JP6201083B2 - 光学素子の製造方法及び反射型空中結像素子の製造方法 - Google Patents

光学素子の製造方法及び反射型空中結像素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、被投影物の実像を空中に結像させる反射型空中結像素子の製造方法及び反射型空中結像素子に用いられる光学素子の製造方法に関する。
従来の反射型空中結像素子は特許文献1、2に開示されている。この反射型空中結像素子は2枚の平板状の光学素子を上下に重ねて形成され、光学素子は透明な複数の基材を接着剤を介して接着して形成される。基材は接着剤との境界面上にアルミニウム等を蒸着して反射面が形成される。反射面は光学素子の厚み方向に平行に形成され、厚み方向に垂直な方向に所定周期で配されている。2枚の光学素子を反射面が互いに直交するように接着して反射型空中結像素子が形成される。
上記構成の反射型空中結像素子において、下方の光学素子よりも下方に配置された被投影物に向けて光が照射される。被投影物で反射した光の一部は下方の光学素子に下面の入射面から入射し、反射面で反射した後に上方の光学素子に入射する。上方の光学素子の反射面で反射した光は反射型空中結像素子の上面の出射面から出射し、反射型空中結像素子に対して被投影物と面対称の位置の空中で被投影物の実像が結像される。これにより、被投影物の映像が空中に浮かんだ状態で表示される。すなわち、被投影物の空中映像が表示される。
上記構成の光学素子の製造工程は、反射面形成工程、固着工程及び切断工程を備えている。反射面形成工程では、板状の透明な基材の一の面にアルミニウムの蒸着により反射面を形成する。固着工程では反射面の中央部上に接着剤を適量塗布した板状の透明な基材を反射面に垂直な方向に積み重ねて積層体を形成する。切断工程では固着された積層体を反射面に垂直な方向に所定周期で切断する。これにより、光学素子が形成される。
特開2012−150502号公報(第4頁、第5頁、第4図、第5図) 特開2011−175297号公報(第6頁、第4図、第5図)
反射型空中結像素子を用いて空中映像を歪なく表示するためには、隣接する反射面の高精度な平行度が要求される。例えば、厚さ0.5mmの透明な板状の基材を100枚以上積層する場合、積層方向で隣接する反射面の角度ズレは0.025度以下に抑えることが必要である。しかしながら、接着剤を塗布した板状の基材を単に積み重ねる上記特許文献1、2の光学素子の製造方法では接着剤の膜厚のばらつきが発生し、反射面の平行度を良好に確保することが困難である。
また、上記特許文献1、2の光学素子の製造方法によると、接着剤を塗布した板状の基材を積み重ねるため、積層体の基材間に接着剤が行き渡らずボイド(空洞)が発生する場合がある。積層体の基材間にボイドが発生すると、切断工程時にボイド部分で欠けや割れが生じる。このため、光学素子の歩留まりが低下する問題があった。また、塗布した接着剤を隣接する基材間に広げる工程が必要であり、光学素子の製造工数が大きくなる問題があった。
本発明は、各反射面の平行度を良好に確保しながら、製造工数を削減できるとともに歩留まりを向上できる光学素子の製造方法及び反射型空中結像素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、厚み方向に平行な反射面を所定周期で平行に配した光透過性の光学素子の製造方法において、
少なくとも一の面に前記反射面を形成した透明な基材を前記反射面上に配したスペーサーを介して積層し、前記基材間に隙間を有した積層体を形成する積層工程と、
前記積層体の前記隙間が露出した排気面から排気して前記隙間を真空状態に減圧する減圧工程と、
前記減圧工程の後に、前記排気面から吸引して前記排気面に対向する吸気面から前記隙間に液状の接着剤を充填し、前記接着剤の硬化により前記積層体を固着する固着工程と、
を備えたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の光学素子の製造方法において、空気の流出口を有して前記排気面を覆うとともに周部を前記積層体に密着した空気流出部と、前記接着剤の流入口を有して前記吸気面を覆うとともに周部を前記積層体に密着した接着剤流入部と、前記流出口に接続される真空ポンプと、前記流入口に開閉弁を介して接続される前記接着剤の貯留槽とを備え、前記減圧工程で前記開閉弁を閉じて前記真空ポンプを駆動し、前記固着工程で前記開閉弁を開いて前記真空ポンプを駆動すると好ましい。
また本発明は、上記構成の光学素子の製造方法において、前記減圧工程及び前記固着工程で前記排気面を前記積層体の上面に配し、前記固着工程において、前記吸気面と前記流入口との間まで前記接着剤が流入した際に前記開閉弁を閉じ、所定時間経過後に前記開閉弁を再度開くと好ましい。
また本発明は、上記構成の光学素子の製造方法において、前記減圧工程及び前記固着工程において、前記積層体を収容して両端部に前記空気流出部及び前記接着剤流入部をそれぞれ設けた真空チャンバーを備え、前記真空チャンバーの前記空気流出部と前記接着剤流入部との間の周壁が前記積層体の周面に密接すると好ましい。
また本発明は、上記構成の光学素子の製造方法において、前記固着工程において、前記隙間に充填した前記接着剤が硬化する前に前記排気面及び前記吸気面を大気圧に配すると好ましい。
また本発明は、上記構成の光学素子の製造方法において、前記隙間に充填する前記接着剤の温度を所定範囲内に調整する温度調整装置を設けると好ましい。
また本発明は、上記構成の光学素子の製造方法において、前記基材が板状に形成され、前記固着工程で固着された前記積層体を前記反射面に垂直な方向に所定周期で切断する切断工程を備えると好ましい。
また本発明は、上記構成の光学素子の製造方法において、前記基材が断面矩形の角材状に形成されると好ましい。
また本発明は、上記構成の光学素子の製造方法において、前記積層工程において、一の面側に前記スペーサーが予め離散的に形成された前記基材を積層して前記積層体を形成すると好ましい。
また本発明は、上記構成の光学素子の製造方法において、前記スペーサーをインクジェット印刷によりドット状に形成すると好ましい。
また本発明は、厚み方向に平行な反射面を所定周期で平行に配した光透過性の光学素子を厚み方向に複数並設し、隣接する一対の前記光学素子の前記反射面が直交する反射型空中結像素子の製造方法において、
少なくとも一の面に前記反射面を形成した透明な基材を前記反射面上に配したスペーサーを介して積層し、前記基材間に隙間を有した積層体を形成する積層工程と、
前記積層体の前記隙間が露出した排気面から排気して前記隙間を真空状態に減圧する減圧工程と、
前記減圧工程の後に、前記排気面から吸引して前記排気面に対向する吸気面から前記隙間に液状の接着剤を充填し、前記接着剤の硬化により前記積層体を固着する固着工程と、
を備えたことを特徴としている。
本発明によると、スペーサーを介して基材を積層した積層体の基材間の隙間を減圧工程で真空状態に減圧した後、固着工程で隙間に接着剤を吸引して充填する。このため、各基材に接着剤を塗布する工程や、基材を加圧して接着剤を広げる工程を省きながら光学素子の各反射面の平行度を良好に確保することができる。また、減圧工程で排気により減圧するため隙間内の空気の巻き込みが防止され、ボイド(空洞)を生じさせずに隙間に接着剤を充填することができる。したがって、各反射面の平行度を良好に確保しながら光学素子及び反射型空中結像素子の工数削減及び歩留り向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子を備えた空中映像表示装置を示す斜視図 図1の要部を拡大した斜視図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子を示す平面図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子に用いる光学素子を示す斜視図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子の光学素子の基材間の接着部分を拡大した側面図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子の製造工程を示す図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子の反射面形成工程を示す斜視図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子のスペーサー形成工程を示す側面図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子のスペーサー形成工程完了時の基材を示す斜視図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子の積層工程を示す斜視図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子の減圧工程を示す正面断面図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子の固着工程を示す正面断面図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子の固着工程の接着剤の充填完了状態を示す正面断面図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子の固着工程完了時の固着ブロックを示す斜視図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子の基材間に充填される接着剤の温度と粘度との関係を示す図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子の基材間に充填される接着剤の反応時間と粘度との関係を示す図 本発明の第1実施形態の反射型空中結像素子の基材間に充填される接着剤に含まれる気泡の粒径と積層体を収容する真空チャンバー内の圧力との関係を示す図 本発明の第2実施形態の反射型空中結像素子の固着工程を示す正面断面図 本発明の第3実施形態の反射型空中結像素子の積層工程を示す斜視図
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は第1実施形態の反射型空中結像素子を備えた空中映像表示装置の斜視図を示している。図2は図1の要部を拡大した斜視図を示している。図3は反射型空中結像素子の平面図を示している。X方向、Y方向及びZ方向はそれぞれ反射型空中結像素子10の幅方向、厚み方向及び奥行方向を示している。また、図2において矢印Pは光路を示している。
空中映像表示装置100は光源20及び反射型空中結像素子10を有する。反射型空中結像素子10は2枚の平板状の光学素子1を厚み方向(Y方向)に並設して形成される。光学素子1の平面形状は一辺の長さが約250mmの略正方形に形成される。光学素子1はガラス等の光透過性材料により形成され、厚み方向(Y方向)に平行な反射面4が所定周期T(例えば、0.5mm)で平行に配される。
下方の光学素子1の反射面4が延びる方向と上方の光学素子1の反射面4が延びる方向とは互いに直交するように2枚の光学素子1が重ねられる。下方の光学素子1の下面は光が入射する入射面18を形成し、上方の光学素子1の上面は光が出射する出射面19を形成する。
光学素子1の並設方向(Y方向)の一端面(図1において下端面)には光学素子1を覆う透明な補強板5(図1参照)が設けられる。補強板5は基材2と同じ材質のガラス等により形成される。補強板5により反射型空中結像素子10の強度を向上させることができる。なお、補強板5を光学素子1の並設方向の両端面(図1において上端面及び下端面)に設けてもよい。また、反射型空中結像素子10から補強板5を省いてもよい。
光源20は下方の光学素子1側(図1において、補強板5よりも下方)に配される。光源20は例えばLEDから成り、白色の照明光Lを出射する。光源20は被投影物OBの反射光が約45°の入射角で入射面18に入射するように被投影物OBに対して照明光Lを出射する。なお、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)により光源20を形成してもよい。
図4は光学素子1の斜視図を示している。光学素子1は一面に反射面4を形成した透明な複数の基材2を反射面4上に配した接着剤3(図5参照)により接着して形成される。基材2はガラスやアクリル樹脂等の透明な樹脂により形成される。反射面4は基材2上に例えばアルミニウムや銀等のスパッタや蒸着を行って形成される。接着剤3は例えばエポキシ樹脂等から成る主剤と例えばポリアミド樹脂等から成る硬化剤とを混合した二液混合型の接着剤から成る。なお、接着剤3の主剤にアクリル樹脂等を用いてもよい。
図5は隣接する基材2間の接着部分を拡大した側面図を示している。隣接する基材2間には反射面4上にドット状の複数のスペーサー15が平面視でマトリクス状に配置されている。スペーサー15は例えば紫外線硬化性樹脂から成り、高さH(反射面4に垂直な方向の突出量)が20μm±1μmの範囲内で形成され、直交する二方向に所定のピッチP(本実施形態では1mm)で配置される。これにより、各接着剤3の膜厚を揃えることができ、複数の反射面4を互いに平行に維持することができる。
上記構成の空中映像表示装置100において、下方の光学素子1側(図1において、補強板5よりも下方)に2次元画像の被投影物OB(図1、図2参照)を配置し、光源20を点灯する。光源20から出射された照明光Lは被投影物OBで反射し、矢印P(図2参照)で示すように、反射した光の一部は下方の光学素子1に下面の入射面18から入射し、下方の光学素子1の反射面4で反射した後に上方の光学素子1に入射する。
上方の光学素子1の反射面4で反射した光は反射型空中結像素子10の上面の出射面19から上方へ出射され、反射型空中結像素子10に対して被投影物OBと面対称の位置の空中で被投影物OBの実像(空中映像FI)が結像される。これにより、被投影物OBの空中映像FIが空中に浮かんだ状態で表示される。
この時、図3に示すように、入射面18に平行な面に投影して使用者の視線方向ELに対して光学素子1の反射面4が45゜傾斜すると、空中映像FIの視認性を最良にできる。
また、被投影物OBが例えば商品等に関する情報であれば、空中映像FIにより商品等の広告宣伝を行うことができる。また、医療現場や工事現場等で使用される機器のタッチパネル等を空中映像FIとして表示してもよい。これにより、機器の汚染等を防止することができる。また、反射型空中結像素子10をゲーム機等に搭載してもよい。
なお、被投影物OBは2次元画像に限定されず、立体物でもよい。また、被投影物OBは液晶パネル等の表示装置に表示された画像でもよい。この場合、光源20を省いて表示装置に内蔵された光源を用いることができる。
図6は反射型空中結像素子10の製造工程を示す図である。反射型空中結像素子10は反射面形成工程、スペーサー形成工程、積層工程、シール工程、減圧工程、固着工程、切断工程、研磨工程、組立工程及び補強板取付工程を順に行って形成される。
図7は反射面形成工程を示す斜視図である。反射面形成工程では平面形状が正方形のガラスから成る板状の基材2の両面にアルミニウムや銀等のスパッタや蒸着等によって反射面4を形成する。本実施形態では基材2上に厚みが100nmのアルミニウムを配して反射面4が形成される。なお、板状の基材2の片面にのみ反射面4を形成してもよい。
板状の基材2の製造方法に特に限定はないが、例えばフュージョン法を用いることができる。フュージョン法は、上面を開口して断面形状が下端を絞るハート形状の樋に溶けたガラスを入れ、樋の上面から溢れ出たガラスが下方へ流れ出て樋の下方で一体になる方法である。これにより、ガラス面は空気以外には非接触で表面張力のみによって形成されるため、平滑な面を得ることができる。
本実施形態では板状の基材2の一辺の長さ及び厚みはそれぞれ250mm及び0.5mmになっている。板状の基材2の厚みは0.5mm以下であると好ましい。これにより、良好な空中映像FIを得ることができる。なお、ガラスに替えて、例えばアクリル樹脂等の透明な樹脂により板状の基材2を形成してもよい。
次に、図8はスペーサー形成工程を示す側面図である。スペーサー形成工程は基材2の反射面4に平行な二方向(一方を矢印Fで示す)に移動するスペーサー形成部70により行われる。スペーサー形成部70はインクジェットヘッド71、紫外線光源72及び測距センサ73を有している。
測距センサ73は反射面4までの距離を測定する。インクジェットヘッド71は紫外線硬化性樹脂から成るインク71aを基材2に向けて吐出する。インクジェットヘッド71の吐出前に、測距センサ73によって測定開始位置(例えば、基材2の端部)で反射面4までの距離を測定し、この距離を基準距離とする。そして、反射面4上のインク71aの滴下予定位置と測距センサ73との間の距離と基準距離とを比較し、インクジェットヘッド71のインク71aの吐出量を可変する。これにより、後述するスペーサー15の高さを均一にすることができる。
紫外線光源72は反射面4上に滴下されたインク71aに向けて紫外線UVを照射し、インク71aを硬化させる。これにより、図9に示すように板状の基材2の反射面4上に所定の高さ(本実施形態では20μm)のドット状のスペーサー15がピッチP(本実施形態では1mm)のマトリクス状に基材2に固着して形成される。スペーサー15をインクジェット印刷によりドット状に形成しているため、スペーサー15を反射面4上に容易に配置することができる。
次に、図10は積層工程を示す斜視図である。積層工程ではスペーサー15が形成された複数(本実施形態では約480枚)の基材2を反射面4に垂直な方向に積み重ねて挟持部材(不図示)により挟持する。これにより、隣接する板状の基材2間に約20μmの隙間Gを有する積層体11が形成される。
次に、シール工程では積層体11の隙間Gが露出した対向する一対のシール面11a上にシリコンゴムシート等のシール部材11eが貼着される。シール部材11eによって対向する一対のシール面11a上の隙間Gが封止される。なお、一対のシール面11aの間には反射面4及びシール面11aに直交して隙間Gが露出した排気面11c及び吸気面11b(図11参照)が対向して形成される。
次に、図11は減圧工程を示す正面断面図である。減圧工程及び後述する固着工程は固着装置200により行われる。固着装置200は真空チャンバー30、貯留槽40及び真空ポンプ50を備えている。
真空チャンバー30はアクリル樹脂やガラス等の複数の板状部材30aにより水平断面形状が矩形の箱状に組み立てて分解可能に形成され、積層体11を収容する。真空チャンバー30に収容される積層体11は隙間Gが露出した排気面11cを上面に配して吸気面11bを下面に配される。真空チャンバー30の上壁には排気面11cに面して流出口31aが開口し、底壁には吸気面11bに面して流入口32aが開口する。
真空チャンバー30の周壁は積層体11のシール面11aにシール部材11eを介して密接し、反射面4に平行な両端面11dに密接する。これにより、真空チャンバー30の上部には排気面11cを覆うとともに周部を積層体11に密着した空気流入部31が形成される。また、真空チャンバー30の下部には吸気面11bを覆うとともに周部を積層体11に密着した接着剤流入部32が形成される。
なお、積層体11の両端面11dに密接する板状部材30aに対して、プレス機(不図示)を用いて互いに接近する方向に所定の圧力(好ましくは、0.98×104〜14.7×104Pa)を加えてもよい。これにより、板状の基材2の反りを矯正することができるとともに、積層体11の型崩れを防止することができる。また、積層体11の両端面11dにシール部材11eと同様のシートを設けてもよい。
真空ポンプ50は例えばロータリーポンプから成り、排気管52により流出口31aに接続される。排気管52には真空チャンバー30内の真空度を調節する真空レギュレーター51が配置されている。
貯留槽40は流入管42により流入口32aに接続され、液状の接着剤3を貯留する。流入管42には例えばニードルバルブから成る開閉弁41が配置されている。本実施形態では、硬化時間が約1時間で粘度が約150mPa・sのエポキシ系の接着剤3を用いている。接着剤3は貯留槽40に供給される前に予め脱気処理される。接着剤3の脱気処理は例えば真空デシケーターを用いて行われる。この時、真空デシケーター内の真空度を500Pa〜1000Paにすると、接着剤3の硬化剤の蒸発を低減できるため好ましい。
貯留槽40の周囲及び真空チャンバー30の下部にはそれぞれ温度調整装置60、61が設けられる。温度調整装置60、61は接着剤3の温度を検知する温度センサ(不図示)、接着剤3を加熱する加熱器(不図示)及び接着剤3を冷却する冷却器(不図示)を有する。温度調整装置60、61により液状の接着剤3の温度を所定範囲内(本実施形態では30℃〜35℃)に調整する。
減圧工程では真空チャンバー30内に積層体11を収容し、開閉弁41を閉じた状態で真空ポンプ50を所定時間駆動させる。これにより、真空チャンバー30内の空気は矢印Sで示すように排気され、真空チャンバー30内が真空状態に減圧される。この時、真空チャンバー30の下部の空気及び積層体11の隙間G内の空気は積層体11の排気面11cから排気され、隙間G内が真空状態に減圧される。
次に、固着工程が減圧工程に続いて真空チャンバー30内を真空状態に維持して行われ、開閉弁41を開いて真空ポンプ50が継続して駆動される。この時、真空レギュレーター51により真空チャンバー30内の真空度を例えば、500Paに調整する。
これにより、積層体11の隙間G内が排気面11cから吸引され、貯留槽40内の液状の接着剤3が流入管42及び接着剤流入部32の流出口32aを介して真空チャンバー30に流入する。
真空ポンプ50が所定時間駆動されると、図12に示すように、接着剤3が積層体11の下面の吸気面11bと流入口32aとの間まで流入する。この時、開閉弁41が一旦閉じられる。開閉弁41を閉じることで接着剤3の液面に接着剤3内部の気泡Mが集まり、破裂する。すなわち、開閉弁41及び流入管42を通過した接着剤3が真空脱泡される。したがって、積層体11の隙間Gへの気泡Mを含む接着剤3の充填を防止することができる。
そして、所定時間(本実施形態では10分間)経過後に開閉弁41が再度開かれる。これにより、真空チャンバー30内の接着剤3の液面が上昇し、積層体11の吸気面11bから隙間G内に接着剤3が進入する。開閉弁41を再度開いて所定時間(例えば、30分間)が経過すると、図13に示すように接着剤3が積層体11の上端面である排気面11cに到達する。
接着剤3が排気面11cに到達すると、真空ポンプ50を停止して接着剤3の硬化前に真空チャンバー30が分解される。これにより、排気面11c及び吸気面11bを含む積層体11全体が大気圧に配される。
この時、隙間G内に充填された接着剤3が表面に露出するシール面11aがシール部材11eを介して真空チャンバー30の周壁に密着する。このため、シール面11a上の板状部材30aを容易に取り外すことができる。また、積層体11の端面11dにシール部材11eと同様のシートを設けると、真空チャンバー30の周壁と端面11dとの間に接着剤3が進入しても端面11d上の板状部材30aを容易に取り外すことができる。
真空チャンバー30の分解により取り外された積層体11は吸気面11b及び排気面11cに付着した余分な接着剤3が拭き取って除去される。隙間Gに充填された接着剤3が硬化することにより、図14に示すように積層体11の複数の基材2が固着された固着ブロック12が形成される。
固着ブロック12の反射面4に垂直な方向の長さ(積層方向LMの長さ)は約250mmに形成される。また、光学素子1の入射面18及び出射面19は反射面4に交差する面に形成される。
この時、隣接する基材2間に隙間Gを確保するスペーサー15が配されるため、基材2間の接着剤3の膜厚を揃えることができ、複数の反射面4を互いに平行に維持することができる。
減圧工程及び固着工程において、隙間G内の空気を排気して隙間Gを真空状態にした後に隙間Gに接着剤3を充填している。これにより、隙間G内を流動する接着剤3による隙間G内の空気の巻き込みを防止できるため、ボイド(空洞)を生じさせることなく隣接する基材2間の隙間Gに接着剤3を充填することができる。また、各基材2に接着剤3を逐一塗布する工程及び塗布した接着剤3を基材2間で広げる工程を省くことができる。
また、固着工程において、真空ポンプ50による隙間G内の真空度が500Pa未満であると好ましい。これにより、隙間G内を流動する接着剤3による空気の巻き込みを一層防止することができる。
隙間Gが大きくなると、光学素子1の接着剤3の膜厚が大きくなるため、空中映像FIの像が粗くなる。このため、隙間Gを50μm以下にすると望ましい。一方、隙間Gを小さくすると、空中映像FIを良好に結像させることができるが、液状の接着剤3の充填が困難になる。このため、隙間Gを10μm以上にすると望ましい。
次に、切断工程では、固着ブロック12を複数の切断線K(図14参照)に沿って例えばワイヤーソー(不図示)を用いて切断する。切断線Kは反射面4に対して垂直な方向に形成される。これにより、固着ブロック12は反射面4に垂直な方向に沿って所定周期(例えば1.8mm)で切断され、光学素子1(図4参照)の素材1’が複数形成される。なお、ワイヤーソーに替えて、スライサー等を用いて固着ブロック12を切断してもよい。
次に、研磨工程では光学素子1の素材1’の両面をラッピング装置により所定の厚さ(例えば、1.2mm)まで研磨する。その後、ポリッシング装置により光学素子1の素材1’の両面を鏡面仕上げする。これにより、図4に示す光学素子1が得られる。
積層体11の隙間Gに充填された接着剤3にはボイドが生じないため、切断工程後の光学素子1にはボイド部分に起因する欠けや割れが生じない。また、研磨工程で使用される研磨液等のボイド部分への浸透による反射面4の腐食や基材2からの剥離を防止することができる。
次に、組立工程では、隣接する2枚の光学素子1の反射面4が延びる方向が互いに直交するように2枚の光学素子1を重ねて組み立てる。この時、接着剤3を用いて2枚の光学素子1を接着する。これにより、2枚の光学素子1は厚み方向(Y方向)に並設される。なお、接着剤3とは異なる材質の接着剤を用いて2枚の光学素子1を接着してもよい。
補強板取付工程では、光学素子1の並設方向の一端面に補強板5を接着剤3で接着する。なお、接着剤3とは異なる材質の接着剤を用いてもよい。以上により、図1に示す反射型空中結像素子10が製造される。
なお、補強板取付工程において、2枚の光学素子1の並設方向の両端面に補強板5を接着してもよい。これにより、反射型空中結像素子10の強度を一層向上させることができる。また、補強板取付工程を省いてもよい。
上記のように、反射面4上にスペーサー15が固着して形成された板状の基材2を予め複数用意し、隣接する基材2間にスペーサー15が位置するように複数の基材2を積層した積層体11の隙間G内に接着剤3を充填することにより、各基材2を互いに接着することができる。この時、隣接する基材2間の接着剤3の膜厚はスペーサー15の高さで規定されるため、接着剤3の膜厚のばらつきが生じにくくなる。
このため、各基材2の反射面4の平行度を良好に確保することができる。例えば、各反射面4の角度ズレを0.025度以下に抑えることができる。また、スペーサー15を固着した板状の基材2を積層して積層体11を形成し、積層体11の隙間G内に接着剤3を充填している。これにより、簡単な方法で各反射面4の良好な平行度を容易に確保することができる。すなわち、本実施形態の光学素子1の製造方法によれば、各反射面4の配置精度の向上と光学素子1の生産性の向上とを両立させることができる。
なお、光学素子1の隣接する基材2間の接着剤3に例えば45°の入射角で入射した光源20の照明光Lは反射面4で数十回反射した後に接着剤3から出射される。これにより、接着剤3に入射した光は大きく減衰して出射されるため、空中映像FIの結像には殆ど寄与しない。したがって、光学素子1の基材2間にスペーサー15を配置しても空中映像FIの結像に対して大きな支障はない。
図15は接着剤3の粘度と温度との関係を示す図である。縦軸は接着剤3の粘度(単位:mPa・s)を示し、横軸は接着剤3の温度(単位:℃)を示している。実験は接着剤3の温度を10℃〜40℃の範囲で可変して粘度計により接着剤3の粘度を測定した。
図15によると、接着剤3の温度が上昇するに従って接着剤3の粘度が低下した。接着剤3の温度が25℃よりも低いと接着剤3の粘度は280mPa・sよりも大きくなった。また、接着剤3の温度が30℃を超えると、接着剤3の粘度は150mPa・sよりも小さくなった。これにより、接着剤3の温度を30℃以上にすることにより、隙間Gに円滑に接着剤3を充填することができる。
図16は接着剤3の粘度と接着剤3の反応時間との関係を示す図である。縦軸は接着剤3の粘度(単位:mPa・s)を示し、横軸は接着剤3の反応時間(単位:hr)を示している。実線Aは反応開始時(二液混合開始時)の接着剤3の温度が40℃の場合を示し、破線Bは反応開始時の接着剤3の温度が25℃の場合を示している。実験は反応時間が0時間〜2.5時間の範囲内で経時的に接着剤3の粘度を粘度計で測定した。
図16によると、接着剤3の温度が40℃の場合では、反応開始時に粘度は約140mPa・sであったが、反応時間が約0.8hrで粘度は1000mPa・sを超えて急上昇した。一方、接着剤3の温度が25℃の場合では、反応開始時に粘度は約280mPa・sであったが、反応時間が2hrを経過すると粘度は1000mPa・sを超えて急上昇した。接着剤3の粘度の急上昇は反応熱等で接着剤3の温度が上昇し、接着剤3の硬化が急激に進行したことを示している。
図15及び図16の結果から、温度調整装置60、61によって接着剤3の温度を所定範囲(例えば30℃〜35℃)に調節することにより、積層体11の隙間Gへの接着剤3の充填途中の接着剤3の硬化を防止しながら、接着剤3を円滑に隙間Gに充填することができる。
図17は真空チャンバー30内の圧力と接着剤3に含まれる気泡の粒径との関係を示す図である。縦軸は接着剤3に含まれる気泡の粒径(単位:μm)を示し、横軸は真空チャンバー30内の圧力(単位:kPa)を示している。実線Cは大気圧下で接着剤3に含まれる気泡の粒径が約50μmである場合を示し、実線Dは大気圧下で接着剤3に含まれる気泡の粒径が約300μmである場合を示している。
なお、接着剤3を隙間Gに充填する前に接着剤3に含まれる微小な気泡を脱気処理等により除去しておくことが望ましいが、大気圧下の接着剤3に含まれる気泡の粒径が隙間G(本実施形態では20μm)よりも小さければ、切断工程後の光学素子1にボイド部分に起因する欠けや割れが生じない。また、研磨工程で使用される研磨液等のボイド部分への浸透による反射面4の腐食や基材2からの剥離を防止することができる。
図17によると、大気圧下での粒径が約50μm及び約300μmの気泡は真空チャンバー30内の圧力が10kPaよりも低くなると(真空度が高くなると)急激に膨張し、圧力が500Paではそれぞれ約1250μm、約2300μmの粒径になる。このため、固着工程において、隙間Gに充填した接着剤3が硬化する前に排気面11c及び吸気面11bを大気圧に配することにより、真空チャンバー30に流入前の接着剤3に微小な気泡が含有されていた場合でも真空状態時の隙間G内の接着剤3中で膨張した気泡を収縮させることができる。
本実施形態によると、スペーサー15を介して基材2を積層した積層体11の基材2間の隙間Gを減圧工程で真空状態に減圧した後、固着工程で隙間Gに接着剤3を吸引して充填する。このため、各基材2に接着剤3を塗布する工程や、基材2を加圧して接着剤3を広げる工程を省きながら光学素子1の各反射面4の平行度を良好に確保することができる。また、減圧工程で排気により減圧するため隙間G内の空気の巻き込みが防止され、ボイド(空洞)を生じさせずに隙間Gに接着剤3を充填することができる。したがって、光学素子1の各反射面4の平行度を良好に確保しながら光学素子1及び反射型空中結像素子10の工数削減及び歩留り向上を図ることができる。
また、空気の流出口31aを有して排気面11cを覆うとともに周部を積層体11に密着した空気流出部31と、接着剤3の流入口32aを有して吸気面11bを覆うとともに周部を積層体11に密着した接着剤流入部32と、流出口31aに接続される真空ポンプ50と、流入口32aに開閉弁41を介して接続される接着剤3の貯留槽40とを備え、減圧工程で開閉弁41を閉じて真空ポンプ50を駆動し、固着工程で開閉弁41を開いて真空ポンプ50を駆動する。これにより、減圧工程及び固着工程を容易に実現することができる。
また、減圧工程及び固着工程で排気面11cを積層体11の上面に配し、固着工程において、吸気面11bと流入口32aとの間まで接着剤3が流入した際に開閉弁41を閉じ、所定時間経過後に開閉弁41を再度開く。これにより、開閉弁41及び流入管42を通過した接着剤3に含まれる気泡Mを除去し、気泡Mの隙間Gへの進入を防止することができる。
また、減圧工程及び固着工程において、積層体11を収容して両端部に空気流出部31及び接着剤流入部32をそれぞれ設けた真空チャンバー30を備え、真空チャンバー30の空気流出部31と接着剤流入部32との間の周壁が積層体11の周面に密接する。これにより、積層体11の周面と真空チャンバー30の周壁との間への接着剤3の進入を低減することができる。
また、固着工程において、隙間Gに充填した接着剤3が硬化する前に排気面11c及び吸気面11bを大気圧に配する。これにより、隙間G内の接着剤3中で膨張した気泡を収縮させることができる。したがって、接着剤3に微小な気泡が含まれている場合でも固着ブロック12の隙間Gに大きなボイドが残存することを防止することができる。
また、隙間Gに充填する接着剤3の温度を所定範囲内に調整する温度調整装置60、61を設けている。これにより、隙間G内への接着剤3の充填途中での接着剤3の硬化を防止しながら接着剤3を隙間Gに円滑に充填することができる。
なお、接着剤3の粘度が常温で低く(例えば、150mPa・s以下)、隙間G内に短時間(例えば、約20分間)で接着剤3を充填できる場合には温度調整装置60、61を省いてもよい。
また、基材2が板状に形成され、固着ブロック12を反射面4に垂直な方向に所定周期で切断する切断工程を備える。これにより、光学素子1を容易に大量生産することができる。
また、スペーサー15をインクジェット印刷によりドット状に形成しているため、スペーサー15を反射面4上に容易に配置することができる。
なお、樹脂から成る基材2を用いる場合には例えば基材2の一の面に金型を押し当てる金型成形により、基材2上に基材2と一体のスペーサー15を形成してもよい。インクジェット印刷や金型成形によってスペーサー15を予め形成した複数の板状の基材2を積層することにより、反射面4の平行度を容易に確保しながら作業性を向上させることができる。
また、ドット状のスペーサー15に替えて、スペーサー15をステンレス等の金属から成るワイヤー状部材により形成し、固着工程で上下方向に延びるように配置してもよい。これにより、積層体11の吸気面11bから排気面11cに向けて流動する接着剤3がワイヤー状部材により遮られず、隙間Gに接着剤3をより確実に充填することができる。また、スペーサー15を樹脂から成るフィルム状部材やテープ状部材により形成してもよい。すなわち、固着工程において、隣接する基材2間に接着剤3を充填できる隙間Gをスペーサー15により形成できればよい。
各反射面4の平行度の精度、作業性の点では、印刷や金型成形によってスペーサー15を予め形成した複数の板状の基材2を積層して積層体11を形成することがより望ましい。
また、本実施形態において、排気面11c及び吸気面11bをそれぞれ積層体11の下面及び上面に配し、排気面11c側から隙間G内の空気を排気するとともに吸気面11bから隙間G内に接着剤3を充填してもよい。すなわち、接着剤3の充填方向を積層体11の上面から下面への方向にしてもよい。また、排気面11c及び吸気面11bを水平方向に並ぶように配し、隙間Gへの接着剤3の充填方向を水平方向にしてもよい。
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について説明する。図18は第2実施形態の反射型空中結像素子の固着工程を示す正面断面図を示している。なお、図18は積層体11の隙間G内への接着剤3の充填が完了した状態を示している。説明の便宜上、図1〜図17に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態では固着装置200の構成が第1実施形態とは異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
本実施形態では、積層体11のシール面11a上で隙間Gを粘着性のシール部材80によりシールするとともに、積層体11のシール面11a及び両端面11dの中央部に対向する位置に板状部材30aを配置せずに両端面11dを固着装置200の外部に対して露出させている。そして、積層体11の排気面11cに空気流出部31を被嵌し、積層体11の外周面と空気流出部31との間をパッキン31bにより密封する。また、積層体11の吸気面11bに接着剤流出部32を被嵌し、積層体11の外周面と接着剤流出部32との間をパッキン32bにより密封する。そして、固着工程において、第1実施形態と同様に積層体11の隙間G内に接着剤3を充填する。
本実施形態でも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、積層体11のシール面11a上で隙間Gを粘着性のシール部材80によりシールするとともに、積層体11のシール面11a及び両端面11dの中央部に対向する位置に板状部材30aを配置せずに両端面11dを露出させる。これにより、固着工程後に積層体11を固着装置200から容易に取り外すことができる。
<第3実施形態>
次に本発明の第3実施形態について説明する。図19は第3実施形態の反射型空中結像素子10の製造工程で使用される角材状の基材2の斜視図を示している。説明の便宜上、図1〜図17に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態では積層工程に使用される基材2の構成が第1実施形態とは異なるとともに、第1実施形態に対して切断工程を省いている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
本実施形態の反射面形成工程では、断面矩形の角材状の透明な基材2の対向する一対の面に反射面4を形成する。なお、基材2の一の面にのみ反射面4を形成してもよい。積層工程では、角材状の基材2の反射面4上に配した複数のドット状のスペーサー15を介して基材2を一方向に並設する。その後、固着工程により光学素子1の素材1’が形成される。固着工程の後に研磨工程を実行する。なお、研磨工程以降は第1実施形態と同様である。
本実施形態によると、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、対向する一対の面に反射面4を形成した断面矩形の角材状の透明な複数の基材2を用いるため、第1実施形態の切断工程を省くことができる。
本発明は、空中に被投影物の実像を結像させる反射型空中結像素子及び反射型空中結像素子に用いられる光学素子に利用することができる。
1 光学素子
2 基材
3 接着剤
4 反射面
5 補強板
10 反射型空中結像素子
11 積層体
11a シール面
11b 吸気面
11c 排気面
11d 端面
12 固着ブロック
15 スペーサー
18 入射面
19 出射面
20 光源
30 真空チャンバー
31 空気流出部
31a 流出口
32 接着剤流入部
32a 流入口
40 貯留槽
41 開閉弁
42 流入管
50 真空ポンプ
51 真空レギュレーター
52 排気管
60、61 温度調節装置
70 スペーサー形成部
71 インクジェットヘッド
72 紫外線光源
73 測距センサ
100 空中映像表示装置
200 固着装置
G 隙間
OB 被投影物
FI 空中映像
K 切断線
L 照明光
LM 積層方向

Claims (14)

  1. 厚み方向に平行な反射面を所定周期で平行に配した光透過性の光学素子の製造方法において、
    少なくとも一の面に前記反射面を形成した透明な基材を前記反射面上に配したスペーサーを介して積層方向に積層し、前記基材間に隙間を有した積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体の前記隙間が露出した排気面から排気して前記隙間を真空状態に減圧する減圧工程と、
    前記減圧工程の後に、前記排気面から吸引して前記排気面に対向する吸気面から前記隙間に液状の接着剤を充填し、前記接着剤の硬化により前記積層体を固着する固着工程と、
    を備え、前記固着工程において前記吸気面から前記排気面に向けて流動する接着剤を遮らないように前記スペーサーを配置したことを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 厚み方向に平行な反射面を所定周期で平行に配した光透過性の光学素子の製造方法において、
    少なくとも一の面に前記反射面を形成した透明な基材を前記反射面上に配したスペーサーを介して積層方向に積層し、前記基材間に隙間を有した積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体の前記隙間が露出した排気面から排気して前記隙間を真空状態に減圧する減圧工程と、
    前記減圧工程の後に、前記排気面から吸引して前記排気面に対向する吸気面から前記隙間に液状の接着剤を充填し、前記接着剤の硬化により前記積層体を固着する固着工程と、
    空気の流出口を有して前記排気面を覆うとともに周部を前記積層体に密着した空気流出部と、
    前記接着剤の流入口を有して前記吸気面を覆うとともに周部を前記積層体に密着した接着剤流入部と、
    前記流出口に接続される真空ポンプと、
    前記流入口に開閉弁を介して接続される前記接着剤の貯留槽と
    を備え、前記減圧工程で前記開閉弁を閉じて前記真空ポンプを駆動し、前記固着工程で前記開閉弁を開いて前記真空ポンプを駆動することを特徴とする光学素子の製造方法。
  3. 前記減圧工程及び前記固着工程で前記排気面を前記積層体の上面に配し、前記固着工程において、前記吸気面と前記流入口との間まで前記接着剤が流入した際に前記開閉弁を閉じ、所定時間経過後に前記開閉弁を再度開くことを特徴とする請求項2に記載の光学素子の製造方法。
  4. 前記減圧工程及び前記固着工程において、前記積層体を収容して両端部に前記空気流出部及び前記接着剤流入部をそれぞれ設けた真空チャンバーを備え、前記真空チャンバーの前記空気流出部と前記接着剤流入部との間の周壁が前記積層体の周面に密接することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記積層体を前記積層方向に所定の加圧力で加圧する加圧工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  6. 前記固着工程において、前記隙間に充填した前記接着剤が硬化する前に前記排気面及び前記吸気面を大気圧に配したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  7. 前記隙間に充填する前記接着剤の温度を所定範囲内に調整する温度調整装置を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  8. 前記基材が板状に形成され、前記固着工程で固着された前記積層体を前記反射面に垂直な方向に所定周期で切断する切断工程を備えることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  9. 前記基材が断面矩形の角材状に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  10. 前記積層工程において、一の面側に前記スペーサーが予め離散的に形成された前記基材を積層して前記積層体を形成することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  11. 前記スペーサーをインクジェット印刷によりドット状に形成したことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  12. 厚み方向に平行な反射面を所定周期で平行に配した光透過性の光学素子を厚み方向に複数並設し、隣接する一対の前記光学素子の前記反射面が直交する反射型空中結像素子の製造方法において、
    少なくとも一の面に前記反射面を形成した透明な基材を前記反射面上に配したスペーサーを介して積層方向に積層し、前記基材間に隙間を有した積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体の前記隙間が露出した排気面から排気して前記隙間を真空状態に減圧する減圧工程と、
    前記減圧工程の後に、前記排気面から吸引して前記排気面に対向する吸気面から前記隙間に液状の接着剤を充填し、前記接着剤の硬化により前記積層体を固着する固着工程と、
    を備え、前記固着工程において前記吸気面から前記排気面に向けて流動する接着剤を遮らないように前記スペーサーを配置したことを特徴とする反射型空中結像素子の製造方法。
  13. 厚み方向に平行な反射面を所定周期で平行に配した光透過性の光学素子を厚み方向に複数並設し、隣接する一対の前記光学素子の前記反射面が直交する反射型空中結像素子の製造方法において、
    少なくとも一の面に前記反射面を形成した透明な基材を前記反射面上に配したスペーサーを介して積層方向に積層し、前記基材間に隙間を有した積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体の前記隙間が露出した排気面から排気して前記隙間を真空状態に減圧する減圧工程と、
    前記減圧工程の後に、前記排気面から吸引して前記排気面に対向する吸気面から前記隙間に液状の接着剤を充填し、前記接着剤の硬化により前記積層体を固着する固着工程と、
    空気の流出口を有して前記排気面を覆うとともに周部を前記積層体に密着した空気流出部と、
    前記接着剤の流入口を有して前記吸気面を覆うとともに周部を前記積層体に密着した接着剤流入部と、
    前記流出口に接続される真空ポンプと、
    前記流入口に開閉弁を介して接続される前記接着剤の貯留槽と、
    を備え、前記減圧工程で前記開閉弁を閉じて前記真空ポンプを駆動し、前記固着工程で前記開閉弁を開いて前記真空ポンプを駆動することを特徴とする反射型空中結像素子の製造方法。
  14. 前記積層体を前記積層方向に所定の加圧力で加圧する加圧工程をさらに備えたことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の反射型空中結像素子の製造方法。
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