JP6195324B2 - 透明樹脂成形品の射出成形方法 - Google Patents

透明樹脂成形品の射出成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6195324B2
JP6195324B2 JP2016127562A JP2016127562A JP6195324B2 JP 6195324 B2 JP6195324 B2 JP 6195324B2 JP 2016127562 A JP2016127562 A JP 2016127562A JP 2016127562 A JP2016127562 A JP 2016127562A JP 6195324 B2 JP6195324 B2 JP 6195324B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
injection molding
resin material
injection
molded product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016127562A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016168851A (ja
Inventor
別所 正博
正博 別所
直元 石川
直元 石川
恒憲 種村
恒憲 種村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2016127562A priority Critical patent/JP6195324B2/ja
Publication of JP2016168851A publication Critical patent/JP2016168851A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6195324B2 publication Critical patent/JP6195324B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、透明樹脂成形品の射出成形方法に関するものである。
透明樹脂成形品の射出成形方法として、下記の特許文献1,2に開示されているものが知られている。
特許文献1に開示されている透明樹脂部材の製造方法は、同文献の図2〜図4に示されるように、凸形状を有するポリカーボネート製の中間成形品2を、この中間成形品2の外観形状と同じ形状のキャビィティ面60a,61aを持つ下型60および上型61からなる成形型6の内部に配置して型締めし、中間成形品2とキャビィティ面60a,61aとの間の空隙に透明なアクリル樹脂を流し込み、これによってポリカーボネート製の中間成形品2の両面にアクリル樹脂が積層されたキャノピー1を成形するものである。
また、特許文献2に開示されているコンタクトレンズ材の製造方法は、同文献の図8,図9に示されるように、コンタクトレンズ材を製造するための第1の樹脂型、第2の樹脂型を射出成形し、成形された第1の樹脂型、第2の樹脂型のいずれか一方にコンタクトレンズ材成形用材料を供給し、第1の樹脂型と第2の樹脂型を型合わせすることにより、コンタクトレンズ成形キャビテイを形成し、該キャビテイに充填された成形材料を成形することにより、目的とするコンタクトレンズ材を得るものである。
特開平7−24868号公報 再公表特許第01/015883号
透明樹脂成形品の射出成形時における課題として、
A.気泡の混入
B.複数のゲート(射出孔)から成形型内に射出された樹脂同士が型内で隣接する際におけるウェルドライン(湯ざかい)の発生
C.樹脂材料の硬化時に体積が縮小することによるヒケ(凹み)の発生
が挙げられる。
特許文献1,2における透明樹脂成形品の製造方法は、いずれも成形品の厚さが1mm以下〜8mm程度と比較的薄く、大きさも小さいものを成形する方法であるため、上記A〜Cの課題は発生しにくいので大きな問題となりにくい。しかし、航空機のキャノピーのように、厚さが20mm程度ある厚肉で大型の透明樹脂成形品の場合は上記課題A〜Cが顕著になる。
即ち、図16に示すように、ゲート101から成形型102内に樹脂材料Rが射出される際に、ゲート101の直径寸法Xに対して成形型102の厚み寸法Yが大きいために、射出された樹脂材料Rが成形型の内部に線状に押し出され、そのまま落下して積み上がってしまい、これによって多量の気泡が混入してしまう。
また、航空機のキャノピーを樹脂成形する場合、従来では図17に示すように、成形型102を横倒しの姿勢に保ち、その最上部にゲート101を形成するか、あるいは図18に示すように、成形型102の前後両端にゲート101を形成して樹脂材料Rを射出する。ところが、このような位置から成形型102の内部に樹脂材料Rを射出すると、成形型102の内部空間が広いために、ゲート101から射出された樹脂材料Rが成形型102の内壁に付着せずに落下し、図16の場合と同様に線状に押し出されて積み上がり、多量の気泡が混入してしまう。
さらに、全長が3m以上にも及ぶキャノピーの成形型102には、単一のゲートのみから樹脂材料Rを射出するのは容量的に困難なので、図19に示すように複数のゲート101(多点ゲート)を設けて樹脂材料Rを射出することになる。しかし、このような多点ゲート101から樹脂材料Rを射出すると、成形型102の内部で各ゲート101から射出された樹脂材料Rが互いに接する境界面(湯ざかい)が可視的に残存する、所謂ウェルドラインWが発生してしまう。このウェルドラインWは光学歪みを伴うため、航空機のキャノピーにおいては重大な欠陥となる。
また、一般に、樹脂材料は、硬化する際に体積が減少するため、樹脂成形品の表面が凹む、所謂ヒケと呼ばれる欠陥が発生しやすい。これは厚肉な成形品において顕著になる。ヒケは透明な成形品においては光学歪みの原因になるため、航空機のキャノピーの場合には成形品の表裏を研磨してヒケを消去する必要が生じ、この研磨作業が成形品の製造コストを上昇させる原因となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、気泡、ウェルドライン、ヒケ等の欠陥の発生を防止し、透明樹脂成型品の歩留りを向上させて製造コストダウンを図ることのできる透明樹脂成形品の射出成形方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明の第1の参考例に係る透明樹脂成形品の射出成形装置は、透明樹脂成形品を射出成形するための成形型と、前記成形型の周縁部に設けられ、前記成形型の内部に樹脂材料を射出する入口となるゲートと、を具備したものであって、前記成形型の厚み寸法が15〜25mmの範囲のものにおいて、前記ゲートの直径寸法と前記成形型の厚み寸法との比率が1:6〜1:3の範囲内に設定されたことを特徴とする。
また、本発明の第1の参考例に係る透明樹脂成形品の射出成形方法は、透明樹脂成形品を射出成形するための成形型と、前記成形型の周縁部に設けられ、前記成形型の内部に樹脂材料を射出する入口となるゲートと、を使用する射出成形方法であって、前記成形型の厚み寸法が15〜25mmの範囲のものにおいて、前記ゲートの直径寸法と前記成形型の厚み寸法との比率を1:6〜1:3の範囲内に設定して射出成型することを特徴とする。
上記の射出成形装置および射出成形方法によれば、ゲートの直径寸法と成形型の厚み寸法との比率が適正化されるため、ゲートから成形型の内部に射出された樹脂材料が成形型の内部に線状に押し出されて積み上がってしまうことがなく、射出された樹脂材料は成形型の内部をファウンテンフロー状に流れる。このため、樹脂材料に気泡が混入しなくなり、気泡の混入による欠陥の発生を防止して成形品の歩留りを向上させ、製造コストダウンを図ることができる。
また、本発明の第2の参考例に係る透明樹脂成形品の射出成形装置は、凹形状の透明樹脂成形品を射出成形するための成形型と、前記成形型の内部に樹脂材料を射出する入口となるゲートと、を具備したものであって、前記ゲートは前記成形型の周縁部に設けられ、前記成形型は、その凹形状の開放面の角度が、前記ゲートが前記成形型の下部に位置するように保たれ、前記ゲートによって前記成形型の内部の下部から上方に向かって樹脂材料が射出されることを特徴とする。
また、本発明の第2の参考例に係る透明樹脂成形品の射出成形方法は、凹形状の透明樹脂成形品を射出成形するための成形型と、前記成形型の内部に樹脂材料を射出する入口となるゲートと、を使用する射出成形方法であって、前記成形型を、その凹形状の開放面が略鉛直となる姿勢に保ち、前記開放面の周縁部の下部に前記ゲートを設け、このゲートによって前記成形型の内部の下部から上方に向かって樹脂材料を射出することを特徴とする。
上記の射出成形装置および射出成形方法によれば、成形型の下部に位置するゲートから樹脂材料が成形型の内部に射出され、樹脂材料が成形型の内部を上方に向かって充填されてゆく。このため、ゲートから成形型の内部に射出される樹脂材料が、線状に押し出されて成形型の底部に落下して積み上がってしまうようなことがなく、成形品に気泡が混入する欠陥の発生を防止することができる。
上記構成の射出成形装置において、前記成形型の前記開放面の少なくとも下側の縁部に沿って、前記成形型の厚み寸法よりも大きな内幅を持つ樹脂材料プールを並設し、この樹脂材料プールと、前記成形型の下側の縁部との間を長手方向に沿って連続的に連通させ、前記樹脂材料プールの長手方向に沿って前記ゲートを複数箇所に設けてもよい。
同じく、上記構成の射出成形方法において、前記成形型の前記開放面の少なくとも下側の縁部に沿って、前記成形型の厚み寸法よりも大きな内幅を持つ樹脂材料プールを並設し、この樹脂材料プールと、前記成形型の下側の縁部との間を長手方向に沿って連続的に連通させるとともに、前記樹脂材料プールの長手方向に沿って前記ゲートを複数箇所に設け、前記複数のゲートから前記樹脂材料プールの内部に射出した前記樹脂材料を、前記樹脂材料プールの内部で流動および混合させてから前記成形型の内部に充填するようにしてもよい。
上記の射出成形装置および射出成形方法によれば、成形型の下部に、成形型の厚み寸法よりも大きな内幅を持つ樹脂材料プールが形成され、この樹脂材料プールに複数個所設けられたゲートから樹脂材料が射出される。複数のゲートから樹脂材料プールの内部に射出された樹脂材料は、まず樹脂材料プールの内部で流通することにより、互いに混ざり合う。そして、混ざり合った樹脂材料が樹脂材料プールから成形型の下側の縁部に沿って幅広く射出される。このため、複数のゲート(多点ゲート)から射出された樹脂材料が、成形型の内部で境界面(ウェルドライン)を形成するといった欠陥の発生を防止することができる。
さらに、上記の射出成形装置および射出成形方法において、前記成形型の前記開放面の下側の縁部と前記樹脂材料プールの内部とを接続する接続通路の通路幅を、前記成形型の凹形状の断面アーチ長さが長くなるにつれて大きくするのが好ましい。
上記の射出成形装置および射出成形方法によれば、樹脂材料プールから成形型に樹脂が射出される際に、成形型の凹形状の断面アーチ長さが長い位置では多くの樹脂材料が射出され、断面アーチ長さが短い位置では少ない樹脂材料が射出される。これにより、凹形状の一端から他端まで樹脂材料が充填される速度が成形型の全域に亘って均等になる。このため、成形型の内部で樹脂材料の到着速度に差が発生することに起因する境界面(ウェルドライン)の生成といった欠陥の発生を防止することができる。
また、本発明の第参考例に係る透明樹脂成形品の射出成形装置は、凹形状の透明樹脂成形品を射出成形するための成形型を備えたものであって、前記成形型は、第1の外型と第1の内型との間で前記透明樹脂成形品の板厚方向中間部から外表面までの外側部分を射出成形する外側部分成形型と、第2の外型と第2の内型との間で前記透明樹脂成形品の板厚方向中間部から内表面までの内側部分を射出成形する内側部分成形型と、を備え、前記第1の外型と前記第2の内型とは型合わせ可能であり、前記外側部分成形型の射出成形後に前記第1の内型を取り外された前記第1の外型と、前記内側部分成形型の射出成形後に前記第2の外型を取り外された前記第2の内型とが型合わせされた状態で、前記外側部分と前記内側部分との間に樹脂材料を射出可能な射出空間が形成されることを特徴とする。
また、本発明の第1の態様に係る透明樹脂成形品の射出成形方法は、凹形状の透明樹脂成形品を射出成形するための方法であって、前記透明樹脂成形品の板厚方向中間部から外表面までの外側部分を、第1の外型と第1の内型との間に射出成形する一次射出工程と、前記外側部分の射出成形後に前記第1の外型を残して前記第1の内型を取り外し、前記外側部分の内周面にヒケを誘発させる一次硬化工程と、前記透明樹脂成形品の板厚方向中間部から内表面までの内側部分を、第2の外型と第2の内型との間に射出成形する二次射出工程と、前記内側部分の射出成形後に前記第2の内型を残して前記第2の外型を取り外し、前記内側部分の外周面にヒケを誘発させる二次硬化工程と、前記一次硬化工程後の前記第1の外型と前記二次硬化工程後の前記第2の内型とを型合わせして前記外側部分と前記内側部分との間に形成される射出空間に樹脂材料を射出する三次射出工程と、を備えてなることを特徴とする。
上記の射出成形方法によれば、外側部分成形型の第1の外型と第1の内型とによって凹形状の透明樹脂成形品の板厚方向中間部から外表面までの外側部分が射出成形される(一次射出工程)。また、内側部分成形型の第2の外型と第2の内型とによって凹形状の透明樹脂成形品の板厚方向中間部から内表面までの内側部分が射出成形される(二次射出工程)。
そして、外側部分の成形後に第1の内型を取り外すことにより、外側部分の内周面にヒケを誘発させ(一次硬化工程)、内側部分の成形後に第2の外型を取り外すことにより、内側部分の外周面にヒケを誘発させる(二次硬化工程)。その後、外側部分を成形した第1の外型と、内側部分を成形した第2の内型とを型合わせし、外側部分と内側部分との間(射出空間)に樹脂材料を射出する(三次射出工程)。
このように、外側部分の内周面と、内側部分の外周面とにヒケを誘発させてから、これら両面の間に樹脂材料を射出することにより、凹形状の透明樹脂成形品の表裏面にヒケが発生する欠陥を確実に防止することができる。
以上のように、本発明に係る透明樹脂成形品の射出成形方法によれば、気泡、ウェルドライン、ヒケ等の欠陥の発生を防止し、透明樹脂成型品の歩留りを向上させて製造コストダウンを図ることができる。
透明樹脂成形品の一例を示す航空機のキャノピーの斜視図である。 キャノピーの射出成形装置(成形型)の側面図である。 図2のIII-III線に沿う縦断面により本発明の第1参考実施形態を示す射出成形装置の縦断面図である。 図3のIV部を拡大して本発明の第1参考実施形態を示す縦断面図である。 本発明の第2参考実施形態を示す射出成形装置の側面図である。 図5のVI-VI線に沿う射出成形装置の縦断面図である。 本発明の第3参考実施形態を示す射出成形装置の平面図である。 図7のVIII矢視による射出成形装置の側面図である。 図8のIX-IX線に沿う射出成形装置の縦断面図である。 第3参考実施形態の作用を示す射出成形装置の平面図である。 本発明の第4参考実施形態を示す射出成形装置の平面図である。 (a),(b)は、それぞれ図11のXIIa-XIIa線、XIIb-XIIb線に沿う射出成形装置の縦断面図である。 (a),(b)は、それぞれ第4参考実施形態の作用を示す射出成形装置の縦断面図である。 第4参考実施形態の作用を示す射出成形装置の平面図である。 本発明の実施形態を示し、(a)は一次射出工程、(b)は一次硬化工程、(c)は二次射出工程、(d)は二次硬化工程、(e)は三次射出工程、(f)は完成品の縦断面をそれぞれ示す図である。 従来の技術の問題点を示す射出成形装置の縦断面図である。 従来の技術の問題点を示す射出成形装置の側面図である。 従来の技術の問題点を示す射出成形装置の側面図である。 従来の技術の問題点を示す射出成形品の平面図である。
以下に、本発明に係る透明樹脂成形品の射出成形装置および射出成形方法の複数の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、透明樹脂成形品の一例を示す航空機のキャノピーの斜視図である。このキャノピー1は、前後方向に沿って長く延び、上方に向かって凸となる凹形状(椀形状)であり、その全長が例えば3m以上の大型な樹脂成形品である。キャノピー1はアクリルやポリカーボネート等に透明樹脂材料によって一体に射出成形され、その厚みが15〜25mmの範囲に設定されている。
[第1参考実施形態]
図2は、本発明の第1参考実施形態に係るキャノピー1の射出成形装置2A(成形型3)の側面図であり、図3は図2のIII-III線に沿う縦断面図である。なお、これらの図は、成形型3の内部空間だけを概念的に示したものである。成形型3は、その凹形状の開放面4(図3参照)が略鉛直となる横倒しの姿勢に保たれている。
射出成形装置2Aは、成形型3と、この成形型3の内部に樹脂材料を射出する入口となるゲート5とを備えている。ゲート5は、例えば成形型3の周縁部の最上部に1箇所設けられている。このゲート5から射出された樹脂材料が成形型3の内部に充填され、硬化することによってキャノピー1が成形される。
図4は、図3のIV部を拡大して成形型3とゲート5の接続部を示した縦断面図である。前述のように、成形型3の厚み寸法Taは15〜25mmの範囲に設定されている。これに対してゲート5の直径寸法Dは、厚み寸法Taとの比率が1:6〜1:3の範囲内となるように設定するのが好ましい。例えば、厚み寸法Taが20mmである場合は、直径寸法Dを3.3mm〜6.7mmの範囲とするのが好ましい。
発明者らの実験では、ゲート5の直径寸法Dと成形型3の厚み寸法Taとの比率が1:3の時に、DとTaとの比率が適正化されて最も良好な射出成形が行えることが確認された。即ち、ゲート5から成形型3の内部に射出された樹脂材料が、図16に示す従来のように線状に押し出されて成形型3の底部に落下して積み上がってしまうことがなくなり、成形型3の内部をファウンテンフロー状に流れるようになって、樹脂材料に気泡が混入しなくなる。しかし、DがTaに対して1:3よりも大きくなってしまうと、樹脂材料の流動性が低下し、成形型3への樹脂材料の充填不良が発生する虞がある。
以上のように、この射出成形装置2Aおよび射出成形方法によれば、ゲート5の直径寸法Dと成形型3の厚み寸法Taとの比率を1:6〜1:3の範囲内に設定することにより、気泡の混入による欠陥の発生を防止して成形品であるキャノピー1の歩留りを向上させ、製造コストダウンを図ることができる。
[第2参考実施形態]
図5は、本発明の第2参考実施形態を示す射出成形装置2B(成形型3)の側面図であり、図6は図5のVI-VI線に沿う縦断面図である。この射出成形装置2Bにおいても、成形型3は、その凹形状の開放面4(図6参照)が略鉛直となる横倒しの姿勢に保たれている。
この成形型3に樹脂材料を射出するゲート5は、成形型3の周縁部の最下部に1箇所設けられている。このゲート5によって成形型3の内部の最下部から上方に向かって樹脂材料Rが射出されるようになっている。
この射出成形装置2Bによれば、成形型3の最下部に位置するゲート5から樹脂材料Rが成形型3の内部に射出され、樹脂材料Rが成形型3の内部を最下部から上方に向かって充填されてゆく。このため、ゲート5から成形型3の内部に射出された樹脂材料Rが、図17、図18に示す従来のように線状に押し出されてそのまま落下し、成形型3の底部に積み上がってしまうようなことがない。したがって、成形品に気泡が混入する欠陥を防止することができる。
なお、成形型3の開放面4は必ずしも厳密に鉛直である必要はなく、ゲート5が成形型3の最下部に位置し、ここから射出された樹脂材料Rが、成形型3の内部で垂れることなく、成形型3の内部に下方から順次充填されていく角度であればよい。
[第3参考実施形態]
図7は、本発明の第3参考実施形態を示す射出成形装置2C(成形型3)の平面図であり、図8は図7のVIII矢視による側面図、図9は図8のIX-IX線に沿う縦断面図である。この射出成形装置2Cにおいても、成形型3は、その凹形状の開放面4(図9参照)が略鉛直となる横倒しの姿勢に保たれているが、必ずしも略鉛直出なくてもよく、下記のゲート5が成形型3の最下部に位置する角度であればよい。
この射出成形装置2Cでは、成形型3の上下両側の縁部に沿って樹脂材料プール7,8が並設されている。これらの樹脂材料プール7,8は、図9に示すように、それぞれ成形型3の厚み寸法Taよりも大きな内幅Tb,Tcを持っている。なお、各樹脂材料プール7,8は、成形型3の外周形状に合わせて湾曲しているが、直線状に形成してもよい。
上下の樹脂材料プール7,8と、成形型3の上下両側の縁部との間は、それぞれ接続通路9,10で接続されている。図9に示すように、各接続通路9,10の通路幅Td,Teの大きさは、樹脂材料プール7,8の内幅Tb,Tcよりも小さくなっている。また、接続通路9,10の通路幅Td,Teと、成形型3の厚み寸法Taとの比率は、第1参考実施形態の射出成形装置2Aにおけるゲート5の直径寸法Dと成形型3の厚み寸法Taとの比率のように、1:6〜1:3の範囲内に設定するのが好ましい。例えば、成形型3の厚み寸法Taが20mmである場合は、通路幅Td,Teの直径寸法Dを3.3mm〜6.7mmの範囲とする。
これらの接続通路9,10により、成形型3の上下両側の縁部と樹脂材料プール7,8の内部とが長手方向に沿って連続的に接続されている。言い換えると、接続通路9,10は、成形型3の縁部と樹脂材料プール7,8との間を接続する狭いスリット状の通路である。そして、下側の樹脂材料プール8に、その長手方向に沿って複数(例えば4点)のゲート5が設けられている。
このように構成された射出成形装置2Cにおいて、複数のゲート5から樹脂材料プール8の内部に射出された樹脂材料Rは、図8に示すように、まず樹脂材料プール8の内部で合流し、相互に流通することにより、互いに混ざり合う。そして、図10にも示すように、混ざり合った樹脂材料Rが、幅の狭いスリット状の接続通路10を通ることにより面状に押し出され、成形型3の下側の縁部に沿って幅広く一斉に射出される。成形型3の内部に行き渡った樹脂材料Rの余剰分は、接続通路9を通って樹脂材料プール7に流出する。
このように、風数の複数のゲート5(多点ゲート)から射出された樹脂材料Rが、樹脂材料プール8の内部で一旦合流してからスリット状の接続通路10を通って面状になって成形型3の下側の縁部から充填されるため、樹脂材料Rが成形型3の内部で境界面(ウェルドライン)を形成することがない。したがって、成形品にウェルドラインができる欠陥を効果的に防止することができる。
[第4参考実施形態]
図11は、本発明の第4参考実施形態を示す射出成形装置2D(成形型3)の平面図であり、図12(a),(b)は、それぞれ図11のXIIa-XIIa線、XIIb-XIIb線に沿う縦断面図である。この射出成形装置2Dは、第3参考実施形態の射出成形装置2Cとほぼ同じ構成であるが、その接続通路9,10の通路幅Tfが、成形型3の凹形状の断面アーチ長さL(図12参照)が長くなるにつれて大きくなるように設定されている。即ち、接続通路9,10は、成形型3の前後方向の中間部では通路幅Tfが大きく、前後方向の両端部に行くにしたがって通路幅Tfが小さくなるテーパー状のスリットになっている。
この射出成形装置2Dにおいて、複数のゲート5から樹脂材料プール8の内部に射出された樹脂材料Rは、第3参考実施形態の射出成形装置2Cと同じく、樹脂材料プール8の内部で合流してから接続通路10を通って成形型3の内部に射出される。
その際に、図13および図14に示すように、成形型3の凹形状の断面アーチ長さLが長い位置(長手方向中央部付近)では樹脂材料Rの射出量が多くなり、断面アーチ長さLが短い位置(長手方向両端部付近)では樹脂材料Rの射出量が少なくなる。
これにより、成形型3の凹形状の一端から他端まで樹脂材料Rが充填される速度が成形型3の長さ方向の全長に亘って均等になる。このため、成形型3の内部で樹脂材料Rの到着速度に差が発生することに起因する境界面(ウェルドライン)の生成を防止することができる。
[実施形態]
図15(a)〜図15(f)は、本発明の実施形態を示す射出成形装置2Eの縦断面図である。この射出成形装置2Eは、前述したキャノピー1(図15(f)参照)のような凹形状の透明樹脂成形品を射出成形するための成形型13を備えている。
成形型13は、外側部分成形型14と内側部分成形型15とを備えている。外側部分成形型14は、キャノピー1の板厚方向中間部から外表面までの外側部分1aを射出成形する型であり、内側部分成形型15は、キャノピー1の板厚方向中間部から内表面までの内側部分1bを射出成形する型である。
外側部分成形型14は、第1の外型14aと第1の内型14bとを備えており、内側部分成形型15は、第2の外型15aと第2の内型15bとを備えている。そして、第1の外型14aと第2の内型15bとは型合わせ可能である(図15(e)参照)。
この射出成形装置2Eによってキャノピー1を射出成形する手順は次の通りである。
まず、図15(a)に示すように、外側部分成形型14の第1の外型14aと第1の内型14bとの間に樹脂材料Rを射出してキャノピー1の外側部分1aを射出成形する(一次射出工程P1)。
次に、図15(b)に示すように、第1の外型14aを残して第1の内型14bを取り外し、外側部分1aの内周面にヒケZ(凹み)を誘発させる(一次硬化工程P2)。即ち、射出成形された外側部分1aの外周面は、第1の外型14aに接しているために急速に冷却されてヒケが生じないが、外側部分1aの内周面は、第1の内型14bを取り外されることにより空気に保温され、冷却が遅れるためにヒケZが発生する。
また、上記の外側部分1aの射出成型と平行して、図15(c)に示すように、内側部分成形型15の第2の外型15aと第2の内型15bとの間に樹脂材料Rを射出してキャノピー1の内側部分1bを射出成形する(二次射出工程P3)。
次に、図15(d)に示すように、第2の内型15bを残して第2の外型15aを取り外し、内側部分1bの外周面にヒケZ(凹み)を誘発させる(二次硬化工程P4)。即ち、射出成形された内側部分1bの内周面は、第2の内型15bに接しているために急速に冷却されてヒケが生じないが、内側部分1bの外周面は、第2の外型15aを取り外されることにより空気に保温され、冷却が遅れるためにヒケZが発生する。
次に、図15(e)に示すように、第1の内型14bを取り外された第1の外型14aと、第2の外型15aを取り外された第2の内型15bとを型合わせする。この時、外側部分1aと内側部分1bとの間に射出空間16が形成される。そして、この射出空間16に樹脂材料Rを射出し(三次射出工程P5)、キャノピー1が完成する(図15(f)参照)。
このような射出成形装置2Eおよび射出成形方法によれば、外側部分1aの内周面と、内側部分1bの外周面とにヒケZを誘発させてから、これら両面の間に樹脂材料Rを射出することにより、キャノピー1の表裏面にヒケが発生する欠陥を確実に防止することができる。したがって、従来必要とされていた、キャノピー1の成形後にヒケを消去する研磨工程を省くことができ、これによって多大な製造コストダウンと品質向上に貢献することができる。
なお、一次射出工程〜三次射出工程で射出する樹脂材料Rの材質は、必ずしも同じ材質でなくてもよい。これら各射出工程P1,P3,P5で射出する樹脂材料Rの材質や特性等を異ならせることにより、キャノピー1の強度特性や光学歪みを抑制する性能等を任意に設定することができる。
以上のように、本発明に係る透明樹脂成形品の射出成形装置2A〜2Eおよび射出成形方法によれば、気泡、ウェルドライン、ヒケ等の欠陥の発生を防止し、透明樹脂成型品の歩留りを向上させて製造コストダウンを図ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
1 キャノピー(凹形状の透明樹脂成形品)
1a 外側部分
1b 内側部分
2A,2B,2C,2D,2E 射出成形装置
3,13 成形型
4 開放面
5 ゲート
7,8 樹脂材料プール
9,10 接続通路
14 外側部分成形型
14a 第1の外型
14b 第1の内型
15 内側部分成形型
15a 第2の外型
15b 第2の内型
16 射出空間
D ゲートの直径寸法
L 成形型の凹形状の断面アーチ長さ
P1 一次射出工程
P2 一次硬化工程
P3 二次射出工程
P4 二次硬化工程
P5 三次射出工程
R 樹脂材料
Ta 成形型の厚み寸法
Tb,Tc 樹脂材料プールの内幅
Td,Te,Tf 接続通路の通路幅

Claims (1)

  1. 凹形状の透明樹脂成形品を射出成形するための射出成形方法であって、
    前記透明樹脂成形品の板厚方向中間部から外表面までの外側部分を、第1の外型と第1の内型との間に射出成形する一次射出工程と、
    前記外側部分の射出成形後に前記第1の外型を残して前記第1の内型を取り外し、前記外側部分の内周面にヒケを誘発させる一次硬化工程と、
    前記透明樹脂成形品の板厚方向中間部から内表面までの内側部分を、第2の外型と第2の内型との間に射出成形する二次射出工程と、
    前記内側部分の射出成形後に前記第2の内型を残して前記第2の外型を取り外し、前記内側部分の外周面にヒケを誘発させる二次硬化工程と、
    前記一次硬化工程後の前記第1の外型と前記二次硬化工程後の前記第2の内型とを型合わせして前記外側部分と前記内側部分との間に形成される射出空間に樹脂材料を射出する三次射出工程と、
    を備えてなることを特徴とする透明樹脂成形品の射出成形方法。
JP2016127562A 2016-06-28 2016-06-28 透明樹脂成形品の射出成形方法 Active JP6195324B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016127562A JP6195324B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 透明樹脂成形品の射出成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016127562A JP6195324B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 透明樹脂成形品の射出成形方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013204665A Division JP6309235B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 透明樹脂成形品の射出成形装置および射出成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016168851A JP2016168851A (ja) 2016-09-23
JP6195324B2 true JP6195324B2 (ja) 2017-09-13

Family

ID=56982935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016127562A Active JP6195324B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 透明樹脂成形品の射出成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6195324B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3512595B2 (ja) * 1996-11-07 2004-03-29 株式会社リコー プラスチック成形品の成形方法およびプラスチック成形品の成形用金型
JP3242077B2 (ja) * 1998-09-25 2001-12-25 株式会社日本製鋼所 内部が軟質材からなる3層構造物の成形方法および成形用金型
JP2007118214A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Sumitomo Heavy Ind Ltd 積層射出成形機および積層射出成形方法
JP2008238653A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Oshima Denki Seisakusho:Kk レンズ体およびその製造方法
JP5365916B2 (ja) * 2009-05-29 2013-12-11 株式会社吉野工業所 合成樹脂製厚肉成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016168851A (ja) 2016-09-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160031491A1 (en) Resin vehicle part and method for manufacturing same
JP6309235B2 (ja) 透明樹脂成形品の射出成形装置および射出成形方法
JP5155992B2 (ja) 射出成形用金型
JP6195324B2 (ja) 透明樹脂成形品の射出成形方法
JP4679203B2 (ja) 樹脂製リング形状品の射出成形型
JP2012240385A (ja) 射出成形金型
CN208410514U (zh) 分层注塑的成型核心及厚壁件产品的注塑模具
US8083516B2 (en) Mold having air-venting grooves
KR102048571B1 (ko) 사각 성형물 제조용 금형장치
JP2020019227A (ja) 多層成形レンズ
KR102293720B1 (ko) 콜드 러너 사출 금형 구조
JP2015066874A5 (ja)
CN107225732A (zh) 一种钥匙按钮注塑模具的模仁
CN109648888B (zh) 一种复合材料空腔盒段液态成型方法
CA3017296C (en) Injection mold, injection molding method, and molded article
JP2020055196A (ja) 周囲に鍔部を備えた樹脂レンズの成形方法および成形用金型
CN215791436U (zh) 一种汽车注塑件生产用模具
CN218503311U (zh) 一种盖板的压铸模芯结构
CN107244045A (zh) 一种钥匙按钮注塑模具的公模仁
CN104107895A (zh) 金属模具
JP5928122B2 (ja) 射出成形用金型及び樹脂製保持器の製造方法
KR101169983B1 (ko) 적층형 금형 및 그의 제조방법
JP7195811B2 (ja) 複合材の射出成形方法及び複合材
JP6880395B2 (ja) 射出成形体の製造方法
JP2012213941A (ja) 樹脂成形品の製造方法及び射出成形用金型

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170509

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6195324

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150