JP6201089B1 - 建物の傾きも調整できる免震構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の免震装置は特殊材料を用い施工コストが高くつき、一般住宅に利 用しにくい難点が有り、地盤沈下等自然災害で生じる敷地の段差等により建物全体が傾いた場 合の復元方法の配慮が不充分だった。【解決手段】本発明は建物側をスベリ部とし地盤側を固定部とする分離構造にする。スベリ部には建物土台の下部に金属枠組みを締結して一体化し土台上の各柱部に相当する位置の金属枠組下部にスベリ用と高さ調整用の金属部材を取り付ける。一方固定部には縦横の揺れ範囲規制用のストッパーと金属敷板を取り付ける。スベリ部と固定部の合間に生じるスベリ効果で地盤と建物の共振を避け建物の揺れと傾きを低減させ、万一建物が傾いた場合は高さ調整ボルトを上下移動させスベリ部の金属枠組下部に生じた隙間に積層金属板を増減調整して挿入する事で建物の傾きを正常位置に復元可能で、一般的に普及している材料と施工方法で容易に利用できる免震構造である。【選択図】 図2

Description

本発明は地震等自然災害による建物の傾斜を低減し万一土地に変動が生じた 場合も建物の傾きを復元しやすく出来る免震構造
従来の免震構造は建物の基礎部に積層ゴムや特殊ローラー等を用いる為材料 と工事のコストが高く一般住宅には利用しにくいものが大半であった。
従来の免震構造は地殻変動による建物の敷地の歪みを考慮して 対応できる構造ではなかった。
特開平10−292669号公報
従来の免震装置は積層ゴムや特殊ローラー等材料費や工事費が高くつき一般 の木造建物には利用しにくい難点があった。本発明では既存の材料と施工技術 により容易で安価に対応できる免震構造にすることが課題である。
一般の戸建木造の免震化は建物重量が軽く強度も弱いため地盤の揺れに影響 され易く難しいと言われてきた。さらに加えて在来工法の木製土台柱は通例ア ンカーボルトで鉄筋コンクリート製の布基礎土台に直接固定されているため地 振動の揺れは建物全体に
直接伝わり共振で加速され柱が折れ建物の倒壊を招く原因にもなっていた。 従って木造建物の土台の重量と強度を高め、さらに建物全体を地盤の揺れから 切り離し共振させぬ免震構造を工夫することが課題である。
従来の免震構造の考えかたでは建物土台と敷地地盤の間に免震装置を介在さ せて地震動の揺れが建物の揺れと共振することを妨げることにより建物の揺れ を軽減させるものではあるが地盤段差等で建物自体が傾いた場合の復元対策が 配慮されていなかった。本発明では容易に被災建物の傾きを復元できる免震構 造にすることが課題である。
上記課題の解決手段の基本的構造は次の4点である。
1つ目は 木造建物の1建物土台とこれを支持する2金属枠組とを3アンカ ーボルトを介して一体化させることで1建物土台の重量と強度を増加 させる。
2つ目は 2金属製枠組の所定位置に5メッキナット及び7積層金属板の基 地板を設置しておき、建物側の底部にスベリ部を設ける。
3つ目は 上記のメッキナットには6高さ調整ボルトを通して、又は7積層 金属板の基地板の下部には厚みの異なる8積層金属板を挿入して建物 の傾きを調節できる構造とする。
4つ目は 4基礎板上の所定位置にはスベリ部の受け皿としての9金属敷板 及び建物横揺れ範囲規制用の10ストッパーと縦揺れ時の13浮き止 めを取り付ける。以下その実施手段を列記する。
6高さ調整ボルトの下部は球面に加工しスベリ部とする。
7積層金属板の基地板の下部に厚みの異なる数枚の8積層金属板を重ねて入 れその最下層の8積層金属板の中心部には凸型球面部を加工しスベリ部とする 。
上記4基礎板上に設置する10ストッパーには横揺れ対応の11積層ゴムを付設する。
上記4基礎板上には縦揺れ対応の13浮き止め具を設置する。
2金属枠組の下部に取り付ける5メッキナットと7積層金属板の基地板の設 置位置は建物の通し柱及び管柱の下部相当部に建物平面に応じてバランスよく 配置する。
4基礎板上の10ストッパーの配置は建物平面に応じた要所にバランス良く配置する。
建物の傾きを正常位置に復元させる場合は2金属枠組をジャッキ等で持ち上 げて6高さ調整ボルトを上下して調整し、又は8積層金属板をスベリ部と固定 部の傾きの隙間に増減調節しながら挿入してこれを行う。ただし敷地の段差が 大きい時には12クサビを用いて傾斜角度を補足調整する。
各金属部は全て防錆処理を施工しておく。
本発明により地震等による地盤段差からの建物の傾きを4高さ調整ボルトと 8積層金属板の活用で容易に正常位置に復元することが出来る。以下に発明の 効果を列記する。
1建物土台を支持する2金属製枠組を一体化することで建物の重量と強度を 安定させ木造土台においても腐敗しにくい効果がある。
上記の2金属製枠組に設置した6高さ調整ボルトの上下調整又は8積層金属 板の増減調整により建物の傾きを正常位置に戻すことが出来る。
地殻変動により生じる敷地の段差がもたらす4基礎板部の傾斜に対しても9 調整ボルトと12クサビを用いて建物を正常の状態に戻すことが出来る。
建物側の6高さ調整ボルト底球面又は8積層金属板底下部の球面のスベリ部 と4基礎板上の9金属敷板とのスベリ効果により建物の共振を防止することが 出来る。
従来の積層ゴムやローラーやスプリング等を用いる免震装置に費用面で比べ てみると本発明は2金属製枠組と6高さ調整ボルト8積層金属板4基礎板等安 価な材料費により施工も簡単であり経済的であるため一般の木造住宅でも利用 し易い効果がある。
金属枠組の平面図および高さ調整ボルトと耐震ゴム部の配置図の例 平常時の建物土台と金属製枠組及び高さ調整ボルト等の関係図 平常時の建物土台と金属製枠組及び高さ調整用積層金属板の関係図 地震等で基礎板が傾いた時の建物が傾いた時の基礎と金属枠組及び 高さ調整ボルトの関係図 地震等で基礎板が傾いた時の基礎と金属枠組及び積層金属板との関係図 平常時の建物土台とストッパーの関係図 建物が傾いた時の高さ調整ボルトの設置図 建物が傾いた時の高さ調整用積層金属板の挿入図 建物の浮き止め図
以下発明の実施の形態を図1〜図9に順じて説明する。
図1に示すのは6高さ調整ボルト又は8積層金属板の配置は建物の通し柱と 管柱部に
平面図に応じてバランスよく行う形態の一例である。
図2は2金属枠組に設置された5メッキナットに通した6高さ調整ボルトの 先端スベリ部と
その受け皿である8金属敷板の間のスベリ効果により地震動の共振防止に有効な構造
を示すものである。
図3は2金属枠組に設置された7積層金属板の基地板と8積層金属板のスベ リ部と基
礎部8敷板との間のスベリ効果により建物の共振を防止する形態を示す。
図4は地震で4基礎板が傾いたとき基本的には6高さ調整ボルトの上下移動 で建物の
平行を復元するがボルトの球面だけでは困難な時は12クサビで平行を補い 建物を正常
位置に戻す事が出来る形態を示す。
図5は地震で4基礎板が傾いたとき厚さが異なる数枚の7積層金属板の挿入 だけでは
建物の平行を復元するが困難の時は12クサビで平行を補い建物を正常位置 に戻す事
が出来る形態を示す。
図6は1建物土台を一体化して支持する2金属枠の横縦の揺れを要所で規制 するストッパー部により4基礎板から土台部が外れるのを防ぐ形態を示す。
図7は建物部全体が傾いた時2金属枠をジャッキで持ち上げ6高さ調整ボル トを上下移動させ更に12クサビで微調整して建物の水平を正常位置に戻す形 態を示す。
図8は建物部全体が傾いた時2金属枠をジャッキで持ち上げた隙間に厚さの 異なる8積
層金属板を挿入して建物の水平を正常位置に戻す事が可能な形態を示す。
図9は地震の縦揺れ等で建物土台部の2金属枠が基礎部から浮き上がるのを 防止す
る13浮き止め具の形態を示す。
1 建物土台
2 金属枠組
3 アンカーボルト
4 基礎板
5 メッキナット
6 高さ調整ボルト
7 積層金属板の基地板
8 積層金属板
9 金属敷板
10 ストッパー
11 積層ゴム
12 クサビ
13 浮き止め具
14 火打ち梁

Claims (1)

  1. 地震等で傾いてしまった建物の平行を復元する手段としては建物土台と金属枠組がア ンカーボルトで締結一体化された金属枠組の要所に高さ調整ボルト又は厚さの異なる数 枚の平板を重ねて構成された積層金属板を取り付け配置しておき、高さ調整ボルトを用 いる場合は上下移動により高さ調整し、又は積層金属板を使用する場合は平板の枚数の 増減により高さ調整して建物の平行を復元する構造とし、免震機能としては高さ調整ボ ルトを使用する場合はボルトの下部は球面に加工し、積層金属板を使用する場合は最下 層の平板の中心部には球面状の凸型突起部(鋼球等)を取り付けておくことで、これを 建物側のスベリ部とし、地盤側の基礎上の要所には平らなスベリ面としての金属敷板と 共に横揺れ範囲規制用の衝撃緩和材(積層ゴム)を取り付けたストッパー及び縦揺れ対 応用の浮き止め具を取り付けることで点接触による全方向へのスベリ機能を保持できる ことを特徴とする免震構造。
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