JP6207371B2 - 液体充填装置 - Google Patents
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Description
そこで本発明は、製品液を供給する処理の前に行われるカウンタ処理を効率よく行ないながら、泡立ち及び充填液の乱れを抑制することが液体充填装置を提供することを目的とする。
本発明の飲料充填装置によれば、給気路にチェック弁を設け、カウンタ処理時にはこのチェック弁を介して気体、例えば二酸化炭素を缶容器に向けて供給するので、カウンタ処理に要する時間が長くなるのを防止できる。加えて、本発明の飲料充填装置によれば、排気路にオリフィスを設けることで、製品液の充填の際に充填流量を絞り、泡立ち抑えることができる。したがって、本発明の飲料充填装置によると、カウンタ処理を効率よく行ないながら、泡立ち及び充填液の乱れを抑制できる。
よく知られているようにチェック弁は、弁体を弁座に押し付けるのにコイルばねなどの弾性体を利用するのが一般的である。しかし、製品液が通過する部位に配置される部材の数を減らすことが、飲料充填装置を清潔に維持するうえで、また、洗浄の手間を省く上で好ましい。したがって、弾性体を用いる必要のない、重力により弁体が弁座に着座するチェック弁を用いることが好ましい。
このチェック弁としては、弁体が球状をなし、かつ、弁座がすり鉢状をなしていることが、弁体を安定して弁座に着座させることができるので好ましい。
本発明における流量調整機構は、チェック弁が、主流路に連なる弁室と、弁室の内部に収容される弁体と、弁体が着座する弁座と、を備え、重力により弁体が弁座に着座する、ことを特徴とする。
本発明における流量調整機構は、チェック弁が、流体が一方から他方に向けて主流路を流れると、弁体が流体から上向きの外力を受けることで、弁体が弁座から浮上して開く。また、チェック弁は、流体が他方から一方に向けて主流路を流れると、弁体が流体から下向きの外力を受けることで、弁体が弁座に着座して閉じる。
本実施形態は、図3に示すように、ロータリー式の飲料充填装置1に適用される。
飲料充填装置1は、搬送コンベア100により連続的に搬送される缶容器Cを転送スターホイール101から受け取る(給缶処理)。飲料充填装置1には、スターホイール2の周囲に複数のフィリングバルブ10(図3には省略)が配置されており、転送スターホイール101から受け取った缶容器Cが給缶地点Sから排缶地点Eまで円周上を移動する間に、一連の手順で飲料の充填が行なわれる。飲料充填が完了した缶容器Cは、缶蓋の取り付け、缶蓋の巻き締めを行う次工程に向けて排出される。なお、図3のS101〜S115は、図5に示す各処理に対応している。
給・排気路7は、フィリングバルブ10に接続され、ガッシング処理およびカウンタ処理の際に、フィリングバルブ10に向けて二酸化炭素を供給するのに用いられる。また、給・排気路7は、液供給処理の際に、缶容器Cから排出される二酸化炭素をガス領域4に戻すのに用いられる。給・排気路7には、この二酸化炭素の給・排気を制御する流量調整機構40が設けられている。また、給・排気路7には、流量調整機構40と貯液タンクTの間に第3バルブV3が設けられている。
バルブ軸体37は、図示を省略するエアーシリンダに連結されており、エアーシリンダの動作に応じて、軸方向に昇降できるようになっている。この昇降運動に伴って、弁体38と弁座39の接触・離間によるフィリングバルブ10の開・閉がなされ、バルブ軸体37を上昇させるとフィリングバルブ10は開となり、缶容器Cに製品液が充填される。
給・排気路7は、図1に示すように、チェック弁41を備えており、また、このチェック弁41に並行にオリフィス45が設けられるように一部にバイパス路9が設けられており、バイパス路9、チェック弁41及びオリフィス45により、流量調整機構40が構成される。
チェック弁41は、ガス領域4からフィリングバルブ10に向けた二酸化炭素の流れを許容するが、その逆向き流れを阻止する。チェック弁41は、ガッシング処理時及びカウンタ処理時にガス領域4からフィリングバルブ10に向けて二酸化炭素が供給されるのを許容する。
オリフィス45は、缶容器Cに製品液を供給される過程で、カウンタ処理によってそれまで缶容器Cを満たしていた二酸化炭素が缶容器Cから排出され、給・排気路7を通ってガス領域4に戻される流量を絞る。この二酸化炭素の流量調整により、缶容器Cに供給される製品液の流量を絞ることで、泡立ちの発生を抑制する。
流量調整機構40は、その主たる構成要素であるチェック弁41及びオリフィス45が、給・排気路7の途上に設けられるブロック47の内部に作り込まれている。ブロック47は、給・排気路7に連なる弁用通路48とバイパス路9に連なるオリフィス用通路49を備えており、チェック弁41は弁用通路48に設けられ、オリフィス45はオリフィス用通路49に設けられる。ブロック47は、耐食性に優れる金属材料、例えばステンレス鋼から形成される。
オリフィス用通路49は、ブロック47の内部において弁用通路48と並行に配置される。
搬送コンベア100から転送された缶容器Cは、転送スターホイール101によりフィリングバルブ10の下の所定位置まで搬送される。
缶容器Cが所定位置まで搬送されると、ガッシング処理が行われる。
炭酸液(例えば、ビール)は、酸素と接触すると酸化してしまうため、製品液を充填する前に缶容器Cの内部の空気を二酸化炭素で置換するガッシング処理を行う。ガッシング処理を、前述したように、ノンシールガッシングと、シールガッシングと、の二段階で行うことで、缶容器C内の酸素を二酸化炭素に効率よく置換する。
ノンシールガッシングは、フィリングバルブ10と缶容器Cの間に隙間がある状態で、ガス領域4から給・排気路7、フィリングバルブ10(ガス供給ポート27、ガス流路29)を介して二酸化炭素を吹き込む。缶容器Cの内部に供給された二酸化炭素は、缶容器Cの容量に対して余剰となった分が空気とともに、フィリングバルブ10と缶容器Cの間の隙間から外部に排出される。このようにすることで、缶容器Cの内部の空気を溢出させるとともに、容器内を置換ガスで置換することで酸素濃度を低くする。ノンシールガッシング処理は、当初から存在している空気を短時間に二酸化炭素に置換するのに適しているが、缶容器C内の酸素濃度をある程度までしか低くすることができない。よって、さらにシールガッシングを行なう。
なお、フィリングバルブ10と缶容器Cの間の隙間、二酸化炭素の吹き込み時間などの条件は、缶容器Cの容量、吹き込む二酸化炭素の流量などに応じて調整することができる。
ノンシールガッシング処理時の第1バルブV1,第2バルブV2,第3バルブV3の開・閉状態は以下の通りである。
閉:第1バルブV1、第2バルブV2
開:第3バルブV3
シールガッシング処理では、缶容器Cの製品液の挿入口をフィリングバルブ10に被着した状態で、ノンシールガッシング処理と同様に、二酸化炭素を吹き込む。
缶容器Cに残存していた空気および二酸化炭素は、フィリングバルブ10(排気ポート31、排気流路33)、排気路8および副排気路8Aを順に通って系外に排出される。この処理により、缶容器C内の酸素濃度をさらに低くすることができる。
シールガッシング処理時の第1バルブV1,第2バルブV2,第3バルブV3の開・閉状態は以下の通りである。
開:第3バルブV3
開:第1バルブV1 閉:第2バルブV2
次いで行われるカウンタ処理では、開いていた第1バルブV1を閉じて缶容器Cを密閉した状態で、二酸化炭素を吹き込む。これにより、缶容器Cの内部は二酸化炭素で加圧された状態となる。
カウンタ処理時には、二酸化炭素Gは、給・排気路7を通じて供給される。その際には、図4(b)に示すように、二酸化炭素Gは、第2通路48bを通り、重力に抗して弁体43を押し上げてから弁室42に流入し、さらに第1通路48aを通ってから、給・排気路7に達する。二酸化炭素Gは、チェック弁41を通るのに比べると微量であるが、オリフィス45を通って給・排気路7に達する。
カウンタ処理時の第1バルブV1,第2バルブV2,第3バルブV3の開・閉状態は以下の通りである。
開:第3バルブV3
閉:第1バルブV1、第2バルブV2
次いで行われる液供給処理では、液供給路5を介して、加圧状態の缶容器C内に製品液を供給、充填する。このとき、フィリングバルブ10のバルブ軸体37は、弁体38がバルブ筐体20の弁座39から離れるように操作される。
缶容器C内に充填されていた大部分の二酸化炭素(置換ガス)は、製品液で置換される。この際、二酸化炭素(置換ガス)は給・排気路7を通りガス領域4に戻るが、図4(a)に示すように、二酸化炭素Gは、弁用通路48の第1通路48a、オリフィス45を順に通ってから、バイパス路9を介して、給・排気路7に達する。チェック弁41の弁室42にも二酸化炭素Gは流入するが、弁体43に下向きの外力を与え、弁体43を弁座44に押し付けるので、二酸化炭素Gはチェック弁41を通過できない。
製品液の充填量は、流量計6を介して制御部50が検知し、適切な量の製品液が充填されたならば、制御部50は、バルブ軸体37を降下させて弁体38を弁座39に接触させることで、充填が終了する。
液供給処理時の第1バルブV1,第2バルブV2,第3バルブV3の開・閉状態は以下の通りである。
開:第3バルブV3
閉:第1バルブV1、第2バルブV2
充填終了後、次のスニフト処理にすぐに移行することなく、所定時間だけ保持(ホールド)する。つまり、充填が終了した時点で製品液の上面に泡および液中に気泡核が発生するが、ホールドすることにより、気泡核を製品液中に溶解させることで、泡を低減または消滅させる。
ホールド処理時の第1バルブV1,第2バルブV2,第3バルブV3の開・閉状態は以下の通りである。
閉:第1バルブV1、第2バルブV2,第3バルブV3
所定時間のホールドが済んだならば、スニフト処理を行う。
スニフト処理では、製品液より上方の缶容器C内の空隙(ヘッドスペース)の圧力を大気圧まで減圧させる。缶容器Cをいきなりフィリングバルブ10から離脱させると、泡が発生してしまうためである。したがって、スニフト処理においても、ヘッドスペースの圧力を漸減させる。
スニフト処理時は、第2バルブV2を開けることで、フィリングバルブ10(排気ポート31,排気流路33)、排気路8、副排気路8Bを介して、ヘッドスペースの二酸化炭素ガスの1部を系外に排出させる。ただし、第2バルブV2の下流側に設置したオリフィス15により圧力が漸減される。
スニフト処理時の第1バルブV1,第2バルブV2,第3バルブV3の開・閉状態は以下の通りである。
開:第2バルブV2
閉:第1バルブV1,第3バルブV3
スニフト処理が済んだならば、製品液が充填された缶容器Cは、フィリングバルブ10から離脱されてから、排缶地点Eにおいて搬送コンベア102に移送される。移送された缶容器Cは、缶蓋の取り付け、缶蓋の巻き締めを行う次工程に搬送される。
排缶処理時の第1バルブV1,第2バルブV2,第3バルブV3の開・閉状態は以下の通りである。
閉:第1バルブV1、第2バルブV2,第3バルブV3
ここで、充填流量を絞るのであれば、液供給路5にオリフィスを設けることもできる。ところが、本発明者らは、同じ充填流量になるようにオリフィスを設定すると、本実施形態に従って給・排気路7にオリフィスを設ける方が、フォーミングの発生を顕著に抑えることができることを確認している。このことは、排気路8にオリフィス45を設ける方が、フォーミングを発生させることなく、より短時間で飲料を充填できることを示している。
本実施形態は、チェック弁(check valve)として、弁体43が重力によって弁座44に着座する構造のものを用いたが、弾性体としてのコイルばねを用いて弁体を弁座に着座させる構造のものを用いることができる。ただし、飲料充填装置に用いるチェックバルブとしては、汚れが付着する要素が少ないことが望まれるので、実質的に弁体43と弁座44だけで機能する本実施形態のチェック弁41を用いることが好ましい。流体の流れを常に一定方向に保ち、逆流を防止する機能を持つバルブ。
2 スターホイール
3 液領域
4 ガス領域
5 液供給路
6 流量計
7 給・排気路
8 排気路
8A 副排気路
8B 副排気路
9 バイパス路
10 フィリングバルブ
15 オリフィス
20 バルブ筐体
21 キャビティ
25 液供給ポート
27 ガス供給ポート
29 ガス流路
31 排気ポート
33 排気流路
37 バルブ軸体
38 弁体
39 弁座
40 流量調整機構
41 チェック弁
42 弁室
43 弁体
44 弁座
45 オリフィス
47 ブロック
48 弁用通路
48a 第1通路
48b 第2通路
49 オリフィス用通路
50 制御部
100 搬送コンベア
101 転送スターホイール
102 搬送コンベア
C 缶容器
T 貯液タンク
Claims (4)
- 製品液とその上部に気体が貯留される貯液タンクと、
前記貯液タンクに貯留される前記製品液を容器に向けて供給する液体供給路と、
前記容器内に前記製品液を充填するのに先立って前記容器内に前記貯液タンクの前記気体を送り込む給気路と、
前記容器内に前記製品液を充填する際に前記容器から排出される前記気体を前記貯液タンクに戻す排気路と、
前記給気路に設けられ、前記貯液タンクの前記気体が前記容器内に向けて流れるのを選択的に許可するチェック弁と、
前記排気路に設けられ、前記容器から排出される前記気体の流量を調整するオリフィスと、
を備えることを特徴とする液体充填装置。 - 前記チェック弁は、重力により弁体が弁座に着座する、
請求項1に記載の液体充填装置。 - 前記弁体が球状をなし、
前記弁座がすり鉢状をなす、
請求項2に記載の液体充填装置。 - 前記給気路と前記排気路が、両者が兼用する主流路からなり、
前記チェック弁と前記オリフィスは、前記主流路の一部に設けられる並行な流路の各々に配置される、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液体充填装置。
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