(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図15を参照しながら説明する。図1に示すように、連携システム1は、携帯端末2および車両用装置3を備えている。本実施形態では、携帯端末2として、車室内に持ち込まれるスマートフォン(Smart Phone)を想定している。また、車両用装置3として、車両に搭載されるナビゲーション装置を想定している。連携システム1において、携帯端末2と車両用装置3との間では、アプリケーション連携のためのデータ通信が行われる。そのデータ通信は、例えばBlueTooth(登録商標)などの近距離無線通信により行われる。なお、以下の説明においては、BlueToothを単にBTと称す。
携帯端末2は、端末側制御部4、電話通信部5、BTモジュール6、無線LAN通信部7、位置検出部8、加速度検出部9、キー入力部10、記憶部11、表示部12、マイクロホン13、スピーカ14などを備えている。端末側制御部4は、CPU、ROM、RAM、I/Oバスなどを有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。端末側制御部4は、通信動作、データ管理動作など携帯端末2の動作全般を制御する。端末側制御部4は、ROMまたは記憶部11に記憶されているコンピュータプログラムに従って、通信動作、データ管理動作などをソフトウェアによって実現する。また、端末側制御部4は、記憶部11に記憶されている各種のアプリを実行することにより、各種の機能をソフトウェアによって実現する。
特に、端末側制御部4は、図2に示すように、記憶部11に記憶されている車両用装置3との連携動作用のアプリ(以下第1のアプリと称す)15を起動して実行することにより、各種情報取得部16、アプリ判断起動部17及び目的地情報送信部18としての各機能をソフトウェアによって実現する。尚、各機能の具体的内容については、後述する。更に、端末側制御部4は、記憶部11に記憶されている第2のアプリ19を起動して実行することにより、目的地設定部20としての機能をソフトウェアによって実現する。ここで、第2のアプリ19は、目的地の設定操作を簡単且つ容易に実行できるようにするために、目的地が属する小分野に対応するように複数(多数)用意されており、これら複数の第2のアプリ19は記憶部11に記憶されている。各第2のアプリ19には、アプリID21が対応付けられており、アプリ判断起動部17により起動が必要と判断した第2のアプリ19をアプリID21に基づいて記憶部11から呼び出して起動させることが可能な構成となっている。尚、目的地設定部20の機能の具体的内容については、後述する。
電話通信部5は、通信網22との間で電話通信またはデータ通信を実行する。この場合、通信網22は、図示しない携帯電話基地局や基地局制御装置などの周知の公衆回線網を使用する携帯電話通信サービスを提供する施設を含むものである。携帯端末2は、電話通信部5及び通信網22を介して他の携帯端末2(スマートフォンや携帯電話機やタブレット等)と電話通信またはデータ通信を行なうことができる。また、携帯端末2は、電話通信部5を介して通信網22に接続されている情報センタ23のサーバ装置24から、種々の情報やアプリなどを取得(ダウンロード)することが可能となっている。
BTモジュール6は、車両用装置3のBTモジュールとの間でBT通信回線を通じてBT通信を実行する。BTモジュール6は、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイル(例えばHFP、SPP)を同時接続(いわゆるマルチ接続)可能に構成されている。それら複数のプロファイルは機能毎に定義された通信プロトコルを意味している。BTモジュール6と車両用装置3のBTモジュールとは、両者の間で後述する目的地情報など各種の情報をBT通信回線により通信可能である。
無線LAN通信部7は、他の電気機器の無線LAN通信部との間で無線LAN通信回線を通じて無線LAN通信を実行する。他の電気機器としては、例えば、車両に搭載された車両CAN(Controller Area Network)25、ユーザ(運転者)が身に着けているウエアラブルデバイス26、車両に搭載されたドライバモニタ27が備わっており、これら各電気機器25、26、27には、それぞれ無線LAN通信部28、29、30が設けられている。車両CAN25には、車両に搭載された図示しない各種のECU(Electronic Control Unit)が接続されており、各種のECUから出力されたOBD(On Board Diagnostics)情報やCAN情報や各種のセンサ信号の情報等は無線LAN通信を介して携帯端末2へ送信される。
ウエアラブルデバイス26は、ユーザの脈拍数や血圧等を検出する機能を有し、検出情報は無線LAN通信を介して携帯端末2へ送信される。ウエアラブルデバイス26としては、腕時計やウエアラブルディスプレイ等の機器に脈拍数や血圧等を検出するセンサを組み込んだものを用いることが好ましい。ドライバモニタ27は、ユーザの挙動(身体の動作、言動、視点移動など)を検出する機能を有し、検出情報は無線LAN通信を介して携帯端末2へ送信される。ドライバモニタ27としては、ユーザの挙動を検出するカメラやマイク等を備えると共に、画像認識機能や音声認識機能等を備えたものを用いることが好ましい。
位置検出部8は、例えばGPS受信機で構成されており、携帯端末2の現在位置を検出して、検出した現在位置の情報を端末側制御部4へ送信する。加速度検出部9は、例えばGセンサで構成されており、携帯端末2に作用する加速度を検出して、検出した加速度検出情報を端末側制御部4へ送信する。
表示部12は、例えば液晶表示器や有機EL表示器などにより構成されている。表示部12は、端末側制御部4の表示指令信号に基づいて各種の情報を表示する。表示部12は、例えば周知の電話帳や受信したメール、各種の情報、目的地設定に関する表示および操作画面などを表示する。
キー入力部10は、表示部12の画面上に設けられたタッチスイッチ(いわゆるタッチパネル)と、表示部12の周囲や近傍に設けられているメカニカルスイッチとを含む各種のキー(図示せず)を備えている。キー入力部10は、ユーザがキーを操作したことに応じて操作検出信号を端末側制御部4へ出力する。端末側制御部4は、キー入力部10から入力された操作検出信号を解析してユーザによる操作内容を特定する。
記憶部11は、各種データを記憶する記憶領域を有しており、EEPROMやフラッシュメモリやSDメモリ等で構成されている。この場合、記憶部11には、電話通信部5を介して通信網22に接続されているサーバ装置24からダウンロードしたアプリなどのソフトウェアなども記憶される。マイクロホン13は、通話時においてユーザが発した音声を送話音声として入力する。スピーカ14は、通話相手から電話通信部5により受信した音声を受話音声として出力する。
一方、車両用装置3は、装置側制御部31、BTモジュール32、記憶部33、音声処理部34、表示制御部35、表示装置36、操作入力部37、操作装置38、信号入力部39、位置検出器40、地図データ入力器41などを備えている。装置側制御部31は、CPU、ROM、RAM、I/Oバスなどを有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。装置側制御部31は、ROMや記憶部33などに記憶されているコンピュータプログラムに従って、通信動作、データ管理動作、携帯端末2との連携動作など車両用装置3の動作全般を制御する。
また、装置側制御部31は、図3に示すように、コンピュータプログラムを実行することにより、経路探索部42、経路案内部43、および、車両用装置3側の目的地設定部44としての各機能をソフトウェアによって実現している。経路探索部42は、車両の現在地から、携帯端末2にて設定されて該携帯端末2から送信された目的地、または、目的地設定部44により設定された目的地までの経路を探索する機能を有する。経路案内部43は、探索され且つ設定された経路に沿って経路案内する機能を有する。目的地設定部44は、ユーザが表示装置36を見ながら、操作装置38を操作することにより、目的地を設定する機能を有する。
BTモジュール32は、携帯端末2のBTモジュール6との間でBT通信回線を通じてBT通信を実行する。BTモジュール32は、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイルを同時接続可能に構成されている。各プロファイル(例えばHFP、SPP)は、それぞれ独立して携帯端末2と通信接続が可能である。即ち、車両用装置3は、1つの携帯端末2との間におけるデータ通信(BT通信)が可能なだけでなく、複数の(2つ以上の)携帯端末2との間におけるデータ通信(BT通信)が可能となっている。尚、BTモジュール32及び装置側制御部31は、受信部としての機能を備えている。
記憶部33は、例えばハードディスクドライブやSDメモリなどの不揮発性の記憶媒体からなり、各種データを記憶する記憶領域を有して構成されている。記憶部33は、車両用装置3に内蔵されている構成であってもよいし、車両用装置3から取り外し可能な外部記憶媒体を用いる構成であってもよい。
音声処理部34には、マイクロホン45およびオーディオアンプ46が接続されている。マイクロホン45は、車室内の例えばステアリングホイールの近傍などユーザが発した音声を集音し易い部位に配置されている。オーディオアンプ46は、車室内において車両用装置3の外部に設けられている。オーディオアンプ46には、スピーカ47、47が接続されている。音声処理部34は、装置側制御部31およびBTモジュール32に接続されている。音声処理部34は、周知の音声入力処理および音声出力処理を行う。
音声処理部34は、BTモジュール32と携帯端末2のBTモジュール6との間でBT通信回線が接続されている状態では、ユーザが発した音声をマイクロホン45から送話音声データとして入力すると、その入力した送話音声データを音声処理してBTモジュール32へ出力し、また、BTモジュール32から受話音声データを入力すると、その入力した受話音声データをオーディオアンプ46へ出力する。オーディオアンプ46は、音声処理部34から受話音声データや音データを入力すると、その入力した受話音声データや音データを増幅してスピーカ47、47から出力させる。
表示制御部35は、表示装置36に接続されており、装置側制御部31からの指示に基づいて表示装置36に表示する内容、すなわち表示画面を制御する。表示装置36(装置側表示装置に相当)は、例えば液晶表示器や有機EL表示器で構成されており、表示制御部35の表示指令信号に基づいて各種の情報を表示する。表示装置36は、その画面上にタッチスイッチ(いわゆるタッチパネル)が設けられている。
表示装置36は、ナビゲーションに関する各種の表示、車両用装置3に対する各種の操作を入力するための操作画面などを表示する。ナビゲーションに関する表示としては、車両の現在位置周辺の地図の表示や自車位置マークの表示などが挙げられる。自車位置マークは、地図の表示に重ね合わせて表示されるものであり、車両の現在位置および進行方向を示す。また、表示装置36には、目的地までの経路案内の実行時において、経路案内用の画面が表示される。その際、地図上の道路のうち、案内経路に該当する道路は着色等により強調表示される。
操作入力部37は、表示装置36上に設けられたタッチスイッチ、表示装置36の周囲に設けられたメカニカルスイッチなどからなる操作装置38に接続されている。操作入力部37は、ユーザによる操作装置38の操作を検知し、その操作検知信号を装置側制御部31に出力する。具体的には、操作入力部37は、ユーザがタッチスイッチなどを操作して操作装置38から操作検知信号が入力されると、その入力された操作検知信号を装置側制御部31へ出力する。装置側制御部31は、操作入力部37から入力された操作検知信号を解析してユーザによる操作内容を特定する。
信号入力部39は、車両に搭載されている図示しないACC(アクセサリ)スイッチに接続されている。信号入力部39は、上記ACCスイッチから出力されたACC信号が入力されると、そのACC信号を装置側制御部31へ出力する。装置側制御部31は、信号入力部39から出力されたACC信号のオンオフに基づいて装置電源をオンオフする。即ち、装置側制御部31は、ACC信号がオフからオンに遷移したタイミングで装置電源をオンし(車両用装置3を起動し)、ACC信号がオンからオフに遷移したタイミングで装置電源をオフする(車両用装置3を停止する)。
位置検出器40は、図示しない周知の地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサおよびGPS受信機などを備えている。位置検出器40は、それら地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサおよびGPS受信機などから入力される検出信号を互いに補間することにより車両の位置情報を取得する。位置検出器40は、上記各位置検出要素の検出信号を補間しながら高精度に車両の現在位置を検出する。なお、要求される検出精度によってはこれらの一部のみで構成してもよいし、さらに、加速度を検出する加速度センサ等を加えてもよい。位置検出器40は、検出した車両の現在位置の情報を装置側制御部31に出力する。装置側制御部31は、位置検出器40から与えられる車両の現在位置情報などに基づいて、いわゆるナビゲーション処理を行う。
地図データ入力器41は、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、不揮発性の半導体メモリ等のような大容量の情報記憶媒体を利用して道路地図データなどを入力するためのものである。道路地図データには、道路形状、道路幅、道路種別(一般道、県道、国道、高速道路等)、信号、踏切等のデータが含まれるとともに、その道路地図を表示装置36の画面上に表示するためのデータが含まれている。
携帯端末2および車両用装置3は、BT通信回線を介して相互に接続された状態において、それぞれにインストールされたプログラムが実行されることにより相互に連携して動作する。これにより、携帯端末2の操作に応じて設定される地点を、車両用装置3において経路探索する際における目的地として設定するといった連係動作が可能となっている(詳細は後述する)。
次に、上記構成の連携システム1による目的地の設定に関する動作について、図4ないし図15を参照しながら説明する。尚、図4は、車両用装置3の動作のうち、目的地設定およびそれに関連する動作の概要を示すフローチャートである。図5及び図6は、携帯端末2の動作のうち、目的地設定およびそれに関連する動作の概要を示すフローチャートである。また、以下に説明する処理は、携帯端末2では端末側制御部4により実行され、車両用装置3では装置側制御部15により実行されるものであるが、説明の簡略化のため、それぞれ携帯端末2および車両用装置3を主体にして説明する。また、携帯端末2および車両用装置3は、以下に説明する処理を実行している間においても、その他の処理を並行して実行している。
車両用装置3は、図4に示すように、ACCスイッチがオンされると(ステップS10)、BTにて携帯端末2と接続したか否かを判定し(ステップS20)、携帯端末2と接続していない場合(ステップS20で「NO」)、接続するまで判定を繰り返す。携帯端末2と接続した場合(ステップS20で「YES」)、ステップS30へ進み、車両用装置3は、携帯端末2からの目的地情報を受信したか否かを判定する。尚、携帯端末2において、目的地を設定し、その設定された目的地の情報を携帯端末2から車両用装置3へ送信する処理については、後述する。
上記ステップS30において、車両用装置3は、目的地情報を受信したと判定すると(「YES」)、携帯端末2側で設定された目的地情報に基づいて、最適な経由順の設定および最適な経路の探索を行う(ステップS40)。なお、この場合、例えばダイクストラ法などを用いて、コストが最小となるように経由順の設定および経路の探索が行われる。ステップS40において経路探索が行われた後、車両用装置3は、経路案内動作を開始する(ステップS50)。
一方、携帯端末2においては、図5に示すように、車両用装置3との連携動作用の第1のアプリ(NaviConアプリと称しても良い)が起動されると(ステップS110)、車両用装置3とBTにて接続したか否かを判定し(ステップS120)、接続していない場合(ステップS120で「NO」)、接続するまで判定を繰り返す。
携帯端末2と車両用装置3とがBTによる通信が可能な近距離に配置された場合、具体的には、携帯端末2が車室内に持ち込まれた場合には、携帯端末2と車両用装置3とは互いにBTにより通信可能となり接続される。尚、本実施形態では、BTによる接続が行われたことがある状態(既に携帯端末2および車両用装置3に互いのBT通信に必要な情報が登録されている状態)を想定しており、互いがBT通信可能な近距離に配置された場合には、ユーザが操作を行うことなくBTによる接続が行われるものとしている。
上記ステップS120において、携帯端末2は、車両用装置3とBTにて接続したと判定すると(「YES」)、ステップS130へ進み、携帯端末2は、他の機器(車両CAN25、ウエアラブルデバイス26、ドライバモニタ27等)と無線LANにて接続したか否かを判定する。ここで、接続していない場合(ステップS130で「NO」)、接続するまで判定を繰り返す。
上記ステップS130において、携帯端末2は、他の機器25、26、27と無線LANにて接続したと判定すると(「YES」)、ステップS140へ進み、携帯端末2は、内部の位置検出部8からの現在位置情報、内部の加速度検出部9からの加速度検出情報、並びに、車両用装置3及び他の機器25、26、27からの各種の情報(センサ検出値等の情報)を取得する。
続いて、ステップS150へ進み、携帯端末2は、上記取得した各種の情報に基づいて、各種の情報の各判定値(閾値)を越えたかどうかを判定する。まず、ステップS150では、携帯端末2は、加速度検出部9からの加速度検出値(検出値の情報)が予め設定された加速度判定値を超えたか否かを判定する。ここで、加速度判定値を超えなかったら(ステップS150にて「NO」)、図6のステップS160へ進み、携帯端末2は、車両CAN25を介して取得した各種のECUからのOBD情報やCAN情報に基づいて異常値やエラー発生があったか否かを判定する。
ここで、異常値やエラー発生がなかったら(ステップS160にて「NO」)、ステップS170へ進み、携帯端末2は、ウエアラブルデバイス26により検出したユーザの脈拍検出値が予め設定された脈拍判定値を超えたか否かを判定する。ここで、脈拍検出値が脈拍判定値を超えなかったら(ステップS170にて「NO」)、ステップS180へ進み、携帯端末2は、ドライバモニタ27により検出したユーザ(運転者)の挙動(身体の動作、言動、視点移動など)の情報に基づいて、異常挙動があったか否かを判定する。ここで、異常挙動がなかったら(ステップS180にて「NO」)、ステップS190へ進み、携帯端末2は、設定された時刻になったか、または、設定された時間を越えたか否かを判定する。尚、設定された時刻の情報及び設定された時間の情報も、各種の情報に含まれる。
ここで、設定された時刻になっていない、または、設定された時間を越えていないときには(ステップS190にて「NO」)、ステップS200へ進み、携帯端末2は、内部の位置検出部8により検出された現在位置の情報に基づいて、ユーザが設定されたエリアに入ったか、または、設定されたエリアから出たか否かを判定する。ここで、ユーザが設定されたエリアに入っていない、または、設定されたエリアから出ていないときには(ステップS200にて「NO」)、図5のステップS150へ戻り、携帯端末2は、取得した各種の情報が各判定用閾値を越えたかどうかの判定処理を繰り返す。
さて、上記ステップS150において、加速度検出値が加速度判定値を超えたときには(「YES」)、ステップS154へ進み、携帯端末2は、関連する第2のアプリを自動的に起動する。この場合、関連する第2のアプリとしては、図7に示すように、最寄の病院を捜して(検出して)目的地として設定するアプリ(病院アプリ)や、JAFに連絡するアプリ(JAFアプリ)や、最寄のディラー(車両の販売修理店)を捜して目的地として設定するアプリ(ディラーアプリ)などが用意されており、加速度検出値の値に応じて自動起動するアプリを選択するように構成されている。例えば、加速度検出値の値から、ひどい衝撃で人が負傷したと推定されるときには、病院アプリを起動し、車両が走行できない程度の事故であると推定されるときには、JAFアプリを起動し、車両は走行できるけど修理の必要がある故障が生じたと思われる事故であると推定されるときには、ディラーアプリを起動する。続いて、ステップS156へ進み、携帯端末2は、加速度検出値が加速度判定値を超えたことを示す情報、起動したアプリのIDの情報、ユーザ(携帯端末2)のIDの情報、車両のIDの情報、現在位置の情報等のデータを情報センタ23に送信する。
また、上記ステップS160において、OBD情報やCAN情報に基づいて異常値やエラー発生があったときには(「YES」)、ステップS164へ進み、携帯端末2は、関連する第2のアプリを自動的に起動する。この場合、関連する第2のアプリとしては、図8に示すように、JAFに連絡するアプリ(JAFアプリ)や、最寄のディラー(車両の販売修理店)を捜して目的地として設定するアプリ(ディラーアプリ)などが用意されており、OBD情報やCAN情報の異常値に応じて、または、発生したエラーの種類に応じて、自動起動するアプリを選択するように構成されている。例えば、異常値またはエラーの種類から、車両が走行できなくなるおそれがある異常であると推定されるときには、JAFアプリを起動し、車両は走行できるけど修理の必要がある故障であると推定されるときには、ディラーアプリを起動する。続いて、ステップS166へ進み、携帯端末2は、OBD情報やCAN情報に基づいて異常値やエラー発生があったことを示す情報、起動したアプリのIDの情報、ユーザ(携帯端末2)のIDの情報、車両のIDの情報、現在位置の情報等のデータを情報センタ23に送信する。
また、上記ステップS170において、ウエアラブルデバイス26により検出したユーザの脈拍検出値が脈拍判定値を超えたときには(「YES」)、ステップS174へ進み、携帯端末2は、関連する第2のアプリを自動的に起動する。この場合、関連する第2のアプリとしては、図9に示すように、最寄の道の駅やPAやSAを捜して目的地として設定するアプリ(道の駅アプリ)や、最寄の病院を捜して目的地として設定するアプリ(病院アプリ)などが用意されており、脈拍検出値に応じて、自動起動するアプリを選択するように構成されている。例えば、脈拍検出値から、ユーザが疲れており、運転を休ませた方が良いと推定されるときには、道の駅アプリを起動し、脈拍検出値からユーザが病気(急病)になったと推定されるときには、病院アプリを起動する。続いて、ステップS176へ進み、携帯端末2は、ウエアラブルデバイス26により検出したユーザの脈拍検出値が設定された脈拍判定値を超えたことを示す情報、起動したアプリのIDの情報、ユーザ(携帯端末2)のIDの情報、車両のIDの情報、現在位置の情報等のデータを情報センタ23に送信する。
また、上記ステップS180において、ドライバモニタ27により検出したユーザ(運転者)の挙動(身体の動作、言動、視点移動など)の情報や、車両CAN25を介して取得したユーザのアクセルワークの情報に基づいて、異常挙動があったときには(「YES」)、ステップS184へ進み、携帯端末2は、関連する第2のアプリを自動的に起動する。この場合、関連する第2のアプリとしては、図10に示すように、最寄の道の駅やPAやSAを捜して目的地として設定するアプリ(道の駅アプリ)や、最寄の病院を捜して目的地として設定するアプリ(病院アプリ)や、最寄のレストランやコンビニを捜して目的地として設定するアプリ(レストランアプリ)などが用意されており、ユーザの異常挙動の内容に応じて、自動起動するアプリを選択するように構成されている。例えば、異常挙動の内容(身体の動作、言動、視点移動、アクセルワークなど)から、ユーザがいねむり運転したり、イライラ運転したり、イライラしたり、興奮したり、疲れていると判定され、運転を休ませた方が良いと推定されるときには、道の駅アプリを起動する。また、異常挙動の内容からユーザが病気(急病)になったり、ユーザの体調がかなり悪化したと推定されるときには、病院アプリを起動する。また、異常挙動の内容から、ユーザに対して食事が必要と判定されたり、水分の補給が必要と判定されたりして、レストランやコンビニへ行かせた方が良いと推定されるときには、レストランアプリを起動する。続いて、ステップS176へ進み、携帯端末2は、ドライバモニタ27により検出したユーザ(運転者)の挙動(身体の動作、言動、視点移動、アクセルワークなど)の情報に基づいて、異常挙動があったことを示す情報、起動したアプリのIDの情報、ユーザ(携帯端末2)のIDの情報、車両のIDの情報、現在位置の情報等のデータを情報センタ23に送信する。
また、上記ステップS190において、設定された時刻になった、または、設定された時間を越えたときには(「YES」)、ステップS194へ進み、携帯端末2は、関連する第2のアプリを自動的に起動する。この場合、関連する第2のアプリとしては、図11に示すように、最寄のレストランやコンビニを捜して目的地として設定するアプリ(レストランアプリ)や、最寄の道の駅やPAやSAを捜して目的地として設定するアプリ(道の駅アプリ)や、最寄のホテルや旅館を捜して目的地として設定するアプリ(ホテルアプリ)などが用意されており、時刻や時間の状態に応じて、自動起動するアプリを選択するように構成されている。例えば、設定された時刻として、朝食、昼食、おやつ、夕食、夜食の時刻(時間または時間帯)などが携帯端末2に設定されている場合には、設定された時刻になったときに、関連するアプリとしてレストランアプリを起動する。また、車両の運転継続時間を計測する機能を携帯端末2に備えるように構成し、運転継続時間が設定された運転時間を越えたときに、運転を休ませるために、関連するアプリとして、道の駅アプリを起動する。また、運転継続時間が長くなり、また、現在時刻が夕方ぐらいになり、更に、現在位置が旅行先であり、ユーザが宿泊する必要があると推定されるときには、関連するアプリとしてホテルアプリを起動する。続いて、ステップS196へ進み、携帯端末2は、設定された時刻になった、または、設定された時間を越えたことを示す情報、起動したアプリのIDの情報、ユーザ(携帯端末2)のIDの情報、車両のIDの情報、現在位置の情報等のデータを情報センタ23に送信する。
また、上記ステップS200において、設定されたエリアに入ったとき、または、設定されたエリアから出たときには(「YES」)、ステップS204へ進み、携帯端末2は、関連する第2のアプリを自動的に起動する。この場合、関連する第2のアプリとしては、図12に示すように、携帯端末2が多言語対応の携帯端末である場合に、国境を越えて他の国や他の地域に入ったときに、他の国や他の地域で使用されている言語に切り替えて表示するアプリ(多言語対応アプリ)が用意されている。例えば、現在位置の情報に基づいて国境を越えて他の国や他の地域に入ったことが判定されたときには、関連するアプリとして多言語対応アプリを起動する。これにより、携帯端末2は、入った国や地域で使用されている言語に切り替えて表示されるようになる。続いて、ステップS206へ進み、携帯端末2は、国境を越えて他の国や他の地域に入ったことを示す情報、起動したアプリのIDの情報、ユーザ(携帯端末2)のIDの情報、車両のIDの情報、現在位置の情報等のデータを情報センタ23に送信する。
次いで、図5のステップS210へ進み、自動起動された第2のアプリにおいて、目的地が設定されたか否かを判定する(第2のアプリが終了するまでの間に)。ここで、目的地が設定されたときには(ステップS210にて「YES」)、ステップS220へ進み、携帯端末2において、上記設定された目的地を第2のアプリから第1のアプリへ送信する。続いて、ステップS230へ進み、上記設定された目的地を携帯端末2(第1のアプリ)から車両用装置3へ送信する。これにより、携帯端末2における目的地設定処理を終了する。尚、車両用装置3においては、携帯端末2からの目的地を受信すると、現在地から上記受信した目的地までの誘導経路を探索する処理を実行し、探索された誘導経路について経路案内を実行するように構成されている。また、上記ステップS210において、第2のアプリが終了するまでの間に、目的地が設定されなかったときには(「NO」)、目的地設定処理を終了する。
尚、上述した目的地設定処理においては、携帯端末2(第1のアプリ)において、自動起動する第2のアプリ(関連するアプリ、連携アプリ)を自動的に選択するように構成したが、これに代えて、自動起動する第2のアプリをユーザにより指定できるように構成しても良い。このように構成する場合、例えば携帯端末2において、第1のアプリの操作画面で第2のアプリを指定するように構成することが好ましい。
具体的には、図13(a)に示すように、第1のアプリのメニュー画面において、ユーザが連携アプリ設定のボタン51を選択する。すると、図13(b)に示すように、連携アプリ設定の画面が表示され、加速度のボタン52、車両異常のボタン53、脈拍値のボタン54、時間のボタン55、及び、エリアのボタン56が表示される。ここで、ユーザにより例えば加速度のボタン52が選択されると、図13(c)に示すように、加速度の閾値を設定する画面が表示され、閾値設定用のボタン57〜60が表示される。この画面で、ユーザにより例えば0.3G以上のボタン58が選択されると、図13(d)に示すように、起動するアプリを選択する画面が表示され、起動するアプリのボタン61〜64が表示される。この画面で、自動起動したいアプリのボタンを選択すれば良い。尚、図13(d)の画面では、デフォルトのアプリとして、例えばボタン61(アプリA)が予め選択されている(斜線領域で示す)。
また、図13(c)の画面で、他の加速度のボタン、例えば1.0G以上のボタン60が選択されると、図13(e)に示すように、起動するアプリを選択する画面が表示され、起動するアプリのボタン61〜64が表示される。この画面で、自動起動したいアプリのボタンを選択すれば良い。尚、図13(e)の画面では、デフォルトのアプリとして、例えばボタン62(アプリB)が予め選択されている(斜線領域で示す)。
また、図13(b)の画面において、ユーザにより例えば脈拍値のボタン54が選択されると、図14(a)に示すように、脈拍値の閾値を設定する画面が表示され、閾値設定用のボタン65〜68が表示される。この画面で、ユーザにより例えば120以上のボタン67が選択されると、図14(b)に示すように、起動するアプリを選択する画面が表示され、起動するアプリのボタン69〜72が表示される。この画面で、自動起動したいアプリのボタンを選択すれば良い。尚、図14(b)の画面では、デフォルトのアプリとして、例えばボタン71(アプリC)が予め選択されている(斜線領域で示す)。
次に、第2のアプリが起動された場合の操作画面の一例を、図15を参照して説明する。第2のアプリとして例えばディラーアプリが起動されると、図15(a)に示すように、メニュー画面が表示され、NaviCon連携機能のボタン74が表示される。このボタン74を選択すると、図15(b)に示すように、「NaviConに送信する目的地を設定してください」というメッセージと、目的地設定用のボタン75が表示される。ここで、ボタン75を選択すると、図15(c)に示すように、最寄のディラーを選択するボタン76、77が表示される。この画面で、ユーザは、行きたいディラーを選択することにより、選択したディラーを目的地として設定することができる。
このような構成の本実施形態によれば、ユーザは、車両用装置3の操作を極力行うことなく、主に携帯端末2の操作を行うだけで、目的地を設定して経路の探索を行うことができる。従って、本実施形態によれば、目的地の設定を行う際におけるユーザの利便性を一層向上することができる。特に、本実施形態では、車両の状態変化(加速度やOBD情報等)や、運転者の状態変化(脈拍値や挙動等)、設定された時刻や時間等の経過や、車両の位置の変化を検知し、これら検知情報に応じて対応するアプリを自動的に起動し、最適な目的地を容易に設定できるように構成した。これにより、目的地を設定する操作を極力簡単に実行することができて、使い勝手を向上でき、例えば、緊急事態発生時においても、的確な目的地を確実に設定することができる。
尚、上記実施形態では、携帯端末2と車両用装置3とを例えばBT通信で接続するように構成したが、他の無線規格の無線通信で接続しても良いし、有線で接続するように構成しても良い。また、上記実施形態では、携帯端末2と、車両CAN25、ウエアラブルデバイス26、または、ドライバモニタ27との各間を、例えば無線LAN通信で接続するように構成したが、他の無線規格の無線通信で接続しても良いし、有線で接続するように構成しても良い。
また、上記実施形態においては、携帯端末2にて取得した各種の情報の各判定値(閾値)として、携帯端末2の記憶部11に予め記憶したおいた各判定値(閾値)を用いたが、これに代えて、各判定値(閾値)をユーザが適宜設定(指定または変更)できるように構成しても良い。この各閾値の設定処理(操作)は、例えば第1のアプリで実行可能なように、例えば閾値設定用メニューを設けるように構成することが好ましい。