JP6190681B2 - 車両の車体構造および車体の製造方法 - Google Patents

車両の車体構造および車体の製造方法 Download PDF

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本発明は、自動車などの車両の車体構造、および車体の製造方法に関する。
これらの文献では、車体の前室と乗員室とを仕切るトーボードパネルとしてのダッシュパネルの幅方向両側に、一対のAピラーを接合する。トーボードパネルと一対のAピラーとを接合することにより、乗員室を画成できる。
そして、このようにトーボードパネルの左右に一対のAピラーを接合するようにすることで、トーボードパネルを有する車体のセンタストラクチャの側面に、Aピラーを有する車体のサイドストラクチャを重ねて接合でき、車体の製造が容易になる。
特開2004−029963号公報 特開2012−096717号公報 特開2011−235688号公報
しかしながら、トーボードパネルとAピラーとを重ねて接合するためには、トーボードパネルの幅方向端部に内フランジ部を設け、Aピラーのサイドパネルに外フランジ部を設け、内フランジ部と外フランジ部とを重ねてスポット溶接などにより接合する必要がある。その結果、接合された内フランジ部および外フランジ部からなる接合部は、トーボードパネルおよびAピラーによる面から前へ突出した状態になる。
ところで、現在の衝突安全基準ではテスト対象とされていないが、自動車などの車両では、高速走行する対向車と衝突する可能性がある。このような衝突では強い衝撃により、車両の前輪が車体から脱落し、脱落した前輪が、トーボードパネルなどに押し込まれる可能性がある。
脱落した前輪がトーボードパネルに対して前から押し込まれることにより、トーボードパネルが変形し、前へ突出している接合部に対して引き剥がす力が作用する可能性がある。仮に外フランジ部が内フランジ部から引き剥がされると、トーボードパネルとAピラーとの間が開くことになる。
このように、車両では、トーボードパネルなどの仕切りパネルとAピラーなどのサイドパネルとを接合して成る接合部に対して引き剥がす力が作用し難くし、衝突安全性能の更なる向上が求められている。
本発明に係る車両の車体構造は、車両の車輪を軸支可能な車体において幅方向に延在して前記車体の前室または後室と乗員室とを仕切る仕切りパネルを有し、前記車体の幅方向の中央部を形成するセンタストラクチャと、前記車体の側部において前記乗員室の前角または後角となる位置で前記仕切りパネルと接合されるサイドパネルを有し、前記センタストラクチャの前記幅方向の側面に合わせることで、前記車体の側面部を形成するサイドストラクチャと、を有し、前記仕切りパネルは、前記幅方向の端部に形成される内フランジ部を有し、前記内フランジ部は、前記センタストラクチャにおいて、前記仕切りパネルの端部から前後方向へ突出し、前記サイドパネルは、外フランジ部を有し、前記外フランジ部は、前記サイドストラクチャの縁部から前後方向へ突出し、前記センタストラクチャの前記仕切りパネルと前記サイドストラクチャの前記サイドパネルとは、前記内フランジ部と前記外フランジ部とを重ねて接合して成る接合部を形成し、前後方向へ突出するように形成された前記接合部を、前記車体に軸支される車輪の前後方向に位置する部分において、前記幅方向において内向きに折り曲げた状態で、接合される。
好ましくは、前記サイドパネルは、前記乗員室の前角または後角に配置されるピラーを構成する部材である、とよい。
好ましくは、前記内フランジ部と前記外フランジ部とは、スポット溶接または点付け溶接により接合される、とよい。
本発明に係る車体の製造方法は、車両の車輪を軸支可能な車体の製造方法であって、前記車体の前室または後室と乗員室とを仕切るように前記車体において幅方向に延在する仕切りパネルを有し、前記車体の幅方向の中央部を形成するセンタストラクチャと、前記車体の側部において前記乗員室の前角または後角となる位置で前記仕切りパネルと接合されることにより前記乗員室を画成するサイドパネルを有するし、前記センタストラクチャの前記幅方向の側面に合わせることで、前記車体の側面部を形成するサイドストラクチャとを接合するために、前記センタストラクチャについての前記仕切りパネルの前記幅方向の端部において前後方向へ突出するように形成される内フランジ部と、前記サイドストラクチャの縁部から前後方向へ突出し、前記サイドパネルにおいて前記乗員室の前角または後角に対応する部位に形成される外フランジ部と、を重ねて接合する工程と、前記内フランジ部と前記外フランジ部とを接合して形成されて前後方向へ突出する接合部を、前記車体に軸支される車輪の前後方向に位置する部分において、前記車体の幅方向において内向きに折り曲げる工程と、を有する。
本発明では、仕切りパネルの内フランジ部とサイドパネルの外フランジ部とを接合して成る接合部は、車体の幅方向において内向きに折り曲げられる。よって、たとえば、仕切りパネルに対して脱落した車輪などが前方向または後方向から押し込まれ、仮に仕切りパネルが変形するとしても、その仕切りパネルの変形により接合部に作用する力はせん断力として作用し易い。仕切りパネルの変形により接合部に対して、引き剥がし力が作用し難くなる。内フランジ部と外フランジ部との接合が剥離し難くなる。
また、接合部は、内向きに幅方向へ折り曲げられるため、脱落した車輪による荷重の入力方向に沿う前後方向へ延在していない。よって、接合部に対して脱落した車輪が当たるとしても、その入力により接合部自体が撓んで開いて破断する可能性は低い。
また、接合部は予め折り曲げられているので、衝突の際に接合部についての車輪が当たる部分が部分的に折れ曲がることが起きない。衝突の際に接合部が部分的に折れ曲がると、折れ曲がる部分において接合部の破断が起き易い。仮に接合部をスポット溶接などにより点接合した場合には、1の接合点の破断によりその周囲の接合点が連鎖的に破断する可能性があるが、その可能性を減らすことができる。
また、接合部は、内向きに幅方向へ折り曲げられるため、仕切りパネルの前側または後側に位置する。車輪が当たることにより、仕切りパネルが前後方向へ押し込まれるように変形する場合、接合部は仕切りパネルと同様に前後方向へ押し込まれるように変形し得る。仕切りパネルに対して接合部が開き難くなるので、変形した仕切りパネルが更に変形する場合に、接合部に対して引き剥がし力として作用し難くなる。
これらの効果により、本発明の車両の車体構造では、車両の衝突安全性能を高めることができる。
図1は、本発明が適用された自動車の車体を示す斜視図である。 図2は、図1の車体の製造に用いられるセンタストラクチャの部分分解斜視図である。 図3は、車体の製造に用いられるサイドストラクチャの部分分解斜視図である。 図4は、図1の車体において、センタストラクチャとサイドストラクチャとを接合する製造工程を示す説明図である。 図5は、接合部を内折れとした、センタストラクチャとサイドストラクチャとの接合状態を示す説明図である。 図6は、車体の衝突形態の一例の説明図である。 図7は、図1の車体での衝突状態を示す説明図である。 図8は、比較例の車体での衝突状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参酌して説明する。
図1は、本発明が適用された自動車の車体1を示す斜視図である。
図1の自動車の車体1は、エンジン等が配置される前室2、乗員が乗車する乗員室3、荷物等を入れる後室4による3ボックス構造を有する。
乗員室3のフロアパネル11の上下には、車体1の前後方向に延在する一対のフロアーメンバと、車体1の幅方向に延在する複数のフロアクロスメンバ12と、が設けられる。一対のフロアーメンバと複数のフロアクロスメンバ12とは交差部分で互いに接合される。この井桁構造により、乗員室3のフロアパネル11が補剛される。
フロアパネル11の前縁には、トーボードパネル13が立設される。トーボードパネル13により、乗員室3と前室2とが仕切られる。
一対のフロアーメンバの前端には、一対のフロントサイドメンバ14が接合される。一対のフロントサイドメンバ14は、前室2において前後に延在する。一対のフロントサイドメンバ14の間には、図示外のフロントクロスメンバが固定される。フロントクロスメンバには車軸が配置される。車軸は、車体1の幅方向に延在し、その両端に一対の前輪が取り付けられる。一対の前輪は、トーボードパネル13の前側に位置する。
複数のフロアクロスメンバ12についての車体1の幅方向両端には、一対のサイドシル15が接合される。サイドシル15とフロントサイドメンバ14およびフロアーメンバとの間には、トルクボックス16が設けられる。
サイドシル15の前端には、Aピラー17が立設して接合される。トーボードパネル13についての車体1の幅方向の両端に、一対のAピラー17が接合される。
Aピラー17の上下方向中央部には、フロントアッパメンバ18が接合される。フロントアッパメンバ18は、Aピラー17から前方向へ延在する。Aピラー17とフロントアッパメンバ18の下には、リインフォースメント用の補剛部材19が配置される。リインフォースメント用の補剛部材19は、Aピラー17およびフロントアッパメンバ18に接合される。Aピラー17の前端は、一対のフロントサイドメンバ14の前端とともに、ラジエタフレーム20に接合される。ラジエタフレーム20の前面には、フロントバンパビーム21が固定される。
サイドシル15の中央部には、Bピラー22、Cピラー23が立設して接合される。Aピラー17の上端とCピラー23の上端との間にルーフサイドレール24が接合される。Bピラー22の上端は、ルーフサイドレール24の中央部に接合される。一対のルーフサイドレール24の間には、ルーフクロスメンバ25が車体1の幅方向に延在して設けられる。
Aピラー17には、図示外のフロントドアが開閉可能に取り付けられる。フロントドア内には、フロントドアビーム、フロントドアクロスメンバが設けられる。Bピラー22には、図示外のリアドアが開閉可能に取り付けられる。リアドア内には、リアドアビーム、リアドアクロスメンバが設けられる。
フロアパネル11の後端には、リアバルクヘッドパネル26が立設される。リアバルクヘッドパネル26により、乗員室3と後室4とが仕切られる。リアバルクヘッドパネル26についての車体1の幅方向両端縁に、一対のCピラー23が接合される。
一対のサイドシル15の後端には、一対のリアサイドメンバが接合される。一対のリアサイドメンバは、リアバルクヘッドパネル26から後方へ突出する。一対のリアサイドメンバの後端に、リアバンパービームが固定される。
図1の骨格構造を有する車体1は、たとえばトーボードパネル13などを有するセンタストラクチャ6についての車体の1の幅方向両端に、Aピラー17などを有する一対のサイドストラクチャ7を接合することにより、製造し得る。また、図1の骨格構造を有する車体1に対して、たとえばボンネットフード板、左右のフェンダー板、トランクリッド板、ルーフ板などの外板を接合することにより、自動車の車体1が完成する。これにより、自動車の前室2、乗員室3、後室4が画成される。
なお、センタストラクチャ6またはサイドストラクチャ7における複数の骨格部材は、スポット溶接、またはレーザ溶接などによる点付け溶接により接合してよい。トーボードパネル13とAピラー17との接合も同様である。
図2は、図1の車体1の製造に用いられるセンタストラクチャ6の部分分解斜視図である。
図2には、センタストラクチャ6を構成する部材として、トーボードパネル13、ダッシュパネル27、が図示されている。ダッシュパネル27は、トーボードパネル13の上縁に接合される。これにより、乗員室3の前壁が形成される。
センタストラクチャ6は、車体1の幅方向の中央部を形成する。
また、トーボードパネル13は、たとえば一枚の金属板を成型したものであり、その車体1の幅方向両端に、一対の内フランジ部31を有する。内フランジ部31は、トーボードパネル13の側端において上下方向に延在する。内フランジ部31は、センタストラクチャ6において、トーボードパネル13の両端から前へ突出する。
図3は、車体1の製造に用いられるサイドストラクチャ7の部分斜視図である。
図3には、サイドストラクチャ7を構成する部材として、Aピラー17、サイドシル15、フロントアッパメンバ18、リインフォースメント用の補剛部材19、が図示されている。サイドシル15の前端に、Aピラー17が立設して接合される。Aピラー17の中央部には、フロントアッパメンバ18が接合される。フロントアッパメンバ18とAピラー17との間に、リインフォースメント用の補剛部材19が接合される。
サイドストラクチャ7は、センタストラクチャ6の幅方向の側面に合わせることで、車体1の側面部を形成する。
また、Aピラー17は、外フランジ部32を有する。外フランジ部32は、上下方向に延在するAピラー17の前縁において上下方向に延在する。外フランジ部32は、サイドストラクチャ7において、Aピラー17の前縁から前へ突出する。
図4は、図1の車体1において、センタストラクチャ6とサイドストラクチャ7とを接合する製造工程を示す説明図である。
図4には、センタストラクチャ6のトーボードパネル13の断面と、サイドストラクチャ7のAピラー17の断面と、が図示されている。
図4のAピラー17は、内側サイドパネル33、外側サイドパネル34、を有する。図4のAピラー17は、内側サイドパネル33と外側サイドパネル34とを重ねた断面構造を有する。
内側サイドパネル33は、たとえば一枚の金属板を成型したものであり、第1外フランジ部35を有する。第1外フランジ部35は、上下方向に延在する内側サイドパネル33の前縁において上下方向に延在する。
外側サイドパネル34は、たとえば一枚の金属板を成型したものであり、第2外フランジ部36を有する。第2外フランジ部36は、上下方向に延在する外側サイドパネル34の前縁において上下方向に延在する。
図4のAピラー17では、重ねられた第1外フランジ部35および第2外フランジ部36により、Aピラー17の外フランジ部32が形成される。
センタストラクチャ6とサイドストラクチャ7とを接合する場合、まず、センタストラクチャ6のトーボードパネル13の隣に、前後方向を併せて、サイドストラクチャ7のAピラー17を配置する。図4(A)に示すように、内フランジ部31の接合面と外フランジ部32の接合面とを重ね合わせる。
次に、トーボードパネル13の隣にサイドストラクチャ7を配置した状態で、これらをスポット溶接などにより複数個所で接合する。これにより、図4(B)に示すように、トーボードパネル13の内フランジ部31とAピラー17の外フランジ部32とを接合した接合部37が形成される。
なお、スポット溶接などで内フランジ部31と外フランジ部32とを接合する場合、スポット溶接による複数の接合点は、一定の間隔以上毎に離散的に形成する必要がある。
次に、図4(C)に示すように、接合部37を、車体1の幅方向内向きに折り曲げる。折り曲げられた接合部37は、Aピラー17の前側に位置する。トーボードパネル13およびAピラー17を車体1の前側から見た場合、横方向に折り曲げられた接合部37は、トーボードパネル13の端部の前に重なる。
これにより、センタストラクチャ6とサイドストラクチャ7とが接合され、図1の車体1が製造される。
図5は、接合部37を内折れとした、センタストラクチャ6とサイドストラクチャ7との接合状態を示す説明図である。図5には、トーボードパネル13とAピラー17との接合部分が図示されている。
図5において、トーボードパネル13とAピラー17との接合部37は、リインフォースメント用の補剛部材19よりも下側の部分において、車体1の幅方向内向きに折り曲げられている。前輪の後方に位置する部分において、接合部37は、車体1の幅方向内向きに折り曲げられている。
このようにリインフォースメント用の補剛部材19よりも下側の部分の範囲において接合部37を折り曲げることにより、リインフォースメント用の補剛部材19とAピラー17との接合状態に影響を与えることがない。リインフォースメント用の補剛部材19によるフロントアッパメンバ18の補剛性能を劣化させることなく、脱落した前輪が当たる可能性が高い接合部37を、内向きに折り曲げることができる。
しかも、リインフォースメント用の補剛部材19よりも下側の部分の範囲において接合部37を折り曲げることにより、脱落した前輪が押し込まれて当たる可能性が高い、前輪の後方に位置する部分において、接合部37を横向きにすることができる。
このように、少なくとも前輪43の回転中心についての後ろ側の部分において、接合部37を横向きにすることにより、脱落した前輪43が強い衝撃で当たり易い部分において、接合部37の破断を効果的に抑えることができる。
次に、図1の車体1を有する自動車の衝突安全性能について説明する。
図6は、車体1の衝突形態の一例の説明図である。
図6には、図1の車体1を有する第1自動車41とともに、第2自動車42が図示されている。図6において第1自動車41の外形は点線で示されている。
第2自動車42は、たとえば停車中の第1自動車41に対して、たとえば相対時速90キロメートルで衝突する。そして、第2自動車42は、第1自動車41の一対のフロントサイドメンバ14より外側の側部に衝突する。このような衝突では、第2自動車42により、第1自動車41の前輪43が車軸から脱落し、脱落した前輪43がトーボードパネル13または接合部37に押し込まれる、可能性がある。
図7は、図1の車体1での衝突状態を示す説明図である。
図7には、脱落した前輪43、トーボードパネル13、Aピラー17、およびこれらの接合部37が図示されている。
図7(A)は、脱落した前輪43が接合部37に対して押し込まれる場合の説明図である。脱落した前輪43がそのまま後方へ移動する場合、脱落した前輪43は、図7(A)のように接合部37に押し込まれる可能性がある。
図1の車体1では、接合部37は、内向きに折り曲げられている。接合部37におけるAピラー17の外フランジ部32と、トーボードパネル13の内フランジ部31とは、トーボードパネル13の前側に重なる。
接合部37に対して脱落した前輪43が押し込まれたとしても、図中に点線で示すように、接合部37の全体が後方へ向けて変形する。接合部37において、内フランジ部31と外フランジ部32との接合が破断し難い。
その結果、乗員室3は、密閉された箱形状に維持され易い。
図7(B)は、脱落した前輪43が接合部37の内側のトーボードパネル13に対して押し込まれる場合の説明図である。脱落した前輪43が斜め内側に向かって後方へ移動した場合、脱落した前輪43は、図7(B)のようにトーボードパネル13に押し込まれる可能性がある。
図1の車体1では、接合部37は、内向きに折り曲げられている。接合部37におけるAピラー17の外フランジ部32と、トーボードパネル13の内フランジ部31とは、トーボードパネル13の前側に重なる。トーボードパネル13は、その端部が折り返された状態で、外フランジ部32と接合される。
トーボードパネル13に対して脱落した前輪43が押し込まれたとしても、それによるトーボードパネル13の変形量が少ない場合には、その影響を折り返し部分で吸収できる。内フランジ部31と外フランジ部32との接合部37に対して力が作用し難くできる。トーボードパネル13の変形量がある程度進まなければ、接合部37に対して力が作用しない。接合部37において、外フランジ部32と内フランジ部31との接合が破断し難くなる。
しかも、トーボードパネル13の変形が進んで、接合部37が変形するとしても、接合部37の変形は後方に向けて変形し易い。接合部37が、横向きから前向きへ起きるように変形し難い。接合部37が前向きに変形した場合、その後のたとえば多重衝突の入力により接合部37が破断し易くなる可能性がある。本実施形態では、その可能性は殆どあり得ない。
その結果、乗員室3は、密閉された箱形状に維持され易い。
図8は、比較例の車体1での衝突状態を示す説明図である。
図8には、脱落した前輪43、トーボードパネル13、Aピラー17、およびこれらの接合部37が図示されている。
比較例の車体1では、トーボードパネル13の内フランジ部31と、Aピラー17の外フランジ部32との接合部37は、前に向かって延びている。センタストラクチャ6とサイドストラクチャ7とを接合しただけの場合、接合部37は、前に向かって延びる。
図8(A)は、脱落した前輪43が接合部37に対して押し込まれる場合の説明図である。
比較例の車体1では、接合部37は、前に向かって延びている。接合部37におけるトーボードパネル13の内フランジ部31と、Aピラー17の外フランジ部32とは、幅方向において重なる。接合部37に対して脱落した前輪43が押し込まれた場合、図中に点線で示すように、接合部37において、内フランジ部31と外フランジ部32との接合が破断する可能がある。内フランジ部31と外フランジ部32との接合が破断して開いた場合、乗員室3は、密閉された箱形状に維持されない。
図8(B)は、脱落した前輪43が接合部37の内側のトーボードパネル13に対して押し込まれる場合の説明図である。
比較例の車体1では、接合部37は、前に向かって延びている。接合部37の内側のトーボードパネル13に対して脱落した前輪43が押し込まれた場合、その入力荷重の殆どすべてはトーボードパネル13に作用する。Aピラー17には殆ど作用しない。しかも、図中に点線で示すように接合部37の内側のトーボードパネル13が後側へ変形した場合、その変形により接合部37に作用する力は、内フランジ部31を外フランジ部32から引き剥がす方向の力として作用する。
本実施形態のようにトーボードパネル13の端部が折り返されていないので、トーボードパネル13が変形し始めたら直ちに、接合部37に対して引き剥がす力が作用する。
その結果、スポット溶接などでは、引き剥がす方向の力に弱く、せん断方向の力に強いので、接合部37において、外フランジ部32と内フランジ部31との接合が破断する可能性がある。内フランジ部31と外フランジ部32との接合が破断して開いた場合、乗員室3は、密閉された箱形状に維持されない。
以上のように、本実施形態では、トーボードパネル13の内フランジ部31とAピラー17の外フランジ部32とを接合して成る接合部37は、車体1の幅方向において内向きに折り曲げられる。
よって、たとえば、トーボードパネル13に対して脱落した車輪などが前方向から押し込まれ、仮に図7(B)のようにトーボードパネル13が変形するとしても、そのトーボードパネル13の変形により接合部に作用する力はせん断力として作用し易い。トーボードパネル13の変形により接合部37に対して、引き剥がし力が作用し難くなる。内フランジ部31と外フランジ部32との接合が剥離し難くなる。
また、接合部37は、内向きに幅方向へ折り曲げられるため、脱落した前輪43による荷重の入力方向に沿う前後方向へ延在していない。よって、その入力により接合部37自体が撓んで開いて破断する可能性が殆ど無い。これに対して、接合部37が、脱落した前輪43による荷重の入力方向に沿って前後に延在する場合には、図8(A)のようにその入力により接合部37自体が撓んでパンタグラフのように開いて破断する可能性がある。
また、接合部37は、たとえば前輪43の後方に位置する部分において予め全体的に折り曲げられているので、衝突の際に接合部37についての前輪43が当たる部分が部分的に折れ曲がることが起きない。衝突の際に接合部37が部分的に折れ曲がると、折れ曲がる部分において破断が起き易い。そして、接合部37を複数の接合点でスポット溶接している場合に、1の接合点が破断すると、その周囲の接合点が連鎖的に破断し難い。本実施形態では、このような連鎖的な破断を抑制できる。
また、接合部37は、内向きに幅方向へ折り曲げられるため、トーボードパネル13の前に位置する。前輪43が当たることにより、トーボードパネル13が後へ押し込まれるように変形する場合、接合部37はトーボードパネル13と同様に後へ押し込まれるように変形し得る。トーボードパネル13に対して接合部37が開き難くなるので、変形したトーボードパネル13が更に変形する場合に、接合部37に対して引き剥がし力として作用し難くなる。
これらの効果により、本発明の車両の車体構造では、車両の衝突安全性能を高めることができる。
このように本実施形態の車体構造では、トーボードパネル13およびAピラー17の変形を効果的に抑え、車両の衝突安全性能を更に高めることができる。
また、本実施形態では、トーボードパネル13を有するセンタストラクチャ6とAピラー17を有するサイドストラクチャ7とを接合する場合、トーボードパネル13の内フランジ部31およびAピラー17の外フランジ部32とが共に前方向へ突出した状態で、接合する。そして、その後に接合部37を内側へ折り曲げる。
よって、センタストラクチャ6とサイドストラクチャ7とを接合するまでの車体1の製造工程には、既存の車体製造ラインをそのまま利用できる。製造工程の変更を最小限にできる。製造コストの上昇を抑えることができる。センタストラクチャ6とサイドストラクチャ7とを容易に接合できる。
また、本実施形態では、内フランジ部31と外フランジ部32とは、接合部37においてスポット溶接、またはレーザ溶接などによる点付け溶接により接合される。
よって、スポット溶接または点付け溶接を用いる既存の車体製造ラインを用いて、本実施形態の内フランジ部31と外フランジ部32とを接合できる。
しかも、接合部37は、接合後に車体1の幅方向において内向きに折り曲げられる。このため、図7に示すように接合部37に対して内フランジ部31と外フランジ部32との間を開こうとする力が作用し難い。
これに対して、図8に示す場合には、内フランジ部31と外フランジ部32との間を開こうとする力が接合部37に作用し、1つの接合点が破断することにより、スポット溶接または点付け溶接による複数の接合点がジッパのように次々と連続的に破断する可能性がある。
本実施形態では、接合部37が外向きに折り曲げられているため、スポット溶接または点付け溶接による接合部37に対して、内フランジ部31と外フランジ部32との間を開こうとする力が作用し難く、このような連鎖的な破断が生じ難い。
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
たとえば上記実施形態は、センタストラクチャ6のトーボードパネル13と、サイドストラクチャ7のAピラー17との接合部37に対して、本発明を適用した例である。
この他にもたとえば、センタストラクチャ6のリアバルクヘッドパネル26と、サイドストラクチャ7のCピラー23との接合部に対して、本発明を適用してよい。該接合部を内側に折り曲げることにより、車体1の後方からの衝突の際に、リアバルクヘッドパネル26とCピラー23との接合部が破断し難くなる。
上記実施形態は、3ボックス構造の自動車の車体1に、本発明を適用した例である。
この他にもたとえば、1ボックス構造の自動車、2ボックス構造の自動車、トラック、バス、電車、航空機、などの車両において、本発明を適用してよい。特に、車体1のセンタストラクチャ6の幅方向両側に一対のサイドストラクチャ7を接合することにより製造される車両においては、本発明を好適に適用できる。
1 車体、2 前室、3 乗員室、4 後室、6 センタストラクチャ、7 サイドストラクチャ、13 トーボードパネル(仕切りパネル)、17 Aピラー(ピラー)、27 ダッシュパネル、31 内フランジ部、32 外フランジ部、33 内側サイドパネル(サイドパネル)、34 外側サイドパネル(サイドパネル)、37 接合部、43 前輪(車輪)

Claims (4)

  1. 車両の車輪を軸支可能な車体において幅方向に延在して前記車体の前室または後室と乗員室とを仕切る仕切りパネルを有し、前記車体の幅方向の中央部を形成するセンタストラクチャと、
    前記車体の側部において前記乗員室の前角または後角となる位置で前記仕切りパネルと接合されるサイドパネルを有し、前記センタストラクチャの前記幅方向の側面に合わせることで、前記車体の側面部を形成するサイドストラクチャと、
    を有し、
    前記仕切りパネルは、前記幅方向の端部に形成される内フランジ部を有し、前記内フランジ部は、前記センタストラクチャにおいて、前記仕切りパネルの端部から前後方向へ突出し、
    前記サイドパネルは、外フランジ部を有し、前記外フランジ部は、前記サイドストラクチャの縁部から前後方向へ突出し、
    前記センタストラクチャの前記仕切りパネルと前記サイドストラクチャの前記サイドパネルとは、
    前記内フランジ部と前記外フランジ部とを重ねて接合して接合部を形成し、前後方向へ突出するように形成された前記接合部を、前記車体に軸支される車輪の前後方向に位置する部分において、前記幅方向において内向きに折り曲げた状態で、接合される、
    車両の車体構造。
  2. 前記サイドパネルは、前記乗員室の前角または後角に配置されるピラーを構成する部材である、
    請求項1記載の車両の車体構造。
  3. 前記内フランジ部と前記外フランジ部とは、スポット溶接または点付け溶接により接合される、
    請求項1または2記載の車両の車体構造。
  4. 車両の車輪を軸支可能な車体の製造方法であって、
    前記車体の前室または後室と乗員室とを仕切るように前記車体において幅方向に延在する仕切りパネルを有し、前記車体の幅方向の中央部を形成するセンタストラクチャと、前記車体の側部において前記乗員室の前角または後角となる位置で前記仕切りパネルと接合されることにより前記乗員室を画成するサイドパネルを有し、前記センタストラクチャの前記幅方向の側面に合わせることで、前記車体の側面部を形成するサイドストラクチャとを接合するために、
    前記センタストラクチャについての前記仕切りパネルの前記幅方向の端部において前後方向へ突出するように形成される内フランジ部と、前記サイドストラクチャの縁部から前後方向へ突出し、前記サイドパネルにおいて前記乗員室の前角または後角に対応する部位に形成される外フランジ部と、を重ねて接合する工程と、
    前記内フランジ部と前記外フランジ部とを接合して形成されて前後方向へ突出する接合部を、前記車体に軸支される車輪の前後方向に位置する部分において、前記車体の幅方向において内向きに折り曲げる工程と、
    を有する車体の製造方法。
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