JP5257528B2 - 架橋性組成物 - Google Patents

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本発明は、有機溶剤可溶な変性β−ヒドロキシアルキルアミドとカルボキシ基を有する樹脂との組成物、およびその組成物を加熱することでなる硬化物に関する。
架橋剤を用いて樹脂組成物を硬化させることで、樹脂の耐熱性、機械特性、密着性、耐湿性、耐薬品性などを向上させることは様々な用途で幅広く用いられている。
樹脂としてカルボキシ基を有する樹脂を使用する場合は、カルボキシ基と反応しうる官能基を有する架橋剤が用いられる。その官能基は、たとえば、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、エポキシ基、β−ヒドロキシアルキルアミド基、などが挙げられる。
イソシアネート基を有する架橋剤を使用した場合、イソシアネート基とカルボキシ基は130℃以上で反応すると言われている。しかし、イソシアネート基は樹脂中のOH基や水、アルコールとの反応性がより高いため、配合時に溶剤にアルコールを使用する場合や、水が含まれる溶剤を使用する場合には、カルボキシ基と反応する前に水やアルコールと反応してしまうため使用できない。また、配合後の長期間保存も空気中の水分と反応してしまうため、1液化するのは困難である。
上記の問題を解決するためにブロックイソシアネートを使用する例もあるが、ブロック化剤が硬化物に残存することで物性に悪影響を与えることがある。また、ブロック化剤によっては加熱硬化時にブロック化剤が空気中に飛散し、作業者あるいは環境に悪影響を与える懸念がある。ブロック化剤が外れて硬化する温度よりも沸点が高いアルコール系の溶剤を使用する場合も、樹脂に含まれるカルボキシ基よりも先にアルコール系溶剤と反応してしまうため、このような溶剤は使用できない。
また、エポキシ基を有する架橋剤はイソシアネートと並んでカルボキシ基を有する樹脂を架橋するときに汎用的に用いられており、多くの種類が市販されている。エポキシ基とカルボキシ基の反応では副生成物が存在せず、ブロックイソシアネートのブロック化剤のような悪影響は起こさないと考えられる。無触媒ではあまり反応が進まないが、3級アミンや4級アンモニウム塩などを触媒として添加することで、150℃以下の温度で硬化させることが可能である。しかし、添加する触媒の影響で室温でも反応が少しずつ進行してしまい、保存安定性が悪いという問題がある。
β−ヒドロキシアルキルアミドもカルボキシ基と反応する架橋剤である(特許文献1)。反応時の副生成物は水のみであり、硬化物に与える影響も少なく、作業者や環境にはまったく影響がないメリットがある。また、150℃で硬化させることが可能である。現在市販されているβ−ヒドロキシアルキルアミドとして、エムスケミー社のPrimid XL−552などが挙げられ、主に粉体塗料の架橋剤として用いられている(特許文献2)。
しかし、市販されているβ−ヒドロキシアルキルアミドは非常に溶解性が悪く、液体塗料として用いられている例は少ない。多数のヒドロキシ基を有する化合物、結晶性が高さと極性の高さが溶解性を悪化させていると考えられる。ヒドロキシ基が多いため、水性塗料への応用例は一部みられる(特許文献3)が、溶剤系の塗料に応用されている例は見られない。溶解性が悪く均一に混合できていない塗料では膜物性の一部が低下、または、その物性が安定しないといった問題が発生する。
特開昭51−17970号公報 特開2008−255197号公報 特開2009−108299号公報
本発明は上記の現状に鑑みてなされたものであり、有機溶剤に可溶であり、カルボキシ基と反応する架橋剤である有機溶剤可溶なβ−ヒドロキシアルキルアミドを含む樹脂組成物、および、その硬化物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、(A)カルボキシ基を有する樹脂と、下記一般式(1)で示される(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドと、有機溶剤とからなる樹脂組成物に関する。
一般式(1)
Figure 0005257528


ここで、Xは炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、またはハロゲンいずれかを含むn価の基であるが、カルボニル基に直接結合するX中の原子が炭素原子である官能基を表し、nは2〜6の整数であり、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、一般式(2)で表される基、または一般式(3)で表される基を表し、分子中少なくとも1つは一般式(2)で表される基、分子中少なくとも1つは一般式(3)で表される基である。
一般式(2)
Figure 0005257528


一般式(3)
Figure 0005257528


ここで、R3〜R6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、またはヒドロキシ基で置換された炭化水素基を表し、R7はヒドロキシ基と反応しうる官能基を有する化合物の残基を表す。
また本発明は、カルボニル基と直接結合するX中の原子が、芳香環を形成する炭素原子ではないことを特徴とする上記樹脂組成物に関する。
また本発明は、上記ヒドロキシ基と反応しうる官能基を有する化合物が、ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ有するものであることを特徴とする上記樹脂組成物に関する
また本発明は、上記ヒドロキシ基と反応しうる官能基を有する化合物が、単官能のイソシアネート、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、のいずれかであることを特徴とする上記樹脂組成物に関する
また本発明は、一般式(3)中のR7が一般式(4)または一般式(5)で表されることを特徴とする上記樹脂組成物に関する。
一般式(4)
Figure 0005257528


ここで、R8は単結合;(m1+1)価の炭化水素基;または、ウレタン結合、ウレア結合、アロファネート結合、ビウレット結合、およびイソシアヌレート環のうち少なくとも1つと、炭素原子と、水素原子とからなる(m1+1)価の基を表し、A1は単結合、ウレタン結合またはウレア結合を表し、R9は2価の炭化水素基を表し、A2はエーテル結合またはエステル結合を表し、R10は1価の炭化水素基を表し、m1は1〜5の整数を表し、p1は0〜100の整数を表す。
一般式(5)
Figure 0005257528


ここで、R11は単結合;(m2+1)価の炭化水素基、;または炭素原子、水素原子、および酸素原子からなる(m2+1)価の基を表し、A3は単結合、エステル結合、またはアミド結合を表し、R12は2価の炭化水素基を表し、A4はエーテル結合またはエステル結合を表し、R13は1価の炭化水素基を表し、m2は1〜5の整数を表し、p2は0〜100の整数を表す。
また本発明は、一般式(1)中のXが、炭素数6〜60の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜60の脂環式炭化水素基であることを特徴とする上記樹脂組成物に関する。
また本発明は、上記樹脂組成物を加熱してなる硬化物に関する。
本発明により、有機溶剤に可溶であり、カルボキシ基と反応する架橋剤である有機溶剤可溶なβ−ヒドロキシアルキルアミドを含む樹脂組成物、および、その硬化物を提供することができた。

図1は実施例1の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドのIRスペクトルである。
本発明の( A ) カルボキシ基を有する樹脂は、樹脂の末端および/ または側鎖にカルボキシ基を有する樹脂である。樹脂は直鎖、分岐、星状を問わない。たとえば、カルボキシ末端のポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、アクリル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、側鎖にカルボキシを有するアクリル樹脂、などが挙げられる。
β−ヒドロキシアルキルアミドは、一般式(1)で表される化合物である。
式中、Xは炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、またはハロゲンいずれかを含むn価の基であるが、カルボニル基に直接結合するX中の原子が炭素原子である官能基を表し、nは2〜6の整数であり、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、1価の炭化水素基、一般式(2)で表される基、または一般式(3)で表される基を表し、分子中少なくとも1つは一般式(2)で表される基、分子中少なくとも1つは一般式(3)で表される基である。

ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、透明性の観点からはフッ素が好ましい。難燃性を付与する観点からは塩素、臭素が好ましい。
n価の基とは化合物からn個の水素原子を取り除くことで得られる基である。以下これを化合物に由来するn価の基という。
n価の基としては、例えば、n価の炭化水素基がある。
本発明において炭化水素基とは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、およびこれらの組み合わせをいう。
n価の脂肪族炭化水素基としては、アルカン、アルケン、アルキンに由来するn価の基が挙げられる。
アルカンとしては、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘプタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、メチルペンタン、ジメチルペンタン、エチルメチルペンタン、ジエチルペンタン、メチルヘキサン、テトラメチルヘプタン、等が挙げられる。アルカンに由来するn価の基として、例えば、1,6−ヘキシル基、1,7−ヘプチル基、1,8−オクチル基、1,9−ノニル基、1,10−デシル基、1,11−ウンデシル基、1,12−ドデシル基、1,13−トリデシル基、1,14−テトラデシル基、1,15−ペンタデシル基、1,16−ヘキサデシル基、1,17−ヘプタデシル基、1,18−オクタデシル基、1,19−ノナデシル基、1,3,6−ヘキシル基、1,4,7−ヘプチル基、1,2,8−オクチル基、1,3,9−ノニル基、1,3,4,6−ヘキシル基、1,4,6,7−ヘプチル基、1,4,5,6,7−ヘプチル基、1,2,3,4,5,6−ヘキシル基が挙げられる。
アルケンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドセン、トリデセン、テトラセン、ペンタデセン、ヘプタデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、ノナデセン、イコセン、ヘンイコセン、ドコセン、メチルペンテン、等が挙げられる。アルキンに由来するn価の基としては、例えば、1,6−(2−ヘキセニル)基、1,7−(2−ヘプテニル)基、1,8−(2−オクテニル)基、1,9−(2−ノネニル)基、1,10−(2−デセニル)基、1,11−(2−ウンデセニル)基、1,12−(2−ドデセニル)基、1,13−(2−トリデセニル)基、1,14−(2−テトラデセニル)基、1,15−(2−ペンタデセニル)基、1,16−(2−ヘキサデセニル)基、1,17−(2−ヘプタデセニル)基、1,18−(2−オクタデセニル)基、1,19−(2−ノナデセニル)基、1,3,6−(2−ヘキセニル)基、1,4,7−(3−ヘプセニル)基、1,2,8−(4−オクテニル)基、1,3,9−(5−ノネニル)基、1,3,4,6−(2−ヘキセニル)基、1,4,6,7−(3−ヘプセニル)基、1,4,5,6,7−(3−ヘプセニル)基が挙げられる。
アルキンとしては、エチン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ペプチン、オクチン、ノニン、デシン、ウンデシン、ドデシン、トリデシン、イコシン、ヘンイコシン、ドコシン、等が挙げられる。アルケンに由来するn価の基としては、例えば、1,6−(2−ヘキシニル)基、1,7−(2−ヘプシニル)基、1,8−(2−オクシニル)基、1,9−(2−ノニル)基、1,10−(2−デシニル)基、1,11−(2−ウンデシニル)基、1,12−(2−ドデシニル)基、1,13−(2−トリデシニル)基、1,14−(2−テトラデシニル)基、1,15−(2−ペンタデシニル)基、1,16−(2−ヘキサデシニル)基、1,17−(2−ヘプタデシニル)基、1,18−(2−オクタデシニル)基、1,19−(2−ノナデシニル)基、1,3,6−(2−ヘキシニル)基、1,4,7−(3−ヘプシニル)基、1,2,8−(4−オクシニル)基、1,3,9−(5−ノニル)基、1,3,4,6−(2−ヘキシニル)基、1,4,6,7−(3−ヘプシニル)基、1,4,5,6,7−(3−ヘプシニル)基が挙げられる。
n価の脂環式炭化水素基としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、トリメチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ノルボルナン、ノルボルネン、ビシクロオクテン、、デカヒドロナフタレン、アダマンタン、ジメチルアダマンタン、等に由来するn価の基が挙げられる。例えば、1,1−シクロヘキシル基、1,2−シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキシル基、1,4−シクロヘキシル基、1,2,4−シクロヘキシル基、1,3,5−シクロヘキシル基、1,2,4,5−シクロヘキシル基、1、2,3,4,5,6−シクロヘキシル基、2,6−デカヒドロナフチル基、1,3−アダマンチル基、1、3、5ーアダマンチル基が挙げられる。
n価の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、ジフェニルエタン、ジフェニルアセチレン、9,9−ジフェニルフルオレン、等に由来するn価の基が挙げられる。例えば、カルボニル基に結合する炭素原子が芳香環に含まれる基としては、フェニレン基、トリレン基、が挙げられる。カルボニル基に結合する炭素原子が芳香環に含まれない基としては、トルエン−α,α−ジイル基、エチルベンゼン−α,β−ジイル基、エチルベンゼン−β,β−ジイル基、1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジイル基、等が挙げられる。
また、ヘテロ原子(酸素、硫黄、窒素、ハロゲン)を有するn価の基としては、エタノール、エチレングリコール、エチレンジアセテート、エチレンジピバレート、エチレンジベンゾエート、エチレンビス(メチルベンゾエート)、エチレンビス(メトキシベンゾエート)、プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、エリスリトール、エチレンオキシド、アセトアルデヒド、アセトン、ジプロピルケトン、γ−ペンタデカノラクトン、1,2−シクロヘキサン、γ−ブチロラクトン、エチルアミン、エチルメチルアミン、プロピルアミン、N−プロピルアセトアミド、エタンチオール、エタンジチオール、テトラフルオロエタン、ジブロモエタン、ヘキサフルオロプロパン、オクトフルオロブタン、ドデカフルオロヘキサン、ヘキサデカフルオロオクタン、1,2,3,4,7,7−ヘキサクロロノルボルネン、アニソール、フルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラフロロベンゼン、ブロモベンゼン、テトラブロモベンゼン、ニトロベンゼン、フェノール、アニリン、ベンゼンスルホン酸、アントラキノン、ブタンホスホン酸、トリエチルトリアジン、トリプロピルトリアジン、トリエチルイソシアヌレート、トリプロピルイソシアヌレート、ベンゾフェノン、チオフェン、ジエチルスルフィド、ジフェニルスルホン、2,2−ジフェニル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ジフェニルエーテル、等に由来するn価の基が挙げられる。
反応性の観点から、カルボニル基と結合するX中の原子が、芳香環を形成しないことが好ましい。
また、炭素数6〜60の直鎖脂肪族炭化水素基、あるいは、脂環式炭化水素基が好ましく、より好ましくは、炭素数6〜18の直鎖の脂肪族炭化水素基、あるいは、脂環式炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数6〜12の直鎖の脂肪族炭化水素基、あるいは、脂環式炭化水素基であり、特に好ましくは、炭素数6〜12の直鎖の脂肪族炭化水素基である。
一般式(1)中のR1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、1価の炭化水素基、一般式(2)で表される基、または一般式(3)で表される基を表し、分子中少なくとも1つは一般式(2)で表される基、分子中少なくとも1つは一般式(3)で表される基である。
1価の炭化水素基としては前述した炭化水素基のうち1価のものが挙げられる。
1価の炭化水素基として好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基、1−デセニル基、1−オクタデセニル基、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、1−オクタデシニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基、2−インデノ基、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ジシクロペンタニル基、、フェニル基、ベンジル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基等が挙げられる。
一般式(2)および一般式(3)中のR3〜R6はそれぞれ、水素原子、1価の炭化水素基、または、ヒドロキシ基で一部置換された炭化水素基を表す。
1価の炭化水素基としては前述した1価の炭化水素基が挙げられる。
ヒドロキシ基で置換された1価の炭化水素基としてはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシシクロヘキシル基、などが挙げられる。
7はヒドロキシ基と反応しうる官能基を有する化合物の残基を表す。
本発明の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドは種々の方法で製造することが可能である。以下に主な製造方法を挙げる。
[1](b−1)2価以上のカルボン酸またはその誘導体と、(b−2)β位にヒドロキシ基を1つ以上有する1級または2級アミンと、をアミド化してなる(b−3)β−ヒドロキシアルキルアミドのヒドロキシ基の一部を、(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物と反応させる。
[2](b−2)β位にヒドロキシ基を1つ以上有する1級または2級アミンのヒドロキシ基の一部に、(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物を反応させたのちに、(b−1)2価以上のカルボン酸またはその誘導体とアミド化する。
[3](b−2)β位にヒドロキシ基を1つ以上有する1級または2級アミンのアミノ基を保護し、(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能
基を1つ以上有する化合物を反応させる。この化合物の保護基を外した後に(b−1)2価以上のカルボン酸またはその誘導体とアミド化する。
製造にかかるコスト、反応の容易さなどを鑑みると、上記[1]の(b−1)2価以上のカルボン酸またはその誘導体と、(b−2)β位にヒドロキシ基を1つ以上有する1級または2級アミンと、をアミド化してなる(b−3)β−ヒドロキシアルキルアミドのヒドロキシ基の一部を、(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物と反応させる方法が好ましい。
(b−3)β−ヒドロキシアルキルアミドが入手可能である場合は、(b−1)2価以上のカルボン酸またはその誘導体と、(b−2)β位にヒドロキシ基を1つ以上有する1級または2級アミンの反応を経ずに、(b−3)β−ヒドロキシアルキルアミドのヒドロキシ基の一部を、(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物と反応させる方法であってもよい。
(b−1)2価以上のカルボン酸は以下のものが挙げられる。(以下、同一化合物の別名を表す場合は《 》で表す。) 直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸: シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、
分岐飽和脂肪族ジカルボン酸: メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、ジプロピルマロン酸、イソプロピルマロン酸、メチルコハク酸、ジメチルコハク酸、ブチルコハク酸、オクチルコハク酸、デシルコハク酸、ドデシルコハク酸、テトラデシルコハク酸、ヘキサデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸、メチルグルタル酸、ジメチルグルタル酸、エチルメチルグルタル酸、ジエチルグルタル酸、メチルアジピン酸、テトラメチルピメリン酸、
不飽和脂肪族ジカルボン酸: アリルコハク酸、メタリルコハク酸、ヘキセニルコハク酸、オクテニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、ドコセニルコハク酸、デカジエン−1,2−ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、ムコン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、
脂環式ジカルボン酸: シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、カンファー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、シクロペンチルマロン酸、シクロペンタン二酢酸、シクロヘキサン二酢酸、アダマンタン二酢酸、
芳香環を有する脂肪族ジカルボン酸(カルボキシに結合する炭素原子が芳香環を形成しない): フェニルマロン酸、ベンジルマロン酸、チオフェンマロン酸、フェニルコハク酸、ジフェニルコハク酸、
カルボキシ基以外に酸素原子を含む脂肪族または脂環式カルボン酸: 酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジピバロイル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、ジ(p−アニソイル)酒石酸、リンゴ酸、アセチルリンゴ酸、クエン酸、シトラマル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、ガラクタル酸、エポキシコハク酸、オキサル酢酸、オキソグルタル酸、オキソアゼライン酸、4,5−ジカルボキシ−γ−ペンタデカノラクトン、3,6−エポキシ−1,2,3,6−ヘキサヒドロフタル酸、ブチロラクトンジカルボン酸、
窒素原子を含む脂肪族または脂環式ジカルボン酸: アスパラギン酸、N−メチルアスパラギン酸、N−(tert−ブトキシカルボニル)−アスパラギン酸、N−(ベンジルオキシカルボニル)アスパラギン酸、N−カルバモイルアスパラギン酸、N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アスパラギン酸、グリシルアスパラギン酸、3−ヒドロキシアスパラギン酸、グルタミン酸、N−アセチルグルタミン酸、N−(tert−ブトキシカルボニル)−グルタミン酸、N−(ベンジルオキシカルボニル)グルタミン酸、N−ベンゾイルグルタミン酸、N−(4−アミノベンゾイル)グルタミン酸、N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グルタミン酸、メチルグルタミン酸、グリシルグルタミン酸、グアジニノグルタル酸、N−フタリルグルタミン酸、アミノアジピン酸、アミノピメリン酸、ジアミノピメリン酸、アミノスベリン酸、葉酸、メトトレキサート、
硫黄原子を含む脂肪族または脂環式ジカルボン酸: ジメルカプトコハク酸、チオリンゴ酸、
ハロゲン原子を含む脂肪族または脂環式ジカルボン酸: テトラフルオロコハク酸、ジブロモコハク酸、ヘキサフルオログルタル酸、オクタフルオロアジピン酸、ドデカフルオロスベリン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、クロレンド酸《ヘット酸》、
芳香族ジカルボン酸: フタル酸、メチルフタル酸、tert−ブチルフタル酸、エチニルフタル酸、(フェニルエチニル)フタル酸、メトキシフタル酸、フルオロフタル酸、テトラフルオロフタル酸、トリフルオロメチルフタル酸、クロロフタル酸、ジクロロフタル酸、テトラクロロフタル酸、ブロモフタル酸、テトラブロモフタル酸、ニトロフタル酸、ヒドロキシフタル酸、アミノフタル酸、スルホフタル酸、イソフタル酸、メチルイソフタル酸、tert−ブチルイソフタル酸、メトキシイソフタル酸、テトラフルオロイソフタル酸、ブロモイソフタル酸、ニトロイソフタル酸、ヒドロキシイソフタル酸、アミノイソフタル酸、アミノトリヨードイソフタル酸、スルホイソフタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、テトラフルオロテレフタル酸、ジクロロテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、ブロモテレフタル酸、テトラブロモテレフタル酸、ニトロテレフタル酸、ジヒドロキシテレフタル酸、アミノテレフタル酸、スルホテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、アントラキノンジカルボン酸、1,3−ジベンジル−2−オキソ−4,5−イミダゾリジンジカルボン酸、
脂肪族または脂環式トリカルボン酸: トリカルバリル酸(1,2,3−プロパントリカルボン酸)、アニコット酸、ブテントリカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ペンタントリカルボン酸、トリス(2−カルボキシエチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(3−カルボキシプロピル)−1,3,5−トリアジン、イソシアヌル酸トリス(2−カルボキシエチル)、イソシアヌル酸トリス(3−カルボキシプロピル)、
芳香族トリカルボン酸: トリメリット酸、ヘミメリット酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、ベンゾフェノントリカルボン酸、
脂肪族または脂環式テトラカルボン酸: ブタンテトラカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、チオジコハク酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、5−(1,2−ジカルボキシエチル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−(1,2−ジカルボキシエチル)1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸、
芳香族テトラカルボン酸: ピロメリット酸、ベンゾフェノンンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、オキシジフタル酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸、ナフタレンテトラカルボン酸、フルオレン−9,9−ビスフタル酸、
脂肪族または脂環式のペンタカルボン酸またはヘキサカルボン酸: シクロヘキサンヘキサカルボン酸、
脂肪族または脂環式のペンタカルボン酸またはヘキサカルボン酸: ベンゼンペンタカルボン酸、メリット酸
また(b−1)2価以上のカルボン酸として、カルボン酸を末端および/または側鎖に有するポリエステル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリルオリゴマー、あるいは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリアクリルポリオール、などのポリオールを酸無水物、たとえば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、などで変性して得られる化合物も挙げられる。
カルボン酸の誘導体としては上記カルボン酸の酸無水物、酸クロリド、酸ブロミド、メチルエステル、エチルエステル、フェニルエステル、tert−ブチルなどが挙げられる。
(b−2)β位にヒドロキシ基を1つ以上有する1級または2級アミンは以下のような例が挙げられる。
1級アミン(R1が水素原子でR2が一般式(2)で表されるアミン): エタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール《イソプロパノールアミン》、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−フェニル−エタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、イソロイシノール《2−アミノ−3−メチル−1−ペンタノール》、2−イソプロピルアミノ−3−メチル−1−ブタノール、ロイシノール《2−アミノ−4−メチル−1−ペンタノール》、tert−ロイシノール《2―アミノ−3,3−ジメチル−1−ブタノール》、フェニルアラニノール《2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール》、1−アミノ−2−ブタノール、2−アミノ−1−フェニルエタノール、2−アミノ−1−フェニル−1−プロパノール、
1が炭化水素基で、R2が一般式(2)で表される2級アミン: N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−tert−ブチルエタノールアミン、3−tert−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、N−シクロヘキシルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−ベンジルエタノールアミン、
1、R2とも一般式(2)で表される2級アミン: ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、
3〜R6の中にヒドロキシ置換炭化水素基が含まれるアミン: 2−[(ヒドロキシメチル)アミノ]エタノール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(メチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、N−メチルグルカミン《6−(メチルアミノ)−1,2,3,4,5−ヘキサンペンタオール》、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン、2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、フェニレフリン《1−(3−ヒドロキシフェニル)−2−(メチルアミノ)エタノール》、エチレフリン《2−エチルアミノ−1−(3−ヒドロキシフェニル)エタノール》、
(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物の例としてイソシアネート、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、シラノール、アルコキシシラン、シラノールエステル、アミノ樹脂、エポキシが挙げられる。
イソシアネートとしては以下のようなものが挙げられる。
単官能イソシアネート: メチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシ
アネート、ヘプチルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、ステアリルイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロプロピルイソシアネート、フェネチルイソシアネート、トシルイソシアネート、アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、
二官能イソシアネート: トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリジンイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、3−(2’−イソシアナトシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、ジアニシジンイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ダイマージイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、
三官能イソシアネート: リジントリイソシアネート、トリス(イソシアナトフェニル)メタン、トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェート、
また、上記多官能のイソシアネートのビウレット、ウレトジオン、イソシアヌレート、アダクト体、も挙げられる。
上記の多官能イソシアネート、多官能イソシアネートのビウレット、ウレトジオン、イソシアヌレート、アダクト体、から選ばれるイソシアネートと、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、フェノール、ベンジルアルコール、メチルアミン、エチルアミン、ジブチルアミン、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリカプロラクトン、などの活性水素化合物とを反応させてなる化合物も挙げられる。
上記のうち、溶解性、保存安定性、製造の容易さなどを考慮すると、上記単官能のイソシアネート、もしくは、多官能イソシアネートや多官能イソシアネートのビウレット、ウレトジオン、イソシアヌレート、アダクト体のうち1つのイソシアネート基を残し、残りを活性水素化合物と反応させてできる単官能のイソシアネートを用いることが好ましい。
さらには一般式(3)中のR7が下記一般式(4)で表される(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドが得られるとより好ましい。一般式(4)
Figure 0005257528
ここで、R8は単結合、(m1+1)価の炭化水素基、または、ウレタン結合、ウレア結合、アロファネート結合、ビウレット結合、およびイソシアヌレート環のうち少なくとも1つと、炭素原子と、水素原子とからなる(m1+1)価の基を表し、A1は単結合、ウレタン結合またはウレア結合を表し、R9は2価の炭化水素基を表し、A2はエーテル結合またはエステル結合を表し、R10は1価の炭化水素基を表し、m1は1〜5の整数を表し、p1は0〜100の整数を表す。
(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物の中でカルボキシ基を有する化合物としては以下のようなものが挙げられる。 脂肪族飽和単官能カルボン酸: ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸《ペンタン酸》、2−メチル酪酸、イソ吉草酸《3−メチル酪酸》、ピバル酸《2,2−ジメチルプロピオン酸》、カプロン酸《ヘキサン酸》、メチル吉草酸、ジメチル酪酸、エチル酪酸、エナント酸《ヘプタン酸》、カプリル酸《オクタン酸》、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸《ノナン酸》、カプリン酸《デカン酸》、ウンデカン酸、ラウリン酸《ドデカン酸》、トリデカン酸、ミリスチン酸《テトラデカン酸》、ペンタデカン酸、パルミチン酸《ヘキサデカン酸》、マルガリン酸《ヘプタデカン酸》、ステアリン酸《オクタデカン酸》、イソステアリン酸《2−ヘプチルウンデカン酸》、ノナデカン酸、アラキジン酸《イコサン酸》、ヘンイコサン酸、ベヘン酸《ドコサン酸》、トリコサン酸、リグノセリン酸《テトラコサン酸》、ペンタコサン酸、セロチン酸《ヘキサコサン酸》、ヘプタコサン酸、モンタン酸《オクタコサン酸》、ノナコサン酸、メリシン酸《トリアコンタン酸》、
脂肪族不飽和単官能カルボン酸: アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ウンデセン酸、パルミトレイン酸《9−ヘキサデセン酸》、ペトロセリン酸《6−オクタデセン酸》、オレイン酸《9−オクタデセン酸》、エライジン酸《9−オクタデセン酸》、バクセン酸、リノール酸《9,12−オクタデカジエン酸》、リノレン酸《9,12,15−オクタデカトリエン酸》、γ−リノレン酸《6,9,12−オクタデカトリエン酸》、エレオステアリン酸、アラギドン酸《5,8,11,14−エイコサテトラエン酸》、5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸、エルカ酸《13−ドコセン酸》、ドコサヘキサエン酸、22−トリコセン酸、15−テトラコセン酸、ネルボン酸、
芳香族単官能カルボン酸: 安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、イソプロピル安息香酸、ブチル安息香酸、tert−ブチル安息香酸、ビニル安息香酸、フルオロ安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、ヨード安息香酸、トリフルオロメチル安息香酸、シアノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシメチル安息香酸、アミノ安息香酸、メルカプト安息香酸、ナフトエ酸、メチルナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸、アントロン酸《アントラセンカルボン酸》、ピレンカルボン酸、
脂環式単官能カルボン酸: シクロプロパンカルボン酸、ジメチルシクロプロパンカルボン酸、テトラメチルシクロプロパンカルボン酸、メルカプトメチルシクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロペンチル酢酸、アミノシクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキシル酢酸、シクロヘキシルプロピオン酸、シクロヘキシル酪酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸、プロピルシクロヘキサンカルボン酸、イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸、ブチルシクロヘキサンカルボン酸、tert−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、ノルボルネンカルボン酸、ノルボルナンカルボン酸、ノルアダマンタンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、
カルボキシ基以外に酸素原子を有する単官能カルボン酸: グリコール酸、乳酸、ヒドロキシパルミチン酸、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸、アロイリット酸《トリヒドロキシヘキサデカン酸》、ジャスモン酸《3−オキソ−2−(2−ペンテニル)シクロペンタン酢酸》、ククルビン酸《3−ヒドロキシ−2−(2−ペンテニル)シクロペンタン酢酸》などの1価カルボン酸、および、上記(b−1)2価以上のカルボン酸で列挙した化合物、などが挙げられる。
(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物の中でカルボキシ基を有する化合物は、2価以上のカルボン酸またはその誘導体で挙げた化合物の一部をアルコールやアミンでエステル化、アミド化した化合物も挙げられる。たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、フェノール、ベンジルアルコール、メチルアミン、エチルアミン、ジブチルアミン、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリカプロラクトン、などのアルコール、アミンと、上記(b−1)2価以上のカルボン酸で列挙した化合物を部分エステル化し、分子内にカルボキシ基を1つ残した単官能カルボン酸、などが挙げられる。特に、2価カルボン酸の環状カルボン酸無水物を用いると、ヒドロキシ基またはアミノ基と1:1で反応した上でカルボキシ基が1つ生成するため好ましい。
さらに上記カルボキシ基を有する化合物の酸無水物、酸ハロゲン化物も挙げられる。
上記のうち、溶解性、保存安定性、製造の容易さなどを考慮すると、上記単官能のカルボン酸、酸ハロゲン化物、酸無水物、もしくは、多官能のカルボン酸またはその誘導体のうち、一部をアルコールやアミンと反応させてカルボキシ基を1つ残した単官能カルボン酸またはその誘導体、単官能のアルコールまたはアミンと2価カルボン酸の環状酸無水物とを反応させてできる単官能のカルボン酸、を用いることが好ましい。
さらには一般式(3)中のR7が下記一般式(5)で表される(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドが得られるとより好ましい。一般式(5)
Figure 0005257528
ここで、R11は単結合、(m2+1)価の炭化水素基、;または炭素原子、水素原子、および酸素原子からなる(m2+1)価の基を表し、A3は単結合、エステル結合、またはアミド結合を表し、R12は2価の炭化水素基を表し、A4はエーテル結合またはエステル結合を表し、R13は1価の炭化水素基を表し、m2は1〜5の整数を表し、p2は0〜100の整数を表す。
シラノールは分子内にSi−OHの構造を持っている化合物であり、シラノール中のOHとヒドロキシ基が反応する。アルコキシシラン、シラノールの硫酸、スルホン酸エステル、ハロゲン化シラン(以下、まとめて「シラノール誘導体」)は加水分解でシラノールを生成するので、シラノールと同様に用いることができる。保存安定性の点から市販されているものはシラノール誘導体である。
シラノール誘導体としては以下のものが挙げられる。
単官能シラノール誘導体: トリメチルシリルトリフラート、トリエチルシリルトリフラート、tert−ブチルジメチルシリルトリフラート、ジエチルイソプロピルシリルトリフラート、トリプロピルシリルトリフラート、硫酸ビス(トリメチルシリル)、クロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、トリメチルメトキシシラン、
多官能シラノール誘導体: ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリソドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、
上記のうち、溶解性、保存安定性、製造の容易さなどを考慮すると、上記単官能のシラノール誘導体を用いることが好ましい。
アミノ樹脂とは、電子吸引性基が窒素原子に結合したヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物であり、ヒドロキシ基と反応してエーテル結合を形成する。電子吸引性基とは、たとえば、カルボニル基、チオカルボニル基、トリアジン環などが挙げられる。このヒドロキシ基をアルコールでキャップされたアルコキシメチルアミノ基を有する化合物も、加水分解によりヒドロキシ基を生成するので用いることができる。
アミノ樹脂としては以下のものが挙げられる。
単官能アミノ樹脂: N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアセトアミド、N−ヒドロキシメチル尿素、1−(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルヒダントイン、N−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
多官能アミノ樹脂: N,N’−ジメチロール尿素、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ウレイド]ヒダントイン、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、など、窒素原子にヒドロキシ基、メトキシメチル基、ブトキシメチル基が複数個置換された、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリルなどが挙げられる。
上記のうち、溶解性、保存安定性、製造の容易さなどを考慮すると、上記単官能のアミノ樹脂を用いることが好ましい。
(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物の中でエポキシ基を有する化合物以下のようなものが挙げられる。
単官能エポキシ: アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェニルフェノールグリシジルエーテル、sec−ブチルフェノールモノグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルモノグリシジルエーテル、N−グリシジルフタルイミド、スチレンオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸エステル、3,4−エポキシシクロヘキサン−1−メタノール、3,4−エポキシシクロヘキサン−1−カルバルデヒド、4,5−エポキシ−1,2−ジカルボン酸エステル、
多官能エポキシ: ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールポリグリシジルエーテル、ビス(ヒドロキシシクロプロピル)プロパンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、tert−ブチルフェノールグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル、テレフタル酸グリシジル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジブロモフェノールジグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの縮合物、ビスフェノールFとエピクロロヒドリンの縮合物、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの縮合物、N,N,N’,N’−テトラグリシジルビス(アミノフェニル)メタン、ダイマー酸ジグリシジル、水添ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの縮合物、ジ−tert−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、などが挙げられる。
上記のうち、溶解性、保存安定性、製造の容易さなどを考慮すると、上記単官能のエポキシを用いることが好ましい。
(b−1)2価以上のカルボン酸またはその誘導体と、(b−2)β位にヒドロキシ基を1つ以上有する1級または2級アミンと、をアミド化する方法は様々あるが、(b−1)2価以上のカルボン酸またはその誘導体がカルボン酸の場合は水、カルボン酸エステルの場合はアルコール、カルボン酸無水物またはハロゲン化物の場合は酸を取り除くことで反応を進行させることができる。水やアルコールの場合は加熱により反応系外へ除去することが用意である。酸の場合はトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの塩基性化合物によって取り除くことができる。
上記アミド化の際に触媒を使用することができる。たとえば、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシドなどの塩基触媒(以下「塩基触媒」とまとめる)、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾールなどのアミン触媒(以下「アミン触媒」とまとめる)、鉄(III)、ジルコニウム(IV)、スカンジウム(III)、チタン(IV)、スズ(IV)、ハフニウム(IV)などの金属イオンを含む塩や錯体、ジフェニルアンモニウムトリフラート、ペンタフルオロフェニルアンモニウムトリフラートなどのアンモニウム塩、などが挙げられる。
上記アミド化反応において、必要に応じて溶媒や触媒を使用することができる。使用する溶媒は、アルコール、アミン、カルボン酸など反応基質と反応する溶媒以外であれば使用できる。たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
特にカルボン酸とのアミド化において、縮合剤を用いて行うことができる。縮合剤とは、カルボン酸またはアミンを活性化させ、エステル化反応を温和な条件で行うことができると同時に、副生成物の水は縮合剤と結合して別の化合物となるため、触媒作用と水除去作用を兼ね備えた化合物である。このような縮合剤としては、たとえば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、p−トルエンスルホニルクロリド、1−エチル−3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、カルボニルジイミダゾール、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、2,4,6−トリクロロ安息香酸クロリド、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートなどが挙げられる。
(b−3)β−ヒドロキシアルキルアミドのヒドロキシ基の一部を、(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物と反応させる際は、それぞれの官能基に対して適当な条件で反応させればよい。
(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物がイソシアネートの場合は、無触媒あるいは適当な触媒を加えて加熱することで反応が進行する。適当な触媒としては、たとえば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、などのアミン類やその塩、テトラブチルチタネート、ジブチルスズジラウリレート、オクチル酸スズなどの金属塩や錯体などが挙げられる。
(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物がカルボン酸の場合は、無触媒で100℃以上、好ましくは140℃以上にに加熱することで脱水縮合反応が進行する。あるいは適当な触媒を加えることでさらに低い温度で反応を進行させることができる。上記アミド化反応について記載した触媒、縮合剤などは、この反応に用いることができる。
(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物がカルボン酸無水物またはカルボン酸ハロゲン化物の場合は、塩基触媒またはアミン触媒を加えて0〜100℃で反応させるのが好ましい。このとき塩基触媒またはアミン触媒はカルボン酸無水物またはカルボン酸ハロゲン化物1モルに対して、1モル以上使用することが好ましい。
(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物がシラノールの場合は、塩基触媒またはアミン触媒を加えて0〜100℃で反応させるのが好ましい。このとき塩基触媒またはアミン触媒はカルボン酸無水物またはカルボン酸ハロゲン化物1モルに対して、1モル以上使用することが好ましい。
(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物がアミノ樹脂の場合は、メタンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸、それらのアンモニウム塩またはアミン塩を触媒に使用し、0〜200℃で反応させるのが好ましい。
(b−4)ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物がエポキシ基の場合は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウムなどの強塩基触媒、もしくはテトラフルオロホウ酸、塩化スズ(IV)などの金属触媒を使用し、0〜200℃で反応させるのが好ましい。
本発明は(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドが(C)有機溶剤に可溶であることが特徴である。(C)有機溶剤としては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、オクタン、シクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、さらに、必要に応じて、非反応性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、併用する硬化剤、光開始剤、増感剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光
安定剤、酸化防止剤、無機フィラー、接着付与剤、などの添加剤を加えてもよい。
本発明の樹脂組成物を、各種基材の片面または両面に塗布し、もしくは金型等を用いて成形後、必要に応じて加熱乾燥後、100〜200℃において加熱硬化させることで目的の硬化物を得ることができる。基材としては、たとえば、ガラス、セラミック、ポリカーボネート、ポリエステル、ウレタン、アクリル、ポリアセテートセルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリビニルアルコール、ステンレス等の各種金属、などが挙げられる。
以下に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」を意味する。
実施例中のNMR測定はすべて、JEOL社製のJNM−ECX400Pを用いて1H−NMR測定をDMSO−d6中で行った。数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)は東ソー社製のGPC−8020によって測定したポリスチレン換算の値である。
実施例中のIR測定はすべて、PerkinElmer社製のSpectrum Oneを用いて行った。
(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドの合成 実施例1
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、エステル結合のメチレン基(δ=4.1付近)と2−エチルヘキサン酸由来のメチル基(δ=0.85付近)の積分比が2:6になっていたことから、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。このIRスペクトルについて図1に示す。その後、60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例2
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製Primid XL−552)320部を入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例3
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸216部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例4
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸288部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例5
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸72部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例6
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジイソプロパノールアミン266部、水酸化カリウム10部、セバシン酸202部を入れて120℃で4時間加熱した。トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物433部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にラウリルイソシアネート211部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例7
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール210部、水酸化カリウム10部を入れ、60℃に加熱したのち、無水コハク酸100部を少しずつ1時間かけて加えた。120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物260部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にフェニルイソシアネート89部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認
した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例8
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン242部、水酸化カリウム10部、2,4−ジエチルグルタル酸188部を入れて120℃で4時間加熱した。トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物394部、ピリジン396部、ジクロロメタン2674部を再度反応容器に入れ、氷冷した。この中にラウロイルクロリド547部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後25℃で5時間攪拌し反応を完了させた。ジクロロメタン溶液を10%塩酸2000部、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2000部、飽和食塩水2000部で洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。これをロータリーエバポレーターで溶媒のジクロロメタンを除去したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例9
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール334部、水酸化カリウム10部を入れ、60℃に加熱したのち、無水マレイン酸98部を少しずつ1時間かけて加えた。120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物414部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にイソステアリン酸284部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例10
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部を入れ、60℃に加熱したのち、無水フタル酸148部を少しずつ1時間かけて加えた。120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物340部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に酪酸88部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例11
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジイソプロパノールアミン266部、水酸化カリウム10部、イソフタル酸166部を入れて120℃で4時間加熱した。トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物396部、ピリジン285部、ジクロロメタン1802部を再度反応容器に入れ、氷冷した。この中に無水酢酸184部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後25℃で5時間攪拌し反応を完了させた。ジクロロメタン溶液を10%塩酸2000部、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2000部、飽和食塩水2000部で洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。これをロータリーエバポレーターで溶媒のジクロロメタンを除去したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例12
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、テレフタル酸ジクロライド203部、ピリジン316部、ジクロロメタン1459部を仕込み氷冷攪拌した。ジエタノールアミン210部を滴下装置から2時間かけて滴下した。その後、25℃で5時間攪拌し反応を完結させた。ジクロロメタン溶液を10%塩酸2000部、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2000部、飽和食塩水2000部で洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。これをロータリーエバポレーターで溶媒のジクロロメタンを除去し、生成物を回収した。この生成物340部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にステアリン酸284部を1時間かけて添加した。150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例13
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジイソプロパノールアミン266部、水酸化カリウム10部を入れ、60℃に加熱したのち、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物152部を少しずつ1時間かけて加えた。120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物401部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にオレイン酸282部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例14
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部を入れ、60℃に加熱したのち、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物154部を少しずつ1時間かけて加えた。120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物346部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にリノール酸280部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例15
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジイソプロパノールアミン400部、水酸化カリウム10部、トリカルバリル酸176部を仕込み、120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物522部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にリノレン酸557部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを
確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例16
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン363部、水酸化カリウム10部を入れ、60℃に加熱したのち、無水トリメリット酸192部を少しずつ1時間かけて加えた。120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物520部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にパルミチン酸1795部を1時間かけて添加した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例17
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、N−ブチルエタノールアミン469部、水酸化カリウム10部、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸234部を仕込み、120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物631部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に安息香酸122部を1時間かけて添加した。150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例18
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、N−エチルエタノールアミン357部、水酸化カリウム10部を入れ、60℃に加熱したのち、無水ピロメリット酸218部を少しずつ1時間かけて加えた。120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物539部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に4−tert−ブチル安息香酸178部を1時間かけて添加した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例19
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジイソプロパノールアミン533部、水酸化カリウム10部を入れ、60℃に加熱したのち、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物294部を少しずつ1時間かけて加えた。120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物791部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にシクロヘキサンカルボン酸513部を1時間かけて添加した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例20
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、ダイマー酸561部を仕込み、120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物735部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にノルボルネンカルボン酸138部を1時間かけて添加した。150℃で1時間攪拌したのち、60℃に温度を下げ、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例21
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン315部、水酸化カリウム10部、クエン酸192部を仕込み、120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物453部、ピリジン316部、ジクロロメタン2429部を再度反応容器に入れ、氷冷した。この中にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル445部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後25℃で5時間攪拌し反応を完了させた。ジクロロメタン溶液を10%塩酸2000部、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2000部、飽和食塩水2000部で洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。これをロータリーエバポレーターで溶媒のジクロロメタンを除去したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例22
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、2−アミノ−1−ブタノール421部、水酸化カリウム10部を入れ、60℃に加熱したのち、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物322部を少しずつ1時間かけて加えた。120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物707部とN−メチロールアクリルアミド152部、p−トルエンスルホン酸アンモニウム2部、p−メトキシフェノール2部、を加え、100℃で6時間攪拌したのち、1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例23
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、2−アミノ−4−メチル−1−ペンタノール703部、水酸化カリウム10部、シクロヘキサン−1,2,3,4,5,6−ヘキサカルボン酸348部を仕込み、120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン500部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物943部、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル373部、テトラフルオロホウ酸亜鉛20部、を入れ100℃で6時間反応を行った。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例24
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた第2の反応容器に、2−エチルヘキサノール130部、ε−カプロラクトン228部、テトラブチルチタネート0.1部を加え160℃で反応8時間反応させた。その後、無水コハク酸100部を加え、さらに3時間反応させた。上記のスラリー状生成物320部を第2の反応容器に加え、150℃で2時間反応を行った。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
実施例25
Figure 0005257528
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、ナトリウムメトキシド10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にセバシン酸ジメチル230部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、エステル結合のメチレン基(δ=4.1付近)と2−エチルヘキサン酸由来のメチル基(δ=0.85付近)の積分比が2:6になっていたことから、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、メチルエチルケトンを加え、NV=80%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の溶液を取り出した。
樹脂合成例1 (A)カルボキシ基を有する樹脂の合成 攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にメチルエチルケトンを500部入れ、窒素を吹き込みながら70℃で1時間加熱攪拌した。その後、ブチルアクリレート374.4部、アクリル酸25.6部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)11.4部、メチルエチルケトン100部を混合した溶液を滴下装置から2時間かけて滴下した。さらに70℃で2時間反応させ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.1部とメチルエチルケトン10部からなる溶液を加え、さらに1時間攪拌した。できた樹脂溶液は固形分NV=39.1%、数平均分子量Mn=16,000、重量平均分子量Mw=34,000、酸価AV=50.2mgKOH/gであった。
樹脂合成例2 (A)カルボキシ基を有する樹脂の合成 攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にブチルカルビトールを500部入れ、窒素を吹き込みながら70℃で1時間加熱攪拌した。その後、ブチルアクリレート374.4部、アクリル酸25.6部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)11.4部、ブチルカルビトール100部を混合した溶液を滴下装置から2時間かけて滴下した。さらに70℃で2時間反応させ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.1部とブチルカルビトール10部からなる溶液を加え、さらに1時間攪拌した。できた樹脂溶液は固形分NV=39.3%、数平均分子量Mn=14,000、重量平均分子量Mw=32,000、酸価AV=50.1mgKOH/gであった。
樹脂合成例3 比較合成例:ヒドロキシ基を有する樹脂の合成 攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、メチルエチルケトンを500部入れ、窒素を吹き込みながら70℃で1時間加熱攪拌した。その後、ブチルアクリレート358.8部、2−ヒドロキシエチルアクリレート41.2部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)11.4部、メチルエチルケトン100部を混合した溶液を滴下装置から2時間かけて滴下した。さらに70℃で2時間反応させ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.1部とメチルエチルケトン10部からなる溶液を加え、さらに1時間攪拌した。できた樹脂溶液は固形分NV=39.4%、数平均分子量Mn=14,000、重量平均分子量Mw=32,000、水酸基価OHV=50.0mgKOH/gであった。
実施例26 実施例1の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドの溶解性試験、硬化試験、保存安定性試験、を行った。
溶解性試験は次のように行った。合成例1の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドをメチルエチルケトンで希釈し、NV=50%になるようにした。そのときに均一な液体として得られたものは○、液体が2層に分かれた、または、固体が沈殿した場合は×とした。
硬化試験( 1 ) は次のように行なった。合成例1 の( B ) 変性β − ヒドロキシアルキルアミドと樹脂合成例1 の( A ) カルボキシ基を有する樹脂を、( B ) 変性β − ヒドロキシアルキルアミドのヒドロキシ基と、( A ) カルボキシ基を有する樹脂のカルボキシ基とのモル比が1 : 1 になるように配合し樹脂溶液を作製した。この溶液1 g をアルミ容器に入れた。この容器を1 5 0 ℃ のオーブンに1 時間入れ、樹脂を硬化させた。硬化膜をメチルエチルケトンで洗浄し、洗浄時に膜が残ったものを○ 、洗い流されたものは× とした。
硬化試験( 2 ) は次のように行なった。合成例1 の( B ) 変性β − ヒドロキシアルキルアミドと樹脂合成例2 の( A ) カルボキシ基を有する樹脂を、( B ) 変性β − ヒドロキシアルキルアミドのヒドロキシ基と、( A ) カルボキシ基を有する樹脂のカルボキシ基とのモル比が1 : 1 になるように配合し樹脂溶液を作製した。この溶液1 g をアルミ容器に入れた。この容器を1 5 0 ℃ のオーブンに1 時間入れ、樹脂を硬化させた。硬化膜をメチルエチルケトンで洗浄し、洗浄時に膜が残ったものを○ 、洗い流されたものは× とした。
保存安定性試験は次のように行なった。硬化試験で用いた樹脂溶液の粘度を測定した。その後、40℃で1週間保存し、1週間後の粘度を測定した。試験前の粘度と比較して粘度変化が5%以内のものを○、5%以上増加したものを×とした。
実施例27〜50実施例1の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドの代わりに実施例2〜23の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドを用いた以外は、実施例26と同様に試験を行った。
比較例1 実施例1の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドの代わりにDuranate TPA−100(旭化成社製のイソシアネート)を用いた以外は、実施例265と同様に試験を行った。
比較例2 実施例1の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドの代わりにDuranate TPA−B80E(旭化成社製のブロックイソシアネート)を用いた以外は、実施例26と同様に試験を行った。
比較例3 実施例1の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドの代わりにEOCN−1020(日本化薬社製のエポキシ樹脂)を用いた以外は、実施例26と同様に試験を行った。
比較例4 実施例1の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドの代わりにEOCN−1020(日本化薬社製のエポキシ樹脂)を用い、さらに触媒としてN,N’−ジメチルベンジルアミンを使用した以外は、実施例26と同様に試験を行った。
比較例5 実施例1の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドの代わりにPrimid XL−552(エムスケミー社製のβ−ヒドロキシアルキルアミド)を用いた以外は、実施例26と同様に試験を行ったが、溶解性が不十分であったため、硬化試験(1)、硬化試験(2)、保存安定性試験を実施できなかった。
比較例6 硬化試験( 1 ) において、樹脂合成例1 の( A ) カルボキシ基を有する樹脂の代わりに樹脂合成例3 のヒドロキシ基を有する樹脂を用い、硬化試験( 2 ) は行わなかった以外は、実施例26と同様に試験を行った。



実施例26〜50、比較例1〜6を表1にまとめた。
表1
Figure 0005257528
Figure 0005257528
実施例26〜50は溶解性試験、硬化試験(1)、硬化試験(2)、保存安定性試験、すべてにおいて良好であった。
比較例1,2は硬化試験(2)で硬化しない結果であった。硬化試験(2)では沸点が高く(沸点:230.6℃)、ヒドロキシ基を有するブチルカルビトールを溶剤として使用しており、硬化温度(150℃)では十分に溶剤が揮発しない条件であるため、イソシアネートまたはブロックイソシアネートとブチルカルビトールが先に反応してしまい、樹脂のカルボキシ基と反応しなかったためと考えられる。このように、ヒドロキシ基を有する溶剤を使用する場合はイソシアネートまたはブロックイソシアネートを使用することができない。β−ヒドロキシアルキルアミドはヒドロキシ基とは反応せず、選択的にカルボキシ基と反応するため、ヒドロキシ基を有する溶剤を使用することが可能である。
比較例3、4はエポキシ基を有する架橋剤を使用した例である。比較例3は無触媒で硬化を行ったが、今回の試験条件では硬化しなかった。触媒を加えることで十分硬化することは確認できたが、その一方で、保存安定性試験で増粘する結果であった。エポキシ基は触媒を加えることで保存時に反応を抑えることができないが、β−ヒドロキシアルキルアミドであれば、保存時には反応せず、硬化条件では十分に反応させることができる。
比較例5は未変性のβ−ヒドロキシアルキルアミドを使用した例であるが、未変性のものは溶剤に対する溶解性が乏しく、評価に至らなかった。
比較例6は樹脂の官能基をヒ
ドロキシ基にしたものであるが、ヒドロキシ基とβ−ヒドロキシアルキルアミドは150℃では全く反応しないため、硬化することができない。
以上のことから、本発明の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドは溶剤溶解性が高く、また本発明の(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドを含む樹脂組成物が硬化性、保存安定性に優れていることがわかった。
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性の印刷インキ、塗料、コーティング剤、粘接着剤、成形材料、光硬化性材料に使用することができる。

Claims (7)

  1. (A)カルボキシ基を有する樹脂と、下記一般式(1)で示される(B)変性β−ヒドロキシアルキルアミドと、有機溶剤とからなる樹脂組成物。
    一般式(1)
    Figure 0005257528


    ここで、Xは炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、またはハロゲンのいずれかを含むn価の基であるが、カルボニル基に直接結合するX中の原子が炭素原子である官能基を表し、nは2〜6の整数であり、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、一般式(2)で表される基、または一般式(3)で表される基を表し、分子中少なくとも1つは一般式(2)で表される基、分子中少なくとも1つは一般式(3)で表される基である。
    一般式(2)
    Figure 0005257528


    一般式(3)
    Figure 0005257528


    ここで、R3〜R6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、またはヒドロキシ基で置換された炭化水素基を表し、R7はヒドロキシ基と反応しうる官能基を有する化合物の残基を表す。
  2. カルボニル基と直接結合するX中の原子が、芳香環を形成する炭素原子ではないことを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 上記ヒドロキシ基と反応しうる官能基を有する化合物が、ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ有するものであることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 上記ヒドロキシ基と反応しうる官能基を有する化合物が、単官能のイソシアネート、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
  5. 一般式(3)中のR7が一般式(4)または一般式(5)で表されることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
    一般式(4)
    Figure 0005257528


    ここで、R8は単結合;(m1+1)価の炭化水素基;または、ウレタン結合、ウレア結合、アロファネート結合、ビウレット結合、およびイソシアヌレート環のうち少なくとも1つと、炭素原子と、水素原子とからなる(m1+1)価の基を表し、A1は単結合、ウレタン結合またはウレア結合を表し、R9は2価の炭化水素基を表し、A2はエーテル結合またはエステル結合を表し、R10は1価の炭化水素基を表し、m1は1〜5の整数を表し、p1は0〜100の整数を表す。
    一般式(5)
    Figure 0005257528


    ここで、R11は単結合;(m2+1)価の炭化水素基、;または炭素原子、水素原子、および酸素原子からなる(m2+1)価の基を表し、A3は単結合、エステル結合、またはアミド結合を表し、R12は2価の炭化水素基を表し、A4はエーテル結合またはエステル結合を表し、R13は1価の炭化水素基を表し、m2は1〜5の整数を表し、p2は0〜100の整数を表す。
  6. 一般式(1)中のXが、炭素数6〜60の脂肪族炭化水素基、あるいは、脂環式炭化水素基であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の樹脂組成物を加熱してなる硬化物。
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