JP6205111B2 - ダストの洗浄処理方法 - Google Patents

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本発明は、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを含むダストの洗浄処理方法に関する。
近年、セメント製造備において、産業廃棄物をセメント原料として用いる量が多くなり、そのため、産業廃棄物に含まれる塩素がセメントキルン内で増加してセメントの品質や、設備へ悪影響を引き起こす原因となっている。そのため、セメント製造設備から塩素等を除去するために塩素バイパス設備が用いられている。
この塩素バイパス設備は、セメントキルンから塩素を含む燃焼ガスの一部を抽気して冷却する設備であって、前記燃焼ガスに含まれる塩素化合物は、冷却によって固化して塩素バイパスダストと呼ばれるダストとなって、セメント製造設備外へ排出される。
この塩素バイパスダストから塩素成分を除去してセメント原料として再利用することが行われている。
かかるダストの洗浄処理方法としては、例えば、特許文献1乃至4に記載されているようなものがある。
特許文献1には、塩素バイパスダストを粗粉と微粉とに分離して、塩素の付着量が少ない粗粉をセメント原料としてキルンに戻すことが記載されている。
また、特許文献2乃至4には、塩素バイパスダスト等の塩素を含む廃棄物と水とを混合してスラリーとし、かかるスラリーを固液分離することで、廃棄物であるダストから塩素を除去することが記載されている。
国際公開第WO97/21638号パンフレット 特開平11−100243号公報 特開2003−236497号公報 特開2003−236503号公報
しかしながら、近年、セメント製造設備へ投入される廃棄物量が多くなったため、塩素バイパスダストには、前記塩素の他に、鉛(Pb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、セレン(Se)、タリウム(Tl)等の多種類の金属が含まれることがある。
かかる多種類の金属を含むダストをセメント原料等として再利用する際に、前記特許文献2乃至4のようにダストと水とを混合してダストを洗浄処理した場合、洗浄処理に用いた液体成分には前記各金属も含まれる。かかる多種類の金属を含む液体成分をそのまま排出した場合、環境を汚染するおそれがある。
特許文献2乃至4には、液体成分から、鉛等の金属を沈殿濾過等の方法で回収する方法が記載されているが、かかる方法では前記のように多種類の金属を十分に除去することは難しい。
そこで、本発明は、上記のような従来の問題を鑑みて、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを含むダストを、環境を汚染するおそれがなく再利用可能に処理するダストの洗浄処理方法を提供することを課題とする。
本発明にかかるダストの洗浄処理方法は、
鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを含むダストと水とを混合してスラリーを得る混合工程と、
前記スラリーを液体成分と固体成分とに分離する固液分離工程と、
前記液体成分における鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀及びタリウムに対して硫黄が当量比1.0を超え2.0未満になるように、前記液体成分に硫黄化合物を添加して沈殿物を形成した後、沈殿物と上澄み水とを固液分離する第一沈殿工程と、
前記第一沈殿工程で得られた上澄み水に、第一鉄イオン源を添加して沈殿物を形成した後、沈殿物と上澄み水とを固液分離する第二沈殿工程とを備えるダストの洗浄処理方法であって、
更に、前記固液分離工程の後、前記硫黄が前記当量比になるように前記硫黄化合物を添加するために、前記液体成分に含まれる鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、タリウム及び硫黄の含有量を測定する工程を備える。
本発明のダストの洗浄処理方法によれば、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを含むダストと水とを混合してスラリーを得る混合工程と、前記スラリーを液体成分と固体成分とに分離する固液分離工程とを実施することで、ダストに含まれる鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを水に溶出させて、固形成分から、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを除去することができる。
さらに、前記液体成分における鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀及びタリウムに対して硫黄が当量比1.0を超え2.0未満になるように、前記液体成分に硫黄化合物を添加して、沈殿物と上澄み水とに分離する第一沈殿工程を実施することで、前記固液分離工程において分離された液体成分中の鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀及びタリウムを硫化物として沈殿させて回収することができる。
また、前記第一沈殿工程で得られた上澄み水に、第一鉄イオンを添加して、さらに、沈殿物と上澄み水とに分離する第二沈殿工程を実施することで、前記第一沈殿工程の上澄み水に含まれるセレンを還元して沈殿物として回収することができる。同時に、前記第一沈殿工程で添加した硫黄化合物中に含まれる硫黄が上澄み水中に残存している場合にも、硫化鉄として沈殿させて上澄み水から除去することができる。
尚、本発明でいう当量比とは、前記液体成分中の全ての鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀及びタリウムが硫化物となる反応に必要な硫黄のモル量を1.0とした場合の硫黄のモル量の比をいう。
本発明の一態様として、前記硫黄化合物が、硫化水素、硫化水素ナトリウム、硫化ナトリウムおよび四硫化ナトリウムからなる群から選択される1種以上であってもよい。
本発明の他の一態様として、前記第二沈殿工程において、前記第一鉄イオン源として塩化第一鉄を添加してもよい。
本発明によれば、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを含むダストを、環境を汚染するおそれがなく再利用可能に処理することができる。
以下に、本発明にかかるダストの洗浄処理方法について一実施形態を示して説明する。
本実施形態のダストの洗浄処理方法は、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを含むダストと水とを混合してスラリーを得る混合工程と、
前記スラリーを液体成分と固体成分とに分離する固液分離工程と、
前記液体成分における鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀及びタリウムに対して硫黄が当量比1.0を超え以上2.0未満になるように、前記液体成分に硫黄化合物を添加して、沈殿物と上澄み水とに分離する第一沈殿工程と、
前記第一沈殿工程で得られた上澄み水に、第一鉄イオンを添加して沈殿物と上澄み水とに分離する第二沈殿工程とを実施する方法である。
(混合工程)
本実施形態の洗浄処理方法で処理されるダストは、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを含むダストであれば、どのようなものであってもよいが、かかるダストとしては、例えば、セメント製造設備から排出されるダスト等が挙げられる。
より具体的には、セメントキルンの内部で発生する高濃度に塩素を含む高温(300℃〜900℃)の燃焼ガスをキルンから抽気し、熱交換機で150〜300℃に冷却することで得られる脱塩バイパスダスト等が挙げられる。
前記ダストは、前記燃焼ガスをそのまま冷却して得られるものであってもよく、あるいは、前記燃焼ガスを、サイクロンやバグフィルタ等で除塵処理を行ってから冷却して得られるダストであってもよい。
前記ダストには、原料の廃棄物由来の鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウム等の金属が含有されており、本実施形態の洗浄処理方法で処理するダストとして適している。
前記ダストと水とを混合してスラリーを得る。
まず、前記ダストと水とを溶解槽に入れて混合する。
本実施形態において、前記水としては、15℃〜30℃の水を用いることが好ましい。かかる温度範囲の水を用いることで、ダストに含まれる塩素、および前記各金属が溶出しやすくなる。
前記水の添加量は、例えば、前記塩素バイパスダストの場合、ダスト1重量部に対して1重量部〜20重量部、好ましくは5重量部〜10重量部である。
混合する時間は、ダストから前記各金属が水中に十分に溶出する時間を適宜設定できるが、例えば、5分〜120分、好ましくは、30分から60分程度混合することが好ましい。
(固液分離工程)
次に、前記混合工程で得られたスラリーを、液体成分と固体成分とに分離する固液分離工程を実施する。
前記スラリーは前記溶解槽から、フィルタープレス等の固液分離装置に導入して、液体成分と固体成分とに分離する。
前記溶解槽において、ダスト中の鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン、タリウム等の金属は、水中に溶出するため、フィルタープレスで固液分離した後の固体成分からは、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン、タリウム等の金属は除去されて減少している。
従って、かかる固体成分は、必要に応じて、セメント製造設備(例えば、キルン)へ戻してセメント原料として再利用することができる。
尚、前記固液分離装置において分離された固体成分には、さらに水を1から10リットル/kg程度添加し、洗浄してから、前記セメント原料として再利用してもよい。
(第一沈殿工程)
一方、前記固液分離工程で得られた鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン、タリウムなどが含まれている前記液体成分は、反応沈殿槽に導入して、第一沈殿工程を実施する。
前記反応沈殿槽内の前記液体成分に硫黄化合物を添加して、前記液体成分を沈殿物と上澄み水とに分離する。
前記硫黄化合物としては、硫化水素(H2S)、硫化水素ナトリウム(NaHS)、硫化ナトリウム(Na2S)および四硫化ナトリウム(Na34、Na24)からなる群から選択される1種または2種以上の混合物が挙げられる。
前記液体成分中のセレンを除く各金属は、硫黄化合物の硫黄(S)によって、それぞれ下記硫化物となって沈殿する。

鉛:Pb→PbS
銅:Cu→Cu2S、CuS
亜鉛:Zn→ZnS
カドミウム:Cd→CdS
水銀:Hg→HgS
タリウム:Tl→Tl2
前記液体成分中に含まれる金属のうち、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀およびタリウムを確実に硫化物として沈殿させるためには、前記液体成分における鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀及びタリウムに対する硫黄が当量比1.0を超えて2.0未満、好ましくは1.5以上2.0未満になるように、硫黄化合物を添加することが好ましい。
前記当量比の範囲内であれば、確実に前記各金属を沈殿させることができると同時に、必要以上に硫黄化合物を添加することを抑制でき、余剰の硫黄化合物を除去する手間を最小限に抑制できる。
尚、前記当量比になるように、前記硫黄化合物を添加するためには、例えば、前記固液分離工程後に、得られた前記液体成分をサンプリングして、液体成分に含まれる各金属および硫黄の含有量を測定しておくことが好ましい。
前記各金属の沈殿反応が終わった後、沈殿物を含む混合物を前記反応沈殿槽からフィルタープレス等の固液分離装置に導入して、液体成分としての上澄み水と、固体成分としての沈殿物とに分離する。
前記固体成分には前記各金属が硫化物として高濃度で含まれているため、これらの金属を回収して再利用してもよい。
前記第一沈殿工程は、例えば、複数の反応沈殿槽を並列に用いて、同時に実施してもよい。この場合には、多量のダストの処理を一度に行えるため効率がよい。
(第二沈殿工程)
次に、前記第一沈殿工程で得られた上澄み水を、さらに別の反応沈殿槽に導入して、第二沈殿工程を実施する。
前記第一沈殿工程で得られた上澄み水にはセレンが含まれている。
また、反応しきれなかった硫黄化合物が残存している場合もある。
かかる上澄み水に、さらに、第一鉄イオンを添加して、セレンおよび必要に応じて残存している硫黄化合物を除去する。
前記上澄み水中に含まれる、セレンは通常、4価セレンおよび6価セレンの形で存在しているが、このうち6価セレンはそのままでは沈殿しにくい。しかし、第一鉄イオン(2価鉄イオン)を添加すると、該鉄イオンによって還元され4価のセレンとなり、沈殿しやすくなる。
前記第一鉄イオン源としては、第一鉄化合物が好ましく、中でも、塩化第一鉄を添加することが、不要な沈殿物の生成を抑制できるため好ましい。
前記塩化第一鉄の濃度は、例えば、上澄み水中のセレン濃度が1ppmの場合にであって、さらに、硫化物由来の硫黄の濃度が250ppm〜1000ppm程度含まれている場合には、塩化第一鉄は7500ppm〜15000ppm程度添加することが好ましい。
前記第一鉄化合物を添加した直後に、上澄み水のpHは3〜5程度に調整することが好ましい。
かかる範囲のpHであれば、第一鉄イオンの形で液中に鉄イオンが存在しやすいため、6価セレンを4価セレンに還元しやすい。
前記pHの範囲に調整するためには、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸や、アスコルビン酸の有機酸等を酸性のpH調整剤として添加することが好ましい。
前記pHの範囲において、セレンは鉄イオンによって還元されやすい。
前記第一鉄化合物を前記上澄み水に添加後、さらに、セレンと第一鉄イオンとの還元反応が十分に進んだ後、通常、前記第一鉄化合物を前記上澄み水に添加後30分以上経過後に、前記上澄み水のpHを8〜10程度のアルカリ性に調整することが好ましい。
かかる範囲のpHであれば、鉄イオンから生じた沈殿性の鉄化合物と、前記析出したセレンとが共沈しやすくなる。
前記pHの範囲に調整するためには、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等をアルカリ性のpH調整剤として添加することが好ましい。
前記アルカリ性のpH調整剤を添加することで、前記鉄イオンと反応して、沈殿性の水酸化鉄が生じるため、よりセレンと共沈しやすくなる。
また、前記第一沈殿工程で添加された硫黄化合物中の硫黄が、前記各金属と反応しないで残留している場合には、前記第一鉄イオンによって、硫化鉄となり、前記析出したセレンおよび前記水酸化第一鉄と共に沈殿する。この場合には、よりセレンが沈殿しやすくなる。
反応沈殿槽中の前記沈殿物を含むスラリーを、さらに、フィルタープレス等の固液分離装置に導入して、上澄み水と沈殿物とに分離する。前記沈殿物は、高濃度にセレンを含む固形分として回収する。
一方、前記第二沈殿工程で分離された上澄み水中には、pH調整剤として添加した水酸化物や、第一鉄化合物が残留している場合がある。
この場合には、キレート剤を添加するキレート処理、濾過処理、あるいはさらに薬品を添加して不要な成分を沈殿させる沈殿処理等を行ってもよい。
かかる処理を行うことで、より上澄み水中の不純物を除去することができ、上澄み水を排出した際の環境への負荷を低減することができる。
(脱塩処理工程)
前記上澄み水は、そのまま処理済みの排水として排出してもよいが、さらに、必要に応じて脱塩処理工程を実施してもよい。例えば、ダスト中に含まれている塩素を除去する場合には、かかる脱塩処理を行なうことで塩素を除去できる。
本実施形態における脱塩処理としては、例えば、前記上澄み水をイオン交換膜に透過させて、塩素を含む濃縮水と、脱塩水とに分離して、前記脱塩水を処理水として回収し、排出することで、より環境への影響が少なくできる。
尚、前記脱塩処理工程は、前記第二沈殿工程の前に実施してもよく、さらには、第一沈殿工程の前に実施してもよい。
本実施形態のダストの洗浄処理方法では、さらに、必要に応じて、処理水をpH調整する工程や、精密膜濾過工程などを実施して、そのまま下水として放流可能な水質に調整してもよい。
尚、本実施形態にかかるダストの洗浄処理方法は以上のとおりであるが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ダストとしてセメントキルンの塩素バイパスダストを準備した。前記ダストは、硝酸と塩酸の混合酸(硝酸:塩酸=1:3(モル比))に溶解したのち、原子吸光分析装置(装置名:Z2000、日立ハイテク社製)を用いて金属含有量を測定したところ、以下のような金属含有量であった。
《ダスト中の金属濃度》
Pb:23000ppm
Cu: 5000ppm
Zn: 3000ppm
Cd: 200ppm
Hg: 10ppm
Tl: 2000ppm
Se: 200ppm
(試験1)
前記ダストを、溶解槽に1kg入れ、10Lの水(重量比10倍)をさらに添加後、25℃、30分間攪拌して混合し、スラリーとした。該スラリー中の各金属濃度を前記原子吸光分析装置で測定したところ、以下のとおりであった。
《スラリー中の金属濃度》
スラリー1
Pb:1800ppm
Cu: 400ppm
Zn: 250ppm
Cd: 2ppm
Hg: 0.5ppm
Tl: 150ppm
Se: 1ppm
前記スラリー1を、フィルタープレス機(日本ろ過装置社製)で固液分離し、液体成分を反応槽に導入した。
前記反応槽において、NaSH水溶液(10重量%)を添加した。このNaSH水溶液の添加量は、予め、液体成分中のPb、Cu、Zn、Cd、Hg、Tlおよび硫黄の濃度を測定しておき、前記金属に対する硫黄の当量比が、1.0、1.2、1.5、2.0となるように計算することで定めた。
前記NaSHを添加後、25℃で10分間放置し、上澄み液を前記フィルタープレス機で固液分離した
前記NaSHを各当量比になるように変えて処理した場合の固液分離された液体成分中の各金属濃度を前記原子吸光分析装置で測定した結果を表1に示す。
Figure 0006205111
次に、異なるスラリーを用いて金属濃度を測定した。異なるスラリー2の金属濃度は以下のとおりである。
スラリー2
Pb: 300ppm
Cu:1300ppm
Zn: 600ppm
Cd: 3ppm
Hg: 0.5ppm
Tl: 60ppm
前記スラリー2を、前記スラリー1と同様に処理した場合の固液分離された液体成分中の各金属濃度を前記原子吸光分析装置で測定した結果を表2に示す。
Figure 0006205111
(試験2)
次に、前記試験1において硫黄当量比1.5で処理した液体成分を、さらに、別の反応槽へ導入し、第一鉄化合物としての第一塩化鉄を添加し、塩酸を用いてpHを4に調整した後25℃、60分間攪拌した。
この時の、第一塩化鉄の添加量は、5000、7500、10000、15000(ppm)となるようにした。
この液体成分のpHを水酸化ナトリウム溶液を用いて8.5に調整したのち、2時間静置し、上澄みをフィルタープレスで濾過した濾液中のSe濃度を前記原子吸光分析装置で測定した結果を表3に示す。
Figure 0006205111
表1乃至表3の結果から、ダストを処理した処理水中の各種金属は除去されていることが明らかである。

Claims (3)

  1. 鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、セレン及びタリウムを含むダストと水とを混合してスラリーを得る混合工程と、
    前記スラリーを液体成分と固体成分とに分離する固液分離工程と、
    前記液体成分における鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀及びタリウムに対して硫黄が当量比1.0を超え2.0未満になるように、前記液体成分に硫黄化合物を添加して沈殿物を形成した後、沈殿物と上澄み水とを固液分離する第一沈殿工程と、
    前記第一沈殿工程で得られた上澄み水に、第一鉄イオン源を添加して沈殿物を形成した後、沈殿物と上澄み水とを固液分離する第二沈殿工程とを備えるダストの洗浄処理方法であって、
    更に、前記固液分離工程の後、前記硫黄が前記当量比になるように前記硫黄化合物を添加するために、前記液体成分に含まれる鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、タリウム及び硫黄の含有量を測定する工程を備えるダストの洗浄処理方法。
  2. 前記硫黄化合物が、硫化水素、硫化水素ナトリウム、硫化ナトリウムおよび四硫化ナトリウムからなる群から選択される1種以上である請求項1に記載のダストの洗浄処理方法。
  3. 前記第二沈殿工程において、前記第一鉄イオン源として塩化第一鉄を添加する請求項1又は2に記載のダストの洗浄処理方法。
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