JP6207636B2 - 揮発成分除去装置及びその使用のためのプロセス - Google Patents

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Description

本発明は、揮発成分を含む粘性液体を揮発成分除去するための静的揮発成分除去装置に関する。本発明また、前記装置を使用して、揮発成分を含む粘性液体を揮発成分除去するためのプロセス、及び粘性液体の揮発成分除去における前記装置の使用に関する。
揮発成分を除去するための粘性液体の揮発成分除去が、商業的関心を集めている。例えば、有害な、又は望ましくない揮発成分を除去して、粘性液体の純度又は他の特性を向上させることができ、又は揮発成分を分離して、回収し、場合により再利用できるようにすることが関心を集め得る。
1つの特定の適用では、ポリマーの揮発成分除去は、溶融相、液相、又は溶液相にある最終ポリマーから「揮発性物質」を除去する分離プロセスである。除去すべき「揮発性物質」は、溶媒、水、残留未反応モノマー(例えば、ポリスチレンの場合のスチレン)、副生成物、不純物、及び/又は二量体、三量体、及び他のオリゴマー化合物等の他の揮発性低分子量種を含み得る。したがって、市場性のある品質に達するために、重合ステップの終了時にポリマーを脱気して、このような揮発性物質を原料樹脂から除去しなければならない。この動作は、通常、真空から数バールまでになり得る圧力下において、ポリマーに応じた比較的高い温度(100〜350℃)でポリマーを加熱することによって達成される。
揮発成分除去後のポリマー中の「揮発性物質」の最終量は、一般に、かなり少なく、例えば、一般的には約100〜約1000ppmにする必要がある。ポリマーの加工特性及び他の特性を向上させるためには、揮発性物質の含有量が少ないことが望ましい。一部の特定のポリマーについて、毒性モノマー及び/又は溶媒の除去が、環境、健康及び安全(EHS)上の理由から重要となり得る。例えば、低レベルの揮発性物質が、ポリマーの押出し成形、射出成形、又はブロー成形加工に悪影響を与えるおそれがあり、又は形成されたポリマー物品の品質を低下させるおそれがある。
脱気又は揮発成分除去プロセスにおけるポリマーと揮発成分種との分離は、これらの種の間で揮発性が異なることに基づく。揮発成分除去の駆動力は、ポリマー中よりも低い、気相中における化学ポテンシャルである。この化学ポテンシャルの差により、ポリマー界面で濃度勾配が形成され、ポリマーから気相への拡散流が生じる。
媒体中の種の化学ポテンシャルは、特定の相及び温度におけるその濃度と関係がある。ポリマーの温度を上昇させるとともに、種の部分圧力を低下させて、種を揮発成分除去して気相にすることによって、物質移動の駆動力を高めることができる。しかしながら、これらの作用は、ポリマーの安定性及び真空システムの能力等の種々の要因によって制限される。
化学ポテンシャルは、多相システムにおける溶質の理論上の平衡分布を決定することができるが、物質移動プロセスに関する反応速度情報を何ら与えることはない。実際に、2つの相の間の溶質の移動は瞬間的なものではない。ポリマー・メルト又はポリマー溶液等の高粘性液体の場合、及び/又は、例えば揮発成分除去する種の粘性液体又はポリマーの揮発性が低いか又は濃度が低いことにより相の間に化学ポテンシャルの小さな差がある場合に、平衡状態に達するのに必要な時間が特に重要となり得る。
ポリマーを劣化させることの多い厳しい揮発成分除去条件下で、揮発成分除去機器の大きさ、又はポリマーの滞留時間を制限するために、物質移動反応速度を増加させることがしばしば望ましい。
揮発成分除去(脱気)は、一般的に2つのステップで行われる。最初に、高溶質濃度で、溶質の気泡が核をなし、ポリマー・メルト中で成長し、溶融/ガス界面に達し、ここで破裂して、溶質が気相に放出される。泡脱気として知られるこの最初のステップは、比較的高速である。しかしながら、ポリマー・メルト中の溶質のある濃度閾値未満で、発泡がそれ以上生じなくなる。一般的に、ポリマーと反応せず容易に分離する揮発性化合物であるストリッピング剤を、揮発成分除去ステップ前にポリマーと混合して、発泡を生じさせることにより脱気効率を高めることができる。しかしながら、この技法は、ストリッピング剤のポリマーとの化学的不適合(例えば、ポリマーを劣化させる)、又は揮発成分除去オーバヘッド・システムの能力が不十分であること等の種々の理由により、常に適用できるわけではない。
様々な種類の揮発成分除去装置が公知である。ポリマーと気相との間の物質移動を増進させ得る方法は、使用する脱気機器の種類によって決まる。使用可能な機器は、動的技術及び静的技術である2つの主な系列に分類することができ、各々がその固有の欠点と利点とを有する。この分類は、物質移動が増進されている方法を指す。
「動的」機器では、高い表面更新率(より高い界面濃度勾配)及び比表面積形成(拡散が生じ得るより多くの表面)を確保するために、ねじ、羽根、又はアームのような可動部分によって物質移動が増進される。ある場合には、このような装置が、押出機又は混練機の場合のように、表面更新、蒸発冷却、及び効率的な混合を行って、最適な熱伝達及び物質移動を可能にするための回転部分を有することができる。このような揮発成分除去押出機が、例えば、米国特許出願公開第2010/0296360(A1)号に開示されている。市販の動的揮発成分除去又は脱気機器により、ポリマー等の高粘性液体を揮発成分除去することができるが、これらの機器には大きな欠点がある。これらの欠点の中でも、非常に高い価格、厳しい公差を持つ複雑な機械構成、エネルギーの大量消費、より高い漏出率(これにより、特大の真空システムが必要になる)、及び定期的なメンテナンスの必要に注目することができる。
それに対して、静的揮発成分除去機器は、大きな表面更新を行うことはできず、代わりに、専用の機器内部構造物により大きい比表面積を形成することに主に基づいて機能する。これらの内部構造物の形状は、ポリマー劣化及び分離効果に関して揮発成分除去動作の質を定義するため、極めて重要である。このような静的揮発成分除去器は、一般に、揮発成分除去済ポリマー用排出ポンプ又は熱伝達媒体用ポンプ等のポンプのみを可動部分として有することが有利である。
静的揮発成分除去器の一般的な内部構造物は、しばしば「分配器」と呼ばれる、傾斜縁部を有するチューブ状の相分離チャンバである。この縁部には穿孔板が取り付けられ、これを通してポリマー・メルト又はポリマー溶液が自由に流れている。穿孔板の開口部の数及び大きさは、この板を通した圧力低下によって分配器内である充填レベルを維持できるように設計される。分配器は空にすべきではなく、空にした場合にはポリマーの滞留時間が短くなりすぎる。分配器は満杯にすべきではなく、満杯にした場合には、分配器内の圧力が上昇し、ポリマーの効率的な揮発成分除去が妨げられる。
最新の静的揮発成分除去装置が米国特許出願公開第2007/0137488(A1)号に開示されている。このような公知の静的揮発成分除去装置の欠点は、ポリマーの滞留時間の大部分が分配器内で生じ、この分配器内に、ポリマーが、真空又は減圧に晒された非常に小さい比表面積を有する「バルク」として存在することである。実際には、非常に多くの場合、ポリマーが分配器内で発泡し、分配器を完全に満たすことによって、脱気プロセスの効率を制限する。ポリマーは、穿孔板を通過したことにより分散された後、排出ポンプに直接流入して直接排気される。したがって、揮発成分除去容器内における分散されたポリマーの滞留時間は、一般的に低粘性液体について秒の範囲でしばしば非常に制限される。その結果、揮発成分除去は、低濃度の揮発性物質を有する高品質の生成物をもたらすには不十分であることが多い。
静的揮発成分除去器における滞留時間を増加させることによって、より低濃度の揮発性物質を有する、より高品質の生成物を得ようとする可能性があるが、低含有量の揮発性物質を得るために高温での滞留時間を増加させると、一般的に、ポリマー・メルト又はポリマー溶液等の熱に敏感な粘性液体は劣化する。これは、従来の静的揮発成分除去器では、ポリマーの滞留時間の大部分が分配器内で生じ、この分配器内では、粘性液体の非常に小さい比表面積のみが真空又は減圧に晒されているため、静的揮発成分除去器における滞留時間全体の多くがあまり有効でないからである。
結論として、より効率的な比表面積形成、及び揮発成分除去機器における分散された粘性液体(例えばポリマー・メルト又はポリマー溶液)のより長い滞留時間を可能にする静的揮発成分除去装置を有することが望ましい。このような装置により、所与の滞留時間又はより短い滞留時間で、より効率的な揮発成分除去が可能になり、これは生成物中の所与の所望の揮発成分(例えば残留モノマー)濃度について、粘性液体(例えばポリマー)の劣化が少なくなることを意味する。
米国特許出願公開第2010/0296360(A1)号 米国特許出願公開第2007/0137488(A1)号 米国特許第5,118,388号
Devolatilization of Polymers Fundamentals-Equipment-Applications、J.A.Biesenberger編、Hansen出版、1988(ISBN978-0-19-520721-7) Polymer Devolatilization、R.J.Albalak、1996、Marcel Dekker出版(ISBN-13978-0824796273)
最新技術から出発して、本発明の目的は、前述した欠点、特に、低効率の比表面積の形成、及び大きい比表面積を有する分散された液体が真空又は減圧に晒される滞留時間が比較的短くなることのない、揮発成分を含む粘性液体を揮発成分除去するための静的揮発成分除去装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、揮発成分を含む粘性液体の揮発成分除去において前記装置を使用するためのプロセス、揮発成分を含む粘性液体、好ましくはポリマー・メルト又はポリマー溶液の揮発成分除去における前記装置の使用を提供することを含む。
本発明によれば、これらの目的は、揮発成分を含む粘性液体を揮発成分除去するための静的揮発成分除去装置であって、
第1の揮発成分除去済粘性液体を受けるための容器であって、前記容器は、第2の揮発成分除去済粘性液体を集めるための下部サンプ領域、ガスを排出するための上部領域、並びに前記下部サンプ領域及び前記上部領域の間の中央領域を有する、容器と、
第2の揮発成分除去済粘性液体を前記下部サンプ領域から排出するために、前記下部サンプ領域に流体連通している排出ポンプと、
ガスを容器から排出するための抽出ラインであって、前記抽出ラインは、好ましくは前記上部領域に位置する、抽出ラインと、
前記容器の前記上部領域内の相分離チャンバとを備え、相分離チャンバが、第1の揮発成分除去ステップで処理されて第1の揮発成分除去済粘性液体を形成する粘性液体のための入口と、前記第1の揮発成分除去済粘性液体を前記下部サンプ領域に向かって下方に排出するための、第1の排出領域の下部の複数の第1の排出開口部と、ガスを前記抽出ラインへ上方に排出するための、前記第1の排出領域の上部の少なくとも1つのガス排出開口部とを備え、
分配器サブユニットが、前記中央領域内で相分離チャンバの下方及び下部サンプ領域の上方に位置し、分配器サブユニットが第2の排出領域を有し、第2の排出領域が、相分離チャンバの第1の排出開口部から排出された第1の揮発成分除去済粘性液体によって接触されるように具体化され、第2の排出領域が表面を有し、第1の揮発成分除去済粘性液体が第2の揮発成分除去ステップにおいて前記表面で処理されて第2の揮発成分除去済粘性液体を形成するように表面が具体化され、領域が、排出ポンプと流体連通して前記第2の揮発成分除去済粘性液体を排出するための複数の第2の排出開口部をさらに有する、装置により達成される。
本発明によれば、これらのさらなる目的は、本発明の装置を使用して、揮発成分を含む粘性液体を揮発成分除去するためのプロセスであって、
粘性液体が相分離チャンバ内で処理されて、第1の揮発成分除去済粘性液体を形成する第1の揮発成分除去ステップと、
第1の揮発成分除去済粘性液体が第2の排出領域を有する分配器サブユニット内で処理されて、第2の揮発成分除去済粘性液体を形成する第2の揮発成分除去ステップとを含み、第2の排出領域が表面を有し、第2の揮発成分除去ステップが前記表面で行われ、容器内における第1の揮発成分除去済粘性液体の滞留時間、及び/又は容器内の第1の揮発成分除去済粘性液体の比表面積がこれにより増加するように表面が具体化される、プロセスによって最初に達成される。
前記装置及び前記プロセスは、揮発成分を含む粘性液体、好ましくはポリマー・メルト又はポリマー溶液の揮発成分除去において、本発明により使用される。説明するように、このような液体及びプロセスは、特に本発明により利益を得る。
本発明は、これらの目的を達成し、前記中央領域内で相分離チャンバの下方及び下部サンプ領域の上方に位置する分配器サブユニットであって、第2の排出領域を有し、第2の排出領域が、相分離チャンバの第1の排出開口部から排出された第1の揮発成分除去済粘性液体によって接触されるように具体化され、第2の排出領域が表面を有し、第1の揮発成分除去済粘性液体が第2の揮発成分除去ステップにおいて前記表面で処理されて第2の揮発成分除去済粘性液体を形成するように表面が具体化され、領域が、排出ポンプと流体連通して前記第2の揮発成分除去済粘性液体を排出するための複数の第2の排出開口部をさらに有する、サブユニットによってこの問題を解決する。第1の揮発成分除去済粘性液体が第2の揮発成分除去ステップにおいて前記表面で処理されて第2の揮発成分除去済粘性液体を形成するように具体化された表面によって、容器内の第1の揮発成分除去済粘性液体の滞留時間、及び/又は分配器サブユニットの第2の排出領域の表面上に分散された第1の揮発成分除去済粘性液体の比表面積が増加する。さらに、この表面及びそこで行われる第2の揮発成分除去ステップにより、装置及びそれを使用するプロセスにおいて、より効率的に全比表面積が形成され、高い比表面積を有する分散された液体が真空又は減圧に晒される滞留時間が非常に長くなる。その結果、本発明の装置及びプロセスによって、所与の滞留時間又はより短い滞留時間でより効率的な揮発成分除去が可能になり、これは、生成物中の所与の所望の揮発成分(例えば残留モノマー)濃度について、粘性液体(例えばポリマー)の劣化が少なくなることを意味する。
驚くべきことに、これらの結果は、ねじ、羽根、又はアーム等の可動部分を伴う特別の複雑な装置を必要とせず、粘性液体の広範囲にわたる熱劣化を有害に生じさせることなく、又は装置内における滞留時間を大きく増加させる必要なく達成することができる。実際に、表面を持つ第2の排出領域を有する分配器サブユニットの利用によって、装置内における分散粘性液体の滞留時間が大きく増加するため、相分離チャンバ内の粘性液体(バルク)の滞留時間が、例えば、80%超、好都合に減少するとともに、揮発性物質の含有量の減少に関して同一又はより高い生成物の品質を得ることができる。
装置又はプロセスの好ましい実施例では、分配器サブユニットが、相分離チャンバの第1の排出開口部により排出された第1の揮発成分除去済粘性液体によって接触されないように具体化された第3の排出領域を有し、領域が、ガスを排出するためのオプションの第3の排出開口部を有する。第3の排出領域は、容器内で分配器サブユニットを固定するための手段の一部として有利に使用され得る。例えば、第3の排出領域は、容器の内壁に接続するため、又はオーバヘッド相分離チャンバから吊り下げるための固定点を有することができる。或いは、分配器サブユニットが容器の漏斗状の下部サンプ領域の上に単に置かれているときに、第3の排出領域は、分配器サブユニットを支持するための表面となることができる。好ましい実施例では、第3の排出開口部があり、抽出ラインが分配器サブユニット上方にある場合に、この第3の排出開口部により下部サンプ領域からのガスの排出を容易にする。分配器サブユニットによる粘性液体の再分配によって揮発成分除去を加速し、放出されたガスは第3の排出領域の開口部によって容易に逃げることができる。別の実施例では、抽出ラインが分配器サブユニットの下方に位置し、上方へのガス排出が必要ないため、第3の排出開口部がない。
装置及びプロセスの別の好ましい実施例によれば、分配器サブユニットと容器の内壁との間に間隙がある。第3の排出開口部に関して説明したように、このような間隙は、特に抽出ラインが分配器サブユニット上方に位置するこれらの実施例において、放出されたガスを容易に逃がすことができ有利となる。
装置及びプロセスのさらに別の好ましい実施例によれば、第1の排出領域の下部が、第2の排出領域の第2の横断面積よりも小さい第1の横断面積を有する。領域の相対面積のこのような関係は、粘性液体が再分配されずに分配器サブユニットを通過することが確実にないという利点を有する。
さらに好ましい実施例では、第2の排出開口部が、第2の排出領域の外周側に位置するほど横断面積が大きくなるように具体化される。第2の排出領域の中央領域及びその表面の開口部は、直径が比較的小さく、上方の第1の排出開口部から排出された第1の揮発成分除去済粘性液体のストランドが、表面に再分配されずに第2の排出領域を容易に通過することが確実にないことが有利である。
装置及びプロセスのさらに他の好ましい実施例によれば、装置は1〜4個のさらなる分配器サブユニットをさらに備える。追加の分配器サブユニットを設けると、例えば、特に低レベルの残留揮発成分を得る必要のあるプロセス又は生成物について、追加の表面、したがってこれらの表面における追加の滞留時間及び揮発成分除去ステップを設けることによって、揮発成分除去の効率を高めることができて有利である。
装置及びプロセスのさらに他の好ましい実施例によれば、分配器サブユニットの第2の排出領域の表面が、容器内における第1の揮発成分除去済粘性液体の滞留時間、及び/又は分配器サブユニットの第2の排出領域の表面上に分散された第1の揮発成分除去済粘性液体の比表面積を増加させるように具体化される。滞留時間及び/又は比表面積を増加させると、揮発成分除去の効率が高まり、残留揮発成分の濃度をより低くすることができて有利である。
装置及びプロセスのさらに他の好ましい実施例によれば、分配器サブユニットが、板、トレイ、又は円錐から選択された形状を有する。発明者らは、本発明において使用するために、このような形状を容易に低コストで形成できることを見出した。加えて、これらの形状は、装置内に比較的容易に取り付けられ設置されることがわかっている。
装置及びプロセスのさらに好ましい実施例によれば、可動部分が容器内に存在しないため、メンテナンス、複雑な動作、エネルギー消費、及び関連するコストが少なくなり有利である。
装置のさらに別の好ましい実施例では、装置は、ストリッピング剤を投与するための入口を有し、入口は、好ましくは下部サンプ領域に位置する。同様に、プロセスの好ましい実施例では、好ましくは下部サンプ領域に位置する入口によって、ストリッピング剤が相分離チャンバより前で粘性液体に投与され、且つ/又は容器内に投与される。前述したように、ストリッピング剤の使用は異なる効果を有することができ、例えば、入口が相分離チャンバより前に位置する場合、発泡を増加させ、残留モノマー又は他の揮発成分の部分圧力を低下させる。ストリッピング剤の入口が下部サンプ領域に位置する場合には、発泡は増加しないが、揮発成分除去効率が高まる。
本発明では、粘性液体は、相分離チャンバの動作温度で、少なくとも1パスカル秒、好ましくは10パスカル秒、より好ましくは100パスカル秒、最も好ましくは1000パスカル秒の粘度を有するものとして定義される。粘度は、毛管粘度計若しくは落球粘度計、回転円錐/板レオメータ、又は毛管レオメータ(粘度及び剪断範囲を増加させるのに望ましい順で列挙した)を含む、当技術分野において周知の従来の方法により決定され得る。
プロセスの好ましい実施例及び装置の好ましい使用において、粘性液体がポリマー・メルト又はポリマー溶液であり、揮発成分が溶媒又はモノマーである。本発明において、「ポリマー・メルト」は、液状であるのに十分な高温で維持され、大量の溶媒を含むことなく(例えば、全質量のポリマー及び溶媒に基づき50質量%未満の溶媒を含みつつ)流れることができるポリマーを指す。「ポリマー溶液」は、全質量のポリマー及び溶媒に基づき溶媒含有量が50質量%以上である、ポリマー及び溶媒の混合物を指す。本発明は、このような粘性液体の揮発成分除去において特に有用であるとわかっている。
組合せが技術的に実現可能である限り、本発明を限定することなく、本発明の種々のクレーム及び実施例の主題を組み合わせることができるということを当業者は理解するであろう。この組合せにおいて、いずれか1つのクレームの主題を他のクレームの1つ又は複数の主題と組み合わせることができる。この主題の組合せにおいて、いずれか1つのプロセス・クレームの主題を、1つ又は複数の他のプロセス・クレームの主題、又は1つ又は複数の装置クレームの主題、又は1つ又は複数のプロセス・クレーム及び装置クレームを合わせたものの主題と組み合わせてもよい。類似性により、いずれか1つの装置クレームの主題を、1つ又は複数の他の装置クレームの主題、又は1つ又は複数のプロセス・クレームの主題、又は1つ又は複数のプロセス・クレーム及び装置クレームを合わせたものの主題と組み合わせてもよい。例として、組合せが技術的に実現可能である限り、限定することなく、いずれか1つのクレームの主題を任意の数の他のクレームの主題と組み合わせることができる。
本発明を限定することなく、本発明の種々の実施例の主題を組み合わせることができるということを当業者は理解するであろう。例えば、限定することなく、上記の好ましい装置実施例の1つの主題を、上記の他の好ましいプロセス実施例の1つ又は複数の主題と組み合わせることができ、またその逆も可能である。
本発明の種々の実施例及び図面を参照しながら、本発明について以下でより詳細に説明する。
先行技術による静的揮発成分除去装置の概略図である。 第2の排出領域を持つ分配器サブユニットを有し、第2の排出領域が表面を有し、第1の揮発成分除去済粘性液体が第2の揮発成分除去ステップにおいて前記表面で処理されるように表面が具体化された、本発明による静的揮発成分除去装置の実施例の概略図である。 2つのさらなる分配器サブユニットを有する、本発明による静的揮発成分除去装置の好ましい実施例の概略図である。 オプションの第3の排出開口部を持つ第3の排出領域を有する、本発明による分配器サブユニットの好ましい実施例の概略図である。 オプションの第3の排出開口部を持つ第3の排出領域を有する分配器サブユニットの好ましい代替実施例の概略図である。 第2の排出開口部が、第2の排出領域の外周側に位置するほど横断面積が大きくなる、装置の好ましい実施例の上方からの概略図である。 第1の排出領域の下部が、第2の排出領域の第2の横断面積よりも小さい第1の横断面積を有する、装置の好ましい実施例の上方からの概略図である。
図1は、先行技術による、揮発成分を含む粘性液体2’を揮発成分除去するための静的揮発成分除去装置の概略図であり、装置全体を参照符号1’で示す。この装置1’は、
第1の揮発成分除去済粘性液体21’を受けるための容器3’であって、前記容器3’は、第2の揮発成分除去済粘性液体22’を集めるための下部サンプ領域4’、ガス6’を排出するための上部領域5’、及び、前記下部サンプ領域4’と前記上部領域5’との間の中央領域7’を有する、容器3’と、
第1の揮発成分除去済粘性液体21’を前記下部サンプ領域4’から排出するために、前記下部サンプ領域4’に流体連通している排出ポンプ8’と、
ガス6’を容器3’から排出するための抽出ライン9’であって、前記ライン9’は、好ましくは前記上部領域5’に位置する、抽出ライン9’と、
前記容器3’の前記上部領域5’内の相分離チャンバ100’とを備え、
前記相分離チャンバ100’が、第1の揮発成分除去ステップで処理されて第1の揮発成分除去済粘性液体21’を形成する粘性液体2’のための入口110’と、前記第1の揮発成分除去済粘性液体21’を前記下部サンプ領域4’に向かって下方に排出するための、第1の排出領域122’の下部120’の複数の第1の排出開口部124’と、ガス6’を前記抽出ライン9’へ上方に排出するための、第1の排出領域122’の上部130’の少なくとも1つのガス排出開口部134’とを備える。
前述したように、このような先行技術の静的揮発成分除去装置1’は、特に、大量の揮発性物質を含む高粘性液体2’に対して、不十分な揮発成分除去を行うことが多く、且つ/又は、そのために、最終的な生成物の仕様は、非常に低濃度の残留揮発性物質を可能にするだけである。このような先行技術の装置1’では、第1の揮発成分除去済粘性液体21’は、第1の排出領域122’(一般的に穿孔板)の下部120’を通過したことにより分散された後、排出ポンプ8’に直接流入して直接排出される。したがって、容器3’内に分散された第1の揮発成分除去済粘性液体21’の滞留時間は非常に制限されるため、低濃度の揮発成分除去されていない揮発性物質又は残留揮発性物質を有する高品質の生成物をもたらすには不十分である。
図2は、本発明による静的揮発成分除去装置の実施例の概略図であり、装置全体を参照符号1で示す。別段の指示のない限り、装置1は、形態、形状、構成、又は構造に関して特に限定されない。作成可能な任意の適切な材料から装置1を作ることができる。節約のために、装置1は、ステンレス鋼又は特定の適用について示される別の材料から作られることが多い。静的揮発成分除去装置の内部部品は、プロセス要件に応じて、一般に金属から作られる。一実施例では、装置1及びその部品は、金属から構成される。適切な金属として、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅合金、チタン、及びジルコニウムが挙げられる。
図2の実施例は略垂直な装置1を示すが、技術的に実現可能である限り、装置1の他の向きも可能であるということを当業者は理解するであろう。
図2に概略的に示す本発明の静的揮発成分除去装置1の実施例は、それが、分配器サブユニット200をさらに備え、前記分配器サブユニット200が、前記中央領域7内において、相分離チャンバ100の下方及び下部サンプ領域4の上方に位置しており、分配器サブユニット200が、第2の排出領域222を有し、第2の排出領域222は、相分離チャンバ100の第1の排出開口部124から排出された第1の揮発成分除去済粘性液体21によって接触されるように具体化され、第2の排出領域222が、表面223を有し、第1の揮発成分除去済粘性液体21が第2の揮発成分除去ステップにおいて前記表面223で処理されて第2の揮発成分除去済粘性液体22を形成するように表面223が具体化され、領域222が、排出ポンプ8と流体連通して前記第2の揮発成分除去済粘性液体22を排出するための複数の第2の排出開口部224をさらに有する点で、図1に示す先行技術の装置1’と異なる。
表面223を有する第2の排出領域222を分配器サブユニット200に設けることによって、容器3内の減圧及びオプションのストリッピング流に晒された分散状の粘性液体2(例えばポリマー・メルト又はポリマー溶液)の比表面積が非常に大きくなり、滞留時間がより長くなる。そのため、結果として得られる装置1によって、より効率的な揮発成分除去が可能となり、この装置1は、高粘性、低揮発成分(例えばモノマー)の蒸気圧力、又は非常に熱に敏感な粘性液体2(例えば、熱に敏感なポリマー・メルト及びポリマー溶液)によって生じる厳しい揮発成分除去作業に特に適している。
明確にするために、本発明の装置1のさらなる違いは、先行技術の装置1’の図1及び本発明の装置1の図2に示すように、排出ポンプ8が下部サンプ領域(4)内の第2の揮発成分除去済粘性液体22を排出するためのものであり、先行技術装置1’におけるような第1の揮発成分除去済粘性液体21’を排出するためのものではない点にあることに注目されたい。
静的揮発成分除去装置並びにその構成及び動作は、例えば、Devolatilization of Polymers Fundamentals-Equipment-Applications、J.A.Biesenberger編、Hansen出版、1988(ISBN978-0-19-520721-7)、又はPolymer Devolatilization、R.J.Albalak、1996、Marcel Dekker出版(ISBN-13978-0824796273)に開示されているように、当技術分野において周知である。別段の指示のない限り、従来の構成材料及び手段並びに部品及び付属品を装置1に使用してもよく、当技術分野において公知のように、揮発成分除去プロセスにおいて、動作温度、動作圧力、及び滞留時間等の従来のプロセス・パラメータを使用する従来の方法で装置1を動作させてもよい。例えば、これらの引用参考文献は、揮発成分除去装置で使用する種々の従来の予熱器、分配器、マニホルド、内部構造物、ポンプ、弁、及びストリッピング剤を開示している。
粘性液体2は、特に限定されず、1つ又は複数のポリマー、有機若しくは無機化合物、溶媒、水、又はこれらの混合物を含むことができる。同様に、粘性液体2の揮発成分は、特に限定されず、1つ又は複数の有機若しくは無機化合物、溶媒、水、モノマー、副生成物又はこれらの混合物を含むことができる。好ましい実施例では、粘性液体2は、ポリマー・メルト又はポリマー溶液であり、揮発成分は、モノマー及び/又は溶媒を含むため、システムは、本発明から特に利益を得ることがわかっている。例えば、残留モノマー及び揮発性物質は、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル・コポリマー(SAN)又はゴム変性スチレン/アクリロニトリル・コポリマー(ABS、AES等)のバルク重合又は溶液重合においてポリマー生成物から除去されなければならない。他のある特定の実施例では、ポリマーがポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、又はポリアミドであってよく、ポリマーをバルク重合、溶液重合、乳化重合、又は溶融重合方法により調製してもよい。
特定の実施例では、処理される粘性液体2を、相分離チャンバ100に入れる前に、膨張装置、すなわち弁、ダイヤフラム、又は静的ミキサにより、例えば3バールの比較的高い圧力から相分離チャンバ100の内部空間の圧力(例えば、1バール)まで膨張させることができる。
本発明の装置1の相分離チャンバ100は、特に限定されず、当技術分野において公知の従来のものである。動作中、処理される揮発成分を含む粘性液体2は、入口110により相分離チャンバ100内に送達され、第1の揮発成分除去ステップにおいて膨張により発泡されて、遊離ガス6(揮発成分)と第1の揮発成分除去済粘性液体21(低ガス粘性液体)との混合物を生成する。その後、結果として得られる画分が、相分離チャンバ100の第1の排出領域122のそれぞれの開口部を通して排出される。特に、相分離チャンバ100内の粘性液体2が発泡されて、ガス6及び第1の揮発成分除去済粘性液体21を生成する。ガス6は、第1の排出領域122の上部130の少なくとも1つのガス排出開口部134を通して、相分離チャンバ100から容器3の上部領域5内へ上方に排出される。第1の揮発成分除去済粘性液体21は、第1の排出領域122の下部120に位置する複数の第1の排出開口部124によって排出され、低含有量の揮発成分を有する第1の揮発成分除去済粘性液体21は、相分離チャンバ100から容器3の下部サンプ領域4に向かって下方に排出される。
第1の排出開口部124を第1の排出領域122の下部120(第1の揮発成分除去済粘性液体21の排出部)に不規則に分散させて、可変開口部密度、例えば密度が上方に向かって増加するような密度勾配があるようにすることが有利となり得る。これにより、相分離チャンバ100内で処理される粘性液体2の滞留時間がより長くなる。可変開口部密度を上部130(ガス6排出部)に設けてもよい。下部120の開口部124及び上部130の開口部134は異なる大きさであっても又は同一の大きさであってもよく、且つ異なる形状であっても又は同一の形状であってもよい。開口部密度、開口部直径、及び第1の排出領域122(例えば穿孔板)の厚さを、静的揮発成分除去装置1の与えられたスループット若しくはスループット範囲及び/又は粘性液体2の粘度範囲に合わせてもよい。
一般的に、相分離チャンバ100の内部空間と容器3の上部領域5との間に圧力差がある。揮発成分除去が低圧(例えば真空ポンプにより発生する)で動作すると、第1の排出領域122の下部120の最大圧力差は、一般的に最大で約100ミリバールとなる。高い揮発成分除去圧力では、最大圧力差もより大きく、例えば500ミリバールとなり得る。圧力差により、2つの画分が分離チャンバ100から第1の排出領域122の下部120及び上部の開口部を通り、一方では気泡をさらに膨張させることができ、他方では泡が破裂するようになっている。
本発明の装置1及びプロセスの特定の実施例では、相分離チャンバ100の入口110が重合ユニット(図示せず)と流体連通し、抽出ライン9が凝縮及び/又は真空オーバヘッドユニット(いずれも図示せず)と流体連通する。本発明の装置1及びプロセスを、特に重合プラントの一部として、このようなユニット及びそのプロセスと組み合わせて有利に使用することができる。
ある特定の実施例では、粘性液体2(例えばポリマー・メルト)の脱気が静的揮発成分除去装置1より前に行われることを有利に避けるために、弁が相分離チャンバ100の入口110と流体連通する。
図2及び図3に示すように、相分離チャンバ100は、容器3内に配置された部分と容器3外に配置された部分とを含むことが好ましい。第1の揮発成分除去ステップにおいて処理される粘性液体2のための入口110が、有利には熱交換器(図示せず)を通り、この熱交換器は断熱ジャケットを有することが有利である。静的ミキサ要素又は熱伝導リブの形の設備を、入口110に配置することも有利であり得る。このような設備を使用して、熱伝達媒体から処理される粘性液体2への熱伝達に寄与することができる。或いは又は加えて、場合により熱交換器を容器3内に位置させてもよい。このような熱交換器は特に限定されず、管型、プレート型、拡張表面型、再生型、シェルアンドチューブ型のものであってよく、流れ配置は、逆流、並流、直交流、分流又は分割流型等の単流であってよい。
したがって、装置1の動作中に、揮発成分を含む粘性液体2が処理されて、第1の揮発成分除去ステップにおける相分離チャンバ100内での膨張蒸発によって、揮発成分が粘性液体2から分離されるようになっている。加えて、揮発成分から形成されたガス6を、一般に排気可能な容器3内の流下膜及び/又はストランドから部分的に遊離させることができる。
加えて、本発明の装置1及びプロセスによって、第2の揮発成分除去ステップにおいて、分配器サブユニット200の第2の排出領域222の表面223上に分散される第1の揮発成分除去済粘性液体21から、揮発成分がさらに遊離され得る。これにより、この第2の揮発成分除去ステップは、容器3内における滞留時間、及び/又は第2の排出領域222の表面223上に分散された第1の揮発成分除去済粘性液体21の比表面積を増加させる。したがって、第1及び第2の揮発成分除去ステップによって、揮発成分の含有量は、粘性液体2から第1の揮発成分除去済粘性液体21、第2の揮発成分除去済粘性液体22へと進む際に徐々に低下する。
図3の実施例に示すように、容器内に垂直に配置されたさらなる分配器サブユニット200を設置することによって、残留揮発成分の含有量をさらに低下させることができる。このようなさらなる分配器サブユニット200により、第2の排出領域222の表面223上に分散された第1の揮発成分除去済粘性液体21の滞留時間及び/又は比表面積が有利に増加する、追加の揮発成分除去ステップが行われる。
分配器サブユニット200の第2の排出領域222の表面223が、容器3内における第1の揮発成分除去済粘性液体21の滞留時間、及び/又は第2の排出領域222の表面223上に分散された第1の揮発成分除去済粘性液体21の比表面積を増加させるように具体化されていれば、分配器サブユニット200の形状は特に限定されない。一部の実施例では、分配器サブユニット200が、板、トレイ、又は円錐(チャイニーズ・ハットとしても知られる)から選択された形状を有する。
第2の排出領域222の第2の排出開口部224は、異なる大きさであっても又は同一の大きさであってもよく、且つ異なる形状であっても又は同一の形状であってもよい。第1の排出領域122の場合について前述したように、第2の排出開口部224の開口部密度及び/又は開口部直径を減少させることができ、且つ/又は、第2の排出領域222(例えば、穿孔板)の厚さを増加させて、容器3内における第1の揮発成分除去済粘性液体21の滞留時間を増加させ、且つ/又は第2の排出領域222の表面223上に分散された第1の揮発成分除去済粘性液体21の比表面積を増加させることができる。
一部の特定の実施例では、第2の排出領域222の面積は、第1の排出領域122の下部120(第1の揮発成分除去済粘性液体21の排出部)の面積よりも少なくとも10%大きい面積から、容器3の横断面直径までにわたる。より大きい面積の第2の排出領域222を有することにより、下降する粘性液体(例えばポリマー・メルト)が第2の排出領域222を迂回することに関する問題を最小限にするため有利である。
一部の他の特定の実施例では、第1の排出領域122と第2の排出領域222との間の最小距離が、相分離チャンバ100の直径の少なくとも1.5倍、好ましくは2倍である。この距離を最大化することにより、下降する粘性液体(例えばポリマー・メルト)のストランドを脱気し、適切に落下できるようにすることができて有利である。
一部の他の特定の実施例では、第1の排出領域122が、垂直軸から15〜80度、好ましくは20〜70度に向けられる。角度が小さすぎる場合、ポリマー・ストランドが互いに十分に離れないため、揮発成分除去が抑制される。角度が大きすぎる場合には、分配器内における粘性液体(例えばポリマー・メルト)のホールドアップ及び滞留時間が短くなりすぎ不利である。
分配器サブユニット200の2つの好ましい実施例が、図4及び図5に示される。一部の他の好ましい実施例では、分配器サブユニット200は、相分離チャンバ100の第1の排出開口部124により排出された第1の揮発成分除去済粘性液体21によって接触されないように具体化された第3の排出領域232を有し、第3の排出領域232はガス6を排出するための第3の排出開口部234を有する。関連する第3の排出開口部234を持つこのような第3の排出領域232を有する分配器サブユニット200が、図2及び図3に概略的に示される。関連する第3の排出開口部234を持つ第3の排出領域232を有する一般的な実施例は、分配器サブユニット200が中央領域7の横断面全体を覆うものとなる。したがって、第3の排出開口部234により、ガス6の通過が可能になる。オプションの第3の排出開口部234のない第3の排出領域234が、図6及び図7に示される。オプションの第3の排出開口部234のない分配器サブユニット200のこのような実施例において、図6及び図7に示すように、分配器サブユニット200と容器3の内壁32との間に間隙10を有して、抽出ライン9へのガス6の通過を容易にすることがしばしば好ましい。図2に示すように、ある好ましい実施例は、特に効率的にガスを通過させるために、間隙10と第3の排出開口部234との両方を有することができる。間隙10及び第3の排出開口部234は、容器3の長さにわたる圧力増加を最小限にすることができて有利である。抽出ライン9が分配器サブユニット200の下方、例えば中央領域7又は下部サンプ領域4(図示せず)に位置する分配器サブユニット200の実施例について、間隙10又は第3の排出開口部234により、ガス6が分配器サブユニット200を下方に通過して抽出ライン9へ向かって流れることができる点に注目されたい。いずれの場合にも、容器3内に十分な容積と通路を維持して、脱気蒸気がガス6として抽出ライン9へ自由に移動できるようにすることが有利である。
図示したようないくつかの特定の実施例において、分配器サブユニット200の形状が角柱でも多面体でもないことに注目されたい。米国特許第5,118,388号から公知のこのような形状は、高価で製造が複雑であり、一般的に、粘性液体2(例えば、ポリマー・メルト)の流れを遮り、その流れがオーバフローすることによって機能する。このような遮断及びオーバフロー機構は、ポリマー・メルトのホールドアップ時間を長くして、場合によりホットスポット及びポリマー・メルトの熱劣化を生じさせるため不利である。さらに、これらの機構は、高温オイル加熱チューブ、電気ヒータ、又は他の適切な浸漬ヒータ等の加熱要素を使用して、粘度の増加又はさらには一部の領域における固化を防止する必要があることが多い。加えて、このような多面体形状の偏向板は、発泡ポリマー・メルトが揮発成分除去器の側へ飛び散ることを防止するために偏向板を使用することをしばしば必要とする。
相分離チャンバ100の第1の排出開口部124及びガス排出開口部134、並びに分配器サブユニット200の第2の排出開口部224及びオプションの第3の排出開口部234は、大きさ、形状、又は形態に関して特に限定されず、特定の実施例においては、スリット、孔、及び送り孔からこれらを独立して選択することができる。
図6に概略的に示すように、好ましい実施例において、分配器サブユニットの第2の排出開口部224は、第2の排出領域222の外周2222側に位置するほど横断面積が大きくなるように具体化されて、分配器サブユニット200の迂回を最小限にする。
図7に概略的に示すように、本発明の装置1及びプロセスの好ましい実施例において、相分離チャンバ100の第1の排出領域122の下部120は、分配器サブユニット200の第2の排出領域222の2222の第2の横断面積よりも小さい第1の横断面積1222を有して、分配器サブユニット200を迂回することを最小限にする。
装置1及びプロセスの好ましい実施例では、分配器サブユニット200が、中央領域7内で相分離チャンバ100の下方及び下部サンプ領域4の上方に設置された穿孔分配板の形である。このような穿孔分配板は着脱可能であると好都合であり得、円形、正方形、及び矩形を含む種々の形状に作られると好都合であり得る。好ましい実施例では、穿孔分配板は円形であり、これは、第1の揮発成分除去済粘性液体21を第2の排出領域222の表面223上に均一に分配するのに有利である。好ましい実施例では、穿孔分配板は、板の外縁部を部分的又は完全に取り囲む1つ又は複数のリップ領域を有し、好ましくは、2つ又は4つのリップを有する。このようなリップ領域を使用して、第2の排出領域222の表面223上への第1の揮発成分除去済粘性液体21の分配を維持すること、及び迂回を防止することを助けることができる。穿孔分配板は容器3内に設置されて、相分離チャンバ100の第1の排出開口部124から排出された第1の揮発成分除去済粘性液体21が、排出ポンプによって直ちに排気されるのではなく、穿孔分配板の第2の排出領域222の中心に落下する。その後、第1の揮発成分除去済粘性液体21が、第2の排出領域222の表面223上に分配され、第2の揮発成分除去ステップにおいて前記表面223で処理される。この達成を助けるために、図6に示す特定の実施例に概略的に見られるように、第2の排出開口部224は、第2の排出領域222の外周2222側に位置するほど大きくなる横断面積2242を有するように具体化され得る。穿孔分配板の寸法は、好ましくはマンホール(図示せず)の大きさに合わせられ、穿孔分配板は、希望に応じて、輸送、組立、及び設置を容易にするための2つ又はそれ以上の部分から構成されていてもよい。より小型の装置1の場合、穿孔分配板が、一般的に漏斗状の下部サンプ領域4の上に単に置かれていてもよい。しかしながら、準工業用及び工業用ユニットの場合には、穿孔分配板が、より一般的には、容器3の上部領域5の上方に位置する相分離チャンバ100から吊り下げられる。相分離チャンバ100は、好ましくは適切な固定点を備え、板の液体ホールドアップの重量が大きくなり得るにつれて必要に応じて補強される。
容器3内における第1の揮発成分除去済粘性液体21の滞留時間を、分配器サブユニット200の第2の排出領域222の表面223の面積を変化させることにより、又は第2の排出領域222に位置する第2の排出開口部224の数及び/又は直径を変化させることにより調節することができる。当業者は、表面223の面積を増加させることにより、又は第2の排出開口部224の数又は直径を減少させることにより、一般に滞留時間を増加させることができるということを理解するであろう。表面223の面積、第2の排出領域222の厚さ、並びに第2の排出開口部224の数及び直径は、揮発成分除去装置1の与えられたスループット若しくはスループット範囲及び/又は第1の揮発成分除去済粘性液体21の粘度範囲に合わせられることが好ましい。
図2及び図3に示すように、第2の揮発成分除去済粘性液体22は、容器3の下部サンプ領域4に集められる。第2の揮発成分除去済粘性液体22は、第2の揮発成分除去済粘性液体22を排出するための下部サンプ領域4と流体連通する排出ポンプ8によって容器3から除去される。図示しないが、デバイスを使用して、下部サンプ領域4の第2の揮発成分除去済粘性液体22のレベルを調整するということを当業者は理解するであろう。第2の揮発成分除去済粘性液体22は、場合により、低レベルの揮発成分残留物を含んだままであり得、これらは場合により、希望に応じてさらなる揮発成分除去装置(図示せず)で除去され得る。
図2及び図3にも示すように、容器3の上部領域5、中央領域7、又は下部サンプ領域4に位置し得る、場合によって真空ポンプと流体連通する抽出ライン9によって、揮発成分がガス6として容器3から除去される。図中、ガス流は破線及び矢印で示され、液相の流れ(例えば、粘性液体2、第1の揮発成分除去済粘性液体21、及び第2の揮発成分除去済粘性液体22)は実線及び矢印で示される。抽出ライン9は、中央領域7又は特に下部サンプ領域4に位置する場合、真空ポンプと流体連通することが好ましい。一般に、抽出ライン9は、容器3の上部領域5に位置することが好ましい。
装置1の付属品は、従来の、当技術分野において周知のものであり、電気供給部、冷却液及び加熱流体供給部及び分配部、レベル・コントローラ、ポンプ、弁、パイプ及びライン、リザーバー、ドラム、タンク、並びに、流れ、温度、及びレベル等のパラメータを測定するためのセンサを含む。本発明の装置1及びプロセスは、適切なセンサを備えたコンピュータ・インタフェースによって都合よく制御され得る。
簡単にするために概略図には示さないが、供給パイプ及び/又はサンプ、熱交換器、支持板及び格子、ディスペンサ、分散器/支持板、連続相分配器、支持及びホールドダウン板、バッフル、偏向板、エントレインメント分離器、及び保持器/再分配器のような供給デバイス等の他の従来の静的揮発成分除去装置及び分離デバイスの内部構造物を、本発明において限定なしで使用してもよいということを当業者は理解するであろう。
容器3は、形態、形状、又は構造に関して特に限定されない。図2及び図3に示す実施例では、容器3は円筒形である。投資コスト及び維持コストを最小限にするために、装置1のいくつかの好ましい実施例においては、排出ポンプ8以外の可動部分は容器3内に存在しない。
本発明の別の態様は、本発明の装置1を使用して、揮発成分を含む粘性液体2を揮発成分除去するためのプロセスであって、
粘性液体2が相分離チャンバ100内で処理されて、第1の揮発成分除去済粘性液体21を形成する第1の揮発成分除去ステップと、
第1の揮発成分除去済粘性液体21が第2の排出領域222を有する分配器サブユニット200内で処理されて、第2の揮発成分除去済粘性液体22を形成する第2の揮発成分除去ステップとを含み、第2の排出領域222が表面223を有し、第2の揮発成分除去ステップが前記表面223で行われ、容器3内における第1の揮発成分除去済粘性液体21の滞留時間、及び/又は第2の排出領域222の表面223上に分散された第1の揮発成分除去済粘性液体21の比表面積がこれにより増加するように表面223が具体化される、プロセスである。
本発明のこのような揮発成分除去プロセスの特定の実施例が、装置1の特に図示される実施例の場合について、図2に概略的に示される。第1の揮発成分除去ステップにおいて処理されて第1の揮発成分除去済粘性液体21を形成する粘性液体2は、入口110を介して相分離チャンバ100に入る。一部の実施例では、この粘性液体2は、25重量パーセント未満、好ましくは20重量パーセント未満、好ましくは10重量パーセント未満の揮発性物質を含むポリマー組成物である。前述したように、この第1の揮発成分除去ステップは、相分離チャンバ100において、膨張により泡を形成して遊離ガス6(揮発成分)と第1の揮発成分除去済粘性液体21(低ガス粘性液体)との混合物を生成することにより行われる。相分離チャンバ100内の平均滞留時間は、好ましくは、泡の成長について、一般的に少なくとも約10秒、より好ましくは30秒であり、この平均滞留時間は、相分離チャンバ100に含まれる液体量からスループットまでの指数(quotient)に等しい。第2の排出領域222を有する分配器サブユニット200、及びその関連する第2の揮発成分除去ステップを設けることにより、本発明の相分離チャンバ100において非常に短い滞留時間を使用することが可能になり有利であることに注目されたい。
結果として得られる画分(ガス6及び第1の揮発成分除去済粘性液体21)は、その後、相分離チャンバ100の第1の排出領域122のそれぞれの開口部を通して排出される。特に、ガス6は、相分離チャンバ100から、第1の排出領域122の上部130(ガス排出部)の少なくとも1つのガス排出開口部134を通って容器3の上部領域5内へ上方に排出される。入口110と第1の排出領域122の上部130との間の間隔が大きくなり、平均滞留時間が長くなるほど、揮発成分除去済ガス6の量が増加し得る期間が長くなる。揮発成分は、抽出ライン9によりガス6の流れとして容器3から除去される(破線及び矢印6)。
本発明の装置1及びプロセスにおける抽出ライン9の位置は特に限定されない。装置1の他の構成が、他の位置(図示せず)、例えば、容器の中央領域7又は下部サンプ領域4に抽出ラインを有してもよいということを当業者は理解するであろう。このような他の構成の場合、ガス排出開口部134から放出される、最初に上方に流れるガスは、対応するプロセス実施例において別の方向に向けられ、このような他の位置に向かって他の下方への経路をたどる。本発明の装置1及びプロセスの一部の実施例では、装置1が2つ以上の抽出ライン9を有することができる。このような場合、遊離ガス6は、一般的に、最も近い抽出ライン9まで流れ、又は、パージ・ガス及び/又はストリッピング剤の圧力差及び/又は流れパターンによって最も好都合に位置する抽出ライン9まで流れる。
低含有量の揮発成分を有する第1の揮発成分除去済粘性液体21が、第1の排出領域122の下部120に位置する複数の第1の排出開口部124によって相分離チャンバ100から排出され、第1の揮発成分除去済粘性液体21は、相分離チャンバ100から容器3の下部サンプ領域4へ向かって下方に排出される。
先行技術の装置1’(例えば図1)とは対照的に、第1の揮発成分除去済粘性液体21は排出ポンプ8’に直接流入せず、且つ直接排気されない。代わりに、本発明のプロセス及び装置1では、第1の揮発成分除去済粘性液体21が、容器3の中央領域7で相分離チャンバ100の下方及び下部サンプ領域4の上方に位置する分配器サブユニット200の第2の排出領域222に接触する。
図6及び図7に概略的に示すように、一般に、相分離チャンバ100の第1の排出領域122の下部120を、その下方に位置する分配器サブユニット200の第2の排出領域222上で中心に配置して、落下する第1の揮発成分除去済粘性液体21による分配器サブユニット200の迂回を最小限にする/排除するようにすることが好ましい。相分離チャンバ100の外形が、図6及び図7に破線によって概略的に示されることに注目されたい。
第2の排出領域222は、第2の揮発成分除去ステップが行われる表面223を有する。第2の排出領域222に当たる第1の揮発成分除去済粘性液体21は、比較的小さい大きさ及び/又は密度及び/又は第2の排出領域222の厚さを通る比較的長い経路長さのため、複数の第2の排出開口部224を直接容易に通過することはできない。結果として、第1の揮発成分除去済粘性液体21は、第2の排出領域222の表面223上に分散され、図6の点線及び矢印は、表面223上の第1の揮発成分除去済粘性液体21の外側への流れを概略的に示す。その結果、第1の揮発成分除去済粘性液体21は、これにより、容器3内における滞留時間及び/又は比表面積を増加させる。滞留時間及び/又は比表面積の増加は、揮発成分をガス6として第1の揮発成分除去済粘性液体21から揮発成分除去することを促進するように作用し、これにより、第2の揮発成分除去済粘性液体22を形成する。
表面223の面積、第2の排出開口部224の大きさ及び密度、並びに第2の排出領域222の厚さを通る経路長さを変化させることにより、第2の揮発成分除去ステップにおいて滞留時間を変化させ、制御することができるということを当業者は理解するであろう。例えば、表面223の面積の減少、第2の排出開口部224の大きさ若しくは密度の増加、又は第2の排出領域222の厚さを通る経路長さの減少はすべて、表面223における第1の揮発成分除去済粘性液体21の滞留時間を短くするように作用する。外周2222側に位置するほど横断面積が大きくなる(図6に概略的に示すように)第2の排出開口部224を有する分配器サブユニット200の実施例では、中心に位置する開口部を小さく、又は密度を小さくすること、及び/又は横断面積の増加の進行を制限することにより、滞留時間を長くすることができる。
複数の第2の排出開口部224の存在により第2の排出領域222にかなりの開放構造を設けることによって、表面223に強い発泡がある場合でも、第2の揮発成分除去ステップにおいて第1の揮発成分除去済粘性液体21が圧力上昇を受けることがなく好都合であることに注目されたい。
図6及び図7に概略的に示すように、第1の排出領域122の下部120が第2の排出領域222の2222の第2の横断面積よりも小さい第1の横断面積1222を有する実施例において、第2の排出領域222の表面223上への第1の揮発成分除去済粘性液体21の分散を好都合に促進することができ、且つ分配器サブユニットの迂回を最小限にすることができる。特定の実施例では、2222の第2の横断面積と第1の横断面積1222との比は好ましくは少なくとも2:1、より好ましくは3:1、及び最も好ましくは4:1である。より高粘性の液体については、排出前に大きい表面積上に確実に分散されるようにするために、より大きい比を用いることが望ましい。相対横断面積のこのような配置は、落下する第1の揮発成分除去済粘性液体21が第2の排出領域222に接触しないことを防ぐだけでなく、第1の揮発成分除去済粘性液体21が比較的大きい面積を有する表面223上に確実に分散されて、第2の揮発成分除去ステップにおいて第1の揮発成分除去済粘性液体21の比較的大きい比表面積を得ることを助ける。
これにより、第2の揮発成分除去済粘性液体22は、第1の揮発成分除去済粘性液体21に対して低含有量の揮発成分を有し、第2の揮発成分除去済粘性液体22は複数の第2の排出開口部224を通過して、図2に示すように、容器3の下部サンプ領域4内へ下方に排出される。その後、排出ポンプ8は、第2の揮発成分除去済粘性液体22を容器3の下部サンプ領域4から排出する。
第2の揮発成分除去ステップにおいて放出される揮発成分を含むガス6が、分配器サブユニット200から抽出ライン9側へ排出される。図2に示す特定の実施例では、ガス6が、容器3の上部領域5に位置する抽出ラインに向かって上方へ排出される(図2において破線及び矢印で概略的に示す)。
本発明のプロセスにおいて、容器3内の圧力は特に限定されず、減圧(例えば、真空ポンプによる)又は過剰圧力(例えばパージ・ガス流による)、又は大気圧であり得る。一般に、圧力は、大きな圧力差なく容器3内で均一であるか、又は上部領域5、中央領域6、及び下部サンプ4領域間で低下する。当業者は、圧力の好ましい選択が、粘性液体2にある揮発成分の特性及び含有量、並びに静的揮発成分除去プロセスにおいて除去される揮発成分の量及び程度に応じて決まるということを理解するであろう。プロセスの多くの好ましい実施例では、比較的低い動作温度が、容器3内の適度に低い圧力(大気圧未満)によって達成され、一部の好ましい実施例では、絶対圧力が100ミリバール未満、好ましくは50ミリバール未満、より好ましくは30ミリバール未満、最も好ましくは10ミリバール未満である。最適な温度及び圧力は、粘性液体2(例えばポリマー)及び揮発成分、劣化温度及び蒸気圧力等のこれらの固有の特性、並びに生成物の仕様及び所望の特性に応じて決まる。例えば、ゴムから溶媒をあまりにも急速に揮発成分除去すると、溶媒の粘性が高くなりすぎて容易に排出できなくなるおそれがあるため、このような揮発成分除去プロセスは、大気圧超で行われることが多い。温度も特に限定されず、高い温度ほど、表面223の流れ及び分散を促進するとともに、揮発成分の蒸気圧力を増加させる傾向がある。熱劣化又は架橋を促進させるおそれがあるため、温度は高すぎてはいけない。ポリマー・メルト又はポリマー溶液を含む一部の実施例では、特定のポリマー及びその溶融粘度に応じて、動作温度が好ましくは50℃超、100℃超、150℃超、200℃超、250℃超である。
揮発成分から形成されたさらなるガス6を、容器3内の落下するストランドから部分的にさらに遊離させてもよい。図2に概略的に示すように、このようなガス6を、相分離チャンバ100の第1の排出領域122の下部120から排出された第1の揮発成分除去済粘性液体21、又は分配器サブユニット200の第2の排出領域222の複数の第2の排出開口部224から排出された第2の揮発成分除去済粘性液体22の落下するストランドから遊離させることができる。
図2に示すように、装置1の一部の特定の実施例には間隙10があり、プロセスの対応する特定の実施例において、このような間隙10により、放出されたガス6、例えば、落下するストランド、又は下部サンプ領域4に集められた第2の揮発成分除去済粘性液体22から放出された揮発成分が容易に逃げることができて有利である。これは、図2において破線及び矢印により概略的に示される。また、図2に概略的に示すように、プロセスのある特定の実施例において、放出されたガス6が、オプションの第3の排出開口部234によって分配器サブユニット200を上方に通過することができる。このような第3の排出開口部234も図3の実施例に概略的に示され、間隙10は図6及び図7の実施例にさらに概略的に示される。図2及び図3に概略的に示すように、抽出ライン9が分配器サブユニット200の上方に位置する装置1を使用するときに、間隙10及び/又は第3の排出開口部234を通るガス6の上方への流れを有するこのような特定のプロセス実施例は、特に有利である。
例えば図3に概略的に示すような本発明のプロセスの他の実施例では、第2の揮発成分除去済粘性液体22が、下部サンプ領域4に到達して排出ポンプ8により排出される前に、さらなる分配器サブユニット200の第2の排出領域222に接触する。したがって、このようなさらなる分配器サブユニット10は、容器3内における分散した液相の滞留時間を長くし、その比表面積を増加させるように作用する。第2の排出領域222の第2の排出開口部224は、さらなる分配器サブユニット200について、異なる大きさであっても又は同一の大きさであってもよく、且つ異なる形状であっても又は同一の形状であってもよい。上部の分配器サブユニット200は、好ましくは外周2222側に位置するほど横断面積が大きくなる第2の排出開口部224を有することができるが、第1の揮発成分除去済粘性液体21(例えばポリマー)が既に広がって第1の上部分配器サブユニット200により分配されているため、このような増加する横断面積は、下部のさらなる分配器サブユニット200については一般に使用されない。図3に示す特定の実施例には、2つのこのようなさらなる分配器サブユニットがある。そして、さらなる揮発成分除去ステップがこれらのさらなる分配器サブユニット200の各々において行われ、液相が第2の排出領域222の各々の表面223上に分散されて、容器3内における液相の滞留時間を長くし、その比表面積を増加させる。また、さらなる分配器サブユニット200を有するこのような装置1及びプロセスの実施例は、例えば、図3の実施例に概略的に示すように、抽出ライン9が最上部の分配器サブユニット200の上方に位置する実施例において、間隙10及び第3の排出開口部234が存在して、内部分配器サブユニット200から、又は内部分配器サブユニット200間で遊離されたガス6の流れを容易にすることから特に利益を得る。
静的揮発成分除去プロセスは、例えば、前述した引用文献及び参考本に開示されたように、当技術分野において周知である。別段の指示のない限り、種々の粘性液体供給流及び動作パラメータ及びこのような従来型の揮発成分除去プロセスの条件を、本発明による静的揮発成分除去プロセスにおいて、装置1を用いてここで使用することができる。
本発明のこの静的揮発成分除去プロセスは、分配器サブユニット200の使用によって生じる第2の揮発成分除去済粘性液体22の滞留時間及び比表面積の増加により、プロセスの動作温度を低下させることができるという利点を有する。これは、より経済的であり、且つプロセスがより緩やかになるため、熱に敏感なポリマーの熱劣化及び分解の問題が最小限になる。したがって、本発明のプロセスの動作温度は特に限定されない。当業者は、相分離チャンバ200に入る粘性液体2、並びに相分離チャンバ200及びその第1の排出領域122の温度が、粘性液体2及び第1の揮発成分除去済粘性液体21が流れて、揮発成分が揮発成分除去されるのに十分に高くなるということを理解するであろう。同様に、容器3、並びに特に分配器サブユニット200及び表面223を有するその第2の排出領域222は、第1の揮発成分除去済粘性液体21が流れ、特に第1の揮発成分除去済粘性液体21が前記表面223上に分散され、且つ第2の揮発成分除去済粘性液体22が複数の第2の排出開口部224を介して下部サンプ領域4に排出され、次に排出ポンプ8により容器3から排出されるのに十分に高い動作温度で維持されるということを当業者は理解するであろう。
先行技術の静的揮発成分除去装置の場合のように、本発明の装置1並びにその相分離チャンバ100及び分配器サブユニット200の動作温度、滞留時間、及び動作圧力の間に大きな相互作用があるということを、当業者は理解するであろう。場合により計算プロセス・モデリング・ソフトウェアの助けにより、限られた数の試行で、揮発成分を含む特定の粘性液体2についての最適なプロセス条件を容易に決定することができる。
本発明による揮発成分除去プロセスを、ストリッピング剤(例えば、水、二酸化炭素、窒素)を使用して実行してもよい。ストリッピング剤を、例えば、相分離チャンバ100に入れる前に、好ましくはこの目的で使用される静的ミキサを用いて、処理される粘性液体2と混合することができる。ストリッピング剤は、高圧で処理される、すなわち、膨張デバイスより前の粘性液体2と混合されると有利である。混合が十分でない場合、急に膨張する気泡による損傷が、膨張時に生じ得る。或いは又は加えて、ストリッピング剤を、入口300、好ましくは、下部サンプ領域4に位置する入口300により、容器3内に直接投与してもよい。
本発明のさらに別の態様は、揮発成分を含む粘性液体2、好ましくはポリマー・メルト又はポリマー溶液の揮発成分除去において、本発明の静的揮発成分除去装置1を使用することである。本発明の装置1及びプロセスを使用することにより利益を得ることのできる特定のポリマー及びそれらの揮発成分について前述したが、このような揮発成分除去プロセスを、例えば、重合プラントにおいて溶媒、モノマー及び/又は凝縮副生成物の回収のために使用してもよい。前述したように、本発明の装置1及びプロセスは、このような揮発成分を高粘性ポリマー溶液及びポリマー・メルトから揮発成分除去するときに大きな利益をもたらす。
実例
以下の実例は、本明細書で特許請求された静的揮発成分除去装置1、プロセス、及び使用がどのように評価されているかについての詳細な説明を当業者に与えるために説明されており、発明者らが発明とみなす範囲を限定するものではない。
これらの実例では、本発明の静的揮発成分除去装置1及びプロセスが、除去される揮発性種として未反応モノマーを含むポリエステルの揮発成分除去の一般的な適用において順調に使用された。
比較実例では、相分離チャンバ100を有するが分配器サブユニット200のない静的揮発成分除去装置1を使用してプロセスが実行された。生成された揮発成分除去済ポリエステル・ポリマーのいくつかのサンプルは、6,000ppmの平均残留モノマー含有量を有した。
本発明の実施実例では、分配器サブユニット200が、中央領域7で相分離チャンバ100の下方及び下部サンプ領域4の上方に設置された。生成された揮発成分除去済ポリエステル・ポリマーのいくつかのサンプルが再び取られ、平均残留モノマー含有量は、2,500ppmまで減少したことがわかった。
比較実例及び実施実例の両方において、すべてのプロセス条件は同一であった。したがって、実例は、特許請求された発明のように分配器サブユニット200を使用することにより、同一のプロセス条件について、はるかに低濃度の残留揮発成分(例えば残留モノマー)が得られることを示している。低濃度の残留モノマーにより、ポリマーの加工性及び安定性を向上させることができた。
種々の実施例について例示の目的で説明したが、前記説明は、本明細書の範囲を限定するものとみなすべきではない。したがって、本明細書の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者は、種々の修正、改変、及び代替案に想到することができる。

Claims (14)

  1. 揮発成分を含む粘性液体(2)を揮発成分除去するための静的揮発成分除去装置(1)であって、
    第1の揮発成分除去済粘性液体(21)を受けるための容器(3)であって、前記容器(3)は、第2の揮発成分除去済粘性液体(22)を集めるための下部サンプ領域(4)、ガス(6)を排出するための上部領域(5)、及び、前記下部サンプ領域(4)と前記上部領域(5)との間の中央領域(7)を有する、容器(3)と、
    前記第2の揮発成分除去済粘性液体(22)を前記下部サンプ領域から排出するために、前記下部サンプ領域(4)に流体連通している排出ポンプ(8)と、
    ガス(6)を前記容器(3)から排出するための抽出ライン(9)であって、前記抽出ライン(9)は、前記上部領域(5)に位置する、抽出ライン(9)と、
    前記容器(3)の前記上部領域(5)内の相分離チャンバ(100)とを備え、前記相分離チャンバ(100)が、第1の揮発成分除去ステップで処理されて第1の揮発成分除去済粘性液体(21)を形成する前記粘性液体(2)のための入口(110)と、前記第1の揮発成分除去済粘性液体(21)を前記下部サンプ領域(4)に向かって下方に排出するための、第1の排出領域(122)の下部(120)の複数の第1の排出開口部(124)と、ガス(6)を前記抽出ライン(9)へ上方に排出するための、前記第1の排出領域(122)の上部(130)の少なくとも1つのガス排出開口部(134)とを備え、
    分配器サブユニット(200)が、前記中央領域(7)内で前記相分離チャンバ(100)の下方及び前記下部サンプ領域(4)の上方に位置し、前記分配器サブユニット(200)が第2の排出領域(222)を有し、
    前記第2の排出領域(222)が、前記相分離チャンバ(100)の前記第1の排出開口部(124)から排出された前記第1の揮発成分除去済粘性液体(21)によって接触されるように具体化され、前記第2の排出領域(222)が表面(223)を有し、前記第1の揮発成分除去済粘性液体(21)が第2の揮発成分除去ステップにおいて前記表面(223)で処理されて第2の揮発成分除去済粘性液体(22)を形成するように前記表面(223)が具体化され、前記第2の排出領域(222)が、前記排出ポンプ(8)と流体連通して前記第2の揮発成分除去済粘性液体(22)を排出するための複数の第2の排出開口部(224)をさらに有しており、
    前記粘性液体(2)は、25重量パーセント未満の揮発性物質を含むポリマー組成物であり、
    前記第1の排出領域(122)と前記第2の排出領域(222)との間の最小距離が、前記相分離チャンバ(100)の直径の少なくとも1.5倍であり、
    弁が、前記相分離チャンバ(100)の前記入口(110)と流体連通する、装置。
  2. 前記分配器サブユニット(200)が、前記相分離チャンバ(100)の前記第1の排出開口部(124)により排出された前記第1の揮発成分除去済粘性液体(21)によって接触されないように具体化された第3の排出領域(232)を有し、前記領域(232)が、ガス(6)を排出するためのオプションの第3の排出開口部(234)を有する、請求項1に記載の装置(1)。
  3. 前記分配器サブユニット(200)と前記容器(3)の内壁(32)との間に間隙(10)がある、請求項1又は2に記載の装置(1)。
  4. 前記第1の排出領域(122)の前記下部(120)が、前記第2の排出領域(222)の(2222)の第2の横断面積よりも小さい第1の横断面積(1222)を有する、請求項2又は3に記載の装置(1)。
  5. 前記第2の排出開口部(224)が、前記第2の排出領域(222)の外周(2222)側に位置するほど横断面積が大きくなるように具体化される、請求項1から4までのいずれか一項に記載の装置(1)。
  6. 1〜4個のさらなる分配器サブユニット(200)をさらに備える、請求項1から5までのいずれか一項に記載の装置(1)。
  7. 前記分配器サブユニット(200)の前記第2の排出領域(222)の前記表面(223)が、前記容器(3)内における前記第1の揮発成分除去済粘性液体(21)の滞留時間、及び/又は前記表面(223)上に分散された前記第1の揮発成分除去済粘性液体(21)の比表面積を増加させるように具体化される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の装置(1)。
  8. 前記分配器サブユニット(200)が、板、トレイ、又は円錐から選択された形状を有する、請求項1から7までのいずれか一項に記載の装置(1)。
  9. 可動部分が前記容器(3)内に存在しない、請求項1から8までのいずれか一項に記載の装置(1)。
  10. ストリッピング剤を投与するための入口(300)を有し、前記入口(300)が、前記下部サンプ領域(4)に位置する、請求項1から9までのいずれか一項に記載の装置(1)。
  11. 請求項1から9までのいずれか一項に記載の装置(1)を使用して、揮発成分を含む粘性液体(2)を揮発成分除去するためのプロセスであって、
    前記粘性液体(2)が相分離チャンバ(100)内で処理されて、第1の揮発成分除去済粘性液体(21)を形成する第1の揮発成分除去ステップと、
    前記第1の揮発成分除去済粘性液体(21)が第2の排出領域(222)を有する分配器サブユニット(200)内で処理されて、第2の揮発成分除去済粘性液体(22)を形成する第2の揮発成分除去ステップとを含み、前記第2の排出領域(222)が表面(223)を有し、前記第2の揮発成分除去ステップが前記表面(223)で行われ、前記容器(3)内における前記第1の揮発成分除去済粘性液体(21)の滞留時間、及び/又は前記表面(223)上に分散された前記第1の揮発成分除去済粘性液体(21)の比表面積がこれにより増加するように前記表面(223)が具体化される、プロセス。
  12. 前記粘性液体(2)がポリマー・メルト又はポリマー溶液であり、前記揮発成分が溶媒又はモノマーである、請求項11に記載のプロセス。
  13. 入口(300)、前記下部サンプ領域(4)に位置する入口(300)によって、ストリッピング剤が前記相分離チャンバ(100)より前で前記粘性液体(2)に投与され、且つ/又は入口(300)、前記下部サンプ領域(4)に位置する入口(300)によって前記容器(3)内に投与される、請求項11又は12のいずれかに記載のプロセス。
  14. 揮発成分を含む粘性液体(2)、ポリマー・メルト又はポリマー溶液の揮発成分除去における、請求項1から9までのいずれか一項に記載の装置(1)の使用。
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