JP6196128B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、アクチュエータに関する。
アクチュエータは、例えば、ボールねじが、モータの回転運動をスライダの直線運動に変換する機械装置である。スライダは、例えば、複数の球形の転動体を介して、レールに取り付けられている。そして、転動体が転動することにより、スライダは、レールに沿って円滑に直線運動する。このようなアクチュエータにおいては、レールに対するスライダの円滑な移動のために、転動体に、グリス等の潤滑剤が供給されている。供給されたグリスは、時間の経過とともに、徐々に減少していくことから、所定期間毎にグリスを補給するメンテナンス作業が必要となる。
特許文献1には、スライダに形成された転動体の循環路(貫通孔)に、円筒形状の潤滑パイプが配置されたアクチュエータが開示されている。潤滑パイプには、オイルが含浸されており、この潤滑パイプからオイルが適宜、転動体に供給される。このため、ユーザのメンテナンスの作業間隔を広げることができる。
特開2013−145037号公報
特許文献1に記載のアクチュエータでは、スライダの循環路の内径を、潤滑パイプの外形よりも若干大きくすることで、循環路の内周と潤滑パイプの外周との間にクリアランスを形成している。このクリアランスは、ユーザが供給したグリスが流れるグリス流路として機能する。
このようなアクチュエータを小型化する場合、スライダ等の各構成部品をそれぞれ小型化することになる。そして、各構成部品の小型化に伴って、クリアランスも小さくなる。しかしながら、小さなクリアランスを確保することは、構成部品の寸法精度の観点から困難である。したがって、従来の構造では、アクチュエータの小型化に対する要求に応えるのが困難であった。
本発明は、上述の事情の下になされたもので、アクチュエータの小型化を実現することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係るアクチュエータは、
ベース側転動面が形成されたベースと、
前記ベース側転動面に配置される第1転動体と、
前記第1転動体が配置されることで前記ベース側転動面とともに前記第1転動体が転動する第1転動路を構成する移動体側転動面と、グリスを注入するための注入口と、が形成され、前記ベースに対して直線移動可能に設けられた移動体と、
前記移動体に形成されると共に断面が略円形の貫通孔から構成された戻り通路に配置されて、前記戻り通路を通過する前記第1転動体に潤滑油を供給する潤滑油供給部材と、
を有し、
前記移動体は、前記戻り通路と、前記戻り通路の内面に形成され、前記戻り通路に連通すると共に前記注入口に連通し、前記注入口から注入されたグリスが流れるグリス溝と、を有し、
前記潤滑油供給部材は、潤滑油が含浸され、略円筒形状に形成された潤滑油供給部材本体と、前記潤滑油供給部材本体が嵌め込まれる略円筒形状に形成された保護部材と、を有し、
前記保護部材の外径は、前記戻り通路の内径と同等であることを特徴とする。
前記グリス溝は、前記戻り通路の形成方向に沿って、前記戻り通路の一端から他端まで延びるように形成されていてもよい。
前記第1転動路と前記戻り通路とを接続する方向転換路が形成されたリターン部材を有し、
前記リターン部材には、前記グリス溝から前記方向転換路に通じるグリス出口路が形成されていてもよい。
ボールネジ軸と、
前記ボールネジ軸に螺合され、前記移動体に固定されたボールネジナットと、
前記ボールネジ軸と前記ボールネジナットとの間に形成された第2転動路を転動する第2転動体と、
を有し、
前記移動体には、前記注入口から注入された前記グリスが通り、前記グリス溝及び前記第2転動路のいずれにも通じるグリス流路が形成されていてもよい。
前記移動体には、前記グリス溝の長手方向に対して直交する方向に沿って、前記移動体の表面から前記グリス溝に通じる直線状の孔が形成され、
前記直線状の孔の開口には、蓋体が取り付けられ、
前記直線状の孔は、前記グリス流路の一部として構成されていてもよい。
前記アクチュエータは、
前記移動体にスライダテーブルが取り付けられたスライダタイプのアクチュエータであってもよい。
前記アクチュエータは、
前記移動体にロッドが取り付けられたロッドタイプのアクチュエータであってもよい。
本発明によれば、移動体の戻り通路の内面にグリス溝が形成されている。このため、戻り通路の内周と潤滑油供給部材との外周との間に、グリス流路としてのクリアランスを確保することが不要になり、このクリアランスの分だけ、戻り通路を小径化できる。結果として、移動体を小型化することができ、ひいては、アクチュエータの小型化を実現することができる。
本実施形態に係るアクチュエータの斜視図である。 サイドカバー、ステンレスシート、及びテーブルを取り外したアクチュエータの斜視図である。 アクチュエータの断面図である。 図3のA−A断面図である。 注入口及びレール等を取り外したスライダの断面図である。 スライダの戻り通路及びグリス溝等を説明するための斜視図であるとともに、図5のC−C断面を示した図である。 図4のB−B断面図である。 スライダ、潤滑油供給部材、リターンキャップ等の分解斜視図である。 スライダ、鋼球、及びレールを分解して示す斜視図である。 鋼球の軌道を説明するための模式図である。 グリスの注入方法を説明するための断面図(その1)である。 グリスの注入方法を説明するための断面図(その2)である。 従来例に係るアクチュエータを示す断面図である。 本実施形態に係るスライダの断面積を説明するための図である。 従来例に係るスライダの断面積を説明するための図である。 (A)〜(D)は、グリス溝の変形例である。
以下、本発明の実施形態に係るアクチュエータ10について、図を参照しながら説明する。なお、理解を容易にするため、XYZ座標を設定し、適宜参照する。
アクチュエータ10は、図1に示すように、スライダテーブル10Aが−Y方向及び+Y方向の双方向に移動するスライダタイプのアクチュエータである。アクチュエータ10は、図2に示すように、モータユニット20と、ベース30と、ボールネジ40と、スライダ50(移動体)と、フロントブラケット11と、リアブラケット12とを有している。
フロントブラケット11は、ベース30の−Y側の端部に、複数のボルトによって取り付けられている。フロントブラケット11の内部には、ボールベアリングが嵌め込まれている。このボールベアリングは、ボールネジ40の先端(−Y側の端部)を回転可能に支持している。
リアブラケット12は、ベース30の+Y側の端部に、複数のボルトによって固定されている。リアブラケット12の内部には、後述するベアリング12aが嵌め込まれている。このベアリング12aは、ボールネジ40の+Y側の端部を回転可能に支持している。
アクチュエータ10は、図1に示すように、サイドカバー13R、13Lと、ステンレスシート14とを更に有している。
サイドカバー13R、13Lは、ボールネジ40の側方等を覆う部材である。サイドカバー13R、13Lは、XZ断面が略L字形状になるように形成されている。サイドカバー13Rとサイドカバー13Lとの間には開口部15が形成されている。
ステンレスシート14は、開口部15を塞ぐ部材である。ステンレスシート14は、サイドカバー13R、13Lとともに、アクチュエータ10の内部の各部材を、埃や塵、水滴等から保護する。
モータユニット20は、図3に示すように、モータ21、モータ21を収納するモータケース、ケーブル等を有する。
モータ21は、出力軸21a、ロータ、ステータ、エンコーダ、減速器等を有している。モータ21には、アクチュエータケーブルを介して電源から電力が供給される。モータ21に電力が供給されることによって、モータ21のロータが回転する。このロータの回転運動は、例えば、減速器によって所定の減速比で減速され、出力軸21aに出力される。また出力軸21aの先端は、カップリング22が接続されている。
ベース30は、図4に示すように、スライダ50を複数の鋼球B1(第1転動体)を介して支持する部材である。ベース30は、例えば、アルミニウムを押出成形することによって形成される。ベース30は、底板部と、底板部の両側から上方(+Z方向)に向けて形成された一対の側壁部とを有する。側壁部のそれぞれの内側の面には、凹部が対向して設けられている。凹部は、ベース30の長手方向(Y軸方向)に沿って形成されている。凹部には、例えば、鋼材からなる線状のレール31R、31Lが取り付けられている。レール31Rの表面(−X側の面)及びレール31Lの表面(+X側の面)は、鋼球B1が配置されるベース側転動面として構成される。
ボールネジ40は、図3に示すように、ボールネジ軸41の回転運動を、ボールネジナット42の直線運動に変換する部材である。ボールネジ40は、ボールネジ軸41と、ボールネジナット42と、複数の鋼球B2(第2転動体)とを有している。
ボールネジ軸41の外周面には、螺旋状の雄ネジ溝が形成されている。ボールネジ軸41の+Y側の端部は、リアブラケット12のベアリング12aにより回転可能に支持されている。ベアリング12aは、本実施形態では、ボールベアリングである。ボールネジ軸41の+Y側の端部には、カップリング43が取り付けられている。
ボールネジナット42は、ボールネジ軸41の外周に配置されている。ボールネジナット42は、ボールネジ軸41に複数の鋼球B2を介して嵌め込まれる。すると、ボールネジナット42の貫通孔の内周面に形成された螺旋状の雌ネジ溝と、ボールネジ軸41の雄ネジ溝との間に、鋼球B2が配置される。そして、ボールネジナット42の雌ネジ溝とボールネジ軸41の雄ネジ溝との間は、鋼球B2が転動する転動路W2(第2転動路)として構成される。転動路W2を鋼球B2が転動することにより、ボールネジ軸41の回転運動が、ボールネジナット42の直線運動に円滑に変換される。
また、ボールネジナット42には、径方向に貫通するグリス流路42aが形成されている。グリス流路42aは、ボールネジナット42の外周から、転動路W2に通じている。グリス流路42aは、鋼球B2に、グリスを供給するために用いられる。グリス流路42aの形成数は任意であり、1つであっても2つ以上であってもよい。
カップリング43は、モータユニット20のカップリング22に嵌合する形状に形成されている。カップリング43とカップリング22とが嵌合することにより、ボールネジ軸41は、モータ21の出力軸21aとともに回転する。これにより、出力軸21aの回転運動がボールネジ軸41に伝達される。
スライダ50(移動体)は、図2に示すように、ベース30に−Y方向及び+Y方向の双方向に移動可能に支持されている。スライダ50には、図4及び図5に示すように、ボールネジナット42等を収納するための貫通孔51と、鋼球B1が通過するための戻り通路52R、52Lと、グリス溝53R、53Lとが形成されている。
貫通孔51は、図3に示すように、Y軸方向に貫通して形成されている。貫通孔51には、+Y側からボールネジナット42が嵌め込まれている。また、ボールネジナット42の−Y側には、略円環形状のカラー44が嵌め込まれている。カラー44は、ボールネジナット42から離間して配置され、転動路W2からのグリスの流出を防止するために設けられている。カラー44とボールネジナット42との間の空間は、ボールネジナット42から流出したグリスが保持されるグリス保持空間として構成される。なお、カラー44は、潤滑油を含有する素材からなる。このため、潤滑油が、カラー44からしみ出されることで、ボールネジナット42は、グリス保持空間に保持されているグリスに加えて、潤滑油を巻き込みながらY軸方向に円滑に移動する。
スライダ50の貫通孔51の内周面とボールネジナット42の外周面と間には、図4に示すように、円環状のグリス流路Pが形成されている。
また、スライダ50の両側面(+X側の側面及び−X側の側面)には、グリスを注入するための一対の注入口54が形成されている。注入口54は、スライダ50内に形成されたグリス流路55を介して、貫通孔51に通じている。このグリス流路55は、X軸方向に貫通する直線状の孔として構成されている。また、注入口54には、逆止弁が取り付けられている。この逆止弁により、注入されたグリスが、注入口54から逆流するのを防ぐ。
戻り通路52R、52Lは、図4〜図6に示すように、XZ断面が略円形の貫通孔に形成されている。戻り通路52R、52Lは、Y軸方向に貫通して形成されている。
グリス溝53R、53Lは、戻り通路52R、52Lを通過する鋼球B1に供給されるグリスが流れる溝である。グリス溝53R、53Lは、戻り通路52R、52Lの内面に、略U字状に形成された溝として構成されている。グリス溝53R、53Lは、戻り通路52R、52Lの長手方向(形成方向)に沿って、戻り通路52R、52Lの−Y側の端部から+Y側の端部まで延びるように、Y軸方向に貫通して形成されている。
また、スライダ50の下面(−Z側の表面)には、直線状の孔56R、56Lが形成されている。直線状の孔56R、56Lは、Z軸方向(グリス溝53R、53Lの長手方向に対して直交する方向)に沿って形成されている。直線状の孔56R、56Lは、スライダ50の下面から貫通孔51に貫通しているとともに、グリス溝53R、53Lに通じるように形成されている。直線状の孔56R、56Lの下面側の開口には、蓋体57が取り付けられている。蓋体57は、グリスが外部に流出することを防止するために取り付けられる。
上述のように構成されたスライダ50を形成する場合、先ず、金属材料(例えば、アルミニウム材)を押出成形することにより、戻り通路52R、52L等が形成された成形体が形成される。このとき、グリス溝53R、53Lも、戻り通路52R、52Lの形成と同時に形成される。この成形体に、穴あけ加工を施すことにより、グリス流路55、直線状の孔56R、56Lが形成される。以上により、スライダ50が完成する。
図4に戻り、スライダ50の両側面の下端近傍には、凹部が設けられている。この凹部には、例えば、鋼材からなる線状のレール58R、58Lが取り付けられている。レール58R、58Lは、ベース30のレール31R、31Lと同等の形状、寸法に形成されている。レール58Rの表面(+X側の面)及びレール58Lの表面(−X側の面)は、鋼球B1が配置される移動体側転動面として構成される。レール58Rは、レール31Rに対向するとともに、レール58Lは、レール31Lに対向している。レール58Rとレール31Rとの間、及びレール58Lとレール31Lとの間は、鋼球B1が転動する転動路W1(第1転動路)として構成される。
アクチュエータ10は、図7及び図8に示すように、スライダ50に取り付けられる潤滑油供給部材60とリターンキャップ70(リターン部材)とを更に有している。
潤滑油供給部材60は、戻り通路52R、52Lを通過する鋼球B1に潤滑油を供給するためのものである。潤滑油供給部材60は、スライダ50の戻り通路52R、52Lに挿入されている。詳しくは、潤滑油供給部材60は、その外周と戻り通路52R、52Lの内周との間にクリアランスが形成されないように嵌め込まれている。潤滑油供給部材60は、潤滑油パイプ61(潤滑油供給部材本体)と保護筒体62(保護部材)とを有する。
潤滑油パイプ61(潤滑油供給部材本体)は、円筒形状に形成されている。潤滑油パイプ61の貫通孔61aは、鋼球B1が通過する通路として構成されている。潤滑油パイプ61は、例えば、多孔質構造の焼結樹脂部材である。潤滑油パイプ61は、超高分子量ポリエチレンのパウダーを金型に充填し押し固めたものを加熱することで形成されている。潤滑油パイプ61は、その多孔質構造によって、潤滑油やグリスを保持する。これにより、潤滑油パイプ61の貫通孔61aを通過することにより、鋼球B1に潤滑油が供給される。
保護筒体62は、例えば、所定の大きさの金属板を湾曲させて略円筒形状とした部材である。保護筒体62には、潤滑油パイプ61が嵌め込まれている。潤滑油パイプ61は、多孔質構造の焼結樹脂部材であり、その剛性が小さく、損傷をしやすいものであることから、保護筒体62は、潤滑油パイプ61を保護するために用いられる。また、保護筒体62は、外径が戻り通路52R、52Lの内径と同等に形成されている。
リターンキャップ70(リターン部材)は、スライダ50の戻り通路52R、52Lの開口を覆うように、スライダ50の移動方向の両側の面(−Y側の面及び+Y側の面)に取り付けられている。リターンキャップ70は、2本のボルトによって固定されている。このリターンキャップ70の内部には、鋼球B1が循環する方向転換路71と、グリス溝53R、53Lから方向転換路71に通じるグリス出口路72とが形成されている。方向転換路71は、略U字状に形成された通路として構成されている。
上述のように構成されたスライダ50は、図9に示すように、複数の鋼球B1を介して、ベース30に取り付けられる。スライダ50が取り付けられると、図7に示すように、鋼球B1は、転動路W1、戻り通路52R、52L(詳しくは、戻り通路52R、52Lに挿入された潤滑油供給部材60の潤滑油パイプ61の貫通孔61a)、方向転換路71に配置される。これにより、図10を参照するとわかるように、鋼球B1は、長円形状の軌道T1、T2に沿って配置される。
上述のように構成されたアクチュエータ10の動作について、図3、図4、図7及び図10を用いて説明する。
図3を参照するとわかるように、先ず、モータユニット20のモータ21に電源が供給されることによって、モータ21の出力軸21aが所定の方向に回転(正転)する。出力軸21aが所定の方向に回転(正転)すると、出力軸21aに接続されているボールネジ軸41も、出力軸21aとともに回転(正転)する。すると、ボールネジ軸41の回転運動に伴って、ボールネジナット42及びスライダ50が、−Y方向及び+Y方向のいずれかに直線運動をする。このとき、図4を参照するとわかるように、転動路W1を鋼球B1が転動することにより、スライダ50は円滑に移動する。
また、転動路W1を転動した鋼球B1は、図7及び図10を参照するとわかるように、方向転換路71、戻り通路52R、52L(詳しくは、戻り通路52R、52Lに挿入された潤滑油供給部材60の潤滑油パイプ61の貫通孔61a)、方向転換路71を通過し、再び、転動路W1を転動する。
次に、アクチュエータ10へのグリスの注入方法ついて、図11、図12及び図4を参照して説明する。
アクチュエータ10にグリスを注入する場合には、アクチュエータ10のユーザは、図11に示すように、先ず、注入口54から、グリスを注入する。注入口54からグリスが注入されると、グリスは、グリス流路55を流れる。そして、グリスは、グリス流路P及び直線状の孔56R、56Lを通過し、グリス溝53R、53Lに移動する。
次に、グリス溝53R、53Lに移動したグリスは、図12に示すように、+Y方向及び−Y方向のいずれかに沿って移動する。そして、グリスは、リターンキャップ70のグリス出口路72を通過して、方向転換路71に流入する。この結果、方向転換路71に配置されている鋼球B1に、グリスが供給される。
また、図4を参照するとわかるように、グリス流路Pを流れるグリスの一部は、ボールネジナット42のグリス流路42aを通過して、転動路W2に配置されている鋼球B2に供給される。
以上、説明したように、本実施形態によれば、図4に示すように、スライダ50には、グリスが流れるグリス溝53R、53Lが、戻り通路52R、52Lの内面に形成されている。このため、戻り通路52R、52Lの内周と潤滑油供給部材60との外周との間に、グリス流路としてのクリアランスを確保することが不要になり、このクリアランスの分だけ、戻り通路52R、52Lを小径化できる。結果として、アクチュエータ10全体を小型化できる。
例えば、図13に示すように、従来のアクチュエータ100では、スライダ50の戻り通路52R、52Lの内径を、潤滑油供給部材60の外径よりも大きくする設計がなされている。これにより、戻り通路52R、52Lの内周と潤滑油供給部材60の外周との間に、グリスが流れるグリス流路として機能するクリアランスCが形成されている。このクリアランスCの寸法分だけ、戻り通路52R、52Lの小径化が制限されるため、小型化するための設計上の制約が生じ、スライダ50の小型化が困難になっていた。
さらに、小型のアクチュエータ10に用いられる鋼球B1の直径は、一般的に、大型のアクチュエータ10に用いられる鋼球B1の直径と同等である。このため、鋼球B1のサイズの観点からも、戻り通路52R、52Lの小径化が制限され、小型化するための設計上の制約が生じ、スライダ50の小型化が困難になっていた。
しかしながら、本実施形態では、図13に示すクリアランスCの代わりに、図4に示すグリス溝53R、53Lが、戻り通路52R、52Lの内面に形成されていることから、グリス流路としてのクリアランスCを形成することが不要になる。そして、潤滑油供給部材60の外径と同等の径にまで、戻り通路52R、52Lを小径化できる。これにより、戻り通路52R、52Lの内径を、従来のものより小さく設計することができ、小型化するためのアクチュエータ10の設計の自由度を向上させることができる。結果として、アクチュエータ10全体の小型化(コンパクト化)を実現することができる。
また、グリス溝53R、53Lは、グリスが流れるグリス流路として機能するだけでなく、グリスが保持されるグリス溜りとしても機能する。このため、グリス溝53R、53Lとは別に、グリス溜りを形成する加工を不要にすることができる。したがって、アクチュエータ10の加工コストを抑制することができる。
また、潤滑油供給部材60の外径と同等の径にまで、戻り通路52R、52Lを小径化する設計が可能になることから、アクチュエータ10を小型化した場合にでも、図14に示すように、スライダ50のXZ断面の面積S1を大きく確保することができる。
詳しくは、例えば、図15に示すように、従来のアクチュエータ100では、クリアランスCを形成しなければならないため、スライダ50の戻り通路52R、52Lの直径D2を大きく形成する必要がある。これに対して、図14に示すように、本実施形態に係るアクチュエータ10では、クリアランスCを形成する必要がないため、スライダ50の戻り通路52R、52Lは、直径D1が直径D2よりも小さく形成できる。これにより、アクチュエータ10のスライダ50は、XZ断面の面積S1が、従来のアクチュエータ100のスライダ50の面積S2よりも大きく形成できる。この結果、アクチュエータ10を小型化した場合にでも、戻り通路52R、52Lを形成することに起因したスライダ50の剛性の低下を抑制することができる。
また、図6及び図8に示すように、グリス溝53R、53Lは、戻り通路52R、52Lの長手方向に沿って、Y軸方向に貫通するように形成されている。このため、アルミニウム材を押出成形することにより、グリス溝53R、53Lを、戻り通路52R、52Lの形成と同時に形成することができる。これにより、グリス溝53R、53Lを、穴あけ加工等の機械加工により別途、形成しなくともよいため、グリス流路の加工を単純化することができる。結果として、加工コストを低減することができ、ひいては、アクチュエータ10の製造コストを抑制することができる。
また、本実施形態では、図12に示すように、リターンキャップ70に、グリス溝53R、53Lから方向転換路71に通じるグリス出口路72が形成されている。このため、戻り通路52R、52L及び潤滑油供給部材60の構造を簡素化することができる。詳しくは、従来のアクチュエータ(特許文献1に記載されたアクチュエータ)では、潤滑パイプの挿入方向両側に、グリスが通過する孔が形成されたガイドパイプが配置されていた。これに対して、本実施形態では、ガイドパイプが不要になり、部品点数を削減することができるとともに、スライダ50のY軸方向の寸法を小さくすることができる。結果として、アクチュエータ10全体の小型化(コンパクト化)を実現することができる。
また、本実施形態では、注入口54からグリスを注入することにより、転動路W1と転動路W2とのいずれにも、グリスを供給することができる。このため、アクチュエータ10へのグリスの注入回数を少なくすることができ、作業性を良好にすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態等によって限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、アクチュエータ10は、スライダテーブル10Aが−Y方向及び+Y方向の双方向に移動するスライダタイプのアクチュエータである。しかしながら、これに限らず、ロッドが−Y方向及び+Y方向の双方向に移動するロッドタイプのアクチュエータであってもよい。
また、上記実施形態においては、スライダ50の下面から穴あけ加工によって形成されている直線状の孔56R、56Lの形成数は2つである。しかしながら、これに限らす、アクチュエータ10を小型化することにより、グリス溝53Rとグリス溝53Lとの間隔が小さくする設計がなされた場合には、直線状の孔56R、56Lの形成数を1つにしてもよい。この場合、加工コストを抑制することができる。
また、上記実施形態においては、潤滑油供給部材60の保護筒体62は、金属板を湾曲させて形成した略円筒形状とした部材である。しかしながら、これに限らず、完全な円筒形状であってもよい。
また、上記実施形態においては、スライダ50の戻り通路52R、52Lは、断面が円形の貫通孔であり、潤滑油供給部材60の形状は、戻り通路52R、52Lの内径と同等の外径の略円筒形状である。しかしながら、戻り通路52R、52Lの形状、潤滑油供給部材60の形状は、これに限られない。潤滑油供給部材60の形状は、戻り通路52R、52Lに嵌り込む形状に形成されていればよい。
また、上記実施形態においては、グリス溝53Rは、戻り通路52Rの内面に1つ形成されている。しかしながら、これに限らず、2つ以上形成されていてもよい。同様に、グリス溝53Lは、戻り通路52Lの内面に1つ形成されているが、これに限らず、2つ以上形成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、グリス溝53R、53Lは、略U字状に形成された溝として構成されている。しかしながら、これに限られない。グリス溝53R、53Lは、図16(A)に示すように、略凹形状に形成された溝として構成されていてもよいし、図16(B)に示すように、略V字状に形成された溝として構成されていてもよい。また、図16(C)に示すように、略三角形状に形成された溝として構成されていてもよいし、図16(D)に示すように、略円形状に形成された溝として構成されていてもよい。また、これら以外の形状であってもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
10、100 アクチュエータ
10A スライダテーブル
11 フロントブラケット
12 リアブラケット
12a ベアリング
13R、13L サイドカバー
14 ステンレスシート
15 開口部
20 モータユニット
21 モータ
21a 出力軸
22 カップリング
30 ベース
31R、31L レール
40 ボールネジ
41 ボールネジ軸
42 ボールネジナット
42a グリス流路
43 カップリング
44 カラー
50 スライダ(移動体)
51 貫通孔
52R、52L 戻り通路
53R、53L グリス溝
54 注入口
55 グリス流路
56R、56L 直線状の孔
57 蓋体
58R、58L レール
60 潤滑油供給部材
61 潤滑油パイプ(潤滑油供給部材本体)
61a 貫通孔
62 保護筒体(保護部材)
70 リターンキャップ(リターン部材)
71 方向転換路
72 グリス出口路
B1 鋼球(第1転動体)
B2 鋼球(第2転動体)
P グリス流路
W1 転動路(第1転動路)
W2 転動路(第2転動路)
C クリアランス
T1、T2 軌道
S1、S2 面積

Claims (7)

  1. ベース側転動面が形成されたベースと、
    前記ベース側転動面に配置される第1転動体と、
    前記第1転動体が配置されることで前記ベース側転動面とともに前記第1転動体が転動する第1転動路を構成する移動体側転動面と、グリスを注入するための注入口と、が形成され、前記ベースに対して直線移動可能に設けられた移動体と、
    前記移動体に形成されると共に断面が略円形の貫通孔から構成された戻り通路に配置されて、前記戻り通路を通過する前記第1転動体に潤滑油を供給する潤滑油供給部材と、
    を有し、
    前記移動体は、前記戻り通路と、前記戻り通路の内面に形成され、前記戻り通路に連通すると共に前記注入口に連通し、前記注入口から注入されたグリスが流れるグリス溝と、を有し、
    前記潤滑油供給部材は、潤滑油が含浸され、略円筒形状に形成された潤滑油供給部材本体と、前記潤滑油供給部材本体が嵌め込まれる略円筒形状に形成された保護部材と、を有し、
    前記保護部材の外径は、前記戻り通路の内径と同等であることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記グリス溝は、前記戻り通路の形成方向に沿って、前記戻り通路の一端から他端まで延びるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記第1転動路と前記戻り通路とを接続する方向転換路が形成されたリターン部材を有し、
    前記リターン部材には、前記グリス溝から前記方向転換路に通じるグリス出口路が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
  4. ボールネジ軸と、
    前記ボールネジ軸に螺合され、前記移動体に固定されたボールネジナットと、
    前記ボールネジ軸と前記ボールネジナットとの間に形成された第2転動路を転動する第2転動体と、
    を有し、
    前記移動体には、前記注入口から注入された前記グリスが通り、前記グリス溝及び前記第2転動路のいずれにも通じるグリス流路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
  5. 前記移動体には、前記グリス溝の長手方向に対して直交する方向に沿って、前記移動体の表面から前記グリス溝に通じる直線状の孔が形成され、
    前記直線状の孔の開口には、蓋体が取り付けられ、
    前記直線状の孔は、前記グリス流路の一部として構成されていることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ。
  6. 前記移動体にスライダテーブルが取り付けられたスライダタイプのアクチュエータであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
  7. 前記移動体にロッドが取り付けられたロッドタイプのアクチュエータであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
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