JP6193991B2 - ガス状三酸化硫黄を用いた炭素繊維調製プロセス - Google Patents

ガス状三酸化硫黄を用いた炭素繊維調製プロセス Download PDF

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Description

政府権利声明
本発明は、米国エネルギー省の管轄下で運営されるオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)の運営および管理請負人であるThe Dow Chemical CompanyおよびUT−Batelle,LLC間でのNFE−10−02991に基づいてなされている。政府はこの発明に対して一定の権利を所有する。
2010年における炭素繊維の世界生成量は40キロメートルトン(KMT)であり、2020年には150KMTに成長すると期待されている。工業グレード炭素繊維がこの成長に大きく貢献すると予想されており、適用に関しては低コストが必須となる。従来の炭素繊維を生成する方法はポリアクリロニトリル(PAN)に依存しており、溶液から繊維状に紡糸され、酸化および炭化される。コストの約50%がポリマー自体および溶液紡糸に関連している。
低コスト工業グレード炭素繊維を生成する試みにおいて、様々なグループが代わりの前駆体ポリマーおよび炭素繊維を製造する方法を研究している。これらの試みの多くはポリエチレンのスルホン化およびスルホン化ポリエチレンを炭素繊維に変換することに向けられていた。しかしながら、この方法および結果として得られる炭素繊維は少なくとも2つの理由で不十分であった。第1に、結果として得られる炭素繊維には繊維間結合が生じる。第2に、結果として得られる炭素繊維は不十分な物理的性質を有する。
例えば、米国特許第4,070,446号ではクロロスルホン酸(実施例1および2)、硫酸(実施例3および4)、又は発煙硫酸(実施例5)を用いて高密度ポリエチレンをスルホン化するプロセスを記載している。この特許における実施例5では、25%発煙硫酸を60℃で2時間かけて高密度ポリエチレン(HDPE)をスルホン化して、続いて炭化した。発明者たちがこの方法を用いて直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)をスルホン化したときに、結果として得られた繊維にはフィラメント間結合が生じ、物理的性質が悪かった。したがって、この方法は不十分と判断された。
米国特許第4,113,666号は、スルホン化剤として三酸化硫黄ガスを用いて、繊維性ポリエチレンから強酸性カチオン交換繊維を製造した。この特許の目標が気相スルホン化を介して酸性カチオン交換繊維を製造することであったため、スルホン化繊維は炭化されなかった。
国際公開第WO92/03601号は第4,070,446号特許で記載される濃縮硫酸方法を用いて超高分子量(UHMW)ポリエチレン繊維を炭素繊維に変換している。この出願の実施例1では、ポリマー繊維(張力下にて)を120℃の98%硫酸浴に浸漬させ、その硫酸浴温度が30℃/時で最大温度の180℃まで上昇された。スルホン化繊維は次に水で洗浄して空気乾燥されて、続いて900℃までの温度で(不完全に)炭化された。この出願の実施例2および3は予言的であり、データを含まない。この参照文献に開示されるスルホン化時間およびバッチ処理法は不十分である。
Materials and Manufacturing Processes Vol.9,No.2,221−235,1994およびProcessing and Fabrication of Advanced Materials for High Temperature Applications−II;proceedings of a symposium,475−485,1993では、ZhangおよびBhatが硫酸を用いた超高分子量(UHMW)ポリエチレン繊維のスルホン化プロセスを報告した。両方の論文は共に同一の出発スペクトラ繊維および同一のスルホン化プロセスを報告している。繊維はフレーム上に包まれて130〜140℃の硫酸に浸漬させて、温度は徐々に200℃まで上昇された。成功例のスルホン化時間は1.5〜2時間の間であった。繊維は別々の間隔で取り出して水道水で洗浄し、60℃のオーブンで乾燥して1150℃の不活性雰囲気にて炭化された。この方法によって炭素繊維の良好な機械的性質は報告されたものの、高価なゲル紡糸ポリマー繊維が用いられており、スルホン化時間も不十分であった。
1990年代始めに、A.J.Penningsら(Polymer Bulletin,1991,Vol.25,pp.405−412;Journal of Materials Science,1990,Vol25,pp.4216−4222)は繊維を室温のクロロスルホン酸に5〜20時間浸漬させることで直鎖状低密度ポリエチレンを炭素繊維に変換した。このプロセスは、クロロスルホン酸の高コストと長い反応時間に起因して工業的視点からは非常に費用がかかる。
2002年に、Leon y Leon(International SAMPE Technical Conference Series,2002,Vol.34,pp.506−519)はLLDPE繊維(d=0.94g/mL)を温められた濃縮H2SO4でスルホン化するプロセスを記載している。2段階スルホン化系もまた記載されており、「第1段階と比較して、第2スルホン化段階は:(a)類似温度でのより長い滞留時間(または単一温度でのより大きな単一段階反応装置)、または(b)より高い温度で少し高い酸濃度、を伴う」。514ページを参照のこと。具体的な時間および温度は開示されていない。この参照文献では、結果として得られた炭素繊維の引張特性は従来とは異なって判断された。引張試験で使用された断面領域は「密度(ピクノメートリによって)および単位長さあたりの重量の計測から計算された」(516ページ、表3〜517ページ)。しかしながら、ASTM法のD4018およびC1557は、直径は顕微鏡使用またはレーザ回折によって計測されるべきと記載している。顕微鏡によって計測された直径(表2、517ページ)を用いて報告された引張特性を調節すると、以下の新しい値が判定された。
これらの試みにもかかわらず、ポリエチレン系ポリマー繊維を炭素繊維に変換する適切な方法がいまだ求められている。したがって、本明細書中に開示するのはポリマー繊維から炭素繊維を製造する方法であって、この方法はポリマー繊維のスルホン化、次にスルホン化繊維の高温溶媒処理、それに続く繊維の炭化を含む。これらの方法は結果として、高温溶媒で処理されていないものと比較して優位の特性を有する工業グレード炭素繊維をもたらす。
一態様では、本明細書に開示されるのは炭化ポリマーを調製するプロセスであって、そのプロセスは、
a)SO3ガスを含むスルホン化剤でポリマーをスルホン化して、スルホン化ポリマーを形成することと、
b)スルホン化ポリマーを、加熱された溶媒であって、その温度が少なくとも95℃である、溶媒で処理することと、
c)得られた生成物を500〜3000℃の温度に加熱することで炭化することと、を含む。
本明細書に開示される化合物およびプロセスは高分子出発材料を使用する。高分子出発材料は、織物、シート、繊維、またはその組み合わせの形態であってもよい。好ましい実施形態では、高分子出発材料は繊維の形態であり、結果として得られる炭化ポリマーは炭素繊維である。
別の態様では、本明細書に開示されるのは上記プロセスにしたがって製造された炭素繊維である。
さらに別の態様では、本明細書に開示されるのは、本明細書に記載されるバッチ処理において有用な装置である。
は炭素繊維の様々な調製のためのデータを報告する表である。 図2Aは本明細書に記載されたバッチ処理に使用可能なデバイスの概略図である。図2Bはガラスロッドの遠心端で非反応性材料の周りにあるポリマー繊維を示す拡大図である。
上記のように、スルホン化剤はSO3ガスを含む。必要に応じて、純(>99%)SO3ガスを用いてもよい。このような場合では、SO3ガスを早くに加えすぎるとポリマーが溶融してしまう結果となるため、望ましくない。したがって、純SO3ガスを用いるときはその添加速度が重要になる。
あるいは、SO3ガスを1つ以上のキャリアガスと組み合わせて用いてもよい。好ましくは、キャリアガスは、不活性ガス、例えば空気、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンまたはスルホン化反応を邪魔しないその他のガスである。経済的な理由により、空気または窒素が好ましい。
SO3ガスとキャリアガスの比は典型的に、1:99〜99:1mol%の範囲内である。より好ましくは、その範囲は2:98〜15:85または10:90〜90:10または20:80〜80:20である。さらにより好ましくは、その範囲は1:99〜30:70である。
キャリアガスは乾燥していなければならず、すなわち、含水率が5重量%未満である。より好ましくは、含水率は4%未満、3%未満、または2%未満である。より好ましくは、含水率は1%未満である。水分がSO3ガスと反応してH2SO4を形成し、これは望ましくないため、乾燥ガスが必要とされる。同様の理由で、ポリマーはスルホン化される前に乾燥されてもよい。
ガスの添加速度はスルホン化率を最大限にしながらもポリマーの溶融などの潜在的な悪影響を最小限に抑えるように制御されるべきである。
ガスはポリマーを含む反応槽に連続的に加えられてもよく、別々の「パルス」で加えられてもよい。さらに、反応チャンバは周囲圧力または周囲圧力よりも低いまたは高い圧力を有していてもよい。
気相スルホン化反応の反応温度は典型的に20℃〜132℃(または問題の特定ポリマーの溶融点未満の任意の温度)である。より好ましくは、温度は20〜120℃である。より低い反応温度を用いてもよいが、性質が低下して経済的により好ましくない。より好ましくは、反応温度は30〜90℃である。さらにより好ましくは、温度は30〜75℃である。さらに好ましくは、50〜70℃である。
気相スルホン化反応は完了するのに典型的には10秒〜8時間かかる。もちろん、スルホン化反応時間が、繊維径(繊維が使用された場合)、ポリマーの%結晶度、存在する場合はコモノマーの同一性および濃度、ポリマーの密度、ポリマーにおける二重結合の濃度、ポリマーの多孔性、スルホン化温度、およびガス状SO3の濃度によって影響されることは従来技術において周知である。スルホン化温度、SO3ガス濃度および添加速度、ならびに反応時間の最適化は当業者の能力の範囲内である。
スルホン化反応は通常、周囲/大気圧で行われる。しかしながら必要に応じて、周囲圧力よりも高いまたは低い圧力を用いてもよい。
スルホン化反応時間を少なくする1つの方法は、スルホン化反応の前かその最中にポリマーを適切な溶媒で膨潤させることである。一実施形態では、ポリマーをSO3ガスとの処理の前に適切な膨潤性溶媒で処理してもよい。あるいは、ポリマーをスルホン化ステップ中にエマルジョン、溶液、またはその他の膨潤剤とスルホン化剤との組み合わせで、適切な溶媒で膨潤してもよい。スルホン化の前またはその最中に膨潤ステップを行う追加の利点としては、ポリマー中でより均一な硫黄分布を得て、それによって処理条件および性質が向上することである。
ポリマーはスルホン化された後、加熱された溶媒で処理される。許容される温度は少なくとも95℃である。より好ましくは、少なくとも100℃である。さらにより好ましくは少なくとも105℃または110℃である。さらにより好ましくは、少なくとも115℃である。最も好ましくは少なくとも120℃である。最大温度は溶媒の沸点または180℃である。一実施形態では、溶媒の温度は100〜180℃である。あるいは、溶媒の温度は120〜180℃である。120℃未満の温度のものも使用可能ではあるものの、反応速度が遅くなり、これによって反応のスループットが低下することで非経済的である。
一実施形態では、好ましい溶媒は極性および/またはプロトン性である。プロトン性溶媒の例としては、鉱酸、水、および蒸気が挙げられる。H2SO4は好ましいプロトン性溶媒である。一実施形態では、加熱された溶媒は100〜180℃の温度のH2SO4である。さらにより好ましくは、加熱された溶媒は120〜160℃の温度のH2SO4である。
あるいは、加熱された溶媒は極性溶媒であってもよい。適切な極性溶媒の例としては、DMSO、DMF、NMP、適切な沸点を有するハロゲン性溶媒またはその組み合わせが挙げられる。好ましくは、加熱された溶媒は120〜160℃の温度の極性溶媒である。
なお、ポリマー繊維が用いられる場合、ポリマー繊維の性質、その直径、トウの大きさ、繊維の%結晶度、存在する場合はコモノマーの同一性および濃度、ならびにポリマー繊維の密度が、用いられる反応条件に強い影響を与えることを理解するであろう。同様に、加熱溶媒処理に用いられる加熱された溶媒の温度およびH2SO4の濃度(H2SO4が用いられる場合)もまた、ポリマー繊維の性質、その直径、トウの大きさ、および繊維の%結晶度に依存する。
スルホン化反応が完了する(つまりポリマーの1%〜100%がスルホン化される)と、(熱重量分析(TGA)を用いて判定されるように、繊維を脱ガスして、任意選択的に1つ以上の溶媒で洗浄してもよい。繊維が脱ガスされる場合は、従来周知の任意の方法を用いることができる。例えば、繊維は真空状態にされてもよく、加圧ガスでスプレーされてもよい。
ポリマーを洗浄する場合、洗浄にはポリマーを溶媒または溶媒の組み合わせですすぐ、スプレーする、または接触させることを含み、溶媒または溶媒の組み合わせは−100℃から上は200℃までの温度で行われる。好ましい溶媒は水、C1−C4アルコール、アセトン、希酸(硫酸など)、ハロゲン化された溶媒およびその組み合わせが挙げられる。一実施形態では、繊維は水、続いてアセトンで洗浄される。別の実施形態では、繊維は水とアセトンの混合物で洗浄される。繊維が洗浄された後に、拭き取り乾燥、空気乾燥、熱源を用いた加熱(従来のオーブン、電子レンジ、または加熱ガスを繊維に吹き付けるなど)、またはその組み合わせを行ってもよい。
ここで用いられるポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、およびポリブタジエンから作成されるホモポリマーからなるか、エチレン、プロピレン、スチレンおよび/またはブタジエンのコポリマーを備える。好ましいコポリマーは、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/スチレンコポリマー、エチレン/ブタジエンコポリマー、プロピレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ヘキセンコポリマー、プロピレン/ブテンコポリマー、プロピレン/スチレンコポリマー、プロピレンブタジエンコポリマー、スチレン/オクテンコポリマー、スチレン/ヘキセンコポリマー、スチレン/ブテンコポリマー、スチレン/プロピレンコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー、ブタジエン/オクテンコポリマー、ブタジエン/ヘキセンコポリマー、ブタジエン/ブテンコポリマー、ブタジエン/プロピレンコポリマー、ブタジエン/スチレンコポリマー、またはその2つ以上の組み合わせを含む。エチレンのホモポリマーおよびエチレンを含むコポリマーが好ましい。ここで用いられるポリマーは任意のモノマー単位の構成を含有してもよい。例としては、直鎖または分岐ポリマー、交互コポリマー、ブロックコポリマー(ジブロック、トリブロック、またはマルチブロック)、ターポリマー、グラフトコポリマー、ブラシコポリマー、くし形コポリマー、星形コポリマーまたはその2つ以上の任意の組み合わせが挙げられる。
繊維が使用される場合、ポリマー繊維は任意の断面形状であってもよく、例えば円形、星形、中空糸、三角形、リボン形などであってもよい。好ましいポリマー繊維は円形である。さらに、ポリマー繊維は従来技術に周知の任意の手段、例えば融解紡糸(単一成分、二成分、または複数成分)、溶液紡糸、エレクトロスピニング、フィルムキャスティングおよびスリッティング、スパンボンド、フラッシュ紡糸、およびゲル紡糸によって生成されてもよい。繊維生成の好ましい方法は融解紡糸である。
なお、加熱された溶媒での処理が本明細書に開示される発明にとってきわめて重要である。以下に示すように、結果として得られる炭素繊維の物理的性質は、加熱溶媒処理によって、加熱された溶媒で処理されなかった炭素繊維と比べて著しく向上する。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、加熱溶媒処理によって繊維が架橋することが可能になり、これによって、繊維の溶融するまたは繊維間結合を行うことを阻止しながらも物理的性質が向上すると考えられる。
前述のように、いくつかの実施形態では、スルホン化反応は完了まで行われない。むしろ、反応が1〜99%で完成(または好ましくは40〜99%完成)した後に、スルホン化反応を停止させて、その後スルホン化は高温溶媒処理ステップで完了させられる(高温溶媒が鉱酸である場合、濃縮硫酸など)。必要に応じて、スルホン化、加熱された溶媒との処理および/または炭化は、ポリマーが張力下の状態で行われる。以下の記載はポリマー繊維(「トウ」とも呼ばれる)の使用に基づいている。炭素繊維技術分野では、引張力を維持することで繊維収縮の制御の助けとなる。また、スルホン化反応中の収縮を最小限に抑えることで、結果として得られる炭素繊維の引張特性を増加させることが提案されている。
より具体的には、スルホン化ポリエチレン繊維内のスルホン酸基は熱反応が約145℃で起き(始まりは120〜130℃で発生)、炭素鎖内で新たな炭素−炭素結合を生成しながらSO2およびH2Oを生成物として発生させる。これはX線吸収端近傍微細構造(NEXAFS)分光法を用いて確認され、スルホン化ポリエチレン繊維を加熱することでC=C結合の減少およびC−C単一結合の増加を結果として得ることが示された。この結果は、C−C二重結合を犠牲にして、以前に結合されていないC原子間の新たな結合の形成と矛盾しない。溶媒の添加は個別のフィラメントを分けて、繊維溶融を防止する。プロセス全体において起きる一般的な化学的変換を図示する以下のスキームを参照のこと。当業者であれば、全てのステップで存在する他の機能基の種類および複雑さは、明確化のためにここでは省かれていることを理解できるであろう。
スキーム1.炭化水素をSO3で反応させてスルホン酸基を有するポリアセチレン様ポリマーを生成し、続く個々のポリマー鎖を架橋する熱ステップ、および上昇された温度での脱水素によって、望ましい炭素繊維を得る一般的な化学的プロセス。
なお、単にスルホン化繊維をオーブンで加熱するだけでは結果として繊維溶融が高くなってしまい、異なる繊維であれば溶融するか凝結することを強調しなければならない。このような溶融繊維は非常にもろく、機械的特性が不十分な傾向がある。対照的に、スルホン化ポリマー繊維を加熱された溶媒で処理することで、著しく低い繊維溶融を有する繊維となる。このような繊維は向上した引張強度およびより高い引張破壊伸び(ひずみ)値を有する。溶媒の役割は表面スルホン酸基間の繊維間水素結合相互作用を最小限に抑え、それによって高温溶媒処理ステップ中における繊維間架橋および繊維溶融を防止することであると考えられる。対立仮説としては加熱された溶媒を採用し、低分子量スルホン化ポリマーをポリマー繊維から除去する。この繊維間副生成物を除去しないことには、熱処理は同様の架橋を行わせてしまい、最終的に繊維の溶融を発生させてしまう。
スルホン化反応が完了まで至らない可能性もあり、結果として(従来知られるように)中空糸を得ることになる。このような場合、高温溶媒処理にて高温硫酸を用いることで、熱反応が発生しながらもスルホン化反応が継続され、完了まで駆動される。この発明の一実施形態では、非溶融繊維を生成する利点を保持しながらも、このプロセスによってスルホン化チャンバ、高温硫酸浴またはその両方における時間を減少させて中空炭素繊維を生成することを可能とする。必要に応じて、スルホン化反応および高温溶媒処理で行われるスルホン化の相対量を調節することを利用することで結果として得られる炭素繊維の物理的性質を調整してもよい。
必要に応じて、スルホン化、加熱された溶媒との処理および/または炭化は、ポリマー繊維(「トウ」とも呼ばれる)が張力下にあるときに行われてもよい。従来の炭素繊維技術において、張力を維持することは繊維の収縮を制御する助けになることが知られている。また、スルホン化反応の間の収縮を最小限に抑えることで、結果として得られる炭素繊維の係数を上昇させることが提案されている。
スルホン化反応を行うのにガス状SO3を用いる際、ポリマー繊維が0〜22MPaの張力(好ましくは16.8MPaまでの張力)下に保持可能であること、加熱された溶媒との処理をポリマー繊維が0〜25MPaの張力下にあるときに実施可能であること、および炭化をポリマー繊維が0〜14MPaの張力下にあるときに実施可能であることが発見された。一実施形態では、プロセスは上記3つのステップの少なくとも1つが張力下で行われたところで実施された。より好ましい実施形態では、スルホン化、加熱された溶媒との処理、および炭化はポリマー繊維が1MPaより高い張力下で行われる。容易に理解されるように、様々なステップを様々な張力で実行させることができる。したがって、一実施形態では、炭化ステップ中の張力はスルホン化ステップにおけるものと異なっている。また、各ステップの張力はポリマーの性質、大きさ、およびポリマー繊維の引張強さに依存すると理解されるべきである。したがって、上記張力は、繊維の性質および大きさが変化すると変化する可能性があるガイドラインである。
炭化ステップはスルホン化されて熱処理された繊維を加熱することで行われる。典型的に、繊維は500〜3000℃の温度のチューブオーブンを通り抜ける。より好ましくは、炭化温度は少なくとも600℃である。一実施形態では、炭化反応は700〜1,500℃の範囲内の温度で行われる。炭化ステップはチューブオーブンにて、不活性ガスまたは真空の雰囲気内で行われてもよい。当業者であれば、必要に応じて、本明細書に開示されている方法を用いて活性化された炭素繊維を調製してもよいことを認識できるであろう。
好ましい一実施形態では、プロセスは、
a)ポリマーを含有するポリエチレンを、SO3ガスおよび乾性の不活性キャリアガスを含むスルホン化試薬で、50〜100℃の温度でスルホン化反応を行うことでスルホン化し、スルホン化ポリマーを形成することと、
b)スルホン化ポリマーを、プロトン性および/または極性溶媒であって、その温度が100〜180℃である、溶媒で処理することと、
c)得られた生成物を500〜3000℃の温度に加熱することで炭化することと、を含み、
ステップa)、b)、およびc)のうちの少なくとも1つが、ポリマーが張力下にある間に行われる。
この好ましい実施形態では、プロトン性および/または溶媒はDMSO、DMF、または鉱酸であり、および/またはポリマー繊維を含有するポリエチレンは、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/スチレンコポリマー、エチレン/ブタジエンコポリマー、またはこれらの2つ以上の組み合わせを含むポリエチレンホモポリマーもしくはポリエチレンコポリマーであり、および/またはハロゲン化された溶媒はクロロカーボンであり、および/またはステップa)、b)、ならびにc)は、ポリマー(好ましくはポリマー繊維)が1MPaより高い張力下にある間に行われる。
さらにより好ましくは、この好ましい実施形態では、プロトン性溶媒は115〜160℃の温度の硫酸で濃縮された鉱酸である。
本明細書にさらに開示されているのは、任意の上記プロセスにしたがって作製された炭素繊維である。
繊維をスルホン化するプロセスに関連して、バッチまたは連続法を用いることができる。バッチ法を行うのに用いられる装置の例を図2Aに示し、装置は、(図示しないガラス接合部を備えていてもよい)中間部を介して接続される上部10Bおよび下部10A、共に上部10Bに位置する、ワイヤ通過部33にはめ込まれた隔壁60、SO3ガス入口70、SO3ガス出口80、および任意選択的にその遠心端45に設けられた非反応性材料40(PTFEまたはその他のフッ素化炭化水素など)を有する中空ガラスロッド30を有するジャケット付き反応槽10からなっていてもよく、ロッド30は任意選択的にサーモウェルである。ガラスロッド30の遠心端45に設けられた非反応性材料40の周りを通るポリマー繊維20の図示は図2Bを参照のこと。反応槽10Aおよび10Bの2つの構成要素によってポリマー繊維20の容易な追加および取り出しを可能とする。
ポリマー繊維20の各端は、細いゲージワイヤ50に縛られるか、結び目でつなげられるかその他の方法で取り付けられている55。必要に応じて、2つの異なるワイヤ50を用いてもよく、単一ワイヤ50を用いてもよい。スルホン化反応の所定の位置にある場合、ワイヤ50は、上部10Bに位置するワイヤ通過部33内に位置する隔壁60を介して反応槽10に入る。ワイヤ50に付けられたポリマー繊維20は、ガラスロッド30の片側を下方向に導かれ、非反応性端40を周って、ガラスロッド30の他方側を上に戻る。ポリマー繊維20のこの端は、反応槽から、別の、上部10Bに位置するワイヤ通過部33内に位置する隔壁60から出て行くワイヤ50に付けられている。必要に応じて、装置10の外側にワイヤ50に錘(図示せず)を追加することで繊維に張力が与えられる。
図2では、通過部33および隔壁60は、反応槽10内外への気体や蒸気の侵入や漏れを防ぎながら、ポリマー繊維20に張力を与えることを可能とする。さらに隔壁60は、スルホン化反応で生成されて用いられる全ての試薬に対して非反応性であるべきである。ポリマー繊維20が位置について望ましい張力を受けると、必要に応じて、望ましい雰囲気でのパージングを、入口70および出口80をガスが通り抜けて流れるように向けさせることで得ることができ、入口70および出口80はガス流の制御を補助するために弁75および85を備えていてもよい。三酸化硫黄ガス混合物は、任意の弁75および85を有する同じ入口70および出口80を通り抜けて流れるように向けさせることで添加することができる。あるいは、入口および出口方向を反転させてもよく、入口が80で出口70としてもよい。
三酸化硫黄を反応槽10に添加すると、ガス(図式せず)が反応槽10の内側空間を充填満して、ポリマー繊維20と接触してスルホン化する。未反応ガスおよび任意のガス状または蒸気状副生成物は、その後に弁85を備えていてもよいSO3ガス出口80を介して反応槽10から排出されてもよく、これを受けて操作者はガス流を止めることが可能となる。
反応槽10は、槽10を加熱および/または冷却するためのジャケットデバイス15を備えていてもよい。図2に示される設計では、液体(図式せず)の再循環を可能とするジャケット15を介して加熱および冷却が得られる。加熱または冷却液は、ある個所90からジャケット15に入り、別の個所100から出ていく。個所90および100は、槽10およびその内容物の加熱または冷却の効率を最大化するために、互いに離れているべきである。任意選択的に、ガラスロッド30は中空であってもよく、これによって内部ガスの温度を直接モニタリングするために熱電対を用いることが可能になる。反応槽10を製造するための全ての材料は、ガラス、またはSO3ガス、硫酸もしくは反応中に形成される任意の副生成物と反応しない材料から製造されるべきである。
反応が完了すると、ガスは、SO3ガスが除去されるまでガス入口70またはガス出口80を介して不活性ガスおよび/または空気を吹き込むことによって、反応槽10から除去される。あるいは、ガス入口70またはガス出口80に真空源(図式せず)を設けて、反応槽を排気してもよい。その後、不活性ガスおよび/または空気を、ガス入口70または出口80を介して、反応槽10に導入してもよい。
以下の実施例では、単一フィラメント(繊維)の引張特性(ヤング係数、引張強度、%ひずみ(%引張破壊伸び))を、デュアルカラムインストロンモデル5965を用いてASTM法のC1557に記載の手順に沿って判定した。繊維径は光学顕微鏡法および破壊前回折の両方によって判定された。
実施例1:対照
エチレンのコポリマーおよびMw=58,800g/molを有しMw/Mn=2.5である0.33モル%の1−オクテン(1.3重量%)を紡績してフィラメントの連続トウを得た。フィラメントは直径が15〜16ミクロン、引張強さが2g/デニール、および結晶度が約57%であった。3000フィラメントの1メートルサンプルをガラス装置に結びとおし、400g張力下(7MPa)に置いた。ガラス装置(図2)は70℃に加熱され、アルゴン中約2.5〜7%SO3を400〜500mL/分の速度で反応器に供給した。3時間後に流れが停止されて、繊維を取り出し、水、アセトンで洗浄し、拭き乾かした。スルホン化繊維トウは次に管状炉内に250g(4.5MPa)張力下に置かれ、窒素下にて5時間にわたって1150℃に加熱された。このトウからの個別のフィラメントに対して引張試験を行った。15のフィラメントの平均は、ヤング係数が47GPa、引張強度が0.40GPa、引張破壊伸びが0.86%、および直径が12.6ミクロンであった。
実施例2:対照
実施例1と同一の繊維および反応器が用いられた。3000フィラメント繊維トウを800gの張力下(15MPa)に置いた。ガラス装置を70℃まで加熱し、アルゴン中約2.5〜7%SO3を反応器に400〜500mL/分の速度で供給した。3時間後、温度は85℃まで上げられて7分間保持されて、その後に90℃に上げられて5分間保持された。次に流れは停止されて、繊維を取り出し、水、アセトンで洗浄して拭き乾かした。スルホン化繊維トウは次に管状炉内に250g(4.5MPa)張力下に置かれ、窒素下にて5時間にわたって1150℃に加熱された。このトウからの個別のフィラメントに対して引張試験を行った。15のフィラメントの平均は、ヤング係数が49GPa、引張強度が0.54GPa、引張破壊伸びが1.10%、および直径が15.1ミクロンであった。
実施例3:対照
実施例1と同一の繊維および反応器が用いられた。3000フィラメント繊維トウを800gの張力下(15MPa)に置いた。ガラス装置を70℃まで加熱し、アルゴン中約2.5〜7%SO3を反応器に400〜500mL/分の速度で供給した。1時間後に、張力を400g(7MPa)に変更した。3時間後に流れは停止され、繊維を取り出し、水、アセトンで洗浄して拭き乾かした。スルホン化繊維トウは次に管状炉内に250g(4.5MPa)張力下に置かれ、窒素下にて5時間にわたって1150℃に加熱された。このトウからの個別のフィラメントに対して引張試験を行った。15のフィラメントの平均は、ヤング係数が36GPa、引張強度が0.40GPa、引張破壊伸びが1.1%、および直径が15.1ミクロンであった。
実施例4:対照
実施例1と同一の繊維および反応器が用いられた。3000フィラメント繊維トウを600gの張力下(11MPa)に置いた。ガラス装置を70℃まで加熱し、アルゴン中約2.5〜7%SO3を反応器に400〜500mL/分の速度で供給した。4時間後に流れは停止され、繊維を取り出し、水、アセトンで洗浄して拭き乾かした。スルホン化繊維トウは次に管状炉内に250g(4.5MPa)張力下に置かれ、窒素下にて5時間にわたって1150℃に加熱された。このトウからの個別のフィラメントに対して引張試験を行った。15のフィラメントの平均は、ヤング係数が52GPa、引張強度が0.53GPa、引張破壊伸びが1.0%、および直径が14.3ミクロンであった。
実施例5:対照
実施例4で報告されるものと同一の条件であるが、スルホン化繊維トウは500g(9MPa)張力下の管状炉に置かれ、窒素下にて5時間にわたって1150℃に加熱した。このトウからの個別のフィラメントに対して引張試験を行った。15のフィラメントの平均は、ヤング係数が58GPa、引張強度が0.60GPa、引張破壊伸びが1.0%、および直径が13.6ミクロンであった。
実施例6:実験
実施例1と同一の繊維および反応器が用いられた。3000フィラメント繊維トウを800gの張力下(15MPa)に置いた。ガラス装置を70℃まで加熱し、アルゴン中約2.5〜7%SO3を、反応器に400〜500mL/分の速度で供給した。3時間後に流れを停止させ、繊維を取り出して類似の反応器に入れ、600g(11MPa)の張力を与えた。反応器は96%H2SO4で充填し、98℃まで加熱して1時間保持し、続いてさらに115℃まで加熱して、さらに1時間保持した。繊維を次に取り出し、水、アセトンで洗浄し、拭き乾かした。スルホン化繊維トウを次に250g(4.5MPa)張力下の管状炉に置き、窒素下にて5時間にわたって1150℃に加熱した。このトウからの個別のフィラメントに対して引張試験を行った。15のフィラメントの平均は、ヤング係数が46GPa、引張強度が0.71GPa、引張破壊伸びが1.55%、および直径が約15ミクロンであった。
本開示は以下も包含する。
[1]
炭化ポリマーを調製するプロセスであって、
a)SO3ガスを含むスルホン化剤でポリマーをスルホン化して、スルホン化ポリマーを形成することと、
b)前記スルホン化ポリマーを、加熱された溶媒であって、その温度が少なくとも95℃である、溶媒で処理することと、
c)得られた生成物を500〜3000℃の温度に加熱することによって炭化することと、
を含む、プロセス。
[2]
前記スルホン化剤が、キャリアガスとの組み合わせでSO3ガスを含む、上記態様1に記載のプロセス。
[3]
前記キャリアガスが、乾性である、上記態様1または2に記載のプロセス。
[4]
前記キャリアガスが、不活性ガスである、上記態様2または3に記載のプロセス。
[5]
前記ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、およびポリブタジエンから選択されるポリマーからなるホモポリマーである、または前記ポリマー繊維が、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/スチレンコポリマー、エチレン/ブタジエンコポリマー、プロピレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ヘキセンコポリマー、プロピレン/ブテンコポリマー、プロピレン/スチレンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/オクテンコポリマー、スチレン/ヘキセンコポリマー、スチレン/ブテンコポリマー、スチレン/プロピレンコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー、ブタジエン/オクテンコポリマー、ブタジエン/ヘキセンコポリマー、ブタジエン/ブテンコポリマー、ブタジエン/プロピレンコポリマー、ブタジエン/スチレンコポリマー、またはこれらの2つ以上の組み合わせのコポリマーである、上記態様1〜4のいずれかに記載のプロセス。
[6]
前記エチレンのコポリマーが、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/スチレンコポリマー、エチレン/ブタジエンコポリマー、またはこれらの2つ以上の組み合わせを含む、上記態様5に記載のプロセス。
[7]
前記加熱された溶媒が、少なくとも100℃の温度である、上記態様1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
[8]
前記加熱された溶媒が、100〜180℃の硫酸である、上記態様1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
[9]
前記スルホン化反応が、20〜120℃の温度で行われる、上記態様1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
[10]
前記スルホン化が、前記ポリマーがポリマー繊維であり、かつ前記ポリマー繊維が0〜22MPaの張力下にある間に実施される、加熱された溶媒での前記処理が、前記ポリマー繊維が0〜25MPaの張力下にある間に実施される、または炭化が、前記ポリマー繊維が0〜14MPaの張力下にある間に実施される、上記態様1〜9のいずれかに記載のプロセス。
[11]
前記スルホン化、前記加熱された溶媒での処理、および前記炭化が、前記ポリマーが1MPaよりも大きい張力下にある間に行われる、上記態様1〜10のいずれかに記載のプロセス。
[12]
前記炭化ステップ中の前記張力が、前記スルホン化ステップのものとは異なる、上記態様10または11に記載のプロセス。
[13]
前記炭化ステップが、700〜1,500℃の温度で行われる、上記態様1〜12のいずれか一項に記載のプロセス。
[14]
a)ポリマーを含むポリエチレンを、SO3ガスおよび乾性の不活性キャリアガスを含むスルホン化試薬で、スルホン化することであって、50〜100℃の温度で前記スルホン化反応を行うことでスルホン化ポリマーを形成し、スルホン化することと、
b)加熱された溶媒であって、その温度が100〜180℃である、溶媒で前記ス
ルホン化ポリマーを処理することと、
c)前記得られた生成物を500〜3000℃の温度に加熱することで炭化することと、
を含み、ステップa)、b)、およびc)のうちの少なくとも1つが、前記ポリマーが張力下にある間に行われることを含む、上記態様1〜13に記載のプロセス。
[15]
前記加熱された溶媒が、DMSO、DMF、または鉱酸である、上記態様14に記載のプロセス。
[16]
前記ポリエチレンを含むポリマーが、ポリエチレンホモポリマー、またはエチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、1つ以上のホモポリマーおよび1つ以上のポリエチレンコポリマーの混合物、または2つ以上のポリエチレンコポリマーの組み合わせ、を含むポリエチレンコポリマーである、上記態様14または15に記載のプロセス。
[17]
前記加熱された溶媒が、115〜160℃の温度の硫酸である、上記態様14〜16に記載のプロセス。
[18]
ステップa)、b)、およびc)が、前記ポリマーが1MPaよりも大きい張力下にある間に行われる、上記態様14〜17に記載のプロセス。
[19]
前記加熱された溶媒が、115〜160℃の温度の濃縮硫酸である、上記態様14〜18に記載のプロセス。
[20]
上記態様1〜19に記載のプロセスによって作成された炭素繊維。

Claims (8)

  1. 炭化ポリマーを調製するプロセスであって、
    a)SOガスを含むスルホン化剤でポリマーをスルホン化して、スルホン化ポリマーを形成することと、
    b)スルホン化ポリマーを、加熱された溶媒であって、その温度が少なくとも95℃であり、前記加熱された溶媒が硫酸である、溶媒で処理することと、
    c)得られた生成物を500〜3000℃の温度に加熱することによって炭化することと、
    を含み、
    前記ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、およびポリブタジエンから選択されるポリマーからなるホモポリマーである、または前記ポリマーが、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/スチレンコポリマー、エチレン/ブタジエンコポリマー、プロピレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ヘキセンコポリマー、プロピレン/ブテンコポリマー、プロピレン/スチレンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/オクテンコポリマー、スチレン/ヘキセンコポリマー、スチレン/ブテンコポリマー、スチレン/プロピレンコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー、ブタジエン/オクテンコポリマー、ブタジエン/ヘキセンコポリマー、ブタジエン/ブテンコポリマー、ブタジエン/プロピレンコポリマー、ブタジエン/スチレンコポリマー、またはこれらの2つ以上の組み合わせのコポリマーである、プロセス。
  2. 前記スルホン化剤が、キャリアガスとの組み合わせでSOガスを含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記キャリアガスが、乾性かつ不活性である、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記加熱された溶媒が、100〜180℃の温度の硫酸である、請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記スルホン化反応が、20〜120℃の温度で行われる、請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記スルホン化が、前記ポリマーがポリマー繊維であり、かつ前記ポリマー繊維が張力下にある間に実施され、前記炭化ステップ中の張力が、前記スルホン化ステップのものとは異なる、請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. a)エチレン単位を含むポリマーを、SOガスおよび乾性の不活性キャリアガスを含むスルホン化試薬で、スルホン化することであって、50〜100℃の温度で前記スルホン化反応を行うことでスルホン化ポリマーを形成し、スルホン化することと、
    b)加熱された溶媒であって、その温度が100〜180℃である、溶媒で前記スルホン化ポリマーを処理することと、
    c)前記得られた生成物を500〜3000℃の温度に加熱することで炭化することと、
    を含み、ステップa)、b)、およびc)のうちの少なくとも1つが、前記ポリマーが張力下にある間に行われることを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 記エチレン単位を含むポリマーが、ポリエチレンホモポリマー、またはエチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、1つ以上のホモポリマーおよび1つ以上のポリエチレンコポリマーの混合物、または2つ以上のポリエチレンコポリマーの組み合わせ、を含むポリエチレンコポリマーである、請求項に記載のプロセス。
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