JP2006016937A - 免震建築工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】木造建築物や軽量鉄骨建築物などの軽い建築物の免震構造を提供する。
【解決手段】捨てコン2を地表14と同じレベルに打ち、該捨てコン2と基礎4の間に積層免震ゴム3を設置し、基礎4の上に家屋5を建築して基礎4と家屋5を一体に造る、また滑り支持や転がり支持を用いる場合は支持台を下側に、受け皿を上側に取り付ける。錘を基礎の一部分に載せて重心を建築物の中央にくるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は木造住宅や軽量鉄骨で造られた軽量建築物の免震構造、とりわけ、基礎の下側に免震装置を介在させる軽量建築物の免震構造に関する。また滑り支持、転がり支持の設置方法に関する。
従来の軽量建築物は床掘りをして割栗を敷き、捨てコンを流しして平らにし、その上に基礎を構築して,下部を地中に埋めて基礎の上部に家屋を建設する。木造や軽量鉄骨で造られた軽量建築物はコンクリート建築物に比べ軽いため免震ゴムが使用できないので、ほとんど免震構造建築はされていない。近年、土台と基礎の間に、転がり支持を設置した軽量鉄骨製の住宅が開発された。該転がり支持は受け皿を下側に、支持台を上側にして設置する。基礎と土台の間に転がり支持を設置した軽量建築物は、台風などの強い風で家屋が浮くのを防止するために土台を基礎に器具で固定する。
特開平10−176435 特開2003−129692
従来家屋(ここでは便宜上基礎を離した建築物を家屋と言う)は基礎の上に載っていると考えられており、家屋だけを免震しようとしてきた。しかし地震のとき、基礎は地面と同じ揺れ方をするので以下に述べるような、さまざまな問題がある。
コンクリート住宅に比べると木造家屋や軽量鉄骨家屋は約1/5と軽いので、基礎と土台の間に積層免震ゴムを設置すると、地震の速い揺れがそのまま家屋に伝わり免震できない、また直径の小さな積層免震ゴムを用いると大きな揺れのとき座屈して免震できない。
基礎と家屋を切り離すと屋根部分が重いので重心位置が高くなり不安定になる、また台風などで家屋が持ち上げられることがある。それを防止するために土台を基礎に固定する器具で固定する必要があり、土台を基礎に固定しているときに基礎が地震で揺れると免震装置が働かないので地震の被害を被る可能性がある。
家屋は普通、水周りを集めて建てるので、水周りは他の部屋に比べると重いそれで、重心が水周りに偏り、地震波の方向によっては大きく家屋が揺れる場合がある。また基礎の下に免震ゴムを設置するとき、重心が建築物の中央にないと複雑な計算が必要である。積層免震ゴムが横に揺れて作動すると上下の隙間が狭くなるので、積層免震ゴムと滑り支持や転がり支持との併用はされていない。
基礎と家屋を切り離すと土台を頑丈に造る必要があり建築費が大幅にかさむ。
滑り支持や転がり支持を設置する場合、支持台が上側、すり鉢状受け皿が下側に設置されているが、該すり鉢状受け皿に水害などで木切れや土砂などが引っかかり作動しない恐れがある。またネズミなど動物の排泄物が溜まると、硬くなってこびりつき、またステンレスでも腐食するので作動しにくい場合がでてくる恐れがある。また受け皿に水が溜まりまたはその水が凍ると、摩擦係数が大きく変わり地震の揺れが収まるとき家屋が大きく揺れる恐れがある。
従来工法だと床掘りを深く掘る必要があり、土砂の処理に費用がかかる。
従来工法では、地震などで基礎の水平面が大きく狂うと、家屋も傾き建物全体を立て替える必要があり費用が嵩む、おまけに期間も相当かかる。
地震では下部が地中に埋まっている基礎が地震と同じ揺れ方をするので、基礎の上に載っている家屋も揺れる。かかる問題を解決するために、捨てコン(2)を地表(14)と同じレベルに打ち、免震装置を捨てコン(2)の上面に設置し、該免震装置の上に基礎(4)を造る、次に基礎(4)の上に家屋(5)を造り、家屋(5)と基礎(4)を一体にする。水周り(8)がある部屋は重たくなるので基礎をべた基礎として反対側の軽い部屋の基礎の上に、錘(7)を載せて重心を家屋の中央に来るようにする。免震装置は条件によっては積層免震ゴム(3)と滑り支持(6)や転がり支持を併用する、この場合受け皿は平板を用い受け皿と基礎の間もしくは支持台と捨てコンの間に免震ゴムを設置する。また錘(7)を載せる代わりに基礎を部分的に重くする工法もある。
滑り支持(6)、転がり支持を用いる場合は、すり鉢状受け皿(9)を上側に、支持台(10)を下側に設置する。この工法は基礎と土台の間に用いる従来の工法にも適用できる。なお該滑り支持(6)、転がり支持のみ用いる場合はショックアブソーバー(13)を用いる必要がある。
以上の説明から分かるように請求項1に記載の軽量住宅の免震工法は、地表(14)と同じレベルに捨てコン(2)を打ち、該捨てコン(2)上面に約1m四方のベース板(11)を取り付けてその上に積層免震ゴム(3)を設置し、該積層免震ゴム(3)の上に基礎(4)を構築して、該基礎(4)の上に家屋(5)を建築する。発明の効果は第一に基礎(4)と家屋(5)が一体になったので建築物の重量が増し軽量建築物でも積層免震ゴム(3)の使用が可能となる。第二に基礎と土台の間に免震装置を設置した建築物に比べると重心が低くなるので、地震のさい、屋根が大きく揺れることがない。第三に台風などの強い風で建て屋が浮き上がることがない。また浮き上がりを防止するため基礎と家屋を固定する器具で固定したときに地震がくると免震装置が働かないので地震の被害を受ける可能性があるが固定器具を取り付ける必要がないので地震の被害がなくなる。第四に基礎と土台の間に免震装置を設置した建築物に比べると、土台は基礎と一体なので土台を特別丈夫に造る必要がないので建築費用が少なくてすむ。第五に基礎(4)を地中に埋める必要がないので、床掘りは浅くてよく、掘る費用,土砂の搬出費用が少なくてすむ。第六に地震などで基礎(4)の水平面が傾いた場合は、基礎(4)をジャッキアップしながら免震装置をはずして、捨てコン(2)の表面を水平に修復し、再び免震装置を取り付けてジャッキで基礎(4)を降ろすと基礎(4)と家屋(5)は水平になり簡単に修理ができるので、建築物を建て替えるのに比べると住んだままで修理が可能になり、期間が短縮し、費用も安くなる。
請求項2,3に記載の工法は、基礎に錘(7)を載せまたは基礎(4)を重たくしてバランス重心を家屋(5)の中央にすることで積層免震ゴム(3)の設置場所の割り出し計算が簡単となり、また重心が偏っていると地震波が来る方向の違いで揺れ方が違うが、重心が中央だと地震波がどの方向からきても同じ揺れかたをするので安定している。また平面受け皿を用いて支持台と捨てコンの間に免震ゴムを挟んだ、滑り支持(6)や転がり支持を積層免震ゴム(3)と併用すると、地震や台風などでの揺れに対しローリングの揺れが小さくなる。
請求項4,5の免震装置に滑り支持(6)や転がり支持を用いる場合、従来の工法とは逆にすり鉢状受け皿(9)を上側,支持台(10)を下側に設置することで、すり鉢状受け皿(9)に水害などでの土砂の堆積やねずみなど動物の排泄物がこびりついて動作が不安定になることを防止する。またすり鉢状受け皿(9)に水が溜まることがないので金属の腐食がない。なお基礎と土台の間に設置する工法にも使用可能である。
捨てコンの上面に免震ゴムを設置して、その上に基礎を造る工法を図1〜図9に基づいて説明する。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は,この発明の積層免震ゴム(3)を用いた免震建築の支持構造を概略的に示したもので,床掘りを従来よりも浅く掘り,割栗(1)を敷き固め、捨てコン(2)を打つ、あらかじめアンカーボルトを埋めておき、該捨てコン(2)の上に約1m四方のベース板(11)をナットで該アンカーボルトに取り付けて、その上に積層免新ゴム(3)を設置し、免震ゴム(3)の上に基礎(4)を載せて固定した後、従来と同じ建築工法で家屋(5)を建てる。図3は基礎をべた基礎にして水回り(8)と反対側の軽い部分の基礎に錘(7)を載せてバランスを取り、重心を建築物の中心持ってきて、積層免震ゴム(3)を設置し、また建築物の角に、受け皿が平らで支持台とベース板の間に免震ゴムを設置した滑り支持もしくは転がり支持を設置する。
図2は前記と同様な建築工法で積層免震ゴムの代わりに滑り支持(6)を用いた建築工法である。なお転がり支持を用いる建築工法もある。なおこの工法ではショックアブソーバーを取り付ける必要がある。
図4は上記で用いるすり鉢状受け皿(9)を上側に、支持台(10)を下側に設置した図である。直径30センチ高さ5センチの円錐状の鉄でできた台の先を丸くして、フッソ樹脂加工を施して支持台(10)を造って捨てコン(2)の上面に取り付ける。すり鉢状受け皿(9)は、直径60センチ厚さ40ミリのステンレス板を用い、曲がりが緩い曲面を持つ窪みを作り、該すり鉢状受け皿(9)を支持台(10)の上に載せる形で基礎の下側に取り付ける。
図6は鉄パイプの支柱(10)を、捨てコン(2)に4本立て、上端にショックアブソーバー(13)を4個固定し、他の端を基礎(4)に固定した上面図であり、ショックアブソーバー(13)は、ゴム、ばね、油圧シリンダーなど状況に応じて用いる、なお支柱(10)の大きさや本数またショックアブソーバーの能力、種類は、その建築物の大きさや重さなどの条件によって違ってくる。図8は捨てコン(2)と基礎(4)に滑り支持(6)、支柱(12)、ショックアブソーバー(13)、を取り付けた建物の断面図である。
全ての建築物にストッパー(15)をつけて、免震装置の能力を超えた揺れに対応する。以上の構成により本実施形態の軽量建築物においては、捨てコン(2)の上面を地表(14)と同じレベルに打ち、該捨てコン(2)上に約1m四方のベース板(11)を取り付けて免震装置を据えて、免震装置の上に基礎(4)を構築し、基礎(4)と家屋(5)の土台を一体として家屋(5)を建築する。また滑り支持(6)や転がり支持の支持台(10)を下側に、受け皿(9)を上側に設置する。基礎(4)が地震の時、揺れに対して安定をよくするために、積層免震ゴム(3)と滑り支持(6)を併用することも可能である。
捨てコンを地表と同じレベルに打ち、該捨てコンと基礎の間に積層免震ゴムを設置した建築物の断面図。 捨てコンを地表と同じレベルに打ち、該捨てコンと基礎の間に滑り支持を設置した建築物の断面図。 基礎の上に錘を載せてバランスをとった建築物の平面図 支持台とすり鉢状受け皿の概略図。 支持台とすり鉢状受け皿の断面図。 支持棒と基礎にアブソーバーを取り付けた上面図。 基礎と土台の間に滑り支持を設置した建築物の断面図。 捨てコンと基礎の間に滑り支持、基礎と支柱に免震ゴムを取り付けた断面図。 捨てコンと基礎の間に免震ゴム及び滑り支持を設置した建築物の断面図。
符号の説明
1 割栗 2 捨てコン 3 積層免震ゴム 4 基礎 5 家屋 6 滑り支持 7 錘 8 水周り 9 すり鉢状受け皿 10 支持台 11 ベース 12 支柱 13 ショックアブソーバー 14 地表 15 ストッパー 16 積層免震ゴムの設置位置 17 滑り支承の設置位置 18 免震ゴム

Claims (6)

  1. 積層免震ゴム、滑り支持、転がり支持の免震装置を用いる免震建築物において、捨てコンの上面と基礎下面の間に免震装置を設置することを特徴とする免震工法。
  2. 請求項1に述べている基礎の一部分に錘を載せて、重心が免震建築物の中央にあるようにすることを特徴とする免震工法。
  3. 請求項1に述べている基礎の一部分を重くして、重心が免震建築物の中央にあるようにすることを特徴とする免震工法。
  4. 免震建築物に用いる滑り支持において、受け皿を上側に、また支持台を下側に設置することを特徴とする滑り支持。
  5. 免震建築物に用いる転がり支持において、受け皿を上側に、また支持台を下側に設置することを特徴とする転がり支持。
  6. 請求項1で、滑り支持や転がり支持を積層免震ゴムと共に用いる場合、滑り支持や転がり支持の支持台と捨てコンの間、もしくは受け皿と基礎の間に免震ゴムを設置することを特徴とする免震工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE112007000253T5 (de) 2006-01-25 2008-11-13 Advantest Corp. Prüfvorrichtung und Prüfverfahren
JP6201089B1 (ja) * 2016-10-14 2017-09-20 勝雅 中山 建物の傾きも調整できる免震構造
CN112160441A (zh) * 2018-08-08 2021-01-01 孙静洁 一种整体低层建筑隔震机构

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