JP6197701B2 - 架橋性組成物、硬化物の製造方法、および硬化物 - Google Patents

架橋性組成物、硬化物の製造方法、および硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、ヒドロキシアルキルアミドと、有機溶剤と、カルボキシ基を有する樹脂とからなる架橋性組成物、およびその組成物を加熱することでなる硬化物に関する。
架橋剤を用いて樹脂組成物を硬化させることで、樹脂の耐熱性、機械特性、密着性、耐湿性、耐薬品性などを向上させることは様々な用途で幅広く用いられている。
樹脂としてカルボキシ基を有する樹脂を使用する場合は、カルボキシ基と反応しうる官能基からなる架橋剤が用いられる。その官能基は、たとえば、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、エポキシ基、β−ヒドロキシアルキルアミド基、などが挙げられる。
β−ヒドロキシアルキルアミドもカルボキシ基と反応する架橋剤である(特許文献1)。反応時の副生成物は水のみであり、硬化物に与える影響も少なく、作業者や環境にはまったく影響がないメリットがある。また、150℃で硬化させることが可能である。現在市販されているβ−ヒドロキシアルキルアミドとして、エムスケミー社のPrimid XL−552などが挙げられ、主に粉体塗料の架橋剤として用いられている(特許文献2)。
上記記載の市販されているβ−ヒドロキシアルキルアミドを形成するカルボン酸またはその誘導体については、アジピン酸の両端にジエタノールアミンが縮合した構造の4官能型のものである。しかし、市販品は有機溶剤に対する溶解性が非常に悪く、液体塗料として用いられている例は少ない。多数のヒドロキシ基からなる化合物であることや、分子構造全体の結晶性および極性の高さが溶解性を悪化させていると考えられる。ヒドロキシ基が多いため、水性塗料への応用例は一部みられる(特許文献3)が、溶剤系の塗料に応用されている例は見られない。溶解性が悪く均一に混合できていない塗料では膜物性の一部が低下、または、その物性が安定しないといった問題が発生する。
特開昭51−17970号公報 特開2008−255197号公報 特開2009−108299号公報
本発明は上記の現状に鑑みてなされたものであり、有機溶媒に対する溶解性に優れ、カルボキシ基と低い温度で反応する架橋剤である化合物を含む架橋性樹脂組成物、および、その硬化物を提供することを目的とする。
本発明者は、以上の諸問題点を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される化合物と、有機溶剤と、カルボキシ基を有する樹脂とからなる架橋性組成物に関する。
一般式(1)
Figure 0006197701
(式中、Xは、n価の炭素数4以上の直鎖の脂肪族炭化水素基、あるいは、n価の炭素数6以上の脂環式炭化水素基を表し、
nは2〜6の整数である。
Aは、下記一般式(2)、または、下記一般式(3)で表される基を表す。)
一般式(2)
Figure 0006197701
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、または、下記一般式(4)で表される基を表し、
1〜R4のうち、少なくとも1つは、下記一般式(4)で表される基である。)
一般式(3)
Figure 0006197701
(式中、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、または、下記一般式(4)で表される基を表し、
5〜R9のうち、少なくとも1つは、下記一般式(4)で表される基である。)
一般式(4)
Figure 0006197701
(式中、Yは直接結合、または、炭素数1〜3のアルキレン基を表す。)
更に本発明は、Xが炭素数6〜12の直鎖の脂肪族炭化水素基であることを特徴とする、上記架橋性組成物に関する。
更に本発明は、上記架橋性組成物を加熱してなる硬化物の製造方法に関する。
更に本発明は、上記製造方法で得られる硬化物に関する。
本発明により、有機溶媒に対する溶解性に優れ、カルボキシ基と低温で反応する架橋剤である化合物を含む樹脂組成物、その硬化物を提供することができた。
以下、詳細にわたって本発明を説明する。
一般式(1)におけるXは、n価の炭素数4以上の直鎖の脂肪族炭化水素基、あるいは、n価の炭素数6以上の脂環式炭化水素基を表し、nは2〜6の整数であり、Aは、一般式(2)、または、一般式(3)で表される基を表す。
一般式(1)におけるXの、直鎖の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、および、アルキニル基のいずれかからn−1個の水素原子が結合手になったものが挙げられ、本発明ではこれらを、n価のアルキル基、n価のアルケニル基、および、n価のアルキニル基とする。
ここで、炭素数4以上の2価以上のアルキル基としては、1,4−ブチル基、1,5−ペンチル基、1,6−ヘキシル基、1,7−ヘプチル基、1,8−オクチル基、1,9−ノニル基、1,6−デシル基、1,10−デシル基、1,11−ウンデシル基、1,12−ドデシル基、1,13−トリデシル基、1,14−テトラデシル基、1,15−ペンタデシル基、1,16−ヘキサデシル基、1,17−ヘプタデシル基、1,18−オクタデシル基、1,19−ノナデシル基、1,20−イコシル基、1,3,6−ヘキシル基、1,4,7−ヘプチル基、1,2,8−オクチル基、1,3,9−ノニル基、1,3,4,6−ヘキシル基、1,4,6,7−ヘプチル基、1,4,5,6,7−ヘプチル基、1,2,3,4,5,6−ヘキシル基などが挙げられる。
また、炭素数4以上の2価以上のアルケニル基としては、1,4−(2−ブテニル)基、1,5−(2−ペンテニル)基、1,6−(2−ヘキセニル)基、1,7−(2−ヘプテニル)基、1,8−(2−オクテニル)基、1,9−(2−ノネニル)基、1,10−(2−デセニル)基、1,11−(2−ウンデセニル)基、1,12−(2−ドデセニル)基、1,13−(2−トリデセニル)基、1,14−(2−テトラデセニル)基、1,15−(2−ペンタデセニル)基、1,16−(2−ヘキサデセニル)基、1,17−(2−ヘプタデセニル)基、1,18−(2−オクタデセニル)基、1,19−(2−ノナデセニル)基、1,3,6−(2−ヘキセニル)基、1,4,7−(3−ヘプセニル)基、1,2,8−(4−オクテニル)基、1,3,9−(5−ノネニル)基、1,3,4,6−(2−ヘキセニル)基、1,4,6,7−(3−ヘプセニル)基、1,4,5,6,7−(3−ヘプセニル)基などが挙げられる。
また、炭素数4以上の2価以上のアルキニル基としては、1,4−(2−ブチニル)基、1,5−(2−ペンチニル)基、1,6−(2−ヘキシニル)基、1,7−(2−ヘプシニル)基、1,8−(2−オクチニル)基、1,9−(2−ノニル)基、1,10−(2−デシニル)基、1,11−(2−ウンデシニル)基、1,12−(2−ドデシニル)基、1,13−(2−トリデシニル)基、1,14−(2−テトラデシニル)基、1,15−(2−ペンタデシニル)基、1,16−(2−ヘキサデシニル)基、1,17−(2−ヘプタデシニル)基、1,18−(2−オクタデシニル)基、1,19−(2−ノナデシニル)基、1,3,6−(2−ヘキシニル)基、1,4,7−(3−ヘプシニル)基、1,2,8−(4−オクシニル)基、1,3,9−(5−ノニル)基、1,3,4,6−(2−ヘキシニル)基、1,4,6,7−(3−ヘプシニル)基、1,4,5,6,7−(3−ヘプシニル)基などが挙げられる。
一般式(1)における脂環式炭化水素基としては、シクロアルキル基、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基などの1価の基からn−1個の水素原子が結合手になったものが挙げられる。
ここで、炭素数6以上の2価以上の脂環式炭化水素基としては、1,1−シクロヘキシル基、1,2−シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキシル基、1,4−シクロヘキシル基、1,2,4−シクロヘキシル基、1,3,5−シクロヘキシル基、1,2,4,5−シクロヘキシル基、1、2,3,4,5,6−シクロヘキシル基、2,6−デカヒドロナフチル基、1,3−アダマンチル基、1、3、5ーアダマンチル基などが挙げられる。
一般式(1)中のXにおいて、好ましくは、炭素数6〜20の直鎖の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、炭素数6〜12の直鎖の脂肪族炭化水素基である。炭素数20を超えるとロウ状固体となり、有機溶剤や樹脂への溶解性が低下する恐れがある。
一般式(1)中のnにおいて、好ましくは、n=2であり、さらに好ましくは、n=2であって炭素数6〜12の直鎖の脂肪族炭化水素基の両末端の水素原子が結合手になったものである。
一般式(4)中における、炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から、1個の水素原子を除いてできる二価の基を挙げることができる。
本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物の代表例を、以下の表1に示すが、本発明は、この代表例に限定されるものではない。
表1
Figure 0006197701
Figure 0006197701
Figure 0006197701
本発明の一般式(1)で表される化合物は、2価以上のカルボン酸またはその誘導体と、ヒドロキシル基を有するアミンとをアミド化することで製造することができる。
ヒドロキシル基を有するアミンと、カルボン酸またはその誘導体とをアミド化する方法は様々あるが、カルボン酸の場合は水、カルボン酸エステルの場合はアルコール、カルボン酸無水物またはハロゲン化物の場合は酸を取り除くことで反応を進行させることができる。水やアルコールの場合は加熱または減圧、あるいはその両方により反応系外へ留去することが容易である。酸の場合はトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの塩基によって取り除くことができる。
上記アミド化の際に触媒を使用することができる。たとえば、硫酸、塩酸、硝酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどの無機塩基触媒、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンなどのアミン類や、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシドなどのアルコキシド類をはじめとする有機塩基触媒、鉄(III)、ジルコニウム(IV)、スカンジウム(III)、チタン(IV)、スズ(IV)、ハフニウム(IV)などの金属イオンを含む塩や錯体、ジフェニルアンモニウムトリフラート、ペンタフルオロフェニルアンモニウムトリフラートなどのアンモニウム塩、などが挙げられる。
上記アミド化反応において、必要に応じて溶媒や触媒を使用することができる。使用する溶媒は、アルコール、アミン、カルボン酸など反応基質と反応する溶媒以外であれば使用できる。たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、などが挙げられる。
特にカルボン酸とのアミド化において、縮合剤を用いて行うことができる。縮合剤とは、カルボン酸またはアミンを活性化させ、エステル化反応を温和な条件で行うことができると同時に、副生成物の水は縮合剤と結合して別の化合物となるため、触媒作用と水除去作用を兼ね備えた化合物である。このような縮合剤としては、たとえば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、p−トルエンスルホニルクロリド、1−エチル−3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、カルボニルジイミダゾール、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、2,4,6−トリクロロ安息香酸クロリド、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、4−ボロノピリジニウム塩、などが挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、有機溶剤に可溶であることが特徴である。
ここでの有機溶剤としては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、オクタン、シクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、などが挙げられる。
本発明の架橋性組成物は、さらに、必要に応じて、非反応性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、併用する硬化剤、光開始剤、増感剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、無機フィラー、接着付与剤、などの添加剤を加えてもよい。
本発明の架橋性組成物を、各種基材の片面または両面に塗布し、もしくは金型等を用いて成形後、必要に応じて加熱乾燥後、100〜200℃において加熱硬化させることで目的の硬化物を得ることができる。基材としては、たとえば、ガラス、セラミック、ポリカーボネート、ポリエステル、ウレタン、アクリル、ポリアセテートセルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリビニルアルコール、ステンレス等の各種金属、などが挙げられる。
本発明の架橋性組成物の加熱硬化温度として、好ましくは、100℃〜180℃であり、より好ましくは100℃〜150℃であり、更に好ましくは100℃〜140℃で加熱することである。
次に、本発明のカルボキシ基を有する樹脂は、樹脂の末端および/または側鎖にカルボキシ基からなる樹脂である。樹脂は直鎖、分岐、星状を問わない。たとえば、カルボキシ基末端の樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、アクリル、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどが挙げられ、側鎖にカルボキシ基を有する樹脂としては、アクリル、ポリウレタンなどが挙げられる。
以下に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」を意味する。
実施例中のNMR測定はすべて、JEOL社製のJNM−ECX400Pを用いて1H−NMR測定をDMSO−d6中で行った。数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)は東ソー社製のGPC−8020によって測定したポリスチレン換算の値である。
実施例中のIR測定はすべて、PerkinElmer社製のSpectrum Oneを用いて行った。
以下、実施例における化合物番号は表1における化合物番号を示す。
合成例1 化合物1の合成I
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、アジピン酸(ヘキサン二酸)146部、2−ピペリジンメタノール230部、水酸化カリウム2部、トルエン200部を入れ、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、窒素を吹き込みながら加熱還流させ、共沸によって生成する水を除去した。4時間後、トルエンをすべて除去し、1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃まで降温した後、得られた均一な淡黄色透明の溶液を取り出した。
合成例2 化合物1の合成II
窒素雰囲気下、攪拌機、温度計、ディーンスターク管、還流冷却器、減圧装置を備えた反応容器に、アジピン酸ジメチル(ヘキサン二酸ジメチル)174部、2−ピペリジンメタノール230部、ナトリウムメトキシド3部を入れ、常圧状態で内温が90℃になるまで加熱攪拌した。内温が90℃に達したら、500hPaの減圧状態で2時間加熱攪拌し、生成するメタノールを留去しながら反応を進行させた。2時間後、200hPaの減圧状態でさらに1時間加熱攪拌し、残存するメタノールを全て留去した。1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃まで降温した後、得られた均一な淡黄色透明の溶液を取り出した。
合成例3 化合物1の合成III
窒素雰囲気下、攪拌機、温度計、ディーンスターク管、還流冷却器、減圧装置を備えた反応容器に、アジピン酸ジメチル(ヘキサン二酸ジメチル)174部、2−ピペリジンメタノール230部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン8部を入れ、常圧状態で内温が90℃になるまで加熱攪拌した。内温が90℃に達したら、500hPaの減圧状態で2時間加熱攪拌し、生成するメタノールを留去しながら反応を進行させた。2時間後、200hPaの減圧状態でさらに1時間加熱攪拌し、残存するメタノールを全て留去した。1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃まで降温した後、得られた均一な淡黄色透明の溶液を取り出した。
化合物2〜21についても、上記合成例と同様の操作により合成した。
樹脂合成例1 カルボキシ基を有する樹脂の合成1
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にメチルエチルケトンを500部入れ、窒素を吹き込みながら70℃で1時間加熱攪拌した。その後、ブチルアクリレート374.4部、アクリル酸25.6部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)11.4部、メチルエチルケトン100部を混合した溶液を滴下装置から2時間かけて滴下した。さらに70℃で2時間反応させ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.1部とメチルエチルケトン10部からなる溶液を加え、さらに1時間攪拌した。できた樹脂溶液は固形分NV=39.1%、数平均分子量Mn=16,000、重量平均分子量Mw=34,000、酸価AV=50.2mgKOH/gであった。
樹脂合成例2 カルボキシ基を有する樹脂の合成2
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、クラレポリオールP−1010(クラレ(株)社製 水酸基価112mgKOH/g)を1002部、ジメチロールブタン酸237部、イソホロンジイソシアネート576部、メチルエチルケトン1815部を仕込み、窒素気流下で80℃まで昇温した。その後ジブチル錫ジラウレートを0.1部加えた。4時間反応させたのち、IRを測定し2270cm-1付近のイソシアネート由来のピークが消失したことを確認した。できた樹脂溶液は固形分NV=39.9%、数平均分子量Mn=23,000、重量平均分子量Mw=51,000、酸価AV=50.0mgKOH/gであった。
まず、本願発明の架橋性組成物について、有機溶媒に対する溶解性を試験した。
実施例1
化合物1を10部、溶剤60部、樹脂合成例1で合成した樹脂溶液から溶剤を取り除いた樹脂40部を混合した。溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、トルエンを用いた。このときに均一な液体として得られたものは○、濁りのあるものは△、固体が沈殿した場合は×とした。
実施例2〜21
化合物1の代わりに、化合物2〜21を使用した以外は、実施例1と同様に試験を行った。
比較例1
化合物1の代わりに、化合物A(Primid XL−552(エムスケミー社製のアジピン酸置換β−ヒドロキシアルキルアミド))を用いた以外は、実施例1と同様に試験を行った。
Figure 0006197701
実施例1〜21および比較例1の結果を表2にまとめた。
表2
Figure 0006197701
本願発明の架橋性組成物である実施例1〜21は、一般式(1)で表される化合物がMEK、酢酸エチル、トルエンのどの有機溶剤を用いても高い溶解度を示したのに対し、従来用いられてきた化合物Aを用いた組成物である比較例1は、化合物Aがいずれの有機溶剤にもほとんど溶解しなかった。
実施例22
化合物1を用いた架橋性組成物の硬化性試験(1)および保存安定性試験(1)を行った。
硬化性試験(1)は次のように行った。化合物1と樹脂合成例1のカルボキシ基を有する樹脂溶液を、化合物1のヒドロキシ基と、カルボキシ基を有する樹脂のカルボキシ基とのモル比が1:1になるように配合し架橋性組成物を作製した。この溶液1gをアルミ容器に入れた。この容器を120℃、150℃、180℃のオーブンにそれぞれ1時間入れ、樹脂を硬化させた。硬化膜を、金属メッシュで覆い、メチルエチルケトンで24時間浸した。その後、アルミ容器を60℃で3時間乾燥し、アルミ容器への硬化膜の残存率を測定した。膜の残存率が0〜20%の膜を×、21〜40%の膜を△、41〜80%の膜を○、81〜100%の膜を◎とした。
保存安定性試験(1)は次のように行った。硬化性試験(1)で用いた架橋性組成物の粘度を測定した。その後、40℃で1週間保存し、1週間後の粘度を測定した。試験前の粘度と比較して粘度変化が5%以内のものを○、5%以上増加したものを×とした。
実施例23〜42
化合物1の代わりに、化合物2〜21を使用した以外は、実施例22と同様に試験を行った。
比較例2
化合物1の代わりに、化合物A(Primid XL−552、エムスケミー社製のアジピン酸置換β−ヒドロキシアルキルアミド)を用いた以外は、実施例43と同様に試験を行った。
実施例22〜42および比較例2の結果を表3にまとめた。
表3
Figure 0006197701
実施例22〜42は硬化試験(1)、保存安定性試験(1)全てにおいて良好であった。
比較例2は市販のアジピン酸にβ−ヒドロキシアルキルアミドが置換した誘導体を使用した例であるが、比較例1の結果にあるように、メチルエチルケトン(MEK)に対する溶解性が乏しく、硬化性試験(1)おいても、本発明の化合物と比較して硬化性が劣るという結果が得られた。
実施例43
化合物1を用いた架橋性組成物の硬化性試験(2)、保存安定性試験(2)を行った。
硬化性試験(2)は次のように行った。化合物1と樹脂合成例2のカルボキシ基を有する樹脂溶液を、化合物1のヒドロキシ基と、カルボキシ基を有する樹脂のカルボキシ基とのモル比が1:1になるように配合し架橋性組成物を作製した。この溶液1gをアルミ容器に入れた。この容器を120℃、150℃、180℃のオーブンにそれぞれ1時間入れ、樹脂を硬化させた。硬化膜を、金属メッシュで覆い、メチルエチルケトンで24時間浸した。その後、アルミ容器を60℃で3時間乾燥し、アルミ容器への硬化膜の残存率を測定した。膜の残存率が0〜20%の膜を×、21〜40%の膜を△、41〜80%の膜を○、81〜100%の膜を◎とした。
保存安定性試験(2)は次のように行った。硬化性試験(2)で用いた架橋性組成物の粘度を測定した。その後、40℃で1週間保存し、1週間後の粘度を測定した。試験前の粘度と比較して粘度変化が5%以内のものを○、5%以上増加したものを×とした。
実施例44〜63
化合物1の代わりに、化合物2〜21を使用した以外は、実施例43と同様に試験を行った。
比較例3
化合物1の代わりに、化合物A(Primid XL−552、エムスケミー社製のアジピン酸置換β−ヒドロキシアルキルアミド)を用いた以外は、実施例85と同様に試験を行った。
実施例43〜63および比較例3の結果を表4にまとめた。
表4
Figure 0006197701
実施例43〜63は硬化性試験(2)、保存安定性試験(2)全てにおいて良好であった。
比較例3は市販のアジピン酸にβ−ヒドロキシアルキルアミドが置換した誘導体を使用した例であるが、比較例1の結果にあるように、メチルエチルケトン(MEK)に対する溶解性が乏しく、硬化性試験(2)おいても、本発明の化合物と比較して硬化性が劣るという結果が得られた。
以上のことから、本発明の一般式(1)で表される化合物を用いた架橋性組成物は、有機溶剤に対する溶解性、硬化性、保存安定性に優れていることが明らかとなった。
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性の印刷インキ、塗料、コーティング剤、粘接着剤、成形材料、光硬化性材料に使用することができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と、有機溶剤と、カルボキシ基を有する樹脂とからなる架橋性組成物。
    一般式(1)
    Figure 0006197701
    (式中、Xは、n価の炭素数4以上の直鎖の脂肪族炭化水素基、あるいは、n価の炭素数6以上の脂環式炭化水素基を表し、
    nは、2〜6の整数であり、
    Aは、下記一般式(2)、または、下記一般式(3)で表される基を表す。)
    一般式(2)
    Figure 0006197701
    (式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、または、下記一般式(4)で表される基を表し、R1〜R4のうち、少なくとも1つは、下記一般式(4)で表される基である。)
    一般式(3)
    Figure 0006197701
    (式中、R5〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、または、下記一般式(4)で表される基を表し、R5〜R9のうち、少なくとも1つは、下記一般式(4)で表される基である。)
    一般式(4)
    Figure 0006197701
    (式中、Yは、直接結合、または、炭素数1〜3のアルキレン基を表す。)
  2. Xが炭素数6〜12の直鎖の脂肪族炭化水素基であることを特徴とする請求項1記載の架橋性組成物。
  3. 請求項1または2記載の架橋性組成物を加熱してなる硬化物の製造方法。
  4. 請求項1または2記載の架橋性組成物を加熱してなる硬化物。
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