JP6193142B2 - 複合熱源ヒートポンプ装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されたヒートポンプサイクル装置は、例えば、暖房運転を行う場合には、外気温度に応じて、空気熱源か地中熱源のいずれか一方を選択して採熱効率の高い熱源を利用して放熱端末側の熱媒(循環液)を加熱する。
前記加熱循環ポンプを所定の除霜回転速度で駆動させた状態で、前記第2圧縮機によって加熱された第2冷媒を前記空気熱源熱交換器に供給して当該空気熱源熱交換器の除霜動作を実行する除霜動作実行手段を有し、前記第1ヒートポンプ回路と前記第2ヒートポンプ回路とを作動させると共に前記加熱循環ポンプを駆動させて前記循環液を加熱する暖房運転時において、前記暖房運転時から前記除霜動作実行手段が除霜動作を実行する場合には、前記第2膨張弁の開度は、前記暖房運転時よりも所定の開度まで拡大し、前記加熱循環ポンプの所定の除霜回転速度は、前記暖房運転時よりも低く設定した第1の除霜回転速度とし、前記制御装置は、除霜動作の開始から完了までの除霜動作時間の基準値である基準除霜動作時間を算出する基準除霜時間算出手段と、この基準除霜時間算出手段が求めた基準除霜動作時間が所定の閾値内であるかどうかを判定する基準除霜時間判定手段と、を有し、前記基準除霜動作時間が前記所定の閾値を超えている場合には、次回の除霜動作時において、前記第1の除霜回転速度よりも回転速度を低く設定した停止を含まない第2の除霜回転速度で前記加熱循環ポンプを駆動させながら除霜動作を実行し、前記基準除霜動作時間が前記所定の閾値を超えていない場合には、次回の除霜動作時において、前記第1の除霜回転速度と同じ回転速度で前記加熱循環ポンプを駆動させながら除霜動作を実行すること、を特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の複合熱源ヒートポンプ装置であって、前記基準除霜時間算出手段は、所定の期間内における複数回実行した除霜動作から平均除霜動作時間を算出して当該平均除霜動作時間を前記基準除霜動作時間として採択すること、を特徴とする。
また、本発明に係る複合熱源ヒートポンプ装置は、施工状況の違いに関係なく、設置環境に応じて除霜動作時の加熱循環ポンプの回転速度を適切に設定するので、除霜動作時間が長引くことなく、且つ暖房も適切に行うことができる。
複合熱源ヒートポンプ装置1は、図1に示すように、放熱端末2に熱媒としての循環液L(例えば、温水)を循環させる加熱熱交換部3と、地中熱を熱源とする地中熱ヒートポンプ装置4と、空気熱を熱源とする空気熱ヒートポンプ装置5と、動作を制御する制御装置6(61,62,63)と、制御装置6に信号を送るリモコン60と、を備えている。
第1加熱熱交換器41は、加熱循環回路31における第2加熱熱交換器51の上流側に直列に配設されている。
第1加熱熱交換器41では、第1圧縮機43により圧縮された高温の第1冷媒C1と加熱循環回路31を通って放熱端末2から戻ってきた低温の循環液Lとが対向して流れて熱交換が行われ、循環液Lを加熱するようになっている。
空気熱源熱交換器55は、送風ファン56から送風される空気と第2冷媒C2との熱交換を行って第2冷媒C2を加熱する。
除霜動作実行手段63aは、加熱循環ポンプ32を所定の除霜回転速度で駆動させ放熱端末2による暖房運転を継続した状態で、第2圧縮機53によって加熱された第2冷媒C2を空気熱源熱交換器51に供給して空気熱源熱交換器51の除霜動作を実行する。
制御装置6は、外気温センサ57の検出する外気温度に基づき、地中熱ヒートポンプ装置4および空気熱ヒートポンプ装置5のうち、熱源として採熱効率のよい方を選択して暖房運転を実行する。
また、外気温度がさらに低下する等して暖房負荷が大きくなり一方の作動のみでは所望の暖房出力が得られないときなどには、制御装置6は、地中熱ヒートポンプ装置4および空気熱ヒートポンプ装置5の両方を作動させる。
この場合、制御装置6は、第2圧縮機53、第2膨張弁54、送風ファン56、および加熱循環ポンプ32の駆動を開始させ、負荷運転としての暖房運転が開始される。暖房運転が開始されると、第2加熱熱交換器51では加熱循環ポンプ32により循環される循環液Lと第2圧縮機53から吐出された高温高圧の第2冷媒C2とが熱交換され、加熱された循環液Lが放熱端末2に供給され被空調空間を加熱するとともに、空気熱源熱交換器55では、送風ファン56の作動により送られる空気と第2膨張弁54から吐出された低温低圧の第2冷媒C2とが熱交換され、空気熱により第2冷媒C2を加熱し蒸発させる。なお、この場合、加熱循環回路31を循環する循環液Lは、第1加熱熱交換器41も通過することになるが、このときには地中熱ヒートポンプ装置4は作動していないため、第1加熱熱交換器41では加熱されることなく通過する。
この場合、制御装置6は、第1圧縮機43、第1膨張弁44、地中熱循環ポンプ47、および加熱循環ポンプ32の駆動を開始させ、負荷運転としての暖房運転が開始される。暖房運転が開始されると、第1加熱熱交換器41では加熱循環ポンプ32により循環される循環液Lと第1圧縮機43から吐出された高温高圧の第1冷媒C1とが熱交換され、加熱された循環液Lが放熱端末2に供給され被空調空間を加熱するとともに、地中熱源熱交換器45では、地中熱循環ポンプ47により循環され地中熱交換器23を介して地中熱を採熱した熱媒H1と第1膨張弁44から吐出された低温低圧の第1冷媒C1とが熱交換され、地中熱により第1冷媒C1を加熱し蒸発させる。なお、この場合、加熱循環回路31を循環する循環液Lは、第2加熱熱交換器51も通過することになるが、このときには空気熱ヒートポンプ装置5は作動していないため、第2加熱熱交換器51では加熱されることなく通過する。
このように、地中熱ヒートポンプ装置4と空気熱ヒートポンプ装置5とを作動させると共に加熱循環ポンプ32を駆動させて循環液Lを加熱する暖房運転時において、除霜動作実行手段63aは、除霜動作を実行する場合には、第2膨張弁54の開度は、暖房運転時よりも所定の開度である全開まで拡大し、加熱循環ポンプ32の所定の除霜回転速度は、暖房運転時よりも低く設定した第1の除霜回転速度とする。
加熱循環ポンプ32の第1の除霜回転速度は、通常の暖房運転における回転速度よりも低く設定されている。例えば、通常の暖房運転における回転速度が3500rpmとすると、加熱循環ポンプ32の第1の除霜回転速度は、3500rpmよりも低い2500rpmとすることができる。
このようにして、複合熱源ヒートポンプ装置1は、空気熱源熱交換器55の除霜用に第2圧縮機53で圧縮した第2冷媒C2の熱が、第2加熱熱交換器51を介して放熱端末2側の循環液Lに奪われすぎないようにより適切に加熱循環ポンプ32の回転速度を調整することができるため、より速やかに除霜動作を完了することができる。
除霜動作の形態は、図3に示すように、暖房動作(図1参照)と同様に同じ方向に第2冷媒C2を循環させて除霜する。
除霜動作の開始は、例えば、外気温センサ57(図2参照)で検出した外気温、または外気温と温度センサ52c(図2参照)で検出した空気熱源熱交換器55の温度との温度差から制御装置6が判断して除霜動作を開始することができる。また、除霜動作の完了は、例えば、温度センサ52c(図2参照)で検出した空気熱源熱交換器55の温度上昇から制御装置6が判断して除霜動作を終了することができる。
基準除霜時間算出手段63bは、図4に示すように、所定の期間内(例えば、1週間)における複数回実行した除霜動作から平均除霜動作時間を算出してこの平均除霜動作時間を基準除霜動作時間として採択する。
基準除霜時間判定手段63cは、基準除霜時間算出手段63bが求めた基準除霜動作時間である平均除霜動作時間(200秒)が所定の閾値(予め設定した規定時間、例えば、170秒)以内であるかどうかを判定する。
そして、除霜動作制御装置63は、基準除霜動作時間である平均除霜動作時間(200秒)が所定の閾値(170秒)を超えている場合には、所定の期間内である第1週目の1週間(第1日から第7日まで)の翌週の第2週目の1週間(第8日から第14日まで)に対しては、第1の除霜回転速度(例えば、2500rpm)よりも所定の回転速度ΔRrpm(例えば、100rpm)だけ低く補正した第2の除霜回転速度(2500−ΔR=2400rpm)で加熱循環ポンプ32を駆動させながら除霜動作を実行する。
参照する図5は複合熱源ヒートポンプ装置1の動作を示す流れ図である。図6は、動作の具体例を示す図であり、(a)は第1週目の状態、(b)は加熱循環ポンプの回転速度を(a)の状態から所定の回転速度だけ低く補正した第2週目の状態、(c)は(b)の状態からさらに所定の回転速度だけ低く補正して除霜動作時間が規定時間以内になった第3週目の状態である。
基準除霜時間判定手段63c(図2参照)は、基準除霜動作時間である平均除霜動作時間(200秒)が所定の閾値(予め設定した規定時間、例えば、170秒)以内であるかどうかを判定する(S2)。
つまり、加熱循環ポンプ32の回転速度を第1週目よりもΔRrpm(例えば、100rpm)だけ低く設定することで、第2加熱熱交換器51を介して冷媒循環回路52を流れる第2冷媒C2から加熱循環回路31を流れる循環液Lに伝達される熱量を少なくすることができるため、第2週目では、平均除霜動作時間を短縮してより速やかに除霜動作を完了することができる(図6(b)参照)。
これによって、図6(c)に示すように、第3週目における平均除霜動作時間は、第2週目の(200−ΔT1)秒よりもさらに短縮されて、(200−ΔT1−ΔT2)秒となる。
すなわち、所定の期間内(1週間)における複数回実行した除霜動作から平均除霜動作時間を算出することで、設置環境においてばらつきのない基準除霜動作時間を算出することができ、さらに、算出された基準除霜動作時間が予め設定された規定時間以内になるように、加熱循環ポンプ32の回転速度が設定されるので、放熱端末2の種類や放熱端末2までの加熱循環回路31の配管長の違いといった施工状況の違いに関係なく、設置環境に応じて自動で除霜動作時の加熱循環ポンプの回転速度を適切に設定するので、除霜動作時間が長引くことなく、且つ暖房も適切に行うことができる。
2 放熱端末
3 加熱熱交換部
4 地中熱ヒートポンプ装置(第1ヒートポンプ回路)
5 空気熱ヒートポンプ装置(第2ヒートポンプ回路)
6 制御装置
31 加熱循環回路
32 加熱循環ポンプ
34 端末温度センサ
41 第1加熱熱交換器
42a,42b 温度センサ
43 第1圧縮機
44 第1膨張弁
45 地中熱源熱交換器
46 熱媒循環路
47 地中熱循環ポンプ
48 地中熱交換器
51 第2加熱熱交換器
52a,52b,52c 温度センサ
53 第2圧縮機
54 第2膨張弁
55 空気熱源熱交換器
57 外気温センサ
61 地中熱ヒートポンプ制御装置
62 空気熱ヒ−トポンプ制御装置
63 除霜動作制御装置
C1 第1冷媒
C2 第2冷媒
H1 熱媒
L 循環液
Claims (3)
- 放熱端末に循環液を循環させる加熱循環ポンプを有する加熱循環回路と、
この加熱循環回路に配設された凝縮器としての第1加熱熱交換器と、
前記加熱循環回路に配設された凝縮器としての第2加熱熱交換器と、
地中から採熱して回路内を循環する第1冷媒を加熱する地中熱源熱交換器と、前記第1冷媒を圧縮して前記第1加熱熱交換器に供給する第1圧縮機と、前記第1加熱熱交換器から流出された前記第1冷媒を減圧する第1膨張弁と、を有し、前記第1加熱熱交換器を介して前記循環液を加熱する第1ヒートポンプ回路と、
外気から採熱して回路内を循環する第2冷媒を加熱する空気熱源熱交換器と、前記第2冷媒を圧縮して前記第2加熱熱交換器に供給する第2圧縮機と、前記第2加熱熱交換器から流出された前記第2冷媒を減圧する第2膨張弁と、を有し、前記第2加熱熱交換器を介して前記循環液を加熱する第2ヒートポンプ回路と、
動作を制御する制御装置と、を備えた複合熱源ヒートポンプ装置であって、
前記第1加熱熱交換器は、前記加熱循環回路における第2加熱熱交換器の上流側に直列に配設され、
前記制御装置は、
前記加熱循環ポンプを所定の除霜回転速度で駆動させた状態で、前記第2圧縮機によって加熱された第2冷媒を前記空気熱源熱交換器に供給して当該空気熱源熱交換器の除霜動作を実行する除霜動作実行手段を有し、
前記第1ヒートポンプ回路と前記第2ヒートポンプ回路とを作動させると共に前記加熱循環ポンプを駆動させて前記循環液を加熱する暖房運転時において、
前記暖房運転時から前記除霜動作実行手段が除霜動作を実行する場合には、
前記第2膨張弁の開度は、前記暖房運転時よりも所定の開度まで拡大し、
前記加熱循環ポンプの所定の除霜回転速度は、前記暖房運転時よりも低く設定した第1の除霜回転速度とし、
前記制御装置は、
除霜動作の開始から完了までの除霜動作時間の基準値である基準除霜動作時間を算出する基準除霜時間算出手段と、
この基準除霜時間算出手段が求めた基準除霜動作時間が所定の閾値内であるかどうかを判定する基準除霜時間判定手段と、を有し、
前記基準除霜動作時間が前記所定の閾値を超えている場合には、次回の除霜動作時において、前記第1の除霜回転速度よりも回転速度を低く設定した停止を含まない第2の除霜回転速度で前記加熱循環ポンプを駆動させながら除霜動作を実行すること、
を特徴とする複合熱源ヒートポンプ装置。 - 放熱端末に循環液を循環させる加熱循環ポンプを有する加熱循環回路と、
この加熱循環回路に配設された凝縮器としての第1加熱熱交換器と、
前記加熱循環回路に配設された凝縮器としての第2加熱熱交換器と、
地中から採熱して回路内を循環する第1冷媒を加熱する地中熱源熱交換器と、前記第1冷媒を圧縮して前記第1加熱熱交換器に供給する第1圧縮機と、前記第1加熱熱交換器から流出された前記第1冷媒を減圧する第1膨張弁と、を有し、前記第1加熱熱交換器を介して前記循環液を加熱する第1ヒートポンプ回路と、
外気から採熱して回路内を循環する第2冷媒を加熱する空気熱源熱交換器と、前記第2冷媒を圧縮して前記第2加熱熱交換器に供給する第2圧縮機と、前記第2加熱熱交換器から流出された前記第2冷媒を減圧する第2膨張弁と、を有し、前記第2加熱熱交換器を介して前記循環液を加熱する第2ヒートポンプ回路と、
動作を制御する制御装置と、を備えた複合熱源ヒートポンプ装置であって、
前記第1加熱熱交換器は、前記加熱循環回路における第2加熱熱交換器の上流側に直列に配設され、
前記制御装置は、
前記加熱循環ポンプを所定の除霜回転速度で駆動させた状態で、前記第2圧縮機によって加熱された第2冷媒を前記空気熱源熱交換器に供給して当該空気熱源熱交換器の除霜動作を実行する除霜動作実行手段を有し、
前記第1ヒートポンプ回路と前記第2ヒートポンプ回路とを作動させると共に前記加熱循環ポンプを駆動させて前記循環液を加熱する暖房運転時において、
前記暖房運転時から前記除霜動作実行手段が除霜動作を実行する場合には、
前記第2膨張弁の開度は、前記暖房運転時よりも所定の開度まで拡大し、
前記加熱循環ポンプの所定の除霜回転速度は、前記暖房運転時よりも低く設定した第1の除霜回転速度とし、
前記制御装置は、
除霜動作の開始から完了までの除霜動作時間の基準値である基準除霜動作時間を算出する基準除霜時間算出手段と、
この基準除霜時間算出手段が求めた基準除霜動作時間が所定の閾値内であるかどうかを判定する基準除霜時間判定手段と、を有し、
前記基準除霜動作時間が前記所定の閾値を超えている場合には、次回の除霜動作時において、前記第1の除霜回転速度よりも回転速度を低く設定した停止を含まない第2の除霜回転速度で前記加熱循環ポンプを駆動させながら除霜動作を実行し、
前記基準除霜動作時間が前記所定の閾値を超えていない場合には、次回の除霜動作時において、前記第1の除霜回転速度と同じ回転速度で前記加熱循環ポンプを駆動させながら除霜動作を実行すること、
を特徴とする複合熱源ヒートポンプ装置。 - 前記基準除霜時間算出手段は、所定の期間内における複数回実行した除霜動作から平均除霜動作時間を算出して当該平均除霜動作時間を前記基準除霜動作時間として採択すること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合熱源ヒートポンプ装置。
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