JP6195459B2 - 干渉計用可動ミラーの速度制御装置、フーリエ変換分光光度計 - Google Patents

干渉計用可動ミラーの速度制御装置、フーリエ変換分光光度計 Download PDF

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Description

本発明は、干渉計用可動ミラーの速度制御装置、及び、これを備えたフーリエ変換分光光度計に関し、特に可動ミラーの等速制御の改良に関する。
フーリエ変換赤外分光光度計(以下、FTIRと呼ぶ。)は、干渉計で生成される赤外光の干渉光を試料に照射し、試料からの干渉光の検出値に基づいて、試料特有のスペクトルを取得するもので、スペクトルを利用した試料の分析を行うことができる。FTIRは、一般的に、赤外光源、干渉計、試料部、赤外検出器、および、信号処理手段を有して構成される。干渉計は、赤外光源からの赤外光を2つの光束に分割するビームスプリッタ、分割された一方の光束をそのビームスプリッタに向けて反射する固定ミラー、分割された他方の光束を前記ビームスプリッタに向けて反射する可動ミラーを有する。2つの光束はビームスプリッタで合成され干渉光となって後段の試料部に送られる。干渉光は、可動ミラーの移動位置に応じた強度、すなわち、2つの光束の光路差に応じた強度を有する。このような干渉光の強度変化は、インターフェログラム(干渉曲線)と呼ばれる。試料部からの干渉光を赤外検出器により光電変換してインターフェログラム信号を得て、信号処理手段によりスペクトルに変換される。こうして、試料特有のスペクトルが得られる。
<等速性の確保>
フーリエ変換分光光度計においては、逐次比較型ADコンバータと干渉計のアナログドライブ制御との組み合わせが一般的だったが、近年、データのS/Nの改善を図るため、基本クロックにより、自走的にAD変換(オーバーサンプリング)を行うΔΣ型ADコンバータ20を採用するものが増えてきた。この場合、基本クロックは可動ミラーがHe−Neレーザの1周期分又は1/2周期分だけ動く時間よりも更に短く、また可動ミラーの速度と非同期である。このため、可動ミラーの速度にふらつきがあると、インターフェログラムのサンプリング距離間隔がばらつくことになり、フーリエ変換の精度を落としてしまう。従って、可動鏡の等速性が必須の条件である。
特開2006−125971号公報
可動ミラーを用いたアナログドライブ制御では、例えばHe−Neレーザ検出器よりのアナログ信号(He−Neレーザの干渉信号)の1周期間隔又は1/2周期間隔で干渉計の可動ミラーの速度を監視して、速度制御を行うものがある。しかしながら、一般的なアナログ制御では、可動ミラーの速度に「むら」が生じることがある。このような速度の「むら」を抑えて等速性を確保することが従来からの課題であった。(特許文献1参照)
発明者らは、正確なインターフェログラムを検出するためには、可動ミラーの等速制御を実行する際に、速度の指令値と実速度の検出値とのずれ(差分)を極力小さく抑えること、また、所定のストロークを繰返し移動させても常に安定した速度制御を実行できることが重要であると考えた。
そして、速度の指令値と実速度の検出値の差分の原因は、主にミラーの移動手段に加わる外部振動(外乱)であることに着目した。従来の速度フィードバック制御は、2つの速度の差分に基づいて、速度指令値の補正を行うものであるが、可動ミラーは常に動いているため、ミラー速度の監視位置と、フィードバック制御を受けた指令値による速度制御が実行される制御位置とは、厳密には一致せず、微小にずれる。ミラーの移動をより高い精度で制御するためには、外部振動による制御のずれ(遅れ)を解消する必要があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は干渉計用可動ミラーの速度制御装置において、可動ミラーに作用する外部振動による速度制御の遅れを解消することができ、さらには、所定のストローク(行程)を繰返し移動させても常に安定した速度制御を実行することができる可動ミラーの速度制御装置、および、これを用いたフーリエ変換分光光度計を提供することにある。
すなわち、本発明に係る干渉計用可動ミラーの速度制御装置は、光束を分割する光束分割部、分割光をそれぞれ反射する固定ミラー、および可動ミラーを有して、異なる光路長の2光束を合成して干渉光を発生させるための干渉計に用いられる前記可動ミラーの速度制御装置であって、
前記可動ミラーを移動させる移動手段と、
前記移動手段に駆動電流を供給する電流供給手段と、
前記電流供給手段に出力電流の指令値を送る電流制御手段と、を備え、
前記移動手段には、前記可動ミラーに加わる外部振動を検出するための加速度センサが設けられ、
前記電流制御手段は、前記加速度センサの検出値に基づいて可動ミラーの移動方向に作用する加速度を打ち消すための電流変化成分を決定し、該電流変化成分を前記出力電流の指令値に与えることを特徴とする。
さらに、可動ミラーの速度制御装置は、前記可動ミラーの位置ごとに過去に用いた前記出力電流の指令値を記憶する記憶部を備え、
前記電流制御手段は、記憶された前記指令値に基づいて前記可動ミラーの位置ごとの見かけの重さを予測する予測手段を有し、次の速度制御において予測された前記見かけの重さに応じた出力電流の指令値を用いることが好ましい。
また、前記電流制御手段は、次の速度制御において予測された前記見かけの重さに応じた出力電流の指令値を用いることで、該見かけ重さの予測分だけ、前記加速度センサの検出値に基づく前記電流変化成分による前記出力電流の指令値の制御量を小さく抑えることが好ましい。
また、前記記憶部は、過去に前記出力電流の指令値を適用した可動ミラーの位置よりも該ミラーの進行方向にずれた位置情報に関連付けて、該指令値を記憶することが好ましい。
また、本発明に係るフーリエ変換分光光度計は、
光束を分割する光束分割部、分割光をそれぞれ反射する固定ミラー、および可動ミラーを有して、異なる光路長の2光束を合成して干渉光を発生させるための干渉計と、
前記可動ミラーの速度制御装置と、
前記干渉計からの干渉光を試料に照射して得られた干渉光を光電変換しインターフェログラム信号を出力する検出器と、
前記検出器からのインターフェログラム信号に基づいてスペクトルを得るための信号処理手段と、を備えることを特徴とする。
以上の構成の干渉計用可動ミラーの速度制御装置、および、これを用いたフーリエ変換分光光度計によれば、内蔵した加速度センサを用いて外部振動を検出して、この検出値に基づいて出力電流の指令値に対する補正値(電流変化成分)を決定し、これを付与した指令値を用いて可動ミラーの移動させることになる。従来の速度制御における制御の遅れの原因と考えた外部振動を加速度センサで検出することで、制御の遅れを解消することができ、可動ミラーに与える外部振動の影響をリアルタイムで抑制することができる。
また、記憶された過去の指令値に基づいて現在の可動ミラーの環境条件を予測し、適切な指令値を導き出すこと(学習機能)で、次の速度制御における実際の環境条件に対する制御の応答性が高まり、高精度で安定した速度制御を実現することができる。
ここで、予測される環境条件としては、例えば、移動機構の表面凹凸のような機械的な経年変化、設置場所で制約される干渉計(FTIR)の姿勢、周辺温度などが挙げられる。
例えば、ミラーの移動機構に機械的な経年変化(環境条件)が生じている場合、予測された経年変化に応じた指令値を用いれば、その経年変化の予測分だけ加速度センサに基づくリアルタイムの制御量(電流変化成分)を小さく抑えることができる。その結果、測定の繰返しにより序々に変化していくような経年変化に対する制御の応答性が高まる。また、毎回のミラーの移動で変化するような外部振動の影響(例えば、周囲を人が移動することで作用する振動など)は、加速度センサによるリアルタイム制御によって常に排除されることになるが、経年変化の予測によって制御量が小さくて済むことから、毎回の測定でランダムに生じるような外部振動の影響に対する応答性も高まる。
以上のようなリアルタイム制御を実現できたことにより、可動ミラーに作用する外部振動による速度制御の遅れを解消することができ、さらに、学習機能を具備させたことで、所定のストロークを繰返し移動させても常に安定した速度制御を実行することができる。
本発明の一実施形態にかかるフーリエ変換分光光度計の概略構成図である。 前記フーリエ変換分光光度計に備えられた可動ミラーの速度制御装置のブロック図である。 本発明にかかる可動ミラーの速度制御方法のフロー図である。
以下に図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)100の概略構成図である。同図に示したFTIR100は、赤外光源12と、マイケルソン干渉計14と、赤外検出器16と、コントローラ30とを備える。赤外光源12は、赤外光を干渉計14のビームスプリッタ22に向けて出射する。
マイケルソン干渉計(以下、単に干渉計と呼ぶ)14は、異なる長さの光路を経た2光束を合成して干渉光を発生させるためのもので、固定ミラー18、可動ミラー20、及び、ビームスプリッタ(光束分割部)22を有する。ビームスプリッタ22は、光源12からの赤外光を2光束に分割するとともに2光束を合成する役目を持つ。固定ミラー18は、分割後の第1光束をビームスプリッタへ向けて反射する。可動ミラー20は、分割後の第2光束をビームスプリッタ22へ向けて反射するとともに該ビームスプリッタ22に近づく方向と遠ざかる方向の両方向に移動可能に設けられている。そして、ビームスプリッタ22にて2光束が合成され、赤外光の干渉光が生じる。同時に可動ミラー20の移動に伴って、赤外光の干渉光は変調される。この干渉光は、ビームスプリッタ22と赤外検出器16の間に設けられた試料室内の試料24を照射する。
可動ミラー20はボイスコイルモータなどの移動手段26によって移動自在に設けられる。ボイスコイルモータなど電動の移動手段26を使用する場合は、パワーアンプ(電流供給手段に相当する)28を設けて移動手段26に駆動電流を供給するように構成してもよい。なお、ボイスコイルモータのような移動手段26に限られず、圧電アクチュエータなど他の移動手段26を用いてもよい。
この干渉計14には、さらに、He−Neレーザ光源(測距用光源)60と、測距用検出器62と、He−Neレーザを用いて可動ミラー20までの距離を測定するレーザ干渉計とが設けられている。He−Neレーザ光源60は、He−Neレーザ(単色光)を発生し、赤外光と同じ光路を利用してビームスプリッタ22に供給する。レーザ干渉計は、可動ミラー20の移動に伴ってHe−Neレーザの干渉光(測距用干渉光)を生成する。測距用検出器62は、干渉計14よりのHe−Neレーザ干渉光を光電変換し、He−Neレーザ干渉信号を出力する。なお、マイケルソン干渉計14の光学系はレーザ干渉計の光学系に兼用されている。このような構成では、マイケルソン干渉計をFTIRにおける主干渉計と呼び、レーザ干渉計を副干渉計と呼んで、便宜的に2種類の干渉計を区別する。
赤外検出器16は、試料24からの干渉光を光電変換し、インターフェログラム信号を出力する。
また、同図において、コントローラ(信号処理手段に相当する)30は、CPU又はコンピュータPCからなり、可動ミラー20の速度制御を行なうとともに、赤外検出器16からのインターフェログラム信号に基づいてスペクトルを演算する。具体的には、コントローラ30は、可動ミラー20のための電流制御手段32と、この電流制御手段32に指令値を与える指令手段34と、メモリー(記憶部)36と、位置検出手段38と、インターフェログラム取得手段40と、フーリエ変換手段42とを備える。
電流制御手段32は、指令値をパワーアンプ28に与えてその出力電流を制御して、可動ミラー20の速度制御、特にその等速制御を実行するためのものである。
位置検出手段38は、測距用検出器62よりのHe−Neレーザ干渉信号(測距用干渉信号)に基づいて、可動ミラー20の移動に伴った干渉縞の変化をカウントすることにより、可動ミラー20の位置を検出する。検出された位置情報は、インターフェログラム取得手段40および電流制御手段32などに送られる。
インターフェログラム取得手段40は、赤外検出器16からのインターフェログラム信号と、位置検出手段38からの可動ミラー20の位置情報とに基づいて、干渉光の光強度を縦軸、2光束の光路差を横軸とするインターフェログラム(干渉曲線)を取得する。フーリエ変換手段42は、インターフェログラムにフーリエ変換を施し、試料に特有なスペクトルを取得する。
本発明において特徴的なことは、可動ミラー20の移動手段26に加速度センサ64が設けられていること、そして、コントローラ内の電流制御手段32が、加速度センサ64の検出値に基づく指令値の補正を行って、可動ミラー20のリアルタイム制御を実行できること、および、記憶された過去の指令値情報に基づく学習機能を具備していることである。これらについて以下に詳細に説明する。
<可動ミラーの速度制御装置>
図2は、本発明にかかる可動ミラー20の速度制御装置10の全体構成を示すブロック図である。この速度制御装置10は図1のFTIR100に組み込まれており、対応する構成には同じ符号を付して説明する。可動ミラー20の速度制御装置10は、ボイスコイルモータなどの移動手段26と、この移動手段26に設けられ可動ミラー20に加わる外部振動を検出するための加速度センサ(ジャイロセンサなど)64と、移動手段26に駆動電流を供給するパワーアンプ28と、パワーアンプ28に出力電流の指令値を与える電流制御手段32と、可動ミラー20の位置ごとに過去に用いた出力電流の指令値を記憶するメモリー36と、を備える。
図2の電流制御手段32は、パワーアンプ28の出力電流を定めるための指令値として、指令手段34からの外部指令値、または、内部で予測した予測指令値を選択して、パワーアンプ28に送るようになっている。さらに、電流制御手段32は、選択された指令値に、加速度センサ64の検出値に基づく補正値(電流変化成分)を与えている。この電流変化成分は、可動ミラー20が外部振動を受けた際に、可動ミラー20の移動方向に作用する加速度を打ち消すために必要な電流変化成分を示す。
電流制御手段32の具体的な構成の一例を以下に説明する。
電流制御手段32は、環境条件に応じた予測指令値を出力する予測手段44と、この予測指令値と指令手段34からの外部指令値とのいずれかを選択する選択手段46と、指令値に対する補正値として電流変化成分を算出する算出手段48と、この電流変化成分を選択された指令値に付与する付与手段50と、実際にパワーアンプ28に送られた指令値を位置情報とともにメモリー36に記憶させる記憶手段52と、を有する。
予測手段44は、メモリー36に記憶された指令値に基づいて可動ミラー20の位置ごとの現在の環境条件を予測するとともに、その環境条件に適する予測指令値を算出して選択手段46に出力する。
現在の「環境条件」とは、例えば、干渉計14(FTIR)の傾きもしくは可動ミラー20の重さの変化、またはストローク内の位置による可動ミラー20の重さの違いなどを示す。ここで、可動ミラー20の「重さ」とは、移動手段26の摺動部などの摺動面に塗られる潤滑油(グリースなど)の粘度が周囲温度の影響で変化することにより、可動ミラー20が見かけ上、重くなったり軽くなったりすることを示す。また、位置による可動ミラー20の「重さの違い」とは、摺動部の摺動面が経年変化などで凹凸が生じて、ストローク内の位置によって、可動ミラー20が見かけ上、重くなったり軽くなったりすることを示す。なお、学習機能とは、前回または過去に使用した出力電流の指令値(電流変化成分が付与されたもの)に基づいて、次の測定に用いる指令値を変化させることであり、これを行うことで、毎回の測定に用いる指令値が連続的または断続的に変化していくことになる。
<速度制御方法>
図3は、可動ミラー20の速度制御方法の手順を示すフロー図である。同図を用いて、可動ミラー20のリアルタイム制御の方法、および、記憶された過去の指令値情報に基づく学習機能について説明する。
まず、予測手段44がメモリー36から過去に用いた出力電流の指令値を読み出す(S10)。可動ミラー20の位置ごとに逐次、指令値を読み出してもよいし、1ストローク分をまとめて読み出してもよい。
次に、予測手段44が読み出した指令値に基づいて現在の環境条件を予測し(S20)、その環境条件に適する指令値を可動ミラー20の位置毎に算出する(S30)。
次に、学習機能を使用する場合は選択手段46が予測指令値を選択し、予測指令値を用いた可動ミラー20の速度制御を実行する(S40)。すなわち、選択された指令値をパワーアンプ28に送って可動ミラー20を移動させる。なお、学習機能を使用しない場合は選択手段46が外部指令値を選択し、外部指令値を用いた可動ミラー20の速度制御を実行する。
可動ミラー20の速度制御の実行中は、電流変化成分算出手段48が、加速度センサ64からの検出値に基づく電流変化成分を算出し、これを付与手段50が選択手段46からの指令値に付与する(S50)。
そして、電流変化成分によって補正された指令値をパワーアンプ28に送り、可動ミラー20を移動させる(S60)とともに、記憶手段52が使用した指令値をメモリー36に記憶させる(S70)。なお、速度制御を続ける場合は、工程S30へ戻って、S30からS70の各工程を繰り返し実行する(S80)。
このようにして、可動ミラー20の全ストロークにおいて、可動ミラー20の位置毎のリアルタイム制御と、学習機能とが同時に実行される。
本実施形態の効果について2つの視点、つまりリアルタイム制御と学習機能の視点から説明する。
<リアルタイム制御>
本実施形態では、加速度センサ(3軸)64で外部振動(振動方向および周波数)を検知し、ボイスコイルモータなどの移動手段26への出力電流の指令値に、可動ミラー20の移動方向に作用する加速度(振動)を打ち消すように電流変化成分を与えて、その指令値により移動手段26を駆動させる。この制御によって、経年変化などの測定環境条件の変化に限らず、毎回の測定でランダムに変化するような外部振動の影響もリアルタイムでキャンセルすることができる。
従来の速度フィードバック制御を使って可動ミラー20の等速性を高い精度に保とうとしても、速度検出のタイミングと補正された指令値による制御のタイミングとのずれ、すなわち制御の遅れ(タイムラグ)の影響が顕著になり、所望の精度を保つことができないという問題があった。これに対して本実施形態に示す速度制御方法を用いれば、可動ミラー20に加わる外部振動を加速度センサ64で検出し、外部振動の方向および周波数の情報を得て、この外部振動を打ち消す方向および周波数で可動ミラー20を駆動させる。加速度センサ64を使うと外部振動をより早く検出できるため、外部振動の影響が可動ミラー20の速度変動として表れる前に外部振動そのものの影響をキャンセルすることができる。つまり、速度フィードバック制御のような制御の遅れが生じず、リアルタイムでの制御が可能になる。その結果、可動ミラー20を速度制御する際に、外部振動を受けているとしても、可動ミラーを高い精度で等速に移動させることができて、FTIRの測定結果に与える外部振動の影響、すなわち可動ミラー20の速度のふらつきを抑え、データのS/Nの改善を確実に実施することができる。このような効果は、工場内などでFTIRを用いて現場測定を行う際に非常に有効である。
<パターン記憶タイプの学習機能>
前回または過去の複数回の速度制御で使用した指令値から、現在の可動ミラー20の環境条件を予測し、その環境条件に見合った指令値を使って次のストロークでの速度制御を実行することによって、所定のストロークを繰返し移動させても常に安定した可動ミラー20の速度制御を実行することができる。
図2に示す記憶手段52は、パワーアンプ28に対する前回の指令値を可動ミラー20の位置情報に関連付けてメモリー36に記憶させる。すでに、それ以前の指令値がメモリー36に保存されている場合は更新する。但し、前回の指令値による可動ミラーの制御精度(例えば、ミラー位置の検出値)が閾値よりも悪いと記憶手段52によって判断された場合は、その指令値については更新しないで、すでに保存されている指令値を維持するのが好ましい。
メモリー36は、可動ミラー20の移動位置の全点の指令値をすべて記憶するのではなく、所定の点数(例えば64点)ごとに、その平均値を記憶することが好ましい。これにより、記憶する情報量が少なくなって記憶精度が向上するとともに、記憶する情報が可動ミラーの環境条件のうちの低周波成分の特性に限定されるので、必要な情報のみが記憶されることになる。
メモリー36が所定の点数(例えば64点)ごとの平均値を記憶する場合において、予測手段44がその記憶指令値を読み取って予測指令値を作成するときには、隣り合う記憶指令値に基づく直線補完によって得られた指令値を使って予測指令値を作成することが好ましい。すなわち、予測手段44は、所定の点数(例えば64点)のうちの代表点については記憶指令値をそのまま用いるが、代表点以外の点については隣り合う記憶指令値に基づいて直線補完して得られた補完指令値を用いて、予測指令値を作成するのがよい。
指令値を適用した可動ミラー20の位置よりもミラーの進行方向にずれた位置情報に関連付けて、指令値を記憶させることが好ましい。これにより、制御遅れの影響を抑えることができる。なお、ミラー位置情報をどの程度シフトさせるかについては、予め制御系の応答速度に対して制御精度が最良となるようなシフト量を定めておき、指令値の記憶の際にはそのシフト量を使用するのがよい。
(変形例)
前述の実施形態において、図2の予測手段44は環境条件に応じた予測指令値を選択手段46に送るように構成されていると説明したが、環境条件に応じた補正値(電流変化成分)を算出し、これを指令手段34からの外部指令値に付与するように予測手段を構成してもよい。
10 可動ミラーの速度制御装置
14 干渉計(マイケルソン干渉計)
16 赤外検出器(検出器)
18 固定ミラー
20 可動ミラー
22 ビームスプリッタ(光束分割部)
26 移動手段(ボイスコイルモータ)
28 パワーアンプ(電流供給手段)
30 コントローラ(信号処理手段)
32 電流制御手段
36 メモリー(記憶部)
64 加速度センサ
100 フーリエ変換赤外分光光度計(フーリエ変換分光光度計)

Claims (4)

  1. 光束を分割する光束分割部、分割光をそれぞれ反射する固定ミラー、および可動ミラーを有して、異なる光路長の2光束を合成して干渉光を発生させるための干渉計に用いられる前記可動ミラーの速度制御装置であって、
    前記可動ミラーを移動させる移動手段と、
    前記移動手段に駆動電流を供給する電流供給手段と、
    前記電流供給手段に出力電流の指令値を送る電流制御手段と、を備え、
    前記移動手段には、前記可動ミラーに加わる外部振動を検出するための加速度センサが設けられ、
    前記電流制御手段は、前記加速度センサの検出値に基づいて可動ミラーの移動方向に作用する加速度を打ち消すための電流変化成分を決定し、該電流変化成分を前記出力電流の指令値に与え、
    前記可動ミラーの速度制御装置は、更に、前記可動ミラーの位置ごとに過去に用いた前記出力電流の指令値を記憶する記憶部を備え、
    前記電流制御手段は、記憶された前記指令値に基づいて前記可動ミラーの位置ごとの見かけの重さを予測する予測手段を有し、次の速度制御において予測された前記見かけの重さに応じた出力電流の指令値を用いることを特徴とする干渉計用可動ミラーの速度制御装置。
  2. 請求項1記載の干渉計用可動ミラーの速度制御装置において、
    前記電流制御手段は、次の速度制御において予測された前記見かけの重さに応じた出力電流の指令値を用いることで、該見かけ重さの予測分だけ、前記加速度センサの検出値に基づく前記電流変化成分による前記出力電流の指令値の制御量を小さく抑えることを特徴とする干渉計用可動ミラーの速度制御装置。
  3. 請求項1または2記載の干渉計用可動ミラーの速度制御装置において、
    前記記憶部は、過去に前記出力電流の指令値を適用した可動ミラーの位置よりも該ミラーの進行方向にずれた位置情報に関連付けて、該指令値を記憶することを特徴とする干渉計用可動ミラーの速度制御装置。
  4. 光束を分割する光束分割部、分割光をそれぞれ反射する固定ミラー、および可動ミラーを有して、異なる光路長の2光束を合成して干渉光を発生させるための干渉計と、
    請求項1から3のいずれかに記載の前記可動ミラーの速度制御装置と、
    前記干渉計からの干渉光を試料に照射して得られた干渉光を光電変換しインターフェログラム信号を出力する検出器と、
    前記検出器からのインターフェログラム信号に基づいてスペクトルを得るための信号処理手段と、
    を備えることを特徴とするフーリエ変換分光光度計。
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