JP6201658B2 - 筐体部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、筐体部品及びその製造方法に関する。
携帯電話機、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:personal data assistance)、ノート型パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)、ポータブルナビゲーションシステム等の搬送可能な電子機器の開発が活発である。電子機器には、複数の電子部品及びこれらが搭載された基板等が含まれ、これらが筐体に収納されている。筐体は、複数の筐体部品を組み合わせて構成されている。
近年、電子機器の軽量化及び小型化のために、薄く剛性が高い筐体部品について検討が行われている。また、筐体部品には、ボス及びリブ等の筐体機能部品が設けられることもあり、そのための成形技術についても検討が行われている。更に、筐体内部の空間を広げるために、筐体部品そのものにアンテナエレメント等を設ける技術についても検討が行われている。
しかしながら、薄く剛性が高い筐体部品に機能部品及びアンテナエレメント等を設けるためには、複雑な処理が必要とされる。
特開2002−1209号公報 特開2010−187361号公報 特開2011−37256号公報 特開2012−183820号公報
本発明の目的は、優れた剛性を有し、複雑な形態であっても容易に製造することができる筐体部品及びその製造方法を提供することにある。
筐体部品の一態様には、繊維強化プラスチック材と、前記繊維強化プラスチック材に一体化された筐体機能部品と、前記繊維強化プラスチック材に一体化された導電パターンと、が設けられている。前記繊維強化プラスチック材は、織物と、液晶ポリエステルを含有し、前記織物に少なくとも一部が含浸された熱可塑性樹脂材と、を有する。
筐体部品の製造方法の一態様では、導電パターンと織物とを互いに重ね合せて、筐体機能部品用の形状を備えた金型内に設置し、液晶ポリエステルを含有する熱可塑性樹脂を前記金型内に注入して前記織物に含浸させ、前記熱可塑性樹脂を冷却して前記織物及び前記熱可塑性樹脂を含む繊維強化プラスチック材及び筐体機能部品を形成する。
上記の筐体部品等によれば、繊維強化プラスチック材に適切な材料が用いられているため、優れた剛性を得ることができ、かつ複雑な形態であっても容易に製造することができる。
第1の実施形態に係る筐体部品の構造を示す図である。 第2の実施形態に係る筐体部品の構造を示す断面図である。 第2の実施形態に係る筐体部品の製造方法を示す断面図である。 図3Aに引き続き、筐体部品の製造方法を示す断面図である。 図3Bに引き続き、筐体部品の製造方法を示す断面図である。 第3の実施形態に係る筐体部品を示す図である。 第4の実施形態に係る筐体部品を示す図である。
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る筐体部品の構造を示す図である。
第1の実施形態では、図1に示すように、繊維強化プラスチック(FRP:fiber reinforced plastic)材10に筐体機能部品13及び導電パターン14が一体化されている。繊維強化プラスチック材10には、織物11及びこの織物11に少なくとも一部が含浸された熱可塑性樹脂材12が含まれている。熱可塑性樹脂材12は液晶ポリエステルを含有している。
筐体機能部品13は、例えばボス又はリブである。筐体機能部品13としてボス及びリブの双方が用いられてもよい。導電パターン14は、例えばアンテナエレメント又は配線である。導電パターン14としてアンテナエレメント及び配線の双方が用いられてもよい。
織物11は、例えばガラス繊維又は炭素繊維の織物である。織物11がガラス繊維及び炭素繊維の双方を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂材12は、液晶ポリエステルの他に、例えばポリカーボネート(PC)又はポリアミド(PA)を含有している。熱可塑性樹脂材12がポリカーボネート及びポリアミドの双方を含有していてもよい。
液晶ポリエステルは剛直な直線的分子鎖を有する。このため、液晶ポリエステルには、成形加工の溶融時に加わる圧力の方向に配向してミクロなフィブリルを形成するという性質がある。このような配向により流動抵抗が低下するため、液晶ポリエステルを含有する熱可塑性樹脂材12は、その成形時に高い流動性を示す。従って、粘度が高い熱可塑性樹脂材と織物との複合材に生じるようなボイドの発生及び織物と樹脂との密着力不足等が回避される。
熱可塑性樹脂、特にポリカーボネート及びポリアミド等は高い剛性及び耐衝撃性を備えている。また、図1(b)に示すように、本実施形態では、熱可塑性樹脂材12に含まれる液晶ポリエステルのミクロなフィブリル15が織物11の繊維を回り込むように充填されている。このため、ウェルド部においても高い強度を得ることができる。一般的な射出成形でウェルド部に形成されるような一方向に沿った弱いフィブリル組織が形成されにくいためである。更に、織物11の繊維を囲いこむように微細な立体的フィブリル構造が形成される。このため、優れた破壊強さ、剛性及び耐衝撃性が得られると共に、膨張及び収縮が抑制される。従って、ヒケ及びアバタ等の成形加工時の欠陥が抑制され、優れた耐熱性を得ることもできる。
また、筐体機能部品13は、例えば熱可塑性樹脂材12と同一の材料を用いて熱可塑性樹脂材12と一体的に成形することができる。更に、この成形の際に導電パターン14を繊維強化プラスチック材10に一体化することも可能である。従って、繊維強化プラスチック材10に筐体機能部品13及び導電パターン14を容易に一体化することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図2は、第2の実施形態に係る筐体部品の構造を示す断面図である。
第2の実施形態では、図2に示すように、繊維強化プラスチック材20に筐体機能部品23が一体化されている。導電パターン24が樹脂シート25に印刷されており、この樹脂シート25が接着シート26により繊維強化プラスチック材20に接着されている。このようにして繊維強化プラスチック材20に導電パターン24が一体化されている。第1の実施形態と同様に、繊維強化プラスチック材20には、織物21及びこの織物21に少なくとも一部が含浸された熱可塑性樹脂材22が含まれている。熱可塑性樹脂材22は液晶ポリエステルを含有している。
筐体機能部品23は、例えばボス又はリブである。筐体機能部品23としてボス及びリブの双方が用いられてもよい。導電パターン24は、例えばアンテナエレメント又は配線である。導電パターン24としてアンテナエレメント及び配線の双方が用いられてもよい。
織物21は、例えばガラス繊維又は炭素繊維の織物である。織物21がガラス繊維及び炭素繊維の双方を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂材22は、液晶ポリエステルの他に、例えばポリカーボネート又はポリアミドを含有している。熱可塑性樹脂材22がポリカーボネート及びポリアミドの双方を含有していてもよい。
次に、第2の実施形態に係る筐体部品の製造方法について説明する。図3A乃至図3Cは、第2の実施形態に係る筐体部品の製造方法を工程順に示す図である。
先ず、筐体部品の製造に用いる射出成形機について説明する。図3Aに示すように、この射出成形機には、熱可塑性樹脂材22の原料125を備蓄するホッパー121、内部を原料125が搬送される搬送筒122、及び搬送筒122内部で原料125を搬送するスクリュー123が設けられている。搬送筒122の周囲にヒータ124が設けられており、ヒータ124より加熱された原料125は溶融樹脂126となる。溶融樹脂126はノズル127を介して金型に供給される。
金型には、固定側取付板101、中間金型102及び可動金型103が含まれており、中間金型102と可動金型103と間のキャビティ104内に、成形の対象物が配置される。本実施形態では、導電パターン132が印刷された樹脂シート131の導電パターン132側の面上に接着シート134が配置され、その上に織物133が配置される。導電パターン132には、例えば導電性ペーストが用いられる。可動金型103には、筐体機能部品用の凹部105が形成されている。つまり、この金型は筐体機能部品用の形状を備えている。
そして、ノズル127から溶融樹脂126が金型に供給されると、図3Bに示すように、溶融樹脂126からの圧力により織物133、接着シート134、導電パターン132及び樹脂シート131の一部がキャビティ104の形状に倣って変形する。また、接着シート134及び樹脂シート131には、凹部105に対応する孔が形成されており、この孔を通じて溶融樹脂126は樹脂シート131の裏側に位置する凹部105内にも充填される。
その後、溶融樹脂126を冷却すると、溶融樹脂126は固化する。その後、金型を分解すると、図3Cに示すように、筐体部品140及び中間体141が得られる。
このような製造方法では、液晶ポリエステルを含有する溶融樹脂126が高い流動性を示す。従って、粘度が高い熱可塑性樹脂材と織物との複合材に生じるようなボイドの発生及び織物と樹脂との密着力不足等を回避できる。
熱可塑性樹脂、特にポリカーボネート及びポリアミド等は高い剛性及び耐衝撃性を備えている。また、射出成形時には、熱可塑性樹脂材128の原料である溶融樹脂126に含まれる液晶ポリエステルのミクロなフィブリルが織物133の繊維を回り込むように充填される。このため、ウェルド部においても高い強度を得ることができる。更に、織物133の繊維を囲いこむように微細な立体的フィブリル構造が形成される。このため、上記の方法で製造された筐体部品140では、優れた破壊強さ、剛性及び耐衝撃性が得られると共に、膨張及び収縮が抑制される。従って、ヒケ及びアバタ等の成形加工時の欠陥が抑制され、優れた耐熱性を得ることもできる。
また、筐体機能部品136は、例えば熱可塑性樹脂材128と同一の材料を用いて熱可塑性樹脂材128と一体的に成形される。更に、この成形の際に導電パターン132が繊維強化プラスチック材135に一体化される。従って、繊維強化プラスチック材135に筐体機能部品136及び導電パターン132を容易に一体化することができる。
更に、接着シート134を用いているため、繊維強化プラスチック材135と樹脂シート131との間の密着性を向上することができる。接着シート134の材料としては、ガラス転移点Tgが比較的低いものを用いることが好ましい。例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU:thermoplastic polyurethane)等の熱可塑性エラストマ、共重合ポリアミド、アクリル樹脂が挙げられる。ガラス転移点Tgが低い接着シート134は柔軟であるため、接着性の向上と共に熱収縮差を吸収して平面度を向上することができる。
また、溶融樹脂126は織物133を介して導電パターン132上に供給されるため、溶融樹脂126を直接導電パターン132上に供給する場合と比較して、導電パターン132が受ける圧力及び熱によるダメージを緩和することができる。従って、射出成形による断線及び位置ずれ等の問題を回避することができる。この効果は、接着シート134の介在によっても得ることができる。
更に、一度の射出成形で筐体機能部品136を備えた複雑な形状の筐体部品140を製造することが可能であるため、高い生産効率を得ることができる。
導電パターン132が電波の送受信に用いられる場合、織物133は絶縁性であることが好ましい。織物133が1枚であってもよく、2枚以上の織物133が重ねて含まれていてもよい。織物133の繊維密度は特に限定されない。繊維密度が低いほど良好な樹脂充填性を得ることができ、繊維密度が高いほど高い剛性を得ることができる。このため、樹脂充填性及び剛性のバランスに応じて繊維密度を選択することが好ましい。例えば、繊維密度が20本/25mmで平織のガラス繊維を用いることができ、十分な特性を得ることができる。また、熱可塑性樹脂材128との密着性を高めるために、織物133にシラン処理等の適切なプライマ処理を行ってもよい。
液晶ポリエステルの含有量は、例えば熱可塑性樹脂材128の総質量に対して1質量%〜50質量%であることが好ましい。液晶ポリエステルの含有量が50質量%超であると、液晶ポリエステルの特性が支配的になり十分な剛性が得られないことがある。液晶ポリエステルの含有量が1質量%未満であると、成形時に十分な流動性が得られないことがある。より高い流動性を得るために、液晶ポリエステルの含有量は2質量%以上であることがより好ましい。熱可塑性樹脂材128の残部は、例えばポリカーボネート又はポリアミドの少なくとも一方である。この場合、液晶ポリエステルの含有量が1質量%〜50質量%であれば、ポリカーボネート及びポリアミドの総含有量は50質量%〜99質量%であり、液晶ポリエステルの含有量が2質量%〜50質量%であれば、ポリカーボネート及びポリアミドの総含有量は50質量%〜98質量%である。ポリカーボネート及びポリアミドは優れた剛性及び耐衝撃性だけでなく優れた装飾性及び塗装性を示す。
樹脂シート131の材料としては、加熱時にポリカーボネート及びポリアミドとの接着性を発揮するものを用いることが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリカーボネート(PC)及びポリアミド(PA)が挙げられる。導電パターン132は、スクリーン印刷及びインクジェット印刷等により形成することができる。導電パターン132の形成方法は、その原料である導電性インクの粘度に応じて選択することが好ましい。一つの筐体部品に複数のアンテナエレメントを設ける場合でも、これら複数のアンテナエレメントを一括して一体化することができる。従って、高い生産効率を得ることができる。複数のアンテナエレメントが設けられる用途としてスマートフォンが挙げられる。
繊維強化プラスチック材135、織物133、熱可塑性樹脂材128、筐体機能部品136、導電パターン132、樹脂シート131、接着シート134は、それぞれ、繊維強化プラスチック材20、織物21、熱可塑性樹脂材22、筐体機能部品23、導電パターン24、樹脂シート25、接着シート26に対応する。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、ノート型パーソナルコンピュータ用の筐体部品に関する。図4は、第3の実施形態に係る筐体部品を示す図である。第3の実施形態では、図4(a)に示すように、ノート型パーソナルコンピュータのアンテナ部201及びサブディスプレイ部202に筐体部品が用いられている。
アンテナ部201では、図4(b)に示すように、繊維強化プラスチック材30に筐体機能部品33が一体化されている。導電パターン34が樹脂シート35に印刷されており、この樹脂シート35が接着シート36により繊維強化プラスチック材30に接着されている。このようにして繊維強化プラスチック材30に導電パターン34が一体化されている。繊維強化プラスチック材30には、織物31及びこの織物31に少なくとも一部が含浸された熱可塑性樹脂材32が含まれている。熱可塑性樹脂材32は液晶ポリエステルを含有している。筐体機能部品33はボスリブ又は他の筐体部品との連結部である。導電パターン34はアンテナエレメントである。
熱可塑性樹脂材32、筐体機能部品33、導電パターン34、樹脂シート35、接着シート36の各材料としては、第2の実施形態の熱可塑性樹脂材22、筐体機能部品23、導電パターン24、樹脂シート25、接着シート26と同様のものを用いることができる。織物31としては、絶縁性の織物、例えばガラス繊維の織物を用いることができる。
サブディスプレイ部202では、図4(c)に示すように、繊維強化プラスチック材40に筐体機能部品43が一体化されている。導電パターン44が樹脂シート45に印刷されており、この樹脂シート45が接着シート46により繊維強化プラスチック材40に接着されている。このようにして繊維強化プラスチック材40に導電パターン44が一体化されている。繊維強化プラスチック材40には、織物41及びこの織物41に少なくとも一部が含浸された熱可塑性樹脂材42が含まれている。熱可塑性樹脂材42は液晶ポリエステルを含有している。筐体機能部品43はサブディスプレイ47の固定部である。導電パターン44はサブディスプレイ47用の配線である。
織物41、熱可塑性樹脂材42、筐体機能部品43、導電パターン44、樹脂シート45、接着シート46の各材料としては、第2の実施形態の織物21、熱可塑性樹脂材22、筐体機能部品23、導電パターン24、樹脂シート25、接着シート26と同様のものを用いることができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、スマートフォン用の筐体部品に関する。図5は、第4の実施形態に係る筐体部品を示す図である。第4の実施形態では、図5(a)に示すように、スマートフォンのアンテナ部301に筐体部品が用いられている。
アンテナ部301では、図5(b)に示すように、繊維強化プラスチック材50に筐体機能部品53が一体化されている。導電パターン54が樹脂シート55に印刷されており、この樹脂シート55が接着シート56により繊維強化プラスチック材50に接着されている。このようにして繊維強化プラスチック材50に導電パターン54が一体化されている。繊維強化プラスチック材50には、織物51及びこの織物51に少なくとも一部が含浸された熱可塑性樹脂材52が含まれている。熱可塑性樹脂材52は液晶ポリエステルを含有している。筐体機能部品53はボスリブである。導電パターン54はアンテナエレメントである。
熱可塑性樹脂材52、筐体機能部品53、導電パターン54、樹脂シート55、接着シート56の各材料としては、第2の実施形態の熱可塑性樹脂材22、筐体機能部品23、導電パターン24、樹脂シート25、接着シート26と同様のものを用いることができる。織物51としては、絶縁性の織物、例えばガラス繊維の織物を用いることができる。
次に、本願発明者が行った実験について説明する。この実験では、第2の実施形態に倣って筐体部品を製造した。
液晶ポリエステルの樹脂シート上に厚さが3μmの導電パターンを形成した。樹脂シートの厚さ、幅、長さは、それぞれ0.1mm、70mm、130mmであった。樹脂シートとしてはクラレ社の製品(商品名:ヴェクスター)を用いた。導電パターンの形成では、導電性インクをインクジェット印刷した後に約150℃で1時間の焼成を行った。導電性インクとしてはハリマ化成社の製品(商品名:ナノ銀ペースト)を用いた。そして、プレス加工により樹脂シートに筐体機能部品用の孔を形成した。
その後、ガラス繊維の織物を樹脂シートの導電パターン側の面上に重ねて射出成形用の金型に設置した。織物の厚さ、幅、長さは、それぞれ0.2mm、70mm、長さ130mmであった。また、織物は平織であり、その密度は20本/25mmであった。織物としてはユニチカ社の製品(商品名:ユニチカガラス長繊維)を用いた。なお、試料No.1では1枚のみの織物を用い、試料No.2では、2枚の織物を積層して用いた。
熱可塑性樹脂材の原料の組成は、ポリカーボネート:90質量%、液晶ポリエステル:10質量%とした。この原料は、ポリカーボネート及び液晶ポリエステルを二軸混練機で混合してペレットとした。ポリカーボネートとしては住化スタイロンポリカーボネート社の製品(商品名:カリバー)を用い、液晶ポリエステルとしてはポリプラスチックス社の製品(商品名:ヴェクトラ)を用いた。そして、ペレットを射出成形機のシリンダに投入して、シリンダ温度:320℃、金型温度:130℃、ゲージ射出圧:200MPaの条件で金型内に注入した。射出成形機としてはファナック社の製品(商品名:ロボショット)を用いた。
そして、射出成形により筐体部品として、スマートフォンの、裏面に4個のアンテナエレメント、及びボスリブが一体化したリアケースを作製した。このリアケースの厚さは、試料No.1では0.5mmとし、試料No.2では0.7mmとした。いずれにおいても、各部位の変形及び位置ずれは生じておらず、外観も良好であった。
更に、作製した筐体部品の平面部から短冊状の試験片を切り出し、曲げ試験を行った。試験片のサイズは10mm×50mmとした。試料No.1の結果を表1に示し、試料No.2の結果を表2に示す。
Figure 0006201658
Figure 0006201658
表1及び表2に示すように、織物の数に拘わらず、ウェルド部においても非ウェルド部と同等の曲げ弾性率が得られた。このことは、機械的特性のばらつきが小さいことを意味しているといえる。
また、アンテナエレメントの検証も行った。アンテナエレメントの検証では、4個のアンテナエレメントA〜Dの各々の電気抵抗を4端針法で測定した。試料No.1の結果を表3に示す。
Figure 0006201658
表3に示すように、アンテナエレメントA〜Dのいずれにも断線は生じておらず、良好な電気抵抗が得られた。試料No.2でも同等の結果が得られた。
なお、筐体部品の製造に際してプレス成形又はインサート成形を採用してもよい。
プレス成形では、例えば、液晶ポリエステルを含有する熱可塑性樹脂が織物に含浸されたプリプレグシートを圧縮加工等により形成しておく。また、板金又は鋳造等により形状加工した金属製の筐体機能部品を形成しておく。そして、プリプレグシート、筐体機能部品、導電パターンが印刷された樹脂シートを互いに重ね合わせてプレスする。
インサート成形では、例えば、液晶ポリエステルを含有する熱可塑性樹脂が織物に含浸され、更に導電パターンが印刷された樹脂シートが一体化されたプリプレグシートを圧縮加工等により形成しておく。そして、プリプレグシートを金型内に設置し、筐体機能部品を射出成形する。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
繊維強化プラスチック材と、
前記繊維強化プラスチック材に一体化された筐体機能部品と、
前記繊維強化プラスチック材に一体化された導電パターンと、
を有し、
前記繊維強化プラスチック材は、
織物と、
液晶ポリエステルを含有し、前記織物に少なくとも一部が含浸された熱可塑性樹脂材と、
を有することを特徴とする筐体部品。
(付記2)
前記筐体機能部品はボス又はリブの少なくとも一方であることを特徴とする付記1に記載の筐体部品。
(付記3)
前記熱可塑性樹脂材の残部はポリカーボネート又はポリアミドの少なくとも一方であり、
前記液晶ポリエステルが前記熱可塑性樹脂材に占める割合は、1質量%以上50質量%以下であることを特徴とする付記1又は2に記載の筐体部品。
(付記4)
前記筐体機能部品は、前記熱可塑性樹脂材の材料と同一の材料を含むことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の筐体部品。
(付記5)
前記織物と前記導電パターンとの間に接着シートを有することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の筐体部品。
(付記6)
前記導電パターンは、前記繊維強化プラスチック材に一体化された樹脂シートに印刷されていることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の筐体部品。
(付記7)
前記熱可塑性樹脂材の少なくとも一部は、前記織物を挟んで前記筐体機能部品とは反対側に位置することを特徴とする付記5に記載の筐体部品。
(付記8)
導電パターンと織物とを互いに重ね合せて、筐体機能部品用の形状を備えた金型内に設置する工程と、
液晶ポリエステルを含有する熱可塑性樹脂を前記金型内に注入して前記織物に含浸させる工程と、
前記熱可塑性樹脂を冷却して前記織物及び前記熱可塑性樹脂を含む繊維強化プラスチック材及び筐体機能部品を形成する工程と、
を有することを特徴とする筐体部品の製造方法。
(付記9)
前記筐体機能部品はボス又はリブの少なくとも一方であることを特徴とする付記8に記載の筐体部品の製造方法。
(付記10)
前記熱可塑性樹脂の残部はポリカーボネート又はポリアミドの少なくとも一方であり、
前記液晶ポリエステルが前記熱可塑性樹脂に占める割合は、1質量%以上50質量%以下であることを特徴とする付記8又は9に記載の筐体部品の製造方法。
(付記11)
前記導電パターンと前記織物とを互いに重ね合せる際に、前記導電パターンと前記織物との間に接着シートを設けることを特徴とする付記8乃至10のいずれか1項に記載の筐体部品の製造方法。
(付記12)
前記導電パターンと前記織物とを互いに重ね合せる際に、前記導電パターンが印刷された樹脂シートを前記織物と重ね合せることを特徴とする付記8乃至11のいずれか1項に記載の筐体部品の製造方法。
10、20、30、40、50、135:繊維強化プラスチック材
11、21、31、41、51、133:織物
12、22、32、42、52、128:熱可塑性樹脂材
13、23、33、43、53、136:筐体機能部品
14、24、34、44、54:導電パターン
25、35、45、55、131:樹脂シート
26、36、46、56、134:接着シート

Claims (7)

  1. 繊維強化プラスチック材と、
    前記繊維強化プラスチック材に一体化された筐体機能部品と、
    前記繊維強化プラスチック材に一体化された導電パターンと、
    を有し、
    前記繊維強化プラスチック材は、
    織物と、
    液晶ポリエステルを含有し、前記織物に少なくとも一部が含浸された熱可塑性樹脂材と、
    を有することを特徴とする筐体部品。
  2. 前記筐体機能部品はボス又はリブの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の筐体部品。
  3. 前記熱可塑性樹脂材の残部はポリカーボネート又はポリアミドの少なくとも一方であり、
    前記液晶ポリエステルが前記熱可塑性樹脂材に占める割合は、1質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の筐体部品。
  4. 前記筐体機能部品は、前記熱可塑性樹脂材の材料と同一の材料を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の筐体部品。
  5. 導電パターンと織物とを互いに重ね合せて、筐体機能部品用の形状を備えた金型内に設置する工程と、
    液晶ポリエステルを含有する熱可塑性樹脂を前記金型内に注入して前記織物に含浸させる工程と、
    前記熱可塑性樹脂を冷却して前記織物及び前記熱可塑性樹脂を含む繊維強化プラスチック材及び筐体機能部品を形成する工程と、
    を有することを特徴とする筐体部品の製造方法。
  6. 前記筐体機能部品はボス又はリブの少なくとも一方であることを特徴とする請求項5に記載の筐体部品の製造方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂の残部はポリカーボネート又はポリアミドの少なくとも一方であり、
    前記液晶ポリエステルが前記熱可塑性樹脂に占める割合は、1質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載の筐体部品の製造方法。
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