JP6190634B2 - プリディストータ、プリディストータの制御方法 - Google Patents

プリディストータ、プリディストータの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力増幅器で発生する歪成分を補償するプリディストータとプリディストータ制御方法に関する。
一般に、電力増幅器(以下、PAともいう)は移動無線通信用送信機において最も消費電力が高い無線回路といわれている。このため、送信機の消費電力低減には、PAの消費電力を低減すること、いいかえるとPAの動作効率を高めることが重要である。PAの効率を高める方法として、PAの動作点を飽和出力近傍で動作させる方法がある。しかし、PAの入出力特性における非線形性によって非線形歪(以下、歪成分ともいう)が発生し、この歪成分は隣接チャネルを使用する無線通信システムへの干渉となる。
PAで発生する歪成分を補償する方法の一つとして、べき級数型プリディストータ(以下、プリディストータともいう)がある(例えば、特許文献1、非特許文献1,2参照)。プリディストータは、PAで発生する歪成分を打ち消す成分(以下、歪補償成分ともいう)を生成し、PAに入力する信号に歪補償成分を付加する。
図1に、従来のプリディストータ200とその周辺装置である入力端子100、増幅装置300、帰還信号生成装置400を示す。この例では、入力端子100にディジタルのI相とQ相の信号が入力される場合を示している。
プリディストータ200は、分配器210、線形伝達経路220、3次歪発生経路230、合成器240、DAC250、ADC260、歪測定器270、制御器280を含む。
分配器210は、入力端子100から入力された信号を線形伝達経路220と3次歪発生経路230に分配する。
線形伝達経路220は、遅延器を含み、3次歪発生経路230で生じる遅延時間だけ信号伝達を遅延させる。
3次歪発生経路230は、3次歪発生器231、3次歪ベクトル調整器232、3次歪周波数特性補償器233を含む。3次歪発生器231は、3次歪発生器231に入力する信号を3乗し、3次歪成分を生成する。3次歪ベクトル調整器232は、3次歪成分の振幅と位相を調整する。3次歪周波数特性補償器233は、周波数領域にて予め定めた帯域幅毎に3次歪ベクトル調整器232の出力の振幅と位相を調整し、3次歪ベクトル調整器232の出力に周波数特性を与える。
合成器240は、線形伝達経路220の出力と3次歪発生経路230で生成した歪補償成分とを合成する。
DAC250は、合成器240の出力をディジタル信号からアナログ信号に変換する。
ここで、プリディストータ200の説明を中断し、増幅装置300と帰還信号生成装置400を説明する。
増幅装置300は、DAC250からの出力を直交変調する直交変調器310と、直交変調器の出力を所定の周波数となるように信号を周波数変換するアップコンバータ320と、アップコンバータ320の出力を所定の電力となるように信号を増幅する電力増幅器330とを含む。電力増幅器330の出力は出力端子500から、例えば図示していないデュープレクサを介してアンテナに供給される。
帰還信号生成装置400は、電力増幅器330の出力の一部を取り出す方向性結合器410と、方向性結合器410の出力を所定の周波数まで周波数変換するダウンコンバータ420と、ダウンコンバータの出力を直交復調する直交復調器430とを含む。
ここから、プリディストータ200の説明に戻る。
ADC260は、帰還信号生成装置400の出力であるアナログ信号をディジタル信号に変換する。
歪測定器270は、ADC260の出力から増幅装置300の電力増幅器330で発生した歪成分の電力を予め定めた任意の帯域幅毎に測定する。
制御器280は、歪測定器270の測定結果に基づいて電力増幅器330で発生する歪成分を補償するように3次歪ベクトル調整器232の振幅と位相と、3次歪周波数特性補償器233の振幅と位相を、それぞれ制御する。
一般に、5次以上の高次の歪成分も補償する場合、iを予め定められた3以上の整数として、(2i−1)次歪発生経路を並列に設置する。プリディストータが複数の歪発生経路(つまり、(2n−1)次歪発生経路、n=2,…,i)を備える場合、分配器210は線形伝達経路220と各(2n−1)次歪発生経路に信号を分配する。合成器240は、線形伝達経路220と各(2n−1)次歪発生経路からの出力を合成する。(2n−1)次歪発生経路は、(2n−1)次歪発生器、(2n−1)次歪ベクトル調整器、(2n−1)次周波数特性補償器を備える。例えば、3次の歪成分に加え5次の歪成分を補償する場合、i=3とし、3次歪発生経路と5次歪発生経路を並列に設置する。
図2に、3次歪発生器231の出力をN点FFT(高速フーリエ変換)した場合の結果を模式的に示す。特許文献1によると、図2の斜線に示すように、3次歪発生器231の出力の帯域の一部は線形伝達経路220を経た信号の帯域に重なる。このため、3次歪発生経路230の出力は線形伝達経路220を経た信号に干渉を与える。特許文献1では、3次歪発生器231の構成を図3に示す構成とし、この干渉を低減することが開示されている。特許文献1による3次歪発生器231は、分配器1000と3乗算器1100と1乗算器1200とベクトル調整器1300と加算器1400と設定部1500を含む。
分配器1000は、3次歪発生器231に入力される信号を3乗算器1100と1乗算器1200に分配する。3乗算器1100は、3乗算器1100に入力される信号を3乗する。1乗算器1200は、1乗算器に入力する信号を1乗する(このため、実際には1乗算器1200は不要である)。ベクトル調整器1300は、1乗算器1200の出力の振幅と位相を調整する。加算器1400は、3乗算器1100の出力とベクトル調整器1300の出力を合成する。プリディストータ200の入力信号が変調信号の場合、設定部1500は、加算器1400の出力中の1乗成分および3乗成分を検出し、レベルが最小となるようにベクトル調整器1300の振幅と位相を調整し、加算器1400において3乗算器1100の出力に含まれる1乗算器1200の出力に由来する成分が除去される。
特開2006-128922号公報
S. Mizuta, Y. Suzuki, S. Narahashi, and Y. Yamao, "A new adjustment method for the frequency-dependent IMD compensator of the digital predistortion linearizer," Radio and Wireless Symposium 2006, pp. 255 - 258, Jan. 2006. J. Ohkawara, Y. Suzuki, and S. Narahashi, "Fast Calculation Scheme for Frequency Characteristic Compensator of Digital Predistortion Linearizer," IEEE Vehicular Technology Conference Spring 2009, proceedings, Apr. 2009.
PAの特性によっては、3次歪発生器において干渉を最小化するよりも干渉を許容したほうがPAで発生する歪成分の大きさを示す指標の1つである隣接チャネル漏洩電力比(ACLR)を改善できる場合がある。特許文献1の構成では、干渉を常に最小化するため、干渉を許容する場合に比べてACLRを改善できない場合がある。
本発明は、このような観点から、隣接チャネル漏洩電力を低減できるプリディストータおよびその制御方法を提供することを目的とする。
本発明のプリディストータは、電力増幅器で発生する歪成分を打ち消すような歪補償信号を入力信号に予め付加するプリディストータであって、Kを予め定められた2以上の整数として、(1)入力信号を遅延伝達する線形伝達経路と、(2)入力信号の(2K−1)次歪信号を生成する(2K−1)次歪発生器と、当該(2K−1)次歪信号の振幅と位相を調整する(2K−1)次歪ベクトル調整器とを含み、歪補償成分を出力する歪発生経路と、(3)線形伝達経路の出力と歪発生経路の出力とを合成する合成器と、(4)合成器の出力に対して電力増幅を行う電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力を測定する歪測定器と、(5)歪測定器の測定結果に基づいて歪発生経路の制御を行う制御器とを含んでいる。(2K−1)次歪発生器は、入力信号から(2K−1)次歪信号および(2K−1)次未満の各信号を生成するとともに、当該(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相を調整し、制御器は、電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力が予め定められた基準を満たすように、(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相の調整量を決定する。
あるいは本発明のプリディストータは、電力増幅器で発生する歪成分を打ち消すような歪補償信号を、複数のコンポーネントキャリアを含む入力信号に予め付加するプリディストータであって、Kを予め定められた2以上の整数として、(1)コンポーネントキャリアの信号を遅延伝達する線形伝達経路と、(2)コンポーネントキャリアごとに当該コンポーネントキャリアの信号だけを用いて得られる(2K−1)次の自己歪信号を生成する(2K−1)次自己歪信号発生器と、互いに異なる二つ以上のコンポーネントキャリアの信号を用いて得られる相互変調歪信号のうち少なくとも一部(以下、自己歪信号と相互変調歪信号のうち少なくとも一部を歪信号と総称する)のそれぞれを生成する相互変調歪信号生成器と、これら歪信号それぞれに対応して設けられており、対応する歪信号の振幅と位相を調整するベクトル調整器とを含み、歪補償信号を出力する歪発生経路と、(3)線形伝達経路の出力と歪補償信号発生経路の出力とを合成する合成器と、(4)合成器の出力に対して電力増幅を行う電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力を測定する歪測定器と、(5)歪測定器の測定結果に基づいて歪発生経路の制御を行う制御器とを含んでいる。(2K−1)次自己歪信号発生器は、(2K−1)次自己歪信号および当該(2K−1)次自己歪信号の生成に用いたコンポーネントキャリアの信号だけを用いて得られる(2K−1)次未満の各信号を生成するとともに、当該(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相を調整し、相互変調歪信号生成器は、相互変調歪信号生成器に入力される信号の振幅と位相を調整し、制御器は、電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力が予め定められた基準を満たすように、(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相の調整量と、相互変調歪信号生成器に入力される信号の振幅と位相の調整量を決定する。
本発明によると、電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力が予め定められた基準を満たすように、歪発生経路における(2K−1)次の歪発生器にて、(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相の調整量を決定することから、隣接チャネル漏洩電力を低減できる。
従来のプリディストータの構成例を示すブロック図。 3次歪発生器の出力のFFT結果の模式図。 従来の3次歪発生器の構成例を示すブロック図。 第1実施形態のプリディストータの構成例を示すブロック図。 3次歪発生器の構成例を示すブロック図。 3次歪発生器に含まれる電力測定部の構成例を示すブロック図。 電力測定部による電力測定の対象となる帯域幅の例。 歪発生経路における処理フロー図。 電力増幅器の出力スペクトルの模式図。 3次歪発生器における処理フロー図。 図10に示すステップS100の処理における振幅値の調整処理の例。 電力測定部の構成例を示すブロック図。 第2実施形態のプリディストータの構成例を示すブロック図。 5次歪発生器の構成例を示すブロック図。 歪発生経路における処理フロー図。 図15に示すステップS1000,S1100,S1200,S1300,S1400,S1500の各処理の内容。 二つの異なる信号帯域における電力増幅器の出力スペクトルの模式図。 第3実施形態のプリディストータの構成例を示すブロック図。 3次歪発生器の構成例を示すブロック図。 相互変調歪生成部の構成例を示すブロック図。 歪発生経路における処理フロー図。 図21に示すステップS2000,S2200の各処理の内容。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、各実施形態において、図1に示すプリディストータ200に含まれる構成要素と同じ機能を有する構成要素にはプリディストータ200における当該構成要素の符号を割り当てて重複説明を省略する。よって、重複説明が省略された構成要素については図1に示すプリディストータ200に関する説明を参照されたい。
また、本発明のプリディストータは、Kを予め定められた2以上の整数、n=2、3、・・・、K(K=2の場合、n=2)とすると、(2n−1)次歪発生経路を含む。説明の便宜から、第1実施形態と第3実施形態はK=2の場合について、第2実施形態はK=3の場合について説明する。
《第1実施形態》
図4に、第1実施形態のプリディストータ30000およびその周辺装置のブロック図を示す。従来のプリディストータ200との違いは、3次歪発生器23110と制御器28000である。第1実施形態のプリディストータ30000は、制御器28000の指示に従ってACLRを改善するように3次歪発生器23110が動作する点で、従来技術と異なる。
3次歪発生経路23100は、3次歪発生器23110と、3次歪ベクトル調整器232と、3次歪周波数特性補償器233とを備える。
制御器28000は、3次歪発生器23110を制御する3次歪発生器制御部28100と、3次歪ベクトル調整器232を制御する3次歪ベクトル調整器制御部28200と、3次歪周波数特性補償器233を制御する3次歪周波数特性補償器制御部28300と、歪発生経路制御部28400とを含む。
図5に3次歪発生器23110のブロック図を示す。3次歪発生器23110は、分配器1000と、3乗算器1100と、ベクトル調整器1321と、加算器1400と、電力測定部1701とを備える。ベクトル調整器1321が3次歪発生器制御部28100の指示に従い振幅と位相を調整する点がベクトル調整器1300と異なる。電力測定部1701は3次歪発生器制御部28100からの指示に従い加算器1400の出力における電力を測定するとともに測定した電力を3次歪発生器制御部28100に伝達する。
図6に電力測定部1701のブロック図を示す。電力測定部1701は、シリアルパラレル変換器(S/P)1710と、フーリエ変換器(FFT)1711と、電力測定器1712とを備える。
S/P1710は、加算器1400の出力をシリアルパラレル変換する。FFT1711は、S/P1710の出力をフーリエ変換によって時間領域から周波数領域に変換する。電力測定器1712は、制御器28100の指示に従って予め定めた複数の帯域幅内の電力を測定し、測定結果を制御器28100に伝達する。
電力測定器1712にて予め定める帯域幅の例を図7に示す。図7の横軸はFFTのポイント数を示す。図7では、Nポイントのフーリエ変換を行った例を示しているため、横軸の範囲は0からN−1ポイントまでとなる。ここで、BWS0は、プリディストータ30000に入力される信号の帯域幅BWmの半分を示している。例えば、プリディストータ30000の入力信号が5MHzのLTE信号である場合、BWs0は5MHz帯域幅のうちの上半分の2.5MHzから5MHzの2.5MHz帯域幅である。BWd0は、BWs0に隣接する周波数帯域であり、その帯域幅はBWs0の帯域幅と同じである。ここでは、プリディストータ30000に入力される信号の帯域幅を5MHzの場合について示したが、入力信号の帯域幅に合わせてBWs0とBWd0を設定する。
図8を参照して歪発生経路制御部28400の動作を示す。
[ステップS300]
歪発生経路制御部28400は、3次歪発生器23110で発生する歪成分による干渉が予め定めた範囲内となるように3次歪発生器制御部28100に指示する。3次歪発生器制御部28100は、後述する図10に示す方法を用いてベクトル調整器1321に与える振幅値と位相値の調整量を調整する。3乗算器1100で発生する歪成分による干渉が予め定めた範囲内となった場合、3次歪発生器制御部28100はベクトル調整器1321の調整が完了したことを歪発生器制御部28400に通知する。
[ステップS301]
歪発生経路制御部28400は、電力増幅器330で発生する3次歪成分のうち上側帯域もしくは下側帯域どちらか一方の成分を低減するように3次歪ベクトル調整器制御部28200に指示する。3次歪ベクトル調整器制御部28200は、従来の手法である摂動法(参考文献:T. Nojima and T. Konno, “Cuber Predistortion Linearizer for Relay Equipment in 800 MHz Band Land Mobile Telephone System,”IEEE Transactions on vehicular technology, Vol. 34 , Issue 4, pp. 169-177, 1985.))や2次関数近似を用いた方法(上記非特許文献2)を用いて3次歪ベクトル調整器232に与える振幅値と位相値の調整量を調整する。
以下に参考文献に記載された摂動法を用いた振幅値の調整方法を示す。位相値の調整法方法は振幅値と同じである。摂動法による振幅値の調整を説明するため、図9にPAの出力のスペクトルを模式的に示す。
3次歪ベクトル調整器制御部28200は、3次歪成分上側帯域もしくは3次歪成分下側帯域の何れか一方の帯域を指定し、その帯域内の電力を低減するように3次歪ベクトル調整器232の位相値と振幅値をそれぞれ調整する。振幅値の調整では、最初に任意に設定した振幅値A0の前後において指定した帯域内の電力PDを歪測定器270で測定する。得られた電力PDのうち電力が減少する方向へ事前に定めたオフセット値ΔAだけ振幅値を変更し、電力PDを歪測定器270で測定する。振幅値の変更と電力PDの測定を繰り返すことで電力PDが予め定めた閾値以下となる振幅値AMINを求める。求めたAMINを3次歪ベクトル調整器232に設定する。
以下に上記非特許文献2に記載された2次関数近似を用いた振幅値の調整方法を示す。位相値の調整法方法は振幅と同じである。
異なるL1点(L1は3以上の整数)の振幅(A1,A2,…,AL1)にてそれぞれ指定した帯域内の電力(P1,P2,…,PL1)を測定し、用いた振幅(A1,A2,…,AL1)と測定した電力(PD,1,PD,2,…,PD,L1)から最小2乗法により振幅値に対する指定した帯域内電力の依存性を示す2次関数(PD=a22+a1A+a0)の係数(a2,a1,a0)を求める。a2,a1,a0においてPDを最小にする振幅値AMIN(=−a1/2a2)を3次歪ベクトル調整器232に設定する。位相値についても同様である。ここでは、2次関数を例として説明したが、位相値に対するPDの依存性として2次関数の係数ではなく三角関数(PD=b2cos(b1−X)+b0、Xは位相値)の係数(b2,b1,b0)を最小2乗法により求めてもよい。得られた三角関数において指定した帯域の電力を最小にする(即ち、b1−X=π)位相値を3次歪ベクトル調整器232の位相値XMIN(=b1−π)として設定する。
2次関数近似を用いた計算方法において、係数a2が0以下となる場合または2次関数の係数が求まらない場合、PDを最小にする振幅値が0以下になる場合、測定した電力のうち最も電力を低くした振幅値をAMINとしてもよい。
3次歪ベクトル調整器制御部28200は、3次歪ベクトル調整器232の調整に必要となる電力増幅器330で発生する3次歪成分の電力を、歪発生経路制御部28400を介して歪測定器270から得る。もしくは、3次歪ベクトル調整器制御部28200が直接歪測定器270を制御してもよい。3次歪ベクトル調整器232の調整が完了した場合、3次歪ベクトル調整器制御部28200は調整が完了したことを歪発生経路制御部28400に通知する。
[ステップS302]
歪発生経路制御部28400は、ACLRを測定するように歪測定器270に指示する。歪測定器270は、測定したACLRを歪発生経路制御部28400に通知する。ACLRは、ディジタルプリディストータ30000に入力される信号の無線通信方式に定められた規格に応じて設定する。例えばディジタルプリディストータ30000に入力される信号が下りのLTE 5MHzの場合、送信帯域4.515MHz内の電力と中心周波数から+/−5MHz離調点における4.515MHz帯域内の電力との比である。以下、中心周波数に対して高い周波数となるACLRを上側ACLR、低い周波数となるACLRを下側ACLRという。加えて、次隣接のACLRも測定してもよい。この場合、下りのLTE 5MHzの場合、送信帯域4.515MHz内の電力と+/−10MHz離調点における4.515MHz帯域内の電力との比である。5次歪成分の帯域は3次歪成分に比べ広帯域であるため、5次歪成分を補償する場合は次隣接のACLRを測定することが望ましい。
[ステップS303]
歪発生経路制御部28400は、歪測定器270から通知された上側/下側ACLRがどちらも予め定めた目標値以下となる場合、処理を終了する。ACLRが予め定めた目標値を超える場合、以下に示すステップS304に遷移する。
[ステップS304]
歪発生経路制御部28400は、ステップS301と同じ帯域側の歪成分を低減するように3次歪発生器制御部28100に指示する。3次歪発生器制御部28100は、電力増幅器330で発生する3次歪成分を低減するように従来の手法である摂動法や2次関数近似を用いた方法を用いてベクトル調整器1321に与える振幅値と位相値の調整量を調整する。3次歪発生器制御部28100は、ベクトル調整器1321の調整に必要となる電力増幅器330で発生する3次歪成分の電力について歪発生経路制御部28400を介して歪測定器270から得てもよく、直接歪測定器270から得てもよい。このステップでは、歪測定器270の結果を用いることで電力増幅器330にて発生する3次歪成分を低減するようにベクトル調整器1321の振幅と位相の調整量を調整する。
ベクトル調整器1321の調整が完了した場合、3次歪発生器制御部28100は調整が完了したことを歪発生経路制御部28400に通知する。
ステップS304の後、ステップS302aとS303aの各処理を行う。ステップS302aはステップS302と同じであり、ステップS303aはステップS303と同じである。ステップS303aの処理においてACLRが目標値を超える場合、ステップS301b,S302b,S303bの各処理を再度行う。ステップS301bはステップS301と同じであり、ステップS302bはステップS302と同じであり、ステップS303bはステップS303と同じである。これにより、ステップS304の処理により3次歪成分を低減するように調整された3次歪発生器23110に合わせて3次歪ベクトル調整器232を調整するため、ステップS301b(S301)の処理を再度行わない場合に比べてACLRを改善できる場合がある。
ステップS301bの処理を再度行ってもACLRが目標値を超える場合、ステップS305に遷移する。
[ステップS305]
歪発生経路制御部28400は、電力増幅器330で発生する3次歪成分を低減するように3次歪周波数特性補償器制御部28300に指示する。3次歪周波数特性補償器制御部28300は、従来の手法である摂動法や2次関数近似を用いた方法を用いて3次歪周波数特性補償器233の分割した各帯域に与える振幅値と位相値の調整量を調整する。3次歪周波数特性補償器制御部28300は、3次歪周波数特性補償器233の調整に必要となる電力増幅器330で発生する3次歪成分の電力を、歪発生経路制御部28400を介して歪測定器270から得る。3次歪周波数特性補償器233の調整が完了した場合、3次歪周波数特性補償器制御部28300は調整が完了したことを歪発生経路制御部28400に通知する。
ステップS305の後、ステップS302cとS303cの各処理を行う。ステップS302cはステップS302と同じであり、ステップS303cはステップS303と同じである。ステップS303cの処理においてACLRが目標値を超える場合、ステップS304の処理に戻る。この一連の処理を予め定めた回数繰り返してもACLRが目標値を超える場合は処理を終了してもよい。
ステップS300とS301の順番を入れ替えた場合、3次歪成分を低減できない場合があるため1回目の調整に限り、ステップS300、S301の順に行うことが望ましい。高次歪成分の補償においても同様である。
上記の各ステップを実施中、電力増幅器330で発生する歪成分が無線通信方式の定める規格値を満たさないまたは予め定めた目標値を超える場合、例えば、出力端子500の前段に配置したスイッチ等のON/OFFを制御して、規格を満足しない信号を出力端子500から出力させないようにする。このとき、図示していない表示ディスプレイに規格値または目標値を満足していないことを表示する機能を制御器28000に持たせてもよい。これによりプリディストータ30000が規格値または目標値を満足していないことを把握することができる。
本実施形態は、ステップS304の処理にて3次歪発生器23110で発生する歪成分による干渉を許容してでも電力増幅器330で発生する3次歪成分を低減するようにベクトル調整器1321を調整する構成を備えている点が従来手法と異なる。
図10を参照して3次歪発生器制御部28100の動作を示す。
[ステップS100]
3次歪発生器制御部28100はベクトル調整器1321に与える振幅の調整量の調整から開始する。これは、3次歪発生器23110の特性上、位相値を初期値0のままとし振幅値を調整するだけで干渉を低減できる場合があり、ベクトル調整器1321の調整時間を短縮できるためである。具体的な調整方法は後述する。
[ステップS101]
3次歪発生器制御部28100は、BWs0とBWd0の電力をそれぞれ測定するように電力測定部1701に指示する。電力測定部1701は測定した結果を3次歪発生器制御部28100に伝達する。3次歪発生器制御部28100は、得られた電力からレベル差Rd=(10 log10(BWs0/BWd0))計算する。ここでレベル差をデシベルとしているが、比(BWs0/BWd0)でもよく、差(BWs0−BWd0)でもよい。以下では、レベル差をデシベルとした場合を例に説明する。なお、信号処理能力や演算時間等の観点から適した単位を用いることが好ましい。
[ステップS102]
計算したレベル差Rdが予め定めた範囲内(例えば、−0.5<Rd<0.5)である場合、処理を終了する。レベル差Rdが当該範囲内ではない場合、位相の調整(ステップS103)に遷移する。
線形伝達経路220の出力の成分(これは遅延差を除くと分配器1000の出力と同じである)は3次歪成分と重なり合うため、電力測定部1701にて3乗算器1100の出力からは線形伝達経路220の出力の成分を0に低減できたか否かを判別しえない。このため、レベル差Rdを0近傍にすることによって、線形伝達経路220の出力の成分を少なくともBWd0のレベル以下にすることができ、BWs0で生じる干渉を低減できる。
振幅の簡易な設定方法として、レベル差Rdが最も小さくなるときの振幅値を設定するようにしてもよい。すなわち、BWs0がBWd0に対して最も小さくなるようにしてもよい。これは、3次歪成分の帯域特性が台形状となる場合、BWs0の電力がBWd0の電力を下回ることはないためである。
[ステップS103]
3次歪発生器制御部28100はベクトル調整器1321に与える位相の調整量の調整を行う。具体的な調整方法は後述する。ステップS103の処理を行った後、ステップS101の処理を再び行う(ステップS101a)。
[ステップS104]
ステップS102の処理と同様に、計算したレベル差Rdが予め定めた範囲内である場合、処理を終了する。範囲内ではない場合には、ステップS100の処理に戻る。
ここで、S104の処理が予め定められた回数繰り返された場合には、処理を終了してもよい。この場合、3次歪発生器制御部28100は、レベル差Rdが最も良い結果(言い換えると、予め定められた範囲に最も近い結果)となる振幅と位相の調整量をベクトル調整器1321に設定する。このためには、これまでに設定された振幅と位相に対応するレベル差を記憶しておくのがよい。
このようにレベル差Rdを計算しRdを0に近づけるように調整する点が従来技術(上記特許文献1)と異なり、ベクトル調整器1321に与える適切な振幅値と位相を従来技術(上記特許文献1)と比べて簡易に求められる場合がある。
ステップS100の処理における振幅値の調整について詳細を説明する。ここでは、上述の摂動法を参考にした方法を説明する。ステップS103の処理における位相の調整も同じである。
ベクトル調整器1321に与える振幅値の初期値をY0、振幅の刻み値をΔYとする。ΔYは、事前に定めておく。Y0を与えた場合のレベル差Rd,0を測定し、記憶する。次いで振幅値をY0+ΔYとし、レベル差Rd,1を記憶する。Rd,0とRd,1を比較し、レベル差が0に近づく方向にΔYだけ振幅値を変え、予め定めた範囲内にレベル差が収まるまで振幅値にΔYを加算もしくは減算していく。例えば、Rd,0がRd,1よりも0から遠い場合かつRd,1が予め定めた範囲内とならない場合、Y0+2ΔYを振幅値とし、レベル差Rd,2を求める。Rd,2がRd,1よりもさらに0に近づく場合かつRd,2が予め定めた範囲内とならない場合、さらにΔYだけ振幅値を変える。ΔYだけ振幅値を変えた時のレベル差が予め定めた範囲内となった場合、終了する。逆に、Rd,2がRd,1よりも0から遠ざかる場合、ベクトル調整器1321に与える振幅値をY0+3ΔY/2とするように刻み値ΔYを小さい値に置換し、レベル差を求めていく。Rd,0がRd,1よりも0に近い場合かつRd,0が予め定めた範囲内とならない場合は、Y0−ΔYを振幅値としてレベル差を求める。
ステップS100の処理にてレベル差Rdが予め定めた範囲内に入った場合には、ステップS101の処理を省略してもよい。これによって、レベル差の測定回数を減らすことで計算時間の短縮が図れる。
ステップS100の処理における振幅値の調整について、摂動法ではなく、図11に示すフローを用いてもよい。
ステップS110からS115に示すように異なる3点の振幅値(Y0,Y1,Y2)においてBWs0の電力(P0,P1,P2)をそれぞれ測定し、記憶する。次いで、最小二乗法により振幅値とBWs0の関係を示す2次関数(P=a22+a1Y+a0)の係数(a2,a1,a0)を求める。求めた2次関数においてP=BWd0となるYADJを導出する。2次関数であるため、2つのYADJが求まるが、YADJは振幅値であり、負の値は存在しないことから正となる値とする(S116)。最後に求めたYADJをベクトル調整器に設定する(S117)。
ステップS112においてBWs0の電力だけでなくBWd0の電力も合わせて測定してもよい。BWs0とBWd0の電力からレベル差を求め、レベル差が予め定めた範囲内になった場合、設定した振幅値をYADJとしてもよい。これにより、振幅値の調整に要する時間を短縮できる。
位相値についても同様の処理を行ってもよい。この場合、2次関数ではなく三角関数(P=b2sin(Z−b1)+b0)の係数(b2,b1,b0)を求めてもよい。ただしZは位相値である。
ステップS100の処理における振幅値の調整についてLMSといった適応アルゴリズムを用いてもよい。適応アルゴリズムを用いる場合、レベル差Rdを誤差とし、レベル差Rdを最小化するように振幅値を更新していく。位相値についても同様である。
上述の例では電力測定部1701がFFTの結果のうち上側の成分を用いた場合について示したが、下側の成分(図2においてN/2以上、N−1以下の範囲の成分)を用いてもよい。3次歪発生器の出力が周波数依存性を持たないため、上側もしくは下側のいずれか一方の成分のみ使用することで、演算負荷を軽減できる。さらに演算負荷を軽減するため、BWs0の帯域幅をBWm/2よりも狭めてもよい。
ところで、BWs0の最小値は1つのFFTポイント数である。このように最小値の場合、BWs0としてBWm/2の範囲のうち原点以外の成分を使用する。プリディストータに入力される信号がOFDM信号である場合、原点の成分はヌルであることがあり、原点を用いた場合、レベル差を適切に求められないからである。BWd0はBWs0と同じ帯域幅とする。ただし、BWd0はBWs0に隣接させるのではなく、BWm-BWm/4のように予め定めたオフセット値だけFFTの原点から離れたところをBWd0の中心とする。例えば、5MHz帯域幅の信号であれば、オフセット値を3.75MHzとする。
電力測定部1701の構成を図12に示す構成としてもよい。図12に示す構成では、電力測定部1701に入力された信号を分配器1720によってFIRフィルタ1721に分配する。FIRフィルタ1721は、BWs0とBWd0の成分をそれぞれ抽出し、電力測定器1722でそれぞれ電力を求める。この構成を用いた場合、FFTを行わないため信号処理部の演算量を低減できる。このため、例えば信号処理部の処理速度を低減できるといった利点が生じる場合がある。
《第2実施形態》
図13に第2実施形態のプリディストータ40000とその周辺装置のブロック図を示す。第1実施形態との違いは、5次歪発生経路43100が追加されている点と、歪測定器271と制御器28001のそれぞれの構成にある。
分配器211は、分配器211に入力された信号を線形伝達経路220と、3次歪発生経路23100と、5次歪発生経43100とにそれぞれ分配する。
5次歪発生経路43100は、5次歪発生器43110、5次歪ベクトル調整器43120、5次周波数特性補償器23430を備える。5次歪発生器43110は、5次歪発生器43110に入力する信号を5乗し、5次歪成分を生成する。5次歪ベクトル調整器43120は、5次歪発生器43110の出力の振幅と位相をそれぞれ調整する。5次周波数特性補償器23430は、5次歪ベクトル調整器43120の出力を時間領域から周波数領域に変換し、予め定めた帯域毎に5次歪ベクトル調整器43120の出力の振幅と位相をそれぞれ調整してから時間領域に戻し、時間領域に戻された信号を加算器240へ出力する。
加算器240は、線形伝達経路220、3次歪発生経路23100、5次歪発生経路43100の各出力を合成し、DAC250に出力する。
図14に5次歪発生器43110のブロック図を示す。5次歪発生器43110は、分配器1010、5乗算器1600、3乗算器1100、ベクトル調整器1322,1331、加算器1410、電力測定部1901を備える。ベクトル調整器1322とベクトル調整器1331は、5次歪発生器制御部28120の指示に従い入力された信号の振幅と位相を調整する。電力測定部1901は、5次歪発生器制御部28120からの指示に従い加算器1410の出力における電力を測定するとともに測定した電力を5次歪発生器制御部28120に通知する。
図15、16を参照して歪発生経路制御部28401の動作を示す。なお、実質的に同じ処理には手順の前後に関わらず同じステップ番号を付与して重複説明を省略する。
ステップS1000は、ステップS300、S301、302を含み、ステップS1100は、ステップS400、S401、S302を含み、ステップS1200は、ステップS301、S304、S302を含み、ステップS1300は、ステップS401、S402、S302を含み、ステップS1400は、ステップS305、S302を含み、ステップS1500は、ステップS403、S302を含む。
ステップS300、S301、S302、S303は第1実施形態と同じであるため説明を省略する。ただし、5次歪成分を補償するため、ステップS302では次隣接のACLRの測定、ステップS303では次隣接も含めたすべてのACLRを測定する。また、ステップS303において、測定したすべてのACLRが予め定めた目標値以下となる場合に処理を終了する。このとき、次隣接のACLRの目標値と隣接のACLRの目標値は異なる値でもよい。隣接のACLRの目標値よりも次隣接のACLRの目標値を無線通信方式の規格値を満たす範囲で緩和することによって、プリディストータ40000の調整にかかる時間を短縮できる場合がある。
[ステップS400]
歪発生経路制御部28401は、1回目のステップS303でACLRが目標値以下とならない場合、5次歪発生器43110で発生する歪成分による干渉が予め定められた範囲内になるように5次歪発生器制御部28120に指示する。5次歪発生器制御部28120は、後述する方法を用いてベクトル調整器1322,1331に与える振幅値と位相値の調整量を調整する。干渉が予め定められた範囲内となった場合、5次歪発生器制御部28120はベクトル調整器1322,1331の調整が完了したことを歪発生器制御部28401に通知する。
[ステップS401]
歪発生経路制御部28401は、電力増幅器330で発生する5次歪成分のうち上側帯域もしくは下側帯域どちらか一方の成分を低減するように5次歪ベクトル調整器制御部28220に指示する。ここでは、3次歪ベクトル調整器の調整で選んだ帯域と反対側の帯域を選択した場合、歪成分を十分に低減できない懸念があるため、3次歪ベクトル調整器の調整で選んだ帯域と同じ側の帯域を調整対象にすることが望ましい。5次歪ベクトル調整器制御部28220は、上述した摂動法や2次関数近似を用いた方法を用いて5次歪ベクトル調整器43120に与える振幅値と位相値の調整量を調整する。5次歪ベクトル調整器制御部28220は、5次歪ベクトル調整器43120の調整に必要となる電力増幅器330で発生する5次歪成分の電力を、歪発生経路制御部28401を介して歪測定器271から得る。5次歪ベクトル調整器43120の調整が完了した場合、5次歪ベクトル調整器制御部28220は調整が完了したことを歪発生経路制御部28401に通知する。
ステップS401の処理の後、ステップS302の処理にてACLRを測定し、ステップS303の処理にてACLRが目標値以下となるか否かを判定する。目標値以下とならない場合、ステップS1200、S303の順に処理を行う。ステップS1200はステップS301と、S304と、S302を有する。S1200を経たS303の処理にてACLRが目標値以下とならない場合にはステップS1300の処理を行う。ステップS1300はステップS401と、S402と、S302を有する。
[ステップS402]
歪発生経路制御部28401は、ステップS401で選択された帯域と同じ側の帯域の歪成分を低減するように5次歪発生器制御部28120に指示する。5次歪発生器制御部28120は、電力増幅器330で発生する5次歪成分を低減するように従来の手法である摂動法や2次関数近似を用いた方法を用いてベクトル調整器1322,1331に与える振幅値と位相値の調整量を調整する。5次歪発生器制御部28120は、ベクトル調整器1322,1331の調整に必要となる電力増幅器330で発生する5次歪成分の電力を、歪発生経路制御部28401を介して歪測定器271から得る。ベクトル調整器1322,1331の調整が完了した場合、5次歪発生器制御部28120は調整が完了したことを歪発生経路制御部28401に通知する。ステップS402の処理では、ベクトル調整器1331,1322の順に調整することが好ましい。また、電力増幅器330の特性によってベクトル調整器1331,1321に与える振幅値と位相値の調整量を繰り返し調整することによって、より5次歪成分を低減できる場合には、調整を繰り返し行うことが好ましい。
ステップS402の処理の後、ステップS302とS303の各処理を行う。ステップS303の処理においてACLRが目標値を超える場合にはステップS1400の処理を行う。
ステップS1400はS305とS302の処理を有する。ステップS1400の処理を経たステップS303の処理においてACLRが目標値以下とならない場合にはステップS1500の処理を行う。
ステップS1500の処理はステップS403とS302の処理を有する。
[ステップS403]
歪発生経路制御部28401は、電力増幅器330で発生する5次歪成分を低減するように5次周波数特性補償器制御部28320に指示する。5次周波数特性補償器制御部28320は、従来の手法である摂動法や2次関数近似を用いた方法を用いて5次周波数特性補償器23430の分割した各帯域に与える振幅値と位相値の調整量を調整する。5次周波数特性補償器制御部28320は、5次周波数特性補償器23430の調整に必要となる電力増幅器330で発生する5次歪成分の電力を、歪発生経路制御部28401を介して歪測定器271から得る。5次周波数特性補償器23430の調整が完了した場合、5次周波数特性補償器制御部28320は調整が完了したことを歪発生経路制御部28401に通知する。
ステップS403の処理の後、ステップS302とS404の各処理を行う。ステップS404においてACLRが目標値を超える場合にはステップS1200の処理に戻る。この一連の処理を予め定めた回数繰り返してもACLRが目標値を超える場合は処理を終了してもよい。
信号処理の回数を減らして調整時間を短縮するため、ステップS1200におけるS301の後、S302とS303の各処理を行ってもよい。ステップS1300の処理についても同様である。
信号処理を簡易化するため、ステップS301とS304の間にSステップ302とS303を行ってもよい。これによってステップS301を行うことでACLRが目標値以下となる場合にステップS304の処理を行わないため、信号処理が簡易になる場合がある。S401とS402の間においても同様である。
《第3実施形態》
LTE-Advancedといった無線通信方式において、複数の周波数帯域(以下、コンポーネントキャリアともいう)を同時に使用するキャリアアグリゲーション(以下、CAともいう)と呼ばれる技術がある。本実施形態ではCAに対応するプリディストータの構成とその制御法を説明する。図17に2個のコンポーネントキャリアを不連続に配置した例を示すが、連続に配置する場合もある。この実施形態では、図17に示すように信号帯域Abと信号帯域Bbが離れた帯域にある場合のCAに対応するプリディストータを示している。ここでは、信号帯域Abと信号帯域Bbにそれぞれ1つのコンポーネントキャリアを割り当てた場合について説明するが、信号帯域Abと信号帯域Bbにそれぞれ複数のコンポーネントキャリアを割り当てた場合や、信号帯域Abと信号帯域Bb以外の第3の信号帯域を用いる場合についても同様の考え方で構成を拡張して実施できる。また、本実施形態では周波数特性補償器を示していないが、上述の方法と同様に周波数特性補償器を追加してもよい。
図17に示すように2つの帯域にコンポーネントキャリアを割り当てた信号を1つの電力増幅器で増幅した場合、図17に示す3次歪成分下側帯域Ab1,Bb1、3次歪成分上側帯域Ab2,Bb2に歪成分がそれぞれ発生する。例えば、等価低域系を仮定し、信号帯域Aを用いる複素ベースバンド信号をs1、信号帯域Bを用いる複素ベースバンド信号をs2とし、電力増幅器のモデルを3次べき級数モデルとした場合、電力増幅器で発生する歪成分Dは、次式で表せる。
Figure 0006190634
ここで、記号|・|は絶対値、*(上付きアスタリスク)は複素共役を表す。上式において、s1 22 *とs2 21 *は信号帯域Abの中心周波数と信号帯域Bbの中心周波数からそれぞれΔFだけ離れた帯域に発生する歪成分である。ΔFが大きい場合、信号帯域Abと信号帯域Bbを通過させるフィルタを設置することでs1 22 *とs2 21 *を抑圧できる。このため、s1 22 *とs2 21 *はプリディストータで補償しなくともよい。
ここでは、3次歪成分を用いた場合について説明するが、5次以上の高次歪成分を用いた場合についても同様の考え方で構成を拡張して実施できる。
図18に第3実施形態のプリディストータ50000の構成とその周辺装置を示す。この例における周辺装置は、二つの信号発生装置A,Bと、増幅装置980と、帰還信号生成装置960である。また、この例では、信号発生装置Aが発生する信号は、1つ目の周波数帯域を用いて送信する複素ベースバンド信号s1であり、I相信号とQ相信号(以下、I/Q信号ともいう)から成るディジタル信号とする。信号発生装置Bが発生する信号は、1つ目の周波数帯域とは異なる二つ目の周波数帯域を用いて送信する複素ベースバンド信号s2であり、I相信号とQ相信号(以下、I/Q信号ともいう)から成るディジタル信号とする。
プリディストータ50000は、入力された信号を合成する信号加算器308と、歪補償信号を発生するための歪発生経路309と、信号発生装置Aからの信号を信号加算器308と歪発生経路309に分配する分配器302Aと、信号発生装置Bからの信号を信号加算器308と歪発生経路309に分配する分配器302Bと、歪発生経路309で生じる遅延時間だけ信号加算器308の出力信号を遅延させる遅延器を含む線形伝達経路301と、線形伝達経路301の出力と歪発生経路309の出力を合成する信号加算器303と、信号加算器303の出力(歪補償成分が付加されたディジタルI/Q信号)をアナログI/Q信号に変換するディジタルアナログ変換器(DAC)304と、増幅装置980の出力の一部を帰還信号として取り込む帰還信号生成装置960の出力(アナログI/Q信号)をディジタルI/Q信号に変換するアナログディジタル変換器(ADC)305と、ADC305の出力から歪成分を測定する歪観測器306と、歪観測器306の出力に基づき、歪発生経路309で用いられるベクトル係数(振幅と位相)や周波数特性補償器係数(振幅と位相)などの調整量を決定する制御器307を含む。制御器307は、3次歪発生器制御部3071と、3次歪ベクトル調整器制御部3072と、歪発生経路制御部3075とを含んでいる。なお、信号発生装置A,Bの信号s1,s2が直流を中心としたベースバンド信号の場合、分配器302A,302Bは、信号帯域Abの中心周波数と信号帯域Bbの中心周波数との周波数差となるように各信号発生装置からの信号の周波数をそれぞれシフトさせる。この理由は、周波数をシフトしない場合、同一中心周波数に信号s1と信号s2が生じるからである。周波数のシフトは例えばFFTとIFFTを用いることで行うことができる。例えば、FFTによって信号s1,s2を周波数領域に変換し、それぞれの周波数を所望の周波数(例えば、信号s1に対して−ΔF/2、信号s2に対して+ΔF/2とする)にシフトさせたのちIFFTを用いることで行う。
増幅装置980は、DAC304の出力であるアナログI/Q信号を直交変調する直交変調器981と、直交変調器981からの変調出力の周波数をキャリア周波数に変換するアップコンバータ982と、アップコンバータ982の出力信号を電力増幅する電力増幅器984を含む。電力増幅された高周波信号は出力端子970から、例えば図示していないデュープレクサを介してアンテナに供給される。
帰還信号生成装置960は、増幅装置980の出力の一部を帰還信号として取り出す方向性結合器961と、帰還信号を周波数変換する周波数ダウンコンバータ962と、ダウンコンバートされた帰還信号を直交復調する直交復調器963を含む。
図19に歪発生経路309の機能ブロック図を示す。
歪補償信号発生経路909は、3次歪信号|s121を発生する3次歪発生器9092A1と3次歪信号|s121のベクトル係数(振幅と位相)の調整を行う3次歪ベクトル調整器9092A2を含む歪信号生成部9092Aと、3次歪信号|s222を発生する3次歪発生器9092B1と3次歪信号|s222のベクトル係数(振幅と位相)の調整を行う3次歪ベクトル調整器9092B2を含む歪信号生成部9092Bと、相互変調歪信号2|s221と2|s122を発生する相互変調歪生成部30950と相互変調歪信号2|s221のベクトル係数(振幅と位相)の調整を行う副3次歪ベクトル調整器90951と相互変調歪信号2|s122のベクトル係数(振幅と位相)の調整を行う副3次歪ベクトル調整器90952とを含む副歪信号生成部3095と、分配器302Aからの信号を歪信号生成部9092Aと副歪信号生成部3095にそれぞれ分配する信号分配部9091Aと、分配器302Bからの信号を歪信号生成部9092Bと副歪信号生成部3095にそれぞれ分配する信号分配部9091Bと、歪信号生成部9092Aの出力と副歪信号生成部3095の出力と歪信号生成部9092Aの出力とを合成する信号合成部3093を含む。信号合成部3093の出力は信号加算器303の入力となる。3次歪ベクトル調整器9092A2、3次歪ベクトル調整器9092B2、副3次歪ベクトル調整器90951、副3次歪ベクトル調整器90952のそれぞれで調整するベクトル係数の値は制御器307の指示に基づく。3次歪発生器9092A1の構成は、3次歪発生器23110と同じである。3次歪発生器9092B1の構成は、3次歪発生器23110と同じである。
図20に相互変調歪生成部30950の構成を示す。相互変調歪生成部30950は、計算回路309501A,309501B、ベクトル調整回路309502A,309502B、合成回路309503A,309503B、電力測定回路309504A,309504Bを含む。
計算回路309501Aは、信号分配部9091A,9091Bからの出力信号から3次歪成分(上式の2|s221)を生成する。ベクトル調整回路309502Aは、3次歪発生器制御部3071からの制御情報に基づいて信号分配部9091Aからの出力の振幅と位相を調整する。合成回路309503Aは、計算回路309501Aからの信号とベクトル調整回路309502Aからの信号を合成し、副3次歪ベクトル調整器90951へ出力する。電力測定回路309504Aは、3次歪発生器制御部3071からの指示に従い合成回路309503Aの出力における電力を測定するとともに測定した電力を3次歪発生器制御部3071に通知する。
計算回路309501Bは、信号分配部9091A,9091Bからの出力信号から3次歪成分(上式の2|s122)を生成する。ベクトル調整回路309502Bは、3次歪発生器制御部3071からの制御情報に基づいて信号分配部9091Bからの出力の振幅と位相を調整する。合成回路309503Bは、計算回路309501Bからの信号とベクトル調整回路309502Bからの信号を合成し、副3次歪ベクトル調整器90952へ出力する。電力測定回路309504Bは、3次歪発生器制御部3071からの指示に従い合成回路309503Bの出力における電力を測定するとともに測定した電力を3次歪発生器制御部3071に通知する。
副3次歪ベクトル調整器90951は、3次歪ベクトル調整器制御部3072からの制御情報に基づいて相互変調歪生成部30950の出力の振幅と位相を調整する。副3次歪ベクトル調整器90952は、3次歪ベクトル調整器制御部3072からの制御情報に基づいて相互変調歪生成部30950の出力の振幅と位相を調整する。
図21と図22を参照して歪発生経路制御部3075の動作を示す。ステップS300、S301、S304はそれぞれ第1実施形態のステップS300、S301、S304とそれぞれ同じであるため説明を省略する。また、図21と図22にて、実質的に同じ処理には手順の前後に関わらず同じステップ番号を付与して重複説明を省略する。
[ステップS2000]
歪発生経路制御部3075は、ステップS300の処理と同様の処理によって干渉が予め定められた範囲内となるように3次歪発生器9092A1,9092B1、ベクトル調整回路309502A,309502Bを調整するように3次歪発生器制御部3071に指示し、3次歪発生器制御部3071の制御の下でそれぞれの位相と振幅が調整される(S300p,S300q,S300r,S300s)。ここで、3次歪発生器9092A1,9092B1、ベクトル調整回路309502A,309502Bを順番に制御してもよいものの、同時並行的に行うことによって高速化を図れる場合がある。
歪発生経路制御部3075は、ステップS301の処理と同様の処理によって3次歪成分下側帯域Ab1と3次歪成分上側帯域Ab2のうちどちらか一方の歪成分を選択するとともに、3次歪成分下側帯域Bb1と3次歪成分上側帯域Bb2のうちどちらか一方の歪成分を選択し、選択された歪成分を低減するように3次歪ベクトル調整器制御部3072に指示し、3次歪ベクトル調整器制御部3072の制御の下でそれぞれの位相と振幅が調整される(S301p,S301q,S301r,S301s)。ここで、3次歪ベクトル調整器9092A2と副3次歪ベクトル調整器90951を調整する場合、選択された帯域の電力は歪測定器306によって測定される。3次歪ベクトル調整器9092B2と副3次歪ベクトル調整器90952を調整する場合、選択された帯域の電力は歪測定器306によって測定される。また、3次歪ベクトル調整器9092A2,9092B2の処理を同時並行的に行うことで高速化を図れる場合がある。副3次歪ベクトル調整器90951,90952の処理を同時並行的に行う場合も同様である。
3次歪ベクトル調整器9092A2,9092B2、副3次歪ベクトル調整器90951,90952の調整が終わった後、歪発生経路制御部3075は、ACLRを測定するように歪測定器306に指示する。歪測定器306は、測定したACLRを歪発生経路制御部3075に通知する。ACLRの測定は送信帯域Ab,Bbについてそれぞれ行う(S2001)。
[ステップS2100]
歪発生経路制御部3075は、歪測定器306から通知された送信帯域Ab,Bbの上側/下側ACLRがどちらも予め定めた目標値以下となる場合、処理を終了する。ACLRが予め定めた目標値を超える場合、以下に示すステップS2200に遷移する。
[ステップS2200]
歪発生経路制御部3075は、ステップS2000で選択された歪成分を低減するように3次歪発生器制御部3071と3次歪ベクトル調整器制御部3072にそれぞれ指示する。3次歪発生器制御部3071は、ステップS304の処理と同様の処理によって3次歪発生器9092A1,9092B1、ベクトル調整回路309502A,309502Bを制御する。3次歪ベクトル調整器制御部3072は、ステップS301の処理と同様の処理によって3次歪ベクトル調整器9092A2,9092B2、副3次歪ベクトル調整器90951,90952を制御する(S301p,S301q,S301r,S301s)。
3次歪発生器9092A1,9092B1、ベクトル調整回路309502A,309502B、3次歪ベクトル調整器9092A2,9092B2、副3次歪ベクトル調整器90951,90952の調整が終わった後、ステップS2001の処理と同様の処理によってACLRを測定する。
ACLRが目標値以下となる場合、処理を終了する。ACLRが予め定めた目標値を超える場合、ステップS2200の処理を繰り返し行う。
第3実施形態では、二つの異なる周波数帯域を同時に使用する信号を一つの信号発生装置によって発生できない場合を想定した。本発明の実施形態は、このような場合に限定されるものではない。一つの信号発生装置が複数の異なる周波数帯域を同時に使用する信号を発生する場合、当該信号を分波してから帯域ごとに歪信号の生成と調整の各処理を行うことによって、上記各実施形態に帰着させることができる。

Claims (6)

  1. 電力増幅器で発生する歪成分を打ち消すような歪補償信号を入力信号に予め付加するプリディストータであって、
    Kを予め定められた2以上の整数として、
    上記入力信号を遅延伝達する線形伝達経路と、
    上記入力信号の(2K−1)次歪信号を生成する(2K−1)次歪発生器と、当該(2K−1)次歪信号の振幅と位相を調整する(2K−1)次歪ベクトル調整器とを含み、上記歪補償成分を出力する歪発生経路と、
    上記線形伝達経路の出力と上記歪発生経路の出力とを合成する合成器と、
    上記合成器の出力に対して電力増幅を行う上記電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力を測定する歪測定器と、
    上記歪測定器の測定結果に基づいて上記歪発生経路の制御を行う制御器と
    を含み、
    上記(2K−1)次歪発生器は、上記入力信号から上記(2K−1)次歪信号および(2K−1)次未満の各信号を生成するとともに、当該(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相を調整し、
    上記制御器は、上記電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力が予め定められた基準を満たすように、上記(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相の調整量を決定する
    ことを特徴とするプリディストータ。
  2. 請求項1に記載のプリディストータであって、
    上記(2K−1)次歪発生器は、
    K=2の場合:
    上記入力信号を用いて(2K−1)次歪信号を発生する(2K−1)乗算器と、
    上記入力信号の振幅と位相を調整するベクトル調整器と、
    上記ベクトル調整器の出力と上記(2K−1)乗算器の出力を加算し、加算結果を上記(2K−1)次歪発生器の出力とする加算器とを含み、
    K>2の場合:
    jは2≦j<Kを満たす各整数を表すとして、
    上記入力信号を用いて(2K−1)次歪信号を発生する(2K−1)乗算器と、
    上記入力信号の振幅と位相を調整するベクトル調整器と、
    上記入力信号を用いて(2j−1)次歪信号を発生する(2j−1)乗算器と、上記(2j−1)次歪信号の振幅と位相を調整する(2j−1)次ベクトル調整器と、
    上記(2j−1)次ベクトル調整器の出力と上記ベクトル調整器の出力と上記(2K−1)乗算器の出力を加算し、加算結果を上記(2K−1)次歪発生器の出力とする加算器を含み、
    上記制御器は、
    K=2の場合:
    上記ベクトル調整器に与える振幅と位相の調整量を決定し、
    K>2の場合:
    上記ベクトル調整器に与える振幅と位相の調整量と、上記(2j−1)次ベクトル調整器のそれぞれに与える振幅と位相の調整量を決定する
    ことを特徴とするプリディストータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプリディストータであって、
    上記(2K−1)次歪ベクトル調整器による上記調整は、上記(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相の調整を経た上記(2K−1)次歪信号の振幅と位相に対して行われる
    ことを特徴とするプリディストータ。
  4. 電力増幅器で発生する歪成分を打ち消すような歪補償信号を、複数のコンポーネントキャリアを含む入力信号に予め付加するプリディストータであって、
    Kを予め定められた2以上の整数として、
    上記コンポーネントキャリアの信号を遅延伝達する線形伝達経路と、
    上記コンポーネントキャリアごとに当該コンポーネントキャリアの信号だけを用いて得られる(2K−1)次の自己歪信号を生成する(2K−1)次自己歪信号発生器と、互いに異なる二つ以上の上記コンポーネントキャリアの信号を用いて得られる相互変調歪信号のうち少なくとも一部(以下、自己歪信号と相互変調歪信号のうち少なくとも一部を歪信号と総称する)のそれぞれを生成する相互変調歪信号生成器と、これら歪信号それぞれに対応して設けられており、対応する歪信号の振幅と位相を調整するベクトル調整器とを含み、上記歪補償信号を出力する歪発生経路と、
    上記線形伝達経路の出力と上記歪補償信号発生経路の出力とを合成する合成器と、
    上記合成器の出力に対して電力増幅を行う上記電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力を測定する歪測定器と、
    上記歪測定器の測定結果に基づいて上記歪発生経路の制御を行う制御器と
    を含み、
    上記(2K−1)次自己歪信号発生器は、上記(2K−1)次自己歪信号および当該(2K−1)次自己歪信号の生成に用いた上記コンポーネントキャリアの信号だけを用いて得られる(2K−1)次未満の各信号を生成するとともに、当該(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相を調整し、
    上記相互変調歪信号生成器は、上記相互変調歪信号生成器に入力される信号の振幅と位相を調整し、
    上記制御器は、上記電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力が予め定められた基準を満たすように、上記(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相の調整量と、上記相互変調歪信号生成器に入力される信号の振幅と位相の調整量を決定する
    ことを特徴とするプリディストータ。
  5. 電力増幅器で発生する歪成分を打ち消すような歪補償信号を入力信号に予め付加するプリディストータの制御方法であって、
    上記プリディストータは、
    Kを予め定められた2以上の整数として、
    上記入力信号を遅延伝達する線形伝達経路と、
    上記入力信号の(2K−1)次歪信号を生成する(2K−1)次歪発生器と、当該(2K−1)次歪信号の振幅と位相を調整する(2K−1)次歪ベクトル調整器とを含み、上記歪補償成分を出力する歪発生経路と、
    上記線形伝達経路の出力と上記歪発生経路の出力とを合成する合成器と、
    上記合成器の出力に対して電力増幅を行う上記電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力を測定する歪測定器と、
    上記歪測定器の測定結果に基づいて上記歪発生経路の制御を行う制御器と
    を含み、
    上記制御方法は、
    上記(2K−1)次歪発生器が、上記入力信号から上記(2K−1)次歪信号および(2K−1)次未満の各信号を生成するとともに、当該(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相を調整するステップと、
    上記制御器が、上記電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力が予め定められた基準を満たすように、上記(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相の調整量を決定するステップと
    を有することを特徴とするプリディストータの制御方法。
  6. 電力増幅器で発生する歪成分を打ち消すような歪補償信号を、複数のコンポーネントキャリアを含む入力信号に予め付加するプリディストータの制御方法であって、
    上記プリディストータは、
    Kを予め定められた2以上の整数として、
    上記コンポーネントキャリアの信号を遅延伝達する線形伝達経路と、
    上記コンポーネントキャリアごとに当該コンポーネントキャリアの信号だけを用いて得られる(2K−1)次の自己歪信号を生成する(2K−1)次自己歪信号発生器と、互いに異なる二つ以上の上記コンポーネントキャリアの信号を用いて得られる相互変調歪信号のうち少なくとも一部(以下、自己歪信号と相互変調歪信号のうち少なくとも一部を歪信号と総称する)のそれぞれを生成する相互変調歪信号生成器と、これら歪信号それぞれに対応して設けられており、対応する歪信号の振幅と位相を調整するベクトル調整器とを含み、上記歪補償信号を出力する歪発生経路と、
    上記線形伝達経路の出力と上記歪補償信号発生経路の出力とを合成する合成器と、
    上記合成器の出力に対して電力増幅を行う上記電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力を測定する歪測定器と、
    上記歪測定器の測定結果に基づいて上記歪発生経路の制御を行う制御器と
    を含み、
    上記制御方法は、
    上記(2K−1)次自己歪信号発生器が、上記(2K−1)次自己歪信号および当該(2K−1)次自己歪信号の生成に用いた上記コンポーネントキャリアの信号だけを用いて得られる(2K−1)次未満の各信号を生成するとともに、当該(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相を調整するステップと、
    上記相互変調歪信号生成器が、上記相互変調歪信号生成器に入力される信号の振幅と位相を調整するステップと、
    上記制御器が、上記電力増幅器の出力に含まれる隣接チャネル漏洩電力が予め定められた基準を満たすように、上記(2K−1)次未満の各信号の振幅と位相の調整量と、上記相互変調歪信号生成器に入力される信号の振幅と位相の調整量を決定するステップと
    を有することを特徴とするプリディストータの制御方法。
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