JP6206426B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Description

この発明は、冷凍空調装置に用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
従来の密閉型圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動する電動機構部と、によって構成され、密閉容器内に収納されている。圧縮機構部と電動機構部とは、クランク軸によって接続され、電動機構部は、圧縮機構部を駆動する。圧縮機構部には、圧縮室が設けられ、吸入口から冷媒が吸入され、圧縮し、吐出口から吐出される。
クランク軸は、主軸部と偏芯軸部と副軸部とからなり、クランク軸の偏芯軸部には、ローリングピストンが嵌合されている。圧縮機構部は、シリンダとローリングピストンと軸受とからなる。シリンダには、内部空間であるシリンダ室が設けられ、そのシリンダ室に、クランク軸の偏芯軸部とローリングピストンとが収納されている。ローリングピストンの外径の外周面とシリンダのシリンダ室の内径の内周面にて、作動室が形成される。クランク軸は、電動機構部によって、回転させられるとともに、偏芯軸部も偏芯回転させられ、偏芯軸部に嵌合させたローリングピストンは、シリンダのシリンダ室にて偏芯回転する。ローリングピストンの偏芯回転によって、シリンダとローリングピストンとが形成する作動室は、その容積を変化させ、作動室に吸入した冷媒を圧縮する。
なお、軸受は、シリンダに取り付けられ、クランク軸を支持する。
以上のような構成のため、圧縮機構部には、摺動箇所が多く、潤滑油を必要とする。また、圧縮室からの冷媒もれを抑制するために、各部品の隙間をシールする必要がある。
密閉容器の底部には、圧縮機構部の摺動箇所の潤滑や圧縮室のシールを行う冷凍機油が貯留されている。クランク軸の下部はこの油溜めの冷凍機油に浸り、クランク軸の回転による遠心ポンプ作用により、冷凍機油がクランク軸の内部に形成された給油路に汲み上げられ、給油路を介して圧縮機構部の摺動箇所に供給される。例えば、クランク軸には、クランク軸の給油路から軸受やローリングピストンに冷凍機油を供給する軸受用給油穴やローリングピストン用給油穴が設けられている。これにより、ローリングピストン、クランク軸、軸受などの摺動箇所や各部品のシール箇所に冷凍機油が供給されている。また、ローリングピストンと軸受とクランク軸とで区画される空間部、あるいは、クランク軸の偏芯軸部の上下端面すなわちスラスト面に冷凍機油を供給する給油穴が設けられたものもある。(例えば、特許文献1、2参照)
特開昭61−055391号公報(第3頁、図1) 実開平02−076190号公報(第4頁、図1及び図2)
小型化で高出力な空気調和機を製作していくためには、密閉型圧縮機も、外形は小型で、冷媒の圧縮容積すなわち排除容積が大容量のものが必要となってくる。これに対し、密閉型圧縮機を小型大容量化していくためには、シリンダの高さと内径を維持したまま、排除容積を拡大する必要があり、そのためにはクランク軸の偏芯軸部の偏芯量拡大が必要である。シリンダの内径を維持したままの偏芯量を拡大するためには、偏芯軸の径を大きくし、ローリングピストンの外径を小さくする必要がある。
一方、偏芯軸の径を大きくし、ローリングピストンの外径を小さくすると、ローリングピストンの径方向の肉厚が薄くなり、ローリングピストンの軸方向の端面と圧縮機構部の部品との間に保持される冷凍機油の量が減って保持力が弱くなり、潤滑性やシール性が低下する。また、偏芯量を拡大したとき、従来の給油穴では、給油穴の開口部から偏芯軸部の偏芯方向の端面までの距離が遠くなり、冷凍機油が届きにくく、給油が途切れて、潤滑性やシール性が低下する。
また、給油が途切れることを防止するため、径方向の給油穴を増やしたとしても、作動室側からクランク軸の中心側に向かって働く圧縮された冷媒の反発力によって、径方向の給油穴の冷凍機油の流れが阻害され、給油穴から冷凍機油の排出がされにくいという課題がある。
そのため、密閉型圧縮機の偏芯量を拡大した場合には、圧縮機構部の潤滑性が低下し、摺動ロスが大きくなるとともに、ローリングピストンのシール性が低下し、圧縮室内の冷媒が高圧側から低圧側へ漏れ、圧縮機体積効率が低下し、この圧縮機を使用する冷熱システム全体の省エネルギー性を損なうことがあった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、シリンダの高さと内径を維持したまま、クランク軸の偏芯軸部の偏芯量を拡大し、排除容積の拡大を図るとともに、クランク軸の偏芯軸部の偏芯量を拡大しても、偏芯軸部の径方向の外周面やローリングピストンの外周面に冷凍機油の供給が途切れることがない給油路を設け、圧縮機構部の摺動箇所の潤滑性を確保し、摩耗を抑制するとともに、圧縮機構部のシール性を維持し、圧縮室の漏れ損失が小さい密閉型圧縮機を提供するものである。
この発明に係る密閉型圧縮機は、冷凍機油を吸い上げる給油路と偏芯軸部とを有するクランク軸と、偏芯軸部を収納するシリンダ室を有するシリンダと、シリンダ室を閉塞するとともに、クランク軸を支持する軸受と、偏芯軸部に装着されたローリングピストンと、を備え、偏芯軸部には、クランク軸の給油路と連通し偏芯軸部の偏芯方向の外周面に開口部を有する偏芯方向の給油穴と、偏芯軸部の偏芯方向とは反対方向の外周面に開口部を有する反偏芯方向の給油穴と、を備え、偏芯方向の給油穴は、偏芯軸部の軸方向の外周面と反偏芯方向の給油穴との間に設けたものである。
この発明に係る密閉型圧縮機は、クランク軸の偏芯軸部に、クランク軸の給油路と連通し偏芯軸部の偏芯方向の外周面に開口部を有する偏芯方向の給油穴と、偏芯軸部の偏芯方向とは反対方向の外周面に開口部を有する反偏芯方向の給油穴と、を備え、偏芯方向の給油穴は、偏芯軸部の軸方向の外周面と反偏芯方向の給油穴との間に設けたので、シリンダの高さと内径を維持したまま、クランク軸の偏芯軸部の偏芯量を拡大しても、偏芯軸部の径方向の外周面やローリングピストンの外周面に冷凍機油の供給が途切れることがなく、圧縮機構部の摺動箇所の潤滑性を確保し、摩耗を抑制するとともに、圧縮機構部のシール性を維持し、圧縮室の漏れ損失が小さい密閉型圧縮機を得ることができる。
この発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の全体の断面図である。 この発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の圧縮機構部の拡大断面図である。 この発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の圧縮機構部の軸方向から見た断面図である。 この発明の実施の形態1におけるクランク軸の外形の拡大図である。 この発明の実施の形態1におけるクランク軸を副軸部側から見た外形図である。 この発明の実施の形態1におけるクランク軸の方向を説明する図である。 この発明の実施の形態1における密閉型圧縮機を使用した冷媒回路の説明図である。 この発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の圧縮機構部の動作説明図である。 この発明の実施の形態1におけるクランク軸の主軸部、副軸部、偏芯軸部を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1におけるクランク軸の偏芯軸部の偏芯量を拡大したときの説明図である。 この発明の実施の形態1におけるクランク軸の偏芯方向に給油穴を設けたときの副軸側から見た説明図である。 この発明の実施の形態1におけるクランク軸の偏芯方向に給油穴を設けたときの径方向から見た説明図である。 この発明の実施の形態1におけるクランク軸の偏芯方向の給油穴の説明図である。 この発明の実施の形態1におけるクランク軸を副軸部側から見た外形図である。 この発明の実施の形態1におけるクランク軸の断面図である。 この発明の実施の形態1におけるクランク軸の給油穴の冷凍機油の流れを説明図である
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における密閉型の回転圧縮機を示す縦方向すなわちクランク軸の半径方向から見た断面図である。図2は、図1の圧縮機構部を拡大した図であり、図3は、図1のX−X’すなわちクランク軸の軸方向と直角な平面にて切断し軸方向から見た図、すなわち圧縮機構部を上面から見た断面図である。
図1に示すように、密閉型圧縮機100は、密閉容器1の内部に圧縮機構部3と、圧縮機構部3の上方に電動機構部2と、が収納されている。電動機構部2と圧縮機構部3とは、クランク軸4にて連結されている。電動機構部2は、固定子21と、固定子21が発生する磁力によって回転する回転子22と、から構成されており、クランク軸4は、電動機構部2の回転力を圧縮機構部3に伝達する。固定子21は、導線を巻き回したコイルを備え、そのコイルに通電することにより、磁力を発生させる。固定子21のコイルは、密閉型圧縮機100に設けられた端子23と接続されており、端子23を介して、密閉型圧縮機100の外部から通電を行う。回転子22は、アルミバーなどで構成された二次導体や永久磁石などを備え、固定子21のコイルが発生する磁力に反応して回転する。
圧縮機構部3は、伝達された電動機構部2の回転力によって、圧縮機構部3に吸入した低圧の冷媒ガスを圧縮し、高圧の冷媒ガスを密閉容器1内に吐出する。密閉容器1内は圧縮された高温・高圧の冷媒ガスによって満たされている。一方、密閉容器1の下方すなわち底部には圧縮機構部3の潤滑のための冷凍機油が貯留されている。
クランク軸4は、主軸部41と副軸部42と偏芯軸部43とから構成され、軸方向に主軸部41、偏心軸部43、副軸部42の順に設けられている。すなわち、偏芯軸部43の軸方向の一方に主軸部41が、偏芯軸部43の軸方向のもう一方に副軸部42が、設けられている。主軸部41、副軸部42、偏芯軸部43は、それぞれ、ほぼ円柱状の形状をしており、主軸部41と副軸部42の軸の中心が一致するように、すなわち同軸に設けられている。一方、偏芯軸部43の軸の中心は、主軸部41、副軸部42の軸の中心からずらされて設けられている。主軸部41、副軸部42が軸の中心を中心に回転すると、偏芯軸部43は偏芯回転をする。主軸部41には電動機構部2の回転子22が焼嵌または圧入され固定されており、偏心軸部43には円筒状の形状のローリングピストン32が摺動自在に装着されている。
なお、偏心軸部43の径方向の外周面には、図4のクランク軸4の拡大図にあるように、偏心軸部43を一周する突出した帯状の突出部44が設けられている。そして、ローリングピストン32は、突出部44の径方向の外周面Aとローリングピストン32の内径の内周面とで、数十ミクロンのクリアランスにて、嵌合されている。一方、偏心軸部43の径方向の外周面のうち非突出部である外周面B、外周面Cは、ローリングピストン32の内径の内周面と、数ミリ程度のクリアランスの隙間を有し、ローリングピストン32とは接触しない。すなわち、外周面Aは摺動面であり、外周面B、外周面Cは非摺動面である。これにより、ローリングピストン32と偏心軸部43との摺動面積も小さくなり、摩擦も少なく、摺動ロスも小さくできる。なお、図2では、突出部44は、偏心軸部43を一周する帯状の形状としたが、必ずしも一周360°設けられている必要はなく、帯状である必要もない。突出部44の一部が、軸方向に切欠かれていても構わない。
また、図4では、偏心軸部43に突出部44を設けた例で説明しているが、ローリングピストン32側に逃がし部あるいは突出部を設けても、ローリングピストン32の内径の内周面および偏心軸部43の径方向の外周面に、摺動面と非摺動面を設けることができ、さらに、ローリングピストン32の内径の内周面と偏心軸部43の径方向の外周面との間に、数ミリ程度のクリアランスの隙間を形成することが可能である。
クランク軸4の軸の中心には円筒状の中空穴が設けられており、その中空穴は密閉容器1の底部の冷凍機油を移送する給油路45となっている。給油路45は副軸部42の軸方向の端面に開口部46を有する。クランク軸4の副軸部42側は、密閉容器1の底部に貯留された冷凍機油に浸かっている。給油路45は、クランク軸4が回転したときに生じる遠心ポンプ効果、および、密閉容器1内に高圧冷媒ガスが満たされて形成される高圧空間と、圧縮機構部3内に低圧冷媒ガスを吸入して形成される低圧空間との間に生じる差圧効果により、貯留された冷凍機油を副軸部42の開口部46から吸い上げる。吸い上げられた冷凍機油は、圧縮機構部3の各摺動部に供給される。冷凍機油が供給される各摺動部については、後述する。
圧縮機構部3は、図2、3のように、シリンダ31、ローリングピストン32、上軸受33、下軸受34、および、ベーン35で構成されている。シリンダ31には、軸方向の両端が開口された円筒状の内部空間すなわちシリンダ室36が設けられている。シリンダ31のシリンダ室36には、クランク軸4の偏心軸部43と、偏心軸部43に装着されたローリングピストン32と、が収納されている。そして、クランク軸4の回転によって、偏心軸部43すなわちローリングピストン32が、シリンダ31のシリンダ室36内で偏芯回転を行う。
シリンダ31には、そのシリンダ室36の径方向にベーン溝37が設けられており、一方はシリンダ室36に、もう一方は背圧室38に開口している。ベーン溝37には、形状がほぼ直方体状のベーン35が収納されており、ベーン35はベーン溝37を摺動しながら往復運動する。背圧室38には、スプリングが設けられており、ベーン35をベーン溝37からシリンダ31のシリンダ室36に押し出し、ベーン35の先端をローリングピストン32に当接させている。すなわち、シリンダ31のシリンダ室36の内径の内周面と、ローリングピストン32の外径の外周面とで形成される空間を、ベーン35によって、2つの作動室に分割している。
シリンダ31の上面には、シリンダ31の軸方向の一方の開口部すなわちシリンダ31のシリンダ室36の上方の開口部を閉塞する上軸受33が、ボルト固定されている。すなわち、シリンダ31内の2つの作動室の上側を上軸受33が閉塞する。上軸受33は、シリンダ31にボルト固定される平板状の固定部と、その固定部からシリンダ31とは逆方向、すなわち回転子22の方向に伸長された円筒状の軸受部と、を有する。軸受部は、その軸方向の両端に開口部を有し、その開口部どうしを連通する連通空間を有する。その軸受部の連通空間には、一方の開口部から他方の開口部へ貫通するように、主軸部41が挿入され、主軸部41を支持する。すなわち、上軸受33は主軸部41すなわちクランク軸4を径方向に回転自在に支持している。
同様に、シリンダ31の下面には、シリンダ31の軸方向の他方の開口部すなわちシリンダ31のシリンダ室36の下方の開口部を閉塞する下軸受34が、ボルト固定されている。すなわち、シリンダ31内の2つの作動室の下側を閉塞する。下軸受34は、シリンダ31にボルト固定される平板状の固定部と、その固定部からシリンダ31とは逆方向、すなわち密閉容器1の底部の方向に伸長された円筒状の軸受部と、を有する。軸受部は、その軸方向の両端に開口部を有し、その開口部どうしを連通する連通空間を有する。その軸受部の連通空間には、一方の開口部から他方の開口部へ貫通するように、副軸部42が挿入され、副軸部42を支持する。すなわち、下軸受34は副軸部42すなわちクランク軸4を径方向に回転自在に支持している。
偏心軸部43の軸方向の外周面の例えば下面は、図4、5のように、偏心軸部43をクランク軸4の軸方向と直角な平面である外周面Dと、偏心軸部43の径方向かつ偏芯方向の外周面に向かって主軸部41側に傾斜した平面である外周面Eと、で形成されている。したがって、偏心軸部43は、下軸受34の偏心軸部43側の平面と、偏心軸部43の外周面Dにて、摺動する。一方、外周面Eと、下軸受34の偏心軸部43側の平面とは、接触することなく、その間には、空間すなわち隙間が形成される。すなわち、外周面Dは摺動面であり、外周面Eは非摺動面、偏心軸部43の副軸部42側の逃がし部となっている。これにより、下軸受34と偏心軸部43との摺動面積も小さくなり、摩擦も少なく、摺動ロスも小さくできる。なお、外周面Dと外周面Eとは、基準線Jによって、分けられているが、連続した平面である。基準線Jは、クランク軸4の軸の中心を起点として円弧状に設けられている。
なお、図4、5では、偏心軸部43の外周面Eを傾斜した平面とした例で説明したが、下軸受34の偏心軸部43側の平面に、逃がし部が設けられている構成であっても、構わない。下軸受34の偏芯軸部43側の平面および偏芯軸部43の下軸受34側の平面に、摺動面と非摺動面を設けることができ、下軸受34の偏芯軸部43側の平面と偏芯軸部43の下軸受34側の平面との間に、隙間を形成することができる。
なお、図5は、図4のクランク軸4を副軸部42側から見た図である。
また、偏芯方向とは、図6に示すように、クランク軸4の軸の中心すなわち主軸部41および副軸部42の軸の中心と、偏芯軸部43の軸の中心を結んだ直線において、主軸部41および副軸部42の軸中心より偏芯軸部43の軸の中心側であって、主軸部41および副軸部42の軸中心を基準に±90°の範囲である。したがって、反偏芯方向とは、主軸部41および副軸部42の軸の中心と、偏芯軸部43の軸の中心を結んだ直線において、偏芯軸部43の軸の中心より主軸部41および副軸部42の軸中心側であって、主軸部41および副軸部42の軸中心を基準に±90°の範囲である。
同様に、偏心軸部43の軸方向の外周面の上面は、偏心軸部43をクランク軸4の軸方向と直角な平面である外周面Fと、偏心軸部43の径方向かつ偏芯方向の外周面に向かって副軸部42側に傾斜した平面である外周面Gと、で形成されている。外周面Gと、上軸受33の偏心軸部43側の平面との間には、外周面Fと、上軸受33の偏心軸部43側の平面との間の空間より、大きな空間すなわち隙間が形成される。そして、偏心軸部43の主軸部41側の逃がし部となっている。なお、図示しないが、図5同様、外周面Fと外周面Gとは、基準線Kによって、分けられているが、連続した平面である。基準線Kは、クランク軸4の軸の中心を起点とした円弧状に設けられている。
偏心軸部43の軸方向の外周面の上面も、下面同様、偏心軸部43の外周面Gを傾斜した平面とした例で説明したが、上軸受33の偏心軸部43側の平面に、逃がし部が設けられている構成であっても、構わない。上軸受33の偏芯軸部43側の平面および偏芯軸部43の上軸受33側の平面に、非摺動面を設けることができ、上軸受33の偏芯軸部43側の平面と偏芯軸部43の上軸受33側の平面との間に、隙間を形成することができる。
シリンダ31には、密閉容器1の外部から冷媒ガスをシリンダ31のシリンダ室36の中に吸入する吸入ポートが設けられており、ベーン35によって分割された一方の作動室と連通している。また、上軸受33には、圧縮した冷媒ガスをシリンダ31のシリンダ室36の外に吐出する吐出ポートが設けられており、ベーン35によって分割されたもう一方の作動室と連通している。
上軸受33の吐出ポートには、吐出弁が設けられており、吐出弁は、作動室内で圧縮される冷媒ガスが所定の圧力になるまで閉塞し、所定の圧力以上となると開口して高温・高圧の冷媒ガスを密閉容器1内へ吐出させる。これによって、シリンダ31から吐出される冷媒ガスの吐出タイミングが制御される。
密閉容器1内に吐出された冷媒ガスは、密閉容器1の上方にある吐出管11に向かって、送られ、吐出管11から密閉容器1の外部に送り出される。そのとき、冷媒ガスは、電動機構部2の固定子21と回転子22との隙間や回転子22に設けられた風穴を通して、上方に送られる。
吸入ポートには、密閉容器1の外部に設けられた吸入マフラ101が、吸入連結管12を介して、接続されている。密閉型圧縮機100には、密閉型圧縮機100が接続された外部の回路から、低圧の冷媒ガスと液冷媒が混在して送られてくる。液冷媒が圧縮機構部3に流入し圧縮されると圧縮機構部3の故障となるため、吸入マフラ101では、液冷媒と冷媒ガスを分離し、冷媒ガスのみ圧縮機構部3に送られる。
密閉型圧縮機100の外部には、図7に示すように、凝縮器102、膨張弁103、蒸発器104が設けられ、冷凍回路が形成されている。すなわち、密閉型圧縮機100の吐出管11から、凝縮器102、膨張弁103、蒸発器104を経て、吸入マフラ101に配管にて接続される円環状の回路が形成されている。この回路内を冷媒が循環することで、凝縮器102および蒸発器104で、空気や水などと、熱交換を行い、熱エネルギーを搬送する冷凍サイクルを形成し、ヒートポンプ装置を実現する。なお、105は、四方弁であり、冷媒が循環する順路を逆転するように切替える。すなわち、密閉型圧縮機100から出た冷媒が、凝縮器102、膨張弁103、蒸発器104、吸入マフラ101の順に流れ、密閉型圧縮機100に戻る順路を、四方弁105により、密閉型圧縮機100から出た冷媒が、蒸発器104、膨張弁103、凝縮器102、吸入マフラ101の順に流れ、密閉型圧縮機100に戻るように切り替える。これにより、熱エネルギーの搬送を逆転させ、冷房と暖房を切り替える。順路を逆転させた場合、凝縮器102の機能が蒸発器となり、蒸発器104の機能が凝縮器となる。
次に、圧縮機構部3の動作について、説明する。まず、初めに、図8のように、吸入ポートと連通された作動室が、低圧の冷媒ガスを吸入する。低圧の冷媒ガスを吸入ポートから吸入した作動室は、ローリングピストン32すなわち偏芯軸部43の偏芯回転により、シリンダ31内を移動して、吸入ポートとの連通が断たれる。さらに、ローリングピストン32が偏芯回転していくことにより、作動室の容積が縮小し、吸入した冷媒ガスを圧縮する。ローリングピストン32の偏芯回転が進むにしたがって、作動室と吐出ポートが連通する。作動室と吐出ポートが連通し、吐出ポートを閉塞している吐出弁が吐出ポートを開口されたところで、作動室内の高圧の冷媒ガスは、吐出ポートを介して、密閉容器1内に、吐出される。さらに、ローリングピストン32が偏芯回転していくと、吐出ポートとの連通が断たれ、再び、吸入ポートと連通される。一連の動作は、ローリングピストン32がシリンダ31内を一回転する間に行われる。なお、2つの作動室のうち、一方の作動室が、冷媒ガスを吸入しているときには、もう一方は、冷媒ガスを吐出するという動作となる。よって、作動室は、ベーン35を挟んで、吸入ポートが連通し低圧冷媒ガスを吸入している作動室が低圧空間の吸入室、吐出ポートが連通し高圧冷媒ガスを吐出している作動室が高圧空間の圧縮室となる。なお、圧縮機の冷媒の排除容積とは、圧縮機構部の作動室の容積で決められる。
圧縮機構部3は、以上のような構成のため、摺動箇所が多く、その摺動箇所の潤滑性を確保するため、摺動箇所に冷凍機油が供給されている。また、圧縮機構部3は、圧縮した冷媒ガスが高圧側から低圧側へ漏れることを防ぐため、部品と部品との隙間を冷凍機油にてシールしている。そのためにも、冷凍機油が供給されている。
例えば、図4に示すように、クランク軸4の副軸部42と偏芯軸部43との接続部の副軸部42側すなわち偏芯軸部43近傍の副軸部42の外周面に、偏芯軸部43の偏芯方向に給油路45と連通した給油穴47が開口している。給油穴47は、給油路45に吸い上げた冷凍機油を副軸部42および偏芯軸部43と下軸受34との間に供給する。これにより、偏芯軸部43の下軸受34側の面と下軸受34の偏芯軸部43側の面との間に油膜が形成され摺動性とシール性が確保される。また、副軸部42の下軸受34側の面と下軸受34の副軸部42側の面との間に油膜が形成され摺動性とシール性が確保される。
同様に、クランク軸4の主軸部41と偏芯軸部43との接続部の主軸部41側すなわち偏芯軸部43近傍の主軸部41の外周面に、偏芯軸部43の偏芯方向に給油路45と連通した給油穴48が開口している。給油穴48は、給油路45に吸い上げた冷凍機油を主軸部41および偏芯軸部43と上軸受33との間に供給する。これにより、偏芯軸部43の上軸受33側の面と上軸受33の偏芯軸部43側の面との間に油膜を形成し摺動性とシール性を確保する。また、これにより、主軸部41の上軸受33側の面と上軸受33の主軸部41側の面との間に油膜を形成し摺動性とシール性を確保する。
また、図5に示すように、偏芯軸部43には、偏芯軸部43の偏芯方向とは反対方向すなわち反偏芯方向側に、軸方向に切り欠いた切欠き49が設けられており、ローリングピストン32の内径の内周面との間に空間を形成する。その空間に給油路45と連通した給油穴50が開口している。すなわち、給油穴50は、開口部51と給油路52とから形成され、その開口部51は切欠き49すなわち偏芯軸部43の反偏芯方向の外周面に設けられている。給油穴50は、給油路45に吸い上げた冷凍機油を、切欠き49が形成する空間に給油し、その空間に溜まった冷凍機油を、偏芯軸部43とローリングピストン32との間に供給する。これにより、偏芯軸部43のローリングピストン32側端面とローリングピストン32の偏芯軸部43側端面との間に油膜を形成し摺動性を確保できる。
なお、切欠き49は、給油穴50をローリングピストン32の内径の内周面が閉塞して、冷凍機油の供給を阻害しないように設けられている。
また、切欠き49とローリングピストン32の内径の内周面とで形成される空間は、偏心軸部43の外周面Bあるいは外周面Cとローリングピストン32の内径の内周面とで形成される空間と、連通しており、給油穴50が給油する冷凍機油は、それらの空間を経て、偏芯軸43の偏芯方向の外周面にまで、供給される。
さらに、偏心軸部43の外周面Bとローリングピストン32の内径の内周面とで形成される空間は、偏心軸部43の外周面Eと下軸受34の偏心軸部43側の平面とで形成される空間とも、連通している。したがって、給油穴50が給油する冷凍機油は、偏心軸部43の外周面Eと下軸受34の偏心軸部43側の平面とで形成される空間にも、給油される。
同様に、偏心軸部43の外周面Cとローリングピストン32の内径の内周面とで形成される空間は、偏心軸部43の外周面Gと上軸受33の偏心軸部43側の平面とで形成される空間とも、連通している。したがって、給油穴50が給油する冷凍機油は、偏心軸部43の外周面Gと上軸受33の偏心軸部43側の平面とで形成される空間にも、給油される。
給油穴47、48、50から供給された冷凍機油は、クランク軸4が回転したときに発生する遠心力により、偏芯軸部43の径方向の外周面より遠方のローリングピストン32まで運ばれ、ローリングピストン32と上軸受33、下軸受34との間にも流入する。これにより、ローリングピストン32の上軸受33側の端面と上軸受33の偏芯軸部43側の端面との間、および、ローリングピストン32の下軸受34側の端面と下軸受34の偏芯軸部43側の端面との間にも、それぞれ、油膜を形成し摺動性とシール性を確保できる。
また、給油穴47、48、50から供給され摺動箇所の油膜として保持されなかった余剰の冷凍機油は、クランク軸4と上軸受33および下軸受34との隙間を通過して、密閉容器1内に排出されたり、作動室に入り、吐出口から密閉容器1内に排出されたりする。密閉容器1内に排出された冷凍機油は、密閉容器1の底部に戻り、再び、給油路45に吸い上げられる。
ところで、小型化で高出力な空気調和機を製作していくためには、密閉型圧縮機も、外形は小型で、排除容積が大容量の圧縮機構部の実現が必要となってくる。また、地球環境保護のため、使用が提案されている冷媒のうち、低圧縮条件で使用する冷媒は、冷媒回路内での循環量を増加させないと、従来の冷媒と同じポテンシャルとならないことから、排除容積の大きな圧縮機構部の実現が必要となってくる。
排除容積の拡大方法として、圧縮機構部のシリンダを複数化する方法があるが、シリンダを複数化する場合、圧縮機も軸方向すなわち高さ方向に伸長されるので、外形の小型化には不十分である。また、シリンダの複数化により、圧縮機構部も複雑となり、部品点数の増加、信頼性確保のための設計負荷の増大、コストアップが著しくなる。
現状の圧縮機の大きさを維持あるいは小型化し、排除容積を拡大するためには、圧縮機構部のシリンダ室の内径を維持したまま、クランク軸の偏芯軸部の偏芯量を大きくしていくことが最適である。
しかし、図9のクランク軸4の図のように、偏芯軸部43の径方向の外周面のうち反偏芯方向の外周面の基準線Mと、主軸部41および副軸部42の径方向の外周面のうち偏芯軸部43の反偏芯方向側にある外周面の基準線L、基準線Nと、が、直線上に並ぶような構成において、偏芯軸部43の偏芯量を拡大した場合は、図10のように、偏芯軸部43の径を大きくするとともに、ローリングピストン32の外径を小さくする必要がある。すなわち、ローリングピストン32の径方向の肉厚が薄くなる。
図10は、偏芯軸部43の偏芯量を拡大したときの状況を示す図であり、(a)は偏芯量を拡大する前の偏芯量が小さい場合を示すものであり、(b)は(a)のシリンダ室36の大きさは変えず、すなわちシリンダ31の径方向の内周面の位置を変えず、クランク軸4の基準線L、M、Nを直線上に並ぶような構成で、偏芯軸部43の偏芯量を拡大した後の偏芯量が大きくなった場合を示すものである。
基準線L、M、Nは、偏芯軸部43の中心と主軸部41、副軸部42の中心を結ぶ直線が、主軸部41、副軸部42、偏芯軸部43の反偏芯方向の外周面と交わった点を結んで出来る線である。
偏芯軸部43の基準線Mと、主軸部41および副軸部42の基準線L、基準線Nと、が、直線上に並ぶような構成としたが、直線上に並ばない構成では、主軸部41あるいは副軸部42から挿入した円筒状のローリングピストン32が偏芯軸部43まで挿入できず、ローリングピストン32が偏芯軸部43に組み付けられない。よって、ローリングピストン32をクランク軸4に組み付けるためには、各軸部の反偏芯方向の外周面の基準線L、基準線M、基準線Nを直線上に並ぶように構成する必要がある。
これに対して、偏芯軸部43の径を大きくした場合、給油穴47、48から、偏芯軸部43の径方向かつ偏芯方向の外周面や、ローリングピストン32の偏芯方向の外周面までの、距離が遠くなるので、それらの外周面まで冷凍機油を移送する力が弱くなり、冷凍機油は、給油穴47、48から、それぞれの外周面まで届きにくくなる。すなわち、冷凍機油の供給が途切れて、それぞれの外周面への冷凍機油の給油が不十分となり、潤滑性が低下し、部品の摩耗が加速、あるいは、摺動箇所が損傷する。
ローリングピストン32の径方向の肉厚が薄くなった場合、ローリングピストン32の軸方向端面の面積が減少して、ローリングピストン32の上軸受33側の軸方向端面と上軸受33のローリングピストン32側の平面との間、あるいは、ローリングピストン32の下軸受34側の軸方向端面と下軸受34のローリングピストン32側の平面との間に、保持される冷凍機油の保持量が少なくなり、油切れを起こすようになる。特に、偏芯軸部43の偏芯方向にあるローリングピストン32の軸方向端面では、給油穴47、48、50の開口部から距離が遠いために冷凍機油の供給が途切れて、冷凍機油が枯渇し、摺動箇所の摩耗が加速、あるいは、摺動箇所が損傷する。
油切れ防止のため、給油穴の径を大きくしたりや給油穴の数を増やし、冷凍機油の供給量を増加させる方法も考えられるが、摺動箇所で保持できなかった余剰油も増加する。余剰油は、密閉容器1内に排出されるが、密閉容器1の底部に直接戻らず、吐出管11から密閉型圧縮機100に接続された外部回路すなわち凝縮器102、膨張弁103、蒸発器104、吸入マフラ101を経由して、密閉容器1に戻るものもある。一方、外部回路を循環する冷凍機油が増加しても、冷凍機油は、凝縮器102や蒸発器104にて、熱交換を行い、蒸発や凝縮を行うものではないので、ヒートポンプ装置の熱エネルギーの搬送には貢献しない。冷媒の循環量を低下させるのみである。したがって、外部回路を循環する冷凍機油が増加すると、蒸発器104や凝縮器102での冷媒の熱交換を阻害し、冷凍サイクルの効率を低下させ、ヒートポンプ装置全体の性能を低下させることになる。また、密閉容器1内の冷凍機油が、過剰に外部に持ち出されると、摺動箇所へ供給する冷凍機油が枯渇し、摺動箇所が損傷する。したがって、余剰油の増加は好ましくない。
また、図11、12のように、偏芯軸部43の偏芯方向に給油穴を設けた場合、ローリングピストン32がシリンダ室内の冷媒ガスを圧縮したときにローリングピストン32に受ける冷媒ガスの反発力が、ローリングピストン32と偏芯軸部43とに形成されている油膜や偏芯軸部43の偏芯方向の給油穴の冷凍機油に伝搬し、偏芯軸部43の偏芯方向に設けた給油穴に沿って、偏芯軸部43の偏芯方向の外周面から給油路45に向かう力となり、偏芯方向に設けた給油穴から冷凍機油が排出されない、あるいは、給油路45に押し戻される状態が発生する。
なお、図11はクランク軸4を副軸側から見た図であり、図12はクランク軸4を径方向から見た図である。
偏芯軸部43の偏芯方向に設けた給油穴では、冷凍機油は、クランク軸4の回転による遠心力(Fa)により、給油穴内を給油路45から偏芯軸部43の偏芯方向の外周面まで移送され、その外周面に排出される。一方、ローリングピストン32がシリンダ室すなわち作動室に吸入した冷媒ガスを圧縮したとき、圧縮された冷媒ガスが元に戻ろうと膨張する反発力(Fb)が、ローリングピストン32に加えられる。ローリングピストン32に加えられた冷媒の反発力が、ローリングピストン32を介して、ローリングピストン32と偏芯軸部43との間の油膜や偏芯軸部43の偏芯方向の外周面に加えられる。油膜すなわち冷凍機油に加えられた力は、そのまま、給油穴の冷凍機油に伝わり、給油穴に沿って、偏芯軸部43の偏芯方向の外周面から給油路45に向かう力、すなわち、クランク軸4の遠心力とは反対方向に働く力となる。その力により、冷凍機油は、偏芯軸部43の偏芯方向の外周面への排出が妨げられたり、給油路45に押し戻されたりする。
特に、給油路が長い場合には、これらの現象は顕著である。偏芯方向に設けた給油穴内の冷凍機油が、その開口部と給油路45との間を流れない状態や往復する状態となり、開口部から排出されない現象が生じる。また、排除容積を拡大や圧縮機構部の回転数増加などで、冷媒ガスの反発力が大きくなった場合には、これらの現象も、さらに顕著となる。これにより、偏芯方向に給油穴から給油されず、冷凍機油が枯渇し、摺動箇所が損傷する。
また、偏芯方向に設けた給油穴が、クランク軸4の軸方向に直角な平面において、給油穴50と同一平面上にあって、クランク軸4の径方向には給油路45を挟んで対向するように設けられ、さらに、偏芯方向の給油穴と給油穴50とが、同一径あるいは偏芯方向の方が大きく、クランク軸4の径方向に直角な平面にて切断した断面積が一致あるいは偏芯方向の方が大きい場合、偏芯方向の給油穴には大きな遠心力がかかるので、圧縮された冷媒ガスの反発力が小さく、ローリングピストン32と偏芯軸部43との間の油膜や偏芯軸部43の偏芯方向の給油穴の冷凍機油に大きな力が伝搬していない条件では、給油路45から多量に冷凍機油が吸引される。そのため、給油路45内の冷凍機油が枯渇し、遠心力が小さい給油穴50は給油路45から冷凍機油が吸引できなくなる。これにより、給油穴50からの冷凍機油の供給が減少、あるいは、途切れるようになり、摺動箇所から冷凍機油が、一層、枯渇しやすくなる。
その一方、圧縮された冷媒ガスの反発力が大きく、ローリングピストン32と偏芯軸部43との間の油膜や偏芯軸部43の偏芯方向の給油穴の冷凍機油に大きな力が伝搬される条件では、給油穴50が、給油路45を挟んで対向する偏芯方向の給油穴の冷凍機油を吸収し、冷凍機油の排出を阻害する。したがって、さらに、給油が途切れやすく、枯渇しやすい。
そこで、密閉型圧縮機100では、偏芯軸部に、図13、14、15、16のような径方向かつ偏芯方向の給油路、給油穴と軸方向の給油路、給油穴とを設け、偏芯軸部43の径方向かつ偏芯方向の外周面や、ローリングピストン32の偏芯方向の外周面まで、冷凍機油を供給できるようにした。図13は、クランク軸4の外形の拡大図であり、図14は、図12のクランク軸4を副軸部42側から見た図である。図15は、図13を補足するためのクランク軸4を径方向と直角な平面である図14のZ−Z’にて切断した断面図である。図16は、それらの図の補足図である。
具体的には、偏芯軸部43に、第1の給油穴として、給油路45と連通し、その径方向かつ偏芯方向の外周面に開口する給油穴53および給油穴54を設け、さらに、第2の給油穴として、給油穴53および給油穴54と連通する軸方向の給油穴55を設けた。また、第2の給油穴である給油穴55は、下軸受34の偏芯軸部43側の平面と偏芯軸部43の非摺動面である外周面Eとの間、および、上軸受33の偏芯軸部43側の平面と偏芯軸部43の非摺動面である外周面Gとの間に形成される第1の隙間65、66(図16に図示)に開口される。第1の給油穴である給油穴53、54は、ローリングピストン32の内径の内周面と偏心軸部43の非摺動面である外周面BおよびCとの間に形成される第2の隙間67、68(図16に図示)に開口される。
給油穴53は、偏芯軸部43の径方向の外周面のうち、偏芯軸部43の偏芯方向であって、非突出部すなわち非摺動面である外周面Bに開口される開口部56と、給油路45と開口部56とを連通する給油路60と、にて形成される。給油路60は、クランク軸4の軸方向に直角な平面において、第3の給油穴として設けられる給油穴50と同一平面上とはならないように設けられている。例えば、給油穴53は、クランク軸4の軸方向において、給油穴47が給油路45に連通する位置と給油穴50が給油路45に連通する位置との間にて、給油路45に連通させる。これにより、給油穴53と給油穴50とは給油路45を挟んで対向することはない。給油穴47は副軸部42に設けられているので、給油穴53は、クランク軸4の軸方向において、副軸部42側の偏芯軸部43の軸方向の外周面と給油穴50が給油路45に連通する位置との間で、給油路45に連通させることでも、同様な結果となる。一方、クランク軸4の径方向においては、給油路45を挟んで、対向していても構わない。
また、給油穴53は、ローリングピストン32の内径の内周面と偏心軸部43の外周面Bとが形成する第2の隙間67に開口される構成となり、その隙間67に冷凍機油を排出できる。
冷凍機油は、クランク軸4の回転による遠心力によって、給油路45から開口部56に移送される。
同様に、給油穴54は、偏芯軸部43の径方向の外周面のうち、偏芯軸部43の偏芯方向であって、非突出部すなわち非摺動面である外周面Cに開口される開口部57と、給油路45と開口部57とを連通する給油路61と、にて形成される。給油路61は、クランク軸4の軸方向に直角な平面において、第3の給油穴として設けられる給油穴50と同一平面上とはならないように設けられている。例えば、給油路61は、クランク軸4の軸方向において、給油穴48が給油路45に連通する位置と給油穴50が給油路45に連通する位置との間にて、給油路45に連通させる。これにより、給油穴54と給油穴50とは給油路45を挟んで対向することはない。給油穴48は主軸部41に設けられているので、給油穴54は、クランク軸4の軸方向において、主軸部41側の偏芯軸部43の軸方向の外周面と給油穴50が給油路45に連通する位置との間で、給油路45に連通させることでも、同様な結果となる。一方、クランク軸4の径方向においては、給油路45を挟んで、対向していても構わない。
また、給油穴54は、ローリングピストン32の内径の内周面および偏心軸部43の外周面Cが形成する第2の隙間68に開口される構成となり、その隙間68に冷凍機油を排出できる。
冷凍機油は、クランク軸4の回転による遠心力によって、給油路45から開口部57に移送される。
さらに、給油穴53および給油穴54については、その中を冷凍機油が流れる方向と直角方向の断面積の総和が、給油穴50の冷凍機油が流れる方向と直角方向の断面積より、小さくなるように設定する。具体的には、給油穴53の給油路60の冷凍機油が流れる方向すなわちクランク軸4の径方向であって、その径方向に直角な平面で切断した断面積すなわちクランク軸4の径方向と直角方向の断面積をa、給油穴54の給油路61の冷凍機油が流れる方向すなわちクランク軸4の径方向であって、その径方向に直角な平面で切断した断面積すなわちクランク軸4の径方向と直角方向の断面積をb、給油穴50の給油路52の冷凍機油が流れる方向すなわちクランク軸4の径方向であって、その径方向に直角な平面で切断した断面積すなわちクランク軸4の径方向と直角方向の断面積をcとした場合、(a+b)<cとなるように設定する。さらに、断面積a、b、cは、給油穴53の給油路60の寸法xと給油穴54の給油路61の寸法yとの総和と、給油穴50の給油路52の寸法zとの比率(反比例)となっていることが、望ましい。
給油穴55は、偏芯軸の軸方向の非摺動面である外周面Eに開口する開口部58と、偏芯軸の軸方向の非摺動面である外周面Gに開口する開口部59と、開口部58と給油路60とを連通する給油路62と、開口部59と給油路61とを連通する給油路63と、給油路60と給油路61とを連通する給油路64と、で形成され、外周面Eの開口部58から外周面Gの開口部59に貫通するように給油路62、63、64は設けられている。
これにより、開口部58は、下軸受34の偏芯軸部43側の平面と偏芯軸部43の外周面Eとの間に形成される第1の隙間65に開口される構成となり、その隙間65に冷凍機油を排出できる。開口部59は、上軸受33の偏芯軸部43側の平面と偏芯軸部43の外周面Gとの間に形成される第1の隙間66に開口される構成となる。その隙間66に冷凍機油を排出できる。
また、給油穴55については、給油穴53および給油穴54の冷凍機油が流れる方向と直角方向の断面積の総和が、給油穴55の冷凍機が流れる方向と直角方向の断面積以下になるように設定する。具体的には、給油穴55の給油路62、63、64の冷凍機油がなれる方向すなわちクランク軸4の軸方向であって、その軸方向に直角な平面で切断した断面積すなわちクランク軸4の軸方向と直角方向の断面積dとした場合、給油穴53と54の断面積aとbは、(a+b)≦dとなるように設定する。さらに、断面積a、b、dは、給油穴53の給油路60の寸法xと給油穴54の給油路61の寸法yとの総和と、給油穴55の給油路62、63、64の寸法wとの比率(反比例)となっていることが、望ましい。
給油穴50と給油穴55の関係には設定はなく、例えば、同径であっても構わない。
以上のように、給油穴53、54は、クランク軸4の軸方向に直角な平面において、給油穴50と同一平面上とはならないように設け、給油穴53の給油路60の断面積aと給油穴54の給油路61の断面積bとの総和が、給油穴50の給油路52の断面積cより、小さくなるように構成したので、給油穴53、54に偏芯方向の遠心力がかかっても、給油路45から多量に冷凍機油が吸引することはなく、給油穴50が給油路45から冷凍機油を吸引できなくなるということがなくなる。すなわち、給油穴50の冷凍機油の吸引を阻害することがなくなる。
一方、給油穴55は軸方向に開口しているため、遠心力がかからなく、冷凍機油の移送力が弱いが、その断面積dを大きくすることにより、圧損を減らし、移送力が確保されている。給油穴55の冷凍機油の移送力が、給油穴50、53、54より小さくても、十分な冷凍機油の供給が可能である。
また、給油穴53、54は、外周面B、あるいは、外周面Cに開口させたので、偏心軸部43の外周面Bあるいは外周面Cとローリングピストン32の内径の内周面とで形成される空間と連通している。そのため、シリンダ室内の冷媒ガスの圧縮を開始したときにローリングピストン32に受ける圧縮された冷媒ガスの反発力が、ローリングピストン32と偏芯軸部43とに形成されている油膜や給油穴53、54の給油路60、61内の冷凍機油に伝搬したとしても、偏心軸部43の外周面Bあるいは外周面Cとローリングピストン32の内径の内周面とで形成される空間すなわち第2の隙間67、68に溜まった冷凍機油が緩衝材となり、圧縮された冷媒ガスの反発力の伝搬を緩和するので、給油路45の方向に冷凍機油が押し戻されるということが抑制される。
仮に、偏心軸部43の外周面に加わる圧縮された冷媒ガスの反発力が大きく、給油穴53、54の給油路60、61内の冷凍機油が給油路45の方向に押し戻されたとしても、図16のように押し戻された冷凍機油(Vd)は、遠心力にて給油路45から開口部56、57に移送される冷凍機油(Va)と衝突し、給油穴55に流入する。給油穴55に流入した冷凍機油(Ve)は、開口部58から偏心軸部43の外周面Eと下軸受34の偏心軸部43側の平面とで形成される空間すなわち第1の隙間65に、開口部59から偏心軸部43の外周面Gと下軸受34の偏心軸部43側の平面とで形成される空間すなわち第1の隙間66に、それぞれ排出される。第1の隙間65および66は、偏心軸部43の外周面Bあるいは外周面Cとローリングピストン32の内径の内周面とで形成される空間すなわち第2の隙間67、68と連通している。第1の隙間65、66および第2の隙間67、68は、ローリングピストン32と上軸受33あるいは下軸受34との間の空間すなわち隙間69,70とも連通しているので、給油穴55から排出した冷凍機油は、偏心軸部43とローリングピストン32の間や、ローリングピストン32と上軸受33あるいは下軸受34との間にも、流入する。これにより、偏心軸部43とローリングピストン32の間やローリングピストン32と上軸受33あるいは下軸受34との間の冷凍機油の枯渇も抑制できる。特に、排除容積を拡大したり、圧縮機構部の回転数を増加させたりし、圧縮された冷媒ガスの反発力が大きくなったときには、その効果も大きい。
また、給油穴53、54は、クランク軸4の軸方向に直角な平面において、給油穴50と同一平面上とはならないように設けたので、圧縮された冷媒ガスの反発力の大小よらず、給油穴53、54や給油穴50から冷凍機油が排出可能となる。
また、給油穴53、54の冷凍機油が給油路60、61内を流れない状態や往復状態となったとしても、給油路60、61内の冷凍機油は、給油穴55に流入し、開口部58、59から排出されるので、冷凍機油が給油路60、61内を流れなくなることなく、冷凍機油の供給が可能である。
また、給油穴55の断面積dは、給油穴53、54の断面積a、bの総和以上であるので、給油穴53、54内の冷凍機油が圧縮された冷媒ガスの反発力によって給油路45から開口部56、57に移送されにくくなっても、給油穴55は、圧損などの抵抗が少く、冷凍機油は流入しやすい。排出も容易である。すなわち、給油穴53、54から冷凍機油が排出できない状況となった場合には、給油穴55から積極的に排出され、冷凍機油の供給不足を補うことができる。
よって、クランク軸4の偏芯軸部43の径を大きくしても、クランク軸4の給油路45から給油穴53、54、55を介して、偏芯軸部43の偏芯方向の外周面や、ローリングピストン32の偏芯方向の外周面まで、冷凍機油を途切れることなく供給することができ、偏芯軸部43の偏芯方向の外周面とローリングピストン32の内径の内周面との間、および、偏芯軸部43の軸方向かつ偏芯方向の外周面と上軸受33および下軸受34の偏芯軸部43側の外周面との間、および、ローリングピストン32の軸方向の外周面と上軸受33および下軸受34のローリングピストン32側の外周面との間に、油膜を形成することができる。
また、冷媒と冷凍機油は、低温で放置された状態が長く続いたとき、冷凍機油に冷媒が溶け込む特性がある。この状態で、圧縮機を動かすと、密閉容器内の温度上昇とともに、冷凍機油内の冷媒が、急激に蒸発を起し、発泡する。発泡現象が、各給油路内で起きた場合、冷凍機油が給油路内を流れず、給油が途切れることがある。特に、給油路の径が小さく、その経路も長い偏芯方向の給油穴にて、発泡現象が生じた場合、給油が途切れ易くなる。しかしながら、反偏芯方向に給油穴50と、偏芯方向に給油穴53、54と、を設けたので、給油穴の一つが、発泡現象により、給油が途切れたとしても、残りの給油穴にて、偏芯軸部43の偏芯方向の外周面や、ローリングピストン32の偏芯方向の外周面まで、冷凍機油を供給することができる。
また、複数の偏芯方向の給油穴53、54を連通するように、軸方向の給油穴55を設けたので、給油穴53、54の給油路の一つにて発泡現象が生じても、残りの給油路から冷凍機油が流入して、給油路内の冷凍機油が途切れた状態を素早く回復させ、偏芯軸部43の偏芯方向の外周面や、ローリングピストン32の偏芯方向の外周面への冷凍機油の供給が途切れることを抑制させることができる。
以上、シリンダの高さと内径を維持したまま、クランク軸の偏芯軸部の偏芯量を拡大し、排除容積を拡大しても、偏芯軸部の偏芯方向の外周面やローリングピストンの偏芯方向の外周面への給油を途切れることがなく給油できるようにしたので、圧縮機構部の摺動箇所の潤滑性を確保し、動箇所の摩耗を抑制するとともに、圧縮機構部のシール性を維持し、圧縮室の漏れ損失を小さくできる。これにより、高性能で、信頼性が高い密閉型圧縮機を得ることができる。
なお、圧縮機構部のシリンダ、ローリングピストン、クランク軸の偏芯部が、それぞれ1つで構成される1シリンダ型の密閉型圧縮機について、説明したが、複数のシリンダを有する密閉型圧縮機で、実施しても構わない。例えば、2シリンダ型の密閉型圧縮機で、実施しても、同様の作用と効果が得られる。
また、ローリングピストンとベーンとが別体となったものについて、説明したが、ローリングピストンとベーンとが一体となったものであっても、その効果は変わらない。同様の作用と効果が得られる。
また、偏芯軸方向に設ける給油穴を給油穴53、54の2つとした例を説明したが、偏芯軸方向の給油穴は、いくつ設けても構わない。また、1つであっても、同様の効果を得ることができる。
また、軸方向の給油穴も給油穴55だけではなく、複数設けても構わない。複数設けた場合でも、同様の効果を得ることができる。
また、給油穴53、54の給油路60、61は、その始端から終端まで同一径である必要はない。なお、そのときの断面積a、bは、始端から終端までの平均断面積と考える。
また、給油穴55の給油路62、63、64も、その始端から終端まで同一径である必要はない。給油路62、63、64が異なる径であっても構わない。
1 密閉容器、2 電動機構部、3 圧縮機構部、4 クランク軸、11 吐出管、12 吸入連結管、21 固定子、22 回転子、23 端子、31 シリンダ、32 ローリングピストン、33 上軸受、34 下軸受、35 ベーン、36 シリンダ室、37 ベーン溝、38 背圧室、41 主軸部、42 副軸部、43 偏芯軸部、44 突出部、45 給油路、46 開口部、47,48 給油穴、49 切欠き、50 給油穴、51 開口部、52 給油路、53,54,55 給油穴、56,57,58,59 開口部、60,61,62,63,64 給油路、65,66 第1の隙間、67,68 第2の隙間、69,70 ピストンと軸受間の隙間、100 密閉型圧縮機、101 吸入マフラ、102 凝縮器、103 膨張弁、104 蒸発器。

Claims (8)

  1. 密閉容器内に、冷凍機油を貯留するとともに、圧縮機構部を収納した密閉型圧縮機であって、
    前記圧縮機構部は、
    前記冷凍機油を吸い上げる給油路と偏芯軸部とを有するクランク軸と、
    前記偏芯軸部を収納しシリンダ室を有するシリンダと、
    前記シリンダ室を閉塞するとともに、前記クランク軸を支持する軸受と、
    前記偏芯軸部に装着され円筒状のピストンと、を備え、
    前記偏芯軸部は、
    前記クランク軸の給油路と連通し前記偏芯軸部の偏芯方向の外周面に開口部を有する第1の給油穴と、
    前記クランク軸の給油路と連通し前記偏芯軸部の偏芯方向とは反対方向の外周面に開口部を有する第3の給油穴と、を備え、
    前記第1の給油穴は、前記偏芯軸部の軸方向の外周面と前記第3の給油穴との間に設けたことを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 前記偏芯軸部は、前記第1の給油穴と連通し前記偏芯軸部の軸方向の外周面に開口部を有する第2の給油穴を備えたことを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記圧縮機構部は、前記軸受のシリンダ側の外周面と前記偏芯軸部の軸方向の外周面との間に第1の隙間を備え、
    前記第2の給油穴は、前記第1の隙間に開口したことを特徴とする請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記圧縮機構部は、前記ピストンの内周面と前記偏芯軸部の径方向の外周面との間に第2の隙間を備え、
    前記第1の給油穴は、前記第2の隙間に開口したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記第1の給油穴は、径方向に複数設けられ、前記第2の給油穴にて、互いに連通していることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の密閉型圧縮機。
  6. 前記第1の給油穴の前記偏芯軸部の径方向と直角方向の断面積は、前記第2の給油穴の前記偏芯軸部の軸方向と直角方向の断面積以下であることを特徴とする請求項2からのいずれかに記載の密閉型圧縮機。
  7. 前記第1の給油穴は、径方向に複数設けられたことを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  8. 前記第1の給油穴の前記偏芯軸部の径方向と直角方向の断面積は、前記第3の給油穴の前記偏芯軸部の径方向と直角方向の断面積よりも、小さいことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の密閉型圧縮機。
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