JP6201673B2 - スルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法 - Google Patents

スルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法に関する。
有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタは、従来の無機半導体材料を用いた薄膜トランジスタと比較して低温で製造できること、有機半導体材料として高分子化合物を用いることで、インクジェットプリント法およびスピンコート法に代表される湿式プロセスを用いることができることから、簡易な製造プロセスが可能であり、研究開発が盛んに行われている。また、有機半導体材料を含有する活性層と有機絶縁層との組み合わせは、絶縁性、誘電性、平坦性および密着性に優れるため、近年注目されている。
有機絶縁層には、下層の電極層と上層の電極層とを接合するため、スルーホールを形成する必要がある。有機絶縁層のスルーホールの形成には、フォトリソグラフィー法が主に用いられているが、製造プロセスが複雑であるという問題があった。
上記問題を解決するべく、特許文献1には、凹部を有するとともに凹部内に凸部を有し、凸部の上面に撥液性領域を有する凹版を用い、凹部に充填されたペーストを基材に印刷することにより、基材上に、スルーホールを有する有機絶縁膜を形成する製造方法が記載されている
特開2012−243949号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている製造方法には、特殊な形状を有し、特殊な加工がなされた凹版が必要である。また、凹版を用いた印刷方法であるため、凹版に充填された余計なペーストをブレードで剥ぎ取る必要がある。さらには、凹版の形状および材質をブレードでの剥ぎ取りに耐えうるものにする必要があるため、凹版の凹部内に形成された凸部の形状(具体的には、横断面および高さ)を小さくすることが困難であり、微細なスルーホールを有する薄膜の有機絶縁膜を形成することが困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、印刷版に特殊な形状および加工を必要とせず、印刷版にインクを充填した後の剥ぎ取りを必要とせず、微細なスルーホールを有する薄膜の有機絶縁膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法および該製造方法で得られたスルーホールを有する有機絶縁膜を有する有機トランジスタを提供する。
[1] ピラーを有する印刷版に、有機絶縁膜材料を含有し、粘度が5.5mPa・s以下であるインクを塗布することで、有機絶縁膜の膜厚とピラーの高さと比の値が1.0未満である有機絶縁膜を形成する工程と、有機絶縁膜を基材に印刷する工程とを有する、スルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法。
[2] 前記ピラーを有する印刷版を構成する材料の表面自由エネルギーが、25mN/m以下である、[1]に記載のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法。
[3] 前記ピラーの横断面の最も長い径と高さとの比の値が、2.0以上である、[1]または[2]に記載のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法。
[4] 前記ピラーの横断面の最も長い径が10μm以下である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法。
[5] 前記ピラーの高さが5μm以下である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法。
[6] 前記ピラーの横断面が円形または楕円形である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法。
[7] 前記ピラーの横断面が多角形である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法。
[8] 前記ピラーを有する印刷版が、少なくとも1つのピラー集合体を有し、ピラー集合体を構成するピラーの横断面の最も長い径と、ピラー集合体を構成するピラー間の距離との比の値が、0.5以上である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法。
[9] [1]〜[8]のいずれか一項に記載のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法で得られた有機絶縁膜を有する有機薄膜トランジスタ。
本発明によれば、印刷版に特殊な形状および加工を必要とせず、印刷版にインクを充填した後の剥ぎ取りを必要とせず、微細なスルーホールを有する薄膜の有機絶縁膜の製造方法を提供することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタの一例を示すものである。 本発明のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法に用いる印刷版の一例を示すものである。 本発明の有機薄膜トランジスタにおけるアンダーコート層成膜後の一例を示すものである。 本発明の有機薄膜トランジスタにおける導電性薄膜(1層目)パターニング形成後の一例を示すものである。 本発明の有機薄膜トランジスタにおける有機絶縁薄膜パターニング形成後の一例を示すものである。 本発明の有機薄膜トランジスタにおける導電性薄膜(2層目)パターニング形成後の一例を示すものである。 本発明の有機薄膜トランジスタにおける有機半導体層パターニング形成後の一例を示すものである。 本発明の有機薄膜トランジスタにおける保護膜パターニング形成後の一例を示すものである。 本発明の有機薄膜トランジスタにおける上部電極パターニング形成後の一例を示すものである。 本発明のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法において、印刷版上でスルーホールが形成される過程のイメージを示すものである。 実施例1で得られたスルーホールを有する有機絶縁薄膜の顕微鏡写真を示すものである。 実施例1で得られた有機薄膜トランジスタとその一部拡大図を示したものである。 比較例1で得られたスルーホールを有する有機絶縁薄膜の顕微鏡写真を示すものである。
以下、必要に応じて図面を参照することにより、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本明細書において、インクの粘度とは、25℃、1気圧におけるインクの粘度を意味する。
本発明のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法は、有機薄膜トランジスタが有するスルーホールを有する有機絶縁膜を形成する方法である。特に、スルーホールを有するゲート絶縁膜またはスルーホールを有する保護層を、フォトリソグラフィー法ではなく直接印刷法で形成する方法である。
図1に示す有機薄膜トランジスタは、2つのトランジスタと1つのキャパシタンスで構成される2トランジスタ1キャパシタンス(2Tr1C)型の有機薄膜トランジスタであり、表示装置用回路として用いられるものである。この中で、○で示されている箇所が有機絶縁膜におけるスルーホール形成箇所を示している。
図2に示す印刷版のとおり、本発明のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法で用いられる印刷版は、ピラーと、ライン・アンド・スペースパターンと、アライメントマークパターンとが配置されることで構成されている。
次に、図1に示す有機薄膜トランジスタを製造する手順について、図3〜図9を用いて説明する。
まず、基板1上にアンダーコート層2を形成する(図3)。アンダーコート層2としては、例えば、有機絶縁膜層、無機絶縁膜層、有機絶縁膜および無機絶縁膜が積層された層が挙げられ、有機絶縁膜中には無機微粒子が含有されていてもよい。
アンダーコート層2を形成する目的としては、例えば、その上に形成する膜(具体的には、導電性薄膜3)との密着性を改善すること、基板1の凹凸段差をアンダーコート層により平坦化すること、および、大気(主に酸素)および水蒸気が基板1を透過して有機薄膜トランジスタ内に浸透することを防止することが挙げられる。有機薄膜トランジスタに大気および水蒸気に対する高いバリア性が要求される場合は、有機絶縁膜および無機絶縁膜が積層された層を用いることが好ましい。
有機絶縁膜および無機絶縁膜の積層構造を作製するための装置としては、例えば、Vitex systems社製の装置が挙げられる。無機絶縁膜を形成する方法としては、無機絶縁膜材料を含むインクを用いた塗布法により形成する方法、スパッタリング法に代表されるPVD(Physical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法に代表されるCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成する方法が挙げられる。無機絶縁膜材料としては、例えば、SiO、SiN、SiO、Al等に代表される無機酸化物および無機窒化物が挙げられる。一方、有機絶縁膜を形成する方法としては、有機絶縁膜材料を含むインクを用いた塗布法により形成する方法、PVD法のひとつである真空蒸着法により形成する方法、ALD法に代表されるCVD法により形成する方法が挙げられるが、有機絶縁膜材料を含むインクを用いた塗布法により形成する方法が好ましい。有機絶縁膜材料としては、例えば、パリレン、エポキシ樹脂、PS(Polystyrene)樹脂、PVP(Poly-4-vinylphenol)樹脂、PMMA(Poly(methyl methacrylate))樹脂、ポリイミド(PI)樹脂が挙げられる。塗布法により有機絶縁膜を形成する方法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、バーコート法、キャピラリーコート法に代表される塗布成膜法、インクジェット法に代表される無版印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、マイクロコンタクト印刷法、ナノインプリント法に代表される有版印刷法、スクリーン印刷法に代表される孔版印刷法、孔版印刷法と有版印刷法とを組み合わせた印刷法が挙げられる。
アンダーコート層2の厚みは特に限定されないが、基板がフレキシブル基板の場合、アンダーコート層2の厚みは薄い方が好ましい。フレキシブル基板の厚みが50μm以下の場合、アンダーコート層2の厚みが1μm以上になるとフレキシブル基板が反ってしまう可能性があるためである。特に、アンダーコート層2を形成する材料が架橋性材料であり、架橋により体積収縮が発生する材料である場合、フレキシブル基板が反ってしまい、その後のハンドリングに影響する可能性が高い。
ここで、基板1に用いる基板としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板に代表されるリジットな基板、金属ホイル基板、樹脂基板に代表されるフレキシブルな基板が挙げられる。
樹脂基板の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、全芳香族ポリアミド(別名:アラミド)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM、別名:ポリアセタール)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)(例:溶融液晶性全芳香族ポリエステル(基本骨格:パラヒドロキシ安息香酸、ビフェノール、フタル酸))が挙げられる。
次に、アンダーコート層2上に、パターニングされた導電性薄膜3を形成する(図4)。この導電性薄膜3によって、図1に示す2Tr1C型の有機薄膜トランジスタの第1電極および配線が形成される。さらには、この導電性薄膜によって、図1に示す2Tr1C型の有機薄膜トランジスタの外側に形成されている他の2Tr1C型の有機薄膜トランジスタ、2Tr1C型の有機薄膜トランジスタに信号および電源を供給する配線、並びに、外部接続端子等がアンダーコート層上に形成される。
導電性薄膜3を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法に代表されるPVD法、または、導電性膜材料を含むインクを用いた塗布法により導電性薄膜3をアンダーコート層2上に成膜した後、フォトリソグラフィー法により所定の形状にパターニングを実施することにより形成する方法が挙げられる。
導電性薄膜3を形成する材料としては、例えば、Au、Ag、Cu、Mo、W、Ti、Al、Pd、Pt、Ta等の金属、これらの金属の合金、および、これらの金属の化合物が挙げられる。導電性膜を形成する材料としては、導電性が高い材料が好ましい。
また、導電性薄膜3を形成する他の方法としては、例えば、有版印刷法または無版印刷法により、アンダーコート層2上に、所定の形状にパターニングされた導電性薄膜3を直接形成する方法が挙げられる。所定の形状にパターニングされた導電性薄膜3を直接形成することにより、導電性薄膜3を形成する工程を簡略化することができる。
有版印刷法または無版印刷法により、所定の形状にパターニングされた導電性薄膜3を直接形成する場合、種々の導電性膜材料を含むインクを用いることができる。導電性膜材料を含むインクとしては、導電性の高い材料を含むインクが好ましく、例えば、PEDOT/PSS等の導電性高分子化合物を含むインク、無機材料のナノパーティクル微粒子を分散させた微粒子分散インク、銅塩、銀塩等の金属化合物インクが挙げられる。微粒子分散インクに含まれる微粒子としては、例えば、ナノ−Au、ナノ−Ag、ナノ−Cu、ナノ−Pd、ナノ−Pt、ナノ−Ni、ナノ−ITO、ナノ−酸化銀、ナノ−酸化銅が挙げられる。ナノ−酸化銀およびナノ−酸化銅を含む微粒子分散インクには、還元剤が含まれていてもよい。
また、めっき法により導電性薄膜3を形成してもよい。めっき法により導電性薄膜3を形成する方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法、有版印刷法または無版印刷法により、あらかじめ所定の形状にパターニングされためっきプライマー層をアンダーコート層2上に形成しておき、無電解めっき法、または、無電解めっき法と電解めっき法との組合せにより、所定の位置に導電性薄膜3を形成する方法が挙げられる。
導電性薄膜3の膜厚は特に限定されないが、50nm〜1μmであることが好ましく、50nm〜300nmであることがより好ましい。無機材料のナノパーティクル微粒子を分散させた微粒子分散インクを用いて導電性薄膜3を形成する場合、導電性薄膜3の膜厚は、100nm〜300nmであることが好ましく、150nm〜250nmであることがより好ましい。微粒子分散インクに含まれる分散剤成分等の残留や導電性薄膜5の成膜後のベーク処理において、ナノパーティクル微粒子が粒子成長することで導電性薄膜5に含まれるナノパーティクル微粒子が不均一となることにより導電性の阻害が発生する可能性があるため、100nm以下の膜厚では導電性が低下する可能性があるためである。
次に、アンダーコート層2および導電性薄膜3の上に、スルーホールを有する有機絶縁薄膜4を形成する(図5)。この有機絶縁薄膜は、有機薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として機能する。有機絶縁薄膜4の詳細な形成方法については、後述する。
有機絶縁薄膜4としては、高分子化合物を含有する有機絶縁膜が好ましい。この高分子化合物としては、例えば、PS樹脂、PVP樹脂、PMMA樹脂、含フッ素樹脂、PI(Polyimide)樹脂、PC(Polycarbonate)樹脂、PVA(Polyvinyl alcohol)樹脂、および、これらの樹脂に含まれる繰り返し単位を複数含む共重合体が挙げられる。これらの中でも、高分子化合物としては、耐溶剤性に代表されるプロセス耐性および安定性に優れるため、架橋性の高分子化合物が好ましい。
有機絶縁薄膜4の膜厚は特に限定されないが、1nm〜1μmであることが好ましく、200nm〜600nmであることがより好ましく、300nm〜500nmであることが更に好ましい。
スルーホールを有する有機絶縁薄膜4を形成する際に使用するインクの溶媒は、このインクが塗布される下層(具体的には、アンダーコート層2および導電性薄膜3)に対してダメージを与えないものが好ましく、例えば、この下層を溶解し難い溶媒であることが好ましい。以下において説明する各層を形成する工程においても、有機絶縁薄膜4を形成する際の工程と同様に、塗布法により各層を形成する際に使用するインクの溶媒は、このインクが塗布される下層に対してダメージを与えないものが好ましく、例えば、この下層を溶解し難い溶媒であることが好ましい。
次に、導電性薄膜3および有機絶縁薄膜4の上に、パターニングされた導電性薄膜5を形成する(図6)。この導電性薄膜5によって、有機薄膜トランジスタのソース電極およびドレイン電極が形成される。さらには、この導電性薄膜5によって、他の受動素子の電極、配線および外部接続端子等が形成される。
導電性薄膜5は、前述の導電性薄膜3と同様の方法で形成することができる。なお、導電性薄膜5の形成は、導電性薄膜3の形成と同じ方法で形成しても異なる方法で形成してもよい。
導電性薄膜5の膜厚(すなわち、有機薄膜トランジスタのソース電極およびドレイン電極の膜厚)は特に限定されないが、50nm〜1μmであることが好ましく、50nm〜600nmであることがより好ましく、50nm〜500nmであることが更に好ましい。無機材料のナノパーティクル微粒子を分散させた微粒子分散インクを用いて導電性薄膜5を形成する場合、導電性薄膜5の膜厚は、100nm〜600nmであることが好ましく、150nm〜600nmであることがより好ましく、150nm〜300nmであることが更に好ましい。微粒子分散インクに含まれる分散剤成分等の残留や導電性薄膜5の成膜後のベーク処理において、ナノパーティクル微粒子が粒子成長することにより導電性の阻害が発生する可能性があるため、100nm以下の膜厚では導電性が低下する可能性があるためである。
次に、有機絶縁薄膜4および導電性薄膜5の上に、有機半導体層6を形成する(図7)。
有機半導体層6を形成する方法としては、例えば、有機半導体層6が形成されるべき所定の領域にのみ、選択的に有機半導体層6を形成する材料を成膜する方法が挙げられる。具体的には、メタルマスク等に代表されるマスクを介して、真空蒸着法に代表されるPVD法により有機半導体層6を形成する材料を所定の領域にのみ成膜することによって有機半導体層6を形成する。
さらには、有機半導体層6が形成されるべき所定の領域のみ、開口部を有する樹脂膜を形成し、その後、有機半導体層6を真空蒸着法で一面に形成してもよい。この場合、樹脂膜の開口部は、基板1から離間するほどその開口面積が小さくなる逆テーパー形状に形成されていることが好ましい。逆テーパー形状に形成された開口部を有する樹脂膜を用いることにより、開口部内に形成された有機半導体層6と、樹脂膜上に形成された有機半導体層6とが切断されることになり、樹脂膜がセパレーターとして好適に機能するためである。
また、有機半導体層6を形成する他の方法としては、例えば、真空蒸着法に代表されるPVD法、または、有機半導体材料を含むインクを用いた塗布法により有機半導体層6を有機絶縁薄膜4および導電性膜5の上に成膜した後、フォトリソグラフィー法により所定の形状にパターニングを実施することにより形成する方法が挙げられる。
また、有機半導体層4を形成する他の方法としては、例えば、有版印刷法または無版印刷法により、有機絶縁薄膜4および導電性薄膜5の上に、所定の形状にパターニングされた有機半導体層6を直接形成する方法が挙げられる。所定の形状にパターニングされた有機半導体層6を直接形成することにより、有機半導体層6を形成する工程を簡略化することができる。
これらの中では、有版印刷法または無版印刷法により、所定の形状にパターニングされた有機半導体層6を直接形成する方法が好ましい。
有版印刷法または無版印刷法により、所定の形状にパターニングされた有機半導体層6を直接形成する場合、種々の有機半導体材料を含むインクを用いることができるが、高分子有機半導体材料を含むインクを用いることが好ましい。また、有版印刷法または無版印刷法により有機半導体層6を成膜した後に、有機半導体層6のモルフォロジーを制御するためや有機半導体層6に含まれる溶媒を揮発させるために、焼成処理を実施してもよい。有機半導体層6の膜厚は特に限定されないが、5nm〜1000nmであることが好ましく、5nm〜100nmであることが好ましく、10nm〜50nmであることが更に好ましい。
有機半導体材料としては、蒸着により成膜可能な低分子化合物として、例えば、ペンタセン(Pentacene)、銅フタロシアニンが挙げられ、塗布により成膜可能な化合物として、例えば、6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン(6,13-bis(triisopropylsilylethynyl)pentacene(Tips-Pentacene))、13,6−N−スルフィニルアセトアミドペンタセン(13,6-N-sulfinylacetamidopentacene(NSFAAP))、6,13−ジヒドロ−6,13−メタノペンタセン−15−オン(6,13-Dihydro-6,13-methanopentacene-15-one(DMP))、ペンタセン−N−スルフィニル−n−ブチルカルバマート付加物(Pentacene-N-sulfinyl-n-butylcarbamate adduct)、ペンタセン−N−スルフィニル−tert−ブチルカルバマート(Pentacene-N-sulfinyl-tert-butylcarbamate)等に代表されるペンタセン前駆体、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェン([1]Benzothieno[3,2-b]benzothiophene(BTBT))、ポルフィリン、ベンゾポルフィリン、可溶性基としてアルキル基等を有するオリゴチオフェン等に代表される低分子化合物またはオリゴマー、ポリチオフェン、フルオレンコポリマー等に代表される高分子化合物が挙げられる。
次に、有機絶縁薄膜4、導電性薄膜5および有機半導体層6の上に保護膜7を形成する(図8)。なお、保護膜7の形成は、有機半導体層6に対してダメージを与えない手法によって形成することが好ましい。
保護膜7を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法に代表されるPVD法、ALD法に代表されるCVD法、保護層材料を含むインクを用いた塗布法により保護層7を有機絶縁薄膜4、導電性薄膜5および有機半導体層6の上に成膜した後、フォトリソグラフィー法により所定の形状にパターニングを実施することにより形成する方法が挙げられる。
また、保護層7を形成する他の方法としては、例えば、有版印刷法または無版印刷法により、有機絶縁薄膜4、導電性薄膜5および有機半導体層6の上に、所定の形状にパターニングされた保護膜7を直接形成する方法が挙げられる。所定の形状にパターニングされた保護層7を直接形成することにより、保護層7を形成する工程を簡略化することができる。
これらの中では、有版印刷法または無版印刷法により、所定の形状にパターニングされた保護層7を直接形成する方法が好ましい。
有版印刷法または無版印刷法により、所定の形状にパターニングされた保護層7を直接形成する場合、種々の保護層材料を含むインクを用いることができる。保護層材料を含むインクとしては、例えば、無機材料を含む分散インク、SOG(スピンオングラス)材料、低分子保護層材料を含むインク、高分子保護層材料を含むインクが挙げられるが、高分子保護層材料を含むインクが好ましい。
保護膜7を形成する材料としては、例えば、上記のインクに含まれる材料、SOG材料のほか、前述の有機絶縁薄膜4において例示した材料と同様のものが挙げられる。
保護膜7の膜厚は特に限定されないが、50nm〜5μmであることが好ましく、500nm〜2.0μmであることがより好ましい。
最後に、保護層7上に上部電極8を形成することにより有機薄膜トランジスタが完成する(図9)。上部電極8を形成する方法は特に限定されないが、例えば、フォトリソグラフィー法、有版印刷法および無版印刷法が挙げられる。
これより、有機絶縁薄膜4の形成方法について詳細に説明する。
まず、有機絶縁薄膜4を形成するための印刷版について説明をする。印刷版は、図2に示すとおり、スルーホール形成用のピラーと、印刷解像度確認用のライン・アンド・スペースパターンと、位置合わせ用のアライメントマークパターンとが配置されることで構成される凸版であり、必要に応じて、位置合わせ精度を確認するためのバーニアパターン、膜厚モニタ用パターンが配置されていてもよい。
有機絶縁薄膜4は、ピラーを有する印刷版に有機絶縁膜材料を含有し、粘度が5.5mPa・s以下であるインク(以下、「有機絶縁膜インク」ともいう。)を塗布することで、有機絶縁膜の膜厚とピラーの高さの比の値が1.0未満である有機絶縁膜を形成する工程と、得られた印刷版上の有機絶縁膜を基板1へ印刷する工程とで製造される。ここで、有機絶縁膜インクの粘度とは、25℃、1気圧における有機絶縁膜インクの粘度を意味する。
印刷版は、平版状の印刷版でも円筒状の印刷版であってもよい。印刷版におけるピラーを含むパターン形成部分以外の箇所は、平坦であることが好ましい。
有機絶縁膜インクの粘度は、スルーホールを安定して形成できるため、5.0mPa・s以下であることが好ましく、4.5mPa・s以下であることがより好ましい。
また、有機絶縁膜インクに含有される有機絶縁膜材料の濃度は、スルーホールを安定して形成できるため、20重量%以下の範囲が優れるが、16重量%以下であることが好ましく、14重量%以下であることがより好ましい。
有機絶縁膜インクに含有される溶媒は、有機絶縁膜材料が溶解するものなら特に限定されないが、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−1−(クロロメチル)ベンゼン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニソール、オクタデカフルオロデカヒドロナフタレン、1−アセトニル−4−フルオロベンゼン、3−フルオロ−o−キシレン、アセトン、2−ブタノン(別名:MEK、メチルエチルケトン)、2−ヘプタノン(別名:MAK)、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(別名:PGMEA)、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(別名:THF)、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エリレングリコールジアセテート、2−フェノキシエタノール、ジメチルスルホキシド(別名:DMSO)、3,6−ジオキサン−1,8−オクタンジオール、フェニルシクロヘキサン(別名:CHB(シクロヘキシルベンゼン))、テトラリン、メシチレン、トルエン、キシレン、2−ピネン、dl−リモネン(別名:ジペンテン)、p−シメン、ブチルベンゼン、エチルベンゼン、ヘキサン、2−メチルヘキサン、ノナン、デカン、オクタン、乳酸エチル、酢酸エチル、酪酸ブチル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、γ−ブチロラクトン(別名:GBL)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(別名:BHT)、ベンゾチアゾールが好ましく、2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニソール、アセトン、2−ブタノン(別名:MEK、メチルエチルケトン)、2−ヘプタノン(別名:MAK)、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(別名:PGMEA)、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(別名:THF)、フェニルシクロヘキサン(別名:CHB(シクロヘキシルベンゼン))、テトラリン、メシチレン、トルエン、キシレン、乳酸エチル、酢酸エチル、酪酸ブチル、γ−ブチロラクトン(別名:GBL)がより好ましい。有機絶縁膜インクに含有される溶媒は、1種単独の溶媒でも2種以上が含まれる溶媒であってもよいが、2種以上が含まれる溶媒であることが好ましい。2種以上が含まれる溶媒としては、例えば、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニソール、酢酸エチルおよびフェニルシクロヘキサンの3種を含む溶媒、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、2−ブタノン、テトラリンおよびdl−リモネンの4種を含む溶媒、2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン、フェニルシクロヘキサン、2−ヘプタノンおよびγ−ブチロラクトンの4種を含む溶媒、2−ヘプタノン、2−ブタノン、ジイソブチルケトン、フェニルシクロヘキサンおよびγ−ブチロラクトンの5種を含む溶媒が挙げられる。
ピラーを有する印刷版に塗布する有機絶縁膜インクには、添加剤が含まれていてもよい。添加剤は、有機絶縁膜インクに溶解するものなら特に限定されないが、アルキル基を有する添加剤であることが好ましく、該アルキル基はフッ素原子で置換されていてもよい。
フッ素原子で置換されたアルキル基を有する添加剤としては、例えば、サーフロンS−241、S−611およびS−651(旭硝子社製、商品名)、メガファックR−40、F−477、F−554およびF−555(DIC社製、商品名)、並びに、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェノールおよびヘキサフルオロ−2,3−ビス(トリフルオロメチル)−2,3−ブタンジオールが挙げられる。アルキル基を有する添加剤としては、例えば、4−ヘキセン−1−オール、2,4−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘプタジエン−4−オール、4−tert−ブチルフェノール、4−エチルフェノール、4−ドデシルフェノール、4−ヘプチルフェノール、4−ペンテン−1−オール、4−メチル−3−ペンテン−1−オール、4−プロピルフェノールが挙げられる。また、添加剤はフッ素原子を有する高分子化合物であってもよく、該高分子化合物としては、例えば、HYPERTECH FA−200、FB−I−100、FA−PQ−50(日産化学社製、商品名)が挙げられる。
ピラーを有する印刷版に有機絶縁膜インクを塗布することで、ピラーを有する印刷版上に形成される有機絶縁膜の膜厚とピラーの高さの比の値(有機絶縁膜の膜厚/ピラーの高さ)は1.0未満であるが、スルーホールを安定して形成できるため、0.1〜0.8であることが好ましく、0.1〜0.5であることがより好ましい。
次に、有機絶縁薄膜4を印刷形成するための工程について説明する。
最初に、ピラーを有する印刷版上に有機絶縁膜インクを塗布する。塗布の方法は特に限定されないが、印刷版上に平坦な膜が得られるので、スピンコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、バーコート法、ロールコート法またはディップコート法が好ましい。これらの中でも、ピラーを有する印刷版を印刷装置に組み込むことが容易であるため、スリットコート法、ロールコート法またはキャピラリーコート法が好ましい。
次に、塗布された有機絶縁膜インクがピラーを有する印刷版上で半乾燥状態になるまで待機する時間を設ける。この時、印刷版上に塗布された有機絶縁膜インクは、インクに含有される溶媒が気化することで乾燥し、更に印刷版を構成する部材にも溶媒が吸収されることで半乾燥状態になる。また、半乾燥状態になることで、有機絶縁膜インクの厚さ方向の厚みが減少して、有機絶縁膜の膜厚とピラーの高さとの比の値(有機絶縁膜の膜厚/ピラーの高さ)が1.0未満である有機絶縁膜となる。印刷版上に塗布された有機絶縁膜インクの乾燥イメージを、図10(b)に示す。
図10(b)に示すとおり、有機絶縁薄膜4が有するスルーホールはこの段階で形成される。印刷版上に塗布された有機絶縁膜インクが半乾燥状態になる過程において、有機絶縁膜インクの厚さ方向の厚みが減少する。この時、印刷版が有するピラー上の有機絶縁膜インクは厚さ方向の厚みの減少とともにシュリンクし、ピラー上以外の有機絶縁膜インクとともにピラー下部へ引き込まれ、最終的にピラー上の有機絶縁膜インクが除去された状態の有機絶縁膜が印刷版上に形成される。
本発明のスルーホールを有する有機絶縁膜インクは、粘度が5.5mPa・s以下であるため、シュリンクが好適に起こるが、粘度が5.5mPa・sを超える有機絶縁膜インクを用いた場合、シュリンクが好適に起こらず、図10(a)に示す通り、ピラー上に有機絶縁膜インクの残渣が残り、形成されたスルーホールに開口不良が発生する可能性が高くなる。
印刷版が有するピラーの形状は特に限定されないが、有機絶縁膜インクのシュリンクが均一になるため、円形、楕円形または多角形であることが好ましく、円形または楕円形であることがより好ましい。
最後に、印刷装置を用いて、ピラーを有する印刷版と基板1との位置合わせを行った後(位置あわせは、通常、アライメントマークパターンを用いて行う)、基板1と印刷版を接触させることで、印刷版上に形成されている有機絶縁膜を基板1上へ転写印刷する。
この様にして、有機絶縁薄膜4が印刷形成される。
印刷版が有するピラーの横断面の最も長い径は、スルーホールを安定して形成できるため、10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることがさらに好ましい。なお、ピラーの横断面とは、印刷版の法線方向に対して垂直な面でピラーを切断した面を意味する。
印刷版が有するピラーの高さは、有機薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の膜厚が10nm〜1000nmである場合、0.5〜5.0μmであることが好ましく、0.5〜2.5μmであることがより好ましく、0.5〜1.25μmであることがさらに好ましい。
ここで、有機薄膜トランジスタが有するゲート絶縁膜の膜厚は、通常1nm〜1000nmであり、200nm〜600nmであることが好ましく、300nm〜500nmであることがより好ましい。また、有機薄膜トランジスタが有するゲート絶縁膜の表面平坦性は、通常Ra=2nm以下であり、Ra=1nm以下であることが好ましく、Ra=0.7nm以下であることがより好ましい。
ピラーを有する印刷版が有するピラーの横断面の最も長い径と高さとの比の値(ピラーの横断面の最も長い径/ピラーの高さ)は、2.0以上であることが好ましく、2.5以上であることがより好ましく、4.0以上であることがさらに好ましい。
上記のピラーの横断面の最も長い径と高さとの比の値の好ましい形態について詳細に説明する。図10(a)および(b)の半乾燥後において、有機絶縁膜がピラーの側壁に沿って盛り上がっている部分があるが、この隆起量は、ピラー上部およびピラー側壁(すわなちピラー周辺部)に存在するインク量に比例するもので、このインク量は、ピラー上部の面積(ピラーの横断面の最も長い径と比例)とピラーの高さとの関係に依存する。これは、これらの部分に存在するインクが、溶媒乾燥によるシュリンクの際にピラー周辺部に残ったものであるからである。この隆起量が大きい場合、スルーホール形成後の導電性薄膜の形成が困難になるが、ピラーの横断面の最も長い径と高さとの比の値が上記の好ましい形態であれば、スルーホール形成後の導電性薄膜の形成は容易なものとなる。
具体的には、例えば、形成する有機絶縁膜の膜厚が300〜500nmである場合、ピラーの横断面の最も長い径は1〜5μmであり、ピラーの高さは0.5〜1.25μmであることが好ましい。
ピラーを有する印刷版は、複数のピラーから構成されるピラー集合体を少なくとも1つ有することが好ましい。印刷版が有するピラー箇所に有機絶縁薄膜4が有するスルーホールが形成されることになるが、スルーホールの開口不良と安定性の観点から、スルーホールを形成すべき箇所にスルーホールを1つ形成するよりも、スルーホールを形成すべき箇所にスルーホールを複数形成することが好ましいためである。
ピラー集合体を構成するピラーの横断面の最も長い径と、ピラー集合体を構成するピラー間の距離との比の値は、上記の隆起量を低減することができるため、0.5以上であることが好ましく、0.5〜2.0であることがより好ましく、0.5〜1.0であることが更に好ましい。
上述したとおり、ピラーを有する印刷版上に塗布された有機絶縁膜インクが半乾燥状態になる過程において、有機絶縁膜インクの厚さ方向の厚みが減少する。このとき、印刷版が有するピラー上の有機絶縁膜インクは厚さ方向の厚みの減少とともにシュリンクするが、シュリンクが促進されるため、ピラーを有する印刷版を構成する材料の表面自由エネルギーは25[mN/m]以下であることが好ましく、20[mN/m]以下であることがより好ましい。
表面自由エネルギーは25[mN/m]以下である材料としては、シリコーンエラストマー樹脂またはフッ素系エラストマー樹脂が好ましい。シリコーンエラストマー樹脂としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)が好ましい。すなわち、本発明のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法に用いられるピラーを有する印刷版を構成する材料は、PDMS樹脂またはフッ素系エラストマー樹脂であることが好ましい。また、ピラーを有する印刷版は、PDMS樹脂とフッ素系エラストマー樹脂との積層構造であってもよい。
ピラーを有する印刷版が、PDMSとフッ素系エラストマー樹脂との積層構造である場合、まず、ピラーを有する印刷版をPDMS樹脂で作製し、次に、PDMS樹脂が半硬化状態となったところで、ピラー上にフッ素系エラストマー樹脂を塗布し焼成することで作製することができる。このPDMSとフッ素系エラストマー樹脂との積層構造からなる印刷版は、シュリンクがより好適に起こる印刷版である。ここで、PDMS樹脂が半硬化状態となったところでフッ素系エラストマー樹脂を塗布するのは、PDMS樹脂とフッ素系エラストマー樹脂の密着性を強固にすることで耐久性に優れる印刷版とするためである。
印刷版の作製に用いるモールドについて説明する。印刷版の形状を作製するためのモールドとしては、例えば、シリコン基板、ガラス(例えば、石英およびソーダライム)基板、金属(例えば、タングステンおよびチタン)基板、ダイヤモンド基板等を加工して作製したものが挙げられる。これらの基板を加工したモールドにNi電鋳を行ったNi電鋳モールドであってもよい。また、シリコン基板、ガラス基板、樹脂基板等の上に感光性樹脂を塗布し、感光性樹脂をフォトリソグラフィー法でパターニングすることで作製した樹脂モールドであってもよい。また、フィルム基板、感光性樹脂、フッ素系樹脂等を用いてナノインプリントで作製した樹脂モールドであってもよい。
上記で得られたモールドに、フッ素系離型材、フッ素系自己組織化単分子膜(SAMs)等による離型処理を施した後、シリコーンエラストマー樹脂またはフッ素系エラストマー樹脂を流し込み硬化させ、硬化したエラストマー樹脂をモールドから離型することで、ピラーを有する印刷版を作製することができる。ここで、シリコーンエラストマー樹脂およびフッ素系エラストマー樹脂に対して密着性を持たないモールドであれば、上記の離型を省略することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1
(高分子化合物1の合成)
スチレン(和光純薬製)2.06g、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン(アルドリッチ製)2.43g、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート(昭和電工製、商品名「カレンズMOI−BM」)1.00g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.06gおよび2−ヘプタノン(和光純薬製)14.06gを、50ml耐圧容器(エース製)に加え、窒素ガスでバブリングした後、密栓した。その後、60℃のオイルバス中で48時間反応させることで、高分子化合物1が溶解した2−ヘプタノン溶液を得た。得られた高分子化合物1は、下記で表される繰り返し単位を有している。ここで、( )の添え数字は各繰り返し単位のモル比を示しており、仕込み原料の量から求めた理論値である。
Figure 0006201673
高分子化合物1
高分子化合物1の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、32800であった(島津製GPC、「Tskgel super HM−H」1本+「Tskgel super H2000」1本、移動相=THF)。
合成例2
(高分子化合物2の合成)
4−アミノスチレン(アルドリッチ製)3.50g、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン(アルドリッチ製)13.32g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.08gおよび2−ヘプタノン(和光純薬製)25.36gを、125ml耐圧容器(エース製)に加え、窒素ガスでバブリングした後、密栓した。その後、60℃のオイルバス中で48時間反応させることで、高分子化合物2が溶解した2−ヘプタノン溶液を得た。得られた高分子化合物2は、下記で表される繰り返し単位を有している。ここで、( )の添え数字は各繰り返し単位のモル比を示しており、仕込み原料の量から求めた理論値である。
Figure 0006201673
高分子化合物2
高分子化合物2の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、132000であった(島津製GPC、「Tskgel super HM−H」1本+「Tskgel super H2000」1本、移動相=THF)。
合成例3
(高分子化合物3の合成)
2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン(アルドリッチ製)6.00g、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート(昭和電工製、商品名「カレンズMOI−BM」)1.85g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.04gおよび2−ヘプタノン(和光純薬製)11.84gを、50ml耐圧容器(エース製)に加え、窒素ガスでバブリングした後、密栓した。その後、60℃のオイルバス中で48時間反応させることで、高分子化合物3が溶解した2−ヘプタノン溶液を得た。得られた高分子化合物3は、下記で表される繰り返し単位を有している。ここで、( )の添え数字は各繰り返し単位のモル比を示しており、仕込み原料から求めた理論値である。
Figure 0006201673
高分子化合物3
高分子化合物3の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、96000であった(島津製GPC、「Tskgel super HM−H」1本+「Tskgel super H2000」1本、移動相=THF)。
合成例4
(高分子化合物4の合成)
4−アミノスチレン(アルドリッチ製)1.12g、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン(アルドリッチ製)16.40g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.09gおよび2−ヘプタノン(和光純薬製)26.41gを、125ml耐圧容器(エース製)に加え、窒素ガスでバブリングした後、密栓した。その後、60℃のオイルバス中で48時間反応させることで、高分子化合物4が溶解した2−ヘプタノン溶液を得た。高分子化合物4は、下記で表される繰り返し単位を有している。ここで、( )の添え数字は各繰り返し単位のモル比を示しており、仕込み原料から求めた理論値である。
Figure 0006201673
高分子化合物4
高分子化合物4の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、152000であった(島津製GPC、「Tskgel super HM−H」1本+「Tskgel super H2000」1本、移動相=THF)。
合成例5
(高分子化合物5の合成)
2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン(アルドリッチ製)5.00g、ジエチルアクリルアミド(興人製)1.97g、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート(昭和電工製、商品名「カレンズMOI−BM」)2.47g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.05gおよび2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン(アルドリッチ製)14.23gを、50ml耐圧容器(エース製)に加え、アルゴンガスでバブリングした後、密栓した。その後、60℃のオイルバス中で24時間反応させることで、高分子化合物5が溶解した2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン溶液を得た。得られた高分子化合物5は、下記で表される繰り返し単位を有している。ここで、( )の添え数字は各繰り返し単位のモル比を示しており、仕込み原料の量から求めた理論値である。
Figure 0006201673
高分子化合物5
高分子化合物5の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、145000であった(島津製GPC、「Tskgel super HM−H」1本+「Tskgel super H2000」1本、移動相=THF)。
調製例1
(保護膜塗布溶液の調整)
「ルミフロンLF200F」(旭硝子製、商品名)10.00gを2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン溶液15.00gに溶解させて調製した「ルミフロンLF200F」の2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン溶液2.00g、高分子化合物5を溶解させて40重量%に調整した2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン溶液2.80gおよび2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン3.50gを20mlのサンプル瓶に加え、攪拌することで溶解させた。得られた溶液を、孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過して、保護膜塗布溶液を調製した。
合成例6
(高分子化合物6)
特開2012−36357号公報に記載の方法に従って、下記で表される繰り返し単位からなる高分子化合物6を合成した。高分子化合物6の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、170,000であった(島津製GPC、「Tskgel super HM−H」1本+「Tskgel super H2000」1本、移動相=THF)。
Figure 0006201673
高分子化合物6
実施例1
(有機薄膜トランジスタ1の作製と評価)
本実施例では、図8に示される有機薄膜トランジスタを作製した。基板1(ポリイミド)、該基板1上にアンダーコート層2(高分子化合物1および高分子化合物2の架橋膜)、該アンダーコート層2上にゲート電極/配線層にあたる導電性薄膜3(Ag)、該アンダーコート層2と該導電性薄膜3上に有機絶縁薄膜4(高分子化合物3および高分子化合物4の架橋膜)、該導電性薄膜3上と該有機絶縁薄膜4上にソース電極/配線層およびドレイン電極/配線層にあたる導電性薄膜5(Ag)、該有機絶縁薄膜4上と該導電性薄膜5上に有機半導体層6(高分子化合物6)、該有機絶縁薄膜4上と該導電性薄膜5上と該有機半導体層6上に保護膜7(高分子化合物5および「ルミフロンLF200F」の架橋膜)を形成して有機薄膜トランジスタを作製した。
最初に、ポリイミド基板(TOYOBO社製 ZENOMAX 36μm厚品)を150mmφに切断して、プロセス中での熱伸縮による影響を最小限に抑えるために、初期焼き入れを実施することで、基板1を得た。この初期焼き入れは、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で250℃、30分の条件で実施した。
次に、基板1上にアンダーコート層2を成膜した(図3)。アンダーコート層2は、高分子化合物1および高分子化合物2を溶解させた2−ヘプタノン溶液から成膜したものを使用した。
成膜の工程は、最初にPDMS樹脂を用いて作製した平版上にスピンコート法で高分子化合物1および高分子化合物2を溶解させた2−ヘプタノン溶液を塗布し、半乾燥状態となった塗布膜を基板1上に転写することでアンダーコート層2を成膜した。その後、焼成処理を行い、高分子化合物1および2を架橋させることで、アンダーコート層2を形成した。この焼成処理は、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で220℃、25分の条件で実施した。
次に、アンダーコート層2上にバーコート法にてナノパーティクルAgインクを塗布し、プリベーク処理を実施した。得られた膜をフォトリソグラフィー法にてパターニングした後、ハードベーク処理を実施することで、ゲート電極/配線層にあたる導電性薄膜3を形成した(図4)。
ナノパーティクルAgインクには、「A−1」(三菱マテリアル製、商品名)を用いた。
フォトリソグラフィー法では、フォトレジストとして「OFPR−800C LB」(東京応化工業製、商品名)を、現像液として「コリン水溶液(4.0%)」(多摩化学工業製、商品名)を、Agエッチング液として「SEA−5」(関東化学製、商品名)を、レジスト剥離液として「104」(東京応化工業製、商品名)を使用した。
導電性薄膜3のパターン形成工程を説明する。アンダーコート層2を成膜した基板1上にバーコーターでナノパーティクルAgインク「A−1」を成膜した。この時用いたバーはウエット膜厚が4μmのNo2号バーを使用した。次に、「A−1」の塗布膜を140℃、30分でプリベーク処理を実施し半硬化させた後、フォトレジスト「OFPR−800C LB」を成膜し、フォトマスクを介して365nm UV光を照射した。その後、現像液「コリン水溶液(4.0%)」を用いてフォトレジストの現像を行った。その後、現像したフォトレジストをマスクとして、Agが露出している部分をAgエッチング液「SEA−5」を用いて除去した。その後、レジスト剥離液「104」を用いて現像したフォトレジストを剥離して、導電性薄膜3のパターニングを行った。その後、220℃、10分でハードベーク処理を実施し、導電性薄膜3を得た。
得られた導電性薄膜3のシート抵抗と比抵抗は、W/L=20/2000[μm]の導電性薄膜テストパターンを「半導体パラメータアナライザB1500A」(アジレント・テクノロジー製、商品名)と「150mmφ用マニュアルプローバーM150−STN/BT−1」(カスケードマイクロテック製、商品名)で測定したところ、シート抵抗:約0.3[Ω/□]、比抵抗:約6.2[μΩ・cm]であった。また、導電性薄膜3の膜厚は、「段差膜厚計P−16+」(KLA−Tencor Japan Ltd.製、商品名)で測定したところ、200nm〜250nmの範囲内であった。
次に、スルーホールを有する有機絶縁薄膜4を形成した(図5)。
有機絶縁薄膜4の形成工程を説明する。アンダーコート層2と導電性薄膜3が設けられた基板1上に、高分子化合物3および高分子化合物4を溶解させた2−ヘプタノン溶液に、更に2−ブタノン、フェニルシクロヘキサンおよびγ−ブチロラクトンを加えた有機絶縁膜インクを調製した。得られた有機絶縁膜インクを、図2に示す印刷版(スルーホールを形成する箇所に凸状のピラーパターン、並びに、ライン・アンド・スペースパターン、アライメントマークおよびバーニアパターンが設けられたPDMS樹脂で作製された印刷版)にスピンコート法で塗布を行い、半乾燥状態となった塗布膜を基板1上にマイクロコンタクト印刷装置を用いて転写印刷を実施した。その後、焼成処理を行い、高分子化合物3および4を架橋させることで、スルーホールを有する有機絶縁薄膜4を得た。この焼成処理は、窒素ガス雰囲気において、ホットプレート上で220℃、25分の条件で実施した。
このとき使用した印刷版はピラー集合体を有する印刷版であり、各ピラーは、横断面が円形のピラーであり、ピラーの直径(横断面の最も長い径)は5.0μmであり、ピラーの高さは1.0μmであり、ピラー集合体を構成するピラー間の最小ピッチは10.0μmである。形成された有機絶縁薄膜4の膜厚は、「段差膜厚計P−16+」(KLA−Tencor Japan Ltd.社製、商品名)で測定したところ、約320nmであった。また、有機絶縁薄膜4に形成されたスルーホール周縁部の膜厚隆起量を有機絶縁薄膜4と同様の方法で測定したところ、ピラー集合体を構成するピラー間のピッチが30μmの位置では約200nmであった。
また、このとき使用した高分子化合物3および高分子化合物4を溶解させた有機絶縁膜インクの粘度は3.42[mPa・s]であり、固形分濃度は9.64[重量%]であった。
このとき形成された有機絶縁薄膜4の顕微鏡写真を図11に示す。図11は、膜厚測定およびスルーホールの開口を確認するため、有機絶縁薄膜4の一部を削り取ったものである。図11に示すとおり、削り取った部分と開口部は同一面であるため、開口されたスルーホールであることが判る。また、図11に示すとおり、形成されたスルーホールの直径は5.11[μm]であり、微細なスルーホールが形成されていることがわかった。結果を表1に示す。
更に、スルーホールが開口しているかどうかを詳細に測定するため、スルーホールを直列接続したスルーホールテストパターンを作製し、このスルーホールテストパターンの電流−電圧特性を「半導体パラメータアナライザB1500A」(アジレント・テクノロジー社製、商品名)および「150mmφ用マニュアルプローバーM150−STN/BT−1」(カスケードマイクロテック社製、商品名)を使用して測定したところ、スルーホール1個あたりの抵抗値は、約0.25[Ω]であった。
更に、「走査型プローブ顕微鏡(SPM) SPI3800N」(旧エスアイアイ・ナノテクノロジー社製(現日立ハイテクノロジーズ社製)、商品名)を使用して、ダイナミック・フォース・モード(DFM)測定により有機絶縁薄膜4の平均面粗さを測定したところ、Ra=0.745[nm]であった。
ここで、スルーホールの形成に用いたPDMS樹脂で作製された印刷版について説明する。使用したPDMS樹脂は、「2液型(樹脂混合比 主剤:硬化剤=10:1)のSIM−360(主剤)、CAT−360(硬化剤)」(信越化学工業社製、商品名)を用いた。また、使用したPDMS樹脂の表面自由エネルギーは、14.8[mN/m]である。
印刷版の作製に用いたモールドには、フォトレジストで作製されたモールドを使用した。このモールドに、SIM−360:CAT−360=10:1の割合で混合し脱泡したPDMS樹脂を流し込み、PDMS樹脂を挟んでモールドと反対側に印刷版を支持する支持基板を当て、12時間以上自然硬化させたあと、モールドとPDMS樹脂とを剥離した後、180℃、30分間の焼成工程により最終硬化させることで、PDMS樹脂で作製された印刷版を作製した。
次に、導電性薄膜5を形成した(図6)。導電性薄膜5を形成する手順は、導電性薄膜3はアンダーコート層2上に形成されたのに対して、導電性薄膜5はスルーホールが形成された有機絶縁薄膜4上に形成されること以外は、導電性薄膜3を形成する手順と同じである。
得られた導電性薄膜5のシート抵抗と比抵抗は、W/L=20/2000[μm]の導電性薄膜テストパターンを「半導体パラメータアナライザB1500A」(アジレント・テクノロジー社製、商品名)と「150mmφ用マニュアルプローバーM150−STN/BT−1」(カスケードマイクロテック社製、商品名)で測定したところ、シート抵抗:約0.3[Ω/□]、比抵抗:約6.2[μΩ・cm]であり、導電性薄膜3と同等であった。また、導電性薄膜5の膜厚は、「段差膜厚計P−16+」(KLA−Tencor Japan Ltd.製、商品名)で測定したところ、200nm〜290nmの範囲内であった。
次に、有機半導体層6を形成した(図7)。有機半導体層6の形成には、マイクロコンタクト印刷装置を用いた。まず、高分子化合物8を溶解させた有機半導体インクを調製し、この有機半導体インクをPDMS樹脂で作製した130〜150mmφの凸版上にスピンコート法で塗布を行った。その後、凸版をマイクロコンタクト印刷装置に装着し、転写印刷を実施することで、有機半導体層6を形成した。
形成された有機半導体層6の膜厚は、「段差膜厚計P−16+」(KLA−Tencor Japan Ltd.製、商品名)で測定したところ、約80nmであった。
最後に、保護膜7を形成した(図8)。保護膜7の形成には、マイクロコンタクト印刷装置を用いた。まず、高分子化合物5および「ルミフロンLF200F」を溶解させた2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン溶液を含む保護膜用インクを調製し、この保護膜用インクをPDMS樹脂で作製した130〜150mmφの凸版上にスピンコート法で塗布を行った。その後、凸版をマイクロコンタクト印刷装置に装着し、転写印刷を実施することで、開口部を有する保護膜7を形成した。
上記の工程により、有機薄膜トランジスタ1が作製された。図12に、有機薄膜トランジスタ1とその拡大部を示す。有機薄膜トランジスタ1のTEG素子のI−V特性の測定結果から算出された電界効果移動度μ=0.108[cm/Vs]であった。なお、I−V特性を測定したTEG素子のW/L比は、W/L=200/100μmであった。
実施例2
(有機絶縁薄膜4の形成と評価)
スルーホールを有する有機絶縁薄膜4の形成に用いる高分子化合物3および高分子化合物4を溶解させた有機絶縁膜インクの粘度を4.76[mPa・s]、固形分濃度を約11.5[重量%]に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で有機絶縁薄膜4を形成した。この時の膜厚は410[nm]であり、形成されたスルーホールの直径は4.84[μm]であり、開口された微細なスルーホールが形成されていることがわかった。結果を表1に示す。
実施例3
(有機絶縁薄膜4の形成と評価)
スルーホールを有する有機絶縁薄膜4の形成に用いる高分子化合物3および高分子化合物4を溶解させた有機絶縁膜インクの粘度を4.03[mPa・s]、固形分濃度を約10.6[重量%]に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で有機絶縁薄膜4を形成した。この時の膜厚は、350[nm]であり、形成されたスルーホールの直径は5.08[μm]であり、開口された微細なスルーホールが形成されていることがわかった。結果を表1に示す。
実施例4
(有機絶縁薄膜4の形成と評価)
スルーホールを有する有機絶縁薄膜4の形成に用いる高分子化合物3および高分子化合物4を溶解させた有機絶縁膜インクの粘度を3.14[mPa・s]、固形分濃度を約8.7[重量%]に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で有機絶縁薄膜4を形成した。この時の膜厚は、274[nm]であり、形成されたスルーホールの直径は5.04[μm]であり、開口された微細なスルーホールが形成されていることがわかった。結果を表1に示す。
実施例5
(有機絶縁薄膜4の形成と評価)
スルーホールを有する有機絶縁薄膜4の形成に用いる高分子化合物3および高分子化合物4を溶解させた有機絶縁膜インクの粘度を2.72[mPa・s]、固形分濃度を約7.7[重量%]に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で有機絶縁薄膜4を形成した。この時の膜厚は、235[nm]であり、形成されたスルーホールの直径は4.90[μm]であり、開口された微細なスルーホールが形成されていることがわかった。結果を表1に示す。
比較例1
(有機絶縁薄膜4の形成と評価)
スルーホールを有する有機絶縁薄膜4の形成に用いる高分子化合物3および高分子化合物4を溶解させた有機絶縁膜インクの粘度を10.5[mPa・s]、固形分濃度を約20.0[重量%]に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で有機絶縁薄膜4を形成した。この時の膜厚は、860[nm]であった。スルーホールを有する有機絶縁薄膜4の形成後の顕微鏡写真を図13に示す。図13は、膜厚測定およびスルーホールの開口を確認するため、有機絶縁薄膜4の一部を削り取ったものである。図13に示すとおり、削り取った部分と開口部は同一面ではなく、スルーホール内に有機絶縁薄膜の残渣が存在し、開口されたスルーホールではないことがわかった。結果を表1に示す。
比較例2
(有機絶縁薄膜4の形成と評価)
スルーホールを有する有機絶縁薄膜4の形成に用いる高分子化合物3および高分子化合物4を溶解させた有機絶縁膜インクの粘度を5.87[mPa・s]、固形分濃度を約14.4[重量%]に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で有機絶縁薄膜4を形成した。この時の膜厚は690[nm]であり、比較例1と同様、スルーホール内に有機絶縁薄膜の残渣が存在し、開口されたスルーホールではなかった。結果を表1に示す。
Figure 0006201673
これらの結果から、本発明のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法によれば、特殊な形状および加工を必要としない印刷版を用いて、印刷版にインクを充填後の剥ぎ取りを行うことなく、微細なスルーホールを有する薄膜の有機絶縁膜の製造することができることがわかる。
1…基板
2…アンダーコート層
3…導電性薄膜
4…有機絶縁薄膜
5…導電性薄膜
6…有機半導体層
7…保護膜
8…上部電極

Claims (7)

  1. ピラーを有する印刷版に、有機絶縁膜材料及び溶媒を含有し、粘度が5.5mPa・s以下であるインクを塗布することで、有機絶縁膜の膜厚とピラーの高さと比の値が1.0未満である有機絶縁膜を形成する工程と、
    有機絶縁膜を基材に印刷する工程とを有する、スルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法であって、
    前記ピラーを有する印刷版を構成する材料の表面自由エネルギーが、25mN/m以下であり、
    前記インクに含有される溶媒が、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−1−(クロロメチル)ベンゼン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニソール、オクタデカフルオロデカヒドロナフタレン、1−アセトニル−4−フルオロベンゼン、3−フルオロ−o−キシレン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エリレングリコールジアセテート、2−フェノキシエタノール、ジメチルスルホキシド、3,6−ジオキサン−1,8−オクタンジオール、フェニルシクロヘキサン、テトラリン、メシチレン、トルエン、キシレン、2−ピネン、dl−リモネン、p−シメン、ブチルベンゼン、エチルベンゼン、ヘキサン、2−メチルヘキサン、ノナン、デカン、オクタン、乳酸エチル、酢酸エチル、酪酸ブチル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、γ−ブチロラクトン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール及びベンゾチアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記ピラーの横断面が円形、楕円形または多角形であり、ピラーの横断面の最も長い径が10μm以下であり、ピラーの高さが5μm以下であり、ピラーの横断面の最も長い径と高さとの比の値が、2.0以上である、
    スルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法。
  2. 前記ピラーを有する印刷版が、少なくとも1つのピラー集合体を有し、ピラー集合体を構成するピラーの横断面の最も長い径と、ピラー集合体を構成するピラー間の距離との比の値が、0.5以上である、請求項1に記載のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法。
  3. 前記有機絶縁膜の膜厚が1nm〜1000nmである、請求項1または2に記載のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法。
  4. スルーホールを有する有機絶縁膜を形成する工程を有する有機薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記スルーホールを有する有機絶縁膜を形成する工程が、
    ピラーを有する印刷版に、有機絶縁膜材料及び溶媒を含有し、粘度が5.5mPa・s以下であるインクを塗布することで、有機絶縁膜の膜厚とピラーの高さと比の値が1.0未満である有機絶縁膜を形成する工程と、
    形成された有機絶縁膜を基材に印刷することで、スルーホールを有する有機絶縁膜を形成する工程とであり、
    前記ピラーを有する印刷版を構成する材料の表面自由エネルギーが、25mN/m以下であり、
    前記インクに含有される溶媒が、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−1−(クロロメチル)ベンゼン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニソール、オクタデカフルオロデカヒドロナフタレン、1−アセトニル−4−フルオロベンゼン、3−フルオロ−o−キシレン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エリレングリコールジアセテート、2−フェノキシエタノール、ジメチルスルホキシド、3,6−ジオキサン−1,8−オクタンジオール、フェニルシクロヘキサン、テトラリン、メシチレン、トルエン、キシレン、2−ピネン、dl−リモネン、p−シメン、ブチルベンゼン、エチルベンゼン、ヘキサン、2−メチルヘキサン、ノナン、デカン、オクタン、乳酸エチル、酢酸エチル、酪酸ブチル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、γ−ブチロラクトン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール及びベンゾチアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記ピラーの横断面が円形、楕円形または多角形であり、ピラーの横断面の最も長い径が10μm以下であり、ピラーの高さが5μm以下であり、ピラーの横断面の最も長い径と高さとの比の値が、2.0以上である、
    有機薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 基板上に、有機絶縁膜層、無機絶縁膜層または有機絶縁膜および無機絶縁膜が積層された層であるアンダーコート層を形成する工程と、
    アンダーコート層上に、パターニングされた導電性薄膜を形成する工程と、
    ピラーを有する印刷版に、有機絶縁膜材料及び溶媒を含有し、粘度が5.5mPa・s以下であるインクを塗布することで、有機絶縁膜の膜厚とピラーの高さと比の値が1.0未満である有機絶縁膜を形成する工程と、
    形成された有機絶縁膜を前記アンダーコート層およびパターニングされた導電性薄膜上に印刷することでスルーホールを有する有機絶縁膜を形成する工程と、
    前記導電性薄膜および得られた有機絶縁膜上にパターニングされた導電性薄膜を形成する工程と、
    前記有機絶縁膜および導電性薄膜上に、有機半導体層を形成する工程と、
    前記有機絶縁膜、導電性薄膜および有機半導体層上に、保護層を形成する工程と、
    形成された保護層上に上部電極を形成する工程とを有する、有機薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記ピラーを有する印刷版を構成する材料の表面自由エネルギーが、25mN/m以下であり、
    前記インクに含有される溶媒が、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−1−(クロロメチル)ベンゼン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニソール、オクタデカフルオロデカヒドロナフタレン、1−アセトニル−4−フルオロベンゼン、3−フルオロ−o−キシレン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エリレングリコールジアセテート、2−フェノキシエタノール、ジメチルスルホキシド、3,6−ジオキサン−1,8−オクタンジオール、フェニルシクロヘキサン、テトラリン、メシチレン、トルエン、キシレン、2−ピネン、dl−リモネン、p−シメン、ブチルベンゼン、エチルベンゼン、ヘキサン、2−メチルヘキサン、ノナン、デカン、オクタン、乳酸エチル、酢酸エチル、酪酸ブチル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、γ−ブチロラクトン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール及びベンゾチアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記ピラーの横断面が円形、楕円形または多角形であり、ピラーの横断面の最も長い径が10μm以下であり、ピラーの高さが5μm以下であり、ピラーの横断面の最も長い径と高さとの比の値が、2.0以上である、
    有機薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 請求項3に記載された製造方法により形成されたスルーホールを有する有機絶縁膜。
  7. 請求項に記載のスルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法で得られた有機絶縁膜を有する有機薄膜トランジスタ。
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