JP6206023B2 - セキュリティカード用転写原版 - Google Patents

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Description

本発明は、形状の精度が高いレンチキュラーレンズ形成部を有し、視認性の高いセキュリティカードを安価で簡単に製造可能なセキュリティカード用転写原版に関する。
身分証明証や各種会員証、クレジットカード等のセキュリティカード(以下、単にカードと略する場合がある。)において、カードの所有者とカード使用者との同一性を確認する、いわゆる個人識別機能として、カード表面に所有者の個人情報や写真等の画像が表示されたものが一般的に用いられている。また、近年では、これらの画像が改ざんおよび偽造されることを防止するために、画像表面に偽造防止機能を付与したセキュリティカードが用いられている。
偽造防止機能を付与する方法としては、例えば、セキュリティカードのカード基材上にレンチキュラーレンズを設ける方法がある。レンチキュラーレンズとは、断面が凸レンズ状であり側面が略半円柱の直線形状のレンズ(以下、上記レンズを「半円柱形レンズ」と称する。)の複数本が、平行且つ等間隔でストライプ状となるように配置された形状を有するものであり、凸レンズ状の断面を有する方向にのみにレンズの集光機能を有するものである。セキュリティカードにおいては、表示される個人情報等の画像上にレンチキュラーレンズを設けることにより、特定の観察角度からレンチキュラーレンズを介して画像を観察する際に、観察角度に応じて表示画像を選択して目視させることができるため、視認性の高いセキュリティカードとすることができる(特許文献1〜3参照)。
しかし、上述のようなセキュリティカードを多品種小ロットで製造する場合においては、例えば、レンチキュラーレンズのみを金型ロールで別途形成した後に貼り付けることにより、カード表面上にレンチキュラーレンズを設ける等の方法が用いられており、安価で簡単に精度良くレンチキュラーレンズ付きのセキュリティカードを製造することができる転写原版については知られていなかった。
特開平9−311204号公報 特開2000−298319号公報 特開2008−77711号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、形状の精度が高いレンチキュラーレンズ形成部を有し、視認性の高いセキュリティカードを安価で簡単に製造可能なセキュリティカード用転写原版(以下、カード用原版と略する場合がある。)を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、金属基板の一方の表面上に、凹曲面部、レンチキュラーレンズ形成部、および平面部を有するカード用原版であって、上記レンチキュラーレンズ形成部が、ストライプ状に配置された複数の半円柱形レンズ転写部と、隣り合う上記半円柱形レンズ転写部の間に位置する隔壁部とを有するものであり、上記凹曲面部の長手方向と直交する方向において上記凹曲面部と隣接する凹曲面部形成壁部が、上記凹曲面部と接する端部を起点として、上記隔壁部の幅よりも大きい幅の平坦面を有することを特徴とするカード用原版を提供する。
本発明によれば、凹曲面部の長手方向と直交する方向において上記凹曲面部と隣接する凹曲面部形成壁部が、上記凹曲面部と接する端部を起点として上記隔壁部の幅よりも大きい幅の平坦面を有することから、上記凹曲面部の形状の測定が、半円柱形レンズ転写部もしくは隔壁部の形状の測定よりも容易に行うことができる。このため、レンチキュラーレンズ形成部を形成する際に上記凹曲面部の形状寸法と上記半円柱形レンズ転写部あるいは隔壁部の形状寸法との相関を予め把握しておけば、比較的容易に測定可能な凹曲面部の形状を測定することにより、測定が難しい半円柱形レンズ転写部もしくは隔壁部の形状を測定することなく容易に管理でき、高精度のレンチキュラーレンズ形成部とすることが可能となる。
また、上述のようにレンチキュラーレンズ形成部の形状が管理されるため、本発明のカード用原版を用いて転写形成されるレンチキュラーレンズの形状も高精度なものとなることから、観察角度に応じて上記レンチキュラーレンズを介して異なる画像を明瞭に出現させることができ、視認性の高いセキュリティカードを簡単且つ安価で製造することが可能となる。
上記発明においては、上記凹曲面部は、セキュリティカードの表面に転写される領域内に配置されていることが好ましい。本発明のカード用原版を用いてセキュリティカードを製造する際に、カード表面上に上記凹曲面部の反転形状が立体的なデザインとして転写形成されることから、視認性だけでなく意匠性の高いセキュリティカードを簡単且つ安価で製造することが可能となるからである。
上記発明においては、上記凹曲面部は、セキュリティカードの表面に転写される領域の外側に配置されていることが好ましい。本発明のカード用原版を用いてセキュリティカードを製造する際に、カード表面上に上記凹曲面部の反転形状が形成されないので、カード表面の突起物の数を必要最小限とすることが可能となるからである。
また、複数のセキュリティカードを一括で製造可能なカード用原版とする場合には、一のセキュリティカードの表面に転写される領域と、該領域に隣接して配置された他のセキュリティカードの表面に転写される領域との間に上記凹曲面部を配置することにより、一つの凹曲面部によって、カード表面に転写される領域の複数に対して、上記半円柱形レンズ転写部もしくは隔壁部の形状を管理することが可能となるからである。
上記発明においては、上記凹曲面部の長手方向が、上記半円柱形レンズ転写部の長手方向と平行となるように配置されていることが好ましい。上記凹曲面部の形状と上記半円柱形レンズ転写部あるいは隔壁部の形状との相関が把握し易くなり、上記半円柱形レンズ転写部あるいは隔壁部の形状をより高精度で管理することが可能となるからである。
本発明においては、形状の精度が高いレンチキュラーレンズ形成部を有するカード用原版とすることができるといった効果を奏する。また、上記レンチキュラーレンズ形成部により転写形成されるレンチキュラーレンズも高精度な形状とすることができるので、視認性の高いセキュリティカードを安価で簡単に製造することが可能となるといった効果を奏する。
本発明のセキュリティカード用転写原版の一つの実施形態を示す概略平面図である。 図1のX−X線断面図である。 本発明のセキュリティカード用転写原版において、セキュリティカードの表面に転写される領域を説明するための概略平面図である。 図1のX−X線断面における隔壁部の断面形状の一例を説明するための概略断面図である。 本発明のセキュリティカード用転写原版を用いて形成されるセキュリティカードの表示態様を説明するための説明図である。 本発明のセキュリティカード用転写原版の多面付け態様の一例を示す概略平面図である。
以下、本発明のセキュリティカード用転写原版(カード用原版)について説明する。
本発明のカード用原版は、金属基板の一方の表面上に、凹曲面部、レンチキュラーレンズ形成部、および平面部を有するものであって、上記レンチキュラーレンズ形成部が、ストライプ状に配置された複数の半円柱形レンズ転写部と、隣り合う上記半円柱形レンズ転写部の間に位置する隔壁部とを有するものであり、上記凹曲面部の長手方向と直交する方向において上記凹曲面部と隣接する凹曲面部形成壁部が、上記凹曲面部と接する端部を起点として、上記隔壁部の幅よりも大きい幅の平坦面を有することを特徴とするものである。
本発明のカード用原版について図を例示して説明する。図1は本発明のカード用原版の一つの実施形態を示す概略平面図であり、図2は図1のX−X線断面図である。なお、図1に示すカード用原版において、X−X線方向を短手方向、Y方向を長手方向とする。
図1および図2で示すように、セキュリティカード用転写原版(カード用原版)10は、平板状の金属基板1の一方の表面上に、凹曲面部2、レンチキュラーレンズ形成部3および平面部6を少なくとも有する。レンチキュラーレンズ形成部3は、ストライプ状に配置された半円柱形レンズ転写部4と、隣り合う半円柱形レンズ転写部4の間に位置する隔壁部5とを有する。
また、カード用原版10は、凹曲面部2の長手方向と直交する方向において凹曲面部2を構成する凹曲面部形成壁部7aおよび7bを有し、その頂面が隔壁部5の幅(図2中のX4)よりも大きい幅の平坦面を有するものである。なお、図1および図2に示すカード用原版10の実施態様においては、凹曲面部形成壁部7aおよび7bは平面部6の一部に含まれる。
ここで、凹曲面部形成壁部とは、凹曲面部の長手方向の側面のうち一方と、上記凹曲面部の長手方向と直交する方向において凹曲面部と隣接して位置する他の部位の一方の側面と、により挟まれた面を頂面として有する部位をいう。他の部位の側面とは、レンチキュラーレンズ形成部の側面のみならず、カード用原版の側面、後述する「4.平面部」において説明する文字図柄転写部の側面等をいう。
例えば、図1および図2で示すカード用原版において凹曲面部形成壁部とは、凹曲面部2の長手方向の側面のうち一方と、レンチキュラーレンズ形成部3の側面のうち凹曲面部2側に位置する側面とで挟まれた部分(図1および図2中の7a)、および凹曲面部2の長手方向の側面のうち他方と、それに平行する金属基板1の側面とで挟まれた部分(図1および図2中の7b)をいう。
また、例えば、後述する図6(d)で示すカード用原版における凹曲面部形成壁部とは、凹曲面部2aの長手方向の側面のうち一方と、隣接するレンチキュラーレンズ形成部3aの側面のうち凹曲面部2a側に位置する側面とで挟まれた部分(図6(d)中の7a)、および、凹曲面部2aの長手方向の側面のうち他方と、隣接するレンチキュラーレンズ形成部3bの側面のうち上記凹曲面部2a側に位置する側面とで挟まれた部分(図6(d)中の7b)をいう。凹曲面部2bに対応する凹曲面部形成壁部についても同様である。
なお、図6は、本実施形態のカード用原版の多面付け態様の一例を示す概略平面図を示すものであり、その詳細については後述するためここでの説明は省略する。
本実施形態においては、凹曲面部の長手方向と直交する方向において上記凹曲面部と隣接する凹曲面部形成壁部が、上記凹曲面部と接する端部を起点として隔壁部の幅よりも大きい幅の平坦面を有するので、上記凹曲面部の形状の測定は、上記半円柱形レンズ転写部や上記隔壁部の形状の測定よりも容易に行うことができる。よって、レンチキュラーレンズ形成部を形成する際に、上記凹曲面部の形状寸法と上記半円柱形レンズ転写部もしくは隔壁部の形状寸法との相関を予め把握しておけば、比較的容易に測定可能な凹曲面部の形状を測定することにより、測定が難しい上記半円柱形レンズ転写部もしくは隔壁部の形状については測定することなく容易に管理が可能となる。これにより、高精度のレンチキュラーレンズ形成部を有するカード用原版とすることができる。
また、上述のようにレンチキュラーレンズ形成部の形状が管理されるため、上記カード用原版を用いて転写形成されるレンチキュラーレンズの形状も高精度なものとなることから、観察角度に応じて上記レンチキュラーレンズを介して異なる画像を明瞭に出現させることができ、視認性の高いセキュリティカードを簡単且つ安価で製造することが可能となる。
以下、本実施形態のカード用原版における各構成部位について説明する。
1.金属基板
本実施形態における金属基板は、一方の表面上に、凹曲面部、レンチキュラーレンズ形成部および平面部を少なくとも有するものである。
金属基板は、単一の金属から形成される単層構造であることが好ましい。金属基板の表面上にめっき等が施された多層構造である場合、転写の際に半円柱形レンズ転写部に応力が集中して掛かりやすくなり、めっき等が金属基板から剥離する場合があるからである。
金属基板に用いられる金属の種類としては、特に限定されるものではないが、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系等のステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、コバルト合金、クロム合金、モリブデン合金、タングステン合金等の金属が好ましく、中でもステンレス鋼が好ましい。金属の中で耐久性に優れており、エッチング等の加工がしやすく、安価だからである。
金属基板の厚さとしては、後述するカード用原版の厚さをその範囲に含む、0.05mm〜10mmの範囲内の大きさであることが好ましい。金属基板の厚さを上記範囲内とすることが好ましい理由については、以下の通りである。
カード用原版の製造方法として、例えば、金属基板にフォトリソグラフィによるパターニングを行い、その後エッチングを行う方法を用いる場合、その過程において金属基板にマスクを介して紫外線等の露光を行うことによりパターンが複製される。このとき、金属基板とマスクとを真空密着させることによって、安定したパターンを得ることが必要である。そこで、金属基板の厚さを上記範囲内とすることにより、真空密着を安定的に行うことが可能となる。一方、金属基板の厚さが上記範囲より薄いと、カードの製造の際にカード用原版が変形しやすく、耐久性が不足する場合がある。
なお、金属基板の大きさ(面積)としては、所望のセキュリティカードの大きさに応じて適宜設定することができる。
2.凹曲面部
本実施形態における凹曲面部は、金属基板の一方の表面上に配置されるものである。すなわち、上記凹曲面部は、金属基板の表面が直接成形されてなるものであり、少なくとも底部が凹曲面を有するものである。
本実施形態において、凹曲面部は2つの機能を有することができる。1つは、凹曲面部の形状寸法と半円柱形レンズ転写部または隔壁部の形状寸法との相関を予め把握することにより、本実施形態のカード用原版を製造する際に、上記凹曲面部の形状から半円柱形レンズ転写部もしくは隔壁部の形状を管理することができる。これにより、本実施形態のカード用原版を用いて転写形成されるレンチキュラーレンズは高精度な形状を有することができる。このとき凹曲面部は、図3(a)で示すようにカード用原版10においてセキュリティカードの表面に転写される領域P(以下、有効領域Pと称する場合がある。)内にあってもよく、図3(b)で示すように有効領域Pの外側にあってもよい。
もう1つの機能としては、凹曲面部が図3(a)で示すように有効領域P内にある場合、カード表面にレンチキュラーレンズとは別に、上記凹曲面部の形状が転写されて模様や文字等の立体的なデザインを形成することができる。これにより意匠性の高いセキュリティカードの製造が可能となる。以下の説明において、凹曲面部により転写形成される立体的なデザインのことを「意匠凸部」と称する場合がある。
なお、図3は、本実施形態のカード用原版において、セキュリティカードの表面に転写される領域を説明するための概略平面図であり、1面付け態様の場合を例示したものである。図3中の符号は、上述した図1等において説明した符号と同様であり、半円柱形レンズ転写部、隔壁部、平面部および凹曲面部形成壁部については符号の表記を省略する。
ここで、カード用原版におけるセキュリティカードの表面に転写される領域(有効領域)とは、カード原版を用いてカードを作成する際に、カードの同一面上に少なくともレンチキュラーレンズおよびカードの平面領域(以下、カード平面部と称する場合がある。)を形成する領域をいい、通常、カード用原版の有効領域およびセキュリティカードのカード表面は、その形状および大きさが同等である。
本実施形態において、上記凹曲面部はセキュリティカードの有効領域内に配置されていることが好ましい。この場合、上述したように、有効領域内に凹曲面部を有することで、セキュリティカードの表面に意匠凸部が転写形成されるため、高精度且つ意匠性の高いカードの製造が可能となる。なお、このとき、凹曲面部形成壁部はカード用原版の平面部の一部を成すものとなる。
また、本実施形態において、上記凹曲面部はセキュリティカードの有効領域外に配置されていることが好ましい。この場合、本実施形態のカード用原版を用いてセキュリティカードを製造する際に、カード表面上に上記凹曲面部の反転形状が形成されないので、カード表面の突起物の数を必要最小限とすることができる。また、後述する多面付け態様のカード用原版において、一のセキュリティカードの表面に転写される有効領域と、該領域に隣接して配置された他のセキュリティカードの表面に転写される有効領域との間に上記凹曲面部を有することで、一つの凹曲面部により複数の有効領域における半円柱形レンズ転写部もしくは隔壁部の形状を管理することができる。なお、多面付け態様のカード用原版については、「6.セキュリティカード用転写原版」の項で詳細に説明するため、ここでの説明は省略する。
凹曲面部の幅としては、後述する半円柱形レンズ転写部の幅と同等、またはそれ以上であることが好ましく、具体的には、半円柱形レンズ転写部の幅に対して1倍〜5倍の範囲内の大きさであることが好ましく、中でも1倍〜2.5倍の範囲内であることが好ましく、特に1倍〜2倍の範囲内であることが好ましい。なお、凹曲面部の幅とは、凹曲面部の短手方向の長さをいい、図2においてX1で示す部分をいう。
凹曲面部の幅は、光干渉式表面形状測定装置(例えば、菱化システム社製VertScan2.0、Veeco社製 Wyko NT9000シリーズ等)を用いて、非接触法により測定することができる。具体的には、光干渉式表面形状測定装置の測定ステージ上に、測定対象である凹曲面部を測定ヘッドに向けてカード用原版を載置し、上記凹曲面部の表面形状データを3次元座標データの集合の形式で非接触に取得し、上記表面形状データを元に算出することができる。
なお、特段の記載が無い限り、本実施形態のカード用原版における他の部位の測定方法についても同様とする。
また、凹曲面部の長手方向の長さとしては、特に限定されるものではないが、下限が0.03mm以上であり、上限が凹曲面部の長手方向に対応するカード用転写原版の辺の長さを越えないことが好ましい。また、凹曲面部の長手方向の長さは、半円柱形レンズ転写部の長手方向の長さと同程度、またはそれ以上であることが好ましい。なお、凹曲面部の長手方向の長さとは、凹曲面部の長手方向の端部間の直線長をいう。
凹曲面部の底部の曲率半径は、上記凹曲面部の幅によって異なるものであり、例えば、凹曲面部の幅が半円柱形レンズ転写部の幅と同じ場合は、上記凹曲面部の底部の曲率半径も上記半円柱形レンズ転写部の底部の曲率半径と同等の大きさを有するものとなる。なお、凹曲面部の底部の曲率半径とは、図2においてR1で示す部分をいう。
また、凹曲面部の深さについても、上記凹曲面部の幅によって異なるものであり、例えば、凹曲面部の幅が半円柱形レンズ転写部の幅と同じ場合は、上記凹曲面部の深さも上記半円柱形レンズ転写部の深さと同等の大きさを有するものとなる。
なお、凹曲面部の深さとは、金属基板表面から凹曲面部の最底部までの長さをいい、図2においてH1で示す部分をいう。
凹曲面部の平面視上から見た形状としては、直線であってもよく曲線であってもよい。
凹曲面部は図1に示すように、1つのカード用原版に対して1つ配置されてもよく、複数個配置されていても良い。カード用原版の有効領域内に凹曲面部が複数個配置される場合、複数の凹曲面部により線、絵柄、模様、文字等の形状を成すことができ、カードを製造する際にカード表面上に立体的な意匠である意匠凸部を転写形成することができる。
凹曲面部が複数配置される場合の凹曲面部間の配置間隔としては、0.05mm以上が好ましく、中でも0.1mm以上が好ましい。なお、上記配置間隔は上限として、カード原版の大きさを越えないものとする。
3.レンチキュラーレンズ形成部
本実施形態におけるレンチキュラーレンズ形成部は、金属基板の一方の表面上に配置され、ストライプ状に配置された複数本の半円柱形レンズ転写部と、隣り合う上記半円柱形レンズ転写部の間に位置する隔壁部とを有するものである。
なお、上記レンチキュラーレンズ形成部は、上述した金属基板の表面が直接、半円柱形レンズ転写部および隔壁部の形状に成形されてなるものである。
(1)半円柱形レンズ転写部
半円柱形レンズ転写部は、セキュリティカードを製造する際に半円柱形レンズを転写形成する部位である。なお、セキュリティカードにおいて、複数本の半円柱形レンズがストライプ状に配置されることにより、1つのレンチキュラーレンズとなる。
半円柱形レンズ転写部の幅としては、20μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、中でも40μm〜120μmの範囲内であることが好ましく、特に50μm〜70μmの範囲内であることが好ましい。
半円柱形レンズ転写部の幅が上記範囲よりも大きいと、フォトリソグラフィによりカード用原版を製造する場合に、半円柱形レンズ転写部の高さも相対的に大きくなり、転写形成される半円柱形レンズおよびレンチキュラーレンズの高さも大きくなるため、国際規格等で決められたカードの厚さを超えてしまう場合がある。一方、上記範囲よりも小さいと、フォトリソグラフィによりカード用原版を製造する場合に、パターニングに際して解像度の安定性が確保できず、半円柱形レンズ転写部の形状のばらつきが大きくなる可能性がある。そのため、転写形成される半円柱形レンズの形状にもばらつきが生じ、レンチキュラーレンズを介して画像を視認する際に、画像の均一性が確保できない場合がある。
なお、本実施形態において、半円柱形レンズ転写部の幅とは、半円柱形レンズ転写部の側面間の長さ、すなわち短手方向の長さを指し、図2においてX2で示す部分をいう。
半円柱形レンズ転写部の深さとしては、5μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、中でも7μm〜60μmの範囲内であることが好ましく、特に10μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
半円柱形レンズ転写部の深さが上記範囲よりも大きいと、カード用原版により転写形成される半円柱形レンズのレンズ厚が大きくなる。すなわち、レンチキュラーレンズのレンズ厚も大きくなるため、国際規格等で決められたカード全体の厚みを超えてしまう可能性がある。一方、上記範囲よりも小さいと、転写形成される半円柱形レンズが所望のレンズ厚とならず、画像情報の表示を切り替えるレンズとしての機能を十分発揮できない場合がある。さらに、半円柱形レンズ転写部の深さが上記範囲内に無い場合、セキュリティカードの製造においてレーザー光の照射によりカード基材へ画像の印字を行う際に、半円柱形レンズを透過したレーザー光がカード基材において焦点を結べず、所望の位置に印字が行えない可能性がある。
なお、半円柱形レンズ転写部の深さとは、半円柱形レンズ転写部の最下点から隔壁部の頂部までの長さをいい、図2においてH2で示す部分をいう。
また、半円柱形レンズ転写部のピッチ幅は小さいことが好ましいが、上述した半円柱形レンズ転写部の幅より大きいことが好ましい。具体的なピッチ幅の大きさとしては、30μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、中でも50μm〜130μmの範囲内であることが好ましく、特に60μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
半円柱形レンズ転写部のピッチ幅が上記範囲よりも大きいと、隣り合う半円柱形レンズ転写部の配置間隔、および転写形成される半円柱形レンズの配置間隔も大きくなるため、得られるカードにおいて個々の半円柱形レンズが視覚的に目立つようになり外観上好ましくない場合がある。一方、上記範囲よりも小さいと、上記半円柱形レンズ転写部の幅も小さくなってしまい、半円柱形レンズを転写形成する際にレンズ形状が欠損してしまう場合がある。
なお、半円柱形レンズ転写部のピッチ幅とは、隣り合う半円柱形レンズ転写部の中心間の距離をいい、図2においてX3で示す部分をいう。
半円柱形レンズ転写部の底部は、所望の曲率を有する事が好ましい。半円柱形レンズ転写部の底部の曲率半径(以下、「半円柱形レンズ転写部の曲率半径」と略する場合がある。)としては、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、中でも30μm〜90μmの範囲内であることが好ましく、特に50μm〜80μmの範囲内であることが好ましい。
半円柱形レンズ転写部の曲率半径が上記範囲よりも小さい場合、転写形成される半円柱形レンズからなるレンチキュラーレンズを介してレーザー光照射によりカード基材上に画像を印字する際に、レーザー光の焦点がカード基材まで到達せず、印字が行えない場合がある。一方、半円柱形レンズ転写部の曲率半径が上記範囲よりも大きい場合、転写形成される半円柱形レンズからなるレンチキュラーレンズの曲率半径も大きいものとなる。そのため、上記レンチキュラーレンズを介してレーザー光照射によりカード基材上に画像を印字する際に、レーザー光がカード基材を超えた位置に焦点を結んでしまいカード基材に印字が行えず、焦点をカード基材上に結ばせるためには、カードの厚さを国際規格以上の大きさとしなければならない場合がある。
なお、半円柱形レンズ転写部の曲率半径とは、図2においてR2で示す部分をいう。
半円柱形レンズ転写部は、図1で示すように金属基板の表面上にストライプ状に複数本配置されるものであり、上記半円柱形レンズ転写部の本数としては、目的とするセキュリティカード上の半円柱形レンズの数に応じて適宜選択することができる。また、半円柱形レンズ転写部の長手方向の長さとしては特に限定されるものではなく、金属基板の大きさおよび所望の半円柱形レンズの大きさに応じて適宜選択されるものである。
(2)隔壁部
隔壁部は、隣り合う半円柱形レンズ転写部の間に位置するものである。なお、上記隔壁部も上記金属基板の表面上にストライプ状に配置され、その数は上記半円柱形レンズ転写部の数に応じて決まる。
隔壁部の縦断面形状は、所望の幅や高さ等を有するものであれば特に限定されるものではない。図4は、図1のX−X線断面における隔壁部の断面形状の一例を説明するための概略断面図である。隔壁部の断面形状は、図4(a)で示すように通常、金属基板の底面に対して上記隔壁部の側面が直角を成す形状であるが、図4(b)で示すように、鈍角を成す形状(テーパー形状)であってもよい。上記隔壁部の両側面がなす角度(図4(b)中のθ)の大きさとしては、5°〜120°の範囲内が好ましく、中でも10°〜90°の範囲内が好ましく、特に15°〜45°の範囲内が好ましい。隔壁部の両側面が上記範囲内の角度を成すことにより、転写の際にカード用原版からカードが剥離しやすくなるからである。
また、隔壁部の幅は小さいことが好ましく、例えば、5μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、中でも5μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に5μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。なお、隔壁部の幅とは、具体的には隔壁部の頂部の幅をいい、図2および図4においてX4で示す部分をいう。
隔壁部の幅を上記範囲内とすることが好ましい理由について、以下にセキュリティカードの視認性の原理と合わせて説明する。
図5は本実施形態のカード用原版を用いて形成されるセキュリティカードの表示態様を説明するための説明図である。セキュリティカード20は、複数の画像部27(画像部27aおよび画像部27bを構成要素として含む。)が印字されたカード基材22の表面に、半円柱形レンズ23およびレンズ間溝部24から構成されるレンチキュラーレンズ25と、シート平坦部26とを有するレンチキュラーレンズシート21が付された態様となる。当該カードにおいて、上記レンチキュラーレンズを介してカード上の画像部を観察すると、観察角度に応じて異なる画像部を個々に視認することができる。
例えば、図5(a)において、レンチキュラーレンズ25を介して画像部27を視認する場合、一方の観察角度E1においては画像部27aの情報(図5(b))のみを、別の観察角度E2においては画像部27bの情報(図5(c))のみを画像として視認することができる。
しかし、上述の態様を有するセキュリティカードにおいて、所定の角度から観察した際に、レンチキュラーレンズを介して表示される画像上に線状ノイズ等が出現して視認の阻害が生じる場合がある。具体的には、レンチキュラーレンズを介してカード基材上の画像部を確認する際に、レンチキュラーレンズの長手方向に従って線状に画像の薄い部分が生じる現象や、所定の角度において表示すべき画像部の他に、上記画像部の情報以外の画像が複数本の線状ノイズ等として同時に表示される現象(図5(d))が起こる場合がある。
この様な現象が生じることにより、画像部の形状が欠損した不鮮明な像として観察されるため、セキュリティカードの視認性の低下を招く事となる。
視認される画像上に線状ノイズ等が出現する要因としては、レンズ間溝部の底幅の大きさによるものと考えられる。レンズ間溝部の底幅が大きい場合、レンズ間溝部の表面の屈折率と上記レンズ間溝部の底幅との関係から、レンズ間溝部を介して上記画像部が形成されていない領域や、レンチキュラーレンズを介して視認させようとしている画像部以外の画像部領域(これらを非画像部領域とする。)も視認することとなり、観察者は、レンチキュラーレンズを介して視認される画像部の像と、レンズ間溝部を介して視認される非画像部領域とを同時に視認することになる。上述のように、非画像部領域は視認される画像部上に線状ノイズ等として出現するため、視認される画像が損なわれ画像全体として不鮮明なものとして認識される。
隔壁部は、セキュリティカードを製造する際にレンズ間溝部を転写形成する部位である。そのため、視認される画像上に線状ノイズ等が出現させないためには、隔壁部の幅を小さくすることが好ましく、中でも隔壁部の幅を上述の範囲内とすることにより、転写形成されるレンズ間溝部の幅を小さいものとすることができる。それにより、レンズ間溝部の幅に起因して視認される画像上に線状ノイズ等が出現することを抑制することができる。
隔壁部の幅の測定箇所については、頂部が平面の場合は上記平面の短手方向の長さをいい、図4(a)で示すように金属基板の表面に対して隔壁部の側面が直角を成す形状である場合は、上記側面間の距離を隔壁部の幅とする。また、図4(b)で示すように、金属基板の表面に対して隔壁部の側面が鈍角を成す場合は、上記隔壁部の頂部に有する平面における短手方向の長さを隔壁部の幅とする。
さらに、後述するように隔壁部の頂部が曲率を有するものであり、半円柱形レンズ転写部と隔壁部の頂部の曲面とが連続した形状で、隔壁部の頂部の曲面の区分される位置が明確でない場合は、非接触法の測定により作成されたグラフにおいて半円柱形レンズ転写部と隔壁部の頂部の曲面とが形成する曲面の変曲点を特定する。すなわち、対象曲面において半円柱形レンズ転写部および隔壁部の短手方向の断面が形成する曲線の曲率の符号が変化する点の位置を、半円柱形レンズ転写部と隔壁部の頂部とが区分される位置とし、上記変曲点における短手方向の長さを隔壁部の幅とする。ここで、短手方向の断面が形成する曲線から曲率を算出する一つの方法としては、上記曲線を微小区間に分け、曲率を算出する微小区間における上記曲線を構成する測定データに対し最小二乗法を用いて円弧を当てはめ、得られた円弧の半径から曲率を得る方法が例示できる。なお、上記変曲点に直線部が接している場合は直線部も半円柱形レンズ転写部の一部とする。
隔壁部の頂部は、図4(c)で示すように曲率を有することが好ましい。上記隔壁部の頂部が曲率を有することにより、本実施形態のカード用原版を用いてセキュリティカードを製造する際に、カード用原版からカードが剥離しやすくなるからである。また、得られるカードにおいて、レンチキュラーレンズを介して視認される画像上に出現する線状ノイズ等をより目立たなくすることができるからである。隔壁部の頂部の曲率半径としては、2.5μm〜10.0μmの範囲内であることが好ましく、中でも2.5μm〜7.5μmの範囲内であることが好ましい。特に2.5μm〜5.0μmの範囲内であることが好ましい。なお、隔壁部の頂部の曲率半径とは、図4(c)においてR3で示す部分をいう。
隔壁部の高さは、上述した半円柱形レンズ転写部の深さと同様である。
(3)レンチキュラーレンズ形成部
上述したレンチキュラーレンズ形成部の占める面積の割合は、カード用原版の一方の表面の面積を100%としたときに1%〜30%程度の割合を占めることが好ましい。
また、レンチキュラーレンズ形成部における半円柱形レンズ転写部および隔壁部の長手方向は、本実施形態のカード用原版を用いて製造されるセキュリティカードの長手方向、すなわち、上記カードの磁気情報を読み取る方向と同じであることが好ましい。上記カードをカードリーダー等に通す際にレンチキュラーレンズが障害となる場合があるからである。
4.平面部
本実施形態における平面部とは、金属基板の一方の表面上において、上述した凹曲面部およびレンチキュラーレンズ形成部を有さない部分をいう。また、カード用原版の有効領域内に位置するものであり、通常、平面部の外周が有効領域の外枠に相当する。
なお、上記平面部は、セキュリティカードの表面におけるカード平面部を転写形成する部分である。
平面部は、文字、記号、図柄等の画像情報を有する文字図柄転写部を有していても良い。文字図柄転写部を有することにより、本実施形態のカード用原版を用いて製造されるセキュリティカードの表面上に、レンチキュラーレンズを介して表示される画像とは異なる画像からなる文字絵柄部を形成することができる。
また、文字図柄転写部により転写形成される文字絵柄部は、上述した凹曲面部により転写形成される立体意匠としての意匠凸部とは異なる意匠として機能することから、目的とするセキュリティカードの表面上にさらに多様なデザインを付与することができる。
文字図柄転写部における印字の線幅は、80μm〜500μm程度の大きさであることが好ましい。また、文字図柄転写部の大きさとしては、特に限定されるものではなく、目的とするセキュリティカードの大きさ等に応じて適宜設定することができる。なお、平面部上の文字図柄転写部の個数は1つであっても良く複数あっても良い。
5.凹曲面部形成壁部
本実施形態における凹曲面部形成壁部とは、凹曲面部の長手方向と直交する方向において上記凹曲面部と隣接するものであり、上記凹曲面部と接する端部を起点として、隔壁部の幅よりも大きい幅の平坦面を有するものである。
なお、凹曲面部形成壁部が凹曲面部と隣接するとは、凹曲面部形成壁部の一方の側面が凹曲面部の長手方向の一方の側面を成していることをいう。
凹曲面部形成壁部は、上記凹曲面部と接する端部を起点として、上記隔壁部の幅よりも大きい幅を有するものである。
具体的には、凹曲面部とレンチキュラーレンズ形成部の側面のうち当該凹曲面部側に位置する側面とに挟まれて成る上記凹曲面部形成壁部(例えば、図1および図2中の7aで示す部分。)の幅が100μm〜1000μm程度であることが好ましい。また、凹曲面部とレンチキュラーレンズ形成部以外の部位の側面とに挟まれて成る上記凹曲面部形成壁部の幅(例えば、図1および図2中の7bで示す部分。)については、その上限が金属基板を超えない大きさであればよい。
凹曲面部形成壁部の幅が上記隔壁部の幅よりも小さいと、測定する基準面が得られず、凹曲面部の形状寸法の測定ができなくなり、これに伴い、実測が困難な半円柱形レンズ転写部もしくは隔壁部の形状寸法についての寸法管理ができない場合がある。
また、上記凹曲面部形成壁部は、凹曲面部の形状を正確に測定可能とするために平坦面を有するものであるが、その十点平均表面粗度(Rz)については、Rz=0.05μm〜1.5μmの範囲内であることが好ましく、中でもRz=0.1μm〜0.5μmの範囲内であることが好ましい。上記十点平均表面粗度は、光干渉式の非接触表面粗さ計(菱化システム(株)製 バートスキャンR3300H Lite)を使い、プロファイル範囲を+/−5ミクロンとして測定することにより得られる。
6.セキュリティカード用転写原版(カード用原版)
本実施形態のカード用原版において、凹曲面部の長手方向は半円柱形レンズ転写部の長手方向と平行であってもよく、垂直であってもよく、凹曲面部の長手方向に対して斜めであってもよい。中でも、上記凹曲面部の長手方向が上記半円柱形レンズ転写部の長手方向と平行となるように配置されていることが好ましい。上記凹曲面部の形状と上記半円柱形レンズ転写部あるいは隔壁部の形状との相関を把握し易くなり、上記半円柱形レンズ転写部あるいは隔壁部の形状をより高精度で管理することができるからである。
本実施形態のカード用原版は通常、平板状であり、その厚さは上述した金属基板の厚さに応じて適宜設定されるものであるが、例えば0.05mm〜5mmの範囲内が好ましく、中でも0.2mm〜1mmの範囲内が好ましい。なお、上記カード用原版の厚さとは、カード用原版の底面から上述した平面部までの高さを言う。
また、本実施形態のカード用原版は、その表面が平滑性を有するものであることが好ましく、中でも光沢面であることが好ましい。上記カード用原版の表面が転写されることで、セキュリティカードの表面を光沢面とすることができるからである。カード用原版の十点平均表面粗度(Rz)については、上述した凹曲面部形成壁部の平均表面粗度と同様とすることができる。また、光沢面の程度としては、#400以上の砥粒で研磨したときの光沢を有することが好ましい。
本実施形態のカード用原版は、一回の転写により一枚のカード用原版から一枚のセキュリティカードが製造可能な1面付け態様であってもよく、一回の転写により一枚のカード用原版から複数枚のセキュリティカードが製造可能な多面付け態様であってもよい。このとき、上記カード用原版における凹曲面部の配置位置は、面付けの態様に応じて適宜選択することができる。
上記凹曲面部の配置位置について、上記カード用原版が1面付け態様の場合と多面付け態様の場合とに分けて説明する。
(1)1面付け態様の場合
本実施形態のカード用原版が1面付け態様の場合については、上述した「2.凹曲面部」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)多面付け態様の場合
図6は本実施形態のカード用原版の多面付け態様の例を示す概略平面図である。上記カード用原版が多面付け態様であるとは、一枚の金属基板の表面上に複数のレンチキュラーレンズ形成部3a〜3cを有する場合をいう。また、図3と同様に、図6において一点破線で囲まれる領域は有効領域Pを示すものである。なお、図6において、半円柱形レンズ転写部、隔壁部、平面部および凹曲面部形成壁部の一部については、表示を省略する。
上記カード用原版が多面付け態様である場合、上記凹曲面部(2a〜2cおよび2)は図6(a)で示すように有効領域P内に配置されてもよく、図6(b)で示すように有効領域Pの外に配置されてもよい。凹曲面部が有効領域P内に配置される場合、転写時にカード表面上に上記凹曲面部の反転形状である意匠凸部を形成することができる。
また、図6(a)および(b)で示すように、レンチキュラーレンズ形成部3a〜3cに対して対応する凹曲面部2a〜2cが配置されてもよく、図6(c)で示すように、1枚の金属基板に1つの凹曲面部2が配置されてもよい。
さらに、図6(d)で示すように、凹曲面部2aおよび2bが、それぞれ有効領域P外であり且つ隣り合う有効領域Pの間に配置されてもよい。この場合、一つの凹曲面部によって、カード表面に転写される有効領域Pの複数に対して、上記半円柱形レンズ転写部や隔壁部の形状を管理することが可能となる。
7.製造方法
本実施形態のカード用原版の製造方法としては、金属基板の一方の表面上に凹曲面部、平面部およびレンチキュラーレンズ形成部を直接形成し、上記凹曲面部を所望の位置とすることができる方法であれば特に限定されない。例えば、金属基板の一方の表面に、半円柱形レンズ転写部用開口部および凹曲面部用開口部のパターンを有するレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、上記レジスト層を介して上記金属基板をエッチングし、上記レンチキュラーレンズ形成部および上記凹曲面部を形成するエッチング工程とを有することにより、所望のカード用原版を製造することができる。また、凹曲面部の形状寸法と半円柱形レンズ転写部もしくは隔壁部の形状寸法との相関を予め把握する相関確認工程を有することにより、レンチキュラーレンズの形状を管理することが出来る。さらに、上述の工程の他に、レンチキュラーレンズ形成部および凹曲面部を有する金属基板の表面を研磨する研磨工程等の任意の工程を有していてもよい。
(1)レジスト層形成工程
本工程で用いられるレジストの材料としては、感光性を有するものであれば良く、ポジ型でもネガ型でもよい。中でも、液状レジストやドライフィルムレジストを用いることが好ましく、特に、ドライフィルムレジストを用いることが好ましい。これは、膜厚が一定に保たれたフィルム状のレジストであり、解像度が安定することが期待でき、半円柱形レンズ転写部を安定した形状で形成することができるからである。
液状レジストおよびドライフィルムレジストの材料としては、一般的にフォトリソグラフィで用いられるものが挙げられる。なお、レジスト材料が液状である場合、金属基板上にレジスト材料を塗布しレジスト膜を成膜する方法として、スピンコート法、ブレードコート法、デイッピング法等の一般的な方法を用いることができる。
本工程において形成されるレジスト層の厚さとしては、3μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。レジスト層の厚さが上記範囲よりも大きいと、後述するエッチング工程において、レジスト層のパターン間にエッチング液が十分に回り込まず、所望の深さの半円柱形レンズ転写部を形成することができない場合がある。
なお、レジストパターンを形成する前のレジスト膜の厚さについても、上記レジスト層の厚さと同様である。
上記レジスト層は、後述するエッチング工程において半円柱形レンズ転写部および凹曲面部を形成するための開口部を有するように、パターン形成されるものである。パターン形成方法としては、所望のパターンが形成できる方法であれば特に限定はなく、例えば、フォトリソグラフィ法、印刷法等を用いることができる。中でも、フォトリソグラフィ法を用いることが好ましい。高精度でパターンを形成することができるからである。なお、本工程における露光条件および現像条件については、一般的なフォトリソグラフィの条件を用いることができる。
本工程において形成される凹曲面部用開口部の幅としては、後述する半円柱形レンズ転写部用開口部の幅と同一、またはそれよりも大きいことが好ましい。また、上記凹曲面部用開口部の長手方向の長さは、特に限定されるものではない。
上記レジスト層における凹曲面部用開口部の位置としては、後述するエッチング工程において形成される凹曲面部形成壁部の幅が、隔壁部の幅よりも大きくなる位置であれば特に限定されるものではない。
本工程において形成される凹曲面部用開口部の数は少なくとも1つ以上であればよく、目的とするカード用原版の態様に応じてその数は適宜設定することが出来る。
本工程において形成される半円柱形レンズ転写部用開口部の幅としては、凹曲面部用開口部の幅と同一、またはそれよりも小さいことが好ましい。また、上記半円柱形レンズ転写部用開口部の長手方向の長さについては、目的とするセキュリティカードの大きさ等に応じて適宜選択することができる。
半円柱形レンズ転写部用開口部のピッチ幅については、上述した「3.レンチキュラーレンズ形成部 (1)半円柱形レンズ転写部」の項で説明した半円柱形レンズ転写部のピッチ幅と同様の大きさとすることができる。上記半円柱形レンズ転写部用開口部のピッチ幅とは、隣接する半円柱形レンズ転写部用開口部の中心を結んだ距離をいう。
上記半円柱形レンズ転写部用開口部の数は、目的のセキュリティカードの表面に配置されるレンチキュラーレンズの個数に応じて適宜設定することができ、原則、複数本が形成されるものである。
(2)エッチング工程
本工程で用いられるエッチング方法としては、ウェットエッチングであることが好ましい。ドライエッチングと比較して加工効率が高く、様々なデザインに対し柔軟に形成することができるからである。ウェットエッチングの中でも、等方性のウェットエッチングであることが好ましい。凹曲面部および半円柱形レンズ転写部の底部を曲面とすることができるからである。ウェットエッチングの方法としては、レジスト層を有する金属基板上にエッチング液を塗布する方法(シャワーエッチング)でも良く、エッチング液にレジスト層を有する金属基板を浸漬させる方法(ディッピングエッチング)でも良い。
本工程で用いられるエッチング液としては、金属基板をエッチングできるものであれば良く、用いられる金属基板の材料に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、金属基板にステンレス鋼を用いる場合は、塩化第二銅液、塩化第二鉄液、塩酸−硝酸−リン酸混合液等を用いることが好ましい。
本工程におけるエッチング時間等については、凹曲面部、半円柱形レンズ転写部および隔壁部を所望の形状とすることができる時間であればよく、凹曲面部および半円柱形レンズ転写部のエッチング挙動が同一となるように調整することができる。
また、本工程においては、レンチキュラーレンズ形成部および凹曲面部が形成されると共に、平面部に文字、記号、図柄等の画像情報を有する文字図柄転写部が形成されることが好ましい。文字図柄転写部もエッチングにより形成することにより、例えば、レーザー法により文字図柄転写部を形成する場合に生じる溶融物の飛散や、レーザー光の照射熱による文字図柄転写部の変形等の問題を生じることなく、より精細な文字、記号、図柄等を文字図柄転写部として形成することが可能となるからである。また、エッチングにより文字図柄転写部を形成することにより、セキュリティカード上に上記文字図柄転写部が精度良く転写され、視認性の高い文字絵柄部を形成することができるからである。なお、上記文字図柄転写部については、上述した内容と同様であるためここでの記載は省略する。
(3)相関確認工程
本実施形態のカード用原版の製造においては、凹曲面部の形状寸法と半円柱形レンズ転写部もしくは隔壁部の形状寸法との相関を予め把握する相関確認工程を有することが好ましい。なお、凹曲面部の形状寸法と半円柱形レンズ転写部もしくは隔壁部の形状寸法との相関の取り方については、レンチキュラーレンズの形状管理が可能な方法であれば特に限定されない。また、本工程を実施するタイミングについても、製造方法に応じて適宜設定することが出来る。
(4)研磨工程
本実施形態のカード用原版の製造においては、上述のエッチング工程の後に、レンチキュラーレンズ形成部および凹曲面部を有する金属基板の表面を研磨する研磨工程を行ってもよい。カード用原版の表面を光沢面とすることができ、セキュリティカードを製造する際にカード表面に光沢性を付与することができる。また、隔壁部の幅を更に小さく減肉させることができ、曲率を持たせることができる。
なお、本工程は、レンチキュラーレンズ形成部および凹曲面部を含む金属基板の表面全体に対して行ってもよく、少なくともレンチキュラーレンズ形成部に対して行ってもよく、隔壁部の表面のみに対して行ってもよい。
本工程で用いられる研磨方法としては、例えば、電解研磨法、化学研磨法、電解研磨と化学研磨とを同時に行う複合研磨法、バフ研磨法等を挙げることができ、中でも電解研磨法を用いることが好ましい。金属基板において研磨を行いたい部分を選択的に研磨することができ、また、金属基板の表面を平滑化および光沢化させることができるからである。
上記研磨方法において用いられる研磨液としては、酸系研磨液が好ましく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの水溶液、硫酸と過酸化水素を含む水溶液、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩を含む水溶液等が挙げられる。
本工程において、隔壁部が研磨される割合としては、隔壁部の幅の大きさに対して5%〜50%の範囲内であることが好ましく、中でも5%〜25%の範囲内であることが好ましく、特に5%〜10%の範囲内であることが好ましい。隔壁部が研磨される割合を上記範囲とすることにより、隔壁部の一部に変形や決壊等を生じることなく、さらに細幅な形状とすることができるからである。
(5)その他の工程
本実施形態のカード用原版の製造方法において、上述した工程の他に、例えば、酸系水溶液あるいはアルカリ系水溶液を用いて金属基板の表面を整面する整面処理工程、エッチング工程後にレジスト層を剥離するレジスト層剥離工程等を有していても良い。
8.用途
本実施形態のカード用原版の用途としては、通常、セキュリティカードの製造に使用されるものであるが、実際のカード製造時には使用せずに、管理用のテスト原版として用いることもできる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
(セキュリティカード用転写原版の製造)
<レジスト層形成工程>
カード用原版に使用する金属基板として、板厚0.5mm、300mm角サイズの圧延材料であるSUS304材を準備した。上記金属基板の一方の表面を、アルカリ脱脂(NaOH水溶液5%、60℃)、硫酸電解(硫酸水溶液5%、常温、電流密度dk=3)、塩酸ディップ(塩酸水溶液10%、常温)により整面処理を行った。
次に、整面処理を行った金属基板の表面に、カゼイン含有ネガレジストを使用し、スピンコーターにてコーティングを行い、10μm〜15μm程度の厚さを有するフォトレジスト層を形成した。
次に、平行光露光機を使い、マスクを介して紫外線照射によるパターン露光を行った後、40℃の温水で現像しフォトレジスト層をパターン形成し、半円柱形レンズ転写部用開口部および凹曲面部用開口部を形成した。
上記マスクについては、上述した金属基板のサイズ内でレンチキュラーレンズを形成するために、カード1枚当たりに、85mm×50mm程度の有効領域を具備し、且つ、そのカード内に縦および横のサイズが各々20mm程度となる矩形のレンチキュラーレンズ形成部を、得られるセキュリティカードにおいてレンチキュラーレンズを左下部に配置できるように具備した。
なお、半円柱形レンズ転写部用開口部は、最終的にエッチング形成される半円柱形レンズ転写部の寸法が、長さ20000μm、幅50μmとなる大きさに設定し、ピッチ90μmで配置した。また、凹曲面部用開口部は、半円柱形レンズ転写部用開口部と同様の長さおよび幅とし、上記有効領域内の、半円柱形レンズ転写部用開口部から間隔1000μm程度、金属基板の端部から50000μm程度離した位置に1つ形成した。
<エッチング工程>
当該パターニングされたフォトレジスト層を介して、エッチングを行った。
<検証1>
本工程において、エッチング段階ごとに凹曲面部、半円柱形レンズ転写部、および隔壁部のそれぞれの幅を測定した。
凹曲面部の幅が40μmであるエッチング段階における、半円柱形レンズ転写部の幅、隔壁部の幅は、それぞれ40μm、50μmであった。また、凹曲面部の幅が60μmであるエッチング段階における半円柱形レンズ転写部の幅、隔壁部の幅は、それぞれ60μm、30μmであった。これにより、凹曲面部の幅と半円柱形レンズ転写部の幅との間に相関関係があることを確認した。一方、凹曲面部の幅が80μmであるエッチング段階においては、隔壁部の幅が狭く測定する基準面が明確でないため、半円柱形レンズ転写部の幅の実測ができなかった。しかし、上述の相関関係があることから、半円柱形レンズ転写部の幅は80μmで形成されていることが推測できた。
上記の結果から、凹曲面部形成壁部が隔壁部の幅よりも大きい幅の平坦面を有することにより、凹曲面部形成壁部においては、測定する基準面が明確であるため形状の測定が可能であった。一方、半円柱形レンズ転写部、隔壁部の実測が不可能な形状寸法については、測定する基準面が無い場合であっても、凹曲面部形成壁部の形状寸法との相関関係から算出、寸法管理が可能であった。
<検証2>
上記マスクによるレンチキュラーレンズ形成部の設計については、上述のようにコーティングされたレジスト層の解像度およびエッチング条件等に依存するため、マスクのパターンのみではレンズ形状は決まらない。このため、最終的に得られたエッチング後の形状で、マスクのパターン形状およびエッチング条件の検証を行った。
エッチング後の形状としては、隔壁部の幅、半円柱形レンズ転写部の幅、深さ、ピッチ幅および底部の曲率半径の大きさが、加工形状として主に制御できるものと想定して加工した。 検証の結果、上記隔壁部の幅5μm〜20μmの範囲に対して、5μmごとに段階的に変えた形状が得られた。また、その他の半円柱形レンズ転写の形状については、浸漬時間やスプレー噴射圧力などのエッチング条件によって、5μmごとに段階的に変えた形状が得られた。
本工程により、図1に示す形態を有するレンチキュラーレンズ形成部、凹曲面部および平面部を得た。上記凹曲面部はカード用原版の有効領域内に配置されており、凹曲面部形成壁部の幅はそれぞれ、1000μm(図1中の7aに相当する幅)、50000μm(図1中の7bに相当する幅)であった。
<研磨工程>
上述の工程を経た複数枚の金属基板について、隔壁部の頂部に曲率を形成するため当該金属基板を処理時間等の条件を変えて硝酸5%水溶液に浸漬して酸洗した後、バフ研磨の#400で光沢面に処理した。これにより、隔壁部の頂部の曲率2.5μm〜10μmに対して、1μm〜2μmごとに段階的に変えることができた。上述の一連の工程を経て複数枚のカード用原版を得た。
[参考例]
(セキュリティカードの製造)
<転写工程>
カーボンブラックを含有したカード基材(厚さ50μm〜100μm)と、レンチキュラーレンズシートとしてポリカーボネートを主成分としたシート基材(厚さ50μm〜100μm)との積層体を予め準備した。次に、実施例により得られたカード用原版を平面プレス機に装着し、当該積層体に対して200℃で20分、1kg/cmでプレスを行った後、30分程度冷却を行い、シート基材が硬化する温度まで低下させた。冷却後、平面プレス機を開放し、上記シート基材からカード用原版を剥離させた。
この実施により、上述のシート基材上に上記カード用原版表面の凹凸形状が転写され、凹曲面部の反転形状である意匠凸部、平面部の反転形状であるシート平坦部、および複数本がストライプ状に配置された半円柱形レンズとレンズ間溝部とを有するレンチキュラーレンズが形成されたレンチキュラーレンズシートを得た。
<印字工程>
続いて、レンチキュラーレンズシート上において、レンチキュラーレンズを構成する半円柱形レンズに対してYAGレーザー照射を行い、画像部の印字を行った。この実施により、カード基材上に画像部を形成することができ、観察角度に応じて上記画像部の視認画像が異なる目的のセキュリティカードを得ることが出来た。
1 … 金属基板
2 … 凹曲面部
3 … レンチキュラーレンズ形成部
4 … 半円柱形レンズ転写部
5 … 隔壁部
6 … 平面部
7a、7b …凹曲面部形成壁部
10 … セキュリティカード用転写原版(カード用原版)
P … セキュリティカードの表面に転写される領域(有効領域)

Claims (5)

  1. 金属基板の一方の表面上に、凹曲面部、レンチキュラーレンズ形成部、および平面部を有するセキュリティカード用転写原版であって、
    前記レンチキュラーレンズ形成部が、ストライプ状に配置された複数の半円柱形レンズ転写部と、隣り合う前記半円柱形レンズ転写部の間に位置する隔壁部とを有するものであり、
    前記凹曲面部の長手方向と直交する方向において前記凹曲面部と隣接する凹曲面部形成壁部が、前記凹曲面部と接する端部を起点として、前記隔壁部の幅よりも大きい幅の平坦面を有し、
    前記半円柱形レンズ転写部および前記凹曲面部は、前記金属基板の同一表面に対して凹状に形成された部分であることを特徴とするセキュリティカード用転写原版。
  2. 前記隔壁部の頂部が曲率を有することを特徴とする請求項1に記載のセキュリティカード用転写原版。
  3. 前記凹曲面部は、セキュリティカードの表面に転写される領域内に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセキュリティカード用転写原版。
  4. 前記凹曲面部は、セキュリティカードの表面に転写される領域の外側に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセキュリティカード用転写原版。
  5. 前記凹曲面部は、前記凹曲面部の長手方向が、前記半円柱形レンズ転写部の長手方向と平行となるように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかの請求項に記載のセキュリティカード用転写原版。
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