JPH11165464A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH11165464A
JPH11165464A JP9334105A JP33410597A JPH11165464A JP H11165464 A JPH11165464 A JP H11165464A JP 9334105 A JP9334105 A JP 9334105A JP 33410597 A JP33410597 A JP 33410597A JP H11165464 A JPH11165464 A JP H11165464A
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JP
Japan
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layer
recording medium
heat
bis
thermosensitive recording
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Pending
Application number
JP9334105A
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English (en)
Inventor
Shigeji Matsuzawa
茂治 松澤
Yutaka Isu
豊 伊須
Tsunefumi Yamori
恒文 矢守
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無色ないしは淡色の塩基性染料と呈色剤との発
色反応を利用した感熱記録体において、透明性、印字適
性に優れる感熱記録体を提供することにある。 【解決手段】透明な支持体上に感熱記録層、保護層を順
次設けた感熱記録体において、感熱記録層が呈色剤を含
む層と塩基性染料を含む層の少なくとも2種の層より構
成され、その内の少なくとも一層が蒸着法で設けられた
ものであり、かつ感熱記録層と保護層の間に、全固形の
80%以上が水性系樹脂である中間層を設けた感熱記録
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無色ないしは淡色
の塩基性染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録
体に関し、特に透明性、印字適性に優れた感熱記録体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】無色ないしは淡色の塩基性染料と有機ま
たは無機の呈色剤との呈色反応を利用し、熱により両発
色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体
はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価で
あり、また記録機器がコンパクトで、且つその保守も容
易なため、ファクシミリや各種計算機等の記録媒体とし
てのみならず巾広い分野において使用されている。
【0003】用途の拡大に伴って、支持体が紙だけでは
なく、フィルムや合成紙のものも多く作成されている。
その一つとして、医療用、OHP用あるいは、製図用と
して、透明フィルムを支持体とした透明性の高い感熱記
録フィルムがある。感熱記録フィルムの透明性を高める
ために、記録層や保護層などに添加される粒子状の材料
を微粒子化したり、或いは接着剤の割合を増加したりす
る方法があるが、透明性が十分ではないのが現状であ
る。
【0004】また、特開昭59−106992号に発色
剤層や呈色剤層を真空蒸着により、積層化させる技術が
述べられているが、透明度、保存性、印字適性が十分で
ない。また、特開平4−239688号に染料および呈
色剤を溶剤系と水性系の組み合わせで塗工する方法が述
べられているが、透明性が不十分であったり、感度が劣
るという欠点があった。
【0005】特開平9−66673号に感熱記録層が蒸
着法で形成され、保護層がその上に形成される方法が述
べられているが、感熱記録層の密着が不十分であった
り、記録時の印字適性に欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、透明
性、印字適性に優れる感熱記録体を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明な支持体
上に感熱記録層、保護層を順次設けた感熱記録体におい
て、感熱記録層が少なくとも呈色剤を含む層と塩基性染
料を含む層の2種の層より構成され、その内の少なくと
も一層が蒸着法で設けられたものであり、かつ感熱記録
層と保護層の間に、全固形の80%以上が水性系樹脂で
ある中間層を設けたことを特徴とする感熱記録体に係わ
る。
【0008】さらに、感熱記録層の少なくとも一層を溶
剤塗工法で設けることで、より優れた感熱記録体が得ら
れる。また、中間層の水性樹脂としてTg30℃以下の
アクリル系樹脂を使用することでさらに優れた感熱記録
体が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者等は、透明な支持体上
に、呈色剤を含む層と塩基性染料を含む層の少なくとも
2種の層より構成される感熱記録層と、その上に、保護
層を順次設けた感熱記録体において、感熱記録層の少な
くとも一層を蒸着法で設け、かつ感熱記録層と保護層の
間に、全固形の80%以上が水性系樹脂である中間層を
設けることで、透明性、印字適性に優れる感熱記録体が
得られることを見いだした。
【0010】ここで中間層は感熱記録層と接着性が高い
配合物で構成され、保護層は感熱ヘッドでの記録時に感
熱ヘッドとのマッチングが優れた配合物で構成されてい
る場合に印字適性に優れた感熱記録体が得られることを
見出した。また、感熱記録層の内少なくとも一層を蒸着
法で設け、さらに少なくとも一層を溶剤塗布法でもうけ
ることにより、より優れた感熱記録体が得られることを
見いだした。また、中間層の水性樹脂としてTgが30
℃以下のアクリル系樹脂を使用することにより、さらに
優れた感熱記録体が得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0011】本発明で使用される蒸着法としては、抵抗
加熱、誘導加熱、電子ビーム加熱などによる真空蒸着等
が採用できる。またプラズマ発生状態下に呈色剤を含む
層または塩基性染料を含む層およびその他の感熱層を構
成する材料を蒸着させるプラズマ併用蒸着により、蒸着
膜の結晶性の制御や膜強度の向上が可能である。蒸着法
の条件としては、プラズマを使用しない場合は真空度1
×10-2Torrより高真空下で、プラズマを使用する
際は1Torrより高真空下で蒸着を行う方法が望まし
い。プラズマの発生方法としては種々あるが、直流プラ
ズマ法、高周波プラズマ法、マイクロ波プラズマ法等を
挙げることができる。特に高周波プラズマ法が取扱いの
容易さより好ましく、導入ガスとしては、例えばヘリウ
ム、アルゴン等の不活性ガス、N2 、O2 、H2 、CO
2 及び混合ガス、空気等が挙げられる。ガス流量や印加
するエネルギー量の大きさなどはプラズマが発生する条
件であれば特に限定されるものではないが、結晶性、膜
強度、蒸着膜の変色度合い、および記録濃度のバランス
が最良となるように調整することが好ましい。
【0012】本発明において感熱記録層を形成する方法
として蒸着法以外に有機溶剤を用いた溶剤塗工法がある
が、感熱層を構成する材料や接着剤を溶解させる有機溶
剤としては、例えば炭化水素類、ハロゲン化炭化水素
類、アルコール類、エーテル類、アセタール類、ケトン
類、エステル類等が、単独あるいは混合有機溶剤として
使用される。
【0013】本発明で使用される炭化水素類の具体例と
しては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペ
ンタン、石油エーテル、ナフタレン等が、ハロゲン化炭
化水素類の具体例としては、例えばクロロホルム、塩化
メチレン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン等が、アルコール類の具体例としては、例えばメタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール等が、エーテル類の具体例としては、例
えばエチルエーテル、イソプロピルエーテル等が、アセ
タール類の具体例としては、例えばジエチルアセタール
等が、ケトン類の具体例としては、例えばアセトン、メ
チルエチルケトン、ジエチルケトン等が、エステル類の
具体例としては、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、プロ
ピオン酸メチル等が挙げられるが、勿論これらに限定さ
れるものではない。
【0014】溶剤塗工の際に使用される接着剤は、有機
溶剤に可溶な樹脂であれば特に限定するものではない
が、特に熱可塑性樹脂が好ましく使用され、上述の如き
有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂がより好ましく使用さ
れ、その具体例として、例えば(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリ
ルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリ
ル酸等の(メタ)アクリル系モノマー、及びこれらアク
リル系モノマーに共重合可能なイタコン酸、マレイン
酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレ
ン、エチレン、プロピレン、ブタジエン等の共重合可能
なエチレン性不飽和結合を有するモノマー類を単独ある
いは共重合させ、必要に応じて加水分解、アセタール化
等の変性処理を施して得られるアクリル系樹脂、ポリス
チレン類、ポリα−メチルスチレン類、塩ビ・酢ビコポ
リマー、エチレン・酢ビコポリマー、ポリビニルアセタ
ール樹脂等、また、ニトロセルロース等のセルロース系
ポリマー、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
クマロン系樹脂、ナイロン系樹脂等があげられるが、勿
論これらに限定されるものではなく、二種以上の樹脂の
併用も可能である。
【0015】使用する接着剤の使用量としては、特に限
定するものではないが、塗工液の全固形量に対して0.
5から90重量%、好ましくは1〜60重量%の範囲で
調節するのが望ましい。本発明で使用される無色ないし
淡色の塩基性染料としては、各種公知のものを使用する
ことができ、かかる具体例としては、例えば3,3−ビ
ス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフ
ェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−
ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジ
ベンジルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン等の青発色性
染料:3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7
−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料:3,6
−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラ
クタム、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオ
ラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム、ローダミ
ン(p−クロロアニリノ)ラクタム、3−ジエチルアミ
ノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−p
−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチル
アミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−(N−エチ
ル−N−イソアミル)アミノ−ベンゾ〔a〕フルオラ
ン、3,3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)フタリド、2−(4−ドデシルオキ
シ−3−メトキシスチリル)キノリン等の赤発色性染
料:3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−
N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペン
チル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミ
ノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−
(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−(o−フルオロフェニルアミノ)フルオ
ラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−フルオ
ロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p
−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル
−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチ
ル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−
N−n−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−
7−m−トルイジノフルオラン、3−(N−n−ヘキシ
ル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチル)アミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−メチル−7−p−エトキシアニリノフルオ
ラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘ
キシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フ
タリド−3,9’−キサンテン−2’−イル−アミノ〕
フェニル}プロパン、3−ジエチルアミノ−7−(3’
−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の
黒発色性染料:3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェ
ニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン
−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリ
ド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1
−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス
〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−
2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、
3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6
−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロ
ロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオ
ラン、2,4−ジメチル−6’−{〔4−(N,N−ジ
メチルアミノ)フェニル〕アミノ}−スピロ〔イソベン
ゾフラン−1(3H),9’−〔9H〕キサンテン〕−
3−オン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン
−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリ
ド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられ
る。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要
に応じて二種以上を併用することもできる。
【0016】本発明で使用される呈色剤は、例えば4,
4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒ
ドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息
香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4
−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホ
ン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフ
ェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’
−メチルフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキ
シフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒ
ドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシ
フェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−
メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベ
ンゼン、1,3−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒド
ロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、ジ(4−ヒドロキ
シ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2’−チオ
ビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2'
−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)等の
フェノール性化合物:N,N’−ジ−m−クロロフェニ
ルチオウレア等のチオ尿素化合物:p−クロロ安息香
酸、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキ
シ〕サリチル酸、4−〔3−(p−トリルスルホニル)
プロピルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メ
トキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳
香族カルボン酸、およびこれら芳香族カルボン酸の亜
鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタ
ン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、更
にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタル
アルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩
等:下記一般式(1)によって表されるアリールスルホ
ニルアミノカルボニルアミノ基を有する化合物等があげ
られる。
【0017】
【化1】
【0018】(但し、R1 は無置換の、あるいは低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基およびハロゲン原子から選
ばれた少なくとも1員により置換された芳香族基を表
す。)一般式(1)によって表される化合物は、例えば
(1)1個のアリールスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ基を有するものとしてN−(p−トルエンスルホニ
ル)−N' −フェニル尿素、N−(p−トルエンスルホ
ニル)−N' −(p−メトキシフェニル)尿素、N−
(p−トルエンスルホニル)−N' −(o−トリル)尿
素、N−(p−トルエンスルホニル)−N' −(m−ト
リル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N' −
(p−トリル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)
−N' −(p−エチルフェニル)尿素、N−(p−トル
エンスルホニル)−N' −(p−n−プロピルフェニ
ル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N' −
(p−n−ブチルフェニル)尿素、N−(p−トルエン
スルホニル)−N' ,N' −ジフェニル尿素、N−(p
−トルエンスルホニル)−N' −(p−ヒドロキシフェ
ニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N' −
(o−クロロフェニル)尿素、N−(p−トルエンスル
ホニル)−N' −(m−クロロフェニル)尿素、N−
(p−トルエンスルホニル)−N' −(2,4−ジクロ
ロフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−
N' −メチル−N' −フェニル尿素、N−(p−トルエ
ンスルホニル)−N' −ベンジル尿素、N−(p−トル
エンスルホニル)−N' −(1−ナフチル)尿素、N−
(p−トルエンスルホニル)−N' −(1−(2−メチ
ルナフチル))尿素、N−(ベンゼンスルホニル)−
N' −フェニル尿素、N−(p−クロロベンゼンスルホ
ニル)−N' −フェニル尿素、N−(o−トルエンスル
ホニル)−N' −フェニル尿素、N−(p−トルエンス
ルホニル)−N' −メチル尿素、N−(p−トルエンス
ルホニル)−N' −エチル尿素、N−(p−トルエンス
ルホニル)−N' −(2−フェノキシエチル)尿素、
N,N' −ビス(p−トルエンスルホニル)尿素、N−
(p−トルエンスルホニル)−N' −(o−ジフェニ
ル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N' −
(p−エトキシカルボニルフェニル)尿素、N−(p−
トルエンスルホニル)−N' −ブチル尿素、N−(p−
クロロベンゼンスルホニル)−N' −プロピル尿素、N
−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N' −フェニ
ル尿素等:(2)2個以上のアリールスルホニルアミノ
カルボニルアミノ基を有するものとしてビス(p−トル
エンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ケトン、1,
2−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルア
ミノ)エタン、1,1,6,6−テトラ(p−トルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)ヘプタン、1,5
−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)−3−オキサペンタン、1,5−ビス(p−トルエ
ンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−3−チオペン
タン、1,3−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)− 2−プロパノン、1,5−ビス
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−
3−(2' −(p−トルエンスルホニルアミノカルボニ
ルアミノ)エチル)−3−アザペンタン、1,3−ビス
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノメチ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノメチル)ベンゼン、4,4' −
ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ジフェニルメタン、4,4' −ビス(o−トルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタ
ン、4,4' −ビス(ベンゼンスルホニルアミノカルボ
ニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4' −ビス(1−
ナフタレンスルホニルアミルカルボニルアミノ)ジフェ
ニルメタン、2,2−ビス(4' ,4''−(p−トルエ
ンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニル)プロ
パン、1,2−ビス(4' −(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)フェニルオキシ)エタン、
2,5−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニ
ルアミノメチル)フラン、1,3−ビス(p−トルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)ベンゼン、1,4
−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ベンゼン、1,5−ビス(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)ナフタレン、1,8−ビス
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ナ
フタレン、4,4' −ビス(p−トルエンスルホニルア
ミノカルボニルアミノ)ジフェニルエーテル、3,3'
−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ジフェニルスルホン、2,4−ビス(p−トルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)トルエン、2,6
−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)トルエン、4,4'−ビス(p−トルエンスルホニ
ルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルフィド、お
よび3,4' −ビス(p−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)ジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0019】これらの呈色剤は単独で用いられてもよ
く、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。なお、
感熱層に用いられる材料と接着剤からなる溶剤塗工層に
は塗膜の物性や発色特性、保存性を向上するために下記
に例示される顔料、架橋剤、増感剤、保存性改良剤、紫
外線吸収剤等を含有さることもできる。また蒸着法によ
り感熱層に用いられる材料を蒸着する際、増感剤、保存
性改良剤、紫外線吸収剤等を同じ蒸着源から蒸発させ
る、または別々の蒸着源から同時に蒸発させ共蒸着させ
ることも可能である。
【0020】なお、感熱層の形成に関し、溶剤塗工法を
用いる場合は、有機溶剤に溶解された感熱材料と接着剤
とからなる層は、支持体のすぐ上に設ける必要がある
が、その上に蒸着法により感熱材料を多層設けてもよ
く、さらに増感剤、保存性改良剤、紫外線吸収剤等の層
を蒸着法により多層設けることも可能である。すべての
層を蒸着法により形成する場合は特別に層形成の順序は
限定する必要はなく、呈色剤、塩基性染料を必須成分と
して、増感剤、保存性改良剤、紫外線吸収剤等を何層に
も積層することが可能である。
【0021】顔料としては、カオリン、クレー、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、焼
成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、タルク、酸化亜
鉛、シリカ等の無機顔料や、スチレンマイクロボール、
ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素ホルマ
リン樹脂フィラー、生デンプン粒子、シリコンパウダー
等の有機顔料等が挙げられる。
【0022】架橋剤としては、グリオキザール、ジアル
デヒドデンプン等のジアルデヒド系化合物、ポリエチレ
ンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、
ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、グリセリンジグリシジ
ルエーテル等のジグリシジル系化合物、ジメチロールウ
レア化合物、アジリジン化合物、イソシアネート化合
物、及び過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化マグネ
シウム、炭酸ジルコニウム塩化合物等の無機化合物を用
いることができる。
【0023】増感剤の具体例としては、例えばステアリ
ン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベ
ンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−
エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸
ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオ
クチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベン
ジルエーテル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジ
ル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ
−p−クロロベンジル、p−ベンジルビフェニル、p−
トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキ
シエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキ
シ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタ
ン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、
1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−
ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)
−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、1−(4−メ
トキシフェノキシ)−2−フェノキシエタン、p−メチ
ルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニ
ルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフ
ェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ
(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニル
オキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル
−2−フェニルエタン、ベンズアニリド等が挙げられ
る。
【0024】保存性改良剤としては、例えば2,2’−
メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェ
ノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−
tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン
ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、
4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチ
ルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−te
rt−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−
α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−
〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチ
ル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオ
ビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスル
ホン、4,4'−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−
テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)プロパン等のフェノール化合
物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−
ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジル
オキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェ
ニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポ
キシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニ
レンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−
tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウム
または多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニ
ルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。勿論これら
に限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上
を併用することも可能である。
【0025】紫外線吸収剤としては、例えばフェニルサ
リシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレー
ト、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸
系紫外線吸収剤:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、
2,2' −ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤:2−(2' −ヒド
ロキシ−5' −メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−tert−
ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラ
メチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2
−イル)フェノール]、2−(2' −ヒドロキシ−5'
−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2' −ヒドロキシ−3' −tert−ブチル−5'
−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−[2' −ヒドロキシ−3' −(3”,4”,5”,
6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5' −メチ
ルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロ
キシ−5' −tert−オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−
tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−
[2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ビス(α,α−ジメ
チルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2' −ヒドロキシ−3' −tert−ブチル
−5' −メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2' −ヒドロキシ−3' −ドデシル−5'
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2' −
ヒドロキシ−4' −(2''−エチルヘキシル)オキシフ
ェニル]ベンゾトリアゾール、5−tert−ブチル−
3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−4−ヒドロキシベンゼン−プロピオン酸オクチ
ル、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H
−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフ
ェノル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分
子量約300)との縮合物、2−(2' −ヒドロキシ−
3' ,5' −sec−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:2−エチ
ルヘキシル−2−シアノ−3,3' −ジフェニルアクリ
レート、エチル−2−シアノ−3,3' −ジフェニルア
クリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤等が
挙げられる。なかでも比較的長波長の紫外領域まで強い
吸収を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ま
しく用いられる。勿論これらに限定されるものではな
く、また必要に応じて2種以上を併用することも可能で
ある。
【0026】本発明の感熱記録体に設ける中間層は感熱
記録層と保護層の間に形成される。中間層の主成分とな
る樹脂としては水性系樹脂が用いられ、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エス
テル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニト
リル、(メタ)アクリル酸等のアクリル系モノマー及び
これらアクリル系モノマーに共重合可能なイタコン酸、
マレイン酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニ
ル、スチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエン等の
エチレン性不飽和結合を有するモノマー類を共重合さ
せ、必要に応じて加水分解、アセタール化等の変性処理
を施して得られるアクリル系樹脂; 酸化デンプン、酵
素変性デンプン、カチオン変性デンプン、エステル化デ
ンプン、エーテル化デンプン等のデンプン類、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系
樹脂、完全(または不完全)鹸化ポリビニルアルコー
ル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセ
チル化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアル
コール等のポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリ
ドン、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、
イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、カ
ゼイン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリエステル
系樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、
スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等が挙げら
れる。これらの樹脂のうち、特にアクリル系樹脂が感熱
記録層と保護層の密着性および記録時の印字適性に優れ
るため好ましく用いられ、より好ましくは樹脂のTgを
30℃以下とすることにより感熱層と保護層の密着性が
さらに向上する。
【0027】上記主成分となる樹脂の使用量としては、
中間層の全固形量に対して樹脂量が80重量%未満の場
合は、感熱層との接着力が不十分となる可能性があるた
め、中間層の全固形量に対して樹脂量を80〜100重
量%の範囲で使用するのが望ましい。本発明の感熱記録
体に設ける保護層の主成分となる樹脂としては水性系樹
脂が用いられ、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル
等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸
等のアクリル系モノマー及びこれらアクリル系モノマー
に共重合可能なイタコン酸、マレイン酸、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、エチレン、プ
ロピレン、ブタジエン等のエチレン性不飽和結合を有す
るモノマー類を共重合させ、必要に応じて加水分解、ア
セタール化等の変性処理を施して得られるアクリル系樹
脂; 酸化デンプン、酵素変性デンプン、カチオン変性
デンプン、エステル化デンプン、エーテル化デンプン等
のデンプン類、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース等のセルロース系樹脂、完全(または不完全)鹸
化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルア
ルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、珪
素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール
類、ポリビニルピロリドン、スチレン・無水マレイン酸
共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共
重合体アルカリ塩、カゼイン、ポリ酢酸ビニル、ポリウ
レタン、ポリエステル、スチレン・ブタジエン共重合
体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共
重合体等が挙げられる。
【0028】上記主成分となる樹脂の使用量としては、
保護層の全固形量に対して、20〜98重量%の範囲で
調整するのが望ましい。20%未満では膜強度が劣った
り、顔料等の添加物に対するバインディング力が低下す
る可能性があり、98%を越すと印字適性が不良となる
可能性がある。中間層、保護層中には上記の樹脂以外に
必要に応じて他の樹脂、顔料、架橋剤、滑剤等を含有さ
せることができる。
【0029】使用する顔料としては、カオリン、クレ
ー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミ
ニウム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、タル
ク、酸化亜鉛、シリカ等の無機顔料や、スチレンマイク
ロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、
尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子、シリ
コーンパウダー等の有機顔料等が挙げられる。
【0030】架橋剤としては、グリオキザール、ジアル
デヒド澱粉等のジアルデヒド系化合物、ポリエチレンイ
ミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリ
アミド樹脂、メラミン樹脂、グリセリンジグリシジルエ
ーテル等のジグリシジル系化合物、ジメチロールウレア
化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化
合物、並びに、過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、およ
び塩化マグネシウム等のような無機化合物を0〜20%
の範囲で用いることができる。使用する滑剤としては、
例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワッ
クス、エステルワックス等のワックス類、ラウリルリン
酸エステル、オレイルリン酸エステル、ステアリルリン
酸エステル等のアルキルリン酸エステルおよびそのアル
カリ金属塩、モノミリスチン酸グリセリル、モノステア
リン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジステ
アリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のグリ
セリン脂肪酸エステル、モノラウリル酸ジグリセリル、
ジラウリル酸ジグリセリル、モノラウリル酸テトラグリ
セリル、モノラウリル酸ヘキサグリセリル、モノラウリ
ル酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、シリコーンオイル等が有り、その中から減感作用、
消色作用、地発色作用のないものを選択する必要があ
る。中間層、保護層の塗工液は、水あるいは水と有機溶
剤との混合溶媒を分散媒体とし、樹脂、顔料、滑剤等を
混合・攪拌して調製される。かかる塗工液中には、必要
に応じて分散剤、消泡剤、着色染料、蛍光染料、架橋
剤、紫外線吸収剤等の助剤等を加えることができる。
【0031】感熱記録層の溶剤塗工層、中間層および保
護層の形成方法については特に限定されず、例えばエア
ーナイフコーティング、バリバーブレードコーティン
グ、ピュアーブレードコーティング、ロッドブレードコ
ーティング、ショートドウェルコーティング、カーテン
コーティング、ダイコーティング、グラビアコーティン
グ等の適当な塗工方法により形成される。
【0032】中間層の塗工液の塗工量は乾燥重量で0.
2〜7g/m2 、保護層用の塗工液の塗工量は、乾燥重
量で0.5〜10g/m2 程度の範囲で調節される。な
お、支持体としては、厚さ4〜250μm、好ましくは
20〜200μmの透明なプラスチックフィルムを適宜
選択して使用される。プラスチックフィルムとしては特
に限定されず三酢酸セルロースフィルム等のセルロース
誘導体のフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等
のポリエステル系のフィルム、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニル
フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアミド系
フィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルスルホ
ンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポ
リエーテルイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイ
ドフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリエステル
エーテルフィルム、ポリアミドイミドフィルム、フッ素
樹脂フィルム、ポリウレタンフィルム、アクリル系フィ
ルム、ポリビニルブチラールフィルム、ポリスチレンフ
ィルム、ポリビニルアルコールフィルム等をはじめと
し、その他合成樹脂系の透明フィルムを単体で、あるい
は貼り合わせて用いることができる。
【0033】なお、必要に応じて保護層上および/また
は感熱記録シートの裏面に樹脂層を設けることによっ
て、更に感熱記録像の保存性を高めることも可能であ
る。また、裏面に粘着剤付加処理を施して粘着ラベルに
加工したり、磁気層を設けるなどして、感熱記録体製造
分野における各種の公知技術を適用し得るものである。
勿論、感熱記録層、保護層形成後にスーパーキャレンダ
ー処理を施し、画質や画像濃度を向上させることもでき
る。
【0034】なお、保護層の上に、電子線照射によって
硬化する樹脂を含有する塗料を塗工して硬化することに
より、より一層の光沢度のアップが図られ、更に発色濃
度のアップや耐可塑剤性、耐水性等の印字保存性の改良
が可能となる。電子線硬化樹脂としては例えば(A)ラ
ジカル重合性単官能モノマー:アクリル酸、アクリル酸
エチル、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフ
リルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ト
リロキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチル
アクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルア
クリレート、1,3−ジオキソランアクリレート、フェ
ニキシジエチレングリコールアクリレート、ベンジルア
クリレート、ブトキシエチルアクリレート、シクロヘキ
シルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、
ジシクロペンテニルアクリレート、グリシジルアクリレ
ート、カルビトールアクリレート、イソボルニルアクリ
レート等。(B)ラジカル重合性多官能モノマー:1,
6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、
ジシクロペンタニルジアクリレート、ブチレングリコー
ルジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピ
レンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリ
メチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラアクリレート等。(C)ラジカル重
合性オリゴマー(プレポリマー):ポリエステル(ポ
リ)アクリレートやウレタン(ポリ)アクリレート、エ
ポキシ(ポリ)アクリレート、ポリオール(ポリ)アク
リレート等が挙げられる。
【0035】電子線によって硬化する樹脂の塗工量につ
いては、必ずしも限定されるものではないが、0.1g
/m2 未満では本発明の所望の効果を期待できず、20
g/m2 を越えるような塗工量では、記録濃度が著しく
低下してしまう恐れがあるため、0.1〜20g/
2 、より好ましくは0.5〜10g/m2 程度の範囲
で調節するのが望ましい。
【0036】電子線硬化型樹脂成分中には、上記の如き
プレポリマーやモノマーの他に、必要に応じて、例えば
顔料、消泡剤、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、可塑
剤などの添加剤を適宜添加することができる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の部および%は、特に断らない限りそれぞれ重
量部および重量%を示す。 実施例1 ・中間層用塗工液の調製 ポリビニルアルコール(商品名:PVA235、クラレ
社製)の5%水溶液100部とジオクチルスルホコハク
酸ソーダの10%水溶液0.5部からなる組成物を混合
攪拌して中間層用塗工液を得た。 ・保護層用塗工液の調整 固形分20%のアクリル系樹脂(商品名:バリアスター
B−1000、三井東圧化学製)100部、固形分31
%の架橋剤(商品名:ユーラミンP 5600、三井東
圧化学社製)6部、ジオクチルスルホコハク酸ソーダの
10%水溶液3部、固形分20%のステアリン酸亜鉛分
散液5部、固形分40%のシリコーン系樹脂(商品名:
サイマックUS−220E、東亜合成社製)0.05
部、水80部からなる組成物を混合攪拌して、保護層用
塗工液を得た。 ・呈色剤塗工液の調製 4,4' −イソプロピリデンジフェノール9部、ポリビ
ニルブチラール樹脂(商品名:デンカブチラール #3
000−K、電気化学社製)6部からなる組成物質をエ
タノール40部、トルエン45部に溶解し、塗工液を得
た。 ・感熱記録層の形成 ポリエステルフィルム(商品名:ルミラーT60、東レ
社製、厚さ100μm)上に、上記の呈色剤塗工液を乾
燥後の塗工量が5g/m2 となるように塗工乾燥後、そ
の上に塩基性染料3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン(融点180℃)を真空
蒸着し、膜厚1000nmの塩基性染料の膜を形成し
た。 ・中間層の形成 上記の蒸着された塩基性染料膜の上に、上記の中間層用
塗工液を乾燥後の重量が1.0g/m2となるように塗
工乾燥し、中間層を形成した。 ・保護層の形成 上記の中間層上に、上記の保護層用塗工液を乾燥後の塗
工量が3g/m2 となるように塗工乾燥後、感熱記録体
を得た。 実施例2 実施例1において、4,4' −イソプロピリデンジフェ
ノールの代わりに、N−(p−トルエンスルホニル)−
N’−フェニル尿素を使用し、3−ジ(n−ブチル)ア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わり
に、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオランを使用した以外は、実施例1と同様にして感熱
記録体を得た。 実施例3 実施例2において、呈色剤塗工層と塩基性染料の膜の間
に、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンを真空
蒸着し、膜厚500nmの増感剤の膜を形成した以外
は、実施例2と同様にして感熱記録体を得た。 実施例4 実施例3において、下記の中間層用塗工液を用いた以外
は、実施例3と同様にして感熱記録体を得た。 ・中間層用塗工液の調製 Tgが30℃以下のアクリル系樹脂(商品名:ポリゾー
ルAM2250、昭和高分子社製、固形分52%)10
0部とジオクチルスルホコハク酸ソーダの10%水溶液
5部からなる組成物を混合攪拌して中間層用塗工液を得
た。 実施例5 実施例4において、下記の保護層用塗工液を用いた以外
は、実施例4と同様にして感熱記録体を得た。 ・保護層用塗工液の調製 アセトアセチル化ポリビニルアルコール(商品名:Z2
10、日本合成化学社製)11%水溶液30部、固形分
20%のコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス
O、日産化学社製)30部、ジオクチルコハク酸ソーダ
の10%水溶液1部、固形分20%のステアリン酸亜鉛
分散液1.8部、5%グリオキザール水溶液1部からな
る組成物を混合攪拌して、保護層用塗工液を得た。 実施例6 実施例5において、呈色剤としてN−(p−トルエンス
ルホニル)−N’−フェニル尿素を用い、呈色剤の層を
溶剤塗工のかわりに真空蒸着により2000nm形成し
たこと以外は実施例5と同様にして感熱記録体を得た。 実施例7 実施例6において、呈色剤の層を形成する際、アルゴン
プラズマの発生下にて蒸着した以外は実施例6と同様に
して感熱記録体を得た。 比較例1 実施例1において中間層を設けなかったこと以外は、実
施例1と同様にして感熱記録体を得た。 比較例2 実施例4において中間層を設けなかったこと以外は、実
施例4と同様にして感熱記録体を得た。
【0038】かくして得られた9種類の感熱記録体につ
いて、以下の評価試験を行い、その結果を表1に記載し
た。 [評価] [記録濃度]感熱プリンター[商品名:UP−860、
ソニー社製]で記録を行い、得られた記録像の濃度を透
過濃度計[TD−904、マクベス社製]にて測定し
た。 [印字適性]上記感熱プリンターにて印字した際の表面
のダメージ状態を観察した。 [感熱記録体の透明性:ヘイズ値]感熱記録体のヘイズ
値をヘイズメーター[商品名:TC−H1V、東京電色
社製]を用いて測定した。 [密着性]感熱記録体表面にセロテープを貼り付け、剥
がした際の感熱記録体の破壊状態を観察する。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、透明基
材上に溶剤塗工法および/または蒸着法により感熱記録
層を設け、感熱記録層と保護層の間に水性樹脂よりなる
中間層を設けることにより透明性が高く、印字適性にす
ぐれ、保護層の密着性に優れた感熱記録体が得られた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な支持体上に感熱記録層、保護層を順
    次設けた感熱記録体において、感熱記録層が呈色剤を含
    む層と塩基性染料を含む層の少なくとも2種の層より構
    成され、その内の少なくとも一層が蒸着法で設けられた
    ものであり、かつ感熱記録層と保護層の間に、全固形の
    80%以上が水性系樹脂である中間層を設けたことを特
    徴とする感熱記録体。
  2. 【請求項2】感熱記録層の少なくとも一層が溶剤塗工法
    で設けられた請求項1記載の感熱記録体。
  3. 【請求項3】中間層の水性樹脂がTg30℃以下のアク
    リル系樹脂である請求項1または2記載の感熱記録体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014218024A (ja) * 2013-05-09 2014-11-20 大阪シーリング印刷株式会社 感熱記録体
US9878567B2 (en) 2013-11-15 2018-01-30 Osaka Sealing Printing Co., Ltd. Thermal recording sheet
US9902131B2 (en) 2013-07-26 2018-02-27 Osaka Sealing Printing Co., Ltd. Transparent adhesive sheet
US10005306B2 (en) 2014-07-14 2018-06-26 Osaka Sealing Printing Co., Ltd. Thermosensitive recording body

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