JP6191998B2 - ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体に関する。さらに詳しくは、耐衝撃性、耐熱性及び色調が良好であり、かつ難燃性、流動性及び環境性能に優れるポリカーボネート樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体に関する。
近年、環境保護の観点からバイオマス材料が注目されており、代表的なバイオマス材料としてポリ乳酸が挙げられる。しかし、バイオマス材料は、一般的に石油系の汎用プラスチックに比べて機械的強度が低く、また耐熱性も劣るため、その用途は非常に狭い範囲に制限され、例えば、ポリ乳酸に芳香族ポリカーボネート樹脂等の石油系ポリマーを配合したポリマーアロイとして使用しても、機能を付与することは困難であった。
一方、先に本発明者らは、バイオマス材料として、木質系リグニンから誘導されるリグノフェノールに注目し、ポリカーボネート樹脂又はポリ乳酸を配合したポリカーボネート樹脂に、特定構造を有するリグノフェノール類を配合することにより、環境性能に優れるとともに、高い流動性及び高い耐衝撃性を有し、難燃性及び耐熱性に優れるポリカーボネート樹脂組成物を見出している(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−150424号公報
特許文献1に記載の組成物では耐熱性が充分とは言えず、高温で加工すると褐色に着色してしまうことがあり、さらに耐衝撃性にも更なる改良の余地があった。
そこで、本発明の課題は、耐衝撃性、耐熱性及び色調が良好であり、かつ難燃性、流動性及び環境性能に優れるポリカーボネート樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、耐衝撃性及び難燃性が優れることが知られているポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(以下、「PC−POS」と略称することがある。該共重合体については、特許第2662310号明細書参照。)のうち、ある特定のPC−POSを特許文献1の組成物に用いると、耐衝撃性及び難燃性が改善するのみならず、流動性が一層高まり、さらに色調が改善され、特に難燃性についてはPC−POSとリグノフェノール類とによる相乗効果が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[5]に関する。
[1](A)主鎖が一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される構成単位(但し、n=15〜200)を有するポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含有するポリカーボネート樹脂99〜50質量%、及び
(B)下記一般式(1)で表される部分構造を有するリグノフェノール類1〜50質量%からなる樹脂混合物であって、一般式(II)で表される構成単位の含有量が、(A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物において0.2〜4質量%である樹脂混合物を含有するポリカーボネート樹脂組成物。
〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。
3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、単結合又は脂肪族基もしくは芳香族基を含む有機残基を示す。nは、平均繰り返し数である。〕
〔式中、R11及びR14は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキル基又はフェノキシ基を示し、R12は、ヒドロキシアリール基又はアルキル置換ヒドロキシアリール基を示し、R13は、ヒドロキシアルキル基、アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基又は−OR15(R15は水素原子、アルキル基又はアリール基を示す)を示し、水素原子以外のR11〜R15はそれぞれ置換基を有していてもよい。p及びqは、0〜4の整数を示す。但し、pが2以上である場合、複数のR1はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、また、qが2以上である場合、複数のR4はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。〕
[2](A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物100質量部に対して、(C)リン系化合物を0.1〜50質量部含有する、上記[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[3]前記(C)成分がリン酸エステルである、上記[2]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[4](A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物100質量部に対して、(D)ポリフルオロオレフィン樹脂を0.01〜1質量部含有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明によれば、耐衝撃性、耐熱性及び色調が良好であり、かつ難燃性、流動性及び環境性能に優れるポリカーボネート樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体を提供することができる。
特に、PC−POSの使用によって、耐衝撃性及び難燃性のみならず、流動性が一層高まった。また、PC−POSとリグノフェノール類との併用の結果、難燃性改善において相乗効果が得られた。
さらにリン系化合物、特にリン酸エステルを含有させると難燃性のみならず、色調も改善された。また、ポリフルオロオレフィン樹脂を含有させると、難燃性の改善効果が大きいばかりでなく、耐衝撃性と色調までもが改善された。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、下記特定の(A)成分99〜50質量%、及び下記特定の(B)成分1〜50質量%からなる樹脂混合物を含有するポリカーボネート樹脂組成物である。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂組成物が含有する成分について詳細に説明する。
[(A)ポリカーボネート樹脂]
(A)成分のポリカーボネート樹脂は、主鎖が一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される構成単位(但し、n=15〜200)を有するポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(PC−POS)を含有するポリカーボネート樹脂であって、一般式(II)で表される構成単位の含有量が、(A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物において0.2〜4質量%となるように調整する必要がある。当該調整方法については後述する。
〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。
3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、単結合又は脂肪族基もしくは芳香族基を含む有機残基を示す。nは、平均繰り返し数である。〕
一般式(I)中、R1及びR2がそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
1及びR2がそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基(「各種」とは、直鎖状及びあらゆる分岐鎖状のものを含むことを示し、以下、同様である。)、各種ペンチル基、各種ヘキシル基が挙げられる。R1及びR2がそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。
Xが表すアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。Xが表すアルキリデン基としては、エチリデン基、イソプロピリデン基等が挙げられる。Xが表すシクロアルキレン基としては、シクロペンタンジイル基やシクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキレン基が好ましい。Xが表すシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロヘキシリデン基、3,5,5−トリメチルシクロヘキシリデン基、2−アダマンチリデン基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基が好ましく、炭素数5〜8のシクロアルキリデン基がより好ましい。
a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
一般式(II)中、R3〜R6がそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R3〜R6がそれぞれ独立して示すアルキル基、アルコキシ基としては、R1及びR2の場合と同じものが挙げられる。R3〜R6がそれぞれ独立して示すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
なお、R3〜R6としては、いずれもメチル基であることが好ましい。
Yが示す脂肪族基を含む有機残基としては、例えば、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキレン基等が挙げられる。また、Yが示す芳香族基を含む有機残基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニルジイル基等の環形成炭素数6〜12のアリーレン基等が挙げられる。
PC−POSにおいて、上記一般式(II)で表される構成単位における平均繰り返し数(特に、R3及びR4がメチル基の場合に、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数と称することがある。)nは、15〜200である。nが15未満であると、耐衝撃性、耐熱性及び色調等の全てを充分なものとすることができず、200を超えると、優れた難燃性が得られない。同様の観点から、該nは、好ましくは20〜170、より好ましくは30〜150である。
PC−POSの粘度平均分子量(Mv)は、好ましくは16,000〜30,000であり、より好ましくは16,000〜25,000であり、さらに好ましくは17,000〜23,000、特に好ましくは17,000〜20,000である。PC−POSの粘度平均分子量がこの範囲であれば、成形品の耐衝撃性が十分となり、共重合体の粘度が大きくなり過ぎずに製造時の生産性が安定的になり、薄肉の成形も容易となる。
本発明では、(A)成分のポリカーボネート樹脂は、上記特定のPC−POSを含有する。該PC−POSの含有量は、前記の通り、(A)成分及び後述する(B)成分からなる樹脂混合物において、一般式(II)で表される構成単位が0.2〜4質量%となるように調整する必要がある。0.2質量%未満であると、耐衝撃性及び色調が悪化し、4質量%を超えると、耐熱性が低下する。この観点から、該PC−POSの含有量は、(A)成分及び後述する(B)成分からなる樹脂混合物において、一般式(II)で表される構成単位が、好ましくは0.2〜3質量%、より好ましくは0.6〜3質量%、さらに好ましくは0.6〜2質量%となるように調整する。当該調整方法に特に制限は無いが、例えば、一般式(II)で表される構成単位が4質量%を超える(但し、必ずしも4質量%を超えている必要はない。)PC−POSを用い、PC−POS以外の(A)成分や(B)成分と混合することによって、(A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物において、一般式(II)で表される構成単位が0.2〜4質量%となるように調整することができる。
上記特定のPC−POSは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
PC−POSの製造方法に特に制限はなく、公知の方法、例えば、特開2010−241943号公報等に記載の方法によって容易に製造することができる。具体的には、予め製造された芳香族ポリカーボネートオリゴマーと、末端に反応性基を有するポリオルガノシロキサンとを、非水溶性有機溶媒(塩化メチレン等)に溶解させ、二価フェノール系化合物(ビスフェノールA等)のアルカリ性化合物水溶液(水酸化ナトリウム水溶液等)を加え、重合触媒として第三級アミン(トリエチルアミン等)や第四級アンモニウム塩(トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等)を用い、末端停止剤(p−t−ブチルフェノール等の1価フェノール)の存在下、界面重縮合反応させることにより製造できる。
上記界面重縮合反応後、適宜静置して水相と非水溶性有機溶媒相とに分離し[分離工程]、非水溶性有機溶媒相を洗浄(好ましくは塩基性水溶液、酸性水溶液、水の順に洗浄)し[洗浄工程]、得られた有機相を濃縮[濃縮工程]、粉砕[粉砕工程]及び乾燥する[乾燥工程]ことによって、PC−POSを得ることができる。
ここで、(A)成分において、上記特定のPC−POS以外の成分は、後述する通常のポリカーボネート樹脂であり、芳香族二価フェノール系化合物が用いられて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよいし、脂肪族二価フェノール系化合物が用いられて得られる脂肪族ポリカーボネート樹脂であってもよいし、芳香族二価フェノール系化合物と脂肪族二価フェノール系化合物とを併用して得られる芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂であってもよい。これらの中でも、上記特定のPC−POS以外の成分としては、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。該ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、物性面の観点から、好ましくは10,000〜40,000、より好ましくは13,000〜30,000である。
上記芳香族ポリカーボネート樹脂は、前記一般式(II)で表される構成単位を有していないものであり、かつ主鎖が下記一般式(III)で表される繰り返し単位からなるものであることが好ましい。このような芳香族ポリカーボネート樹脂としては、特に制限はなく種々の公知の芳香族ポリカーボネート樹脂を使用できる。
[式中、R7及びR8は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。X’は単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。c及びdは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
7及びR8の具体例としては、前記R1及びR2と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。X’の具体例としては、前記Xと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。c及びdは、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
上記芳香族ポリカーボネート樹脂は、具体的には、反応に不活性な有機溶媒、アルカリ水溶液の存在下、芳香族二価フェノール系化合物及びホスゲンと反応させた後、第三級アミンもしくは第四級アンモニウム塩等の重合触媒を添加して重合させる界面重合法や、芳香族二価フェノール系化合物をピリジン又はピリジンと不活性溶媒の混合溶液に溶解し、ホスゲンを導入し直接製造するピリジン法等従来の芳香族ポリカーボネートの製造法により得られるものを使用できる。
上記の反応に際し、必要に応じて、分子量調節剤(末端停止剤)、分岐化剤等が使用される。
なお、上記芳香族二価フェノール系化合物としては、下記一般式(III')で表されるものが挙げられる。
[式中、R7、R8及びX’は前記定義の通りであり、好ましいものも同じである。]
該芳香族二価フェノール系化合物の具体例としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカリ系、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
これらの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系2価フェノールが好ましく、ビスフェノールAがより好ましい。
分子量調節剤(末端停止剤)としては、1価フェノールであれば特に制限は無く、例えば、フェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、m−t−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、o−n−ペンチルフェノール、m−n−ペンチルフェノール、p−n−ペンチルフェノール、o−n−ヘキシルフェノール、m−n−ヘキシルフェノール、p−n−ヘキシルフェノール、p−t−オクチルフェノール、o−シクロヘキシルフェノール、m−シクロヘキシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−n−ノニルフェノール、m−ノニルフェノール、p−n−ノニルフェノール、o−クミルフェノール、m−クミルフェノール、p−クミルフェノール、o−ナフチルフェノール、m−ナフチルフェノール、p−ナフチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジクミルフェノール、3,5−ジクミルフェノール、p−クレゾール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、平均炭素数12〜35の直鎖状又は分岐状のアルキル基をオルト位、メタ位又はパラ位に有するモノアルキルフェノール、9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−(4−メトキシフェニル)フルオレン、9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4−(1−アダマンチル)フェノール等が挙げられる。これらの中でも、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−フェニルフェノールが好ましく、p−t−ブチルフェノールがより好ましい。
分子量調節剤は、2種以上を併用してもよい。
また、分岐化剤としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、α,α',α''−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α',α'−ビス(4''−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フロログリシン、トリメリト酸、イサチンビス(o−クレゾール)等の官能基を3つ以上有する化合物を用いることができる。
上記芳香族ポリカーボネート樹脂は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、脂肪族ポリカーボネート樹脂は、前記芳香族二価フェノール系化合物の代わりに脂肪族二価フェノール系化合物を用いることによって製造できる。脂肪族二価フェノール系化合物としては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等が挙げられる。
なお、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂は、前述の通り、芳香族二価フェノール系化合物と脂肪族二価フェノール系化合物を併用することによって製造できる。
[(B)リグノフェノール類]
本発明では、(B)成分として、下記一般式(1)で表される部分構造を有するリグノフェノール類を用いる。(B)成分によって、ポリカーボネート樹脂組成物に高い難燃性及び流動性が付与される。
詳しくは後述するが、該リグノフェノール類は、原料となるリグノセルロースをフェノール等のフェノール類を用いてフェノール置換体とした後に、酸で加水分解することにより抽出することができる。すなわち、本発明において、「リグノフェノール類」は、リグノセルロースをフェノールで置換して抽出した置換体であるリグノフェノール、さらにリグノセルロースをフェノール以外のフェノール類で置換して抽出した置換体であるリグノフェノール誘導体を含む。
〔式中、R11及びR14は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキル基又はフェノキシ基を示し、R12は、ヒドロキシアリール基又はアルキル置換ヒドロキシアリール基を示し、R13は、ヒドロキシアルキル基、アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基又は−OR15(R15は水素原子、アルキル基又はアリール基を示す)を示し、水素原子以外のR11〜R15はそれぞれ置換基を有していてもよい。p及びqは、0〜4の整数を示す。但し、pが2以上である場合、複数のR1はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、また、qが2以上である場合、複数のR4はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。〕
11及びR14が示すアルキル基は、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。アリール基は、好ましくは炭素数6〜10のアリール基であり、具体的にはフェニル基等が挙げられる。アルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。アラルキル基は、好ましくは炭素数12〜20のアラルキル基であり、具体的にはベンジル基等が挙げられる。
12が示すヒドロキシアリール基は、好ましくは炭素数6〜14のヒドロキシアリール基であり、具体的には2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基等が挙げられる。アルキル置換ヒドロキシアリール基は、好ましくは炭素数7〜18のヒドロキシアリール基であり、具体的には2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル基、3−ヒドロキシ−5−メチルフェニル基、4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル基等が挙げられる。
また、R13が示すヒドロキシアルキル基は、好ましくは炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基であり、具体的にはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。アルキル基は、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。アリール基は、好ましくは炭素数6〜10のアリール基であり、具体的にはフェニル基等が挙げられる。アルキル置換アリール基は、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基で置換されたアリール基であり、具体的にはトルイル基、キシリル基等が挙げられる。
−OR15中のR15が示すアルキル基は、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。−OR15中のR15が示すアリール基は、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。−OR15としては、例えば、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。
水素原子以外のR11〜R15は、それぞれさらに置換基を有していてもよい。
p及びqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1、さらに好ましくは1である。なお、pが2以上である場合、複数のR11はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、また、qが2以上である場合、複数のR14はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
本発明において上記一般式(1)で表される構造は、天然由来の構造が好ましい。
天然由来構造の場合、上記一般式(1)中のR11及びR14は樹種によって決まり、R11及びR14で示される置換基はメトキシ基であって、p及びqがそれぞれ1又は2の構造、あるいはR11及びR14で示される置換基の一方又は両方を有さない構造が存在する。
例えば、一般に針葉樹はメトキシ基が1つの3−置換体であり、広葉樹・草本類はメトキシ基が1つの3−置換体と、メトキシ基が2つの3,5−置換体とが1:1で存在する。また、いずれの樹種も幼樹の場合、メトキシ基である上記置換基を一部有さない構造が含まれることがある。
13は、天然由来構造においてヒドロキシメチル基である。
12は、原料となるリグノセルロースがフェノール類で置換された基を示しており、ヒドロキシアリール基(好ましくは炭素数6〜14のヒドロキシアリール基であり、具体的には2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基等)又はアルキル置換ヒドロキシアリール基(好ましくは炭素数7〜18のヒドロキシアリール基であり、具体的には2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル基、3−ヒドロキシ−5−メチルフェニル基、4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル基等)を示す。
本発明において、R12の構造を制御することにより、(B)成分としてのバリエーションを増やすことができる。
上記一般式(1)で示されるリグノフェノール類の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で1,000〜200,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜100,000である。そして、上記一般式(1)で示されるリグノフェノール類の両末端基はフェノール性水酸基であることが望ましい。
また、本発明において上記一般式(1)で表される具体的な構造としては、例えば下記式(2)で表すリグノクレゾール構造が挙げられる。
リグノフェノール類とは、材木や紙(例えば新聞紙)等に含まれるリグニンから誘導される化合物であり、リグニンは、例えば木の細胞骨格を形成する炭水化物の隙間に充填されている、細胞間の接着物質として働くものである。リグニンの構造は非常に複雑であり、そのまま使用することは困難であるため、リグノフェノール類に変換して用いることが有用である。
(リグノフェノール類の製造方法)
リグノフェノール類は、リグニンとセルロースが絡み合ったリグノセルロースに、フェノール類を添加してフェノール置換体とした後、濃酸との界面反応でフェノール化して、リグノフェノール類と炭水化物とに分離することにより得ることができる。
リグノセルロースとしては、木質化した材料、主として木材である各種材料、例えば、木粉、チップ、廃材及び端材等、並びに新聞紙及びボール紙等を挙げることができる。また用いる木材としては、針葉樹や広葉樹等任意の種類のものを使用するこができる。さらに、各種草本植物、それに関連する試料、例えば、農産廃棄物等も使用できる。
これらの材料を用いてリグノフェノール類を分離する際、分離過程において加熱及び加圧しないで得られたものが好ましく用いられる。
フェノール類としては、1価のフェノール誘導体、2価のフェノール誘導体又は3価のフェノール誘導体等を用いることができる。1価のフェノール誘導体の具体例としては、フェノール、ナフトール、アントロール、アントロキノンオール等が挙げられ、それぞれ1以上の置換基を有していてもよい。2価のフェノール誘導体の具体例としては、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等が挙げられ、それぞれ1以上の置換基を有していてもよい。3価のフェノール誘導体の具体例としては、ピロガロール等が挙げられ、1以上の置換基を有していてもよい。
上記フェノール誘導体が有していてもよい置換基の種類は特に限定されず、任意の置換基を有していてもよいが、好ましくは電子吸引性の基(ハロゲン原子等)以外の基であり、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、及びアリール基(フェニル基等)等が挙げられる。また、フェノール誘導体上のフェノール性水酸基の2つあるオルト位のうちの少なくとも片方は無置換であることが好ましい。フェノール誘導体の特に好ましい例は、クレゾール、特にm−クレゾール又はp−クレゾールである。
酸としては、セルロースに対する膨潤性を有する酸が好ましい。酸の具体例としては、例えば濃度65質量%以上の硫酸(例えば、72質量%の硫酸)、85質量%以上のリン酸、38質量%以上の塩酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、及びギ酸等を挙げることができる。
上記のようにして得られたリグノフェノール類の抽出分離方法としては、例えば、次の2種類の方法が挙げられる。
第1の方法は、特許第2895087号明細書に記載されている方法である。具体的には、木粉等のリグノセルロースに液状のフェノール誘導体を浸透させることによりリグニンをフェノール誘導体に溶媒和させ、次に濃酸を添加してリグノセルロースを溶解させる。このとき、リグニン基本構成単位の側鎖α位のカチオンが、フェノール誘導体により攻撃され、ベンジル位にフェノール誘導体が導入されたリグノフェノール類がフェノール誘導体相に生成される。そして、フェノール誘導体相からリグノフェノール類を抽出する方法である。
フェノール誘導体相からのリグノフェノール類の抽出は、フェノール誘導体相を、大過剰のエチルエーテルに加えて得た沈殿物を集めて、アセトンに溶解する。アセトン不溶部を遠心分離により除去し、アセトン可溶部を濃縮する。このアセトン可溶部を、大過剰のエチルエーテルに滴下し、沈殿区分を集める。この沈殿区分から溶媒を留去した後、乾燥処理し、乾燥物としてリグノフェノール類を得る。なお、粗リグノフェノール類は、フェノール誘導体相を単に減圧蒸留により除去することで得られる。また、アセトン可溶部を、そのままリグノフェノール類溶液として、誘導体化処理(アルカリ処理)に用いることもできる。
第2の方法は、特開2001−64494号公報に記載されている方法である。具体的には、リグノセルロースに、固体状あるいは液体状のフェノール誘導体を溶解した溶媒を浸透させた後、溶媒を留去する(フェノール誘導体の収着工程)。次に、このリグノセルロースに濃酸を添加してセルロース成分を溶解させ、第1の方法と同様にリグノフェノール類がフェノール誘導体相に生成され、リグノフェノール類を抽出する方法である。
リグノフェノール類の抽出は、第1の方法と同様にして行うことができる。あるいは、他の抽出方法として、濃酸処理後の全反応液を過剰の水中に投入し、不溶区分を遠心分離にて集め、脱酸後、乾燥する。この乾燥物にアセトンあるいはアルコールを加えてリグノフェノール類を抽出する。さらに、この可溶区分を第1の方法と同様に、過剰のエチルエーテル等に滴下して、リグノフェノール類を不溶区分として得る方法である。
これら第1又は第2の2種類の方法においては、第2の方法が、中でも特に後者の抽出方法、すなわち、リグノフェノール類をアセトンあるいはアルコールにて抽出分離する方法が、フェノール誘導体の使用量が少なくてすむため経済的である。また、この方法が、少量のフェノール誘導体で、多くのリグノセルロースを処理できるため、リグノフェノール類の大量合成に適している。
上記方法で得られたリグノフェノール類は、一般的には以下のような特徴を有する。ただし、本発明で用いるリグノフェノール類の特徴は以下のものに限定されることはない。
(1)重量平均分子量は約1,000〜200,000程度である。
(2)分子内に共役系をほとんど有さず、その色調は極めて淡色である。
(3)針葉樹由来のもので約170℃、広葉樹由来のもので約130℃に融点を有する。
(4)側鎖α位へのフェノール誘導体の選択的グラフティングの結果、フェノール性水酸基量が非常に多く、高いフェノール特性が付与されたリグニン誘導体である。
(5)リグニン構成単位の芳香核と側鎖α位にグラフティングされたフェノール誘導体の芳香核とでジフェニルメタン型構造を形成し、自己縮合は抑制されている。
(6)メタノール、エタノール、アセトン、ジオキサン、ピリジン、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)等の各種溶媒に容易に溶解する。
また、本発明において、上記方法で得られたリグノフェノール類は、さらにアルカリ処理することにより誘導体化してから、後述するアシル化反応を施し、アシル化リグノフェノール類として用いることもできる。
天然リグニンより相分離プロセスにより得られたリグノフェノール類は、その活性炭素のα位がフェノール誘導体でブロックされているので、総体として安定である。しかし、アルカリ性条件下ではそのフェノール性水酸基は容易に解離し、生じたフェノキシドイオンは立体的に可能な場合には隣接炭素のβ位を攻撃する。これによりβ位のアリールエーテル結合は開裂し、リグノフェノール類は低分子化され、さらに導入フェノール核にあったフェノール性水酸基がリグニン母体へと移動する。したがって、アルカリ処理されたリグノフェノール類はアルカリ処理する前のリグノフェノール類よりも疎水性が向上することが期待される。
このときγ位の炭素に存在するアルコキシドイオンあるいはリグニン芳香核のカルバニオンがβ位を攻撃することも期待されるが、これはフェノキシドイオンに比べはるかに高いエネルギーを必要とする。したがって、緩和なアルカリ性条件下では導入フェノール核のフェノール性水酸基の隣接基効果が優先的に発現し、より厳しい条件下ではさらなる反応が起こり、いったんエーテル化されたクレゾール核のフェノール性水酸基が再生し、これによりリグノフェノール類はさらに低分子化されるとともに水酸基が増えることにより親水性が上がることが期待される。
さらに、上記のとおり、アルカリ処理によりリグノフェノール類の水酸基が増えることで、後述するアシル化反応によって、リグノフェノール類中にアシル基をより多く導入することができる。
(アシル化)
上記方法により得られるリグノフェノール類及びアルカリ処理したリグノフェノール類は、側鎖α位へ導入したフェノール誘導体にフェノール性水酸基を有しており、さらにアルコール性水酸基を有し得る。本発明では、上記フェノール性水酸基の水素原子、さらに場合によってアルコール性水酸基の水素原子を、疎水性のアシル基で置換したアシル化リグノフェノール類を用いてもよい。つまり、本発明で言う(B)成分のリグノフェノール類は、アシル化リグノフェノール類をも含む。
リグノフェノール類及びアルカリ処理したリグノフェノール類のアシル化は、カルボン酸、無水カルボン酸、混合無水カルボン酸等のアシル化剤を反応させればよく、アシル化反応の際、塩基を用いてもよい。アシル化剤の使用量は、リグノフェノール類及びアルカリ処理したリグノフェノール類の水酸基価に対し、目的とするアシル化率に応じて決定すればよい。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基等が挙げられ、好ましくはアセチル基である。
本発明において、上記アシル化反応により得られるアシル化リグノフェノール類のアシル化率に特に制限は無いが、好ましくは25%以上である。アシル化率が25%以上であれば、ポリカーボネート樹脂組成物の成形時における着色低減効果を十分に発揮させることができる。
さらに、アシル化リグノフェノール類のアシル化率は、アルカリ処理を行ったリグノフェノール類であれば、より好ましくは40%以上であり、また、アルカリ処理を行わないリグノフェノール類であれば、より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。
上記アシル化率は、アシル化リグノフェノール類をフーリエ変換赤外分光法〔FT−IR(KBr法)〕により測定し算出した値である。
より具体的な分析法としては、アシル化する水酸基に相当する赤外吸収スペクトル(3400cm-1付近)のピーク高さ(吸光度)が、アシル化反応前に対して5%以下であるアシル化リグノフェノール類をアシル化率100%とし、該アシル化率100%リグノフェノール類のエステル部分構造に相当する赤外吸収スペクトル(1750cm-1付近)のピーク高さを基準とする。そして、アシル化率を分析するアシル化リグノフェノール類を、基準とするアシル化率100%リグノフェノール類と同濃度で測定し、基準と同じエステル部分構造に相当する赤外吸収スペクトルの高さから、以下の式より算出した値をアシル化率とする。
アシル化率(%)=[(分析するアシル化リグノフェノール類のエステル部分構造に相当するピーク高さ)/(基準のピーク高さ)]×100
なお、アシル化前のリグノフェノール類及びアルカリ処理リグノフェノール類はいずれも、1750cm-1付近の吸光度はゼロである。
((A)成分と(B)成分の含有比率)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(A)成分99〜50質量%及び(B)成分1〜50質量%からなる樹脂混合物を含有する。(B)成分の上記含有割合が、1質量%未満では流動性及び難燃性向上の効果が得られず、一方、50質量%を超えると成形不能となる。この観点から、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、好ましくは(A)成分98〜60質量%及び(B)成分2〜40質量%からなる樹脂混合物、より好ましくは(A)成分95〜70質量%及び(B)成分5〜30質量%からなる樹脂混合物を含有する。
[(C)リン系化合物]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、さらに(C)成分としてリン系化合物を含有させてもよい。該リン系化合物を含有させることにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性、難燃性及び色調をさらに改善させることができる。特に、難燃性については、(B)成分との組み合わせによって相乗効果が得られるため好ましい。
リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィン等が挙げられる。なかでも、リン酸エステル、亜リン酸エステルが好ましく、難燃性及び色調の観点からは、リン酸エステルがより好ましい。
リン酸エステルとしては、例えば、下記一般式(3)
(ここで、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子又は有機基を表す。Xは、二価以上の有機基を表す。pは、0又は1であり、qは、1以上の整数であり、rは、0以上の整数を表す。)
で示されるものが好ましい。
一般式(3)において、R21〜R24が表す有機基としては、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は無置換の環形成炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は無置換の環形成炭素数6〜20のアリール基等が挙げられる。なかでも、置換又は無置換の環形成炭素数6〜20のアリール基が好ましい。
21〜R24が表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、各種プロピル基(各種とは、直鎖状及び分岐鎖状のあらゆる基が含まれることを示し、以下同様である。)、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基等が挙げられる。該アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、各種プロポキシ基、各種ブトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等の環形成炭素数6〜12のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ基;フェニルチオ基、ナフチルチオ基等の炭素数6〜12のアリールチオ基;これらの置換基同士が結合した置換基やこれらの置換基を酸素原子、窒素原子、イオウ原子等を介して結合した基等も置換基として挙げられる。
21〜R24が表すシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等が挙げられる。該シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種オクチル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、各種プロポキシ基、各種ブトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等の環形成炭素数6〜12のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ基;フェニルチオ基、ナフチルチオ基等の炭素数6〜12のアリールチオ基;これらの置換基同士が結合した置換基やこれらの置換基を酸素原子、窒素原子、イオウ原子等を介して結合した基等も置換基として挙げられる。
また、R21〜R24が表すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等が挙げられる。なかでも、環形成炭素数6〜10のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。該アリール基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、各種プロポキシ基、各種ブトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ基;フェニルチオ基、ナフチルチオ基等の炭素数6〜12のアリールチオ基;これらの置換基同士が結合した置換基やこれらの置換基を酸素原子、窒素原子、イオウ原子等を介して結合した基等も置換基として挙げられる。
アリール基が有していてもよい置換基としては、上記のなかでも、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記一般式(3)において、二価以上の有機基Xとしては、二価の有機基が好ましく、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、置換又は無置換の炭素数6〜20のアリーレン基、多核フェノール類から誘導される二価の有機基等が挙げられる。なかでも、置換又は無置換の炭素数6〜20のアリーレン基、多核フェノール類から誘導される二価の有機基が好ましい。
アリーレン基としては、フェニレン基、ビフェニリレン基、ナフチレン基等が挙げられ、炭素数6〜12のアリーレン基が好ましく、ビフェニリレン基がより好ましい。該アリーレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
また、多核フェノール類から誘導される二価の有機基において、多核フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ジフェニルメタン等が挙げられる。該多核フェノール類としては、合計炭素数13〜30の多核フェノール類が好ましく、合計炭素数13〜24の多核フェノール類がより好ましく、合計炭素数13〜18の多核フェノール類がさらに好ましい。該有機基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
多核フェノール類から誘導される二価の有機基について、以下に具体例を示す。
リン酸エステルとしては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリブチルホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、レゾルシノール−ジフェニルホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等も具体的に好ましいものとして例示することができる。
リン酸エステルとしては、ハロゲン非含有リン酸エステルが好ましい。
好適に用いることができる市販のハロゲン非含有リン酸エステル化合物としては、例えば、大八化学工業株式会社製の、TPP〔トリフェニルホスフェート〕、TXP〔トリキシレニルホスフェート〕、PFR〔レゾルシノール(ジフェニルホスフェート)〕、PX200〔1,3−フェニレン−テスラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート〕、PX201〔1,4−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート〕、PX202〔4,4'−ビフェニリレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート〕、CR−741〔ビスフェノールA ビス(ジフェニルホスフェート)〕等が挙げられる。
また、亜リン酸エステルとしては、下記一般式(4)
(式中、R25及びR26は、それぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は無置換の環形成炭素数3〜10のシクロアルキル基又は置換又は無置換の環形成炭素数6〜20のアリール基を示す。)
で表わされるものが好ましい。
式(2)中、R25及びR26が表すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基としては、R21〜R24の場合と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。これらが有していてもよい置換基も、R21〜R24の場合と同じものが挙げられる。なお、該シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、いずれも、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、t−ブチル基がより好ましい。
一般式(4)で表される亜リン酸エステルとしては、下記式(5)〔アデカスタブPEP−36:旭電化工業(株)製〕や、下記式(6)〜(9)で表される亜リン酸エステルが好ましく挙げられる。
なかでも、式(5)で表される亜リン酸エステル〔アデカスタブPEP−36:旭電化工業(株)製〕が好ましい。
さらに、上記以外の亜リン酸エステルとしては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト等が挙げられる。亜リン酸エステルとしては、ペンタエリスリトール構造を含むものやアルキルエステル構造を含むものが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に(C)成分を含有させる場合、その含有量は、流動性、難燃性及び色調の観点から、(A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.5〜25質量部、より好ましくは1〜20質量部、さらに好ましくは2〜15質量部である。
[(D)ポリフルオロオレフィン樹脂]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、さらに(D)成分としてポリフルオロオレフィン樹脂を含有させてもよい。該ポリフルオロオレフィン樹脂を含有させることにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の難燃性を改善、さらには耐衝撃性及び色調をも改善させることができる。特に、難燃性については、(B)成分との組み合わせによって相乗効果が得られる。
ポリフルオロオレフィン樹脂とは、フルオロエチレン構造を含む重合体又は共重合体であり、例えば、ジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体等の単独重合体;テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素原子を含まないエチレン系モノマーとの共重合体等の共重合体が挙げられる。ポリフルオロオレフィン樹脂の中でも、好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
(D)成分の平均分子量は、500,000以上であることが好ましく、特に好ましくは500,000〜10,000,000である。
なお、ポリテトラフルオロエチレンのうち、フィブリル形成能を有するものを用いると、高い溶融滴下防止性を付与することができる。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格において、タイプ3に分類されるものが挙げられる。その具体例としては、例えば「テフロン(登録商標)6−J」(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)、「ポリフロン(登録商標)D−1」、「ポリフロン(登録商標)F−103」、「ポリフロン(登録商標)F201」(ダイキン工業株式会社製)、「CD076」(旭アイシーアイフロロポリマーズ株式会社製)等が挙げられる。
また、上記タイプ3に分類されるもの以外では、例えば「アルゴフロンF5」(モンテフルオス社製)、「ポリフロン(登録商標)MPA」、「ポリフロン(登録商標)FA−100」(ダイキン工業株式会社製)等が挙げられる。これらのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
上記のようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、例えば、テトラフルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下で、0.01〜1MPaの圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜100℃で重合させることによって得られる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に(D)成分を含有させる場合、その含有量は、耐衝撃性、難燃性及び色調の観点及び目的とする難燃性における溶融滴下防止性の観点から、(A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.05〜1質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部である。それぞれの成形品に要求される難燃性の程度、例えば、UL94のV−0、V−1、V−2等により、他の成分の使用量等を考慮して適宜(D)成分の含有量を決定することができる。
[その他の成分]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を著しく損なわない程度において、適宜、その他の成分を含有させることができる。
その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、ポリアミドポリエーテルブロック共重合体(永久帯電防止性能付与)、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の光安定剤(耐候剤)、抗菌剤、相溶化剤、着色剤(染料、顔料)等の添加剤が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂組成物に上記その他の成分を含有させる場合、その含有量に特に制限は無いが、(A)成分及び(B)成分からなる樹脂組成物100質量部に対して、通常、それぞれ、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
[混練・成形]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(A)成分及び(B)成分、さらには、必要に応じて(C)成分、(D)成分、前記その他の成分を所定量混練することにより得られる。混練方法としては、例えばリボンブレンダー、ドラムタンブラー等の通常用いられる機器で予備混合して、次いで、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いて混練する方法が好ましく挙げられる。なお、混練の際の加熱温度は、通常、200〜300℃の範囲で適宜選択される。
こうして得られる本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、実施例に記載の方法に従って測定したIZOD衝撃強度が12〜30kJ/m2程度であり、実施例に記載の方法に従って測定した熱変形温度が85〜110℃程度であり、実施例に記載の方法に従って測定したイエローインデックス(YI)が20〜65程度である。実施例に記載の方法に従って測定したメルトインデックス(MI)は、18〜40g/10分程度であり、実施例に記載の方法に従って測定した酸素指数(LOI)は、34〜40%程度である。
上記のようにして得られたポリカーボネート樹脂組成物のペレットを用い、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法、発泡成形法等を利用して成形することにより、成形体を製造することができる。
本発明の成形体としては、射出成形体(射出圧縮を含む)であることが好ましい。
本発明の成形体は、例えば、複写機、ファックス、テレビ、ラジオ、テープレコーダー、ビデオデッキ、パソコン、プリンター、電話機、情報端末機、冷蔵庫、電子レンジ等の、OA機器、家庭電化製品、電気・電子機器のハウジングや各種部品等に用いられる。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
各例で得られた樹脂組成物の性能試験は、次のとおりに行った。
(1)アイゾット衝撃強度(IZOD):耐衝撃性
厚さ1/8インチの試験片を用いて、ASTM規格D−256に準拠し、測定温度23℃にてIZOD衝撃強度を測定し、耐衝撃性に指標とした。
(2)熱変形温度(荷重たわみ温度):耐熱性
ASTM規格D−648に準拠し、荷重1.8MPaで熱変形温度を測定し、耐熱性の指標とした。
(3)イエローインデックス(YI):色調(着色性)
13ショット目以降の成形体を5枚作製し、日本電色工業株式会社製の分光測色計Σ90を用いて、測定面積30φ、C2光源の透過法で測定し、その平均値を求めた。値が大きいほど着色性が高く、色調が低下していることを示す。
(4)酸素指数(LOI):難燃性
ASTM規格D−2863に準拠して測定し、難燃性の指標とした。なお、酸素指数とは、試験片が燃焼を維持するのに必要な最低酸素濃度を空気中の容量%で示した値である。値が大きいほど、難燃性に優れることを示す。
(5)UL94燃焼試験:難燃性
厚み3mmの試験片を用いてアンダーライターズラボラトリー・サブジェクト94(UL94)燃焼試験に準拠して垂直燃焼試験を行った。
(6)メルトインデックス(MI):流動性
測定条件樹脂温260℃、荷重21.18Nにおいて、ASTM規格D−1238に準拠して測定し、流動性の指標とした。値が大きいほど流動性に優れることを示す。なお、流動性が高いと、成形温度を高めずに大型製品や薄肉製品を製造することが可能となる。
[製造例1]ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体1(PC−PDMS1)の製造
(1.オリゴマー合成工程)
5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に後から溶解するビスフェノールA(BPA)に対して2000ppmの亜二チオン酸ナトリウムを加え、これにBPA濃度が13.5質量%になるようにBPAを溶解し、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。このBPAの水酸化ナトリウム水溶液40L/hr、塩化メチレン15L/hrの流量で、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に通した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。管型反応器を出た反応液は後退翼を備えた内容積40Lのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここにさらにBPAの水酸化ナトリウム水溶液2.8リットル/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液0.07L/hr、水17L/hr、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64L/hr添加して反応を行なった。槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。このようにして得られたポリカーボネートオリゴマーは濃度329g/L、クロロホーメート基濃度0.74mol/Lであった。
(2.PC−PDMS1製造工程)
次いで、邪魔板、パドル型攪拌翼及び冷却用ジャケットを備えた50L槽型反応器に、上記で製造したポリカーボネートオリゴマー溶液15L、塩化メチレン9.0L、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数(n)が40であるアリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン(PDMS)1,266g及びトリエチルアミン8.8mL、を仕込み、攪拌下でここに6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液1,389gを加え、10分間ポリカーボネートオリゴマーとアリルフェノール末端変性PDMSの反応を行った。
この重合液に、p−t−ブチルフェノール(PTBP)の塩化メチレン溶液(PTBP126gを塩化メチレン2.0Lに溶解したもの)、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH577gと亜二チオン酸ナトリウム2.0gを水8.4Lに溶解した水溶液にBPA1,012gを溶解させたもの)を添加し50分間重合反応を実施した。
希釈のため塩化メチレン10Lを加え10分間攪拌した後、ポリカーボネートを含む有機相と過剰のBPA及びNaOHを含む水相に分離し、有機相を単離した。
こうして得られたポリカーボネートの塩化メチレン溶液を、その溶液に対して順次、15容積%の0.03mol/LNaOH水溶液、0.2モル/L塩酸で洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が0.01μS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。
洗浄により得られたポリカーボネートの塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下120℃で乾燥し、PC−PDMS1を得た。
得られたPC−PDMS1のNMR測定により求めたジメチルシロキサン単位の量は5質量%、粘度平均分子量(Mv)は19,000であった。
この共重合体100質量部に対して、「IRGAFOS168」[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製]0.05質量部を配合し、ベント付き40mmφの単軸押出機によって樹脂温度280℃で造粒しペレットを得た。
[製造例2]ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体2(PC−PDMS2)の製造
ジメチルシロキサン単位の繰返し数が40であるアリルフェノール末端変性PDMS1,266gの代わりに、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数(n)が100であるアリルフェノール末端変性PDMSを210g用いた以外は製造例1と同様に実施した。
得られたPC−PDMS2のジメチルシロキサン単位の量は3.5質量%、粘度平均分子量(Mv)は19,000であった。
[製造例3]ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体3(PC−PDMS3)の製造
ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数(n)が40であるアリルフェノール末端変性PDMS1,266gの代わりに、ジメチルシロキサン単位の繰返し数が150であるオイゲノール末端変性PDMSを1,010g用いた以外は製造例1と同様に実施した。
得られたPC−PDMS3のジメチルシロキサン単位の量は17質量%、粘度平均分子量(Mv)は19,000であった。
[製造例4]ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体4(PC−PDMS4)の製造
ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数(n)が40であるアリルフェノール末端変性PDMS1,266gの代わりに、ジメチルシロキサン単位の繰返し数が300であるアリルフェノール末端変性PDMSを141g用いた以外は製造例1と同様に実施した。
得られたPC−PDMS3のジメチルシロキサン単位の量は2.4質量%、粘度平均分子量(Mv)は18,900であった。
[製造例5]リグノフェノール類(リグノクレゾール)の製造
ブナの木粉をp−クレゾールを含むアセトン溶液に浸漬して、木粉にp−クレゾールを収着させた。収着後の木粉に72質量%の硫酸を添加し激しく攪拌した。攪拌停止後浄水を加え放置し、上澄みをデカンテーションする操作を6回繰り返して酸と過剰のp−クレゾールを取り除いた。容器内の沈殿物を乾燥し、これにアセトンを加え、前記式(2)の部分構造を有するリグノフェノール類(リグノクレゾール)を抽出した後、アセトンを留去することにより得た。
なお、詳細な手順は、特開2001−64494号公報の実施例1に従った。
[実施例1、2、4〜12、参考例1及び比較例1〜9]
表1に示す割合(単位:質量部)で各成分を配合し、押出機(機種名:VS40、田辺プラスチック機械株式会社製)に供給し、240℃で溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを、120℃で12時間乾燥させ後、射出成形機(型式:IS100N、東芝機械株式会社製)を用い、シリンダー温度260℃、金型温度80℃の条件で射出成形して試験片を得た。
得られた試験片を用いて上記方法に従って性能試験を行い、その結果を表1及び表2に示した。
(表1及び表2中の注釈の説明)
*1:製造例1で得たPC−PDMS1、(A)成分
*2:製造例2で得たPC−PDMS2、(A)成分
*3:製造例3で得たPC−PDMS3、(A)成分
*4:製造例4で得たPC−PDMS4
*5:芳香族ポリカーボネート樹脂「タフロンFN1900A」(出光興産株式会社製、粘度平均分子量=19,500、ビスフェノールAから製造されたホモポリカーボネート樹脂)、(A)成分
*6:製造例5で得たリグノフェノール類(リグノクレゾール)、(B)成分
*7:リン酸エステル「PX202」(大八化学工業株式会社製)、(C)成分
*8:リン酸エステル「CR741」(大八化学工業株式会社製)、(C)成分
*9:亜リン酸エステル「PEP36」(株式会社ADEKA製)、(C)成分
*10:フィブリル形成能を有するPTFE「CD076」(旭アイシーアイフロロポリマーズ株式会社製)、(D)成分
*11:(A)成分と(B)成分からなる樹脂混合物における、前記一般式(II)で表される構成単位中のジメチルシロキサン単位の含有量
*12:成形不能であったため、未測定
*13:UL94燃焼試験における規格に対して不合格
表1より、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、耐衝撃性、耐熱性及び色調が良好であり、かつ難燃性及び流動性にも優れていることがわかる。特に、(C)成分のリン系化合物を用いた実施例7及び9〜12では、LOIが高くなり難燃性が改善されると共に、色調も大幅に改善されている。当該効果は、(C)成分としてリン酸エステルを用いた場合に顕著であることがわかる(実施例7及び9〜11)。また、(D)成分のポリフルオロオレフィン樹脂を用いた実施例8〜10では、特に実施例2と実施例8とを比較すると分かりやすいが、UL94燃焼試験の結果でV−0評価となり、難燃性が大幅に改善されると共に、耐衝撃性及び色調の改善効果まで得られている。
一方、表2からは次のことが分かる。比較例1より、(B)成分であるリグノフェノール類を含有しないポリカーボネート樹脂組成物では、LOIが小さく難燃性が不十分である。比較例2より、(A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物中のジメチルシロキサン単位の含有量が0.2質量%未満であると、LOIが小さく難燃性が不十分となっている。そこで、比較例8及び9のように、リン系化合物を添加して難燃性の改善を図ったが、耐衝撃性が大幅に低下し、比較例9では耐熱性も不十分となった。比較例3及び4のように、(A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物中のジメチルシロキサン単位の含有量が4質量%を超えると、難燃性が不十分となった。比較例5及び6のように、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数nが200を超えると、難燃性が不十分となった。なお、比較例4及び6のように、(D)成分であるポリフルオロオレフィン樹脂によって難燃性等の改善を試みたが、UL94燃焼試験における規格に対して不合格となった。
また、比較例7のように、(B)成分の含有比率が大き過ぎると、成形不能となった。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、耐衝撃性、耐熱性及び色調が良好であり、かつ難燃性及び流動性にも優れ、さらに、環境にやさしいバイオマス原料であるリグノフェノール類を使用しているため環境性能に優れるものである。そのため、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、これらの特性を必要とする分野、例えば、電子・電気機器、情報・通信機器、家庭電化製品、OA機器や、自動車分野、建材分野等に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. (A)主鎖が一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される構成単位(但し、n=15〜200)を有するポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含有するポリカーボネート樹脂99〜50質量%、及び
    (B)下記一般式(1)で表される部分構造を有するリグノフェノール類1〜50質量%からなる樹脂混合物であって、一般式(II)で表される構成単位の含有量が、(A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物において0.6〜4質量%である樹脂混合物を含有するポリカーボネート樹脂組成物。

    〔式中、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。
    〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、単結合又は脂肪族基もしくは芳香族基を含む有機残基を示す。nは、平均繰り返し数である。〕

    〔式中、R11及びR14は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキル基又はフェノキシ基を示し、R12は、ヒドロキシアリール基又はアルキル置換ヒドロキシアリール基を示し、R13は、ヒドロキシアルキル基、アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基又は−OR15(R15は水素原子、アルキル基又はアリール基を示す)を示し、水素原子以外のR11〜R15はそれぞれ置換基を有していてもよい。p及びqは、0〜4の整数を示す。但し、pが2以上である場合、複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、また、qが2以上である場合、複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。〕
  2. (A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物100質量部に対して、(C)リン系化合物を0.1〜50質量部含有する、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 前記(C)成分がリン酸エステルである、請求項2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. (A)成分及び(B)成分からなる樹脂混合物100質量部に対して、(D)ポリフルオロオレフィン樹脂を0.01〜1質量部含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体。
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