JP6198138B2 - 可塑性注入材および可塑性注入材の製造方法 - Google Patents

可塑性注入材および可塑性注入材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、空隙に注入可能な注入材に関し、特に、二液が混合されることで形成される注入材であって可塑性を有するものおよびその製造方法に関する。
従来から、土木構造物等に形成される空隙に注入されて硬化するように構成された注入材が知られている。例えば、セメントおよび水から構成されるA液と、ベントナイトおよび水から構成されるB液とが混合されて形成される注入材が知られている(特許文献1参照)。斯かる注入材は、可塑性を示すものであるため、空隙中の所定位置にのみ注入すること(所定位置からの流出を防止すること)が可能となる(即ち、定型性を有する)。また、可塑性を有することで、地下水や雨水等が注入材に浸透し難くなり、注入材が希釈されるのを防止することが可能となる。
斯かる注入材(以下、可塑性注入材とも記す)は、上述のように、可塑性を有するため、可塑性注入材自体を空隙まで長距離圧送することが困難である。これに対し、A液およびB液は、混合される前の状態では、長距離圧送可能な程度の流動性を有するものである。このため、長距離圧送を伴う注入作業を行う際には、A液およびB液が空隙の直前まで別々の経路で圧送された後、空隙の直前で混合されて可塑性注入材が形成される。これにより、可塑性注入材そのものを長距離圧送する必要がなくなり、空隙までの圧送を容易に行うことが可能となる。
しかしながら、上述のような可塑性注入材は、A液がセメントおよび水から構成されるため、セメントの水和反応によって、経時的にA液自体が硬化する。このため、可塑性注入材の注入作業が終了する毎に、A液を圧送する設備(配管やポンプ等)を洗浄したり、硬化したA液を廃棄したりする必要がある。このため、A液の損失が多くなると共に、設備の洗浄作業に手間が掛かる。
このようなA液の硬化を抑制するために、A液に遅延剤を添加することが考えられるが、A液を用いる環境(温度や圧送距離)やA液の配合等によって遅延剤の添加量を調整する必要があり、特に、誤って遅延剤の添加量が過剰になると、A液を圧送する設備内でA液中の成分が沈降し、設備(配管やポンプ等)を閉塞する虞があるため、添加量の調節に手間が掛かる。
このため、セメントのように水との直接的な反応によって硬化する性質(以下、自硬性とも記す)を有する成分を用いない可塑性注入材が提案されている。斯かる可塑性注入材としては、例えば、スラグと水とを含有するA液と、石灰と水とを含有するB液と、水ガラス(可塑性を付与する成分)を含有するC液とが混合されて形成されるものが知られている(特許文献2参照)。斯かる可塑性注入材では、A液に含有されるスラグは、B液に含有される石灰に由来するアルカリとの反応によって水硬性を示すため、A液のみが圧送される配管等の設備内でA液自体が硬化することがない。また、B液およびC液においても、経時的に硬化するものではない。このため、各液が圧送される配管等の設備を洗浄等する手間を軽減することが可能となっている。
しかしながら、A液、B液、C液の3液を圧送するための設備が必要となるため、コストが嵩むと共に、各液の配合を調整する必要があり、手間が掛かる。また、水ガラスを使用するため、溶脱現象(未反応のナトリウムイオンが溶出する現象)が生じ、可塑性注入材が硬化した際の耐久性が低下する他、溶脱現象によって地下水が高アルカリ化して環境を汚染する虞がある。
このため、C液を用いない可塑性注入材として、高炉スラグとベントナイトと水とを含有したA液と、消石灰と水とを含有したB液とが混合されて形成されるものが知られている(特許文献3参照)。斯かる注入材では、A液中の高炉スラグがB液中の消石灰に起因するアルカリとの反応によって水硬性を示すことで硬化すると共に、A液中のベントナイトがB液中の消石灰に由来する陽イオン(カルシウムイオン)の作用によって凝集することで可塑性を示すことになる。
しかしながら、B液中の消石灰は、高炉スラグを硬化させる反応とベントナイトを凝集させる反応とで消費されるため、B液中に消石灰が多量に必要となる。このため、B液の流動性が損なわれ、長距離圧送が困難となる虞がある。また、このようなB液を用いて可塑性注入材を形成すると、可塑性注入材中に消石灰が多量に存在することになるため、可塑性注入材が硬化した際の強度が低下する虞がある。また、硬化反応および可塑化反応のそれぞれとの関係で、消石灰の配合を設定する必要があるため、消石灰の配合設定が繁雑なものとなる。
特開平11−310779号公報 特開2003−278144号公報 特開2001−302324号公報
そこで、本発明は、A液およびB液が個別に硬化するのを防止することでA液およびB液の流動性を圧送可能な程度に維持することができると共に、消石灰の配合量を低減することができる可塑性注入材およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る可塑性注入材は、高炉スラグとベントナイトと水とを含有するA液と、消石灰と水とを含有するB液とが混合されて形成される可塑性注入材であって、A液は、高炉スラグ100質量部に対してベントナイトを35質量部以上60質量部以下含有しており、B液は、A液中のベントナイト100質量部に対して3質量部以上12質量部以下のアルミン酸塩を更に含有すると共に、A液中の高炉スラグ100質量部に対して消石灰が5質量部以上20質量部以下となるように構成されることを特徴とする。
斯かる構成によれば、B液中に消石灰が含有されることで、B液は、アルカリ性となるため、A液とB液とを混合することで、A液中の高炉スラグがB液中のアルカリの作用によって水と反応して硬化する。つまり、消石灰が高炉スラグを硬化させる硬化助剤として作用することになる。一方、B液中にアルミン酸塩が含有されることで、B液中には、陽イオンが存在するため、A液とB液とを混合することで、A液中のベントナイトがB液中の陽イオンの作用によって凝集して可塑化する。つまり、アルミン酸塩がベントナイトを可塑化させる可塑助剤として作用することになる。
これにより、A液およびB液は、混合されない限り硬化したり可塑化したりしないため、A液およびB液を圧送する設備(配管やポンプ等)内で、A液およびB液の流動性が失われることがない。このため、A液およびB液を圧送する設備の洗浄を容易に行うことができ、洗浄の手間を軽減することができる。また、A液およびB液の流動性が失われると廃棄する必要があるが、A液およびB液の流動性が失われないため、A液およびB液の廃棄量を低減することができる。
更に、B液中の消石灰がA液中の高炉スラグの硬化反応に使用され、B液中のアルミン酸塩がA液中のベントナイトの可塑化反応に使用されるため、消石灰が硬化反応および可塑化反応の両方に使用される場合よりも、B液中の消石灰の含有量および可塑性注入材中の消石灰の含有量を低減することができる。これにより、可塑性注入材が硬化してなる硬化体の圧縮強度が発現し難くなったり、B液の流動性が損なわれたりするのを防止することができる。
また、フロー値が150mm以下であることが好ましい。
また、材齢1日目の圧縮強度が10kN/m2 以上であることが好ましい。
本発明に係る可塑性注入材の製造方法は、高炉スラグとベントナイトと水とを含有するA液と、消石灰と水とを含有するB液とを混合して可塑性注入材を形成する可塑性注入材の製造方法であって、A液は、高炉スラグ100質量部に対してベントナイトを35質量部以上60質量部以下含有しており、B液は、A液中のベントナイト100質量部に対して3質量部以上12質量部以下のアルミン酸塩を更に含有すると共に、A液中の高炉スラグ100質量部に対して消石灰が5質量部以上20質量部以下となるように構成されることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、A液およびB液が個別に硬化するのを防止することでA液およびB液の流動性を圧送可能な程度に維持することができると共に、消石灰の配合量を低減することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明に係る可塑性注入材は、土木構造物の空洞充填、裏込め、軽量盛土および埋立て等に利用されるものであり、可塑性を有することで、注入位置からの流出を防止することが可能なものであると共に、地下水や雨水等の浸透が抑制され、地下水等によって希釈されるのを抑制することが可能なものである。
本発明に係る可塑性注入材は、潜在水硬性材料と可塑化材と水とから構成されるA液と、潜在水硬性材料を水と反応させて硬化させる硬化助剤と可塑化材を可塑化させる可塑助剤と水とから構成されるB液とが混合されて形成される。なお、潜在水硬性材料とは、それ自体は水硬性を有しないが、水の存在下において刺激剤(硬化助剤)と反応することで、水硬性を発揮して硬化するものである。また、可塑化材とは、それ自体は可塑性を有しないが、水の存在下において可塑助剤と反応することで可塑化するものである。
A液を構成する潜在水硬性材料としては、高炉スラグが用いられる。一方、A液を構成する可塑化材としては、ベントナイトが用いられる。そして、高炉スラグおよびベントナイトの配合割合としては、特に限定されるものではなく、高炉スラグ100質量部に対してベントナイトが35質量部以上60質量部以下であることが好ましく、45質量部以上60質量部以下であることがより好ましい。なお、参考例として、潜在水硬性材料としては、条件によっては、例えば、製鉄スラグ等のスラグ粉末等が挙げられ、可塑化材としては、条件によっては、例えば、アタパルジャイト等の粘土鉱物等が挙げられる。
B液を構成する硬化助剤としては、消石灰が用いられる。一方、B液を構成する可塑助剤としては、アルミン酸塩が用いられる。アルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸マグネシウム等を用いることができ、特にアルミン酸ナトリウムを用いることが好ましい。なお、参考例として、硬化助剤としては、条件によっては、例えば、水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。
また、B液は、A液中の潜在水硬性材料に対して、所定量の硬化助剤を含有するように構成される。具体的には、A液中の高炉スラグ100質量部に対し、B液中の消石灰が5質量部以上20質量部以下、好ましくは、10質量部以上20質量部以下となるように構成される。また、B液は、A液中の可塑化材に対して、所定量の可塑助剤を含有するように構成される。具体的には、A液中のベントナイト100質量部に対し、B液中のアルミン酸塩(好ましくは、アルミン酸ナトリウム)が3質量部以上12質量部以下、好ましくは、5質量部以上11質量部以下となるように構成される。また、高炉スラグ100質量部に対するアルミン酸塩(好ましくは、アルミン酸ナトリウム)の含有量としては、特に限定されるものではなく、例えば、1.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、2.5質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
上記のように構成されるA液およびB液は、可塑性注入材を注入する位置(例えば、構造物に形成された空隙)に向かって別々の経路で圧送される。具体的には、A液を供給するA液供給源(図示せず)からA液が空隙に向かって圧送されると共に、B液を供給するB液供給源(図示せず)からB液が空隙に向かって圧送される。そして、A液とB液とが空隙の直前で混合されることで可塑性注入材が形成され、該可塑性注入材が空隙内に注入される。A液とB液との質量比としては、特に限定されるものではないが、例えば、1:0.22〜1:0.09であることが好ましく、1:0.16であること特に好ましい。
上記のようにして形成される可塑性注入材は、日本道路公団規格試験法のシリンダー法(JHS313)によるフロー値が150mm以下であることが好ましく、80mm以上120mm以下であることがより好ましい。また、斯かる可塑性注入材は、JIS A 1216に規定する一軸圧縮試験方法による材齢1日目の圧縮強度が10kN/m2 以上であることが好ましく、50kN/m2 以上200kN/m2 以下であることがより好ましい。
また、本発明に係る可塑性注入材の製造方法は、高炉スラグとベントナイトと水とを含有するA液と、消石灰と水とを含有するB液とを混合して可塑性注入材を形成する可塑性注入材の製造方法である。そして、B液は、A液中のベントナイト100質量部に対して3質量部以上12質量部以下のアルミン酸塩を更に含有すると共に、A液中の高炉スラグ100質量部に対して消石灰が5質量部以上20質量部以下となるように構成されるものである。
以上のように、本発明に係る可塑性注入材およびその製造方法によれば、A液およびB液が個別に硬化するのを防止することでA液およびB液の流動性を圧送可能な程度に維持することができると共に、消石灰の配合量を低減することができる。
即ち、B液中に消石灰が含有されることで、B液は、アルカリ性となるため、A液とB液とを混合することで、A液中の高炉スラグがB液中のアルカリの作用によって水と反応して硬化する。つまり、消石灰が高炉スラグを硬化させる硬化助剤として作用することになる。一方、B液中にアルミン酸塩が含有されることで、B液中には、陽イオンが存在するため、A液とB液とを混合することで、A液中のベントナイトがB液中の陽イオンの作用によって凝集して可塑化する。つまり、アルミン酸塩がベントナイトを可塑化させる可塑助剤として作用することになる。
これにより、A液およびB液は、混合されない限り硬化したり可塑化したりしないため、A液およびB液を圧送する設備(配管やポンプ等)内で、A液およびB液の流動性が失われることがない。このため、A液およびB液を圧送する設備の洗浄を容易に行うことができ、洗浄の手間を軽減することができる。また、A液およびB液の流動性が失われると廃棄する必要があるが、A液およびB液の流動性が失われないため、A液およびB液の廃棄量を低減することができる。
更に、B液中の消石灰がA液中の高炉スラグの硬化反応に使用され、B液中のアルミン酸塩がA液中のベントナイトの可塑化反応に使用されるため、消石灰が硬化反応および可塑化反応の両方に使用される場合よりも、B液中の消石灰の含有量および可塑性注入材中の消石灰の含有量を低減することができる。これにより、可塑性注入材が硬化してなる硬化体の圧縮強度が発現し難くなったり、B液の流動性が損なわれたりするのを防止することができる。
なお、本発明に係る可塑性注入材およびその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
例えば、A液には、他の成分として、種々の混和材や混和剤を含有させてもよい。例えば、混和材としては、シリカフューム、フライアッシュ等が挙げられる。混和剤としては、減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等が挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明する。
<使用材料>
(1)高炉スラグ(日鉄住金鉱化社製 製品名:エスメント)
(2)ベントナイト(ベントナイト産業社製 製品名:ウエスタンジェル)を使用した。
(3)混和剤(テルナイト社製 製品名:テルフローE)
(4)消石灰(吉澤石灰工業社製)
(5)アルミン酸ナトリウム(浅田化学工業社製)
(6)アルミン酸カリウム(浅田化学工業社製)
(7)アルミン酸マグネシウム(浅田化学工業社製)
(8)炭酸ナトリウム(浅田化学工業社製)
(9)JETMS液(W/C=50%のセメントミルクに、JETMS A液用混和剤をC×0.5%添加した液材)
<試験項目>
1.ブリーディング率
土木学会の規格試験方法であるポリエチレン法(JSCE−F532)に基づくものである。
2.フロー値
日本道路公団規格試験法であるシリンダー法(JHS 313)に基づくものである。
3.A液およびB液の硬化状況の評価
フロー値が150mm以下を硬化とし、150mmを超える場合を未硬化とした。
4.圧縮強度
JSCE−F506「モルタルまたはセメントペーストの圧縮強度試験用円柱供試体の作り方」に準拠して圧縮強度試験を行った。具体的には、φ5×高さ10cmの型枠に各実施例および各比較例の注入材を充填し、20℃で28日間封緘養生した後、JIS A 1216「土の一軸圧縮試験方法」に準拠して、圧縮強度試験を実施した。
<A液の物性について>
=A液(No.1)=
上記(1)〜(3)の材料と水とを下記表1に記載の配合で混合してA液を作製し、該A液を用いて、フロー値およびブリーディング率を測定した。また、A液作製1日後の硬化状況を評価した。測定結果および評価結果については、下記表1に示す。
=A液(No.2)=
上記(9)の材料を用いて、フロー値およびブリーディング率を測定した。また、A液作製1日後の硬化状況を評価した。測定結果および評価結果については、下記表1に示す。
<B液の物性について>
=B液(No.1)=
上記(4),(5)の材料と水とを下記表2に記載の配合で混合してB液とし、該B液を用いて、フロー値を測定した。測定結果については、下記表2に示す。
=B液(No.2)=
上記(4)の材料と水とを下記表3に記載の配合で混合してB液とし、該B液を用いて、フロー値を測定した。測定結果については、下記表2に示す。
Figure 0006198138
Figure 0006198138
表1を見ると、A液(No.1)の方が作製1日後においても硬化することなく流動性を有することが認められる。つまり、セメントミルクを用いることなく、高炉スラグおよびベントナイトを用いたA液(No.1)の方が長時間に亘って圧送可能な流動性を有する。また、A液(No.1)の方が作製後にブリーディングが生じないことが認められ、固液分離しにくいものであることが認められる。
表2を見ると、B液(No.1)の方がフロー値が高いことが認められる。具体的には、アルミン酸ナトリウムが可塑助剤として機能するため、消石灰が可塑助剤として消費されない。このため、消石灰の使用量を低減することができ、消石灰が多量に含有されることによるB液の流動性の低下を抑制することができる。
<可塑助剤について>
上記(1)〜(4)の材料と、(5)〜(8)の材料(可塑助剤)を用いて、下記表3に示す配合で、A液およびB液を作製した。そして、A液とB液とが1:0.16の体積比となるように混合して注入材を得た。
得られた注入材を用いてフロー値および圧縮強度(材齢1日、7日、28日)の測定を行った。フロー値については、80〜120mmを「◎」、120〜150mmを「○」、150mmを超えるものを「×」とした。圧縮強度については、10kN/m2 以上を「○」とし、10kN/m2 以下を「未硬化」とした。測定結果については、下記表4に示す。
Figure 0006198138
Figure 0006198138
表4を見ると、各実施例の方が、フロー値が低く、且つ、各材齢において圧縮強度が高いことが認められる。つまり、可塑助剤としてアルミン酸塩以外を用いた場合よりも、アルミン酸塩を使用することで、良好な可塑性状を有する可塑性注入材を得ることができると共に、可塑性注入材が硬化した際に高い圧縮強度を得ることができる。
<A液およびB液の配合について>
上記(1)〜(5)の材料を用いて、下記表5に示す配合で、A液およびB液を作製した。そして、A液とB液とを混合して注入材を得た。なお、アルミン酸ナトリウムのカッコ内の数値は、ベントナイト100質量部に対する割合である。
得られた注入材を用いてフロー値および圧縮強度(材齢1日、7日、28日)の測定を行った。フロー値については、80〜120mmを「◎」、120〜150mmを「○」、150mmを超えるものを「×」とした。圧縮強度については、10kN/m2 以上を「○」とし、10kN/m2 未満を「未硬化」とした。測定結果については、下記表6に示す。
Figure 0006198138
Figure 0006198138
<まとめ>
表6を見ると、各実施例の方がフロー値が150mm以下であり、且つ、材齢1日の圧縮強度が10kN/m2 以上となることが認められる。言い換えれば、各比較例は、フロー値が150mm未満になるか、又は、材齢1日の圧縮強度が10kN/m2 未満になることが認められる。
つまり、A液における高炉スラグに対して、B液における消石灰の含有量を本発明の範囲に設定すると共に、A液におけるベントナイトに対して、B液におけるアルミン酸塩の含有量を本発明の範囲に設定することで、良好な可塑性状を有すると共に、材齢1日目においても良好な圧縮強度を示す可塑性注入材を得ることができる。

Claims (4)

  1. 高炉スラグとベントナイトと水とを含有するA液と、消石灰と水とを含有するB液とが混合されて形成される可塑性注入材であって、
    A液は、高炉スラグ100質量部に対してベントナイトを35質量部以上60質量部以下含有しており、
    B液は、A液中のベントナイト100質量部に対して3質量部以上12質量部以下のアルミン酸塩を更に含有すると共に、A液中の高炉スラグ100質量部に対して消石灰が5質量部以上20質量部以下となるように構成されることを特徴とする可塑性注入材。
  2. フロー値が150mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の可塑性注入材。
  3. 材齢1日目の圧縮強度が10kN/m2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可塑性注入材。
  4. 高炉スラグとベントナイトと水とを含有するA液と、消石灰と水とを含有するB液とを混合して可塑性注入材を形成する可塑性注入材の製造方法であって、
    A液は、高炉スラグ100質量部に対してベントナイトを35質量部以上60質量部以下含有しており、
    B液は、A液中のベントナイト100質量部に対して3質量部以上12質量部以下のアルミン酸塩を更に含有すると共に、A液中の高炉スラグ100質量部に対して消石灰が5質量部以上20質量部以下となるように構成されることを特徴とする可塑性注入材の製造方法。
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