。液液分離器1709で2−フェニルフェノールを含む有機相と水相を分離し、水相をラインG5より抜き出した。有機相はラインG12より抜き出し、回収した2−フェニルフェノールをカルバメート化工程にリサイクルした。ラインG5の途中に具備するラインG12より吸収液の一部を抜き出すと同時に、同量の1wt%アンモニア水をG11より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインG12より回収した水は尿素を含有していた。ラインG5の吸収液は熱交換器1704、1703を経て吸収塔1701に供給された。
[実施例26]
(カルバメート化工程)
図9に示す装置を使用し、尿素4.1kg、2−イソプロピルフェノールの代わりに2−フェニルエタノール33.0kg、ヘキサメチレンジアミン2.1kgを使用した以外は実施例7のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、1,6−ヘキサメチレンジウレアをヘキサメチレンジアミンに対して収率約90%で得た。
次に、4−フェニルフェノールの代わりに4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールを使用し、貯槽905に尿素と2−フェニルエタノールの混合液(尿素濃度:約5.8重量%)を仕込み、塔底部のライン96より4−フェニルフェノールの代わりに4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールを約2.9kg/Hrで供給した以外は、実施例7と同様の方法をおこなった。多段蒸留塔903の底部より反応液を抜き出し、ライン99を経て貯槽907に回収した。
(予備濃縮工程)
実施例7と同様の方法で予備濃縮工程をおこなった。
(熱分解工程)
ドデカンの代わりにペンタデカンを使用した以外は実施例7の熱分解工程と同様の方法をおこない、ライン79よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、2−フェニルエタノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、2−フェニルエタノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約15℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は2−フェニルエタノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン98を経て再び多段蒸留塔903に供給した。
(吸収工程、放散工程)
実施例6と同様の方法をおこない、アンモニアをライン85より回収した。
放散塔803の底部より回収した水は、2−フェニルエタノールと尿素とを含み、該水の一部をライン87より抜き出すと同時に同量の水をライン88より供給し、吸収液のブローダウンをおこなったのち、ライン84を経て吸収塔801に循環した。ライン87より回収した、2−フェニルエタノールと尿素を含む水は、蒸留分離によって、尿素を含む2−フェニルエタノールと水に分離し、それぞれを、カルバメート化の原料、吸収水として再利用した。
[実施例27]
(カルバメート化工程)
図9に示す装置を使用し、尿素2.4kg、2−イソプロピルフェノールの代わりにイソデシルアルコール19.0kg、ヘキサメチレンジアミン1.3kgを使用した以外は実施例7のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、1,6−ヘキサメチレンジウレアをヘキサメチレンジアミンに対して収率約88%で得た。
次に、4−フェニルフェノールの代わりに2−ナフトールを使用し、貯槽905に尿素とイソデシルアルコールの混合液(尿素濃度:約5.6重量%)を仕込み、塔底部のライン96より4−フェニルフェノールの代わりに2−ナフトールを約2.1kg/Hrで供給した以外は、実施例7と同様の方法をおこなった。多段蒸留塔903の底部より反応液を抜き出し、ライン99を経て貯槽907に回収した。
(予備濃縮工程)
実施例7と同様の方法で予備濃縮工程をおこなった。
(熱分解工程)
ドデカンの代わりにペンタデカンを使用した以外は実施例7の熱分解工程と同様の方法をおこない、ライン79よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、イソデシルアルコールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、イソデシルアルコール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約15℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分はイソデシルアルコールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン98を経て再び多段蒸留塔903に供給した。
(吸収工程、放散工程)
実施例6と同様の方法をおこない、アンモニアをライン85より回収した。
放散塔803の底部より回収した水は、イソデシルアルコールと尿素とを含み、該水の一部をライン87より抜き出すと同時に同量の水をライン88より供給し、吸収液のブローダウンをおこなったのち、ライン84を経て吸収塔801に循環した。ライン87より回収した、イソデシルアルコールと尿素を含む水は、蒸留分離によって、尿素を含むイソデシルアルコールと水に分離し、それぞれを、カルバメート化の原料、吸収水として再利用した。
[実施例28]
(カルバメート化工程)
図9に示す装置を使用し、尿素2.4kg、2−イソプロピルフェノールの代わりにイソデシルアルコール19.0kg、ヘキサメチレンジアミン1.3kgを使用した以外は実施例7のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、1,6−ヘキサメチレンジウレアをヘキサメチレンジアミンに対して収率約88%で得た。
次に、4−フェニルフェノールの代わりに2−ナフトールを使用し、貯槽905に尿素とイソデシルアルコールの混合液(尿素濃度:約5.6重量%)を仕込み、塔底部のライン96より4−フェニルフェノールの代わりに2−ナフトールを約2.1kg/Hrで供給した以外は、実施例7と同様の方法をおこなった。多段蒸留塔903の底部より反応液を抜き出し、ライン99を経て貯槽907に回収した。
(予備濃縮工程)
実施例7と同様の方法で予備濃縮工程をおこなった。
(熱分解工程)
ドデカンの代わりにペンタデカンを使用した以外は実施例7の熱分解工程と同様の方法をおこない、ライン79よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、イソデシルアルコールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、イソデシルアルコール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約15℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分はイソデシルアルコールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン98を経て再び多段蒸留塔903に供給した。
(吸収工程、放散工程)
実施例6と同様の方法をおこない、アンモニアをライン85より回収した。
放散塔803の底部より回収した水は、イソデシルアルコールと尿素とを含み、該水の一部をライン87より抜き出すと同時に同量の水をライン88より供給し、吸収液のブローダウンをおこなったのち、ライン84を経て吸収塔801に循環した。ライン87より回収した、イソデシルアルコールと尿素を含む水は、蒸留分離によって、尿素を含むイソデシルアルコールと水に分離し、それぞれを、カルバメート化の原料、吸収水として再利用した。
[実施例29]
(カルバメート化工程)
図9に示す装置を使用し、カルバメート化工程をおこなった。尿素3.9kgを撹拌槽901に供給し、該撹拌槽901を150℃に加熱して尿素を溶融させた。ヘキサメチレンジアミン1.0kgをライン92より撹拌槽901に約0.1kg/Hrで供給した。ヘキサメチレンジアミンを全量供給後2時間撹拌したのち反応液を分析したところ、1,6−ヘキサメチレンジウレアがヘキサメチレンジアミンに対して収率約85%で生成していた。該反応液をライン93とライン95を経てた多段蒸留塔903に供給した。途中、気液分離器902にてアンモニアを分離しライン94より抜き出した。
多段蒸留塔903は、カスケードミニリング(登録商標)を充填材とする蒸留塔であり、予め、塔底に4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールを仕込み、塔底温度を250℃として塔内を全還流状態とした。ここに、ライン95より気液分離後の反応液を約0.5kg/Hrで投入し、塔底部のライン96より4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールを約3.2kg/Hrで供給した。ライン98より、凝縮器904で得られた2−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと尿素との混合液を供給した。多段蒸留塔903の底部より反応液を抜き出し、ライン99を経て貯槽907に回収した。
(予備濃縮工程)
実施例7と同様の方法で予備濃縮工程をおこなった。
(熱分解工程)
ドデカンの代わりにペンタデカンを使用した以外は実施例7の熱分解工程と同様の方法をおこない、ライン79よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約15℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン98を経て再び多段蒸留塔903に供給した。
(吸収工程、放散工程)
実施例2の(吸収工程、放散工程)と同様の方法をおこない、アンモニアをライン55より回収した。
(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールの分離)
引き続き図5の装置を用いた。放散塔503の塔底液は4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと水と少量のアンモニアを含む混合物であり、該混合物を、ライン56を通じて蒸留塔506に供給し、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと水の蒸留分離をおこなった。蒸留塔506の塔頂より水(少量のアンモニアを含む)を回収した。該水は、ライン57、54を経て、途中、ライン59より気液分離器511に回収したアンモニア水を添加し、アンモニア濃度の調整をおこなったのち、吸収塔501に循環した。
[実施例30]
(カルバメート化工程)
ヘキサメチレンジアミンを1.1kg、尿素を11kg使用した以外は、実施例29のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、1,6−ヘキサメチレンジウレアをヘキサメチレンジアミンに対して収率約88%で得た。
ついで、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールの代わりに4−エトキシフェノールを使用し、ライン95より1,6−ヘキサメチレンジウレアを含む反応液を約0.3kg/Hrで投入し、塔底部のライン96より4−エトキシフェノールを約2.5kg/Hrで供給した以外は実施例29のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。
(予備濃縮工程)
実施例7と同様の方法で予備濃縮工程をおこなった。
(熱分解工程)
上記予備濃縮工程で得られた反応液を使用した以外は実施例2と同様の方法をおこない、ライン47よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
シアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、4−エトキシフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、4−エトキシフェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約50℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は4−エトキシフェノールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、4−エトキシフェノールの分離工程、放散工程)
図6に示す装置を使用し、ライン64より供給する水を10℃とし、トルエンの代わりにキシレンを使用した以外は、実施例3と同様の方法をおこなった。
4−エトキシフェノールを主成分とする有機相はライン67より回収し、キシレンと4−エトキシフェノールとを蒸留分離したのち、それぞれを再利用した。ガス吸収・液液分離装置601の塔頂からは、微量のアンモニア(ガス吸収・液液分離装置601底部から回収されるアンモニアに対して0.5%未満)と水を気相成分としてライン61から回収した。
放散塔603で発生したアンモニアをライン65より回収した。放散塔603の底部より回収した水は、一部をライン68より抜き出すと同時に同量の水をライン69より供給し、吸収液のブローダウンをおこなったのち、ライン64を経てガス吸収・液液分離装置601に循環した。ライン68より回収した水は尿素を含有していた。
[実施例31]
(カルバメート化工程)
ヘキサメチレンジアミンを1.1kg、尿素を9.2kg使用した以外は、実施例29のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、1,6−ヘキサメチレンジウレアをヘキサメチレンジアミンに対して収率約80%で得た。
ついで、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールの代わりに4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールを使用し、ライン95より1,6−ヘキサメチレンジウレアを含む反応液を約0.3kg/Hrで投入し、塔底部のライン96より4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールを約4.2kg/Hrで供給した以外は実施例29のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。
(予備濃縮工程)
実施例7と同様の方法で予備濃縮工程をおこなった。
(熱分解工程)
ドデカンの代わりにペンタデカンを使用した以外は実施例7の熱分解工程と同様の方法をおこない、ライン79よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約15℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールと尿素との混合物であり、該混合物は、上記したようにライン98を経て再び多段蒸留塔903に供給した。
(吸収工程、4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールの分離工程、放散工程)
図17に示す装置を使用した以外は実施例10と同様の方法をおこない、生成したアンモニアをラインG7より抜き出し回収した。
放散塔1706の底部より回収した水はラインG8を経て、液液分離器1709に供給した。液液分離器1709で4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールを含む有機相と水相を分離し、水相をラインG5より抜き出した。有機相はラインG12より抜き出し、回収した4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールをカルバメート化工程にリサイクルした。ラインG5の途中に具備するラインG12より吸収液の一部を抜き出すと同時に、同量の1wt%アンモニア水をG11より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインG12より回収した水は尿素を含有していた。ラインG5の吸収液は熱交換器1704、1703を経て吸収塔1701に供給された。
[実施例32]
(N−無置換カルバメートの製造)
尿素を3.1kg使用し、フェノールの代わりに4−フェニルフェノール35.0kg使用した以外は、実施例9のN−無置換カルバメートの製造と同様の方法をおこなった。貯槽1304に回収した反応液はカルバミン酸(4−フェニルフェニル)を含み、尿素に対する収率は約68%であった。
(カルバメート化工程)
尿素と2−イソプロピルフェノールの代わりに上記工程で貯槽1304に回収した反応液を使用し、ヘキサメチレンジアミン1.8kgを使用した以外は、実施例7と同様の方法をおこない、1,6−ヘキサメチレンジウレアを含む反応液を得た。
ライン95より気液分離後の反応液を約1.8kg/Hrで投入し、4−ドデシルフェノールの代わりに4−フェニルフェノールを使用した以外は、実施例7と同様の方法をおこない、ライン99を経て貯槽907に回収した。該反応液には、当該工程の目的化合物であるN−置換カルバメートの他、尿素結合を有する多量体が含まれており、N−置換カルバメートの収率は、ヘキサメチレンジアミンに対して約70%であった。
(カルバメート再生工程)
図11に示す装置を使用し、尿素の代わりに炭酸ジフェニルを6.4kg投入し、撹拌槽1101を220℃に加熱し、内部を0.2MPaとした以外は実施例8のカルバメート再生工程と同様の方法をおこなった。3時間反応をおこなった後、ラインB3より貯槽1103に反応液を回収した。該反応液に含まれるN−置換カルバメートの収率は、ヘキサメチレンジアミンに対して約97%であった。
(予備濃縮工程)
図3に示す装置を使用して、実施例8の予備濃縮工程と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用して、実施例6と同様の方法をおこない、ライン47よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、4−フェニルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、4−フェニルフェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約40℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は4−フェニルフェノールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、4−フェニルフェノールの分離工程、放散工程)
図17に示す装置を使用した以外は実施例10と同様の方法をおこない、生成したアンモニアをラインG7より抜き出し回収した。
放散塔1706の底部より回収した水はラインG8を経て、液液分離器1709に供給した。液液分離器1709で4−フェニルフェノールを含む有機相と水相を分離し、水相をラインG5より抜き出した。有機相はラインG12より抜き出し、回収した2−フェニルフェノールをカルバメート化工程にリサイクルした。
ラインG5の途中に具備するラインG12より吸収液の一部を抜き出すと同時に、同量の1wt%アンモニア水をG11より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインG12より回収した水は尿素を含有していた。
ラインG5の吸収液は熱交換器1704、1703を経て吸収塔1701に供給された。
[実施例33]
(N−無置換カルバメートの製造)
尿素を2.4kg使用し、フェノールの代わりに4−ヘプチルフェノール39.0kg使用した以外は、実施例9のN−無置換カルバメートの製造と同様の方法をおこなった。貯槽1304に回収した反応液はカルバミン酸(4−ヘプチルフェニル)を含み、尿素に対する収率は約71%であった。
(カルバメート化工程)
尿素と2−イソプロピルフェノールの代わりに上記工程で貯槽1304に回収した反応液を使用し、ヘキサメチレンジアミン1.2kgを使用した以外は、実施例7と同様の方法をおこない、1,6−ヘキサメチレンジウレアを含む反応液を得た。
ライン95より気液分離後の反応液を約1.0kg/Hrで投入し、4−フェニルフェノールの代わりに4−ヘプチルフェノールを使用した以外は、実施例7と同様の方法をおこない、ライン99を経て貯槽907に回収した。該反応液には、当該工程の目的化合物であるN−置換カルバメートの他、尿素結合を有する多量体が含まれており、N−置換カルバメートの収率は、ヘキサメチレンジアミンに対して約78%であった。
(予備濃縮工程)
図3に示す装置を使用して、実施例8の予備濃縮工程と同様の方法をおこなった。
(熱分解工程)
図4に示す装置を使用して、実施例6と同様の方法をおこない、ライン47よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。該ヘキサメチレンジイソシアネートは、ヘキサメチレンジアミンに対して収率71%であった。
(気相成分の回収)
一方、図9の多段蒸留塔903の塔頂より回収された気相成分は、ライン97を経て凝縮器904に供給した。該気相成分を分析したところ、4−ヘプチルフェノールとアンモニアと尿素を主成分とする混合物であった。凝縮器904は、4−ヘプチルフェノール、尿素及び/又はイソシアン酸を回収し、アンモニアを主成分とする気相成分を分離する工程を行うための装置であり、縦型のシェルアンドチューブ形式の凝縮器であり、シェル側に約40℃の温水を供給して気相成分の凝縮を行った。凝縮された成分は4−ヘプチルフェノールと尿素との混合物であった。
(吸収工程、4−ヘプチルフェノールの分離工程、放散工程)
図17に示す装置を使用した以外は実施例10と同様の方法をおこない、生成したアンモニアをラインG7より抜き出し回収した。
放散塔1706の底部より回収した水はラインG8を経て、液液分離器1709に供給した。液液分離器1709で4−ヘプチルフェノールを含む有機相と水相を分離し、水相をラインG5より抜き出した。有機相はラインG12より抜き出し、回収した2−ヘプチルフェノールをカルバメート化工程にリサイクルした。
ラインG5の途中に具備するラインG12より吸収液の一部を抜き出すと同時に、同量の1wt%アンモニア水をG11より供給し、吸収液のブローダウンをおこなった。ラインG12より回収した水は尿素を含有していた。
ラインG5の吸収液は熱交換器1704、1703を経て吸収塔1701に供給された。
[実施例34]
(硫酸アンモニウムの製造)
図19に示す装置を使用した。プラグフロー型反応器1901にラインJ3より水を約7.5kg/Hrで供給し、ラインJ1より、実施例2のライン55より回収されたアンモニアを供給し、アンモニア水を生成させた。ついで、該アンモニア水をラインJ2でプラグフロー型反応器1902に供給し、ラインJ4より約70%濃硫酸を供給して反応をおこない、ラインJ5より反応液を貯槽1903に回収した。該回収液は硫酸アンモニウムが含まれていた。
[実施例35]
(硫酸アンモニウムの製造)
図20に示す装置を使用した。冷却塔2001を約0℃の冷媒で冷却した。ここに、実施例13で凝縮器904より回収した気相成分をラインK0から供給した。冷却塔2001の内部に凝固したフェノールが付着し、ラインK1で抜き出される気相成分に含まれるフェノールは検出下限界(1ppm)であった。適宜運転を停止し、冷却塔2001内部に付着したフェノールを水で洗浄し、洗浄液をラインK2より回収した。
ラインK1によって抜き出された気相成分をプラグフロー型反応器2002に供給し、ラインK3より30%硫酸を供給して反応をおこない、ラインK4より反応液を貯槽2003に回収した。該回収液は硫酸アンモニウムが含まれていた。
[参考例1]
(液体アンモニアの製造)
図21に示す装置を使用した。ラインL0より、実施例3でライン65より回収したアンモニアを供給し、冷却器2101で約5℃に冷却した。該アンモニアに含まれる水は凝縮し、ラインL3を経て貯槽2102に回収された。冷却器2101からラインL1で抜き出されたアンモニアを圧縮器2103に供給し、約0.6MPaに昇圧し、ついで、ラインL2を経て冷却器2104で約10℃に冷却し、アンモニアを凝縮させた。生成した液体アンモニアはラインL4を経て貯槽2105に回収した。
[実施例36]
(アンモニアの燃焼による熱回収)
図22に示す装置を使用した。実施例8で、ラインA7より回収したアンモニアをラインM0により燃焼ボイラー2201に供給し、アンモニアの燃焼をおこなった。燃焼により発生した熱量により熱媒ラインM4の熱媒を加熱し、該熱媒を熱交換器2203に循環させた。該熱交換器2203を図9のリボイラー908に接続し、カルバメート化工程の熱源として使用した。また、同様に、図12の薄膜蒸発器1201の熱源としても使用した。燃焼ボイラー2201の排ガスはラインM1を経て脱硝設備2202に供給した。脱硝設備2202にラインM3によりアンモニアを供給して排ガス中の窒素酸化物濃度を低減した後、ラインM2より排気した。
[実施例37]
(アンモニアの燃焼による熱回収)
実施例8で、ラインA7より回収したアンモニアをラインM0により燃焼ボイラー2201に供給し、アンモニアの燃焼をおこなった。燃焼により発生した熱量により熱媒ラインM4の熱媒を加熱し、該熱媒を熱交換器2203に循環させた。該熱交換器2203を図12の薄膜蒸発器1201のジャケットを流通する熱媒に接続し、熱分解工程の熱源として使用した。
[実施例38]
(有機ヒドロキシ化合物回収工程、再生不能な高沸点成分のブローダウン工程)
実施例7においてライン73より回収した液相成分を、該押出機の吐出口からスクリューの長さ方向に1/3の位置にベント口を具備し、L/D=45、スクリュー径:20mmである、脱ガス機能を備えた押出機に供給した。該押出機のヒーター温度を280℃とし、0.2kPaで減圧をおこなったところ、該ベント口より気相成分が得られた。該気相成分を凝縮し分析したところ、4−フェニルフェノールであった。該4−フェニルフェノールはカルバメート化工程の原料として再利用した。該押出機の吐出口より得られた成分は廃棄した。
[実施例39]
(有機ヒドロキシ化合物回収工程、再生不能な高沸点成分のブローダウン工程)
実施例10においてラインF5より回収した液相成分に4−ノニルフェノールを約0.20kg/Hrで添加し、縦型遠心薄膜蒸発器に供給した。該縦型遠心薄膜蒸発器は濃縮脱揮された液を押出作用により排出する機構を有し、熱媒ジャケットで290℃に加熱され、内部を0.2kPaに減圧されていた。該縦型遠心薄膜蒸発器の気相回収口より気相成分が得られ、該気相成分を凝縮し分析したところ、4−ノニルフェノールであり、約0.23kg/Hrで回収された。該4−ノニルフェノールはエステル交換工程の原料として再利用した。該縦型遠心薄膜蒸発器の吐出口より得られた成分は廃棄した。
[実施例40]
(再生工程)
実施例33のライン41より回収した液相成分約3.0kgに尿素を約0.6kg、4−ヘプチルフェノール約15kgを添加し、約80℃で加熱撹拌して均一な溶液とした。該溶液の分析をおこなったところ、N−置換カルバメートの濃度は0.52wt%であった。該溶液を、図9のライン95より連続多段蒸留塔903に供給し、実施例33のカルバメート化工程と同様の方法をおこない、反応液を貯槽907に回収した。該反応液はN−置換カルバメートを8wt%含有していた。
(予備濃縮工程)
上記再生工程で得た反応液を用い、実施例33の予備濃縮工程と同様の方法をおこなった。
(分離工程)
上記予備濃縮工程で得た反応液を用い、実施例11の熱分解工程と同様の方法をおこない、ラインH10よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。該ヘキサメチレンジイソシアネートは、実施例33の仕込みに用いたヘキサメチレンジアミンに対して収率18%であった。
(有機ヒドロキシ化合物回収工程、再生不能な高沸点成分のブローダウン工程)
上記分離工程においてラインH5より回収した液相成分を、該押出機の吐出口からスクリューの長さ方向に1/3の位置にベント口を具備し、L/D=45、スクリュー径:20mmである、脱ガス機能を備えた押出機に供給した。該押出機のヒーター温度を280℃とし、0.2kPaで減圧をおこなったところ、該ベント口より気相成分が得られた。該気相成分を凝縮し分析したところ、4−ヘプチルフェノールであった。該4−ヘプチルフェノールはカルバメート化工程の原料として再利用し、該押出機の吐出口より得られた成分は廃棄した。
本発明によれば、イソシアネートの製造に際して、アンモニアを排気ガスとして処理する必要がなくなる。したがって、本発明は、産業上大いに有用であり商業的価値が高い。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,17,18,19,20,21…ライン、101…連続多段蒸留塔、102…熱分解装置、103…凝縮器、104…ガス吸収塔、105…放散塔、106…真空装置、107…尿素製造設備、109…分離塔、110…精製塔、21,22,23,24,25…ライン、201…連続多段蒸留塔、203…凝縮器、204,205…貯槽、31,32…ライン、301…薄膜蒸発器、302…凝縮器、303,304…貯槽、40,41,42,43,44,45,46,47,48,49…ライン、401…熱分解装置、404,407…分離塔、402,405,408…凝縮器、403,406,409…リボイラー、50,51,52,53,54,55,56,57,58,59…ライン,501…ガス吸収塔、502…ポンプ、503…放散塔、504,507…凝縮器、505,508…リボイラー、506…蒸留塔、509…冷却器、510…予熱器、60,61,62,63,64,65,66,67,68,69…ライン、601…ガス吸収・液液分離装置、602…ポンプ、603…放散塔、604…凝縮器、605…リボイラー、606…冷却器、607…予熱器、71,72,73,74,75,76,77,78,79…ライン、701…熱分解装置、702,705…凝縮器、703,706…分離塔、704,707…リボイラー、80,81,82,83A,83B、84,85,86,87,88…ライン、801…ガス吸収塔、802…ポンプ、803…放散塔、804…凝縮器、805…リボイラー、806…熱交換器、807…冷却器、808…予熱器、90,91,92,93,94,95,96,97,98,99…ライン、901…撹拌槽、902…気液分離器、903…多段蒸留塔、904…凝縮器、905,906,907…貯槽、A0,A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10,A11,A12…ライン、1001…ガス吸収塔、1002…液液分離器、1003…ポンプ、1004…放散塔、1005…凝縮器、1006…リボイラー、1007…予熱器、1008…熱交換器、1009…冷却器、B0,B1,B2,B3…ライン、1101…撹拌槽、1102…凝縮器、1103…貯槽、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9…ライン、1201…薄膜蒸発器、1202,1205…凝縮器、1203,1206…分離塔、1204,1207…リボイラー、1208…貯槽、D0,D1,D2,D3,D4…ライン、1301…撹拌槽、1302…凝縮器、1303…気液分離器、1304…貯槽、D11,D12,D13…ライン、1401…予備濃縮器、1402,1404…貯槽、1403…凝縮器、E1,E2,E3,E4,E5…ライン、1501…連続多段蒸留塔、1502…リボイラー、1503…凝縮器、1504,1505…貯槽、F0,F1,F2,F3,F4,F5,F6,F7,F8,F9,F10,F11…ライン、1601,1602…熱分解反応器、1603,1607…分離塔、1604,1606…凝縮器、1605,1608…リボイラー、1609…貯槽、G0,G1,G2,G3,G4,G5,G6,G7,G8,G11,G12,G13,G14…ライン、1701…ガス吸収塔、1702…ポンプ、1703,1704…熱交換器、1705…凝縮器、1706…放散塔、1707…加熱器、1708…リボイラー、1709…液液分離器、1710…気液分離器、H0,H2,H3,H4,H5,H6,H7,H8,H9,H10,H11…ライン、1801,1802…熱分解反応器、1803,1807…分離塔、1804,1806…凝縮器、1805,1808…リボイラー、J1,J2,J3,J4,J5…ライン、1901,1902…プラグフロー型反応器、1903…貯槽、K0,K1,K2,K3,K4…ライン、2001…冷却塔、2002…プラグフロー型反応器、2003…貯槽、L0,L1,L2,L3,L4…ライン、2101,2104…冷却器、2103…圧縮器、2102,2105…貯槽、M0,M1,M2,M3…ライン、M4…熱媒ライン、2201…燃焼ボイラー、2202…脱硝設備、2203…熱交換器。

Claims (1)

  1. 有機第1アミンと、尿素と、有機ヒドロキシ化合物とを原料としたイソシアネートの製造方法であって、
    前記有機第1アミンと、前記尿素と、前記有機ヒドロキシ化合物とからカルバメート化反応によりN−置換カルバメートを生成し、前記尿素及び/又は前記尿素に由来するカルボニル基を有する化合物と、前記有機ヒドロキシ化合物と、アンモニアとを含む第1の気相成分を回収するカルバメート化工程と、
    前記第1の気相成分を凝縮器により凝縮する凝縮工程と、
    前記N−置換カルバメートを熱分解してイソシアネートを製造するイソシアネート製造工程と、
    前記凝縮器より抜き出される、アンモニアを主成分とする第2の気相成分を硫酸水に吸収させて硫酸アンモニウムを生成させるアンモニア吸収工程と、
    を備える、イソシアネートの製造方法。
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