JP6202599B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録体に関し、更に詳しくは、透明性に優れた感熱記録体に関する。
感熱記録体は、サーマルヘッド等の加熱によって化学反応により発色し、記録画像が得られるものであり、ファクシミリや自動券売機、科学計測機の記録用媒体としてだけではなく、小売店等のPOSシステムの感熱記録ラベルなどとして広範な用途に使用されている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−362027号公報
かかる感熱記録体を、各種の食品などが収容された容器のラベルや包装用のフィルムとして使用する場合に、ラベルやフィルムによって、容器の中身が隠れてしまい、消費者が中身を確認しずらいという難点がある。
このため、感熱記録体からなるラベルやフィルムを透明にして容器の中身を確認できるようにすることが望まれるが、従来の感熱記録体は、透明性が十分ではない。
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、透明性に優れた感熱記録体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
(1)本発明の感熱記録体は、基材上に少なくとも感熱記録層とトップコート層とを備える感熱記録体であって、
前記基材が透明フィルムからなり、
少なくとも前記感熱記録層及び前記トップコート層は、各層を構成する粒子の乱反射を抑制する乱反射抑制成分を含み、
前記感熱記録層と前記トップコート層との間に、中間層を備え、
前記中間層は、前記乱反射抑制成分として、水溶性部分を有する樹脂を含み、
前記水溶性部分を有する樹脂が、疎水性のコア及び水溶性のシェルを有するコア−シェル型の樹脂であることを特徴とする。
本発明の感熱記録体によると、透明フィルムからなる基材上の少なくとも感熱記録層及びトップコート層は、各層を構成する粒子の乱反射を抑制する乱反射抑制成分を含んでいるので、粒子の表面での乱反射が抑制されて透明性の優れた感熱記録体を得ることができる。
本発明によると、中間層は水溶性部分を有する樹脂を含んでいるので、この中間層形成用の塗液を、感熱記録層上に塗布して乾燥する際に、水溶性部分を有する樹脂が、感熱記録層へ染み込んで平滑な中間層が形成されるので、感熱記録層での乱反射が抑制されて透明性が一層向上する。
本発明によると、水溶性のシェルによって平滑な中間層を形成して透明性を向上させることができると共に、疎水性のコアを有するので、耐水性が劣化することもない。
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記基材を除く厚みが、1.0μm以上10μm以下であって、当該感熱記録体のJISP8138に基づく不透明度が、10%以下である。
この実施態様では、JISP8138に基づく不透明度が、10%以下であるので、当該感熱記録体を、例えば、ラベルや包装用のフィルム等として容器に貼着した場合に、ラベルやフィルム等を介して容器の中身を目視で確認することができる。
(3)本発明の他の実施態様では、前記感熱記録層は、前記乱反射抑制成分として、発色温度以下の低融点のパラフィンを含む。
この実施態様によると、感熱記録層形成用の塗液を、基材上に塗布して乾燥する際に、乱反射抑制成分としての低融点のパラフィンが溶融して感熱記録層を構成する粒子表面の凹凸等の隙間に入り込んで、その隙間を埋めるので、粒子表面の乱反射が抑制されて透明性が向上する。
)本発明の他の実施態様では、前記トップコート層は、前記乱反射抑制成分として、コロイダルシリカを含む。
この実施態様によると、コロイダルシリカは、トップコート層の充填剤として使用される炭酸カルシウムや有機充填剤等の他の充填剤に比べて、粒子径が小さく、乱反射を抑制することができる。
このように本発明によれば、透明フィルムからなる基材上の少なくとも感熱記録層及びトップコート層は、各層を構成する粒子の乱反射を抑制する乱反射抑制成分を含んでいるので、粒子の表面での乱反射が抑制されて透明性に優れた感熱記録体を得ることができる。
図1は本発明の一実施形態の感熱記録体の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
この実施形態の感熱記録体1は、シート状の基材2上に、加熱によって発色する感熱記録層3、中間層4、及び、トップコート層5が積層された構造となっている。
基材2としては、透明の合成樹脂フィルム、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどを用いることができる。かかるフィルムの厚さは特に限定されないが、例えば、10μm〜100μm程度が塗工性及び透明性に優れ、好ましい。
感熱記録層3を形成する材料としては、加熱により発色する発色剤、顕色剤、充填剤、結着剤、及び滑剤などを含む。
感熱記録層3の透明性を向上させるために、各材料は、粒子径の細かいものを使用するのが好ましい。このように粒子径の細かい材料とすることによって、粒子の乱反射を抑制することができる。
具体的には、発色剤であるロイコ染料としては、例えば、2−アニリン−3メチル−6−(N−メチル−P−トルイジノ)フルオランなどを挙げることができ、それらの粒子径は、0.1〜1.0μmであるのが好ましい。ここで、粒子径とは、マイクロトラックレーザー解析・散乱式粒度分析機による測定50%平均粒子径をいう。
上記の顕色剤としては、例えば、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンなどを挙げることができ、それらの粒子径は、0.1〜1.0μmであるのが好ましい。
上記の充填剤としては、例えば、カオリン、炭酸カルシウムなどを挙げることができ、それらの粒子径は、1.0μm以下であるのが好ましい。
上記の結着剤としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体などを挙げることができる。
上記の滑剤としては、ポリエチレン、ステアリン酸亜鉛、パラフィンなどを挙げることができ、それらの粒子径は、0.5μm以下であるのが好ましい。
透明性を向上させるためには、パラフィンを含有させるのが特に有効であり、このパラフィンは、感熱記録層3の発色温度未満、好ましくは80℃未満、より好ましくは、50℃未満の低融点のパラフィンであるのが好ましい。
この低融点のパラフィンの粒子径は、上記のように0.5μm以下であるのが好ましい。このパラフィンの含有量は、乾燥重量で、例えば、0.1〜1.0g/mであるのが好ましい。
このように低融点のパラフィンを含有させることによって、感熱記録層形成用の塗液を、基材2上に塗布し、乾燥する際に、パラフィンが溶融し、感熱記録層3を構成する粒子の表面の凹凸等の隙間に入り込んで、隙間を埋めることになり、これによって、粒子表面の乱反射を抑制して透明性を向上させることができる。
水や油に対するバリアー性を有する中間層4は、主に、樹脂によって形成されている。
この中間層4の樹脂としては、例えば、アクリル樹脂のエマルション、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂等の水溶性樹脂、SBR樹脂などが挙げられる。
透明性を向上させるためには、前記樹脂は、水溶性部分を有する樹脂、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール(PVA)樹脂、あるいは、疎水性のコア粒子を、水溶性のシェルポリマーでコーティングしたコアーシェル構造の樹脂、例えば、コア−シェル型アクリル樹脂などが好ましい。
水溶性のポリビニルアルコール(PVA)やコア−シェル型のアクリル樹脂は、成膜性が良好であり、感熱記録層3上に、中間層形成用の塗液を塗布して乾燥する際に、水溶性部分を有する樹脂が、感熱記録層3へ染み込んで平滑な中間層が形成されるので、感熱記録層3での乱反射が抑制されて透明性が向上する。
本発明の感熱記録体の中間層は、水溶性部分を有する樹脂として、疎水性のコア及び水溶性のシェルを有するコア−シェル型の樹脂を含んでいる。コア−シェル型の樹脂は、従来公知であり、例えば、コア−シェル型アクリル樹脂として、バリアスター(三井化学社製)の名称で市販されているものなどを挙げることができる
トップコート層5は、サーマルヘッドに対する感熱記録体1のマッチング性を向上させて、感熱記録層3の発色が順調に行われるようにするものであり、このトップコート層5は、結着剤中に充填剤、滑剤、架橋剤などを添加したものが用いられる。
結着剤である樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、などが挙げられる。
滑剤としては、例えば、ポリエチレン、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
架橋剤としては、例えば、炭酸ジルコニウムなどが挙げられる。
充填剤としては、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。
これら充填剤の粒子径は、1.0μm以下であるのが好ましい。
透明性を向上させるためには、充填剤として、粒子径の小さいコロイダルシリカが好ましい。
以上のような材料によって形成される感熱記録層3、中間層4、及び、トップコート層5の厚み、すなわち、基材2を除いたシート状の感熱記録体1の厚みは、特に限定されないが、1.0μm以上の厚みにおいて、当該感熱記録体1の不透明度が、10%以下である。この不透明度は、紙の不透明度の測定規格であるJISP8138に基づくものである。
次に、実施例に基づいて、本発明について、更に詳細に説明する。
先ず、感熱記録層3、中間層4及びトップコート層5の各層について、透明性を向上させるのに有効な配合を検討した。
基材2としては、いずれも、厚さ40μmのOPP(2軸延伸ポリプロピレン)フィルムを使用した。
このOPPフィルムのJISP8138に基づく不透明度は、2.0%であった。
不透明度は、東京電色製の反射率計「TC−6DS/A型」を使用して測定した。
〔感熱記録層についての検討〕
下記表1に示す配合No.1〜No.4の4種類の感熱記録層形成用の塗液を調製し、上記OPPフィルム上に、塗布量が、乾燥重量で4.0g/mとなるようにそれぞれ塗布した後、乾燥を行って感熱記録層をそれぞれ得た。
Figure 0006202599
この表1において、各配合材料の数値は、乾燥時における重量比率を示している。表1に示すように、配合材料として、顕色剤は、粒子径が0.4μmの3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用し、充填剤は、粒子径が0.4μmのカオリンを使用した。また、結着剤(バインダ)は、ガラス転移温度Tgが「−3℃」のSBRを使用した。滑剤は、融点が100℃で粒子径が0.6μmのポリエチレン(PE)、融点が120℃で粒子径が5.5μmのステアリン酸亜鉛(St−Zn)、融点が66℃で粒子径が0.3μmのパラフィンおよび融点が46℃で粒子径が0.2μmのパラフィンを使用した。染料は、粒子径が0.5μmの2−アニリン−3メチル−6−(N−メチル−P−トルイジノ)フルオランを使用した。
配合No.1〜4の各配合では、顕色剤、充填剤であるカオリン、結着剤であるSBR、及び、染料は、いずれも共通の配合とした。
配合No.1では、滑剤としてポリエチレン(PE)及びステアリン酸亜鉛を、配合No.2では、融点が66℃で粒子径が0.3μmのパラフィンを、配合No.3では、融点が46℃で粒子径が0.2μmのパラフィンをそれぞれ配合し、配合No.4では、配合No.3と同じパラフィンを、量を増やして配合した。
各配合の感熱記録層形成用の塗液を調製し、OPPフィルムにそれぞれ塗布し、乾燥して得られた各感熱記録層までの不透明度を、上記JISP8138に準じて測定した。
その結果を、下記表2に示す。
Figure 0006202599
表2に示すように、滑剤として、融点が46℃で粒子径が0.2μmのパラフィンを最も多く含有する配合No.4は、不透明度が14.9%と最も低く、すなわち、最も透明度が高く良好であった。これに対して、滑剤として、パラフィン以外のポリエチレン(PE)及びステアリン酸亜鉛を含有する配合No.1は、不透明度が25.6%と最も高い、すなわち、透明度が最も低かった。
また、滑剤として、融点が66℃で粒子径が0.3μmのパラフィンを含有する配合No.2と、融点が46℃で粒子径が0.2μmのパラフィンを含有する配合No.3とを比較すると、配合No.2の不透明度が19.2%であるのに対して、配合No.3の不透明度が16.6%と低かった。すなわち、融点が低く、粒子径が小さい配合No.3の方が、透明度が高く良好であった。
このように滑剤として、融点が低く、粒子径が小さいパラフィンを含有すると、感熱記録層形成用の塗液を基材上に塗布し、乾燥する際に、低融点のパラフィンが溶融して、感熱記録層を構成する粒子表面の凹凸等の隙間に入り込んで隙間を埋め、粒子表面での乱反射を抑制し、透明性を向上させることができる。
〔中間層についての検討〕
上記のように配合No.4の感熱記録層が、最も不透明度が低く良好であったが、最終的には、中間層及びトップコート層を形成した感熱記録体全体としての不透明度が重要である。
ここでは、配合No.4の次に不透明度が低く良好であった配合No.3の感熱記録層を前提として、この感熱記録層上に形成する中間層の結着剤(バインダ)について検討した。
配合No.3による感熱記録層は、塗布量を、乾燥重量で4.0g/mとなるように機械によって塗布した。この感熱記録層までの不透明度は、17.2%であった。上記表2では、配合No.3による感熱記録層までの不透明度は、16.6%であり、相違しているが、これは、上記表2の場合は、手動で塗布したためである。
下記表3に示す結着剤を用いた配合No.5〜8の4種類の中間層形成用の塗液を調整し、上記配合No.3による感熱記録層上に、塗布量が、乾燥重量で1.8g/mとなるように塗布した後、乾燥を行って中間層をそれぞれ得た。
Figure 0006202599
この表3に示すように、各配合No.5〜8では、結着剤として、コア−シェル型アクリル樹脂、アクリル樹脂、PVA、SBRをそれぞれ使用した。
各配合の中間層形成用の塗液を調製し、上記配合No.3で形成された感熱記録層上にそれぞれ塗布乾燥し、得られた各中間層までの不透明度を、JISP8138に準じて測定した。
併せて、耐水性及びバリアー性を評価した。
耐水性は、水道水に23℃、24時間に浸漬した後、表層の水ぶくれなどによる脱落が無いかを確認し、表面剥がれが無いものは、良(○)と評価し、表面剥がれが有るものは、不可(×)と評価した。
また、バリアー性は、食油を2滴、表面に垂らし40℃、15時間放置したのち、印字消えが無いかを確認し、印字消えが無いものは、良(○)と評価し、印字消えが有るものは、不可(×)と評価した。評価結果を、上記表3に併せて示す。なお、表3では、OPPフィルム上に、感熱記録層、中間層が形成された他社製の感熱記録シートの不透明度の評価結果を併せて示している。
表3に示すように、配合No.5〜8の中間層までの不透明度は、感熱記録層までの不透明度である17.2%よりも低い値を示しており、中間層の形成によって、いずれも透明性が向上していることが分かる。
特に、結着剤として、コア−シェル型アクリル樹脂、及び、水溶性のPVAをそれぞれ用いた配合No.5及び配合No.7は、中間層までの不透明度が、いずれも6.5%と最も低い値を示しており、透明度が良好である。
コア−シェル型アクリル樹脂を用いた配合No.5では、透明性のみならず、耐水性及びバリアー性のいずれも良好であった。
結着剤として、コア−シェル型アクリル樹脂や水溶性のPVAを含む中間層を形成することによって、透明性が向上する理由は、水溶性のポリビニルアルコール(PVA)やコア−シェル型のアクリル樹脂は、成膜性が良好であり、感熱記録層3上に、中間層形成用の塗液を塗布して乾燥する際に、水溶性部分を有する樹脂が、感熱記録層3へ染み込んで平滑な中間層が形成4されるので、感熱記録層3での乱反射が抑制されるからである。
〔トップコート層についての検討〕
下記表4に示す配合No.9〜15の配合の7種類のトップコート層形成用の塗液を調製すると共に、本願出願人が、汎用している2種類のトップコート層形成用の塗液A,Bを調製した。
Figure 0006202599
この表4において、各配合材料の数値は、乾燥時の重量比率を示している。表4に示すように、滑剤として、ポリエチレン(PE)、ステアリン酸亜鉛(St−Zn)を使用した。
ポリエチレンとしては、粒子径が0.12μmのもの1種類と、粒子径が0.6μmのもの2種類を使用した。配合No.9で配合した粒子径0.6μmのポリエチレンと、配合No.10及び汎用のトップコート層Bで配合した粒子径0.6μmのポリエチレンとは、製造メーカーが異なる。
また、ステアリン酸亜鉛としては、粒子径が0.1μmのもの、粒子径が0.9μmのもの、粒子径が5.5μmのものを使用した。
結着剤(バインダ)として、アクリル樹脂を使用し、架橋剤として、炭酸ジルコニウムを使用した。
充填剤として、粒子径が数nmのコロイダルシリカ、粒子径が数十nmのコロイダルシリカを使用し、また、粒子径が0.6μmの炭酸カルシウム、粒子径が2.6μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)、粒子径が0.9μmのポリスチレン(SP)を使用した。
配合No.9〜15の7種類の各配合では、結着剤(バインダ)としてのアクリル樹脂、架橋剤としての炭酸ジルコニウム、充填剤としての粒子径が数nm,数十nmのコロイダルシリカは、いずれも共通とし、滑剤の配合を異ならせた。
また、2種類の汎用のトップコート層A,Bの配合では、充填剤として、コロイダルシリカは配合せず、炭酸カルシウム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(SP)を配合した。
配合No.9〜15の7種類の各配合からなるトップコート層形成用の塗液を調製し、厚さ38μmのPET(ポリエチレン・テレフタレート)フィルムに、塗布量が、乾燥重量で1.5g/mとなるようにそれぞれ塗布乾燥し、得られたトップコート層の不透明度をJISP8138に準じて測定した。
また、7種類の配合の内、配合No.15、及び、2種類の汎用のトップコート層A,Bの配合については、上記中間層の検討の場合と同様に、OPPフィルム上に、上記配合No.3による感熱記録層を形成し、更に、この感熱記録層上に、中間層として、上記配合No.5の中間層を形成し、この中間層上に、トップコート層形成用の塗液を、乾燥重量で1.5g/m塗布してトップコート層を形成し、不透明度を測定した。感熱記録層の塗布量は、乾燥重量で4.0g/mとし、中間層の塗布量は、乾燥重量で1.8g/mとした。また、トップコート層を形成する前の中間層までの不透明度は、7.4%であった。なお、表3の配合No.5では、中間層までの不透明度が、6.5%であったが、この透明度の相違は、手動による塗布と機械による塗布との塗布条件の相違によるものである。
また、後述のように不透明度が低かった、すなわち、透明度が高かった配合No.13〜15の塗液によって、上記のPETフィルムにトップコート層を形成したものについては、スティック性の評価を併せて行った。
スティック性は、寺岡精工製のHP−3600を使用し、印字条件を、印字速度100m/sec、デューティ53%の標準エネルギーと、印字速度80m/sec、デューティ80%の高エネルギーとして印字を行い、表面歪みの無いものを良(〇)、表面歪みが少しあるものをやや不良(△)、表面歪みがやや不良に比べて多いものを不良(×)と評価した。
不透明度及びスティック性の評価結果を、下記の表5に示す。
Figure 0006202599
この表5では、配合No.9〜15について、厚さ38μmのPET上にトップコート層を形成した場合の不透明度と、配合No.15及び汎用の2種類のトップコート層A,Bについて、厚さ40μmのOPPフィルム上に、感熱記録層、中間層を形成し、この中間層上に、トップコート層を形成した場合の不透明度の測定結果を示している。
PET上にトップコート層を形成した場合の不透明度が比較的高い、すなわち、透明度が比較的悪い配合やスティック性の悪い配合については、中間層上にトップコート層を形成する不透明度の測定は行わなかった。
この表5に示すように、厚さ38μmのPETフィルム上に形成したトップコート層については、配合No.14及び配合No.15のトップコート層の不透明度が、2.8%及び4.8%と低く、すなわち、透明度が高く良好であった。
スティック性については、配合No.13〜15によるトップコート層について評価した結果、最も透明度が高い配合No.14によるトップコート層では、スティック性が劣っていた。
OPPフィルム上に、感熱記録層、中間層、及び、トップコート層を形成した配合No.15及び2種類の汎用のトップコート層A,Bについては、配合No.15の不透明度が6.9%と低く、良好であったのに対して、汎用のトップコート層A,Bの不透明度が、16,0%,20.0%と高く、配合No.15の2倍以上の値を示した。
すなわち、充填剤として粒子径の大きな炭酸カルシウム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(SP)を配合した汎用のトップコート層A,Bに比べて、粒子径の小さいコロイダルシリカを配合した配合No.15の方が、透明性を向上させることができる。
〔感熱記録層についての再検討〕
以上のようにして中間層としては、透明性、耐水性、及び、バリア−性の観点から表3の上記配合No.5が好ましく、トップコート層としては、透明性、スティック性の観点から、表4の配合No.13及び配合No.15が好ましいことが分かる。
そこで、表1の配合No.1〜4の4種類の各感熱記録層上に、上記配合No.5の中間層を形成し、その上に、上記配合No.13のトップコート層を形成したものと、上記配合No.15のトップコート層を形成したものを作成し、不透明度及びスティック性を評価した。
感熱記録層は、OPPフィルム上に、塗布量が、乾燥重量で4.0g/mとなるように形成し、中間層は、感熱記録層上に、塗布量が、乾燥重量で1.8g/mとなるように形成し、各トップコート層は、中間層上に、塗布量が、乾燥重量で1.5g/mとなるように形成した。なお、不透明度については、感熱記録層、中間層、トップコート層の各層を形成した時点で測定した。また、感熱記録層、中間層、及び、トップコート層の各層の厚みの和、すなわち、OPPフィルムを除くトップコート層までの厚みは、約7μmであった。
その結果を、下記表6に示す。
Figure 0006202599
この表6に示すように、感熱記録層までの不透明度については、配合No.4による感熱記録層の不透明度が14.9%と最も低く、配合No.1による感熱層の不透明度が25.6%と最も高かった。
感熱記録層上に、配合No.5による中間層を形成した場合の中間層までの不透明度については、配合No.3による感熱記録層の不透明度が7.4%と最も低く、配合No.2による感熱記録層の不透明度が9.0%と最も高かった。いずれの配合も、配合No.5による中間層の形成によって、不透明度が、いずれも大幅に低くなっていることが分かる。
更に、中間層上に、配合No.13によるトップコート層を形成した場合のトップコート層までの不透明度については、配合No.3による感熱記録層の不透明度が8.4%と最も低く、配合No.1による感熱記録層の不透明度が10.6%と最も高かった。
また、中間層上に、配合No.15によるトップコート層を形成した場合のトップコート層までの不透明度については、配合No.3による感熱記録層の不透明度が7.3%と最も低く、配合No.2による感熱記録層の不透明度が9.0%と最も高かった。
いずれの配合もスティック性は良好であった。
このように、感熱記録層、中間層、及びトップ層については、乱反射を抑制するように材料を選定することによって、トップコート層までの不透明度が、略10%以内となり、優れた透明性を有することが分かる。
したがって、本発明の感熱記録体を、例えば、ラベルや包装用のフィルム等として、食品等が収容された容器に貼着すると、透明性に優れたラベルやフィルムを通して容器の中身を確認することが可能となる。
基材2と感熱記録層3との密着性を高めるアンカー層を設けてもよく、他の層を設けてもよい。
1 感熱記録体
2 基材
3 感熱記録層
4 中間層
5 トップコート層

Claims (4)

  1. 基材上に少なくとも感熱記録層とトップコート層とを備える感熱記録体であって、
    前記基材が透明フィルムからなり、
    少なくとも前記感熱記録層及び前記トップコート層は、各層を構成する粒子の乱反射を抑制する乱反射抑制成分を含み、
    前記感熱記録層と前記トップコート層との間に、中間層を備え、
    前記中間層は、前記乱反射抑制成分として、水溶性部分を有する樹脂を含み、
    前記水溶性部分を有する樹脂が、疎水性のコア及び水溶性のシェルを有するコア−シェル型の樹脂である、
    ことを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記基材を除く厚みが、1.0μm以上10μm以下であって、
    当該感熱記録体のJISP8138に基づく不透明度が、10%以下である、
    請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記感熱記録層は、前記乱反射抑制成分として、発色温度以下の低融点のパラフィンを含む、
    請求項1又は2に記載の感熱記録体。
  4. 前記トップコート層は、前記乱反射抑制成分として、コロイダルシリカを含む、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の感熱記録体。
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