JP6198211B2 - 荷電粒子ビームを発生させるためのプラズマ源装置および方法 - Google Patents

荷電粒子ビームを発生させるためのプラズマ源装置および方法 Download PDF

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Description

この発明は、電子またはイオンなどの荷電粒子のビームを発生させるためのプラズマ源装置、および、そのような発生のための方法に関する。荷電粒子ビームの使用としては、ビームを使用して材料または工作物が改変されあるいは処理される、溶接、添加物層製造、および、穿孔、切断、硬化、溶解、蒸発、または、他の処理などの材料処理用途が挙げられる。
溶接器具として使用されるとともに同様の処理工具のために使用されるほとんどの電子銃は、それらの電子源として、熱イオン放射器を使用する。このタイプの放射器においては、電子が表面から逃げた後に印加電場により加速され得る温度まで耐熱金属が加熱される。この構造に関しては多くの固有の問題が存在する。例えば、陰極寸法が非常に重大であり、また、陰極は、熱くなるにつれて、歪んで蒸発し、それにより、これらの寸法が変化する。また、陰極寿命は短い(例えば、産業上適用される器具では6時間の溶接時間)可能性があり、また、メンテナンスコストが高い可能性がある。加えて、陰極の寿命中、ビームの質が変化する可能性があり、それにより、溶接性能が変わり、そのため、溶接パラメータの再調整が必要になる。また、銃真空が損なわれる場合には、陰極寿命が短縮され、また、イオン衝撃−これらのイオンは溶接プールおよび真空筐体内の残留ガスから生じる−によって陰極摩耗が加速され得る。熱イオン放射器の他の変形は、主荷電粒子ビームを放射するターゲット上へ電子を放出するよう熱い陰極が配置される逆衝撃機器である。そのような機器の一例はWO−A−94/13006において与えられる。
熱イオン放射器に代わるものとしては、光電陰極、冷陰極放出源、または、プラズマ源が挙げられる。プラズマ源の場合には、プラズマを形成するためにヘリウム、アルゴン、または、空気などのガスがイオン化されるとともに、ビームを形成するために荷電粒子(電子またはイオン)がプラズマから抽出されて加速される。粒子はイオン化ガスから供給されるため、熱い金属陰極は存在せず、したがって、供給源の動作およびメンテナンスは熱イオン放射器と比べて容易である。また、プラズマ源は、使用中に装置に入る場合があるガスおよび蒸気に比較的影響されにくい。しかしながら、プラズマ源の採用は、達成し得る最小ビームパルス持続時間に制限を課す供給源の遅い応答時間と複雑なデバイス源要件とを含む難点に起因して広く行き渡らなかった。
例えば、トムスク国立制御システム無線電子工科大学(TUSUR)は、最大60kVの加速電位および12kW電力で動作するプラズマ陰極電子銃を設計した作成した。幾つかの例は、N.Rempe等による“Electron−beam facilities based on plasma−cathode guns”、Welding and Cutting 11(2012)No.2、page 122に記載される。プラズマは、例えば、プラズマチャンバ内の2つの陰極のそれぞれと介在陽極との間で電位が形成される中空陰極低電圧反射放電技術を使用して加えられるDC励起によって発生される。荷電粒子をプラズマから十分なエネルギーをもって加速させることができるように、加速に適した高電圧(例えば−60kV)で低電圧印加放電が浮かされなければならない。したがって、プラズマ励起および加速電圧を与えるために注文仕立ての高電圧電源が使用されなければならない。これは、複雑であり、高価であるとともに、高電圧を取り扱って操作するのに適した構成要素の大きな寸法に起因して嵩張る。
そのようなプラズマ陰極電子銃の他の欠点は、DCプラズマ励起電源が急速なスルーレートを有するように容易に設計されない点である。これは、ケーブルおよびプラズマチャンバのキャパシタンスが帯電および放電されなければならないからである。これは、それぞれのビームパルスにおいて、また、ビーム出力の変化においても、一般に少なくとも35マイクロ秒である最小時間をもたらす。これは、多くの材料処理用途が粒子ビームの多大な制御を必要とするため望ましくない。この問題に立ち向かうための1つの手法は、プラズマ源の前方にグリッド電極を加えることである(「三極銃」構成)。グリッド電極は、プラズマの表面で電場強度を制御し、それにより、電子放出を制御し、また、その電位を比較的素早く制御して調整できる。これは、プラズマ自体が連続的に発生される間にパルスビーム出力を得るために使用され得る。しかしながら、グリッド電極は一般にビームの質を低下させる。これは、グリッド電極が異常な電子光学的品質を有するからである。また、グリッド電極の使用は、銃構造、電源、および、制御システムを複雑にする。
プラズマ源の他の例は、GoebelおよびWatkinsによる“High current、low pressure plasma cathode electron gun”(Review of Scientific Instruments、71、388−398(2000))に開示される。ここでは、プラズマは、非常に低圧の静的なガス内部の熱いフィラメントからの電子の熱イオン放射によって発生される。しかしながら、これも、複雑な電源回路構成とともに、フィラメントを所要電圧に至らせてプラズマ放電の状態にするために必要とされる最小時間に伴う同様の問題に見舞われる。また、熱いフィラメントの使用は、それと共に、前述した標準的な熱イオン放射器の不都合をもたらす。
本発明によれば、荷電粒子のビームを発生させるためのプラズマ源装置が提供され、該装置は、
ガスの流入のための入口が設けられるプラズマチャンバであり、該プラズマチャンバから荷電粒子を抽出するための開口が設けられる、プラズマチャンバと、
プラズマチャンバ内でプラズマを発生させるための高周波(RF)プラズマ発生ユニットであり、該高周波プラズマ発生ユニットは、ほぼ同じ共振周波数で共振するようにそれぞれが同調される、第1および第2の共振回路を備え、第1の共振回路は、第1のアンテナと、第1の共振回路を実質的にその共振周波数で駆動させるようになっている第1のRF電源とを備えるとともに、第2の共振回路が第2のアンテナを備え、それにより、使用時に、共振結合に起因して、RF信号が第1の共振回路によって第2のアンテナに誘導され、第2の共振回路は、プラズマチャンバ内にプラズマを発生させるために、誘導されたRF信号(誘導RF信号)をプラズマチャンバに印加するように構成される、高周波(RF)プラズマ発生ユニットと、
プラズマから荷電粒子を抽出するとともにその荷電粒子を加速させてビームを形成するための粒子加速ユニットであり、該粒子加速ユニットは、プラズマチャンバと加速電極との間に電位を印加するように構成される第2の電源を備え、プラズマチャンバと加速電極との間の領域が加速カラムを構成する、粒子加速ユニットと、
を備え、
第2の電源は、第1のRF電源により出力される電圧に比して高い電圧を出力するようになっている。
また、本発明は、荷電粒子のビームを発生させる方法を提供し、該方法は、
プラズマチャンバへガスを流入させるステップであり、前記プラズマチャンバは、ガスの流入のための入口と、プラズマチャンバから荷電粒子を抽出するための開口とを有する、ステップと、
高周波(RF)プラズマ発生ユニットを使用してプラズマチャンバ内にプラズマを発生させるステップであり、高周波プラズマ発生ユニットは、ほぼ同じ共振周波数で共振するようにそれぞれが同調される第1および第2の共振回路を備え、第1および第2の共振回路が第1および第2のアンテナをそれぞれ備え、第1のRF電源を使用して第1の共振回路を実質的にその共振周波数で駆動させることにより、共振結合に起因して、RF信号が第1の共振回路によって第2のアンテナに誘導され、第2の共振回路は、プラズマチャンバ内にプラズマを発生させるために、誘導されたRF信号(誘導RF信号)をプラズマチャンバに印加する、ステップと、
第2の電源を使用してプラズマチャンバと加速電極との間に電位を印加することによって、プラズマから荷電粒子を抽出するとともにその荷電粒子を加速させてビームを形成するステップであり、プラズマチャンバと加速電極との間の領域が加速カラムを構成する、ステップと、
を備え、
第2の電源により出力される電圧は、第1のRF電源により出力される電圧に比して高い。
RF励起を使用してプラズマを発生させることにより、DCプラズマと比べて非常に急速にプラズマパラメータを変えることができる(プラズマの生起および消失を含む)。これは、回路に蓄えられるエネルギー量が本質的に低いからであり、また、良く知られた態様で適切なコントローラによりRF信号を容易に変調できるからである。したがって、非常に急速に、例えば1マイクロ秒未満でプラズマをONおよびOFFに切り換えることができる。そのようなタイムスケールでのビームプラズマ化は、溶接中、機械加工中、および、他のプロセス中に熱入力を制御する際に非常に有益であることが分かってきた。そのような短い応答時間は、例えば工作物の電子像を発生させるために使用されるラスター(以下で更に説明する)中に使用されてもよい(例えばRF振幅の変調による)ビーム出力の変更などの他のプロセス制御ステップにおいても有益である。プラズマ自体はそのような短いタイムスケールで制御できるため、グリッド電極の必要性が排除され、それにより、電源を二極銃構成として実施でき、そのため、完全性が高い粒子ビームを得ることができる。
また、開示される装置および方法は、(DCではなく)高電圧RFを供給することが必要とされる場合にその複雑さが更に増大される注文仕立ての高電圧電源の従前の必要性を排除する。代わりに、RF励起は、第1および第2の共振回路の使用によってプラズマチャンバに誘導結合される比較的低い電圧の(第1の)電源によってもたらされる。したがって、この第1のRF電源は、市販の低電力(例えば50W)RF発生器などの容易に入手可能な従来のRF供給源であってもよい。そのような構成要素は、比較的安価であり、物理的にコンパクトである。一方、粒子を加速させるために必要とされる高い電圧は、プラズマチャンバと加速電極との間に電位を印加する別個の第2の電源によって与えられる。単一の(一般にDC)高電圧出力のみが必要とされるため、これも従来の容易に入手できる高電圧電源によって得ることができる。高電圧は、第1の共振回路と第2の共振回路との間の結合の誘導性に起因して、低電圧の第1の電源から分離される。そのため、第1の共振回路が接地電位付近で動作できる。
全体的に、開示される構成は、2つの従来の電源を利用できるようにし、それにより、専門の注文仕立ての供給品を必要とする従前の構造に対してコストおよび複雑さを低減する。
なお、第1および第2の電源により出力される電圧への言及は、電圧の符号(±)ではなく電圧の絶対的な大きさを示す「高い」または「低い」である。
開示される装置および方法の更なる利点は、2つの電源とプラズマチャンバおよび加速カラムを収容する機器との間の物理的な接続を他の粒子ビーム源の場合よりも可撓性が高いケーブルから形成できるという点である。これは、チャンバ内銃および摺動シール銃にとって特に重要なビーム銃の操作し易さを向上させる。可撓性の向上は、複数のHVラインが1つのHV電源から出力される場合に必要とされるようなマルチコアHVケーブルの必要性の排除に起因して生じる。開示される装置では、第2の(HV)電源により供給される電位を加速カラムの両端間に置くためにシングルコア(したがって、非常に可撓性が高い)ケーブルを使用でき、また、第1の(低電圧)電源からプラズマを発生させるために別個の単一のRF同軸ケーブルを使用できる。したがって、大径の扱いにくいマルチコアHVケーブルが必要とされない。
前述したように、第1の共振回路と第2の共振回路との間の誘導結合は、第1の電源を高加速電圧から分離する。2つの回路間の電気的な分離は多くの方法で達成できるが、好ましい例において、分離は、少なくとも部分的には、銃真空(従来の機器の場合のように荷電粒子ビームの形成を可能にするために使用時に加速カラムが真空引きされる)を使用することによって達成される。1つの好ましい実施形態では、少なくともプラズマチャンバ、加速カラム、および、第2のアンテナがハウジング内に配置され、装置は、使用時に第2のアンテナが第1のアンテナから電気的にほぼ絶縁されるようにハウジングを真空引きするためのポンプを更に備える。第1のアンテナをハウジングの外側に配置することができ、また、第1のアンテナは、電力を遠隔的に第2のアンテナに結合できる。この場合、ハウジングは、非導電性であり、それ自体が電気的な分離に寄与してもよい。
しかしながら、特に好ましい実施形態では、少なくともプラズマチャンバ、加速カラム、および、第1および第2のアンテナがハウジング内に配置され、装置は、使用時に第1および第2のアンテナが互いから電気的にほぼ絶縁されるようにハウジングを真空引きするためのポンプを更に備える。このようにすると、第1および第2のアンテナは、本質的に真空コア変圧器(任意の利得を有してもよくあるいは有さなくてもよい)の一次コイルおよび二次コイルを形成する。両方のアンテナをハウジング内に配置することにより、特にコンパクトな構成が得られるとともに、アンテナを互いに対して固定された関係で配置することができ、それにより、電力伝送が最適化される。好ましくは、一方のアンテナが他方のアンテナの内側に配置され、両方のアンテナが共通の長手方向軸線を共有する。
アンテナを分離するための銃真空の使用は有益である。これは、故障の場合に絶縁体(真空)への損傷がないからであり、また、加速カラムのために真空をもたらす必要がある場合には、それを使用して電気的な絶縁も行なうことが任意の更なる構成要素の必要性を回避するからである。しかしながら、別の実施では、第1および第2のアンテナを互いから絶縁するために、電気絶縁材料、好ましくはセラミックまたは高分子が第1のアンテナと第2のアンテナとの間に設けられる。例えば、エポキシ樹脂または油を使用することができる。
第1のRF電源は、好適には、低電圧源であり、好ましくは最大300W、より好ましくは最大100W、更に好ましくは最大50Wの電力振幅を伴う信号を出力するようになっている。したがって、市販のRF発生器を標準的な同軸ケーブルコネクタと共に使用できる。特に好ましい実施形態では、第1の共振回路における第1のアンテナの一端が接地電位にある。例えば、アンテナの一端が銃カラム壁でグランドに対して物理的に取り付けられてもよい。しかしながら、アンテナの接地は必須ではない。
好ましくは、装置は、第1の電源により出力されるRF信号を変調するためのコントローラを更に備える。これは、速い応答時間をもってRFの適切な変調によりプラズマをONおよびOFFに切り換えるために、あるいは、RF振幅の変調によって例えばビームの出力を変えるために使用され得る。好ましい例において、コントローラは、更に、発生されるビームの出力が材料処理に適する第1の振幅と、発生されるビームの出力が工作物を画像化するのに適する第2の振幅との間で、RF信号の振幅を制御するようになっており、第1の振幅は第2の振幅よりも大きい。
好適には、第2の電源は、好ましくは10kV〜200kV、より好ましくは25kV〜175kV、更に好ましくは60kV〜150kVの範囲内の電圧の大きさを有するDC信号を出力するようになっている。出力電圧は、プラズマチャンバから出る荷電粒子の加速度を決定し、そのため、その加速度の大きさは、任意の特定の用途にとって望ましいビームエネルギーにしたがって選択される。抽出されるべき荷電粒子が電子である場合には、一般に、第2の電源がマイナスの高電圧(例えば−60kV)をプラズマチャンバに印加するようになっているとともに、加速電極が接地され、それにより、電子をプラズマから加速するべく、プラズマチャンバから加速電極へのプラスの電気的勾配が与えられる。
第2の電源は、好適には、パルス電源であってもよく、好ましくは10マイクロ秒以下の持続時間を伴う電力のパルスを出力するようになっている。電力の各パルスは、短い加速電位、したがって、荷電粒子ビームのパルスを生じさせる。この制御態様は、RF供給源の変調に代えてあるいは加えて利用されてもよい。
好ましくは、第2の電源の電圧は、第1のRF電源の電圧よりも少なくとも100倍、好ましくは少なくとも1000倍(大きさに関して)大きい。第2の電源はDC電源であることが好ましい。
好適には、第1および第2の共振回路のそれぞれが直列または並列のLC回路またはRLC回路(L=インダクタンス、C=キャパシタンス、R=抵抗)を備え、第1および第2のアンテナが第1および第2の共振回路のインダクタをそれぞれ形成する。特に好ましい実施形態において、第2の共振回路は、第2のアンテナの両端間に直接に結合されるコンデンサを備える。
第1および/または第2のアンテナは、所望のインダクタンス値を得るために、必要に応じて複数巻回コイル、正方形または他の形状のループ、あるいは、直線状の要素を含む任意の適した形態を成すことができる。しかしながら、好ましい実施では、第1および/または第2のアンテナが単一巻回部を備える。例えば、第2のアンテナは、径方向隙間を有する銅またはアルミニウムの環体を備えてもよく、LCの組み合わせを形成するために径方向隙間の両端間にコンデンサが結合されてもよい。
第1の共振回路と第2の共振回路との間の誘導結合は、第1の電源により出力される電圧に対する誘導電圧(または電流)の任意のステッピング(上または下)をもたらさなくてもよい。しかしながら、プラズマチャンバが第2の共振回路に対してどのように結合されるのかに応じて、信号パラメータを適宜に調整することが望ましい場合がある。例えば、回路がプラズマチャンバに対して直接に誘導信号を印加するようになっている場合には、より高い電圧が望ましく、そのため、第2の共振回路は、誘導RF信号の電圧が第1のRF電源により出力される電圧よりも高くなるように十分に高い線質(Q)係数を有することが好ましい。例えば、誘導RF信号の電圧の振幅は、1kV〜10kV、好ましくは1kV〜5kVであってもよい。しかしながら、(例えば、チャンバを取り囲むコイルを設けることにより)回路がチャンバ内にプラズマを誘導するように構成される場合には、高電流が必要とされ、その場合、回路構成要素は、高い二次電流を与えるように選択される。好ましい実施形態では、第2の共振回路のQ値が少なくとも500、より好ましくは少なくとも750である。これは、回路構造と、回路に適したL、C(およびR)値の選択とによって設定され得る。第1の共振回路は、好ましくは、標準的な技術にしたがって第1のRF電源に対して共振周波数でインピーダンス整合され、これは、本質的に、第1の回路において高いQ値をもたらし得る。
第1および第2の共振回路は、構成要素の適切な選択により、第1のRF電源の周波数に対応する任意の周波数で共振するように構成され得る。しかしながら、好ましい実施形態において、第1および第2の共振回路のインダクタンスおよびキャパシタンスは、各共振回路が1MHz〜160MHzの範囲、好ましくは27MHz〜100MHzの範囲、最も好ましくは約84MHzの共振周波数を有するように選択される。
既に述べたように、誘導RF信号は、多くの方法でプラズマチャンバに結合され得る。1つの好ましい実施形態において、第2の共振回路は、プラズマチャンバの内部と接触する電極間でプラズマチャンバの両端間に誘導RF信号を印加するように構成され、電極は、好ましくは、プラズマチャンバを画定する壁の導電部によって形成され、前記導電部が前記壁の絶縁部によって離間される。特に好ましい実施において、プラズマチャンバは、絶縁材料から形成される側壁と、導電材料から形成されるとともにプラズマチャンバ内にガスを流入させるための入口を規定する上壁と、導電材料から形成されるとともにプラズマチャンバ内の荷電粒子を抽出するための開口を規定するダイヤフラムとによって画定され、第2の共振回路は、上壁とダイヤフラムとの間に誘導RF信号を印加するようになっている。したがって、プラズマチャンバが第2の共振回路の一体部分を形成し、また、好ましくは、絶縁材料が誘電体(例えば、窒化ホウ素またはアルミナセラミック)を備え、それにより、プラズマチャンバが第2の共振回路のキャパシタンスに寄与する。この場合、チャンバ自体のキャパシタンスは、回路を同調させる際に考慮に入れられる必要がある。プラズマがチャンバ内で生起されると、二次回路の負荷が増大して、これが回路のQ値を下げ、それにより、プラズマ電圧が低下するが、プラズマを維持するためにより多くの電流を利用できるようになる。
別の実施において、第2の共振回路は、プラズマチャンバの周囲に配置される誘導コイルを介してプラズマチャンバの両端間に誘導RF信号を印加するように構成されてもよい。そのような場合、さもなければ誘導コイルの磁場を打ち消すであろう渦電流の誘発を回避するために、チャンバ壁は、非導電性であることが好ましく、あるいは、少なくとも任意の導電スキンに途切れを有することが好ましい。
好ましくは、粒子加速ユニットは、荷電粒子を抽出するための開口が形成される導電材料から成るダイヤフラムと加速電極との間に加速電圧を印加するようになっており、それにより、二極管加速器を構成する。前述したように、この形態は、完全性が高いビームを生じさせる。しかしながら、ビームの更なる制御が必要とされる場合、装置は、ダイヤフラムと加速電極との間の加速カラム内に配置されるグリッド電極と、粒子のビームを調整するためのグリッド電圧を前記グリッド電極に印加するモジュールとを更に備え、それにより、三極管加速器を構成してもよい。
既に示したように、装置は、(プラス)イオンを含む任意のタイプの荷電粒子のビームを形成するために使用され得る。しかしながら、好ましくは、プラズマから抽出される荷電粒子が電子であり、加速電極は、陽極であり、好ましくは接地電位にあるまたは接地電位付近にある。
好適には、装置は、プラズマをプラズマチャンバ内に閉じ込めるための磁気捕捉アセンブリを更に備える。これは、粒子間の衝突数を増大させることによってプラズマを促進させ、それにより、発生されるビームの強度を高める。好ましい例において、磁気捕捉アセンブリは、プラズマチャンバの径方向外周にわたって配置されて軸方向磁場をプラズマチャンバ内に生じさせるように構成される1つ以上の永久磁石または電磁石を備える。例えば、磁石はペニングトラップを形成するように構成されてもよい。電磁構成の使用は、電磁石への電力供給(すなわち、従来の第3の電力供給)を容易にONおよびOFFに切り換えることができ、それにより、プラズマを制御するための更なる方法を与えるため、更なる利点を与える。例えば、電磁石は、プラズマ強度の制御によって短いビームパルスの放出を達成するために使用され得る。好ましくは、磁場は、約0.01〜0.1テスラの磁場強度を有する。
最も短いビームパルス持続時間に影響を及ぼし得る他の因子は、プラズマ寿命である。大気圧の空気では、イオン化粒子が急速に周囲のガス分子と再結合するため、プラズマが非常に短い時間(例えば20ns)にわたってのみ存在する。しかしながら、真空(または、非常に低圧の環境)、例えばプラズマチャンバ内で直面される真空では、プラズマ寿命が数ミリ秒まで増大する。これは、RF供給の停止(プラズマ強度の減少)とプラズマ(したがって、放出されるビーム)の実際の消失との間に遅延をもたらし、それにより、達成され得る最小パルス持続時間に制限が課される。好ましくは、プラズマチャンバの壁は、プラズマのイオンがチャンバ壁としばしば衝突するようにして、それにより、イオンの電荷を急速に失わせ、励起が停止された場合にプラズマ消失をもたらすようにすることによって、プラズマ寿命を最小に維持するべく利用される。これは、チャンバ直径(すなわち、チャンバの平均横方向寸法;チャンバが円形であることは必須ではない)がイオンの平均経路長未満となるようにすることによって達成される。
イオン経路長は、ガスのタイプに依存する(より重いガス種は、より軽いガスと比べて、より大きな運動量を有し、したがって、磁場により課されるローレンツ力にもかかわらず、より真っ直ぐな軌道に沿って移動する傾向にあるため)とともに、磁場の大きさ(ローレンツ力に影響を及ぼし得る)にも依存する。例えば、使用されるガスがヘリウムであるとともに、磁場が約0.01〜0.1Tの強度を有する場合には、約2〜3mmのプラズマチャンバ直径がプラズマ寿命を減少させるのに役立つことが分かってきた。より一般的には、プラズマチャンバは、12mm以下、好ましくは1〜5mm、より好ましくは2〜3mmの直径を有することが好ましい。そのような寸法は、より重いガスが使用される場合および/または磁場強度が弱められる場合にも同じ利点を与えることができる。これは、いずれもイオンの経路長を増大させる傾向があるからである。その一方で、経路長が減少される場合には、更に小さいチャンバサイズが適している場合がある。
好ましくは、ガスタイプ、プラズマチャンバの寸法、および、印加される場合の磁場強度は、RF励起が停止される時点でチャンバ内のプラズマ寿命が10マイクロ秒未満、好ましくは1マイクロ秒未満となるように組み合わせて選択される。
荷電粒子を抽出するための開口は、強磁性材料、好ましくは鋼または軟鉄を備えるダイヤフラムに形成されることが好ましい。これにより、プラズマチャンバ内に形成される任意の磁場を加速カラムから選り分けることができ、また、そうしなければ、ビーム形状に影響を及ぼしてしまう。
開口のサイズは重要である。これは、ガスまたはプラズマが加速カラムに実質的に到達しないことが重要だからであり、この到達がプラズマチャンバと加速電極との間に放電をもたらし得るからである。適切な開口サイズは、使用時のガスおよびプラズマパラメータによって決まるが、好ましい例において、荷電粒子を抽出するための開口は、2mm以下、好ましくは0.1〜1mm、最も好ましくは約0.5mmの直径を有する。
プラズマチャンバへのガス流入は、任意の適したガスフローシステムを使用して達成され得るが、好ましい実施において、ガスの流入のための入口は、プラズマチャンバへのガスの流入を制御するための弁、好ましくはニードル弁を備える。この構成は、安定した低流量のガスをプラズマチャンバへ流入させることができるようにする。使用中、粒子が開口を通じてプラズマチャンバから漏れ、また、加えて、荷電粒子が同時にチャンバから抽出される場合がある。したがって、入口および開口を通じた流量は、チャンバ圧がほぼ一定のままとなるように設定されることが好ましい。別の実施において、ガスは、定期的に交換される局所的なガスリザーバからプラズマチャンバに供給され得る。このリザーバからのガス流は、ニードル弁または同様の弁などの弁を用いて制御されることが好ましい。リザーバは、例えば、圧縮ガスシリンダまたはガス含浸材料であってもよい。
本発明に係るプラズマ源は、工作物または材料(ガス状材料を含む)が荷電粒子ビームの適用によって改変される材料処理用途での使用に特にうまく適合される。そのため、本発明は、前述したプラズマ源を備える材料処理工具を更に提供する。
特定の例において、工具は、
・電子ビーム溶接工具であり、荷電粒子のビームが材料の溶接に適合される;
・添加物層製造工具であり、荷電粒子のビームは、粉末材料の処理、好ましくは粉末材料の融合に適合される;
・穿孔工具であり、荷電粒子のビームが工作物の穿孔に適合される;
・硬化工具であり、荷電粒子のビームが工作物の硬化に適合される;
・切断工具であり、荷電粒子のビームが材料の切断に適合される;
・溶解工具または蒸発工具であり、荷電粒子のビームが材料の溶解および/または蒸発に適合される;
・ガス処理工具であり、荷電粒子のビームは、ガス物質、好ましくは燃焼ヒュームの処理に適合される;
・殺菌工具であり、荷電粒子のビームが固体または液体の殺菌に適合される。
本発明は、前述した特徴のいずれかを組み入れる、荷電粒子ビームを発生させる対応する方法を更に提供する。方法は、材料処理方法において同様に使用されてもよく、したがって、本発明は、前述した方法にしたがって発生される荷電粒子のビームを使用して工作物を改変する方法も提供する。荷電粒子のビームは、
・工作物を溶接するため;
・工作物を融合させるため、この場合、工作物が粉末材料を備える;
・工作物を穿孔するため;
・工作物を硬化させるため;
・工作物を切断するため;
・工作物を溶解させるおよび/または蒸発させるため;
・ガス状の工作物、好ましくは燃焼ヒュームを処理するため;
・固体または液体を殺菌するために、
(とりわけ)使用されてもよい。
他の例において、ビームパラメータを容易に変えることができる能力は、改変プロセス中または処理プロセス中に工作物の画像化を可能にするために利用され得る。好ましくは、前述したように発生される荷電粒子のビームを使用して工作物を改変するプロセス中に工作物を画像化する方法は、いずれかの順序で、
工作物を改変するために荷電粒子のビームを使用するステップと、
工作物を画像化するために荷電粒子のビームを使用するステップと、
を備え、
前記2つのステップ間で、RF信号の振幅は、発生されるビーム出力が工作物を改変するのに適する第1の振幅から、発生されるビーム出力が工作物を画像化するのに適する第2の振幅まで変調され、または、この逆に変調され、第1の振幅が第2の振幅よりも大きい。
ここで、添付図面を参照して、荷電粒子のビームを発生させるためのプラズマ源装置および方法の例について説明する。
第1の実施形態に係る荷電粒子ビーム発生装置の選択された構成要素を概略的に示す。 荷電粒子ビーム装置の第2の実施形態を示す回路図である。 第3の実施形態に係る荷電粒子ビーム発生装置の概略断面図である。
以下の説明は、主に、ビームを形成する荷電粒子が電子であり、そのため、機器が一般に電子銃と称されてもよい、荷電粒子ビーム発生装置および方法の例に焦点を合わせる。しかしながら、開示される装置および方法は、加速カラムの分極を逆にすることによってプラスイオンのビームを発生させるように容易に適合され得るのが分かる。
図1は、本発明の第1の実施形態における荷電粒子ビームを発生させるための装置の一部を形成する電子銃カラム1を示す。銃カラムは、荷電粒子が発生される供給源領域9と、供給源領域9から抽出される荷電粒子がビームに形成される加速カラム11とを含む。使用時、荷電粒子ビームPは、例えば材料を溶接する、融着する、あるいはさもなければ、改変するために、工作物Wに方向付けられてもよい。
供給源領域9はプラズマチャンバ2を備え、該プラズマチャンバ2内には入口6を介してガスGが入ることが許容され、入口6は、ここでは、中空電極4内に配置されるニードル弁を備える。中空電極4はプラズマチャンバ2の一方側を画定し、また、反対側は、少なくとも1つの開口8aを有するダイヤフラム8によって画定され、開口8aを通じてプラズマチャンバ2から荷電粒子が抽出されてもよい。この例において、中空電極4およびダイヤフラム8は、プラズマチャンバの側壁を形成する窒化ホウ素またはアルミナなどの絶縁材料2aによって互いから離間される導電材料(一般的には金属)から形成される。中空電極4、絶縁体2a、および、ダイヤフラム8は、一般に「中空陰極」と称されるものを形成する(供給源がプラスイオンではなく電子を放出するようになっていると仮定する)。
以下で更に詳しく説明されるように、チャンバ2内でプラズマを発生させるために、低圧ガス(例えば、ヘリウム、アルゴン、または、空気)が入口6を介してチャンバへ流入される。一般に、中圧(例えば1バール)のガスが銃へ供給されるとともに、適切な低い圧力(例えば1ミリバール)がチャンバ内に形成されるようにニードル弁または他の制御機器が流れを制限する。プラズマチャンバ2内のガス圧は安定している。これは、ニードル弁を通じた流量とほぼ同じ流量でガスがプラズマチャンバから開口8aを通じて加速カラム内に漏れるからである。無線周波数(RF)電力信号が、ライン(i)および(ii)によってチャンバに印加され、すなわち、中空電極4とダイヤフラム8との間に印加される。RF信号は、チャンバ2内のガスを励起させてイオン化させ、それにより、イオンおよび電子のプラズマをもたらす。
加速カラム11では、ライン(ii)および(iii)のそれぞれによって、ダイヤフラム8とプラズマチャンバから離間される加速電極10との間に高加速電圧が印加される。電子ビームを形成するために、加速電極は、ダイヤフラム8に対して強力なプラス電位に置かれる。電子は、開口8aを通じてプラズマから抽出されて、加速電極10へ向けて加速されるとともに、ビームPを形成するために加速電極の開口10aを通過する。発生されるビームの形状を調整するために、磁気レンズ化構造および/または成形電極などの更なるビーム成形器具がプラズマチャンバと加速電極との間および/または加速電極と工作物領域との間に既知の態様で設けられてもよい。
荷電粒子のビームが大気ガスによって乱されないように、プラズマチャンバ2および加速カラムはハウジング15内に配置され、ハウジング15は、使用時に、一般に5×10−4mbar未満の低圧までポンプ16(例えば、ターボ分子ポンプ)により真空引きされる。
随意的に、しかし、好ましくは、プラズマをチャンバ内に磁気的に閉じ込める役目を果たす環状磁石12がプラズマチャンバ2の周囲に配置される。例えば、磁石12がペニングトラップとして構成されてもよく、その場合には、軸方向磁場がプラズマチャンバ内に形成される(例えば、矢印Bにより表わされる)。軸方向磁場は、移動する荷電粒子に作用するローレンツ力を生じさせ、それにより、荷電粒子が湾曲した軌道をたどり、そのため、粒子がチャンバ内に閉じ込められる。これは、粒子間の衝突の数の増大ももたらし、それにより、粒子の強度が高められる。磁石12は、永久磁石であってもよく、あるいは、電磁石であってもよい。
図2は、第2の実施形態に係る荷電粒子ビーム装置のための概略的な回路図を示す。これは、図1に関して説明した電子銃カラムと機能的に同一の電子銃カラム1を含み、そのため、同様の構成要素を特定するために同様の参照数字が使用され、再度説明されることはない。この場合、磁石12は、プラズマチャンバ壁を形成する材料の周囲に直接に位置されるのではなく、プラズマチャンバ壁を形成する材料の真上に位置される。
電力は、回路21、26を備えるプラズマ発生ユニットによってプラズマチャンバへ供給される。回路21、26は、共振回路であり、この場合には、それらのインダクタンス値およびキャパシタンス値の適切な選択によって互いとほぼ同じ共振周波数で共振するように同調される並列LC回路として構成される。
第1の共振回路21はRF電源22を備え、このRF電源の出力は第1のアンテナ23の両端間に配置される。インダクタンスを与える第1のアンテナの両端間に(好ましくは可変)コンデンサが並列に配置され、それにより、LC共振器が形成される。回路は、電源22により出力される信号の周波数で実質的に共振するようにインダクタンス値およびキャパシタンス値の選択によって同調される。随意的に、しかし、好ましくは、アンテナ23のインピーダンスを電源22のインピーダンスに整合させるのに役立つように、整合インダクタ24が設けられてもよい。好ましい例では、電源が約84MHzの信号を出力するとともに、第1の回路21がその周波数で共振するように同調されるが、他の場合には、異なる周波数(例えば27MHz、49MHz)の電源が代わりに利用されてもよく、その場合、必要に応じて回路が同調される。1つの好ましい例では、整合インダクタ24のインダクタンスが約600nHであってもよく、アンテナ23のインダクタンスが約235nHであってもよく、また、コンデンサ25のキャパシタンスが約15pFであってもよい。しかしながら、所望の同調を達成するために構成要素に関して値の他の設定を使用できる。
第1の電源22はグラウンド電位付近で動作することが好ましく、また、最も好ましい実施形態において、アンテナ23の一端は、例えば銃ケーシングに対する物理的な取り付けによって接地される。第1の電源により出力される電圧の大きさは、回路実装に応じて、±15V〜±3kVの範囲内であることが好ましい。電源22は、第1の回路を駆動させることにより、アンテナ23を共振させる。
第2の共振回路26も、第2のアンテナ27とコンデンサ28とを並列に含むインダクタおよびコンデンサの構成を備える。回路26が前述した態様でプラズマチャンバに結合された状態で、プラズマチャンバ自体は、回路内でコンデンサとして作用するとともに、キャパシタンスに寄与する。インダクタンスおよびキャパシタンスの値は、回路が第1の回路の周波数と同じ周波数で共振するように同調され、それにより、2つの回路が誘導結合される。例えば、約84MHzで共振するために、第2の回路26における全キャパシタンスが約72pFであってもよく、また、二次インダクタンスが約50nHであってもよい。あるいは、キャパシタンスを約144pFにすることができるとともに、インダクタンスを約25nHにすることができる。好ましい例では、固定キャパシタンス28が約40pFであってもよく、また、残りのキャパシタンスは、任意の浮遊キャパシタンスと共に、プラズマキャビティによって与えられる。好ましい例では、要素33(その典型的な実施は以下で与えられる)が設けられ、第2の回路26の共振周波数を同調させるために要素33を介して第2のアンテナ27のインダクタンスを変更できる。それにより、第1の回路が第2のアンテナ27でRF信号を誘導する。第2の回路は、プラズマチャンバ内にプラズマを発生させるために、ライン(i)を介した中空陰極4とライン(ii)を介したダイヤフラム8との間に誘導信号を印加する。
第1および第2の回路間で効率的に電力を伝えるために、第2の共振回路26は、この場合も先と同様に適切なインダクタンス値およびキャパシタンス値の選択によって決定される少なくとも500のQ値(「Q値」)を有することが好ましい。好ましくは、Q値は、アンテナ27における誘導RF信号の電圧が第1のRF電源22によって出力される電圧に対して漸増されるように十分に高い。それにより、最大で3kVの高電圧がコンデンサ28の両端間に発生されることが好ましい。
ビームを形成するための粒子の加速は、加速回路30によって達成される。この加速回路は、プラズマチャンバと加速電極10との間に大きな電位を印加するために高電圧、一般的にはDC電圧を出力する第2の電源31を含む。この例では、大きなマイナス電位(例えば−60kV)がダイヤフラム8に印加されるとともに、加速電極が接地される。他の場合には、ダイヤフラム8に隣接して設けられる更なる電極に対して高電圧が印加されてもよい(後述する)。したがって、電子は、プラズマから抽出されるとともに、高エネルギーのビームを形成するために加速電極へ向けて加速される。
図示の構成は、ビーム加速のために2つの電極(ダイヤフラム8および加速電極10)のみを利用する二極銃構成である。これは、完全性が高いビームを得ることができるため好ましい。しかしながら、ビーム形状の更なる制御が望ましい場合には、加速カラム内にダイヤフラムに隣接してグリッド電極(図示せず)が挿入されてもよい。
2つの共振回路間の結合の誘導性は、第1の回路21および第1の電源22を電源31により供給される高加速電圧から分離する。2つのアンテナ間の電気的な分離を確保するために、好ましい例では、両方のアンテナがハウジング15内に配置され、前述したように、ハウジング15は使用時に真空引きされる。真空は、アンテナ23、27を互いから絶縁する。別の実施形態では、第1のアンテナがハウジングの外側に配置されてもよい。他の場合には、真空分離に加えてあるいは代えて、油、エポキシ、セラミック、または、同様のものなどの絶縁材料が利用されてもよい。
このように誘導結合を介してRF発生信号を供給することにより、従来の低電圧RF発生器を電源22として使用できる。同様に、ビームを形成するために必要とされる高加速電圧を与えるために、別個の従来の高電圧DC源31を使用できる。これにより、2つの従来の市販の電源によって電力供給を成すことができるとともに、1つの高電圧供給源(電源31)のみで済むため、マルチコア高電圧ケーブルの任意の必要性が排除される。したがって、電子銃は、可撓性ケーブルによって電源に接続され得るとともに、依然として非常に操作し易いままである。
前述した態様でRFを使用してプラズマを発生させることにより、電子銃は、DCプラズマ源および熱イオン源と比べて非常に速い応答時間を有する。プラズマを例えばRF供給源の調整によって制御することができ、それにより、1マイクロ秒以下の応答時間が可能となる。これは、対応する短いビームパルス時間の利用可能性をもたらし、この短いビームパルス時間は、ビーム制御の向上に起因して、多くの実用的用途において非常に有益である。この種の急速なパルス化は、ビームの有効電力レベルを変えるために使用することもできる。すなわち、例えば、50%デューティサイクルでパルス化されるビームは、同じエネルギーレベル(粒子加速)の連続ビームと比べて半分の出力(および熱)しか工作物に与えない。
RF振幅を変調することによってビームパラメータを変えることもでき、これにより、同様に短い応答時間をもって、プラズマで利用できる荷電粒子の数の変化、したがって、抽出ビームの出力の変化がもたらされる。これは、例えば、電子ビームを使用して工作物を描くために使用できる。すなわち、一般に、低出力ビームは、低分解能走査型電子顕微鏡と同様の態様でビームを表面上にわたってラスター走査して後方散乱電子を収集することによって工作物の表面の画像を形成するために使用できる。しかしながら、例えば溶接に適した高出力ビームは、画像を形成するために使用できない。これは、ラスタリングが工作物を溶かすからであり、加えて、高出力ビームが更に低い分解能をもたらすからである。ここに開示される技術を使用すると、RF振幅を変調することにより、ビームの出力を異なる出力レベル間で迅速に変えることができる。例えば、溶接ビームの出力は、溶接を続けるために高いビーム出力を回復させる前に工作物を溶かすことなく画像を形成するべく前述した態様で工作物の表面を横切ってビームを走査できるように素早く減少され得る。そのため、装置は、例えば、電子ビーム溶接中にプロセス観察または継ぎ目追跡のために使用できる。1つの例において、溶接のために使用されるときのビームの出力レベルは約5kWであってもよく、一方、画像化のために、出力レベルが約150Wまで減少されてもよい。
例えばこのような用途のためのビームパラメータの制御は、必要に応じて、パルス化(デューティサイクルの制御を含む)および振幅変調の両方を伴ってもよい。
また、記載された装置を使用して電子ビームを発生させるために非常に低いRF電力が必要とされることも分かってきた。比較として、図2に係る装置では、3kVで25mAのビームを発生させるために50W RF電源が利用された。これは、熱イオン放射器から同程度の電子ビームを発生させるために必要とされる陰極加熱電力の10%未満である。同様に、Rempe等により開示された類のプラズマ源は、一般に、約400Wの電源を必要とする。
RF電源22は、良く知られた技術を使用してコントローラ22aにより変調されるようになっていることが好ましい。RF変調は、1マイクロ秒程度の短いビーム出力遷移時間を達成できるように、プラズマチャンバへのRF供給、したがってプラズマを急速に変えるために使用され得る。これに加えてあるいは代えて、ビームの制御は、電源31を介した加速電圧の制御を通じて、および/または、磁石12が電磁石の形態をとる場合には磁石12により形成される閉じ込め磁場の調整によって、達成され得る。1つの例では、加速電源31がパルス電源であってもよい。
好ましくは、プラズマチャンバ寸法は、プラズマ中のイオンの平均経路長よりも小さくなるように選択される。これは、RF励起が停止される時点で残りのイオンが急速にチャンバ壁と衝突してそれらの電荷を失うため、プラズマ寿命が短くなるようにするのに役立つ。イオンの平均経路長は、とりわけ、ガス種および磁場強度に依存する。ガスイオンが大きければ大きいほど、ガスイオンの質量が大きくなり、ガスイオンの軌道が磁場によってほとんど曲げられなくなり、それにより、平均経路長が長くなる。更に弱い磁場も同じ結果を有する。約0.01〜0.1Tの磁場Bに関しては、使用されるガスがヘリウムの場合、最大で5mm、好ましくは2〜3mmのプラズマチャンバ直径dが良好な結果を与えることが分かってきた。この例におけるプラズマチャンバ高さhは約3mmである。そのような寸法は、ガス種が更に重い(例えば、アルゴン)場合および/または磁場強度が更に弱い場合にも使用され得る。より軽いガスおよび/またはより強い磁場においては、より小さいプラズマチャンバが有益な場合がある。
開口8aの寸法も重要である。これは、電子(またはイオン)が開口を通じて抽出されなければならい間は、プラズマが開口を通じて加速カラム内に逃げることが望ましくないからである。望ましくない理由は、このプラズマの逃げが、プラズマチャンバと加速電極との間で放電をもたらし得るからである。好ましい例では、開口8aが1mm以下の直径を有する。ダイヤフラム8は、さもなければビーム形状に影響を及ぼし得るプラズマチャンバ内に形成される磁場から加速カラムを遮蔽するために、鉄または軟鋼などの強磁性材料から形成されることが好ましい。
図3は、第3の実施形態に係る荷電粒子ビーム装置の概略断面を示す。
銃カラム1は、前述した態様で使用時にポンプ16により真空引きされるハウジング15内に配置される。ハウジングは、以下で詳述する加速電極10を与えるために接地される。更に、第1のアンテナ23がハウジング内に配置され、この第1のアンテナ23は、金属の単一巻回部によって形成されるのが好ましい。第2のアンテナ27も金属(例えば、アルミニウムまたは銅)から形成されるのが好ましく、ここでは、第2のアンテナ27は、第1のアンテナ23の近傍に配置される、隙間が円を途切れさせる状態の導体の単一巻回部の形態を成す。第1のアンテナ23は第2のアンテナ27の近傍に配置され、その場合、2つのアンテナがほぼ同心的に配置されるようになっている。
要素33がアンテナ27の一端27bに接続される。この例において、要素33は、ねじ付き部材(または、高さ調整可能な他のアセンブリ)29上に装着されるディスクを備え、ねじ付き部材は、ディスクと第2のアンテナ27との間の距離を調整できるようにし、それにより、アンテナ27のインダクタンスを変えて、回路の同調に関与する。
アンテナ27の他端27aは、(ライン(i)を介して)中空電極4(例えば、プラズマガスGの通過のためのチャネルを有する導電ブロックの形態を成す)に接続される。
コンデンサ28は、アンテナ27の2つの端部間に配置される。
最後に、アンテナ27の第1の端部27bは、ダイヤフラム8を取り囲んでこれに当接する成形電極32に接続される。その結果、アンテナ27およびコンデンサ28は、図2に関して説明したと同じ態様でプラズマチャンバ2の両端間に並列に接続される。
図3に示されるように、ガスGは、絶縁ブロック2a内に画定されるプラズマチャンバ2にガスを経路付ける中空電極4の上端にニードル弁6を介して供給される。前述したようにRF信号が第1のアンテナ23によって第2のアンテナ27に誘導され、このRF信号は、プラズマを発生させるために、中空陰極ブロック4とダイヤフラム8との間でプラスチックチャンバ2の両端間に印加される。
プラズマから電子を抽出してビームBを発生させるために、第2の高電圧電源31が、電極32と、接地されたハウジング15により形成される加速電極10との間に加えられる。成形電極32は、所望のビーム成形を達成するために既知の態様で構成される。
1つの例では、電子銃カラム内に配置される第1の共振回路およびアンテナ23を駆動させるために、接地電位付近の84MHzのRF電源が第1の電源として使用された。同じ周波数に同調される第2のアンテナ27は、RF電力を受けるとともに、ガス中でプラズマを励起するためにプラズマチャンバの両端間に最大3kVのRF電圧を発生させた。銃エンベロープは一般的には5×10−4mbar未満の圧力に保持され、また、プラズマチャンバ内のガス圧は約1mbarに維持された。高い加速電圧(例えば、+3kV)が第2の電源によって加速電極に印加され、また、25mAの電子ビームが得られた。
別の実施形態では、誘導技術によってRFプラズマを発生させることができ、その場合、第2の共振回路は、プラズマチャンバに対する直接的な接続の代わりに、プラズマチャンバを取り囲むコイルを備える。
前述した類のプラズマ源は、多くの用途に適しており、特に、発生される荷電粒子ビームが材料または工作物を改変するために使用される材料処理において適する。したがって、好ましい実施において、プラズマ源は、電子ビーム溶接器具または添加物層製造器具などの材料処理工具の一部を形成する。荷電粒子のビームは、工作物または材料を溶接する、硬化させる、融合させる、溶かす、蒸発させる、切断する、あるいはさもなければ、処理するために使用されてもよい。特定の用途例としては、添加物層製造における粉末材料の融合、金属の抽出または精錬、および、燃焼ヒュームの処理が挙げられる。

Claims (17)

  1. 荷電粒子のビームを発生させるためのプラズマ源装置であって、
    ガスの流入のための入口が設けられるプラズマチャンバであり、該プラズマチャンバから荷電粒子を抽出するための開口が設けられる、プラズマチャンバと、
    前記プラズマチャンバ内でプラズマを発生させるための高周波(RF)プラズマ発生ユニットであり、該高周波プラズマ発生ユニットは、ほぼ同じ共振周波数で共振するようにそれぞれが同調される、第1の共振回路および第2の共振回路を備え、前記第1の共振回路は、第1のアンテナと、前記第1の共振回路を実質的にその共振周波数で駆動させるようになっている第1のRF電源とを備えるとともに、前記第2の共振回路が第2のアンテナを備え、それにより、使用時に、共振結合に起因して、RF信号が前記第1の共振回路によって前記第2のアンテナに誘導され、前記第2の共振回路は、前記プラズマチャンバ内にプラズマを発生させるために、前記誘導されたRF信号(誘導RF信号)を前記プラズマチャンバに印加するように構成される、高周波(RF)プラズマ発生ユニットと、
    プラズマから荷電粒子を抽出するとともにその荷電粒子を加速させてビームを形成するための粒子加速ユニットであり、該粒子加速ユニットは、前記プラズマチャンバと加速電極との間に電位を印加するように構成される第2の電源を備え、前記プラズマチャンバと前記加速電極との間の領域が加速カラムを構成する、粒子加速ユニットと、
    を備え、
    前記第2の電源は、前記第1のRF電源により出力される電圧に比して高い電圧を出力するようになっている、
    プラズマ源装置。
  2. 少なくとも前記プラズマチャンバ、前記加速カラム、および、前記第2のアンテナがハウジング内に配置され、前記プラズマ源装置は、使用時に前記第2のアンテナが前記第1のアンテナから電気的にほぼ絶縁されるように、前記ハウジングを真空引きするためのポンプを更に備える、請求項1に記載のプラズマ源装置。
  3. 前記第1のRF電源は、最大300Wの電力振幅を伴う信号を出力するようになっている、請求項1または2に記載のプラズマ源装置。
  4. 前記第2の電源は、10kV〜200kVの範囲内の電圧の大きさを有するDC信号を出力するようになっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラズマ源装置。
  5. 前記第2の共振回路は、前記誘導RF信号の電圧が前記第1のRF電源により出力される電圧よりも高くなるように、十分に高いQ値を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラズマ源装置。
  6. 前記第2の共振回路は、前記プラズマチャンバの内部と接触する電極間で前記プラズマチャンバの両端間に前記誘導RF信号を印加するように構成され、前記電極は、前記プラズマチャンバを画定する壁の導電部によって形成され、前記導電部が前記壁の絶縁部によって離間される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラズマ源装置。
  7. 前記第1のRF電源により出力される前記RF信号を変調するためのコントローラを更に備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプラズマ源装置。
  8. 前記コントローラは、発生されるビームの出力が材料処理に適する第1の振幅と、発生されるビームの出力が工作物を画像化するのに適する第2の振幅との間で、前記RF信号の振幅を制御するようになっており、前記第1の振幅が前記第2の振幅よりも大きい、請求項7に記載のプラズマ源装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のプラズマ源を備える材料処理工具。
  10. 荷電粒子のビームが材料の溶接に適合される、電子ビーム溶接工具、
    荷電粒子のビームが粉末材料の処理に適合される、添加物層製造工具、
    荷電粒子のビームが工作物の硬化に適合される、硬化工具、
    荷電粒子のビームが材料の切断に適合される、切断工具、
    荷電粒子のビームが材料の溶解および/または蒸発に適合される、溶解工具または蒸発工具、
    荷電粒子のビームがガス物質の処理に適合される、ガス処理工具、
    荷電粒子のビームが固体または液体の殺菌に適合される、殺菌工具、ならびに、
    荷電粒子のビームが工作物の穿孔に適合される、穿孔工具、
    のうちのいずれか1つである、請求項9に記載の材料処理工具。
  11. 荷電粒子のビームを発生させる方法であって、
    プラズマチャンバへガスを流入させるステップであり、前記プラズマチャンバは、ガスの流入のための入口と、前記プラズマチャンバから荷電粒子を抽出するための開口とを有する、ステップと、
    高周波(RF)プラズマ発生ユニットを使用して前記プラズマチャンバ内にプラズマを発生させるステップであり、前記高周波プラズマ発生ユニットは、ほぼ同じ共振周波数で共振するようにそれぞれが同調される第1の共振回路および第2の共振回路を備え、前記第1の共振回路および前記第2の共振回路が第1のアンテナおよび第2のアンテナをそれぞれ備え、第1のRF電源を使用して前記第1の共振回路を実質的にその共振周波数で駆動させることにより、共振結合に起因して、RF信号が前記第1の共振回路によって前記第2のアンテナに誘導され、前記第2の共振回路は、前記プラズマチャンバ内にプラズマを発生させるために、前記誘導されたRF信号(誘導RF信号)を前記プラズマチャンバに印加する、ステップと、
    第2の電源を使用して前記プラズマチャンバと加速電極との間に電位を印加することによって、プラズマから荷電粒子を抽出するとともにその荷電粒子を加速させてビームを形成するステップであり、前記プラズマチャンバと前記加速電極との間の領域が加速カラムを構成する、ステップと、
    を備え、
    前記第2の電源により出力される電圧は、前記第1のRF電源により出力される電圧に比して高い、
    方法。
  12. 前記第1のRF電源は、最大300Wの電力振幅を伴う信号を出力する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2の電源は、10kV〜200kVの範囲内の電圧を有するDC信号を出力する、請求項11または12に記載の方法。
  14. ガスタイプ、前記プラズマチャンバの寸法、および、印加される場合の磁場強度は、RF励起が停止される時点で前記プラズマチャンバ内のプラズマ寿命が10マイクロ秒未満となるように、組み合わせて選択される、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項11〜14のいずれか一項にしたがって発生される荷電粒子のビームを使用して工作物を改変する方法。
  16. 荷電粒子のビームが前記工作物を溶接するために使用される、
    荷電粒子のビームが前記工作物を融合させるために使用され、前記工作物が粉末材料を備える、
    荷電粒子のビームが前記工作物を硬化させるために使用される、
    荷電粒子のビームが前記工作物を切断するために使用される、
    荷電粒子のビームが前記工作物を溶解させるおよび/または蒸発させるために使用される、
    荷電粒子のビームがガス状の工作物を処理するために使用される、
    荷電粒子のビームが固体または液体を殺菌するために使用される、ならびに、
    荷電粒子のビームが前記工作物を穿孔するために使用される、
    のうちのいずれか1つである、請求項15に記載の方法。
  17. 請求項11〜14のいずれか一項にしたがって発生される荷電粒子のビームを使用して工作物を改変するプロセス中に前記工作物を画像化する方法であって、いずれかの順序で、
    前記工作物を改変するために荷電粒子のビームを使用するステップと、
    前記工作物を画像化するために荷電粒子のビームを使用するステップと、
    を備え、
    前記2つのステップ間で、前記RF信号の振幅は、発生されるビーム出力が前記工作物を改変するのに適する第1の振幅から、発生されるビーム出力が前記工作物を画像化するのに適する第2の振幅まで変調され、または、この逆に変調され、前記第1の振幅が前記第2の振幅よりも大きい、
    方法。
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