JP6191635B2 - 触媒付パティキュレートフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの排気ガス通路に設けられ、排気ガス中のパティキュレートを捕集・燃焼除去するための触媒付パティキュレートフィルタに関するものである。
ディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジンの排気ガス中には炭素を主成分とするパティキュレート(微粒子状のパティキュレートマター)が含まれている。そこで、排気ガス通路にフィルタを配置してパティキュレートを捕集するとともに、その捕集量が多くなったときに、パティキュレートを燃焼させてフィルタから除去することにより、フィルタを再生することが行なわれている。そして、パティキュレートの燃焼を促進するためにフィルタ本体に触媒が担持されている。
このパティキュレート燃焼に寄与する触媒金属としてはPtが一般的であるが、PdやAgも効果的であることが知られている。例えば、特許文献1には、酸素放出能を有する複合酸化物にAgを担持した触媒材を含むパティキュレートフィルタが記されている。ここで、酸素放出能を有する複合酸化物は、ペロブスカイト型、スピネル型、ルチル型、デラフォサイト型、マグネトプランバイト型、フルオライト型、およびイルメナイト型から選択された1種または2種以上であるとされている。さらに前記複合酸化物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、遷移金属、貴金属の中から選択される2以上の元素の組み合わせからなり、原子の価数を変化させて酸素の吸収及び放出を行なうものであることが特定されている。
特開2007−296518号公報
しかし、上記特許文献1においては、酸素放出能を有する複合酸化物は耐熱性が高いため長期に亘って安定したパティキュレート燃焼が得られるとしているが、Agの耐久性について詳細な説明がなされていない。
例えば、軽油を燃料とするディーゼルエンジンの場合、軽油に含まれるS(硫黄)によって、Agは硫化銀となって失活しやすいこと、つまり硫黄被毒を受けやすいことが知られている。さらに、前記酸素放出能を有する複合酸化物において、例えば、Co、Mn、W、Prなどを成分として含有する場合、それら成分も硫黄との反応により化合物が形成されるから、その酸素放出能の低下も懸念される。
そこで本発明は、触媒付パティキュレートフィルタにおいて、酸素放出能を有する複合酸化物にAgを担持した触媒材を用いても、硫黄被毒による性能低下が少ない触媒付パティキュレートフィルタを得ることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、酸素交換反応機能を有する複合酸化物に、Agと該Agの硫黄被毒抑制効果のある成分を共存担持するようにした。
すなわち、ここに提示する触媒付パティキュレートフィルタは、排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタ本体の排気ガス通路壁に、パティキュレート燃焼用の触媒が設けられているものであって、
上記触媒は、
Zrと、Ce以外の希土類元素とを含むZr系複合酸化物に触媒金属としてAgが担持されたAg担持Zr系複合酸化物と、
Zrと、Ce以外の希土類元素とを含むZr系複合酸化物に触媒金属としてPtが担持されたPt担持Zr系複合酸化物とを含み、
上記Ag担持Zr系複合酸化物に、上記Agの硫黄被毒を抑制する硫黄被毒抑制材が担持されていることを特徴とする。
上記Zr系複合酸化物は、定常的に空燃比リーンの状態にあっても、絶えず排気ガス中の酸素を取り込み、活性酸素を放出する酸素交換反応を有する。このZr系複合酸化物にAgを担持すると、Ag表面に吸着する酸素が活性な酸素として働き、パティキュレートの酸化を促進する。このAg担持Zr系複合酸化物は、パティキュレートの急速燃焼領域(例えば、フィルタのパティキュレート残存割合が100%から60%乃至は50%になるまでの燃焼前期)では、Ag表面の吸着酸素、及びZr系複合酸化物から放出された活性酸素とにより、触媒表面に付着したパティキュレートを素早く燃焼させることで急速燃焼に寄与する。また、上記急速燃焼によって触媒表面のパティキュレートが燃焼除去された後の、パティキュレートの燃焼が緩慢になる緩慢燃焼領域(パティキュレート残存割合が60%乃至は50%から0%になるまでの燃焼後期)では、触媒表面から離間した状態にあるパティキュレートを、放出した活性酸素により燃焼させ、緩慢燃焼領域のパティキュレート燃焼促進に寄与することができる。
一方、Pt担持Zr系複合酸化物は、Ag担持Zr系複合酸化物に比べて、急速燃焼及び緩慢燃焼を合わせたトータルでのパティキュレート燃焼性は幾分劣るものの、緩慢燃焼領域でのパティキュレート燃焼性は比較的高く、さらに、耐久性(耐熱性)及び排気ガス中のHC及びCOの酸化性能が高い。
しかしながら、上述のごとく、排気ガス中にはSO等の硫黄化合物が含まれており、これによりAg及びZr系複合酸化物中の金属元素が硫黄被毒を受け、その触媒活性及び酸素放出能が低下する畏れがある。
本発明によれば、Zr系複合酸化物にAgとともに共存担持された硫黄被毒抑制材により、排気ガス中の硫黄化合物が吸収されるため、触媒金属としてのAgや、酸素放出材としてのZr系複合酸化物の硫黄被毒を抑制して、触媒性能の低下を防ぐことができる。
ここに、Pt担持Zr系複合酸化物としては、Zr系複合酸化物にPtのみを担持したものに限らず、Ptの他に他の触媒金属、例えば、Pdを担持したもの(後述する比較例2,5の第二成分であるPtPd担持Zr系複合酸化物)であってもよい。
上記硫黄被毒抑制材は、アルカリ土類金属化合物であることが好ましい。炭酸塩や酸化物などのアルカリ土類金属化合物は、排気ガス中のSO等を吸着及び/又は硫酸塩の形で吸蔵することができる。これにより、Ag及びZr系複合酸化物の硫黄被毒を抑制して、触媒活性の低下を抑制することができる。この場合、アルカリ土類金属としては、Srが好ましく、Baも好ましく用いることができる。また、硫黄被毒抑制材としては、LiとTiを含む複合酸化物、例えばチタン酸リチウムも好ましく用いることができる。
上記触媒におけるAgとPtとの質量比Ag/Ptは、1/3以上6/1以下であることが好ましい。これにより、良好なパティキュレート燃焼性能を確実に得ることができる。
本発明によれば、パティキュレートフィルタに担持した触媒がAg担持Zr系複合酸化物とPt担持Zr系複合酸化物とを含み、上記Ag担持Zr系複合酸化物にAgの硫黄被毒を抑制する硫黄被毒抑制材が担持されているから、触媒活性の高いAgを有効に利用して、急速燃焼領域及び緩慢燃焼領域におけるパティキュレート燃焼性能を向上できるため、パティキュレートの燃焼を効率良く進めることができ、燃費性能の向上に有利になる。
パティキュレートフィルタをエンジンの排気ガス通路に配置した状態を示す図。 同フィルタを模式的に示す正面図。 同フィルタを模式的に示す縦断面図。 同フィルタの排気ガス通路壁を模式的に示す拡大断面図。 同排気ガス通路壁に担持された触媒を模式的に示す図。 実施例及び比較例のカーボン燃焼速度を示すグラフ図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
[パティキュレートフィルタの構造]
図1に示すように、触媒付パティキュレートフィルタ(以下、単に「触媒付フィルタ」という。)10は、ディーゼルエンジン等の排気ガス通路11に配置され、排気ガス中のパティキュレート(以下、「PM」という。)を捕集する。触媒付フィルタ10よりも排気ガス流の上流側の排気ガス通路11には、酸化物等からなるサポート材にPt、Pd等に代表される触媒金属を担持した酸化触媒(図示省略)を配置することができる。このような酸化触媒を触媒付フィルタ10の上流側に配置するときは、該酸化触媒によって排気ガス中のHC、COを酸化させ、その酸化燃焼熱で触媒付フィルタ10に流入する排気ガス温度を高めて触媒付フィルタ10を加熱することができ、PMの燃焼除去に有利になる。また、排気ガス中のNOが酸化触媒でNOに酸化され、該NOが触媒付フィルタ10にPMを燃焼させる酸化剤として供給されることになる。
図2及び図3に模式的に示すように、触媒付フィルタ10は、ハニカム構造をなしており、互いに平行に延びる多数の排気ガス通路12、13を備えている。すなわち、触媒付フィルタ10は、下流端が栓14により閉塞された排気ガス流入路12と、上流端が栓14により閉塞された排気ガス流出路13とが交互に設けられ、排気ガス流入路12と排気ガス流出路13とは薄肉の隔壁(排気ガス通路壁)15を介して隔てられている。図2においてハッチングを付した部分は排気ガス流出路13の上流端の栓14を示している。
触媒付フィルタ10は、隔壁15を含むフィルタ本体がコージェライト、SiC、Si、サイアロン、AlTiOのような無機多孔質材料から形成されている。排気ガス流入路12内に流入した排気ガスは図3において矢印で示したように周囲の隔壁15を通って隣接する排気ガス流出路13内に流出する。すなわち、図4に示すように、隔壁15は排気ガス流入路12と排気ガス流出路13とを連通する微小な細孔(排気ガス通路)16を有し、この細孔16を排気ガスが通る。PMは主に排気ガス流入路12及び細孔16の壁部に捕捉され堆積する。
上記フィルタ本体の排気ガス通路(排気ガス流入路12、排気ガス流出路13及び細孔16)を形成する壁面には触媒20が担持されている。なお、排気ガス流出路13側の壁面に触媒を担持することは必ずしも要しない。
[触媒について]
次に触媒20の構成について説明する。
図5に模式的に示すように、触媒20は、Zr系複合酸化物21に、Ag24と、該Ag24及びZr系複合酸化物の硫黄被毒を抑制するS被毒抑制材(硫黄被毒抑制材)26とを担持してなるAg/S被毒抑制材担持Zr系複合酸化物(第一成分)と、Zr系複合酸化物21にPt25を担持してなるPt担持Zr系複合酸化物(第二成分)とを含有する。図5において、クロスハッチング入り丸はAg24を示し、白丸はPt25を示し、黒丸はS被毒抑制材26を示している。
触媒金属サポート材としての上記Zr系複合酸化物21は、Zrと、Ce以外の希土類元素とを含む複合酸化物であり、例えば、共沈法によって生成することができる。そのCe以外の希土類元素としては、例えば、Nd、Pr、La、Sm、Y等があり、これらは単独で用いても、これらのうちの二種以上を混合して用いてもよい。特に、ZrとNdとPrの複合酸化物ZrNdPrOxが好ましい。
Ag24の担持形態は限定されるものではないが、Ag塩又はAg微粒子等の形態でZr系複合酸化物21に担持されていることが好ましい。なお、触媒金属として、Ag24に加えて、PtやPd等をさらに担持させてもよい。
S被毒抑制材26は、排気ガス中に含まれるS化合物を吸収してAgのS被毒を抑制することができるものであればいずれのものも用いることができ、具体的には例えば、アルカリ土類金属化合物やLiとTiを含む複合酸化物を用いることができる。
アルカリ土類金属化合物は、排気ガス中のSO等を吸着及び/又は硫酸塩の形で吸蔵することができ、具体的には例えば、Sr若しくはBaの炭酸塩や酸化物を用いることが好ましく、特に、Srの炭酸塩等を用いることが好ましい。これにより、Ag24のS被毒を抑制して、その触媒活性の低下を抑制することができる。
図5に示す例は、Ag/S被毒抑制材担持Zr系複合酸化物とPt担持Zr系複合酸化物を混合して用いているが、排気ガス通路壁において、一方が他方の上に重なるように担持してもよく、或いは、一方が排気ガス通路壁の主として上流側部位に他方が主として下流側部位に担持されるようにしてもよい。
[触媒20の調製]
Zr系複合酸化物21としてZrNdPr複合酸化物を採用する例で触媒20の調製法を説明する。
−ZrNdPr複合酸化物の調製−
硝酸プラセオジウム6水和物とオキシ硝酸ジルコニル溶液と硝酸ネオジム6水和物をイオン交換水に溶かす。この硝酸塩溶液に28質量%アンモニア水の8倍希釈液を混合して中和させることにより、共沈物を得る。この共沈物を含む溶液を遠心分離器にかけて上澄み液を除去する脱水操作と、イオン交換水を加えて撹拌する水洗操作とを交互に必要回数繰り返す。最終的に脱水を行った後の共沈物を、大気中において150℃で一昼夜乾燥させた後、ボールミルにより粉砕する。その後、大気中において500℃で2時間焼成することによりZrNdPr複合酸化物を得ることができる。
−Ag/S被毒抑制材担持ZrNdPr複合酸化物(第一成分)の調製−
ZrNdPr複合酸化物にイオン交換水を加えてスラリー状にし、それをスターラー等により十分に撹拌する。続いて、撹拌しながらそのスラリーに、所定量の硝酸銀をイオン交換水に溶かした硝酸銀水溶液を滴下し、さらに、攪拌しながらそのスラリーに、所定量のアルカリ土類金属塩の溶液(例えばアルカリ土類金属の酢酸塩をイオン交換水に溶かした液)を滴下し、十分に撹拌する。その後、加熱しながらさらに撹拌を続けて、水分を完全に蒸発させる。蒸発後、得られた乾固物を粉砕し、大気中において500℃で2時間焼成する。これにより、Ag及びアルカリ土類金属の炭酸塩がZrNdPr複合酸化物に担持されたAg/S被毒抑制材担持ZrNdPr複合酸化物粉末が得られる。
−Pt担持ZrNdPr複合酸化物(第二成分)の調製−
ZrNdPr複合酸化物にイオン交換水を加えてスラリー状にし、それをスターラー等により十分に撹拌する。続いて、撹拌しながらそのスラリーに、所定量のエタノールアミンPt(ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸エタノールアミン溶液)をイオン交換水に溶かした水溶液を滴下し、十分に撹拌する。その後、加熱しながらさらに撹拌を続けて、水分を完全に蒸発させる。蒸発後、得られた乾固物を粉砕し、大気中において500℃で2時間焼成する。これにより、PtがZrNdPr複合酸化物に担持されたPt担持ZrNdPr複合酸化物粉末が得られる。
−フィルタ本体への触媒粉末のコーティング−
Ag/S被毒抑制材担持ZrNdPr複合酸化物粉末とPt担持複合酸化物粉末を混合する。得られた混合粉末にジルコニアバインダ溶液及びイオン交換水を加え、混合してスラリー状にする。そして、ボールミルによって個数平均粒径200nm以上400nm以下程度(好ましくは300nm程度)になるまで粉砕し、このスラリーをフィルタ本体にコーティングする。そして、大気中において150℃で乾燥させた後、大気中において500℃で2時間の焼成を行なう。これにより、触媒付フィルタ10が得られる。
[触媒付フィルタの評価]
−サンプルフィルタ−
表1に示す実施例1−5及び比較例1−6のサンプルフィルタを調製し、これらのサンプルフィルタにS被毒処理を行なった後に、それらフィルタによるカーボン燃焼速度を測定した。表1の「ZrNdPrOx」はZrNdPr複合酸化物を意味する。また、表1の比較例2,5の「PtPd担持」はPtとPdの合金の意味ではなく、PtとPdを担持したことを意味する。また、実施例1についてはS被毒処理を行わないケースについてもカーボン燃焼速度を測定した。
Figure 0006191635
いずれのサンプルフィルタも、フィルタ本体としてはSiC製ハニカム状フィルタ(容量:11mL、セル壁厚:16mil、セル数:178cpsi)を用い、ZrNdPr複合酸化物の組成はZrO:Nd:Pr11=70:12:18(モル比)とした。
いずれのサンプルフィルタも、フィルタ1L当たりのサポート材量(第一成分のサポート材と第二成分のサポート材を合わせた量)は20gとし、触媒金属(貴金属)の総量(第一成分の触媒金属と第二成分の触媒金属を合わせた量)はサポート材量20gの0.5質量%とした。
実施例1−5及び比較例2,3,5,6の第一成分のサポート材量と第二成分のサポート材量の比率は1:1(質量比)である。
実施例1−5は第一成分のサポート材が担持するAgと第二成分のサポート材が担持するPtの比率Ag:Pt(質量比)を変化させたものである。S被毒抑制材としてはSrを用いた。Sr担持量は第一成分のサポート材量の3.0質量%とした。
−カーボン燃焼速度の測定−
サンプルフィルタを模擬ガス流通反応装置に取り付け、前処理として模擬排気ガス(C:200ppmC、CO:400ppm、NO:100ppm、O:10%、CO:4.5%、HO:10%、残N)を40L/minの流量でサンプルフィルタに通した。このとき、30℃/minで600℃まで昇温した後、同じガス組成条件のままで、自然降温によって室温まで温度を下げた。
その後、S被毒処理として、S成分を含むガス(SO:500ppm、O:10%、残N)を空間速度SV=50000/hの流量でフィルタに1時間通した。フィルタの温度は300℃とした。
S被毒処理の後、サンプルフィルタにカーボンを堆積した。カーボンの堆積は、フィルタ1L当たり5g相当のカーボンブラックをイオン交換水中に分散させた溶液に、フィルタの入口側を浸漬させ、出口側から吸引した。その後、余分な水分を除去し、150℃で1時間乾燥した。
上記の処理の後、フィルタを模擬ガス流通反応装置に取り付け、Nガスを流通させながらそのガス温度を上昇させた。フィルタ入口温度が540℃で安定した後、Nガスから模擬排気ガス(O;7.5%,NO;300ppm,残N)に切り換え、該模擬排気ガスを空間速度45000/hで流した。そして、カーボンが燃焼することにより生じるCO及びCOのガス中濃度をフィルタ出口においてリアルタイムで測定し、それらの濃度から、下記の計算式を用いて、所定時間ごとに、カーボン燃焼速度(単位時間当たりのパティキュレート燃焼量)を計算した。
カーボン燃焼速度(g/h)
={ガス流速(L/h)×[(CO+CO)濃度(pパティキュレート)/(1×10)]}×12(g/mol)/22.4(L/mol)
上記所定時間毎のカーボン燃焼速度に基づいてカーボン燃焼量積算値の経時変化を求め、カーボン燃焼率が0%から40%、40%から90%及び0%から90%に達するまでに要した時間とその間のカーボン燃焼量の積算値とから、急速燃焼領域(カーボン燃焼率0〜40%)、緩慢燃焼領域(同40〜90%)及びトータル(同0〜90%)の各カーボン燃焼速度(フィルタ1Lでの1分間当たりのパティキュレート燃焼量(mg/min-L))を求めた。結果を表1の右欄及び図6に示す。
−考察−
表1には記載していないが、S被毒処理を行わなかった実施例1のカーボン燃焼速度は、急速燃焼領域(カーボン燃焼率0〜40%)が289mg/min-L、緩慢燃焼領域(同40〜90%)が84mg/min-L、トータル(同0〜90%)が112mg/min-Lであった。
S被毒処理後の結果を示す表1によれば、実施例1と比較例3は、S被毒抑制材の有無のみが相違するところ、いずれもS被毒処理なしの実施例1に比べると、カーボン燃焼速度が小さくなっているものの、実施例1は比較例3に比べてカーボン燃焼速度の低下度合が小さい。すなわち、表1の実施例1と比較例3のカーボン燃焼速度を比較すると、実施例1は比較例3に比べて急速燃焼領域のカーボン燃焼速度が格段に大きくなっており(緩慢燃焼領域のカーボン燃焼速度も大きくなっている)、その結果、トータルでのカーボン燃焼速度が大きくなっている。これは、S被毒抑制材によってAgのS被毒が抑制された結果であると認められる。また、S被毒抑制材によってZr系複合酸化物を構成するPrのS被毒も抑制され、その酸素交換反応の低下が抑制されたことも上記結果に影響していると考えられる。
実施例1−5をみると、トータルでのカーボン燃焼速度には大差がないが、Agの比率が高くなるに従って、急速燃焼領域のカーボン燃焼速度が高くなる傾向がみられる一方、Ptの比率が高くなるに従って、緩慢燃焼領域のカーボン燃焼速度が高くなる傾向が見られる。Agの比率を高くすることは、急速燃焼領域のカーボン燃焼速度の向上には有利になるものの、相対的にPtの比率が低下して緩慢燃焼領域の燃焼領域のカーボン燃焼速度が悪化する結果、実施例5のように、トータルのカーボン燃焼速度が低下する傾向が見られることから、Agの比率を過度に高くすることは必ずしも好ましくない。実施例1−5の結果によれば、AgとPtとの質量比Ag/Ptが1/3以上6/1以下の範囲であれば、良好なカーボン燃焼性が確保されることがわかる。
また、比較例1−4のカーボン燃焼速度をみると、比較例1>比較例2>比較例3>比較例4という結果になっている。この結果から、カーボン燃焼速度は、Ag担持ZrNdPr複合酸化物>PtPd担持ZrNdPr複合酸化物>Pt担持ZrNdPr複合酸化物の順で低下していくということができる。
比較例5,6をみると、カーボン燃焼速度は、Pd担持ZrNdPr複合酸化物よりもPtPd担持ZrNdPr複合酸化物の方が良いという結果になっている。
10 触媒付パティキュレートフィルタ
11 排気ガス通路
15 隔壁(排気ガス通路壁)
20 触媒
21 Zr系複合酸化物
24 Ag
25 Pt
26 硫黄被毒抑制材

Claims (3)

  1. 排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタ本体の排気ガス通路壁に、パティキュレート燃焼用の触媒が設けられている触媒付パティキュレートフィルタであって、
    上記触媒は、
    Zrと、Ce以外の希土類元素とを含むZr系複合酸化物に触媒金属としてAgが担持されたAg担持Zr系複合酸化物と、
    Zrと、Ce以外の希土類元素とを含むZr系複合酸化物に触媒金属としてPtが担持されたPt担持Zr系複合酸化物とを含み、
    上記Ag担持Zr系複合酸化物に、上記Agの硫黄被毒を抑制する硫黄被毒抑制材が担持されている
    ことを特徴とする触媒付パティキュレートフィルタ。
  2. 請求項1において、
    上記硫黄被毒抑制材は、アルカリ土類金属化合物である
    ことを特徴とする触媒付パティキュレートフィルタ。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記触媒におけるAgとPtとの質量比Ag/Ptは、1/3以上6/1以下である
    ことを特徴とする触媒付パティキュレートフィルタ。
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