様々な図面中の同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
以下の説明は、本開示の発明的態様について説明するために、いくつかの実施態様に向けられる。ただし、本明細書の教示が多数の異なる方法において適用できることは、当業者は容易に認識されよう。説明される実施態様は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成することができる任意のデバイスまたはシステムにおいて実施することができる。より詳細には、説明される実施態様は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(すなわち、電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(オドメータディスプレイおよびスピードメータディスプレイなどを含む)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両における後部ビューカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダーまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメータ、(電気機械システム(EMS)、マイクロ電気機械システム(MEMS)および非MEMS適用例などにおける)パッケージング、審美構造物(たとえば、1つの宝飾品上の画像のディスプレイ)、ならびに様々なEMSデバイスなど、種々の電子デバイス中に含まれ得るかまたはそれらに関連付けられ得ることを企図している。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波数フィルタ、センサ、加速度計、ジャイロスコープ、運動検知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセスおよび電子テスト機器など、ディスプレイ以外の応用形態において使用することもできる。したがって、本教示は、単に図に示す実施態様に限定されるものではなく、代わりに、当業者には容易に明らかになるであろう広い適用性を有する。
対話型ディスプレイ上で、電子デバイス用のユーザ入力/出力(I/O)インターフェースを提供するための新しい技術が、本明細書で説明される。対話型ディスプレイは、対話型ディスプレイの表示領域および/またはユーザインターフェース表面に近接して行われたユーザのタッチまたはジェスチャに応答して、I/Oインターフェースを実施するように構成され得る。いくつかの実施態様では、対話型ディスプレイは、「タッチスクリーン」ディスプレイであり得る。本明細書で開示される装置は、しかしながら、ユーザインターフェース表面の実際の物理的「タッチ」なしで物体の位置が感知され得るように、ユーザインターフェース表面から有限の距離に配置された物体の存在を検出するように構成され得る。その上、本明細書で使用される「タッチ」は、ユーザインターフェース表面と物体の短期間のおよび/または高頻度の「タップのような」相互作用を含むことができる。本明細書で使用される「ジェスチャ」は、ユーザの手、指、または、手に保持された物体、もしくは、ユーザの制御下の他の物体の大域動作を広く指す。運動は、電子デバイスに近接して行われ得るが、必ずしも電子デバイスと直接の物理的接触をするというわけではない。いくつかの実施態様では、電子デバイスは、決定論的な方法で、ユーザのタッチおよび/またはジェスチャを感知し、それと反応する。
対話型ディスプレイは、有利には、表示領域内に、ユーザインターフェース表面に近接して実質的に平行に配置された1つまたは複数のチャネル導波路を含むことができる。チャネル導波路を通って伝播した信号は、チャネル導波路に近接する物体の位置を決定するように解析され得る。
本開示で説明される主題の特定の実施態様は、以下の潜在的な利点の1つまたは複数を実現するために実施されてよい。優れたディスプレイ品質は、チャネル導波路の小さい直径および透明性により維持され得る。信号は、非常に小さい損失で導波路を伝播するので、電力消費は、低減され得る。チャネル導波路は、エバネッセント状態で光を伝播することができ、環境ノイズは、チャネル導波路に伝播することが実質的に防止されるので、周囲光および/または他の電磁放射によって生成されるノイズに対する優れた耐性が達成される。ガラスまたはプラスチックであり得るチャネル導波路は、たとえば、微細加工、エンボス加工、または積層プロセスによって、プラスチックまたはガラスディスプレイ基板上に経済的に製造され得る。ディスプレイ基板、およびその上に製造される導波路は、可撓性および/または非平面状であり得るので、多種多様なデバイスおよびシステムへの適用が可能である。
本明細書の説明の多くは、IMODディスプレイに関係するが、多くのそのような実施態様は、限定はしないが、電気泳動インクディスプレイ、およびエレクトロウェッティング技術に基づくディスプレイを含む、他のタイプの反射型ディスプレイに有利に使用され得る。その上、本明細書に記載のIMODディスプレイは、一般的に、赤色、青色、および緑色ピクセルを含むが、本明細書に記載の多くの実施態様は、紫色、橙黄色、および黄緑色ピクセルなどの、他の色のピクセルを有する反射型ディスプレイで使用され得る。その上、本明細書に記載の多くの実施態様は、4、5、またはそれより多くの色に対応するピクセルを有するなどの、より多くの色のピクセルを有する反射型ディスプレイで使用され得る。いくつかのそのような実施態様は、赤色、青色、緑色、および黄色に対応するピクセルを含むことができる。代替的な実施態様は、少なくとも、赤色、青色、緑色、黄色、およびシアンに対応するピクセルを含むことができる。
説明される実施態様が適合し得る適切なデバイスの一例は、反射型EMSまたはMEMSベースのディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するためにIMODを組み込むことができる。IMODは、吸収器、吸収器に対して可動である反射体、ならびに吸収器と反射体との間に画定された光共振キャビティを含むことができる。反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振キャビティのサイズを変化させ、それによりIMODの反射率に影響を及ぼすことがある。IMODの反射スペクトルは、かなり広いスペクトルバンドをもたらすことができ、そのスペクトルバンドは、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得る。スペクトルバンドの位置は、光共振キャビティの厚さを変更することによって調節され得る。光共振キャビティを変更する1つの方法は、反射体の位置を変更することによるものである。
図1は、IMODディスプレイデバイスの一連のピクセル中の2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例を示す。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉MEMSディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、MEMSディスプレイ要素のピクセルが、明状態または暗状態のいずれかにあることがある。明(「緩和」、「開」または「オン」)状態では、ディスプレイ要素は、たとえば、ユーザに、入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。いくつかの実施態様では、オン状態の光反射特性とオフ状態の光反射特性は逆にされ得る。MEMSピクセルは、黒および白に加えて、主に、カラーディスプレイを可能にする特定の波長において、反射するように構成され得る。
IMODディスプレイデバイスは、IMODの行/列アレイを含むことができる。各IMODは、(光ギャップまたはキャビティとも呼ばれる)エアギャップを形成するように互いから可変で制御可能な距離をおいて配置された反射層のペア、すなわち、可動反射層と固定部分反射層とを含むことができる。可動反射層は、少なくとも2つの位置の間で移動され得る。第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きい距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それら2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、強め合うようにまたは弱め合うように干渉し、各ピクセルについて全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実施態様では、IMODは、作動していないときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し得、また、作動していないときに暗状態にあり、可視範囲内の光を吸収し、および/または弱め合うようにそれに干渉し得る。ただし、いくつかの他の実施態様では、IMODは、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実施態様では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。いくつかの他の実施態様では、印加電荷が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。
図1中のピクセルアレイの図示の部分は、2つの隣接するIMOD12を含む。(図示のような)左側のIMOD12では、可動反射層14が、部分反射層を含む光学スタック16からの所定の距離における緩和位置に示されている。左側のIMOD12にわたって印加された電圧V0は、可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。右側のIMOD12では、可動反射層14は、光学スタック16の近くの、またはそれに隣接する作動位置に示されている。右側のIMOD12にわたって印加された電圧Vbiasは、可動反射層14を作動位置に維持するのに十分である。
図1では、ピクセル12の反射特性が、概して、ピクセル12に入射する光と、左側のピクセル12から反射する光15とを示す矢印13を用いて示されている。詳細に示していないが、ピクセル12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過され、光学スタック16に向かうことになることを、当業者なら理解されよう。光学スタック16に入射する光の一部分は光学スタック16の部分反射層を透過されることになり、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学スタック16を透過された光13の部分は、可動反射層14において反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻ることになる。光学スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うまたは弱め合う)干渉が、ピクセル12から反射される光15の波長を決定することになる。
光学スタック16は、単一の層またはいくつかの層を含むことができる。その層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であり、たとえば、透明基板20上に上記の層のうちの1つまたは複数を堆積させることによって、作製され得る。電極層は、様々な金属、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)など、様々な材料から形成され得る。部分反射層は、クロム(Cr)などの様々な金属、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、光吸収体と電気導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の膜(thickness)を含むことができるが、(たとえば、光学スタック16の、またはIMODの他の構造の)異なる、電気的により伝導性の高い層または部分が、IMODピクセル間で信号をバスで運ぶ(bus)ように働くことができる。光学スタック16は、1つまたは複数の伝導性層または電気伝導性/光吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
いくつかの実施態様では、光学スタック16の層は、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者によって理解されるように、「パターニング」という用語は、本明細書では、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを指すために使用される。いくつかの実施態様では、アルミニウム(Al)などの高伝導性および反射性材料が可動反射層14のために使用され得、これらのストリップはディスプレイデバイスにおける列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の一連の平行ストリップとして形成されて、ポスト18の上に堆積された列とポスト18間に堆積された介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光キャビティが可動反射層14と光学スタック16との間に形成され得る。いくつかの実施態様では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、ギャップ19は約10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
いくつかの実施態様では、IMODの各ピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタである。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、図1中の左側のピクセル12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学スタック16との間のギャップ19がある。しかしながら、電位差、すなわち電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するピクセルにおける行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加された電圧がしきい値を超える場合、可動反射層14は、変形し、光学スタック16の近くにまたはそれに対して移動することができる。光学スタック16内の誘電体層(図示せず)が、図1中の右側の作動ピクセル12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じである。いくつかの事例ではアレイ中の一連のピクセルが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えれば、いくつかの配向では、行は列と見なされ得、列は行であると見なされ得る。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列に一様に配置されるか(「アレイ」)、または、たとえば、互いに対して一定の位置オフセットを有する、非線形構成で配置され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指し得る。したがって、ディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして言及されるが、その要素自体は、いかなる事例においても、互いに直交して配置される必要がなく、または一様な分布で配設される必要がなく、非対称形状および不均等に分布された要素を有する配置を含み得る。
図2は、3×3 IMODディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の一例を示す。電子デバイスは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または他のソフトウェアアプリケーションを含む、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえば、ディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。図2には、図1に示したIMODディスプレイデバイスの断面が線1−1によって示されている。図2は明快のためにIMODの3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODを含んでいることがあり、列におけるIMODの数とは異なる数のIMODを行において有し得、その逆も同様である。
図3は、図1のIMODについての可動反射層位置対印加電圧を示す図の一例を示す。MEMS IMODの場合、行/列(すなわち、コモン/セグメント)書込みプロシージャが、図3に示すこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用し得る。IMODは、可動反射層またはミラーに緩和状態から作動状態に変更させるために、例示的な一実施態様では、約10ボルトの電位差を使用し得る。電圧がその値から低減されると、電圧が低下して、この例では、10ボルトより下に戻ったとき、可動反射層はそれの状態を維持するが、電圧が2ボルトより下に低下するまで、可動反射層は完全には緩和しない。したがって、図3に示すように、この例では、印加電圧のウィンドウがある電圧の範囲、約3〜7ボルトが存在し、そのウィンドウ内でデバイスは緩和状態または作動状態のいずれかで安定している。これは、本明細書では「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイ30の場合、行/列書込みプロシージャは、一度に1つまたは複数の行をアドレス指定するように設計され得、その結果、所与の行のアドレス指定中に、作動されるべきアドレス指定された行におけるピクセルは、この例では、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるべきピクセルは、ほぼ0ボルトの電圧差にさらされる。アドレス指定後に、それらのピクセルは、それらが前のストローブ状態にとどまるような、この例では約5ボルトの定常状態またはバイアス電圧差にさらされ得る。この例では、アドレス指定された後に、各ピクセルは、約3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差を経験する。このヒステリシス特性の特徴は、図1に示したピクセル設計などのピクセル設計が、同じ印加電圧条件下で作動または緩和のいずれかの既存の状態で安定したままであることを可能にする。各IMODピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタであるので、この安定状態は、電力を実質的に消費するかまたは失うことなしに、ヒステリシスウィンドウ内の定常電圧において保持され得る。その上、印加電圧電位が実質的に固定のままである場合、電流は本質的にほとんどまたはまったくIMODピクセルに流れ込まない。
いくつかの実施態様では、所与の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に従って、列電極のセットに沿って「セグメント」電圧の形態のデータ信号を印加することによって、画像のフレームが作成され得る。次に、フレームが一度に1行書き込まれるように、アレイの各行がアドレス指定され得る。第1の行におけるピクセルに所望のデータを書き込むために、第1の行におけるピクセルの所望の状態に対応するセグメント電圧が列電極上に印加され得、特定の「コモン」電圧または信号の形態の第1の行パルスが第1の行電極に印加され得る。次いで、セグメント電圧のセットは、第2の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に対応するように変更され得、第2のコモン電圧が第2の行電極に印加され得る。いくつかの実施態様では、第1の行におけるピクセルは、列電極に沿って印加されたセグメント電圧の変化による影響を受けず、第1のコモン電圧行パルス中にそれらのピクセルが設定された状態にとどまる。このプロセスは、画像フレームを生成するために、一連の行全体、または代替的に、一連の列全体について、連続方式で繰り返され得る。フレームは、何らかの所望の数のフレーム毎秒でこのプロセスを断続的に反復することによって、新しい画像データでリフレッシュおよび/または更新され得る。
各ピクセルにわたって印加されるセグメント信号とコモン信号の組合せ(すなわち、各ピクセルにわたる電位差)は、各ピクセルの得られる状態を決定する。図4は、様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときのIMODの様々な状態を示す表の一例を示している。当業者によって理解されるように、「セグメント」電圧は、列電極または行電極のいずれかに印加され得、「コモン」電圧は、列電極または行電極のうちの他方に印加され得る。
図4に(ならびに図5Bに示すタイミング図に)示すように、開放電圧(release voltage)VCRELがコモンラインに沿って印加されたとき、コモンラインに沿ったすべてのIMOD要素は、セグメントラインに沿って印加された電圧、すなわち、高いセグメント電圧VSHおよび低いセグメント電圧VSLにかかわらず、代替的に開放または非作動状態と呼ばれる、緩和状態に入れられることになる。特に、開放電圧VCRELがコモンラインに沿って印加されると、そのピクセルのための対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、変調器ピクセルにわたる潜在的な電圧(代替的にピクセル電圧と呼ばれる)は緩和ウィンドウ(図3参照、開放ウィンドウとも呼ばれる)内にある。
高い保持電圧VCHOLD_Hまたは低い保持電圧VCHOLD_Lなどの保持電圧がコモンライン上に印加されたとき、IMODの状態は一定のままであることになる。たとえば、緩和IMODは緩和位置にとどまることになり、作動IMODは作動位置にとどまることになる。保持電圧は、対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、ピクセル電圧が安定性ウィンドウ内にとどまることになるように、選択され得る。したがって、セグメント電圧スイング(voltage swing)、すなわち、高いVSHと低いセグメント電圧VSLとの間の差は、正または負のいずれかの安定性ウィンドウの幅よりも小さい。
高いアドレス指定電圧VCADD_Hまたは低いアドレス指定電圧VCADD_Lなどのアドレス指定または作動電圧がコモンライン上に印加されたとき、それぞれのセグメントラインに沿ったセグメント電圧の印加によって、データがそのコモンラインに沿った変調器に選択的に書き込まれ得る。セグメント電圧は、作動が印加されたセグメント電圧に依存するように選択され得る。アドレス指定電圧がコモンラインに沿って印加されたとき、一方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウ内のピクセル電圧をもたらし、ピクセルが非作動のままであることを引き起こすことになる。対照的に、他方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウを越えるピクセル電圧をもたらし、ピクセルの作動をもたらすことになる。作動を引き起こす特定のセグメント電圧は、どのアドレス指定電圧が使用されるかに応じて変動することができる。いくつかの実施態様では、高いアドレス指定電圧VCADD_Hがコモンラインに沿って印加されたとき、高いセグメント電圧VSHの印加は、変調器がそれの現在位置にとどまることを引き起こすことがあり、低いセグメント電圧VSLの印加は、変調器の作動を引き起こすことがある。当然の結果として、低いアドレス指定電圧VCADD_Lが印加されたとき、セグメント電圧の影響は反対であり、高いセグメント電圧VSHは変調器の作動を引き起こし、低いセグメント電圧VSLは変調器の状態に影響しない(すなわち、安定したままである)ことがある。
いくつかの実施態様では、変調器にわたって同じ極性電位差を引き起こす保持電圧、アドレス電圧、およびセグメント電圧が使用され得る。いくつかの他の実施態様では、時間ごとに変調器の電位差の極性を交番する信号が使用され得る。変調器にわたる極性の交番(すなわち、書込みプロシージャの極性の交番)は、単一の極性の反復書込み動作後に起こることがある電荷蓄積を低減または抑止し得る。
図5Aは、図2の3×3 IMODディスプレイにおけるディスプレイデータのフレームを示す図の一例を示す。図5Bは、図5Aに示すディスプレイデータのフレームを書き込むために使用され得るコモン信号およびセグメント信号についてのタイミング図の一例を示す。それらの信号は、図2のアレイと同様の3×3アレイに印加され得、これは、図5Aに示すライン時間60eディスプレイ配置を最終的にもたらすことになる。図5A中の作動変調器は暗状態にあり、すなわち、その状態では、反射光の実質的部分が、たとえば、閲覧者に、暗い外観をもたらすように可視スペクトルの外にある。図5Aに示すフレームを書き込むより前に、ピクセルは任意の状態にあることがあるが、図5Bのタイミング図に示す書込みプロシージャは、各変調器が、第1のライン時間60aの前に、開放されており、非作動状態に属すると仮定する。
第1のライン時間60a中に、開放電圧70がコモンライン1上に印加され、コモンライン2上に印加される電圧が、高い保持電圧72において始まり、開放電圧70に移動し、低い保持電圧76がコモンライン3に沿って印加される。したがって、コモンライン1に沿った変調器(コモン1,セグメント1)、(1,2)および(1,3)は、第1のライン時間60aの持続時間の間、緩和または非作動状態にとどまり、コモンライン2に沿った変調器(2,1)、(2,2)および(2,3)は、緩和状態に移動することになり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、それらの前の状態にとどまることになる。図4を参照すると、コモンライン1、2または3のいずれも、ライン時間60a中に作動を引き起こす電圧レベルにさらされていないので(すなわち、VCREL−緩和、およびVCHOLD_L−安定)、セグメントライン1、2および3に沿って印加されたセグメント電圧は、IMODの状態に影響しないことになる。
第2のライン時間60b中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72に移動し、コモンライン1に沿ったすべての変調器は、アドレス指定または作動電圧がコモンライン1上に印加されなかったので、印加されたセグメント電圧にかかわらず、緩和状態にとどまる。コモンライン2に沿った変調器は、開放電圧70の印加により、緩和状態にとどまり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、コモンライン3に沿った電圧が開放電圧70に移動するとき、緩和することになる。
第3のライン時間60c中に、コモンライン1は、コモンライン1上に高いアドレス電圧74を印加することによってアドレス指定される。このアドレス電圧の印加中に低いセグメント電圧64がセグメントライン1および2に沿って印加されるので、変調器(1,1)および(1,2)にわたるピクセル電圧は変調器の正の安定性ウィンドウの上端よりも大きく(すなわち、電圧差は、あらかじめ定義されたしきい値を超えた)、変調器(1,1)および(1,2)は作動される。逆に、高いセグメント電圧62がセグメントライン3に沿って印加されるので、変調器(1,3)にわたるピクセル電圧は、変調器(1,1)および(1,2)のピクセル電圧よりも小さく、変調器の正の安定性ウィンドウ内にとどまり、したがって変調器(1,3)は緩和したままである。また、ライン時間60c中に、コモンライン2に沿った電圧は低い保持電圧76に減少し、コモンライン3に沿った電圧は開放電圧70にとどまり、コモンライン2および3に沿った変調器を緩和位置のままにする。
第4のライン時間60d中に、コモンライン1上の電圧は、高い保持電圧72に戻り、コモンライン1に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン2上の電圧は低いアドレス電圧78に減少される。高いセグメント電圧62がセグメントライン2に沿って印加されるので、変調器(2,2)にわたるピクセル電圧は、変調器の負の安定性ウィンドウの下側端部(lower end)を下回り、変調器(2,2)が作動することを引き起こす。逆に、低いセグメント電圧64がセグメントライン1および3に沿って印加されるので、変調器(2,1)および(2,3)は緩和位置にとどまる。コモンライン3上の電圧は、高い保持電圧72に増加し、コモンライン3に沿った変調器を緩和状態のままにする。
最後に、第5のライン時間60e中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72にとどまり、コモンライン2上の電圧は低い保持電圧76にとどまり、コモンライン1および2に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン3上の電圧は、コモンライン3に沿った変調器をアドレス指定するために、高いアドレス電圧74に増加する。低いセグメント電圧64がセグメントライン2および3上に印加されるので、変調器(3,2)および(3,3)は作動するが、セグメントライン1に沿って印加された高いセグメント電圧62は、変調器(3,1)が緩和位置にとどまることを引き起こす。したがって、第5のライン時間60eの終わりに、3×3ピクセルアレイは、図5Aに示す状態にあり、他のコモンライン(図示せず)に沿った変調器がアドレス指定されているときに起こり得るセグメント電圧の変動にかかわらず、保持電圧がコモンラインに沿って印加される限り、その状態にとどまることになる。
図5Bのタイミング図では、所与の書込みプロシージャ(すなわち、ライン時間60a〜60e)は、高い保持およびアドレス電圧、または低い保持およびアドレス電圧のいずれかの使用を含むことができる。書込みプロシージャが所与のコモンラインについて完了されると(また、コモン電圧が、作動電圧と同じ極性を有する保持電圧に設定されると)、ピクセル電圧は、所与の安定性ウィンドウ内にとどまり、開放電圧がそのコモンライン上に印加されるまで、緩和ウィンドウを通過しない。さらに、各変調器が、変調器をアドレス指定するより前に書込みプロシージャの一部として開放されるので、開放時間ではなく変調器の作動時間が、ライン時間を決定し得る。詳細には、変調器の開放時間が作動時間よりも大きい実施態様では、開放電圧は、図5Bに示すように、単一のライン時間よりも長く印加され得る。いくつかの他の実施態様では、コモンラインまたはセグメントラインに沿って印加される電圧が、異なる色の変調器など、異なる変調器の作動電圧および開放電圧の変動を相殺するように変動し得る。
上記に記載した原理に従って動作するIMODの構造の詳細は大きく異なり得る。たとえば、図6Bから図6Eは、可動反射層14とそれの支持構造とを含む、IMODの異なる実施態様の断面図の例を示している。図6Aは、金属材料のストリップ、すなわち、可動反射層14が、基板20から直角に延在する支持体18上に堆積される、図1のIMODディスプレイの部分断面図の一例を示している。図6Bでは、各IMODの可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、コーナーにおいてまたはその近くでテザー32に接して支持体に取り付けられる。図6Cでは、可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、フレキシブルな金属を含み得る変形可能層34から吊るされる。変形可能層34は、可動反射層14の外周の周りで基板20に直接または間接的に接続することがある。これらの接続は、本明細書では支持ポストと呼ばれる。図6Cに示す実施態様は、変形可能層34によって行われる可動反射層14の機械的機能からのそれの光学的機能の分離から派生する追加の利益を有する。この分離は、反射層14のために使用される構造設計および材料と、変形可能層34のために使用される構造設計および材料とが、互いとは無関係に最適化されることを可能にする。
図6Dは、可動反射層14が反射副層(reflective sub−layer)14aを含む、IMODの別の例を示している。可動反射層14は、支持ポスト18などの支持構造上に載る。支持ポスト18は、たとえば、可動反射層14が緩和位置にあるとき、可動反射層14と光学スタック16との間にギャップ19が形成されるように、下側静止電極(すなわち、図示のIMODにおける光学スタック16の一部)からの可動反射層14の分離を可能にする。可動反射層14は、電極として働くように構成され得る伝導性層14cと、支持層14bとをも含むことができる。この例では、伝導性層14cは、基板20から遠位にある支持層14bの一方の面に配設され、反射副層14aは、基板20の近位にある支持層14bの他方の面に配設される。いくつかの実施態様では、反射副層14aは、伝導性であることがあり、支持層14bと光学スタック16との間に配設され得る。支持層14bは、誘電材料、たとえば、酸窒化ケイ素(SiON)または二酸化ケイ素(SiO2)の、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実施態様では、支持層14bは、たとえば、SiO2/SiON/SiO23層スタックなど、複数の層のスタックであり得る。反射副層14aと伝導性層14cのいずれかまたは両方は、たとえば、約0.5%の銅(Cu)または別の反射金属材料を用いた、アルミニウム(Al)合金を含むことができる。誘電支持層14bの上および下で伝導性層14a、14cを採用することは、応力のバランスをとり、伝導の向上を与えることができる。いくつかの実施態様では、反射副層14aおよび伝導性層14cは、可動反射層14内の特定の応力プロファイルを達成することなど、様々な設計目的で、異なる材料から形成され得る。
図6Dに示すように、いくつかの実施態様はブラックマスク構造23をも含むことができる。ブラックマスク構造23は、周辺光または迷光を吸収するために、(ピクセル間にまたはポスト18の下になど)光学不活性領域において形成され得る。ブラックマスク構造23はまた、光がディスプレイの不活性部分から反射されることまたはそれを透過されることを抑止し、それによりコントラスト比を増加させることによって、ディスプレイデバイスの光学的特性を改善することができる。さらに、ブラックマスク構造23は、伝導性であり、電気的バス層として機能するように構成され得る。いくつかの実施態様では、行電極は、接続された行電極の抵抗を低減するために、ブラックマスク構造23に接続され得る。ブラックマスク構造23は、堆積およびパターニング技法を含む様々な方法を使用して形成され得る。ブラックマスク構造23は1つまたは複数の層を含むことができる。たとえば、いくつかの実施態様では、ブラックマスク構造23は、それぞれ、約30〜80Å、500〜1000Å、および500〜6000Åの範囲内の厚さをもつ、光吸収体として働くモリブデンクロム(MoCr)層と、SiO2層と、反射体として働くアルミニウム合金と、バス層とを含む。1つまたは複数の層は、たとえば、MoCr層およびSiO2層の場合は、四フッ化炭素(CF4)および/または酸素(O2)、ならびにアルミニウム合金層の場合は、塩素(Cl2)および/または三塩化ホウ素(BCl3)を含む、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを含む、様々な技法を使用してパターニングされ得る。いくつかの実施態様では、ブラックマスク23はエタロンまたは干渉スタック構造であり得る。そのような干渉スタックブラックマスク構造23では、伝導性吸収体は、各行または列の光学スタック16における下側静止電極間で信号を送信するかまたは信号をバスで運ぶために使用され得る。いくつかの実施態様では、スペーサ層35が、ブラックマスク23中の伝導性層から吸収層16aを概して電気的に絶縁するのに、役立つことができる。
図6Eは、可動反射層14が自立している、IMODの別の例を示している。図6Dとは対照的に、図6Eの実施態様は支持ポスト18を含まない。代わりに、可動反射層14は、複数のロケーションにおいて、下にある光学スタック16に接触し、可動反射層14の湾曲は、IMODにわたる電圧が作動を引き起こすには不十分であるとき、可動反射層14が図6Eの非作動位置に戻るという、十分な支持を与える。複数のいくつかの異なる層を含んでいることがある光学スタック16は、ここでは明快のために、光吸収体16aと誘電体16bとを含む状態で示されている。いくつかの実施態様では、光吸収体16aは、固定電極としても、部分反射層としても働き得る。いくつかの実施態様では、光吸収体16aは可動反射層14よりも1桁(10倍以上)薄い。いくつかの実施態様では、光吸収体16aは反射副層14aよりも薄い。
図6Aから図6Eに示す実施態様などの実施態様では、IMODは直視型デバイスとして機能し、直視型デバイスでは、画像が、透明基板20の正面、すなわち、変調器が配置された面の反対の面から、閲覧される。これらの実施態様では、デバイスの背面部分(すなわち、たとえば、図6Cに示す変形可能層34を含む、可動反射層14の背後のディスプレイデバイスの任意の部分)は、反射層14がデバイスのそれらの部分を光学的に遮蔽するので、ディスプレイデバイスの画質に影響を及ぼすことまたは悪影響を及ぼすことなしに、構成され、作用され得る。たとえば、いくつかの実施態様では、バス構造(図示せず)が可動反射層14の背後に含まれ得、これは、電圧アドレス指定およびそのようなアドレス指定に起因する移動など、変調器の電気機械的特性から変調器の光学的特性を分離する能力を与える。さらに、図6Aから図6Eの実施態様は、パターニングなどの処理を簡略化することができる。
図7は、IMODのための製造プロセス80を示す流れ図の一例を示しており、図8Aから図8Eは、そのような製造プロセス80の対応する段階の断面概略図の例を示している。いくつかの実施態様では、製造プロセス80は、図1および図6に示した一般的なタイプのIMODなどの電気機械システムデバイスを製造するために実施され得る。電気機械システムデバイスの製造は、図7に示されていない他のブロックをも含むことができる。図1、図6および図7を参照すると、プロセス80はブロック82において開始し、基板20上への光学スタック16の形成を伴う。図8Aは、基板20上で形成されたそのような光学スタック16を示している。基板20は、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得、それは、フレキシブルであるかまたは比較的固く曲がらないことがあり、光学スタック16の効率的な形成を可能にするために、洗浄などの事前準備プロセスにかけられていることがある。上記で説明したように、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を堆積させることによって、作製され得る。図8Aでは、光学スタック16は、副層16aおよび16bを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実施態様では、より多いまたはより少ない副層が含まれ得る。いくつかの実施態様では、副層16aおよび16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収体副層16aなど、光吸収特性と電気伝導特性の両方で構成され得る。さらに、副層16a、16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、当技術分野で知られているマスキングおよびエッチングプロセスまたは別の好適なプロセスによって実行され得る。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの1つは、1つまたは複数の金属層(たとえば、1つまたは複数の反射層および/または伝導性層)上に堆積された副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学スタック16は、ディスプレイの行を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。図8Aから図8Eは、一定の縮尺で描かれていないことがあることに留意されたい。たとえば、図8Aから図8Eでは、副層16a、16bはやや厚く示されているが、いくつかの実施態様では、光学スタックの副層のうちの1つである光吸収層は極めて薄いことがある。
プロセス80はブロック84において続き、光学スタック16上への犠牲層25の形成を伴う。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で除去され(ブロック90参照)、したがって、犠牲層25は、図1に示した得られたIMOD12には示されていない。図8Bは、光学スタック16上で形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示している。光学スタック16上での犠牲層25の形成は、後続の除去後に、所望の設計サイズを有するギャップまたはキャビティ19(図1および図8Eも参照)を与えるように選択された厚さの、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(a−Si)など、フッ化キセノン(XeF2)エッチング可能材料の堆積を含み得る。犠牲材料の堆積は、物理堆積(スパッタリングなど、多くの様々な技法を含むPVD)、プラズマ強化化学堆積(PECVD)、熱化学堆積(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。
プロセス80はブロック86において続き、図1、図6および図8Cに示すポスト18などの支持構造の形成を伴う。ポスト18の形成は、支持構造開口を形成するために犠牲層25をパターニングし、次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、堆積方法を使用して、ポスト18を形成するために開口中に材料(酸化ケイ素などのポリマー、または無機材料など)を堆積させることを含み得る。いくつかの実施態様では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、ポスト18の下側端部が図6Aに示すように基板20に接触するように、犠牲層25と光学スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在することがある。代替的に、図8Cに示すように、犠牲層25中に形成された開口は、犠牲層25は通るが、光学スタック16は通らないで、延在することがある。たとえば、図8Eは、光学スタック16の上側表面(upper surface)と接触している支持ポスト18の下側端部を示している。ポスト18、または他の支持構造は、犠牲層25上に支持構造材料の層を堆積させること、および犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分をパターニングすることによって形成され得る。支持構造は、図8Cに示すように開口内に配置され得るが、少なくとも部分的に、犠牲層25の一部分の上で延在することもある。上述のように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、パターニングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替エッチング方法によっても実行され得る。
プロセス80はブロック88において続き、図1、図6および図8Dに示す可動反射層14などの可動反射層または膜の形成を伴う。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキング、および/またはエッチングステップとともに、たとえば、反射層(アルミニウム、アルミニウム合金、または他の反射層など)堆積を含む1つまたは複数の堆積ステップを採用することによって、形成され得る。可動反射層14は、電気伝導性であり、電気伝導性層(electrically conductive layer)と呼ばれることがある。いくつかの実施態様では、可動反射層14は、図8Dに示すように複数の副層14a、14b、14cを含み得る。いくつかの実施態様では、副層14a、14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、それの機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製されたIMOD中に依然として存在するので、可動反射層14は、一般にこの段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODは、本明細書では「非開放」IMODと呼ばれることもある。図1に関して上記で説明したように、可動反射層14は、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
プロセス80はブロック90において続き、図1、図6および図8Eに示すキャビティ19などのキャビティの形成を伴う。キャビティ19は、(ブロック84において堆積された)犠牲材料25をエッチャントにさらすことによって形成され得る。たとえば、MoまたはアモルファスSiなどのエッチング可能犠牲材料が、ドライ化学エッチングによって、所望の量の材料を除去するのに有効である期間の間、固体XeF2から派生した蒸気などの気体または蒸気エッチャントに犠牲層25をさらすことによって、除去され得る。犠牲材料は、一般に、キャビティ19を囲む構造に対して選択的に除去される。ウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングなどの他のエッチング方法も使用され得る。犠牲層25がブロック90中に除去されるので、可動反射層14は、一般に、この段階後に可動となる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODは、本明細書では「開放」IMODと呼ばれることがある。
図9Aは、一実施態様による対話型ディスプレイを有する電子デバイスのブロック図の一例を示す。たとえば、パーソナル電子デバイスであり得る電子デバイス900は、対話型ディスプレイ902と、プロセッサ904とを含むことができる。対話型ディスプレイ902は、たとえば、タッチスクリーンディスプレイであり得る。対話型ディスプレイ902は、IMODディスプレイとして、または、プラズマ、電界発光(EL)、有機発光ダイオード(OLED)、超ねじれネマチック(STN)もしくは薄膜トランジスタ(TFT)液晶ディスプレイ(LCD)、もしくは、CRTもしくは他のチューブデバイスなどの非平面パネルディスプレイなどの、他のタイプのディスプレイとして構成され得る。プロセッサ904は、指、手、または手に保持された物体(たとえば、スタイラス)などのユーザの付属物によるタッチまたはジェスチャを含むことができるユーザ入力に少なくとも部分的に応じて、対話型ディスプレイ902の出力を制御するように構成され得る。
構成930(その例は、本明細書で以下に説明され、例示される)は、対話型ディスプレイ902のユーザインターフェース表面に近接して実質的に平行に配置され得る。一実施態様では、構成930は、実質的に透明であり得る。その上、一実施態様では、構成930は、対話型ディスプレイ902の表示領域と実質的に同一の広がりをもつことができる。構成930は、ユーザのタッチまたはジェスチャに応じて1つまたは複数の信号を出力することができる。信号経路911を介して、構成930によって出力された信号は、ユーザのタッチまたはジェスチャの事例を認識するために、プロセッサ904によって解析され得る。たとえば、プロセッサ904は、対話型ディスプレイ902上のタッチの位置、ならびに/または、対話型ディスプレイ902に対する感知されたジェスチャの位置、方向、および/もしくは速度を決定するために、構成930からの信号を解析することができる。プロセッサ904は、次いで、信号経路913を介して対話型ディスプレイ902に送られる信号によって、ユーザジェスチャに応じて対話型ディスプレイ902を制御することができる。
図9B〜図9Iは、導波路に近接する物体の位置を表す信号を出力するように構成された、チャネル導波路と、入力信号源と、検出器とを含む配置の例を示す。ここで図9Bを参照すると、チャネル導波路933と、第1の信号932を生成する入力信号源931とを含む、構成930の一例が示されている。第1の信号932は、たとえば、電磁信号または音響信号などの、様々なタイプの信号を含むことができる。
例示を明確にするため、図9B〜図9Iは、一定の縮尺で描かれていないことが理解されるであろう。たとえば、(たとえば、図9Bの方向Yにおける)チャネル導波路933の特徴的断面寸法は、(たとえば、図9Bの方向Xにおける)軸方向寸法、および、(図9Bの方向Yにおける)導波路933の間の間隔と比較して、図示によって示唆されるよりも大幅に小さい可能性がある。一実施態様では、たとえば、円形チャネル導波路の断面直径は、一般的に、1〜10ミクロン程度である伝播する光または他の電磁波の波長にほぼ等しくてよい。比較として、長手方向の寸法は、数センチメートルであり得、チャネル導波路933の間の間隔は、たとえば、数ミリメートルであり得る。
チャネル導波路933は、有利には、信号932が、チャネル導波路933の軸方向または長手方向の軸と呼ばれ得る第3の方向に沿ってのみ伝播することができるように、信号932に2次元の誘導を提供するように構成され得る。結果として、チャネル導波路933内で、電磁放射は、たとえば、長手方向軸に対して横方向のチャネル導波路933の寸法が、伝播される光または他の電磁波の波長にほぼ等しいので、通常は、エバネッセント状態であり得る。チャネル導波路933は、たとえば、光ファイバを含むことができ、または、たとえば、エポキシ、イオン交換、もしくは熱拡散と組み合わせてリソグラフィ法を用いて、基板上に製作され得る。
一実施態様では、入力信号源931は、主に赤外光を放射するように構成された発光ダイオード(LED)を含むことができる。しかしながら、電磁または音響エネルギーの任意のタイプのソースが使用され得る。たとえば、入力信号源931は、1つまたは複数の有機発光デバイス(「OLED」)、レーザ(たとえば、ダイオードレーザまたは他のレーザ源)、熱または冷陰極蛍光灯、白熱またはハロゲン光源を含むことができる。図示の実施態様では、各入力信号源931は、チャネル導波路933の端部に配置される。しかしながら、代替的な構成は、本開示の意図する範囲内である。たとえば、入力信号源931は、チャネル導波路933から離れてよく、入力信号源931によって生成された信号は、たとえば、1つまたは複数の光ファイバ、反射器などの追加の光学的要素によって、チャネル導波路933に伝送され得る。いくつかの実施態様では、入力信号源931は、立体角にわたって光を放射するように構成され得る。立体角は、たとえば、ジェスチャ認識の信頼性を高めるように選択され得る。
第1の信号932は、チャネル導波路933への入力であり得る。検出器935は、チャネル導波路933から、第1の信号932に対応する第2の信号934を受信するように構成され得る。検出器935は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、電荷結合デバイス(CCD)アレイ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)アレイ、または、検出された可視、赤外線(IR)、および/もしくは紫外線(UV)光の特性を表す信号を出力するように動作可能な他の適切なデバイスなどの、感光性要素を含むことができる。検出器935は、検出された第2の信号934の1つまたは複数の特性を表す第3の信号を、信号経路911(図9A)を介して出力することができる。たとえば、特性は、強度、方向、周波数、振幅、振幅変調、および/または他の特性を含むことができる。
第3の信号は、導波路に近接する物体の位置を決定するために解析され得る。解析は、各チャネル導波路933が、それに近接する物体が存在しない場合に、検出器935への第1の信号932の比較的低損失の伝播を提供することを考慮することができる。たとえば、光チャネル導波路は、エバネッセント状態の光を伝播することができるので、無視できる量の信号強度が失われ、導波路壁は、ガラスなどの透明な材料で製造され得るにもかかわらず、周囲またはディスプレイ光からのノイズが導波路内に伝播することが実質的に防止される。しかしながら、物体がチャネル導波路の外壁に接触、または外壁に密接に近接しているとき、第1の信号932の伝播は、影響を受ける可能性がある。より具体的には、光チャネル導波路の場合には、そのような接触は、光を散乱させる可能性があり、導波路に伝送損失を導入する可能性がある。したがって、依然として図9Bを参照すると、入力信号源931(5)から導波路933(5)を介して受信された第2の信号934(5)の特性は、物体950の接触または密接な近接によって影響を受ける可能性がある。たとえば、第2の信号934(5)の強度は、たとえば、物体の近接によって影響を受けていない第2の信号934(1)と比較して低減される可能性がある。
物体950は、たとえば、手もしくは指などの、ユーザの付属物であってよく、または、手に保持されたもしくは他の方法でユーザの制御下にあるが、簡略化のために、「物体」と呼ばれる、任意の物理的な物体(たとえば、スタイラス)であってよい。
図9Cおよび図9Dは、それぞれ、チャネル導波路933(1)内およびチャネル導波路933(5)内の信号伝播の概略を示す。図9Cに示すように、信号932(1)によって導入された音響または電磁エネルギーは、導波路933(1)に沿って伝播し、全反射(TIR)を繰り返し受ける。結果として、エネルギーは、信号強度の無視できる損失で、エバネッセント波として伝播する。図9Dを参照すると、チャネル導波路933(5)に近接する物体950の存在が、たとえば、チャネル導波路933(5)の外部の光の散乱をもたらすことが観測される可能性がある。結果として、検出器935(5)によって最終的に受信された第2の信号934(5)の強度は、検出器935(1)によって受信された第2の信号934(1)の強度と比較して測定可能な程度低下する可能性がある。
プロセッサ904は、物体950の存在を認識し、物体950の少なくとも1つの軸(図9Bの軸「y」など)に沿った位置を決定するために、複数の検出器935によって出力された信号を解析するように構成され得る。結果として、ユーザのタッチの位置は、たとえば、少なくとも第1の軸に沿って位置づけされ得る。
図示の実施態様では、チャネル導波路933の各々は、実質的に直線状で、互いに平行で、「y」軸に沿って均一に分配される。いくつかの実施態様では、各チャネル導波路933は、実質的に直線的な、均一なグリッドの一部である。しかしながら、多くの他の構成が可能であることが理解されるであろう。導波路は、いくつかの実施態様では、たとえば、直線的ではなく、湾曲し得る。その上、導波路933は、均一に離間される必要はない。たとえば、いくつかの実施態様では、導波路は、位置決定のより高い分解能が望まれる表示領域では、より密に離間されてよく、他の場所では、より広く離間されてよい。
ここで図9Eを参照すると、構成930がチャネル導波路933の2次元(2D)グリッドとして構成された実施態様が示されている。図9Bに関連して上記で説明したように、第1の信号932は、チャネル導波路933への入力であり得る。検出器935は、チャネル導波路933から、第1の信号932に対応する第2の信号934を受信するように構成され得る。
各チャネル導波路933は、それに近接する物体が存在しない場合、検出器935への第1の信号932の低損失の伝播を提供することができる。たとえば、光チャネル導波路に関して、光は、チャネル導波路内をエバネッセント状態で伝播されるので、無視できる量の信号強度が失われ、導波路壁は、ガラスなどの透明な材料で製造され得るにもかかわらず、周囲またはディスプレイ光からのノイズが導波路933内に伝播することが実質的に防止される。
しかしながら、物体がチャネル導波路933の外壁に接触、または外壁に密接に近接しているとき、第1の信号932の伝播は、影響を受ける可能性がある。より具体的には、そのような接触は、光を散乱させる可能性があり、導波路933に伝送損失を導入する可能性がある。したがって、依然として図9Eを参照すると、入力信号源931(5y)から導波路933(5y)を介して検出器935(5y)によって受信された第2の信号934(5y)の特性は、物体950の接触または密接な近接によって影響を受ける可能性がある。たとえば、第2の信号934(5y)の強度は、たとえば、物体の近接によって影響を受けていない第2の信号934(1y)と比較して低減される可能性がある。同様に、入力信号源931(2x)から導波路933(2x)を介して検出器935(2x)によって受信された第2の信号934(2x)の特性は、物体950の接触または密接な近接によって影響を受ける可能性がある。たとえば、第2の信号934(2x)の強度は、たとえば、物体950の近接によって影響を受けていない第2の信号934(6x)と比較して低減される可能性がある。
検出器935(5y)および935(2x)によって受信された第2の信号934(5y)および934(2x)の強度は、たとえば、検出器935(1y)によって受信された第2の信号934(1y)、または、検出器935(6x)によって受信された第2の信号934(6x)の強度と比較して測定可能な程度低減される可能性がある。
プロセッサ904は、物体950の存在を認識し、物体950の2D(x,y)位置を決定するために、複数の検出器935によって出力された第3の信号を解析するように構成され得ることが理解されるであろう。結果として、ユーザのタッチの位置は、たとえば、両方の軸に対して位置づけされ得る。
いくつかの実施態様では、グリッドは、2つ以上の積層された平面内に配置されたチャネル導波路のセットを含むことができる。たとえば、軸Xに沿って整列されたチャネル導波路は、第1の平面内に配置されてよく、軸Yに沿って整列されたチャネル導波路は、第2の実質的に平行な平面内に配置されてよい。他の実施態様では、すべてのチャネル導波路は、実質的に同一平面上であってよく、信号チャネルのワッフル状グリッドに構成され得る。
ここで図9Fを参照すると、構成930が、単一の軸に実質的に平行なチャネル導波路933を使用して2D位置決定能力を提供するように構成された実施形態が示されている。
第1の信号932は、個々の入力信号源931からの各チャネル導波路933への入力であり得る。検出器935は、チャネル導波路933から、第1の信号932に対応する第2の信号934を受信するように構成され得る。第2の信号934は、第1の信号932の反射から生じ得る。たとえば、図示の実施態様では、第2の信号934(1)は、チャネル導波路933(1)の末端936(1)での第1の信号932(1)の反射から生じ得る。結果として、検出器935は、入力信号源931に近接して配置され得、チャネル導波路933の単一の端部に結合され得る。検出器935は、検出された第2の信号934の1つまたは複数の特性を表す第3の信号を、信号経路911(図9A)を介して出力することができる。
第3の信号は、導波路に近接する物体の位置を決定するために解析され得る。解析は、各チャネル導波路933が、それに近接する物体が存在しない場合に、検出器935への第1の信号932の比較的低損失の伝播を提供することを考慮することができる。しかしながら、物体がチャネル導波路933の外壁に接触、または外壁に密接に近接しているとき、第1の信号932の伝播は、影響を受ける可能性がある。したがって、依然として図9Fを参照すると、入力信号源931(5)からチャネル導波路933(5)を介して受信された第2の信号934(5)の特性は、物体950の接触または密接な近接によって影響を受ける可能性がある。
たとえば、ここで、チャネル導波路933(5)内の信号伝播の概略を示す図9Gを参照すると、物体950の影響が示されている。より具体的には、チャネル導波路933(5)に近接する物体950の存在が、入力信号源931(5)に向かい、そこから遠ざかって逆伝播する、チャネル導波路933(5)内への光の反射を生じることが観察され得る。
したがって、第2の信号934(5)は、物体950から反射された逆伝播光を含む可能性がある。そのような逆伝播光は、末端936(1)からの反射後に第2の信号934(1)が受信されるために必要な時間間隔よりも測定可能な程度短い時間間隔(「飛行時間」)内に受信される可能性がある。信号間、たとえば、第2の信号934(1)と第2の信号934(5)との間の飛行時間の差は、たとえば、マイケルソン干渉計、共通経路干渉計、または他のそのような技術を使用する干渉技術によって決定され得る。
プロセッサ904は、物体950の存在を認識し、物体950の2D(x,y)位置を決定するために、複数の検出器935によって出力された第3の信号を解析するように構成され得る。より具体的には、図9Fに示す実施態様では、物体950の影響を受けたチャネル導波路933(i)の識別は、「Y」軸位置の位置づけ情報を提供することができ、飛行時間の解析は、「X」軸位置の位置づけ情報を提供することができる。結果として、ユーザのタッチの位置は、たとえば、両方の軸に関して位置づけされ得る。
図示の実施形態では、各チャネル導波路933は、実質的に直線的で、他の導波路と平行であり、「y」軸に沿って均一に分配される。しかしながら、多くの他の構成が可能であることは、理解されるであろう。導波路は、いくつかの実施態様では、たとえば、直線的ではなく、湾曲し得る。その上、導波路は、均一に離間される必要はない。たとえば、いくつかの実施態様では、導波路は、位置決定のより高い分解能が望まれる表示領域では、より密に離間されてよく、他の場所では、より広く離間されてよい。
本発明者らは、上記で説明した技術が、2D位置の位置づけ能力を比較的少ない数のチャネル導波路で提供するために拡張され得ることを理解している。実際、2D位置の位置づけ能力は、正方形または円形の螺旋状に、たとえば、蛇行形状に配置されたわずか1つの導波路を使用して提供され得る。蛇行形状は、たとえば、「S」状であり得、または、任意の他の巻回もしくは波状パターンであり得る。
たとえば、ここで図9Hを参照すると、チャネル導波路933は、蛇行形状で配置されているように示されている。第1の信号932は、入力信号源931からチャネル導波路933への入力であり得る。検出器935は、チャネル導波路933から第2の信号934を受信するように構成され得る。第2の信号934は、第1の信号932の反射から生じ得る。たとえば、図示の実施態様では、第2の信号934は、少なくとも一部が、物体950から反射された光の逆伝播から生じ得る。検出器935は、検出された第2の信号934の1つまたは複数の特性を表す第3の信号を、信号経路911(図9A)を介して出力することができる。
第3の信号は、導波路に近接する物体の位置を決定するために解析され得る。解析は、各チャネル導波路933が、それに近接する物体が存在しない場合に、検出器935への第1の信号932の比較的低損失の伝播を提供することを考慮することができる。しかしながら、物体がチャネル導波路933の外壁に接触、または外壁に密接に近接しているとき、第1の信号932の伝播は、影響を受ける可能性がある。
したがって、依然として図9Hを参照すると、入力信号源931からチャネル導波路933を介して受信された第2の信号934の特性は、物体950の接触または密接な近接によって影響を受ける可能性がある。より具体的には、第2の信号934は、物体950から反射された逆伝播光を含む可能性がある。そのような逆伝播光は、末端936からの反射後に第2の信号934が受信されるために必要な時間間隔よりも測定可能な程度短い時間間隔(「飛行時間」)内に受信される可能性がある。末端936から反射された信号と、物体950から反射された逆伝播光を表す信号との間の飛行時間の差は、たとえば、光干渉技術を使用して決定され得る。
プロセッサ904は、物体950の存在を認識し、物体950の2D(x,y)位置を決定するために、検出器935によって出力された第3の信号を解析するように構成され得る。より具体的には、チャネル導波路933が蛇行形状である図9Hに示す実施態様では、物体950から反射された逆伝播光の飛行時間の解析は、蛇行の長さに沿って物体950が位置する場所を識別することができる。この情報は、蛇行の幾何学的形状の知識と共に、物体950の2D位置決定をもたらす。
図示の実施態様では、蛇行形状の特定の例が示されている。しかしながら、多くの他の形状が可能であることは、理解されるであろう。導波路は、いくつかの実施態様では、たとえば、直線状ではなく、湾曲してよく、曲がりは、図示のように、正方形ではなく、実質的な曲率半径を有してよい。その上、蛇行のそれぞれの区分は、均一に離間される必要はない。たとえば、いくつかの実施態様では、区分は、位置決定のより高い分解能が望まれる表示領域では、より密に離間されてよく、他の場所では、より広く離間されてよい。最後に、長方形、円形、または卵形のいずれかの螺旋形状も、本開示の意図の範囲内である。
上記で説明した実施態様では、入力信号源931は、たとえば、周囲またはディスプレイ光と無関係の能動的信号源として示されている。他の実施態様では、受動的入力信号源が有利であり得る。「受動的」入力信号源によって、物体950から反射または散乱された周囲および/またはディスプレイ光を意味する。
たとえば、ここで図9Iを参照すると、物体950から散乱された光の一部は、それが1つまたは複数の検出器に向かって伝播することができるチャネル導波路933に入ることができる。たとえば、チャネル導波路933(5y)を介して検出器935(5y)によって受信された第2の信号934(5y)の特性は、物体950によって散乱または反射された光によって影響を受ける可能性がある。同様に、チャネル導波路933(2x)を介して検出器935(2x)によって受信された第2の信号934(2x)の特性は、物体950の接触または近接によって影響され得る。
結果として、検出器935(5y)および935(2x)によって受信された第2の信号934(5y)および934(2x)の特性は、検出器935(1y)によって受信された第2の信号934(1y)または検出器935(6x)によって受信された第2の信号934(6x)の特性とは測定可能な程度異なる可能性がある。
プロセッサ904は、物体950の存在を認識し、物体950の2D(x,y)位置を決定するために、複数の検出器935によって出力された第3の信号を解析するように構成され得ることは、明らかであろう。結果として、ユーザのタッチの位置は、たとえば、両方の軸に関して位置づけされ得る。
上記で説明した実施態様では、2D位置の位置づけ技術は、物体950のチャネル導波路933への物理的接触、または少なくとも物理的近接に依存した。本明細書に開示される技術は、しかしながら、それによって、電子デバイスが、決定論的な方法で、ユーザの手、指、または手に保持された物体の大域動作を感知し、それに反応する「ジェスチャ」に少なくとも部分的に応答するユーザインターフェースを提供するためにも適用され得る。ジェスチャは、電子デバイスに近接して行われ得るが、有利には、直接物理的に接触はしない。
図10A〜図10Bは、ジェスチャ認識のために構成されたチャネル導波路の一例を示す。チャネル導波路933は、入力信号源931から受信した放射光を、チャネル導波路933の前面1037に直交する主要な成分を有する方向に反射する光方向転換デバイスを含むことができる。結果として、放射光の少なくとも一部は、ジェスチャが検出される領域内への反射光1042として、チャネル導波路933を出ることができる。
一実施態様では、光方向転換デバイスは、入力信号源931によって放射された光の方向を、チャネル導波路933の前面1037に直交する主要な成分を有する方向に変えるいくつかの反射微細構造1036を含むことができる。本明細書で以下により詳細に説明するように、微細構造1036は、すべて同一であってよく、または、様々な実施態様では、異なる形状、サイズ、構造、などを有することができる。微細構造1036は、反射光1042の少なくとも実質的な部分が、光がチャネル導波路933を出るような法線に対する角度で前面1037と交差するように、入力信号源931によって放射された光の方向を変えることができる。
微細構造の代わりに、またはそれに加えて、たとえば、回折によって光を方向転換するホログラフィックフィルムおよび表面レリーフ格子、または散乱によって光を方向転換する表面粗さを含む、他の光方向転換デバイスは、本開示の意図の範囲内である。
反射光1042は、多種多様な角度で分散され得ることは、理解されるであろう。結果として、反射光1042の一部は、たとえば、物体950から遠ざかる、ユーザの視界に向かう、またはユーザの視界から遠ざかる方向に向けられ得る。
図10Bに示すように、物体950が反射光1042と相互作用すると、相互作用から生じる散乱光1044は、チャネル導波路933に向けて戻るように向けられ得る。微細構造1036は、そのような光の方向を1つまたは複数の検出器935に向けて変えることができる。たとえば、方向を変えられた散乱光1046は、チャネル導波路933の前面1037に対して平行な実質的な成分を有する方向に方向転換され得る。より具体的には、方向転換された散乱光の少なくとも実質的な部分は、チャネル導波路933内の伝播を起こす。結果として、そのような方向を変えられ収集された散乱光1046は、チャネル導波路933を出ず、代わりに、1つまたは複数の検出器935に達する。各検出器935は、方向を変えられ収集された散乱光1046の1つまたは複数の特性を検出し、検出された特性を表す信号を出力するように構成され得る。たとえば、特性は、強度、方向性、周波数、振幅、振幅変調、および/または他の特性を含むことができる。
図11A〜図11Cは、いくつかの実施態様による光方向転換微細構造の例を示す。図11A、図11B、および図11Cは、それぞれ、微細構造1101、1103、および1105の正面図、平面図、および斜視図を示す。図は、たとえば、約1〜10μmの高さおよび3〜50μmの幅を有するいくつかの実施態様では、通常小さいであろう微細構造の非常に拡大された表示を示すことは、理解されるであろう。各微細構造は、有利には、光を方向転換するように構成された1つまたは複数の反射面、たとえば、反射面1102、1104、および1106を有することになる。より具体的には、対話型ディスプレイ902の前面に対して平行な実質的な成分を有する方向に向けられた入射光は、対話型ディスプレイ902の前面に直交する実質的な成分を有する方向に反射され得る。同様に、対話型ディスプレイ902の前面に直交する実質的な成分を有する方向に向けられた入射光は、対話型ディスプレイ902の前面に対して平行な実質的な成分を有する方向に反射され得る。そのような微細構造の多くの幾何学的形状が可能であり、図11A〜図11Cに提供された例は、いくつかの可能な実施態様の単なる例示であることは、理解されるであろう。
いくつかの実施態様では、図11A〜図11Cに示すもののような微細構造は、シート内の互いの上に連続的な層および構造をプリントすることによって形成され得る。他の実施態様では、微細構造を作成するために、エンボス加工および/またはモールディング技術が使用され得る。いくつかの実施態様では、たとえば、ガラス基板を金属化することによって、反射面が選択的に設けられ得る。反射面1102、1104、および1106は、たとえば、フォトリソグラフィおよび湿式化学エッチング技術を使用して作成され得る。いくつかの実施態様では、反射面1102、1104、および1106は、ガラス基板上に堆積されたSiON層内に製作され得る。そのような実施態様では、マスクが使用され得、薄い金属層(たとえば、約500〜1000オングストローム厚)が、単に反射面上に堆積され得る。
再び図9Aを参照すると、プロセッサ904は、検出器935から、信号経路911を介して、検出された特性を表す信号を受信するように構成され得る。プロセッサ904は、少なくとも、対話型ディスプレイ902の前面に対して平行な2次元平面における物体950の位置を計算するために、1つまたは複数の検出器935から受信した信号を解析することができる。たとえば、各検出器935の出力信号を比較することによって、プロセッサ904は、対話型ディスプレイ902の前面とほぼ平行な平面における物体950の位置を決定することができる。さらなる例として、物体950の動きは、検出器935によって受信された光に信号パターンを生成させ得る。プロセッサ904は、信号パターンを解析し、信号パターンが特定のユーザジェスチャの特性を示すときにそれを判断するように構成され得る。信号パターンは、信号強度および/または波形などの特性を含むことができる。たとえば、すべての検出器で生成された信号の強度は、物体950がスクリーンにより近づくにつれて変化する可能性がある。さらなる例として、たとえば、指の間隔をあけた手が対話型ディスプレイ902の前面とほぼ平行な平面を横切って移動するとき、1つまたは複数の検出器935によって、パルス状波形が検出され得る。
プロセッサ904は、検出器935の出力信号から、ユーザジェスチャの事例を認識するように構成され得る。その上、プロセッサ904は、ユーザジェスチャに応答して、対話型ディスプレイ902および/または電子デバイス900の他の要素の一方または両方を制御することができる。たとえば、対話型ディスプレイ902に表示される画像は、上もしくは下へのスクロール、回転、拡大、または他の方法で変更され得る。加えて、プロセッサ904は、たとえば、音量設定を変更する、電源をオフにする、通話を開始するもしくは終了する、ソフトウェアアプリケーションを起動するもしくは停止する、などのユーザジェスチャに応答して、電子デバイス900の他の側面を制御するように構成され得る。
いくつかの実施態様では、少なくとも1つの介在層が、チャネル導波路933と、タッチ(または、その上のジェスチャ)が認識される表面との間に配置される。図12A〜図12Bは、チャネル導波路とユーザとの間に少なくとも1つの介在層を有する実施態様の一例を示す。図12Aを参照すると、物体950による接触がない場合には、層1260は、層1260がチャネル導波路933から比較的遠く離れるように配置され得ることが観察され得る。たとえば、物体950による接触がない場合には、層1260は、チャネル導波路933によって伝播される光または他の電磁波の波長よりも大きい距離によって分離され得る。結果として、信号は、低損失でチャネル導波路933内を伝播することができる。しかしながら、ここで図12Bを参照すると、物体950によってタッチされたとき、層1260は、チャネル導波路933に接触する可能性がある。結果として、第2の信号934の強度は、エネルギーがチャネル導波路933から層1260内に漏れるにつれて、測定可能な程度低下する可能性がある。信号強度のこの減少は、本明細書に開示される技術を使用して物体950の位置を決定するために使用され得る。
いくつかの実施態様では、少なくとも1つの介在平面状光導波路が、チャネル導波路933と、タッチ(または、その上のジェスチャ)が認識される表面との間に配置される。図13Aおよび図13Bは、チャネル導波路とユーザとの間に配置された平面状光導波路を有する一実施態様の一例を示す。図示の実施態様では、発光源であり得る入力信号源931は、第1の信号932を平面状光導波路1370内に放射する。図13Aを参照すると、物体950による接触がない場合には、光導波路1370は、それがチャネル導波路933から比較的遠くに離れ、信号が低損失で光導波路1370内を伝播することができるように配置され得ることが観察され得る。しかしながら、ここで図12Bを参照すると、物体950によるタッチがあるとき、光導波路1370は、チャネル導波路933と接触する可能性がある。結果として、いくらかの光が、光導波路1370からチャネル導波路933内に漏れる可能性があり、検出器935によって検出される可能性がある。検出された光に応答して検出器935によって出力された信号は、本明細書に開示される技術を使用して物体950の位置を決定するために使用され得る。
いくつかの実施態様では、少なくとも第2の介在チャネル導波路が、チャネル導波路933と、タッチ(または、その上のジェスチャ)が認識される表面との間に配置される。図14A〜図14Dは、第1のチャネル導波路とユーザとの間に配置された第2のチャネル導波路を有する一実施態様の例を示す。図14Aおよび図14Bに示す実施態様では、入力信号源931は、第1の信号932をチャネル導波路933内に放射する。図14Aを参照すると、物体950による接触がない場合には、第2のチャネル導波路1433は、それがチャネル導波路933から比較的遠くに離れ、信号が低損失でチャネル導波路933内を伝播することができるように配置され得ることが観察され得る。しかしながら、ここで図14Bを参照すると、物体950によるタッチがあるとき、チャネル導波路1433は、チャネル導波路933と接触する可能性がある。結果として、第2の信号934の強度は、エネルギーがチャネル導波路933から第2のチャネル導波路1433内に漏れるにつれて、測定可能な程度低下する可能性がある。信号強度のこの減少は、本明細書に開示される技術を使用して物体950の位置を決定するために使用され得る。
図14Aおよび図14Bに示す実施態様では、入力信号源931および検出器935は、チャネル導波路933によって直接結合される。これは、図14Cおよび図14Dに示すように、必ずしもそうではない。図示の実施態様では、入力信号源931は、第1の信号932を第2のチャネル導波路1433内に放射する。図14Cを参照すると、物体950による接触がない場合には、第2のチャネル導波路1433は、それがチャネル導波路933から比較的遠くに離れ、信号が低損失で第2のチャネル導波路1433内を伝播することができるように配置され得ることが観察され得る。物体950によるタッチがあるとき、しかしながら、ここで図14Dを参照すると、第2のチャネル導波路1433は、チャネル導波路933と接触する可能性がある。結果として、第2のチャネル導波路1433からチャネル導波路933内に漏れた信号が、検出器935によって検出される可能性がある。検出された光に応答して検出器935によって出力された信号は、本明細書に開示される技術を使用して物体950の位置を決定するために使用され得る。
上記で説明した実施形態は、単に例として提供され、多くの変形が可能であることは、理解されるであろう。たとえば、物体950をチャネル導波路933から分離する介在層が示されているが、チャネル導波路933は、物体950を層1260、平面状光導波路1370、またはチャネル光導波路1433から分離することができることは、本発明の意図の範囲内である。
図15は、対話型ディスプレイおよび/または関連する電子デバイスを制御するための方法を示す流れ図の一例を示す。ブロック1510では、第1の電磁または音響信号が、チャネル導波路に入力され得る。チャネル導波路の少なくとも一部は、ディスプレイの表示領域内に、ディスプレイのユーザインターフェース表面の近傍に実質的に平行に配置され得る。有利には、チャネル導波路は、信号がチャネル導波路の長手方向軸に沿ってのみ伝播することができるように、電磁または音響信号に2次元の誘導を提供するように構成され得る。
ブロック1520では、第2の信号が、チャネル導波路から検出器によって受信され得、第2の信号は、第1の信号に対応する。検出器は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、CCDアレイ、CMOSアレイ、または、検出された可視、IR、および/もしくはUV光の特性を表す信号を出力するように動作可能な他の適切なデバイスなどの、感光性要素を含むことができる。検出器は、検出された第2の信号の1つまたは複数の特性を表す第3の信号を出力することができる。
ブロック1530では、第3の信号は、たとえば、プロセッサによって受信され得る。
ブロック1540では、ディスプレイに対する物体の位置が決定され得る。位置決定は、受信された第3の信号に基づいて、プロセッサによって実行され得る。
ブロック1550では、ディスプレイおよび/またはディスプレイに関連する電子デバイスは、位置決定に応答して制御され得る。たとえば、プロセッサは、ユーザ入力を、位置決定の結果として認識することができる。さらに、プロセッサは、ユーザ入力に応答して、ディスプレイに表示された画像を、上もしくは下にスクロールさせる、回転させる、拡大させる、または他の方法で変更させるように構成され得る。代替的には、または加えて、プロセッサは、ユーザ入力に応答して、電子デバイスの他の側面を制御するように構成され得る。たとえば、プロセッサは、ユーザ入力に応答して、音量設定を変更する、電子デバイスをオフにする、通話を開始するもしくは終了する、ソフトウェアアプリケーションを起動するもしくは停止する、などを行うように構成され得る。
図16Aおよび図16Bは、ジェスチャ認識のための構成930を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図の例を示す。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはディスプレイデバイス40の軽微な変形も、テレビジョン、タブレット、電子リーダー、ハンドヘルドデバイスおよびポータブルメディアプレーヤなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、構成930と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャ、もしくはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明するIMODディスプレイを含むことができる。構成930は、本明細書で、上記で説明したように実質的に構成され得る。
ディスプレイデバイス40の構成要素は図16Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(たとえば、信号をフィルタリングする)ように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカー45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28に、およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は次にディスプレイアレイ30に結合される。いくつかの実施態様では、電源50が、特定のディスプレイデバイス40設計において実質的にすべての構成要素に電力を与えることができる。
この例では、ディスプレイデバイス40は、プロセッサ904も含み、プロセッサ904は、たとえば、引き回し配線を介して、構成930と通信するように構成され得、電子デバイス900を制御するように構成され得る。図示の実施態様では、プロセッサ904は、たとえば、プロセッサ21および駆動コントローラ29と別々に示されている。しかしながら、プロセッサ904の機能は、本明細書で、上記で説明したように、プロセッサ21および/もしくは駆動コントローラ29内に、または、さらなる例では、ホストプロセッサ(図示せず)内に組み込まれてよいことは、理解されるであろう。プロセッサ904は、構成930から受信された信号から、ユーザタッチまたはジェスチャの事例を認識するように構成され得る。プロセッサ904は、次いで、ユーザジェスチャに応答して、ディスプレイアレイ30を制御することができる。ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実施態様では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、g、nを含むIEEE802.11規格、およびそれらのさらなる実施態様に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実施態様では、アンテナ43は、BLUETOOTH(登録商標)規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3Gまたは4G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、GSM(登録商標)/General Packet Radio Service(GPRS)、Enhanced Data GSM(登録商標) Environment(EDGE)、Terrestrial Trunked Radio(TETRA)、広帯域CDMA(W−CDMA)、Evolution Data Optimized(EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+)、Long Term Evolution(LTE)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、その信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、その信号を処理することができる。
いくつかの実施態様では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、いくつかの実施態様では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理されるフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和、およびグレースケールレベルを含むことができる。
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実施され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのピクセルのx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も適用される。
いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(IMODコントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(IMODディスプレイドライバなど)であり得る。さらに、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(IMODのアレイを含むディスプレイなど)とすることができる。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29はアレイドライバ22と一体化することができる。そのような実施態様は、高集積システム、たとえば、モバイルフォン、ポータブル電子デバイス、ウォッチまたは小面積ディスプレイにおいて、有用であることがある。
いくつかの実施態様では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御できるように構成することができる。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成することができる。いくつかの実施態様では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を通してのボイスコマンドを用いることができる。
電源50は種々のエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリまたはリチウムイオンバッテリなどの充電式バッテリとすることができる。充電式バッテリを使用する実施態様では、充電式バッテリは、たとえば、壁コンセントあるいは光起電性デバイスまたはアレイから来る電力を使用して充電可能であり得る。代替的には、充電式バッテリはワイヤレス充電可能とすることができる。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池とすることもできる。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成することもできる。
いくつかの実施態様では、制御プログラマビリティがドライバコントローラ29中に存在し、これは電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得る。いくつかの他の実施態様では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実施され得る。
本明細書で開示する実施態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実施され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実施されるか、ソフトウェアで実施されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実施するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実施または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成などのコンピューティングデバイスの組合せとして実施することもできる。いくつかの実施態様では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示する構造を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、およびそれらの上記構造の構造的等価物において、またはそれらの任意の組合せにおいて実施され得る。また、本明細書で説明した主題の実施態様は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実施され得る。
ソフトウェアで実施する場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶するか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。本明細書で開示された方法またはアルゴリズムのステップは、コンピュータ可読媒体上に存在し得る、プロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実施され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所にコンピュータプログラムを転送することを可能にされ得る任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含み得る。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれ得る。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含め得る。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体上のコードおよび命令の、1つまたは任意の組合せまたはセットとして存在し得る。
本開示で説明した実施態様への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実施態様に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与えられるべきである。「例示的」という単語は、本明細書ではもっぱら「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。本明細書に「例示的」と記載されたいかなる実施態様も、必ずしも他の可能性または実施態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、実施されたIMODの適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
また、別個の実施態様に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施態様において組合せで実施され得る。また、逆に、単一の実施態様に関して説明した様々な特徴は、複数の実施態様において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実施され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序でまたは順番に実行される必要がないこと、またはすべての例示される動作が実行される必要があるとは限らないことは、当業者は容易に認識されよう。さらに、図面は、流れ図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明するプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実施態様が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。