JP6199715B2 - 精神負担評価装置、及びプログラム - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載された装置では、循環器センサ、呼吸器状態センサ、眼状態センサ、体温計、発汗センサで検知した結果を生体情報として取得する。そして、特許文献1に記載された装置では、その取得した生体情報に基づいて、利用者の体調、覚醒状態、緊張状態(精神負担)、疲労状態などを、利用者の活動状態として推定している。
そして、自動車の運転者が感じる精神負担を推定する装置として、特許文献1に記載された装置を自動車に搭載することが考えられる。
本発明の精神負担評価装置は、生体情報取得手段(20,S310〜S340)と、記憶制御手段(S350,S360)と、操作期間特定手段(20,S110〜S210)と、情報抽出手段(20,S370)と、評価手段(20,S380〜S400)とを備えている。
なお、本発明における評価対象は、精神負担を受けているか否かという択一的な判定結果であっても良いし、定量的な精神負担の量(ストレス量)であっても良い。
このため、本発明における生体情報として、呼吸指標や皮膚電気活動指標を用いても良い。
なお、ここで言う呼吸指標は、呼吸に関する情報であり、例えば、呼吸数、呼吸速度などを含む。また、ここで言う皮膚電気活動指標は、乗員の皮膚電気活動に関する情報であり、例えば、皮膚コンダクタンスレベルや、皮膚コンダクタンス、皮膚電位水準などを含む。
〈精神負担評価システムの構成〉
図1に示す精神負担評価システム1は、自動車に搭載されるものであり、自動車の運転者が感じる精神負担(即ち、ストレス)を評価するシステムである。
このうち、生体情報取得部6は、呼吸検出センサ8と、皮膚コンダクタンス検出センサ10とを備えている。
アンプ12は、入力信号を増幅して出力する周知のアンプである。このアンプ12は、呼吸検出センサ8及び皮膚コンダクタンス検出センサ10からの信号を増幅する。なお、呼吸検出センサ8及び皮膚コンダクタンス検出センサ10からアンプ12への信号の入力、及びアンプ12から精神負担評価装置20への信号の入力は、有線の通信線を介して行われても良いし、無線によって行われても良い。
計時装置18は、時刻を計測する周知の装置である。
〈接続装置の構成〉
精神負担評価システム1には、音声出力装置40と、車載情報機器42と、無線装置50とが接続されている。
車載情報機器42は、少なくとも、目的地までの経路を案内するナビゲーション機能を実現する周知の装置である。本実施形態における車載情報機器42は、運転者が上肢にて操作可能ように、自動車のダッシュボード上やダッシュボードの外表面に埋設して配置されている。
操作装置71は、情報の入力を受け付ける機構であり、操作パネル710と操作具711とを有している。操作パネル710は、画像出力装置70と一体に形成された周知のタッチパネルである。操作具711は、画像出力装置70の周囲に配置されたボタンである。
現在位置検出装置75は、自車両の現在位置及び進行方向の方位を検出する周知の装置である。この現在位置検出装置75には、GPS衛星からの信号を受信するGPS受信機と、ジャイロセンサと、地磁気センサとが少なくとも接続されている。そして、現在位置検出装置75は、GPS受信機と、ジャイロセンサと、地磁気センサからの信号に従って、現在位置及び進行方向の方位を検出する。
精神負担評価装置20は、ROM22と、RAM24と、CPU26とを少なくとも有した周知のコンピュータを中心に構成された電子制御装置である。
〈操作期間特定処理〉
次に、操作期間特定処理について説明する。
つまり、本実施形態の操作期間特定処理では、車載情報機器42における特定の機能を実現するための一連の操作を開始した操作開始時刻を取得する。さらに、操作期間特定処理では、操作開始時刻に操作が開始された車載情報機器42における特定の機能を実現するための一連の操作を終了した操作終了時刻を取得する。そして、操作期間特定処理では、取得した操作開始時刻から操作終了時刻までの期間を操作期間として特定する。
〈評価処理〉
次に、精神負担評価装置20が実行する評価処理について説明する。
この評価処理は、起動されると、図4に示すように、まず、呼吸検出センサ8から呼吸データを取得する(S310)。続いて、皮膚コンダクタンス検出センサ10から皮膚コンダクタンスデータを取得する(S320)。
このユーザ提示処理では、例えば、評価の結果、精神負担レベル3であれば、車載情報機器42の操作を全面的に禁止すると共に、その旨を音声出力装置40から出力する。また、評価の結果、精神負担レベル2であれば、車載情報機器42の操作のうち、運転中に行うと高い精神負担を受ける操作(以下、「高精神負担操作」と称す)を禁止すると共に、その旨を音声出力装置40から出力する。
そして、評価処理は、イグニッションスイッチがオフされるまでの期間中、繰り返し実行され、イグニッションスイッチがオフされると終了する。
〈実証実験〉
次に、発明者らが行った、本発明のメカニズムを実証するための実証実験、及びその実証実験の結果について説明する。
一方、副課題は、操作無し課題(non)、手の移動課題(hnd)、地図スクロール課題(map)、ラジオ選局課題(rad)、電話番号による目的地検索課題(tel)のそれぞれである。
しかも、呼吸数zRR_RH及び呼吸数zRR_RLは、副課題の難易度が高いほど大きくなり、副課題の難易度が高いほど、高い精神負担を運転者が受けていることがわかる。
しかも、皮膚コンダクタンスレベル(SCL)は、副課題の難易度が高いほど大きくなり、副課題の難易度が高いほど、高い精神負担を運転者が受けていることがわかる。
[実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の評価処理にて抽出する期間内呼吸数、及び期間内SCLは、操作期間に乗員から計測した情報である。そして、本実施形態の精神負担評価装置20では、期間内呼吸数及び期間内SCLに基づいて、乗員が受ける精神負担を評価している。
しかも、本発明の発明者らは、人が感じる精神負担が大きいほど、呼吸数が増加し、皮膚コンダクタンスレベルが増加するという知見を得た。
さらに、精神負担評価装置20では、操作期間特定処理において、操作開始時刻から操作終了時刻までの期間を操作期間として求めている。しかも、人が発声すると呼吸が乱れることから、精神負担評価装置20においては、操作期間から発声期間を除外している。
なお、精神負担評価装置20では、運転者が受ける精神負担の大きさに応じて、車載情報機器42に対する操作のうち、高精神負担操作の実施を禁止している。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
Claims (8)
- 移動体に搭載され、乗員が受ける精神負担を評価する精神負担評価装置(20)であって、
前記乗員の生体情報を繰り返し取得する生体情報取得手段(20,S310〜S340)と、
前記生体情報取得手段で生体情報を取得するごとに、その取得した生体情報を、取得した時刻と対応付けて記憶装置に記憶する記憶制御手段(20,S350,S360)と、
車載情報機器(42)を乗員が操作している期間を表す操作期間を特定する操作期間特定手段(20,S110〜S210)と、
前記記憶装置に記憶された生体情報の中から、前記操作期間特定手段で特定された操作期間に対応する時刻と対応付けられた生体情報である特定生体情報を抽出する情報抽出手段(20,S370)と、
前記情報抽出手段で抽出された特定生体情報に基づいて、前記車載情報機器を操作することによって乗員が受ける精神負担を評価する評価手段(20,S380〜S400)とを備え、
前記生体情報取得手段は、
前記乗員の呼吸数、及び前記乗員の皮膚コンダクタンスレベルを前記生体情報として取得し、
前記評価手段は、
前記呼吸数と前記皮膚コンダクタンスレベルとを対応付けた精神負担度を導出し、その導出した精神負担度を、前記車載情報機器を操作することによって乗員が受けている精神的な負担の大きさを表す指標として予め規定された評価基準に照合した結果に基づいて、前記精神負担を評価することを特徴とする精神負担評価装置。 - 前記生体情報取得手段は、
前記乗員の呼吸に関する情報である呼吸指標を前記生体情報として取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の精神負担評価装置。 - 前記生体情報取得手段は、
前記乗員の皮膚電気活動に関する皮膚電気活動指標を前記生体情報として取得する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の精神負担評価装置。 - 前記評価手段は、
前記呼吸数と前記皮膚コンダクタンスレベルとの和を、前記精神負担度として導出する
ことを特徴とする請求項1に記載の精神負担評価装置。 - 前記評価手段は、
前記呼吸数と前記皮膚コンダクタンスレベルとの積を、前記精神負担度として導出する
ことを特徴とする請求項1に記載の精神負担評価装置。 - 前記操作期間特定手段は、
前記車載情報機器における特定の機能を実現するための一連の操作を開始した操作開始時刻を取得する開始時刻取得手段(20,S110〜S140)と、
前記開始時刻取得手段で取得した操作開始時刻に操作が開始された前記車載情報機器における特定の機能を実現するための一連の操作を終了した操作終了時刻を取得する終了時刻取得手段(20,S110〜S120,S150,S160)と
を備え、
前記開始時刻取得手段で取得した操作開始時刻から、前記終了時刻取得手段で取得した操作終了時刻までの期間を、前記操作期間として特定する
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の精神負担評価装置。 - 前記乗員が発話を開始した時刻から発話を終了した時刻までの期間を表す発話期間を特定する発話期間特定手段(20,S160〜S210)を備え、
前記操作期間特定手段は、
前記発話期間特定手段で特定した発話期間が前記操作期間に含まれている場合、前記操作期間から前記発話期間を除外した期間を、前記操作期間として新たに特定する
ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の精神負担評価装置。 - 移動体に搭載されるコンピュータ(20)が実行するプログラムであって、
乗員の生体情報を繰り返し取得する生体情報取得手順(S310〜S340)と、
前記生体情報取得手順で生体情報を取得するごとに、その取得した生体情報を、取得した時刻と対応付けて記憶装置に記憶する記憶制御手順(S350,S360)と、
車載情報機器(42)を乗員が操作している期間を表す操作期間を特定する操作期間特定手順(S110〜S210)と、
前記記憶装置に記憶された生体情報の中から、前記操作期間特定手順で特定された操作期間に対応する時刻と対応付けられた生体情報である特定生体情報を抽出する情報抽出手順(S370)と、
前記情報抽出手順で抽出された特定生体情報に基づいて、前記車載情報機器を操作することによって乗員が受ける精神負担を評価する評価手順(S380〜S400)とを
前記コンピュータに実行させ、
前記生体情報取得手順は、
前記乗員の呼吸数、及び前記乗員の皮膚コンダクタンスレベルを前記生体情報として取得し、
前記評価手順は、
前記呼吸数と前記皮膚コンダクタンスレベルとを対応付けた精神負担度を導出し、その導出した精神負担度を、前記車載情報機器を操作することによって乗員が受けている精神的な負担の大きさを表す指標として予め規定された評価基準に照合した結果に基づいて、前記精神負担を評価することを特徴とするプログラム。
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