様々な図における同様の参照番号および記号は、同様の要素を示す。
以下の説明は、本開示の発明的態様について説明する目的で、いくつかの実施態様を対象とする。ただし、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用されてもよいことを、当業者は容易に認識されよう。説明する実施態様は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵画であろうと、画像を表示するように構成され得る任意のデバイスまたはシステムにおいて実施され得る。より詳細には、説明する実施態様は、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA: Personal Data Assistant)、ワイヤレス電子メール受信機、手持式もしくは可搬型コンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、ビデオカメラ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(すなわち、電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(走行距離計ならびに速度計ディスプレイなどを含む)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両における後部ビューカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子掲示板もしくは標示、プロジェクタ、建築構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダーまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメータ、パッケージング(電気機械システム(EMS)、微小電気機械システム(MEMS)および非MEMSアプリケーションなどにおける)、美的構造物(たとえば、1つの宝飾品上の画像のディスプレイ)、ならびに様々なEMS機器など、様々な電子機器中に含まれるか、またはそれらに関連付けられ得ると考えられるが、それらに限られない。また、本明細書の教示は、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、家庭用電化製品のための
慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセスおよび電子テスト機器など、非ディスプレイアプリケーションにおいて使用され得るが、これには限定されない。したがって、本教示は、単に図に示す実施態様に限定されるものではなく、当業者に直ちに明らかなように広い適用性を有する。
本明細書で以下に説明するものは、対話型ディスプレイ上で、電子機器のためのジェスチャー応答ユーザ入出力(I/O)インターフェースを提供するための新しい技術である。本明細書で使用する「ジェスチャー」は、ユーザの手、指、もしくは携帯物、またはユーザの支配下の他の物体の、全体的動作を広く指す。動作は、電子機器に近接して行われ得るが、必ずしも電子機器と直接物理的に接触して行われるとは限らない。いくつかの実施態様では、電子機器は、ユーザのジェスチャーを感知し、それに対して決定的に反応する。この機能は、2つ以上の形成された投射(本明細書では「ローブ」と呼ぶ)に放射光を構造化する2次光学レンズを有する発光源を含み得る、コンパクトな、低電力、低コストの解決策によって提供される。光センサーは、受信光の特性を表す信号を出力し、ただし、受信光は、物体による構造化された放射光の散乱から生じる。プロセッサは、光センサーの出力から、ユーザジェスチャーのインスタンスを認識し、ユーザジェスチャーに応答して、対話型ディスプレイおよび/または電子機器を制御するように構成され得る。
本開示で説明する主題の特定の実施態様は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために実施され得る。いくつかの実施態様では、ユーザは、「非接触」に電子機器と相互作用することが可能にされ、それによって、従来のタッチスクリーンデバイスに関するスクリーンの汚れの問題が緩和される。いくつかの実施態様では、ITO層の使用を回避することができ、結果として電子機器のコストの削減となる。いくつかの実施態様では、ジェスチャー応答インターフェースは、魅力的にコンパクト、低コスト、および低電力である構成を使用して、電子機器に提供される。
本明細書の説明の大部分は、干渉変調器ディスプレイに関係するが、多数のそのような実施態様は、電気泳動インクディスプレイ、およびエレクトロウェッティング技術に基づくディスプレイを含む、他のタイプの反射型ディスプレイにおいて活用され得るが、これらには限定されない。その上、本明細書で説明する干渉変調器ディスプレイは、概して、赤色ピクセルと、青色ピクセルと、緑色ピクセルとを含むが、本明細書で説明する多数の実施態様は、他の色のピクセルを有する、たとえば、紫色ピクセルと、橙黄色ピクセルと、黄緑色ピクセルとを有する、反射型ディスプレイにおいて使用され得る。その上、本明細書で説明する多数の実施態様は、より多くの色のピクセルを有する、たとえば、4色、5色、またはそれより多い色に対応するピクセルを有する、反射型ディスプレイにおいて使用され得る。いくつかのそのような実施態様は、赤色、青色、緑色、および黄色に対応するピクセルを含み得る。代替実施態様は、赤色、青色、緑色、黄色、およびシアン色に対応するピクセルを含み得る。
説明する実施態様が適用され得る好適なデバイスの一例は、反射型EMSまたはMEMSベースのディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射する干渉変調器(IMOD)を組み込むことができる。IMODは、吸収体、吸収体に対して可動である反射体、ならびに吸収体と反射体との間に画定された光共振器(optical resonant cavity)を含むことができる。反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振器のサイズを変化させ、それにより干渉変調器の反射率に影響を及ぼすことがある。IMODの反射スペクトルは、かなり広いスペクトル帯をもたらすことができ、そのスペクトル帯は、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得る。スペクトル帯の位置は、光共振器の厚さを変更することによって調整され得る。光共振器を変更する1つの方法は、反射体の位置を変更することによる方法である。
図1は、干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスの一連のピクセル中の2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例を示す。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉MEMSディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、MEMSディスプレイ要素のピクセルが、明状態または暗状態のいずれかにあることがある。明(「緩和」、「開」または「オン」)状態では、ディスプレイ要素は、たとえば、ユーザに、入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。いくつかの実施態様では、オン状態の光反射率特性とオフ状態の光反射率特性は反転されうる。MEMSピクセルは、黒および白に加えて、主に、カラーディスプレイを可能にする特定の波長において、反射するように構成されてもよい。
IMODディスプレイデバイスは、IMODの行/列アレイを含むことができる。各IMODは、空隙(光ギャップまたはキャビティとも呼ばれる)を形成するように互いに可変で制御可能な距離をおいて配置された反射層のペア、すなわち、可動反射層と固定部分反射層とを含むことができる。可動反射層は、少なくとも2つの位置の間で移動され得る。第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きい距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それら2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、強め合うようにまたは弱め合うように干渉し、各ピクセルについて全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実施態様では、IMODは、作動していないときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し、また、作動していないときに暗状態にあり、可視範囲内の光を吸収し、および/または弱め合うようにそれに干渉し得る。ただし、いくつかの他の実施態様では、IMODは、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実施態様では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。いくつかの他の実施態様では、印加電荷が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。
図1中のピクセルアレイの図示の部分は、2つの隣接する干渉変調器12を含む。(図示のような)左側のIMOD12では、可動反射層14が、部分反射層を含む光学スタック16からの所定の距離における緩和位置に示されている。左側のIMOD12を隔てて印加された電圧V0は、可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。右側のIMOD12では、可動反射層14は、光学スタック16の近くの、またはそれに隣接する作動位置に示されている。右側のIMOD12を隔てて印加された電圧Vbiasは、可動反射層14を作動位置に維持するのに十分である。
図1では、ピクセル12の反射特性が、概して、ピクセル12に入射する光13と左側のピクセル12から反射する光15とを示す、矢印を用いて示されている。詳細に示していないが、ピクセル12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過され、光学スタック16に向かうことになることを、当業者なら理解されよう。光学スタック16に入射する光の一部分は光学スタック16の部分反射層を透過されることになり、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学スタック16を透過された光13の部分は、可動反射層14において反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻ることになる。光学スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うまたは弱め合う)干渉が、ピクセル12から反射される光15の波長を決定することになる。
光学スタック16は、単一の層またはいくつかの層を含むことができる。その層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、電気伝導性があり、部分的に透明で、部分的に反射性であり、たとえば、透明基板20上に上記の層のうちの1つまたは複数を被覆させることによって、作製され得る。電極層は、様々な金属、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)など、様々な材料から形成され得る。部分反射層は、クロム(Cr)などの様々な金属、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、光吸収体と電気的な導体の両方として作用する、金属または半導体の単一の半透明の層(thickness)を含むことができるが、(たとえば、光学スタック16の、またはIMODの他の構造の)異なる、電気的により伝導性の高い層または部分が、IMODピクセル間で信号を伝搬する(bus)ように作用することができる。光学スタック16は、1つまたは複数の伝導層または電気伝導性/光吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
いくつかの実施態様では、光学スタック16の層は、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者によって理解されるように、「パターニング(patterned)」という用語は、本明細書では、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを指すために使用される。いくつかの実施態様では、アルミニウム(Al)などの高伝導性および反射性材料が可動反射層14のために使用され得、これらのストリップはディスプレイデバイスにおける列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の被覆された金属層の一連の平行ストリップとして形成されて、ポスト18の上に被覆された列とポスト18間に被覆された介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定された間隙19つまり光キャビティが可動反射層14と光学スタック16との間に形成され得る。いくつかの実施態様では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、間隙19は10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
いくつかの実施態様では、IMODの各ピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタである。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、図1中の左側のピクセル12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学スタック16との間の間隙19がある。しかしながら、電位差、すなわち電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するピクセルにおける行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加された電圧がしきい値を超える場合、可動反射層14は、変形し、光学スタック16の近くにまたはそれに逆らって移動することができる。光学スタック16内の誘電体層(図示せず)が、図1中の右側の作動ピクセル12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じである。いくつかの事例ではアレイ中の一連のピクセルが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは任意であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えれば、いくつかの配向では、行は列と見なされ得、列は行であると見なされ得る。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列に一様に配置されるか(「アレイ」)、または、たとえば、互いに対して一定の位置オフセットを有する、非線形構成で配置され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指し得る。したがって、ディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして言及されるが、その要素自体は、いかなる事例においても、互いに直交して配置される必要がなく、または一様な分布で配設される必要がなく、非対称形状および不均等に分布された要素を有する配置を含み得る。
図2は、3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子機器を示すシステムブロック図の一例を示す。電子機器は、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または他のソフトウェアアプリケーションを含む、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえば、ディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。図2には、図1に示したIMODディスプレイデバイスの断面が線1-1によって示されている。図2は明快のためにIMODの3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODを含んでいることがあり、列におけるIMODの数とは異なる数のIMODを行において有し得、その逆も同様である。
図3は、図1の干渉変調器についての可動反射層位置対印加電圧を示す図の一例を示す。MEMS干渉変調器の場合、行/列(すなわち、コモン/セグメント)書込みプロシージャが、図3に示すこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用し得る。干渉変調器は、可動反射層またはミラーに緩和状態から作動状態に変更させるために、例示的な一実施態様では、約10ボルトの電位差を使用し得る。電圧がその値から低減されると、電圧が低下して、この例では、10ボルトより下に戻ったとき、可動反射層はそれの状態を維持するが、電圧が2ボルトより下に低下するまで、可動反射層は完全には緩和しない。したがって、図3に示すように、この例では、印加電圧のウィンドウがある電圧の範囲、約3〜7ボルトが存在し、そのウィンドウ内でデバイスは緩和状態または作動状態のいずれかで安定している。これは、本明細書では「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイ30の場合、行/列書込みプロシージャは、一度に1つまたは複数の行をアドレス指定するように設計され得、その結果、所与の行のアドレス指定中に、作動されるべきアドレス指定された行におけるピクセルは、この例では、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるべきピクセルは、ほぼ0ボルトの電圧差にさらされる。アドレス指定後に、それらのピクセルは、それらが前のストローブ状態(strobing state)にとどまるような、この例では約5ボルトの定常状態またはバイアス電圧差にさらされ得る。この例では、アドレス指定された後に、各ピクセルは、約3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差を経験する。このヒステリシス特性の特徴は、図1に示したピクセル設計などのピクセル設計が、同じ印加電圧条件下で作動または緩和のいずれかの既存の状態で安定したままであることを可能にする。各IMODピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタであるので、この安定状態は、電力を実質的に消費するかまたは失うことなしに、ヒステリシスウィンドウ内の定常電圧において保持され得る。その上、印加電圧電位が実質的に固定のままである場合、電流は本質的にほとんどまたはまったくIMODピクセルに流れ込まない。
いくつかの実施態様では、所与の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に従って、列電極のセットに沿って「セグメント」電圧の形態のデータ信号を印加することによって、画像のフレームが作成され得る。次に、フレームが一度に1行書き込まれるように、アレイの各行がアドレス指定され得る。第1の行におけるピクセルに所望のデータを書き込むために、第1の行におけるピクセルの所望の状態に対応するセグメント電圧が列電極上に印加され得、特定の「コモン」電圧または信号の形態の第1の行パルスが第1の行電極に印加され得る。次いで、セグメント電圧のセットは、第2の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に対応するように変更され得、第2のコモン電圧が第2の行電極に印加され得る。いくつかの実施態様では、第1の行におけるピクセルは、列電極に沿って印加されたセグメント電圧の変化による影響を受けず、第1のコモン電圧行パルス中にそれらのピクセルが設定された状態にとどまる。このプロセスは、画像フレームを生成するために、一連の行全体、または代替的に、一連の列全体について、順次に繰り返され得る。フレームは、何らかの所望の数のフレーム毎秒でこのプロセスを断続的に反復することによって、新しい画像データでリフレッシュおよび/または更新され得る。
各ピクセルを隔てて印加されるセグメント信号とコモン信号の組合せ(すなわち、各ピクセルを隔てた電位差)は、各ピクセルの得られる状態を決定する。図4は、コモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときの干渉変調器の様々な状態を示す表の一例である。当業者によって理解されるように、「セグメント」電圧は、列電極または行電極のいずれかに印加され得、「コモン」電圧は、列電極または行電極のうちの他方に印加され得る。
図4に(ならびに図5Bに示すタイミング図に)示すように、開放電圧(release voltage)VCRELがコモンラインに沿って印加されたとき、コモンラインに沿ったすべての干渉変調器要素は、セグメントラインに沿って印加された電圧、すなわち、高いセグメント電圧VSHおよび低いセグメント電圧VSLにかかわらず、代替的に開放または非作動状態と呼ばれる、緩和状態に入れられることになる。特に、開放電圧VCRELがコモンラインに沿って印加されると、そのピクセルのための対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、変調器ピクセルを隔てた潜在的な電圧(代りにピクセル電圧と呼ばれる)は緩和ウィンドウ(図3参照、開放ウィンドウとも呼ばれる)内にある。
高い保持電圧VCHOLD_Hまたは低い保持電圧VCHOLD_Lなどの保持電圧がコモンライン上に印加されたとき、干渉変調器の状態は一定のままになる。たとえば、緩和IMODは緩和位置にとどまることになり、作動IMODは作動位置にとどまることになる。保持電圧は、対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、ピクセル電圧が安定性ウィンドウ内にとどまることになるように、選択され得る。したがって、セグメント電圧振幅(voltage swing)、すなわち、高いVSHと低いセグメント電圧VSLとの間の差は、正または負のいずれかの安定性ウィンドウの幅よりも小さい。
高いアドレス指定電圧VCADD_Hまたは低いアドレス指定電圧VCADD_Lなどのアドレス指定または作動電圧がコモンライン上に印加されたとき、それぞれのセグメントラインに沿ったセグメント電圧の印加によって、データがそのコモンラインに沿った変調器に選択的に書き込まれ得る。セグメント電圧は、作動が印加されたセグメント電圧に依存するように選択され得る。アドレス指定電圧がコモンラインに沿って印加されたとき、一方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウ内のピクセル電圧をもたらし、ピクセルが非作動のままであることを引き起こすことになる。対照的に、他方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウを越えるピクセル電圧をもたらし、ピクセルの作動をもたらすことになる。作動を引き起こす特定のセグメント電圧は、どのアドレス指定電圧が使用されるかに応じて変動することができる。いくつかの実施態様では、高いアドレス指定電圧VCADD_Hがコモンラインに沿って印加されたとき、高いセグメント電圧VSHの印加は、変調器にその現在位置にとどまらせることがあり、低いセグメント電圧VSLの印加は、変調器の作動を引き起こすことがある。結果として、低いアドレス指定電圧VCADD_Lが印加されたとき、セグメント電圧の影響は反対であり、高いセグメント電圧VSHは変調器の作動を引き起こし、低いセグメント電圧VSLは変調器の状態に影響しない(すなわち、安定したままである)ことがある。
いくつかの実施態様では、変調器を隔てて同じ極性電位差を引き起こす保持電圧、アドレス電圧、およびセグメント電圧が使用され得る。いくつかの他の実施態様では、時間ごとに変調器の電位差の極性を交番する信号が使用され得る。変調器を隔てた極性の交番(すなわち、書込みプロシージャの極性の交番)は、単一の極性の反復書込み動作後に起こりうる電荷蓄積を低減または抑止し得る。
図5Aは、図2の3×3干渉変調器ディスプレイにおけるディスプレイデータのフレームを示す図の一例を示す。図5Bは、図5Aに示すディスプレイデータのフレームを書き込むために使用され得るコモン信号およびセグメント信号についてのタイミング図の一例を示す。それらの信号は、図2のアレイと同様に3×3アレイに印加され得、これは、図5Aに示すライン時間60eディスプレイ配置を最終的にもたらすことになる。図5A中の作動変調器は暗状態にあり、すなわち、その状態では、反射光の実質的な部分が、たとえば、閲覧者に、暗い外観をもたらすように可視スペクトルの外にある。図5Aに示すフレームを書き込むより前に、ピクセルは任意の状態にあることがあるが、図5Bのタイミング図に示す書込みプロシージャは、各変調器が、第1のライン時間60aの前に、開放されており、非作動状態に属すると仮定する。
第1のライン時間60a中に、開放電圧70がコモンライン1上に印加され、コモンライン2上に印加される電圧が、高い保持電圧72において始まり、開放電圧70に変化し、低い保持電圧76がコモンライン3に沿って印加される。したがって、コモンライン1に沿った変調器(コモン1,セグメント1)、(1,2)および(1,3)は、第1のライン時間60aの持続時間の間、緩和または非作動状態にとどまり、コモンライン2に沿った変調器(2,1)、(2,2)および(2,3)は、緩和状態に変化することになり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、それらの前の状態にとどまることになる。図4を参照すると、コモンライン1、2または3のいずれも、ライン時間60a中に作動を引き起こす電圧レベルにさらされていないので(すなわち、VCREL-緩和、およびVCHOLD_L-安定)、セグメントライン1、2および3に沿って印加されたセグメント電圧は、干渉変調器の状態に影響しないことになる。
第2のライン時間60b中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72に変化し、コモンライン1に沿ったすべての変調器は、アドレス指定または作動電圧がコモンライン1上に印加されなかったので、印加されたセグメント電圧にかかわらず、緩和状態にとどまる。コモンライン2に沿った変調器は、開放電圧70の印加により、緩和状態にとどまり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、コモンライン3に沿った電圧が開放電圧70に変化するとき、緩和することになる。
第3のライン時間60c中に、コモンライン1は、コモンライン1上に高いアドレス電圧74を印加することによってアドレス指定される。このアドレス電圧の印加中に低いセグメント電圧64がセグメントライン1および2に沿って印加されるので、変調器(1,1)および(1,2) を隔てたピクセル電圧は変調器の正の安定性ウィンドウの上端よりも大きく(すなわち、電圧差は、あらかじめ定義されたしきい値を超えた)、変調器(1,1)および(1,2)は作動される。逆に、高いセグメント電圧62がセグメントライン3に沿って印加されるので、変調器(1,3) を隔てたピクセル電圧は、変調器(1,1)および(1,2)のピクセル電圧よりも小さく、変調器の正の安定性ウィンドウ内にとどまり、したがって変調器(1,3)は緩和したままである。また、ライン時間60c中に、コモンライン2に沿った電圧は低い保持電圧76に減少し、コモンライン3に沿った電圧は開放電圧70にとどまり、コモンライン2および3に沿った変調器を緩和位置のままにする。
第4のライン時間60d中に、コモンライン1上の電圧は、高い保持電圧72に戻り、コモンライン1に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン2上の電圧は低いアドレス電圧78に減少する。高いセグメント電圧62がセグメントライン2に沿って印加されるので、変調器(2,2) を隔てたピクセル電圧は、変調器の負の安定性ウィンドウの下端(lower end)を下回り、変調器(2,2)を作動させる。逆に、低いセグメント電圧64がセグメントライン1および3に沿って印加されるので、変調器(2,1)および(2,3)は緩和位置にとどまる。コモンライン3上の電圧は、高い保持電圧72に増加し、コモンライン3に沿った変調器を緩和状態のままにする。
最後に、第5のライン時間60e中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72にとどまり、コモンライン2上の電圧は低い保持電圧76にとどまり、コモンライン1および2に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン3上の電圧は、コモンライン3に沿った変調器をアドレス指定するために、高いアドレス電圧74に増加する。低いセグメント電圧64がセグメントライン2および3上に印加されるので、変調器(3,2)および(3,3)は作動するが、セグメントライン1に沿って印加された高いセグメント電圧62は、変調器(3,1)を緩和位置にとどまらせる。したがって、第5のライン時間60eの終わりに、3×3ピクセルアレイは、図5Aに示す状態にあり、他のコモンライン(図示せず)に沿った変調器がアドレス指定されているときに起こり得るセグメント電圧の変動にかかわらず、保持電圧がコモンラインに沿って印加される限り、その状態にとどまることになる。
図5Bのタイミング図では、所与の書込みプロシージャ(すなわち、ライン時間60a〜60e)は、高い保持およびアドレス電圧、または低い保持およびアドレス電圧のいずれかの使用を含むことができる。書込みプロシージャが所与のコモンラインについて完了されると(また、コモン電圧が、作動電圧と同じ極性を有する保持電圧に設定されると)、ピクセル電圧は、所与の安定性ウィンドウ内にとどまり、開放電圧がそのコモンライン上に印加されるまで、緩和ウィンドウを通らない。さらに、各変調器が、変調器をアドレス指定するより前に書込みプロシージャの一部として開放されるので、開放時間ではなく変調器の作動時間が、ライン時間を決定し得る。詳細には、変調器の開放時間が作動時間よりも大きい実施態様では、開放電圧は、図5Bに示すように、単一のライン時間よりも長く印加され得る。いくつかの他の実施態様では、コモンラインまたはセグメントラインに沿って印加される電圧が、異なる色の変調器など、異なる変調器の作動電圧および開放電圧の変動を相殺するように変動し得る。
上記に記載した原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は大きく異なり得る。たとえば、図6A〜図6Eは、可動反射層14とそれの支持構造とを含む、干渉変調器の異なる実施態様の断面図の例を示している。図6Aは、金属材料のストリップ、すなわち、可動反射層14が、基板20から直角に延在する支持体18上に被覆される、図1の干渉変調器ディスプレイの部分断面図の一例を示している。図6Bでは、各IMODの可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、コーナーにおいてまたはその近くでテザー32に接して支持体に取り付けられる。図6Cでは、可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、フレキシブルな金属を含み得る変形可能層34から吊るされる。変形可能層34は、可動反射層14の外周の周りで基板20に直接または間接的に接続することがある。これらの接続は、本明細書では支持ポストと呼ばれる。図6Cに示す実施態様は、変形可能層34によって行われる可動反射層14の機械的機能からのそれの光学的機能の分離から派生するさらなる利益を有する。この分離は、反射層14のために使用される構造設計および材料と、変形可能層34のために使用される構造設計および材料とが、互いとは無関係に最適化されることを可能にする。
図6Dは、可動反射層14が反射副層(reflective sub-layer)14aを含む、IMODの別の例を示している。可動反射層14は、支持ポスト18などの支持構造上に載る。支持ポスト18は、たとえば、可動反射層14が緩和位置にあるとき、可動反射層14と光学スタック16との間に間隙19が形成されるように、下側静止電極(すなわち、図示のIMODにおける光学スタック16の一部)からの可動反射層14の分離を可能にする。可動反射層14は、電極として働くように構成され得る伝導層14cと、支持層14bとをも含むことができる。この例では、伝導層14cは、基板20から遠位にある支持層14bの一方の面に配設され、反射副層14aは、基板20の近位にある支持層14bの他方の面に配設される。いくつかの実施態様では、反射副層14aは、伝導性であることがあり、支持層14bと光学スタック16との間に配設され得る。支持層14bは、誘電材料、たとえば、酸窒化ケイ素(SiON)または二酸化ケイ素(SiO2)の、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実施態様では、支持層14bは、たとえば、SiO2/SiON/SiO23層スタックなど、複数の層のスタックであり得る。反射副層14aと伝導層14cのいずれかまたは両方は、たとえば、約0.5%の銅(Cu)または別の反射金属材料を用いた、アルミニウム(Al)合金を含むことができる。誘電支持層14bの上および下で伝導層14a、14cを採用することは、応力のバランスをとり、伝導を増進することができる。いくつかの実施態様では、反射副層14aおよび伝導層14cは、可動反射層14内の特定の応力プロファイルを達成することなど、様々な設計目的で、異なる材料から形成され得る。
図6Dに示すように、いくつかの実施態様はブラックマスク構造23をも含むことができる。ブラックマスク構造23は、周辺光または迷光を吸収するために、(ピクセル間にまたはポスト18の下になど)光学不活性領域において形成され得る。ブラックマスク構造23はまた、光がディスプレイの不活性部分から反射されることまたはそれを透過されることを抑止し、それによりコントラスト比を上げることによって、ディスプレイデバイスの光学的特性を改善することができる。さらに、ブラックマスク構造23は、伝導性であり、電気的バス層(electrical bussing layer)として機能するように構成され得る。いくつかの実施態様では、行電極は、接続された行電極の抵抗を低減するために、ブラックマスク構造23に接続され得る。ブラックマスク構造23は、被覆およびパターニング技術を含む様々な方法を使用して形成され得る。ブラックマスク構造23は1つまたは複数の層を含むことができる。たとえば、いくつかの実施態様では、ブラックマスク構造23は、光吸収体、層として働くモリブデンクロム(MoCr)層と、反射体およびバス層として働くアルミニウム合金とを含み、それぞれ、約30〜80Å、500〜1000Å、および500〜6000Åの範囲内の厚さである。1つまたは複数の層は、たとえば、MoCr層およびSiO2層の場合は、カーボンテトラフルオロメタン(CF4)および/または酸素(O2)、ならびにアルミニウム合金層の場合は、塩素(Cl2)および/または三塩化ホウ素(BCl3)を含む、フォトリソグラフィおよび乾式エッチングを含む、様々な技術を使用してパターニングされ得る。いくつかの実施態様では、ブラックマスク23はエタロンまたは干渉スタック構造であり得る。そのような干渉スタックブラックマスク構造23では、伝導性吸収体は、各行または列の光学スタック16における下側静止電極間で信号を送信するかまたは信号をバスで運ぶために使用され得る。いくつかの実施態様では、スペーサ層35が、ブラックマスク23中の伝導層から吸収層16aを一般的に電気的に絶縁する役目を果たす。
図6Eは、可動反射層14が自立している、IMODの別の例を示している。図6Dとは対照的に、図6Eの実施態様は支持ポスト18を含まない。代わりに、可動反射層14は、複数のロケーションにおいて、下にある光学スタック16に接触し、可動反射層14の湾曲は、干渉変調器を隔てた電圧が作動を引き起こすには不十分であるとき、可動反射層14が図6Eの非作動位置に戻すことに十分な支持を与える。複数のいくつかの異なる層を含んでいることがある光学スタック16は、ここでは明快のために、光吸収体16aと誘電体16bとを含む状態で示されている。いくつかの実施態様では、光吸収体16aは、固定電極としても、部分反射層としても働き得る。いくつかの実施態様では、光吸収体16aは可動反射層14よりも1桁(10倍以上)薄い。いくつかの実施態様では、光吸収体16aは反射副層14aよりも薄い。
図6A〜図6Eに示す実施態様などの実施態様では、IMODは直視型デバイスとして機能し、直視型デバイスでは、画像が、透明基板20の正面、すなわち、変調器が配置された面の反対の面から視られる。これらの実施態様では、デバイスの背面部分(すなわち、たとえば、図6Cに示す変形可能層34を含む、可動反射層14の背後のディスプレイデバイスの任意の部分)は、反射層14がデバイスのそれらの部分を光学的に遮蔽するので、ディスプレイデバイスの画質に影響を及ぼすことまたは悪影響を及ぼすことなしに、構成され、作用され得る。たとえば、いくつかの実施態様では、バス構造(図示せず)が可動反射層14の背後に含まれ得、これは、電圧アドレス指定およびそのようなアドレス指定に起因する移動など、変調器の電気機械的特性から変調器の光学的特性を分離する可能性を与える。さらに、図6A〜図6Eの実施態様は、たとえば、パターニングなどの処理を簡略化することができる。
図7は、干渉変調器のための製造プロセス80を示す流れ図の一例を示しており、図8A〜図8Eは、そのような製造プロセス80の対応する段階の断面概略図の例を示している。いくつかの実施態様では、製造プロセス80は、図1および図6に示した一般的なタイプの干渉変調器などの電気機械システムデバイスを製造するために実施され得る。電気機械システムデバイスの製造は、図7に示されていない他のブロックをも含んでもよい。図1、図6および図7を参照すると、プロセス80はブロック82において開始し、基板20の上への光学スタック16の形成を伴う。図8Aは、基板20の上に形成されたそのような光学スタック16を示している。基板20は、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得、それは、柔軟であるか比較的固く曲がらないことがあってもよく、光学スタック16の効率的な形成を可能にするために、洗浄などの事前準備プロセスにかけられていることがある。上記で説明したように、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を被覆させることによって、作製され得る。図8Aでは、光学スタック16は、副層16aおよび16bを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実施態様では、より多いまたはより少ない副層が含まれ得る。いくつかの実施態様では、副層16aおよび16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収体副層16aなど、光吸収特性と電気伝導特性の両者を有するもので構成され得る。さらに、副層16a、16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、当技術分野で知られているマスキングおよびエッチングプロセスまたは別の好適なプロセスによって実行され得る。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの1つは、1つまたは複数の金属層(たとえば、1つまたは複数の反射層および/または伝導層)上に被覆された副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学スタック16は、ディスプレイの行を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。図8A〜図8Eは、一定の縮尺で描かれていないことがあることに留意されたい。たとえば、図8A〜
図8Eでは、副層16a、16bはやや厚く示されているが、いくつかの実施態様では、光学スタックの副層のうちの1つである光吸収層は極めて薄いことがある。
プロセス80はブロック84において続き、光学スタック16の上への犠牲層25の形成を伴う。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で除去され(ブロック90参照)、したがって、犠牲層25は、図1に示す、生じた干渉変調器12には示されていない。図8Bは、光学スタック16の上に形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示している。光学スタック16の上への犠牲層25の形成は、後続の除去後に、所望の設計サイズを有する間隙つまりキャビティ19(図1および図8Eも参照)を与えるように選択された厚さの、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(a-Si)など、フッ化キセノン(XeF2)エッチング可能材料の被覆を含み得る。犠牲材料の被覆は、物理気相成長(PVD: Physical Vapor Deposition、スパッタリングなど、多くの異なる技術を含む)、プラズマ強化化学気相成長(PECVD: plasma-enhanced chemical vapor deposition)、熱化学気相成長(熱CVD: chemical vapor deposition)、またはスピンコーティングなど、の蒸着技術を使用して行われ得る。
プロセス80はブロック86において続き、図1、図6および図8Cに示すポスト18などの支持構造の形成を伴う。ポスト18の形成は、支持構造開口を形成するために犠牲層25をパターニングすること、および次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、被覆方法を使用して、ポスト18を形成するために開口中に(酸化ケイ素など、ポリマーまたは無機材料などの)材料を被覆させることを含み得る。いくつかの実施態様では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、ポスト18の下側端部が図6Aに示すように基板20に接触するように、犠牲層25と光学スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在し得る。代わりに、図8Cに示すように、犠牲層25中に形成された開口は、犠牲層25を通るが、光学スタック16を通らずに延在してもよい。たとえば、図8Eは、光学スタック16の上表面(upper surface)と接触している支持ポスト18の下端部を示している。ポスト18、または他の支持構造は、犠牲層25上に支持構造材料の層を被覆させること、および犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分をパターニングすることによって形成され得る。支持構造は、図8Cに示すように開口内に配置され得るが、少なくとも部分的に、犠牲層25の一部分の上で延在してもよい。上述のように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、パターニングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替エッチング方法によっても実行され得る。
プロセス80はブロック88において続き、図1、図6および図8Dに示す可動反射層14などの可動反射層または膜の形成を伴う。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキング、および/またはエッチングステップとともに、たとえば、(アルミニウム、アルミニウム合金、または他の反射層など)反射層被覆を含む1つまたは複数の被覆ステップを採用することによって形成され得る。可動反射層14は、電気伝導性があり、電気伝導層(electrically conductive layer)と呼ばれることがある。いくつかの実施態様では、可動反射層14は、図8Dに示すように複数の副層14a、14b、14cを含み得る。いくつかの実施態様では、副層14a、14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、それの機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製された干渉変調器中に依然として存在するので、可動反射層14は、通常この段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODは、本明細書では「非開放(unreleased)」IMODと呼ばれることもある。図1に関して上記で説明したように、可動反射層14は、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
プロセス80はブロック90において続き、図1、図6および図8Eに示すキャビティ19などのキャビティの形成を伴う。キャビティ19は、(ブロック84において被覆された)犠牲材料25をエッチング液にさらすことによって形成され得る。たとえば、所望の量の材料を除去するのに有効である時間期間の間、固体XeF2から生じた蒸気など、気体または蒸気エッチング液に犠牲層25をさらすことによって、MoまたはアモルファスSiなどのエッチング可能犠牲材料が乾式化学エッチングによって除去され得る。犠牲材料は、一般に、キャビティ19を囲む構造に対して選択的に除去される。湿式エッチングおよび/またはプラズマエッチングなど、他のエッチング方法も使用され得る。犠牲層25がブロック90中に除去されるので、可動反射層14は、一般に、この段階後に可動となる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODは、本明細書では「開放」IMODと呼ばれることがある。
本開示で説明する主題の1つの革新的態様によれば、上記で説明したようなIMODディスプレイデバイスに関連付けられ得る、対話型ディスプレイは、入出力(I/O)インターフェースをユーザに提供し、それによって、(i)ユーザジェスチャーのインスタンスが認識され得、(ii)対話型ディスプレイが、ユーザジェスチャーに応答して制御され得る。有利なことに、たとえば、手持ち式の個人電子機器(PED)などの電子機器は、ユーザの手、指、または携帯物の全体的動作を感知し、それに対して決定的に反応することが可能にされる。ジェスチャーは、電子機器に近接して行われ得るが、好ましくは、電子機器と直接物理的な接触をせずに行われ得る。
図9Aおよび図9Bは、ジェスチャー応答入出力(I/O)インターフェースをユーザに提供するように構成された電子機器の一実施態様の一例を示す。最初に図9Aを参照すると、電子機器901は、対話型ディスプレイ902と、プロセッサ904とを含み得る。対話型ディスプレイ902は、タッチスクリーンディスプレイであり得るが、このことは必ずしもそうであるとは限らない。プロセッサ904は、少なくとも部分的に、ユーザ入力に応答して、対話型ディスプレイ902を制御するように構成され得る。ユーザ入力の少なくとも一部は、ジェスチャーによって行われ得、ジェスチャーは、手もしくは指などのユーザの付属器官、または携帯物などを使用して、全体的動作を行うことを含み得る。ジェスチャーは、電子機器901に近接して行われ得るが、好ましくは、電子機器901と直接物理的な接触をせずに行われ得る。構成903(その例については、本明細書で以下に説明し、図示する)は、それに応答して、1つまたは複数の信号を出力し得る。構成903によって出力された信号は、ユーザジェスチャーのインスタンスを認識し、ユーザジェスチャーに応答して対話型ディスプレイ902を制御するために、プロセッサ904によって解析され得る。
図9Bに示す例示的な実施態様では、構成903は、発光源911と、光センサー912aおよび912bと、2次光学レンズ913とを含み得る。2次光学レンズ913は、発光源911から放射された光を個別のローブ920aおよび920bに構造化するように構成され得る。図示した実施態様では、2つの光センサー912aおよび912bが設けられるが、他の実施態様では、3つ以上の光センサーが設けられてもよい。光センサーは、フォトダイオード、フォトトランジスタ、または、受光された可視光、赤外(IR)光および/もしくは紫外(UV)光の特性(たとえば、振幅もしくは強度)を表す信号を出力するように動作可能な他の好適なデバイスを含み得る。発光源911は、図示のように、発光ダイオード(LED)を含み得るが、任意のタイプの光源が使用され得る。2次光学レンズ913は、図示のように、レンチキュラーレンズアレイ、または、放射光を少なくとも2つの個別のローブに構造化するように動作可能な他のデバイスを含み得る。好適なデバイスには、たとえば、マイクロレンズアレイ、量子ドット格子、ビーム整形散乱体、または任意の他の形式の非放射光再分配ユニットが含まれ得る。いくつかの実施態様では、発光源911は、赤外光を放射するように構成され得る。放射光の波長は、たとえば、約850から950ナノメートルの範囲内であり得る。いくつかの実施態様では、発光源911は、1未満のデューティ比を有し得る。
電子機器901のジェスチャー応答ユーザインターフェースのいくつかの実施態様の動作は、図10Aおよび図10Bを参照することによって、よりよく理解されうる。図10Aは、構成903の平面図と呼ばれ得るものを示す。構成903は、主にローブ920aおよびローブ920bとして個別に分配された、構造化された放射光を出力し得る。物体が構成903の周囲を横切るとき、光センサー912aおよび912bは、物体による構造化された放射光の散乱から生じる光を受光し得る。物体は、たとえば、手もしくは指などのユーザの付属器官であり得、または、ハンドヘルドもしくは他の方法でユーザの支配下の任意の物理的物体であり得るが、本明細書では、簡単のために、「物体」と呼ばれる。光センサー912aおよび912bは、受信光の特性(たとえば、振幅または強度)を表す信号をプロセッサ904に出力し得る。
ここで図10Bを参照すると、物体の角度位置に応じた、光センサー912aおよび光センサー912bの各々からの出力信号のシミュレーションが示される。信号は、構造化された放射光のそれぞれのローブの角度位置と強い相関があることが観察される。すなわち、光センサー912aは、ローブ920aの角度位置と相関する、約130度で、顕著な信号ピークを示す。同様に、光センサー912bは、ローブ920bの角度位置と相関する、約50度で、顕著な信号ピークを示す。シミュレーションの結果は、本開示の技術を使用して、最高40:1の信号対雑音比が達成され得ることを示している。
プロセッサ904は、受信光の変化させられた特性を示す、光センサーの出力の解析に応答して、ユーザジェスチャーのインスタンスを認識することによって、I/Oインターフェースを実現するように構成され得る。たとえば、図10Aおよび図10Bをさらに参照すると、構成903に対して右から左に移動しているオブジェクトは、光センサー912aおよび912bが図10Bに示したパターンと同様のパターンを有する信号をプロセッサ904に出力することを、引き起こすと期待され得る。プロセッサ904は、そのようなパターンをユーザジェスチャーのインスタンスとして認識するように構成され得る。認識されたユーザジェスチャーに応答して、プロセッサ904は、ユーザジェスチャーに応答して対話型ディスプレイ902を制御するように構成され得る。たとえば、対話型ディスプレイ902上に表示された画像が、上もしくは下にスクロール、回転、拡大、または他の方法で修正させられ得る。加えて、プロセッサ904は、たとえば、ボリューム設定を変更すること、電源を切断すること、電話をかけるまたは切ること、ソフトウェアアプリケーションを起動または終了することなど、ユーザジェスチャーに応答して電子機器901の他の態様を制御するように構成され得る。
構成903の代替実施態様を図11Aに示す。図示の実施態様に示すように、構成903の2次光学レンズは、発光源911から放射された光を構造化するように構成された、マイクロレンズ(たとえば、LEDレンズ)のアレイ1113を含み得る。いくつかの実施態様では、アレイ1113は、実質的に円形に構成される。他の実施態様は、異なる形状(たとえば、楕円形、正方形など)のマイクロレンズのアレイを使用してもよい。図示の実施態様では、4つの光センサー912a、912b、912c、および912dが設けられるが、より多数のまたはより少数の光センサーが企図されてもよい。これらの光センサーは、図示のように、マイクロレンズの外周に近接して配置され、たとえば、ほぼ等しい角距離で離間され得る。次に図11Bを参照すると、構成903が、主にローブ920a、ローブ920b、ローブ920c、およびローブ920dとして個別に分配された、構造化された放射光を出力し得ることが示される。
次に図11Cを参照すると、開示する技術のいくつかの実施態様では、光センサー912a〜912dによって出力された信号は、たとえば、ユーザの手などの物体の時計回りの回転と反時計回りの回転との間で区別するために、プロセッサ904によって解析され得る相対位相遅延を示し得る。より具体的には、たとえば、物体の反時計回りの回転(手1150として示す)から生じる信号は、ピーク信号が、最初に、光センサー912aによって出力され、続いて、測定可能な時間間隔の後、ピーク信号が光センサー912bによって出力される結果となり得る。同様に、光センサー912cは、光センサー912bに対して測定可能な時間間隔だけ遅延されたピーク信号を出力し得、光センサー912dは、光センサー912cに対して測定可能な時間間隔だけ遅延されたピーク信号を出力し得る。プロセッサ904は、上記で説明した信号遅延のパターンを認識し、そのパターンを、手1150の反時計回りの動作、または、たとえば、手1150の往復動作から生じ得るパターンと区別するように構成され得ることは理解されよう。
図12は、電子機器の対話型ディスプレイを介して、入出力(I/O)インターフェースをユーザに提供するための方法1200を示す流れ図の一例を示す。ブロック1210において、発光源からの光が、2つ以上のローブに構造化され得る。発光源は、可視波長、IR波長、またはUV波長における光を放射する、たとえば、LEDであり得る。
ブロック1220において、物体による構造化された放射光の散乱から生じる散乱光が、受光または検出され得る。散乱光は、たとえば、フォトダイオードまたはフォトトランジスタなどの光センサーによって受光または検出され得る。
ブロック1230において、受信光の特性を表す少なくとも1つの信号が、プロセッサに出力され得る。たとえば、光センサーは、プロセッサに、受信光の振幅または強度を表す信号を出力し得る。
ブロック1240において、プロセッサが、信号から、ユーザジェスチャーのインスタンスを認識し得る。たとえば、物体がユーザの手である場合、ユーザの手の動作は、光センサーによって受光された光が信号パターンを生じることを引き起こし得る。プロセッサは、信号パターンを解析し、いつ信号パターンが特定のユーザジェスチャーの特性を示すかを判断するように構成され得る。
ブロック1250において、対話型ディスプレイおよび/または電子機器が、ユーザジェスチャーに応答して、プロセッサによって制御され得る。たとえば、プロセッサは、対話型ディスプレイ上に表示された画像が上もしくは下にスクロール、回転、拡大、または他の方法で修正されるように構成され得る。代りに、または併せて、プロセッサは、ユーザジェスチャーに応答して、電子機器の他の態様を制御するように構成され得る。たとえば、プロセッサは、ユーザジェスチャーに応答して、ボリューム設定を変更すること、電子機器の電源を切断すること、電話をかけるまたは切ること、ソフトウェアアプリケーションを起動または終了することなどを行うように構成され得る。
上記で説明した方法は、たとえば、図9Bおよび図11Aに関連して上記で説明したように、単一の発光源と、発光源からの放射光を2つ以上のローブに構造化するための2次光学レンズとを有する実施態様をもって実行され得る。ただし、他の実施態様もまた本発明者の企図内である。たとえば、構造化された放射光の複数のローブを、2次光学レンズに頼らずに得ることができる。図9Cに示す実施態様では、たとえば、構造化された光の2つのローブ920aおよび920bは、それぞれの第1のLED930aおよび第2のLED930bによって放射され得る。光センサー912aおよび912bは、物体による構造化された放射光の散乱から生じる光を受光し、プロセッサ(図示せず)に、受信光の特性(たとえば、振幅または強度)を表す信号を出力するように構成され得る。
いくつかの実施態様では、単一の発光源および2次光学レンズがあるかどうか、または(2次光学レンズ有りで、もしくは無しで)2つ以上の発光源があるかにかかわらず、光センサーの信号対雑音比は、様々な技術を使用して向上し得る。たとえば、図9Dを参照すると、構成903は、(i)ローブ920aから散乱した光が光センサー912bに達すること、および(ii)ローブ920bから散乱した光が光センサー912aに達することを低減するように位置する、不透明なスクリーン(または「ベゼル」)940を含み得る。いくつかの実施態様では、ベゼル940の代わりに、またはベゼル940に加えて、異なるローブに関連付けられた構造化された光は、異なる色であり得、各ローブは、対応するローブの色により反応するように構成された対応するセンサーを有し得る。たとえば、ローブ920aは、赤色LED(図示せず)によって放射された光から生じ得るが、ローブ920bは、緑色LED(図示せず)によって放射された光から生じ得る。代りに、単一のLEDによって放射された波長の第1の範囲の光をローブ920aに、かつ、そのLEDによって放射された波長の第2の範囲の光をローブ920bに構造化するために、格子がそのLEDの上に構成されてもよい。いずれの実施態様でも、光センサー912aは、たとえば、ローブ920aに関連付けられた色の光に比較的より反応するように、かつ、ローブ920bに関連付けられた色の光に比較的より反応しないように構成され得る。同様に、センサー912bは、ローブ920bに関連付けられた色の光に比較的より反応するように、かつ、ローブ920aに関連付けられた色の光に比較的より反応しないように構成され得る。
図13Aおよび図13Bは、複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図の例を示す。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはディスプレイデバイス40の軽微な変形も、テレビジョン、タブレット、電子リーダー、携帯機器およびポータブルメディアプレーヤなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得るが、それらには限定されない。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、絵柄、もしくはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明する干渉変調器ディスプレイを含むことができる。
ディスプレイデバイス40の構成要素は図12Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(たとえば、信号をフィルタ処理する)ように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカー45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28に、およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は次にディスプレイアレイ30に結合される。いくつかの実施態様では、電源50が、特定のディスプレイデバイス40の設計において実質的にすべての構成要素に電力を与えることができる。
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実施態様では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、g、nを含むIEEE802.11規格、およびそれらのさらなる実施態様に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実施態様では、アンテナ43は、BLUETOOTH(登録商標)規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3Gまたは4G技術を利用するシステムなどの無線ネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、GSM(登録商標)/General Packet Radio Service(GPRS)、Enhanced Data GSM(登録商標) Environment(EDGE)、Terrestrial Trunked Radio(TETRA)、広帯域CDMA(W-CDMA)、Evolution Data Optimized(EV-DO)、1xEV-DO、EV-DO Rev A、EV-DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+)、Long Term Evolution(LTE)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、その信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、その信号を処理することができる。
いくつかの実施態様では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、いくつかの実施態様では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理されるフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、通常、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和およびグレースケールレベルを含むことができる。
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタに類似のフォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実施され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのピクセルのx-y行列からもたらされる、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も適用される。
いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(IMODコントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(IMODディスプレイドライバなど)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(IMODのアレイを含むディスプレイなど)であり得る。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29はアレイドライバ22と一体化され得る。そのような実施態様は、高集積システム、たとえば、携帯電話機、携帯電子機器、腕時計または小面積ディスプレイにおいて、有用であることがある。
いくつかの実施態様では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように、構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチスクリーン(touch-sensitive screen)、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実施態様では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を介した音声コマンドが使用され得る。
電源50は様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。充電式バッテリーを使用する実施態様では、充電式バッテリーは、たとえば、壁コンセントあるいは光起電性デバイスまたはアレイからもたらされる電力を使用して充電可能であり得る。代りに、充電式バッテリーはワイヤレス充電可能であり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
いくつかの実施態様では、制御プログラマビリティ(control programmability)がドライバコントローラ29中に存在し、これは電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得る。いくつかの他の実施態様では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実施され得る。
本明細書で開示する実施態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実施され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実施されるか、ソフトウェアで実施されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実施するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実施または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組合せなどのコンピューティングデバイスの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実施され得る。いくつかの実施態様では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示する構造を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、およびそれらの上記構造の構造的等価物において、またはそれらの任意の組合せにおいて実施され得る。また、本明細書で説明した発明特定事項は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実施され得る。
ソフトウェアで実施する場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶するか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。本明細書で開示された方法またはアルゴリズムのステップは、コンピュータ可読媒体上に存在し得る、プロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実施され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所にコンピュータプログラムを転送することを可能にされ得る任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含み得る。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれ得る。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(登録商標)(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標) (disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(登録商標) (disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれ得る。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体上のコードおよび命令の、1つまたは任意の組合せまたはセットとして存在し得る。
本開示で説明した実施態様への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実施態様に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに整合する、最も広い範囲を与えられるべきである。「例示的」という用語は、本明細書ではもっぱら「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書で説明するいかなる実施態様も、必ずしも他の可能性または実施態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきであるとは限らない。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、実施されたIMODの適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に理解されよう。
また、別個の実施態様に関して本明細書で説明したいくつかの特徴は、単一の実施態様において組合せで実施され得る。また、逆に、単一の実施態様に関して説明した様々な特徴は、複数の実施態様において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実施され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで作動するものとして上記で説明され、初めにそのように特許請求されることさえあるが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除されてもよいし、特許請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象としてもよい。
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序でまたは順番に実行される必要がないことを、あるいはすべての図示の動作が実行される必要があるとは限らないことを、当業者は容易に認識されよう。さらに、図面は、流れ図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明したプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実施態様が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、それでも望ましい結果を達成することができる。