JP6202597B2 - 無線通信システム - Google Patents
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Description
また、無線通信の方式が例えばTDMA(Time Division Multiple Access)方式の場合には、無線回線は複数の通信スロット(チャネル)に分割され、統制局の回線制御装置が通信要求に応じて通信スロットを割り当てて通信が確立される。
例えば、特許文献1には、トラフィック増大時のスロット割り当てに関する発明が開示されている。
従来の防災無線システムでは、システムを管理、統制する指令者が操作する統制局(台)が強制切断機能を備え、重要な通信を行うために他の通信を強制的に切断できるようにしていた。
また、一つの基地局を複数のグループが共用し、一つの基地局に複数の統制局が無線または有線で接続されるシステムを構築する場合には、どの通信を優先するかを公平性も考慮して確立しなければならない。
そこで、本発明は、重要な通信を公平に優先して確立できるようにすることを目的とする。
以下では、無線通信システムの一例として、図1及び図2に例示した基地局共用型の防災無線システムを参照して説明する。
ここで、基地局共用型とは、異なるグループが基地局を共用するものであり、例えば県とその県内の市町村とが互いに基地局を共同して運用するシステムをいう。
図2には、図1の防災無線システムにおける県統制局20、市無線統制局50、県固定端末局40、移動局30(県の移動局30a及び市の移動局30b)に付随する装置の例を示してある。
県固定端末局40は、親電話機43や子電話機44やFAX45等の外部機器が接続される回線接続制御装置41と、基地局10と無線により通信を行う無線装置42を有している。
ここで、本無線システムでは、基地局10は3つの周波数チャネル(チャネル1〜3)を使用し、各チャネルをそれぞれ4つのスロット(チャネル1:スロットC及びスロット1〜3、チャネル2:スロット4〜7、チャネル3:スロット8〜11)に分割して使用する。平常時、非常時のいずれにおいても、12スロットのうちの1スロットに制御スロットが割り当てられ、残余の11スロットが県と県内の市町村とで共用(先取り利用)される。
通常通信時のスロット1〜11は、都道府県及び市町村共用で、先取り方式でスロットの割り当てが行われる。
非常通信時(非常時チャネル設定モード;専用割当てモード)には、特定の市町村に対して所定数のスロットを非常時スロット(専用スロット)として専用的に割り当て、残余のスロットを共用(先取り利用)する。
本実施形態は、後述の通信種別による通信の優先順位テーブルに基づいて優先順位の低い通信を強制切断し、優先順位の高い通信を行うことである。本実施形態により、D市は通信を行うことができる。
図4において、優先順位は、数値の小さい方が優先度を高くしている。すなわち、優先順位の高い順に、1,2,3・・・となる。図4では“1”の通信種別が高優先順位通信であり、“2”の通信種別が低優先順位通信であり、優先順位が2つの例を示している。なお、本発明において優先順位の数は限定されるものではない。
また、通信名称が“統制通信”で通信形態が“グループ”及び“個別”の場合も、優先順位が1位である。統制通信とは、県庁の統制台21や各市の無線統制局50などの統制権を有する端末局が行う通信であり、対象の端末局30,40は通信中でも自動的に強制切断されて、その統制通信に引き込まれるものである。
なお、個別通信は、端末局30、40間や統制権を有する端末局と端末局30、40間の1対1通信である。グループ通信は端末局30、40間や統制権を有する端末局のいずれか複数の端末局を含むグループ内の通信である。同報通信はあるグループ内の複数の端末局に対する通信である。PBX通信は図示しない構内交換機などを介した個別通信である。
図4の通信種別による通信の優先順位テーブルは、県統制局20(統制局制御装置23)および基地局10が記憶している。
次に、本発明の第1実施形態の回線制御について、図5の強制切断条件テーブルを用いて説明する。
図5(A)は、統制局制御装置23が記憶している強制切断条件テーブルである。この強制切断テーブルは、基地局10の全通信スロット1〜11が使用中である場合に、図4に示す優先度の高い一斉通信または統制通信の通信要求があった場合に使用される。
つまり、図5(A)の強制切断条件テーブルは、基地局10が基地局折返し通信中ではない時に統制局制御装置23が使用するものである。
例えば、統制局制御装置23は、通信要求を受信すると、図4の優先順位テーブルに基づいてその通信要求の通信の優先度が最下位の通信でないか(即ち当該通信よりも優先度が低い通信が存在するか)、及び、スロットに空きがあるか否かを判断する。そして、統制局制御装置23は、通信の優先度が最下位ではなく(本例では優先順位が1)、且つ、スロットに空きが無い場合に、図5(A)の強制切断条件に基づく処理を実行する。
そして、統制局制御装置23は、切断した通信で使用していたスロットを使用して、上記通信要求に係る優先度の高い通信を確立する。
具体的には、上記通信要求を行った端末局等とは異なる他免許人、即ち、他グループ(ここでは県市町村)の非常時スロットを使用していない低優先順位通信があるか否かを判断し、ある場合はその中で最古の(最も以前に通信を開始した)通信を切断する。
そして、統制局制御装置23は、切断した通信で使用していたスロットを使用して、上記通信要求に係る優先度の高い通信を確立する。
このように、統制局制御装置23は、強制切断条件テーブルに基づいて、免許人(グループ)と非常時チャネル設定の有無を考慮して、優先度に応じた通信接続を実行する。つまり、自グループの低優先順位通信が存在した場合は非常時チャネル設定の有無に係わらずその通信を強制切断する一方、他グループの低優先順位通信が存在した場合は非常時チャネル設定の有無に応じて当該低優先順位通信が非常時スロットを使用していなければ強制切断し、非常時スロット使用していれば強制切断対象とはしないように制御する。
具体的には、基地局10は、上記通信要求を行った端末局等と同一免許人、即ち、同一グループ(ここでは県市町村)の低優先順位通信があるか否かを判断し、ある場合はすべての低優先順位通信を切断する。これは、基地局10の基地局折返し通信時には、同一免許人内で図4に示す高優先順位通信が同時2通信以上発生することは考え難いので、同一免許人の全通信を強制切断することで、すべての端末局が高優先順位通信を受信可能な状態とすることができる。
一方、基地局10は、条件1が成立しなかった(同一グループの低優先順位通信が存在しなかった)場合、図5(B)の条件2が成立するか否かを判断する。
具体的には、上記通信要求を行った端末局等とは異なる他免許人、即ち、他グループ(ここでは県市町村)の低優先順位通信があるか否かを判断し、ある場合はその中でスロット番号が最も小さいスロットを使用している通信を切断する。
なお、本実施形態の基地局10は、基地局折返し通信時は、非常時チャネル設定モードは設定することができず、基地局折返し通信前に非常時チャネル設定モードであっても基地局折返し通信が始まるとモード解消されてしまう。
次に、本発明の第2実施形態に係る無線通信システムについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態は、上述した第1実施形態とは異なり、優先度が高い通信(一斉通信、統制通信)の通信要求が発生したときに、通信スロットに空きがある状態であって、その通信の着信先である着信装置(端末局;個別番号及びグループ番号)が話中の場合における回線制御の例である。
なお、本第2実施形態の無線通信システムは図1〜図4に係る構成と同じ構成である。
県統制局20の統制局制御装置23は、新たな通信要求を受信すると(ステップS601)、基地局10のスロットに当該通信要求の通信を行う空きがあるか否かを判断する(ステップS602)。ここで、統制局制御装置23は、空きがないと判断すると(NO)、上述した第1実施形態の図5(A)に基づく回線制御処理を行う(S603)。
しかし、着信装置が話中であった場合(YES)、統制局制御装置23は、新たな通信要求の図4に示す優先順位(優先度)が最下位であるか否か(ここでは、優先順位が“1”の通信であるか否か)を判断する(ステップS606)。
一方、新たな通信要求の優先順位が最下位でなければ(NO)、統制局制御装置23は、新たな通信要求に係る通信がグループ通信であるか(即ち、グループ通信か個別通信か)を判断する(ステップS608)。ステップS608の判定で、グループ通信の場合(YES)はステップS609の処理に進み、個別通信の場合(NO)はステップS613の処理に進む。
このステップS609の判定は、グループ通信対象であって通信中のすべての着信装置に対して行われる。そして、ステップS609の判定においていずれかの着信装置が通信中の通信の優先順位が同位以上の場合(NO)は、統制局制御装置23は、着信装置の通信回線の強制切断は行わず、すなわち、新たな通信要求の通信を確立せず発信装置に対してビジーを応答して(ステップS610)、処理を終了する。
その後、統制局制御装置23は、新たな通信要求に係る高優先度のグループ通信を空きスロットを用いて確立し(ステップS612)、処理を終了する。
また、上記ステップS608において、グループ通信でなく個別通信であった場合(NO)、統制局制御装置23は、新たな通信要求の着信装置が通話中の通信の通信種別の優先順位が、新たな通信要求に係る通信種別の優先順位よりも低か否かを判定する(ステップS613)。
一方、着信装置の通信中通信の優先順位の方が低い場合(YES)は、統制局制御装置23は、ステップS614の処理に進み、新たな通信要求の個別通信の着信装置が通信中の通信を強制切断する。その後、統制局制御装置23は、新たな通信要求に係る高優先度の個別通信を空きスロットを用いて確立し(ステップS615)、処理を終了する。
このように、統制局制御装置23によれば、通信スロットに空きがある状態であって、その通信の着信先である着信装置が話中の場合であっても、高優先度の新たな通信要求を低優先度の通信に対して優先して接続することができる。
基地局10は、基地局折返し通信時に、新たな通信要求を受信すると(ステップS701)、基地局10のスロットに当該通信要求の通信を行う空きがあるか否かを判断する(ステップS702)。ここで、基地局10は、空きがないと判断すると(NO)、上述した第1実施形態の図5(B)に基づく回線制御処理を行う(S703)。
しかし、着信装置が話中であった場合(YES)、基地局10は、新たな通信要求の図4に示す優先順位(優先度)が最上位であるか否か(ここでは、優先順位が“1”の通信であるか否か)を判断する(ステップS706)。
一方、新たな通信要求の優先順位が最上位であれば(YES)、基地局10は、新たな通信要求を発信した端末局(ここでは無線統制局50)が属するグループと同じグループに属する端末局のすべての通信中の通信について強制切断を行う(ステップS708)。これは、同一グループ内で高優先度(優先順位が“1”)の通信が同時2通信以上発生しないという、本実施形態の理由に基づいている。このように優先度が最も高い通信要求があった場合に、基地局10がその通信の属するグループのすべての通信を強制切断することにより、最高優先度の通信を確実にそのグループ内で確立することができる。
このように、基地局10によれば、通信スロットに空きがある状態であって、その通信の着信先である着信装置が話中の場合であっても、高優先度の新たな通信要求を低優先度の通信に対して優先して接続することができる。
以上本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は柔術した実施形態の無線通信システムに限定されるものではなく、上記以外の無線通信システムに広く適用することができることは言うまでもない。
上述したように、第1及び第2実施形態は組み合わせて実施できる。つまり、優先度の高い通信種別の新たな通信要求があった場合に、基地局10に空きスロットがなければ上記図5の強制切断条件に基づく回線制御が統制局制御装置23または基地局10によって実行される。一方、基地局10に空きスロットがある場合であって当該新たな通信要求の着信先の端末局が話中の場合は上記図6または図7に基づく回線制御が統制局制御装置23または基地局10によって実行される。なお、一方、基地局10に空きスロットがある場合であって当該新たな通信要求の着信先の端末局が話中でない場合には、その空きスロットを用いて当該新たな通信要求の確立が統制局制御装置23または基地局10によって実行される。
さらに、上述した実施形態では、無線通信システムが基地局を複数のグループが共用する基地局共用型を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
Claims (1)
- 複数の端末局と、これら複数の端末局と無線通信を行う基地局と、この基地局に接続された統制局とを備え、前記端末局間または前記端末局と前記統制局とが複数の通信態様で通信を行うとともに、前記複数の端末局がグループ分けされ、各グループ内の端末局同士が前記基地局を介して無線通信を行うように構成された無線通信システムであって、
前記統制局は、前記通信態様の優先度に応じた第1強制切断条件を保持し、前記基地局の通信チャネルが全て使用中の場合に新たな通信要求があった場合には前記第1強制切断条件に応じて回線制御を行い、
前記基地局は、前記統制局との接続状態の異常を検出すると基地局折返し通信を行うとともに、前記通信態様の優先度に応じた前記第1強制切断条件とは異なる第2強制切断条件を保持し、前記基地局折返し通信時であって通信チャネルが全て使用中の場合に新たな通信要求があった場合には前記第2強制切断条件に基づいて、当該新たな通信要求の優先度が高い場合は、当該新たな通信要求を行った端末局が属するグループにおける優先度の低い通信があるか否かを判断し、当該グループにおける優先度の低い通信がある場合には当該グループの優先度が低い通信をすべて強制切断して当該新たな通信要求に基づく通信を確立する一方、当該グループにおける優先度の低い通信がない場合には他のグループにおける優先度の低い通信があるか否かを判断し、前記他のグループにおける優先度の低い通信の一つを強制切断して、当該新たな通信要求に基づく通信を確立することを特徴とする、無線通信システム。
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