JP6198467B2 - 被搬送物の取出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば段積み状態で積載された複数の被搬送物から所定数の被搬送物を取り
出すための被搬送物の取出装置に関する。
従来から、各種の産業分野において、製品等を載置して所要の場所に運搬するために、
樹脂製、金属製、木製など種々のパレットが広く利用されている。例えば、工場や倉庫等
の各種施設では、パレットの上面に製品又はワークを載置した状態で該パレットを搬送台
車に載せて、この搬送台車を移動させてパレットを各製造工程や出荷場まで搬送すること
が行われている(例えば、特許文献1,2の「従来の技術」を参照)。
特開2002−96732号公報 特開2003−127862号公報
ところで、製品等が載置される以前の空のパレットは工場や倉庫の床面あるいは収容棚
等に段積み状態で保管されており、作業者が必要に応じて空のパレットを搬送台車に載せ
替える作業を行っている。しかしながら、空のパレットといえども、パレット自体が概し
て大型且つ重量物であるため、作業者にとっては作業の負担が多大な重筋作業となり、作
業効率が低いという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、重筋作業を廃止して作業効率
を高めることが可能な構成の被搬送物の取出装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る被搬送物の取出装置は、複数の被搬送物(例
えば、実施形態におけるパレットP)を上下に段積み状態で保持可能に形成された被搬送
物収容部(例えば、実施形態におけるパレット収容空間21)を備え、被搬送物収容部に
おいて保持された複数の被搬送物から所定数の被搬送物を取り出すための被搬送物の取出
装置(例えば、実施形態におけるパレット取出装置1)であって、複数段に段積みされた
被搬送物のうち最下段の被搬送物と係合する第1係合位置と、最下段の被搬送物との係合
を解除する第1退避位置と、の間で移動可能な第1係合部材(例えば、実施形態における
第1可動爪61)と、複数段のうち下から所定段数目の被搬送物と係合する第2係合位置
と、所定段数目の被搬送物との係合を解除する第2退避位置と、の間で移動可能な第2係
合部材(例えば、実施形態における第2可動爪62)と、を備え、被搬送物収容部にて被
搬送物を保持するときは、第2係合部材が第2退避位置に位置するとともに第1係合部材
が第1係合位置に位置することで、第1係合部材によって複数の被搬送物が段積み状態で
保持され、被搬送物収容部から所定数の被搬送物を取り出すとき、第2係合部材が第2係
合位置に移動して所定段数目の被搬送物に係合することで第2係合部材によって所定段数
目以上の被搬送物が段積み状態で保持されるとともに、第1係合部材が第1退避位置に移
動することで所定段数目より下段の被搬送物が自由落下されて取り出され、所定段数目よ
り下段の被搬送物を取り出したのち、第2係合部材が第2退避位置に移動して所定段数目
以上の被搬送物を自由落下させるとともに、第1係合部材が第1係合位置に移動して該自
由落下した所定段数目の被搬送物と係合することで所定段数目以上の被搬送物が第1係合
部材によって段積み状態で保持されるように構成する。
加えて、上述の発明は、搬送台車(例えば、実施形態における運搬台車100)を搬入及び搬出可能に形成された台車収容部(例えば、実施形態における台車収容空間22)とこの台車収容部の上方に設けられた被搬送物収容部とを形成するフレーム部材(例えば、実施形態におけるフレームユニット20)と、フレーム部材に取り付けられた駆動手段(例えば、実施形態における駆動機構40)とを備え、駆動手段は、搬送台車の搬入・搬出動作に基づいて搬送台車に押動されて搬入・搬出方向に移動する可動部材(例えば、実施形態における可動ロッド80)と、可動部材の移動運動を第1係合部材及び第2係合部材の係合位置と退避位置との間の移動運動に変換するリンク機構(例えば、実施形態におけるアーム部材65及びリンク部材70)と、可動部材を搬出方向に付勢する付勢部材(例えば、実施形態における戻しバネ73)とを備え、搬送台車が台車収容部に搬入されるとき、可動部材が搬送台車によって搬入方向に押動されることで、リンク機構によって、第1係合部材が第1係合位置から第1退避位置に変位するとともに、第2係合部材が第2退避位置から第2係合位置に変位し、搬送台車が台車収容部から搬出されるとき、可動部材が付勢部材に付勢されて搬出方向に移動されることで、リンク機構によって、第1係合部材が第1退避位置から第1係合位置に変位するとともに、第2係合部材が第2係合位置から第2退避位置に変位するように構成される
本発明に係る被搬送物の取出装置によれば、搬送台車の搬入・搬出動作や外部操作など
に連動して、上下に段積み状態で積載された複数の被搬送物の中から作業者が必要とする
所定数の被搬送物を取り出すことができるので、作業者の重筋作業を廃止して、作業効率
を高めることが可能となる。
また、上述の発明において、第1及び第2係合部材を係合位置と退避位置との間で動作
させるための駆動手段を油圧や空圧、電力等の特別な動力を必要とせず搬送台車からの押
動力を利用して構成することで、装置構成を簡素化してコストの低減を図ることができる
とともに、省エネルギー化にも貢献することが可能である。
第1実施形態に係るパレット取出装置の斜視図である。 第1実施形態に係るパレット取出装置の側面図である。 第1実施形態に係るパレット取出装置と搬送台車を示す側面図である。 第1実施形態に係るパレット取出装置の可動ロッドが初期位置にある状態を示す平面図(図3の矢印IV−IVに沿って示す一部断面図)である。 第1実施形態に係るパレット取出装置の可動ロッドが反転位置にある状態を示す平面図である。 (a)は第1可動爪の回動角度範囲を示す模式図、(b)は第2可動爪の回動角度範囲を示す模式図である。 第1実施形態におけるパレット及び運搬台車の斜視図である。 第1実施形態における運搬台車の往路に対するパレットの取出動作を説明するための模式図である。 第1実施形態における運搬台車の復路に対するパレットの取出動作を説明するための模式図である。 第2実施形態に係るパレット取出装置の平面図である。 第2実施形態に係るパレット取出装置と運搬台車の平面図である。 第2実施形態におけるパレット及び運搬台車の斜視図である。 第2実施形態に係るパレット取出装置の可動ロッドが初期位置にある状態を示す平面図である。 第2実施形態に係るパレット取出装置の可動ロッドが反転位置にある状態を示す平面図である。 (a)は第1爪部(第2爪部)がパレットに係合している状態を示す模式図、(b)は第3爪部(第4爪部)がパレットに係合している状態を示す模式図である。 第2実施形態に係るパレット取出装置の変形例を示す平面図である。 第2実施形態に係るパレット取出装置の変形例の要部を示す平面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明の第1実施
形態に係るパレット取出装置1を図1〜図6に示しており、まず始めに、この図を参照し
ながらパレット取出装置1の全体構成について説明する。なお、以下の説明においては、
説明の便宜上、前後左右及び上下の方向については、運搬台車100の搬入・搬出方向を
前後方向、運搬台車100の幅方向を左右方向、パレットPの積載方向(重力方向)を上
下方向、と称して説明する。また、説明の理解を容易にするために、略同一の構成要素に
は可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
パレット取出装置1は、互いに同形同大となる複数枚のパレット(被搬送物)Pを上下
に段積み状態で積載可能(ストック可能)であるとともに、該装置1内に空の運搬台車1
00がセットされたときに、複数段に積載されたパレットPのうち、最下段のパレットP
を運搬台車100上に供給可能に構成されている。
ここで、以降の説明の理解を容易にするため、パレット取出装置1の具体的な構造を説
明する前に、図7を参照しながら、パレットP及び運搬台車100の概要構成を簡単に説
明する。ここで、図7はパレットP及び運搬台車100の斜視図である。
まず、パレットPは、例えば扁平な直方体状を呈しており、前後左右の各側面にはフォ
ークリフトの爪(フォーク)を挿入可能とする一対のフォーク挿入孔Pfがそれぞれ開設
されている。つまり、本例では、四方差し方式のパレットを採用している。パレットPの
大きさは、例えば、縦横の幅が共に略1100[mm]、高さが略145[mm]である。パ
レットPの内部には、その上面に重量物を載置可能なように補強用の多数のリブ(図示省
略)が形成されている。パレットPの上面には、例えば製造工程で加工、塗装、熱処理等
された製品(ワーク)が載置可能となっている。なお、パレットPとしては、樹脂製、金
属製、木製、紙製のいずれでもよく、汎用品、専用品のいずれであってもよい。ここで、
図3に示すように、パレット取出装置1に積載されたパレットPを個別に指すときは、下
から順番に、パレットP(1)、パレットP(2)、パレットP(3)、…のように番号を
付し、パレットPを総称するときは番号を省略する。
続いて、運搬台車100は、パレットPを載置可能な荷台101と、荷台101の前後
左右の四隅に転動自在に支持された車輪(キャスター)102と、荷台101の後端から
斜め上方に若干傾斜して取り付けられたハンドル103と、を備えている。荷台101の
底面側の前端には、後述するパレット取出装置1によるパレットPの取出動作を実行せし
めるための押動部104が設けられている。それでは以下において、パレット取出装置1
の具体的な構造を説明する。
パレット取出装置1は、該装置1の取付ベースとなる基台10と、基台10上に設置さ
れて該装置1の骨格となるフレームユニット20と、フレームユニット20に取り付けら
れてパレットPの取出動作を実行する駆動機構40と、を主体として構成される。なお、
パレット取出装置1は略左右対称の構造をなすため、以降では左右のうち一方の構造のみ
を代表して説明する(図面にも左右同一の構造には同じ符号を付している)。
基台10は、例えば所定板厚の平板状の鋼板を矩形状に形成したものであり、その中央
には後述する左右のガイドレール33,33に挟まれて運搬台車100を前後方向に搬送
させるための走行路が形成される。なお、基台10における運搬台車100の走行路とな
る部分を切り欠いて、基台10を上方から見た平面視においてコ字型に形成してもよい。
また、基台10の上面における前端部には、緩やかに湾曲して延びる左右一対の帯板状の
第1案内部材11が接合されている。この第1案内部材11は、上方部がパレットPの位
置決めとして機能し、下方部が運搬台車100のストッパとして機能する。
フレームユニット20は、基台10上に所定の間隔をおいて対向配置された左右一対の
サイドフレーム30から構成される。左右のサイドフレーム30の間には、複数枚(本実
施形態では10枚)のパレットPを上下方向に段積み状態で積載するためのパレット収容
空間21が形成されるとともに、その下方に連なって運搬台車100の荷台101を受け
入れるための台車収容空間22が形成されている。なお、パレットP等の支持強度をより
一層向上させるために、左右のサイドフレーム30,30の上端部同士を連結して、フレ
ームユニット20を門型に構成してもよい。
各サイドフレーム30は、基台10上に垂直に立設された前後一対の支柱31,31と
、前後の支柱31,31の上部間に架設された連結板32と、前後の支柱31,31の下
部間に架設されたガイドレール33と、を備えて形成されており、全体として略矩形の枠
状を呈している。ここで、サイドフレーム30の各構成要素は、例えば鉄やステンレス鋼
等の金属材料を用いて図示する形状に形成されている。各支柱31の高さは、パレットP
の最大積載高さ以上に設定されている。連結板32の中央には、鉛直方向に延びる長尺棒
状の第2案内部材34が接合されている。ガイドレール33は、前後の支柱31,31に
接合されて前後方向に直線状に延びる直線レール部33aと、この直線レール部33aの
後端から左右外方に傾斜して延びる傾斜レール部33bとからなり、左右一対のガイドレ
ール33,33によって運搬台車100の前後移動が円滑に案内されるようになっている
駆動機構40は、ガイドレール33の後端部に接合された固定ロッド41と、鉛直方向
に延びる軸心X周りに回動自在に枢支された前後一対の回動支軸50と、回動支軸50の
外周面に接合されて該回動支軸50と一体的に回動可能(旋回可能)に設けられた第1可
動爪61及び第2可動爪62と、回動支軸50の外周面に接合されて該回動支軸50の径
方向に延びるアーム部材65と、アーム部材65に水平面内で揺動自在にリンク結合され
たリンク部材70と、リンク部材70の前端部に連結された可動ロッド80と、を備えて
いる。ここで、駆動機構40の各構成要素は、例えば鉄やステンレス鋼等の金属材料を用
いて図示する形状に形成されている。
固定ロッド41は、左右方向に延びる長尺円柱状に形成されており、ガイドレール33
の後端部に水平姿勢で架設されている。固定ロッド41の基台10からの高さは、運搬台
車100の荷台101に1枚分のパレットPを載置した高さよりも大きく設定されており
、運搬台車100の荷台101にパレット1個を載置した状態であっても、該荷台101
を台車収容空間22内に出し入れ可能としている。すなわち、固定ロッド41、左右のガ
イドレール33及び基台10によって四方を囲まれて、運搬台車100の荷台101を台
車収容空間22内に出し入れするための荷台挿入口42が区画されている。固定ロッド4
1の中央には、緩やかに湾曲する帯板状の第3案内部材43が接合されている。ここで、
パレット収容空間21内に段積み状態で積載された複数枚のパレットPは、上述の第1〜
第3案内部材11,34,43によって、左右及び前後の位置が矯正されて位置決めされ
るとともに、多段に積み重ねられても荷崩れが防止されるようになっている。
回動支軸50は、上下の各端部が連結板32に固定された上側支持筒51と基台10上
に固定された下側支持筒52とに枢支されて、該支軸50の中心を通る軸心X周りに回動
自在に取り付けられている。ここで、回動支軸50の回動角度範囲は、詳細後述する可動
ロッド80の可動範囲に対応した角度範囲として約80度に設定されている(換言すれば
、回動支軸50は約80度の角度範囲で回動可能である)。回動支軸50の下方部には、
左右外方に向けて直線状に延出する円柱状のアーム部材65が接合されており、このアー
ム部材65の先端には中空円筒状の軸受部66が設けられている。
第1可動爪61は、円筒軸状に形成されて回動支軸50の外周面に水平姿勢で接合され
ており、回動支軸50の軸心Xを中心として該支軸50と一体的に水平面内で回動自在に
構成されている。第1可動爪61は、下から1段目のパレットP(1)の底面と係合可能
な高さ位置に配置されている。ここで、第1可動爪61は、図6(a)に示すように、回
動支軸50と同期して約80度の回動角度範囲を取り得るが、この第1可動爪61の回動
角度範囲は、最下段のパレットP(1)と係合し得る第1の角度範囲(「第1係合範囲」
と称する)と、最下段のパレットP(1)から離間して該パレットP(1)の自由落下を許
容し得る第2の角度範囲(「第2退避範囲」と称する)と、に区分される。つまり、第1
可動爪61は第1係合範囲内に位置するときは最下段のパレットP(1)に係合可能な状
態にあり、第1退避範囲内に位置するときは最下段のパレットP(1)と係合不能な状態
にある。なお、図6(a)では、左側の第1可動爪61を示している。
第2可動爪62は、第1可動爪61と略同一形状(円筒軸状)に形成されて回動支軸5
0の外周面に水平姿勢で接合されており、回動支軸50の軸心Xを中心として該支軸50
及び第1可動爪61と一体的に水平面内で回動自在に構成されている。第2可動爪62は
、第1可動爪61よりも上方の位置であって、下から2段目のパレットP(2)のフォー
ク挿入孔Pfに挿入可能となる高さ位置に配置されている。第2可動爪62は、第1可動
爪61に対して上方から見た平面視において、時計回り方向又は反時計回り方向に約80
度だけオフセットした角度方向を向いて配置されている(左側の可動爪61,62では反
時計回り方向、右側の可動爪61,62では時計回り方向)。つまり、平面視において第
1可動爪61と第2可動爪62とのなす角度は約80度である。ここで、第2可動爪62
は、図6(b)に示すように、回動支軸50と同期して約80度の回動角度範囲を取り得
るが、この第2可動爪62の回動角度範囲は、2段目のパレットP(2)と係合し得る第
1の角度範囲(「第2係合範囲」と称する)と、2段目のパレットP(2)から離間して
該パレットP(2)の自由落下を許容し得る第2の角度範囲(「第2退避範囲」と称する
)と、に区分される。つまり、第2可動爪62は第2係合範囲内に位置するときは2段目
のパレットP(2)に係合可能な状態にあり、第2退避範囲内に位置するときは2段目の
パレットP(2)と係合不能な状態にある。なお、図6(b)では、左側の第2可動爪6
2を示している。
リンク部材70は、前後方向に延びる細長い軸状に形成されており、アーム部材65と
可動ロッド80とに連結されて水平姿勢で配設されている。リンク部材70には、垂直下
方に突出する前後一対のリンク軸71が形成されており、このリンク軸71がアーム部材
65の軸受部66に回動自在に挿入支持(リンク結合)されることで、リンク部材70と
アーム部材65とによりリンク機構が構成されている。ここで、リンク軸71の配置間隔
は、回動支軸50の配置間隔と略同一に設定されている。また、リンク部材70には、軸
状のバネ取付部72が突設されており、このバネ取付部72と固定ロッド41の端部とに
跨って、このリンク部材70を固定ロッド41側(運搬台車100の搬出方向)に付勢す
るための戻しバネ(圧縮コイルバネ)73が抜け止め状態で取り付けられている。さらに
、リンク部材70の前端側には、可動ロッド80の各端部を支持するための中空円筒状の
連結筒74が接合されている。
可動ロッド80は、リンク部材70の連結筒74に挿入可能な大きさの軸径に形成され
ており、左右の各端部には該可動ロッド80を連結筒74から抜け止めするための円盤状
の規制板81が形成されている。このように、可動ロッド80は、左右のリンク部材70
の各連結筒74に抜け止め状態で挿入支持されており、各連結筒74は可動ロッド80に
対して該ロッド80の軸方向に沿って相対移動自在に構成される。また、可動ロッド80
の略中央には、運搬台車100がフレームユニット20の台車収容空間22内に進入した
際に、運搬台車100の押動部104に当接して該運搬台車100の搬入方向(前方向)
に押動される操作部82が後方に向けて突設されており、これにより運搬台車100に押
動されて可動ロッド80全体が前後方向に往復移動し得るようになっている。この可動ロ
ッド80の前後方向への直線運動は、前述のリンク機構を介して、回動支軸50及び可動
爪61,62の回動運動に変換される。ここで、可動ロッド80は、図2及び図4に示す
初期位置(駆動機構40の動作の起点となる位置)と、図2及び図5に示す反転位置(駆
動機構40の動作の反転点となる位置)と、の間で前後方向に往復動可能である。
次に、パレット取出装置1の作用について、図8及び図9を追加参照しながら説明する
。ここで、図8は運搬台車100の往路に対するパレットPの取出動作を説明するための
模式図、図9は運搬台車100の復路に対するパレットPの取り出し動作を説明するため
の模式図である。なお、図8及び図9では、説明の理解を容易にするために、パレットP
、回動支軸50、可動爪61,62及び荷台101のみを抜き出して図示している。また
、図8及び図9では、左右の可動爪61,62のうち、左側の可動爪61,62を示して
おり、以降の説明では特段の場合を除き、左側の可動爪61,62を代表して説明する(
このとき、右側の可動爪61,62の回動方向は、左側の可動爪61,62の回動方向と
は逆となる)。
それでは先ず、図8を追加参照して、運搬台車100の往路(初期位置→反転位置)に
おける作用について説明する。運搬台車100がフレームユニット20の台車収容空間2
2に挿入される以前は、可動ロッド80は初期位置で静止している(図4を参照)。この
とき、図8(a)に示すように、第1可動爪61はパレットP側に最大に張り出した位置
(第1係合範囲内)に保持されて最下段のパレットP(1)の底面と係合しており、パレ
ット収容空間21内の全てのパレットPが前後左右4カ所の第1可動爪61により上下に
段積み状態で積載されている。一方、第2可動爪62は、略前方を向いて2段目のパレッ
トP(2)のフォーク挿入孔Pfから退避した位置(第2退避範囲内)に保持されている
運搬台車100を前方に搬送し、運搬台車100の荷台101をガイドレール33に沿
って荷台挿入口42から台車収容空間22内に挿入すると、運搬台車100の押動部10
4が可動ロッド80の操作部82を前方に押動することで、可動ロッド80全体が戻しバ
ネ73の付勢力に抗して前方に水平移動する。可動ロッド80が前方に移動すると、この
可動ロッド80と共にリンク部材70も前方に移動しようとする。このとき、リンク部材
70とリンク結合するアーム部材65が軸心Xを中心として時計回り方向Aに回動しよう
とするため、リンク部材70はアーム部材65の回動運動に案内されて左右外方へも移動
する(結果として、各リンク部材70は左右斜め前方に水平移動する)。これにより、リ
ンク部材70の連結筒74は、可動ロッド80に対して該ロッド80の軸方向に沿って左
右外方(互いに離間する方向)へ相対移動する。
一方、アーム部材65の回動と同期して第1可動爪61及び第2可動爪62が回動支軸
50と共に軸心Xを中心として時計回り方向Aに回動することとなるが、このとき第1可
動爪61は最下段のパレットP(1)から離間するよう回動変位し、第2可動爪62は2
段目のパレットP(2)に接近するよう回動変位する。ここで、前述したように、第1可
動爪61と第2可動爪62とは軸心Xを中心として約80度(90度未満の角度)だけオ
フセットされているため、図8(b)に示すように、第2可動爪62が2段目のパレット
P(2)への挿入を開始したとき(第2係合範囲内に進入したとき)、第1可動爪61は
最下段のパレットP(1)に未だ係合している(第1係合範囲内に位置している)。そし
て、回動支軸50の更なる回動に伴って、図8(c)に示すように、第1可動爪61が最
下段のパレットP(1)との係合を脱したとき、既に第2可動爪62は2段目のパレット
P(2)に挿入されているので、最下段のパレットP(1)のみが運搬台車100の荷台1
01に向けて自由落下する一方、2段目以降のパレットP(2),P(3),…は第2係合
爪62に係合支持されて段積み状態で保持される。そして、自由落下したパレットP(1
)は、運搬台車100の荷台101に載置されることとなる。
さらに運搬台車100を前方に進めてストッパとしての第1案内部材11と当接すると
ころまでいくと、可動ロッド80が反転位置に到達する。こうして可動ロッド80が反転
位置に達した状態では、図8(d)に示すように、第1可動爪61は略後方を向いてパレ
ットPから退避した位置(第1退避範囲内)にあり、第2可動爪62は略左右内方を向い
てパレットP側に最も張り出した位置(第1係合範囲内)にある。そのため、2段目以降
のパレットP(2),P(3),…は、前後左右4カ所の第2可動爪62によって安定的に
受け止められて段積み状態で保持される(仮止めされる)。
続いて、図9を参照して、運搬台車100の復路(反転位置→初期位置)における作用
について説明する。まず、パレットP(1)を載置した運搬台車100を後方に引き出す
と、可動ロッド80が戻しバネ73の付勢力によって反転位置から初期位置へ向けて後退
移動する。可動ロッド80が後方に移動すると、この可動ロッド80と共にリンク部材7
0も後方に移動しようとする。このとき、リンク部材70とリンク結合するアーム部材6
5が軸心Xを中心として反時計回り方向Bに回動しようとするため、リンク部材70はア
ーム部材65の回動運動に案内されて左右内方へも移動する(結果として、各リンク部材
70は左右斜め後方に水平移動する)。これにより、リンク部材70の連結筒74は、可
動ロッド80に対して該ロッド80の軸方向に沿って左右内方(互いに接近する方向)へ
相対移動する。
一方、アーム部材65の回動と同期して、第1可動爪61及び第2可動爪62が回動支
軸50と共に軸心Xを中心として反時計回り方向Bに回動することとなるが、このとき第
1可動爪61はパレットPに接近するように回動変位し、第2可動爪62はパレットPか
ら離間するよう変位する。ここで、前述したように、第1可動爪61と第2可動爪62と
は軸心Xを中心として約80度(90度未満の角度)だけオフセットされているため、図
9(b)に示すように、第1可動爪61が2段目のパレットP(2)の底面真下にきたと
き(第1係合範囲内に進入したとき)、第2可動爪62は2段目のパレットP(2)と未
だ係合している(第2係合範囲内に位置している)。そして、回動支軸50の更なる回動
に伴って、図9(c)に示すように、第2可動爪62が2段目のパレットP(2)との係
合を脱して2段目以降のパレットP(2),P(3),…が自由落下したとき、すでに第1
可動爪61はパレットPの底面に係合し得る状態で待機しているため、該自由落下した2
段目以降のパレットP(2),P(3),…は第1係合爪61と係合して段積み状態で保持
されることとなる。
さらに、運搬台車100を後退させて、運搬台車100をパレット取出装置1から外方
へ搬出すると、可動ロッド80は元の初期位置に復帰する。こうして可動ロッド80が初
期位置に戻った状態では、図9(d)に示すように、第2可動爪62は前方を向いてパレ
ットPから退避した位置(第2退避範囲内)にあり、第1可動爪61は略左右内方を向い
てパレットP側に最も張り出した位置(第1係合範囲内)にある。そして、パレット収容
空間21に残存するパレットPの枚数は、先ほどのパレットPの取出動作によって1枚だ
け減少し、各パレットPの段数も、P(2)→P(1)、P(3)→P(2)、P(4)→P
(3)、…といったように、1段ずつ繰り下がる。それゆえ、この新たに最下段となった
パレットP(1)が次回の取出対象のパレットPとなり、以降、運搬台車100がパレッ
ト取出装置1に搬入・搬出される毎に、パレットPが1枚ずつ運搬台車100に取り出さ
れ、このような取出動作が繰り返し実施されることとなる。
他方、パレット取出装置1から搬出された運搬台車100には、先ほどパレット取出装
置1から取り出されたパレットPが1枚載置されており、例えば、作業者によって次の製
造工程等に運搬され、パレットP上に製品等が載置された上で該製造工程での利用に供さ
れる。
なお、パレット収容空間21が空となった場合(パレットPが1枚も残存していない場
合)には、例えばフォークリフト等によって複数枚のパレットPを段積み状態でパレット
収容空間21内に投入・補給すればよい。
以上、本実施形態に係るパレット取出装置1によれば、運搬台車100の搬入・搬出動
作に連動して、上下に段積み状態で積載された複数枚のパレットPから作業者が必要とす
る所定枚数のパレットPを運搬台車100に取り出すことができるので、作業者の重筋作
業を廃止して、作業効率を高めることが可能となる。
また、本実施形態に係るパレット取出装置1では、可動爪61,62を係合範囲と退避
範囲との間で回動動作させるための駆動手段を油圧や空圧、電力等の特別な動力を必要と
せず運搬台車100からの押動力を利用して構成しているため、装置構成を簡素化してコ
ストの低減を図ることができるとともに、省エネルギー化にも貢献することが可能である
なお、従来においては、空のパレットPは工場等の施設の床面や収容棚に段積み状態で
載置され、後に積まれたパレットP(最上段のパレットP)から順番に運搬台車100に
載せ替えられて利用に供されるが、本実施形態のパレット取出装置1によれば、先に積ま
れたパレットP(最下段のパレットP)から順番に運搬台車100に取り出されるので、
先入れ先出しの原則を遵守することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るパレット取出装置について図面を参照して説明する
。第2実施形態に係るパレット取出装置201を図10及び図11に示しており、まず始
めに、この図を参照しながらパレット取出装置201の全体構成について説明する。なお
、第1実施形態と同一の構成要素(又は同一の機能を有する構成要素)には同一の番号を
付して重複説明を省略し、主として第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。また
、以下の説明においては、第1実施形態のときと同様に、説明の便宜上、前後左右及び上
下の方向については、運搬台車100の搬入・搬出方向を前後方向、運搬台車100の幅
方向を左右方向、パレットQの積載方向(重力方向)を上下方向、と称して説明する。
パレット取出装置201は、互いに同形同大となる複数枚のパレット(被搬送物)Qを
上下に段積み状態で積載可能(ストック可能)であるとともに、該装置201内に空の運
搬台車100がセットされたときに、複数段に積載されたパレットQのうち、最下段のパ
レットQを運搬台車100上に供給可能に構成されている。
ここで、以降の説明の理解を容易にするため、パレット取出装置201の具体的な構造
を説明する前に、図12を参照しながら、被搬送物たるパレットQの概要構成を簡単に説
明する(なお、運搬台車100は第1実施形態と同一構成であるので省略する)。
パレットQは、例えば扁平な直方体状を呈しており、前後の各側面にはフォークリフト
の爪を挿入可能とする一対のフォーク挿入孔Qfがそれぞれ開設されている(左右の各側
面にはフォーク挿入孔Qfは無い)。つまり、本例では、二方差し方式のパレットを採用
している。パレットQの大きさは、例えば、縦横の幅が共に略1100[mm]、高さが略
145[mm]である。パレットQの内部には、その上面に重量物を載置可能なように補強
用の多数のリブ(図示省略)が形成されている。パレットQの上面には、例えば製造工程
で加工、塗装、熱処理等された製品(ワーク)が載置可能となっている。なお、パレット
Qとしては、樹脂製、金属製、木製、紙製のいずれでもよく、汎用品、専用品のいずれで
あってもよい。ここで、パレット取出装置201に積載されたパレットQを個別に指すと
きは、下から順番に、パレットQ(1)、パレットQ(2)、パレットQ(3)、…のよう
に番号を付し、パレットQを総称するときは番号を省略する。それでは以下において、パ
レット取出装置201の具体的な構造を説明する。
パレット取出装置201は、図10及び図11に示すように、該装置201の骨格を形
成するフレームユニット210と、フレームユニット210に取り付けられてパレットQ
の取出動作を実行する駆動機構230と、を主体として構成される。なお、パレット取出
装置201は略左右対称の構造をなすため、以降では適宜において左右のうち一方の構造
のみを代表して説明する(図面にも左右同一の構造には同じ符号を付している)。
フレームユニット210は、全体として矩形状に配置された四本のメインフレーム21
1と、これらメインフレーム211の端部同士を連結するL字形の連結具212と、鉛直
方向に延出してメインフレーム211を支持する前後左右の支柱213と、左右のメイン
フレーム211からパレットQ側に向かって突設された第1サブフレーム214及び第2
サブフレーム215と、前方のメインフレーム211からパレットQ側に向かって突設さ
れた第3サブフレーム216と、を有して形成されている。
フレームユニット210には、前後左右のメインフレーム211に囲まれて、複数枚の
パレットQを上下方向に段積み状態で積載するためのパレット収容空間221が形成され
るとともに、その下方に連なって運搬台車100の荷台101を受け入れるための台車収
容空間222が形成されている。パレット収容空間221には、鉛直方向に延びる長尺棒
状の案内部材217が不図示の固定具を介してメインフレーム211に取り付けられてパ
レットQの各側面に近接配置されている。案内部材217の高さは、パレットQの最大積
載高さ以上に設定されている。ゆえに、パレット収容空間221内に積載された複数枚の
パレットQは、複数本の案内部材217によって、左右及び前後の位置が矯正されて位置
決めされるとともに、多段に積み重ねられても荷崩れが防止されるようになっている。
駆動機構230は、フレームユニット210に回動自在に軸支されてパレットQと係合
/離脱する第1〜第4可動体240,250,260,270と、複数本のリンク部材2
81,282,283を組み合わせてなるリンク機構280と、運搬台車100の搬入・
搬出動作に連係して前後方向に往復動作する可動ロッド部材290と、を備えている。
第1可動体240は、第1サブフレーム214上に回動自在に取り付けられている。こ
の第1可動体240は、第1サブフレーム214上に固定された支持筒214aに枢結さ
れて該可動体240の回動中心となる支軸部241と、支軸部241の外周面から半径方
向外方へ延出してリンク機構280に連結するアーム部242と、支軸部241の外周面
から半径方向外方へ延出してパレット収容空間221内に張り出す第1爪部243とを有
して一体的に形成されている。第1爪部243は、支軸部241に固定された軸状のシャ
フト部243aと、このシャフト部243aを支軸として水平軸周りに回動自在に取り付
けられた円筒状のパレット受部243bと、これらシャフト部243aとパレット受部2
43bとの間に同軸的に介装されてシャフト部243aに対するパレット受部243bの
回転を案内するベアリング(図示せず)とからなり、パレット受部243bは最下段のパ
レットQ(1)の底面と係合する部分となる。この第1可動体240は、リンク機構28
0と連動して所定の回動角度範囲を取り得るが、この第1可動体240の回動角度範囲は
、第1爪部243がパレット収容空間221側に突出して最下段のパレットQ(1)の底
面と係合し得る範囲(「係合範囲」と称する)と、第1爪部243がパレット収容空間2
21側から退避して最下段のパレットQ(1)の底面から離脱する範囲(「退避範囲」と
称する)と、に区分される。
第2可動体250は、第2サブフレーム215上に回動自在に取り付けられている。こ
の第2可動体250は、第2サブフレーム215上に固定された支持筒215aに枢結さ
れて該可動体250の回動中心となる支軸部251と、支軸部251の外周面から半径方
向外方へ延出してリンク機構280に連結するアーム部252と、支軸部251の外周面
から半径方向外方へ延出してパレット収容空間221内に張り出す第2爪部253とを有
して一体的に形成されている。第2爪部253は、支軸部251に固定された軸状のシャ
フト部253aと、このシャフト部253aを支軸として水平軸周りに回動自在に取り付
けられた円筒状のパレット受部253bと、これらシャフト部253aとパレット受部2
53bとの間に同軸的に介装されてシャフト部253aに対するパレット受部253bの
回転を案内するベアリング(図示せず)とからなり、パレット受部253bは最下段のパ
レットQ(1)の底面と係合する部分となる。この第2可動体250は、リンク機構28
0と連動して所定の回動角度範囲を取り得るが、この第2可動体250の回動角度範囲は
、第2爪部253がパレット収容空間221側に突出して最下段のパレットQ(1)の底
面と係合し得る範囲(「係合範囲」と称する)と、第2爪部253がパレット収容空間2
21側から退避して最下段のパレットQ(1)の底面から離脱する範囲(「退避範囲」と
称する)と、に区分される。なお、この第2可動体250は、第1可動体240と略同一
形状に形成されており、略同一の回動姿勢で連結筒215aに枢結されている。
第3可動体260は、第3サブフレーム216上に回動自在に取り付けられている。こ
の第3可動体260は、第3サブフレーム216上に固定された支持筒216aに枢結さ
れて該可動体260の回動中心となる支軸部261と、支軸部261の外周面から半径方
向外方へ延出してリンク機構280に連結するアーム部262と、支軸部261の外周面
から半径方向外方へ延出してパレット収容空間221内に張り出す第3爪部263とを有
して一体的に形成されている。第3爪部263は、支軸部261に固定された軸状のシャ
フト部263aと、このシャフト部263aを支軸として水平軸周りに回動自在に取り付
けられた円筒状のパレット受部263bと、これらシャフト部263aとパレット受部2
63bとの間に同軸的に介装されてシャフト部263aに対するパレット受部263bの
回転を案内するベアリング(図示せず)とからなり、パレット受部263bは下から2段
目のパレットQ(2)のフォーク挿入孔Qfと係合する部分となる。この第3可動体26
0は、リンク機構280と連動して所定の回動角度範囲を取り得るが、この第3可動体2
60の回動角度範囲は、第3爪部263がパレット収容空間221側に突出して2段目の
パレットQ(2)のフォーク挿入孔Qfと係合し得る範囲(「係合範囲」と称する)と、
第3爪部263がパレット収容空間221側から退避して2段目のパレットQ(2)のフ
ォーク挿入孔Qfから離脱する範囲(「退避範囲」と称する)と、に区分される。
第4可動体270は、後方のメインフレーム211上に回動自在に取り付けられている
。この第4可動体270は、メインフレーム211上に固定された支持筒211aに枢結
されて該可動体270の回動中心となる支軸部271と、支軸部271の外周面から半径
方向外方へ延出してリンク機構280に連結するアーム部272と、支軸部271の外周
面から半径方向外方へ延出してパレット収容空間221内に張り出す第4爪部273とを
有して一体的に形成されている。第4爪部273は、支軸部271に固定された軸状のシ
ャフト部273aと、このシャフト部273aを支軸として水平軸周りに回動自在に取り
付けられた円筒状のパレット受部273bと、これらシャフト部273aとパレット受部
273bとの間に同軸的に介装されてシャフト部273aに対するパレット受部273b
の回転を案内するベアリング(図示せず)とからなり、パレット受部273bは下から2
段目のパレットQ(2)のフォーク挿入孔Qfと係合する部分となる。この第4可動体2
70は、リンク機構280と連動して所定の回動角度範囲を取り得るが、この第4可動体
270の回動角度範囲は、第4爪部273がパレット収容空間221側に突出して2段目
のパレットQ(2)のフォーク挿入孔Qfと係合し得る範囲(「係合範囲」と称する)と
、第4爪部273がパレット収容空間221側から退避して2段目のパレットQ(2)の
フォーク挿入孔Qfから離脱する範囲(「退避範囲」と称する)と、に区分される。
リンク機構280は、可動ロッド290の往復動作に連動する第1リンク部材281と
、第1リンク部材281の前端部にリンク結合する第2リンク部材282と、第1リンク
部材281の後端部にリンク結合する第3リンク部材283と、を有して構成される。こ
のリンク機構280は、可動ロッド290の往復運動を各可動体240,250,260
,270の回動運動に変換する。第1リンク部材281と第2リンク部材282は、第1
リンク軸L1を支点(自由支点)として、互いに該リンク軸L1周りに相対回動可能に連
結されている。第1リンク部材281と第3リンク部材283は、第2リンク軸L2を支
点(自由支点)として、互いに該リンク軸L2周りに相対回動可能に連結されている。
第1リンク部材281には、第1可動体240と第2可動体250とが互いに平行な状
態で、その前端部に第1可動体240のアーム部242が第1リンク軸L1を介して回動
自在に連結(リンク結合)されるとともに、その後端部に第2可動体250のアーム部2
52が第2リンク軸L2を介して回動自在に連結(リンク結合)されている。これにより
、第1リンク部材281、第1可動体240及び第2可動体250により「平行リンク」
が構成される。そのため、第1リンク部材281及び第2リンク部材282の各端部(第
1リンク軸L1及び第2リンク軸L2)は、アーム部242,252の回動軌跡に沿って
それぞれ移動する(図10の破線部分を参照)。また、第1リンク部材281には、軸状
のバネ取付部284が突設されており、このバネ取付部284と後方のメインフレーム2
11とに跨って、この第1リンク部材281を後方(運搬台車100の搬出方向)に付勢
するための戻しバネ(圧縮コイルバネ)285が抜け止め状態で取り付けられている。さ
らに、第1リンク部材281の前端側には、前後方向に延出する支持片286が固定され
ており、この支持片286の前端側に可動ロッド290の各端部を挿通支持するための連
結筒287が接合されている。また、第1リンク部材281の中間部には、パレットQ側
に突出する軸状の突起288が設けられており、この突起288がフレームユニット21
0に固定された脚部(図示せず)のストッパ219に当接することで、各可動体240〜
270の回動角度が規制される(その結果として、可動ロッド290の初期位置(詳細後
述)が画定される)。
第2リンク部材282には、その先端部に第3可動体260のアーム部262が第3リ
ンク軸L3を介して回動自在に連結(リンク結合)されている。そのため、第2リンク部
材282の先端部(第3リンク軸L3)は、アーム部262の回動軌跡に沿って移動する
(図10の破線部分を参照)。また、第3リンク部材283には、その先端部に第4可動
体270のアーム部272が第4リンク軸L4を介して回動自在に連結(リンク結合)さ
れている。そのため、第3リンク部材283の先端部(第4リンク軸L4)は、アーム部
272の回動軌跡に沿って移動する(図10の破線部分を参照)。なお、リンクの関節部
分(回動部分)となるリンク軸L1,L2,L3,L4及び支軸部241,251,26
1,271には、回転軸受としてのベアリングが設けられている。
可動ロッド290は、連結筒287に挿入可能な大きさの軸径に形成されており、左右
の各端部には該ロッド290を連結筒287から抜け止めするための円盤状の規制板29
1が形成されている。このように、可動ロッド290は第1リンク部材281の連結筒2
87に抜け止め状態で挿入支持されており、この連結筒287は可動ロッド290に対し
て該ロッド290の軸方向に沿って相対移動自在に構成される。また、可動ロッド290
の略中央には、運搬台車100に荷台101がフレームユニット210の台車収容空間2
22内に進入した際に、運搬台車100の押動部104に当接して該運搬台車100の搬
入方向(前方向)に押動される操作部292が後方に向けて突設されており、これにより
運搬台車100に押動されて可動ロッド290全体が前後方向に往復移動し得るようにな
っている。この可動ロッド290の前後方向への直線運動は、前述のリンク機構280を
介して、第1〜第4可動体240〜270の回動運動に変換される。ここで、可動ロッド
290は、図13に示す初期位置(駆動機構230の動作の起点となる位置)と、図14
に示す反転位置(駆動機構230の動作の反転点となる位置)と、の間で前後方向に往復
動作可能である。
次に、パレット取出装置201の作用について、図13〜図15を追加参照しながら説
明する。ここで、図13はパレット取出装置201の可動ロッド290が初期位置にある
状態を示す模式図、図14はパレット取出装置201の可動ロッド290が反転位置にあ
る状態を示す模式図、図15(a)は第1爪部243(第2爪部253)がパレットQに
係合している状態を示す模式図、図15(b)は第3爪部263(第4爪部273)がパ
レットQに係合している状態を示す模式図、である。なお、図13〜図15では、説明の
理解を容易にするために、パレットQ及び駆動機構230のみを抜き出して図示している
それでは先ず、運搬台車100の往路(初期位置→反転位置)における作用について説
明する。運搬台車100がフレームユニット210の台車収容空間222に挿入される以
前は、可動ロッド290は戻しバネ285によって後方に付勢されて初期位置で静止して
いる。このとき、第1爪部243及び第2爪部253は、パレット収容空間221側に最
大に突出した位置(係合範囲内)に保持されて最下段のパレットQ(1)の底面と係合し
ており、パレット収容空間221内の全てのパレットQが第1爪部243及び第2爪部2
53により保持されて上下に段積み状態で積載されている(図15(a)を参照)。一方
、第3爪部263及び第4爪部273は、パレット収容空間221から前後外方へ退避し
て2段目のパレットQ(2)のフォーク挿入孔Qfから離脱した位置(退避範囲内)に保
持されている。
運搬台車100を前方に搬送して荷台101を台車収容空間222内に挿入すると、運
搬台車100の押動部104が可動ロッド290の操作部292を前方に押動することで
、可動ロッド290全体が戻しバネ285の付勢力に抗して前方に水平移動する。可動ロ
ッド290が前方に移動すると、この可動ロッド290と共に第1リンク部材281も前
方に移動しようとする。このとき、第1リンク部材281とリンク結合する第1可動体2
40及び第2可動体250が支軸部241,251を中心としてA1,A2方向に回動しよ
うとするため、第1リンク部材281はこれら可動体240,250の回動運動に案内さ
れ、これら可動体240,250のアーム部242,252の回動軌跡に沿って移動する
。これにより、第1リンク部材281に結合された連結筒287は、可動ロッド290に
対して該ロッド290の軸方向に沿って相対移動する。ここで、第1可動体240及び第
2可動体250が支軸部241,251を中心としてA1,A2方向にそれぞれ回動すると
、第1爪部243及び第2爪部253は最下段のパレットQ(1)の底面から離脱するよ
うに回動変位することとなる。
一方、第1リンク部材281とリンク結合した第2リンク部材282は、第1リンク部
材281と共に前方に移動しようとする。このとき、第2リンク部材282とリンク結合
する第3可動体260が支軸部261を中心としてA3方向に回動しようとするため、第
2リンク部材282は第3可動体260の回動運動に案内され、第2リンク部材282の
先端部(リンク軸L3)は第3可動体260のアーム部262の回動軌跡に沿って移動す
る。
これと同時に、第1リンク部材281とリンク結合した第3リンク部材283は、第1
リンク部材281と共に前方に移動しようとする。このとき、第3リンク部材283とリ
ンク結合する第4可動体270が支軸部271を中心としてA4方向に回動しようとする
ため、第3リンク部材283は第4可動体270の回動運動に案内され、第3リンク部材
283の先端部(リンク軸L4)は第4可動体270のアーム部272の回動軌跡に沿っ
て移動する。
ここで、第3可動体260が支軸部261を中心としてA3方向に回動するとともに、
第4可動体270が支軸部271を中心としてA4方向に回動すると、第3爪部263及
び第4爪部273がパレット収容空間221内に突出して下から2段目のパレットQ(2
)のフォーク挿入孔Qfに挿入されていく。このように第3爪部263と第4爪部273
とが2段目のパレットQ(2)への挿入を開始したとき、第1爪部243と第2爪部25
3とは最下段のパレットQ(1)と未だ係合している。そして、第1可動体240及び第
2可動体250の更なる回動に伴って、第1爪部243及び第2爪部253が最下段のパ
レットQ(1)との係合を脱したとき、既に第3爪部263及び第4爪部273は2段目
のパレットQ(2)に挿入されているので、最下段のパレットQ(1)のみが運搬台車10
0の荷台101に向けて自由落下する一方、2段目以降のパレットQ(2),Q(3),…
は第3爪部263及び第4爪部273に係合支持されて段積み状態で保持される(図15
(b)を参照)。そして、自由落下したパレットQ(1)は、運搬台車100の荷台10
1に載置されることとなる。
さらに運搬台車100を前方に進めると、可動ロッド290が反転位置に到達する。こ
うして可動ロッド290が反転位置に達した状態では、第1爪部243及び第2爪部25
3はパレット収容空間221から左右外方へ退避した位置(退避範囲内)にあり、第3爪
部263及び第4爪部273はパレット収容空間221側に最大に突出した位置(係合範
囲内)にある。そのため、2段目以降のパレットQ(2),Q(3),…は、第3爪部26
3及び第4爪部273によって安定的に受け止められて段積み状態で保持される(仮止め
される)。
続いて、運搬台車100の復路(反転位置→初期位置)における作用について説明する
。まず、先ほどパレットQ(1)を荷台101に取り出した台車100を後方に引き出す
と、可動ロッド290が戻しバネ285の付勢力によって反転位置から初期位置へ向けて
後退移動する。可動ロッド290が後方に移動すると、この可動ロッド290と共に第1
リンク部材281も後方に移動しようとする。このとき、第1リンク部材281とリンク
結合する第1可動体240及び第2可動体250が支軸部241,251を中心としてB
1,B2方向に回動しようとするため、第1リンク部材281はこれら可動体240,25
0の回動運動に案内され、これら可動体240,250の回動軌跡に沿って移動する。こ
れにより、第1リンク部材281に結合された連結筒287は、可動ロッド290に対し
て該ロッド290の軸方向に沿って相対移動する。ここで、第1可動体240及び第2可
動体250が支軸部241,251を中心としてB1,B2方向に回動すると、第1爪部2
43及び第2爪部253は最下段のパレットQ(1)の底面に接近するように回動変位す
ることとなる。なお、第1爪部243及び第2爪部253は、先端のパレット受部243
b,253bがシャフト部243a,253aを支軸としてそれぞれ水平軸周りに回動自
在に取り付けられているため、各可動体240,250による支軸部241,251周り
の回動に伴って、パレット受部243b,253bがパレットQと摺接(係合/離脱)す
る際に生じる摩擦が減じられるように構成されている(第3爪部263及び第4爪部27
3についても同様である)。
一方、第1リンク部材281とリンク結合した第2リンク部材282は、第1リンク部
材281と共に後方へ移動しようとする。このとき、第2リンク部材282とリンク結合
する第3可動体260が支軸部261を中心としてB3方向に回動しようとするため、第
2リンク部材282は第3可動体260の回動運動に案内され、この第3可動体260の
回動軌跡に沿って移動する。
これと同時に、第1リンク部材281とリンク結合した第3リンク部材283は、第1
リンク部材281と共に後方に移動しようとする。このとき、第3リンク部材283とリ
ンク結合する第4可動体270が支軸部271を中心としてB4方向に回動しようとする
ため、第3リンク部材283は第4可動体270の回動運動に案内され、この第4可動体
270の回動軌跡に沿って移動する。
ここで、第3可動体260が支軸部261を中心としてB3方向に回動するとともに、
第4可動体270が支軸部271を中心としてB4方向に回動すると、第3爪部263及
び第4爪部273がパレット収容空間221から退避して2段目のパレットQ(2)のフ
ォーク挿入孔Qfから離脱していく。そして、第3可動体260及び第4可動体270の
更なる回動に伴って第3爪部263及び第4爪部273が2段目のパレットQ(2)との
係合を脱して該2段目以降のパレットQ(2),Q(3),…が自由落下したとき、すでに
第1爪部243及び第2爪部253はパレットQの底面に係合し得る状態で待機している
ため、該自由落下した2段目以降のパレットQ(2),Q(3),…は第1爪部243及び
第2爪部253と係合して段積み状態で保持されることとなる。
さらに、運搬台車100を後退させて、運搬台車100をパレット取出装置201から
外方へ搬出すると、可動ロッド290は戻しバネ285の付勢力によって元の初期位置に
復帰する。なお、このように可動ロッド290は戻しバネ285の付勢力によって後方へ
常時付勢されているが、第1リンク部材281の突起288がフレームユニット210に
固定されたストッパ219に当接することで、可動ロッド290(第1リンク部材281
)は初期位置を越えて後方へ移動することがなく、これにより第1〜第4爪部243,2
53,263,273の過剰な回動が阻止される。こうして可動ロッド290が初期位置
に戻った状態では、第1爪部243及び第2爪部253はパレット収容空間221側に最
大に突出した位置(係合範囲内)にあり、第3爪部263及び第4爪部273はパレット
収容空間221から前後外方へ退避した位置(退避範囲内)にある。そして、パレット収
容空間221に残存するパレットQの枚数は、先ほどのパレットQの取出動作によって1
枚だけ減少し、各パレットQの段数も、Q(2)→Q(1)、Q(3)→Q(2)、Q(4)
→Q(3)、…といったように、1段ずつ繰り下がる。それゆえ、この新たに最下段とな
ったパレットQ(1)が次回の取出対象のパレットQとなり、以降、運搬台車100がパ
レット取出装置201に搬入・搬出される毎に、パレットQが1枚ずつ運搬台車100に
取り出され、このような取出動作が繰り返し実施されることとなる。
他方、パレット取出装置201から搬出された運搬台車100には、先ほどパレット取
出装置201から取り出されたパレットQが1枚載置されており、例えば、作業者によっ
て次の製造工程等に運搬され、パレットQ上に製品等が載置された上で該製造工程での利
用に供される。
なお、パレット収容空間221が空となった場合(パレットQが1枚も残存していない
場合)には、例えばフォークリフト等によって複数枚のパレットQを段積み状態でパレッ
ト収容空間221内に投入・補給すればよい。
以上、第2実施形態に係るパレット取出装置201によれば、運搬台車100の搬入・
搬出動作に連動して、上下に段積み状態で積載された複数枚のパレットQから作業者が必
要とする所定枚数のパレットQを運搬台車に取り出すことができるので、作業者の重筋作
業を廃止して、作業効率を高めることが可能となる。
また、本実施形態に係るパレット取出装置201では、第1〜第4爪部243,253
,263,273を係合範囲と退避範囲との間で回動動作させるための駆動手段を油圧や
空圧、電力等の特別な動力を必要とせず運搬台車100からの押動力を利用して構成して
いるため、装置構成を簡素化してコストの低減を図ることができるとともに、省エネルギ
ー化にも貢献することが可能である。
さらに、本実施形態に係るパレット取出装置201では、前後方向にのみフォーク挿入
孔Qfが開設された二方差し方式のパレットQであっても、前後左右の四方向にフォーク
挿入孔Pfが開設された四方差し方式のパレットPであっても、前後方向にパレット挿入
孔Pf,Qfを位置させた配設姿勢でパレット収容空間221に投入さえすれば、何ら段
取り替え等を行うことなく両方のパレットP,Qを併用可能であり、パレットの適用範囲
が拡大する。特に、大型部品等の重量物や多数の部品をパレット載置面の隅々まで載置す
る場合には、外部開口(パレット挿入孔)の少ない二方差し方式のパレットQの方が相対
的に堅牢な構造となるため利用に適する場面も多い。
なお、従来においては、空のパレットPは工場等の施設の床面や収容棚に段積み状態で
載置され、後に積まれたパレットQ(最上段のパレットQ)から順番に運搬台車100に
載せ替えられて利用に供されるが、本実施形態のパレット取出装置201によれば、先に
積まれたパレットQ(最下段のパレットQ)から順番に運搬台車100に取り出されるの
で、先入れ先出しの原則を遵守することができる。
ところで、上述の第2実施形態では、運搬台車100の押動力を可動ロッド290、連
結筒287及び支持片286を介して第1リンク部材281へ伝達するように構成したが
、この構成に限定されるものではない。例えば、図16及び図17に示すように、第1可
動体240の支軸部241の外周面から半径方向外方へ延出して第1可動体240と一体
的に回動する旋回腕部244を設け、この旋回腕部244の先端部と可動ロッド290の
軸端部とを鎖状のチェーン298を介して連結することで、運搬台車100の押動力を可
動ロッド290、チェーン298及び旋回腕部244を介して第1可動体240に伝達す
るように構成してもよい。なお、可動ロッド290は、メインフレーム211に装着され
た鎖状のチェーン299によって略垂下状態で支持されている。この構成によれば、可動
ロッド290が運搬台車100によって前方向(搬入方向)に押動されると、この可動ロ
ッド290に繋がるチェーン298に引っ張られることよって第1可動体240が旋回腕
部244と共に矢印A1方向(図17を参照)へ回動することで、この第1可動体240
の回動運動に連動してリンク機構280が動作し(各リンク部材281〜283が前方へ
移動し)、他の可動体250,260,270もそれぞれ同期的に回動するようになる。
従って、この機構を採用しても、上述の第2実施形態と同様に、第1〜第4爪部243,
253,263,273をパレットQに対して係合/離脱させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明は、上記実施形態に
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
上述の実施形態では、可動ロッド80,290を初期位置側に付勢するための付勢部材
として、リンク部材70,281を初期位置側へ付勢する圧縮コイルバネ(戻しバネ73
,285)を例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、回動支
軸50、可動体240等を初期位置側へ付勢する捩じりコイルバネ(トーションバネ)を
適用してもよい。
また、上述の実施形態では、運搬台車100の押動部104により可動ロッド80,2
90の操作部82,292を前方に押動した構成を例示して説明したが、この構成に限定
されるものではなく、運搬台車100の荷台101等を可動ロッド80,290の外周面
に直接押し当てて、該可動ロッド80,290を前方に押動する構成であってもよい。
また、上述の第1実施形態では、回動支軸50を上下の支持筒51,52を介して基台
10と連結板32との間に取り付けているが、この回動支軸50の基台10からの高さは
、第1可動爪61及び第2可動爪62をパレットPと係合可能な高さ位置に設置できるも
のであれば、特に限定されるものではなく、第2可動爪よりも幾分高いところに上側支持
筒51を設けて、回動支軸50の高さを低く設定してもよい。
また、上述の第1実施形態では、第1可動爪61及び第2可動爪62を軸心X周りに回
動させてパレットPに係脱自在に構成しているが、この構成に限定されるものではなく、
例えば、第1可動爪61及び第2可動爪62を直線的に進退自在に構成してパレットPと
係脱可能にしてもよい。さらに、上述の実施形態では、可動爪61,62及び爪部243
,253,263,273の形態として円柱軸状に形成した場合を例示して説明したが、
これに限定されるものではなく、平板状、角柱状、鉤状など他の形態を利用してもよい。
さらに、可動爪61,62の先端に、パレットPと転接可能なベアリング(カムフォロア
)等を設けて、該可動爪61,62とパレットPとの係合・離脱の際に生じる摩擦を減じ
るようにしてもよい。さらに、可動爪61,62及び爪部243,253,263,27
3に、パレットP,Qの落下時に受ける衝撃を緩和するための緩衝部材(ゴムや板バネ等
の弾性部材など)を設けてもよい。
また、上述の実施形態では、リンク機構の一例を挙げて説明したが、リンクの本数・長
さ、形状、配置等は適宜に設定可能である。
また、上述の実施形態では、駆動機構40,230を特別な動力を要しない構造として
いるが、この構成に限定されるものではなく、運搬台車100の搬入・搬出を検出する接
触式又は非接触式の検出センサ(リミットスイッチ、近接センサ、フォトセンサなど)を
設けるとともに、第1係合部材及び第2係合部材(可動爪61,62や可動体240〜2
70)を係合範囲/退避範囲(係合位置/退避位置)に移動させる空圧式、油圧式又は電
動式のアクチュエータ(モータ、シリンダ、ソレノイドなど)を設けて、検出センサから
の検出情報に基づいて、アクチュエータを作動させて、第1係合部材及び第2係合部材を
パレットP,Qに係脱可能に構成してもよい。
また、上述の実施形態では、運搬台車100に押動されて可動ロッド80,290全体
が前後方向に移動し得るように例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく
、可動ロッド80,290を前方に押動する(駆動機構40,230を動作させる)ため
のトリガとなる作動手段はこれに限定されるものではない。例えば、長尺状の操作レバー
を付設して該操作レバーを手動で引くことや、他の手動手段で可動ロッド80,290全
体を前後方向に移動し得るように構成してもよい。また、これに付随して、台車収容空間
21,221に例えばローラコンベア等の搬送手段を敷設することで、パレット取出装置
1,201からパレットP,Qを該コンベア上に供給して外部に取り出すこともできる。
なお、コンベア等を敷設することなく、工場等の建物床面にパレットP,Qを直接取り出
すものであってもよい。
また、パレット取出装置1,201の前後左右の四隅などに転動自在に支持された車輪
(キャスタ)を備えるように構成してもよい。これにより、該装置1,201を任意の位
置へ移動しながらパレットP,Qを載置することができる。例えば、倉庫等の建物床面に
パレットP,Qを所定間隔をおいて並べることができる。
また、上述の実施形態では、パレット取出装置1,201からパレットP,Qを1枚単
位で(1枚ずつ)取り出す形態を例示して説明したが、この構成に限定されるものではな
く、パレットP,Qを2枚以上の複数枚単位で取り出すように構成してもよい。この構成
を採用するには、第1実施形態では、第2可動爪62の高さ位置を、必要とする取出枚数
に対応した段数より1段上のパレットP(例えば、3枚単位で取り出す場合には4段目の
パレットP)のフォーク挿入孔Pfに対応した高さ位置に設定すればよい。一方、第2実
施形態では、第3爪部263及び第4爪部273の高さ位置を、必要とする取出枚数に対
応した段数より1段上のパレットQ(例えば、2枚単位で取り出す場合には3段目のパレ
ットQ)のフォーク挿入孔Qfに対応した高さ位置に設定すればよい。
また、上述の実施形態では、被搬送物としてパレットP,Qを適用した場合を例示して
説明したが、これに限定されるものではなく、例えばコンテナや段ボール箱、トレー、プ
ラスチックケースなどの他の被搬送物であっても好適に適用可能である。
また、上述の実施形態では、可動爪61,62及び爪部243,253,263,27
3がパレットP,Qの底面又はフォーク挿入孔Pf,Qfと係合/離脱する構成を例示し
て説明したが、この構成に限定されるものではなく、被搬送物を保持及び解放できるもの
であれば、被搬送物の段差や鍔部、リブ、取っ手、切欠き、長穴、くぼみ等の凹凸部と係
合/離脱する構成であってもよい。
また、上述の実施形態では、搬送台車として手押し式の運搬台車を例示して説明したが
、これに限定されるものではなく、手動式又は自動式のリフターや、自動搬送式の台車(
無人搬送台車:AGV)などを適用してもよい。
1 パレット取出装置(被搬送物の取出装置:第1実施形態)
10 基台
20 フレームユニット(フレーム部材)
21 パレット収容空間(被搬送物収容部)
22 台車収容空間(台車収容部)
30 サブフレーム(フレーム部材)
40 駆動機構(駆動手段)
50 回動支軸
61 第1可動爪(第1係合部材)
62 第2可動爪(第2係合部材)
65 アーム部材(リンク機構)
70 リンク部材(リンク機構)
73 戻しバネ(付勢部材)
80 可動ロッド(可動部材)
100 運搬台車(搬送台車)
201 パレット取出装置(被搬送物の取出装置:第2実施形態)
210 フレームユニット(フレーム部材)
221 パレット収容空間(被搬送物収容部)
222 台車収容空間(台車収容部)
230 駆動機構(駆動手段)
240 第1可動体(第1係合部材)
243 第1爪部
250 第2可動体(第1係合部材)
253 第2爪部
260 第3可動体(第2係合部材)
263 第3爪部
270 第4可動体(第2係合部材)
273 第4爪部
280 リンク機構
281 第1リンク部材
282 第2リンク部材
283 第3リンク部材
285 戻しバネ(付勢部材)
290 可動ロッド(可動部材)
P パレット(被搬送物)
Q パレット(被搬送物)

Claims (1)

  1. 複数の被搬送物を上下に段積み状態で保持可能に形成された被搬送物収容部を備え、前記被搬送物収容部において保持された複数の被搬送物から所定数の被搬送物を取り出すための被搬送物の取出装置であって、
    複数段に段積みされた被搬送物のうち最下段の被搬送物と係合する第1係合位置と、前記最下段の被搬送物との係合を解除する第1退避位置と、の間で移動可能な第1係合部材と、
    前記複数段のうち下から所定段数目の被搬送物と係合する第2係合位置と、前記所定段数目の被搬送物との係合を解除する第2退避位置と、の間で移動可能な第2係合部材と、を備え、
    前記被搬送物収容部にて前記被搬送物を保持するときは、前記第2係合部材が前記第2退避位置に位置するとともに前記第1係合部材が前記第1係合位置に位置することで、前記第1係合部材によって前記複数の被搬送物が段積み状態で保持され、
    前記被搬送物収容部から所定数の前記被搬送物を取り出すとき、前記第2係合部材が前記第2係合位置に移動して前記所定段数目の被搬送物に係合することで前記第2係合部材によって前記所定段数目以上の被搬送物が段積み状態で保持されるとともに、前記第1係合部材が前記第1退避位置に移動することで前記所定段数目より下段の被搬送物が自由落下されて取り出され、
    前記所定段数目より下段の被搬送物を取り出したのち、前記第2係合部材が前記第2退避位置に移動して前記所定段数目以上の被搬送物を自由落下させるとともに、前記第1係合部材が前記第1係合位置に移動して該自由落下した前記所定段数目の被搬送物と係合することで前記所定段数目以上の被搬送物が前記第1係合部材によって段積み状態で保持されるように構成され、
    搬送台車を搬入及び搬出可能に形成された台車収容部と前記台車収容部の上方に設けられた前記被搬送物収容部とを形成するフレーム部材と、
    前記フレーム部材に取り付けられた駆動手段と、を備え、
    前記駆動手段は、
    前記搬送台車の搬入・搬出動作に基づいて前記搬送台車に押動されて前記搬入・搬出方向に移動する可動部材と、
    前記可動部材の移動運動を前記第1係合部材及び前記第2係合部材の前記係合位置と前記退避位置との間の移動運動に変換するリンク機構と、
    前記可動部材を前記搬出方向に付勢する付勢部材と、を備え、
    前記搬送台車が前記台車収容部に搬入されるとき、前記可動部材が前記搬送台車によって前記搬入方向に押動されることで、前記リンク機構によって、前記第1係合部材が前記第1係合位置から前記第1退避位置に変位するとともに、前記第2係合部材が前記第2退避位置から前記第2係合位置に変位し、
    前記搬送台車が前記台車収容部から搬出されるとき、前記可動部材が前記付勢部材に付勢されて前記搬出方向に移動されることで、前記リンク機構によって、前記第1係合部材が前記第1退避位置から前記第1係合位置に変位するとともに、前記第2係合部材が前記第2係合位置から前記第2退避位置に変位するように構成されることを特徴とする被搬送物の取出装置。
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