JP6194065B1 - エレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造及び取付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複雑な構成を不要としつつ、ミラーサイネージを簡単に回転可能に取り付けることができ、保守点検時の作業性も確保できる。【解決手段】 エレベータかご室の一面を上下左右の各側板部材で枠状に構成する枠状壁面部材と、前記枠状壁面部材に取り付けられて前記かご室の一面を構成するとともに、鏡面機能を有する半透明部材と該半透明部材の裏面側に設けられ前記半透明部材を介して映像コンテンツをかご室内に表示させるモニターとを有するミラーサイネージと、前記枠状壁面部材に取り付けられる前記ミラーサイネージをかご室側へ開閉可能に支持する開閉機構と、を備え、前記開閉機構は、前記ミラーサイネージの一側縁部の下端面又は上端面に設けられた軸部と、前記枠状壁面部材を構成する下側板部材及び上側板部材にそれぞれ設けられ、前記軸部と係合してミラーサイネージを回転可能に軸支する軸受部と、を有する。【選択図】 図2
Description
本発明の実施形態は、エレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造及び取付方法に関する。
エレベータの乗りかご内には、行先階や停止階等を案内表示する表示装置がある。また、最近では、宣伝広告や装飾映像等のコンテンツ(以下、「映像コンテンツ」とも称する)を表示する液晶表示装置を備えたエレベータもある。
一方、最近の表示装置・映像配信システムとしては、ネットワークを介して映像を配信するデジタルサイネージが知られている。また、デジタルサイネージの一つとして、鏡の中に映像コンテンツが流れるようなミラー型のディスプレイもミラーサイネージとして実用化されている。
最近、エレベータのかご室を有効利用するために、かご室を構成する壁面にエレベータのかご室内にミラーサイネージのようなモニター付ミラーを設置することがある。
しかし、エレベータのかご内の背面パネルには、車いす利用者の乗り降りの便を考慮して鏡が設置されている場合が多いため、ミラーサイネージのかご室内への設置は制約を受ける。
また、ミラーサイネージを保守点検する際には、ミラーサイネージの裏面側での作業が必要となる。しかし、ミラーサイネージをエレベータかご室の壁面パネルとして設置すると、パネル裏面側は昇降路に面しているため、パネル裏面と昇降路壁面との間での狭いスペースでの作業となり、作業効率が悪い。また、安全面での配慮も必要となる。
本発明は上記事情に鑑み、複雑な構成を不要としつつ、ミラーサイネージを簡単に回転可能に取り付けることができ、保守点検時の作業性も確保できるエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造及び取付方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための実施形態は、エレベータかご室の一面を上下左右の各側板部材で枠状に構成する枠状壁面部材と、前記枠状壁面部材に取り付けられて前記かご室の一面を構成するとともに、鏡面機能を有する半透明部材と該半透明部材の裏面側に設けられ前記半透明部材を介して映像コンテンツをかご室内に表示させるモニターとを有するミラーサイネージと、前記枠状壁面部材に取り付けられる前記ミラーサイネージをかご室側へ開閉可能に支持する開閉機構と、を備え、前記開閉機構は、前記ミラーサイネージの一側縁部の下端面又は上端面に設けられた軸部と、前記枠状壁面部材を構成する下側板部材又は上側板部材にそれぞれ設けられ、前記軸部と係合してミラーサイネージを回転可能に軸支する軸受部と、を有することを特徴としている。
また、他の実施形態は、エレベータかご室の一面を上下左右の各側板部材で枠状に構成する枠状壁面部材と、前記枠状壁面部材に取り付けられて前記かご室の一面を構成するとともに、鏡面機能を有する半透明部材と該半透明部材の裏面側に設けられ前記半透明部材を介して映像コンテンツをかご室内に表示させるモニターとを有するミラーサイネージと、前記枠状壁面部材に取り付けられる前記ミラーサイネージをかご室側へ開閉可能に支持する開閉機構と、を備え、前記開閉機構は、前記枠状壁面部材を構成する下側板部材又は上側板部材に設けられた軸部と、前記ミラーサイネージの一側部側の下端面又は上端面にそれぞれ設けられ、前記軸部と係合して前記ミラーサイネージを回転可能に軸支する軸受部と、を有することを特徴としている。
さらに、他の実施形態は、エレベータかご室の一面を上下左右の各側板部材で枠状に構成する枠状壁面部材と、前記枠状壁面部材に取り付けられて前記かご室の一面を構成するとともに、鏡面機能を有する半透明部材と該半透明部材の裏面側に設けられ前記半透明部材を介して映像コンテンツをかご室内に表示させるモニターとを有するミラーサイネージと、前記枠状壁面部材に取り付けられる前記ミラーサイネージをかご室側へ開閉可能に支持する開閉機構と、を備えたエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付方法であって、前記ミラーサイネージの一側縁部の上端面に設けられた軸部に、該軸部と係合してミラーサイネージを回転可能に軸支する軸受部を予め挿入しておき、前記ミラーサイネージの一側縁部の下端面に設けられた軸部を、前記枠状壁面部材を構成する下側板部材に設けられた軸受部に挿入した後、前記ミラーサイネージを屹立させて前記上端面の軸部に挿入された軸受部を前記上側板部材に固定することを特徴としている。
以下、添付図面を参照して、実施形態に係るエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造及び取付方法を説明する。
はじめに、各実施形態に共通の構成について説明する。図1(A)及び(B)は、それぞれ、本実施形態で、乗りかごのミラーサイネージに映像を表示していない状態、及び、映像を表示している状態を示す説明図である。図2は、本実施形態で、ミラーサイネージが開閉可能に取り付けられることを説明する展開斜視図である。図3は、本実施形態で、ミラーサイネージが開閉可能であることを説明する平面断面図である。
図1〜図3に示すように、エレベータを構成する本実施形態の乗りかご10は、かご内壁面12を構成するとともに、かご室Sの内側へ開くことが可能な開閉機構14(図2参照)を有するミラーサイネージ16と、ミラーサイネージ16を開閉不能に施錠する施錠機構18とを備えている。本実施形態では、ミラーサイネージ16をかご室背面部(かご室の奥側)に配置している。
ミラーサイネージ16は、モニター付きミラーであり、パネル表面側を鏡として機能させるメイン機能にモニター機能が付加されたものである。モニター機能は、宣伝広告や装飾映像等のコンテンツを表示する機能である。ミラーサイネージ16は、これら2つの機能を1つの構成要素で発揮することができる。すなわち、車椅子利用者が使用する副操作盤が押され乗場呼びが発生したときには、乗場側には鏡の機能だけを表示させてモニター機能を表示させず、それ以外のときには鏡の機能を失わせずにモニターの機能を優先させて表示するように、制御されている。
図3に示すように、乗りかご10は、ミラーサイネージ16の外側に、すなわち昇降路に面する側に遮蔽板20を備えており、ミラーサイネージ16を開いてもかご室内から昇降路への落下が確実に防止されている。
ミラーサイネージ16は、かご内壁面12を形成しているハーフミラー22と、ハーフミラー22の裏面側に設置されたモニター24とを有する。モニター24は、背面から、記憶媒体MとしてUSBメモリM1が着脱自在なUSB装着部28を有している。コンテンツデータが記憶されたUSBメモリM1が背面側からUSB装着部28に差し込まれることで、コンテンツデータをモニター24に出力することができる。なお、記憶媒体Mとしては、ミラーサイネージ16にコンテンツデータを転送できる限り、USBメモリM1に限らず他の種類の記憶媒体であってもよい。
また、ミラーサイネージ16は、図2、図3に示すように、一方の側縁部に、回動により開閉の切り替えを行うための下側回転軸部34及び上側回転軸部36を、開閉機構14の構成部材として備えている。そして、他方の側縁部に、モニター24のサイド側から張り出すL字状部材38を備えている。L字状部材38は磁性材(例えば通常の鉄板)で構成されている。
そして、遮蔽板20の内側(かご室側)には、L字状部材38を吸着する磁石42が配置されており、ミラーサイネージ16を閉じているときには磁石42にL字状部材38が当接して磁力で吸着されている。なお、モニター24のサイド側から張り出して磁石42で吸着・固定される得る限り、L字状部材以外の他の部材であってもよい。
ミラーサイネージ16の周囲には、ミラーサイネージ16に隣接してかご内壁面を形成している背面部材46(背面側板部材46a、46b、背面上板部材47、及び、背面下板部材48)との間を塞ぐ目地材(モヘア。図示せず)が設けられている。背面側板部材46a、46b、背面上板部材47及び背面下板部材48によって枠状壁面部材が構成されている。また、背面側板部材46a、46b及び背面下板部材48の下側には、幅木49が設けられている。そして、ミラーサイネージ16を閉じたときには、ハーフミラー22と背面部材46の内壁面とが面一になるように設定されている。
更に、乗りかご10は、ミラーサイネージ16の下部にキャスター50を有している。ミラーサイネージ16を閉じた状態では、このキャスター50が、ミラーサイネージ下側に隣接しかご内壁面を形成している背面下板部材48の上面側に当接しており、キャスター50は、ミラーサイネージ16を開閉するときに背面下板部材48の上面を転がるように配置されている。
更に、後述するように、背面下板部材48には下側回転軸部34を受ける下側軸受部52が、背面上板部材47には上側回転軸部36を受ける上側軸受部62がそれぞれ設けられている。
<第1実施形態>
次に、エレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造の第1実施形態を説明する。
次に、エレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造の第1実施形態を説明する。
図4は第1実施形態における下部側の構成を示す断面図である。
同図に示すように、背面下板部材48には、ミラーサイネージ16が立設された状態で回転可能に支持するための下側軸受部52が設けられており、ミラーサイネージ16の下端に設けられた前記下側回転軸部34を回転可能に支持する。
下側軸受部52は、図5に示すように、軸受板54と、鍔付ブッシュ56とを備えている。軸受板54は厚さが数mm〜数cmの金属板で直方体状に形成されている。その中央部には丸孔54aが、また、丸孔54aの左右には一対のネジ孔54bがそれぞれ貫通形成されている。
鍔付ブッシュ56は樹脂材等で形成されている。また、鍔付ブッシュ56は、丸孔54aに挿入可能な外径を有する円筒状の挿入部56aと、挿入部56aの端部に一体形成され挿入部56aの外径より大きい径を有する鍔部56bと、鍔部56bと挿入部56aとを貫通して下側回転軸部34を受け入れる軸挿入孔56cとを有している。
そして、背面下板部材48上に軸受板54を置き、背面下板部材48に形成された丸孔48a及びネジ孔48b上に、軸受板54の丸孔54a及びネジ孔54bを位置決めして、皿ネジ58をネジ孔54bから挿入し、背面下板部材48の下面側に溶接されたナット60により固定する。その後、鍔付ブッシュ56の挿入部56aを軸受板54の丸孔54aに挿入することによって下側軸受部52が構成される。
他方、上側軸受部62は、図6の断面図に示すように、平板部62aと、該平板部62aに一体的に立設された軸挿入部62bとから鉄材等によって断面T字状に形成されている。軸挿入部62bの中心部には上側回転軸部36が挿入される中空部(軸挿入孔)62cが貫通されている。そして、上側軸受部62は、ボルト64及び溶接ナット66によって背面上板部材47に固定されており、ミラーサイネージ16が屹立した状態で上側回転軸部36が軸挿入部62bの中空部62cに挿入されることで、ミラーサイネージ16を回転可能に軸支する。
図7〜図9は、第1実施形態におけるミラーサイネージ16の組立手順を室内側から見たものである。各図において(A)は全体構成を示し、(B)は一点鎖線で示す囲み部分の拡大図を示す。
図7に示すように、先ず、ミラーサイネージ16の下側回転軸部34を下側軸受部52に挿入してミラーサイネージ16を垂直に起こす。
次いで、図8に示すように、上側回転軸部36を背面上板部材47に穿設された軸受通し孔47aに位置させる。このとき、背面上板部材47と垂設されたミラーサイネージ16の上面との間には隙間Gを有している。この隙間Gは、ミラーサイネージ16を屹立させた際に上側回転軸部36の先端が背面上板部材47に接触しない程度の長さ(数cm程度)が好ましい。この状態で、背面上板部材47の外側から上側軸受部62の軸挿入部62bを軸受通し孔47aに挿入し、軸挿入部62bの中空部62cを上側回転軸部36に被せるように挿入する。軸挿入部62bは、ミラーサイネージ16の上側回転軸部36を十分に覆うような長さを有しており、かつ、中空部62cは上側回転軸部36が十分に回転可能となる内径を有している。そして、この状態で、背面上板部材47に穿設されたねじ孔47bにボルト64を通し、溶接ナット66に締結することで取付が完成する。
このように第1実施形態によれば、簡単な構成でもって容易にミラーサイネージ16を回転自在に取り付けることが可能になる。
<第2実施形態>
図10は第2実施形態を示す下側軸受部の断面図、図11はその分解斜視図である。
図10は第2実施形態を示す下側軸受部の断面図、図11はその分解斜視図である。
第1実施形態の下側軸受部52は、背面下板部材48にねじ止めする構成が採用されているが、第2実施形態では、背面下板部材48上に載置して溶接等で固定する構成が採用されている。
図11に示すように、第2実施形態の下側軸受部68は、軸受台座70と、第1実施形態と同様の鍔付ブッシュ56とから構成されている。軸受台座70は、平板状の台座本体70aと該台座本体70aの中心部に一体的に立設された円筒状の軸受挿入部70bと、該軸受挿入部70bに穿設された中空部70cを備えた金属製の部材で形成される。
そして、下側軸受部68は、溶接72により背面下板部材48上に取り付けられる。中空部70cには鍔付ブッシュ56が挿入され、鍔付ブッシュ56の軸挿入孔56cに下側回転軸部34が挿入される。
このように第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、背面下板部材48にネジ孔等を穿設加工する必要が無いので、ミラーサイネージ16の取付作業が簡単になるという効果を奏する。
なお、図示は省略されているが、下側軸受部68と同様の構成を有するものを上側軸受部として採用することが可能である。すなわち、軸受台座70を背面上板部材47に溶接し、中空部70cに鍔付ブッシュ56を挿入し、軸挿入孔56cに上側回転軸部36を挿入することで上側の開閉機構が構成される。
<第3実施形態>
次に第3実施形態について説明する。
次に第3実施形態について説明する。
第1実施形態では、ミラーサイネージ16の上下に回転軸部を設け、枠を構成する背面上板部材47及び背面下板部材48に上側軸受部62及び下側軸受部52を設ける構成を採用した。第2実施形態では、逆に、枠を構成する背面上板部材47及び背面下板部材48に枠に固定軸部を設け、ミラーサイネージ16の上下に軸受部を設けるように構成している。
図12、図13に示すように、下側軸部74は、平板状の軸台座74aと該軸台座74aから一体的に立設された軸74bとから断面が逆T字状に形成されている。軸台座74aは背面下板部材48上に溶接82で取り付けられる。
他方、ミラーサイネージ16の下面(底面)には、軸受部76がナット78と皿ネジ80により取り付けられている。軸受部76は、平板状の軸受台座76aと該軸受台座76aから一体的に立設された軸挿入部76bと、該軸挿入部76bに穿設された孔76cとから構成されており、孔76cに下側軸部74の軸74bが挿入されることで、下側の開閉機構が構成される。
また、図示は省略されているが、上側についても全く同様の部材を背面上板部材47側に取り付けることで上側部分の開閉機構が構成される。
このように、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様、簡単な構成でもって容易にミラーサイネージ16を回転自在に取り付けることが可能になる。
<第4実施形態>
図14に示すように、第4実施形態は、図12に示した第3実施形態と比較すると、背面下板部材48に対する下側軸部74の取付構造が異なっている以外は、部材構成は同じものが使用されている。すなわち、背面下板部材48に取付孔48cを穿設し、背面下板部材48の下面側から軸74bを該取付孔48cを通す。下側軸部74は下面側で背面下板部材48に溶接82により取り付けられる。
図14に示すように、第4実施形態は、図12に示した第3実施形態と比較すると、背面下板部材48に対する下側軸部74の取付構造が異なっている以外は、部材構成は同じものが使用されている。すなわち、背面下板部材48に取付孔48cを穿設し、背面下板部材48の下面側から軸74bを該取付孔48cを通す。下側軸部74は下面側で背面下板部材48に溶接82により取り付けられる。
このように、第4実施形態では、第3実施形態と同様の効果を奏する他、軸台座74aの厚さ分だけミラーサイネージ16を低く設置することができる等、高さ調整が容易になるという効果を奏する。
<第5実施形態>
図15に示すように、第5実施形態は、上側軸部84を背面上板部材47に取り付けた例である。すなわち、背面上板部材47に取付孔47cを穿設し、背面上板部材47の上面側から軸84bを該取付孔47cに通す。上側軸部84は背面上板部材47にねじ88、ナット90により取り付けられる。
図15に示すように、第5実施形態は、上側軸部84を背面上板部材47に取り付けた例である。すなわち、背面上板部材47に取付孔47cを穿設し、背面上板部材47の上面側から軸84bを該取付孔47cに通す。上側軸部84は背面上板部材47にねじ88、ナット90により取り付けられる。
他方、ミラーサイネージ16の上面には、軸受部86が皿ネジ92、ナット94により取り付けられている。軸受部86は、平板状の軸受台座86aと該軸受台座86aから一体的に立設された軸挿入部86bと、該軸挿入部86bに穿設された孔86cとから構成されており、孔86cに上側軸部84の軸84bが挿入されることで、上側の開閉機構が構成される。
このように、第5実施形態では、第4実施形態と同様の効果を奏する他、溶接ではなく、ねじ止めされているので、ミラーサイネージ16を起こした最終工程で上側軸部84を取り付けて、開閉機構を構成することができる。
<第6実施形態>
図16は、第6実施形態におけるミラーサイネージの取付構造を示す断面図であり、上側部分の構成を示している。
図16は、第6実施形態におけるミラーサイネージの取付構造を示す断面図であり、上側部分の構成を示している。
図6に示した第1実施形態における上側軸受部62は、上側回転軸部36が直接、中空部(軸挿入孔)62cに挿入される構成が採用されている。第6実施形態では、図16に示すように、上側軸受部は軸受ブラケット96として構成され、該軸受ブラケット96は軸受本体98と鍔付ブッシュ100とが一部品として構成されている点が相違する。鍔付ブッシュ100は、軸受本体98の中空部98aに挿入されている。また、鍔付ブッシュ100の軸挿入孔100aには上側回転軸部36が挿入される。そして、軸受ブラケット96は、ボルト102及びナット104により背面上板部材47に取り付けられる。
このように第6実施形態では、軸受本体98、鍔付ブッシュ100を別部品としてではなく、一つの部品としてブラケット化した軸受ブラケット96で構成したので、装置構成がより一層、簡単化される。しかも、一体物としての軸受ブラケット96を上側回転軸部36に被せた後、ねじ止めするだけでよく、作業効率が大幅に向上する。
なお、図16では、上側回転軸部36に対する軸受ブラケット96について説明したが、下側回転軸部34に対する軸受ブラケットも同様に構成することができる。
<第7実施形態>
図17は第7実施形態におけるミラーサイネージ16の取付構造を示す断面図である。
図17は第7実施形態におけるミラーサイネージ16の取付構造を示す断面図である。
前述した第1実施形態では、ミラーサイネージ16を取り付ける際、下側軸受部52に下側回転軸部34を挿入した後、垂直位置まで屹立させ、ミラーサイネージ16の上面に設けられた上側回転軸部36を背面上板部材47の上側軸受部62に軸支させるようにする。しかし、狭い設置スペースで、背面上板部材47に上側軸受部62を取り付ける作業は困難を伴う。
そこで、第7実施形態では、予め、上側回転軸部36に上側軸受部106を挿入しておき、ミラーサイネージ16を屹立させた後に、上側軸受部106を背面上板部材47に取り付けるように構成されている。すなわち、図17(A)に示すように、上側軸受部106は、断面が長方形状の本体部106aと、該本体部106aに穿設された軸挿入孔106bと、本体部106aから水平方向に延設された取付部106cと、取付部106cに設けられたネジ孔106dとから構成される。
上記構成において、先ず、ミラーサイネージ16の上側回転軸部36に上側軸受部106を予め挿入しておく。この状態で、ミラーサイネージ16の下側回転軸部34を下側軸受部に挿入してミラーサイネージ16を垂直に起こす。次いで、同図(B)に示すように、上側軸受部106を背面上板部材47に接触するまで上方に引き上げ、ボルト108、ナット110を介して背面上板部材47に取り付ければよい。なお、ボルト108とナット110との締結は背面上板部材47の裏面での作業を伴うこととなり作業性が極めて悪い。このため、ナット110は、予め背面上板部材47の裏面側に溶接で固定された溶接ナットを使用することで、背面上板部材47の裏面側での作業を回避することができる。
このように第7実施形態によれば、上側軸受部106の取り付けを簡単に行うことができ、エレベータかご室におけるミラーサイネージ16の取付作業を効率よく行うことが可能になる。また、全ての作業をかご内から行うことができ、かご外作業を行うことと比較して安全性が向上する。
<第8実施形態>
図18は第8実施形態におけるミラーサイネージ16の取付構造を示す断面図である。
図18は第8実施形態におけるミラーサイネージ16の取付構造を示す断面図である。
図4に示した第1実施形態では、軸受板54と鍔付ブッシュ56とで下側軸受部52を構成している。第8実施形態では、軸受板54を省略して、直接、背面下板部材48の丸孔48aに鍔付ブッシュ56を挿入して下側軸受部111を構成するようにしている。下側軸受部111は、ミラーサイネージ16の重量を支えることができ、かつ回転に支障を来さない構造であればよく、簡単な構造を適用することができる。
<第9実施形態>
図19は第9実施形態におけるミラーサイネージ16の取付構造を示す断面図である。
図19は第9実施形態におけるミラーサイネージ16の取付構造を示す断面図である。
第9実施形態は第7実施形態と同様、狭い設置スペースで、背面上板部材47に上側軸受部を取り付ける作業を出来るだけ効率よくするための構造を提供する。
第9実施形態でも第7実施形態と同様、予め、上側回転軸部36に上側軸受部112を挿入しておき、ミラーサイネージ16を屹立させた後に、上側軸受部112を背面上板部材47に取り付けるように構成されている。図示のように、上側軸受部112は、平板状に形成されており、また、上側回転軸部36が挿入される軸挿入孔112aと、ネジ孔112bとが穿設されている。第9実施形態における下側軸受部111は、図18に示す第8実施形態の構造が適用されている。
上記構成において、先ず、ミラーサイネージ16の上側回転軸部36に上側軸受部112を予め挿入しておく。背面下板部材48の丸孔48aには、鍔付ブッシュ56が挿入されて下側軸受部111が構成されており、鍔付ブッシュ56の軸挿入孔56cにミラーサイネージ16の下側回転軸部34を挿入してミラーサイネージ16を垂直に起こす。次いで、同図(B)に示すように、上側軸受部112を背面上板部材47に接触するまで(距離G)上方に引き上げる。そして、ボルト108、背面上板部材47の裏面に溶接されたナット110を介して背面上板部材47に取り付ければよい。
このように第9実施形態によれば、上側軸受部112の取り付けを簡単に行うことができ、エレベータかご室におけるミラーサイネージ16の取付作業を効率よく行うことが可能になる。また、全ての作業をかご内から行うことができ、かご外作業を伴うことがないので、作業の安全性が向上する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…乗りかご、14…開閉機構、16…ミラーサイネージ(モニター付きミラー)、22…ハーフミラー、24…モニター、28…USB装着部、34…下側回転軸部、36…上側回転軸部、46…背面部材、46a,46b…背面側板部材、47…背面上板部材、48…背面下板部材、50…キャスター、52…下側軸受部、54…軸受板、56…鍔付ブッシュ、62…上側軸受部、68…下側軸受部、70…軸受台座、74…下側軸部、76…軸受部、84…上側軸部、86…軸受部、96…軸受ブラケット、98…軸受本体、100…鍔付ブッシュ、106…上側軸受部、112…上側軸受部。
Claims (8)
- エレベータかご室の一面を上下左右の各側板部材で枠状に構成する枠状壁面部材と、
前記枠状壁面部材に取り付けられて前記かご室の一面を構成するとともに、鏡面機能を有する半透明部材と該半透明部材の裏面側に設けられ前記半透明部材を介して映像コンテンツをかご室内に表示させるモニターとを有するミラーサイネージと、
前記枠状壁面部材に取り付けられる前記ミラーサイネージをかご室側へ開閉可能に支持する開閉機構と、を備え、
前記開閉機構は、
前記ミラーサイネージの一側縁部の下端面又は上端面に設けられた軸部と、前記枠状壁面部材を構成する下側板部材又は上側板部材に設けられ、前記軸部と係合してミラーサイネージを回転可能に軸支する軸受部と、
を有することを特徴とするエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造。 - エレベータかご室の一面を上下左右の各側板部材で枠状に構成する枠状壁面部材と、
前記枠状壁面部材に取り付けられて前記かご室の一面を構成するとともに、鏡面機能を有する半透明部材と該半透明部材の裏面側に設けられ前記半透明部材を介して映像コンテンツをかご室内に表示させるモニターとを有するミラーサイネージと、
前記枠状壁面部材に取り付けられる前記ミラーサイネージをかご室側へ開閉可能に支持する開閉機構と、を備え、
前記開閉機構は、
前記枠状壁面部材を構成する下側板部材又は上側板部材に設けられた軸部と、
前記ミラーサイネージの一側部側の下端面又は上端面に設けられ、前記軸部と係合して前記ミラーサイネージを回転可能に軸支する軸受部と、
を有することを特徴とするエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造。 - 前記下側板部材に設けられる下部軸受部は、
前記下側板部材に形成された貫通孔に挿入可能な外径を有する円筒状の挿入部と、該挿入部の端部に一体形成され前記挿入部の外径より大きい径を有する鍔部と、前記鍔部と前記挿入部とを貫通する軸挿入孔とから形成された鍔付ブッシュを備えることを特徴とする請求項1に記載のエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造。 - 前記軸受部は、
軸受本体と、該軸受本体に対して垂直方向に一体的に立設され、かつ中心には前記軸部が挿入される軸挿入孔が形成された軸受挿入部とから形成された軸受台座、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造。 - 前記軸挿入孔に挿入可能な外径を有するとともに中心には前記軸部が挿入される孔が形成されたブッシュを備え、前記軸挿入孔にブッシュが挿入され、該ブッシュの孔に前記軸部が挿入されることを特徴とする請求項4に記載のエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造。
- 前記軸受部とブッシュとを一部品とする軸受ブラケットで構成することを特徴とする請求項5に記載のエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造。
- 前記軸部は、下側板部材又は上側板部材に取り付けられる平板状の軸台座と、該軸台座に立設された軸とから形成されることを特徴とする請求項2に記載のエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付構造。
- エレベータかご室の一面を上下左右の各側板部材で枠状に構成する枠状壁面部材と、
前記枠状壁面部材に取り付けられて前記かご室の一面を構成するとともに、鏡面機能を有する半透明部材と該半透明部材の裏面側に設けられ前記半透明部材を介して映像コンテンツをかご室内に表示させるモニターとを有するミラーサイネージと、
前記枠状壁面部材に取り付けられる前記ミラーサイネージをかご室側へ開閉可能に支持する開閉機構と、を備えたエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付方法であって、
前記ミラーサイネージの一側縁部の上端面に設けられた軸部に、該軸部と係合してミラーサイネージを回転可能に軸支する軸受部を予め挿入しておき、
前記ミラーサイネージの一側縁部の下端面に設けられた軸部を、前記枠状壁面部材を構成する下側板部材に設けられた軸受部に挿入した後、
前記ミラーサイネージを屹立させて前記上端面の軸部に挿入された軸受部を前記枠状壁面部材を構成する上側板部材に固定する、
ことを特徴とするエレベータかご室におけるミラーサイネージの取付方法。
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