JP6191245B2 - 皮膚化粧料 - Google Patents
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また、海洋深層水と特定の植物エキスを組み合わせた外用剤や化粧料(特許文献3及び4)が提案されている。しかしながら、これら外用剤や化粧料は、使用後のべたつき感やつっぱり感、肌のテカリ、くすみ改善効果の点で十分に満足のいくものではなかった。
なお、本明細書において記号「〜」を用いて規定された数値範囲は「〜」の両端(上限及び下限)の数値を含むものとする。例えば「2〜5」は2以上5以下を表す。
本発明に用いられる(A)海洋深層水は、水深200m又はそれよりも深くから採取された海水のことである。取水深度は、好ましくは250〜500m、さらに好ましくは300〜400mである。取水地に限定はなく、日本では、富山県の富山湾、高知県の室戸岬沖、静岡県の駿河湾、沖縄県の久米島などが挙げられる。例えば、富山湾の海洋深層水は、年間を通じて2℃以下の低温で水温変化がほとんどなく、塩分も安定しており、無機栄養塩類が著しく豊富であるという特徴を有する。
本発明に用いられる(B)淡水は、塩分をほとんど含まない水であり、一般に塩分濃度が0.05質量%以下である。具体的には、例えば、精製水、蒸留水、水道水の他、地下水から得られるナチュラルミネラルウォーター、海水をイオン交換膜処理や逆浸透膜処理、多段式電気透析処理等により脱塩処理を施して得られた水などが挙げられ、ナチュラルミネラルウォーター、又は海水を脱塩処理して得られた淡水が好ましい。
水は硬度により軟水と硬水と分類することができる。本発明に用いられる(B)淡水は、味やヒリヒリ感の観点から硬度が100mg/L以下であり、より好ましくは50mg/L以下の軟水である。なお、硬度の数値は、JIS K 0101(工業用水試験法)のキレート滴定法により全硬度を測定して得られた数値である。
本発明に用いられる(C)ポリ塩基性アミノ酸は、塩基性アミノ酸を重合することにより得られる化合物であり、一般的には、縮合重合法や発酵法等により得られる。具体的には、例えば、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、ポリヒスチジン等が挙げられる。これらの中でも、味や入手の容易性等の観点から、リジンがε位のアミノ基とα位のカルボキシル基で直鎖状につながったε−ポリリジンが好ましい。ε−ポリリジンは水に溶けやすく、広い抗菌スペクトルを有していることから、食品分野で長年利用されてきており、例えば、チッソ株式会社製の「ポリリジン」や一丸ファルコス株式会社製の「ポリリジン 10」(重量平均分子量約5000)などが挙げられる。ポリ塩基性アミノ酸の重量平均分子量は、好ましくは1000〜8000であり、さらに好ましくは3000〜6000である。ポリ塩基性アミノ酸は1種又は2種以上を用いることができる。
本発明に用いられる(D)グレープフルーツ種子エキスは、ミカン科のグレープフルーツ(Citrus paradisi Macf)の種子から、水やアルコールなどの各種溶媒を用いて抽出して得られるエキスである。例えば、グレープフルーツ種子エキスとして、有限会社エービーシーテクノ製の「D−10」やカルファケミカル株式会社製の「カルファ」などの市販のエキスを用いることができる。
なお、浸透圧は、日本薬局方一般試験法の浸透圧測定方に従って測定することができる。
なお、pHは、医薬部外品原料規格(JSQI)一般試験法に従って測定することができる。
本発明の皮膚化粧料は、水を含有する様々な剤型、例えば、化粧水、乳液、ジェル、クリームなどの剤型をとることができ、特に、べたつき感などの使用感の点、水の含有割合がより多くなる点から、化粧水の剤型が好ましい。
〔実施例1〜5及び比較例1〜6〕
表1に示す成分を混合し撹拌して、皮膚化粧料として化粧水を調製した。得られた化粧水について、(1)味、(2)ヒリヒリ感、(3)べたつき感やつっぱり感、(4)肌のテカリ、(5)くすみ改善効果(肌の明るさ)について評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、各化粧料はクエン酸一水和物によりpH7.4付近に調整した。また、pH、浸透圧及び硬度は、本明細書に記載の方法に従って測定した。
使用期間のはじめに、化粧水を舐めてもらい、そのときに感じた味について以下の基準で評価した。
2点:舐めた際、不快感が全くないと感じた場合。
1点:舐めた際、ほぼ不快感がないと感じた場合。
0点:舐めた際、明らかに不快感があると感じた場合。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:味に全く不快感のない皮膚化粧料である。
○:合計点が30点以上、35点未満、又は合計点が35点以上かつ0点が1人以上、2人以下:味にほぼ不快感がない皮膚化粧料である。
△:合計点が20点以上、30点未満:味にやや不快感がある皮膚化粧料である。
×:合計点が20点未満:味に明らかに不快感がある皮膚化粧料である。
ひげそり後の肌に化粧水(約2ml)を塗布し、使用時に感じた肌のヒリヒリ感について使用期間終了後に以下の基準で評価した。
2点:使用期間中、すべての日において全くヒリヒリしなかった場合。
1点:使用期間中、ヒリヒリすると感じた日が1〜3日あった場合。
0点:使用期間中、ヒリヒリすると感じた日が3日よりも多くあった場合。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:ひげそり後に全くヒリヒリしない皮膚化粧料である。
○:合計点が30点以上、35点未満、又は合計点が35点以上かつ0点が1人以上、2人以下:ひげそり後にほとんどヒリヒリしない皮膚化粧料である。
△:合計点が20点以上、30点未満:ひげそり後にややヒリヒリする皮膚化粧料である。
×:合計点が20点未満:ひげそり後に明らかにヒリヒリする皮膚化粧料である。
ひげそり後及び入浴後に化粧水(約2ml)を肌に塗布し、肌になじんだ際のべたつき感、及び塗布後1時間以内に感じた肌のつっぱり感について、使用期間終了後に以下の基準で評価した。
2点:使用期間中、べたつき感やつっぱり感を全く感じなかった場合。
1点:使用期間中、ややべたつき感がある、あるいはややつっぱり感があると感じた場合。
0点:使用期間中、べたつき感やつっぱり感が明らかにあると感じた場合。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:べたつき感やつっぱり感のない皮膚化粧料である。
○:合計点が30点以上、35点未満、又は合計点が35点以上かつ0点が1人以上、2人以下:べたつき感やつっぱり感を感じにくい皮膚化粧料である。
△:合計点が20点以上、30点未満:ややべたつき感やつっぱり感のある皮膚化粧料である。
×:合計点が20点未満:べたつき感やつっぱり感のある皮膚化粧料である。
入浴後に化粧水(約2ml)を肌に塗布し、朝起きた際の肌のテカリについて使用期間終了後に以下の基準で評価した。
2点:朝起きた際、肌が明らかにテカリにくくなったと感じた場合。
1点:朝起きた際、肌がややテカリにくくなったと思った場合。
0点:朝起きた際、肌のテカリは抑えられていないと思った場合。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:肌のテカリ抑制効果に非常に優れた皮膚化粧料である。
○:合計点が30点以上、35点未満、又は合計点が35点以上かつ0点が1人以上、2人以下:肌のテカリ抑制効果に優れた皮膚化粧料である。
△:合計点が20点以上、30点未満:やや肌のテカリ抑制効果のある皮膚化粧料である。
×:合計点が20点未満:肌のテカリ抑制効果がない皮膚化粧料である。
ひげそり後及び入浴後に化粧水(約2ml)を肌に塗布し、使用期間終了後の肌の明るさについて以下の基準で評価した。
2点:くすみが減り、肌が明るくなったと思った場合。
1点:少し肌が明るくなったと思った場合。
0点:特に変化がないと思った場合。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:くすみ改善効果に非常に優れた皮膚化粧料である。
○:合計点が30点以上、35点未満、又は合計点が35点以上かつ0点が1人以上、2人以下:くすみ改善効果に優れた皮膚化粧料である。
△:合計点が20点以上、30点未満:やや肌のくすみの改善効果のある皮膚化粧料である。
×:合計点が20点未満:肌のくすみの改善効果がない皮膚化粧料である。
(A)海洋深層水(商品名:滑川海洋深層水(原水)、株式会社WAVE滑川製)
(B)淡水(1):海洋深層水の脱塩処理水(商品名:滑川海洋深層水(RO脱塩水)、株式会社WAVE滑川製、硬度30mg/L)
(B)淡水(2):ナチュラルミネラルウォーター(商品名:アルプス清水、五洲薬品株式会社製、硬度20mg/L)
(B)淡水(3):精製水(イオン交換水、硬度0)
(C)ポリリジン水溶液(商品名:ポリリジン10、一丸ファルコス株式会社製)
(D)グレープフルーツ種子エキス(商品名:D−10、有限会社エービーシーテクノ製)
(A’)富山湾の海水(取水深度100m未満)
(B’)淡水(4):ナチュラルミネラルウォーター(商品名:エビアン、ダノンジャパン株式会社製、硬度304mg/L)
比較例1では、(A)成分に代えて、(A' )成分として3質量%塩化ナトリウム水溶液が含まれているので、肌のテカリに関する効果、くすみ改善効果において十分な性能が得られず、味についても満足が得られなかった。
比較例2では、(A)成分に代えて、(A' )成分として海水が含まれているので、くすみ改善効果について十分な性能が得られなかった。
比較例3では、(B)成分に代えて、(B' )成分として硬度の高いナチュラルミネラルウォーターが含まれているので、味について十分な満足が得られなかった。
比較例4では、(A)成分が含まれていないので、べたつき感やつっぱり感、肌のテカリに関する効果、くすみ改善効果において十分な性能が得られなかった。
比較例5では、(C)成分が含まれていないので、使用後のべたつき感やつっぱり感、くすみ改善効果、肌のテカリに関する効果において十分な性能が得られなかった。
比較例6では、(D)成分が含まれていないので、使用後のべたつき感やつっぱり感、肌のテカリに関する効果において十分な性能が得られなかった。
Claims (1)
- (A)海洋深層水を15〜35質量部及び(B)硬度100mg/L以下の淡水を65〜85質量部含有し、(A)海洋深層水及び(B)淡水の合計100質量部に対して、(C)ポリ塩基性アミノ酸を0.01〜0.5質量部、(D)グレープフルーツ種子エキスの乾燥残留分として0.001〜0.1質量部を含有し、浸透圧が200〜350mOsmであり、pHが6.5〜9.5である皮膚化粧料。
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